JP2006213040A - 液体吐出装置、及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動信号生成部の過度な発熱に起因する動作の停止を防止して、処理の高速化を図る。
【解決手段】
消費電力の異なる複数種類の第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを生成する第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bと、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bに基づいて、液体を吐出させるための動作をするピエゾ素子417と、第1駆動信号生成部70Aの温度と第2駆動信号生成部70Bの温度とに基づき、温度の低い側の駆動信号生成部に第1駆動信号COM_Aを生成させ、温度の高い側の駆動信号生成部に第1駆動信号COM_Aを生成させるコントローラ(プリンタ側コントローラ60)とを有する。
【選択図】 図16

Description

本発明は、複数種類の駆動信号を用いて液体を吐出させる液体吐出装置、及び液体吐出方法に関する。
複数種類の駆動信号を用いて液体を吐出させる液体吐出装置としては、例えば印刷装置がある。この印刷装置では、インクを吐出させるための駆動パルスを有する駆動信号を複数種類生成している。そして、ヘッドが有する素子へ駆動パルスを選択的に印加することにより、量が異なる複数種類のインクを吐出させている(例えば、特許文献1を参照。)。また、この種の液体吐出装置では、駆動パルスの素子への印加に伴って駆動信号生成部が発熱するが、発熱が過度になってしまうと装置の動作に支障を来してしまう。そこで、駆動信号生成部の温度を検出し、温度が閾値を超えた場合に装置の動作を一時的に停止させることが行われている(例えば、特許文献2を参照。)
特開2000−52570号公報 特開2003−72058号公報
装置の動作を停止させた場合、停止させた分だけ処理が遅くなってしまう。このため、動作の停止はできるだけ少ないことが望ましい。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動信号生成部の過度な発熱に起因する動作の停止をできるだけ少なくして、処理の高速化を図ることにある。
前記課題を解決するための主たる発明は、
消費電力の異なる複数種類の駆動信号を生成可能な複数の駆動信号生成部と、
前記複数種類の駆動信号に基づいて、液体を吐出させるための動作をする素子と、
前記複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサと、
前記温度センサからの検出信号に基づいて、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めるコントローラと、を有する液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載によって明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
すなわち、消費電力の異なる複数種類の駆動信号を生成可能な複数の駆動信号生成部と、前記複数種類の駆動信号に基づいて、液体を吐出させるための動作をする素子と、前記複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサと、 前記温度センサからの検出信号に基づいて、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めるコントローラと、を有する液体吐出装置が実現できること。
このような液体吐出装置によれば、生成させる駆動信号の種類によって、駆動信号生成部の発熱量を制御することができる。これにより、駆動信号生成部の過度な発熱を防止することができ、動作の停止をできるだけ少なくすることができる。その結果、処理の高速化が図れる。
かかる液体吐出装置であって、前記コントローラは、前記検出信号に基づく検出温度が高い程、小さい消費電力の駆動信号が生成されるように、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めること。
このような液体吐出装置によれば、相対的に検出温度が高い駆動信号生成部は消費電力の小さい駆動信号を生成し、相対的に検出温度が低い駆動信号生成部は消費電力の大きい駆動信号を生成する。このため、複数の駆動信号生成部について、発熱の偏りを防止することができる。その結果、動作の停止をできるだけ少なくすることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記駆動信号生成部は、前記素子の充放電に伴って発熱するトランジスタ対を有し、前記温度センサは、前記トランジスタ対の温度を検出すること。
このような液体吐出装置によれば、温度センサは、発熱が顕著なトランジスタ対の温度を検出するので、駆動信号生成部の温度を精度良く検出できる。
かかる液体吐出装置であって、前記コントローラは、1つの媒体に対する液体吐出動作の終了タイミングが到来する毎に、前記温度センサからの検出信号を取得すること。
このような液体吐出装置によれば、次の媒体に対する準備期間に駆動信号の生成準備ができる。このため、駆動信号の変更を行う場合において、時間的な無駄をなくすことができる。
かかる液体吐出装置であって、前記複数の駆動信号生成部は、前記液体を吐出させるための動作を規定する駆動パルスを含む駆動信号を生成すること。
このような液体吐出装置によれば、吐出させる液体の量を、駆動パルスに応じて定めることができる。これにより、吐出させる液体の量の自由度を高めることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記複数の駆動信号生成部は、含まれる前記駆動パルスが異なる複数種類の駆動信号を生成すること。
このような液体吐出装置によれば、吐出させる液体の量の自由度をより高めることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記コントローラは、前記複数の駆動信号生成部と生成される前記複数種類の駆動信号との組み合わせ毎に定められる選択データに基づき、前記駆動パルスを前記素子に印加させること。
このような液体吐出装置によれば、各駆動信号生成部が生成する駆動信号が異なる種類に切り替わったとしても、容易に対応することができる。
また、消費電力の異なる複数種類の駆動信号を生成可能な複数の駆動信号生成部と、前記複数種類の駆動信号に基づいて、液体を吐出させるための動作をする素子と、前記複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサと、1つの媒体に対する液体吐出動作の終了タイミングが到来する毎に、前記温度センサからの検出信号を取得し、前記温度センサからの検出信号に基づく検出温度が高い程、小さい消費電力の駆動信号が生成されるように、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めるコントローラと、を有する液体吐出装置であって、前記複数の駆動信号生成部は、前記素子の充放電に伴って発熱するトランジスタ対を有し、前記液体を吐出させるための動作を前記素子に行わせるための駆動パルスを含み、且つ、含まれる前記駆動パルスが異なる複数種類の駆動信号を生成し、前記温度センサは、前記トランジスタ対の温度を検出し、前記コントローラは、前記複数の駆動信号生成部と生成される前記複数種類の駆動信号との組み合わせ毎に定められる選択データに基づき、前記駆動パルスを前記素子に印加させる液体吐出装置を実現することもできる。
このような液体吐出装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサから、検出信号を取得するステップと、消費電力の異なる複数種類の駆動信号と前記複数の駆動信号生成部との組み合わせを、前記検出信号に基づいて定めるステップと、前記組み合わせに基づいて、前記複数の駆動信号から前記複数種類の駆動信号を生成させるステップと、液体を吐出させるための動作をする素子に前記複数種類の駆動信号を印加して、液体を吐出させるステップと、を有する液体吐出方法を実現することもできる。
===説明の対象===
<液体吐出装置について>
液体吐出装置には、印刷装置、カラーフィルタ製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、及びDNAチップ製造装置など、様々な種類があり、全てについて説明することは困難である。そこで、本明細書では、印刷装置としてのプリンタ、及び、このプリンタを有する印刷システムを例に挙げて説明する。なお、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも有するシステムのことであり、液体吐出装置と吐出制御装置とを有する液体吐出システムの一形態に相当する。
===印刷システム100の構成===
<全体構成について>
まず、印刷装置を印刷システム100とともに説明する。ここで、図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有する。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体に関し、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有する。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ110===
<コンピュータ110の構成について>
