JP6251001B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、グリーンシート用バインダーとして用いた場合に、適度な引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を発現することができる樹脂組成物に関する。
従来、ポリビニルアセタール樹脂は、強靭性、造膜性、顔料等の無機粉体や有機粉体の分散性、塗布面への接着性に優れていることから、種々の用途に利用されている。
具体的なポリビニルアセタール樹脂の用途としては、例えば、インクやコンデンサ等のバインダーが知られており、なかでも積層セラミックコンデンサ等の積層電子部品の材料として多く用いられている。
このような積層電子部品は、一般的には次のような工程を経て製造されている。まず、ポリビニルアセタール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等の有機バインダー樹脂を、有機溶剤に溶解した溶液に可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加え均一に混合し、脱泡後に一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。このスラリー組成物を、離型処理したPETフィルムまたはSUSプレート等の支持体面に流延成形する。これを加熱等により溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
得られたセラミックグリーンシート上に、パラジウム、銀、ニッケル等の導電材を含有する電極層用ペーストを所定パターンで印刷する。得られた印刷後のセラミックグリーンシートを複数枚重ねて積層し、プレス切断工程を経てセラミックグリーンチップを得る。そして、得られたセラミックグリーンチップ中に含まれるバインダー成分等を熱分解して除去する処理、いわゆる脱脂処理を行った後、焼成して得られるセラミック焼成物の端面等に外部電極を形成する工程を経て積層電子部品を製造する。
近年、積層電子部品については更なる小型化、大容量化が求められている。積層セラミックコンデンサの薄層化に伴い、セラミックグリーンシートについても、より一層の多層化、薄層化が求められており、シート強度が必要となっている。
セラミックグリーンシートに適度な強度を得るために、ポリビニルアセタール樹脂と、アクリル樹脂を含有する樹脂組成物をバインダーとして用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、アクリル樹脂との相溶性に優れた変性ポリビニルアセタール樹脂が記載されている。また、特許文献2には、エチルセルロース、(メタ)アクリル樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、特定の有機化合物と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストが記載されており、表面平滑性に優れた焼結層を形成できることが記載されている。
一方、近年の環境問題に対する関心の高まりに伴い、有機溶剤は、環境汚染、毒性、爆発事故等の危険性等の問題を抱えていることから、セラミックグリーンシートの製造において、有機溶剤の代わりに水を含有する溶媒を用いることが提案されている。そのため、セラミックグリーンシートに混合するバインダーとしては、水を含有する媒体に溶解させることができる水溶性のバインダーが求められている。
しかしながら、水溶性のバインダーとしてポリビニルアセタール樹脂を用い、例えば、水とアルコールとの混合溶液を用いて樹脂組成物を作製し、該樹脂組成物をバインダーとして用いてセラミックグリーンシートを製造した場合、耐水性が低く、シート強度が低下するという問題があった。
特開2012−241043号公報 国際公開第2011/016442号パンフレット
本発明は、グリーンシート用バインダーとして用いた場合に、適度な引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を発現することができる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び、溶媒を含有し、前記ポリビニルアセタール樹脂は、芳香族アルデヒドを用いてアセタール化されており、アセタール化度が2〜20モル%、水酸基量が60〜98モル%であり、カルボキシル基又はアミノ基を有し、前記(メタ)アクリル樹脂は、水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する樹脂組成物である。
本発明者らは、所定の構造を有するポリビニルアセタール樹脂、所定の(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する(メタ)アクリル樹脂及び溶媒を含有する樹脂組成物をセラミックグリーンシートの材料として用いた場合に、適度な引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を発現することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の樹脂組成物は、ポリビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び、溶媒を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とを含有することで、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートに適度な引張強度及び表面硬度を付与することができる。更に水を含有する媒体を用いた場合でも、優れた耐水性を有するセラミックグリーンシートを得ることができる。
セラミックグリーンシートの表面硬度が高いことで、セラミックグリーンシートを複数枚重ねて積層した場合に変形を少なくすることができる。また、セラミックグリーンシートが優れた耐水性を有することで、シート強度の低下を防ぐことができる。
なお、上記(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を総称するものであり、上記(メタ)アクリルモノマーとは、アクリルモノマー及びメタクリルモノマーを総称するものとする。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、芳香族アルデヒドを用いてポリビニルアルコールがアセタール化されている。
芳香族アルデヒドを用いてアセタール化されていることにより、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートに耐水性を付与することができる。
上記アセタール化の方法は特に限定されず、例えば、酸触媒存在下で、上記ポリビニルアルコールの水溶液、アルコール溶液、水とアルコールの混合溶液、又は、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液に、芳香族アルデヒドを添加する方法等の従来公知の方法を用いることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化に用いられる芳香族アルデヒドは、例えば、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、その他のフェニル置換アルキルアルデヒド等が挙げられる。更に芳香環にヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基などの置換基を有する芳香族系アルデヒド等が挙げられる。なかでも、ベンズアルデヒドが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化には、上記芳香族アルデヒド以外のアルデヒドを併せて用いてもよい。
