JP2001146026A - 液体容器 - Google Patents

液体容器

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JP2001146026A JP2000146965A JP2000146965A JP2001146026A JP 2001146026 A JP2001146026 A JP 2001146026A JP 2000146965 A JP2000146965 A JP 2000146965A JP 2000146965 A JP2000146965 A JP 2000146965A JP 2001146026 A JP2001146026 A JP 2001146026A
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジ内のインクにより気泡が
生じることを防止する。気泡が生じたとしてもインクの
消費量を直接に検出する装置に気泡が付着しないインク
カートリッジを提供する。また、インクカートリッジ内
のインクが消費された後、キャビティ内にインクが残存
しないようにすることによって、またはキャビティ内に
インクが残存する量を減少させることによってインクカ
ートリッジ内のインクの量を誤って検出することを防止
する。 【解決手段】 本発明におけるインクカートリッジは、
インク滴を吐出する印字ヘッドを有するインクジェット
記録装置に装着され、印字ヘッドへ液体を供給する。本
発明におけるインクカートリッジは、液体を収容する容
器と、液体を供給する液体供給口と、容器内の液体の消
費状態を検出する圧電装置と、容器内において圧電装置
の付近に配備される多孔質部材とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体容器内の液体
の消費状態を検出する圧電装置を有する液体容器に関
し、より詳しくは、インクジェット記録装置において、
記録ヘッドへ液体を供給する液体容器内の液体の消費状
態を検知する圧電装置を有する液体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、圧力発生室
を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをノズル
開口からインク滴として吐出するノズル開口とを備えた
インクジェット記録ヘッドをキャリッジに搭載する。イ
ンクジェット記録装置は、インクタンクのインクを、流
路を介して記録ヘッドに供給しながら印刷を継続可能に
構成されている。インクタンクは、インクが消費された
時点で、ユーザが簡単に交換できるように着脱可能なカ
ートリッジとして構成されている。
【0003】従来、インクカートリッジのインク消費の
管理方法として、記録ヘッドでのインク滴の吐出数やメ
ンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエアに
より積算してインク消費を計算により管理する方法と、
インクカートリッジに液面検出用の電極を取付けること
により、実際にインクが所定量消費された時点を管理す
る方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ソフト
ウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してイ
ンク消費を計算上で管理する方法は、ユーザサイドでの
印刷形態等により誤差が生じたり、また同一カートリッ
ジの再装着時には大きな誤差が生じるという問題があ
る。また、使用環境により、例えば室温が極端な高低、
あるいはインクカートリッジの開封後の経過時間などに
よってインクカートリッジ内の圧力やインクの粘度が変
化して、計算上のインク消費量と実際の消費量との間に
無視できない誤差が生じてしまうという問題もあった。
【0005】一方、電極によりインクが消費された時点
を管理する方法は、インクの液面を実際に検出すること
ができるため、インクの有無を高い信頼性で管理できる
(特開平8-34123号公報参照)。しかしながら、インク
の液面の検出をインクの導電性に頼るので、検出可能な
インクの種類が限定されたり、また電極のシール構造が
複雑化する問題がある。また、電極の材料として通常は
導電性が良く耐腐食性も高い貴金属を使用するので、イ
ンクカートリッジの製造コストがかさむという問題もあ
る。さらに、2本の電極を装着する必要があるため、製
造工程が多くなり結果として製造コストがかさんでしま
うという問題もある。
【0006】また、インクの消費量を直接に検出する装
置では、カートリッジ内のインクを検出する部分にキャ
ビティを有する場合がある。この検出装置を搭載したイ
ンクジェット記録装置の記録ヘッドと共に走査する場
合、インクカートリッジ内のインクが波うち、気泡が発
生する場合がある。気泡はインクの有無を検出するのに
誤動作の原因になる問題がある。
【0007】そこで本発明は、液体残量を正確に検出で
き、かつ複雑なシール構造を不要とした液体容器を提供
することを目的とする。
【0008】また、液体容器の製造工程が少なく、かつ
製造コストが低廉であり、かつ液体の種類に依らず液体
容器内の液体の消費量を正確に検出することができる液
体容器を提供することを目的とする。
【0009】また、液体容器内の液体により気泡が生じ
ることを防止するとともに、気泡が生じたとしても液体
の消費量を直接に検出する装置に気泡が付着しない液体
容器を提供することを目的とする。
【0010】さらに、液体容器内の液体が消費された
後、キャビティ内に液体が残存しないようにすることに
よって、またはキャビティ内に液体が残存する量を減少
させることによって、液体容器内の液体の量を誤って検
出することを防止することを目的とする。
【0011】そこで本発明は、上記の課題を解決するこ
とのできる液体容器を提供することを目的とする。この
目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組
み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更な
る有利な具体例を規定する。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従った液
体容器の第1の形態によると、液体容器は、液体を収容
する容器と、液体を供給する液体供給口と、容器内の液
体の消費状態を検出する圧電装置と、容器内において圧
電装置の付近に配備される多孔質部材と、を備える。圧
電装置と多孔質部材とは、接触していてもよい。一方
で、圧電装置と多孔質部材との間に間隙があってもよ
い。好ましくは、圧電装置は、振動部および振動部と液
体とが接触できるように形成されたキャビティを有し、
キャビティ内に多孔質部材が配備される。
【0013】多孔質部材に作用する毛細管力は、液体を
保持できる程度の毛細管力と等しいか、またはそれ以上
であることを特徴としてもよく、逆に、多孔質部材に作
用する毛細管力は、前記液体を保持できる程度の毛細管
力より小さいことを特徴としてもよい。
【0014】圧電装置は、基板と、振動部と、振動部と
液体とが接触できるように形成されたキャビティとを備
えてもよい。好適には、基板の前面にキャビティの少な
くとも一部分を覆うように多孔質部材が配備される。キ
ャビティは、圧電装置の振動部と液体とが接触できるよ
うに形成された貫通孔部とを有し、多孔質部材は、貫通
孔部に連通する溝部の上に配備されてもよい。溝部に作
用する毛細管力は、溝部の毛細管力は、液体を保持でき
る程度の毛細管力と等しいか、またはそれ以上であるこ
とが好ましい。
【0015】好適には、その溝部には、毛細管力が作用
する。さらに好適には、溝部に作用する毛細管力は、多
孔質部材に作用する毛細管力より小さい。
【0016】圧電装置および多孔質部材は、容器のう
ち、液体供給口のある供給口面に配備されてもよい。
【0017】好適には、圧電装置は、振動を生ずる振動
部を有し、振動の発生後、振動部に残留する残留振動に
よって、逆起電力を発生し、その逆起電力に基づいて液
体の消費状態を検出する。
【0018】当該液体容器に取り付けられる圧電装置
は、圧電装置を容器に取り付けるための取付モジュール
体として構成されてもよい。かかる場合は、圧電装置
は、取付モジュール体として容器に取り付けられる。
【0019】当該液体容器は、インク滴を吐出する印字
ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着され、印
字ヘッドへ液体を供給してもよい。
【0020】なお上記の発明の概要は、本発明の必要な
特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群の
サブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかか
る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明
されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に
必須であるとは限らない。
【0022】本発明の基本的概念は、振動現象を利用す
ることで、液体容器内の液体の状態(液体容器内の液体
の有無、液体の量、液体の水位、液体の種類、液体の組
成を含む)を検出することである。具体的な振動現象を
利用した液体容器内の液体の状態の検出としてはいくつ
かの方法が考えられる。例えば弾性波発生手段が液体容
器の内部に対して弾性波を発生し、液面あるいは対向す
る壁によって反射する反射波を受波することで、液体容
器内の媒体およびその状態の変化を検出する方法があ
る。また、これとは別に、振動する物体の振動特性から
音響インピーダンスの変化を検知する方法もある。音響
インピーダンスの変化を利用する方法としては、圧電素
子を有する圧電装置またはアクチュエータの振動部を振
動させ、その後に振動部に残留する残留振動によって生
ずる逆起電力を測定することによって、共振周波数また
は逆起電力波形の振幅を検出することで音響インピーダ
ンスの変化を検知する方法や、測定機、例えば伝送回路
等のインピーダンスアナライザによって液体のインピー
ダンス特性またはアドミッタンス特性を測定し、電流値
や電圧値の変化または、振動を液体に与えたときの電流
値や電圧値の周波数による変化を測定する方法がある。
弾性波発生手段および圧電装置またはアクチュエータの
動作原理の詳細については後述する。
【0023】図1は、本発明が適用される単色、例えば
ブラックインク用のインクカートリッジの一実施形態の
断面図である。図1のインクカートリッジは、上記に説
明した方法のうちの、弾性波の反射波を受信して液体容
器内の液面の位置や液体の有無を検出する方法に基づい
ている。弾性波を発生しまた受信する手段として弾性波
発生手段3を用いる。インクを収容する容器1には、記
録装置のインク供給針に接合するインク供給口2が設け
られている。容器1の底面1aの外側には、弾性波発生
手段3が容器を介して内部のインクに弾性波を伝達でき
るように取付けられている。インクKがほぼ消費されつ
くした段階、つまりインクニアエンドとなった時点で、
弾性波の伝達がインクから気体へと変更するべく、弾性
波発生手段3はインク供給口2よりも若干上方の位置に
設けられている。なお、受信手段を別に設けて、弾性波
発生手段3を単に発生手段として用いても良い。
【0024】インク供給口2にはパッキン4及び弁体6
が設けられている。図3に示すように、パッキン4は記
録ヘッド31に連通するインク供給針32と液密に係合
する。弁体6は、バネ5によってパッキン4に対して常
時弾接されている。インク供給針32が挿入されると、
弁体6はインク供給針32に押されてインク流路を開放
し、容器1内のインクがインク供給口2およびインク供
給針32を介して記録ヘッド31へ供給される。容器1
の上壁の上には、インクカートリッジ内のインクに関す
る情報を格納した半導体記憶手段7が装着されている。
【0025】また、容器1の内部には、多孔質部材10
50が設けられている。多孔質部材1050と弾性波発
生手段3との間には、インク層1060ができるように
間隙が設けられる。容器1の内部に多孔質部材1050
を設けることによって、記録ヘッドの走査と共にインク
カートリッジが移動する場合に、容器1内のインクの波
打ちや泡立ちを防止できる。よって、インクの泡やイン
クの波が弾性波発生手段3の周辺に生じにくいので、弾
性波発生手段3が誤ってインクの有無を検出することを
防止することができる。
【0026】また、容器1内のインクが消費され、イン
クの液面がインク層1060に達するときに、多孔質部
材1050がインク層1060に存在するインクまでを
も吸引することのないように、多孔質部材1050の孔
径を設定する。即ち、多孔質部材1050に作用する毛
細管力が、容器1内のインクを保持できる程度の毛細管
力より小さくなるように設計する。それによって、容器
1内のインクがインクニアエンドのときには、インクの
自重によって多孔質部材1050にはインクがほとんど
残存せず、インク層1060に残存するようにする。
【0027】容器1には、インクの液面の上方に容器1
の外部に通ずる通気孔(図示せず)がある。通気孔によ
って容器1内に空気が導入され、インクの消費に伴い、
インクが自重によってインクの液面の下方向へ下降す
る。それによって、残存するインクはインク層1060
に溜まる。
【0028】容器1内に多孔質部材1050が設けられ
ているため、インクカートリッジが記録ヘッドとともに
走査する場合においても、インクが波立たない。従っ
て、容器1内のインクの液面が多孔質部材1050の下
端に到達し、インクの液面がインク層1060の間に存
在する場合には、弾性波発生手段3はインクの液面を正
確に検出できる。
【0029】また、多孔質部材1050と弾性波発生手
段3との間隙の幅は限定しない。インクの泡立ちをでき
るだけ抑制するためには、多孔質部材1050を容器1
の下方に設けることによって、インク層1060の幅を
小さくすることが好ましい。
【0030】また、多孔質部材1050は、弾性波発生
手段3の付近に配置されることが好ましい。これによ
り、インクの泡が生じたとしても、インクの泡は多孔質
部材1050に吸収されるため、弾性波発生手段3の周
辺に留まらない。それによって、弾性波発生手段3が誤
ってインクの有無を検出することを防止することができ
る。
【0031】図2は、複数種類のインクを収容するイン
クカートリッジの一実施例を示す裏側から見た斜視図で
ある。容器8は、隔壁により3つのインク室9、10及
び11に分割される。それぞれのインク室には、インク
供給口12、13及び14が形成されている。それぞれ
のインク室9、10及び11の底面8aには、弾性波発
生手段15、16および17が、容器8を介して各イン
ク室内に収容されているインクに弾性波を伝達できるよ
うに取付けられている。本実施例においても、インク室
9、10及び11のそれぞれに多孔質部材(図示せず)
が配備される。
【0032】図3は、図1及び2に示したインクカート
リッジに適したインクジェット記録装置の要部の実施形
態を示す断面図である。記録用紙の幅方向に往復動可能
なキャリッジ30は、サブタンクユニット33を備えて
いて、記録ヘッド31がサブタンクユニット33の下面
に設けられている。また、インク供給針32はサブタン
クユニット33のインクカートリッジ搭載面側に設けら
れている。
【0033】記録装置の動作期間中には、あらかじめ設
定された検出のタイミング、例えば一定周期で弾性波発
生手段3に駆動信号が供給される。弾性波発生手段3に
より発生された弾性波は、容器1の底面1aを伝搬して
インクに伝達され、インクを伝搬する。
【0034】弾性波発生手段3を容器1に貼着すること
により、容器1の成形時における液面検出用の電極の埋
め込みが不要となるので、射出成形工程が簡素化され、
電極埋めこみ領域からの液漏れがなくなり、インクカー
トリッジの信頼性が向上できる。
【0035】また、容器1の内部に多孔質部材1050
を設ける。多孔質部材1050を設けることによって、
記録ヘッドの走査と共にインクカートリッジが移動する
場合に、容器1内のインクが波打ちや泡立ちを防止でき
る。よって、インクの泡やインクの波が弾性波発生手段
3の周辺に生じにくいので、弾性波発生手段3が誤って
インクの有無を検出することを防止することができる。
【0036】図4は、サブタンクユニット33の詳細を
示す断面図である。サブタンクユニット33は、インク
供給針32、インク室34、膜弁36、及びフィルタ3
7を有する。インク室34内には、インクカートリッジ
からインク供給針32を介して供給されるインクが収容
される。膜弁36は、インク室34とインク供給路35
との間の圧力差により開閉するよう設計されている。イ
ンク供給路35は記録ヘッド31に連通しており、イン
クが記録ヘッド31まで供給される構造となっている。
【0037】図3に示すように、容器1のインク供給口
2をサブタンクユニット33のインク供給針32に挿通
すると、弁体6がバネ5に抗して後退し、インク流路が
形成され、容器1内のインクがインク室34に流れ込
む。インク室34にインクが充填された段階で、記録ヘ
ッド31のノズル開口に負圧を作用させて記録ヘッド3
1にインクを充填した後、記録動作を実行する。
【0038】記録動作により記録ヘッド31においてイ
ンクが消費されると、膜弁36の下流側の圧力が低下す
るので、図4に示すように、膜弁36が弁体38から離
れて開弁する。膜弁36が開くことにより、インク収容
室34のインクはインク供給路35を介して記録ヘッド
31に流れこむ。記録ヘッド31へのインクの流入に伴
なって、容器1のインクは、インク供給針32を介して
サブタンクユニット33に流れ込む。
【0039】図3および図4の実施例によれば、サブタ
ンクユニット33内にも弾性波発生手段3および多孔質
部材1050を配備している。多孔質部材1050は、
弾性波発生手段3の付近に配備される。弾性波発生手段
3および多孔質部材1050の間にはインク層1060
ができるように間隙が設けられている。
【0040】弾性波発生手段3は、サブタンクユニット
33内のインクの量またはインクの有無を検出する。本
実施例の場合、サブタンクユニット33内に多孔質部材
1050が設けられているため、インク層1060の幅
が小さくなると弾性波発生手段3はインク量をインクエ
ンドの付近でしか検出できない。しかし、サブタンクユ
ニット33内に多孔質部材1050が設けられているこ
とによって、インクが波立たない。従って、サブタンク
ユニット33内のインクの液面が多孔質部材1050の
下端に到達し、インクの液面がインク層1060の間に
存在する場合には、弾性波発生手段3はインクの液面を
正確に検出できる。また、弾性波発生手段3がサブタン
クユニット33内のインクの量やインクの有無を誤って
検出することがない。
【0041】また、弾性波発生手段3がサブタンクユニ
ット33内に配備されているので、インクカートリッジ
内のインクがなくなった場合であっても、弾性波発生手
段3はサブタンクユニット33内のインクの量やインク
の有無を検出することができる。それによって、さらに
印字を続行するか否かの判断をすることができる。
【0042】図3に示す実施例では、インクカートリッ
ジの容器1内に弾性波発生手段3および多孔質部材10
50を配備している。また、図3および図4に示すよう
に、サブタンクユニット33内にも弾性波発生手段3お
よび多孔質部材1050を配備している。従って、図3
のインクカートリッジおよび図4のサブタンクユニット
33の両者に弾性波発生手段3および多孔質部材105
0を配備している。しかし、図3のインクカートリッジ
および図4のサブタンクユニット33の一方だけに弾性
波発生手段3および多孔質部材1050を配備してもよ
い。
【0043】図5に示した実施形態によれば、容器1内
のインクが消費されてインク吸収体74及び75がイン
クから露出すると、多孔質部材からなるインク吸収体7
4及び75のインクが自重により流れ出して記録ヘッド
31にインクを供給する。インクが消費され尽くすと、
インク吸収体74及び75は、貫通孔1cに残存してい