次に、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。ここで、図2Aは、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタ1が有するメモリ63の一部分を説明する概念図である。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有する。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したように、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能をコンピュータ110に実現させる。そして、プリンタ1は、コンピュータ110からの印刷データを受信することで印刷動作を実行する。言い換えると、コンピュータ110は、印刷データを介してプリンタ1の動作を制御しているといえる。従って、コンピュータ110は、このプリンタドライバによって、印刷制御装置として機能する。そして、プリンタドライバは、画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのコードを有する。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データSI(図12を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータである。ここで、画素とは、用紙S上に仮想的に定められた方眼状の升目であり、ドットが形成される領域を示す。そして、印刷データにおける画素データSIは、用紙S上に形成されるドットに関するデータ(例えば、ドットの大きさのデータ)である。本実施形態において、画素データSIは2ビットのデータによって構成されている。すなわち、この画素データSIには、ドット無しに対応する画素データSI(データ「00」)と、小ドットに対応する画素データSI(データ「01」)と、中ドットの形成に対応する画素データSI(データ「10」)と、大ドットに対応する画素データSI(データ「11」)とがある。従って、このプリンタ1は、1画素の中で4階調を表現できる。そして、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する斜視図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2Aも参照する。この図2Aに示すように、プリンタ1は、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、検出器群50、プリンタ側コントローラ60、及び駆動信号生成回路70を有する。なお、本実施形態において、プリンタ側コントローラ60及び駆動信号生成回路70は、共通のコントローラ基板CTRに設けられている。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、及び駆動信号生成回路70が制御される。これにより、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づき、用紙Sに画像を印刷させる。また、検出器群50の各検出器は、プリンタ1内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ60は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、用紙Sを印刷開始位置まで搬送したり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送したりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを搬送方向へ搬送するためのローラである。この搬送ローラ23の動作も搬送モータ22によって制御される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
ところで、プリンタ1の背面部には、用紙保持部2(図1を参照。)が設けられている。この用紙保持部2は、枚葉状の用紙Sを重ねた状態で保持することができる。例えば、30枚〜50枚程度の用紙Sを保持することができる。このため、用紙搬送機構20は、枚葉状の用紙Sを順次搬送させることができる。すなわち、用紙搬送機構20は、ある用紙Sに対する印刷が終了したら、印刷が終了した用紙Sを排出し、次の用紙Sを印刷開始位置まで搬送することができる。ここで、用紙Sの搬送は、プリンタ側コントローラ60によって制御される。そして、用紙Sの搬送制御において、プリンタ側コントローラ60は、主に、搬送モータ22に対する制御と、紙検出器53からの検出信号の監視とを行う。これらの処理は、比較的負荷の小さいものである。このため、プリンタ側コントローラ60は、これらの処理を行っている期間中に、他の処理を行うことができる。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有するので、キャリッジ移動方向はヘッド41の移動方向に相当し、キャリッジ移動機構30はヘッド41を移動方向に移動させるヘッド移動部に相当する。そして、このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<ヘッドユニット40について>
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、キャリッジCRに取り付けられている。このヘッドユニット40が有するヘッド41は、ヘッドケース42の下面に設けられている。また、ヘッドユニット40が有するヘッド制御部HCは、ヘッドケース42の内部に設けられている。なお、このヘッド制御部HCについては、後で詳しく説明する。
次に、ヘッド41の構造について説明する。ここで、図4は、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。例示したヘッド41は、流路ユニット41Aと、アクチュエータユニット41Bとを有する。流路ユニット41Aは、ノズルNzが設けられたノズルプレート411と、インク貯留室412aとなる開口部が形成された貯留室形成基板412と、インク供給口413aが形成された供給口形成基板413とを有する。アクチュエータユニット41Bは、圧力室414aとなる開口部が形成された圧力室形成基板414と、圧力室414aの一部を区画する振動板415と、供給側連通口416aとなる開口部が形成された蓋部材416と、振動板415の表面に形成されたピエゾ素子417とを有する。
このヘッド41には、インク貯留室412aから圧力室414aを通ってノズルNzに至る一連の流路が形成されている。使用時において、この流路はインクで満たされており、ピエゾ素子417を変形させることで、対応するノズルNzからインクを吐出させることができる。ピエゾ素子417は、その電位に応じて変形する。そして、ピエゾ素子417の電位は、印加される駆動信号COM(図5,図10等を参照。)に応じて定まる。従って、このピエゾ素子417は、駆動信号COMに基づいて、インク(液体に相当する。)を吐出させるための動作をする素子に相当する。このヘッド41には、複数のノズルNzが設けられている。そして、搬送方向に沿って所定ピッチで形成された複数のノズルNzにより、ノズル列が構成されている。本実施形態では、1つのノズル列が180個のノズルNzによって構成されている。さらに、このノズル列がキャリッジ移動方向に複数列設けられている。
また、このプリンタ1では、前述したように、画素データSIのデータ[00]に対応するドット無し、データ[01]に対応する小ドットの形成、データ[10]に対応する中ドットの形成、及びデータ[11]に対応する大ドットの形成という4種類の制御ができる。このため、各ノズルNzからは、量が異なる複数種類のインクを吐出させることができる。すなわち、各ノズルNzからは、大ドットを形成し得る量の大インク滴、中ドットを形成し得る量の中インク滴、及び小ドットを形成し得る量の小インク滴からなる3種類のインクを吐出させることができる。
<検出器群50について>
検出器群50は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。この検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出器53、及び紙幅検出器54が含まれている(図3A,図3Bを参照。)。リニア式エンコーダ51は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器54は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。また、この検出器群50には、駆動信号生成回路70が有する第1駆動信号生成部70Aの温度を検出するための第1サーミスタ55A(図5,図8Aを参照。)、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を検出するための第2サーミスタ55B(図5,図8Bを参照。)も含まれている。ここで、第1サーミスタ55Aは、第1駆動信号生成部70Aの温度を検出する温度センサに相当し、第2サーミスタ55Bは、第2駆動信号生成部70Bの温度を検出する温度センサに相当する。つまり、このプリンタ1は、複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサを有しているといえる。なお、これらの第1サーミスタ55A及び第2サーミスタ55Bについては、後で説明する。
<プリンタ側コントローラ60について>
前述したように、プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うものである。例えば、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22の回転量を制御することによって用紙搬送機構20の搬送量を制御する。また、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31の回転量を制御することによってキャリッジCRの位置を制御する。さらに、プリンタ側コントローラ60は、駆動信号生成回路70を制御することによって、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを同時に生成させる。ここで、プリンタ側コントローラ60は、所定の温度検出タイミングが到来する毎に、第1サーミスタ55A及び第2サーミスタ55Bからの検出信号を取得する。そして、取得した検出信号に基づいて、第1駆動信号生成部70Aに生成させる駆動信号COMの種類、及び、第2駆動信号生成部70Bに生成させる駆動信号COMの種類を定める。概略を説明すると、相対的に温度の低い側の駆動信号生成部には消費電力の大きい駆動信号COM(本実施形態では第1駆動信号COM_A)を生成させ、相対的に温度の高い側の駆動信号生成部には消費電力の小さい駆動信号COM(本実施形態では第2駆動信号COM_B)を生成させる。そして、ヘッド制御部HCは、この駆動信号生成回路70から出力された第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを、選択的にピエゾ素子417へ印加する。
これらの第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bは、いずれも駆動パルス(駆動パルスPS1〜駆動パルスPS6)を有する。ここで、駆動パルスとは、ピエゾ素子417の動作を規定するための信号である。この駆動パルスの形状は、吐出させるインク量に応じて定められる。このため、駆動パルスがピエゾ素子417に印加されると、その駆動パルスの形状に応じた量のインクが吐出される。従って、プリンタ側コントローラ60とヘッド制御部HCは、生成された駆動パルスをピエゾ素子417に印加させるコントローラにも相当する。これらの制御を行うため、プリンタ側コントローラ60は、ヘッド制御部HCに対して、ヘッド制御信号(クロック信号CLK,画素データSI,ラッチ信号LAT,第1チェンジ信号CH_A,第2チェンジ信号CH_B,図12を参照。)を出力する。
