JP4892936B2 - 液体吐出装置、液体吐出方法、および、液体吐出装置用のプログラム - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出方法、および、液体吐出装置用のプログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出方法、および、液体吐出装置用のプログラムに関する。
対象物へ液体を吐出させる液体吐出装置としては、例えば、印刷装置、カラーフィルタ製造装置、染色装置といったように、種々のものがある。この液体吐出装置には、駆動パルスを有する駆動信号を複数種類生成し、液体を吐出させるための動作をする素子(例えばピエゾ素子)へ、駆動パルスを選択的に印加することにより、液体を吐出させるものがある(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出装置では、液体を吐出させる際に選択される駆動パルスを、各駆動信号に割り振っている。また、1組の駆動信号および他の駆動信号を、複数のノズル群(例えば、ノズル列)で使用する構成になっている。
特開2000−52570号公報
このような従来の液体吐出装置では、吐出させる液体の量と選択される駆動パルスの関係が、各ノズル群で共通化されていた。このため、複数のノズル群で同じ量の液体を吐出させる場合、選択された駆動パルスを有する側の駆動信号の電流量が大きくなる。そして、大きな電流量であっても支障なく動作させるように回路を構成する必要があり、部品の制約や発熱用の対策などを講じる必要もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動信号の電流量を抑えることにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、(A)複数のノズルからなるノズル群を複数有すると共に、前記ノズルに対応して設けられ、液体を吐出させるための吐出動作をする素子を有するヘッドと、(B)或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成する駆動信号生成部と、(C)或る量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させる駆動パルス印加部と、を有し、(D)前記駆動信号生成部は、他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを、前記駆動信号に含ませ、前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを、前記他の駆動信号に含ませ、前記駆動パルス印加部は、他の量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させ、(E)前記他の第2駆動パルスは、前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものであることを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載によって明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、(A)複数のノズルからなるノズル群を複数有すると共に、前記ノズルに対応して設けられ、液体を吐出させるための吐出動作をする素子を有するヘッドと、(B)或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成する駆動信号生成部と、(C)或る量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させる駆動パルス印加部と、を有する液体吐出装置が実現できること。
このような液体吐出装置によれば、或る量の液体を吐出させる場合に、或る期間において、或るノズル群に対応する素子へは駆動信号が有する第1駆動パルスが印加され、他のノズル群に対応する素子へは他の駆動信号が有する第2駆動パルスが印加される。これにより、或る期間において、駆動信号の電流量は、或るノズル群に対応する素子を動作させるために必要な量で済み、他の駆動信号の電流量は、他のノズル群に対応する素子を動作させるために必要な量で済む。その結果、駆動信号や他の駆動信号の電流量を抑えることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動信号生成部は、波形生成情報に基づいて、所望波形の信号を生成する波形生成回路、および、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成され、前記所望波形の信号についてその電流を増幅して前記駆動信号として出力する電流増幅回路と、他の波形生成情報に基づいて、他の所望波形の信号を生成する他の波形生成回路、および、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成され、前記他の所望波形の信号についてその電流を増幅して前記他の駆動信号として出力する他の電流増幅回路と、を有することが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、或るノズル群に対応する素子への第1駆動パルスの印加によって第1トランジスタ対が発熱し、他のノズル群に対応する素子への第2駆動パルスの印加によって第2トランジスタ対が発熱する。このため、或る量の液体を吐出させる場合において、発熱を第1トランジスタ対と第2トランジスタ対とに分散させることができる。その結果、発熱対策が容易になる。
かかる液体吐出装置であって、前記第2駆動パルスは、前記第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものであることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体の飛行速度についても、或るノズル群と他のノズル群とで揃えることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動信号生成部は、他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを、前記駆動信号に含ませ、前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを、前記他の駆動信号に含ませ、前記駆動パルス印加部は、他の量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、他の量の液体を吐出させる場合に、或るノズル群に対応する素子へは駆動信号が有する第1駆動パルスと、他の駆動信号が有する他の第2駆動パルスが印加される。一方、他のノズル群に対応する素子へは他の駆動信号が有する第2駆動パルスと、駆動信号が有する他の第1駆動パルスが印加される。すなわち、或るノズル群に対応する素子、および、他のノズル群に対応する素子のそれぞれに、駆動信号と他の駆動信号とが印加される。これにより、駆動信号と他の駆動信号にばらつきがあったとしても、その影響を抑制することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記他の第2駆動パルスは、前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものであることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体の飛行速度についても、或るノズル群と他のノズル群とで揃えることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動パルス印加部は、前記駆動信号の前記素子への印加を制御するスイッチ、および、前記他の駆動信号の前記素子への印加を制御する他のスイッチを有し、前記液体の吐出量を示す吐出量情報に応じて、前記スイッチおよび前記他のスイッチを制御し、前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を前記素子に印加するものであることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、スイッチおよび前記他のスイッチを制御することで、前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を前記素子に印加するので、これらの必要部分の素子への印加が容易である。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動パルス印加部は、前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を選択するための選択情報を、前記吐出量情報に対応付けて複数記憶する選択情報記憶部を有し、前記吐出量情報に応じて、複数の前記選択情報の中から対応するものを選び、選んだ選択情報に基づいて前記スイッチおよび前記他のスイッチを制御するものであることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、或るノズル群に対応する素子への第1駆動パルスの印加と、他のノズル群に対応する素子への第2駆動パルスの印加とを、簡単な制御で実現することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドは、吐出させる液体の種類が前記ノズル群毎に定められていることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、複数種類の液体を用いて所望の動作を行う液体吐出装置において、駆動信号や他の駆動信号の電流量を抑えることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記液体は、印刷用の液体インクであることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、インクの吐出を頻繁に行う印刷動作において、駆動信号や他の駆動信号の電流量を抑えることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記素子は、ピエゾ素子であることが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、液体を吐出させるために十分な力と、高い応答性を得ることができる。
また、次の液体吐出装置が実現できることも明らかにされる。
すなわち、(A)複数のノズルからなるノズル群を複数有すると共に、前記ノズルに対応して設けられ、液体を吐出させるための吐出動作をする素子を有し、吐出させる液体の種類が前記ノズル群毎に定められているヘッドと、
(B)或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルス、および、他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記第1駆動パルスと同じ吐出動作を行わせるための第2駆動パルス、および、前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成する駆動信号生成部であって、
波形生成情報に基づいて、所望波形の信号を生成する波形生成回路、および、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成され、前記所望波形の信号についてその電流を増幅して前記駆動信号として出力する電流増幅回路と、他の波形生成情報に基づいて、他の所望波形の信号を生成する他の波形生成回路、および、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成され、前記他の所望波形の信号についてその電流を増幅して前記他の駆動信号として出力する他の電流増幅回路と、を有する、駆動信号生成部と、
(C)或る量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させるとともに、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させ、他の量の液体を前記或るノズル群と前記他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させる、駆動パルス印加部であって、
前記駆動信号の前記素子への印加を制御するスイッチ、および、前記他の駆動信号の前記素子への印加を制御する他のスイッチと、前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を選択するための選択情報を、前記液体の吐出量を示す吐出量情報に対応付けて複数記憶する選択情報記憶部とを有し、前記吐出量情報に応じて、複数の前記選択情報の中から対応するものを選び、選んだ選択情報に基づいて前記スイッチおよび前記他のスイッチを制御し、前記駆動信号および前記他の駆動信号の必要部分を前記素子に印加する、駆動パルス印加部と、
を有し、
(D)前記液体は、印刷用の液体インクであり、
(E)前記素子は、ピエゾ素子である、液体吐出装置が実現できること。
このような液体吐出装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、次の液体吐出方法が実現できることも明らかにされる。