上記芳香族アルデヒド以外のアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。
上記芳香族アルデヒドと上記芳香族アルデヒド以外のアルデヒドとを併せて用いる場合に、アルデヒド全体に対する上記芳香族アルデヒドの含有量は、好ましい下限が90重量%であり、好ましい上限が100重量%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の下限は2モル%であり、上限は20モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が2モル%未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂の水溶性が高くなるため、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とが混合し難くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が20モル%を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂の接着性が低下し、上記(メタ)アクリル樹脂との混合がし難くなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は2.5モル%、好ましい上限は17モル%である。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、アルデヒドでアセタール化された水酸基数の割合をいう。ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の下限は60モル%であり、上限は98モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が60モル%未満であると、上記(メタ)アクリル樹脂と混合し難くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が98モル%を超えると、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートに適度なシート強度を付与することが出来ない。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい下限は65モル%、好ましい上限は90モル%、より好ましい下限は70モル%、より好ましい上限は85モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量の好ましい下限が1.0モル%、好ましい上限が20モル%である。アセチル基量が1.0モル%未満であると、(メタ)アクリル樹脂との混合が困難になることがある。上記アセチル基量が20モル%を超えると、(メタ)アクリル樹脂との混合が困難になることがある。上記アセチル基量のより好ましい下限は1.2モル%、より好ましい上限は18.0モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度は特に限定されないが、好ましい下限は200、好ましい上限は4500である。上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度が200未満であると、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合、シート強度等の機械特性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度が4500を超えると、上記(メタ)アクリル樹脂と上記ポリビニルアセタール樹脂とが分離してしまうことがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボキシル基を有することが好ましい。
上記カルボキシル基を有することで、(メタ)アクリル樹脂や架橋剤との反応性が向上し、耐水性が改善される。
なお、上記カルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂は、例えば、カルボキシル基を含有するポリビニルアルコールをアセタール化することにより得ることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が2.0モル%である。上記カルボキシル基量が0.1モル%未満であると、反応性が低下し、耐水性が低下することがある。上記カルボキシル基量が2.0モル%を超えると、(メタ)アクリル樹脂との混合が難しくなることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量の好ましい下限は0.2モル%、好ましい上限は1.8モル%である。
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量とは、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合を意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アミノ基を有することが好ましい。
上記アミノ基を有することで、(メタ)アクリル樹脂や架橋剤との反応性が向上し、耐水性が改善される。
なお、上記アミノ基を有するポリビニルアセタール樹脂は、例えば、アミノ基を含有するポリビニルアルコールをアセタール化することにより得ることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアミノ基量は、好ましい下限が0.1モル%、好ましい上限が12.0モル%である。上記アミノ基量が0.1モル%未満であると、耐水性が低下することがある。上記アミノ基量が12.0モル%を超えると、(メタ)アクリル樹脂と混合が難しくなることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂のアミノ基量の好ましい下限は0.15モル%、好ましい上限は10.0モル%である。
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のアミノ基量とは、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるアミノ基を有する構成単位の割合を意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂の樹脂組成物全体に対する含有量は、好ましい下限が0.1重量%、好ましい上限が30重量%であり、より好ましい下限が1重量%、より好ましい上限が25重量%である。
上記(メタ)アクリル樹脂は、水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する。
上記(メタ)アクリル樹脂が、水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することで、水とアルコールの混合溶媒に相溶することができ、また、接着性を向上させることができる。更に、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートにシート強度を付与することができる。
上記水酸基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記カルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチル、アクリル酸3−カルボキシプロピル等が挙げられる。