るインクを吸い上げるので、貫通孔1cの凹部からイン
クが排出される。そのため、インクエンド時において弾
性波発生手段70が発生した弾性波の反射波の状態が変
化するので、インクエンドを更に確実に検出することが
できる。尚、インク吸収体74及び75に作用する毛細
管力が容器1内のインクを保持できる程度の毛細管力と
等しいか、またはより大きくなるように設計する。それ
によって、多孔質部材からなるインク吸収体74及び7
5は、貫通孔1cに残存しているインクを吸収する。
【0044】図6は、弾性波発生手段3、15、16、
及び17の製造方法を示す。固定基板20は、焼成可能
なセラミック等の材料により形成される。まず、図6
(I)に示すように、固定基板20の表面に一方の電極
となる導電材料層21を形成する。次に、図6(II)に
示すように、導電材料層21の表面に圧電材料のグリー
ンシート22を重ねる。次に、図6(III)に示すよう
に、プレス等により所定の形状にグリーンシート22を
振動子の形状に成形し、自然乾燥後させた後、焼成温
度、例えば1200°Cで焼成する。次に、図6(IV)
に示すように、他方の電極となる導電材料層23をグリ
ーンシート22の表面に形成して、たわみ振動可能に分
極する。最後に、図6(V)に示すように、固定基板2
0を各素子毎に切断する。固定基板20を接着剤等によ
り容器1の所定の面に固定することで、弾性波発生手段
3が、容器1の所定の面に固定されて、残量検出機能付
きインクカートッジが完成する。
【0045】図7は、図6に示した弾性波発生手段3の
他の実施形態を示す。図6の実施例においては、導電材
料層21を接続電極として使用している。一方、図7の
実施例においては、グリーンシート22により構成され
た圧電材料層の表面よりも上方の位置に、半田等により
接続端子21a及び23aを形成する。接続端子21a
及び23aにより、弾性波発生手段3の回路基板への直
接的な実装が可能となり、リード線の引き回しが不要と
なる。
【0046】ところで、弾性波は、気体、液体および固
体を媒体として伝播することができる波の一種である。
従って、媒体の変化により弾性波の波長、振幅、位相、
振動数、伝播方向や伝播速度などが変化する。一方、弾
性波の反射波も媒体の変化によってその波の状態や特性
が異なる。従って、弾性波が伝播する媒体の変化によっ
て変化する反射波を利用することで、その媒体の状態を
知ることが可能となる。この方法によって液体容器内の
液体の状態を検出する場合には、例えば弾性波送受信機
を使用する。図1〜図3の形態を例にとって説明すると
送受信機は、はじめに媒体、例えば、液体または液体容
器に弾性波を与え、その弾性波は媒体中を伝播し液体の
表面に達する。液体の表面では液体と気体との境界を有
するため、反射波を送受信機へ返す。送受信機は反射波
を受信し、その反射波の往来時間や送信機が発生した弾
性波と液体の表面が反射した反射波との振幅の減衰率な
どから、送信機または受信機と液体の表面との距離を測
定することができる。これを利用して液体容器内の液体
の状態を検出できる。弾性波発生手段3は、単体として
弾性波が伝播する媒体の変化による反射波を利用する方
法における送受信機として使用してもよいし、別に専用
の受信機を装着してもよい。
【0047】上記したように、弾性波発生手段3によっ
て発生されインク液中を伝搬する弾性波は、インク液の
密度や液面レベルによりインク液表面で生じる反射波の
弾性波発生手段3への到来時間が変化する。したがっ
て、インクの組成が一定である場合には、インク液表面
で生じる反射波の到来時間がインクの量に左右される。
したがって、弾性波発生手段3が弾性波を発生してから
インク表面からの反射波が弾性波発生手段3に到達する
までの時間を検出することにより、インク量を検出する
ことができる。また、弾性波は、インクに含まれている
粒子を振動させるので、着色剤として顔料を使用した顔
料系のインクの場合には、顔料等の沈殿を防止するのに
寄与する。
【0048】弾性波発生手段3を容器1に設けることに
より、印刷動作やメンテナンス動作によってインクカー
トリッジのインクがインクエンド近くまで減少して、弾
性波発生手段3によって反射波が受信できなくなった場
合には、インクニアエンドであると判定してインクカー
トリッジの交換を促すことができる。
【0049】図8は、本発明のインクカートリッジの他
の実施例を示す。上下方向に間隔を設けて、複数の弾性
波発生手段41〜44が、容器1の側壁上に設けられて
いる。図8のインクカートリッジは、弾性波発生手段4
1〜44のそれぞれの位置にインクが存在するか否かによ
り、それぞれの弾性波発生手段41〜44の装着位置の
レベルにおけるインクの有無が検出できる。例えば、イ
ンクの水位が、弾性波発生手段44と43との間のレベ
ルであるとき、弾性波発生手段44は、インクが無いと
検出し、弾性波発生手段41、42及び43は、インク
が有ると検出するので、インクの水位が、弾性波発生手
段44と43との間のレベルであることが分かる。した
がって、複数の弾性波発生手段41〜44を設けること
により、インク残量を段階的に検出することができる。
【0050】図9及び図10は、それぞれ本発明のイン
クカートリッジの更に他の実施例を示す。図9に示した
実施例においては、上下方向に斜めに形成された底面1
aに、弾性波発生手段65が装着される。また、図10
に示した実施例においては、垂直方向に長く延びる弾性
波発生手段66が、側壁1bの底面近傍に設けられてい
る。
【0051】図9及び図10の実施例によれば、インク
が消費され、弾性波発生手段65及び66の一部が液面
から露出するようになると、弾性波発生手段65及び6
6が発生した弾性波の反射波の到来時間及び音響インピ
ーダンスが、液面の変化Δh1、Δh2に対応して連続
的に変化する。したがって、弾性波の反射波の到来時間
又は音響インピーダンスの変化の度合いを検出すること
により、インク残量のインクニアエンド状態からインク
エンドまでの過程を正確に検出することができる。
【0052】さらに、容器1内には、多孔質部材105
0が配備されている。多孔質部材1050は、容器1内
のインクの波打ちや泡立ちを防止する。それによって、
弾性波発生手段65及び66が誤ってインクの有無を検
出することを防止する。
【0053】図9の実施例においては、多孔質部材10
50は、インクの液面の下方にある下面1055が弾性
波発生手段65の傾斜と平行になるように配備されてい
る。下面1055と弾性波発生手段65との間には間隙
がある。下面1055と弾性波発生手段65との間の間
隙には、インク層1060が存在する。従って、図1の
実施例と同様に、容器1内のインクの液面が多孔質部材
1050の下端に到達し、インクの液面がインク層10
60の間に存在する場合には、弾性波発生手段3はイン
クの液面を正確に検出できる。
【0054】図10の実施例においては、多孔質部材
(図示せず)の一側面は側壁1bに配備される弾性波発
生手段66と平行になるように配備されている。多孔質
部材の一側面と側壁1bとの間には間隙がある。本実施
例の場合、容器1内にインクが満たされ、多孔質部材の
一側面と側壁1bとの間隙にインクが満たされている場
合には、弾性波発生手段66から発生した弾性波に対す
る反射波は変化しない。一方で、容器1内のインクが消
費され、多孔質部材の一側面と側壁1bとの間隙に空隙
が生じるに伴い弾性波発生手段66から発生した弾性波
に対する反射波は徐々に変化する。従って、弾性波発生
手段66は、インクの液面が弾性波発生手段66の長さ
Δh2の範囲内にあるときのインクの消費状態を検出す
ることができる。尚、弾性波発生手段66の長さは限定
しない。
【0055】さらに、上述の実施例においてはたわみ振
動型の圧電振動子を使用することによりカートリッジの
大型化を抑えているが、縦振動型の圧電振動子を使用す
ることも可能である。更に、上述の実施例においては、
同一の弾性波発生手段により弾性波を送波し受波する。
他の実施形態として、送波用と受波用とで異なった弾性
波発生手段を用いて、インク残量を検出してもよい。
【0056】図11は、本発明のインクカートリッジの
更に他の実施例を示す。上下方向に斜めに形成された底
面1aに、上下方向に間隔を設けて、複数の弾性波発生
手段65a、65b及び65cが、容器1に設けられて
いる。容器1の内部には、多孔質部材1050が設けら
れている。多孔質部材1050と弾性波発生手段65
a、65b及び65cとの間には、インク層1060が
できるように間隙が設けられる。容器1の内部に多孔質
部材1050を設けることによって、記録ヘッドの走査
と共にインクカートリッジが移動する場合に、容器1内
のインクの波打ちや泡立を防止できる。よって、インク
の泡が弾性波発生手段65a、65b及び65cの周辺
に生じにくい。また、インクの泡が生じたとしても、イ
ンクの泡は多孔質部材1050に吸収されるため、弾性
波発生手段65a、65b及び65cの周辺に留まらな
い。それによって、弾性波発生手段65a、65b及び
65cが誤ってインクの有無を検出することを防止する
ことができる。
【0057】インク層1060の幅は図9の実施例と同
様に限定しない。
【0058】本実施例によれば、複数の弾性波発生手段
65a、65b、及び65cのそれぞれの位置にインク
が存在するか否かにより、それぞれの弾性波発生手段6
5a、65b、及び65cの装着位置のレベルにおけ
る、それぞれの弾性波発生手段65a、65b及び65
cへの弾性波の反射波の到来時間が異なる。したがっ
て、各弾性波発生手段65を走査して、弾性波発生手段
65a、65b及び65cにおける弾性波の反射波の到
来時間を検出することにより、それぞれの弾性波発生手
段65a、65b及び65cの装着位置のレベルにおけ
るインクの有無を検出することができる。したがって、
インク残量を段階的に検出することができる。例えば、
インク液面が弾性波発生手段65bと弾性波発生手段6
5cとの間のレベルであるとき、弾性波発生手段65c
はインク無しを検出し、一方弾性波発生手段65b及び
65aはインク有りと検出する。これらの結果を総合評
価することで、インク液面が弾性波発生手段65bと弾
性波発生手段65cとの間に位置していることが分か
る。
【0059】図12は、本発明のインクジェット記録装
置の実施形態の断面を示す。図12(A)は、インクジ
ェット記録装置のみの断面を示す。図12(B)は、イ
ンクジェット記録装置にインクカートリッジ272が装
着されたときの断面を示す。インクジェット記録用紙の
幅方向に往復動可能なキャリッジ250は、下面に記録
ヘッド252を有する。キャリッジ250は、記録ヘッ
ド252の上面にサブタンクユニット256を有する。
サブタンクユニット256は、図4に示したサブタンク
ユニット33と同様の構成を有する。サブタンクユニッ
ト256は、インクカートリッジ272の搭載面側にイ
ンク供給針254を有する。キャリッジ250は、イン
クカートリッジ272を搭載する領域に、インクカート
リッジ272の底部に対向するように凸部258を有す
る。凸部258は、圧電振動子などの弾性波発生手段2
60を有する。
【0060】図13は、図12に示した記録装置に適し
たインクカートリッジの実施形態を示す。図13(A)
は、単色、例えばブラックインク用のインクカートリッ
ジの実施形態を示す。本実施形態のインクカートリッジ
272は、インクを収容する容器274と、記録装置の
インク供給針254に接合するインク供給口276とを
有する。容器274は、底面274aに、凸部258と
係合する凹部278を有する。凹部278は、超音波伝
達材、例えばゲル化材280を収容する。
【0061】インク供給口276は、パッキン282、
弁体286、及びバネ284を有する。パッキン282
は、インク供給針254と液密に係合する。弁体286
は、バネ284によりパッキン282に常時弾接され
る。インク供給針254が、インク供給口276に挿入
されると、弁体286がインク供給針254に押されて
インク流路を開放する。容器274の上部には、インク
カートリッジ272のインク等に関する情報を格納した
半導体記憶手段288が装着されている。
【0062】容器274の内部には、多孔質部材105
0が設けられている。多孔質部材1050とゲル化材2
80との間には、インク層1060ができるように間隙
が設けられる。容器274の内部に多孔質部材1050
を設けることによって、容器274内のインクの波打ち
や泡立ちを防止できる。よって、図1と同様に、弾性波
発生手段260が誤ってインクの有無を検出することを
防止することができる。
【0063】本実施例の場合も図1と同様に容器1内の
インクの液面が多孔質部材1050の下端に到達し、イ
ンクの液面がインク層1060の間に存在する場合に
は、弾性波発生手段3はインクの液面を正確に検出でき
る。容器274内のインクの液面が多孔質部材1050
の下端に到達し、インクの液面がインク層1060の間
に存在する場合には、弾性波発生手段3はインクの液面
を検出できる。多孔質部材1050と弾性波発生手段3
との間隙の幅は限定しない。しかし、多孔質部材105
0は弾性波発生手段3の付近に配備されることが好まし
い。
【0064】図13(B)は、複数種のインクを収容す
るインクカートリッジの実施形態を示す。容器290
は、壁により複数の領域、すなわち、3つのインク室2
92、294、296に分割される。それぞれのインク
室292、294、及び296は、インク供給口29
8、300及び302を有する。容器290の底面29
0aの各インク室292、294、296に対向する領
域には、弾性波発生手段260が発生した弾性波を伝達
するためのゲル化材304、306、308が、筒状の
凹部310、312、314に収容されている。本実施
例においても、インク室292、294及び296のそ
れぞれに多孔質部材(図示せず)が配備される。
【0065】図12(B)に示すように、インクカート
リッジ272のインク供給口276をサブタンクユニッ
ト256のインク供給針254に挿通すると、弁体28
6がバネ284に抗して後退してインク流路が形成され
るので、インクカートリッジ272内のインクがインク
室262に流れ込む。インク室262にインクが充填さ
れた段階で、記録ヘッド252のノズル開口に負圧を作
用させて記録ヘッド252にインクを充填した後、記録
動作を実行する。記録動作により記録ヘッド252でイ
ンクが消費されると、膜弁266の下流側の圧力が低下
するので、膜弁266が弁体270から離れて開弁す
る。膜弁266の開弁によりインク室262のインクが
記録ヘッド252に流れこむ。記録ヘッド252へのイ
ンクの流入に随伴してインクカートリッジ272のイン
クが、サブタンクユニット256に流れ込む。
【0066】記録装置の動作期間中には、あらかじめ設
定された検出のタイミング、例えば一定周期で弾性波発
生手段260に駆動信号が供給される。弾性波発生手段
260により発生された弾性波は、凸部258から放射
され、インクカートリッジ272の底面274aのゲル
化材280を伝搬してインクカートリッジ272内のイ
ンクに伝達される。図12ではキャリッジ250に弾性
波発生手段260を設けたが、弾性波発生手段260を
サブタンクユニット256内に設けてもよい。
【0067】弾性波発生手段260が発生した弾性波は
インク液中を伝搬するので、インク液の密度やインクの
液面レベルによって、液面で反射された反射波が弾性波
発生手段260へ到来する時間が変化する。したがっ
て、インクの組成が一定である場合には液表面で生じる
反射波の到来時間がインク量にだけ左右される。したが
って、弾性波発生手段260の励起後のインク液表面か
らの反射波が弾性波発生手段260に到達するまでの時
間を検出することにより、インクカートリッジ272内
のインク量を検出することができる。また、弾性波発生
手段260が発生する弾性波は、インクに含まれている
粒子を振動させるので、顔料等の沈殿を防止する。
【0068】印刷動作やメンテナンス動作によりインク
カートリッジ272内のインクがインクエンド近くまで
減少して、弾性波発生手段260による弾性波発生後の
インク液表面からの反射波が受信できなくなった場合に
は、インクニアエンドであると判定してインクカートリ
ッジ272の交換を促すことができる。なお、インクカ
ートリッジ272が規定通りにキャリッジ250に装着
されていない場合には、弾性波発生手段260による弾
性波の伝搬形態が極端に変化する。これを利用し、弾性
波の極端な変化を検知した場合には警報を発して、ユー
ザにインクカートリッジ272の点検を促すこともでき
る。
【0069】弾性波発生手段260が発生した弾性波の
反射波の弾性波発生手段260への到来時間は、容器2
74に収容されているインクの密度により影響を受け
る。インクの種類により、インクの密度がそれぞれ異な
る場合があるので、インクカートリッ272内に収容さ
れているインクの種類に関するデータを半導体記憶手段
288に格納し、それに応じた検出シーケンスを実行す
ることによってインク残量をより正確に検出することが
できる。
【0070】図14は、本発明のインクカートリッジ2
72の他の実施形態を示す。図14に示したインクカー
トリッジ272は、底面274aが上下方向に斜めに形
成されている。図14のインクカートリッジ272は、
インク残量が少なくなり、弾性波発生手段260の弾性
波の照射領域の一部がインク液面から露出すると、弾性
波発生手段260が発生した弾性波の反射波の弾性波発
生手段260への到来時間が、インク液面の変化Δh1
に対応して連続的に変化する。Δh1は、ゲル化材28
0の両端における底面274aの高さの差を示す。した
がって、反射波の弾性波発生手段260への到来時間を
検出することにより、インクニアエンド状態からインク
エンドまでの過程を正確に検出することができる。
【0071】さらに、容器274内には、多孔質部材1
050が配備されている。多孔質部材1050は、容器
274内のインクの波打ちや泡立ちを防止する。それに
よって、弾性波発生手段260が誤ってインクの有無を
検出することを防止することができる。
【0072】多孔質部材1050は、インクの液面の下
方にある下面1055が容器274の底面の傾斜と平行
になるように配備されている。下面1055と弾性波発
生手段260との間には間隙がある。下面1055と容
器274の底面との間の間隙には、インク層1060が
存在する。
【0073】また、容器274内にインクが満たされ、
インク層1060にインクが満たされている場合には、
弾性波発生手段260から発生した弾性波に対する反射
波は変化しない。一方で、容器274内のインクが消費
されると、インク層1060にインクの代りに空隙が生
じる。それに伴い弾性波発生手段260から発生した弾
性波に対する反射波は徐々に変化する。従って、弾性波
発生手段260は、インクエンド付近でのインク量を検
出することができる。インク層1060の幅は、図9と
同様に、限定しない。
【0074】図15は、本発明のインクカートリッジ2
72及びインクジェット記録装置の更に他の実施形態を
示す。図15のインクジェット記録装置は、インクカー
トリッジ272のインク供給口276側の側面274b
に凸部258’を有する。凸部258’は、弾性波発生
手段260’を含む。凸部258’に係合するようにゲ
ル化材280’が、インクカートリッジ272の側面2
74bに設けられている。図15のインクカートリッジ
272によれば、インク残量が少なくなり、弾性波発生
手段260’の弾性波の照射領域の一部が液面から露出
すると、弾性波発生手段260’が発生した弾性波の音
響インピーダンスが、液面の変化Δh2に対応して連続
的に変化する。Δh2は、ゲル化材280’の上端と下
端との高さの差を表す。したがって、反射波の弾性波発
生手段260’への到来時間又は音響インピーダンスの
変化の度合いを検出することにより、インクの液面を正
確に検出することができる。
【0075】本実施例に従ったインクカートリッジはさ
らに容器274内に多孔質部材1050が配備される。
インクジェット記録装置は、容器274のインク供給口
276側の側面274bに、弾性波発生手段260’を
含む凸部258’を有する。多孔質部材1050は、そ
