JP2001316655A - 導電性接着剤およびその製造方法 - Google Patents

導電性接着剤およびその製造方法

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JP2001316655A
JP2001316655A JP2000131583A JP2000131583A JP2001316655A JP 2001316655 A JP2001316655 A JP 2001316655A JP 2000131583 A JP2000131583 A JP 2000131583A JP 2000131583 A JP2000131583 A JP 2000131583A JP 2001316655 A JP2001316655 A JP 2001316655A
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resin
paste
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Takao Kuromiya
孝雄 黒宮
Masaru Watanabe
渡辺  勝
Noboru Masuda
桝田  昇
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電材である炭素粉末と、結着剤である樹脂
と、溶媒(水)を含有し、高い接着性と導電性を両立し
た導電性接着剤およびその製造方法を提供する。 【解決手段】炭素粉末と結着剤樹脂と水を含有するペー
スト状の導電性接着剤であって、前記炭素粉末の一次粒
子の重量平均粒子径が5nm〜100nmの範囲であ
り、前記炭素粉末の量が前記炭素粉末と前記樹脂の合計
量に対して5〜50重量%の範囲であり、前記ペースト
状導電性接着剤の含水率が70〜95重量%の範囲であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性を有する接
着剤に関するものであり、例えば、ニッケル水素電池、
リチウム電池、電気二重層コンデンサーなどのエネルギ
ー貯蔵素子において、活物質層と集電体との間を接着に
用いる導電性接着剤およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】非水電解液を用いたリチウム二次電池で
は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料からなる
活物質層を集電体となる金属箔上に形成した負極が一般
的に用いられているが、電解質のイオン伝導度が小さい
ために十分なエネルギー密度が得られにくいため、負極
および正極をセパレーターを挟んでスパイラル上に巻回
するなどして、電解液との接触面積および対極との対向
面積を大きくする工夫がなされているる。このとき、活
物質層と集電体である金属箔との密着性によって、サイ
クル特性等が大きく左右される。このため、活物質層と
集電体との間に導電性を有する接着剤層を形成し、活物
質と集電対との密着性を高めるといった方法が、例え
ば、特開昭62−160656号公報、特開平7−20
1362号公報特開平7−123053号公報等で提案
されている。しかし、活物質層の集電体からの剥離を抑
制するだけの十分な接着力が得られないことや、接着剤
層の導電性があまり良好でないといったように、完全に
問題を解決できる方法はなく、更なる改良が望まれてい
る。また、有機溶剤を溶媒とした接着剤がほとんどであ
り、水を溶媒とした活物質ペーストと集電体の間に接着
層を形成したい場合に適用することが難しい、あるいは
適用しても効果が得られないといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決するため、導電材としての炭素粉末と結着剤
としての樹脂と溶媒としての水を含有し、高い接着性と
導電性を両立した導電性接着剤およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の導電性接着剤は、導電材としての炭素粉末
と、結着剤としての樹脂と、溶媒としての水を含有する
ペースト状の導電性接着剤であって、前記炭素粉末の一
次粒子の重量平均粒子径が5nm〜100nmの範囲で
あり、前記炭素粉末の量が前記炭素粉末と前記樹脂の合
計量に対して5〜50重量%の範囲であり、前記ペース
ト状導電性接着剤の含水率が70〜95重量%の範囲で
あることを特徴とする。
【0005】前記導電性接着剤ペースト中の炭素粉末
(二次粒子)の体積分布における平均粒子径は20μm
以下であることが好ましい。
【0006】また前記接着剤においては、水溶性の増粘
剤をさらに含有することが好ましい。
【0007】また前記接着剤においては、水溶性の増粘
