JP2009298833A - エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリビニルアセタ−ル樹脂と酸無水物の反応物をエポキシ化合物にブレンドしたエポキシ樹脂組成物及び、そのエポキシ樹脂組成物に、硬化剤、を添加して生成したエポキシ樹脂硬化物により課題を解決する。
【選択図】なし
Description
[1]ポリビニルアセタ−ル樹脂にジカルボン酸無水物を付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂とエポキシ化合物とを含むエポキシ樹脂組成物。
[2]前記ポリビニルアセタ−ル樹脂が下記式で示される構成単位A、BおよびCを含み、構成単位AにおけるRが水素原子または、炭素数1〜5のアルキル基であることを特徴とする[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4]前記ジカルボン酸無水物が5員環で構成されるジカルボン酸無水物であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物に硬化剤を添加して得られるエポキシ樹脂硬化物。
[6]ポリビニルアセタ−ル樹脂にジカルボン酸無水物を予め付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂とエポキシ化合物とを混合させ生成することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物の製造方法。
[7][6]の方法で製造したエポキシ樹脂組成物に硬化剤を添加して生成することを特徴とする、エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
本発明のエポキシ樹脂組成物(5)は、ポリビニルアセタ−ル樹脂(1)にジカルボン酸無水物(2)を付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタール樹脂(3)とエポキシ化合物(4)とを含むことを特徴としている。
キルであることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキルであることがより好ましい。
6729 に準じて測定することができる。
これらを踏まえれば、ポリビニルアセタ−ル樹脂の重量平均分子量は、5000〜300000であることが好ましく、10000〜150000であることがより好ましい。
検出器:830−RI (日本分光社製)
オ−ブン: 西尾社製 NFL−700M
分離カラム:Shoudex KF−805L×2本
ポンプ: PU−980(日本分光社製)
温度:30℃
キャリア:テトラヒドロフラン
標準試料:ポリスチレン
オストワルド粘度は、ポリビニルアセタ−ル樹脂5gをジクロロエタン100mlに溶解し、20℃で Ostwald−Cannon Fenske Viscometer を用いて測定することができる。
無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
この中でも、5員環で構成されるジカルボン酸の酸無水物が好ましく、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物が特に好ましい。
ビスフェノ−ルA型エポキシの好適な例には、"jER" 825、828、834、1001、1002、1003、1004、1007、1009、1010(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、"アラルダイト" GY250、 "アラルダイト" 6071、6072、6097、6099(チバ・ガイギ−社製)、"エポト−ト"YD−128、YD−011、YD−014、YD−017、YD−019、YD−022(東都化成社製)、"ダウエポキシ" DER331、661、664、669(ダウケミカル社製)"エピクロン"840、850、1050、3050、HM−101(大日本インキ化学工業社製)などが含まれる。
ビスフェノ−ルF型エポキシの好適な例には、"エピクロン"830(大日本インキ化学工業社製)、"エポト−ト"YDF−2001、YDF−2004(東都化成社製)などが含まれ、ビスフェノ−ルS型エポキシの好適な例には、“デナコ−ル”EX−251(ナガセ化成工業社製)などが含まれる。
