JP2001098165A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2001098165A
JP2001098165A JP2000228828A JP2000228828A JP2001098165A JP 2001098165 A JP2001098165 A JP 2001098165A JP 2000228828 A JP2000228828 A JP 2000228828A JP 2000228828 A JP2000228828 A JP 2000228828A JP 2001098165 A JP2001098165 A JP 2001098165A
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curable resin
resin
polyvinyl acetal
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JP2000228828A
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Toshiyuki Tanaka
俊行 田中
Atsushi Toda
淳 遠田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性樹脂との相溶性に優れ、且つ膜形成
能、屈曲性の優れたところの硬化性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (A)硬化性樹脂及び(B)硬化剤を含
有する硬化性樹脂組成物において、更に(C)下記一般
式(I)で示される繰り返し単位から主としてなる変性
ポリビニルアセタール系樹脂が配合されてなることを特
徴とする硬化性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは、それぞれ、置換基を有してもよいアリー
ル基、アラルキル基又はアリール基を有するアルケニル
基を表し、R′は水素原子又は炭素数1〜10のアルキ
ル基を表し、R″は置換基を有していてもよい炭素数1
〜20の2価の炭化水素基を表す。また、a、b、c、
d及びeは式中の各構造単位の割合(モル%)を表し、
0≦a≦85、0≦b≦80、0≦c≦50、0≦d≦
30且つ0<e≦50である。但し、a+b≠0)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成物
に関する。詳しくは、硬化性樹脂及び硬化剤の組合わせ
に対して、更に特定の変性ポリビニルアセタール系樹脂
が配合されてなる硬化性樹脂組成物に関する。本発明の
硬化性樹脂組成物は、成膜性が大幅に改善されるため、
様々な基材に塗布し、安定で均一な膜を形成することが
でき、基材との接着性に優れ、併せて可撓性を有するの
で、特に接着剤として好適である。
【0002】
【従来の技術】硬化性樹脂は概ね低分子化合物が多いの
で、溶剤に溶かした溶液状態或いは溶融状態で基材に塗
布した後、これを所定の条件で硬化させることにより基
材との接着性を発現し、結果として良好な積層体を得る
ことが出来る。また硬化性樹脂の溶液あるいは溶融物硬
化前においてその表面に被着体を乗せその後硬化させる
ことにより、これとの接着性を発揮し同様に良好な基
材、接着層、被着体からなる三層の積層体を得ることが
出来る。また、こうした用途だけでなく、硬化性樹脂の
溶液あるいは溶融物に繊維や無機又は有機フィラーを混
ぜた後、そのまま硬化させることにより良好な複合材を
得ることや或いは同様に基材に塗布して被着体との一体
化が可能で、マトリックス樹脂として幅広く使用されて
いる。
【0003】硬化性樹脂が固体の場合には、これを溶剤
に溶かして基材に塗布し、その後不要となる溶剤を除去
することにより非常に固い膜を形成するが、低分子量の
ため非常に脆く基材から容易に剥離したり、クラックが
生じることが多い。また、硬化性樹脂が液体の場合、同
様に溶剤を除去すると元の液体に戻りその結果膜厚を均
一に保持することが難しく均一で安定な接着力を発揮す
ることが難しかったり、表面に粘着性があるため著しく
作業が煩雑になる等問題が多い。このため、反応を若干
進めて分子量を大きくする、いわゆるB状態を形成する
ことにより膜厚の均一性は向上するものの、B状態の制
御は難しく、又、その状態を長期間安定に保つことは難
しく、しかも分子量の上昇と共に被着体との濡れ性の低
下により接着力の低下が生じるので良い改善方法とは言
い難い。
【0004】これに対して硬化性樹脂にゴム、熱可塑性
樹脂等を加えて全体の分子量を上げることなく、塗布性
と膜性を維持しようという試みがなされて来た。しかし
ながら、硬化性樹脂とゴムや熱可塑性樹脂との相溶性は
必ずしも良いとは言えず、仮に溶剤で均一化出来ていて
も溶剤の揮散と共に相分離を起こしたり、或いは溶剤が
揮散しても硬化反応により相分離を起こし、基材や逆に
空気界面に凝集して満足な改良効果が得られないことが
ある。
【0005】この対策の一つとして、例えば特開平5−
186667号公報には、エポキシ化合物と硬化剤との
組合わせに対して相溶性の高い特有の構造を有するポリ
ビニルアセタール樹脂を配合してなるエポキシ樹脂組成
物が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記エ
ポキシ樹脂組成物については、これを基材に塗布して硬
化すると基材表面に弾きを生じたり、基材の屈曲性を著
しく低下させることが判明した。本発明は、前記ポリビ
ニルアセタール樹脂の代わりに変性されたポリビニルア
セタール系樹脂を配合することにより、硬化性樹脂との
相溶性に優れ、且つ膜形成性、屈曲性、接着性の優れた
ところの硬化性樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、硬化性樹脂と硬化剤との組
合わせに対して更に特定の変性ポリビニルアセタール系
樹脂を配合することにより、膜形成性、屈曲性及び接着
性の優れた樹脂硬化物が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、(A)硬化性樹脂
及び(B)硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物におい
て、更に(C)下記一般式(I)で示される繰り返し単
位から主としてなる変性ポリビニルアセタール系樹脂が
配合されてなることを特徴とする硬化性樹脂組成物
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは、置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換
基を有してもよいアリール基を有する置換基を有しても
よいアルケニル基を表し、R′は水素原子又は炭素数1
〜10のアルキル基を表し、R″は置換基を有してもよ
い炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。また、
a、b、c、d及びeは式中の各構造単位の割合(モル
%)を表し、0≦a≦85、0≦b≦80、0≦c≦5
0、0≦d≦30且つ0<e≦50である。但し、a+
b≠0)、にある。
【0011】なお、本明細書における式(I)の構造式
については、単に樹脂の各構造要素の量比を表すための
式であり、その並び方(例えばブロック構造等)を特定
するものではない。また一般式(I)で表される変性ポ
リビニルアセタール系樹脂中に、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、他の構成要素が含まれていても差し支えな
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、(A)硬化性樹脂及び(B)硬化剤を
含有する硬化性樹脂組成物において、更に(C)式
(I)で示される繰り返し単位から主としてなる変性ポ
リビニルアセタール樹脂が配合されてなることにある。
【0013】本発明で用いられる(A)成分の硬化性樹
脂の具体例としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル化
合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、等が挙
げられる。これらの中、(C)成分の変性ポリビニルア
セタール系樹脂との相溶性、及び/または樹脂組成物の
示す接着性の観点からエポキシ樹脂が好ましい。また硬
化性と保存安定性の観点から、アクリル化合物も好まし
い。エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキ
シ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボ
ラック型エポキシ、グリシジルアミン型エポキシ、脂環
式エポキシ、グリシジルエステル型エポキシ等種々のエ