剤がカルボキシルメチルセルロースまたはメチルセルロ
ースであることが好ましい。
【0008】また前記接着剤においては、樹脂はポリオ
レフィン系のアイオノマーであることが好ましい。
【0009】また前記接着剤においては、樹脂はエマル
ジョン状のものであることが好ましい。
【0010】また前記接着剤においては、主に金属粒子
あるいは炭素粉末および樹脂を水に分散させたペースト
と金属の間に塗布することで、水分を乾燥させた後の前
記金属粒子あるいは炭素粉末と金属の接着性および導電
性を向上させるために用いることが好ましい。
【0011】また前記接着剤においては、樹脂は接着対
象となるペーストに対して、可溶性であることが好まし
い。
【0012】また前記接着剤においては、せん断速度が
大きくなるほど粘度が小さくなり、せん断速度1000
/sにおける粘度が5〜100mPa・sであることが
好ましい。
【0013】次に本発明の導電性接着剤は、前記炭素粉
末の添加前に前記樹脂の水への分散処理を予め行い、前
記樹脂を分散させた水と前記炭素粉末を混練処理するこ
とによってペースト化し、さらに前記ペースト中の炭素
粉末の一次粒子化を促進するための分散処理を行うこと
を特徴とする。
【0014】前記方法においては、混練処理および分散
処理と同時あるいはその後に減圧脱泡処理を行うことが
好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0016】まず、本発明の導電性接着剤に導電材とし
て用いられる炭素粉末としては、天然あるいは人造の結
晶性グラファイトやカーボンブラック及びガラス状カー
ボンなどの導電性炭素を用いることができ、形状につい
ては、球状、鱗片状、繊維状のいずれでも良い。炭素粉
末の大きさについては、一次粒子の重量平均粒子径が5
〜100nmであるアセチレンブラック、ケッチェンブ
ラック(ライオンアクゾ社製商品名)等のカーボンブラ
ックを用いることが好ましい。これにより溶媒への炭素
粒子の分散性を上げ、炭素粒子の凝集および沈降を抑制
することができるとともに、接着剤層の導電性を向上さ
せることができる。炭素粉末の含有量は、炭素粉末と樹
脂の合計量に対して5〜50重量%とすることが好まし
い。炭素含有量が5重量%未満では、接着剤層に占める
樹脂の割合が多すぎて、十分な導電性が得られなくな
り、炭素含有量が50重量%以上では、接着剤層に占め
る樹脂の割合が少なすぎて、十分な接着性が得られなく
なる。
【0017】次に、本発明の導電性接着剤に結着剤とし
て用いられる樹脂としては、一般的な水溶性高分子及び
水分散性高分子を用いることができる。水溶性高分子の
具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキ
サイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体の加水分
解物またはその水溶性塩、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースま
たはその水溶性塩、ポリアクリル酸またはその水溶性塩
などが挙げられる。また、水分散性高分子の具体例とし
ては、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂など
が挙げられる。これらは、単独あるいは2種類以上を併
用しても差し支えはない。特に、ポリオレフィン系のア
イオノマー樹脂を用いることが好ましく、これにより、
非常に耐水性・耐薬品性に優れ、かつ、金属の被接着物
に対して極めて高い結着性を有する導電性接着剤とする
ことができる。また、被接着物であるペーストに対して
可溶性を有する樹脂を用いることで、乾燥後の被接着物
層と接着剤層との界面近傍における樹脂の分布状態が良
好なものとなり、接着性を向上させることが可能とな
る。さらに被接着物であるペーストに用いられているも
のと同一の樹脂とすることで、より接着性を向上させる
ことが可能となる。
【0018】本発明の導電性接着剤は、上述の炭素粉末
および樹脂を水に分散させたペースト状のものであり、
この接着剤ペーストの含水率は、70〜95重量%とす
ることが好ましい。この含水率とすることで、後に述べ
る本発明の導電性接着剤の製造方法により、容易に、分
散性が高く、かつ薄く安定した接着剤層の塗布に適した
粘度とすることができる。
【0019】本発明の導電性接着剤は、エクストルージ
ョン塗布、カーテン塗布、ロール塗布、グラビア塗布と
いった一般的な方法によって塗布することができるが、
接着剤ペーストを、1000/sにおける粘度が5〜1
00mPa・sかつせん断速度の増加に伴い粘度が低下
する粘度特性のものとすることで、例えば金属箔上に接
着剤と被接着物であるペーストを同時に塗布する場合、
接着剤層を0.1〜5μmと薄く均一に塗布可能で、か
