JP4677886B2 - 液体検出装置及びそれを備えた液体収容容器 - Google Patents
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また、検出機構内のセンサ室に振動を付与し、その残留振動の波形を圧電素子によって検出することにより、センサ室内のインクの有無を直接的に検出することが考えられているが、残留振動の振幅は極めて小さいため、液体の有無による残留振動の波形の違いを正確に区別することが難しく、したがって、振動波形の違いを確実に判別することが可能な機構が要求されていた。
特に、圧力センサ室内の液量に応じて圧電センサと振動吸収部材とを近接離間方向へ相対的に変位可能としたので、圧力センサ室内の液量の変化に対応させて圧電素子の出力波形を振動吸収部材による振動吸収効果によって大きく変化させることができ、圧力センサ室内における液体の状態を確実に検出することができる。
つまり、圧電センサに振動吸収部材が当接することにより、液体の振動を振動吸収部材によって確実に吸収させることができ、圧力センサ室内の液量の減少状態を確実に検出することができる。
つまり、圧電センサに振動吸収部材が近接することにより、液体の振動を振動吸収部材によって確実に吸収させることができ、圧力センサ室内の液量の減少状態を確実に検出することができる。
これにより、圧力センサ室内の液量の変化に応じて変形するフィルムによって振動吸収部材を圧電センサに対して近接離間方向へ良好に変位させることができ、圧力センサ室内の液体の状態を確実に検出することができる。
これにより、例えば、捺染装置、マイクロディスペンサさらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドへインク等の液体を供給する液体収容容器に適用した際に、この液体収容容器の液体が空となって液体が供給されていない状態で装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる噴射ヘッドの損傷を防止することができる。
特に、圧力センサ室内の液量に応じて圧電センサと振動吸収部材とを近接離間方向へ相対的に変位可能としたので、圧力センサ室内の液量の変化に対応させて圧電素子の出力波形を振動吸収部材による振動吸収効果によって大きく変化させることができ、圧力センサ室内における液体の状態(有無)を確実に検出することができる。
そして、この液体検出装置を備えた液体収容容器によれば、例えば、捺染装置、マイクロディスペンサさらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドへインク等の液体を供給する液体収容容器に適用した際に、この液体収容容器の液体が空となって液体が供給されていない状態で装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる噴射ヘッドの損傷を防止することができる。
図1は、本発明の液体検出装置を備えた液体収容容器の実施形態を示す断面図、図2は、液体検出装置の構造を示す断面図である。
図1に示すように、このカートリッジ(液体収容容器)1は、記録装置に装着されるもので、半殻体をなす有底箱体からなる第1のケース10と第2ケース20とを合体させてケースが構成されている。第1のケース10にはインク等の液体を収容する液体収容部2を形成すべく第1のケース10に形成された開口部を樹脂フィルム等からなる可撓性膜体3により覆い、第1のケース10の周囲に熱溶着等で接合している。一方、可撓性膜体3の他方の側には、可撓性膜体3の熱溶着した部分に第2のケース20の周囲が圧接して、第2のケース20と可撓性膜体3との間で形成された気密空間が形成されている。この気密空間は、外部から図示しない加圧流体導入口より加圧流体(加圧空気)が導入される加圧領域4とされ、この加圧領域4に加圧流体が導入されることにより、可撓性膜体3が加圧され、第1のケース10内の液体が、外部に排出する方向に加圧される。
そして、この液体供給口5では、記録装置と未接続の状態にて、バネ9により常時閉弁状態が維持され、また、接続された状態にて、液体導入針6により弁体8が開弁方向に押圧されて開弁する。
液体供給口5と液体収容部2とは、液体流入口11A及び液体流出口11Bにより連通されており、これら液体流入口11A及び液体流出口11Bの途中に液体検出装置30が設けられている。
このように、センサチップ40が搭載されたセンサベース46は、ユニットベース47に形成された凹所47Cに収容されている。そして、センサベース46とユニットベース47とは、その上から樹脂製の接着フィルム48により被覆されて一体に固着されている。
つまり、接着フィルム48の内周側を、センサベース46及びユニットベース47の上面に接着させることにより、センサベース46とユニットベース47との間が互いに固着されると同時にシールされている。
また、センサベース46及びユニットベース47には、互いに連通する流路46A,47Aが形成されており、これら流路46A,47Aは、センサチップ40のセンサキャビティ41に連通している。
そして、この圧力センサ室33C内には、液体流入口11Aを介して液体収容部2からインクが送り込まれ、この圧力センサ室33C内に流入したインクは、センサベース46及びユニットベース47の流路46A,47Aを介してセンサキャビティ41に入り込む。
また、支持フィルム50には、その底面部分に、板状に形成された振動吸収部材51が設けられている。これにより、振動吸収部材51は、支持フィルム50が変形することにより、圧電センサ34に対して近接離間方向へ変位可能とされている。この振動吸収部材51は、振動吸収性に優れた弾性材料から形成されたもので、例えば、ゴム、スポンジあるいはムンクス(MNCS:Micro Network Controlled Structure)が適用可能である。ムンクスは、耐インク性を備えており、振動吸収部材51として好ましい。この振動吸収部材51は、その上面が圧電センサ34のユニットベース47に形成された流路47Aを覆う大きさとされている。