ポキシ樹脂が使用できる。好適なビスフェノールA型エ
ポキシとしては、具体的には“エピコート”828、1
001、1004、1009(油化シェルエポキシ社
製)、“アラルダイト”GY250、“アラルダイト”
6071、6072、6097、6099(チバ・ガイ
ギー社製)、“ダウエポキシ”DER331、661、
664、669(ダウケミカル社製)等が使用できる。
【0014】好適なフェノールノボラックエポキシとし
ては、具体的には、“エピコート”15、154(油化
シェルエポキシ社製)、“アラルダイト”EPN113
8、1139(チバ・ガイギー社製)、“ダウエポキ
シ”DEN431、438、485(ダウケミカル社
製)等が使用できる。好適なクレゾールノボラックとし
ては具体的には、“アラルダイト”ECN1235、1
273、1299(チバ・ガイギー社製)、“EOC
N”102(日本化薬社製)等が使用できる。好適には
グリシジルアミン型エポキシとしては、具体的には“ア
ラルダイト”MY720(チバ・ガイギー社製)、“ス
ミエポキシ”ELM100、120、434(住友化学
社製)等が使用できる。
【0015】好適な脂環式エポキシとしては、具体的に
は“アラルダイト”CY175、177、179(チバ
・ガイギー社製)等が使用できる。好適なグリシジルエ
ステル型エポキシとしては具体的には“エピコート”1
90P、191P(油化シェルエポキシ社製)、“アラ
ルダイト”CY184、192(チバ・ガイギー社製)
が使用できる。その他“アラルダイト”XPY306
(チバ・ガイギー社製)等のビスフェノールF型エポキ
シ、“エピコート”5050、5051(油化シェルエ
ポキシ社製)等のブロム化エポキシ等も使用できる。
【0016】またアクリル化合物としては、アクリル酸
アルキル、メタクリル酸アルキル、ジメタクリル酸アル
キレンなどの一価又は多価アルコールのアクリル酸又は
メタクリル酸エステル、アクリル酸ヒドロキシアルキ
ル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル等の水酸基を含む
アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル酸アミ
ノアルキル、メタクリル酸アミノアルキル等のアミノ基
を含むアクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸等の様々のアクリル化合物を使用する
ことが出来る。これらの具体例としては、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸ターシャリブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸スチリル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
チリル、ジメタクリル酸エチレン、メタクリル酸グリシ
ジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4
−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2−アミノエチル、メタクリル酸2−ア
ミノエチル、上記エポキシ樹脂とアクリル酸又はメタク
リル酸を付加させて製造されるアクリル酸又はメタクリ
ル酸エステル等を挙げることが出来る。基本的にアクリ
ル基、メタクリル基が化学分子構造中に存在すれば良
い。好適なアクリル化合物としては、具体的には“エポ
キシエステル”M−600A、3000A(共栄社化学
(株)製)、“ウレタンアクリレート”AH−600、
AT−600、UA−306H(共栄社化学(株)製)
等が使用できる。
【0017】また、イソシアネート化合物としては、例
えばトルエン−2,4−ジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト等が用いられる。本発明で用いられる(B)成分の硬
化剤としては、(A)成分の硬化性樹脂が十分に硬化す
るような硬化剤が選ばれる。
【0018】(A)成分がエポキシ樹脂である場合、
(B)成分としては、例えばメタフェニレンジアミン、
4,4′−メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルス
ルホンのような芳香族アミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ジエチルアミノプロピルアミンのような脂肪族ポリアミ
ン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ア
ミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(シアノエ
チルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−ベ
ンジル−2−メチルイミダゾールのようなイミダゾール
化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、無水メチルナジック酸のような酸無水
物、フェノール化合物、ジシアンジアミド、BF3 −モ
ノエチルアミンコンプレックス、BF 3 −ピペリジンコ
ンプレックスのようなBF3 ・アミン錯体等が用いられ
る。
【0019】これらの硬化剤は単独でも、二種以上併用
しても差し支えない。また、硬化剤を用いる際には、硬
化促進剤を適宜使用することができる。なお、硬化剤の
使用量はエポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基の数と、
硬化剤中のアミノ基又はイミノ基、フェノール性水酸基
等の活性水素の数或いは酸無水物基の数が当量付近とな
る量が一般的である。
【0020】また、(A)成分がアクリル化合物である
場合、(B)成分としては、ベンゾイルパーオキシド、
キュメンハイドロパーオキシド、ターシャリーブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネートのような過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリルのようなジアゾ化合物が用
いられる。また、本発明の硬化性樹脂組成物の別の好ま
しい一態様として、前述の(A)硬化性樹脂、(B)硬
化剤、及び(C)式(I)で示される繰り返し単位から
主としてなる変性ポリビニルアセタール樹脂を含んでな
る硬化性樹脂組成物であって、(A)の硬化性樹脂がエ
ポキシ樹脂であるような組成物が挙げられる。この場
合、(C)の変性ポリビニルアセタール樹脂の構造に、
Rで示される、置換基を有していてもよいアリール基、
アラルキル基又はアリール基を有するアルケニル基が含
まれるか否かに関わらず、該(C)変性ポリビニルアセ
タール樹脂と(A)硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を組
み合わせると、これらを混合して得られる硬化性樹脂組
成物の膜形成性、屈曲性及び接着性が向上する。
【0021】この際のエポキシ樹脂としては、ビスフェ
ノール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、
クレゾールノボラック型エポキシ、グリシジルアミン型
エポキシ、脂環式エポキシ、グリシジルエステル型エポ
キシ等種々のエポキシ樹脂が使用できる。これらの各タ
イプのエポキシの好適な例としては、上記に詳述した各
エポキシ化合物が例示される。
【0022】一方、(B)成分としては、上記に詳述・
例示したような、芳香族アミン、脂肪族ポリアミン、イ
ミダゾール化合物、酸無水物、フェノール化合物、ジシ
アンジアミド、BF3 ・アミン錯体等が用いられる。こ
れらの硬化剤は単独でも、二種以上併用しても差し支え
ない。また、硬化剤を用いる際には、硬化促進剤を適宜
使用することができる。
【0023】なお、硬化剤の使用量はエポキシ樹脂中に
含まれるエポキシ基の数と、硬化剤中のアミン基又はイ
ミノ基、フェノール性水酸基等の活性水素の数或いは酸
無水物基の数が当量付近となる量が一般的である。本発
明で用いられる(C)成分は、式(I)で示される繰り
返し単位から主としてなる変性ポリビニルアセタール樹
脂である。
【0024】
【化3】
【0025】(式中、Rは、それぞれ、置換基を有して
もよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル
基、又は置換基を有してもよいアリール基を有する置換
基を有してもよいアルケニル基を表し、R′は水素原子
又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R″は置換基
を有してもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表
