JP4867974B2 - 液体吐出装置、および、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、および、液体吐出方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
印刷画像の幅に対応する範囲でインクを吐出可能なラインヘッドユニットを有する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。この印刷装置が有するラインヘッドユニットでは、複数個のノズルを有するヘッドチップを紙幅方向に配置している。また、第1駆動信号と第2駆動信号を生成し、インクを吐出するための動作をする素子に、これらの駆動信号を選択的に印加する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2002−240300号公報 特開2000−52570号公報
ところで、前述したラインヘッドユニットでは、印刷画像の幅に応じてインクを吐出するヘッドチップが定まる。このため、印刷可能な最大幅よりも小さいサイズの画像を印刷する場合には、一部のチップユニットが用いられる。このとき、複数のチップユニットを複数の駆動信号生成回路で駆動する構成では、一部の生成回路が動作対象のチップユニットに駆動信号を供給し、残りの生成回路は駆動信号を供給しないことになる。その結果、一部の生成回路と残りの生成回路との間に動作頻度の差が生じてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動信号生成回路を効率よく使用することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
素子の吐出動作によりノズルから液体を吐出して媒体上にドットを形成する複数のヘッドユニットを、前記媒体を搬送する方向と交差する方向に並べて配置して構成され、
前記素子を駆動させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、生成された駆動信号に基づきヘッドユニットに属する素子を駆動させることにより、前記ノズルから吐出される液体の吐出量を制御する制御部とを備えた液体吐出装置であって、
前記駆動信号生成部は、
複数の駆動信号生成ユニットを備えており、少なくとも1つの駆動信号生成ユニットは、一のヘッドユニットに設定された第1吐出量に対応した駆動パルスを有する第1駆動信号を生成するとともに、他のヘッドユニットに対して設定された第2吐出量に対応した駆動パルスを有する第2駆動信号とを生成するものであり、
複数のヘッドユニットのうち一のヘッドユニットに対して駆動信号を生成する場合に、いずれか一の駆動信号生成ユニットを用いて前記第1駆動信号を生成するとともに、他の駆動信号生成ユニットを用いて前記第2駆動信号を生成し、
前記制御部は、
前記一のヘッドユニットに対して駆動制御を実行する際に、前記一の駆動信号生成ユニットが生成した第1駆動信号と、前記他の駆動信号生成ユニットが生成した第2駆動信号との供給を受け、前記第1駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第1吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行し、前記第2駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第2吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行する、液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、(B)第1駆動信号と第2駆動信号に基づいてインクを吐出するヘッドユニットを、前記搬送方向と交差する交差方向に位置をずらして複数配置したラインヘッドユニットと、(C)前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とを生成する駆動信号生成ユニットを複数有する駆動信号生成部であって、或る駆動信号生成ユニットで生成された第1駆動信号と他の駆動信号生成ユニットで生成された第2駆動信号とを、或るヘッドユニットに供給する駆動信号生成部と、(D)を有する、印刷装置が実現できることが明らかにされる。
このような印刷装置によれば、或るヘッドユニットからインクを吐出させる場合に、第1駆動信号の供給と第2駆動信号の供給を、或る駆動信号生成ユニットと他の駆動信号生成ユニット分けて行わせることができる。このため、これらの駆動信号生成ユニットを効率よく使用することができる。
かかる印刷装置であって、前記駆動信号生成部は、前記或る駆動信号生成ユニットで生成された第2駆動信号と前記他の駆動信号生成ユニットで生成された第1駆動信号とを、他のヘッドユニットに供給する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、或るヘッドユニット及び他のヘッドユニットのそれぞれからインクを吐出させる場合に、或る駆動信号生成ユニット及び他の駆動信号生成ユニットからの各駆動信号が用いられる。このため、これらの駆動信号生成ユニットを効率よく使用することができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッドユニットは、インクを吐出するための動作をする素子を有し、前記素子に対して選択的に印加された前記第1駆動信号と前記第2駆動信号に基づいて、前記インクを吐出する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、インクの吐出量を様々に変化させることができる。
かかる印刷装置であって、前記ヘッドユニットは、前記第1駆動信号の前記素子への印加を制御するための第1スイッチと、前記第2駆動信号の前記素子への印加を制御するための第2スイッチとを有し、インクの吐出量を規定する指令階調値に応じて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1駆動信号の必要部分及び前記第2駆動信号の必要部分を前記素子へ選択的に印加する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、素子に印加される第1駆動信号の必要部分及び第2駆動信号の必要部分に応じてインクの吐出量を定めることができる。このため、インクの吐出量をきめ細かに制御することができる。
かかる印刷装置であって、前記駆動信号生成ユニットは、前記第1駆動信号の電圧波形を定めるための第1電圧指令に基づいて第1電圧波形信号を生成する第1電圧波形信号生成部と、前記第2駆動信号の電圧波形を定めるための第2電圧指令に基づいて第2電圧波形信号を生成する第1電圧波形信号生成部と、前記第1電圧波形信号の電流増幅を行うことで前記第1駆動信号を生成する第1電流増幅部と、前記第2電圧波形信号の電流増幅を行うことで前記第2駆動信号を生成する第2電流増幅部と、を有する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、各電圧指令に基づいて複雑な波形を有する第1駆動信号及び第2駆動信号を生成できる。
かかる印刷装置であって、前記第1電流増幅部は、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成され、前記第2電流増幅回路は、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成されている構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、簡単な構成で電流の増幅ができる。
かかる印刷装置であって、前記駆動信号生成ユニットは、前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令が入力される電圧指令入力端子と、前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の取得タイミングを定めるためのタイミング信号が入力されるタイミング信号入力端子とを有し、前記タイミング信号における電圧の立ち上がりタイミングで前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の一方を取得し、前記タイミング信号における電圧の立ち下がりタイミングで前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の他方を取得する構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、共通の電圧指令入力端子を用いて第1電圧指令及び第2電圧指令を入力できる。このため、構成の簡素化が図れる。