すなわち、(a)或る期間で生成される第1駆動パルスであって液体を吐出させるための吐出動作をする素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成するステップと、(b)複数のノズルからなるノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させる一方、複数のノズルからなる他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させることで、或る量の液体を前記或るノズル群と前記他のノズル群とから吐出させるステップと、を有する液体吐出方法が実現できること。
また、次の液体吐出装置用のプログラムが実現できることも明らかにされる。
すなわち、液体を吐出させるための吐出動作をする素子、駆動信号生成部、および、駆動パルス印加部を有する液体吐出装置用のプログラムであって、(a)前記駆動信号生成部に、或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成させるステップと、(b)前記駆動パルス印加部に、複数のノズルからなるノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させる一方、複数のノズルからなる他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させることで、或る量の液体を前記或るノズル群と前記他のノズル群とから吐出させるステップと、を行わせるプログラムが実現できること。
===第1実施形態===
<液体吐出装置について>
液体吐出装置には、印刷装置、カラーフィルタ製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、およびDNAチップ製造装置など、様々な種類があり、全てについて説明することは困難である。そこで、本明細書では、印刷装置としてのインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタともいう。)、および、このプリンタを有する印刷システムを例に挙げて説明する。なお、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも有するシステムのことであり、液体吐出装置と吐出制御装置とを有する液体吐出システムの一形態に相当する。
===印刷システム100の構成===
まず、印刷装置を印刷システム100とともに説明する。ここで、図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体は、液体が吐出される対象となる対象物に相当する。また、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ110===
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、および、プリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間でデータの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、ドット形成データSI(図9を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、ドット形成データSIは、用紙Sの上に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)であり、単位領域毎に定められる。ここで、単位領域とは、用紙S等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。本実施形態におけるドット形成データSIは、ドットの大きさを示す階調データによって構成されている。ドットの大きさは、吐出されるインク(液体)の量によって定まる。このため、ドット形成データSIは吐出されるインク(液体)の量を示す吐出量情報に相当する。この階調データは、2ビットのデータによって構成されている。従って、ドット形成データSIには、ドット無し(インクの非吐出)に対応するデータ[00]と、小ドットの形成に対応するデータ[01]と、中ドットの形成に対応するデータ[10]と、大ドットの形成に対応するデータ[11]とがある。すなわち、このプリンタ1は、1つの単位領域について4階調で画像が形成できる。
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。
図2に示すように、プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラ60、および、駆動信号生成回路70を有する。なお、本実施形態において、プリンタ側コントローラ60および駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCとヘッド41とを有している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、および、駆動信号生成回路70が制御される。これにより、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3Aおよび図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ60によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作もプリンタ側コントローラ60によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。ここで、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向は、ヘッド41が移動するヘッド移動方向に相当する。また、キャリッジ移動機構30は、ヘッド41を所定方向に移動させるヘッド移動部に相当する。なお、ヘッド41はノズルを有する。このため、ヘッド移動方向はノズル移動方向ともいうことができる。また、キャリッジ移動機構30は、ノズル移動部ということができる。
このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させる際の駆動源に相当する。このキャリッジモータ31は、プリンタ側コントローラ60によって動作が制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34とアイドラプーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、キャリッジCRに取り付けられている。そして、このヘッドユニット40が有するヘッド41は、ヘッドケース42の下面に設けられている。また、ヘッドユニット40が有するヘッド制御部HCは、ヘッドケース42の内部に設けられている。なお、このヘッド制御部HCについては、後で説明することにする。
ヘッド41の構造について説明する。ここで、図4は、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。図5は、ヘッド41が有するノズルNzの配置を説明するための図である。例示したヘッド41は、流路ユニット41Aと、アクチュエータユニット41Bとを有する。流路ユニット41Aは、ノズルNzが設けられたノズルプレート411と、インク貯留室412aとなる開口部が形成された貯留室形成基板412と、インク供給口413aが形成された供給口形成基板413とを有する。アクチュエータユニット41Bは、圧力室414aとなる開口部が形成された圧力室形成基板414と、圧力室414aの一部を区画する振動板415と、供給側連通口416aとなる開口部が形成された蓋部材416と、振動板415の表面に形成されたピエゾ素子417とを有する。このヘッド41には、インク貯留室412aから圧力室414aを通ってノズルNzに至る一連の流路が形成されている。使用時において、この流路はインクで満たされており、ピエゾ素子417を変形させることで、対応するノズルNzからインクを吐出させることができる。
図5に示すように、このヘッド41において、ノズルNzは、所定ピッチで用紙Sの搬送方向に並べられ、ノズル列を構成している。本実施形態において、このノズル列は、複数のノズルNzからなるノズル群に相当する。また、用紙Sの搬送方向は、所定方向と交差する他の所定方向に相当する。このノズル列は、所定方向としてのキャリッジ移動方向に位置を異ならせて、複数設けられている。そして、ピエゾ素子417は、各ノズルNzに対応して設けられており、インクを吐出させるための吐出動作をする素子として機能する。
このヘッド41は、吐出させるインクの種類をノズル列毎に定めることができる。すなわち、吐出させる液体の種類をノズル群毎に定めることができる。例示したヘッド41には、図5の左側から順に、ブラックインクを吐出させる第1ノズル列Nkと、イエローインクを吐出させる第2ノズル列Nyと、シアンインクを吐出させる第3ノズル列Ncと、マゼンタインクを吐出させる第4ノズル列Nmとが設けられている。
このプリンタ1では、前述したように、ドット形成データSIのデータ[00]に対応するドット無し、データ[01]に対応する小ドットの形成、データ[10]に対応する中ドットの形成、およびデータ[11]に対応する大ドットの形成という4種類の制御ができる。このため、各ノズルNzからは、ドット形成データSI(吐出量情報)に応じて、量が異なる複数種類のインクを吐出させることができる。例えば、各ノズルNzからは、大ドットを形成し得る量のインク(大インク滴)、中ドットを形成し得る量のインク(中インク滴)、および小ドットを形成し得る量のインク(小インク滴)からなる3種類のインクを吐出させることができる。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、および、紙幅検出器54等が含まれている。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCR(ヘッド41,ノズルNz)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器54は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
<プリンタ側コントローラ60について>
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。このプリンタ側コントローラ60は、図2に示すように、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリ63に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。
また、CPU62は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに出力したり、駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B,図13を参照。)を生成させるための制御信号を駆動信号生成回路70に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば図9に示すように、クロックCLK,ドット形成データSI,ラッチ信号LAT,第1チェンジ信号CH_A,第2チェンジ信号CH_Bである。そして、ラッチ信号LATはラッチパルスを有し、第1チェンジ信号CH_Aや第2チェンジ信号CH_Bは、チェンジパルスを有する。これらのラッチパルスおよびチェンジパルスは、駆動信号COMをピエゾ素子417へ印加させるタイミングを規定するためのタイミングパルスに相当する。プリンタ側コントローラ60は、このようなヘッド制御信号を用いることで、駆動信号COM、詳しくは、駆動信号COMに含まれる各パルス(第1吐出パルスPS1〜第5吐出パルスPS5,微振動パルスVP,図13を参照。)を、ピエゾ素子417へ選択的に印加させることができる。このため、プリンタ側コントローラ60は、駆動パルスをピエゾ素子417に印加させる制御を行うコントローラに相当する。なお、駆動パルスはインクを吐出させるためのパルスである(後述する。)。
また、駆動信号COMを生成させるための制御信号は、例えばDAC値である。このDAC値は、駆動信号生成回路70が有する第1駆動信号生成部70Aや第2駆動信号生成部70B(図6Aを参照。)から出力させる信号の電圧を定めるための情報であり、極めて短い更新周期毎に更新される。第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bの波形は、このDAC値によって定められる。このため、DAC値は波形生成情報に相当する。
<駆動信号生成回路70について>
図6は、駆動信号生成回路70の構成を説明するためのブロック図である。図7は、駆動信号生成回路70が有する第1波形生成回路71A、および、第2波形生成回路71Bの構成を説明するための図である。なお、図7において、第2波形生成回路71B側の構成は、括弧付きの符号で示している。
駆動信号生成回路70は、各ピエゾ素子417に対して共通に使用される駆動信号COMを生成するものであり、駆動信号生成部に相当する。この駆動信号生成回路70が生成する駆動信号COMは、複数のノズル列に対して共通に使用される。そして、この駆動信号生成回路70は、複数種類の駆動信号COMを同時に生成する。すなわち、全てのピエゾ素子417に使用される駆動信号COMを、1つの駆動信号生成回路70で生成している。本実施形態の駆動信号生成回路70は、第1駆動信号COM_Aを生成する第1駆動信号生成部70Aと、第2駆動信号COM_Bを生成する第2駆動信号生成部70Bとを有している。以下、第1駆動信号生成部70Aと、第2駆動信号生成部70Bについて説明をする。
<第1駆動信号生成部70Aについて>