す。また、a、b、c、d及びeは式中の各構造単位の
割合(モル%)を表し、0≦a≦85、0≦b≦80、
0≦c≦50、0≦d≦30且つ0<e≦50である。
但し、a+b≠0) 式(I)において、Rが置換基を有してもよいアリール
基である場合、その炭素数は6〜12が好ましく、その
具体例としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリ
ル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、アミノ
フェニル基、クロロフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れる。
【0026】Rが置換基を有してもよいアラルキル基で
ある場合、その炭素数は7〜12が好ましく、その具体
例としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フ
ェニルプロピル基等が挙げられる。
【0027】そして、Rが置換基を有してもよいアリー
ル基を有する置換基を有してもよいアルケニル基である
場合、その炭素数は8〜12が好ましく、その具体例と
しては、例えばフェニルビニル基、フェニルプロペニル
基等が挙げられる。
【0028】なお、これらのアリール基、アラルキル
基、アルケニル基に置換し得る置換基の具体例として
は、上記例を含めて、例えばメチル基、エチル基のよう
なアルキル基、メトキシ基のようなアルコキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基、カルボキシ
ル基、カルボン酸エステル基、ヒドロキシ基、クロルの
ようなハロゲン原子等が挙げられる。
【0029】R′が炭素数1〜10、好ましくは1〜8
のアルキル基である場合、その具体例としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基等が挙げられる。R′としては、好ましくはメチル
基、プロピル基が用いられる。またR″は置換基を有し
てもよい炭素数1〜20、好ましくは1〜12の二価の
炭化水素基であり、その具体例としては、例えばメチレ
ン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレン基、シク
ロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、カルボキ
シシクロヘキシレン基、ノルボルニレン基、フェニルメ
チレン基、フェニルエチレン基、ビニレン基、シクロヘ
キセニレン基、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げら
れる。
【0030】R″としては好ましくは、エチレン基、フ
ェニレン基、ビニレン基が挙げられる。また、構造単位
の割合(モル%)は、aについては0≦a≦85、bに
ついては0≦b≦80、好ましくは10≦b≦80、c
については0≦c≦50、好ましくは0≦c≦45、d
については0≦d≦30、好ましくは0≦d≦15、e
については0<e≦50、好ましくは1≦e≦50、で
ある。
【0031】cが大きいと親水性が増加し、吸湿による
性能低下が起こり、また誘電率が増加するため、改良効
果が得られにくい。dが大きいと、アセタール化反応の
際にアセタールが入りにくくなり、十分な性能が得られ
ない。eが小さすぎると接着性が低下し、改良効果が得
られにくい。eが大きすぎると、親水性が増加し、吸湿
による性能低下が起こり、また誘電率が増加するため、
改良効果が得られにくい。
【0032】なお、本明細書における式(I)の構造式
については、単に樹脂の各構造要素の量比を表すための
式であり、その並び方(例えばブロック構造等)を特定
するものではない。また式(I)で表される変性ポリビ
ニルアセタール系樹脂中に、本発明の目的を損なわない
範囲で、他の構成要素が含まれていてもよい。本発明の
変性ポリビニルアセタール系樹脂の製造方法について
は、特に限定はされないが、例えばポリビニルアルコー
ルをアセタール化し、次いで得られたアセタール化物を
酸無水物と反応させて、アセタール化物中に残存してい
る水酸基の一部を酸無水物によりエステル化して変性す
る方法が好ましい。なお、アセタール化物が市販されて
いるものは、これを原料として用いて酸無水物により変
性することができる。
【0033】ポリビニルアルコールのアルデヒドによる
アセタール化については、例えば特開平5−14021
7号公報に記載の方法に準拠して行うことができるが、
その概要は次の通りである。ポリビニルアルコールのア
セタール化反応は、ポリビニルアルコールと式(II)及
び/又は式(III)のアルデヒドとを酸触媒を用いて、通
常は溶媒中で反応させることにより行われる。
【0034】なお、この場合、反応により生成する水を
溶媒と共沸させて系外に留去させるのが好ましい。原料
のポリビニルアルコールについては、特に限定はされな
いが、重合度30〜3000のものが好ましく、市販品
として、例えば日本合成化学社製ゴーセノールNL05
等を用いることができる。
【0035】原料のアルデヒドとしては、式(II)及び
式(III)のもの
【0036】
【化4】R −CHO (II) R′ −CHO (III) (式(II)又は(III)において、R 及びR′ は式
(I)と同義である)が用いられる。
【0037】式(II)のアルデヒドとしては、ベンズア
ルデヒド類、ナフトアルデヒド類、ケイ皮アルデヒド
類、及びフェニル基又はナフチル基を有するアルキルア
ルデヒド類を挙げることができるが、これらのアルデヒ
ド類において、ベンゼン環及びナフタレン環は置換基と
してアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アシルアミノ基、カルボキシル基、カルボン酸
エステル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を持つもの
も使用できる。これらのアルデヒド類の具体例として
は、ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、フェニ
ルアセトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、
o−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−アニス
アルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデ
ヒド、p−エチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズ
アルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アル
デヒド等を挙げることができる。これらの中、ベンズア
ルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピ
オンアルデヒド、o−トルアルデヒド、p−トルアルデ
ヒドが好ましい。式(II)のアルデヒドは芳香族環を含
有し、この芳香族環の導入により変性ポリビニルアセタ
ール樹脂の誘電率及び誘電正接の低減化及びTgの向上
を達成することが可能となる。また、この変性ポリビニ
ルアセタール樹脂を他の樹脂と混合した場合、他の樹脂
との溶解性が向上し、樹脂組成物の粘度特性、硬化物の
耐衝撃性が向上するものと考えられる。また、式(III)
のアルデヒドの具体例としては、例えばホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、カプロンアルデヒド、カプリルアルデヒ
ド、カプリンアルデヒド等を挙げることができる。これ
らの中、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチル
アルデヒドが好ましい。
【0038】そして、変性ポリビニルアセタール樹脂の
アセタール化において、a+bは、30〜80モル%の
範囲が適当である。酸触媒としては、例えば塩酸、硫
酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸
等が用いられるが、これらの中、塩酸、硫酸、p−トル
エンスルホン酸が好ましい。なお、触媒の使用量は、ア
ルデヒド1モルに対して、通常、0.005〜0.2モ
ルである。溶媒としては、水と共沸し、容易に液液分離
するものであれば特に限定されないが、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましく、特にト
ルエンが好ましい。
【0039】なお、溶媒の使用量は、原料のポリビニル
アルコール100重量部に対して、通常、100〜20
00重量部、好ましくは200〜1000重量部であ
る。反応温度については、通常、20〜90℃、好まし
くは40〜80℃である。反応時間については、通常2
〜10時間である。