このプリンタ側コントローラ60は、図2Aに示すように、インタフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、制御ユニット64とを有する。インタフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110との間で、データの受け渡しを行う。CPU62は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。本実施形態では、図2Bに示すように、メモリ63の一部分が、プログラム記憶領域63a、第1波形記憶領域63b、第2波形記憶領域63cとして用いられている。プログラム記憶領域63aは、コンピュータプログラムが記憶される領域である。第1波形記憶領域63bは、第1駆動信号COM_Aを生成させるための波形情報が記憶される領域である。第2波形記憶領域63cは、第2駆動信号COM_Bを生成させるための波形情報が記憶される領域である。
そして、CPU62は、メモリ63のプログラム記憶領域63aに記憶されているコンピュータプログラムに従って各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、制御ユニット64を介して用紙搬送機構20やキャリッジ移動機構30を制御する。また、CPU62は、ヘッド41の動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに出力したり、駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を生成させるための波形情報を駆動信号生成回路70に出力したりする。
===本実施形態の駆動信号生成回路70===
<駆動信号生成回路70について>
次に、駆動信号生成回路70について説明する。ここで、図5は、駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図である。図6Aは、駆動信号生成回路70が有する第1波形生成回路71A及び第2波形生成回路71Bの構成を説明するためのブロック図である。図6Bは、第1波形生成回路71Aや第2波形生成回路71Bが有するD/A変換器711A,711Bに入力されるDAC値と、電圧増幅回路712A,712Bからの出力電圧との関係を説明する図である。図7は、駆動信号生成回路70が有する第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bの構成を説明するための図である。なお、図6A,図6B,図7において、第2波形生成回路71B側の構成は、括弧付きの符号で示している。また、図8Aは、第1電流増幅回路72Aの構成を説明するための図である。図8Bは、第2電流増幅回路72Bの構成を説明するための図である。
駆動信号生成回路70は、前述したように、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとを同時に生成する。これらの第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bは、1つのノズル列に属する全てのピエゾ素子417に対して共通に使用される。本実施形態の駆動信号生成回路70は、それぞれが第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bを生成可能な、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bとを有する。なお、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bは同じ構成であるので、まず第1駆動信号生成部70Aについて説明する。
<第1駆動信号生成部70Aについて>
第1駆動信号生成部70Aは、第1波形生成回路71Aと第1電流増幅回路72Aを有する。そして、第1波形生成回路71Aは、D/A変換器711Aと、電圧増幅回路712Aとを有する。D/A変換器711Aは、DAC値に応じた電圧信号を出力する電気回路である。このDAC値は、電圧増幅回路712Aから出力させる電圧(以下、出力電圧ともいう。)を指示するための情報であり、第1波形記憶領域63bや第2波形記憶領域63cに記憶されている波形情報に基づいて出力される。本実施形態において、DAC値は10ビットのデータによって構成されているが、便宜上、図では16進数で示している。電圧増幅回路712Aは、D/A変換器711Aからの出力電圧を、ピエゾ素子417の動作に適した電圧まで増幅する。本実施形態の電圧増幅回路712Aでは、D/A変換器711Aからの出力電圧を、最大40数Vまで増幅する。そして、増幅後の出力電圧は、制御信号S_Q1及び制御信号S_Q2として第1電流増幅回路72Aに出力される。例えば、図6Bに示す例では、D/A変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「24Eh」の場合(2進数で「1001001110」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は25Vとなる。また、D/A変換器711Aに入力されたDAC値が16進数で「0h」の場合(2進数で「0000000000」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は1.4Vとなり、入力されたDAC値が16進数で「3FF」の場合(2進数で「1111111111」の場合)、電圧増幅回路712Aで増幅された後の出力電圧は42.32Vとなる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aの最低出力電圧は1.4Vである。そして、第1波形生成回路71Aの出力電圧は、CPU62から入力されるDAC値が1つ大きくなると、0.04V上昇する。
次に、第1電流増幅回路72Aについて説明する。第1電流増幅回路72Aは、多数のピエゾ素子417が支障なく動作できるように、十分な電流を供給するための回路である。第1電流増幅回路72Aは、駆動信号COMの電圧の変化に伴って発熱する第1トランジスタ対721Aを有する。そして、この第1トランジスタ対721Aは、互いのエミッタ端子同士が接続されたNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2を有する。NPN型のトランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作するトランジスタである。このNPN型のトランジスタQ1は、コレクタが電源に、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。PNP型のトランジスタQ2は、駆動信号COMの電圧降下時に動作するトランジスタである。PNP型のトランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に、それぞれ接続されている。なお、NPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2のエミッタ同士が接続されている部分の電圧(第1駆動信号COM_Aの電圧,第2駆動信号COM_Bの電圧)は、符号FBで示すように、電圧増幅回路712A,712Bへフィードバックされている。
そして、この第1電流増幅回路72Aは、第1波形生成回路71Aからの出力電圧によって動作が制御される。例えば、出力電圧が上昇状態にあると、制御信号S_Q1によってNPN型のトランジスタQ1がオン状態となる。これに伴い、駆動信号COMの電圧も上昇する。一方、出力電圧が降下状態にあると、制御信号S_Q2によってPNP型のトランジスタQ2がオン状態となる。これに伴い、駆動信号COMの電圧も降下する。なお、出力電圧が一定である場合、NPN型のトランジスタQ1もPNP型のトランジスタQ2もオフ状態となる。その結果、駆動信号COMは一定電圧となる。
また、この第1トランジスタ対721Aには、第1ヒートシンク722A(放熱板に相当する。)が取り付けられている。図8Aに一点鎖線で示すように、第1ヒートシンク722Aは、第1トランジスタ対721Aを構成するNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2の両方に接触している。そして、これらのNPN型のトランジスタQ1及びPNP型のトランジスタQ2が発生する熱を外部に放出する。ところで、この第1トランジスタ対721Aが過度に発熱すると動作に支障を来す可能性がある。このため、本実施形態では、同じ配線基板上に設けられた第1サーミスタ55Aにより、第1トランジスタ対721Aの温度を測定している。この第1サーミスタ55Aは、NPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2の中間の位置であって、これらのトランジスタQ1,Q2の近傍の位置に実装されている。この構成を採ることで、第1トランジスタ対721Aの温度を第1サーミスタ55Aによって精度良く検出できる。
<第1駆動信号生成部70Aの動作について>
次に、第1駆動信号生成部70Aの動作の具体例について説明する。ここで、図9Aは、第1駆動信号生成部70Aによって生成される駆動信号COMの一部分を説明する図である。図9Bは、第1駆動信号生成部70Aの出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる際の動作を説明するための概念図である。プリンタ側コントローラ60のCPU62は、まず、駆動信号COMを生成するためのパラメータに基づき、更新周期τ毎の出力電圧を求める。図9Aに示される駆動パルスPS´を例に挙げると、パラメータとしては、駆動電圧Vhと、この駆動電圧Vhと基準電圧Vcの関係を規定する比率と、中間電圧VCを維持する時間PWh1と、中間電圧VCから最低電圧VLまで一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd1と、最低電圧VLを維持する時間PWh2と、最低電圧VLから最高電圧VHまで一定の傾きで電圧を上昇させる時間PWc1と、最高電圧VHを維持する時間PWh3と、最高電圧VHから中間電圧VCまで一定の傾きで電圧を降下させる時間PWd2と、中間電圧VCを維持する時間PWh4がある。
ここで、駆動電圧Vhは、駆動パルスPS´における最高電圧VHと最低電圧VLの差である。言い換えれば、ピエゾ素子417における最低電位(最低電圧VLによって定まる電位)と最高電位(最高電圧VHによって定まる電位)の差に相当する。基準電圧Vcは、ピエゾ素子417における基準となる変形状態を定めている。本実施形態は、この基準電圧Vcを、駆動電圧Vhの40%としている。このため、駆動電圧Vhと基準電圧Vcの関係を規定する比率として、値「0.4」が記憶されている。中間電圧VCは、最低電圧VLに基準電圧Vcを加算して得られた電圧である。また、最高電圧VHは、最低電圧VLに駆動電圧Vhを加算して得られた電圧である。そして、駆動電圧Vh以外のパラメータは、メモリ63の第1波形記憶領域63bや第2波形記憶領域63cに記憶されている。また、駆動電圧Vhに関しては、基準となる電圧値(便宜上、基準駆動電圧Vh´ともいう。)がメモリ63の所定領域に記憶されている。そして、この基準駆動電圧Vh´を、ヘッド41の周辺温度等に基づいて補正することで、実際に用いられる駆動電圧Vhが定められる。