第1駆動信号生成部70Aは、DAC値(波形生成情報)に対応する電圧の信号を生成する第1波形生成回路71Aと、第1波形生成回路71Aで生成された信号の電流を増幅する第1電流増幅回路72Aを有する。また、第2駆動信号生成部70Bは、第2波形生成回路71Bと第2電流増幅回路72Bを有する。ここで、第1駆動信号生成部70Aは、波形生成情報に基づいて、所望波形の信号を生成する波形生成回路に相当する。第2波形生成回路71Bは、他の波形生成情報に基づいて、他の所望波形の信号を生成する他の波形生成回路に相当する。また、第1電流増幅回路72Aは、所望波形の信号についてその電流を増幅して駆動信号として出力する電流増幅回路に相当する。第2電流増幅回路72Bは、他の所望波形の信号についてその電流を増幅して他の駆動信号として出力する他の電流増幅回路に相当する。なお、第1波形生成回路71Aと第2波形生成回路71Bは同じ構成であり、第1電流増幅回路72Aと第2電流増幅回路72Bは同じ構成である。このため、以下の説明は、主として、第1駆動信号生成部70A、すなわち、第1波形生成回路71Aおよび第1電流増幅回路72Aについて行う。
<第1波形生成回路71Aについて>
図7に示すように、第1波形生成回路71Aは、デジタルアナログ変換器711A(D/A変換器)と、電圧増幅回路712Aとを有する。デジタルアナログ変換器711Aは、DAC値に応じた電圧信号を出力する電気回路である。このDAC値は、電圧増幅回路712Aから出力させる電圧(以下、出力電圧ともいう。)を指示するための情報であり、メモリ63から読み出されCPU62によって出力される。本実施形態において、DAC値は10ビットのデータによって構成されている。
電圧増幅回路712Aは、デジタルアナログ変換器711Aからの出力電圧を、ピエゾ素子417の動作に適した電圧まで増幅する。本実施形態の電圧増幅回路712Aでは、デジタルアナログ変換器711Aからの出力電圧を、最大40数Vまで増幅する。そして、増幅後の出力電圧は、制御信号S_Tr1および制御信号S_Tr2として第1電流増幅回路72Aに出力される。これらの制御信号S_Tr1および制御信号S_Tr2は電流増幅前の駆動信号であり、所望波形の信号に相当する。なお、これらの制御信号S_Tr1および制御信号S_Tr2は、同じ波形である。
<第1電流増幅回路72Aについて>
次に、第1電流増幅回路72Aについて説明する。ここで、図8Aは、第1電流増幅回路72A、および、第2電流増幅回路72Bの構成を説明するための図である。図8Bは、第1電流増幅回路72Aの具体例を説明する図である。図8Cは、第2電流増幅回路72Bの具体例を説明するための図である。
第1電流増幅回路72Aは、複数のピエゾ素子417が支障なく動作できるように、十分な電流を供給するための回路である。例示した第1電流増幅回路72Aは、第1駆動信号COM_Aの電圧の変化に伴って発熱する第1トランジスタ対721Aによって構成されている。この第1トランジスタ対721Aは、相補的に接続された2つのトランジスタによって構成されている。具体的には、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタTr1とPNP型のトランジスタTr2によって構成されている。NPN型のトランジスタTr1は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作するトランジスタである。このNPN型のトランジスタTr1は、コレクタが電源に、エミッタが第1駆動信号COM_Aの出力信号線に、それぞれ接続されている。PNP型のトランジスタTr2は、駆動信号COMの電圧降下時に動作するトランジスタである。PNP型のトランジスタTr2は、コレクタがグランドに、エミッタが第1駆動信号COM_Aの出力信号線に、それぞれ接続されている。そして、この第1電流増幅回路72A、すなわち第1トランジスタ対721Aは、第1波形生成回路71Aから出力される信号(制御信号S_Tr1,制御信号S_Tr2)によって動作が制御される。
また、この第1トランジスタ対721Aには、第1ヒートシンク722A(放熱板に相当する。)が取り付けられている。図8Bに示すように、第1ヒートシンク722Aは、第1トランジスタ対721Aを構成するNPN型のトランジスタTr1とPNP型のトランジスタTr2の両方に接触している。この第1ヒートシンク722Aは、第1トランジスタ対721Aとの接触面とは反対側の面に、放熱用のフィンを設けた部材であり、例えばアルミニウムで形成されている。そして、第1ヒートシンク722Aは、第1トランジスタ対721Aから生じる熱を外部へ放出する。
<第2駆動信号生成部70Bについて>
次に、第2駆動信号生成部70Bについて簡単に説明する。前述したように、第2波形生成回路71Bの構成は、第1波形生成回路71Aの構成と同じであり、第2電流増幅回路72Bの構成は、第1電流増幅回路72Aの構成と同じである。すなわち、第2波形生成回路71Bは、デジタルアナログ変換器711Bと、電圧増幅回路712Bとを有する。また、第2電流増幅回路72Bは、第2駆動信号COM_Bの電圧の変化に伴って発熱する第2トランジスタ対721Bを有する。そして、第2トランジスタ対721Bは、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタTr1とPNP型のトランジスタTr2を有する。つまり、第2トランジスタ対721Bもまた、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成されている。
また、この第2トランジスタ対721Bには、第2ヒートシンク722B(他の放熱板に相当する。)が取り付けられている。図8Cに示すように、第2ヒートシンク722Bは、第2トランジスタ対721Bに接触している。この第2ヒートシンク722Bは、前述した第1ヒートシンク722Aと同様の構成である。
<生成される駆動信号COMの概略について>
ここで、駆動信号生成回路70によって生成される第1駆動信号COM_A(駆動信号に相当する。)、および、第2駆動信号COM_B(他の駆動信号に相当する。)の概略について説明する。なお、この説明では図13を参照する。
第1駆動信号COM_Aは、期間T1で生成される第1波形部SS11と、期間T2で生成される第2波形部SS12と、期間T3で生成される第3波形部SS13とを有する。各波形部SS11〜SS13は、ピエゾ素子417に所定の動作をさせるためのパルスを有している。すなわち、第1波形部SS11は第1吐出パルスPS1を有し、第2波形部SS12は微振動パルスVPを有する。第3波形部SS13は第2吐出パルスPS2を有する。
また、第2駆動信号COM_Bは、期間T1で生成される第1波形部SS21と、期間T2で生成される第2波形部SS22と、期間T3で生成される第3波形部SS23とを有する。第2駆動信号COM_Bの各波形部SS21〜SS23もまた、ピエゾ素子417に所定の動作をさせるためのパルスを有している。すなわち、第1波形部SS21は第3吐出パルスPS3を有し、第2波形部SS22は第4吐出パルスPS4を有する。第3波形部SS23は第5吐出パルスPS5を有する。
ここで、第1吐出パルスPS1〜第5吐出パルスPS5は、インクを吐出させるための吐出動作をピエゾ素子417に行わせる、駆動パルスに相当する。微振動パルスVPは、メニスカス(ノズルNzで露出しているインクの自由表面)を、インクが吐出されない程度に変位させるためのものである。なお、これらの駆動信号COM_A,COM_B、各吐出パルスPS1〜PS5、各ダミーパルスDP1,DP2などについては、後で詳しく説明する。
<ヘッド制御部HCについて>
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図9は、ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。図10は、制御ロジック84の説明図である。図11は、デコーダ83の説明図である。
このヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bを備えている。そして、制御ロジック84を除いた各部(すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダ83、第1スイッチ85A、および、第2スイッチ85B)は、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。ここで、同じピエゾ素子417に設けられる第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bの組は、スイッチ部に相当する。そして、第1スイッチ85Aは、駆動信号としての第1駆動信号COM_Aの、ピエゾ素子417への印加を制御するスイッチに相当する。また、第2スイッチ85Bは、他の駆動信号としての第2駆動信号COM_Bの、ピエゾ素子417への印加を制御する他のスイッチに相当する。なお、ピエゾ素子417はノズルNz毎に設けられるので、これらの各部もノズルNz毎に設けられているといえる。また、制御ロジック84はノズル列毎(ノズル群毎)に設けられる。前述したように、各ノズル列は異なる種類のインクを吐出するので、制御ロジック84は吐出されるインクの種類毎に設けられているともいえる。本実施形態では、第1ノズル列Nkから第4ノズル列Nmまでの4つのノズル列を有しているので、制御ロジック84は4つ設けられる。このため、ドット形成データSIと選択される波形部SS11〜SS23の組み合わせを、ノズル列毎(インクの種類毎)に定めることができる。
ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からのヘッド制御信号(ドット形成データSIやラッチ信号LAT等)に基づき、インクを吐出させるための制御を行う。すなわち、ヘッド制御部HCは、インクの吐出量を示すドット形成データSIに基づいて、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bを制御し、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの必要部分を選択的にピエゾ素子417へ印加させている。これにより、各駆動信号COMが有するパルスを選択的にピエゾ素子417へ印加させている(後述する。)。
ドット形成データSIは、転送用のクロックCLKに同期して記録ヘッド41へ送られてくる。送られてきたドット形成データSIは、上位ビット群が各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群が各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。そして、プリンタ側コントローラ60からのラッチ信号LATがHレベルになると(つまり、ラッチパルスが印加されると)、各第1ラッチ回路82Aは対応するドット形成データSIの上位ビットをラッチし、各第2ラッチ回路82Bは対応するドット形成データSIの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82Aおよび第2ラッチ回路82Bでラッチされたドット形成データSI(上位ビットと下位ビットの組)は、それぞれデコーダ83に入力される。
デコーダ83は、ドット形成データSIの上位ビットおよび下位ビットに基づいてデコードを行い、第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bを制御するためのスイッチ制御信号SW(第1スイッチ制御信号SW_A,第2スイッチ制御信号SW_B,図11を参照。)を出力する。このスイッチ制御信号SWは、第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bから、必要部分を選択するための選択情報に相当する。
ここで、制御ロジック84、および、この制御ロジック84に記憶されている選択データq0〜q7について説明する。選択データq0〜q7は、スイッチ制御信号SWの基となるものである。詳しくは後で説明するが、選択データq0〜q7のうち、ドット形成データSIに応じて選択されたものが、スイッチ制御信号SWとなる。このため、選択データq0〜q7を記憶する制御ロジック84は、選択情報を記憶する選択情報記憶部に相当する。図10に示すように、制御ロジック84は、1ビットのデータを記憶可能なレジスタRGを複数有している。各レジスタRGは、例えば、D−FF(delay flip flop)回路によって構成される。そして、各レジスタRGには、選択データq0〜q7を構成する所定のデータ(単に、選択データともいう。)が記憶される。選択データq0〜q7は、ドット形成データSIと同様に、プリンタ側コントローラ60から送られてくる。そして、選択データq0〜q7の内容は、例えば印刷モードが変更された場合に、変更される。
また、説明の便宜上、図10では、各レジスタRGを、列方向(縦方向)に4個、行方向(横方向)に8個のマトリクス状に配置している。そして、同じ列に属する4つのレジスタRGをグループ化して、左側のグループから順に、符号Q0〜Q7を付して示している。また、各レジスタRGを、行方向の左側に位置するレジスタ群(グループQ0〜Q3)と、行方向の右側に位置するレジスタ群(グループQ4〜Q7)とに分けている。そして、左側に位置するレジスタ群については、同じ行に属する4つのレジスタRGをグループ化して、上側に位置するグループから順に符号G11〜G14を付して示している。同様に、右側に位置するレジスタ群についてもグループ化して、上側に位置するグループから順に符号G21〜G24を付して示している。
以上のグループ分けは、各レジスタRGの役割に基づいてなされている。まず、行方向の左側に位置するグループQ0〜グループQ3に属する各レジスタRGは、第1駆動信号COM_A用の第1選択データq0〜q3を記憶可能なものである。また、行方向の右側に位置するグループQ4〜グループQ7に属する各レジスタRGは、第2駆動信号COM_B用の第2選択データq4〜q7を記憶可能なものである。