かかる印刷装置であって、前記他のヘッドユニットは、前記或るヘッドユニットに対し、少なくとも1つのヘッドユニットを挟んで、前記交差方向に位置をずらして配置されている構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、或る駆動信号生成ユニットと他の駆動信号生成ユニットで消費される電力が印刷画像の幅に応じて定められる。このため、印刷画像の幅が比較的狭い場合において、電力の消費を積極的に抑えることができる。
かかる印刷装置であって、前記ラインヘッドユニットは、前記交差方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の前記ヘッドユニットで構成され、搬送方向の或る位置に配置される第1ヘッドユニット群と、前記交差方向に沿って前記所定間隔で並ぶ複数の前記ヘッドユニットで構成され、搬送方向の他の位置に配置される第2ヘッドユニット群とを有する、印刷装置。
このような印刷装置によれば、限られたスペースの中に多くのヘッドユニットを配置することができる。
かかる印刷装置であって、前記第2ヘッドユニット群を構成する複数のヘッドユニットは、前記第1ヘッドユニット群を構成する複数のヘッドユニットに対し、前記交差方向に位置をずらして配置されている構成が好ましい。
このような印刷装置によれば、限られたスペースの中に多くのヘッドユニットを配置することができる。
また、次の印刷装置が実現できることも明らかにされる。
すなわち、(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、(B)インクを吐出するための動作をする素子、第1駆動信号の前記素子への印加を制御するための第1スイッチ、及び、第2駆動信号の前記素子への印加を制御するための第2スイッチを有し、インクの吐出量を規定する指令階調値に応じて前記第1スイッチ及び第2スイッチを制御し、前記第1駆動信号の必要部分及び前記第2駆動信号の必要部分を前記素子へ選択的に印加し、前記素子に対して選択的に印加された前記第1駆動信号と前記第2駆動信号の必要部分に基づいて前記インクを吐出するヘッドユニットを、前記搬送方向と交差する交差方向に位置をずらして複数配置したラインヘッドユニットであって、前記交差方向に沿って所定間隔で並ぶ複数の前記ヘッドユニットで構成され、搬送方向の或る位置に配置される第1ヘッドユニット群と、前記交差方向に沿って前記所定間隔で並ぶ複数の前記ヘッドユニットで構成され、搬送方向の他の位置に配置される第2ヘッドユニット群と、を有するラインヘッドユニットと、(C)前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とを生成する駆動信号生成ユニットを複数有する駆動信号生成部であって、或る駆動信号生成ユニットで生成された第1駆動信号と他の駆動信号生成ユニットで生成された第2駆動信号とを或るヘッドユニットに供給し、前記或る駆動信号生成ユニットで生成された第2駆動信号と前記他の駆動信号生成ユニットで生成された第1駆動信号とを他のヘッドユニットに供給する駆動信号生成部と、を有し、(D)前記駆動信号生成ユニットは、前記第1駆動信号の電圧波形を定めるための第1電圧指令に基づいて第1電圧波形信号を生成する第1電圧波形信号生成部と、前記第2駆動信号の電圧波形を定めるための第2電圧指令に基づいて第2電圧波形信号を生成する第2電圧波形信号生成部と、前記第1電圧波形信号の電流増幅を行うことで前記第1駆動信号を生成する第1電流増幅部と、前記第2電圧波形信号の電流増幅を行うことで前記第2駆動信号を生成する第2電流増幅部と、前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令が入力される電圧指令入力端子と、前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の取得タイミングを定めるためのタイミング信号が入力されるタイミング信号入力端子とを有し、前記タイミング信号における電圧の立ち上がりタイミングで前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の一方を取得し、前記タイミング信号における電圧の立ち下がりタイミングで前記第1電圧指令及び前記第2印刷指令の他方を取得し、(E)前記第1電流増幅部は、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成され、(F)前記第2電流増幅回路は、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成され、(G)前記第2ヘッドユニット群を構成する複数のヘッドユニットは、前記第1ヘッドユニット群を構成する複数のヘッドユニットに対し、前記交差方向に位置をずらして配置され、(H)前記他のヘッドユニットは、前記或るヘッドユニットに対し、少なくとも1つのヘッドユニットを挟んで、前記交差方向に位置をずらして配置されている、印刷装置が実現できることも明らかにされる。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、次の印刷方法が実現できることも明らかにされる。
すなわち、(A)或る駆動信号生成ユニットに第1駆動信号及び第2駆動信号を生成させること、(B)他の駆動信号生成ユニットに第1駆動信号及び第2駆動信号を生成させること、(C)媒体の搬送方向と交差する交差方向に位置をずらして複数のヘッドユニットを配置したラインヘッドユニットが有する或るヘッドユニットに、前記或る駆動信号生成ユニットで生成された第1駆動信号と前記他の駆動信号生成ユニットで生成された第2駆動信号とを供給し、或るヘッドユニットからインクを吐出させること、(D)を行う、印刷方法が実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システム100の全体構成について>
図1に示すように、印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は印刷装置に相当し、用紙S(図2Aを参照。)、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、媒体とは、各ヘッドユニット30A〜30H(図3を参照。)から吐出されたインクが着弾する対象物である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120はCRTや液晶表示装置120等である。また、入力装置130はキーボード等であり、記録再生装置140はフレキシブルディスクドライブ装置等である。なお、記録再生装置140は、コンピュータ110のケースに取り付けられている。
<コンピュータ110の構成について>
コンピュータ110はホスト側コントローラ111を有する。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、表示装置120、入力装置130、及び、記録再生装置140と通信可能に接続されている。そして、ホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間でデータの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
コンピュータ110から出力される印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであり、各種のコマンドデータとドット形成データSI(図7を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。ドット形成データSIとは、用紙Sの上に形成されるドットの大きさに関するデータである。すなわち、ドット形成データSIは、ドット階調をノズルNz毎に表す指令階調値群によって構成されているといえる。各指令階調値は単位領域毎に定められる。単位領域とは、用紙S等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域である。ドットの大きさは、吐出されるインク(液体の一種)の量によって定まる。このため、指令階調値はインクの吐出量を規定する情報といえる。なお、このプリンタ1において、指令階調値は2ビットのデータによって構成されている。このため、ドットの形成は、単位領域毎に4段階のドット階調で制御できる。
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。図1に示すように、プリンタ1は、プリンタ側コントローラ10、用紙搬送機構20、ラインヘッドユニットLU(ヘッドユニット群30)、駆動信号生成部40、及び、検出器群50を有する。
<プリンタ側コントローラ10について>