CPU62は、所定のタイミングで、ヘッド41の周辺温度を取得し、取得した周辺温度に基づいて駆動電圧Vhを定める。駆動電圧Vhを定めたならば、CPU62は、基準電圧Vc、中間電圧VC、最高電圧VHを算出する。そして、CPU62は、前述した時間PWh1〜時間PWh4を用いて、更新周期τ毎の出力電圧を求める。この更新周期τは、例えば0.1μs(クロック信号CLK=10MHz)〜0.05μs(クロック信号CLK=20MHz)である。そして、求められた更新周期τ毎の出力電圧に基づいて、更新周期τ毎のDAC値が定められる。
駆動信号COMを生成する場合において、CPU62は、更新周期τ毎のDAC値を、D/A変換器711Aへ順次出力する。図9Bの例では、クロック信号CLKで規定されるタイミングt(n)で電圧V1に対応するDAC値が出力される。これにより、更新周期τ(n)にて、電圧増幅回路712A,712Bからは電圧V1が出力される。そして、更新周期τ(n+4)までは、電圧V1に対応するDAC値がD/A変換器711A,711Bに順次入力され、電圧増幅回路712A,712Bからは電圧V1が出力され続ける。また、タイミングt(n+5)では、電圧V2に対応するDAC値がD/A変換器711Aに入力される。これにより、更新周期τ(n+5)にて、電圧増幅回路712Aの出力は、電圧V1から電圧V2へ降下する。同様に、タイミングt(n+6)では、電圧V3に対応するDAC値がCPU62からD/A変換器711Aに入力され、電圧増幅回路712Aの出力が電圧V2から電圧V3へ降下する。以下同様に、DAC値がD/A変換器711Aに順次入力されるため、電圧増幅回路712Aから出力される電圧は、次第に降下する。そして、更新周期τ(n+10)にて、電圧増幅回路712Aの出力は電圧V4まで降下する。
<第2駆動信号生成部70Bについて>
次に、第2波形生成回路71B及び第2電流増幅回路72Bについて簡単に説明する。前述したように、第2波形生成回路71Bの構成は、第1波形生成回路71Aの構成と同じであり、第2電流増幅回路72Bの構成は、第1電流増幅回路72Aの構成と同じである。すなわち、この第2波形生成回路71Bは、D/A変換器711Bと、電圧増幅回路712Bとを有する。そして、第2電流増幅回路72Bは第2トランジスタ対721Bを有する。そして、この第2駆動信号生成部70Bも、更新周期τ毎のDAC値に基づいて駆動信号COMを生成する。また、この第2トランジスタ対721Bにも、第2ヒートシンク722B(他の放熱板に相当する。)が取り付けられている。この第2ヒートシンク722Bは、図8Bに示すように、第2トランジスタ対721Bを構成するNPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2の両方に接触し、これらのトランジスタから生じる熱を外部に放出する。本実施形態の第2ヒートシンク722Bは、第1トランジスタ対721Aに取り付けられる第1ヒートシンク722Aと同じものが用いられている。すなわち、形状や材質が同じものが用いられている。また、この第2駆動信号生成部70Bには第2サーミスタ55Bが設けられている。この第2サーミスタ55Bは、NPN型のトランジスタQ1とPNP型のトランジスタQ2の中間の位置であって、これらのトランジスタQ1,Q2の近傍の位置に実装されている。この構成を採ることで、第2トランジスタ対721Bの温度を第2サーミスタ55Bによって精度良く検出できる。
<生成される駆動信号COMについて>
第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bで生成される駆動信号COMは、第1駆動信号生成部70Aの温度、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度に応じて定められる。前述したように、相対的に温度の低い側の駆動信号生成部には消費電力の大きい第1駆動信号COM_Aを生成させ、相対的に温度の高い側の駆動信号生成部には消費電力の小さい第2駆動信号COM_Bを生成させる。なお、第1駆動信号生成部70Aの温度と第2駆動信号生成部70Bの温度が同じ場合には、各駆動信号生成部70A,70Bは、予め定められた駆動信号COMを生成する。この場合、本実施形態では、第1駆動信号生成部70Aに第1駆動信号COM_Aを生成させ、第2駆動信号生成部70Bに第2駆動信号COM_Bを生成させる。
以下、これらの第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bについて詳細に説明する。ここで、図10は、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを説明する図である。第1駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける期間T11で生成される第1波形部SS11と、期間T12で生成される第2波形部SS12とを有する。そして、第1波形部SS11は、駆動パルスPS1,駆動パルスPS2,駆動パルスPS3を有する。また、第2波形部SS12は、駆動パルスを有していない。すなわち、第2波形部SS12は、中間電圧VCで一定の信号である。一方、第2駆動信号COM_Bは、繰り返し周期Tにおける期間T21で生成される第3波形部SS21と、期間T22で生成される第4波形部SS22と、期間T23で生成される第5波形部SS23とを有する。これらの波形部は、それぞれ駆動パルスを有する。すなわち、第3波形部SS21は駆動パルスPS4を有する。第4波形部SS22は駆動パルスPS5を有する。そして、第5波形部SS23は駆動パルスPS6を有する。
前述した各駆動パルスのうち、第1波形部SS11が有する駆動パルスPS1,駆動パルスPS2,及び駆動パルスPS3と、第5波形部SS23が有する駆動パルスPS6は、大ドットの形成時においてピエゾ素子417に印加される。これらの駆動パルスは互いに同じ波形をしている。そして、第3波形部SS21が有する駆動パルスPS4は、中ドットの形成時においてピエゾ素子417に印加される。また、第4波形部SS22が有する駆動パルスPS5は、小ドットの形成時においてピエゾ素子417に印加される。
<各駆動信号COMの消費電力について>
前述したように、駆動信号生成回路70は駆動信号COMの生成に伴って発熱する。詳しくは、駆動信号COMの生成に伴って電流が流れることにより発熱する。そして、最も発熱する部分は第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bである。これらの第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bは、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bの生成時において、NPN型のトランジスタQ1におけるコレクタ損失と、PNP型のトランジスタQ2のコレクタ損失によって発熱する。すなわち、第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bは、発熱の分だけ電力を消費しているといえる。そして、これらの第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bは、ピエゾ素子417に印加された場合の消費電力が異なっている。すなわち、第1駆動信号COM_Aの消費電力は、第2駆動信号COM_Bの消費電力よりも大きくなっている。
ここで、駆動信号COMが有する駆動パルスと消費電力の関係について説明する。図11Aは、駆動パルスPS1とトランジスタ対(第1トランジスタ対721A,第2トランジスタ対721B)の消費電力との関係を説明する概念図である。図11Bは、駆動信号COM毎の消費電力を説明する図である。図11Aに示した駆動パルスPS1がピエゾ素子417に印加されると、ノズルNzからインクが吐出される。この駆動パルスPS1は、中間電圧VCから最低電圧VLまで一定勾配で電圧を降下させる第1放電要素と、最低電圧VLを維持する第1定電圧要素と、最低電圧VLから最高電圧VHまで一定の勾配で電圧を上昇させる充電要素と、最高電圧VHを維持する第2定電圧要素と、最高電圧VHから中間電圧VCまで一定勾配で電圧を下降させる第2放電要素を有する。
本実施形態のピエゾ素子417は、その電位が高くなる程に圧力室414aを収縮させるように変形する。このため、第1放電要素がピエゾ素子417に印加されると(ta−tb)、圧力室414aは、中間電圧VCに対応する容積から最低電圧VLに対応する容積まで膨張する。従って、この第1放電要素は、圧力室414aを膨張させるための膨張要素に相当する。続いて、第1定電圧要素がピエゾ素子417に印加される(tb−tc)。この第1定電圧要素の印加により、圧力室414aの膨張状態が維持される。従って、この第1定電圧要素は、圧力室414aの膨張状態を維持させるための膨張維持要素に相当する。続いて、充電要素がピエゾ素子417に印加される(tc−td)。充電要素の印加により、圧力室414aは最高電圧VHに対応する容積まで収縮される。そして、この充電要素の印加時間は、ピエゾ素子417が応答し得る程度の極めて短い時間に定められる。その結果、圧力室414aが急速に収縮し、ノズルNzからインクが吐出される。従って、この充電要素は、圧力室414aを急速に収縮させてインクを吐出させるための吐出要素に相当する。続いて、第2定電圧要素がピエゾ素子417に印加される(td−te)。この第2定電圧要素の印加により、圧力室414aの収縮状態が維持される。従って、この第2定電圧要素は、圧力室414aの収縮状態を維持させるための収縮維持要素に相当する。続いて、第2放電要素がピエゾ素子417に印加される(te−tf)。この第2放電要素の印加により、圧力室414aは最高電圧VHに対応する容積から中間電圧VCに対応する容積まで膨張する。そして、この膨張により、インクの吐出によって生じた圧力室414a内の圧力変動が効果的に抑制される。従って、この第2放電要素は、圧力室414a内の圧力変動を抑制する変動抑制要素に相当する。そして、この変動抑制要素により、次のインクを短い間隔で吐出させてもインクの量や飛行方向等を安定化でき、インクの高周波吐出を実現できる。
このような駆動パルスを発生するにあたり、電流増幅回路(第1電流増幅回路72A,第2電流増幅回路72B)におけるNPN型のトランジスタQ1は、駆動信号COMの電圧を上昇させる時、すなわち、ピエゾ素子417を充電する時にオン状態となる。反対に、PNP型のトランジスタQ2は、駆動信号COMの電圧を降下させる時、すなわち、ピエゾ素子417を放電する時にオン状態となる。そして、NPN型のトランジスタQ1における消費電力は、電源電位と駆動信号COMの電位との差と、NPN型のトランジスタQ1を流れる電流I1(図7を参照。)の積となる。一方、PNP型のトランジスタQ2における消費電力は、駆動信号COMの電位と接地電位の差と、PNP型のトランジスタQ2を流れる電流I2(図7を参照。)の積となる。従って、この駆動パルスPS1において、消費電力は、ハッチングにて示した期間の電位差と、これらの期間にNPN型のトランジスタQ1及びPNP型のトランジスタQ2を流れる電流I1,I2とに基づいて算出される。そして、この駆動パルスPS1の消費電力は2.0Wとなる。具体的に説明すると、1つの駆動パルスPS1が1つのノズル列に対応する180個のピエゾ素子417の全てに印加されると2.0Wの電力が消費される。