さらに、同じ列に属する各レジスタRGは、同じ吐出動作で使用される選択データq0〜q7を記憶可能なものである。具体的に説明すると、グループQ0およびグループQ4に属する各レジスタRGは、いずれもドット無し(インクの非吐出)に対応する選択データq0,q4を記憶可能なものである。そして、グループQ1およびグループQ5に属する各レジスタRGは、いずれも小ドット用のインクの吐出(小ドットの形成)に対応する選択データq1,q5を記憶可能なものである。同様に、グループQ2およびグループQ6に属する各レジスタRGは、中ドット用のインクの吐出(中ドットの形成)に対応する選択データq2,q6を、グループQ3およびグループQ7に属する各レジスタRGは、大ドット用のインクの吐出(大ドットの形成)に対応する選択データq3,q7を、それぞれ記憶可能なものである。
また、同じ行に属する各レジスタRGは、同じ波形部用の選択データを記憶可能なものである。具体的に説明すると、グループG11に属する各レジスタRGは、期間T1で生成される第1波形部SS11用の選択データを記憶可能なものである。そして、グループG12に属する各レジスタRGは、期間T2で生成される第2波形部SS12用の選択データを記憶可能なものである。さらに、グループG13に属する各レジスタRGは、期間T3で生成される第3波形部SS13用の選択データを記憶可能なものである。グループG14に属する各レジスタRGは、本実施形態では使用されていない。これらのレジスタRGには、第1駆動信号COM_Aが4つの波形部で構成された場合に、第4波形部用の選択データが記憶される。
同様に、グループG21に属する各レジスタRGは、期間T1で生成される第1波形部SS21用の選択データを記憶可能なものであり、グループG22に属する各レジスタRGは、期間T2で生成される第2波形部SS22用の選択データを記憶可能なものである。また、グループG23に属する各レジスタRGは、期間T3で生成される第3波形部SS23用の選択データを記憶可能なものである。そして、グループG24に属する各レジスタRGは、第2駆動信号COM_Bが4つの波形部で構成された場合に、第4波形部用の選択データが記憶される。
以上を総括すると、制御ロジック84が有する各レジスタRGは、対応する駆動信号COMの種類(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)、対応するドット形成データSI(データ[00]〜データ[11])、対応する波形部(第1波形部SS11や第2波形部SS22等)の各因子で定まる選択データを記憶するものといえる。
例えば、グループQ0とグループG11の両方に属するレジスタRG(Q0,G11)には、ドットなしのドット形成データSI(データ[00])における、第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11に対応する選択データが記憶される。そして、グループQ3とグループG13の両方に属するレジスタRG(Q3,G13)には、大ドットのドット形成データSI(データ[11])における、第1駆動信号COM_Aの第3波形部SS13に対応する選択データが記憶される。また、グループQ7とグループG22の両方に属するレジスタRG(Q7,G22)には、大ドットのドット形成データSI(データ[11])における、第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22に対応する選択データが記憶される。
これらのレジスタRGに記憶された選択データは、マルチプレクサMX0〜マルチプレクサMX7により、ラッチ信号LATが有するラッチパルス、第1チェンジ信号CH_Aが有するチェンジパルス、および第2チェンジ信号CH_Bが有するチェンジパルスで規定されるタイミングで順次選択される。すなわち、これらのパルスで規定されるタイミングは、ピエゾ素子417に印加される駆動信号COMの切り替えタイミングに相当する。なお、本実施形態において、これらのマルチプレクサMX0〜マルチプレクサMX7による選択動作は、ラッチ信号LATと各チェンジ信号CH_A,CH_Bが入力されるカウンタCTA、CTBからの出力によって制御されている。そして、マルチプレクサMX0〜マルチプレクサMX7で選択された選択データは、第1駆動信号COM_A用の第1選択データq0〜q3、および、第2駆動信号COM_B用の第2選択データq4〜q7として出力される。なお、選択データq0〜q7の内容については、後で説明する。
次に、デコーダ83について説明する。デコーダ83は、第1選択データq0〜q3および第2選択データq4〜q7の中から、ラッチされたドット形成データSIに対応するものを選択し、スイッチ制御信号SWとして出力する。図11に示すように、このデコーダ83は、第1スイッチ制御信号SW_Aを出力する第1デコード部83Aと、第2スイッチ制御信号SW_Bを出力する第2デコード部83Bとを有する。
第1デコード部83Aは、4つのアンドゲート831A〜834Aと、1つのオアゲート835Aとを有している。各アンドゲート831A〜834Aは、入力端子が3つ、出力端子が1つのものである。
アンドゲート831Aには、ドット無し用の第1選択データq0と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットの反転データとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[00]の場合において、このアンドゲート831Aからの出力は、ドット無し用の第1選択データq0に従った内容になる。
アンドゲート832Aには、小ドット用の第1選択データq1と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットのデータとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[01]の場合において、このアンドゲート832Aからの出力は、小ドット用の第1選択データq1に従った内容になる。
アンドゲート833Aには、中ドット用の第1選択データq2と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットの反転データとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[10]の場合において、このアンドゲート833Aからの出力は、中ドット用の第1選択データq2に従った内容になる。
アンドゲート834Aには、大ドット用の第1選択データq3と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットのデータとが入力されている。このため、ドット形成データSIがデータ[11]の場合において、このアンドゲート834Aからの出力は、大ドット用の第1選択データq3に従った内容になる。
オアゲート835Aは入力端子が4つ、出力端子が1つのものである。そして、4つの入力端子のそれぞれには、各アンドゲート831A〜834Aからの出力が入力されている。このオアゲート835Aからは、第1スイッチ制御信号SW_Aが出力される。すなわち、第1選択データq0〜q3の内、ラッチされたドット形成データSIに対応するものが、第1スイッチ制御信号SW_Aとして出力される。
第2デコード部83Bもまた、4つのアンドゲート831B〜834Bと、1つのオアゲート835Bを有している。この第2デコード部83Bの構成は、第1デコード部83Aの構成と同様である。すなわち、アンドゲート831Bには、ドット無し用の第2選択データq4と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットの反転データとが入力されている。アンドゲート832Bには、小ドット用の第2選択データq5と、ドット形成データSIの上位ビットの反転データと、下位ビットのデータとが入力されている。アンドゲート833Bには、中ドット用の第2選択データq6と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットの反転データとが入力されている。アンドゲート834Bには、大ドット用の第2選択データq7と、ドット形成データSIの上位ビットのデータと、下位ビットのデータとが入力されている。そして、オアゲート835Bには、4つのアンドゲート831B〜834Bからの出力が入力されている。これにより、オアゲート835Bからは、第2選択データq4〜q7の内、ラッチされたドット形成データSIに対応するものが、第2スイッチ制御信号SW_Bとして出力される。
デコーダ83から出力された第1スイッチ制御信号SW_Aおよび第2スイッチ制御信号SW_Bは、第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bに入力される。これらの第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bは、抵抗値を変えることでオン状態とオフ状態とを切り替えるものである。例えば、オン状態では100Ω程度の抵抗値となり、オフ状態では数十MΩの抵抗値となる。そして、第1スイッチ85Aの入力側には駆動信号生成回路70からの第1駆動信号COM_Aが印加されており、第2スイッチ85Bの入力側には第2駆動信号COM_Bが印加されている。また、第1スイッチ85Aと第2スイッチ85Bの共通の出力側にはピエゾ素子417が電気的に接続されている。これらの第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bは、生成される駆動信号COM毎に設けられるスイッチである。そして、第1スイッチ制御信号SW_Aは第1スイッチ85Aの動作を制御し、第2スイッチ制御信号SW_Bは第2スイッチ85Bの動作を制御する。すなわち、第1スイッチ制御信号SW_Aは、第1スイッチ85A用のスイッチ制御信号に相当し、第2スイッチ制御信号SW_Bは、第2スイッチ85B用の他のスイッチ制御信号に相当する。具体的には、第1スイッチ制御信号SW_Aがデータ[1]の場合、第1スイッチ85Aがオン状態となって、第1駆動信号COM_Aがピエゾ素子417に印加される。また、第1スイッチ制御信号SW_Aがデータ[0]の場合、第1スイッチ85Aがオフ状態となるので、第1駆動信号COM_Aはピエゾ素子417に印加されない。同様に、第2スイッチ制御信号SW_Bがデータ[1]の場合、第2スイッチ85Bがオン状態となって、第2駆動信号COM_Bがピエゾ素子417に印加される。また、第2スイッチ制御信号SW_Bがデータ[0]の場合、第2スイッチ85Bがオフ状態となるので、第2駆動信号COM_Bはピエゾ素子417に印加されない。
プリンタ側コントローラ60は、これらのスイッチ85A,85Bを制御することで、第1駆動信号COM_Aを構成する波形部SS11〜SS13、および、第2駆動信号COM_Bを構成する波形部SS21〜SS23を、ピエゾ素子417へ選択的に印加させる。すなわち、デコーダ83は、プリンタ側コントローラ60からのドット形成データSIに基づいて、複数の選択データq0〜q7の中から対応する選択データの組を選択し、第1スイッチ制御信号SW_Aおよび第2スイッチ制御信号SW_Bとして出力する。そして、第1スイッチ85Aおよび第2スイッチ85Bは、第1スイッチ制御信号SW_Aおよび第2スイッチ制御信号SW_Bに基づいて、第1駆動信号COM_Aの必要部分や第2駆動信号COM_Bの必要部分をピエゾ素子417へ選択的に印加させている。
そして、これらの必要部分には、ピエゾ素子417に吐出動作を行わせる駆動パルスとして、吐出パルスPS1〜PS5が含まれている。従って、ヘッド制御部HCは、吐出量情報(ドット形成データSI)に応じて駆動パルス(吐出パルスPS1〜PS5)をピエゾ素子417へ印加する、駆動パルス印加部に相当する。このような構成を採ることにより、簡単な制御で、第1駆動信号COM_Aの必要部分および第2駆動信号COM_Bの必要部分をピエゾ素子417へ印加させることができる。
なお、ピエゾ素子417はコンデンサの様に振る舞う。このため、駆動信号COMの印加が停止された場合において、ピエゾ素子417は停止直前の電位を維持する。言い換えれば、駆動信号COMの印加が停止されている期間において、ピエゾ素子417は、駆動信号COMの印加が停止される直前の変形状態を維持する。
<印刷動作について>
前述した構成を有するプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63に格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部(用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御する。従って、このコンピュータプログラムは、この制御を実行するためのコードを有する。そして、制御対象部を制御することで、用紙Sに対する画像の印刷が行われる。ここで、図12は、印刷動作を説明するフローチャートである。例示した印刷動作は、印刷命令の受信動作(S10)、給紙動作(S20)、ドット形成動作(S30)、搬送動作(S40)、排紙判断(S50)、排紙処理(S60)、及び印刷終了判断(S70)を有している。以下、各動作について、簡単に説明する。