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ10によって制御対象部が制御される。例えば、用紙搬送機構20、ヘッドユニット群30、及び、駆動信号生成部40が制御される。このプリンタ側コントローラ10は、インタフェース部11と、CPU12と、メモリ13と、制御ユニット14とを有する。インタフェース部11は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU12は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等によって構成される。CPU12は、メモリ13に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。制御ユニット14は用紙搬送機構20に対する制御信号を出力する。例えば、用紙搬送機構20が有する搬送モータ21を動作させるための動作信号を出力する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させるものであり、媒体を搬送方向に搬送する搬送機構に相当する。図2A及び図2Bに示すように、用紙搬送機構20は、搬送モータ21と、給紙ローラ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。搬送モータ21は、用紙Sを搬送方向に搬送させるための駆動源である。給紙ローラ22は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1の内部へ搬送する。搬送ローラ23は、給紙ローラ22によって搬送された用紙Sを印刷位置まで搬送する。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを排紙方向へ搬送する。
搬送モータ21は、プリンタ側コントローラ10からの制御信号によって動作する。そして、この搬送モータ21によって与えられる動力により、給紙ローラ22、搬送ローラ23、及び、排紙ローラ25が動作する。このため、プリンタ側コントローラ10は、用紙Sの移動を制御するコントローラに相当する。
<ラインヘッドユニットLUについて>
図3及び図4Aに示すように、ラインヘッドユニットLUは、ベースフレームBFと、ヘッドユニット群30(複数のヘッドユニット30A〜30H)とを有している。ベースフレームBFは、図2Aにも示すように、搬送方向と交差する交差方向に長い矩形状の板材である。本実施形態における交差方向は、搬送方向と直交する方向である。従って、交差方向は紙幅方向に相当する。ベースフレームBFには、ヘッドユニットの本体部は貫通させるがフランジ部は貫通させない大きさの貫通口が形成されている。
ヘッドユニット群30を構成する各ヘッドユニット30A〜30Hは、ベースフレームBFに対して千鳥状に取り付けられている。このラインヘッドユニットLUでは、1つのベースフレームBFに対して8個のヘッドユニット30A〜30Hが取り付けられている。そして、4個のヘッドユニット30A,30C,30E,30Gが下流側のヘッドユニット群(第1ヘッドユニット群に相当する。)を構成し、紙幅方向に沿って所定間隔で配置される。また、残りの4個のヘッドユニット30B,30D,30F,30Hが上流側のヘッドユニット群(第2ヘッドユニット群に相当する。)を構成し、やはり紙幅方向に沿って所定間隔で配置される。さらに、上流側のヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30A〜30Gは、下流側のヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30B〜30Hに対して、紙幅方向に位置をずらして配置されている。この構成により、ベースフレームBFで定められる限られたスペースの中に、多くのヘッドユニットを配置することができる。
<各ヘッドユニット30A〜30Hについて>
次に、ヘッドユニット群30を構成する各ヘッドユニット30A〜30Hについて説明する。ここで、各ヘッドユニット30A〜30Hは、何れも同じ構成である。このため、或るヘッドユニット30Aについて説明し、残りのヘッドユニット30B〜30Hについては説明を省略する。図4A,図4Bに示すように、このヘッドユニット30Aは、ケース31と、流路ユニット32と、ピエゾ素子ユニット33とを有する。ケース31は、ピエゾ素子ユニット33を収容するための部材である。流路ユニット32には、共通インク室321から圧力室322を通ってノズルNzに至る一連の流路が、ノズルNzに対応する複数設けられている。そして、圧力室322の一部は、弾性膜323によって区画されている。また、弾性膜323における圧力室322とは反対の表面には、圧力室322毎にアイランド部324が設けられる。ピエゾ素子ユニット33は、ピエゾ素子群331と、接着用基板332と、素子用配線基板333とを有する。ピエゾ素子群331は櫛歯状をしており、1つ1つの櫛歯状部分がピエゾ素子PZTに相当する。このピエゾ素子PZTは、駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B,図6Aを参照。)の印加部分によって与えられる電位差に応じ、素子の長手方向に伸縮する。ピエゾ素子群331は、接着用基板332を介してケース31に固定されている。そして、各ピエゾ素子PZTの先端面はアイランド部324に接着されている。このため、ピエゾ素子PZTが素子の長手方向に伸縮すると、アイランド部324が圧力室322側に押されたり反対方向へ引かれたりする。これに伴い、圧力室322内のインクに圧力の変化が生じ、ノズルNzからインクを吐出させることができる。従って、ピエゾ素子PZTは、インクを吐出するための動作をする素子に相当する。素子用配線基板333は、駆動信号COMの必要部分を各ピエゾ素子PZTへ印加するための配線部材である。この素子用配線基板333には、ヘッド制御部60が実装されている。
<ノズルNz及び各ヘッドユニット30A〜30Hの位置関係について>
次に、ノズルNz及び各ヘッドユニット30A〜30Hの位置関係について説明する。図5に一部を示すように、各ヘッドユニット30A〜30Hのそれぞれが有する複数のノズルNzは、所定方向(ピエゾ素子PZTの配置方向)へ向けて列状に形成され、ノズル列を構成している。1つのノズル列は、所定数のノズルNzによって構成されている。そして、同じノズル列に属する各ノズルNzは、一定の間隔Pnで形成されている。
各ヘッドユニット30A〜30Hは、それぞれ4つのノズル列を有している。この例において、各ノズル列は、互いに平行な状態で形成されている。なお、隣り合うノズル列同士の形成間隔Lnは印刷解像度によって規定されている。具体的には、印刷解像度の整数倍に規定されている。これは、異なるノズル列から吐出されたインクについて、その着弾位置を揃えるためである。
図3に示すように、下流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30A〜30Gは、紙幅方向に所定間隔を隔てて、この紙幅方向に並んだ状態で取り付けられている。同様に、上流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30B〜30Hも、紙幅方向に所定間隔を隔てて、紙幅方向に並んだ状態で取り付けられている。この取り付け状態において、同じノズル列に属する複数のノズルNzはそれぞれ紙幅方向に沿って直線状に並ぶ。ここで、下流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30A〜30Gは、対応するノズル列同士の搬送方向の位置が揃うように、それぞれ取り付けられる。同様に、上流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30B〜30Hもまた、対応するノズル列同士の搬送方向の位置が揃うように、それぞれ取り付けられる。そして、紙幅方向に並ぶ4つのノズル列を1つのノズル列群と考えると、下流側ヘッドユニット群(30A〜30G)は、4つのノズル列群を有するといえ、上流側ヘッドユニット群(30B〜30H)もまた4つのノズル列群を有するといえる。
下流側ヘッドユニット群が有する4つのノズル列群のうち、最下流のノズル列群Nayはイエローインクを吐出し、2番目のノズル列群Namはマゼンタインクを吐出する。3番目のノズル列群Nacはシアンインクを吐出し、最上流のノズル列群Nakはブラックインクを吐出する。上流側ヘッドユニット群が有する4つのノズル列群も同様に、最下流のノズル列群Nbyはイエローインクを、2番目のノズル列群Nbmはマゼンタインクを、3番目のノズル列群Nbcはシアンインクを、最上流のノズル列群Nbkはブラックインクを、それぞれ吐出する。そして、各ヘッドユニット30A〜30Hは、下流側のノズル列群を構成する各ノズルNzと上流側のノズル列群を構成する各ノズルNzとが、紙幅方向の境界で一定間隔(所定ピッチPn)を構成するように配置される。その結果、同じ色のインクを吐出するノズルNzが、紙幅方向については一定間隔で形成される。
<駆動信号生成部40について>
駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hに対応する数の駆動信号生成回路40A〜40H(それぞれが駆動信号生成ユニットに相当する。)によって構成される。本実施形態の駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hと同数の8個の駆動信号生成回路40A〜40Hによって構成されている(図8を参照。)。そして、各駆動信号生成回路40A〜40Hは、前述したピエゾ素子PZTを駆動する場合において、共通に使用される駆動信号COMを生成する。本実施形態の駆動信号生成回路は、複数種類の駆動信号COMを或る期間に亘って同時に生成する。例えば、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとを繰り返し期間Tに亘って同時に生成する。なお、駆動信号生成部40の構成については後で説明することとし、ここでは生成される第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bについて説明する。
<生成される駆動信号COMについて>
図6Aに示すように、第1駆動信号COM_Aは、期間T11で生成される波形部SS11と、期間T12で生成される波形部SS12と、期間T13で生成される波形部SS13とを有する。これらの波形部SS11〜SS13は、ピエゾ素子PZTに所定の動作をさせるための駆動パルスを有する。すなわち、波形部SS11は第1駆動パルスPS1を有する。波形部SS12は第2駆動パルスPS2を有し、波形部SS13は第3駆動パルスPS3を有する。第2駆動信号COM_Bは、期間T21で生成される波形部SS21と、期間T22で生成される波形部SS22と、期間T23で生成される波形部SS23とを有する。これらの波形部SS21〜SS23もまた、ピエゾ素子PZTに所定の動作をさせるための駆動パルスを有する。すなわち、波形部SS21は第4駆動パルスPS4を、波形部SS22は第5駆動パルスPS5を、波形部SS23は第6駆動パルスPS6をそれぞれ有する。
第4駆動パルスPS4は微振動パルスである。この第4駆動パルスPS4がピエゾ素子PZTに印加されると、インクが吐出されない程度の弱い圧力変動が圧力室322内のインクに生じ、メニスカス(ノズルNzから露出しているインクの自由表面)が微振動される。一方、第4駆動パルスPS4以外の駆動パルスは、インクを吐出させるための吐出動作をピエゾ素子PZTに行わせる吐出パルスである。その中で、第5駆動パルスPS5は小ドット用パルスである。すなわち、この第5駆動パルスPS5は、小ドットの形成に適した量のインクを吐出させるものである。本実施形態では、この第5駆動パルスPS5がピエゾ素子PZTに印加されると、約3pLのインクがノズルNzから吐出される。第3駆動パルスPS3は中ドット用パルスである。すなわち、この第3駆動パルスPS3は、中ドットの形成に適した量のインクを吐出させるものである。本実施形態では、この第3駆動パルスPS3がピエゾ素子PZTに印加されると、約5pLのインクがノズルNzから吐出される。残りの駆動パルス、即ち、第1駆動パルスPS1,第2駆動パルスPS2,第6駆動パルスPS6は、大ドット用パルスである。すなわち、これらの駆動パルスは、大ドットの形成に適した量のインクを吐出させるものである。本実施形態では、これら3つの駆動パルスがピエゾ素子PZTへ印加されると、合計で約21pLのインクがノズルNzから吐出される。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1内の状況を監視するためのものである。この検出器群50には、例えば、図2Bに示すロータリエンコーダ51や紙検出器52、及び、図3に示す紙幅検出器53がある。ロータリエンコーダ51は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器52は、用紙Sの有無を検出するためのものである。紙幅検出器53は、印刷対象となる用紙Sの幅を検出するものであり、本実施形態では複数の反射型センサによって構成されている。これらの反射型センサは、規格化された複数のサイズに対応すべく紙幅方向に位置をずらして配置されている。この例では、基準となる位置に1つ、幅W1に対応する位置に1つ、幅W2に対応する位置に1つ設けられている。つまり、異なる幅の用紙Sについて、その側縁を検出可能な位置に設けられている。そして、これらの検出器群50は、検出結果をプリンタ側コントローラ10に出力する。
<ヘッド制御部60について>
次に、ヘッド制御部60について説明する。前述したように、ヘッド制御部60はピエゾ素子ユニット33毎に設けられている。図7に示すように、ヘッド制御部60は、第1シフトレジスタ61と、第2シフトレジスタ62と、第1ラッチ回路63と、第2ラッチ回路64と、デコーダ65と、制御ロジック66と、第1スイッチ67と、第2スイッチ68を備えている。そして、制御ロジック66を除いた各部は、それぞれピエゾ素子PZT毎に設けられる。ここで、ピエゾ素子PZTはインクが吐出されるノズルNz毎に設けられるので、これらの各部もノズルNz毎に設けられる。
第1シフトレジスタ61は、ドット形成データSIを構成する各指令階調値の上位ビットがセットされる。また、第2シフトレジスタ62は、各指令階調値の下位ビットがセットされる。第1ラッチ回路63は、ラッチ信号LATで規定されるタイミングで、第1シフトレジスタ61にセットされたデータ(指令階調値の上位ビット)をラッチする。第2ラッチ回路64は、ラッチ信号LATで規定されるタイミングで、第2シフトレジスタ62にセットされたデータ(指令階調値の下位ビット)をラッチする。第1ラッチ回路63及び第2ラッチ回路64でラッチされることで、指令階調値はノズルNz毎の組とされる。デコーダ65は、第1ラッチ回路63及び第2ラッチ回路64からの指令階調値に基づいてデコードを行い、第1スイッチ67及び第2スイッチ68を制御するためのスイッチ制御信号を出力する。このスイッチ制御信号は、制御ロジック66から出力される複数種類の選択データq0〜q7の中から選択されたものである。なお、選択データq0〜q7については後で説明する。第1スイッチ67は、第1駆動信号COM_Aのピエゾ素子PZTへの印加を制御するものである。第2スイッチ68は、第2駆動信号COM_Bのピエゾ素子PZTへの印加を制御するものである。本実施形態では、スイッチ制御信号がHレベルの期間に亘って、対応するスイッチが接続状態になる。すなわち、デコーダ65で選択された選択データがデータ[1]の場合に、第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bの必要部分がピエゾ素子PZTへ印加される。
ここで、選択データq0〜q7について説明する。選択データq0〜q3は、第1駆動信号COM_Aが有する各波形部SS11〜SS13の選択パターンを指令階調値毎(ドット階調毎)に示すものである。選択データq0は、指令階調値[00](ドットなし)の場合における第1駆動信号COM_Aの選択パターンを示す。選択データq1は、指令階調値[01](小ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_Aの選択パターンを示す。同様に、選択データq2は、指令階調値[10](中ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_Aの選択パターンを示し、選択データq3は、指令階調値[11](大ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_Aの選択パターンを示す。また、選択データq4〜q7は、各指令階調値における第2駆動信号COM_Bの選択パターンを示す。すなわち、選択データq4は指令階調値[00]の場合における第1駆動信号COM_Aの選択パターンを示す。同様に、選択データq5は指令階調値[01]の場合、選択データq6は指令階調値[10]の場合、選択データq7は指令階調値[11]の場合における第2駆動信号COM_Bの選択パターンを、それぞれ示す。
図6Bに示すように、選択データq0はデータ[000]とされ、選択データq4はデータ[100]とされる。そして、これらの選択データq0,q4は、第1チェンジ信号CH_A及び第2チェンジ信号CH_Bで規定されるタイミングでその内容が切り替えられる(他の選択データも同様)。このため、指令階調値[00]の場合、波形部SS21がピエゾ素子PZTへ印加される。これにより、第4駆動パルスPS4に基づき、メニスカスが微振動される。選択データq1はデータ[000]とされ、選択データq5はデータ[010]とされる。このため、指令階調値[01]の場合、波形部SS22がピエゾ素子PZTへ印加される。これにより、第5駆動パルスPS5に基づき、小ドットに適した量のインクが吐出される。選択データq2はデータ[001]とされ、選択データq6はデータ[000]とされる。このため、指令階調値[10]の場合、波形部SS13がピエゾ素子PZTへ印加される。これにより、第3駆動パルスPS3に基づき、中ドットに適した量のインクが吐出される。選択データq3はデータ[110]とされ、選択データq7はデータ[001]とされる。このため、指令階調値[11]の場合、波形部SS11,SS12,SS23がピエゾ素子PZTへ印加される。これにより、第1駆動パルスPS1、第2駆動パルスPS2、及び、第6駆動パルスPS6に基づき、大ドットに適した量のインクが吐出される。