各ドットの形成時における電流増幅回路の消費電力は、図11Bに示すようになる。すなわち、大ドットの形成時において、第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bのうち、第1駆動信号COM_Aを生成する側の電流増幅回路は6.0Wの電力を消費する。そして、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路は2.0Wの電力を消費する。また、中ドットの形成時において、第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bのうち、第1駆動信号COM_Aを生成する側の電流増幅回路は電力を消費しない。これは、中ドットの形成時において、第1駆動信号COM_Aがピエゾ素子417に印加されないことによる。つまり、前述した電流I1,I2が流れないため、電力の消費は生じない。これに対し、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路は2.0Wの電力を消費する。これは、駆動パルスPS4がピエゾ素子417へ印加されるためである。同様に、小ドットの形成時において、第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bのうち、第1駆動信号COM_Aを生成する側の電流増幅回路は電力を消費しない。これに対し、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路は3.0Wの電力を消費する。これは、駆動パルスPS5がピエゾ素子417へ印加されるためである。なお、本実施形態において、ドット無しの場合には、第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bのいずれも電力を消費しない。これは、ドット無しの場合において、いずれの駆動信号COMもピエゾ素子417へ印加されないためである。
そして、第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bとを比較すると、第1駆動信号COM_Aの消費電力は、第2駆動信号COM_Bの消費電力に比べて高くなっている。これは、大ドット用の駆動パルスが、ベタを埋める際にも用いられることに起因する。すなわち、ベタを埋めるための印刷動作は、なるべく高い速度で行われることが求められる。このため、大ドットの形成時において、インクの量は他の階調に比べて多くなる。また、吐出間隔は他の階調に比べて短くなる。これらのように、大ドットの形成時には、多くのインクを短い周期で吐出させる必要があり、その結果、大ドット用の駆動パルスが多く含まれている第1駆動信号COM_Aは、第2駆動信号COM_Bに比べて消費電力が高くなっている。言い換えれば、第2駆動信号COM_Bの消費電力は、第1駆動信号COM_Aに比べて低くなっている。
<ヒートシンクのサイズについて>
次に、第1ヒートシンク722Aのサイズ、及び、第2ヒートシンク722Bのサイズについて説明する。ここで、図11Cは、必要なヒートシンクのサイズを示す図である。すなわち、この図は、階調値毎の発熱量に基づいて定められるヒートシンクの大きさを示している。この図に示すように、大ドットの形成時において、第1駆動信号COM_Aを生成する側の電流増幅回路には、170.35cmのヒートシンクが必要となる。このサイズは、大ドットで規定枚数の用紙Sを印刷した際における駆動信号生成部70A,70B(電流増幅回路72A,72B)の発熱量に基づいて定められている。本実施形態では、用紙保持部2に保持可能な最大数の用紙S(例えば50枚)に対して連続的に印刷しても、駆動信号生成部70A,70Bが過度な発熱状態とならないサイズに定められている。同様に、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路には、7.35cmのヒートシンクが必要となる。また、中ドットの形成時において、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路には、7.35cmのヒートシンクが必要とされる。また、小ドットの形成時において、第2駆動信号COM_Bを生成する側の電流増幅回路には、18.36cmのヒートシンクが必要とされる。
前述したように、このプリンタ1では、第1サーミスタ55A,第2サーミスタ55Bからの検出信号に基づいて、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bで生成される駆動信号COMが定められる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bのいずれも第1駆動信号COM_Aを生成する場合がある。従って、第1ヒートシンク722A及び第2ヒートシンク722Bは、消費電力の大きい第1駆動信号COM_Aを生成することを前提にして、そのサイズが定められている。具体的には、第1ヒートシンク722Aのサイズ、及び、第2ヒートシンク722Bのサイズは、いずれも同じサイズであり、170.35cmに定められている。
<ヘッド制御部HCについて>
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図12は、ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。図13は、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bをそれぞれ生成している際における主な制御信号を説明する図である。図14は、第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号COM_Bを、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号COM_Aをそれぞれ生成している際における主な制御信号を説明する図である。図12に示すように、ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bとを有する。これらの中で、制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、第1スイッチ85Aと、第2スイッチ85Bは、それぞれピエゾ素子417毎に設けられる。なお、ピエゾ素子417はノズルNz毎に設けられている。従って、これらの各部は、ノズルNz毎に設けられているともいえる。
ヘッド制御部HCは、プリンタ側コントローラ60からの印刷データ(詳しくは、画素データSI)に基づき、インクを吐出させるための制御を行う。本実施形態において、画素データSIは、2ビットで構成され、クロック信号CLKに同期してヘッド制御部HCへ送られてくる。なお、この画素データSIは、上位ビット群から下位ビット群の順で送られる。前述したように、各ノズル列は180個のノズルNzを有する。このため、画素データSIは、1番目のノズルNzの上位ビット、2番目のノズルNzの上位ビット、…、180番目のノズルNzの上位ビット、1番目のノズルNzの下位ビット、2番目のノズルNzの下位ビット、…、180番目のノズルNzの下位ビットの順で送られてくる。その結果、各画素データSIの上位ビットが対応する第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビットが対応する第2シフトレジスタ81Bにセットされる。
各第1シフトレジスタ81Aにはそれぞれ第1ラッチ回路82Aが電気的に接続され、各第2シフトレジスタ81Bにはそれぞれ第2ラッチ回路82Bが電気的に接続されている。そして、プリンタ側コントローラ60からのラッチ信号LATがHレベルになると、つまり、ラッチパルスが第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bに入力されると、第1ラッチ回路82Aは第1シフトレジスタ81Aの上位ビットをラッチし、第2ラッチ回路82Bは第2シフトレジスタ81Bの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bには、デコーダ83が電気的に接続されている。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。すなわち、デコーダ83には、ドット無しに対応する画素データSI(データ「00」)、小ドットに対応する画素データSI(データ「01」)、中ドットの形成に対応する画素データSI(データ「10」)、或いは、大ドットに対応する画素データSI(データ「11」)が選択的に入力される。
デコーダ83は、画素データSIの上位ビット及び下位ビットに基づいてデコードを行い、第1スイッチ85A及び第2スイッチ85Bのオンオフを制御するためのスイッチ制御信号(第1スイッチ制御信号SW_A,第2スイッチ制御信号SW_B)を出力する。スイッチ制御信号は、制御ロジック84に記憶されている選択データ(第1選択データq0〜q3,第2選択データq4〜q7)と、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSIとの組み合わせに基づいて出力される。選択データには、第1駆動信号生成部70Aで生成される駆動信号COM用の第1選択データq0〜q3と、第2駆動信号生成部70Bで生成される駆動信号COM用の第2選択データq4〜q7とがある。ここで、第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7について説明する。
前述したように、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの温度が等しい場合、第1駆動信号生成部70Aは第1駆動信号COM_Aを生成し、第2駆動信号生成部70Bは第2駆動信号COM_Bを生成する。その後は、温度が低い側の駆動信号生成部が消費電力の大きい第1駆動信号COM_Aを生成し、温度が高い側の駆動信号生成部が消費電力の小さい第2駆動信号COM_Bを生成する。このため、第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7の内容も、各駆動信号生成部70A,70Bと、生成される駆動信号COM_A,COM_Bとの組み合わせによって異なっている。すなわち、第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bをそれぞれ生成している状態(便宜上、通常状態ともいう。)と、第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号COM_Bを、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号COM_Aをそれぞれ生成している状態(便宜上、入れ替え状態ともいう。)とで異なっている。