印刷命令の受信動作(S10)は、コンピュータ110からの印刷命令を受信する動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60はインタフェース部61を介して印刷命令を受信する。給紙動作(S20)は、印刷の対象物である用紙Sを移動させ、印刷開始位置に位置決めする動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動するなどして、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させる。ドット形成動作(S30)は、用紙Sにドットを形成するための動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31を駆動したり、駆動信号生成回路70やヘッド41に対して制御信号を出力したりする。これにより、第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bが生成され、これらの駆動信号の必要部分が選択的にピエゾ素子417へ印加される。そして、ヘッド41の移動中にノズルNzからインクが吐出され、用紙Sにドットが形成される。搬送動作(S40)は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を制御して搬送ローラ23を回転させる。この搬送動作により、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置に、ドットを形成することができる。排紙判断(S50)は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。この判断は、例えば、印刷データの有無に基づいて行われる。排紙処理(S60)は、用紙Sを排出させる処理であり、先程の排紙判断で「排紙する」と判断されたことを条件に行われる。この場合、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることで、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。印刷終了判断(S70)は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断も、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
===本実施形態の特徴===
次に、本実施形態の特徴について説明する。ここで、図13は、駆動信号生成回路70によって生成される第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bを説明する図である。図14Aは、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyの吐出に用いられるスイッチ制御信号SWの内容を説明する図である。図14Bは、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmの吐出に用いられるスイッチ制御信号SWの内容を説明する図である。
このプリンタ1では、前述したように、第1駆動信号COM_Aの必要部分、および、第2駆動信号COM_Bの必要部分をピエゾ素子417に印加することで、インクの吐出制御を行っている。ここで、ドット形成データSIの内容とピエゾ素子417に印加される必要部分の組み合わせを画一的に定めてしまうと、選択された波形部(吐出パルス)を有する側の駆動信号の電流量が、過度に大きくなってしまう虞がある。そして、回路の構成や部品に制約が生じてしまうので、好ましくない。
このような事情に鑑み、このプリンタ1では、或る量のインクを或るノズル列と他のノズル列とから吐出させる場合に、或る期間において、或るノズル列に対応するピエゾ素子417へは、一方の駆動信号が有する吐出パルスを印加し、他のノズル列に対応するピエゾ素子417へは、他方の駆動信号が有する吐出パルスを印加する。このように構成することで、或る期間において、一方の駆動信号の電流量は、或るノズル列に対応するピエゾ素子417を動作させるために必要な量で済み、他方の駆動信号の電流量は、他のノズル列に対応するピエゾ素子を動作させるために必要な量で済む。これにより、各駆動信号の電流量を抑えることができる。以下、詳細に説明する。
<第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bについて>
まず、図13を参照して、第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bについて説明する。前述したように、第1駆動信号COM_Aは、期間T1で生成される第1波形部SS11と、期間T2で生成される第2波形部SS12と、期間T3で生成される第3波形部SS13とを有する。そして、第1波形部SS11は第1吐出パルスPS1を有し、第2波形部SS12は微振動パルスVPを有する。第3波形部SS13は第2吐出パルスPS2を有する。また、第2駆動信号COM_Bは、期間T1で生成される第1波形部SS21と、期間T2で生成される第2波形部SS22と、期間T3で生成される第3波形部SS23とを有する。そして、第1波形部SS21は第3吐出パルスPS3を有し、第2波形部SS22は第4吐出パルスPS4を有する。第3波形部SS23は第5吐出パルスPS5を有する。
第1吐出パルスPS1〜第5吐出パルスPS5は、インクを吐出させるための動作をピエゾ素子417に行わせる。すなわち、これらの第1吐出パルスPS1〜第5吐出パルスPS5が印加されると、ノズルNzからはインクが吐出される。
これらの吐出パルスの中で、第1吐出パルスPS1,第2吐出パルスPS2,第4吐出パルスPS4,第5吐出パルスPS5は、同じ波形をしている。このため、それぞれの吐出パルスがピエゾ素子417に印加された場合、ピエゾ素子417は同じ動作をする。これにより、ノズルNzからは同じ量のインクが同じ飛行速度で吐出される。本実施形態では、1つの吐出パルスがピエゾ素子417に印加される毎に、7pLのインクがノズルNzから吐出される。そして、これらの吐出パルスPS1,PS2,PS4,PS5は、用紙Sに中ドットを形成する場合、および、用紙Sに大ドットを形成する場合に、ピエゾ素子417へ印加される(後述する)。
第3吐出パルスPS3は、用紙Sに小ドットを形成する場合にピエゾ素子417へ印加される。すなわち、用紙Sに小ドットを形成する場合には、第2駆動信号COM_Bから第3吐出パルスPS3が選択され、ピエゾ素子417へ印加される。この第3吐出パルスPS3がピエゾ素子417に印加されると、3pLのインクがノズルNzから吐出される。
微振動パルスVPは、インクが吐出されない程度に、メニスカスを変位させるためのものである。本実施形態の微振動パルスVPは、台形状の波形をしている。この微振動パルスVPが印加されると、ピエゾ素子417の変形によって圧力室414aのインクに圧力変動が生じ、メニスカスが変位する。メニスカスの変位によってノズルNz付近のインクが攪拌され、ノズルNz付近のインクについて増粘が防止される。
<選択データq0〜q7について>
次に、選択データq0〜q7の内容について説明する。本実施形態では、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyが同じ内容の選択データを使用し、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmが同じ内容の選択データを使用する。そして、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyが使用する選択データq0〜q7と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmが使用する選択データq0〜q7とは、その内容が異なっている。前述したように、各選択データq0〜q7は、制御ロジック84(選択情報記憶部)に記憶されている。
<第1の選択データq0〜q7について>
まず、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyが使用する選択データq0〜q7(便宜上、第1の選択データq0〜q7ともいう。)について説明する。第1の選択データq0〜q7は、期間T1〜期間T3のそれぞれについて波形部の印加や非印加を示す3ビットのデータによって構成されている。各ビットのデータは、ラッチ信号LATが有するラッチパルス、第1チェンジ信号CH_Aや第2チェンジ信号CH_Bが有するチェンジパルスのタイミングで更新される。ここで、各ビットのデータは、対応する波形部の印加を示すデータ[1]と、対応する波形部の非印加を示すデータ[0]の何れかによって構成される。そして、最上位ビットは、期間T1で生成される第1波形部SS11(q0〜q3)或いは第1波形部SS21(q4〜q7)の印加、非印加を示す。また、2番目のビットは、期間T2で生成される第2波形部SS12或いは第2波形部SS22の印加、非印加を示す。同様に、最下位ビットは、期間T3で生成される第3波形部SS13或いは第3波形部SS23の印加、非印加を、それぞれ示す。
この第1の選択データq0〜q7において、選択データq0は、データ[010]に定められている。この選択データq0は、第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11について非印加(データ[0])、第2波形部SS12について印加(データ[1])、第3波形部SS13について非印加(データ[0])とする制御を行わせる。選択データq1は、データ[000]に定められている。この選択データq1は、第1波形部SS11から第3波形部SS13までの各波形部について非印加とする制御を行わせる。選択データq2は、データ[001]に定められている。この選択データq2は、第1波形部SS11および第2波形部SS12について非印加、第3波形部SS13について印加とする制御を行わせる。選択データq3は、データ[101]で構成されている。この選択データq3は、第1波形部SS11および第3波形部SS13について印加、第2波形部SS12について非印加とする制御を行わせる。
同様に、第1の選択データq0〜q7において、選択データq4は、データ[000]で構成されている。この選択データq4は、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21から第3波形部SS23までの各波形部について非印加とする制御を行わせる。選択データq5は、データ[100]で構成されている。この選択データq5は、第1波形部SS21について印加、第2波形部SS22および第3波形部SS23について非印加とする制御を行わせる。選択データq6は、データ[010]で構成されている。この選択データq6は、第1波形部SS21および第3波形部SS23について非印加、第2波形部SS22について印加とする制御を行わせる。選択データq7は、データ[010]で構成されている。この選択データq7もまた、第1波形部SS21および第3波形部SS23について非印加、第2波形部SS22について印加とする制御を行わせる。
<第2の選択データq0〜q7について>
次に、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmが使用する選択データq0〜q7(便宜上、第2の選択データq0〜q7ともいう。)について説明する。第2の選択データq0〜q7もまた、第1の選択データq0〜q7と同様に、期間T1〜期間T3のそれぞれについて波形部の印加や非印加を示す3ビットのデータによって構成されている。
この第2の選択データq0〜q7において、選択データq0は、データ[010]に定められている。この選択データq0は、第1波形部SS11および第3波形部SS13について非印加、第2波形部SS12について印加とする制御を行わせる。選択データq1は、データ[000]に定められている。この選択データq1は、第1波形部SS11から第3波形部SS13までの各波形部について非印加とする制御を行わせる。選択データq2もまた、データ[000]に定められている。選択データq3は、データ[100]で構成されている。この選択データq3は、第1波形部SS11について印加、第2波形部SS12および第3波形部SS13について非印加とする制御を行わせる。
同様に、第2の選択データq0〜q7において、選択データq4は、データ[000]で構成されている。この選択データq4は、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21から第3波形部SS23までの各波形部について非印加とする制御を行わせる。選択データq5は、データ[100]で構成されている。この選択データq5は、第1波形部SS21について印加、第2波形部SS22および第3波形部SS23について非印加とする制御を行わせる。選択データq6は、データ[011]で構成されている。この選択データq6は、第1波形部SS21について非印加、第2波形部SS22および第3波形部SS23について印加とする制御を行わせる。選択データq7もまた、データ[011]で構成されている。
<両選択データq0〜q7の比較>
ここで、第1の選択データq0〜q7と第2の選択データq0〜q7とを比較する。両選択データにおいて、選択データq0同士、選択データq1同士、選択データq4同士、および、選択データq5同士は、内容が同じである。このため、ドット無し(選択データq0,q4)および小ドットの形成(選択データq1、q5)では、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応する各ピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応する各ピエゾ素子417とに、同じ波形部が印加される。一方、選択データq2同士、選択データq3同士、選択データq6同士、および、選択データq7同士は、内容が異なっている。このため、中ドットの形成(選択データq2,q6)および大ドットの形成(選択データq3、q7)では、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応する各ピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応する各ピエゾ素子417とに、異なる波形部が印加される。以下、印加される波形部について説明する。
