JP2004319454A - 導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】
優良な密着性能や接着性能を有しながら、体積固有抵抗が金属の固有抵抗値の12倍以下(Agの場合、20μΩ・cm以下)の高導電性能を有する導電性ペーストを提供する。
【解決手段】
金属粉末(A)と、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)とを含有する導電性ペーストであって、金属粉(A)のタップ密度が0.9g/cm以下であることを特徴とする導電性ペースト。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、プリント配線板やフレキシブルプリント基板の上に回路や電極を形成するため、半導体素子やチップ部品を接合するため、スルーホールに充填して層間の電気的導通を得るため、および電子部品の内外部電極を形成するために用いるのに好適な導電性ペーストに関する。
導電性ペーストは、プリント配線板やフレキシブルプリント基板の上にパターン塗布して回路や電極を形成したり、また、多層基板のスルーホールの穴埋めを行ったり、あるいは半導体素子やチップ部品をそれらの上に接合したりする際に使用される。近年、電子機器の小型化、高機能化に伴い、導電性ペーストの用途範囲は広がっている。しかし、はんだが使用されている実装用途にまで適用するためには、はんだ接合の温度程度での低温度域での実装工程で、金属融解を伴う、はんだ接合に匹敵する高導電性を有するポリマー系熱硬化型導電性ペーストの開発が望まれている。
このような要求に対して、ナノサイズの金属粒子が液状挙動を示すことを応用し、低温で粒子成長させて接合を得ることによって高導電性を達するペースト材料が開示されている(例えば、特許文献1)。しかし、このようなペースト材料においては、ナノサイズの金属を分散維持するために特殊な分散剤機能成分を用いており、この成分はペースト硬化後にはバインダー成分としても機能させる必要がある。このため、双方の機能を満たす材料に制約があり、ペースト硬化物の接着性や密着性に限りがある。
一方で、焼成を経ないポリマー厚膜系導電性ペーストにおいては、様々な試みにより、高導電領域へのアプローチがなされている。例えば、特許文献2においては、平均厚さが50〜100nmで見かけ密度が1g/cm以下の扁平銀粉を用いたポリマー厚膜系導電性ペーストが開示されており、銀粉配合割合の最少80%において100μΩ・cmをやや下回る低抵抗値が得られることが記載されている。
このような扁平金属粉の調製方法については、例えば、特許文献3、4等に記載されているが、このような扁平金属粉を従来のポリマーバインダーと組み合わせて用いただけでは、高導電性能と密着性能(接着性能)の両方を満足させることはできない。特許文献5においては、導電性ペースト全体量中に対して扁平銀粉を75%配合することにより12000μΩ・cm(1.2×10−2Ω・cm)の体積抵抗率が得られている。また、特許文献6においては、扁平銀粉とその他の銀粉とを組み合わせ用いて、含有率97.2〜91.4重量%と高含有させて、バインダー成分を減らし特殊なプレス工程を経ることにより7.5〜9.5μΩ・cm(銀の固有抵抗値の4.5〜5.9倍)である固有抵抗値の12倍以下の抵抗値が得られている。しかし、この方法では、特殊なプレス工程が必要なため、適用可能な用途が限定される、良好な接着性が得られない等の問題がある。
したがって、ナノサイズでない従来型の金属粉を用いた場合、ペースト材料としての密着性や接着性に必要なバインダー成分の量を十分に有しながら、金属の固有抵抗値の12倍以下(Agの場合、20μΩ・cm以下)の体積固有抵抗値は実現されていない。
特開2000−686400号公報 特開2000−55701号公報 特開平05−309283号公報 特開2001−303111号公報 特開平04−346848号公報 特開平10−64331号公報
本発明の目的は、優れた密着性能や接着性能を有しながら、体積固有抵抗が金属の固有抵抗値の12倍以下(Agの場合、20μΩ・cm以下)の高導電性能を有する導電性ペーストを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、タップ密度を特定の範囲に低下させた金属粉に対して、カルボキシル基とビニルエーテル基との結合・解離の平衡反応を応用することにより、バインダー収縮と低温焼結をバランス良く行わせることができるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔5〕である。
〔1〕 金属粉(A)と、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)とを含有する導電性ペーストであって、金属粉(A)のタップ密度が0.9g/cm以下であることを特徴とする導電性ペースト。
〔2〕 1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)が140℃〜300℃の沸点を有するものである導電性ペースト。
〔3〕 金属粉(A)が、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)およびPd(パラジウム)からなる金属元素群から選ばれる1種の金属粉または2種以上の合金粉である前記の〔1〕または〔2〕に記載の導電性ペースト。
〔4〕 ポリマー(B)が、酸価10mgKOH/g以上、重量平均分子量300〜100000のポリマーである前記の〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の導電性ペースト。