の側面1056が側面274bと平行になるように配備
されている。側面1056と弾性波発生手段260’と
の間の間隙には、インク層1060が存在する。
【0076】多孔質部材1050は、容器274内のイ
ンクの波打ちおよび泡立ちを防止する。それによって、
弾性波発生手段260’が誤ってインクの有無を検出す
ることを防止することができる。
【0077】また、容器274内にインクが満たされ、
インク層1060にインクが満たされている場合には、
弾性波発生手段260’から発生した弾性波に対する反
射波は変化しない。一方で、容器274内のインクが消
費されると、インク層1060のうち、ゲル化材28
0’の高さ方向の幅Δh2に該当する部分に空隙が生じ
る。それに伴い弾性波発生手段260’から発生した弾
性波に対する反射波は徐々に変化する。従って、弾性波
発生手段260’は、高さ方向の幅Δh2にインクの液
面がある場合のインクの消費状態を検出することができ
る。
【0078】インクの液面がΔh2の範囲内にあれば、
弾性波発生手段260’は、インクの液面を検出するこ
とができる。本実施例によるインクカートリッジによれ
ば、多孔質部材1050の側面1056と弾性波発生手
段260’との間には間隙あるので、多孔質部材105
0が配備されていても、弾性波発生手段260’は、Δ
h2の範囲内においてインクの液面を検出することがで
きる。従って、Δh2の幅を大きくすることによって、
弾性波発生手段260’は、インクが満たされていると
きのインクの液面からインクニアエンドのときのインク
の液面までを検出することができる。
【0079】なお、上述の実施例においては、液面での
反射波に基づいてインク残量を検出する場合に、同一の
弾性波発生手段260及び260’により弾性波を送波
及び受波した。本発明はこれに限定されるものではな
く、たとえば他の実施形態として弾性波の送波及び受波
にそれぞれ異なった弾性波発生手段260を用いてもよ
い。
【0080】図16および図17は、圧電装置の一実施
形態であるアクチュエータ106の詳細および等価回路
を示す。ここでいうアクチュエータは、少なくとも音響
インピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消
費状態を検出する方法に用いられる。特に、残留振動に
より共振周波数の検出することで、少なくとも音響イン
ピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消費状
態を検出する方法に用いられる。図16(A)は、アク
チュエータ106の拡大平面図である。図16(B)
は、アクチュエータ106のB−B断面を示す。図16
(C)は、アクチュエータ106のC-C断面を示す。
さらに図17(A)および図17(B)は、アクチュエー
タ106の等価回路を示す。また、図17(C)および
図17(D)は、それぞれインクカートリッジ内にイン
クが満たされているときのアクチュエータ106を含む
周辺およびその等価回路を示し、図17(E)および図
17(F)は、それぞれインクカートリッジ内にインク
が無いときのアクチュエータ106を含む周辺およびそ
の等価回路を示す。
【0081】アクチュエータ106は、ほぼ中央に円形
状の開口161を有する基板178と、開口161を被
覆するように基板178の一方の面(以下、表面とい
う)に配備される振動板176と、振動板176の表面
の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方
からはさみこむ上部電極164および下部電極166
と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子1
68と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端
子170と、上部電極164および上部電極端子168
の間に配設され、かつ両者を電気的に結合する補助電極
172と、を有する。圧電層160、上部電極164お
よび下部電極166はそれぞれの主要部として円形部分
を有する。圧電層160、上部電極164および下部電
極166のそれぞれの円形部分は圧電素子を形成する。
【0082】振動板176は、基板178の表面に、開
口161を覆うように形成される。キャビティ162
は、振動板176の開口161と面する部分と基板17
8の表面の開口161とによって形成される。基板17
8の圧電素子とは反対側の面(以下、裏面という)は液
体容器側に面しており、キャビティ162は液体と接触
するように構成されている。キャビティ162内に液体
が入っても基板178の表面側に液体が漏れないよう
に、振動板176は基板178に対して液密に取り付け
られる。
【0083】下部電極166は振動板176の表面、即
ち液体容器とは反対側の面に位置しており、下部電極1
66の主要部である円形部分の中心と開口161の中心
とがほぼ一致するように取り付けられている。なお、下
部電極166の円形部分の面積が開口161の面積より
も小さくなるように設定されている。一方、下部電極1
66の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中
心と開口161の中心とがほぼ一致するように形成され
ている。圧電層160の円形部分の面積は、開口161
の面積よりも小さく、かつ下部電極166の円形部分の
面積よりも大きくなるように設定されている。
【0084】一方、圧電層160の表面側には、上部電
極164が、その主要部である円形部分の中心と開口1
61の中心とがほぼ一致するように形成される。上部電
極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層
160の円形部分の面積よりも小さく、かつ下部電極1
66の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されて
いる。
【0085】したがって、圧電層160の主要部は、上
部電極164の主要部と下部電極166の主要部とによ
って、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造
となっていて、圧電層160を効果的に変形駆動するこ
とができる。圧電層160、上部電極164および下部
電極166のそれぞれの主要部である円形部分がアクチ
ュエータ106における圧電素子を形成する。上述のよ
うに圧電素子は振動板176に接している。また、上部
電極164の円形部分、圧電層160の円形部分、下部
電極166の円形部分および開口161のうちで、面積
が最も大きいのは開口161である。この構造によっ
て、振動板176のうち実際に振動する振動領域は、開
口161によって決定される。また、上部電極164の
円形部分、圧電層160の円形部分および下部電極16
6の円形部分は開口161より面積が小さいので、振動
板176がより振動しやすくなる。さらに、圧電層16
0と電気的に接続する下部電極166の円形部分および
上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円
形部分の方が小さい。従って、下部端子166の円形部
分が圧電層160のうち圧電効果を発生する部分を決定
する。
【0086】上部電極端子168は、補助電極172を
介して上部電極164と電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。一方、下部電極端子17
0は、下部電極166に電気的に接続するように振動板
176の表面側に形成される。上部電極164は、圧電
層160の表面側に形成されるため、上部電極端子16
8と接続する途中において、圧電層160の厚さと下部
電極166の厚さとの和に等しい段差を有する必要があ
る。上部電極164だけでこの段差を形成することは難
しく、かりに可能であったとしても上部電極164と上
部電極端子168との接続状態が弱くなってしまい、切
断してしまう危険がある。そこで、補助電極172を補
助部材として用いて上部電極164と上部電極端子16
8とを接続させている。このようにすることで、圧電層
160も上部電極164も補助電極172に支持された
構造となり、所望の機械的強度を得ることができ、また
上部電極164と上部電極端子168との接続を確実に
することが可能となる。
【0087】なお、圧電素子と振動板176のうちの圧
電素子に直面する振動領域とが、アクチュエータ106
において実際に振動する振動部である。また、アクチュ
エータ106に含まれる部材は、互いに焼成されること
によって一体的に形成されることが好ましい。アクチュ
エータ106を一体的に形成することによって、アクチ
ュエータ106の取り扱いが容易になる。さらに、基板
178の強度を高めることによって振動特性が向上す
る。即ち、基板178の強度を高めることによって、ア
クチュエータ106の振動部のみが振動し、アクチュエ
ータ106のうち振動部以外の部分が振動しない。ま
た、アクチュエータ106の振動部以外の部分が振動し
ないためには、基板178の強度を高めるのに対し、ア
クチュエータ106の圧電素子を薄くかつ小さくし、振
動板176を薄くすることによって達成できる。
【0088】圧電層160の材料としては、ジルコン酸
チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン
(PLZT)または鉛を使用しない鉛レス圧電膜を用い
ることが好ましく、基板178の材料としてジルコニア
またはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板
176には、基板178と同じ材料を用いることが好ま
しい。上部電極164、下部電極166、上部電極端子
168および下部電極端子170は、導電性を有する材
料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニ
ッケルなどの金属を用いることができる。
【0089】上述したように構成されるアクチュエータ
106は、液体を収容する容器に適用することができ
る。例えば、インクジェット記録装置に用いられるイン
クカートリッジやインクタンク、あるいは記録ヘッドを
洗浄するための洗浄液を収容した容器などに装着するこ
とができる。
【0090】図16および図17に示されるアクチュエ
ータ106は、液体容器の所定の場所に、キャビティ1
62を液体容器内に収容される液体と接触するように装
着される。液体容器に液体が十分に収容されている場合
には、キャビティ162内およびその外側は液体によっ
て満たされている。一方、液体容器の液体が消費され、
アクチュエータの装着位置以下まで液面が降下すると、
キャビティ162内には液体は存在しないか、あるいは
キャビティ162内にのみ液体が残存されその外側には
気体が存在する状態となる。アクチュエータ106は、
この状態の変化に起因する、少なくとも音響インピーダ
ンスの相違を検出する。それによって、アクチュエータ
106は、液体容器に液体が十分に収容されている状態
であるか、あるいはある一定以上の液体が消費された状
態であるかを検知することができる。さらに、アクチュ
エータ106は、液体容器内の液体の種類も検出するこ
とが可能である。
【0091】ここでアクチュエータによる液面検出の原
理について説明する。
【0092】媒体の音響インピーダンスの変化を検出す
るには、媒体のインピーダンス特性またはアドミッタン
ス特性を測定する。インピーダンス特性またはアドミッ
タンス特性を測定する場合には、例えば伝送回路を利用
することができる。伝送回路は、媒体に一定電圧を印加
し、周波数を変えて媒体に流れる電流を測定する。また
は、伝送回路は、媒体に一定電流を供給し、周波数を変
えて媒体に印加される電圧を測定する。伝送回路で測定
された電流値または電圧値の変化は音響インピーダンス
の変化を示す。また、電流値または電圧値が極大または
極小となる周波数fmの変化も音響インピーダンスの変
化を示す。
【0093】上記の方法とは別に、アクチュエータは、
液体の音響インピーダンスの変化を共振周波数のみの変
化を用いて検出することができる。液体の音響インピー
ダンスの変化を利用する方法として、アクチュエータの
振動部が振動した後に振動部に残留する残留振動によっ
て生ずる逆起電力を測定することによって共振周波数を
検出する方法を用いる場合には、例えば圧電素子を利用
することができる。圧電素子は、アクチュエータの振動
部に残留する残留振動により逆起電力を発生する素子で
あり、アクチュエータの振動部の振幅によって逆起電力
の大きさが変化する。従って、アクチュエータの振動部
の振幅が大きいほど検出がしやすい。また、アクチュエ
ータの振動部における残留振動の周波数によって逆起電
力の大きさが変化する周期が変わる。従って、アクチュ
エータの振動部の周波数は逆起電力の周波数に対応す
る。ここで、共振周波数は、アクチュエータの振動部と
振動部に接する媒体との共振状態における周波数をい
う。
【0094】共振周波数fsを得るために、振動部と媒
体とが共振状態であるときの逆起電力測定によって得ら
れた波形をフーリエ変換する。アクチュエータの振動
は、一方向だけの変形ではなく、たわみや伸長等様々な
変形をともなうので、共振周波数fsを含め様々な周波
数を有する。よって、圧電素子と媒体とが共振状態であ
るときの逆起電力の波形をフーリエ変換し、最も支配的
な周波数成分を特定することで、共振周波数fsを判断
する。
【0095】周波数fmは、媒体のアドミッタンスが極
大またはインピーダンスが極小であるときの周波数であ
る。共振周波数fsとすると、周波数fmは、媒体の誘
電損失または機械的損失などによって、共振周波数fs
に対しわずかな誤差を生ずる。しかし、実測される周波
数fmから共振周波数fsを導出することは手間がかか
るため、一般には、周波数fmを共振周波数に代えて使
用する。ここで、アクチュエータ106の出力を伝送回
路に入力することで、アクチュエータ106は少なくと
も音響インピーダンスを検出することができる。
【0096】媒体のインピーダンス特性またはアドミッ
タンス特性を測定し周波数fmを測定する方法と、アク
チュエータの振動部における残留振動振動によって生ず
る逆起電力を測定することによって共振周波数fsを測
定する方法と、によって特定される共振周波数に差がほ
とんど無いことが実験によって証明されている。
【0097】アクチュエータ106の振動領域は、振動
板176のうち開口161によって決定されるキャビテ
ィ162を構成する部分である。液体容器内に液体が充
分に収容されている場合には、キャビティ162内に
は、液体が満たされ、振動領域は液体容器内の液体と接
触する。一方で、液体容器内に液体が充分にない場合に
は、振動領域は液体容器内のキャビティに残った液体と
接するか、あるいは液体と接触せず、気体または真空と
接触する。
【0098】本発明のアクチュエータ106にはキャビ
ティ162が設けられ、それによって、アクチュエータ
106の振動領域に液体容器内の液体が残るように設計
できる。その理由は次の通りである。
【0099】アクチュエータの液体容器への取り付け位
置や取り付け角度によっては、液体容器内の液体の液面
がアクチュエータの装着位置よりも下方にあるにもかか
わらず、アクチュエータの振動領域に液体が付着してし
まう場合がある。振動領域における液体の有無だけでア
クチュエータが液体の有無を検出している場合には、ア
クチュエータの振動領域に付着した液体が液体の有無の
正確な検出を妨げる。たとえば、液面がアクチュエータ
の装着位置よりも下方にある状態のとき、キャリッジの
往復移動などにより液体容器が揺動して液体が波うち、
振動領域に液滴が付着してしまうと、アクチュエータは
液体容器内に液体が充分にあるとの誤った判断をしてし
まう。そこで、逆にそこに液体を残存した場合であって
も液体の有無を正確に検出するように設計されたキャビ
ティを積極的に設けることで、液体容器が揺動して液面
が波立ったとしても、アクチュエータの誤動作を防止す
ることができる。このように、キャビティを有するアク
チュエータを用いることで、誤動作を防ぐことができ
る。
【0100】また、図17(E)に示すように、液体容
器内に液体が無く、アクチュエータ106のキャビティ
162に液体容器内の液体が残っている場合を、液体の
有無の閾値とする。すなわち、キャビティ162の周辺
に液体が無く、この閾値よりキャビティ内の液体が少な
い場合は、インク無しと判断し、キャビティ162の周
辺に液体が有り、この閾値より液体が多い場合は、イン
ク有りと判断する。例えば、アクチュエータ106を液
体容器の側壁に装着した場合、液体容器内の液体がアク
チュエータの装着位置よりも下にある場合をインク無し
と判断し、液体容器内の液体がアクチュエータの装着位
置より上にある場合をインク有りと判断する。このよう
に閾値を設定することによって、キャビティ内のインク
が乾燥してインクが無くなったときであってもインク無
しと判断し、キャビティ内のインクが無くなったところ
にキャリッジの揺れなどで再度インクがキャビティに付
着しても閾値を越えないので、インク無しと判断するこ
とができる。
【0101】ここで、図16および図17を参照しなが
ら逆起電力の測定による媒体とアクチュエータ106の
振動部との共振周波数から液体容器内の液体の状態を検
出する動作および原理について説明する。アクチュエー
タ106において、上部電極端子168および下部電極
端子170を介して、それぞれ上部電極164および下
部電極166に電圧を印加する。圧電層160のうち、
上部電極164および下部電極166に挟まれた部分に
は電界が生じる。その電界によって、圧電層160は変
形する。圧電層160が変形することによって振動板1
76のうちの振動領域がたわみ振動する。圧電層160
が変形した後しばらくは、たわみ振動がアクチュエータ
106の振動部に残留する。
【0102】残留振動は、アクチュエータ106の振動
部と媒体との自由振動である。従って、圧電層160に
印加する電圧をパルス波形あるいは矩形波とすること
で、電圧を印加した後に振動部と媒体との共振状態を容
易に得ることができる。残留振動は、アクチュエータ1
06の振動部を振動させるため、圧電層160をも変形
する。従って、圧電層160は逆起電力を発生する。そ
の逆起電力は、上部電極164、下部電極166、上部
電極端子168および下部電極端子170を介して検出
される。検出された逆起電力によって、共振周波数が特
定できるため、液体容器内の液体の状態を検出すること
ができる。
【0103】一般に、共振周波数fsは、 fs=1/(2*π*(M*Cact)1/2) (式1) で表される。ここで、Mは振動部のイナータンスMact
と付加イナータンスM’との和である。Cactは振動部
のコンプライアンスである。
【0104】図16(C)は、本実施例において、キャ
ビティにインクが残存していないときのアクチュエータ
106の断面図である。図17(A)および図17(B)
は、キャビティにインクが残存していないときのアクチ
ュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価
回路である。
【0105】Mactは、振動部の厚さと振動部の密度と
の積を振動部の面積で除したものであり、さらに詳細に
は、図17(A)に示すように、 Mact=Mpzt+Melectrode1+Melectrode2+Mvib (式2) と表される。ここで、Mpztは、振動部における圧電層
160の厚さと圧電層160の密度との積を圧電層16
0の面積で除したものである。Melectrode1は、振動部
における上部電極164の厚さと上部電極164の密度
との積を上部電極164の面積で除したものである。M
electrode2は、振動部における下部電極166の厚さと
下部電極166の密度との積を下部電極166の面積で
除したものである。Mvibは、振動部における振動板1
76の厚さと振動板176の密度との積を振動板176
の振動領域の面積で除したものである。ただし、Mact
を振動部全体としての厚さ、密度および面積から算出す
ることができるように、本実施例では、圧電層160、
上部電極164、下部電極166および振動板176の
