JP4650008B2 - 液体収容容器 - Google Patents
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Description
液体を収容する液体収容部と、
該液体収容部の所定位置に設けられ、駆動信号のn個のパルスが印加された後に残留振動を生じる圧電素子であって、該残留振動によって出力信号を出力する圧電素子と、を備え、
前記パルスの印加期間の大きさは、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の振動周期の半分であり、
前記所定位置に液体が無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体収容容器。
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
該液体収容部の所定位置に設けられ、駆動信号のn個のパルスが印加された後に残留振動を生じる圧電素子であって、該残留振動によって出力信号を出力する圧電素子と、を備え、
前記所定位置に液体が無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体収容容器。
{(2k+1)×(2n−1)−1/2}/(2n―1)×ν1
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。
ν0=(2k+1)×ν1
このような液体収容容器によれば、液体無し時の共振周波数ν0は、液体有り時の共振周波数ν1の2k+1倍になっている。従って、所定のパルスを有する駆動信号を一種類だけ選定して圧電素子に印加すれば、液体の有無の何れの状態においても圧電素子に、より一層大きな残留振動を励起させることができ、その結果、前記所定位置における液体の有無をより正確に検出可能となる。つまり、二種類の駆動信号を用いずに一種類の駆動信号のみを用いて、液体の有無の正確な検出をより確実に行うことができる。
このような液体収容容器によれば、前記駆動信号によって励起される残留振動の振幅を確実に大きくすることができる。
このような液体収容容器によれば、前記駆動信号が複数個のパルスを有する場合に、前記駆動信号によって励起される残留振動の振幅を確実に大きくすることができる。
このような液体収容容器によれば、液体収容部内の液体の振動の影響を受けずに、残留振動を検出することができる。
前記開口部が振動板により塞がれており、
前記振動板に前記圧電素子が設けられており、
前記開口部の中心と前記圧電素子の中心が一致していることを特徴とする液体収容容器。
このような液体収容容器によれば、振動板の共振周波数を精度良く検出できる。
前記液体収容容器はインクカートリッジであるのが望ましい。
該インク収容部の所定位置に設けられ、駆動信号のn個のパルスが印加された後に残留振動を生じる圧電素子であって、該残留振動によって出力信号を出力する圧電素子と、を備え、
前記インク収容部の中のインクの振動の影響を前記圧電素子が受けないようにするためのバッファ室が、前記所定位置の近傍に設けられており、
前記インク収容部には開口部が設けられており、
前記開口部が振動板により塞がれており、
前記振動板に前記圧電素子が設けられており、
前記開口部の中心と前記圧電素子の中心が一致しており、
前記パルスの印加期間は、前記所定位置にインクが有る時の残留振動の振動周期の半分であり、
前記駆動信号が複数個のパルスを有する場合には、前記パルスの印加周期は、前記所定位置にインクが有る時の残留振動の振動周期と同じであり、
前記所定位置にインクが無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置にインクが有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体収容容器。
ν0=(2k+1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。
このような液体収容容器によれば、記述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
該液体収容部の所定位置に設けられ、駆動信号のn個のパルスが印加された後に残留振動を生じる圧電素子であって、該残留振動によって出力信号を出力する圧電素子と、を備え、
前記所定位置に液体が無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体吐出装置の実現も可能である。
{(2k+1)×(2n−1)−1/2}/(2n―1)×ν1
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。
前記駆動信号の印加後の残留振動による前記圧電素子からの出力信号を検出し、
前記所定位置での前記液体の有無による前記残留振動の共振周波数の違いを利用して、前記出力信号に基づいて前記所定位置での液体の有無を検出する液体量検出方法であって、
前記所定位置に液体が無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体量検出方法の実現も可能である。
{(2k+1)×(2n−1)−1/2}/(2n―1)×ν1
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。
<全体構成について>
図1は、液体吐出システム100の構成を説明する図である。例示した液体吐出システム100は、液体吐出装置としてのプリンタ1と、液体吐出制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この液体吐出システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
<プリンタ1の構成について>