つ接着剤層上の被接着物層を均一に塗布することが可能
となる。粘度が100mPa・s以上になると接着剤層
を薄く均一に塗布することが困難となり、また、5mP
a・s未満では、接着剤層上の被接着物層にハジキ等の
欠陥が生じやすくなる。ただし、本発明の導電性接着剤
ペーストでは、上述の塗布に適した粘度特性とするため
に、水溶性の増粘剤を用いることができる。水溶性の増
粘剤としてはカルボキシルメチルセルロース、メチルセ
ルロース等が挙げられる。
【0020】本発明の導電性接着剤は、プラネタリーミ
キサー、攪拌機、三本ロール、ビーズミルのような一般
に用いられている混合分散機により作製できる。
【0021】炭素粉末と樹脂を同時に溶媒である水に添
加して混練を行った場合、ペースト中に樹脂を均一に分
散させることは非常に困難であり、樹脂を均一に分散さ
せるためには非常に長時間が必要とされる。炭素粉末を
添加する前に、予め樹脂のみを水に分散させておくこと
により、導電性接着剤ペースト中に樹脂を短時間で均一
に分散させることが可能となる。混練時間が長くなるほ
ど炭素粉末の粉砕が進行し、導電性が悪化するため、こ
の樹脂のみを予め水に分散させておく方法が好ましい。
樹脂を水に分散させるのに適した方法は、用いる樹脂に
よって異なり、特に限定されるものではない。
【0022】この樹脂を分散させた水に炭素粉末を添加
し、プラネタリーミキサーのような混合機により混練処
理を行い、流動性を有するペースト状にする。混練処理
のみで、炭素粉末をペースト中に均一に分散させること
は難しいため、混練処理の後、例えばビーズミルのよう
な分散機を用いて分散処理を行う。
【0023】このように、樹脂を分散させた水に混練処
理、さらにその後に分散処理を行うことで、ペースト中
の炭素粉末の体積分布における平均粒径を20μm以下
と炭素粉末が非常に均一に分散されたペースト状の導電
性接着剤を得ることが可能となる。この本発明の導電性
接着剤の製造方法を用いない場合、ペースト中の炭素粉
末の平均粒径を20μm以下にすることが非常に困難で
あり、その結果、導電性接着剤を塗布し乾燥させた後の
接着剤層の厚みは大きくなるため、導電性接着剤層の内
部抵抗は増大することになり、本発明の目的とする導電
性の高い接着剤層が得られなくなる。
【0024】さらに、混練処理中あるいは混練処理の後
に、ペースト状の導電性接着剤に減圧脱泡処理を行うこ
とにより、本発明の導電性接着剤を塗布した後に乾燥さ
せた接着剤層においては、空隙が極めて少なく非常に密
な接着剤層を得ることができ、導電性および接着性を向
上させることが可能となる。
【0025】本発明の導電性接着剤は、例えば、エネル
ギー貯蔵素子の集電体となる金属箔と活物質層との接着
に用いることができ、金属箔上に導電性接着剤ペースト
及び活物質ペーストを塗布することによって、金属箔と
活物質層の接着性を高め、かつ、導電性をも高めること
ができる。ここで、被接着物である活物質層と導電性接
着剤層を同時に金属箔上に塗布することで、活物質層と
接着剤層との間の密着性はより高められ、電極板の接着
性および導電性をより高めることも可能である。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施の形態における導電性接
着剤を用いて、リチウムイオン二次電池の負極極板にお
いて、黒鉛粒子を主成分とする負極活物質と集電体であ
る銅箔との間に接着層を形成し、得られた電極板の導電
性および接着性についての評価を行った実施例について
説明する。また、本発明の範囲外となる導電性接着剤ペ
ーストを用いて、同様の評価を行った比較例についても
説明する。
【0027】(実施例1)導電性接着剤中の炭素粉末に
は、重量平均一次粒子径50nmのアセチレンブラック
を用い、樹脂はポリオレフィン系のアイオノマーを使用
した。また、この樹脂は、接着対象である活物質ペース
トに可溶性であり、活物質ペーストに用いられている結
着剤と同一のものとしている。
【0028】本実施例における導電性接着剤の製造方法
を以下に述べる。
【0029】まず、コロイドミルを用いて、樹脂粉末の
みを溶媒である水へエマルジョン状に分散させる。この
ときの含水率は70重量%とした。
【0030】その後、攪拌機構として自転および公転機
能を有する2枚の攪拌羽根が1対となったプラネタリー
ミキサー部と、同様に自転しながら公転するディゾルバ
ー部を有する混合攪拌機を用いて、この樹脂を分散させ
た水に、アセチレンブラックおよび水を投入し、減圧脱
泡処理を行いながら混練を行ってペースト状とした。こ
こで、アセチレンブラックの量はアセチレンブラックと
樹脂の合計量に対して30重量%(本発明の範囲内)と
し、接着剤ペーストの含水率は85重量%(本発明の範
囲内)とした。さらに、このペーストを、粒子径0.5
mmのセラミックビーズを用いたビーズミルにより分散