上記水酸基又はカルボキシル基を1以上有するポリビニルアセタール樹脂と、(メタ)アクリル樹脂とが化学結合することで、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートに、水とアルコールの混合溶媒に対する溶解性が低下し難くなり、得られるセラミックグリーンシートの表面の平滑性や厚さの均一性を得ることが可能となる。
上記(メタ)アクリル樹脂全体に対する、上記水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントの含有量の好ましい下限は60重量%であり、好ましい上限は95重量%であり、より好ましい下限は70重量%であり、より好ましい上限は90重量%である。
上記水酸基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーは、炭素原子7個に対して、1.5個以上の水酸基を有することが好ましい。これにより、水とアルコールの混合溶媒に相溶が可能である。
上記(メタ)アクリル樹脂は、ホモポリマーのガラス転移点が5℃以上である(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することが好ましい。
上記ホモポリマーのガラス転移点が5℃以上である(メタ)アクリルモノマーのホモポリマーのガラス転移点の好ましい上限は100℃である。
また、上記(メタ)アクリル樹脂は、ホモポリマーのガラス転移点が5℃以上である(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを5〜50重量%含有することが好ましい。
上記ホモポリマーのガラス転移点が5℃以上である(メタ)アクリルモノマーとしては、メチルメタクリレート(ホモポリマーのガラス転移点が105℃)、エチルメタクリレート(ホモポリマーのガラス転移点が65℃)、シクロヘキシルメタクリレート(ホモポリマーのガラス転移点が66℃)、イソプロピルメタクリレート(ホモポリマーのガラス転移点が81℃)等が挙げられる。
上記ガラス転移点(Tg)は、上記(メタ)アクリルモノマーのホモポリマーを作製し、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC−6200R)を用いて、昇温速度10℃/分で、JIS K 7121に準拠して測定することができる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂が、エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することで、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの耐水性及びシート強度を向上させることができる。
上記エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリル酸4−(グリシジルオキシ)ブチル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂が、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することで、水とアルコールの混合溶媒に相溶することができ、また、接着性を向上させることができる。更に、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートにシート強度を付与することができる。
上記水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーとしては、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂が、エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することで、得られる樹脂組成物の接着性を向上させることができ、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を向上させることができる。
上記エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーは、例えば、上記エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマー、上記水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーを重合することで得ることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基の両側に水酸基を有することがより好ましい。
エポキシ基の両側に水酸基を有することで、後述のように上記ポリビニルアセタール樹脂と架橋した場合であっても、得られる樹脂組成物の接着性を維持することができ、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を向上させることができる。
上記エポキシ基の両側に水酸基を有する構造としては、エポキシ基を構成する2つの炭素原子を含む炭素鎖において、エポキシ基を構成する2つの炭素原子にそれぞれ1以上の水酸基が結合していてもよいし、エポキシ基を挟むようにエポキシ基を構成する2つの炭素原子以外の炭素原子に水酸基が結合していてもよい。
上記エポキシ基の両側に水酸基を有する構造は、例えば、上記エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマー、上記水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマー、及び/又は、上記エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーを含有する(メタ)アクリルモノマーを重合することで得ることができる。
上記(メタ)アクリルモノマーを重合する方法は特に限定されず、例えば、フリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の通常の(メタ)アクリルモノマーの重合に用いられる方法が挙げられる。
上記(メタ)アクリルモノマーの重合に重合開始剤を用いる場合、用いる重合開始剤は、特に限定されない。
上記重合開始剤の全量を重合開始時に一度に添加してもよく、数回に分割して添加してもよい。上記重合開始剤を数回に分割して添加した場合、残留オリゴマー等の低分子量成分を含まないアクリル樹脂を得ることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂の樹脂組成物全体に対する含有量は、好ましい下限が0.05重量%、好ましい上限が50重量%であり、より好ましい下限が0.1重量%、より好ましい上限が40重量%、更に好ましい上限が30重量%である。
上記溶媒は、水を含有する溶媒、有機溶媒であることが好ましく、上記水を含有する溶媒は、水と有機溶媒の混合溶媒であってもよい。
特に、上記溶媒は、水とアルコールの混合溶媒、又は、有機溶媒であることが好ましい。
水とアルコールの混合溶媒、又は、有機溶媒を用いることで、上記(メタ)アクリルモノマーを容易に溶解させることができる。
上記水とアルコールの混合溶媒としては、水と、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、エタノール等のアルコールの混合溶媒が挙げられる。なお、上記アルコールは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテートテキサノール、イソホロン、乳酸ブチル、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ベンジルアルコール、フェニルプロピレングリコール、クレゾール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール等が挙げられる。