【0040】また、反応は回分方式又は連続方式のいず
れでもよい。反応終了後、反応液から目的とするポリビ
ニルアセタール樹脂を回収するのは常法により行うこと
ができる。例えば、反応終了後の反応液を必要により、
中和・濾過した後、この反応液に目的のポリビニルアセ
タール樹脂に対するメタノールのような貧溶媒を加えて
析出させてポリビニルアセタール樹脂を回収する。そし
て、必要により、析出した該樹脂をトルエンのような良
溶媒に再溶解させた後、再び先の貧溶媒で析出させるこ
とを繰り返すことにより該樹脂を精製することができ
る。次いで、得られたアセタール化物を酸無水物により
変性する。この反応は、アルコールの酸無水物によるエ
ステル化方法に準拠して行うことができるが、本発明の
場合、得られたポリビニルアセタールと式(IV)の酸無
水物とを反応させることにより行われる。原料のポリビ
ニルアセタール化物については、上記工程により得られ
たものを使用するが、市販品が入手できればそれを使用
してもよい。また、もう一方の原料である酸無水物につ
いては、式(IV)のものが用いられる。
【0041】
【化5】R″(CO)2 O (IV) (式中、R″は式(I)と同義である) 式(IV)の酸無水物の具体例としては、例えば無水フタ
ル酸、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水
コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水トリ
メリット酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無
水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水
物、4−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物
等を挙げることができる。これらの中、無水フタル酸、
無水コハク酸、無水マレイン酸が好ましい。
【0042】この酸無水物の付加によって、他の樹脂へ
の相溶性、接着性が向上すると考えられるので、eは1
モル%以上がより好ましい。この反応は無触媒でもよい
が、触媒を用いることにより、より穏和な条件で反応を
行うことができる。かかる触媒としては、例えばピリジ
ン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチ
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルピ
ペリジンのような第三アミン類、酢酸ナトリウムのよう
な塩基、硫酸、塩酸、ZnCl2 、HClO4 のような
酸触媒等が用いられる。これらの中、第三アミン類が好
ましい。なお、触媒の使用量は、酸無水物1モルに対し
て、通常、0.001〜1モルである。かかる反応は、
溶媒を用いずにバルクで行うこともできる。溶媒を用い
る場合には、溶媒としては、炭化水素系、ケトン系、エ
ステル系、エーテル系、アミド系等が用いられ、具体的
には、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ME
K、MIBK、等が用いられる。なお、溶媒の使用量
は、原料のポリビニルアセタール100重量部に対し
て、通常、100〜2000重量部、好ましくは200
〜1000重量部である。反応温度は、通常、30〜2
00℃、好ましくは50〜180℃である。反応時間
は、通常1〜15時間である。
【0043】反応は回分方式又は連続方式のいずれでも
よい。反応終了後、反応液から目的とする変性ポリビニ
ルアセタール樹脂を回収するのは常法により行うことが
できる。例えば、反応終了後の反応液を必要により、中
和・濾過した後、この反応液に目的の変性ポリビニルア
セタール樹脂に対するメタノールのような貧溶媒を加え
て析出させて変性ポリビニルアセタール樹脂を回収す
る。そして、必要により、析出した該樹脂をアセトンの
ような良溶媒に再溶解させた後、再び先の貧溶媒で析出
させることを繰り返すことにより該樹脂を精製すること
ができる。(C)成分の変性ポリビニルアセタール樹脂
の使用量はその目的によって異なるが、変性ポリビニル
アセタール樹脂の添加量が少ないと基材への膜形成能が
下がり、これが多くなると粘度の上昇に伴い溶剤の揮散
が十分でないため膜中に溶剤が残存しその後の熱履歴に
よっては膜が膨れたり剥がれる原因となる。よって、
(C)成分の配合量は、通常硬化性樹脂100重量部に
対し0.1〜200重量部、好ましくは0.5〜180
重量部が好適である。本発明の変性ポリビニルアセター
ル系樹脂を含む樹脂組成物は電気絶縁材料に適したもの
であり、異方性導電膜、層間絶縁膜、或いは、ルーター
等のように高速度通信用機器の電子部材として有用であ
る。一方、接着性と膜形成性等の特性を生かした他の分
野、接着剤、塗料、ライニング、繊維強化複合材料、土
木建築材料等への適用も可能である。
【0044】また、相溶性が高いのでエポキシ樹脂やア
クリル樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂や可塑性樹脂
と併用して使うことも可能である。性能を低下させない
範囲でこれに無機、有機の繊維や有機、無機のフィラー
を加えても差し支えない。本発明の硬化性樹脂組成物の
硬化方法については、熱、光、紫外線硬化剤により硬化
性樹脂が十分に硬化し得る方法であれば特に限定はされ
ない。そして、(A)成分がエポキシ樹脂の場合には、
通常は加熱方法が用いられる。硬化条件については、エ
ポキシ樹脂及び硬化剤の種類により異なるので一概には
言えないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とイミダ
ゾール系硬化剤の組合わせの場合には、硬化温度は、通
常、10〜200℃、硬化時間は、通常1〜7時間であ
る。本発明の硬化性樹脂組成物は溶媒を用いて混合し、
いわゆる湿式法で基材に塗布したり、あるいは無溶媒で
必要に応じて加熱下で混合し、いわゆるホットメルト法
を用いて基材に塗布することもできる。基材としては、
プラスチック、金属、セラミック等で、プラスチックと
しては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、金属
としては、アルミ、銅、鉄、ステンレス、シリコン、セ
ラミックとしては、ガラス、アルミナ等が挙げられる。
特にポリイミドとしては、カプトン(東レ社製品名)、
ユーピレックス(宇部興産社製品名)等が挙げられ、特
にユーピレックスに好適である。本発明の硬化性樹脂組
成物は接着剤に適したものであるが、性能を低下させな
い範囲でこれに無機、有機の繊維や有機、無機のフィラ
ーを加えても差し支えない。接着性と膜形成性を生かし
た他の分野、塗料、ライニング、電気絶縁材料、土木建
築材料等への適用も可能である。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
りこれらの実施例に限定されるものではない。尚、得ら
れたポリビニルアセタール系樹脂の水酸基価については
JIS K6728に準拠して測定した。変性ポリビニ
ルアセタール系樹脂の酸価については、変性ポリビニル
アセタール系樹脂1.0gをDMF200mlに溶解
し、三菱化学自動滴定装置GT−05型を用いて、0.
5mol/l エタノール性水酸化カリウム溶液で滴定
を行った。 (製造例1)ポリビニルアセタール系樹脂SAの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SAの製造は以下の手順で
行った。3Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を
100グラム、フェニルアセトアルデヒドの195グラ
ム、ブチルアルデヒドを33グラム、トルエンを584
グラム、更に35%塩酸を13.2グラム秤取り、内容
物をゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に付けて58℃
まで1.5時間かけて昇温させて58℃で5時間保持し
た後、放冷し35℃になったところで18.26グラム
の酢酸ナトリウムを溶かした535.6グラムのメタノ
ール溶液をゆっくり加えて中和した。この時生成した白
色の沈殿物を5Cの濾紙で濾過して除去した。
【0046】更に2380グラムのメタノールが入った
フラスコに内容物全量を加えて40℃、30分攪拌し
た。液を全て捨て沈殿にトルエンを756グラム加え溶
解させた後メタノールを2380グラム加えて再度沈殿
を精製する工程を二回行った。液を全て捨て沈殿を風乾
後アルミバットに移して真空乾燥器に移して真空度5T
orr、温度50℃で12時間乾燥してポリビニルアセ
タール系樹脂SAを165グラム得た。
【0047】以下に、NMRのδ値を示す。 1H−NMR(300MHz DMSO−d6 ) δ7.1〜7.4:(s,芳香族H)、δ5.0〜4.