このような構成を採ることで、ピエゾ素子PZTに印加される第1駆動信号COM_Aの必要部分及び第2駆動信号COM_Bの必要部分に応じてインクの吐出量を定めることができる。このため、インクの吐出量をきめ細かに制御することができる。
===駆動信号生成部40の詳細===
駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hに対応する数の駆動信号生成回路40A〜40Hによって構成される。ここで、一般的な構成では、配線が簡素化できるなどの理由から、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを或るヘッドユニットに供給する。仮に、一般的な構成をこのプリンタ1に適用した場合、次の問題が考えられる。
このプリンタ1では、用紙Sのサイズに応じてインクを吐出し得るヘッドユニットが選択される。例えば、最大印刷幅の1/4の幅の用紙Sに印刷する場合、図3の左端から2つのヘッドユニット30A,30Bが選択される。また、最大印刷幅の1/2の幅の用紙Sに印刷する場合、図3の左端から4個のヘッドユニット30A〜30Dが選択される。同様に、最大印刷幅の用紙Sに印刷する場合、全てのヘッドユニット30A〜30Hが選択される。従って、ヘッドユニットの使用頻度は、図3の左側に配置されるものほど高くなる。そして、一般的な構成を採った場合、駆動信号生成回路40A〜40Hの動作頻度も、対応するヘッドユニット30A〜30Hに応じて差が生じる。
ここで、各駆動信号生成回路40A〜40Hは、動作対象となるピエゾ素子PZTの数に応じた電流を流す必要がある。このため、動作対象となるピエゾ素子PZTの数が多ければ、流す電流が多くなり発熱が生じる。その結果、特定の駆動信号生成回路と他の駆動信号生成回路との間で発熱に差が生じる可能性がある。回路の安定性を考えると、このような発熱の差はできるだけ少ないことが望ましい。
そこで、このプリンタ1では、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_Aと他の駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号COM_Bとを、或るヘッドユニットに供給する構成としている。これにより、或るヘッドユニットを駆動する場合において、異なる駆動信号生成回路から第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bが供給される。その結果、最大印刷幅よりも小さいサイズの用紙Sへ印刷をする際に、多くの駆動信号生成回路を効率よく使用することができる。以下、詳細に説明する。
<各駆動信号生成回路40A〜40Hと各ヘッドユニット30A〜30Hの関係>
次に、各駆動信号生成回路40A〜40Hと各ヘッドユニット30A〜30Hとの関係について説明する。便宜上、以下の説明では、下流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30A〜30Gに関し、図3の左側から順に、第1ヘッドユニット30A、第3ヘッドユニット30C、第5ヘッドユニット30E、及び、第7ヘッドユニット30Gともいう。同様に、上流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30B〜30Hに関し、図3の左側から順に、第2ヘッドユニット30B、第4ヘッドユニット30D、第6ヘッドユニット30F、及び、第8ヘッドユニット30Hともいう。同様に、駆動信号生成部40が有する各駆動信号生成回路40A〜40Hについても、第1駆動信号生成回路40A〜第8駆動信号生成回路40Hのようにいう。これらの駆動信号生成回路40A〜40Hはいずれも同じ構成であり、それぞれが第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bを生成する。図9及び図10Aに示すように、1つの駆動信号生成回路は、DAC_IC41と、第1電流増幅回路42と、第2電流増幅回路43と、端子群44とを有する。
DAC_IC41は、プリンタ側コントローラ10から送信されたDAC値(電圧指令に相当する。)を取得し、取得したDAC値に応じた電圧の電圧信号を出力する。このDAC_IC41は、第1駆動信号COM_Aの基となる第1電圧波形信号COM_A´を出力する第1DACユニット411(第1電圧波形信号生成部に相当する。)と、第2駆動信号COM_Bの基となる第2電圧波形信号COM_B´を出力する第2DACユニット412(第2電圧波形信号生成部に相当する。)とを有する。そして、DAC_IC41には、端子群44を通じて信号等が入力される。すなわち、端子群44は、第1DACユニット411用の電源端子441、第2DACユニット412用の電源端子442、クロックCLKが入力されるクロック入力端子443(タイミング信号入力端子に相当する。)、DAC値を入力するためのDAC値入力端子444(電圧指令入力端子に相当する。)、及び、グランド端子445を有している。なお、端子群44は、これらの他に駆動信号COM用の電源端子446も有している。
DAC値入力端子444には、第1駆動信号COM_A用の第1DAC値(第1電圧指令に相当する。)と第2駆動信号COM_B用の第2DAC値(第2電圧指令に相当する。)が入力される。つまり、DAC値入力端子444は、第1DAC値の入力端子として機能するとともに、第2DAC値の入力端子としても機能している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ10からDAC_IC41に対して、第1DAC値と第2DAC値を交互に送信している。そして、DAC_IC41は、クロックCLKをタイミング信号として用い、クロックCLKの立ち上がりタイミングで第1DAC値と第2DAC値の一方を読み込み、クロックCLKの立ち下がりタイミングで第1DAC値と第2DAC値の他方を読み込む。例えば、図10Bに示すように、タイミングt1,t3,t5,t7で示される立ち上がりタイミングにて、DAC_IC41は第1DAC値を読み込む。そして、読み込まれた第1DAC値は、それぞれのタイミングで第1DACユニット411へ出力される。同様に、タイミングt2,t4,t6,t8で示される立ち下がりタイミングにて、DAC_IC41は第2DAC値を読み込む。そして、読み込まれた第2DAC値は、それぞれのタイミングで第2DACユニット412へ出力される。
このように、共通の入力端子(DAC値入力端子444)を用いて第1DAC値及び第2DAC値を入力しているので、構成の簡素化を図ることができる。これに伴い、配線の数を削減することができる。特に、このラインヘッドユニットLUは、複数のヘッドユニット30A〜30Hを有している。このため、配線の削減により、配線のレイアウトに対する自由度が増す。また、配線の密度を減らせることからノイズの発生を抑えることもできる。
また、これらの駆動信号生成回路40A〜40Hでは、第1DAC値及び第2DAC値を定めることで、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bの電圧波形を定めることができる。このため、複雑な波形を有する第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを効率よく生成することができる。
第1電流増幅回路42は、第1電流増幅部に相当する。そして、第1電圧波形信号COM_A´の電流を増幅し、増幅後の信号を第1駆動信号COM_Aとして出力する。第2電流増幅回路43は、第2電流増幅部に相当する。そして、第2電圧波形信号COM_B´の電流を増幅し、増幅後の信号を第2駆動信号COM_Bとして出力する。これらの電流増幅回路は、いずれも同じ構成である。この実施形態において、第1電流増幅回路42は、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成されている。また、第2電流増幅回路43は、相補的に接続された他のトランジスタ対によって構成されている。そして、これらのトランジスタ対及び他のトランジスタ対のいずれも、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型トランジスタTr1とPNP型トランジスタTr2によって構成されている。