インクカートリッジ1を記録装置の装着部に装着すると、装着部の液体導入針6が液体供給口5に係合して弁体8が後退され、また、図示しない加圧流体供給源が加圧領域4に連通する。なお、加圧領域4は、流路により液体供給口5の形成されている面に導かれて、インクカートリッジ1を記録装置に装着した際に加圧流体供給源に接続できるように構成するのが望ましい。
これにより、図4に示すように、液体収容部2のインクが液体流入口11Aを通って液体検出室33の圧力センサ室33C内に流れ込み、圧力センサ室33C内のインクが、圧電センサ34のセンサベース46及びユニットベース47の流路46A,47Aを介してセンサキャビティ41に入り込む。
そして、この圧力センサ室33Cに流入したインクは、液体流出口11Bを介して液体導入針6から記録装置内の流路に送り出され、記録ヘッドでの印刷に用いられる。
圧力センサ室33C内のインクの減少が所定量以下に低下して負圧になると、圧力センサ室33C内の体積の減少に伴い、支持フィルム50が次第にしぼむ。これにより、この支持フィルム50の底面部分に配置された振動吸収部材51が圧力センサ室33C内のインクの減少に追従して引き上げられて圧電センサ34へ引き寄せられる。そして、この振動吸収部材51が圧電センサ34に到達すると、図5に示すように、振動吸収部材51が圧電センサ34の底部に押圧され、センサキャビティ41及び流路46A,47Aが圧力センサ室33C内と遮断される。
ところで、圧電センサ34の振動板43は、圧力センサ室33Cと遮断されたセンサキャビティ41及び流路46A,47A内のインクによって決まるが、圧電センサ34の底部には、振動吸収性に優れた弾性材料からなる振動吸収部材51が当接されているため、振動吸収部材51の振動吸収効果によってインクに伝達された振動が吸収される。これにより、振動板43では、自由振動がほとんど生じず、圧電素子44からの出力信号は、図3(ハ)に示すように、変動波形のない信号とされる。
図6に示すように、圧力センサ室33C内のインク量がかなり減少するまでは、図6におけるFの領域で示すように、圧電センサ34に対する振動吸収部材51の距離の変化が小さく、この領域Fでは、圧電素子44からの出力信号は、比較的大きな波形のままとなる。
そして、図6におけるEで示すように、圧力センサ室33C内のインクがほぼ無くなると、振動吸収部材51が圧電センサ34の底部に密着し、センサキャビティ41及び流路46A,47Aが振動吸収部材51によって閉鎖され、この閉鎖された空間内のインクの振動が振動吸収部材51によってほとんど吸収され、圧電素子44からの出力信号の波形がほぼ消される。
特に、圧力センサ室33C内のインク量に応じて圧電センサ34と振動吸収部材51とを近接離間方向へ相対的に変位可能としたので、圧力センサ室内33Cのインク量の変化に対応させて圧電素子44の出力波形を振動吸収部材による振動吸収効果によって大きく変化させることができ、圧力センサ室33C内における液体の状態を確実に検出することができる。
これにより、インクカートリッジ1のインクが空となってインクが供給されていない状態で記録装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる記録装置の記録ヘッドの損傷を防止することができる。
このようにすれば、圧電センサ34に振動吸収部材51が近接することにより、液体の振動を振動吸収部材51によって確実に吸収させることができ、圧力センサ室33C内の液量の減少状態を確実に検出することができる。
つまり、圧電センサ34と振動吸収部材51との距離を十分に確保することができるスペースがある場合は、圧電センサ34に振動吸収部材51が近接した際の圧電素子44からの出力信号に基づいて圧力センサ室33C内の液量が減少したことを迅速に確実に検出することができる。
これに対して、圧電センサ34と振動吸収部材51との距離をあまり確保することができない場合は、圧電センサ34に振動吸収部材51が当接した際の圧電素子44からの出力信号に基づいて圧力センサ室33C内の液量が減少したことを検出するのが望ましい。
また、上記実施形態では、板状に形成した振動吸収部材51を用いたが、この振動吸収部材51としては、フィルム状のものでも適用可能である。
Claims (5)
- 液体を貯蔵した外部の液体収容部に連通する液体流入口及び液体の供給先に連通する液体流出口を備えた圧力センサ室と、
前記圧力センサ室と連通するキャビティが形成されたセンサ本体と、該キャビティの一面を構成する振動板と、該振動板に取り付けられて前記圧力センサ室内の液体に振動を印加するとともに振動に伴う自由振動の状態に応じた信号を出力する圧電素子とを有する圧電センサと、
弾性材料から形成され、前記圧力センサ室において前記キャビティと対向する位置に配置された振動吸収部材とを備え、
前記圧力センサ室内の液量に応じて前記圧電センサと前記振動吸収部材とが近接離間方向へ相対的に変位可能とされていることを特徴とする液体検出装置。 - 請求項1に記載の液体検出装置であって、
前記圧力センサ室内の液量の減少に伴い、前記圧電センサに前記振動吸収部材が当接した際の前記圧電素子からの出力信号に基づいて前記圧力センサ室内の液量が減少したことを検出することを特徴とする液体検出装置。 - 請求項1に記載の液体検出装置であって、
前記圧力センサ室内の液量の減少に伴い、前記圧電センサに前記振動吸収部材が近接した際の前記圧電素子からの出力信号に基づいて前記圧力センサ室内の液量が減少したことを検出することを特徴とする液体検出装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の液体検出装置であって、
前記振動吸収部材は、前記圧力センサ室の一部を形成する可撓性を有するフィルムに支持され、前記圧力センサ室内の液量によって前記フィルムが変形することにより、前記振動吸収部材が前記圧電センサに対して近接離間方向へ変位されることを特徴とする液体検出装置。 - 加圧手段に加圧されて液体を送り出す液体収容部と、前記液体収容部に連通し、外部に液体を供給する液体供給口とを備え、前記液体収容部と前記液体供給口との間に、請求項1から4の何れか一項に記載の液体検出装置が設けられたことを特徴とする液体収容容器。
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