JP4650033B2 - 印刷装置、印刷方法、プログラム及び印刷システム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、プログラム及び印刷システム Download PDF

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本発明は、印刷装置、印刷方法、プログラム及び印刷システムに関する。
媒体に画像を印刷する印刷装置として、1つのピエゾ素子に対して複数の駆動信号を選択的にピエゾ素子へ印加させるものが提案されている。例えば、吐出されるインクの量が異なる複数種類の駆動パルスを2つの駆動信号に分け、これらの駆動パルスを選択的にピエゾ素子へ印加させるようにした印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、最大ドットを形成する際に用いられる駆動パルスを一方の駆動信号に含ませ、最大ドットの形成時におけるインクの吐出周波数を高めるようにした印刷装置も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。そして、これらの印刷装置では、駆動信号を生成する駆動信号生成部が複数設けられている。
特開2000−52570号公報 特開2003−246086号公報
このように、印刷装置に複数の駆動信号生成部が設けられ、それぞれの駆動信号生成部が互いに異なる駆動信号を生成する場合、一方の駆動信号生成部に発熱が偏るおそれがある。
本発明は、それぞれの駆動信号生成部が均等に発熱するようにすることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、(A)ドットを形成するために駆動される素子と、(B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、(C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、(D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、を有することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)ドットを形成するために駆動される素子と、
(B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
(C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
(D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、
(F)を有することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、2つの駆動信号生成部が均等に発熱するようになる。
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、印刷データに基づいて、媒体にドットを形成するものであり、前記コントローラは、前記印刷データに基づいて、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出することが望ましい。また、前記コントローラは、前記印刷データに基づいて前記媒体にドットを形成する前に、その印刷データに基づいて前記ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の前記消費電力を、前記印刷データに基づいて、それぞれ予め検出することが望ましい。また、前記コントローラは、前記印刷データに基づいて、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力の累積値をそれぞれ検出し、この累積値に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えることが望ましい。また、前記コントローラは、前記駆動信号を入れ換えない場合の前記累積値と、前記駆動信号を入れ換えた場合の前記累積値とを比較し、この比較結果に応じて前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を入れ換えるか否かを決定することが望ましい。これにより、一方の駆動信号生成部が偏って発熱することを未然に防ぐことができる。
かかる印刷装置であって、前記コントローラは、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力の累積値の差を検出し、この差が所定の閾値を超えるとき、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えることが望ましい。これにより、一方の駆動信号生成部が偏って発熱することを未然に防ぐことができる。
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、媒体にドットを形成するドット形成動作と、前記媒体を搬送する搬送動作とを交互に繰り返すものであり、前記コントローラは、前記ドット形成動作毎に、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出することが望ましい。これにより、一方の駆動信号生成部に発熱が大きく偏る前に、駆動信号を入れ換えることができる。
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、複数の媒体に対して連続印刷するものであり、前記コントローラは、前記媒体毎に、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出することが望ましい。これにより、一方の駆動信号生成部に発熱が偏る前に、駆動信号を入れ換えることができる。
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部を冷却するための冷却器を更に有することが望ましい。これにより、冷却器を小型化することができる。
かかる印刷装置であって、前記印刷装置は、複数のサイズのドットを形成可能であり、前記コントローラは、形成されるべき前記ドットのサイズに応じて、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを選択的に前記素子に印加することが望ましい。また、前記所定サイズのドットを形成する際に、2以上の前記駆動パルスが前記素子に印加される場合、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部の一方が、前記所定サイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成している時に、他方が、他のサイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成することが望ましい。また、前記コントローラは、最も大きいサイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加し、前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加することが望ましい。これにより、一方の駆動信号生成部が偏って発熱することを防ぐことができる。
ドットを形成するために駆動される素子と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備える印刷装置を準備し、
あるタイミングにおいて、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成するとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成して、所定サイズのドットを形成し、
ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
別のタイミングにおいて、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成するとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成して、前記所定サイズのドットを形成する
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、2つの駆動信号生成部が均等に発熱するようになる。
ドットを形成するために駆動される素子と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備える印刷装置に、
あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出させて、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えさせ、
別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させる
ことを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、2つの駆動信号生成部が均等に発熱するように、印刷装置を制御することができる。
コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記印刷装置は、
(A)ドットを形成するために駆動される素子と、
(B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
(C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
(D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、
を有する
ことを特徴とする印刷システム。
このような印刷システムによれば、2つの駆動信号生成部が均等に発熱するようになる。
===印刷システム===
まず、印刷装置を印刷システムとともに説明する。なお、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。
プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体に関し、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ===
<コンピュータ110の構成について>
図2Aは、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタ1が有するメモリ63の一部分を模式的に説明する図である。
まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能をコンピュータ110に実現させる。そして、プリンタ1は、コンピュータ110からの印刷データを受信することで印刷動作を実行する。言い換えると、コンピュータ110は、印刷データを介してプリンタ1の動作を制御しているといえる。従って、コンピュータ110は、このプリンタドライバによって、印刷制御装置として機能する。そして、プリンタドライバは、画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのコードを有する。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。ここで、画素とは、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目であり、ドットが形成される領域を示す。そして、印刷データにおける画素データは、用紙上に形成されるドットに関するデータ(例えば、ドットの大きさのデータ)に変換される。本実施形態において、画素データは2ビットのデータによって構成されている。すなわち、この画素データには、ドット無しに対応する画素データ「00」と、小ドットに対応する画素データ「01」と、中ドットの形成に対応する画素データ「10」と、大ドットに対応する画素データ「11」とがある。従って、このプリンタ1は、1画素の中で4階調を表現できる。
そして、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。また、プリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録された状態で提供される。また、プリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。
===プリンタ===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2Aも参照する。