〔5〕 ポリマー(B)とビニルエーテル基を有する化合物(C)の配合比が、{(ビニルエーテル基を有する化合物(C)のビニル基のモル当量)/(ポリマー(B)のカルボキシル基のモル当量)}の比で0.1〜10の比率である前記の〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の導電性ペースト。
本発明の導電性ペーストは、タップ密度0.9g/cm以下の金属粉を含むので、優れた導電性と密着性を示し、配線基板や電極として好適に使用できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性ペーストは、金属粉(A)と、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)とを含有する導電性ペーストであって、金属粉(A)が、タップ密度0.9g/cm以下の扁平鱗片状粉であることを特徴とする。
本発明に用いる金属粉(A)は、高電気伝導度を有する金属粉をその原料として使用できる。前記の金属粉を構成する金属元素種としては、具体的には 例えば、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)およびPd(パラジウム)が挙げられ、さらにそれらの合金が挙げられる。
また、タップ密度が0.9g/cm以下になる金属粉(A)を容易に得るためにも金属元素種は、延展性の高いAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)およびPd(パラジウム)と、それらの合金が好適である。合金としては、具体的には例えば、Ag−Pd、Ag−Ni、Ag−Cu、Au−Ag、Au−Pd、Cu−Sn、Cu−Zn、Pt−Au、Pt−Pd等の合金が挙げられる。
本発明の導電性ペーストに用いる金属粉(A)は、原料金属粉を粉砕機によって処理することによって得られる。通常、この粉砕処理にはスタンプミル、カッターミル、ボールミル、振動式ボールミル等の粉砕機を用いて長時間あるいは高加重で処理することによって得ることができるが、本導電性ペーストの構成成分として使用するに当たっては、いずれの方法を用いても差し支えない。粉砕処理中に適宜サンプリングを行い、タップ密度が0.9g/cm以下になるところで処理工程を停止すれば目的とする金属粉(A)が得られる。
このため、本発明に用いる金属粉(A)のタップ密度は、0.1〜0.9g/cm、好ましくは0.2〜0.8g/cmである。この範囲にタップ密度を調整することにより、金属粉の鱗片形状に厚みが数ナノメートル程度の薄い部分ができ、融点以下の低温金属接合を優位に起こすため、本発明の導電性ペーストの目的とする性能の1つである、金属の固有抵抗値の12倍以下(Agの場合、20μΩ・cm以下)の体積固有抵抗値を得ることができる。
粉砕処理によって金属粉が扁平鱗片状に確かに加工されていることは、市販の包埋剤を用いて金属粉の樹脂硬化研磨物を作製し走査型電子顕微鏡により観察を行えばよい。しかし、加工による扁平性状を判定するには、電子顕微鏡観察では定量的なデータを得るのが難しいので、タップ密度をもって判定する必要がある。
粉砕処理に用いる原料金属粉には、化学還元粉、アトマイズ粉、粉砕粉、電解粉等が挙げられる。本導電性ペーストに用いる金属粉(A)の原料として使用する場合には、前記のいずれの原料金属粉を用いても差し支えない。
本発明で用いる前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)としては、カルボキシル基を有していればよく、特に限定されない。入手性等から、カルボキシル基含有の(メタ)アクリル系ポリマーが好適に用いられる。(メタ)アクリル系ポリマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸を機能成分として、これに(メタ)アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマーを共重合したアクリル系共重合体を用いてもよい。
ここで、エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸が挙げられ、さらに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、あるいはそれらの無水物、さらにはこれらの酸無水物と水酸基を有する化合物から誘導されるハーフエステルも用いることができる。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸は、1種単独で、または2種以上混合して使用できる。これらの中では、アクリル酸とメタクリル酸が共重合反応の設計容易性の点から好適である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等の反応性基含有(メタ)アクリレート等の単量体が挙げられる。なおここで「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
さらに、前記の(メタ)アクリル酸エステル以外の共重合可能なモノマーとしては、具体的には例えば、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニルエステルあるいはビニルエーテル系単量体;(メタ)アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。