図13に示すように、通常状態における第1選択データq0〜q3(選択データに相当する。)は、第1波形部SS11及び第2波形部SS12のピエゾ素子417への印加及び非印加を示す2ビットのデータによって構成される。また、図14に示すように、入れ替え状態における第1選択データq0〜q3(他の選択データに相当する。)は、第3波形部SS21、第4波形部SS22、及び第5波形部SS23のピエゾ素子417への印加及び非印加を示す3ビットのデータによって構成される。反対に、通常状態における第2選択データq4〜q7(選択データに相当する。)は、第3波形部SS21、第4波形部SS22、及び第5波形部SS23のピエゾ素子417への印加及び非印加を示す3ビットのデータによって構成される。また、入れ替え状態における第2選択データq4〜q7(他の選択データに相当する。)は、第1波形部SS11及び第2波形部SS12のピエゾ素子417への印加及び非印加を示す2ビットのデータによって構成される。
第1選択データq0は、第1駆動信号生成部70Aで生成される駆動信号COMに用いられ、ドット無し(データ「00」)に対応する選択データである。この第1選択データq0は、通常状態において、第1波形部SS11及び第2波形部SS12を担当し、入れ替え状態において、第3波形部SS21から第5波形部SS23を担当する。そして、ドット無しでは、第1波形部SS11から第5波形部SS23のいずれもピエゾ素子417に印加されない。このため、通常状態において、第1選択データq0はデータ「00」となり、入れ替え状態において、第1選択データq0はデータ「000」となる。なお、データ「0」は、波形部をピエゾ素子417へ印加させないことを意味する。これに対し、データ「1」は、波形部をピエゾ素子417へ印加させることを意味する。
第1選択データq1は、第1駆動信号生成部70Aで生成される駆動信号COMに用いられ、小ドットの形成(データ「01」)に対応する選択データである。この第1選択データq1も、通常状態において、第1波形部SS11及び第2波形部SS12を担当し、入れ替え状態において、第3波形部SS21から第5波形部SS23を担当する。そして、小ドットの形成では、第4波形部SS22がピエゾ素子417に印加される。このため、通常状態において、第1選択データq1はデータ「00」となり、入れ替え状態において、第1選択データq1はデータ「010」となる。
第1選択データq2,q3も、第1駆動信号生成部70Aで生成される駆動信号COMに用いられる。そして、第1選択データq2は、中ドットの形成(データ「10」)に対応する選択データであり、第1選択データq3は、大ドットの形成(データ「11」)に対応する選択データである。これらの第1選択データq2,q3も、通常状態において、第1波形部SS11及び第2波形部SS12を担当し、入れ替え状態において、第3波形部SS21から第5波形部SS23を担当する。そして、中ドットの形成では、第3波形部SS21がピエゾ素子417に印加され、大ドットの形成では、第1波形部SS11及び第5波形部SS23がピエゾ素子417に印加される。このため、通常状態において、第1選択データq2はデータ「00」となり、第1選択データq3はデータ「10」となる。また、入れ替え状態において、第1選択データq2はデータ「100」となり、第1選択データq3はデータ「001」となる。
第2選択データq4〜q7も、第1選択データq0〜q3と同様に定められる。第2選択データq4〜q7において、第1選択データq0〜q3との違いは、第2駆動信号生成部70Bで生成される駆動信号COMに用いられる点である。このため、これらの第2選択データq4〜q7については、簡単に説明することにする。
第2選択データq4は、ドット無しに対応する選択データであり、通常状態において、第3波形部SS21から第5波形部SS23を担当し、入れ替え状態において、第1波形部SS11及び第2波形部SS12を担当する。このため、第2選択データq4は、通常状態においてデータ「000」となり、入れ替え状態においてデータ「00」となる。そして、第2選択データq5は小ドットの形成に対応する選択データであり、第2選択データq6は中ドットの形成に対応する選択データであり、第2選択データq7は大ドットの形成(データ「11」)に対応する選択データである。このため、通常状態において、第2選択データq5はデータ「010」となり、第2選択データq6はデータ「100」となり、第2選択データq7はデータ「001」となる。また、入れ替え状態において、第2選択データq5,q6はデータ「00」となり、第2選択データq7はデータ「10」となる。
このように、デコーダ83は、通常状態における第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7(選択データに相当する。)と、入れ替え状態における第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7(他の選択データに相当する。)とを出力する構成であるので、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bが生成する駆動信号COMが入れ替わっても、第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7の内容を変更するだけで済み、円滑な処理を行うことができる。
<ピエゾ素子417に印加される信号について>
図15は、ピエゾ素子417に印加される駆動パルス(駆動パルスPS1〜PS6)を説明する図である。デコーダ83は、期間T11,T12及び期間T21〜T23の時系列に従って、第1スイッチ制御信号SW_Aを第1スイッチ85Aへ、第2スイッチ制御信号SW_Bを第2スイッチ85Bへそれぞれ出力する。すなわち、デコーダ83は、前述した第1選択データq0〜q3及び第2選択データq4〜q7を、画素データSIに基づいて選択し、第1スイッチ制御信号SW_A及び第2スイッチ制御信号SW_Bとして出力する。その結果、ドット無しの画素データSIに対応するピエゾ素子417には、第1駆動信号COM_Aの波形部及び第2駆動信号COM_Bの波形部のいずれも印加されない。また、小ドットの画素データSIに対応するピエゾ素子417には第2駆動信号COM_Bが有する第4波形部SS22が印加される。そして、この第4波形部SS22が有する駆動パルスPS5により、小ドットに対応する量のインクがノズルNzから吐出される。また、中ドットの画素データSIに対応するピエゾ素子417には第2駆動信号COM_Bが有する第3波形部SS21が印加される。そして、この第3波形部SS21が有する駆動パルスPS4により、中ドットに対応する量のインクがノズルNzから吐出される。また、大ドットの画素データSIに対応するピエゾ素子417には第1駆動信号COM_Aが有する第1波形部SS11、及び、第2駆動信号COM_Bが有する第5波形部SS23が印加される。そして、第1波形部SS11が有する駆動パルスPS1〜PS3、及び、第5波形部SS23が有する駆動パルスPS6により、大ドットに対応する量のインクがノズルNzから吐出される。
===プリンタ1の印刷動作===
<印刷動作の概略>
前述した構成を有するプリンタ1では、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63のプログラム記憶領域63aに格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部(用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路70)を制御する。従って、このコンピュータプログラムは、この制御を実行するためのコードを有する。そして、制御対象部を制御することで、用紙Sに対する印刷動作が行われる。この印刷動作において、プリンタ側コントローラ60は、或る用紙Sに対する印刷が終了すると、第1サーミスタ55A及び第2サーミスタ55Bからの検出信号を取得する。つまり、第1駆動信号生成部70Aの温度、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得する。そして、プリンタ側コントローラ60は、取得した温度に基づき、複数の駆動信号生成部(第1駆動信号生成部70A,第2駆動信号生成部70B)に生成させる駆動信号COMを定める。具体的には、温度の低い側の駆動信号生成部に消費電力の大きい第1駆動信号COM_Aを生成させ、温度の高い側の駆動信号生成部に消費電力の小さい第2駆動信号COM_Bを生成させる。そして、プリンタ側コントローラ60は、定めた駆動信号COMを第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bに生成させ、次の用紙Sに対する印刷を行わせる。これにより、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bについて、発熱の偏りを防止することができる。その結果、過度な発熱に起因する動作の停止が防止でき、ひいては処理の高速化が図れる。
<印刷動作時の制御>
以下、印刷動作時における制御について説明する。ここで、図16は、印刷動作を説明するフローチャートである。この印刷動作は、印刷データを受信することで開始される(S10)。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、インタフェース部61を介してコンピュータ110からの印刷データを受信する。印刷データを受信したならば、プリンタ側コントローラ60は、各駆動信号生成部の温度を取得する(S20)。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、第1サーミスタ55Aからの検出信号に基づいて第1駆動信号生成部70Aの温度を取得し、第2サーミスタ55Bからの検出信号に基づいて第2駆動信号生成部70Bの温度を取得する。各駆動信号生成部70A,70Bの温度を取得したならば、プリンタ側コントローラ60は、取得した温度に基づいて、生成させる駆動信号COMを決定する(S30)。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、相対的に温度の低い側の駆動信号生成部には消費電力の大きい第1駆動信号COM_Aを、相対的に温度の高い側の駆動信号生成部には消費電力の小さい第2駆動信号COM_Bを、それぞれ生成させるように決定をする。
生成させる駆動信号COMを決定したならば、プリンタ側コントローラ60は、給紙動作を行う(S40)。この給紙動作は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂頭出し位置)に位置決めする動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動するなどして、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させる。この制御において、プリンタ側コントローラ60は、主に、搬送モータ22に対する制御と、紙検出器53からの検出信号の監視とを行う。これらの処理は、この制御はデータの転送等に比べてCPU62に対する負荷が軽い。このため、プリンタ側コントローラ60は、これらの処理を行っている期間中に、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを生成するための処理を行う。例えば、出力するDAC値の選択、第1選択データq0〜q3や第2選択データq4〜q7の制御ロジック84への転送などの処理を行う。その結果、処理の効率化が図れ、動作の停止を防止できる。