処理を行った。
【0031】(実施例2)炭素粉末の量を炭素粉末と樹
脂の合計量に対して8重量%(本発明の範囲内)とする
以外、組成および製造方法は(実施例1)と同一のもの
として、導電性接着剤ペーストを作成した。
【0032】(実施例3)炭素粉末の量を炭素粉末と樹
脂の合計量に対して47重量%(本発明の範囲内)とす
る以外、組成および製造方法は(実施例1)と同一のも
のとして、導電性接着剤ペーストを作成した。
【0033】(実施例4)樹脂をポリテトラフルオロエ
チレンとする以外、組成および製造方法は(実施例1)
と同一のものとして、導電性接着剤ペーストを作成し
た。
【0034】(実施例5)炭素粉末と樹脂およびその組
成は(実施例1)と同一のものとし、製造方法における
減圧脱泡処理を行わずに、導電性接着剤ペーストを作成
した。
【0035】(比較例1)炭素粉末の量を炭素粉末と樹
脂の合計量に対して70重量%(本発明の範囲外)とす
る以外、組成および製造方法は(実施例1)と同一のも
のとして、導電性接着剤ペーストを作成した。
【0036】(比較例2)炭素粉末の量を炭素粉末と樹
脂の合計量に対して4重量%(本発明の範囲外)とする
以外、その他の組成および製造方法は(実施例1)と同
一のものとして、導電性接着剤ペーストを作成した。
【0037】(比較例3)接着剤ペーストの含水率を6
0重量%(本発明の範囲外)とする以外、組成および製
造方法は(実施例1)と同一のものとして、導電性接着
剤ペーストを作成した。
【0038】(比較例4)炭素粉末を一次粒子径15μ
mの人造黒鉛(本発明の範囲外)とする以外、組成およ
び製造方法は(実施例1)と同一のものとして、導電性
接着剤ペーストを作成した。
【0039】(実施例1〜5)および(比較例1〜4)
において得られた導電性接着剤ペーストの物性の測定お
よび接着剤ペーストをエクストルージョン塗布により、
銅箔上に活物質ペーストと同時に塗布し、乾燥後、圧延
した極板の評価を行った。
【0040】導電性接着剤ペーストの物性値およびこの
接着剤ペーストを用いて得られた極板の評価結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示した結果から以下のことが分か
る。
【0043】炭素粉末の量を炭素粉末と樹脂の合計量に
対して4重量%(比較例2)、8重量%(実施例2)、
30重量%(実施例1)、47重量%(実施例3)、7
0重量%(比較例1)のそれぞれとした場合の結果を比
較すると、炭素粉末が少ない場合、薄い接着剤層を形成
することができるが、接着剤層中に占めるアセチレンブ
ラックの量が少ないため、導電性が悪くなる傾向にあ
り、本発明の範囲外である4重量%(比較例2)とする
と極めて導電性は悪くなる。これに対して、炭素粉末を
多くした場合、接着剤層中における樹脂の量が少なくな
るため、接着性が悪化する。本発明の範囲外である70
重量%とした場合、粘度が高く流動性が悪化するため、
塗布可能な接着剤層の最小膜厚は10μmを超え、導電
性も悪化している。接着剤に含まれる炭素粉末の量と接
着剤層の導電性および接着性の関係を図1に示した。
【0044】本発明の範囲である5〜50重量%とすれ
ば、接着性、導電性ともに良好なものとなるが、30±
10重量%とすることで接着性、導電性ともに非常に優
れた接着剤層を形成することができる。
【0045】接着剤ペーストの含水率を60%(本発明
の範囲外)とした場合(比較例3)、粘度が非常に高く
流動性が悪くなるため、接着剤層を薄く塗布することが
困難であり、塗布可能な接着剤層の最小膜厚が10μm
より大きくなり、含水率85%(本発明の範囲内)とし
た(実施例1)〜(実施例3)の場合に比較すると著し
く劣る。また、接着剤層の膜厚ムラも大きくなっている
ため、場所による導電性、接着性のバラツキが大きくな
っている。
【0046】炭素粉末を一次粒子径が15μmと大きい
人造黒鉛とした場合(比較例4)、接着剤層中の導電材
の分布は粗な状態となっており、さらに、ペーストの粒
度も大きくなり接着剤層を薄く塗布することは困難であ
るため、導電性は悪く、接着性もあまり得られない。
【0047】樹脂にポリフッ化ビニリデン系樹脂を用い
た場合(実施例4)、本発明で最も効果の得られるポリ
オレフィン系アイオノマー樹脂を用いた接着剤と比べる
と、接着性がやや劣るが、導電性、接着性ともに十分な
結果が得られている。
【0048】次に、接着剤ペーストの製造方法におい
て、混練処理時に減圧脱泡処理を行わなかった場合(実
施例5)、塗布・乾燥後の接着剤層中の空隙が目立ち、
導電性、接着性ともにやや悪化するが、十分な接着性、
導電性は得られている。
【0049】さらに(実施例1〜5)および(比較例1
〜4)の負極極板を用いて、リチウムイオン2次電池を
作製し、電池特性の評価を行ったところ、(実施例1〜