図2Aに示すように、プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラ60、及び駆動信号生成回路70を有する。なお、本実施形態において、プリンタ側コントローラ60及び駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、及び駆動信号生成回路70が制御される。これにより、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向はヘッド41の移動方向に相当し、キャリッジ移動機構30はヘッド41を移動方向に移動させるヘッド移動部に相当する。そして、このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35に架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。ヘッド制御部HCの構成については、後で詳述する。ヘッド41には、各インク色にそれぞれ対応する複数のインク列が設けられている。各インク列には複数のノズルが設けられており、各ノズルにはピエゾ素子が設けられている。このピエゾ素子が駆動されると、圧力室(不図示)が変形し、これにより生じた圧力によってノズルからインク滴が吐出され、インク滴が用紙に着弾するとドットが形成される。
なお、このプリンタ1では、前述したように、画素データ「00」に対応するドット無し、画素データ「01」に対応する小ドット、画素データ「10」に対応する中ドット、及び画素データ「11」に対応する大ドットの4種類の階調を表現するための制御ができる。このため、各ノズルからは、量が異なる複数種類のインクを吐出させることができる。例えば、各ノズルからは、大ドットを形成し得る量の大インク滴、中ドットを形成し得る量の中インク滴、及び小ドットを形成し得る量の小インク滴からなる3種類のインクを吐出させることができる。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3Aや図3Bに示すように、この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、及び紙幅検出器54が含まれている。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器54は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。なお、不図示であるが、ヘッド41の周囲の温度を検出する温度検出器も設けられている。
<プリンタ側コントローラ60について>
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。例えば、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22の回転量を制御することにより、用紙搬送機構20の搬送量を制御する。また、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31の回転量を制御することにより、キャリッジCRの位置を制御する。
さらに、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号生成回路70を制御して、駆動パルスPSを生成させる。ここで、駆動パルスとは、インクを吐出させるためにピエゾ素子417を駆動する際に、この駆動の開始から終了までを規定するための信号である。この駆動パルスの形状は、吐出させるインク量に応じて定められる。このため、駆動パルスがピエゾ素子417に印加されると、その駆動パルスの形状に応じた量のインクが吐出される。
また、プリンタ側コントローラ60は、ヘッド制御部HCに対して、ヘッド制御信号(クロック信号CLK,画素データSI,ラッチ信号LAT,第1チェンジ信号CH_A,第2チェンジ信号CH_B,図8を参照。)を出力する。ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号に応じて、駆動信号生成回路70から出力される駆動信号に含まれる駆動パルスをピエゾ素子417に印加する。従って、プリンタ側コントローラ60とヘッド制御部HCは、駆動パルスを含む行動信号を駆動信号生成回路70に生成させるコントローラであって、生成された駆動パルスをピエゾ素子417に印加させるコントローラに相当する。
このプリンタ側コントローラ60は、図2Aに示すように、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間で、データの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。本実施形態では、図2Bに示すように、メモリ63の一部分が、プログラム記憶領域63a、波形記憶領域63b、及び調整値記憶領域63cとして用いられている。プログラム記憶領域63aは、コンピュータプログラムが記憶される領域である。波形記憶領域63bは、駆動信号を生成させるための波形データが記憶される領域である。調整値記憶領域63cは、駆動信号生成回路70が有する第1波形生成回路71Aと第2波形生成回路71B(図4を参照。)のばらつきを調整するための調整値が記憶される領域である。
そして、CPU62は、メモリ63のプログラム記憶領域63aに記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。また、CPU62は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路70に出力したりする。
===本実施形態の駆動信号生成回路===
<駆動信号生成回路70について>
駆動信号生成回路70は、駆動パルスを含む駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、1つのノズル列に対応する全てのピエゾ素子417に対して共通に使用される。
図4は、駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図である。本実施形態の駆動信号生成回路70は、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部を有している。第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bは同じ構成であるので、ここでは第1駆動信号生成部70Aについて説明する。第1駆動信号生成部70Aは、第1波形生成回路71Aと第1電流増幅回路72Aを有している。
図5Aは、第1波形生成回路71Aの構成を説明するためのブロック図である。なお、この図において、第2波形生成回路71Bの構成は、括弧付きの符号で示している。また、図5Bは、D/A変換器711Aに入力されるDAC値と、電圧増幅回路712Aからの出力電圧との関係を説明する図である。
第1波形生成回路71Aは、D/A変換器711Aと、電圧増幅回路712Aとを有する。D/A変換器711Aは、DAC値に応じた電圧信号を出力する電気回路である。このDAC値は、電圧増幅回路712Aから出力させる電圧(以下、出力電圧ともいう。)を指示するための情報であり、波形記憶領域63bに記憶された波形データに基づき、CPU62から出力される。本実施形態において、DAC値は10ビットのデータによって構成されているが、便宜上、図では16進数で示している。
電圧増幅回路712Aは、D/A変換器711Aからの出力電圧を、ピエゾ素子417の動作に適した電圧まで増幅する。本実施形態の電圧増幅回路712Aでは、D/A変換器711Aからの出力電圧を、最大40数Vまで増幅する。そして、増幅後の出力電圧は、制御信号S_Q1及び制御信号S_Q2として第1電流増幅回路72Aに出力される。
例えば、図5Bに示す例では、CPU62からD/A変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「24Eh」の場合(2進数で「1001001110」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は25Vとなる。また、CPU62からD/A変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「0h」の場合(2進数で「0000000000」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は1.4Vとなり、入力されたDAC値が16進数で「3FF」の場合(2進数で「1111111111」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は42.32Vとなる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aの最低出力電圧は1.4Vであり、CPU62から入力されるDAC値が1つ大きくなると、第1波形生成回路の出力電圧が0.04Vだけ上昇する。
<駆動信号生成部の動作について>
次に、この第1駆動信号生成部70Aの動作の具体例について説明する。図6Aは、生成される駆動信号COMの一部分を説明する図である。図6Bは、第1電流増幅回路72Aの出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。
プリンタ側コントローラ60のCPU62は、まず、駆動信号COMを生成するためのパラメータに基づき、更新周期τ毎の出力電圧を求める。図6Aに示される駆動パルスPS´を例に挙げると、パラメータとしては、駆動電圧Vhと、この駆動電圧Vhと基準電圧Vcの関係を規定する比率と、中間電圧VCを維持する時間PWh1と、中間電圧VCから最低電圧VLまで一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd1と、最低電圧VLを維持する時間PWh2と、最低電圧VLから最高電圧VHまで一定の傾きで電圧を上昇させる時間PWc1と、最高電圧VHを維持する時間PWh3と、最高電圧VHから中間電圧VCまで一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd2と、中間電圧VCを維持する時間PWh4がある。
ここで、駆動電圧Vhは、駆動パルスPS´における最高電圧VHと最低電圧VLの電圧差である。言い換えれば、ピエゾ素子417における最低電位(最低電圧VLによって定まる電位)と最高電位(最高電圧VHによって定まる電位)の差に相当する。基準電圧Vcは、ピエゾ素子417における基準となる変形状態を定めている。本実施形態は、この基準電圧Vcを、駆動電圧Vhの40%としている。このため、駆動電圧Vhと基準電圧Vcの関係を規定する比率として、値「0.4」が記憶されている。中間電圧VCは、最低電圧VLに基準電圧Vcを加算して得られた電圧である。また、最高電圧VHは、最低電圧VLに駆動電圧Vhを加算して得られた電圧である。そして、駆動電圧Vh以外のパラメータは、メモリ63の波形記憶領域63bに記憶されている。また、駆動電圧Vhに関しては、基準となる電圧値(便宜上、基準駆動電圧Vhsともいう。)が波形記憶領域63bに記憶されている。すなわち、この基準駆動電圧Vhsを、ヘッド41の周辺温度等に基づいて補正することで、実際に用いられる駆動電圧Vhが定められる。
CPU62は、所定のタイミング(例えば給紙のタイミング)で、ヘッド41の周辺温度を取得し、取得した周辺温度に基づいて駆動電圧Vhを定める。駆動電圧Vhを定めると、CPU62は、基準電圧Vc、中間電圧VC、最高電圧VHを算出する。そして、CPU62は、前述した時間PWh1〜時間PWh4を用いて、更新周期τ毎の出力電圧を求める。この更新周期τは、例えば0.1μs(クロックCLK=10MHz)〜0.05μs(クロックCLK=20MHz)である。そして、求められた更新周期τ毎の出力電圧に基づいて、更新周期τ毎のDAC値が定められ、例えばメモリ63の作業領域(図示せず)に記憶される。
駆動信号COMを生成する場合には、CPU62は、更新周期τ毎のDAC値を、D/A変換器711Aへ順次出力する。図6Bの例では、クロックCLKで規定されるタイミングt(n)で電圧V1に対応するDAC値が出力される。これにより、周期τ(n)にて、電圧増幅回路712Aからは電圧V1が出力される。そして、更新周期τ(n+4)までは、電圧V1に対応するDAC値がCPU62からD/A変換器711Aに順次入力され、電圧増幅回路712Aからは電圧V1が出力され続ける。また、タイミングt(n+5)では、電圧V2に対応するDAC値がCPU62からD/A変換器711Aに入力される。これにより、周期τ(n+5)にて、電圧増幅回路712Aの出力は、電圧V1から電圧V2へ降下する。同様に、タイミングt(n+6)では、電圧V3に対応するDAC値がCPU62からD/A変換器711Aに入力され、電圧増幅回路712Aの出力が電圧V2から電圧V3へ降下する。以下同様に、DAC値がD/A変換器711Aに順次入力されるため、電圧増幅回路712Aから出力される電圧は、次第に降下する。そして、周期τ(n+10)にて、電圧増幅回路712Aの出力は電圧V4まで降下する。