テトラブロモビスフェノ−ルA型エポキシの好適な例には、"jER"5050(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、“エピクロン”152(大日本インキ化学工業社製)、“スミエポキシ”ESB−400T(住友化学工業社製)、“エポト−ト”YBD−360(東都化成社製)などが含まれる。
グレゾ−ルノボラックの好適な例には、"アラルダイト" ECN1235、1273、1299(チバ・ガイギ−社製)、"EOCN" 102(日本化薬社製)などが含まれる。
グリシジルアミン型エポキシの好適な例には、"アラルダイト" MY720(チバ・ガイギ−社製)、"スミエポキシ" ELM100、120、434(住友化学社製)などが含まれる。
脂環式エポキシの好適な例には、"アラルダイト" CY175、177、179(チバ・ガイギ−社製)などが含まれる。
グリシジルエステル型エポキシの好適な例には、 "jER" 190P、191P(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、 "アラルダイト" CY184、192(チバ・ガイギ−社製)などが含まれる。
物の種類は、組成物の用途に応じて適宜選択される。
本発明のエポキシ樹脂硬化物(7)は、上記のエポキシ樹脂組成物(5)に硬化剤(6)を添加して得られる。
ポリビニルアセタ−ル樹脂(1)にジカルボン酸無水物(2)を付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂(3)とエポキシ化合物(4)とを混合させ生成することを特徴とする。
セタ−ル樹脂を溶媒に溶解し、その後、ジカルボン酸を添加して反応できる。また、液状のジカルボン酸無水物中にポリビニルアセタ−ル樹脂を溶解して反応してもよい。この反応は50〜180℃で0.5〜48時間行われるのが好ましく、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
あるいは、ジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂を溶解した溶媒中にエポキシ樹脂を加えて、溶媒を蒸留操作することにより溶媒を除外し、ジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂を含むエポキシ樹脂組成物とすることもできる。
また、液状のジカルボン酸無水物中にポリビニルアセタ−ル樹脂を溶解して反応させた場合は、これをエポキシ樹脂に直接溶解し、エポキシ樹脂組成物とすることもできる。
さらに、ポリビニルアセタール樹脂とジカルボン酸無水物をブレンダー、ニーダ等で混合し、押出機(ペレタイザー)に投入し、混合、溶融、反応し、その後、冷却してペレット化してもよい。この場合、溶媒等を用いずにジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂を含むエポキシ樹脂組成物とすることができる。
上記のエポキシ樹脂組成物(5)に、硬化剤(6)を添加することでエポキシ樹脂硬化物(7)を得ることが出来る。また、硬化剤に硬化反応を調節する目的で、さらに硬化促進剤(8)を添加することもできる。
ポリビニルアセタ−ル樹脂(1)として、ポリビニルホルマ−ル樹脂 (ビニレックPVF−K,チッソ株式会社製,重量平均分子量44,000〜54,000)使用。
構成単位Aの含有率:74[mol%]
構成単位Bの含有率:13[mol%]
構成単位Cの含有率:13[mol%]
ジカルボン酸無水物(2)及び硬化剤(6)として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物
(MeHHPA,日立化成工業株式会社製,重量平均分子量168)を使用。
エポキシ化合物(4)として、ジャパンエポキレジン株式会社製 jER828(登録商標)を使用。
硬化促進剤(7)として2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル (2E4MZ,和光純薬工業株式会社製,重量平均分子量 110)を使用。
調製の際の溶媒としてクロロホルム (和光純薬工業株式会社製,重量平均分子量 119.4)及びジメチルスルホキシド(和光純薬工業株式会社製,重量平均分子量78.13を使用。)