5)に示した導電性接着剤を使用した場合、導電層によ
る電池内部抵抗の低減および集電効果の向上により、電
池容量およびサイクル特性が向上した。さらに、接着剤
層を5μm以下に形成することができた極板では、接着
剤層に起因するガス発生が小さく、特に、接着剤層厚み
0.9μmの本発明の(実施例1)においては、ほとんど
ガス発生は見られなかった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性接
着剤を用いれば、導電性および接着性の非常に高い接着
層を形成することが可能である。さらに、非常に薄い接
着剤層を形成することができるため、例えば、電池極板
に本発明の接着剤層を適用した場合、接着剤層に起因す
るガス発生をほとんど生じさせることなく、電池容量、
サイクル特性といった電池特性を向上させることを可能
とした。
【0051】また、溶媒を水とした接着剤であるため、
接着剤の製造および使用にあたって、環境へ与える影響
もほとんど無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例における接着剤中
の炭素粉末の含有量と導電性の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桝田 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 BA081 BA082 DB061 DD021 DF011 DG021 DH031 EE011 GA07 HA026 JA05 KA32 LA09 MA02 NA19 5G301 DA18 DA42 DA43 DD03 DE01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電材としての炭素粉末と、結着剤として
    の樹脂と、溶媒としての水を含有するペースト状の導電
    性接着剤であって、 前記炭素粉末の一次粒子の重量平均粒子径が5nm〜1
    00nmの範囲であり、 前記炭素粉末の量が前記炭素粉末と前記樹脂の合計量に
    対して5〜50重量%の範囲であり、 前記ペースト状導電性接着剤の含水率が70〜95重量
    %の範囲であることを特徴とする導電性接着剤。
  2. 【請求項2】前記導電性接着剤ペースト中の炭素粉末
    (二次粒子)の体積分布における平均粒子径が20μm
    以下である請求項1記載の導電性接着剤。
  3. 【請求項3】水溶性の増粘剤をさらに含有する請求項1
    または2に記載の導電性接着剤。
  4. 【請求項4】前記水溶性の増粘剤がカルボキシルメチル
    セルロースまたはメチルセルロースである請求項3に記
    載の導電性接着剤。
  5. 【請求項5】前記樹脂はポリオレフィン系のアイオノマ
    ーである請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接着
    剤。
  6. 【請求項6】前記樹脂はエマルジョン状のものである請
    求項1〜5のいずれかに記載の導電性接着剤。
  7. 【請求項7】主に金属粒子あるいは炭素粉末および樹脂
    を水に分散させたペーストと金属の間に塗布すること
    で、水分を乾燥させた後の前記金属粒子あるいは炭素粉
    末と金属の接着性および導電性を向上させるために用い
    る請求項1〜6のいずれかに記載の導電性接着剤。
  8. 【請求項8】前記樹脂は接着対象となるペーストに対し
    て、可溶性である請求項1〜7のいずれかに記載の導電
    性接着剤。
  9. 【請求項9】せん断速度が大きくなるほど粘度が小さく
    なり、せん断速度1000/sにおける粘度が5〜10
    0mPa・sである請求項1〜8のいずれかに記載の導
    電性接着剤。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の導電性
    接着剤の製造方法であって、前記炭素粉末の添加前に前
    記樹脂の水への分散処理を予め行い、前記樹脂を分散さ
    せた水と前記炭素粉末を混練処理することによってペー
    スト化し、さらに前記ペースト中の炭素粉末の一次粒子
    化を促進するための分散処理を行うことを特徴とする導
    電性接着剤の製造方法。
  11. 【請求項11】前記混練処理および分散処理と同時ある
    いはその後に減圧脱泡処理を行う請求項10記載の導電
    性接着剤の製造方法。
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Cited By (5)

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