このようにして、図6Aに示される駆動信号が、第1波形生成回路71Aから出力される。
<電流増幅回路の構成について>
次に、第1電流増幅回路72Aについて説明する。図7Aは、電流増幅回路72A(72B)の構成を説明する図である。図7Bは、2つのトランジスタ対とヒートシンクの構成の説明図である。
この第1電流増幅回路72Aは、多数のピエゾ素子417が支障なく動作できるように、十分な電流を供給するための回路である。第1電流増幅回路72Aは、駆動信号COMの電圧の変化に伴って発熱する第1トランジスタ対721Aを有する。そして、この第1トランジスタ対721Aは、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2を有する。NPN型のトランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作するトランジスタである。このNPN型のトランジスタQ1は、コレクタが電源に、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。PNP型のトランジスタQ2は、電圧降下時に動作するトランジスタである。PNP型のトランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。なお、NPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2のエミッタ同士が接続されている部分の電圧(駆動信号COMの電圧)は、符号FBで示すように、電圧増幅回路712Aへフィードバックされている。
そして、この第1電流増幅回路72Aは、第1波形生成回路71Aからの出力電圧によって動作が制御される。例えば、出力電圧が上昇状態にあると、制御信号S_Q1によってNPN型のトランジスタQ1がオン状態となる。これに伴い、駆動信号COMの電圧も上昇する。一方、出力電圧が降下状態にあると、制御信号S_Q2によってPNP型のトランジスタQ2がオン状態となる。これに伴い、駆動信号COMの電圧も降下する。なお、出力電圧が一定である場合、NPN型のトランジスタQ1もPNP型のトランジスタQ2もオフ状態となる。その結果、第1駆動信号COMは一定電圧となる。
第1トランジスタ対721Aと第2トランジスタ対721Bには、共通のヒートシンク722が取り付けられている。このヒートシンク722は、4つのトランジスタが発生する熱を外部へ放出する。
<駆動信号COMについて>
本実施形態では、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bが、それぞれ異なる駆動信号COMを生成する。ここでは、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成し、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bを生成するものとして、説明を行う。但し、本実施形態では、後述するように、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bは、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとを互い違いに入れ換えて生成する。
図9には、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bが示されている。
第1駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける期間T1で生成される第1波形部SS11aと、期間T2で生成される第2波形部SS12aと、期間T3で生成される第3波形部SS13aとを有する。これらの波形部は、それぞれが駆動パルスを有している。すなわち、第1波形部SS11aは駆動パルスPS1を有している。また、第2波形部SS12aは駆動パルスPS2を、第3波形部SS13aは駆動パルスPS3をそれぞれ有している。
第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS1と駆動パルスPS3は、大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものであり、互いに同じ波形をしている。また、駆動パルスPS2は、小ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものである。そして、駆動パルスPS2は、駆動パルスPS1や駆動パルスPS3と異なる波形である。つまり、駆動パルスPS2をピエゾ素子417に印加した際において、ピエゾ素子417を変形させるシーケンスは、駆動パルスPS1をピエゾ素子417に印加した際のシーケンスとは異なる。このため、駆動パルスPS2をピエゾ素子417へ印加させることで、駆動パルスPS1の印加時とは異なる量のインク滴がノズルから吐出される。すなわち、この駆動パルスPS2をピエゾ素子417へ印加させることで、ヘッド41からは、小インク滴が吐出される。
第2駆動信号COM_Bは、期間T1で生成される第1波形部SS21aと、期間T2で生成される第2波形部SS22aと、期間T3で生成される第3波形部SS23aとを有する。本実施形態において、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21a〜第3波形部SS23aは、対応する第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11a〜第3波形部SS13aと同じ時間幅に定められている。これに伴い、第1駆動信号COM_A用の第1チェンジ信号CH_Aと、第2駆動信号COM_B用の第2チェンジ信号CH_Bは、Hレベルになるタイミングが揃えられている。この第2駆動信号COM_Bでは、第1波形部SS21aは駆動パルスPS4を、第2波形部SS22aは駆動パルスPS5をそれぞれ有している。
第2駆動信号COM_Bの駆動パルスPS4は、中ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものである。そして、駆動パルスPS4は、駆動パルスPS1や駆動パルスPS2と異なる波形である。これにより、駆動パルスPS4をピエゾ素子417に印加した際において、ピエゾ素子417を変形させるシーケンスは、駆動パルスPS1に対応するシーケンスや駆動パルスPS2に対応するシーケンスとは異なる。このため、駆動パルスPS4をピエゾ素子417へ印加させることで、駆動パルスPS1や駆動パルスPS2の印加時とは異なる量のインクを吐出させることができる。すなわち、この駆動パルスPS4をピエゾ素子417へ印加させることで、ヘッド41からは、中インク滴が吐出される。従って、この駆動パルスPS4は、中ドットの形成時において、インクを吐出させるための動作の開始から終了までを規定している。
また、駆動パルスPS5は、大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加されるものである。この駆動パルスPS5は、駆動パルスPS1や駆動パルスPS3と、同じ波形をしている。従って、大ドットの形成時にピエゾ素子417へ印加される駆動パルスPS1,駆動パルスPS3,駆動パルスPS5は、いずれも同じ波形である。なお、この第2駆動信号において、期間T3に生成される第3波形部SS23aは、中間電圧VCで一定の定電圧信号である。
<ヘッド制御部HCについて>
図8は、ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。図に示すように、ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、第1スイッチ87Aと、第2スイッチ87Bと、を備えている。制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、第1スイッチ87Aと、第2スイッチ87Bは、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。なお、ピエゾ素子417はノズル毎に設けられているので、言い換えると、これらの各部は、ノズル毎に設けられていることになる。
ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からの印刷データ(画素データSI)に基づき、インクを吐出させるための制御を行う。本実施形態では、画素データが2ビットで構成されており、クロック信号CLKに同期して、この画素データが記録ヘッド41へ送られてくる。この画素データは、上位ビット群から下位ビット群の順で送られる。本実施形態のヘッド41の各ノズル列は、1番目のノズル#1から180番目のノズル#180までの180個のノズルを有する。このため、画素データは、ノズル#1の上位ビット、ノズル#2の上位ビット、…、ノズル#179の上位ビット、ノズル#180の上位ビット、ノズル#1の下位ビット、ノズル#2の下位ビット、…、ノズル#179の下位ビット、ノズル#180の下位ビットの順で送られてくる。この結果、各画素データの上位ビット群が第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群が第2シフトレジスタ81Bにセットされる。
各第1シフトレジスタ81Aにはそれぞれ第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、各第2シフトレジスタ81Bにはそれぞれ第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。そして、プリンタ側コントローラ60からのラッチ信号LATがHレベルになると、つまり、ラッチパルスが第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bに入力されると、第1ラッチ回路82Aは第1シフトレジスタ81Aの上位ビットをラッチし、第2ラッチ回路82Bは第2シフトレジスタ81Bの下位ビットをラッチする。
第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bには、デコーダ83が電気的に接続されている。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データ(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。
図9には、ラッチ信号LAT、第1チェンジ信号CH_A及び第2チェンジ信号CH_Bが示されている。また、この図には、波形選択信号q0〜q7が示されている。
制御ロジック84には、CPU62からラッチ信号LAT、第1チェンジ信号CH_A、及び第2チェンジ信号CH_Bが入力される。制御ロジック84は、ラッチ信号LAT及び第1チェンジ信号CH_Aに基づいて、図9に示される波形選択信号q0〜q3を生成する。また、制御ロジック84は、ラッチ信号LAT及び第2チェンジ信号CH_Bに基づいて、図9に示される波形選択信号q4〜q7を生成する。制御ロジック84により生成された波形選択信号q0〜q7は、各デコーダ83に入力される。
デコーダ83は、第1ラッチ回路82Aと第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データに基づいて、第1スイッチ87Aのオンオフを制御する第1スイッチ制御信号SW1と、第2スイッチ87Bのオンオフを制御する第2スイッチ制御信号SW2とを出力する。画素データが「00」の場合、デコーダ83は、第1スイッチ制御信号SW1として波形選択信号q0を出力し、第2スイッチ制御信号SW2として波形選択信号q4を出力する。画素データが「01」の場合、デコーダ83は、第1スイッチ制御信号SW1として波形選択信号q1を出力し、第2スイッチ制御信号SW2として波形選択信号q5を出力する。画素データが「10」の場合、デコーダ83は、第1スイッチ制御信号SW1として波形選択信号q2を出力し、第2スイッチ制御信号SW2として波形選択信号q6を出力する。画素データが「11」の場合、デコーダ83は、第1スイッチ制御信号SW1として波形選択信号q3を出力し、第2スイッチ制御信号SW2として波形選択信号q7を出力する。第1スイッチ制御信号SW1がHレベルであれば第1スイッチ87Aはオン状態になり、Lレベルであればオフ状態になる。同様に、第2スイッチ制御信号SW2がHレベルであれば第2スイッチ87Bはオン状態になり、Lレベルであればオフ状態になる。