図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりする。この搬送方向は、キャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ60によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向はヘッド41の移動方向に相当し、キャリッジ移動機構30はヘッド41を移動方向に移動させるヘッド移動部に相当する。そして、このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31は、プリンタ側コントローラ60によって動作が制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35に架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、キャリッジCRに取り付けられている。このヘッドユニット40が有するヘッド41は、ヘッドケース42の下面に設けられている。また、ヘッドユニット40が有するヘッド制御部HCは、ヘッドケース42の内部に設けられている。なお、このヘッド制御部HCについては、後で詳しく説明する。
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A、図3Bに示すように、この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、及び光学センサ54等が含まれている。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCR(ヘッド41、ノズルNz)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジCR上に設けられ、対向する位置の用紙Sの有無を検出可能であり、例えば、移動中に用紙Sの端部を検出することにより用紙Sの幅を検出することができる。
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。このプリンタ側コントローラ60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間で、データの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリ63に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。
駆動信号生成回路70は、ピエゾ素子を駆動するための駆動信号を生成するものである。本実施形態では、駆動信号生成回路70は、それぞれノズル毎に設けられている複数のピエゾ素子417に共通に用いられる吐出用駆動信号COM、又は、後述するインク量の検出のために設けられている検出用ピエゾ素子911を駆動するための検出用駆動信号、を駆動信号として生成する。
図7Aは、駆動信号生成回路70により生成される駆動信号の一部分を説明する図である。図7Bは、電流増幅回路72の出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。
図8は、ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。図9には、吐出用駆動信号COMが示されている。
制御ロジック84には、CPU62からラッチ信号LAT、チェンジ信号CHが入力される。制御ロジック84は、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに基づいて、図9に示される波形選択信号q0〜q3を生成する。制御ロジック84により生成された波形選択信号q0〜q3は、各デコーダ83に入力される。
図10は、印刷処理を説明するフローチャートである。前述した構成を有するプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63に格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部(用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御して、これらの処理を行う。従って、このコンピュータプログラムは、これらの処理を実行するため、制御対象部を制御するためのコードを有する。
給紙動作(S20)は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂頭出し位置)に位置決めする動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動するなどして、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させる。
ドット形成動作(S30)は、用紙Sにドットを形成するための動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31を駆動したり、駆動信号生成回路70やヘッド41に対して制御信号を出力したりする。これにより、ヘッド41の移動中にノズルNzからインクが吐出され、用紙Sにドットが形成される。
搬送動作(S40)は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動して搬送ローラ23を回転させる。この搬送動作により、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S50)は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。この判断は、例えば、印刷データの有無に基づき、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