振動領域のそれぞれの面積は、上述のような大小関係を
有するものの、相互の面積の差は微小であることが好ま
しい。また、本実施例において、圧電層160、上部電
極164および下部電極166においては、それらの主
要部である円形部分以外の部分は、主要部に対して無視
できるほど微小であることが好ましい。従って、アクチ
ュエータ106において、Mactは、上部電極164、
下部電極166、圧電層160および振動板176のう
ちの振動領域のそれぞれのイナータンスの和である。ま
た、コンプライアンスCactは、上部電極164、下部
電極166、圧電層160および振動板176のうちの
振動領域によって形成される部分のコンプライアンスで
ある。
【0106】尚、図17(A)、図17(B)、図17
(D)、図17(F)は、アクチュエータ106の振動部
およびキャビティ162の等価回路を示すが、これらの
等価回路において、Cactはアクチュエータ106の振
動部のコンプライアンスを示す。Cpzt、Celectrode
1、Celectrode2およびCvibはそれぞれ振動部における
圧電層160、上部電極164、下部電極166および
振動板176のコンプライアンスを示す。Cactは、以
下の式3で表される。
【0107】 1/Cact=(1/Cpzt)+(1/Celectrode1)+(1/Celectrode2)+(1/Cvi b) (式3) 式2および式3より、図17(A)は、図17(B)のよ
うに表すこともできる。
【0108】コンプライアンスCactは、振動部の単位
面積に圧力をかけたときの変形によって媒体を受容でき
る体積を表す。また、コンプライアンスCactは、変形
のし易さを表すといってもよい。
【0109】図17(C)は、液体容器に液体が十分に
収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液
体が満たされている場合のアクチュエータ106の断面
図を示す。図17(C)のM’maxは、液体容器に液体が
十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周
辺に液体が満たされている場合の付加イナータンスの最
大値を表す。M’ maxは、
【0110】 M’max=(π*ρ/(2*k3))*(2*(2*k*a)3/(3*π))/(π*a2)2 (式4) (aは振動部の半径、ρは媒体の密度、kは波数であ
る。)
【0111】で表される。尚、式4は、アクチュエータ
106の振動領域が半径aの円形である場合に成立す
る。付加イナータンスM’は、振動部の付近にある媒体
の作用によって、振動部の質量が見かけ上増加している
ことを示す量である。式4からわかるように、M’max
は振動部の半径aと、媒体の密度ρとによって大きく変
化する。
【0112】波数kは、 k=2*π*fact/c (式5) (factは液体が触れていないときの振動部の共振周波数
である。cは媒体中を伝播する音響の速度である。)
【0113】で表される。
【0114】図17(D)は、液体容器に液体が十分に
収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液
体が満たされている図17(C)の場合のアクチュエー
タ106の振動部およびキャビティ162の等価回路を
示す。
【0115】図17(E)は、液体容器の液体が消費さ
れ、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無
いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内
には液体が残存している場合のアクチュエータ106の
断面図を示す。式4は、例えば、液体容器に液体が満た
されている場合に、インクの密度ρなどから決定される
最大のイナータンスM’maxを表す式である。一方、液
体容器内の液体が消費され、キャビティ162内に液体
が残留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺に
ある液体が気体または真空になった場合には、
【0116】M’=ρ*t/S (式6) と表せる。tは、振動にかかわる媒体の厚さである。S
は、アクチュエータ106の振動領域の面積である。こ
の振動領域が半径aの円形の場合は、S=π*a2であ
る。従って、付加イナータンスM’は、液体容器に液体
が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の
周辺に液体が満たされている場合には、式4に従う。一
方で、液体が消費され、キャビティ162内に液体が残
留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺にある
液体が気体または真空になった場合には、式6に従う。
【0117】ここで、図17(E)のように、液体容器
の液体が消費され、アクチュエータ106の振動領域の
周辺に液体が無いものの、アクチュエータ106のキャ
ビティ162内には液体が残存している場合の付加イナ
ータンスM’を便宜的にM’cavとし、アクチュエータ
106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合の
付加イナータンスM’maxと区別する。
【0118】図17(F)は、液体容器の液体が消費さ
れ、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無
いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内
には液体が残存している図17(E)の場合のアクチュ
エータ106の振動部およびキャビティ162の等価回
路を示す。
【0119】ここで、媒体の状態に関係するパラメータ
は、式6において、媒体の密度ρおよび媒体の厚さtで
ある。液体容器内に液体が充分に収容されている場合
は、アクチュエータ106の振動部に液体が接触し、液
体容器内に液体が充分に収容されていない場合は、キャ
ビティ内部に液体が残存するか、もしくはアクチュエー
タ106の振動部に気体または真空が接触する。アクチ
ュエータ106の周辺の液体が消費され、図17(C)
のM’maxから図17(E)のM’cavへ移行する過程に
おける付加イナータンスをM’ varとすると、液体容器
内の液体の収容状態によって、媒体の厚さtが変化する
ため、付加イナータンスM’varが変化し、共振周波数
fsも変化することになる。従って、共振周波数fsを
特定することによって、液体容器内の液体の有無を検出
することができる。ここで、図17(E)に示すようにt
=dとした場合、式6を用いてM’cavを表すと、式6
のtにキャビティの深さdを代入し、
【0120】M’cav=ρ*d/S (式7) となる。
【0121】また、媒体が互いに種類の異なる液体であ
っても、組成の違いによって密度ρが異なるため、付加
イナータンスM´が変化し、共振周波数fsも変化す
る。従って、共振周波数fsを特定することで、液体の
種類を検出できる。尚、アクチュエータ106の振動部
にインクまたは空気のいずれか一方のみが接触し、混在
していない場合には、式4によって計算しても、M’の
相違を検出できる。
【0122】図18(A)は、インクタンク内のインク
の量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を
示すグラフである。ここでは液体の1例としてインクに
ついて説明する。縦軸は、共振周波数fsを示し、横軸
は、インク量を示す。インク組成が一定であるとき、イ
ンク残量の低下に伴い、共振周波数fsは、上昇する。
【0123】インク容器にインクが十分に収容され、ア
クチュエータ106の振動領域の周辺にインクが満たさ
れている場合には、その最大付加イナータンスM’max
は式4に表わされる値となる。一方で、インクが消費さ
れ、キャビティ162内に液体が残留しつつアクチュエ
ータ106の振動領域の周辺にインクが満たされていな
いときには、付加イナータンスM’varは、媒体の厚さ
tに基づいて式6によって算出される。式6中のtは振
動にかかわる媒体の厚さであるから、アクチュエータ1
06のキャビティ162のd(図16(B)参照)を小さ
く、即ち、基板178を十分に薄くすることによって、
インクが徐々に消費されていく過程を検出することもで
きる(図17(C)参照)。ここで、tinkは振動にかか
わるインクの厚さとし、tink−maxはM’maxにおける
tinkとする。例えば、インクカートリッジの底面にア
クチュエータ106をインクの液面に対してほぼ水平に
配備する。インクが消費され、インクの液面がアクチュ
エータ106からtink−maxの高さ以下に達すると、式
6によりM’varが徐々に変化し、式1により共振周波
数fsが徐々に変化する。従って、インクの液面がtの
範囲内にある限り、アクチュエータ106はインクの消
費状態を徐々に検出することができる。
【0124】また、アクチュエータ106の振動領域を
大きくまたは長くし、かつ縦に配置することによってイ
ンクの消費による液面の位置にしたがって、式6中のS
が変化する。従って、アクチュエータ106はインクが
徐々に消費されていく過程を検出することもできる。例
えば、インクカートリッジの側壁にアクチュエータ10
6をインクの液面に対してほぼ垂直に配備する。インク
が消費され、インクの液面がアクチュエータ106の振
動領域に達すると、水位の低下に伴い付加イナータンス
M’が減少するので、式1により共振周波数fsが徐々
に増加する。従って、インクの液面が、キャビティ16
2の径2a(図17(C)参照)の範囲内にある限り、
アクチュエータ106はインクの消費状態を徐々に検出
することができる。
【0125】図18(A)の曲線Xは、アクチュエータ1
06のキャビティ162を十分に浅くした場合や、アク
チュエータ106の振動領域を十分に大きくまたは長く
した場合のインクタンク内に収容されたインクの量とイ
ンクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を表わして
いる。インクタンク内のインクの量が減少するととも
に、インクおよび振動部の共振周波数fsが徐々に変化
していく様子が理解できる。
【0126】より詳細には、インクが徐々に消費されて
いく過程を検出することができる場合とは、アクチュエ
ータ106の振動領域の周辺において、互いに密度が異
なる液体と気体とがともに存在し、かつ振動にかかわる
場合である。インクが徐々に消費されていくに従って、
アクチュエータ106の振動領域周辺において振動にか
かわる媒体は、液体が減少する一方で気体が増加する。
例えば、アクチュエータ106をインクの液面に対して
水平に配備した場合であって、tinkがtink−maxより
小さいときには、アクチュエータ106の振動にかかわ
る媒体はインクと気体との両方を含む。したがって、ア
クチュエータ106の振動領域の面積Sとすると、式4
のM’max以下になった状態をインクと気体の付加質量
で表すと、
【0127】 M’=M’air+M’ink= ρair*tair/S+ρink*tink/S (式8) となる。ここで、M’airは空気のイナータンスであ
り、M’inkはインクのイナータンスである。ρairは空
気の密度であり、ρinkはインクの密度である。tairは
振動にかかわる空気の厚さであり、tinkは振動にかか
わるインクの厚さである。アクチュエータ106の振動
領域周辺における振動にかかわる媒体のうち、液体が減
少して気体が増加するに従い、アクチュエータ106が
インクの液面に対しほぼ水平に配備されている場合に
は、tairが増加し、tinkが減少する。それによって、
M’varが徐々に減少し、共振周波数が徐々に増加す
る。よって、インクタンク内に残存しているインクの量
またはインクの消費量を検出することができる。尚、式
7において液体の密度のみの式となっているのは、液体
の密度に対して、空気の密度が無視できるほど小さい場
合を想定しているからである。
【0128】アクチュエータ106がインクの液面に対
しほぼ垂直に配備されている場合には、アクチュエータ
106の振動領域のうち、アクチュエータ106の振動
にかかわる媒体がインクのみの領域と、アクチュエータ
106の振動にかかわる媒体が気体の領域との並列の等
価回路(図示せず)と考えられる。アクチュエータ10
6の振動にかかわる媒体がインクのみの領域の面積をS
inkとし、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体
が気体のみの領域の面積をSairとすると、
【0129】 1/M’=1/M’air+1/M’ink=Sair/(ρair*tair)+Sink/(ρink*tin k) (式9) となる。
【0130】尚、式9は、アクチュエータ106のキャ
ビティにインクが保持されない場合に適用される。アク
チュエータ106のキャビティにインクが保持される場
合については、式7、式8および式9によって計算する
ことができる。
【0131】一方、基板178が厚く、即ち、キャビテ
ィ162の深さdが深く、dが媒体の厚さtink-maxに
比較的近い場合や、液体容器の高さに比して振動領域が
非常に小さいアクチュエータを用いる場合には、実際上
はインクが徐々に減少する過程を検出するというよりは
インクの液面がアクチュエータの装着位置より上位置か
下位置かを検出することになる。換言すると、アクチュ
エータの振動領域におけるインクの有無を検出すること
になる。例えば、図18(A)の曲線Yは、小さい円形の
振動領域の場合におけるインクタンク内のインクの量と
インクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を示す。
インクタンク内のインクの液面がアクチュエータの装着
位置を通過する前後におけるインク量Qの間で、インク
および振動部の共振周波数fsが激しく変化している様
子が示される。このことから、インクタンク内にインク
が所定量残存しているか否かを検出することができる。
【0132】図18(B)は、図18(A)の曲線Yに
おけるインクの密度とインクおよび振動部の共振周波数
fsとの関係を示す。液体の例としてインクを挙げてい
る。図18(B)に示すように、インク密度が高くなる
と、付加イナータンスが大きくなるので共振周波数fs
が低下する。すなわち、インクの種類によって共振周波
数fsが異なる。したがって共振周波数fsを測定する
ことによって、インクを再充填する際に、密度の異なっ
たインクが混入されていないか確認することができる。
【0133】つまり、互いに種類の異なるインクを収容
するインクタンクを識別できる。
【0134】続いて、液体容器内の液体が空の状態であ
ってもアクチュエータ106のキャビティ162内に液
体が残存するようにキャビティのサイズと形状を設定し
た時の、液体の状態を正確に検出できる条件を詳述す
る。アクチュエータ106は、キャビティ162内に液
体が満たされている場合に液体の状態を検出できれば、
キャビティ162内に液体が満たされていない場合であ
っても液体の状態を検出できる。
【0135】共振周波数fsは、イナータンスMの関数
である。イナータンスMは、振動部のイナータンスMac
tと付加イナータンスM’との和である。ここで、付加
イナータンスM’が液体の状態と関係する。付加イナー
タンスM’は、振動部の付近にある媒体の作用によって
振動部の質量が見かけ上増加していることを示す量であ
る。即ち、振動部の振動によって見かけ上媒体を吸収す
ることによる振動部の質量の増加分をいう。
【0136】従って、M’cavが式4におけるM’maxよ
りも大きい場合には、見かけ上吸収する媒体は全てキャ
ビティ162内に残存する液体である。よって、液体容
器内に液体が満たされている状態と同じである。この場
合にはM’が変化しないので、共振周波数fsも変化し
ない。従って、アクチュエータ106は、液体容器内の
液体の状態を検出できないことになる。
【0137】一方、M’cavが式4におけるM’ maxよ
りも小さい場合には、見かけ上吸収する媒体はキャビテ
ィ162内に残存する液体および液体容器内の気体また
は真空である。このときには液体容器内に液体が満たさ
れている状態とは異なりM’が変化するので、共振周波
数fsが変化する。従って、アクチュエータ106は、
液体容器内の液体の状態を検出できる。
【0138】即ち、液体容器内の液体が空の状態で、ア
クチュエータ106のキャビティ162内に液体が残存
する場合に、アクチュエータ106が液体の状態を正確
に検出できる条件は、M’cavがM’maxよりも小さいこ
とである。尚、アクチュエータ106が液体の状態を正
確に検出できる条件M’max>M’cavは、キャビティ1
62の形状にかかわらない。
【0139】ここで、M’cavは、キャビティ162の
容量とほぼ等しい容量の液体の質量である。従って、
M’max>M’cavの不等式から、アクチュエータ106
が液体の状態を正確に検出できる条件は、キャビティ1
62の容量の条件として表すことができる。例えば、円
形状のキャビティ162の開口161の半径をaとし、
およびキャビティ162の深さをdとすると、
【0140】 M’max>ρ*d/πa2 (式10) である。式10を展開すると
【0141】a/d>3*π/8 (式11) という条件が求められる。尚、式10、式11は、キャ
ビティ162の形状が円形の場合に限り成立する。円形
でない場合のM’maxの式を用い、式10中のπa 2をそ
の面積と置き換えて計算すれば、キャビティの幅および
長さ等のディメンジョンと深さの関係が導き出せる。
【0142】従って、式11を満たす開口161の半径
aおよびキャビティ162の深さdであるキャビティ1
62を有するアクチュエータ106であれば、液体容器
内の液体が空の状態であって、かつキャビティ162内
に液体が残存する場合であっても、誤作動することなく
液体の状態を検出できる。
【0143】付加イナータンスM’は音響インピーダン
ス特性にも影響するので、残留振動によりアクチュエー
タ106に発生する逆起電力を測定する方法は、少なく
とも音響インピーダンスの変化を検出しているともいえ
る。
【0144】また、本実施例によれば、アクチュエータ
106が振動を発生してその後の残留振動によりアクチ
ュエータ106に発生する逆起電力を測定している。し
かし、アクチュエータ106の振動部が駆動電圧による
自らの振動によって液体に振動を与えることは必ずしも
必要ではない。即ち、振動部が自ら発振しなくても、そ
れと接触しているある範囲の液体と共に振動すること
で、圧電層160がたわみ変形する。この残留振動が圧
電層160に逆起電力電圧を発生させ、上部電極164
および下部電極166にその逆起電力電圧を伝達する。
この現象を利用することで媒体の状態を検出してもよ
い。例えば、インクジェット記録装置において、印字時
における印字ヘッドの走査によるキャリッジの往復運動
による振動によって発生するアクチュエータの振動部の
周囲の振動を利用してインクタンクまたはその内部のイ
ンクの状態を検出してもよい。
【0145】図19(A) および図19(B)は、アク
チュエータ106を振動させた後の、アクチュエータ1
06の残留振動の波形と残留振動の測定方法とを示す。
インクカートリッジ内のアクチュエータ106の装着位
置レベルにおけるインク水位の上下は、アクチュエータ
106が発振した後の残留振動の周波数変化や、振幅の
変化によって検出することができる。図19(A) およ
び図19(B)において、縦軸はアクチュエータ106
の残留振動によって発生した逆起電力の電圧を示し、横
軸は時間を示す。アクチュエータ106の残留振動によ
って、図19(A) および図19(B)に示すように電
圧のアナログ信号の波形が発生する。次に、アナログ信
号を、信号の周波数に対応するデジタル数値に変換す
る。
【0146】図19(A) および図19(B)に示した
例においては、アナログ信号の4パルス目から8パルス
目までの4個のパルスが生じる時間を計測することによ
って、インクの有無を検出する。
【0147】より詳細には、アクチュエータ106が発
振した後、予め設定された所定の基準電圧を低電圧側か