各第1スイッチ87Aには第1駆動信号COM_Aが共通に入力され、各第2スイッチ87Bには第2駆動信号COM_Bが共通に入力される。第1スイッチ87Aがオン状態であれば、第1駆動信号COM_Aがピエゾ素子417に入力される。第1スイッチ87Aがオフ状態であれば、第1駆動信号COM_Aはピエゾ素子417に入力されない。第2スイッチ87Bも同様である。第1スイッチ87Aの出力側と第2スイッチ87Bの出力側は、ともにピエゾ素子417に電気的に接続されている。第1スイッチ87Aがオンオフすることにより、第1駆動信号COM_Aを構成する波形部SS11a〜SS13aがピエゾ素子417に選択的に印加される。また、第2スイッチ87Bがオンオフすることにより、第2駆動信号COM_Bを構成する波形部SS21a〜SS23aがピエゾ素子417に選択的に印加される。
なお、どのような画素データであっても、第1スイッチ制御信号SW1と第2スイッチ制御信号SW2が同時にHレベルにならないように、波形選択信号q0〜q7が予め設定されている。これにより、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bが同時にピエゾ素子417に印加されることが防止されている。
<ピエゾ素子417に印加される信号について>
図10は、ピエゾ素子417に印加される信号の説明図である。ヘッド制御部HCは、以下に説明するように、画素データに応じた信号をピエゾ素子417に印加する。
画素データが「00」の場合、第1スイッチ制御信号SW1及び第2スイッチ制御信号SW2は、期間T1〜T3に亘って、いずれもLレベルである。このため、第1スイッチ87A及び第2スイッチ87Bはオフ状態のままなので、ピエゾ素子417にはいずれの駆動パルスも印加されない。このため、ノズルからはインクが吐出されず、ドットは形成されない。
画素データが「01」の場合、期間T2において第1スイッチ制御信号SW1がHレベルになるので、第1駆動信号COM_Aの第2波形部SS12aの駆動パルスPS2がピエゾ素子417に印加される。これにより、小ドットに対応する量のインクが、ノズルから吐出される。
画素データが「10」の場合、期間T1において第2スイッチ制御信号SW1がHレベルになるので、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21aの駆動パルスPS4がピエゾ素子417に印加される。これにより、中ドットに対応する量のインクが、ノズルから吐出される。
画素データが「11」の場合、期間T1において第1スイッチ制御信号SW1がHレベルになり、期間T2において第2スイッチ制御信号SW2がHレベルになり、期間T3において第1スイッチ制御信号SW1がHレベルになる。このため、期間T1において第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11aの駆動パルスPS1がピエゾ素子417に印加され、期間T2において第2駆動信号COM_Bの第2波形部SS22aの駆動パルスPS5がピエゾ素子417に印加され、期間T3において第1駆動信号COM_Aの第3波形部SS13aの駆動パルスPS6がピエゾ素子417に印加される。これにより、大ドットに対応する量のインクが、ノズルから吐出される。
===プリンタ1の印刷動作===
前述した構成を有するプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63に格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部(用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御する。従って、このコンピュータプログラムは、この制御を実行するためのコードを有する。そして、制御対象部を制御することで、用紙Sに対する印刷動作が行われる。
ここで、図11は、印刷動作を説明するフローチャートである。例示した印刷動作は、印刷命令の受信動作(S10)、給紙動作(S20)、ドット形成動作(S30)、搬送動作(S40)、排紙判断(S50)、排紙処理(S60)、及び印刷終了判断(S70)を有している。以下、各動作について、簡単に説明する。
印刷命令の受信動作(S10)は、コンピュータ110からの印刷命令を受信する動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60はインタフェース部61を介して印刷命令を受信する。
給紙動作(S20)は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂頭出し位置)に位置決めする動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動するなどして、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させる。
ドット形成動作(S30)は、用紙Sにドットを形成するための動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31を駆動したり、駆動信号生成回路やヘッド41に対して制御信号を出力したりする。これにより、ヘッド41の移動中にノズルNzからインクが吐出され、用紙Sにドットが形成される。
搬送動作(S40)は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動して搬送ローラ23を回転させる。この搬送動作により、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S50)は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。この判断は、例えば、印刷データの有無に基づき、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
排紙処理(S60)は、用紙Sを排出させる処理であり、先程の排紙判断で「排紙する」と判断されたことを条件に行われる。この場合、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることで、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。
印刷終了判断(S70)は、印刷を続行するか否かの判断である。この判断も、プリンタ側コントローラ60によって行われる。
===本実施形態の動作===
<駆動信号の入れ換えの必要性について>
第1電流増幅回路72Aは、駆動信号COMの生成に伴って電力を消費する。すなわち、第1電流増幅回路72Aは、駆動信号COMの生成時に、NPN型のトランジスタQ1におけるコレクタ損失と、PNP型のトランジスタQ2のコレクタ損失によって電力を消費する。第2電流増幅回路72Bも同様であるので、ここでは第1電流増幅回路72Aについてのみ説明を行う。
図12は、駆動パルスPS1と消費電力の関係の説明図である。ここでは、ピエゾ素子417に駆動パルスPS1が印加されたときのトランジスタ対721Aの消費電力について説明する。
第1電流増幅回路72AのNPN型トランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧を上昇させる時、すなわち、ピエゾ素子417を充電する時にオン状態になる。反対に、PNP型のトランジスタQ2は、駆動信号COMの電圧を降下させる時、すなわち、ピエゾ素子417を放電する時、オン状態になる。
このため、図中の時刻t21から時刻t22までの期間では、駆動信号COMの電圧が降下しているので、PNP型のトランジスタQ2が電力を消費する。また、図中の時刻23から時刻t24までの期間では、駆動信号COMの電圧が上昇しているので、NPN型のトランジスタQ1が電力を消費する。また、図中の時刻t25から時刻t26までの期間では、駆動信号COMの電圧が上昇しているので、PNP型のトランジスタQ2が電力を消費する。
そして、NPN型のトランジスタQ1の消費電力は、電源電位PWmaxと駆動信号COMの電位との差と、NPN型のトランジスタQ1に流れる電流I1(図7A参照)と、の積になる。一方、PNP型のトランジスタQ2の消費電力は、駆動信号COMの電位と接地電位GNDとの差と、PNP型のトランジスタQ2に流れる電流I2(図7A参照)と、の積になる。従って、この駆動パルスPS1がピエゾ素子417に印加されたときのトランジスタ対721Aの消費電力は、図中のハッチングにて示された期間の電位差と、これらの期間に流れる電流I1及びI2とに基づいて、算出される。本実施形態では、一つのノズル列に対応する180個の全てのピエゾ素子417に駆動パルスPS1が印加されると、1.5Wの電力がトランジスタ対721Aで消費される。
図13は、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bと消費電力との関係の説明図である。ドットの大きさに応じてピエゾ素子417に印加される駆動パルスが異なるので(図10参照)、ドットの大きさに応じて消費電力が異なることになる。また、印加される駆動パルスは第1駆動信号COM_A又は第2駆動信号COM_Bのどちらかに含まれるものなので、第1駆動信号COM_Aを生成するトランジスタ対721Aと、第2駆動信号COM_Bを生成するトランジスタ対721Bとでは、消費電力が異なる。
例えば、小ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS2のみがピエゾ素子417に印加される。このため、小ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aを生成するトランジスタ対721Aのみで3.0Wの電力が消費され、第2駆動信号COM_Bを生成するトランジスタ対721Bでは電力が消費されない。
中ドットを形成する場合、第2駆動信号COM_Bの駆動パルスPS4のみがピエゾ素子417に印加されるので、第1駆動信号COM_Aを生成するトランジスタ対721Aでは電力が消費されず、第2駆動信号COM_Bを生成するトランジスタ対721Bで2.0Wの電力が消費される。なお、小ドットを形成する場合と中ドットを形成する場合とで消費電力の大きさが異なるのは、小ドットを形成するための駆動パルスPS2と、中ドットを形成するための駆動パルスPS4の波形が異なるためである。
大ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS1と、第2駆動信号COM_Bの駆動パルスPS5と、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS3とがピエゾ素子417に印加される。このため、大ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aを生成するトランジスタ対721Aで3.0Wの電力が消費され、第2駆動信号COM_Bを生成するトランジスタ対721Bで1.5Wの電力が消費される。
このように、いずれのドットを形成する場合であっても、第1駆動信号COM_Aを生成するトランジスタ対721Aの消費電力と、第2駆動信号COM_Bを生成するトランジスタ対721Bの消費電力とが異なることになる。
ところで、消費電力が異なると言うことは、発熱量が異なるということである。このため、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成し続け、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bを生成し続けると、一方のトランジスタ対が他方のトランジスタ対に対して偏って発熱する。例えば、大ドットを形成し続けた場合、第1駆動信号生成部70Aのトランジスタ対721Aが、第2駆動信号生成部70Bのトランジスタ対721Bよりも、発熱する。
このように一方のトランジスタ対が偏って発熱すると、発熱量の多いトランジスタ対に合わせてヒートシンク722を設計する必要がある。そうなると、発熱量の少ないトランジスタ対に対して過大なヒートシンク722が設けられることになり、装置の大型化を招く。
そこで、本実施形態では、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bが生成する駆動信号COMを交互に入れ換えている。これにより、第1駆動信号生成部70Aのトランジスタ対721Aと第2駆動信号生成部70のトランジスタ対721Bが均等に発熱するようにしている。
<駆動信号の入れ換えたときの処理について1>
既に、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成し、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bを生成する場合については説明した。そこで、生成する駆動信号を入れ換え、第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号COM_Bを生成し、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号COM_Aを生成する場合について、以下に説明する。