なかでも、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テキサノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノールが好ましく、テルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、イソプロピルアルコール、1−プロパノールがより好ましい。なお、上記有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合、上記有機溶媒として、グリーンシート製造時に用いるトルエン、酢酸ブチル、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒を用いることもできる。
上記溶媒の含有量は、上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂の合計100重量部に対して、好ましい下限が75重量%、好ましい上限が99.5重量%である。
上記溶媒の含有量が上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂の合計100重量部に対して)、75重量%未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とが混合し難くなることがあり、99.5重量%を超えると、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度及び表面硬度が充分に得られないことがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とが架橋されていることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とが架橋されていることで、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度、表面強度及び優れた耐水性を向上させることができる。特に耐水性を向上させることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とを架橋する方法としては、架橋剤を用いる方法が挙げられる。
上記架橋剤としては、イソシアネート、エポキシ基を有する架橋剤等が挙げられる。エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、三菱化学社製 jER(登録商標)シリーズ(W2801、W2821R70、W3435R67、W8735R70)等が挙げられる。
また、上記架橋剤として、アルコキシ金属を使用してもよい。上記アルコキシ金属としては、例えば、テトラブトキシチタン、テトラプロピルオキシチタン、テトラエトキシシラン、チタンラクテート(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリルと樹脂の合計量に対する、上記架橋剤の添加量は、好ましい上限が20重量%であり、好ましい下限が1重量%である。上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリルと樹脂の合計量に対する、上記架橋剤の添加量が1重量%未満であると、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度が不充分となることがあり、20重量%を超えると、分離することがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記(メタ)アクリル樹脂とが架橋する他の方法としては、例えば、カルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂と、エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する(メタ)アクリル樹脂とを混合、加熱することにより架橋する方法等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂が有するエポキシ基と上記ポリビニルアセタール樹脂が有する水酸基又はカルボキシル基とが架橋することで、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度、表面強度及び優れた耐水性を向上させることができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂は、例えば、混合、加熱して架橋した後に、後述する無機微粒子分散ペーストに用いてもよいし、無機微粒子分散ペーストを製造する工程で、上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂を混合、加熱して架橋してもよい。また、本発明の樹脂組成物を用いて無機微粒子分散ペーストを製造し、PETフィルム等の支持体面に塗布した後に加熱して架橋し、後述するグリーンシートを製造してもよい。
特に、カルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂と、エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する(メタ)アクリル樹脂とを併せて用いることが好ましい。
上記架橋により、上記ポリビニルアセタール樹脂が有する水酸基の一部が架橋されるため、接着性に関与する水酸基量は減少するが、上記(メタ)アクリル樹脂は、更に水酸基又はカルボキシル基を2以上有するため、得られる樹脂組成物の接着性を維持することができる。そのため、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度を向上させることができる。
更に、上記(メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基の両側に水酸基を有することで、得られる樹脂組成物の接着性の低下をより効果的に抑制することができ、本発明の樹脂組成物をグリーンシート用バインダーとして用いる場合に、得られるセラミックグリーンシートの引張強度、表面強度及び優れた耐水性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記ポリビニルアセタール樹脂40〜99.5重量部に対して、上記(メタ)アクリル樹脂を0.5〜60重量部配合することが好ましく、上記ポリビニルアセタール樹脂50〜99重量部に対して、上記(メタ)アクリル樹脂を1〜50重量部配合することがより好ましい。
本発明の樹脂組成物、分散媒、及び、無機微粒子を用いて、無機微粒子分散ペーストを製造することができる。
上記分散媒は特に限定されず、上記溶媒と同様のものを用いることができる。
上記無機微粒子分散ペーストにおける上記分散媒の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が0.1重量%、好ましい上限が20重量%である。上記分散媒の含有量が上記範囲を外れると、上記無機微粒子分散ペーストの塗工性が低下したり、無機微粒子を分散させることが困難となったりすることがある。上記無機微粒子分散ペーストにおける上記分散媒の含有量は、より好ましい下限が1重量%、より好ましい上限が15重量%である。