これらの単量体は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。これらの中では、メチル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートが共重合体の機械物性の点から、また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが共重合体の基材との密着性の点から好適である。
エチレン性不飽和カルボン酸とこれに(メタ)アクリル酸エステル等の共重合可能なモノマーを共重合したものを、前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)とする場合には、{(エチレン性不飽和カルボン酸のモル数)/(共重合可能なモノマーのモル数)}の比率は、特に限定されないが、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー体を共重合によって生成させるために、{(エチレン性不飽和カルボン酸の平均官能基数)×(生成ポリマーの重合度)}が1以上の値になるようして、比率を設定する必要がある。また、この比率は、本発明の導電性ペーストの組成に用いる、前記の1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)との混和性や、導電性ペースト用として通常用いられる有機溶媒への溶解度を考慮すると、0.45を越えないことが好ましい。
前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)には、前記のカルボキシル基含有の(メタ)アクリル系ポリマー以外に、カルボキシル変成ポリエステル樹脂、カルボキシル変成ポリアミド樹脂、カルボキシル変成ポリウレタン樹脂、カルボキシル変成エポキシ樹脂等を用いることもできる。これらの1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)は単独または2種以上混合して使用することができる。
前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)において、ポリマー1分子中のカルボキシル基の数の上限は、ポリマーの分子量に依存して増加するので、分子量に依存しない値として、ポリマーの酸価の上限966mgKOH/gに相当する。さらに、ポリマー1分子中のカルボキシル基の数が高くなると、ポリマーの汎用溶媒への溶解性が限られてくるので、カルボキシル基を有しない単量体を共重合する等の方法により、ポリマーの酸価が250mgKOH/g以下になるように、ポリマー1分子中のカルボキシル基の数を調整することがより好ましい。
このようにして得た単独または2種以上混合された、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)の酸価は、本発明の目的である金属の固有抵抗値の12倍以下(Agの場合、20μΩ・cm以下)の体積固有抵抗値を得るためには、好ましくは10mgKOH/g以上、さらに好ましくは25mgKOH/g以上である。
前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)の分子量は、本発明の導電性ペーストの電気伝導度と物性の観点からは、重量平均分子量値で300〜100000が好ましい。さらに非曳糸性等の塗工性を考慮すると重量平均分子量値で8000〜40000がより好ましい。
前記の1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)としては、脂肪族ビニルエーテル化合物、脂肪族ビニルチオエーテル化合物、環状ビニルエーテル化合物、または環状ビニルチオエーテル化合物脂肪族が挙げられる。
前記の脂肪族ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル等のジビニルエーテル化合物;トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のトリビニルエーテル化合物;ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等のテトラビニルエーテル化合物;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等ヒドロ
キシアルキルビニルエーテル化合物、等の脂肪族ビニルエーテル化合物が挙げられる。さらに前記の脂肪族ビニルエーテル化合物に対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物が挙げられる。
さらには、環状ビニルエーテル化合物としては、例えば、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウム等の環状ビニルエーテル化合物が挙げられる。さらに前記の環状ビニルエーテル化合物に対応する環状ビニルチオエーテル化合物等が挙げられる。
これらのなかでも、より良好な体積固有抵抗値を得るためには、沸点140〜300℃のものが好ましい。より好ましくは沸点が150〜200℃のものである。具体的には例えば、ブタンジオールジビニルエーテル(沸点168℃)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(262℃)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(196℃)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(242℃)、ヘキサンジオールジビニルエーテル(205℃)等が挙げられる。 ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルが好ましく挙げられる。これらのなかでも、塗工時に増粘しにくく、乾燥時に残存しにくいものとして、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルがさらに好ましく挙げられる。