このように、これらの電流増幅回路42,43をトランジスタ対によって構成しているので、簡単な構成で電流の増幅が行える。NPN型トランジスタTr1のベース及びPNP型トランジスタTr2のベースには、電流の増幅対象となる電圧波形信号COM_A´,COM_B´が印加される。そして、NPN型トランジスタTr1は入力された電圧波形信号の電圧上昇時に動作し、PNP型トランジスタTr2は入力された電圧波形信号の電圧降下時に動作する。ここで、それぞれのトランジスタTr1,Tr2は、ピエゾ素子PZTに対する充放電がなされているときに電力を消費する。例えば、DAC_IC41からピエゾ素子PZTへ向かって電流が流れる充電時には、NPN型トランジスタTr1が電力を消費する。一方、ピエゾ素子PZTからDAC_IC41へ向かって電流が流れる放電時には、PNP型トランジスタTr2が電力を消費する。そして、これらのトランジスタTr1,Tr2による電力の消費は、DAC_IC41における電力消費の大きな割合を占める。
次に、それぞれの駆動信号生成回路40A〜40Hで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bと各ヘッドユニット30A〜30Hとの関係について説明する。ここで、図8及び図9では、それぞれの駆動信号生成回路40A〜40Hで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bを識別するため、便宜上、生成した駆動信号生成回路40A〜40Hを示す番号をかっこ書きで付している。例えば、第1駆動信号生成回路40Aで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bについては(1)を付し、第2駆動信号生成回路40Bで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bについては(2)を付している。なお、それぞれの駆動信号生成回路40A〜40Hで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bは、対応するヘッドユニット30A〜30Hに対して配線を通じて供給される。
第1駆動信号生成回路40Aは、第1駆動信号COM_A(1)と第2駆動信号COM_B(1)を生成する。そして、第1駆動信号COM_A(1)は第1ヘッドユニット30Aに供給され、第2駆動信号COM_B(1)は第5ヘッドユニット30Eに供給される。第2駆動信号生成回路40Bは、第1駆動信号COM_A(2)と第2駆動信号COM_B(2)を生成する。そして、第1駆動信号COM_A(2)は第2ヘッドユニット30Bに供給され、第2駆動信号COM_B(2)は第6ヘッドユニット30Fに供給される。他の駆動信号生成回路40C〜40Hで生成された第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bもそれぞれ異なるヘッドユニットに供給される。例えば、第3駆動信号生成回路40Cで生成された第1駆動信号COM_A(3)は第3ヘッドユニット30Cに供給され、第2駆動信号COM_B(3)は第7ヘッドユニット30Gに供給される。第4駆動信号生成回路40Dで生成された第1駆動信号COM_A(4)は第4ヘッドユニット30Dに供給され、第2駆動信号COM_B(4)は第8ヘッドユニット30Hにそれぞれ供給される。同様に、第5駆動信号生成回路40Eで生成された第1駆動信号COM_A(5)は第5ヘッドユニット30Eに、第2駆動信号COM_B(5)は第1ヘッドユニット30Aにそれぞれ供給され、第6駆動信号生成回路40Fで生成された第1駆動信号COM_A(6)は第6ヘッドユニット30Fに、第2駆動信号COM_B(6)は第2ヘッドユニット30Bにそれぞれ供給される。また、第7駆動信号生成回路40Gで生成された第1駆動信号COM_A(7)は第7ヘッドユニット30Gに、第2駆動信号COM_B(7)は第3ヘッドユニット30Cにそれぞれ供給され、第8駆動信号生成回路40Hで生成された第1駆動信号COM_A(8)は第8ヘッドユニット30Hに、第2駆動信号COM_B(8)は第4ヘッドユニット30Dにそれぞれ供給される。
従って、インクを吐出するヘッドユニットとして第1ヘッドユニット30Aが選択された場合、第1駆動信号生成回路40Aが第1駆動信号COM_A(1)を、第5駆動信号生成回路40Eが第2駆動信号COM_B(5)を、それぞれ第1ヘッドユニット30Aに対して供給する。また、第2ヘッドユニット30Bが選択された場合、第2駆動信号生成回路40Bが第1駆動信号COM_A(2)を、第6駆動信号生成回路40Fが第2駆動信号COM_B(6)を、それぞれ第2ヘッドユニット30Bに対して供給する。
このように、このプリンタ1では、或るヘッドユニットに対して第1駆動信号COM_Aを供給する駆動信号生成回路と第2駆動信号COM_Bを供給する駆動信号生成回路とが異なっている。このため、一部のヘッドユニットを使って最大印刷幅よりも小さいサイズの用紙Sへ印刷をする場合において、駆動信号COMの供給が複数の駆動信号生成回路で分担される。すなわち、複数の駆動信号生成回路を効率よく使用することができる。また、1つの駆動信号生成回路が流す電流の量を、一般的な構成を適用した場合よりも減らすことができるなど、1つの駆動信号生成回路の負担を軽減することもできる。
===印刷動作===
<印刷動作について>
次に、用紙Sに印刷するためにプリンタ1で行われる印刷動作について説明する。図11に示すように、プリンタ1では、一連の印刷動作として、印刷命令の受信動作(S10)、給紙動作(S20)、ドット形成動作(S30)、搬送動作(S40)、排紙判断(S50)、排紙動作(S60)、及び、印刷終了判断(S70)が行われる。この印刷動作は、メモリ13に記憶されたコンピュータプログラムに基づき、プリンタ側コントローラ10が有するCPU12で行われる。従って、このコンピュータプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令の受信動作は、コンピュータ110から送信された印刷命令のコマンドを受信する動作である。このコマンドは、例えばコンピュータ110から送信される印刷データに含まれている。給紙動作は、印刷対象となる用紙Sを搬送させ、印刷開始位置に位置決めする動作である。ドット形成動作は、各ヘッドユニット30A〜30Hが有する複数のノズルNzからインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。このドット形成動作において、プリンタ側コントローラ10は、DAC値を駆動信号生成回路へ出力して駆動信号COMを生成させる。また、プリンタ側コントローラ10は、用紙Sの搬送に同期させてドット形成データSIを送信し、ヘッドが有する各ノズルNzからインクを吐出させる。そして、吐出されたインクが着弾することで、用紙Sの単位領域にはドットが形成される。また、形成されたドットによりラスタラインが構成される。搬送動作は、用紙Sを搬送方向に搬送させる動作である。この搬送動作により、ヘッドユニット群30は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置(単位領域群)にドットを形成することができる。排紙判断は、印刷中の用紙Sを排出するか否かを判断する処理である。この判断は、例えば、印刷データの有無に基づいて行われる。印刷終了判断は、印刷を続行するか否かの判断である。
<ドット形成動作について>
このプリンタ1では、各ヘッドユニット30A〜30HがベースフレームBFに固定されている。このため、各ノズル列が有するノズルもまた、所定位置で固定されている。従って、印刷される画像の幅、或いは、印刷対象となる用紙Sの幅に応じて、インクを吐出するヘッドユニット30A〜30Hが選択されることになる。例えば、用紙Sの全面に印刷する所謂縁無し印刷において、インクを吐出するヘッドユニット30A〜30Hは、用紙Sの幅によって定められる。このプリンタ1では、用紙Sを搬送方向に搬送させつつ、必要なノズルNzからインクを吐出させることで、用紙Sに画像を印刷している。このような構成を採ることで、印刷時間の短縮化を図っている。