1:(m,水酸基H)、(下記式(1)で表される構造
中のメチンH)、及び(下記式(2)で表される構造中
のメチンH)、δ4.1〜3.6:(m,下記式(3)
で表される構造中のメチンH)、δ3.0〜2.6:
(s,下記式(4)で表される構造中のメチレンH)、
δ2.2〜1.1:(m,下記式(4)で表されるメチ
レン以外のメチレンH)、δ1.0〜0.9:(s,メ
チルH) 樹脂の水酸基価は99mgKOH/gであった。
【0048】
【化6】 (製造例2)変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1の
製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例1で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SAを100グラム、無水
フタル酸を70.5グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを1000ミリリットル、4−ジメチルアミノピリ
ジンを5.8グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて100℃まで30分かけて
昇温させて100℃で4時間保持した後、これを放冷し
No.4の濾紙で濾過しメタノールが5500ミリリッ
トル入ったビーカーに内容物全量をゆっくり加えて30
分攪拌した。この時黄白色の沈殿物が生成した。液を全
て捨てアセトンを300ミリリットル加えて沈殿を溶か
した後、メタノールを2500ミリリットル加えて沈殿
を析出させ再度液を捨てた。残った沈殿を風乾後アルミ
バットに移して真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度80℃で12時間乾燥して変性ポリビニルアセター
ル系樹脂PA1を140グラム得た。
【0049】この樹脂の酸価は63mgKOH/gであ
った。これにより式(I)においてR=CH265
R′=C37、R″=−C64−、a=46,b=2
8,c=6,d=1,e=19のポリマーが得られた。 (製造例3)変性ポリビニルアセタール系樹脂PA2の
製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例1で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SAを100グラム、無水
コハク酸を47.7グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを1000ミリリットル、4−ジメチルアミノピリ
ジンを5.8グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて100℃まで30分かけて
昇温させて100℃で4時間保持した後、これを放冷し
メタノールを800グラム加え、水が15リットル入っ
た容器に内容物全量をゆっくり加えて30分攪拌した。
この時黄白色の沈殿物が生成した。液を全て捨てメタノ
ール800グラムと水15リットルの混合溶媒を加えて
沈殿を洗浄し再度液を捨てた。残った沈殿を風乾後アル
ミバットに移して真空乾燥器に移して真空度5Tor
r、温度80℃で12時間乾燥して変性ポリビニルアセ
タール系樹脂PA2を104グラム得た。
【0050】この樹脂の酸価は55mgKOH/gであ
った。これにより式(I)においてR=CH265
R′=C37、R″=−CH2CH2−、a=46,b=
28,c=10,d=1,e=15のポリマーが得られ
た。 (製造例4)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB1の
製造 3000mlのガラスフラスコに、ポリビニルブチラー
ル樹脂(積水化学社製商品名エスレックB BL−S、
以下、「ポリビニルアセタール系樹脂SB」と略称する
ことがある。)を20グラム、無水フタル酸を14.1
グラム、N,N−ジメチルホルムアミドを200ミリリ
ットル、4−ジメチルアミノピリジンを1.16グラム
秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に
付けて100℃まで30分かけて昇温させて100℃で
4時間保持した後、これを放冷しメタノールが200グ
ラム入ったビーカーに内容物全量をゆっくり加えて更に
水を3リットル加えて30分攪拌した。この時黄白色の
沈殿物が生成した。液を全て捨てメタノール200グラ
ムと水2リットルの混合溶媒に加えて沈殿を洗浄し再度
液を捨てた。残った沈殿を風乾後アルミバットに移して
真空乾燥器に移して真空度5Torr、温度80℃で1
2時間乾燥して変性ポリビニルアセタール系樹脂PB1
を24.1グラム得た。
【0051】この樹脂の酸価は87mgKOH/gであ
った。これにより式(I)においてR=CH265
R′=C37、R″=−C64−、a=0,b=60,
c=16,d=3,e=21のポリマーが得られた。 (製造例5)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2の
製造 1000mlのガラスフラスコに、ポリビニルブチラー
ル樹脂(積水化学社製商品名エスレックB BL−S)
を80グラム、無水コハク酸を7.1グラム、N,N−
ジメチルホルムアミドを200グラム秤取り、内容物を
ゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に付けて60℃まで
30分かけて昇温させて内容物を完全に溶解させ、30
分かけて100℃まで昇温した。100℃で4時間保持
した後、これを放冷し、水が1600グラム入ったビー
カーに内容物全量をゆっくりと滴下した。
【0052】生成した粒状の沈殿物を濾別し、160グ
ラムの水で洗浄した後、3Lのフラスコに移し、水16
00グラムとメタノール160グラムを入れ45℃で1
時間攪拌した。沈殿物を濾別し、160グラムの水で洗
浄後、ステンレスバットに移して熱風乾燥機で60℃4
2時間乾燥し、真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度70℃で119時間乾燥して変性ポリビニルアセタ
ール系樹脂PB2を83グラム得た。
【0053】この樹脂の酸価は40mgKOH/gであ
った。これにより式(I)において、R′=C37
R″=−CH2CH2−、a=0,b=60,c=29,
d=3,e=8のポリマーが得られた。表1に、製造例
2〜5で得られた変性ポリビニルアセタール系樹脂PA
1、PA2、PB1、PB2の組成を、製造例1で得ら
れたポリビニルアセタール系樹脂SA、市販のポリビニ
ルブチラールSBの組成と共に示す。
【0054】
【表1】
【0055】a,b,c,d,eは式(I)における各
構造単位のモルパーセント R=CH265、R′=C37、R″=−C64
(製造例2、4)、−CH2CH2−(製造例3,5) (製造例6)ポリビニルアセタール系樹脂SCの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SCの製造は以下の手順で
行った。3Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を20
0グラム、ベンズアルデヒドを336グラム、ブチルア
ルデヒドを66グラム、トルエンを1163グラム、3
5%塩酸を10.56グラム秤取り、内容物をゆっくり
攪拌した。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.75
時間かけて昇温させて75℃で2時間保持した後、35
%塩酸を31.68グラム加え、さらに5時間保持した
後、放冷し35℃になったところで酢酸ナトリウムを5
2.7グラム溶かした600グラムのメタノール溶液を
ゆっくり加えて中和した。この反応液を3500グラム
のメタノール中に攪拌しながら投入し、析出物を120
0グラムのトルエンに溶解した。この溶液の内、112
0グラムを5Cの濾紙で濾過した。濾過した溶液を21
00グラムのメタノール中に攪拌しながら投入し、得ら
れた析出物438.4グラムを3Lセパラブルフラスコ
に移し、350グラムのトルエンを加え、60℃加温溶
解し、1200グラムのメタノールを徐々に加えて析出
させる行程を2回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真
空乾燥器に移して真空度5Torr、温度80℃で36
時間乾燥してポリビニルアセタール樹脂SCを213.