排紙処理(S60)は、用紙Sを排出させる処理であり、先程の排紙判断で「排紙する」と判断されたことを条件に行われる。この場合、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることで、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。
印刷終了判断(S70)は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断も、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
<概要>
図11は、キャリッジCR及びキャリッジCRに装着されたインクカートリッジ87の断面図である。
図12Aは、液面検出部90の構成の説明図である。液面検出部90は、振動部91と、バッファ室92と、第1インク流路93、第2インク流路94とを備えている。振動部91は、ピエゾ素子911と、振動板912とを有する。バッファ室92は、インク収容部871及び第1インク流路93の状態によって、振動部91の近傍のインクの振動が影響を受けないようにするためのインク室である。このバッファ室92とインク収容部871とは、第1インク流路93及び第2インク流路94とを介して連結されている。インク収容部871の液面が下がり、インク収容部871の液面が振動部91よりも低い位置に変化すると、第1インク流路93から空気が流入し、振動部91はインクに接しなくなる。仮に、振動部91がインク収容部871のインクに直接接していると、表面張力の影響により、インク収容部871内の液面が振動部91よりも低くなっても、振動部91がインクに接する可能性がある(図12B参照)。本実施形態では、第1インク流路93・第2インク流路94により、毛細管現象を利用して、インク収容部871内の液面が振動部91よりも低くなると速やかに振動部91はインクに接しなくなるので、インク収容部871内の液面の位置を正確に検出できる。
図13Aは、振動部91の詳細な構成を説明するための平面図である。また、図13Bは、図13A中のB−B断面図であり、図13Cは、図13A中のC−C断面図である。
ピエゾ素子911に駆動信号が印加されると、ピエゾ素子911が伸縮し、振動板912が図12A中の矢印の方向に振動する。ピエゾ素子911への駆動信号の印加を止めても、振動板912には残留振動が生じている。この残留振動は、振動板912がインクに接触しているか否かによって、その性質が大きく変化する。振動板912がインクに接触しているとき、残留振動の周波数は低くなり、残留振動の振幅は小さい。一方、振動板912がインクに接触していないとき、残留振動の周波数は高くなり、残留振動の振幅は大きくなる。振動板912が残留振動により振動すると、ピエゾ素子911は振動板912を残留振動に応じて伸縮し、信号を出力する。すなわち、振動板912がインクに接触しているとき、ピエゾ素子911は、周波数が低く、振幅の小さい信号を出力する。一方、振動板912がインクに接触していないとき、ピエゾ素子911は、周波数が高く、振幅の大きい信号を出力する。このため、ピエゾ素子911から出力される信号の周波数を検出できれば、振動板912の位置まで液面が達したか否かを検出でき、インク収容部871の中のインクの量を検出できる。
選択スイッチ65(図8参照)がピエゾ素子911側の端子に接続すると、駆動信号生成回路70から出力される駆動信号が、ピエゾ素子911に印加される。これにより、振動板912が振動する。そして、選択スイッチ65が切れると、ピエゾ素子911が残留振動に応じて信号を出力し、その信号が信号検出部95に入力される。
ここで、前記振動板912の残留振動の検出精度を高め得る駆動信号について説明する。一般に振動板912には固有の共振周波数が存在し、その共振周波数と同じ周波数の駆動信号をピエゾ素子911に印加すると、振動板912の振幅は大きくなりピエゾ素子911からは大きな振幅の信号が出力される。このため、残留振動の信号の検出精度を高める観点からは、駆動信号の周波数を振動板912の共振周波数に揃えるのが望ましい。
よって、立ち上がり時点tuでは、インク有り状態の振動板912は正方向に変位を助長され、そこから前記共振周期の半周期後の立ち下がり時点tdでは負方向に変位を助長され、これによって、振動板912は、インク有り状態の残留振動の共振周波数で変位させられるため、選択スイッチ65が切られた後の残留振動は大きく励起される。
この所定の関係について、先ず、その理想の関係から説明する。この理想の関係とは、前記インク無し状態の残留振動の共振周波数ν0と、インク有り状態の残留振動の共振周波数ν1とが、下式(1)を満足する関係のことである。なお、式(1)中のkは1以上の任意の整数である。
ν0=(2k+1)×ν1 … (1)
そして、このような共振周波数ν0,ν1に設定してやれば、インク有り状態の残留振動を最も有効に励起する駆動信号を用いて、インク無し状態の残留振動も最も有効に励起可能となり、その結果、一回の検出動作だけでインクの有無の正確な検出を行えるようになる。ちなみに、このような共振周波数ν0,ν1への設定手法としては、図12Aの開口部971a、バッファー室92、第1インク流路93、及び第2インク流路94の形状や、振動板912の剛性を調整すること等が挙げられる。
ν0=(2k)×ν1 … (1’)
この式(1’)を満たす残留振動の波形図を図21A乃至図21Bに示す。図21Aには、インク有り状態の残留振動の一例として、前述の図20Aと同じ共振周波数ν1が30KHzの波形が示されており、また、その下の図21Bには、インク無し状態の残留振動の一例として、式(1’)中のk=1であるところの共振周波数ν0が60KHzの波形が示されている。また、その下の図21Cには、図21Aのインク有り状態の残留振動を最も有効に励起する駆動信号の一例として、前述の図20Cと同じ一つの矩形パルスからなる駆動信号が示されている。
前述の理想の関係たる式(1)のν0=(2k+1)×ν1を満足するように、インク有り無し状態の各共振周波数ν1,ν0を設定できれば申し分ないが、通常は、この式(1)で規定される共振周波数ν1,ν0にピンポイントで合わせ込むのは難しい。そのため、前述の励起効果が認められる許容範囲があると設計上便利である。