<印加される波形部について>
図15Aは、ピエゾ素子417に印加される波形部を、ドット形成データSIの内容毎に示す図である。図15Bは、第1ヒートシンク722Aおよび第2ヒートシンク722Bについて、必要とされるサイズを説明する図である。なお、前述したように、中ドットの形成時、および、大ドットの形成時においては、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応する各ピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応する各ピエゾ素子417とに、異なる波形部が印加される。このため、図15Aでは、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに使用される波形部については(1)の符号を付し、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに使用される波形部については(2)の符号を付して示している。
ドット形成データSIがドット無しを示すデータ[00]の場合、選択データq0が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq4が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。加えて、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに使用される選択データq0,q4と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに使用される選択データq0,q4とは、同じ内容である。そして、選択データq0がデータ[010]であり、選択データq4がデータ[000]であることから、期間T2において第1駆動信号COM_Aから第2波形部SS12が選択されて、ピエゾ素子417へ印加される。これにより、第2波形部SS12が有する微振動パルスVPに基づき、メニスカスが微振動される。
ドット形成データSIが小ドットの形成を示すデータ[01]の場合、選択データq1が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq5が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。この場合も、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに使用される選択データq1,q5と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに使用される選択データq1,q5とが、同じ内容である。そして、選択データq1がデータ[000]であり、選択データq5がデータ[100]であることから、期間T1において第2駆動信号COM_Bから第1波形部SS21が選択されて、ピエゾ素子417へ印加される。これにより、第1波形部SS21が有する第3吐出パルスPS3に基づき、小ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
ドット形成データSIが中ドットの形成を示すデータ[10]の場合、選択データq2が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq6が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。ここで、第1の選択データq0〜q7において、選択データq2はデータ[001]であり、選択データq6はデータ[010]である。また、第2の選択データq0〜q7において、選択データq2はデータ[000]であり、選択データq6はデータ[011]である。
このため、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、期間T2において第2駆動信号COM_Bから選択された第2波形部SS22と、期間T3において第1駆動信号COM_Aから選択された第3波形部SS13とが印加される。従って、第2吐出パルスPS2および第4吐出パルスPS4によって、中ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。一方、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、期間T2において第2駆動信号COM_Bから選択された第2波形部SS22と、期間T3において第2駆動信号COM_Bから選択された第3波形部SS23とが印加される。従って、第4吐出パルスPS4および第5吐出パルスPS5によって、中ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
そして、期間T3では、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417に対して、第1駆動信号COM_Aが有する第3波形部SS13(第2吐出パルスPS2、駆動パルスに相当する。)が印加される。また、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417に対して、第2駆動信号COM_Bが有する第3波形部SS23(第5吐出パルスPS5,他の駆動パルスに相当する。)が印加される。このように、期間T3においては、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417とに、異なる駆動信号が印加される。このため、第1駆動信号COM_Aの電流量は、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417を動作させるために十分な量で済む。同様に、第2駆動信号COM_Bの電流量は、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417を動作させるために十分な量で済む。その結果、期間T3において一方の駆動信号の電流量が過度に大きくなってしまう不具合を防止できる。
ドット形成データSIが大ドットの形成を示すデータ[11]の場合、選択データq3が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq7が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。ここで、第1の選択データq0〜q7において、選択データq3はデータ[101]であり、選択データq7はデータ[010]である。また、第2の選択データq0〜q7において、選択データq3はデータ[100]であり、選択データq7はデータ[011]である。
このため、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、期間T1において第1駆動信号COM_Aから選択された第1波形部SS11と、期間T2において第2駆動信号COM_Bから選択された第2波形部SS22と、期間T3において第1駆動信号COM_Aから選択された第3波形部SS13とが印加される。これにより、第1吐出パルスPS1、第2吐出パルスPS2および第4吐出パルスPS4によって、大ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。一方、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、期間T1において第1駆動信号COM_Aから選択された第1波形部SS11と、期間T2において第2駆動信号COM_Bから選択された第2波形部SS22と、期間T3において第2駆動信号COM_Bから選択された第3波形部SS23とが印加される。これにより、第1吐出パルスPS1、第4吐出パルスPS4および第5吐出パルスPS5によって、大ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
そして、この場合も、期間T3にて、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417に対して、第1駆動信号COM_Aが有する第3波形部SS13が印加され、第2吐出パルスPS2(駆動パルスに相当する。)によって、所定量のインクが吐出される。また、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417に対して、第2駆動信号COM_Bが有する第3波形部SS23が印加され、第5吐出パルスPS5(他の駆動パルスに相当する。)によって、所定量のインクが吐出される。このように、期間T3においては、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417とに、異なる駆動信号が印加されるため、第1駆動信号COM_Aの電流量、および、第2駆動信号COM_Bの電流量を抑えることができる。その結果、期間T3において、一方の駆動信号の電流量が過度に大きくなってしまう不具合を防止できる。
その結果、第1ヒートシンク722Aおよび第2ヒートシンク722Bを小型化することができる。この例では、充放電の対象となるピエゾ素子417の数が多い程、消費電力(発熱量)が大きくなる。このため、消費電力は、全てのノズルNzから大ドット用のインク(最大吐出量の液体)を吐出させた際に最大となる。この最大消費電力に関し、この例では、図15Bに示すように、第1駆動信号COM_Aで7.5W、第2駆動信号COM_Bで7.5Wとなる。そして、この消費電力に必要なヒートシンクの大きさは、第1ヒートシンク722Aで65cmとなり、第2ヒートシンク722Bも65cmとなる。従って合計は、130cmとなる。
<比較例について>
次に、比較例について説明する。この比較例は、一般的な制御を行った場合を示している。ここで、図16は、比較例における第1駆動信号COM_A´および第2駆動信号COM_B´と、スイッチ制御信号SWとを説明する図である。図17Aは、ピエゾ素子417に印加される波形部を説明する図である。図17Bは、ヒートシンク722A,722Bの必要サイズを説明する図である。
図16に示すように、第1駆動信号COM_A´は、期間T1で生成される第1波形部SS11と、期間T2で生成される第2波形部SS12と、期間T3で生成される第3波形部SS13とを有している。そして、第1波形部SS11は第1吐出パルスPS1を有し、第2波形部SS12は微振動パルスVPを有し、第3波形部SS13は第2吐出パルスPS2を有する。
また、第2駆動信号COM_B´、期間T1で生成される第1波形部SS21と、期間T2で生成される第2波形部SS22と、期間T3で生成される第3波形部SS23とを有する。そして、第1波形部SS21は第3吐出パルスPS3を有し、第2波形部SS22は第4吐出パルスPS4を有する。ここで、第3波形部SS23は一定電位の信号であり、吐出パルスを有さない。なお、微振動パルスVP、および、第1吐出パルスPS1ないし第5吐出パルスPS5は、前述した第1実施形態と同じ波形であるので、説明は省略する。
次に、印加される波形部について説明する。この比較例において、ドット無しの場合、および、小ドットの形成の場合で印加される波形部は、第1実施形態と同じである。このため、説明は省略する。
中ドットの形成において、選択データq2が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq6が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。ここで、各ノズル列について、選択データq2はデータ[001]であり、選択データq6はデータ[010]である。このため、各ノズル列Nk〜Nmに対応するピエゾ素子417には、第2波形部SS22と、第3波形部SS13とが印加される。従って、第2吐出パルスPS2および第4吐出パルスPS4によって、中ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
大ドットの形成において、選択データq3が第1スイッチ制御信号SW_Aとなり、選択データq7が第2スイッチ制御信号SW_Bとなる。ここで、各ノズル列について、選択データq2はデータ[101]であり、選択データq6はデータ[010]である。このため、各ノズル列Nk〜Nmに対応するピエゾ素子417には、期間T1において第1波形部SS11が、期間T2において第2波形部SS22が、期間T3において第3波形部SS13がそれぞれ印加される。従って、第1吐出パルスPS1、第2吐出パルスPS2および第4吐出パルスPS4によって、大ドットを形成するために必要な量のインクがノズルNzから吐出される。
先に説明した第1実施形態と比較すると、期間T3においても各ノズル列Nk〜Nmに対応するピエゾ素子417が同じ駆動信号(第1駆動信号COM_A)を使用している点が相違している。これにより、各駆動信号に流れる電流が大きくなり、より大きなヒートシンクが必要となる。これは、消費電力が電流量の2乗で求められるからである。例えば、大ドット用のインク(最大吐出量のインク)を吐出させた場合に、第1駆動信号COM_A側の消費電力が第2駆動信号の消費電力よりも大きくなってしまう。この場合の消費電力は、第1駆動信号COM_Aで10W、第2駆動信号COM_Bで5Wとなる。そして、第1ヒートシンク722Aおよび第2ヒートシンク722Bについて必要な大きさは、第1ヒートシンク722Aで165cmとなり、第2ヒートシンク722Bで23cmとなる。従って、合計は188cmとなり、第1実施形態のヒートシンク722A,722Bよりも大きい。