2グラム得た。以下に、NMRのδ値を示す。 1H−NMR(300MHz DMSO−d6 ) δ7.5〜7.2:(d,芳香族H)、δ5.9〜5.
4:(d,式(5)で表される構造中のメチンH)、δ
5.0〜3.6:(m,水酸基H)、(s,式(1)で
表される構造中のメチンH)、及び(d,式(3)で表
される構造中のメチンH)、δ2.2〜1.1:(m,
メチレンH)、δ1.0〜0.8:(s,メチルH) 尚、樹脂の水酸基価は96mgKOH/gであった。 (製造例7)変性ポリビニルアセタール系樹脂PC1の
製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例6で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SCを200グラム、無水
コハク酸を85.2グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを500グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて80℃で1.5時間かけて
内容物を完全に溶解した後、4−ジメチルアミノピリジ
ンを11.6グラム加え、100℃で4時間保持した
後、これを放冷し、N,N−ジメチルホルムアミドを2
00グラム加え、水が8000ミリリットル入ったビー
カーに内容物全量をゆっくりと滴下した。得られた固形
物を濾別し、2100グラムのメタノールの入ったビー
カーに入れ、10時間放置し、濾別する操作を2回行っ
た。得られた固形物を250グラムのアセトンに溶解
し、メタノールを1200グラム加えた。このとき褐色
の沈殿物が得られた。液を捨て、250グラムのアセト
ンを加え、沈殿を溶かした後、再び400グラムのメタ
ノールを加え沈殿物を得た。再び液を捨て、沈殿物を1
100グラムの水に投入し、ミキサーにて粉砕した。粉
砕した沈殿物を濾別し、真空乾燥器に移して真空度5T
orr、温度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニル
アセタール系樹脂PC1を209グラム得た。
【0056】この樹脂の酸価は67.8mgKOH/g
であった。これにより式(I)においてR=C65
R′=C37、R″=−CH2CH2−、a=41,b=
35,c=5,d=1,e=18のポリマーが得られ
た。 (製造例8)ポリビニルアセタール系樹脂SDの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SDの製造は以下の手順で
行った。1Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を40
グラム、1−ナフトアルデヒドを99グラム、ブチルア
ルデヒドを13グラム、トルエンを234グラム、35
%塩酸を8.5グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.75時間か
けて昇温させて75℃で5時間保持した後、放冷し40
℃になったところでメタノールを250グラム加えた。
このとき褐色の沈殿物が生成した。液を捨て、100グ
ラムのトルエンを加え、攪拌しながら60℃に加温し
た。酢酸ナトリウムを10.5グラム溶かした50グラ
ムのメタノール溶液をゆっくり加えて中和した。この反
応液に200グラムのメタノールを攪拌しながら加え
た。得られた析出物を120グラムのトルエンに溶解
し、300グラムのメタノールを加えて再沈する作業を
3回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真空乾燥器に移
して真空度5Torr、温度80℃で72時間乾燥して
ポリビニルアセタール樹脂SDを35グラム得た。
【0057】以下に、NMRのδ値を示す。 1H−NMR(300MHz CDCl3 ) δ7.1〜8.3:(m,芳香族H)、δ5.9〜6.
5:(m,式(5)で表される構造中のメチンH)、δ
3.4〜5.3:(m,水酸基H)、(式(1)で表さ
れる構造中のメチンH)、及び(下記式(3)で表され
る構造中のメチンH)、δ1.0〜2.7:(m,メチ
レンH)、δ0.6〜1.0:(s,メチルH) 樹脂の水酸基価は155.6mgKOH/gであった。 (製造例9)変性ポリビニルアセタール系樹脂PD1の
製造 500mlのガラスフラスコに、製造例8で得られたポ
リビニルアセタール系樹脂SDを20グラム、無水コハ
ク酸を8.5グラム、N,N−ジメチルホルムアミドを
50グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラス
コを油浴に付けて80℃で1.5時間保持した後、10
0℃で4時間保持した後、これを放冷し、N,N−ジメ
チルホルムアミドを50グラム加え、水が1400ミリ
リットル入ったビーカーに内容物全量をゆっくりと滴下
した。得られた固形物を濾別し、100グラムのメチル
エチルケトンに溶解し、メタノールを200グラム加え
た。このとき褐色の沈殿物が得られた。液を捨て、15
0グラムのメチルエチルケトン及び100グラムのトル
エンを加え、沈殿を溶かした後、これを5Cの濾紙で濾
過した。再び200グラムのメタノールを加え沈殿物を
得た。沈殿物を真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニルアセター
ル系樹脂PD1を14.5グラム得た。
【0058】この樹脂の酸価は70.1mgKOH/g
であった。これにより式(I)においてR=C107
R′=C37、R″=−CH2CH2−、a=35,b=
27,c=18,d=1,e=19のポリマーが得られ
た。 (製造例10)ポリビニルアセタール系樹脂SEの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SEの製造は以下の手順で
行った。1Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を40
グラム、フェニルプロピオンアルデヒドを85グラム、
ブチルアルデヒドを13グラム、トルエンを234グラ
ム、35%塩酸を8.45グラム秤取り、内容物をゆっ
くり攪拌した。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.
75時間かけて昇温させて75℃で5時間保持した後、
放冷し35℃になったところで酢酸ナトリウムを10.
6グラム溶かした150グラムのメタノール溶液をゆっ
くり加えて中和した。この反応液を5Cの濾紙で濾過し
た。濾過した溶液に800グラムのメタノールを攪拌し
ながら投入した。このとき淡黄色の沈殿が生成した。液
を捨て、析出物を300グラムのトルエンに溶解し、8
00グラムのメタノールを加えて再析出させる操作を3
回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真空乾燥器に移し
て真空度5Torr、温度80℃で72時間乾燥してポ
リビニルアセタール系樹脂SEを31.9グラム得た。
以下に、NMRのδ値を示す。 1H−NMR(300MHz DMSO−d6 ) δ7.0〜7.6:(d,芳香族H)、δ3.5〜5.
0:(m,水酸基H)、(式(1)で表される構造中の
メチンH)、(式(2)で表される構造中のメチンH)
及び、(式(3)で表される構造中のメチンH)、δ
1.2〜3.0:(m,式(4)で表される構造中のメ
チレンH)、(m,式(4)で表されるメチレン以外の
メチレンH)、δ0.8〜1.1:(s,メチルH) 樹脂の水酸基価は72.8mgKOH/gであった。 (製造例11)変性ポリビニルアセタール系樹脂PE1
の製造 500mlのガラスフラスコに、製造例10で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SEを20グラム、無水コ
ハク酸を8.5グラム、N,N−ジメチルホルムアミド
を50グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラ
スコを油浴に付けて80℃で1.5時間かけて内容物を
完全に溶解した後、4−ジメチルアミノピリジンを1.