上記無機微粒子分散ペーストにおける上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂の合計量は特に限定されないが、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が30重量%である。上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂の合計量が上記範囲内であれば、低温で焼結しても脱脂することのできる無機微粒子分散ペーストを製造することができる。上記無機微粒子分散ペーストにおける上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記(メタ)アクリル樹脂の合計量は、より好ましい下限が10重量%、より好ましい上限が20重量%である。
上記無機微粒子分散ペーストに含まれる無機微粒子は特に限定されず、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、低融点ガラス、蛍光体、種々のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属錯体等が挙げられる。上記低融点ガラスは特に限定されず、例えば、CaO−Al−SiO系無機ガラス、MgO−Al−SiO系無機ガラス、LiO−Al−SiO系無機ガラス等が挙げられる。また、上記蛍光体は特に限定されず、例えば、BaMgAl1017:Eu、ZnSiO:Mn、(Y、Gd)BO:Eu等が挙げられる。
上記無機微粒子分散ペーストにおける上記無機微粒子の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が90重量%である。上記無機微粒子の含有量が10重量%未満であると、上記無機微粒子分散ペーストの粘度が充分に得られず、塗工性が低下することがある。上記無機微粒子の含有量が90重量%を超えると、上記無機微粒子を分散させることが困難になることがある。上記無機微粒子分散ペーストにおける上記無機微粒子の含有量は、より好ましい下限が30重量%、より好ましい上限が80重量%であり、更に好ましい下限が50重量%、更に好ましい上限が70重量%である。
上記無機微粒子分散ペーストは更に、アミノシラン系シランカップリング剤等の密着促進剤、ノニオン系界面活性剤、可塑剤、粘着付与剤、保存安定剤、消泡剤、熱分解促進剤、酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は特に限定されず、通常用いられる添加剤を必要に応じて選択することができる。
上記無機微粒子分散ペーストを製造する方法は特に限定されず、例えば、各成分をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の混合機を用いて混合する方法等の従来公知の方法が挙げられる。
上記無機微粒子分散ペーストは、無機微粒子としてガラス粉末又はセラミック粉末を用いることで、グリーンシートの材料として用いることができる。
グリーンシートの材料として上記無機微粒子分散ペーストを用いることにより、グリーンシート製造時に低温で脱脂処理することができ、焼結中の無機微粒子の酸化を最低限度に抑えることができる。
上記無機微粒子分散ペーストを用いてグリーンシートを製造する場合、トルエン、酢酸ブチル、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を用いることが特に好ましい。また、本上記無機微粒子分散ペーストにおける分散媒の含有量は特に限定されず、用いる塗工方法によって適宜選択することができる。更に、上記無機微粒子分散ペーストにおける無機微粒子の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が50重量%、好ましい上限が95重量%である。含有量が50重量%未満であると、樹脂分が多く焼結性に問題が発生する可能性がある。含有量が95重量%を超えると、上記無機微粒子等を分散させることが難しく、シート化できないことがある。
上記グリーンシートは、片面離型処理を施した支持フィルム上に上記無機微粒子分散ペーストを塗工した後、分散媒を乾燥させてシート状に成形することによって製造することができる。
より具体的には、例えば、上記樹脂組成物に、界面活性剤、分散剤、可塑剤等の添加剤を添加し、攪拌して均一なビヒクルを製造した後、無機微粒子を添加し、ボールミル等の分散装置を用いて均一に分散させて上記無機微粒子分散ペーストを得る。次いで、得られた無機微粒子分散ペーストを、ロールコーター、ブレードコーター、ダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーター等を用いて支持フィルム上に塗工し、均一な塗膜を形成することにより、上記グリーンシートを製造することができる。
上記グリーンシートを製造する際に用いる支持フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有し、更に、可撓性を有する樹脂からなることが好ましい。上記支持フィルムが可撓性を有する樹脂からなることにより、ロールコーター、ブレードコーター等によって支持フィルム上に上記無機微粒子分散ペーストを塗工することができ、得られるグリーンシート形成フィルムをロール状に巻回した状態で保存し、必要に応じて供給することができる。
上記支持フィルムを構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレン等の含フッ素樹脂、ナイロン、セルロース、ガラス等が挙げられる。また、上記支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。上記支持フィルムの表面に離型処理が施されていることにより、転写工程において、上記支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
本発明によれば、グリーンシート用バインダーとして用いた場合に、適度な引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を発現することができる樹脂組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)ポリビニルアセタール樹脂の製造
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度88モル%)350重量部を含有する水溶液3000重量部に35重量%の塩酸170重量部とベンズアルデヒド41重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計42重量部を添加し、液温を10℃に保持しながら5時間アセタール化反応を行い、スポンジ状の反応物を得た。この反応物を水洗中和して塩酸触媒及び未反応アルデヒドを除去した後、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度10モル%、水酸基量78モル%であった。
(2)(メタ)アクリル樹脂の製造
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール100重量部、(メタ)アクリルモノマーとしてメチルメタクリレート(MMA)30重量部、及び、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)70重量部を混合し、混合溶液を得た。メチルメタクリレートは、エポキシ基、水酸基及びカルボキシル基を有さない。
得られた混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸ブチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸ブチル溶液を数回添加した。重合開始から7時間後、反応溶液を室温まで冷却し、(メタ)アクリルモノマーの重合を終了させた。これにより(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られた(メタ)アクリル樹脂溶液について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲル浸透クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、62500であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるMMAに由来するセグメントの含有量30重量部とHEMAに由来するセグメントの含有量70重量部であった。