ら高電圧側へ横切る回数をカウントする。デジタル信号
を4カウントから8カウントまでの間をHighとし、
所定のクロックパルスによって4カウントから8カウン
トまでの時間を計測する。
【0148】図19(A)はアクチュエータ106の装
着位置レベルよりも上位にインク液面があるときの波形
である。一方、図19(B)はアクチュエータ106の
装着位置レベルにおいてインクが無いときの波形であ
る。図19(A)と図19(B)とを比較すると、図1
9(A)の方が図19(B)よりも4カウントから8カ
ウントまでの時間が長いことがわかる。換言すると、イ
ンクの有無によって4カウントから8カウントまでの時
間が異なる。この時間の相違を利用して、インクの消費
状態を検出することができる。アナログ波形の4カウン
ト目から数えるのは、アクチュエータ106の振動が安
定してから計測をはじめるためである。4カウント目か
らとしたのは単なる一例であって、任意のカウントから
数えてもよい。ここでは、4カウント目から8カウント
目までの信号を検出し、所定のクロックパルスによって
4カウント目から8カウント目までの時間を測定する。
それによって、共振周波数を求める。クロックパルス
は、インクカートリッジに取り付けられる半導体記憶装
置等を制御するためのクロックと等しいクロックのパル
スであることが好ましい。尚、8カウント目までの時間
を測定する必要は無く、任意のカウントまで数えてもよ
い。図19においては、4カウント目から8カウント目
までの時間を測定しているが周波数を検出する回路構成
にしたがって、異なったカウント間隔内の時間を検出し
てもよい。
【0149】例えば、インクの品質が安定していてピー
クの振幅の変動が小さい場合には、検出の速度を上げる
ために4カウント目から6カウント目までの時間を検出
することにより共振周波数を求めてもよい。また、イン
クの品質が不安定でパルスの振幅の変動が大きい場合に
は、残留振動を正確に検出するために4カウント目から
12カウント目までの時間を検出してもよい。
【0150】また、他の実施例として所定期間内におけ
る逆起電力の電圧波形の波数を数えてもよい(図示せ
ず)。この方法によっても共振周波数を求めることがで
きる。より詳細には、アクチュエータ106が発振した
後、所定期間だけデジタル信号をHighとし、所定の
基準電圧を低電圧側から高電圧側へ横切る回数をカウン
トする。そのカウント数を計測することによってインク
の有無を検出できるのである。
【0151】さらに、図19(A)および図19(B)を比
較して分かるように、インクがインクカートリッジ内に
満たされている場合とインクがインクカートリッジ内に
無い場合とでは、逆起電力波形の振幅が異なる。従っ
て、共振周波数を求めることなく、逆起電力波形の振幅
を測定することによっても、インクカートリッジ内のイ
ンクの消費状態を検出してもよい。より詳細には、例え
ば、図19(A)の逆起電力波形の頂点と図19(B) の
逆起電力波形の頂点との間に基準電圧を設定する。アク
チュエータ106が発振した後、所定時間にデジタル信
号をHighとし、逆起電力波形が基準電圧を横切った
場合には、インクが無いと判断する。逆起電力波形が基
準電圧を横切らない場合には、インクが有ると判断す
る。
【0152】図20は、アクチュエータ106の製造方
法を示す。複数のアクチュエータ106(図20の例で
は4個)が一体に形成されている。図20に示した複数
のアクチュエータの一体成形物を、それぞれのアクチュ
エータ106において切断することにより、図21に示
すアクチュエータ106を製造する。図20に示す一体
成形された複数のアクチュエータ106のそれぞれの圧
電素子が円形である場合、一体成形物をそれぞれのアク
チュエータ106において切断することにより、図16
に示すアクチュエータ106を製造することができる。
複数のアクチュエータ106を一体に形成することによ
り、複数のアクチュエータ106を同時に効率良く製造
することができ、運搬時の取り扱いが容易となる。
【0153】アクチュエータ106は、薄板又は振動板
176、基板178、弾性波発生手段又は圧電素子17
4、端子形成部材又は上部電極端子168、及び端子形
成部材又は下部電極端子170を有する。圧電素子17
4は、圧電振動板又は圧電層160、上電極又は上部電
極164、及び下電極又は下部電極166を含む。基板
178の上面に振動板176が、形成され、振動板17
6の上面に下部電極166が形成されている。下部電極
166の上面には、圧電層160が形成され、圧電層1
60の上面に、上部電極164が、形成されている。し
たがって、圧電層160の主要部は、上部電極164の
主要部及び下部電極166の主要部によって、上下から
挟まれるように形成されている。
【0154】振動板176上に複数(図20の例では4
個)の圧電素子174が形成されている。振動板176
の表面に下部電極166が形成され、下部電極166の
表面に圧電層160が形成され、圧電層160の上面に
上部電極164が形成される。上部電極164及び下部
電極166の端部に上部電極端子168及び下部電極端
子170が形成される。4個のアクチュエータ106
は、それぞれ別々に切断されて個別に使用される。
【0155】図21は、圧電素子が矩形のアクチュエー
タ106の一部分の断面を示す。
【0156】図22は、図21に示したアクチュエータ
106の全体の断面を示す。基板178の圧電素子17
4と対向する面には、貫通孔178aが形成されてい
る。貫通孔178aは振動板176によって封止されて
いる。振動板176はアルミナや酸化ジルコニア等の電
気絶縁性を備え、かつ弾性変形可能な材料によって形成
されている。貫通孔178aと対向するように、圧電素
子174が振動板176上に形成されている。下部電極
166は貫通孔178aの領域から一方向、図22では
左方に延びるように振動板176の表面に形成されてい
る。上部電極164は貫通孔178aの領域から下部電
極とは反対の方向に、図22では右方に延びるように圧
電層160の表面に形成されている。上部電極端子16
8及び下部電極端子170は、それぞれ補助電極172
及び下部電極166の上面に形成されている。下部電極
端子170は下部電極166と電気的に接触し、上部電
極端子168は補助電極172を介して上部電極164
と電気的に接触して、圧電素子とアクチュエータ106
の外部との間の信号の受け渡しをする。上部電極端子1
68及び下部電極端子170は、電極と圧電層とを合わ
せた圧電素子の高さ以上の高さを有する。
【0157】図23は、図20に示したアクチュエータ
106の製造方法を示す。まず、グリーンシート940
にプレスあるいはレーザー加工等を用いて貫通孔940
aを穿孔する。グリーンシート940は焼成後に基板1
78となる。グリーンシート940はセラミック等の材
料で形成される。次に、グリーンシート940の表面に
グリーンシート941を積層する。グリーンシート94
1は、焼成後に振動板176となる。グリーンシート9
41は、酸化ジルコニア等の材料で形成される。次に、
グリーンシート941の表面に導電層942、圧電層1
60、導電層944を圧膜印刷等の方法で順次形成す
る。導電層942は、後に下部電極166となり、導電
層944は、後に上部電極164となる。次に、形成さ
れたグリーンシート940、グリーンシート941、導
電層942、圧電層160、及び導電層944を乾燥し
て焼成する。スペーサ部材947、948は、上部電極
端子168と下部電極端子170の高さを底上げして圧
電素子より高くする。スペーサ部材947、948は、
グリーンシート940、941と同材料を印刷、あるい
はグリーンシートを積層して形成する。このスペーサ部
材947,948により貴金属である上部電極端子16
8及び下部電極端子170の材料が少なくて済む上に、
上部電極端子168及び下部電極端子170の厚みを薄
くできるので、上部電極端子168及び下部電極端子1
70を精度良く印刷でき、さらに安定した高さとするこ
とができる。
【0158】導電層942の形成時に導電層944との
接続部944’及びスペーサ部材947及び948を同
時に形成すると、上部電極端子168及び下部電極端子
170を容易に形成したり、強固に固定することができ
る。最後に、導電層942及び導電層944の端部領域
に、上部電極端子168及び下部電極端子170を形成
する。上部電極端子168及び下部電極端子170を形
成する際、上部電極端子168及び下部電極端子170
が、圧電層160に電気的に接続されるように形成す
る。
【0159】図24は、本発明が適用される単色、例え
ばブラックインク用のインクカートリッジの一実施形態
の断面図である。図24のインクカートリッジは、アク
チュエータ106を備える。インクを収容する容器1に
は、記録装置のインク供給針に接合するインク供給口2
が設けられている。容器1の底面1aの外側には、アク
チュエータ106が容器に設けられた貫通孔1cを介し
て内部のインクと接触できるように取付けられている。
インクKがほぼ消費されつくした段階、つまりインクニ
アエンドとなった時点で、アクチュエータ106の周辺
がインクから気体へと変更するべく、アクチュエータ1
06はインク供給口2よりも若干上方の位置に設けられ
ている。なお、アクチュエータ106を単に液体を検出
する手段として用いても良い。
【0160】容器1内にはさらに多孔質部材1050が
配備されている。多孔質部材1050は、容器1内にお
いてアクチュエータ106の付近に配備される。多孔質
部材1050とアクチュエータ106との間には、貫通
孔1cの深さの分の間隙が設けられている。容器1の内
部に多孔質部材1050を設けることによって、記録ヘ
ッドの走査と共にインクカートリッジが移動する場合
に、容器1内のインクが波打ち、または泡立つことを防
止できる。よって、インクの泡がアクチュエータ106
の周辺に生じにくい。それによって、アクチュエータ1
06に気泡が付着することを防止することができる。従
って、アクチュエータ106が誤ってインクの有無を検
出することを防止することができる。
【0161】また、多孔質部材1050とアクチュエー
タ106との間隙の幅は限定しない。インクの泡立ちを
できるだけ抑制するためには、多孔質部材1050を容
器1の下方に設けることによって、インク層1060の
幅を小さくすることが好ましい。
【0162】さらに、多孔質部材1050は、アクチュ
エータ106の付近に配置されることが好ましい。これ
により、インクの液面が貫通孔1cに達する前に、多孔
質部材1050が貫通孔1cに存在するインクまでをも
吸引することのないように、多孔質部材1050の孔径
を設定する。即ち、多孔質部材1050は、多孔質部材
1050に作用する毛細管力が容器1内のインクを保持
できる程度の毛細管力より小さくなるように設計する。
それによって、容器1内のインクがインクニアエンドの
ときには、インクは、インクの自重によって多孔質部材
1050にはほとんど無く、貫通孔1cに存在する。ま
た、容器1には、インクの液面の上方に容器1の外部に
通ずる通気孔(図示せず)がある。通気孔によって容器
1内に空気が導入され、インクの消費に伴い、インクが
自重によってインクの液面の下方向へ下降する。それに
よって、残存するインクは貫通孔1cに溜まる。
【0163】逆に、所定の量のインクが消費されたとき
に、多孔質部材1050が貫通孔1cに存在するインク
を吸引するように、多孔質部材1050の孔径を設定す
ることもできる。即ち、多孔質部材1050に作用する
毛細管力が容器1内のインクを保持できる程度の毛細管
力より等しいか、またはそれより大きくする。それによ
って、容器1内のインクが所定の量だけ消費されたとき
には、貫通孔1cに存在するインクは、多孔質部材10
50によって吸引される。さらに、多孔質部材1050
のうちインク供給口2の近傍の部分の孔径を他の部分の
孔径より小さくする。それにより、多孔質部材1050
のうちインク供給口2の近傍の部分の毛細管力を他の部
分の毛細管力より大きくする。それによって、貫通孔1
cに存在するインクは、多孔質部材1050によって吸
引され、さらに、多孔質部材1050からインク供給口
2へ送り込まれる。
【0164】例えば、インクカートリッジ内のインク量
が印字不良になる程に少量になったときに、貫通孔1c
に残存するインクを多孔質部材1050が吸引するよう
に多孔質部材1050の孔径を設計する。さらに、多孔
質部材1050が貫通孔1cから吸引したインクをイン
ク供給口2へ送り込むように多孔質部材1050の孔径
を設計する。それによって、所定の量のインクが消費さ
れたときに、インクが無いとの検出をし、印字不良を防
止することができる。より詳細には、アクチュエータ1
06の近傍の多孔質部材の孔径を、インク供給口2の周
辺の多孔質部材の孔径よりも大きくする。
【0165】図24においては、容器1の容積の半分以
上に多孔質部材1050が存在するが、アクチュエータ
106の付近にのみ比較的小さい多孔質部材もしくはフ
ィルタ部材を配備してもよい(図示せず)。
【0166】図25(A)は、本実施形態によるインク
カートリッジの底部の断面図である。本実施形態のイン
クカートリッジは、インクを収容する容器1の底面1a
に貫通孔1cを有する。貫通孔1cの底部はアクチュエ
ータ650によって塞がれている。
【0167】図25(B)は、図25(A)に示したア
クチュエータ650及び貫通孔1cの詳細な断面を示
す。貫通孔1c内に多孔質部材1050が配備されてい
る。
【0168】図25(C)は、図25(B)に示したア
クチュエータ650及び貫通孔1cの平面を示す。アク
チュエータ650は振動板72および振動板72に固定
された圧電素子73とを有する。振動板72及び基板7
1を介して圧電素子73が貫通孔1cに対向するよう
に、アクチュエータ650は、容器1の底面に固定され
る。振動板72は、弾性変形可能で耐インク性を備え
る。
【0169】本実施例に従ったインクカートリッジは、
貫通孔1c内に多孔質部材1050が配備されている。
それによって、多孔質部材1050は、アクチュエータ
650の振動領域に接触するように配備されている。多
孔質部材1050aがアクチュエータ650の振動領域
に接触するように配備されることによって、インクが貫
通孔1cに残留しない。例えば、貫通孔1c内の多孔質
部材1050aの孔径よりも、貫通孔1cの周辺にある
多孔質部材1050bの孔径を小さくする。それによっ
て、貫通孔1c内の多孔質部材1050aの毛細管力よ
りも、貫通孔1cの周辺にある多孔質部材1050bの
毛細管力のほうが強くなる。従って、インクカートリッ
ジ内のインクが消費されたとき、貫通孔1c内の多孔質
部材1050aに含まれているインクが、貫通孔1cの
周辺にある多孔質部材1050bに吸引される。よっ
て、貫通孔1cにインクが残存しない。従って、アクチ
ュエータ650がインクカートリッジ内のインクの消費
状態を正確に検出することの信頼性を高めることができ
る。
【0170】図26は、図2の実施例とは異なる複数種
類のインクを収容するインクカートリッジの実施形態を
裏側から見た斜視図である。容器8は、隔壁により3つ
のインク室9、10及び11に分割される。それぞれの
インク室には、インク供給口12、13及び14が形成
されている。それぞれのインク室9、10及び11の底
面8aには、アクチュエータ15、16および17が、
容器8を介して各インク室内に収容されているインクに
接触できるように取付けられている。本実施例において
も、インク室9、10及び11のそれぞれに多孔質部材
(図示せず)が配備される。
【0171】図27は、図24及び図26に示したイン
クカートリッジに適したインクジェット記録装置の要部
の実施形態を示す断面図である。記録用紙の幅方向に往
復動可能なキャリッジ30は、サブタンクユニット33
を備えている。記録ヘッド31はサブタンクユニット3
3の下面に設けられている。また、インク供給針32は
サブタンクユニット33のインクカートリッジ搭載面側
に設けられている。記録装置の動作期間中には、あらか
じめ設定された検出のタイミング、例えば、一定周期で
アクチュエータ106に駆動信号が供給される。
【0172】アクチュエータ106を直接容器1に配備
することにより、射出成形工程が簡素化され、電極埋め
こみ領域からの液漏れがなくなり、インクカートリッジ
の信頼性が向上できる。
【0173】図28は、サブタンクユニットの他の実施
形態の断面図である。図28では、サブタンクユニット
33内にアクチュエータ106および多孔質部材105
0を配備している。図27の実施例では、インクカート
リッジの容器1内にアクチュエータ106および多孔質
部材1050を配備している。しかし、図28に示すよ
うに、サブタンクユニット33内にアクチュエータ10
6および多孔質部材1050を配備してもよい。さら
に、インクカートリッジの容器1内およびサブタンクユ
ニット33内の両者にアクチュエータ106および多孔
質部材1050を配備してもよい。
【0174】図28の実施例によれば、アクチュエータ
106は、サブタンクユニット33内のインクの量また
はインクの有無を検出することができる。また、多孔質
部材1050が、サブタンクユニット33内のインクの
波打ちや泡立ちを防止することができる。従って、アク
チュエータ106がサブタンクユニット33内のインク
の量やインクの有無を誤って検出することがない。ま
た、アクチュエータ106がサブタンクユニット33内
に配備されているので、インクカートリッジ内のインク
を使い切ることができる。
【0175】インクカートリッジの容器1内およびサブ
タンクユニット33内の両方にアクチュエータ106お
よび多孔質部材1050を配備し場合には、アクチュエ
ータ106は、よりインクの消費状態を正確に検出でき
る。また、インクカートリッジの容器1内のインクのイ
ンクエンドを正確に検出した時点で、さらに印字を続行
するか否かの判断をすることができる。
【0176】図29及び図30は、それぞれ本発明のイ
ンクカートリッジの更に他の実施例を示す。図29に示
した実施例においては、上下方向に斜めに形成された底
面1aに、アクチュエータ106が装着される。また、
図30に示した実施例においては、垂直方向に長く延び
るアクチュエータ106が、側壁1bの底面近傍に設け
られている。
【0177】図29及び図30の実施例によれば、イン
クが消費され、アクチュエータ106の一部が液面から
露出するようになると、アクチュエータ106の残留振
動が連続的に変化する。したがって、アクチュエータ1
06が音響インピーダンスの変化を検知することによっ
てインクの消費量を正確に検出することができる。例え
ば、インクの液面が図29のΔh1または図30のΔh
2の範囲内に存在する場合に、アクチュエータ106は
インクの液面を検知することができる。
【0178】本実施例においては、容器1内には、多孔
質部材1050が配備されている。多孔質部材1050
は、容器1内のインクの波打ちや泡立ちを防止する。そ
れによって、アクチュエータ106が誤ってインクの量
を検出することを防止することができる。
【0179】図29の実施例では、多孔質部材1050
は、アクチュエータ106の付近に配備される。本実施
例の場合は、多孔質部材1050は貫通孔1c内には配
備されていない。このため、アクチュエータ106の振
動領域は、インクの消費に伴ってインクから空気に曝さ
れる。それによって、アクチュエータ106の振動領域
における振動状態が連続的に変化する。この変化を検出
することによってインクの消費量を正確に検出すること
ができる。
【0180】インクの波打ちや泡立ちをできるだけ抑制
するためには、多孔質部材1050とアクチュエータ1
06との間には間隙があることは好ましくない。一方
で、多孔質部材1050とアクチュエータ106の振動
領域とが、アクチュエータ106の振動部が振動できな
い程に密着することもことも好ましくない。よって、多
孔質部材1050は、アクチュエータ106の振動領域
の付近に配備することが好ましい。ただし、図25の実
施例のように、多孔質部材1050とアクチュエータ1
06の振動領域とが接触しても、アクチュエータ106
の振動部が振動でき、インクの有無やインク量を検出で
きれば差し支えない。
【0181】また、図30の実施例では、多孔質部材