<透過型電子顕微鏡(TEM)観察>
試料内部の構造を観察するために、調整した硬化物を鉛筆状に加工し、ウルトラミクロト−ム(REICHRTULTRA−CUTE株式会社ライカ製)を用いて厚み50nmの超薄片状に切り出した。この超薄膜試料を銅メッシュに載せ、透過型電子顕微鏡(JEM−1210、日本電子株式会社製)を用いて加速電圧120kVで試料構造を観察した。
動的粘弾性測定は、非共振強制型粘弾性測定解析装置(DVE−V4、レオロジ−株式会社製)を用いて、温度依存性、引っ張りモ−ドで行った。測定周波数10HZ、変位幅5.0μm、温度範囲−150〜250℃、上昇速度2[℃/min]、歪み波形は正弦波とした。なお、試料の形状は、厚み0.4mm、幅4.0mm、長さ30mmの帯状の直方体とした。
E*=(980.7×DF×CD)/(DD×W×T) [dyne/cm2]
E'=E*cosδ [dyne/cm2]
E"=E*sinδ [dyne/cm2]
ここで、
W[cm]:試料片の幅、T[cm]:試験片の厚さ、CD[cm]:試験片の長さ、DF[gram]:動的応力、DD[cm]:動的変化、δ[degree]:位相差、980.7[cm/s2]:重力加速度
硬化物の引っ張り試験は,インストロン型万能試験機 (AGS−J、島津製作所株式会社製)を用いて測定した。測定条件は、モ−ド:引っ張り、最大荷重:50kg、試験速度:5[mm/min]とした。試験片の大きさ及び形状はJIS−K−7113に準拠し、1(1/5)号形 (全長:30mm、幅:4.0mm、厚み:2.0mm、標線間距離:10mm、平行部の長さ:12mm、平行部の幅:2.0mm、丸みの半径:12mm)を用いた。破断応力及び破断歪みは次式により算出した。また、破壊エネルギ−は応力−歪み曲線の下降面積から求めた。
σ=(F×9.8)/A
ここで、σ:引っ張り応力[MPa]、F:荷重[kgf]、A:断面積[m2]、9.8:重力加速度[m/s2]、
ε=ΔL/L0×100
ここで、ε:歪み[%]、ΔL:破断時の伸び[mm]、L0:標線間距離[mm]。
硬化物のコンパクトテンション試験は、インストロン型万能試験機(AGS−J、島津製作所株式会社製)を用いて測定した。測定条件は試験速度:0.5[mm/min]、最大強度:20kgfとした。試験片の大きさ形状は、ASTM E399−93に準拠し、35.0mm×33.6mm×4.0mmとした。また、破壊強靭性値KIC(MN/m3/2)は次式から求めた。
KIC=P/(BW1/2)×f(α)
ここで、
f(α)={(2+α)(0.886+4.64α−13.32α2+14.72α3−5.6α4)}/(1−α)3/2
α=a0/W
とし、P:荷重[kN]、B:試験片厚さ[mm]、W:試験片幅[mm]、a0:亀裂長さ[mm]である。
さらに弾塑性破壊靭性値JIC(kN/m)は、次式より求めた。
JIC=A/Bb0×f(a0/W)
f(a0/W)=2×(1+β)/(1+β2)
β=[(2a0/b0)2+2×(a0/b0)+2]1/2−(2a0/b0+1)
とし、b0=W−a0:リガメント幅[mm]である。
エポキシ樹脂(jER828、以下本実施例においてエポキシ樹脂とはjER828を指す。)に対して10[重量%]に相当するポリビニルホルマ−ル樹脂(2.0[g])と、エポキシ樹脂に対して 1/10当量のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を、セパラブルフラスコに量り、そこに高沸点溶媒であるジメチルスルホキシド(20[ml])を加え溶解させ、窒素雰囲気下、130[℃]で1時間攪拌した。その後、室温付近まで冷却し、ポリビニルホルマ−ル樹脂に対して貧溶媒であるメタノ−ル200[ml]を加え、樹脂中から溶媒として用いたジメチルスルホキシド及び未反応のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を抽出除去した。さらに、その樹脂を減圧下、60[℃]でメタノ−ルを取り除き、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物付加ポリビニルホルマ−ル樹脂を得た。
攪拌後、あらかじめ製作し、80[℃]に加熱したガラス板に注型した。このガラス板を恒温槽に入れ、80[℃]で2時間保持し、さらに130[℃]で2時間保持し硬化させて硬化物を得た。