(3)樹脂組成物の調製
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が8重量%となるように、水60重量部とイソプロピルアルコール40重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が15重量%となるように、イソプロピルアルコールに溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:8重量%)50重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:15重量%)50重量部とを混合し、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(実施例2)
(メタ)アクリルモノマーとして、メチルメタクリレート20重量部、及び、2−ヒドロキシエチルメタクリレート80重量部を加えた以外は実施例1と同様にして、(メタ)アクリル樹脂を得た。得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量を、実施例1と同様の方法により測定したところ65700であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるMMAに由来するセグメントの含有量、及び、HEMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ20重量%、80重量%であった。得られた(メタ)アクリル樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
(実施例3)
実施例1で用いたポリビニルアセタール樹脂溶液50重量部及び(メタ)アクリル樹脂溶液50重量部を実施例1と同様に混合し、その後、架橋剤としてイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズ(登録商標))5重量部を加え、混合することでポリビニルアセタール樹脂と(メタ)アクリル樹脂との樹脂組成物を得た。
(実施例4)
実施例2で用いたポリビニルアセタール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を用いた以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物を得た。
(実施例5)
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度88モル%、カルボキシル基量0.2モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度10モル%、水酸基量77モル%、カルボキシル基量0.2モル%であった。
(メタ)アクリルモノマーとして、メチルメタクリレート20重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート75重量部、及び、グリシジルメタクリレート(GMA)5重量部を加えた以外は実施例1と同様にして(メタ)アクリル樹脂を得た。グリシジルメタクリレートは、1つのエポキシ基を有する。得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量を、実施例1と同様の方法により測定したところ65700であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるMMAに由来するセグメントの含有量、HEMAに由来するセグメントの含有量、及び、GMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ20重量%、75重量%、5重量%であった。
実施例1と同様に、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が8重量%のポリビニルアセタール樹脂溶液、及び、(メタ)アクリル樹脂の含有量が15重量%の(メタ)アクリル樹脂溶液を調製し、得られたポリビニルアセタール樹脂溶液98重量部(ポリビニルアセタール樹脂含有量:8重量%)及び(メタ)アクリル樹脂2重量部((メタ)アクリル樹脂含有量:15重量%)を混合することでポリビニルアセタール樹脂とアクリル樹脂との架橋を行い、樹脂組成物を得た。
(実施例6)
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度88モル%、カルボキシル基量1.5モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度10モル%、水酸基量77モル%、カルボキシル基量1.5モル%であった。得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例5と同様にして、樹脂組成物を得た。
(実施例7)
実施例5と同様のポリビニルアルコールを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度10モル%、水酸基量78モル%、カルボキシル基量0.2モル%であった。
(メタ)アクリルモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)40重量部、グリセリンモノメタクリレート(GLM)55重量部、及び、グリシジルメタクリレート(GMA)5重量部を加えた以外は実施例1と同様にして(メタ)アクリル樹脂を得た。グリセリンモノメタクリレートは、2つの水酸基を有する。得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量を、実施例1と同様の方法により測定したところ65700であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるHEMAに由来するセグメントの含有量、GLMに由来するセグメントの含有量、及び、GMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ40重量%、55重量%、5重量%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を用いた以外は実施例5と同様にして、樹脂組成物を得た。
(実施例8)
(1)ポリビニルアセタール樹脂の製造
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度99.5モル%、カルボキシル基量1.5モル%)350重量部を含有する水溶液3000重量部に35重量%の塩酸170重量部とベンズアルデヒド13重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計14重量部を添加し、液温を10℃に保持しながら5時間アセタール化反応を行い、スポンジ状の反応物を得た。この反応物を水洗中和して塩酸触媒及び未反応アルデヒドを除去した後、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度3モル%、水酸基量95モル%、カルボシキル基量1.5モル%であった。
(2)(メタ)アクリル樹脂の製造