2グラム加え、100℃で4時間保持した後、これを放
冷し、N,N−ジメチルホルムアミドを50グラム加
え、200グラムのメタノールを加え沈殿物を得た。液
を捨て、沈殿物を50グラムのトルエンに溶解し、20
0グラムのメタノールを加えて沈殿させる操作を3回行
った。沈殿物を真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニルアセター
ル系樹脂PE1を21.1グラム得た。
【0059】この樹脂の酸価は42.3mgKOH/g
であった。これにより式(I)においてR=C24
h、R′=C37、R″=−CH2CH2−、a=59、
b=19、c=8、d=1、e=13のポリマーが得ら
れた。表2に、製造例7,9,11で得られた変性ポリ
ビニルアセタール系樹脂PC1、PD1、PE1の組成
を、製造例6,8,10で得られたポリビニルアセター
ル系樹脂SC、SD、SEの組成と共に示す。
【0060】
【表2】
【0061】a,b,c,d,eは式(I)における各
構造単位のモルパーセント R=C65(製造例7(PC1)、製造例6(S
C))、C107(製造例9(PD1)、製造例8(S
D))、C24Ph(製造例11(PE1)、製造例1
0(SE))、R′=C37、R″=−CH2CH2− (実施例1)メチルエチルケトン9.0グラムに、エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート828)
を1.2グラム、1−(2−シアノエチル)−2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールを0.036グラム、上記
変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を1.8グラム
を溶かし、樹脂組成物CA1を得た。これを、ポリイミ
ドフィルム(宇部興産社製ユーピレックスR)にギャッ
プ10MILのアプリケーターで製膜し、風乾後熱風乾
燥器内で180℃で2時間加熱して樹脂を硬化させ、得
られた被膜にJIS K 5400に従い、幅1mmで
10×10個の碁盤目カットを入れてセロテープ(登録
商標)剥離試験を行い、残存する升目を数えることによ
り密着性の判定を行った。膜の外観は良好で、セロテー
プ剥離試験の結果、剥離は一つもなかった。 (実施例2)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPA2を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CA2を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (実施例3)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPB1を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CB1を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (実施例4)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPB2を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CB2を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (実施例5)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPC1を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CC1を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (実施例6)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPD1を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CD1を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (実施例7)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにPE1を用いた他は実施例1と同様
に実験を行い、樹脂組成物CE1を得、密着性の判定を
行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥離試験の結
果、剥離は一つもなかった。 (比較例1)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにSAを用いた他は実施例1と同様に
実験を行い、樹脂組成物CSAを得、密着性の判定を行
った。
【0062】10×10の碁盤目セロテープ剥離試験で
全数剥離した。 (比較例2)実施例1の変性ポリビニルアセタール系樹
脂PA1の代わりにポリビニルブチラール樹脂SB(積
水化学社製商品名エスレックB BL−S)を用いた他
は実施例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CSBを
得、密着性の判定を行った。
【0063】10×10の碁盤目セロテープ剥離試験で
全数剥離した。 (比較例3)メチルエチルケトン9.0グラムに、熱可
塑性アクリル樹脂(三菱レーヨン社製BR−80)を
1.2グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂P
B2を1.8グラム溶かし、樹脂組成物ACB2を得
た。これを、ポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピ
レックスR)にギャップ10MILのアプリケーターで
製膜し、風乾後熱風乾燥器内で180℃で2時間加熱し
て樹脂を硬化させ、得られた被膜の密着性の判定を行っ
た。膜の外観は細かい凹凸と白濁が見られ、セロテープ
剥離試験の結果、全数剥離した。表3に実施例1〜7、
比較例1〜3の結果を示す。
【0064】カルボン酸官能基を有するCA1、CA
2、CB1、CB2、CC1、CD1、及びCE1、は
それのないCSA、及びCSBと比べて接着性の良好な
樹脂組成物を与えることが分かった。
【0065】
【表3】
【0066】(実施例8)メチルエチルケトン40グラ
ムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコー
ト828)を16.0グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.48
グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を
4.0グラムを溶かし、樹脂組成物CA1’を得た。 (実施例9)変性ポリビニルアセタール系樹脂にPA2
を使った以外は実施例8と同様に行い、組成物CA2’
を得た。 (実施例10)変性ポリビニルアセタール系樹脂にPB
1を使った以外は実施例8と同様に行い、組成物CB
1’を得た。 (実施例11)メチルエチルケトン32.5グラムに、
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート82
8)を19.0グラム、1−(2−シアノエチル)−2
−エチル−4−メチルイミダゾールを0.57グラム、
上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を1.0グ
ラム溶かし、樹脂組成物CA1”を得た。 (実施例12)メチルエチルケトン90グラムに、エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート828)
を12.0グラム、1−(2−シアノエチル)−2−エ
チル−4−メチルイミダゾールを0.36グラム、上記
変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を18.0グラ
ム溶かし、樹脂組成物CA1”’を得た。 (比較例4)メチルエチルケトン24グラムに、エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート828)を
16.0グラム、1−(2−シアノエチル)−2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールを0.48グラムを溶か
し、樹脂組成物CXを得た。 (比較例5)メチルエチルケトン40グラムに、エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコート828)を
16.0グラム、1−(2−シアノエチル)−2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールを0.48グラム、上記ポ
リビニルアセタール系樹脂SAを4.0グラム溶かし、
樹脂組成物CSA’を得た。
【0067】組成物の組成を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】エピコート828は油化シェルエポキシ社
製エポキシ樹脂である。2E4MZCNは1−(2−シ
アノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールで
ある。括弧内は配合量(g)。 (実施例13〜17、比較例6、7)以上実施例8〜1
2と比較例4、5における各組成物(溶液)をポリイミ
ドフィルム(宇部興産社製ユーピレックスR)にギャッ
プ10MILのアプリケーターで製膜し風乾後熱風乾燥
器内で180℃で2時間加熱して樹脂を硬化させ各積層
体を得た。これらの外観観察と、屈曲性試験を行った。
屈曲性試験は上記の各積層体を3φのステンレス棒に裏
側から押し当て硬化物の異常の有無を目視で評価した。
結果を表5に示す。
【0070】表5より式(I)の変性ポリビニルアセタ
ール系樹脂を用いなかった場合、及び式(I)の変性ポ
リビニルアセタール系樹脂の代わりにSAのポリビニル
アセタール系樹脂を用いた場合には塗膜の外観が明らか
に不良であることが分かった。
【0071】
【表5】
【0072】(実施例18〜22、比較例8、9)以上
実施例8〜12と比較例4、5における各組成物(溶
液)をアルミフィルムにギャップ25MILのアプリケ
ーターで製膜し風乾後熱風乾燥器内で180℃で2時間
加熱して樹脂を硬化させ各積層体を得た。これらの外観
観察と、碁盤目セロテープ剥離試験を行った。碁盤目セ
ロテープ剥離試験は塗布面に幅1mmで縦10、横10
の碁盤目をカッターで作り、その表面にセロテープを良
く貼り付け一気に剥がし取って剥離の有無を目視で評価
した。結果を表6に示す。
【0073】表6より、式(I)の変性ポリビニルアセ
タール系樹脂を用いなかった場合、及び式(I)の変性
ポリビニルアセタール系樹脂の代わりにSAのポリビニ
ルアセタール系樹脂を用いた場合には接着性が明らかに
不良であることが分かった。
【0074】
【表6】
【0075】(実施例23)メチルエチルケトン9.0
グラムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピ
コート828)を1.2グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.03
6グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2
を1.8グラム溶かして樹脂組成物CB2””を得、こ
れを、テフロン(登録商標)シートにギャップ10MI
Lのアプリケーターで製膜し、60℃0.5時間乾燥
し、放冷した後、膜の上に再び10MILアプリケータ
ーを用いて塗布し、60℃0.5時間乾燥し、熱風乾燥
器内で180℃で2時間加熱して樹脂を硬化させた。
【0076】テフロンシートを剥がし、インピーダンス
アナライザー(HEWLETT PACKARD社製
HP4291A)を用いて、10MHzにおける誘電率
と誘電正接を測定した。 (実施例24)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2
の代わりにPA2を用いた他は実施例23と同様に樹脂
組成物CA2””を得、実験を行い、10MHzにおけ
る誘電率と誘電正接を測定した。 (実施例25)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2
の代わりにPC1を用いた他は実施例23と同様に樹脂
組成物CC1””を得、実験を行い、10MHzにおけ
る誘電率と誘電正接を測定した。 (実施例26)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2
の代わりにPD1を用いた他は実施例23と同様に樹脂
組成物CD1””を得、実験を行い、10MHzにおけ
る誘電率と誘電正接を測定した。 (実施例27)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2
の代わりにPE1を用いた他は実施例23と同様に樹脂
組成物CE1””を得、実験を行い、10MHzにおけ
る誘電率と誘電正接を測定した。 (比較例10)エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート828)16.0グラム、1−(2−シアノ
エチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.4
8グラムをメチルエチルケトン24グラムに溶かして樹
脂組成物CX””を得、これを、テフロンシートにギャ
ップ10MILのアプリケーターで製膜し、60℃0.