CPU62は、第1駆動信号生成部70Aの第1波形生成回路71AのD/A変換器711Aに対して、第2駆動信号COM_Bを生成するためのDAC値を順次出力する。これにより、第1駆動信号生成部70Aから第2駆動信号COM_Bが出力される。同様に、CPU62は、第2駆動信号生成部70Bの第2波形生成回路71BのD/A変換器711Bに対して、第1駆動信号COM_Aを生成するためのDAC値を順次出力する。これにより、第2駆動信号生成部70Bから第1駆動信号COM_Aが出力される。
この結果、図8における第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bが入れ替わる。つまり、第1駆動信号COM_Aが第2スイッチ87Bに入力され、第2駆動信号COM_Bが第1スイッチ87Aに入力される。このため、スイッチ制御信号SW1とスイッチ制御信号SW2も入れ換える必要がある。(仮にスイッチ信号を入れ換えなければ、例えば、画素データ「01」(小ドット)の場合に、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS2ではなく、第2駆動信号COM_Bの駆動パルスPS5が印加され、本来の小ドットに対応しない量のインクが吐出されてしまう。)
そこで、駆動信号COMの入れ換えに伴って、制御ロジック84が出力する波形選択信号q0〜q7も変更する。具体的には、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成していたときに、制御ロジック84は、波形選択信号q0を出力していた信号線に波形選択信号q4を出力し、波形選択信号q1を出力していた信号線に波形選択信号q5を出力し、波形選択信号q2を出力していた信号線に波形選択信号q6を出力し、波形選択信号q3を出力していた信号線に波形選択信号q7を出力する。このように、駆動信号COMの入れ換えに伴って、制御ロジック84が出力する波形選択信号q0〜q3と波形選択信号q4〜q7とを入れ換える。
以上の処理により、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bが生成する駆動信号COMを入れ換えることができる。また、以上の処理により、駆動信号COMが入れ換えられたときにも、画素データに応じたドットを形成することができる。
<駆動信号の入れ換えたときの処理について2>
図14は、駆動信号を入れ換えるときの処理の別の例を示す図である。上の2つの図は、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成し、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bを生成するときの様子を示している。下の2つの図は、生成する駆動信号を入れ換え、第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号COM_Bを生成し、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号COM_Aを生成するときの様子を示している。
この例では、2つのD/A変換器の出力先が入れ替わっている。これにより、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bが生成する駆動信号COMを入れ換えることができる。また、この例では、デコーダ83から出力される第1スイッチ制御信号SW1と第2スイッチ制御信号SW2の出力先が入れ替わっている。これにより、駆動信号COMが入れ換えられたときにも、画素データに応じたドットを形成することができる。
なお、この例では、CPU62がD/A変換器711A及びD/A変換器711Bに入力するDAC値は、入れ換え前と入れ換え後とで変化はない(前述の例では、CPU62がD/A変換器711A及びD/A変換器711Bに入力するDAC値は入れ替わっていた)。また、この例では、制御ロジック84がデコーダ83に入力する波形選択信号q0〜q7は、入れ換え前と入れ換え後とで変化はない(前述の例では、波形選択信号q0〜q3と波形選択信号q4〜q7と入れ替わっていた)。このため、この例によれば、CPU62の処理が簡略化でき、制御ロジック84の構成も簡略化できる。
<入れ換え要否の判断1>
次に、駆動信号の入れ換えの要否判断の第1実施形態について説明する。図15は、第1実施形態の駆動信号の入れ換えの要否判断フロー図である。この要否判断は、ドット形成動作(S30)を行う直前に、ドット形成動作毎に、実行される。
なお、この要否判断フローは、メモリ63に記憶されているプログラムに従ってプリンタ側コントローラ60が実行する。言い換えると、プログラムは、図中の各処理をプリンタ側コントローラ60に実行させるためのコードを有する。
まず、プリンタ側コントローラ60は、印刷データを解析し、次のドット形成動作(S30)で形成される大ドット・中ドット・小ドットの数をそれぞれ計算する(S101)。印刷データには画素データが含まれており、画素データが「11」である画素の数と、画素データが「10」である画素の数と、画素データが「01」である画素の数とを抽出すれば、プリンタ側コントローラ60はそれぞれのドットの数を計算できる。なお、ドット数の計算はインク残量の検出の際にも行なわれているので、その結果を流用しても良い。ここでは、次のドット形成動作で形成される大ドット・中ドット・小ドットの数は、それぞれi個、j個、k個であるものとする。
次に、プリンタ側コントローラ60は、各ドットの数に基づいて、第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WAと、第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WBとをそれぞれ算出する(S102)。ところで、全ノズル(180個)が大ドットを形成する場合、第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力は3.0Wであり、第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力は1.5Wである(図13参照)。このため、あるドット形成動作においてk個の大ドットが形成される場合、第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力は{(3.0/180)×i}Wであり、第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力は{(1.5/180)×i}である。したがって、次のドット形成動作で形成される大ドット・中ドット・小ドットの数がそれぞれi個、j個、k個である場合、第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WA及び第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WBは、次式のように算出される。
WA = {(3.0/180)×i} + {(3.0/180)×k}
WB = {(1.5/180)×i} + {(2.0/180)×j}
次に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えずに次のドット形成動作を行った場合における第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1と、第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2との差W1を算出する(S103)。第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1及び第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2は、これまでのドット形成動作の累積消費電力(後述するS107及びS109)と、S102で算出された消費電力とを加算することにより算出される。また、同様に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えて次のドット形成動作を行った場合における第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1’と、第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2との差W1’を算出する(S104)。
次に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えない場合の累積消費電力差W1と、駆動信号を入れ換えた場合の累積消費電力差W2とを比較する(S105)。W1がW2よりも小さい場合(S105でYES)、駆動信号を入れ換えない方が2つの駆動信号生成部の発熱が均等になるので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えずに次のドット形成動作を行うと決定する(S106)。一方、W1がW2よりも大きい場合(S105でNO)、駆動信号を入れ換えた方が2つの駆動信号生成部の発熱が均等になるので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えて次のドット形成動作を行うと決定する(S108)。なお、本実施形態のようにドット形成動作毎に駆動信号の入れ換えが判断された場合、ドット形成動作の間に行なわれる搬送動作のときに、駆動信号の入れ換えに必要な処理(前述)が行われる。
なお、駆動信号を入れ換えない場合(S105でYES、S106)、第1駆動信号生成部の累積消費電力をS103で算出したWT1とし、第2駆動信号生成部の累積消費電力をS103で算出したWT2とする(S107)。これらの累積消費電力は、次に要否判断フローを実行する際のS103やS104に用いられる。
同様に、駆動信号を入れ換えた場合(S105でNO、S108)、第1駆動信号生成部の累積消費電力をS104で算出したWT1’とし、第2駆動信号生成部の累積消費電力をS104で算出したWT2’とする(S109)。これらの累積消費電力は、次に要否判断フローを実行する際のS103やS104に用いられる。
そして、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号の入れ換えの要否判断の後、その判断結果にしたがって、各駆動信号生成部から駆動信号を生成し、ドット形成動作(S30)を行う。
<入れ換え要否の判断2>
上記のようにドット形成動作毎に駆動信号入れ換え要否判断を行なわなくても良い。例えば、用紙1枚を印刷する毎に、駆動信号入れ換え要否判断を行っても良い。
図16は、第2実施形態の駆動信号入れ換え要否判断フロー図である。この要否判断は、1枚の紙を印刷する毎に(例えば給紙動作毎に)実行される。
なお、この要否判断フローは、メモリ63に記憶されているプログラムに従ってプリンタ側コントローラ60が実行する。言い換えると、プログラムは、図中の各処理をプリンタ側コントローラ60に実行させるためのコードを有する。
まず、プリンタ側コントローラ60は、印刷データを解析し、次の紙に形成される大ドット・中ドット・小ドットの数をそれぞれ計算する(S201)。次に、プリンタ側コントローラ60は、各ドットの数に基づいて、次の紙の印刷時における、第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WAと、第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WBとをそれぞれ算出する(S202)。
次に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えずに次の紙を印刷した場合における第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1と、第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2との差W1を算出する(S203)。第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1及び第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2は、これまでの印刷処理の累積消費電力(後述するS207及びS209)と、S202で算出された消費電力とを加算することにより算出される。また、同様に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えて次の紙を印刷した場合における第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1’と、第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2との差W1’を算出する(S204)。