エポキシ樹脂に対して20[重量%]に相当するポリビニルホルマ−ル樹脂(4.0[g])と、エポキシ樹脂に対して1/10当量のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を、セパラブルフラスコに量り、そこに高沸点溶媒であるジメチルスルホキシド(20[ml])を加え溶解させ、窒素雰囲気下、130[℃]で1時間攪拌した。その後、室温付近まで冷却し、ポリビニルホルマ−ル樹脂に対して貧溶媒であるメタノ−ル200[ml]を加え、樹脂中から溶媒として用いたジメチルスルホキシド及び未反応のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を抽出除去した。さらにその樹脂を減圧下、60[℃]でメタノ−ルを取り除き、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物付加ポリビニルホルマ−ル樹脂を得た。
攪拌後、あらかじめ製作し、80[℃]に加熱したガラス板に注型した。このガラス板を恒温槽に入れ、80[℃]で2時間保持し、さらに130[℃]で2時間保持し硬化させて
硬化物を得た。
ポリビニルホルマ−ル樹脂をステンレス板の間に挟み,ホツトプレス(テクノサプライ株式会社製)を用いて圧力20[MPa]、温度150[℃]で圧縮成型した。
エポキシ樹脂をアルミカップに量り取り、当量のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物とエポキシ樹脂100[質量部]に対して、1[質量部]の硬化促進剤2−エチル−4−メチルイミダゾ−ルを加え、均一になるまで攪拌した。攪拌後、あらかじめ製作し、80[℃]に加熱したガラス板に注型した。このガラス板を恒温槽に入れ、80[℃]で2時間保持し、さらに130[℃]で2時間保持し硬化させて硬化物を得た。
セパラブルフラスコの中に、エポキシ樹脂(19[g]、18[g]、17[g]、16[g])に、5[重量%]、10[重量%]、15[重量%]、20[重量%]に相当するポリビニルホルマ−ル樹脂(1.0[g]、2.0[g]、3.0[g]、4.0[g])およびクロロホルム(20[ml])を加え混合し、室温で溶解させた。その後減圧下でクロロホルムを取り除いた。そこにエポキシ樹脂に対して当量のメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を加え1時間攪拌した。その後ホットプレ−ト上で80[℃]に加熱したアルミカップに移し,エポキシ樹脂100[質量部]に対して1[質量部]の硬化促進剤2−エチル−4−メチルイミダゾ−ルを加え、均一になるまで攪拌した。
攪拌後、あらかじめ製作し,80[℃]に加熱したガラス板に注型した。このガラス板を恒温槽に入れ、80[℃]に2時間保持し、さらに130[℃]で2時間保持し硬化させて硬化物を得た。
エポキシ樹脂/ポリビニルホルマ−ル樹脂硬化物の透明性を確認するため硬化物の光学写真を撮影した。
その結果、実施例1、実施例2、比較例2、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6について透明性が観察された。なお、比較例1についても茶色の発色があるものの透明性を確認できた。
非共振強制型粘弾性測定解析装置(DVE−V4、レオロジ−株式会社製)を用いて、温度依存性、引っ張りモ−ドにて動的粘弾性評価を実施した。tanδの変化より各硬化のガラス転移温度を算出した。
その結果は、次の表1のとおりであった。
これは、硬化物中のポリビニルホルマ−ル樹脂の濃度が増すにつれて、硬化物中でポリビニルホルマ−ル樹脂のムラ、偏りが生じ、硬化物のガラス転移温度を引き下げていると考えられる。
その一方、(実施例1、実施例2)ポリビニルホルマ−ル樹脂へのメチルヘキサヒドロフタル酸無水物の付加物を含む硬化物については、(比較例2)酸無水物硬化エポキシ樹脂硬化物と同程度のガラス転移温度150[℃]を示しており、ガラス転移温度が低下して
いないことが確認できた。
これは、ポリビニルホルマ−ル樹脂の側鎖にメチルヘキサヒドロフタル酸無水物により導入された側鎖カルボン酸とエポキシ樹脂との反応により、ポリビニルホルマ−ル樹脂とエポキシ樹脂の分子的な絡まりあいと、網目構造が形成され、ポリビニルホルマ−ル樹脂のブラウン運動が規制されたためと考えられる。