用紙Sを印刷開始位置に位置決めしたならば、プリンタ側コントローラ60は、ドット形成動作を行う(S50)。ドット形成動作は、用紙Sにドットを形成するための動作である。この動作において、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ31を駆動したり、制御信号をヘッド41へ出力したりする。また、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bに第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを生成させるための制御を行う。この場合において、プリンタ側コントローラ60は、メモリ63の第1波形記憶領域63b及び第2波形記憶領域63cに記憶されているDAC値を、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bへ選択的に出力する。そして、生成された第1駆動信号COM_Aや第2駆動信号COM_Bは、ピエゾ素子417へ選択的に印加される。その結果、ヘッドユニット40の移動中にノズルNzからインクが吐出され、用紙Sにドットが形成される。
キャリッジCRの一方向への移動に対応する単位量のドット形成動作を行ったならば、プリンタ側コントローラ60は、搬送動作を行う(S60)。この搬送動作は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この搬送動作において、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22を駆動して搬送ローラ23を回転させる。これにより、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置にドットを形成することができる。搬送動作を行ったならば、プリンタ側コントローラ60は、排紙判断を行う(S70)。排紙判断は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、印刷データの有無などに基づき、排紙の要否を判断する。この排紙判断で「排紙しない」と判断された場合には、その用紙Sに対する印刷はまだ終了していないので、ドット形成動作(S50)が行われる。
このような一連の動作において、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bは、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを生成する。ここで、前述したように、温度の低い側の駆動信号生成部が消費電力の高い第1駆動信号COM_Aを生成し、温度の高い側の駆動信号生成部が消費電力の低い第2駆動信号COM_Bを生成するので、発熱の偏りを防止することができる。これにより、各駆動信号生成部70A,70Bの過度な発熱を防止できる。また、本実施形態のプリンタ1では、第1ヒートシンク722A及び第2ヒートシンク722Bのサイズが、消費電力の高い第1駆動信号COM_Aを生成する際の発熱量に基づいて定められている。このため、消費電力の低い第2駆動信号COM_Bを生成している側の駆動信号生成部は、この第2駆動信号COM_Bを生成している期間に温度を下げることができる。これは、第1ヒートシンク722A及び第2ヒートシンク722Bの放熱能力が、第2駆動信号COM_Bの印加に起因する発熱量よりも十分に高いことによる。この構成によっても、駆動信号生成部の過度な発熱を確実に防止できる。
一方、ステップS70の排紙判断で「排紙する」と判断された場合、その後、各駆動信号生成部70A,70Bの温度が取得される(S80)。これは、排紙の判断が、その用紙Sに対する印刷の終了を意味するためである。この駆動信号生成部の温度の取得は、前述したステップS20の動作と同様にして行われる。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、第1サーミスタ55A及び第2サーミスタ55Bからの検出信号に基づいて、第1駆動信号生成部70A及び第2駆動信号生成部70Bの温度を取得する。各駆動信号生成部70A,70Bの温度を取得したならば、プリンタ側コントローラ60は、各駆動信号生成部70A,70Bに生成させる駆動信号COMを決定する(S90)。この駆動信号COMの決定動作は、前述したステップS30の動作と同様にして行われる。すなわち、プリンタ側コントローラ60は、温度の低い側の駆動信号生成部に第1駆動信号COM_Aを生成させ、温度の高い側の駆動信号生成部に第2駆動信号COM_Bを生成させる。
生成させる駆動信号COMを決定したならば、プリンタ側コントローラ60は、排紙動作(S100)を行う。この排紙動作は、用紙Sを排出させる動作である。この排紙動作において、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることで、印刷済みの用紙Sを外部に排出させる。排紙動作を行ったならば、プリンタ側コントローラ60は、印刷終了判断(S110)を行う。この印刷終了判断は、印刷を続行するか否かの判断である。例えば、受信した印刷データで定められた枚数の用紙Sに対して印刷が行われたならば印刷終了と判断される。また、受信した印刷データで定められた枚数の用紙Sに対する印刷が終了していない場合には、前述したステップS40に戻り、次の用紙Sに対する印刷が行われる。
次の用紙Sに印刷をするにあたり、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22等の制御を行うが、この制御はデータの転送等に比べてCPU62に対する負荷が軽い。このため、プリンタ側コントローラ60は、搬送モータ22等の制御を行いつつも他の制御が行える。そこで、本実施形態では、生成させる駆動信号COMを決定した後、排紙動作(S100)や給紙動作(S40)の期間を利用して、駆動信号COMを生成させるための制御を行っている。このように構成することで、次の用紙Sに対する印刷動作を早期に開始することができる。その結果、印刷動作の高速化や効率化が図れる。
<印刷動作の具体例>
次に、印刷動作の具体例について説明する。ここで、図17は、印刷動作の具体例を説明するための概念図である。この具体例では、複数枚の用紙Sに印刷を行った際の動作を説明しており、第n−1枚の用紙Sへの印刷終了時のタイミングで、第1駆動信号生成部70Aの温度が第2駆動信号生成部70Bの温度よりも高くなっている。
印刷データを受信すると(S10)、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70Aの温度、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得し(S20)、第1駆動信号生成部70Aに生成させる駆動信号COMと、第2駆動信号生成部70Bに生成させる駆動信号COMとを決定する(S30)。このタイミングでは、第1枚目の印刷であるので、第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの温度は揃っている。このため、プリンタ側コントローラ60は、予め定められた組み合わせで第1駆動信号COM_Aと第2駆動信号COM_Bを生成させる。すなわち、第1駆動信号生成部70Aには第1駆動信号COM_Aを生成させ、第2駆動信号生成部70Bには第2駆動信号COM_Bを生成させる決定をする。次に、プリンタ側コントローラ60は、給紙動作(S40)を制御するとともに、駆動信号COMの生成準備をする。用紙Sを印刷開始位置に位置決めしたならば、プリンタ側コントローラ60は、第1枚目の用紙Sに対して印刷動作(S50,S60)を行う。このとき、前述したように、第1駆動信号生成部70Aは第1駆動信号COM_Aを生成し、第2駆動信号生成部70Bは第2駆動信号COM_Bを生成する。
第1枚目の用紙Sに対する印刷動作が終了すると、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70Aの温度、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得し(S80)、第1駆動信号生成部70Aに生成させる駆動信号COMと、第2駆動信号生成部70Bに生成させる駆動信号COMとを決定する(S90)。この例では、第1枚目の用紙Sに対する印刷終了タイミングにおいて、第1駆動信号生成部70Aの温度及び第2駆動信号生成部70Bの温度が同じである。このため、プリンタ側コントローラ60は、第1枚目の用紙Sへの印刷時と同じ組み合わせとなるように、生成させる駆動信号COMを決定する。そして、プリンタ側コントローラ60は、印刷済みの用紙Sを排出し(S100)、第2枚目の用紙Sに対する給紙動作(S40)や駆動信号COMの生成準備を行う。用紙Sを印刷開始位置に位置決めしたならば、プリンタ側コントローラ60は、第2枚目の用紙Sに対して印刷動作(S50,S60)を行う。
以下同様にして用紙Sに対する印刷動作が行われる。そして、第n−1枚目の用紙Sに対する印刷動作が終了すると、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70Aの温度、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得し(S80)、第1駆動信号生成部70Aに生成させる駆動信号COMと、第2駆動信号生成部70Bに生成させる駆動信号COMとを決定する(S90)。このタイミングでは、第1駆動信号生成部70Aの温度が第2駆動信号生成部70Bの温度よりも高くなっているため、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70Aに第2駆動信号COM_Bを生成させ、第2駆動信号生成部70Bに第1駆動信号COM_Aを生成させる決定をする。そして、プリンタ側コントローラ60は、印刷済みの用紙Sを排出し(S100)、第n枚目の用紙Sに対する給紙動作(S40)や駆動信号COMの生成準備を行う。次に、プリンタ側コントローラ60は、第n枚目の用紙Sに対して印刷動作(S50,S60)を行う。このとき、第1駆動信号生成部70Aは第2駆動信号COM_Bを生成し、第2駆動信号生成部70Bは第1駆動信号COM_Aを生成するため、前述したように、第1駆動信号生成部70Aの温度を下げることができる。このため、第1駆動信号生成部70Aの過度な発熱を防止することができ、過度な発熱に起因する動作の停止を防止することができる。
そして、第n枚目の用紙Sに対する印刷動作が終了すると、プリンタ側コントローラ60は、第1駆動信号生成部70A、及び、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得し(S80)、第1駆動信号生成部70Aに生成させる駆動信号COMと、第2駆動信号生成部70Bに生成させる駆動信号COMとを決定する(S90)。以後は、同様にして、最終の用紙Sまで印刷が行われる。