次に、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えない場合の累積消費電力差W1と、駆動信号を入れ換えた場合の累積消費電力差W2とを比較する(S205)。W1がW2よりも小さい場合(S205でYES)、駆動信号を入れ換えない方が2つの駆動信号生成部の発熱が均等になるので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えずに次の紙を印刷すると決定する(S206)。一方、W1がW2よりも大きい場合(S205でNO)、駆動信号を入れ換えた方が2つの駆動信号生成部の発熱が均等になるので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えて次の紙を印刷すると決定する(S208)。なお、本実施形態のように印刷処理毎に駆動信号の入れ換えが判断された場合、次の紙を印刷する前に、駆動信号の入れ換えに必要な処理(前述)が行われる。
なお、駆動信号を入れ換えない場合(S205でYES、S206)、第1駆動信号生成部の累積消費電力をS203で算出したWT1とし、第2駆動信号生成部の累積消費電力をS203で算出したWT2とする(S207)。これらの累積消費電力は、次に要否判断フローを実行する際のS203やS204に用いられる。
同様に、駆動信号を入れ換えた場合(S205でNO、S208)、第1駆動信号生成部の累積消費電力をS204で算出したWT1’とし、第2駆動信号生成部の累積消費電力をS204で算出したWT2’とする(S209)。これらの累積消費電力は、次に要否判断フローを実行する際のS203やS204に用いられる。
そして、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号の入れ換えの要否判断の後、その判断結果にしたがって、次の紙を印刷する(S20〜S60)。
<入れ換え要否の判断3>
上記のように、実際のドット形成動作や印刷の前に、予め累積消費電力を求めなくても良い。例えば、ドット形成動作や印刷処理の後に、累積消費電力を算出しても良い。また、上記のように、駆動信号を入れ換えない場合と入れ換えた場合とを比較しなくても良い。例えば、累積消費電力の差が所定の閾値に達した時点で、駆動信号を入れ換えても良い。
図17は、第3実施形態の駆動信号入れ換え要否判断フロー図である。この要否判断は、ドット形成動作後毎に実行されても良いし、1枚の紙を印刷した後の毎に実行されても良い。
なお、この要否判断フローは、メモリ63に記憶されているプログラムに従ってプリンタ側コントローラ60が実行する。言い換えると、プログラムは、図中の各処理をプリンタ側コントローラ60に実行させるためのコードを有する。
まず、プリンタ側コントローラ60は、印刷データを解析し、紙に形成された大ドット・中ドット・小ドットの数をそれぞれ計算する(S301)。次に、プリンタ側コントローラ60は、各ドットの数に基づいて、これまでの第1駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WAと、これまでの第2駆動信号を生成する駆動信号生成部の消費電力WBとをそれぞれ算出する(S302)。そして、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部の累積消費電力WT1と、第2駆動信号生成部の累積消費電力WT2との差W3を算出する。
次に、プリンタ側コントローラ60は、累積消費電力差W3と所定の閾値とを比較する(S305)。閾値は予めメモリ63に記憶されており、プリンタ側コントローラ60は、メモリ63から閾値を読み出してS305の処理を行う。W3が閾値よりも小さい場合、2つの駆動信号生成部の発熱が大きく偏っていないので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号を入れ換えないと決定する(S306)。一方、W3が閾値よりも大きい場合、2つの駆動信号生成部の発熱が偏っていると考えられるので、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号の入れ換えを決定する(S308)。
そして、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号の入れ換えの要否判断の結果を反映して、印刷処理を行う。
この要否判断フローによれば、第1実施形態及び第2実施形態の要否判断フロー(図15、図16)と比較して、プリンタ側コントローラ60の演算負荷が軽減する。
ところで、印刷ジョブによっては、最初に大ドットで主に構成されるテキスト画像を印刷し、次に中ドットで主に構成される写真画像を印刷することがある。大ドットで主に構成されるテキスト画像を印刷する場合、第1駆動信号COM_Aを生成する駆動信号生成部に発熱が偏る。一方、中ドットで主に構成される写真画像を印刷する場合、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部に発熱が偏る。
そして、前述の第1実施形態及び第2実施形態によれば、このようなテキスト画像と写真画像の印刷の際にも、2つの駆動信号生成部の発熱が均等になる。一方、第3実施形態では、テキスト画像の印刷と写真画像の印刷との間で駆動信号が入れ換えられるおそれがあり、この場合、一方の駆動信号生成部に発熱が偏る。
このため、第3実施形態の要否判断フローは、印刷画像を構成するドットが一様な場合に有効である。
<ヒートシンクの小型化について>
次に、駆動信号を入れ換えるとヒートシンク722を小型化できる理由を説明する。ここでは、大ドットのみを吐出させる場合について説明する。図13に示す通り、大ドットのみを吐出させる場合、第1駆動信号COM_Aを生成する駆動信号生成部の消費電力は3Wであり、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部の消費電力は1.5Wとなる。
なお、以下の計算では、第1駆動信号COM_Aを生成する駆動信号生成部のトランジスタQ1(以下、Q1Aという)の消費電力は1.6W、トランジスタQ2(以下、Q2Aという)の消費電力は1.4Wとする。また、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部のトランジスタQ1(以下、Q1B)の消費電力は0.8W、トランジスタQ2(以下、Q2Bという)の消費電力は0.7Wとする。
また、以下の計算では、ヒートシンクに実装するトランジスタのパッケージ熱抵抗を4.2℃/Wとし、ヒートシンクへの取り付け接触熱抵抗を0.5℃/Wとする。つまり両熱抵抗の和は4.7℃/Wである。また、以下の計算では、40℃環境において、最大ジャンクション温度が125℃であるとする。
駆動信号を入れ換えない場合、トランジスタQ1A、トランジスタQ2A、トランジスタQ1B、トランジスタQ2Bに必要なヒートシンクの熱容量は、以下の通りである。
Q1A:(125−40)/1.6−4.7=48.4℃/W
Q2A:(125−40)/1.4−4.7=56.0℃/W
Q1B:(125−40)/0.8−4.7=101.6℃/W
Q2B:(125−40)/0.7−4.7=116.7℃/W

図7Bに示す通り、各トランジスタは共通のヒートシンクに並列接続されるので、駆動信号を入れ換えない場合のヒートシンクの必要熱容量は、以下の通りである。
1/(1/48.4+1/56.0+1/101.6+1/116.7)=17.58℃/W
駆動信号を入れ換える場合、トランジスタQ1AとトランジスタQ1Bの消費電力が均等になり、トランジスタQ2AとトランジスタQ2Bの消費電力が均等になるので、それぞれのトランジスタに必要なヒートシンクの熱容量は、以下の通りである。
Q1A:(125−40)/1.2−4.7=66.1℃/W
Q2A:(125−40)/1.05−4.7=76.3℃/W
Q1B:(125−40)/1.2−4.7=66.1℃/W
Q2B:(125−40)/1.05−4.7=76.3℃/W

図7Bに示す通り、各トランジスタは共通のヒートシンクに並列接続されるので、駆動信号を入れ換えない場合のヒートシンクの必要熱容量は、以下の通りである。
1/(1/66.1+1/76.3+1/66.1+1/76.3)=17.7℃/W
ヒートシンクの熱抵抗値が大きいほどサイズを小さくできるので、駆動信号を入れ換えた方がヒートシンクのサイズを小さくできる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<駆動信号について>
前述の実施形態では、第1駆動信号COM_Aの第1波形部SS11a〜第3波形部SS13aは、第2駆動信号COM_Bの第1波形部SS21a〜第3波形部SS23aと、同じ時間幅に定められている。そして、これに伴い、第1駆動信号COM_A用の第1チェンジ信号CH_Aと、第2駆動信号COM_B用の第2チェンジ信号CH_Bは、Hレベルになるタイミングが揃えられている。しかし、駆動信号やチェンジ信号は、これに限られるものではない。
図18は、各種信号の別の実施形態の説明図である。図中には、第1駆動信号COM_A、第2駆動信号COM_B、ヘッド制御信号(LAT信号、第1チェンジ信号CH_A、第2チェンジ信号CH_B)、波形選択信号q0〜q7、及びピエゾ素子に印加される信号が示されている。この実施形態では、第1チェンジ信号CH_Aと第2チェンジ信号CH_Bは、Hレベルになるタイミングが揃えられていない。そして、波形選択信号q0〜q3は、ラッチ信号LAT及び第1チェンジ信号CH_Aに基づいて、制御ロジック84により生成される。また、波形選択信号q4〜q7は、ラッチ信号LAT及び第2チェンジ信号CH_Aに基づいて、制御ロジック84により生成される。これにより、画素データに応じた信号がピエゾ素子に印加され、ドットが形成される。
この実施形態では、小ドットや中ドットを形成する場合、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部のトランジスタ対に発熱が偏る。このため、この実施形態でも駆動信号の入れ換えを行えば、第1駆動信号生成部70Aのトランジスタ対721Aと第2駆動信号生成部70Bのトランジスタ対721Bの発熱が均等になる。
なお、この実施形態では、大ドットを形成する場合、駆動信号の入れ換えを行わなくても、第1駆動信号生成部70Aのトランジスタ対721Aと第2駆動信号生成部70Bのトランジスタ対721Bが均等に発熱する。このため、大ドットで主に構成されるテキスト画像を印刷する場合には駆動信号の入れ換えを行わず、小ドットや中ドットで主に構成される写真画像を印刷する場合には駆動信号の入れ換えを行うようにしても良い。つまり、この実施形態では、印刷される画像の種類に応じて、駆動信号の入れ換えを行うか否かをCPU62が判別しても良い。
<駆動信号生成部について>
前述の実施形態では、駆動信号生成部の数は2つであった。しかし、これに限られるものではない。駆動信号生成回路が2以上の駆動信号生成部を有していても良い。
なお、2以上の駆動信号生成回路を備えたプリンタに第1実施形態を適用する場合、累積消費電力が最も少ない駆動信号生成部が、次のドット形成動作において最も消費電力が高い駆動信号を生成することが望ましい。また、累積消費電力が最も多い駆動信号生成部が、次のドット形成動作において最も消費電力が低い駆動信号を生成することが望ましい。プリンタ側コントローラ60は、このように各駆動信号生成部に駆動信号を割り当てるように、駆動信号を入れ換える。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
===まとめ===
(1)上記のプリンタ(印刷装置の一例)は、ドットを形成するために駆動されるピエゾ素子417(素子の一例)と、ピエゾ素子417を駆動するための駆動信号COMを生成する第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bと、プリンタ側コントローラ60及びヘッド制御部HCから構成されるコントローラと、を有する。
プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bに対してそれぞれDAC値を入力し、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bに駆動信号を生成させている。そして、例えば、プリンタ側コントローラ60は、あるドット形成動作(S30、図11参照)でドットを形成する際に、第1駆動信号生成部70Aに第1駆動信号COM_Aを生成させ、第2駆動信号生成部70Bに第2駆動信号COM_Bを生成させる。
ここで、例えば、小ドットを形成する場合、第1駆動信号生成部70Aにより生成された第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS2のみがピエゾ素子417に印加される(図9参照)。このため、例えば小ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aを生成する第1駆動信号生成部70Aのみで電力が消費され、第2駆動信号COM_Bを生成する第2駆動信号生成部70Bでは電力が消費されない(図13参照)。このように、所定サイズのドットを形成する場合、第1駆動信号生成部70Aの消費電力と、第2駆動信号生成部70Bの消費電力とが異なることになる。