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール100重量部、(メタ)アクリルモノマーとしてHEMA40重量部、GLM50重量部、及び、GMA10重量部を混合し、混合溶液を得た。
得られた混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸ブチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸ブチル溶液を数回添加した。重合開始から7時間後、反応溶液を室温まで冷却し、(メタ)アクリルモノマーの重合を終了させた。これにより(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、69500であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるHEMAに由来するセグメントの含有量、GLMに由来するセグメントの含有量、及び、GMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ40重量%、50重量%、10重量%であった。
(3)樹脂組成物の調製
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が7.9重量%となるように、水45重量部とイソプロピルアルコール37重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が13.6重量%となるように、イソプロピルアルコール90重量部に溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:7.9重量%)89重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:13.6重量%)11重量部とを混合した後、架橋剤としてチタンラクテート(マツモトファインケミカル社製、オルガチックス)1.4重量部を加え、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(実施例9)
(1)ポリビニルアセタール樹脂の製造
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度87.7モル%、カルボキシル基量0.2モル%)350重量部を含有する水溶液3000重量部に35重量%の塩酸170重量部とベンズアルデヒド32重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計33重量部を添加し、液温を10℃に保持しながら5時間アセタール化反応を行い、スポンジ状の反応物を得た。この反応物を水洗中和して塩酸触媒及び未反応アルデヒドを除去した後、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度7.5モル%、水酸基量80モル%、カルボシキル基量0.2モル%であった。
(2)(メタ)アクリル樹脂の製造
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール100重量部、(メタ)アクリルモノマーとしてHEMA45重量部、GLM50重量部、及び、GMA5重量部を混合し、混合溶液を得た。
得られた混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸ブチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸ブチル溶液を数回添加した。重合開始から7時間後、反応溶液を室温まで冷却し、(メタ)アクリルモノマーの重合を終了させた。これにより(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、70000であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるHEMAに由来するセグメントの含有量、GLMに由来するセグメントの含有量、及び、GMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ45重量%、50重量%、5重量%であった。
(3)樹脂組成物の調製
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が8.3重量%となるように、水70重量部とイソプロピルアルコール30重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が15重量%となるように、イソプロピルアルコール50重量部に溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:8.3重量%)90重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:15重量%)10重量部とを混合した後、架橋剤としてチタンラクテート(マツモトファインケミカル社製、オルガチックス)1.5重量部を加え、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(実施例10)
(1)ポリビニルアセタール樹脂の製造
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度95.5モル%、アミノ基量2.5モル%)350重量部を含有する水溶液3000重量部に35重量%の塩酸170重量部とベンズアルデヒド30重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計31重量部を添加し、液温を10℃に保持しながら5時間アセタール化反応を行い、スポンジ状の反応物を得た。この反応物を水洗中和して塩酸触媒及び未反応アルデヒドを除去した後、乾燥してポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度8モル%、水酸基量80モル%、アミノ基量2.5モル%であった。
(2)(メタ)アクリル樹脂の製造
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール100重量部、(メタ)アクリルモノマーとしてHEMA35重量部、GLM50重量部、及び、GMA15重量部を混合し、混合溶液を得た。
得られた混合溶液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸ブチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸ブチル溶液を数回添加した。重合開始から7時間後、反応溶液を室温まで冷却し、(メタ)アクリルモノマーの重合を終了させた。これにより(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られた(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は、64000であった。また、(メタ)アクリル樹脂におけるHEMAに由来するセグメントの含有量、GLMに由来するセグメントの含有量、及び、GMAに由来するセグメントの含有量は、それぞれ35重量%、50重量%、15重量%であった。
(3)樹脂組成物の調製
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が9.4重量%となるように、水60重量部とイソプロピルアルコール40重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が17重量%となるように、イソプロピルアルコール90重量部に溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:9.4重量%)90重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:17重量%)10重量部とを混合した後、架橋剤としてチタンラクテート(マツモトファインケミカル社製、オルガチックス)1.7重量部を加え、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(実施例11)