前述したように、各ヘッドユニット30A〜30Hは、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_A、及び、他の駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号COM_Bを用いてインクの吐出を行っている。このため、印刷画像の幅(用紙Sの幅)が所定幅以下の場合、それぞれの駆動信号生成回路が対応するヘッドユニットへ供給する駆動信号COMは1種類となる。例えば、図3に符号W1で示す幅の用紙Sに全面印刷する場合を考える。この場合、幅W1は最大印刷幅のほぼ半分である。このため、縁無し印刷であっても、第1ヘッドユニット30Aから第4ヘッドユニット30Dまでの4個のヘッドユニットからインクを吐出させればよい。そして、図8及び図12に示すように、第1ヘッドユニット30Aには第1駆動信号COM_A(1)及び第2駆動信号COM_B(5)が供給され、第2ヘッドユニット30Bには第1駆動信号COM_A(2)及び第2駆動信号COM_B(6)が供給される。また、第3ヘッドユニット30Cには第1駆動信号COM_A(3)及び第2駆動信号COM_B(7)が供給され、第4ヘッドユニット30Dには第1駆動信号COM_A(4)及び第2駆動信号COM_B(8)が供給される。言い換えると、第1駆動信号生成回路40Aから第4駆動信号生成回路40Dまでの4個の駆動信号生成回路は専ら第1駆動信号COM_Aを供給し、第5駆動信号生成回路40Eから第8駆動信号生成回路40Hまでの4個の駆動信号生成回路は専ら第2駆動信号COM_Bを供給する。このように、各駆動信号生成回路40A〜40Hから各駆動信号COM_A,COM_Bを供給するようにしたことで、1つの駆動信号生成回路あたりの電流量を抑えることができ、ひいては電力消費を積極的に抑えることができる。この例では、それぞれの駆動信号生成回路40A〜40Hは、1つの駆動信号COMに対応する量の電流を扱えば足りる。
また、このプリンタ1において、或るヘッドユニットに対して第1駆動信号COM_Aを供給する駆動信号生成回路は他のヘッドユニットに対して第2駆動信号COM_Bを供給し、或るヘッドユニットに対して第2駆動信号COM_Bを供給する駆動信号生成回路は他のヘッドユニットに対して第1駆動信号COM_Aを供給する。そして、広幅の用紙Sに印刷する場合、或る駆動信号生成回路が生成した第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bが用いられる。従って、最大印刷幅の1/2を超える広幅の用紙Sに印刷する場合において、各駆動信号生成回路40A〜40Hで生成された各駆動信号COM_A,COM_Bを効率よく使用することができる。
例えば、図3に符号W2で示す幅の用紙Sに全面印刷する場合を考える。この場合、幅W2は最大印刷幅のほぼ3/4であるため、第1ヘッドユニット30Aから第6ヘッドユニット30Fまでの6つのヘッドユニットからインクを吐出させることになる。そして、図8,図13に示すように、第5ヘッドユニット30Eには第1駆動信号COM_A(5)及び第2駆動信号COM_B(1)が供給され、第6ヘッドユニット30Fには第1駆動信号COM_A(6)及び第2駆動信号COM_B(2)が供給される。なお、第1ヘッドユニット30Aから第4ヘッドユニット30Dについては先に説明した通りである。従って、第1駆動信号生成回路40Aは、第1駆動信号COM_A(1)を第1ヘッドユニット30Aに、第2駆動信号COM_B(1)を第5ヘッドユニット30Eにそれぞれ供給している。同様に、第2駆動信号生成回路40Bは、第1駆動信号COM_A(2)を第2ヘッドユニット30Bに、第2駆動信号COM_B(2)を第6ヘッドユニット30Fにそれぞれ供給している。さらに、他の駆動信号生成回路40C〜40Hはそれぞれ1種類の駆動信号COMを対応するヘッドユニットに供給している。従って、幅W2の用紙Sに印刷する場合、2種類の駆動信号COMを供給する駆動信号生成回路の数、言い換えれば、大きな電流を扱う駆動信号生成回路の数を必要最小限にすることができる。
<まとめ>
以上の説明から判るように、このプリンタ1では、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_Aと他の駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号COM_Bとを、或るヘッドユニットに供給しているので、多くの駆動信号生成回路を効率よく使用することができる。そして、或る駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号COM_Bと他の駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_Aとを、他のヘッドユニットに供給している。このため、印刷幅が広くなることに対応して、2種類の駆動信号COMを対応する各ヘッドユニット30A〜30Hへ供給する駆動信号生成回路の数が増える。このため、複数の駆動信号生成回路を効率よく使用することができる。
また、ヘッドユニットは、ピエゾ素子PZTに対して選択的に印加された第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bに基づき、インクを吐出している。このため、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bの選択パターンを変えることで、インクの吐出量を様々に変化させることができる。
また、この構成では、或る駆動信号生成回路から第1駆動信号COM_Aの供給を受ける或るヘッドユニットと第2駆動信号COM_Bの供給を受ける他のヘッドユニットとの間に、紙幅方向において少なくとも1つのヘッドユニットが配置されている。例えば、第1駆動信号生成回路40Aからの第1駆動信号COM_A(1)が供給される第1ヘッドユニット30Aと、第2駆動信号COM_B(1)が供給される第5ヘッドユニット30Eとの間には、紙幅方向において3個のヘッドユニット30B〜30Dが配置されている。この構成により、各駆動信号生成回路40A〜40Hの電力消費が印刷画像の幅に応じて定められる。従って、印刷画像の幅が比較的小さい場合において、電力消費を積極的に抑えることができる。
さらに、この実施形態では、最大印刷幅の中心を境に紙幅方向の一側と他側に領域を分け、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号COM_Aを紙幅方向の一側に配置されたヘッドユニット(例えば、第1ヘッドユニット30A〜第4ヘッドユニット30D)に供給しており、同じ駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号COM_Bを紙幅方向の他側に配置されたヘッドユニット(例えば、第5ヘッドユニット30E〜第8ヘッドユニット30H)に供給している。この構成により、最大印刷幅の1/2以下の幅を有する用紙Sに印刷する場合、各駆動信号生成回路40A〜40Hが対応するヘッドユニットへ供給する駆動信号COMは1種類となる。このため、各駆動信号生成回路40A〜40Hを効率よく使用することができる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には、印刷方法等の開示が含まれている。加えて、印刷用のヘッドを制御するための制御装置の開示や、印刷装置や印刷制御装置を制御するための、プログラムやコードの開示も含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<駆動信号生成回路とヘッドユニットとの関係>
前述した実施形態では、図9に示すように、2つの駆動信号生成回路と2つのヘッドユニットが組になっていた。駆動信号生成回路とヘッドユニットの組み合わせはこれに限定されるものではない。例えば、3つ以上の駆動信号生成回路とヘッドユニットとを組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、駆動信号生成回路の個数(Nともいう。)とヘッドユニットの個数(Mともいう。)が等しかった。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、駆動信号生成回路の個数Nを、ヘッドユニットの個数Mよりも少なくしてもよい。この場合、N=M/n(nは2以上の自然数)とすることが好ましい。このようにすると、1つの駆動信号生成回路から生成される各駆動信号COMを、それぞれn個のヘッドユニットへ供給することで、各駆動信号COMを各ヘッドユニット30A〜30Hへ無駄なく(余りなく)割り当てることができる。
<駆動信号生成回路から生成される駆動信号の種類>
前述した実施形態では、1つの駆動信号生成回路から2種類の駆動信号COM_A,COM_Bを生成する構成であった。生成される駆動信号の種類は、複数種類であれば2種類に限定されない。例えば、3種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。
<インクを吐出するための動作をする素子について>