(図示せず)の一側面は側壁1bに配備されるアクチュ
エータ106と平行になるように配備されている。多孔
質部材の一側面とアクチュエータ106との間には間隙
がある。本実施例の場合、容器1内にインクが満たさ
れ、多孔質部材の一側面とアクチュエータ106との間
隙にインクが満たされている場合には、アクチュエータ
106はインクのみを検知する。一方で、容器1内のイ
ンクが消費され、多孔質部材の一側面とアクチュエータ
106との間隙に空隙が生じるに伴いアクチュエータ1
06はインクおよび気体を検知する。従って、アクチュ
エータ106は、インクの液面がアクチュエータ106
の長さΔh2の範囲内にあるときのインクの消費状態を
検出することができる。尚、アクチュエータ106の長
さは限定しない。
【0182】図31は、本発明のインクカートリッジの
さらに他の実施例を示す。上下方向に斜めに形成された
底面1aに、上下方向に間隔を設けて、複数のアクチュ
エータ106a、106b及び106cが、容器1に設
けられている。容器1の内部には、多孔質部材1050
が設けられている。容器1の内部に多孔質部材1050
を設ける。それによって、図29と同様に、アクチュエ
ータ106a、106b及び106cが誤ってインクの
消費状態を検出することを防止することができる。
【0183】本実施例によれば、複数のアクチュエータ
106a、106b及び106cのそれぞれの位置にイ
ンクが存在するか否かにより、それぞれのアクチュエー
タ106a、106b及び106cの装着位置のレベル
における、それぞれのアクチュエータ106a、106
b及び106cの残留振動の振幅および共振周波数が異
なる。したがって、各アクチュエータ106a、106
b及び106cの残留振動による逆起電力を測定するこ
とにより、それぞれのアクチュエータ106a、106
b及び106cの装着位置のレベルにおけるインクの有
無を検出することができる。したがって、インク残量を
段階的に検出することができる。例えば、インク液面が
アクチュエータ106bとアクチュエータ106cとの
間のレベルであるとき、アクチュエータ106aはイン
ク無しを検出し、一方アクチュエータ106b及び10
6cはインク有りと検出する。これらの結果を総合評価
することで、インク液面がアクチュエータ106bとア
クチュエータ106cとの間に位置していることが分か
る。
【0184】図32は、本発明のインクカートリッジの
更に他の実施形態を示す。図32(A)に示したインク
カートリッジは、容器1の内部に設けられた貫通孔1c
に少なくとも一部が対向するように多孔質部材74及び
75が、配置されている。アクチュエータ106は、貫
通孔1cに対向するように容器1の底面1aに固定され
る。図32(B)に示したインクカートリッジは、貫通
孔1cに連通して形成された溝1hに対向させて多孔質
部材75が、配置されている。
【0185】尚、図32(A)および図32(B)の本
実施例によれば、インク吸収体74及び75に作用する
毛細管力が容器1内のインクを保持できる程度の毛細管
力と等しいか、またはより大きくなるように設計する。
それによって、多孔質部材からなるインク吸収体74及
び75は、貫通孔1cに残存しているインクを吸収す
る。
【0186】容器1内のインクが消費されて多孔質部材
74及び75がインクから露出すると、多孔質部材74
及び75のインクが自重により流れ出して記録ヘッド3
1にインクを供給する。インクが消費され尽くすと、多
孔質部材74及び75は、貫通孔1cに残存しているイ
ンクを吸い上げるので、貫通孔1cの凹部からインクが
排出される。そのため、インクエンド時においてアクチ
ュエータ106の振動部に残留する振動が変化するの
で、インクエンドを更に確実に検出することができる。
【0187】また、図32(B)において、溝1hに
は、毛細管力が作用する。溝1hに毛細管力が作用する
ことによって、溝1hが貫通孔1cに残留するインクを
吸引する。
【0188】さらに、溝1hに作用する毛細管力は、多
孔質部材1050に作用する毛細管力より小さい。それ
によって、溝1hに吸引された貫通孔1cに残留してい
たインクをさらに、多孔質部材1050が吸引する。多
孔質部材1050が吸引したインクは、その自重により
インク供給口から記録ヘッドへ供給される。
【0189】図33は貫通孔1cの他の実施形態を示
す。図33(A)、(B)、及び(C)のそれぞれにお
いて、左側の図は、貫通孔1cにインクKが無い状態を
示し、右側の図は、貫通孔1cにインクKが残った状態
を示す。図33(A)においては、貫通孔1cは、側面
1dが上下方向に斜めであり外側に拡大して開いてい
る。図33(B)においては、段差部1e及び1fが、
貫通孔1cの側面に形成されている。上方にある段差部
1fが、下方にある段差部1eより広くなっている。図
33(C)においては、貫通孔1cは、インクKを排出
しやすい方向、すなわちインク供給口2の方向へ延びる
溝1gを有する。
【0190】図33(A)〜(C)に示した貫通孔1cの
形状によれば、インク溜部のインクKの量を少なくでき
る。従って、図16および図17で説明したM’cav
をM’maxと比較して小さくすることができるので、
インクエンド時におけるアクチュエータ650の振動特
性を、容器1に印刷可能な量のインクKが残存している
場合と大きく異ならせることができるので、インクエン
ドをより確実に検出することができる。
【0191】また、本実施例によるインクカートリッジ
において、図33(A)、図33(B)および図33(C)の
貫通孔1cの付近に多孔質部材(図33では図示せず)
が備えられる。貫通孔1cが側面1d、段差部1e、1
fまたは溝1gを有することによって、多孔質部材が貫
通孔1c内のインクを吸収し易くなる。
【0192】図34はアクチュエータの他の実施形態を
示す斜視図である。アクチュエータ660は、アクチュ
エータ660を構成する基板または取付プレート78の
貫通孔1cよりも外側にパッキン76を有する。アクチ
ュエータ660の外周にはカシメ孔77が形成されてい
る。アクチュエータ660は、カシメ孔77を介してカ
シメにより容器1に固定される。
【0193】図35(A)、(B)は、アクチュエータ
の更に他の実施形態を示す斜視図である。本実施形態に
おいては、アクチュエータ670は、凹部形成基板80
および圧電素子82を備える。凹部形成基板80の一方
の面には凹部81がエッチング等の手法により形成さ
れ、他方の面には圧電素子82が取り付けられる。凹部
形成基板80のうち、凹部81の底部が振動領域として
作用する。従って、アクチュエータ670の振動領域は
凹部81の周縁によって規定される。また、アクチュエ
ータ670は、図16の実施例によるアクチュエータ1
06のうち、基板178および振動板176が一体とし
て形成された構造と類似する。従って、インクカートリ
ッジを製造する際に製造工程を短縮することができ、コ
ストを低減させる。アクチュエータ670は、容器1に
設けられた貫通孔1cに埋め込み可能なサイズである。
それによって、凹部81がキャビティとしても作用する
ことができる。尚、図16の実施例によるアクチュエー
タ106を、図35の実施例によるアクチュエータ67
0と同様に貫通孔1cに埋め込み可能なように形成して
もよい。さらに、アクチュエータ670の付近には、多
孔質部材1050が配備される。
【0194】図36は、アクチュエータ106を取り付
けモジュール体100として一体形成した構成を示す斜
視図である。モジュール体100はインクカートリッジ
の容器1の所定個所に装着される。モジュール体100
は、インク液中の少なくとも音響インピーダンスの変化
を検出することにより、容器1内の液体の消費状態を検
知するように構成されている。本実施形態のモジュール
体100は、容器1にアクチュエータ106を取り付け
るための液体容器取付部101を有する。液体容器取付
部101は、平面がほぼ矩形の基台102上に駆動信号
により発振するアクチュエータ106を収容した円柱部
116を載せた構造になっている。モジュール体100
が、インクカートリッジに装着されたときに、モジュー
ル体100のアクチュエータ106が外部から接触でき
ないように構成されているので、アクチュエータ106
を外部の接触から保護することができる。なお、円柱部
116の先端側エッジは丸みが付けられていて、インク
カートリッジに形成された孔へ装着する際に嵌めやすく
なっている。
【0195】図37は、図36に示したモジュール体1
00の構成を示す分解図である。モジュール体100
は、樹脂からなる液体容器取付部101と、プレート1
10および凹部113を有する圧電装置装着部105と
を含む。さらに、モジュール体100は、リードワイヤ
104a及び104b、アクチュエータ106、および
フィルム108を有する。好ましくは、プレート110
は、ステンレス又はステンレス合金等の錆びにくい材料
から形成される。液体容器取付部101に含まれる円柱
部116および基台102は、リードワイヤ104a及
び104bを収容できるよう中心部に開口部114が形
成され、アクチュエータ106、フィルム108、及び
プレート110を収容できるように凹部113が形成さ
れる。アクチュエータ106はプレート110にフィル
ム108を介して接合され、プレート110およびアク
チュエータ106は液体容器取付部101に固定され
る。従って、リードワイヤ104a及び104b、アク
チュエータ106、フィルム108およびプレート11
0は、液体容器取付部101に一体として取り付けられ
る。リードワイヤ104a及び104bは、それぞれア
クチュエータ106の上部電極及び下部電極と結合して
圧電層に駆動信号を伝達し、一方、アクチュエータ10
6が検出した共振周波数の信号を記録装置等へ伝達す
る。アクチュエータ106は、リードワイヤ104a及
び104bから伝達された駆動信号に基づいて一時的に
発振する。アクチュエータ106は発振後に残留振動
し、その振動によって逆起電力を発生させる。このと
き、逆起電力波形の振動周期を検出することによって、
液体容器内の液体の消費状態に対応した共振周波数を検
出することができる。フィルム108は、アクチュエー
タ106とプレート110とを接着してアクチュエータ
を液密にする。フィルム108は、ポリオレフィン等に
よって形成し、熱融着で接着することが好ましい。
【0196】プレート110は円形状であり、基台10
2の開口部114は円筒状に形成されている。アクチュ
エータ106及びフィルム108は矩形状に形成されて
いる。リードワイヤ104、アクチュエータ106、フ
ィルム108、及びプレート110は、基台102に対
して着脱可能としてもよい。基台102、リードワイヤ
104、アクチュエータ106、フィルム108、及び
プレート110は、モジュール体100の中心軸に対し
て対称に配置されている。更に、基台102、アクチュ
エータ106、フィルム108、及びプレート110の
中心は、モジュール体100のほぼ中心軸上に配置され
ている。
【0197】基台102の開口部114の面積は、アク
チュエータ106の振動領域の面積よりも大きく形成さ
れている。プレート110の中心でアクチュエータ10
6の振動部に直面する位置には、貫通孔112が形成さ
れている。図16および図17に示したようにアクチュ
エータ106にはキャビティ162が形成され、貫通孔
112とキャビティ162は、共にインク溜部を形成す
る。プレート110の厚さは、残留インクの影響を少な
くするために貫通孔112の径に比べて小さいことが好
ましい。例えば貫通孔112の深さはその径の3分の1
以下の大きさであることが好ましい。貫通孔112は、
モジュール体100の中心軸に対して対称なほぼ真円の
形状である。また貫通孔112の面積は、アクチュエー
タ106のキャビティ162の開口面積よりも大きい。
貫通孔112の断面の周縁はテ-パ形状であっても良い
しステップ形状でもよい。モジュール体100は、貫通
孔112が容器1の内側へ向くように容器1の側部、上
部、又は底部に装着される。インクが消費されアクチュ
エータ106周辺のインクがなくなると、アクチュエー
タ106の共振周波数が大きく変化するので、インクの
水位変化を検出することができる。
【0198】図38は、モジュール体の他の実施形態を
示す斜視図である。本実施形態のモジュール体400
は、液体容器取付部401に圧電装置装着部405が形
成されている。液体容器取付部401は、平面がほぼ角
丸の正方形上の基台402上に円柱状の円柱部403が
形成されている。更に、圧電装置装着部405は、円柱
部403上に立てられた板状要素406および凹部41
3を含む。板状要素406の側面に設けられた凹部41
3には、アクチュエータ106が配置される。なお、板
状要素406の先端は所定角度に面取りされていて、イ
ンクカートリッジに形成された孔へ装着する際に嵌めや
すくなっている。
【0199】図39は、図38に示したモジュール体4
00の構成を示す分解斜視図である。図36に示したモ
ジュール体100と同様に、モジュール体400は、液
体容器取付部401および圧電装置装着部405を含
む。液体容器取付部401は基台402および円柱部4
03を有し、圧電装置装着部405は板状要素406お
よび凹部413を有する。アクチュエータ106は、プ
レート410に接合されて凹部413に固定される。モ
ジュール体400は、リードワイヤ404a及び404
b、アクチュエータ106、及びフィルム408をさら
に有する。
【0200】本実施形態によれば、プレート410は矩
形状であり、板状要素406に設けられた開口部414
は矩形状に形成されている。リードワイヤ404a及び
404b、アクチュエータ106、フィルム408、及
びプレート410は基台402に対して着脱可能として
構成しても良い。アクチュエータ106、フィルム40
8、及びプレート410は、開口部414の中心を通
り、開口部414の平面に対して鉛直方向に延びる中心
軸に対して対称に配置されている。更に、アクチュエー
タ406、フィルム408、及びプレート410の中心
は、開口部414のほぼ中心軸上に配置されている。
【0201】プレート410の中心に設けられた貫通孔
412の面積は、アクチュエータ106のキャビティ1
62の開口の面積よりも大きく形成されている。アクチ
ュエータ106のキャビティ162と貫通孔412と
は、共にインク溜部を形成する。プレート410の厚さ
は貫通孔412の径に比べて小さく、例えば貫通孔41
2の径の3分の1以下の大きさに設定することが好まし
い。貫通孔412は、モジュール体400の中心軸に対
して対称なほぼ真円の形状である。貫通孔412の断面
の周縁はテ-パ形状であっても良いしステップ形状でも
よい。モジュール体400は、貫通孔412が容器1の
内部に配置されるように容器1の底部に装着することが
できる。アクチュエータ106が垂直方向に延びるよう
に容器1内に配置されるので、基台402の高さを変え
てアクチュエータ106が容器1内に配置される高さを
変えることによりインクエンドの時点の設定を容易に変
えることができる。
【0202】図40は、モジュール体の更に他の実施形
態を示す。図36に示したモジュール体100と同様
に、図40のモジュール体500は、基台502および
円柱部503を有する液体容器取付部501を含む。ま
た、モジュール体500は、リードワイヤ504a及び
504b、アクチュエータ106、フィルム508、及
びプレート510をさらに有する。液体容器取付部50
1に含まれる基台502は、リードワイヤ504a及び
504bを収容できるよう中心部に開口部514が形成
され、アクチュエータ106、フィルム508、及びプ
レート510を収容できるように凹部513が形成され
る。アクチュエータ106はプレート510を介して圧
電装置装着部505に固定される。従って、リードワイ
ヤ504a及び504b、アクチュエータ106、フィ
ルム508およびプレート510は、液体容器取付部5
01に一体として取り付けられる。本実施形態のモジュ
ール体500は、平面がほぼ角丸の正方形上の基台上に
上面が上下方向に斜めな円柱部503が形成されてい
る。円柱部503の上面の上下方向に斜めに設けられた
凹部513上にアクチュエータ106が配置されてい
る。
【0203】モジュール体500の先端は傾斜してお
り、その傾斜面にアクチュエータ106が装着されてい
る。そのため、モジュール体500が容器1の底部又は
側部に装着されると、アクチュエータ106が容器1の
上下方向に対して傾斜する。モジュール体500の先端
の傾斜角度は、検出性能を鑑みてほぼ30°から60°
の間とすることが望ましい。
【0204】モジュール体500は、アクチュエータ1
06が容器1内に配置されるように容器1の底部又は側
部に装着される。モジュール体500が容器1の側部に
装着される場合には、アクチュエータ106が、傾斜し
つつ、容器1の上側、下側、又は横側を向くように容器
1に取り付けられる。一方、モジュール体500が、容
器1の底部に装着される場合には、アクチュエータ10
6が、傾斜しつつ、容器1のインク供給口側を向くよう
に容器1に取り付けられることが好ましい。
【0205】図41は、図36に示したモジュール体1
00を容器1に装着したときのインク容器の底部近傍の
断面図である。モジュール体100は、容器1の側壁を
貫通するように装着されている。容器1の側壁とモジュ
ール体100との接合面には、Oリング365が設けら
れ、モジュール体100と容器1との液密を保ってい
る。Oリングでシールが出来るようにモジュール体10
0は図36で説明したような円柱部を備えることが好ま
しい。モジュール体100の先端が容器1の内部に挿入
されることで、プレート110の貫通孔112を介して
容器1内のインクがアクチュエータ106と接触する。
アクチュエータ106の振動部の周囲が液体か気体かに
よってアクチュエータ106の残留振動の共振周波数が
異なるので、モジュール体100を用いてインクの消費
状態を検出することができる。また、モジュール体10
0に限らず、図38に示したモジュール体400、図4
0に示したモジュール体500、又は図42に示したモ
ジュール体700A及び700B、及びモールド構造体
600を容器1に装着してインクの有無を検出してもよ
い。
【0206】図42(A)はモジュール体700Bを容
器1に装着したときのインク容器の断面図を示す。本実
施例では取付構造体の1つとしてモジュール体700B
を使用する。モジュール体700Bは、液体容器取付部
360が容器1の内部に突出するようにして容器1に装
着されている。取付プレート350には貫通孔370が
形成され、貫通孔370とアクチュエータ106の振動
部が面している。更に、モジュール体700Bの底壁に
は孔382が形成され、圧電装置装着部363が形成さ
れる。アクチュエータ106が孔382の一方を塞ぐよ
うにして配備される。したがって、インクは、圧電装置
装着部363の孔382及び取付プレート350の貫通
孔370を介して振動板176と接触する。圧電装置装
着部363の孔382及び取付プレート350の貫通孔
370は、共にインク溜部を形成する。圧電装置装着部
363とアクチュエータ106とは、取付プレート35
0及びフィルム部材によって固定されている。液体容器
取付部360と容器1との接続部にはシーリング構造3
72が設けられている。シーリング構造372は合成樹
脂等の可塑性の材料により形成されてもよいし、Oリン
グにより形成されてもよい。図42(A)のモジュール
体700Bと容器1とは別体であるが、図42(B)よ
うにモジュール体700Bの圧電装置装着部を容器1の
一部で構成してもよい。
【0207】図42(A)のモジュール体700Bは、
図36から図40に示したリードワイヤのモジュール体
への埋め込みが不要となる。そのため成形工程が簡素化
される。更に、モジュール体700Bの交換が可能とな
りリサイクルが可能となる。
【0208】インクカートリッジが揺れる際にインクが
容器1の上面あるいは側面に付着し、容器1の上面ある
いは側面から垂れてきたインクがアクチュエータ106
に接触することでアクチュエータ106が誤作動する可
能性がある。しかし、モジュール体700Bは液体容器
取付部360が容器1の内部に突出しているので、容器