前記のポリマー(B)とビニルエーテル基を有する化合物(C)の本発明の導電性ペースト中の配合割合は、{(ビニルエーテル基を有する化合物(C)のビニル基のモル当量)/(ポリマー(B)の酸モル当量)}の比率で0.1〜10が好ましい。この比率が0.1未満であると、前記のポリマー(B)とビニルエーテル基を有する化合物(C)の作用分子の絶対数が少なく、十分な電気伝導度の向上が得られない。また作用上、ビニルエーテル基を有する化合物(C)がモル比率でより過剰となるとビニルエーテル基を有する化合物(C)は溶剤としても作用するが、その大部分が揮散する。前記の比率が10を越える場合、ビニルエーテル基を有する化合物(C)自身の重合反応により導電性能を低下させる効果として無視しえなくなり、好ましくない。
本発明の導電性ペーストにおいて、前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)とを加熱硬化させて樹脂を形成させる。その際には、加熱処理条件下で、さらに反応速度を上げるために触媒を用いてもでよい。その触媒としては、具体的に例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素化合物;ヘキサメチルリン酸トリアミド、またはリン酸トリメチルやリン酸トリエチルのようなリン酸トリアルキル等の化合物等の酸性リン酸エステルさらにはジメチルスルホキシド等を用いることができる。これら触媒化合物の添加量は、前記の1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)の総量の0〜3重量%が好ましい。
本発明の導電性ペーストの使用に際して、熱処理条件で、十分な処理時間が許容され、作用速度を上げる必要が無い場合は、より高導電性を達するために、前記の触媒化合物は使用量を極小にするか、使用しないのが好ましい。
本発明の導電性ペーストに用いる溶剤としては、特に限定されない。通常の汎用溶媒の中から適宜選択して使用することができる。溶媒としては、具体的には例えば、ドデカン、テトラデセン、ドデシルベンゼン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、α−テルピネオール、ベンジルアルコール、2−ヘキシルデカノール等のアルコール;酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル等のエステル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体;シクロヘキサノン、シクロヘキサノール等の脂環式炭化水素類;石油エーテル、ナフサ等の石油系溶剤が挙げられる。
好ましくは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
前記の溶剤の使用量は、特に限定されないが、電気伝導度に影響を及ぼす塗布性の点から、溶剤の量は、前述の扁平鱗片状金属粉(A)とポリマー(B)とビニルエーテル基を有する化合物(C)を含む導電性ペーストから溶剤を除いた総重量100重量部に対して、50〜300重量部の添加が好ましい。
なお溶剤は必ずしも必須成分ではなく、必要に応じて配合すればよく、例えば前記のビニルエーテル化合物が過剰な場合は、溶剤としても作用する。
本発明の導電性ペーストには、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてさらに添加物として、カスターワックス等のチクソ性付与剤、亜鉛アセチルアセトナート等のキレート剤、カップリング剤、分散安定剤、レベリング剤、粘着性付与剤、顔料、消泡剤、腐食防止剤、難燃剤等の各種添加剤を用いることができる。
本発明の導電性ペーストは、導電性に優れるので、各種の電子関係の配線基板や電子部品の内外部の電極等の導通が必要な箇所に好適に使用できる。
具体的に例えば、前記の基板への利用として、前記の導電性ペーストを用いて次の(1)〜(3)の工程により配線基板を製造することができ、また、(4)の工程により、内外部電極を形成することができる。
(1)プリント配線板やフレキシブルプリント基板の上にパターン塗布し加熱処理して回路や電極を形成する工程、
(2)多層基板のスルーホールに充填し加熱処理して層間の電気的導通を得る工程、および、
(3)プリント基板上にディスペンス、スクリーン印刷ないしステンシル印刷で塗布した上に、半導体素子やチップ部品を搭載し加熱処理して接合する工程。
(4)部品導通部に塗布した後、加熱処理して内外部電極を形成する工程。
これらの(1)〜(4)の工程のいずれか1つの工程を単独で行うかあるいは前記の工程を組み合わせて使用することができる。
本発明の導電性ペーストの使用方法は、導電性ペーストとして、本発明の導電性ペーストを用いる以外、各工程を公知の方法および条件で行うことができる。
次に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。次に用いた測定方法、評価方法を示す。なお導電性ペーストの調製には、市販の金属粉またはこれを搗砕処理したものを用いた。