そして、消費電力が異なると言うことは、発熱量が異なるということである。このため、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを生成し続け、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bを生成し続けると、第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号生成部70Bに対して偏って発熱する。
そこで、上記のプリンタでは、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部と第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出する(例えば、S102、S202、S203)。そして、プリンタ側コントローラ60は、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えている(例えば、S108、S208、S308)。この結果、プリンタ側コントローラ60は、別のドット形成動作でドットを形成する際に、第1駆動信号生成部70Aで第2駆動信号COM_Bを生成させるとともに、第2駆動信号生成部70Bで第1駆動信号COM_Aを生成させる。
これにより、例えば小ドットを形成する場合、第1駆動信号COM_Aを生成する第2駆動信号生成部70Bのみで電力が消費されるようになり、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号生成部70Aよりも発熱する。この結果、駆動信号の入れ換えの前後の発熱を総合的に見ると、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bが均等に発熱するようになる。
(2)前述のプリンタは、受信した印刷データに基づいて、紙にドットを形成する。印刷データには画素データが含まれており、この画素データは、紙に形成するドットを示す情報である。このため、プリンタ側コントローラ60は、印刷データを解析すれば、紙に形成されるドットの数を計算することができる。一方、形成されるドットの数が分れば、第1駆動信号COM_Aを生成する駆動信号生成部の消費電力や、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部の消費電力を算出することができる。つまり、印刷データを解析すれば、それぞれの駆動信号生成部の消費電力を算出することができる。
そこで、前述のプリンタ側コントローラは、印刷データに基づいて、第1駆動信号生成部と第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、駆動信号の入れ換えの要否を判断している。
但し、印刷データに基づいて消費電力を算出する方法に限られるものではない。但し、駆動信号生成部の消費電力を直接計測しようとすると、計測器を別途設ける必要があるので、コストがかかってしまう。また、印刷時に形成されるドットの数を随時カウントしても良いが、この場合、印刷前に消費電力を求めることができない。
(3)第1実施形態のプリンタ側コントローラ60は、ドット形成動作の前に、そのドット形成動作の際の第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの消費電力を、印刷データに基づいて予め検出している。また、第2実施形態のプリンタ側コントローラ60は、印刷処理の前に、その印刷処理の際の第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの消費電力を、印刷データに基づいて予め検出している。
このように、予め消費電力を検出することにより、第1駆動信号生成部70Aや第2駆動信号生成部70Bが偏って発熱することを未然に防ぐことができる。
(4)前述のプリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部と第2駆動信号生成部の累積消費電力(消費電力の累積値)をそれぞれ検出している。それぞれの累積消費電力に基づいてそれぞれの駆動信号生成部の温度を推測することができるため、この累積消費電力に基づいて駆動信号の入れ換えの要否を判断すれば、それぞれの駆動信号生成部の温度に応じて駆動信号を入れ換えることができる。
(5)第1実施形態及び第2実施形態のプリンタ側コントローラ60によれば、駆動信号を入れ換えない場合の累積消費電力と、駆動信号を入れ換えた場合の累積消費電力とを比較し、比較結果に応じて駆動信号の入れ換えの要否を判断している。これにより、一方の駆動信号生成部が偏って発熱することを未然に防ぐことができる。
(6)前述の第3実施形態のプリンタ側コントローラ60によれば、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの累積消費電力の差を検出している。そして、この差が所定の閾値を超えるとき、2つの駆動信号生成部の発熱が偏っていると考えられるので、プリンタ側コントローラ60は駆動信号を入れ換えている(S305でNO、S308)。これにより、一方の駆動信号生成部が偏って発熱することを防ぐことができる。
(7)前述のプリンタは、ドット形成動作(S30)と、搬送動作(S40)とを交互に繰り返すものである。そして、前述の第1実施形態のプリンタ側コントローラ60は、ドット形成動作毎に、第1駆動信号生成部と第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出する。これにより、一方の駆動信号生成部に発熱が大きく偏る前に、駆動信号を入れ換えることができる。
(8)但し、ドット形成動作のタイミングで駆動信号を入れ換えるものに限られず、前述の第2実施形態のように、用紙1枚を印刷する毎に、駆動信号入れ換え要否判断を行っても良い。この場合、1枚分の印刷を行なう間、駆動信号を入れ換えることはしないので、第1実施形態と比較して、発熱が若干偏るおそれがある。
(9)上記のプリンタは、ヒートシンク722(冷却器の一例)を有している。このヒートシンク722は、第1駆動信号生成部70Aの第1トランジスタ対721Aと第2駆動信号生成部70Bの第2トランジスタ対721Bを冷却する。
仮に、一方の駆動信号生成部に発熱が偏ると、発熱量の多い駆動信号生成部に合わせてヒートシンク722を設計する必要がある。そうなると、発熱量の少ない駆動信号生成部に対して過大なヒートシンク722が設けられることになり、装置の大型化を招く。
これに対し、上記のプリンタでは第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bが均等に発熱するので、ヒートシンク722を小さく設計することができる。
(10)上記のプリンタは、大ドット、中ドット及び小ドットを形成可能である。そして、ヘッド制御部HCは、形成されるべきドットのサイズに応じて、第1駆動信号COM_A又は第2駆動信号COM_Bに含まれる駆動パルスを選択的にピエゾ素子417に印加する。例えば、画素データが「01」の場合、形成されるべきドットが小ドットなので、ヘッド制御部HCは、第1スイッチ信号SW1として波形選択信号q1を第1スイッチ87Aに入力し、第2スイッチ制御信号SW2として波形選択信号q5を第2スイッチ87Bに入力する。これにより、ヘッド制御部HCは、第1駆動信号COM_Aの駆動パルスPS2をピエゾ素子417に印加する。
(11)大ドットを形成する場合、駆動パルスPS1、駆動パルスPS5及び駆動パルスPS3がピエゾ素子417に印加される。ところで、例えば第1駆動信号生成部70Aが大ドットを形成するための駆動パルスPS1を生成している時、第2駆動信号生成部70Bは中ドットを形成するための駆動パルスPS4を生成している。このように、あるサイズのドットを形成するための駆動パルスを一方の駆動信号生成部が生成している時に、他方の駆動信号生成部が他のサイズのドットを形成するための駆動パルスを生成するようにすれば、図9に示す期間Tを短くすることができる。この結果、印刷解像度が向上し、また、キャリッジの移動速度を高めることができるので印刷速度が向上する。
(12)上記のヘッド制御部HCは、大ドットを形成する際に、第1駆動信号COM_Aに含まれる駆動パルスPS1及び駆動パルスPS3をピエゾ素子417に印加し、第2駆動信号COM_Bに含まれる駆動パルスPS5をピエゾ素子417に印加する。
仮に、第1駆動信号COM_Aが駆動パルスPS2の代わりに駆動パルスPS5を有し、第1駆動信号COM_Aのみによって大ドットを形成するようにすると、第1駆動信号COM_Aを生成する一方の駆動信号生成部が4.5Wの電力を消費し、他方の駆動信号生成部は電力を消費しないことになる。この結果、第1駆動信号COM_Aを生成する一方の駆動信号生成部に発熱が偏ってしまう。
これに対し、上記のヘッド制御部HCでは、大ドットを形成するための3つの駆動パルスを第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bに分散させている。この結果、大ドットを形成する際に、第1駆動信号COM_Aを生成する駆動信号生成部が3.0Wの電力を消費し、第2駆動信号COM_Bを生成する駆動信号生成部が1.5Wの電力を消費する。つまり、1回のドット形成動作における発熱量の偏りを減少させることができる。
印刷システムの構成を説明する図である。 図2Aは、コンピュータ、及びプリンタの構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタが有するメモリの一部分を模式的に説明する図である。 図3Aは、本実施形態のプリンタの構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタの構成を説明する側面図である。 駆動信号生成回路の構成を説明するブロック図である。 図5Aは、第1波形生成回路及び第2波形生成回路の構成を説明するためのブロック図である。図5Bは、D/A変換器に入力されるDAC値と、電圧増幅回路からの出力電圧との関係を説明する図である。 図6Aは、生成される駆動信号の一部分を説明する図である。図6Bは、第1電流増幅回路の出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる動作を説明するための図である。 図7Aは、電流増幅回路72A(72B)の構成を説明する図である。図7Bは、2つのトランジスタ対とヒートシンクの構成の説明図である。 ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。 第1駆動信号COM_Aと、第2駆動信号COM_Bと、ヘッド制御信号と、波形選択信号q0〜q7を説明する図である。 ピエゾ素子417に印加される波形部を説明する図である。 印刷動作を説明するフローチャートである。 駆動パルスPS1と消費電力の関係の説明図である。 第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bと消費電力との関係の説明図である。 駆動信号を入れ換えるときの処理の別の例を示す図である。 第1実施形態の駆動信号の入れ換えの要否判断フロー図である。 第2実施形態の駆動信号入れ換え要否判断フロー図である。 第3実施形態の駆動信号入れ換え要否判断フロー図である。 各種信号の別の実施形態の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、S 用紙、
20 用紙搬送機構、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジ移動機構、31 キャリッジモータ、32 ガイド軸、
33 タイミングベルト、34 駆動プーリー、35 従動プーリー、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、HC ヘッド制御部、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出器、54 紙幅検出器、
60 プリンタ側コントローラ、61 インタフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 制御ユニット、70 駆動信号生成回路、
70A 第1駆動信号生成部、70B 第2駆動信号生成部、
71A 第1波形生成回路、71B 第2波形生成回路、
711A D/A変換器、711B D/A変換器、712A 電圧増幅回路、
712B 電圧増幅回路、72A 第1電流増幅回路、72B 第2電流増幅回路、
721A 第1トランジスタ対、721B 第2トランジスタ対、