1の上面や側面から垂れてきたインクによりアクチュエ
ータ106が誤作動しない。
【0209】また、図42(A)の実施例では、振動板
176と取付プレート350の一部のみが、容器1内の
インクと接触するように容器1に装着される。図42
(A)の実施例では、図36から図40に示したリード
ワイヤ104a、104b、404a、404b、50
4a、及び504bの電極のモジュール体への埋め込み
が不要となる。そのため成形工程が簡素化される。更
に、アクチュエータ106の交換が可能となりリサイク
ルが可能となる。
【0210】図42(B)は、アクチュエータ106を
容器1に装着したときの実施例としてインク容器の断面
図を示す。図42(B)の実施例によるインクカートリ
ッジでは、保護部材361はアクチュエータ106とは
別体として容器1に取り付けられている。従って、保護
部材361とアクチュエータ106とはモジュールとし
て一体となっていないが、一方で、保護部材361はア
クチュエータ106にユーザーの手が触れないように保
護することができる。アクチュエータ106の前面に設
けられる孔380は、容器1の側壁に配設されている。
アクチュエータ106は、圧電層160、上部電極16
4、下部電極166、振動板176及び取付プレート3
50を含む。取付プレート350の上面に振動板176
が形成され、振動板176の上面に下部電極166が形
成されている。下部電極166の上面には圧電層160
が形成され、圧電層160の上面に上部電極164が形
成されている。したがって、圧電層160の主要部は、
上部電極164の主要部及び下部電極166の主要部に
よって上下から挟まれるように形成されている。圧電層
160、上部電極164、及び下部電極166のそれぞ
れの主要部である円形部分は、圧電素子を形成する。圧
電素子は振動板176上に形成される。圧電素子及び振
動板176の振動領域はアクチュエータが実際に振動す
る振動部である。取付プレート350には貫通孔370
が設けられている。更に、容器1の側壁には孔380が
形成されている。したがって、インクは、容器1の孔3
80及び取付プレート350の貫通孔370を介して振
動板176と接触する。容器1の孔380及び取付プレ
ート350の貫通孔370は、共にインク溜部を形成す
る。また、図42(B)の実施例では、アクチュエータ
106は保護部材361により保護されているのでアク
チュエータ106を外部との接触から保護できる。
【0211】尚、図42(A)および(B)の実施例に
おける取付プレート350に代えて、図16の基板17
8を使用してもよい。
【0212】図42(C)はアクチュエータ106を含
むモールド構造体600を備える実施形態を示す。本実
施例では、取付構造体の1つとしてモールド構造体60
0を使用する。モールド構造体600はアクチュエータ
106とモールド部364とを有する。アクチュエータ
106とモールド部364とは一体に成形されている。
モールド部364はシリコン樹脂等の可塑性の材料によ
って成形される。モールド部364は内部にリードワイ
ヤ362を有する。モールド部364はアクチュエータ
106から延びる2本の足を有するように形成されてい
る。モールド部364はモールド部364と容器1とを
液密に固定するために、モールド部364の2本の足の
端が半球状に形成される。モールド部364はアクチュ
エータ106が容器1の内部に突出するよう容器1に装
着され、アクチュエータ106の振動部は容器1内のイ
ンクと接触する。モールド部364によって、アクチュ
エータ106の上部電極164、圧電層160、及び下
部電極166はインクから保護されている。
【0213】図42(C)のモールド構造体600は、
モールド部364と容器1との間にシーリング構造37
2が必要ないので、インクが容器1から漏れにくい。ま
た、容器1の外部からモールド構造体600が突出しな
い形態であるので、アクチュエータ106を外部との接
触から保護することができる。インクカートリッジが揺
れる際に、インクが容器1の上面あるいは側面に付き、
容器1の上面あるいは側面から垂れてきたインクが、ア
クチュエータ106に接触することで、アクチュエータ
106が、誤作動する可能性がある。モールド構造体6
00は、モールド部364が、容器1の内部に突出して
いるので、容器1の上面や側面から垂れてきたインクに
より、アクチュエータ106が誤作動しない。
【0214】さらに、アクチュエータ106の付近に
は、多孔質部材(図示せず)が配備される。それによっ
て、インクの波打ちや泡立ちを抑制する。従って、イン
クカートリッジが揺れる際に、インクが容器1の上面あ
るいは側面に付着することを防止する。
【0215】図43は、図16に示したアクチュエータ
106を用いたインクカートリッジ及びインクジェット
記録装置の実施形態を示す。複数のインクカートリッジ
180は、それぞれのインクカートリッジ180に対応
した複数のインク導入部182及びホルダー184を有
するインクジェット記録装置に装着される。複数のイン
クカートリッジ180は、それぞれ異なった種類、例え
ば色のインクを収容する。複数のインクカートリッジ1
80のそれぞれの底面には、少なくとも音響インピーダ
ンスを検出する手段であるアクチュエータ106が装着
されている。アクチュエータ106をインクカートリッ
ジ180に装着することによって、インクカートリッジ
180内のインク残量を検出することができる。アクチ
ュエータ106の付近には、多孔質部材(図示せず)が
配備される。それによって、インクの波打ちや泡立ちを
抑制する。
【0216】図44は、インクジェット記録装置のヘッ
ド部周辺の詳細を示す。インクジェット記録装置は、イ
ンク導入部182、ホルダー184、ヘッドプレート1
86、及びノズルプレート188を有する。インクを噴
射するノズル190がノズルプレート188に複数形成
されている。インク導入部182は空気供給口181と
インク導入口183とを有する。空気供給口181はイ
ンクカートリッジ180に空気を供給する。インク導入
口183はインクカートリッジ180からインクを導入
する。インクカートリッジ180は空気導入口185と
インク供給口187とを有する。空気導入口185はイ
ンク導入部182の空気供給口181から空気を導入す
る。インク供給口187はインク導入部182のインク
導入口183にインクを供給する。インクカートリッジ
180がインク導入部182から空気を導入することに
よって、インクカートリッジ180からインク導入部1
82へのインクの供給を促す。ホルダー184は、イン
クカートリッジ180からインク導入部182を介して
供給されたインクをヘッドプレート186に連通する。
【0217】図45は、図44に示したインクカートリ
ッジ180の他の実施形態を示す。図45のインクカー
トリッジ180Bのアクチュエータ106は、インク容
器194の供給口の側壁上に装着されている。インク供
給口187の近傍であれば、アクチュエータ106は、
インク容器194の側壁又は底面に装着されてもよい。
また、アクチュエータ106はインク容器194の幅方
向の中心に装着されることが好ましい。インクは、イン
ク供給口187を通過して外部に供給されるので、アク
チュエータ106をインク供給口187の近傍に設ける
ことにより、インクニアエンド時点までインクとアクチ
ュエータ106とが確実に接触する。したがって、アク
チュエータ106はインクニアエンドの時点を確実に検
出することができる。尚、アクチュエータ106の付近
に多孔質部材1050を配備する。それによって、イン
クの波打ちや泡立ちを抑制し、アクチュエータ106が
インクの消費状態を誤って検知することを防止する。
【0218】更に、アクチュエータ106をインク供給
口187の近傍に設けることで、インク容器をキャリッ
ジ上のカートリッジホルダに装着する際に、インク容器
上のアクチュエータ106とキャリッジ上の接点との位
置決めが確実となる。その理由は、インク容器とキャリ
ッジとの連結において最も重要なのは、インク供給口と
供給針との確実な結合である。少しでもずれがあると供
給針の先端を痛めてしまったりあるいはOリングなどの
シーリング構造にダメージを与えてしまいインクが漏れ
出してしまうからである。このような問題点を防ぐため
に、通常インクジェットプリンタはインク容器をキャリ
ッジにマウントする時に正確な位置合わせができるよう
な特別な構造を有している。よって供給口近傍にアクチ
ュエータを配置させることにより、アクチュエータの位
置合わせも同時に確実なものとなるのである。さらに、
アクチュエータ106をインク容器194の幅方向の中
心に装着することで、より確実に位置合わせすることが
できる。インク容器が、ホルダへの装着時に幅方向中心
線を中心として軸揺動した場合に、もっともその揺れが
少ないからである。
【0219】図46はインクカートリッジ180の更に
他の実施形態を示す。図46(A)はインクカートリッ
ジ180Cの断面図、図46(B)は図46(A)に示
したインクカートリッジ180Cの側壁194bを拡大
した断面図、及び図46(C)はその正面図からの透視
図である。インクカートリッジ180Cは、半導体記憶
手段7とアクチュエータ106とが同一の回路基板61
0上に形成されている。図46(B)、(C)に示すよ
うに、半導体記憶手段7は回路基板610の上方に形成
され、アクチュエータ106は同一の回路基板610に
おいて半導体記憶手段7の下方に形成されている。アク
チュエータ106の周囲を囲むように異型Oリング61
4が、側壁194bに装着される。側壁194bには、
回路基板610をインク容器194に接合するためのカ
シメ部616が複数形成されている。カシメ部616に
よって回路基板610をインク容器194に接合し、異
型Oリング614を回路基板610に押しつけること
で、アクチュエータ106の振動領域がインクと接触す
ることをできるようにしつつ、インクカートリッジの外
部と内部とを液密に保つ。
【0220】半導体記憶手段7及び半導体記憶手段7付
近には端子612が形成されている。端子612は半導
体記憶手段7とインクジェット記憶装置等の外部との間
の信号の受け渡しをする。半導体記憶手段7は、例えば
EEPROMなどの書き換え可能な半導体メモリによっ
て構成されてもよい。半導体記憶手段7とアクチュエー
タ106とが同一の回路基板610上に形成さているの
で、アクチュエータ106及び半導体記憶手段7をイン
クカートリッジ180Cに取付ける際に1回の取付け工
程で済む。また、インクカートリッジ180Cの製造時
及びリサイクル時の作業工程が簡素化される。更に、部
品の点数が削減されるので、インクカートリッジ180
Cの製造コストが低減できる。
【0221】さらに、アクチュエータ106の付近に
は、多孔質部材1050が配備される。それによって、
インクの波打ちや泡立ちを抑制し、アクチュエータ10
6がインクの消費状態を誤って検知することを防止す
る。
【0222】アクチュエータ106は、インク容器19
4内のインクの消費状態を検知する。半導体記憶手段7
はアクチュエータ106が検出したインク残量などイン
クの情報を格納する。すなわち、半導体記憶手段7は検
出する際に用いられるインク及びインクカートリッジの
特性等の特性パラメータに関する情報を格納する。半導
体記憶手段7は、予めインク容器194内のインクがフ
ルのとき、すなわちインクがインク容器194内に満た
されたとき、又はエンドのとき、すなわちインク容器1
94内のインクが消費されたときの共振周波数を特性パ
ラメータの一つとして格納する。インク容器194内の
インクがフル又はエンド状態の共振周波数は、インク容
器が初めてインクジェット記録装置に装着されたときに
格納されてもよい。また、インク容器194内のインク
がフル又はエンド状態の共振周波数は、インク容器19
4の製造中に格納されてもよい。半導体記憶手段7に予
めインク容器194内のインクがフル又はエンドのとき
の共振周波数を格納し、インクジェット記録装置側で共
振周波数のデータを読出すことによりインク残量を検出
する際のばらつきを補正できるので、インク残量が基準
値まで減少したことを正確に検出することができる。
【0223】図47は、インクカートリッジ180の更
に他の実施形態を示す。図47(A)に示すインクカー
トリッジ180Dは、インク容器194の側壁194b
に複数のアクチュエータ106を装着する。図20に示
した、一体成形された複数のアクチュエータ106を、
これら複数のアクチュエータ106として用いることが
好ましい。複数のアクチュエータ106は、上下方向に
間隔をおいて側壁194bに配置されている。複数のア
クチュエータ106を上下方向に間隔をおいて側壁19
4bに配置することによって、インク残量を段階的に検
出することができる。
【0224】図47(B)に示すインクカートリッジ1
80Eは、インク容器194の側壁194bに上下方向
に長いアクチュエータ606を装着する。上下方向に長
いアクチュエータ606によって、インク容器194内
のインク残量の変化を連続的に検出することができる。
アクチュエータ606の長さは、側壁194bに高さの
半分以上の長さを有することが望ましく、図47(B)
においては、アクチュエータ606は側壁194bのほ
ぼ上端からほぼ下端までの長さを有する。
【0225】図47(C)に示すインクカートリッジ1
80Fは、図47(A)に示したインクカートリッジ1
80Dと同様に、インク容器194の側壁194bに複
数のアクチュエータ106を装着し、複数のアクチュエ
ータ106の直面に所定の間隔をおいて上下方向に長い
防波壁192を備える。図20に示した、一体成形され
た複数のアクチュエータ106を、これら複数のアクチ
ュエータ106として用いることが好ましい。アクチュ
エータ106と防波壁192との間には、インクで満た
された間隙が形成される。また、防波壁192とアクチ
ュエータ106との間隔は、毛細管力によりインクが保
持されない程度に空けられている。インク容器194が
横揺れしたときに横揺れによってインク容器194内部
にインクの波が発生し、その衝撃によって気体や気泡が
アクチュエータ106によって検出されてしまい、アク
チュエータ106が誤作動する可能性がある。本発明の
ように防波壁192を設けることによって、アクチュエ
ータ106付近のインクの波立ちを防ぎ、アクチュエー
タ106の誤作動を防ぐことができる。また、防波壁1
92はインクが揺動することで発生した気泡がアクチュ
エータ106に侵入するのを防ぐ。
【0226】さらに、図47(A)、図47(B)および図
47(C)では、アクチュエータ106の付近に多孔質部
材1050が配備される。それによって、インクの波打
ちや泡立ちを抑制し、アクチュエータ106がインクの
消費状態を誤って検知することを防止する。
【0227】図48は、インクカートリッジ180の更
に他の実施形態を示す。図48(A)のインクカートリ
ッジ180Iは、インク容器194の上面194cから
下方に延びる一つの隔壁212を有する。隔壁212の
下端とインク容器194の底面とは所定の間隔が空けら
れているので、インク容器194の底部は連通してい
る。インクカートリッジ180Iは隔壁212によって
区画された2室の収容室213a及び213bを有す
る。収容室213a及び213bの底部は互いに連通す
る。インク供給口187側の収容室213aの容量はイ
ンク供給口187から見て奥の方の収容室213bの容
量より大きい。収容室213bの容量は、収容室213
aの容量の半分より小さいことが好ましい。
【0228】収容室213bの上面194cにアクチュ
エータ106が装着される。更に、収容室213bに
は、インクカートリッジ180Iの製造時に入る気泡を
捕らえる溝であるバッファ214が形成される。図48
(A)において、バッファ214は、インク容器194
の側壁194bから上方に延びる溝として形成される。
バッファ214はインク収容室213b内に侵入した気
泡を捕らえるので、気泡によってアクチュエータ106
がインクエンドと検出する誤作動を防止することができ
る。また、アクチュエータ106を収容室213bの上
面194cに設けることにより、インクニアエンドが検
出されてから完全にインクエンド状態になるまでのイン
ク量に対して、ドットカウンタによって把握した収容室
213aでのインクの消費状態に対応した補正をかける
ことで、最後までインクを消費することができる。更
に、収容室213bの容量を隔壁212の長さや間隔を
変えたりすることなどによって調節することにより、イ
ンクニアエンド検出後の消費可能インク量を変えること
ができる。
【0229】さらに、図48(A)は、インクカートリ
ッジ180Iの収容室213bに多孔質部材216が充
填されている。多孔質部材216は、収容室213b内
の上面から下面までの全空間を埋めるように設置され
る。多孔質部材216は、アクチュエータ106と接触
する。インク容器が倒れたときや、キャリッジ上での往
復運動中に空気がインク収容室213b内に侵入してし
まい、これがアクチュエータ106の誤作動を引き起こ
す可能性がある。しかし、多孔質部材216が備えられ
ていれば、空気を捕らえてアクチュエータ106に空気
が入るのを防ぐことができる。また、多孔質部材216
はインクを保持するのでインク容器が揺れることによ
り、インクがアクチュエータ106にかかってアクチュ
エータ106がインク無しをインク有りと誤検出するの
を防ぐことができる。多孔質部材216は最も容量が小
さい収容室213に設置することが好ましい。また、ア
クチュエータ106を収容質213bの上面194cに
設けることにより、インクニアエンドが検出されてから
完全にインクエンド状態になるまでのインク量に補正を
かけ、最後までインクを消費することができる。更に、
収容室213bの容量を隔壁212の長さや間隔を変え
たりすることなどによって調節することにより、インク
ニアエンド検出後の消費可能インク量を変えることがで
きる。
【0230】図48(B)は、図48(A)のインクカ
ートリッジ180Iの多孔質部材216が孔径の異なる
2種類の多孔質部材216A及び216Bによって構成
されているインクカートリッジ180Jを示す。多孔質
部材216Aは、多孔質部材216Bの上方に配置され
ている。上側の多孔質部材216Aの孔径は、下側の多
孔質部材216Bの孔径より大きい。もしくは、多孔質
部材216Aは、多孔質部材216Bよりも液体親和性
が低い部材で形成される。孔径の小さい多孔質部材21
6Bの方が孔径の大きい多孔質部材216Bより毛細管
力は大きいので、収容室213b内のインクが下側の多
孔室部材216Bに集まり、保持される。したがって、
一旦多孔質部材216Bに集められたインクは多孔質部
材216Aには上らないので、インクが揺れることによ
ってアクチュエータ106にインクがかかっていしま
い、アクチュエータ106がインク無しをインク有りと
誤検出することを防止することができる。また、アクチ
ュエータ106を収容質213bの上面194cに設け
ることにより、インクニアエンドが検出されてから完全
にインクエンド状態になるまでのインク量に補正をか
け、最後までインクを消費することができる。更に、収
容室213bの容量を隔壁212の長さや間隔を変えた
りすることなどによって調節することにより、インクニ
アエンド検出後の消費可能インク量を変えることができ
る。
【0231】図49は、図48(A)に示したインクカ
ートリッジ180Iの他の実施形態であるインクカート
リッジ180Kを示す断面図である。図49に示すイン
クカートリッジ180の多孔質部材216は、多孔質部
材216の下部の水平方向の断面積が、インク容器19
4の底面の方向にむけて徐々に小さくなるように圧縮さ
れ、孔径が小さくなるよう設計されている。図49
(A)のインクカートリッジ180Kは、多孔質部材2
16の下の方の孔径が小さくなるように圧縮するために
側壁にリブが設けられている。多孔質部材216下部の
孔径は圧縮されることにより、小さくなっているので、
インクは多孔質部材216下部へと集められ、保持され
る。アクチュエータ106から遠い側の多孔質部材21
6下部にインクが吸収されることで、アクチュエータ1
06近傍のインクの捌けが良くなり、インク有無を検出
するときの音響インピーダンス変化の変化量が大きくな