実施例8と同様の方法で、ポリビニルアセタール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が7.8重量%となるように、水55重量部とイソプロピルアルコール45重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が16重量%となるように、イソプロピルアルコール90重量部に溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:7.8重量%)90重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:16重量%)10重量部とを混合し、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(実施例12)
実施例10と同様の方法で、ポリビニルアセタール樹脂及び(メタ)アクリル樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂を、ポリビニルアセタール樹脂の含有量が9.4重量%となるように、水60重量部とイソプロピルアルコール40重量部との混合溶媒に溶解させ、ポリビニルアセタール樹脂溶液を調製した。また、得られた(メタ)アクリル樹脂を(メタ)アクリル樹脂の含有量が21重量%となるように、イソプロピルアルコール90重量部に溶解させ、(メタ)アクリル樹脂溶液を調製した。
得られたポリビニルアセタール樹脂溶液(ポリビニルアセタール樹脂含有量:9.4重量%)90重量部と、(メタ)アクリル樹脂溶液((メタ)アクリル樹脂含有量:21重量%)10重量部とを混合し、充分に相溶させ樹脂組成物を得た。
(比較例1)
実施例1と同様の方法でポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル樹脂溶液を得た。
(比較例3)
実施例2と同様の方法で(メタ)アクリル樹脂溶液を得た。
(比較例4)
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度88モル%、カルボキシル基量0.2モル%)を用い、ベンズアルデヒド41重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計42重量部に代えて、ブチルアルデヒド30重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度10モル%、水酸基量78モル%、カルボキシル基量0.2モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例7と同様にして、樹脂組成物を得た。
(比較例5)
ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度88モル%、カルボキシル基量0.2モル%)を用い、ベンズアルデヒド41重量部及びブチルアルデヒド1重量部からなるアルデヒド計42重量部に代えて、ベンズアルデヒド4.1重量部及びブチルアルデヒド0.1重量部からなるアルデヒド計4.2重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂は、重合度2000、アセタール化度1モル%、水酸基量85モル%、カルボキシル基量0.2モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施例7と同様にして、樹脂組成物を得た。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物、ポリビニルアセタール樹脂溶液、又は、(メタ)アクリル樹脂溶液の組成を表1に示す。
Figure 0006251001
(評価)
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物、ポリビニルアセタール樹脂溶液、又は、アクリル樹脂溶液について、以下の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
(耐水性試験)
厚さ50μmのPETフィルム上に、ドクターブレード法にて乾燥後の厚さが20μmとなるように実施例及び比較例の樹脂溶液をそれぞれ塗布し、オーブンで100℃、3時間乾燥して塗膜を形成し、試験片を得た。
各試験片を水に5分間浸漬し、目視確認により、試験前の試験片と比較(試験後の試験片乾燥実施)して、以下の基準で評価した。
◎:樹脂塗膜に変化なし。
○:膨潤(体積変化があったことを確認した)。
△:一部溶解。
×:樹脂塗膜が溶解。
(シート強度試験)
耐水性試験と同様に試験片を作製し、JIS K 7113に準拠して、AUTOGRAPH(島津製作所社製,「AGS−J」)を用いて、引張速度20mm/分の条件で、各試験片の引張弾性率(MPa)を測定した。
(表面硬度試験)
耐水性試験と同様に試験片を作製し、塗膜の表面強度をJIS K5600−5−4(鉛筆法)に準拠して試験を行った。各試験片に対して2回ずつ試験を行い、肉眼で塗膜表面を観察し、以下の基準で評価した。
○:くぼみも引っかき傷も観察されなかった。
△:くぼみが生じたが、引っかき傷は観察されなかった。
×:引っかき傷が観察された。
Figure 0006251001
本発明によれば、グリーンシート用バインダーとして用いた場合に、適度な引張強度、表面硬度及び優れた耐水性を発現することができる樹脂組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. ポリビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、及び、溶媒を含有し、
    前記ポリビニルアセタール樹脂は、芳香族アルデヒドを用いてアセタール化されており、アセタール化度が2〜20モル%、水酸基量が60〜98モル%であり、カルボキシル基又はアミノ基を有し、
    前記(メタ)アクリル樹脂は、水酸基又はカルボキシル基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有する
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. (メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基を1以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリル樹脂は、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. (メタ)アクリル樹脂は、エポキシ基を1以上有し、かつ、水酸基又はカルボキシル基を2以上有する(メタ)アクリルモノマーに由来するセグメントを有することを特徴とする請求項2記載の樹脂組成物。
  5. 溶媒は、水とアルコールの混合溶媒、又は、有機溶媒であることを特徴とする請求項1、2、3記載の樹脂組成物。
  6. 芳香族アルデヒドは、ベンズアルデヒドであることを特徴とする請求項1、2、3、4記載の樹脂組成物。
  7. ポリビニルアセタール樹脂と(メタ)アクリル樹脂とが架橋されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5記載の樹脂組成物。
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