<第1実施形態のまとめ>
以上説明したように、第1実施形態では、中ドットの形成や大ドットの形成を、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyの少なくとも一方と、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmの少なくとも一方とで行う場合、期間T3において、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417に対しては、第1駆動信号COM_A(第3波形部SS13,第2吐出パルスPS2)を印加し、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417に対しては、第2駆動信号COM_B(第3波形部SS23,第5吐出パルスPS5)を印加している。
これにより、期間T3にて駆動信号COMが振り分けられ、その期間における電流量を低減することができる。つまり、期間T3における電流量を押さえることができる。その結果、ヒートシンクを小型化できる等の効果を奏する。
===第2実施形態===
ところで、前述した第1実施形態では、期間T3でしか駆動信号COMの振り分けがなされていなかった。この点に関し、複数の期間において駆動信号COMを振り分けるようにしてもよい。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。ここで、図18は、第2実施形態における第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bを説明する図である。図19Aは、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyの吐出に用いられるスイッチ制御信号SWの内容を説明する図である。図19Bは、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmの吐出に用いられるスイッチ制御信号SWの内容を説明する図である。図20は、ピエゾ素子417に印加される波形部を説明する図である。なお、第2実施形態では、微振動パルスVPを生成していない。このため、図20では、小ドットの形成、中ドットの形成、および、大ドットの形成について、印加される波形部を示している。また、ハードウェアの構成は、前述した第1実施形態と同じである。このため、説明は省略する。
まず、図18を参照して、第1駆動信号COM_Aおよび第2駆動信号COM_Bについて説明する。この実施液形態の第1駆動信号COM_Aも、期間T1で生成される第1波形部SS11と、期間T2で生成される第2波形部SS12と、期間T3で生成される第3波形部SS13とを有する。そして、第1波形部SS11は第1吐出パルスPS11を、第2波形部SS12は第2吐出パルスPS12を、第3波形部SS13は第3吐出パルスPS13を、それぞれ有する。同様に、第2駆動信号COM_Bも、期間T1で生成される第1波形部SS21と、期間T2で生成される第2波形部SS22と、期間T3で生成される第3波形部SS23とを有する。そして、第1波形部SS21は第4吐出パルスPS14を、第2波形部SS22は第5吐出パルスPS15を、第3波形部SS23は第6吐出パルスPS16を、それぞれ有する。
第1吐出パルスPS11〜第6吐出パルスPS16は、インクを吐出させるための動作をピエゾ素子417に行わせる駆動パルスに相当する。そして、第2吐出パルスPS12が第1駆動パルスに相当し、第1吐出パルスPS11や第3吐出パルスPS13が他の第1駆動パルスに相当する。また、第5吐出パルスPS15が第2駆動パルスに相当し、第4吐出パルスPS14や第6吐出パルスPS16が他の第2駆動パルスに相当する。これらの第1吐出パルスPS11〜第6吐出パルスPS16は、いずれも同じ波形である。そして、1つの吐出パルスがピエゾ素子417に印加されると、ノズルNzからは7pLのインクが吐出される。
<選択データq0〜q7について>
まず、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Nyが使用する第1の選択データq0〜q7について説明する。図19Aに示すように、第1の選択データq0〜q7において、選択データq0は、データ[000]に定められている。そして、選択データq1、選択データq2および選択データq3は、いずれもデータ[010]に定められている。また、選択データq4および選択データq5は、いずれもデータ[000]に定められている。そして、選択データq6はデータ[001]に定められ、選択データq7はデータ[101]に定められている。
次に、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nmが使用する第2の選択データq0〜q7について説明する。図19Bに示すように、第2の選択データq0〜q7において、選択データq0および選択データq1は、いずれもデータ[000]に定められている。そして、選択データq2はデータ[001]に定められ、選択データq3はデータ[101]に定められている。また、選択データq4は、データ[000]に定められている。そして、選択データq5、選択データq6および選択データq7は、いずれもデータ[010]に定められている。
要するに、第1の選択データq0〜q7における選択データq0〜q3は、第2の選択データq0〜q7における選択データq4〜q7と同じ内容である。そして、第1の選択データq0〜q7における選択データq4〜q7は、第2の選択データq0〜q7における選択データq0〜q3と同じ内容である。
<印加される波形部について>
次に、ピエゾ素子417に印加される波形部(吐出パルス)について説明する。図20に示すように、ピエゾ素子417に印加される各波形部SS11〜SS13,SS21〜SS23は、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417と、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417とに振り分けられる。
小ドットの形成では、第1の選択データq0〜q7における選択データq1が[010]、選択データq5が[000]であり、第2の選択データq0〜q7における選択データq1が[000]、選択データq5が[010]である。このため、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、第1駆動信号COM_Aの第2波形部SS12が印加され、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22が印加される。従って、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列NyのノズルNzからは、第2吐出パルスPS12に基づき、小ドットの形成に適した量のインクが吐出される。一方、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列NmのノズルNzからは、第5吐出パルスPS15に基づき、小ドットの形成に適した量のインクが吐出される。
中ドットの形成では、第1の選択データq0〜q7における選択データq2が[010]、選択データq6が[001]であり、第2の選択データq0〜q7における選択データq2が[001]、選択データq6が[010]である。このため、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、第1駆動信号COM_Aの第2波形部SS12、および、第2駆動信号COM_Bの第3波形部SS23が印加される。一方、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22、および、第1駆動信号COM_Aの第3波形部SS13が印加される。このため、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列NyのノズルNzからは、第2吐出パルスPS12および第6吐出パルスPS16に基づき、中ドットの形成に適した量のインクが吐出される。一方、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列NmのノズルNzからは、第3吐出パルスPS13および第5吐出パルスPS15に基づき、中ドットの形成に適した量のインクが吐出される。
大ドットの形成では、第1の選択データq0〜q7における選択データq3が[010]、選択データq7が[101]であり、第2の選択データq0〜q7における選択データq3が[101]、選択データq7が[010]である。このため、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、第1駆動信号COM_Aの第2波形部SS12と、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21および第3波形部SS23が印加される。一方、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22と、第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11および第3波形部SS13が印加される。このため、第1ノズル列Nkおよび第2ノズル列Ny側のノズルNzからは、第2吐出パルスPS12、第4吐出パルスPS4および第6吐出パルスPS16に基づき、大ドットの形成に適した量のインクが吐出される。一方、第3ノズル列Ncおよび第4ノズル列Nm側のノズルNzからは、第1吐出パルスPS1、第3吐出パルスPS13および第5吐出パルスPS15に基づき、大ドットの形成に適した量のインクが吐出される。
<第2実施形態のまとめ>
このように、本実施形態では、期間T1〜期間T3のそれぞれにおいて、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの一方が印加され、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの他方が印加される。その結果、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bについて、電流の量をより抑えることができる。その結果、第1ヒートシンク722Aや第2ヒートシンク722Bをより小型化できる等の効果を奏する。
また、中ドットの形成時や大ドットの形成時において、ピエゾ素子417には、複数の吐出パルスが印加される。このとき、第1駆動信号COM_Aが有する吐出パルスPS11〜PS13と、第2駆動信号COM_Bが有する吐出パルスPS14〜PS16とが組み合わされて印加される。例えば、中ドットの形成時において、第1ノズル列Nkと第2ノズル列Nyに対応するピエゾ素子417には、第2吐出パルスPS12(第1駆動パルスに相当する。)と、第6吐出パルスPS16(他の第2駆動パルスに相当する。)とを印加させている。また、第3ノズル列Ncと第4ノズル列Nmに対応するピエゾ素子417には、第5吐出パルスPS15(第2駆動パルスに相当する。)と、第3吐出パルスPS13(他の第1駆動パルスに相当する。)とを印加させている。これにより、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとの間で、波形の大きさ等がばらついてしまったとしても、その影響を抑制することができる。
===その他の実施形態===
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には、液体吐出方法や液体吐出システム等の開示が含まれている。加えて、液体吐出装置を制御するためのプログラムやコードの開示も含まれている。また、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<駆動信号COMについて>
前述した実施形態は、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの2種類の信号を駆動信号生成回路70で生成していた。ここで、駆動信号生成回路70から生成させる駆動信号COMは、3種類以上であってもよい。
<ノズル群について>
前述した各実施形態では、各ノズル列(第1ノズル列Nk〜第4ノズル列Nm)を構成する複数のノズルNzがノズル群を構成していた。このノズル群は、ノズル列単位でなくてもよい。例えば、1つのノズル列を3つのブロックに分け、各ブロックからシアンインク、マゼンタインク、および、イエローインクを吐出させるプリンタがある。このようプリンタでは、それぞれのブロック単位でノズル群が構成される。また、複数のノズル列を構成するノズルNzでノズル群を構成してもよい。
<吐出パルスについて>
前述した各実施形態において、或る期間において第1駆動信号COM_Aに含まれる吐出パルスと、第2駆動信号COM_Bに含まれる吐出パルスとは同じ形状の波形であった。つまり、ピエゾ素子417に対して同じ動作をさせるための吐出パルスであった。この波形に関し、同じ量のインクを吐出できるのであれば、波形が同じでなくてもよい。また、ピエゾ素子のばらつき等によってノズル群毎に特性差が生じる場合には、この特性差を加味して波形を定めてもよい。加えて、生成タイミングが多少ずれていてもよい。例えば、期間T1〜期間T3のそれぞれの期間内で生成されていればよい。
<吐出動作をする素子について>
前述した実施形態では、吐出動作をする素子としてピエゾ素子417を例示した。ここで、吐出動作をする素子はピエゾ素子417に限定されるものではない。例えば、液体を加熱するための発熱素子であってもよい。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