る。したがって、インクが揺れることによってインクカ
ートリッジ180K上面に装着されたアクチュエータ1
06にインクがかかっていしまい、アクチュエータ10
6が、インク無しをインク有りと誤検出することを防止
することができる。
【0232】一方、図49(B)及び図49(C)のイ
ンクカートリッジ180Lは、多孔質部材216の下部
の水平方向の断面積が、インク容器194の幅方向にお
いて、インク容器194の底面にむけて徐々に小さくな
るよう圧縮するために、収容室の水平方向の断面積がイ
ンク容器194の底面の方向にむけて徐々に小さくなっ
ている。多孔質部材216下部の孔径は圧縮されること
により、小さくなっているので、インクは多孔質部材2
16の下部へと集められ、保持される。アクチュエータ
106から遠い側の多孔質部材216Bの下部にインク
が吸収されることで、アクチュエータ106近傍のイン
クの捌けが良くなり、インク有無を検出するときの音響
インピーダンス変化の変化量が大きくなる。したがっ
て、インクが揺れることによって、インクカートリッジ
180Lの上面に装着されたアクチュエータ106にイ
ンクがかかっていしまい、アクチュエータ106が、イ
ンク無しをインク有りと誤検出することを防止すること
ができる。
【0233】図50は、アクチュエータ106を用いた
インクカートリッジの更に他の実施形態を示す。図50
のインクカートリッジ220Bは、インクカートリッジ
220Bの上面から下方へと延びるように設けられた第
1の隔壁222を有する。第1の隔壁222の下端とイ
ンクカートリッジ220Bの底面との間には所定の間隔
が空けられているので、インクは、インクカートリッジ
220Bの底面を通じてインク供給口230へ流入でき
る。第1の隔壁222よりインク供給口230側には、
インクカートリッジ220Bの底面より上方に延びるよ
うに第2の隔壁224が、形成されている。第2の隔壁
224の上端とインクカートリッジ220Bの上面との
間には所定の間隔が空けられているので、インクは、イ
ンクカートリッジ220Bの上面を通じてインク供給口
230へ流入できる。インクカートリッジ220Bは、
第1の収容室225aに多孔質部材242を配置してい
る。多孔質部材242は、インクカートリッジ220B
内のインクを保持すると共に、インクカートリッジ22
0Bが横揺れしたときに、インクがインクカートリッジ
220Bに設けられる通気孔から漏れるのを防ぐ。
【0234】第1の隔壁222によって、インク供給口
230から見て、第1の隔壁222の奥の方に第1の収
容室225aが形成される。一方、第2の隔壁224に
よって、インク供給口230から見て第2の隔壁224
の手前側に第2の収容室225bが形成される。第1の
収容室225aの容量は、第2の収容室225bの容量
より大きい。第1の隔壁222及び第2の隔壁224の
間に、毛管現象を起こせるだけの間隔が空けられること
により、毛管路227が形成される。したがって、第1
の収容室225aのインクは、毛管路227の毛細管力
により、毛管路227に集められる。そのため、気体や
気泡が第2の収容室225bへ混入するのを防止するこ
とができる。また、第2の収容室225b内のインクの
水位は、安定的に徐々に下降できる。インク供給口23
0から見て、第1の収容室225aは、第2の収容室2
25bより奥に形成されているので、第1の収容室22
5aのインクが消費された後、第2の収容室225bの
インクが消費される。
【0235】インクカートリッジ220Bのインク供給
口230側の側壁、すなわち第2の収容室225bのイ
ンク供給口230側の側壁には、アクチュエータ106
が装着されている。アクチュエータ106は、第2の収
容室225b内のインクの消費状態を検知する。アクチ
ュエータ106を、第2の収容室225bの側壁に装着
することによって、インクエンドにより近い時点でのイ
ンク残量を安定的に検出することができる。更に、アク
チュエータ106を第2の収容室225bの側壁に装着
する高さを変えることにより、どの時点でのインク残量
をインクエンドにするかを、自由に設定することができ
る。毛管路227によって第1の収容室225aから第
2の収容室225bへインクが供給されることにより、
アクチュエータ106は、インクカートリッジ220B
の横揺れによるインクの横揺れの影響を受けないので、
アクチュエータ106は、インク残量を確実に測定でき
る。更に、毛管路227が、インクを保持するので、イ
ンクが第2の収容室225bから第1の供給室225a
へ逆流するのを防ぐ。
【0236】以上、キャリッジに装着される、キャリッ
ジと別体のインクカートリッジにおいて、インクカート
リッジ又はキャリッジにアクチュエータ106を装着す
る場合について述べたが、キャリッジと一体化され、キ
ャリッジと共に、インクジェット記録装置に装着される
インクタンクにアクチュエータ106を装着してもよ
い。更に、キャリッジと別体の、チューブ等を介して、
キャリッジにインクを供給するオフキャリッジ方式のイ
ンクタンクにアクチュエータ106を装着してもよい。
またさらに、記録ヘッドとインク容器とが一体となって
交換可能に構成されたインクカートリッジに、本発明の
アクチュエータを装着してもよい。
【0237】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範
囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又
は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を
加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、
特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0238】
【発明の効果】本発明に従った液体容器は、液体残量を
正確に検出でき、かつ複雑なシール構造を不要とでき
る。
【0239】本発明に従った液体容器は、液体容器の製
造工程が少なく、かつ製造コストが低廉であり、かつ液
体の種類に依らず液体容器内の液体の消費量を正確に検
出することができる。
【0240】本発明に従った液体容器は、液体容器内の
液体により気泡が生じることを防止するとともに、気泡
が生じたとしても液体の消費量を直接に検出する装置に
気泡が付着しない。
【0241】本発明に従った液体容器は、液体容器内の
液体が消費された後、キャビティ内に液体が残存しない
ようにすることによって、またはキャビティ内に液体が
残存する量を減少させることによって、液体容器内の液
体の量を誤って検出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単色、例えばブラックインク用のインクカート
リッジの一実施例を示す図である。
【図2】複数種類のインクを収容するインクカートリッ
ジの一実施例を示す図である。
【図3】図1及び2に示したインクカートリッジに適し
たインクジェット記録装置の一実施例を示す図である。
【図4】サブタンクユニット33の詳細な断面を示す図
である。
【図5】本発明のインクカートリッジの更に他の実施形
態を示す図である。
【図6】弾性波発生手段3、15、16、及び17の製
造方法を示す図である。
【図7】図6に示した弾性波発生手段3の他の実施形態
を示す図である。
【図8】本発明のインクカートリッジの他の実施例を示
す図である。
【図9】本発明のインクカートリッジの更に他の実施例
を示す図である。
【図10】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
例を示す図である。
【図11】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
例を示す図である。
【図12】本発明のインクジェット記録装置の実施形態
の断面を示す図である。
【図13】図12に示した記録装置に適したインクカー
トリッジの実施形態を示す図である。
【図14】本発明のインクカートリッジ272の他の実
施形態を示す図である。
【図15】本発明のインクカートリッジ272及びイン
クジェット記録装置の更に他の実施形態を示す図であ
る。
【図16】アクチュエータ106の詳細を示す図であ
る。
【図17】アクチュエータ106の周辺およびその等価
回路を示す図である。
【図18】インクの密度とアクチュエータ106によっ
て検出されるインクの共振周波数との関係を示す図であ
る。
【図19】アクチュエータ106の逆起電力波形を示す
図である。
【図20】アクチュエータ106の他の実施形態を示す
図である。
【図21】図20に示したアクチュエータ106の一部
分の断面を示す図である。
【図22】図20に示したアクチュエータ106の全体
の断面を示す図である。
【図23】図20に示したアクチュエータ106の製造
方法を示す図である。
【図24】単色、例えばブラックインク用のインクカー
トリッジの一実施例を示す図である。
【図25】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図26】複数種類のインクを収容するインクカートリ
ッジの一実施例を示す図である。
【図27】図24及び図26に示したインクカートリッ
ジに適したインクジェット記録装置の一実施例を示す図
である。
【図28】サブタンクユニット33の詳細な断面を示す
図である。
【図29】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
例を示す図である。
【図30】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
例を示す図である。
【図31】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
例を示す図である。
【図32】本発明のインクカートリッジの更に他の実施
形態を示す図である。
【図33】貫通孔1cの他の実施形態を示す図である。
【図34】アクチュエータ660の他の実施形態を示す
図である。
【図35】アクチュエータ670の更に他の実施形態を
示す図である。
【図36】モジュール体100を示す斜視図である。
【図37】図36に示したモジュール体100の構成を
示す分解図である。
【図38】モジュール体100の他の実施形態を示す図
である。
【図39】図38に示したモジュール体100の構成を
示す分解図である。
【図40】モジュール体100の更に他の実施形態を示
す図である。
【図41】図36に示したモジュール体100をインク
容器274に装着した断面の例を示す図である。
【図42】モジュール体100の更に他の実施形態を示
す図である。
【図43】図16に示したアクチュエータ106を用い
たインクカートリッジ及びインクジェット記録装置の実
施形態を示す図である。
【図44】インクジェット記録装置の詳細を示す図であ
る。
【図45】図44に示したインクカートリッジ180の
他の実施形態を示す図である。
【図46】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図47】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図48】インクカートリッジ180の更に他の実施形
態を示す図である。
【図49】図48(C)に示したインクカートリッジ1
80の他の実施形態を示す図である。
【図50】モジュール体100を用いたインクカートリ
ッジの更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・容器 1b・・・側壁 1c、40a・・・貫通孔 1d、・・・側面 1e、1f・・・段差部 1g、1h・・・溝 2・・・インク供給口 3、15、16、17、41、42、43、44、6
5、66、70・・・弾性波発生手段 4・・・パッキン 5・・・バネ 6・・・弁体 7・・・半導体記憶手段 8・・・容器 8a・・・底面 9、10、11・・・インク室 12、13、14・・・インク供給口 20・・・固定基板 21、23・・・導電材料層 21a、23a・・・接続端子 22・・・グリーンシート 30・・・キャリッジ 31・・・記録ヘッド 32・・・インク供給針 33・・・サブタンクユニット 34・・・インク室 35・・・インク供給路 36・・・膜弁 37・・・フィルタ 38・・・弁体 67・・・板材 68・・・フロート 71・・・接着剤層 72、80、178・・・基板 73、82、圧電振動板 74、75・・・インク吸収体 76・・・パッキン 77・・・カシメ孔 81・・・凹部 100、400、500、700・・・モジュール 102・・・基台部 104、362・・・リードワイヤ 106、650、660、670・・・アクチュエータ 108・・・フィルム 110・・・プレート 112・・・キャビティ 113・・・凹部 114・・・開口部 116・・・円柱部 160・・・圧電層 162、370・・・キャビティ 164・・・上部電極 166・・・下部電極 168・・・上部電極端子 170・・・下部電極端子 172・・・補助電極 174・・・圧電素子 176・・・振動板 180・・・インクカートリッジ 181・・・空気供給口 182・・・インク導入部 183・・・インク導入口 184・・・弁部 185・・・空気導入口 186・・・ヘッドプレート 187・・・インク供給口 188・・・ノズルプレート 189・・・切替弁 190・・・ノズル 192・・・防波壁 194・・・インク容器 194a・・・底面 194b・・・側壁 194c・・・上面 212・・・隔壁 213、213a、213b・・・収容室 214・・・バッファ 216、216a、216b・・・多孔質部材 220・・・インクカートリッジ 222・・・第1の隔壁 224・・・第2の隔壁 225a・・・第1の収容室 225b・・・第2の収容室 227・・・毛管路 228・・・逆止弁 230・・・インク供給口 232・・・弁 232a・・・羽根 233・・・通気孔 235・・・バネ 242・・・多孔質部材 250・・・キャリッジ 252・・・記録ヘッド 254・・・インク供給針 256・・・サブタンクユニット 258、258’・・・凸部 260、260’・・・弾性波発生手段 262・・・インク室 264・・・インク供給路 266・・・膜弁 268・・・フィルタ 270・・・弁体 272・・・インクカートリッジ 274・・・容器 274a・・・底面 274b・・・側面 276・・・インク供給口 278・・・凹部 280、280’・・・ゲル化材 282・・・パッキン 284・・・バネ 286・・・弁体 288・・・半導体記憶手段 290・・・容器 290a・・・底面 292、294、296・・・インク室 298、300、302・・・インク供給口 304、306、308・・・ゲル化材 310、312、314・・・凹部 316・・・板材 318・・・フロート 350・・・取付プレート 360・・・基台部 364・・・モールド部 370・・・キャビティ 372・・・シーリング構造 402、502・・・基台 403・・・円柱状の台 404、504・・・リードワイヤ 408、508・・・フィルム 410、510・・・プレート 413、513・・・凹部 414、514・・・開口部 600・・・取付構造体 606・・・アクチュエータ 610・・・基板 612・・・端子 940、941・・・グリーンシート 942、944・・・導電層 944’・・・接続部 947、948・・・補助導電層 Δh1、Δh2・・・液面の変化 K・・・インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/187 H01L 41/08 C 41/18 101D (72)発明者 碓井 稔 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA29 EB20 EB51 KC05 KD06 2F014 AA01 AA07 AB01 AB02 AB03 CB01 FB01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収容する容器と、前記容器から前
    記液体を供給する液体供給口と、前記容器内の前記液体
    の消費状態を検出する圧電装置と、前記容器内において
    前記圧電装置の付近に配備される多孔質部材と、を備え
    ることを特徴とする液体容器。
  2. 【請求項2】 前記圧電装置と前記多孔質部材とが接触
    することを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  3. 【請求項3】 前記圧電装置と前記多孔質部材との間に
    間隙があることを特徴とする請求項1に記載の液体容
    器。
  4. 【請求項4】 前記圧電装置は、振動部および前記振動
    部と前記液体とが接触できるように形成されたキャビテ
    ィを有し、 前記キャビティ内に前記多孔質部材が配備されることを
    特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  5. 【請求項5】 前記多孔質部材に作用する毛細管力は、
    前記液体を保持できる程度の毛細管力と等しいか、また
    はそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載の液
    体容器。
  6. 【請求項6】 前記多孔質部材に作用する毛細管力は、
    前記液体を保持できる程度の毛細管力より小さいことを
    特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  7. 【請求項7】 前記圧電装置は、基板と、振動部と、前
    記振動部と前記液体とが接触できるように形成された貫
    通孔部とを備え、 前記基板の前面に前記貫通孔部の少なくとも一部分を覆
    うように前記多孔質部材が配備されることを特徴とする
    請求項1に記載の液体容器。
  8. 【請求項8】 前記圧電装置は、前記貫通孔部に連通す
    る溝部をさらに有し、 前記多孔質部材は、前記溝部の上に配備されることを特
    徴とする請求項7に記載の液体容器。
  9. 【請求項9】 前記溝部の毛細管力は、前記液体を保持
    できる程度の毛細管力と等しいか、またはそれ以上であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の液体容器。
  10. 【請求項10】 前記溝部に作用する毛細管力は、前記
    多孔質部材に作用する毛細管力より小さいことを特徴と
    する請求項8に記載の液体容器。
  11. 【請求項11】 前記圧電装置および前記多孔質部材
    は、前記容器のうち、前記液体供給口のある供給口面に
    配備されることを特徴とする請求項1に記載の液体容
    器。
  12. 【請求項12】 前記圧電装置は振動部を有し、前記振
    動部に残留する残留振動によって発生する逆起電力に基
    づいて、前記液体の消費状態を検出することを特徴とす
    る請求項1から請求項11のいずれかに記載の液体容
    器。
  13. 【請求項13】 前記圧電装置は少なくとも液体の音響
    インピーダンスを検出し、この音響インピーダンスに基
    づいて液体の消費状態を検出することを特徴とする請求
    項1から請求項11のいずれかに記載の液体容器。
  14. 【請求項14】 前記圧電装置は、前記圧電装置を前記
    容器に取り付けるための取付構造体に含まれ、 前記圧電装置は、前記取付構造体として前記容器に取り
    付けられることを特徴とする請求項1から請求項13の
    いずれかに記載の液体容器。
  15. 【請求項15】 インク滴を吐出する印字ヘッドを有す
    るインクジェット記録装置に装着され、前記印字ヘッド
    へ液体を供給することを特徴とする請求項1から請求項
    14のいずれかに記載の液体容器。
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