[測定方法]
1.<金属粉のタップ密度の測定>
金属粉のタップ密度の測定は、(株)セイシン企業製タップデンサーKYT−4000を用い、日本粉末冶金工業会規格JPMA P 08−1992「金属粉のタップ密度試験方法」に準じて行った。
2.<金属粉の粒度分布の測定>
金属粉の粒度分布の測定は、(株)堀場製作所(株)製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−920を用い測定を行った。メジアン径D50をもって平均粒径とし評価の指標とした。
調製した導電性ペーストに対しては、粘度、導電性(体積抵抗率による)、および密着性(碁盤目剥離試験と固着強度試験による)について調べた。
3.<粘度の測定>
粘度の測定は、硬化前のペースト粘度を、循環式恒温水浴を装備した(株)トキメック製E型粘度計ビスコニックEHDを用いて測定した。(温度20℃)
4.<体積抵抗率の測定>
体積抵抗率の測定は、ペーストの体積抵抗率は、ガラス板上にセロハンテープのガイドラインを用いて、1×5cmのペーストのラインを塗布形成し、150℃で30分間熱処理した後、三菱化学(株)製ロレスタGP MCP−T600型にASPプローブを接続し、JIS K7194「導電性プラスチックの4探針法による低抵抗試験方法」に準じて、4端子4探針法によって抵抗率の測定を行い、マイクロメータによって測定した試料厚みで除し、体積抵抗率を得た。
5.<碁盤目剥離試験>
碁盤目剥離試験は、ガラス基材に対する密着性を、JIS K 5600−5−6:1999「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」の碁盤目剥離試験によって調べた。カッターガイドのすきま間隔は2mmとした。評価の判定方法は次の通りとした。
◎…優れた密着性を有する(剥がれない碁盤目数/全碁盤目数(100)=100/100)
○…十分な密着性を有する(90〜99/100)
△…実用上やや問題あり(80〜89/100)
×…実用上問題あり(79以下/100)
7.<固着強度試験>
固着強度試験による固着強度は、1608チップ部品搭載を模し、縦0.8mm×横0.8mmのランド、ランド間隔0.4mmのレジスト抜きしたガラスエポキシ基板上の銅箔ランドパターンの上に、縦0.8mm×横0.4mmのランド、ランド間隔0.4mmのランドパターンを形成した50μm厚メタルマスクを用いて、導電性ペーストをステンシル印刷し、その上に1608ダミーチップ部品を搭載した後、前記の条件で加熱処理を行った。この基板上に導電性ペーストで接合されたダミー部品に対して、DAGE社製万能ボンドテスター4000を用いて、日本電子機械工業会暫定規格RCX−0414/102「表面実装部品の機械的強度試験方法」に準じて、部品の横押し試験を行い、測定した。ただし、クリープモードではなく破壊モードを採り、降伏点をもって固着強度とした。評価の判定方法は次の通りとした。
◎…優れた固着性を有する(固着強度=10N以上〜 )
○…十分な固着性を有する(9N以上〜10N未満)
△…実用上やや問題あり(8N以上〜9N未満)
×…実用上問題あり(〜8N未満)
[調製例1]市販銀粉からの扁平銀粉(Ag−1)の調製
日陶科学(株)製高速スタンプミルANS−143PL型にアルミナ製ウスを装着し、予め20%ステアリン酸ジイソプロピルエーテル溶液0.7gで湿潤させた三井金属鉱業(株)製球状銀粉SPN10J(平均粒径1.4μm、タップ密度4.76g/cm)7gに対して、1ストローク0.5秒の速度で18時間、搗砕処理を行った。平均粒径4.2μm、タップ密度0.78g/cmの扁平銀粉(Ag−1)が得られた。得られた銀粉は、2液常温硬化型樹脂を用いて包埋し樹脂容器に塗布し24時間常温硬化させた。その後スライスして、走査型顕微鏡で観察し扁平銀粉が得られたことを確認した。以下同様に形状確認を行った。
[比較調製例1B]市販銀粉からの扁平銀粉(Ag−1B)の調製
調製例1と同じ原料銀粉を用い、搗砕処理時間18時間を8時間に変更した以外は、調製例1と全く同じ搗砕処理を行った。平均粒径3.9μm、タップ密度1.10g/cmの扁平銀粉(Ag−1B)が得られた。
[調製例2]市販金粉からの扁平金粉(Au−2)の調製
調製例1と同様にして、原料金属粉として大研化学工業(株)製粒状金粉G−210(平均粒径0.8μm、タップ密度6.2g/cm)7gを用い、処理時間9時間に変更した以外は調製例1と同じ搗砕処理を行った。平均粒径4.2μm、タップ密度0.85g/cmの扁平金粉(Au−2)が得られた。
[比較調製例2B]市販金粉からの扁平金粉(Au−2B)の調製
調製例2と同じ原料金粉を用い、処理時間を6時間に変更した以外は、調製例1と全く同じ搗砕処理を行った。平均粒径4.2μm、タップ密度1.4g/cmの扁平金粉(Au−2B)が得られた。
[合成例1]アクリル系共重合体(B−1)の合成
滴下漏斗、攪拌機、窒素ガス導入管、還流冷却器を備えた500mLの四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、キシレン50gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)100gを入れ、滴下漏斗から、メタクリル酸(MAA)7g、メタクリル酸メチル(MMA)35g、アクリル酸ブチル(BA)55g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)3g、およびt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート(商品名:パーブチルI、日本油脂(株)製、純度95%)1gの混合物101gを130℃で5時間かけて均一速度で滴下した。その後、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート1gを添加し、130℃で2時間未反応モノマーの転化を行い、粘性溶液250gを得た。得られたポリマー(B−1)は、固形分39%、固形分換算酸価42mgKOH/g、重量平均分子量42,100であった。これらの値を換算すると、このポリマー1分子中には平均で31.5個のカルボキシル基が存在することになる。