前述した実施形態では、インクを吐出させるための動作をする素子としてピエゾ素子PZTを例に挙げて説明したが、ピエゾ素子PZTに限定されるものではない。駆動信号COMに応じて動作をする素子であれば用いることができる。例えば、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子であってもよい。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、印刷装置としてプリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システムの構成を説明するブロック図である。 図2Aは、プリンタの内部構成を示す斜視図である。図2Bは、プリンタの内部構成を示す側面図である。 ラインヘッドユニットをノズル列側から見た図である。 図4Aはヘッドユニットの内部構造を説明するための断面図である。図4Bはヘッドユニットの要部を説明するための断面図である。 ノズルの配置を説明するための拡大図である。 図6Aは生成される駆動信号を説明する図である。図6Bは、駆動信号におけるピエゾ素子へ印加される部分を、ドット階調毎に説明する図である。 ヘッド制御部の構成を説明するブロック図である。 駆動信号生成部とヘッドユニットとの対応関係を説明するためのブロック図である。 駆動信号生成回路の概略構成、及び、上流側ヘッドユニット群への各駆動信号の供給を説明する図である。 図10Aは駆動信号生成回路の構成を説明する図である。図10Bは駆動信号生成回路におけるDAC値の読み込みタイミングを説明する図である。 印刷動作を説明するフローチャートである。 幅W1の用紙に印刷する場合の、各ヘッドユニットへの駆動信号の供給状態を説明する図である。 幅W2の用紙に印刷する場合の、各ヘッドユニットへの駆動信号の供給状態を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,10 プリンタ側コントローラ,11 インタフェース部,
12 CPU,13 メモリ,14 制御ユニット,20 用紙搬送機構,
21 搬送モータ,22 給紙ローラ,23 搬送ローラ,24 プラテン,
25 排紙ローラ,30 ヘッドユニット群,30A 第1ヘッドユニット,
30B 第2ヘッドユニット,30C 第3ヘッドユニット,
30D 第4ヘッドユニット,30E 第5ヘッドユニット,
30F 第6ヘッドユニット,30G 第7ヘッドユニット,
30H 第8ヘッドユニット,31 ケース,32 流路ユニット,
321 共通インク室,322 圧力室,323 弾性膜,324 アイランド部,
33 ピエゾ素子ユニット,331 ピエゾ素子群,332 接着用基板,
333 素子用配線基板,40 駆動信号生成部,
40A 第1駆動信号生成回路,40B 第2駆動信号生成回路,
40C 第3駆動信号生成回路,40D 第4駆動信号生成回路,
40E 第5駆動信号生成回路,40F 第6駆動信号生成回路,
40G 第7駆動信号生成回路,40H 第8駆動信号生成回路,
41 DAC_IC,411 第1DACユニット,412 第2DACユニット,
42 第1電流増幅回路,43 第2電流増幅回路,
44 端子群,441 第1DACユニット用の電源端子,
442 第2DACユニット用の電源端子,443 クロック入力端子,
444 DAC値入力端子,445 グランド端子,
446 駆動信号用の電源端子,50 検出器群,
51 ロータリエンコーダ,52 紙検出器,53 紙幅検出器,
60 ヘッド制御部,61 第1シフトレジスタ,62 第2シフトレジスタ,
63 第1ラッチ回路,64 第2ラッチ回路,65 デコーダ,
66 制御ロジック,67 第1スイッチ,68 第2スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,
120 表示装置,130 入力装置,140 記録再生装置,
Nz ノズル,LU ラインヘッドユニット,BF ベースフレーム,
PZT ピエゾ素子,COM 駆動信号,COM_A´ 第1電圧波形信号,
COM_A 第1駆動信号,SS11〜SS13 波形部,
COM_B´ 第2電圧波形信号,COM_B 第2駆動信号,
SS21〜SS23 波形部,PS1 第1駆動パルス,PS2 第2駆動パルス,
PS3 第3駆動パルス,PS4 第4駆動パルス,PS5 第5駆動パルス,
PS6 第6駆動パルス,SI ドット形成データ,LAT ラッチ信号,
CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,
CLK クロック,Tr1 NPN型トランジスタ,Tr2 PNP型トランジスタ

Claims (4)

  1. 素子の吐出動作によりノズルから液体を吐出して媒体上にドットを形成する複数のヘッドユニットを、前記媒体を搬送する方向と交差する方向に並べて配置して構成され、
    前記素子を駆動させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、生成された駆動信号に基づきヘッドユニットに属する素子を駆動させることにより、前記ノズルから吐出される液体の吐出量を制御する制御部とを備えた液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    複数の駆動信号生成ユニットを備えており、少なくとも1つの駆動信号生成ユニットは、一のヘッドユニットに設定された第1吐出量に対応した駆動パルスを有する第1駆動信号を生成するとともに、他のヘッドユニットに対して設定された第2吐出量に対応した駆動パルスを有する第2駆動信号とを生成するものであり、
    複数のヘッドユニットのうち一のヘッドユニットに対して駆動信号を生成する場合に、いずれか一の駆動信号生成ユニットを用いて前記第1駆動信号を生成するとともに、他の駆動信号生成ユニットを用いて前記第2駆動信号を生成し、
    前記制御部は、
    前記一のヘッドユニットに対して駆動制御を実行する際に、前記一の駆動信号生成ユニットが生成した第1駆動信号と、前記他の駆動信号生成ユニットが生成した第2駆動信号との供給を受け、前記第1駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第1吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行し、前記第2駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第2吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行する、液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、さらに、一の駆動信号生成ユニットと他の駆動信号生成ユニットとの双方で、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号をそれぞれ生成することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記媒体のサイズを検出するセンサを備え、前記駆動信号生成部は、検出された前記媒体のサイズに応じて選択されたヘッドユニットに対して前記駆動信号を生成するように構成されたことを特徴とする、液体吐出装置。
  4. 素子の吐出動作によりノズルから液体を吐出して媒体上にドットを形成する複数のヘッドユニットを、前記媒体を搬送する方向と交差する方向に並べて配置して構成され、
    前記素子を駆動させるための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、生成された駆動信号に基づきヘッドユニットに属する素子を駆動させることにより、前記ノズルから吐出される液体の吐出量を制御する制御部とを備えた液体吐出装置における液体吐出方法であって、
    前記駆動信号生成部は、複数の駆動信号生成ユニットを備えており、
    少なくとも1つの駆動信号生成ユニットにより、一のヘッドユニットに設定された第1吐出量に対応した駆動パルスを有する第1駆動信号を生成するとともに、他のヘッドユニットに対して設定された第2吐出量に対応した駆動パルスを有する第2駆動信号とを生成するステップ、
    前記駆動信号生成部により、複数のヘッドユニットのうち一のヘッドユニットに対して駆動信号を生成する場合に、いずれか一の駆動信号生成ユニットを用いて前記第1駆動信号を生成するとともに、他の駆動信号生成ユニットを用いて前記第2駆動信号を生成するステップ、
    前記制御部により、前記一のヘッドユニットに対して駆動制御を実行する際に、前記一の駆動信号生成ユニットが生成した第1駆動信号と、前記他の駆動信号生成ユニットが生成した第2駆動信号との供給を受けると、前記第1駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第1吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行し、前記第2駆動信号に応答して前記素子を駆動させ、前記第2吐出量の液体を前記ノズルから吐出させる制御を実行するステップを、前記液体吐出装置を用いて行うことを特徴とする液体吐出方法。
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