5時間乾燥し、熱風乾燥器内で180℃で2時間加熱し
て樹脂を硬化させた。
【0077】テフロンシートを剥がし、インピーダンス
アナライザー(HEWLETT PACKARD社製
HP4291A)を用いて、10MHzにおける誘電率
と誘電正接を測定した。表7に実施例23〜27、比較
例10の結果を示す。
【0078】変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2、
PA2、PC1、PD1またはPE1を含む樹脂組成物
の硬化物は、これを含まない樹脂組成物の硬化物に比し
て、誘電率、及び/または誘電正接が低いことが判る。
【0079】
【表7】
【0080】エピコート828は油化シェルエポキシ社
製エポキシ樹脂である。2E4MZCNは1−(2−シ
アノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールで
ある。括弧内は配合量(g)。 (製造例12)変性ポリビニルアセタール系樹脂PB3
の製造 1000mlのガラスフラスコに、ポリビニルブチラー
ル樹脂(積水化学社製商品名エスレックB BL−S)
を100グラム、無水マレイン酸を21.76グラム、
N,N−ジメチルホルムアミドを250グラム秤取り、
内容物をゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に付けて6
0℃まで30分かけて昇温させて内容物を完全に溶解さ
せ、30分かけて100℃まで昇温した。100℃で4
時間保持した後、これを放冷し、水が2000グラム入
ったビーカーに内容物全量をゆっくりと滴下した。
【0081】生成した粒状の沈殿物を濾別し、200グ
ラムの水で洗浄した後、5Lのフラスコに移し、水20
00グラムとメタノール200グラムを入れ45℃で1
時間攪拌した。沈殿物を濾別し、200グラムの水で洗
浄後、ステンレスバットに移して熱風乾燥機で60℃4
2時間乾燥し、真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度70℃で100時間乾燥して変性ポリビニルアセタ
ール系樹脂PB3を99グラム得た。 この樹脂の酸価
は33.7mgKOH/gであった。
【0082】これにより式(I)において、R′=C3
7、R″=−CHCH−、a=0,b=60,c=3
0,d=3,e=7 のポリマーが得られた。 (実施例28)メチルエチルケトン9.0グラムに、エ
ポキシエステルM−600A(共栄社化学株式会社製)
を0.6グラム、エポキシエステル3000A(共栄社
化学株式会社製)を0.6グラム、ターシャリーブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート(日本油脂社製パ
ーブチルI)0.06グラム及び上記変性ポリビニルア
セタール系樹脂PB3を1.8グラム溶かし、樹脂組成
物を得た。これを、ポリイミドフィルム(東レ・デュポ
ン株式会社製カプトン300V高接着品)にギャップ1
0MILのアプリケーターで製膜し、風乾後熱風乾燥器
内で110℃で1時間、180℃で2時間加熱して樹脂
を硬化させ、得られた被膜の密着性の判定を行った。セ
ロテープ剥離試験の結果、剥離は一つもなかった。 (比較例11)実施例28の変性ポリビニルアセタール
系樹脂PB3の代わりにポリビニルブチラール樹脂SB
(積水化学社製商品名エスレックB BL−S)を用い
た他は実施例1と同様に実験を行い、樹脂組成物を得、
密着性の判定を行った。10×10の碁盤目セロテープ
剥離試験で全数剥離した。
【0083】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 C09J 4/02 C09J 4/02 129/14 129/14 163/00 163/00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)硬化性樹脂及び(B)硬化剤を含
    有する硬化性樹脂組成物において、更に(C)下記一般
    式(I)で示される繰り返し単位から主としてなる変性
    ポリビニルアセタール系樹脂が配合されてなることを特
    徴とする硬化性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは、それぞれ、置換基を有してもよいアリー
    ル基、アラルキル基又はアリール基を有するアルケニル
    基を表し、R′は水素原子又は炭素数1〜10のアルキ
    ル基を表し、R″は置換基を有していてもよい炭素数1
    〜20の2価の炭化水素基を表す。また、a、b、c、
    d及びeは式中の各構造単位の割合(モル%)を表し、
    0≦a≦85、0≦b≦80、0≦c≦50、0≦d≦
    30且つ0<e≦50である。但し、a+b≠0)
  2. 【請求項2】 a+bが30〜80モル%である請求項
    1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 変性ポリビニルアセタール系樹脂が、ポ
    リビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化
    し、次いでこのアセタール化物を更に酸無水物により変
    性して得られたものである請求項1又は2に記載の硬化
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 原料のポリビニルアルコールの重合度が
    30〜3000である請求項3に記載の硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 (A)成分がエポキシ樹脂である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)成分がアクリル化合物である請求
    項1ないし3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物を硬
    化することにより得られる硬化物。
  8. 【請求項8】 硬化性樹脂が異方性導電膜用硬化性樹脂
    である請求項1ないし7のいずれかに記載の硬化性樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】 硬化性樹脂が層間絶縁膜用硬化性樹脂で
    ある請求項1ないし7のいずれかに記載の硬化性樹脂組
    成物。
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