[比較合成例1B]アクリル系共重合体(B−1B)の合成
合成例1と同じ反応装置を用い、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、キシレン150gを入れ、滴下漏斗から、MAA0.7g、MMA41.3g、BA55g、HEMA3g、およびt−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート(商品名:パーブチルO、日本油脂(株)製、純度95%)14gの混合物114gを130℃で5時間かけて均一速度で滴下した。その後、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート1gを添加し、130℃で2時間未反応モノマーの転化を行い、粘性溶液265gを得た。得られたポリマー(B−1B)は、固形分40%、固形分換算酸価4.1mgKOH/g、重量平均分子量9,400であった。これらの値を換算すると、このポリマー1分子中には平均で0.7個のカルボキシル基が存在することになる。
実施例1
調製例1で得られた銀粉(Ag−1)3.38gと、合成例2で得られたカルボキシル基含有ポリマーの溶液(B−1)1.00gと、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGDVEと略す、日本カーバイド工業(株)製)0.18gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA、(株)クラレ製)0.99gと、カスターワックス0.03g(予め、B−1溶液に80℃に加熱下で溶解しておく)と、キレート剤としての亜鉛アセチルアセトナート一水和物(同仁化学研究所(株)製)0.02gを合わせ、(株)シンキー製ペースト混練器ARV−200を用いて、17秒間を2サイクル自転公転混合し、粘度340dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。ただし、塗布または印刷したペーストは、70℃で10分間予備乾燥した後、200℃で20分間の条件で加熱処理を行った。組成と結果を表−1に示す。
実施例2
実施例1において用いたカルボキシル基含有ポリマーの溶液(B−1)に替えて、市販のポリエステル系カルボキシル基含有ポリマー(商品名:ファインディックM8962、大日本インキ化学工業(株)製、酸価35mgKOH/g)をPMAに溶解し、39%濃度としたもの(B−2)を実施例1の(B−1)と同量用いた以外は、実施例1と全く同じ操作および評価を行った。このポリマー1分子中には平均で6個のカルボキシル基が存在することになる。結果を表−1に示す。導電性ペーストの粘度は350dPa・secであった。
実施例3
実施例1において用いた銀粉(Ag−1)に替えて、市販の扁平銀粉(商品名:ナノメルトAg−XA301、福田金属箔粉工業(株)製)を同量用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行った。この扁平銀粉(Ag−3)は、平均粒径5.8μm、タップ密度0.70g/cmであった。前記の操作により粘度280dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例1と全く同じにして行った。組成と結果を表−1に示す。
比較例1
実施例1において用いた銀粉(Ag−1)に替えて、比較調製例1Bで得られた銀粉(Ag−1B)を同量用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行った。前記の操作により粘度200dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例1と全く同じにして行った。組成と結果を表−1に示す。
比較例2
実施例1において用いたカルボキシル基含有ポリマーの溶液(B−1)に替えて、比較調製例1Bで得られたポリマー溶液(B−1B)を同量用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行った。前記の操作により粘度180Pa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例1と全く同じにして行った。組成と結果を表−1に示す。
比較例3
実施例3において、TEGDVE0.18gとPMA0.99gを用いているところを、TEGDVEを全く用いずにPMA1.17g用いた以外は、実施例3と全く同じ操作を行った。前記の操作により粘度280dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例3と全く同じにして行った。組成と結果を表−1に示す。
実施例4