破壊エネルギ−は、インストロン型万能試験機 (AGS−J、島津製作所株式会社製)の引っ張り試験の結果より、応力−歪み曲線の下降面積から求めた。
その結果、(比較例2)酸無水物硬化エポキシ樹脂硬化物に比べ、(実施例1,2)では倍以上の強度を示した。(比較例3〜6)においても(実施例1,2)程ではないが高い強度を示した。
比較例3においては、エポキシ樹脂中にポリビニルホルマ−ルが分散し、塑性変形を生じることで強度が向上したと考える。また、ポリビニルホルマ−ル樹脂の割合が増すにつれ破壊エネルギ−が低下しているのは、エポキシ樹脂中でポリビニルホルマ−ル樹脂が相分離、析出して この部分に応力集中が生じ、破断歪みの値が低下し、そのために破壊靭性が低下したと考えられる。その一方、(実施例1,2)については、エポキシ樹脂との間に、側鎖のカルボキシル基とエポキシ樹脂の架橋、または、硬化剤を介してのポリビニルホルマ−ル樹脂側鎖のカルボキシル基とエポキシ樹脂の架橋により、網目構造をとっていると思われる。さらに架橋点間のポリビニルホルマ−ル樹脂鎖がネットワ−クに絡まりあい破壊靭性が向上したと考えられる
さらに、強靭性の評価として、コンパクトテンション試験を行った。
荷重−開口変位曲線より破壊靭性値 KIC[MN/m2/3]、弾塑性破壊靭性 JIC[kN/m]の値を算出した。その結果を表2に示す。
その結果、両系共にポリビニルホルマ−ル樹脂含有量の増加に伴い高い値を示した。エポキシ樹脂にポリビニルホルマ−ル樹脂による延性が付与されることで、マトリックス自体が強靭化したためと考えられる。特に実施例1,2の、エポキシ硬化物は、高い値を示した。これは、ネットワ−ク構造の違いによるものであると考えられる。そのままブレンドした系、即ち比較例は相分離構造を形成し、一部の柔軟なポリビニルホルマ−ル樹脂がエポキシマトリックスに相溶し、マトリックスを強靭化すると考えられる。しかし、相分離したポリビニルホルマ−ル樹脂ドメインがネットワ−クの変形を阻害するため、含有量を増加させても強靭性は向上しなかったと考えられる。一方、実施例1,2のエポキシ硬
化物では、均一な相構造を形成した。これは、ポリビニルホルマ−ル樹脂側鎖にメチルヘキサヒドロフタル酸により導入されたカルボキシル基が、エポキシ樹脂との架橋、または、硬化剤を介してのポリビニルホルマ−ル樹脂側鎖のカルボキシル基とエポキシ樹脂の架橋により、ネットワ−クにポリビニルホルマ−ル樹脂が組み込まれ、そして、架橋点間が柔軟なポリビニルホルマ−ル鎖で延長され、延性が付与されたことにより、荷重がかかった際のネットワ−クの変形が大きくなり、強靭化したものと考えられる。
Claims (7)
- ポリビニルアセタ−ル樹脂にジカルボン酸無水物を付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂とエポキシ化合物とを含むエポキシ樹脂組成物。
- 前記ポリビニルアセタ−ル樹脂が下記式で示される構成単位A、BおよびCを含み、構成単位AにおけるRが水素原子または、炭素数1〜5のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記ポリビニルアセタール樹脂の構成単位Aの含有率が50〜80mol%であって、構成単位Bの含有率が0.1〜49.9mol%であって、構成単位Cの含有率が0.1〜49.9mol%である、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記ジカルボン酸無水物が5員環で構成されるジカルボン酸無水物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物に硬化剤を添加して得られるエポキシ樹脂硬化物。
- ポリビニルアセタ−ル樹脂にジカルボン酸無水物を予め付加したジカルボン酸無水物付加ポリビニルアセタ−ル樹脂とエポキシ化合物とを混合させ生成することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 請求項6の方法で製造したエポキシ樹脂組成物に硬化剤を添加して生成することを特徴とする、エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
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