そして、プリンタ1では、インクを頻繁に吐出するので、電流量に関し顕著な効果を得ることができる。
印刷システムの構成を説明する図である。 コンピュータ、および、プリンタの構成を説明するブロック図である。 図3Aは、プリンタの構成を示す図である。図3Bは、プリンタの構成を説明する側面図である。 ヘッドの構造を説明するための断面図である。 ヘッドが有するノズルの配置を説明するための図である。 駆動信号生成回路の構成を説明するためのブロック図である。 駆動信号生成回路が有する第1波形生成回路、および、第2波形生成回路の構成を説明するための図である。 図8Aは、第1電流増幅回路、および、第2電流増幅回路の構成を説明するための図である。図8Bは、第1電流増幅回路の具体例を説明する図である。図8Cは、第2電流増幅回路の具体例を説明するための図である。 ヘッド制御部の構成を説明するブロック図である。 制御ロジックの説明図である。 デコーダの説明図である。 印刷動作を説明するフローチャートである。 第1駆動信号および第2駆動信号を説明する図である。 図14Aは、第1ノズル列および第2ノズル列の吐出に用いられるスイッチ制御信号の内容を説明する図である。図14Bは、第3ノズル列および第4ノズル列の吐出に用いられるスイッチ制御信号の内容を説明する図である。 図15Aは、ピエゾ素子に印加される波形部を、ドット形成データの内容毎に示す図である。図15Bは、第1ヒートシンクおよび第2ヒートシンクについて、必要とされる大きさを説明する図である。 比較例における第1駆動信号および第2駆動信号と、スイッチ制御信号とを説明する図である。 図17Aは、ピエゾ素子に印加される波形部を説明する図である。図17Bは、ヒートシンクの必要サイズを説明する図である。 第2実施形態における第1駆動信号および第2駆動信号を説明する図である。 図19Aは、第1ノズル列および第2ノズル列の吐出に用いられるスイッチ制御信号の内容を説明する図である。図19Bは、第3ノズル列および第4ノズル列の吐出に用いられるスイッチ制御信号の内容を説明する図である。 ピエゾ素子に印加される波形部を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,
20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,23 搬送ローラ,
24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 アイドラプーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,41A 流路ユニット,
411 ノズルプレート,412 貯留室形成基板,412a インク貯留室,
413 供給口形成基板,413a インク供給口,
41B アクチュエータユニット,414 圧力室形成基板,
414a 圧力室,415 振動板,416 蓋部材,416a 供給側連通口,
417 ピエゾ素子,42 ヘッドケース,
50 検出器群,51 リニア式エンコーダ,52 ロータリー式エンコーダ,
53 紙検出器,54 紙幅検出器,
60 プリンタ側コントローラ,61 インタフェース部,62 CPU,
63 メモリ,64 制御ユニット,
70 駆動信号生成回路,70A 第1駆動信号生成部,71A 第1波形生成回路,
711A デジタルアナログ変換器,712A 電圧増幅回路,
72A 第1電流増幅回路,721A 第1トランジスタ対,
722A 第1ヒートシンク,70B 第2駆動信号生成部,
71B 第2波形生成回路,711B デジタルアナログ変換器,
712B 電圧増幅回路,72B 第2電流増幅回路,
721B 第2トランジスタ対,722B 第2ヒートシンク,
81A 第1シフトレジスタ,81B 第2シフトレジスタ,
82A 第1ラッチ回路,82B 第2ラッチ回路,83 デコーダ,
83A 第1デコード部,831A〜834A アンドゲート,
835A オアゲート,83B 第2デコード部,
831B〜834B アンドゲート,835B オアゲート,
84 制御ロジック,85A 第1スイッチ,85B 第2スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,
120 表示装置,130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,
140 記録再生装置,141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,SI ドット形成データ,CTR コントローラ基板,
HC ヘッド制御部,CR キャリッジ,Nk 第1ノズル列,
Ny 第2ノズル列,Nc 第3ノズル列,Nm 第4ノズル列,
Tr1 NPN型のトランジスタ,Tr2 PNP型のトランジスタ,
RG レジスタ,CLK クロック,SI ドット形成データ,
LAT ラッチ信号,CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,
SW スイッチ制御信号,SW_A 第1スイッチ制御信号,
SW_B 第2スイッチ制御信号,COM 駆動信号,
COM_A 第1駆動信号,SS11 第1波形部,SS12 第2波形部,
SS13 第3波形部,COM_B 第2駆動信号,SS21 第1波形部,
SS22 第2波形部,SS23 第3波形部,VP 微振動パルス,
PS1 第1吐出パルス,PS2 第2吐出パルス,PS3 第3吐出パルス,
PS4 第4吐出パルス,PS5 第5吐出パルス,
PS11 第1吐出パルス,PS12 第2吐出パルス,
PS13 第3吐出パルス,PS14 第4吐出パルス,
PS15 第5吐出パルス,PS16 第6吐出パルス

Claims (10)

  1. (A)複数のノズルからなるノズル群を複数有すると共に、前記ノズルに対応して設けられ、液体を吐出させるための吐出動作をする素子を有するヘッドと、
    (B)或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、を生成する駆動信号生成部と、
    (C)或る量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させる駆動パルス印加部と、
    を有し、
    (D)前記駆動信号生成部は、
    他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを、前記駆動信号に含ませ、
    前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを、前記他の駆動信号に含ませ、
    前記駆動パルス印加部は、
    他の量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させ、
    (E)前記他の第2駆動パルスは、前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものである
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    波形生成情報に基づいて、所望波形の信号を生成する波形生成回路、および、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成され、前記所望波形の信号についてその電流を増幅して前記駆動信号として出力する電流増幅回路と、
    他の波形生成情報に基づいて、他の所望波形の信号を生成する他の波形生成回路、および、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成され、前記他の所望波形の信号についてその電流を増幅して前記他の駆動信号として出力する他の電流増幅回路と、
    を有する液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記第2駆動パルスは、
    前記第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものである、液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動パルス印加部は、
    前記駆動信号の前記素子への印加を制御するスイッチ、および、前記他の駆動信号の前記素子への印加を制御する他のスイッチを有し、
    前記液体の吐出量を示す吐出量情報に応じて、前記スイッチおよび前記他のスイッチを制御し、前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を前記素子に印加するものである、液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動パルス印加部は、
    前記駆動信号の必要部分および前記他の駆動信号の必要部分を選択するための選択情報を、前記吐出量情報に対応付けて複数記憶する選択情報記憶部を有し、
    前記吐出量情報に応じて、複数の前記選択情報の中から対応するものを選び、選んだ選択情報に基づいて前記スイッチおよび前記他のスイッチを制御するものである、液体吐出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは、
    吐出させる液体の種類が前記ノズル群毎に定められている、液体吐出装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記液体は、
    印刷用の液体インクである、液体吐出装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記素子は、
    ピエゾ素子である、液体吐出装置。
  9. (a)或る期間で生成される第1駆動パルスであって液体を吐出させるための吐出動作をする素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、
    前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、
    を生成するステップと、
    (b)複数のノズルからなるノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させる一方、複数のノズルからなる他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させることで、或る量の液体を前記或るノズル群と前記他のノズル群とから吐出させるステップと、
    を有する液体吐出方法であって、
    (c)他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを、前記駆動信号に含ませ、
    前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを、前記他の駆動信号に含ませ、
    (d)他の量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させ、
    (e)前記他の第2駆動パルスは、前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものである
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  10. 液体を吐出させるための吐出動作をする素子、駆動信号生成部、および、駆動パルス印加部を有する液体吐出装置用のプログラムであって、
    (a)前記駆動信号生成部に、
    或る期間で生成される第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第1駆動パルスを有する駆動信号と、
    前記或る期間で生成される第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための第2駆動パルスを有する他の駆動信号と、
    を生成させるステップと、
    (b)前記駆動パルス印加部によって、複数のノズルからなるノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスを印加させる一方、複数のノズルからなる他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスを印加させることで、
    或る量の液体を前記或るノズル群と前記他のノズル群とから吐出させるステップと、
    を行わせるプログラムであるとともに、
    (c)前記駆動信号生成部に、
    他の期間で生成される他の第1駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第1駆動パルスを、前記駆動信号に含ませ、
    前記他の期間で生成される他の第2駆動パルスであって前記素子に前記吐出動作を行わせるための他の第2駆動パルスを、前記他の駆動信号に含ませ、
    前記駆動パルス印加部に、
    他の量の液体を或るノズル群と他のノズル群とから吐出させる場合に、前記或るノズル群に対応する前記素子へは前記第1駆動パルスおよび前記他の第2駆動パルスを印加させ、前記他のノズル群に対応する前記素子へは前記第2駆動パルスおよび前記他の第1駆動パルスを印加させ、
    (E)前記他の第2駆動パルスは、前記他の第1駆動パルスと同じ吐出動作をさせるものである
    ことを特徴とするプログラム。
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