タンタルコンデンサーの陰極側の五酸化タンタルに予めコートした導電性高分子、グラファイトの上に、実施例1の銀ペーストをディップ塗布し、70℃10分間予備乾燥した後、180℃20分間加熱処理した。形成された電極の銀ペースト部分の膜厚は60μmであり、体積抵抗率は18μΩ・cmであった。これに、ニホンゲンマ(株)製Sn−8Zn−3Bi系鉛フリーはんだペーストではんだ付けを行い、前記の方法で固着強度試験を行ったところ、12.4Nの固着強度値が得られた。破断面を観察したところ、導電ペースト層で凝集破壊を起こしていた。
以上の結果より、タップ密度0.9g/cm以下の金属粉(A)、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)、および1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)の3者を含有する導電性ペーストを配合作製することにより、実施例1、2、および3では、用いている金属種の銀の固有抵抗値1.62×10−6Ω・cmの12倍、すなわち2.0×10−5Ω・cm以下の低抵抗であり、また申し分ない密着性をもって実現されていることが判る。また、本発明のペーストを端子電極として用いても同様の低抵抗と優良物性を有し実用可能であることが示された。また、比較例1、2、3では、明らかな通り、本発明の要件を満たさない導電性ペーストの配合系では、この性能が達成しえないことも分かる。
実施例5
調製例2で得られた金粉(Au−2)3.60gと、合成例2で得られたカルボキシル基含有ポリマーの溶液(B−1)0.89gと、シクロヘキサンメタノールジビニルエーテル(CHDVE、日本カーバイド工業(株)製)0.23gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA、(株)クラレ製)0.82gと、酸性リン酸エ
ステル触媒(モノ−2−エチルヘキシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリス−2−エチルヘキシルホスフェートの混合物、商品名:AP−8、大八化学工業(株)製)0.004gを合わせ、(株)シンキー製ペースト混練器ARV−200を用いて、17秒間を2サイクル自転公転混合し、粘度370dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。ただし、塗布または印刷したペーストは、70℃で10分間予備乾燥した後、220℃で30分間の条件で加熱処理を行った。組成と結果を表−2に示す。
比較例4
実施例5において用いたカルボキシル基含有ポリマーの溶液(B−1)に替えて、比較調製例2Bで得られたポリマー溶液(B−1B)を同量用いた以外は、実施例5と全く同じ操作を行った。前記の操作により粘度320dPa・secの導電性ペーストを得た。
また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例5と全く同じにして行った。組成と結果を表−2に示す。
比較例5
実施例5において用いた金粉(Au−2)に替えて、比較調製例2Bで得られた金粉(Au−2B)を同量用いた以外は、実施例5と全く同じ操作を行った。前記の操作により粘度350dPa・secの導電性ペーストを得た。また前記の組成物を用いて前記の試験方法、評価方法で評価した。加熱処理の条件も実施例5と全く同じにして行った。組成と結果を表−2に示す。
タップ密度0.9g/cm以下の金属粉(A)、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)、および1分子中に少なくとも1個以
上のビニルエーテル基を有する化合物(C)の3者を含有する導電性ペーストを配合作製することにより、実施例5では、金の固有抵抗値1.62×10−6Ω・cmの12倍、すなわち2.9×10−5Ω・cm以下の低抵抗が申し分ない密着性をもって実現されていることが判る。

Claims (5)

  1. 金属粉(A)と、1分子中に少なくとも1個以上のカルボキシル基を有するポリマー(B)と、1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)とを含有する導電性ペーストであって、金属粉(A)のタップ密度が0.9g/cm以下であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 1分子中に少なくとも1個以上のビニルエーテル基を有する化合物(C)が、140℃〜300℃の沸点を有するものである請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 金属粉(A)が、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Pt(白金)およびPd(パラジウム)からなる金属元素群から選ばれる1種の金属粉または2種以上の合金の金属粉である請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. ポリマー(B)が、酸価10mgKOH/g以上、重量平均分子量300〜100000のポリマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
  5. ポリマー(B)とビニルエーテル基を有する化合物(C)の配合比が、{(ビニルエーテル基を有する化合物(C)のビニル基のモル当量)/(ポリマー(B)のカルボキシル基のモル当量)}の比で0.1〜10の比率である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
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