Q1 NPN型のトランジスタ、Q2 PNP型のトランジスタ、
722 ヒートシンク、
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
82A 第1ラッチ回路、82B 第2ラッチ回路、
83 デコーダ、84 制御ロジック、
87A 第1スイッチ、87B 第2スイッチ、
100 印刷システム、110 コンピュータ、111 ホスト側コントローラ、
112 インタフェース部、113 CPU、114 メモリ、
120 表示装置、130 入力装置、131 キーボード、132 マウス、
140 記録再生装置、141 フレキシブルディスクドライブ装置、
142 CD−ROMドライブ装置、
COM_A 第1駆動信号、COM_B 第2駆動信号、
LAT ラッチ信号、CH_A 第1チェンジ信号、CH_B 第2チェンジ信号、
q0〜q7 波形選択信号

Claims (16)

  1. (A)ドットを形成するために駆動される素子と、
    (B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
    (C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
    (D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
    ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
    別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、
    (F)を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、印刷データに基づいて、媒体にドットを形成するものであり、
    前記コントローラは、前記印刷データに基づいて、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出する
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、前記印刷データに基づいて前記媒体にドットを形成する前に、その印刷データに基づいて前記ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の前記消費電力を、前記印刷データに基づいて、それぞれ予め検出する
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、前記印刷データに基づいて、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力の累積値をそれぞれ検出し、この累積値に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換える
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、前記駆動信号を入れ換えない場合の前記累積値と、前記駆動信号を入れ換えた場合の前記累積値とを比較し、この比較結果に応じて前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を入れ換えるか否かを決定する
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力の累積値の差を検出し、この差が所定の閾値を超えるとき、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換える
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、媒体にドットを形成するドット形成動作と、前記媒体を搬送する搬送動作とを交互に繰り返すものであり、
    前記コントローラは、前記ドット形成動作毎に、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出する
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、複数の媒体に対して連続印刷するものであり、
    前記コントローラは、前記媒体毎に、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出する
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部を冷却するための冷却器を更に有する
    ことを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、複数のサイズのドットを形成可能であり、
    前記コントローラは、形成されるべき前記ドットのサイズに応じて、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを選択的に前記素子に印加する
    ことを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置であって、
    前記所定サイズのドットを形成する際に、2以上の前記駆動パルスが前記素子に印加される場合、
    前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部の一方が、前記所定サイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成している時に、
    他方が、他のサイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成する
    ことを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項10又は11に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、最も大きいサイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加し、前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加する
    ことを特徴とする印刷装置。
  13. (A)ドットを形成するために駆動される素子と、
    (B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
    (C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
    (D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
    ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
    別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、
    (F)を有することを特徴とする印刷装置であって、
    (G)前記印刷装置は、印刷データに基づいて、媒体にドットを形成するものであり、
    (H)前記コントローラは、前記印刷データに基づいて前記媒体にドットを形成する前に、その印刷データに基づいて前記ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の前記消費電力を、前記印刷データに基づいて、それぞれ予め検出し、
    (I)前記コントローラは、前記印刷データに基づいて、前記駆動信号を入れ換えない場合の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力の累積値と、前記駆動信号を入れ換えた場合の前記累積値とを比較し、この比較結果に応じて前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を入れ換えるか否かを決定し、
    (J)前記印刷装置は、媒体にドットを形成するドット形成動作と、前記媒体を搬送する搬送動作とを交互に繰り返すものであり、
    前記コントローラは、前記ドット形成動作毎に、前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、
    (K)前記印刷装置は、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部を冷却するための冷却器を更に有し、
    (L)前記印刷装置は、複数のサイズのドットを形成可能であり、
    前記コントローラは、形成されるべき前記ドットのサイズに応じて、前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを選択的に前記素子に印加し、
    (M)前記所定サイズのドットを形成する際に、2以上の前記駆動パルスが前記素子に印加される場合、
    前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部の一方が、前記所定サイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成している時に、
    他方が、他のサイズのドットを形成するための前記駆動パルスを生成し、
    (N)前記コントローラは、最も大きいサイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加し、前記第2駆動信号に含まれる駆動パルスを前記素子に印加する。
  14. ドットを形成するために駆動される素子と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備える印刷装置を準備し、
    あるタイミングにおいて、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成するとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成して、所定サイズのドットを形成し、
    ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
    別のタイミングにおいて、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成するとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成して、前記所定サイズのドットを形成する
    ことを特徴とする印刷方法。
  15. ドットを形成するために駆動される素子と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備える印刷装置に、
    あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
    ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出させて、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えさせ、
    別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させる
    ことを特徴とするプログラム。
  16. コンピュータと印刷装置とを備えた印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    (A)ドットを形成するために駆動される素子と、
    (B)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
    (C)前記素子を駆動するための駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
    (D)あるタイミングで所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で第1駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号とは異なる第2駆動信号を生成させ、
    ドットを形成する際の前記第1駆動信号生成部と前記第2駆動信号生成部の消費電力をそれぞれ検出し、この検出結果に応じて、前記第1駆動信号生成部及び前記第2駆動信号生成部が生成する前記駆動信号を互いに入れ換えて、
    別のタイミングで前記所定サイズのドットを形成する際に、前記第1駆動信号生成部で前記第2駆動信号を生成させるとともに、前記第2駆動信号生成部で前記第1駆動信号を生成させるコントローラと、
    を有する
    ことを特徴とする印刷システム。

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