{(2k+1)−1/2}×ν1
≦ν0≦{(2k+1)+1/2}×ν1 … (2)
この許容範囲は、次のような考え方に基づいている。
ν0max=ν0i+ν1/2
={(2k+1)+1/2}×ν1
ν0min=ν0i−ν1/2
={(2k+1)−1/2}×ν1
以上の説明は、駆動信号が一つの矩形パルスを有している場合であったが、駆動信号が複数たるn個の矩形パルスを有している場合には、前記許容範囲を考慮した関係式(2)は、下式(3)のようになる。
{(2k+1)×(2n−1)−1/2}/(2n―1)×ν1
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1 …(3)
なお、当該式(3)の意味するところは、前記理想の関係の式(1)で規定される理想共振周波数ν0i(=(2k+1)×ν1)から、±ν1/{2×(2n―1)}だけ外れてもインク無し状態の残留振動に対する駆動信号の励起効果を奏することができるということである。
図25Aには、前述と同様に、インク有り状態の残留振動の一例として、共振周波数ν1が30KHzの振動波形が示されており、その下の図25Bには、前記インク有り状態の残留振動を最も有効に励起する駆動信号の一例として、式(3)中のn=3であるところの、三つの矩形パルスからなる駆動信号が示されている。
上記実施形態は、主として、液体収容容器としてのインクカートリッジ87及び液体吐出装置としてのプリンタ1について記載されているが、その中には、液体量検出方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
20 用紙搬送機構、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジ移動機構、31 キャリッジモータ、32 ガイド軸、
33 タイミングベルト、34 駆動プーリー、35 従動プーリー、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41A 流路ユニット、
411 ノズルプレート、412 貯留室形成基板、412a インク貯留室、
413 供給口形成基板、413a インク供給口、
41B アクチュエータユニット、414 圧力室形成基板、414a 圧力室、
415 振動板、416 蓋部材、416a 供給側連通口、417 ピエゾ素子、
42 ヘッドケース、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出器、54 光学センサ、
60 プリンタ側コントローラ、61 インタフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 制御ユニット、65 選択スイッチ
70 駆動信号生成回路、71 波形生成回路、72 電流増幅回路
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
82A 第1ラッチ回路、82B 第2ラッチ回路、83 デコーダ、
84 制御ロジック、85 スイッチ、
87 インクカートリッジ、871 インク収容部、871a 開口部、
90 液面検出部、91 振動部、911 ピエゾ素子、912 振動板、
92 バッファ室、93 第1インク流路、94 第2インク流路、
95 信号検出部、951 増幅部、952 パルス幅検出部、
100 液体吐出システム、110 コンピュータ、111 ホスト側コントローラ、
112 インタフェース部、113 CPU、114 メモリ、120 表示装置、
130 入力装置、131 キーボード、132 マウス、140 記録再生装置、
141 フレキシブルディスクドライブ装置、142 CD−ROMドライブ装置、
S 用紙、HC ヘッド制御部、CR キャリッジ、Nz ノズル
Claims (3)
- 液体を収容する液体収容部と、
該液体収容部の所定位置に設けられ、駆動信号のn個のパルスが印加された後に残留振動を生じる圧電素子であって、該残留振動によって出力信号を出力する圧電素子と、を備え、
前記パルスの印加期間の大きさは、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の振動周期の半分であり、
前記所定位置に液体が無い時の残留振動の共振周波数ν0と、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の共振周波数ν1とが、以下の関係を満足することを特徴とする液体収容容器。
{(2k+1)×(2n−1)−1/2}/(2n―1)×ν1
≦ν0≦{(2k+1)×(2n−1)+1/2}/(2n―1)×ν1
ここでkは1以上の任意の整数である。 - 請求項1に記載の液体収容容器において、
前記共振周波数ν0及び前記共振周波数ν1が、以下の関係を満足することを特徴とする液体収容容器。
ν0=(2k+1)×ν1 - 請求項1又は2に記載の液体収容容器において、
前記駆動信号が複数個のパルスを有する場合には、前記パルスの印加周期は、前記所定位置に液体が有る時の残留振動の振動周期と同じであることを特徴とする液体収容容器。
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---|---|---|---|
JP2005025633A JP4650008B2 (ja) | 2005-02-01 | 2005-02-01 | 液体収容容器 |
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---|---|---|---|
JP2005025633A JP4650008B2 (ja) | 2005-02-01 | 2005-02-01 | 液体収容容器 |
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