===その他の実施の形態===
前述した実施形態は、プリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には、液体の吐出方法や液体吐出システム等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<温度取得タイミングについて>
前述した実施形態では、1枚の用紙Sへの印刷が終了する毎に第1駆動信号生成部70Aの温度と、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得するように構成されていたが、温度の取得はこのタイミングに限定されるものではない。例えば、キャリッジCRの移動回数(パス数)に基づき、温度の取得タイミングを定めてもよい。具体的には、キャリッジCRがキャリッジ移動方向へ規定回数移動する毎に、第1駆動信号生成部70Aの温度と、第2駆動信号生成部70Bの温度を取得してもよい。
<第1駆動信号生成部70Aと第2駆動信号生成部70Bの温度について>
前述した実施形態では、2つの駆動信号生成部の温度を比較して、低い方の駆動信号生成部に第1駆動信号COM_Aを生成させ、高い方の駆動信号生成部に第2駆動信号COM_Bを生成させている。この点に関し、2つの駆動信号生成部の温度差が閾値(判断基準値)を超えた場合に、生成させる駆動信号COMを入れ替えるように構成してもよい。このように構成した場合、駆動信号COMの入れ替え回数を少なくでき、入れ替えに伴う処理の煩雑化を防止することができる。
<駆動信号生成回路70について>
駆動信号生成回路70に関し、前述した実施形態では2種類の駆動信号COMを同時に生成させるものであった。しかし、駆動信号生成回路70に駆動信号生成部を3つ以上設け、3種類以上の駆動信号COMを同時に生成させる構成であってもよい。
<温度センサについて>
また、第1駆動信号生成部70Aや第2駆動信号生成部70Bの温度検出に関し、サーミスタ以外の素子(温度センサに相当する。)を用いてもよい。例えば、ダイオードを用いてもよい。
<インクを吐出させる素子について>
前述した実施形態では、ピエゾ素子417を用いてインクを吐出させていた。しかし、インクを吐出させるための素子は、ピエゾ素子417に限られるものではない。インクを吐出させるための動作を実行である素子ならば使用することができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、液体状の染料インク又は顔料インクをノズルNzから吐出させていた。しかし、ノズルNzから吐出させるインクは、液体状であれば、このようなインクに限られるものではない。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
印刷システム100の構成を説明する図である。 図2Aは、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。図2Bは、プリンタ1が有するメモリ63の一部分を説明する概念図である。 図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する斜視図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。 ヘッド41の構造を説明するための断面図である。 駆動信号生成回路70の構成を説明するブロック図である。 図6Aは、駆動信号生成回路70が有する第1波形生成回路71A及び第2波形生成回路71Bの構成を説明するためのブロック図である。図6Bは、第1波形生成回路71Aや第2波形生成回路71Bが有するD/A変換器711A,711Bに入力されるDAC値と、電圧増幅回路712A,712Bからの出力電圧との関係を説明する図である。 駆動信号生成回路70が有する第1電流増幅回路72A及び第2電流増幅回路72Bの構成を説明するための図である。 図8Aは、第1電流増幅回路72Aの構成を説明するための図である。図8Bは、第2電流増幅回路72Bの構成を説明するための図である。 図9Aは、第1駆動信号生成部70Aによって生成される駆動信号COMの一部分を説明する図である。図9Bは、第1駆動信号生成部70Aの出力電圧を、電圧V1から電圧V4まで降下させる際の動作を説明するための概念図である。 図10は、第1駆動信号COM_A及び第2駆動信号COM_Bを説明する図である。 図11Aは、駆動パルスPS1とトランジスタ対の消費電力との関係を説明する概念図である。図11Bは、駆動信号COM毎の消費電力を説明する図である。図11Cは、必要なヒートシンクのサイズを示す図である。 ヘッド制御部HCの構成を説明するブロック図である。 第1駆動信号生成部70Aが第1駆動信号COM_Aを、第2駆動信号生成部70Bが第2駆動信号COM_Bをそれぞれ生成している際における主な制御信号を説明する図である。 第1駆動信号生成部70Aが第2駆動信号COM_Bを、第2駆動信号生成部70Bが第1駆動信号COM_Aをそれぞれ生成している際における主な制御信号を説明する図である。 ピエゾ素子417に印加される駆動パルスを説明する図である。 印刷動作を説明するフローチャートである。 印刷動作の具体例を説明するための概念図である。
符号の説明
1 プリンタ,2 用紙保持部,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,
22 搬送モータ,23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 従動プーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,
41A 流路ユニット,41B アクチュエータユニット,
411 ノズルプレート,412 貯留室形成基板,412a インク貯留室,
413 供給口形成基板,413a インク供給口,
414 圧力室形成基板,414a 圧力室,415 振動板,
416 蓋部材,416a 供給側連通口,417 ピエゾ素子,
42 ヘッドケース,50 検出器群,51 リニア式エンコーダ,
52 ロータリー式エンコーダ,53 紙検出器,54 紙幅検出器,
55A 第1サーミスタ,55B 第2サーミスタ,
60 プリンタ側コントローラ,61 インタフェース部,62 CPU,
63 メモリ,63a プログラム記憶領域,63b 第1波形記憶領域,
63c 第2波形記憶領域,64 制御ユニット,
70 駆動信号生成回路,70A 第1駆動信号生成部,71A 第1波形生成回路,
711A D/A変換器,712A 電圧増幅回路,72A 第1電流増幅回路,
721A 第1トランジスタ対,722A 第1ヒートシンク,
70B 第2駆動信号生成部,71B 第2波形生成回路,711B D/A変換器,
712B 電圧増幅回路,72B 第2電流増幅回路,
721B 第2トランジスタ対,722B 第2ヒートシンク,
81A 第1シフトレジスタ,81B 第2シフトレジスタ,
82A 第1ラッチ回路,82B 第2ラッチ回路,
83 デコーダ,84 制御ロジック,
85A 第1スイッチ,85B 第2スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,120 表示装置,
130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,CTR コントローラ基板,CR キャリッジ,HC ヘッド制御部,
CLK クロック信号,SI 画素データ,LAT ラッチ信号,
CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,
Q1 NPN型のトランジスタ,Q2 PNP型のトランジスタ,τ 更新周期
Vh 駆動電圧,Vc 基準電圧,I1 電流,I2 電流,
COM 駆動信号,COM_A 第1駆動信号,COM_B 第2駆動信号,
SS11 第1波形部,SS12 第2波形部,SS21 第3波形部,
SS22 第4波形部,SS23 第5波形部,PS1〜PS6 駆動パルス,
q0〜q3 第1選択データ,q4〜q7 第2選択データ

Claims (9)

  1. 消費電力の異なる複数種類の駆動信号を生成可能な複数の駆動信号生成部と、
    前記複数種類の駆動信号に基づいて、液体を吐出させるための動作をする素子と、
    前記複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサと、
    前記温度センサからの検出信号に基づいて、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めるコントローラと、を有する液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記コントローラは、
    前記検出信号に基づく検出温度が高い程、小さい消費電力の駆動信号が生成されるように、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定める、液体吐出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    前記素子の充放電に伴って発熱するトランジスタ対を有し、
    前記温度センサは、
    前記トランジスタ対の温度を検出する液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記コントローラは、
    1つの媒体に対する液体吐出動作の終了タイミングが到来する毎に、前記温度センサからの検出信号を取得する液体吐出装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の液体吐出装置であって、
    前記複数の駆動信号生成部は、
    前記液体を吐出させるための動作を規定する駆動パルスを含む駆動信号を生成する液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記複数の駆動信号生成部は、
    含まれる前記駆動パルスが異なる複数種類の駆動信号を生成する液体吐出装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の液体吐出装置であって、
    前記コントローラは、
    前記複数の駆動信号生成部と生成される前記複数種類の駆動信号との組み合わせ毎に定められる選択データに基づき、前記駆動パルスを前記素子に印加させる液体吐出装置。
  8. 消費電力の異なる複数種類の駆動信号を生成可能な複数の駆動信号生成部と、
    前記複数種類の駆動信号に基づいて、液体を吐出させるための動作をする素子と、
    前記複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサと、
    1つの媒体に対する液体吐出動作の終了タイミングが到来する毎に、前記温度センサからの検出信号を取得し、前記温度センサからの検出信号に基づく検出温度が高い程、小さい消費電力の駆動信号が生成されるように、前記複数の駆動信号生成部に生成させる駆動信号を定めるコントローラと、
    を有する液体吐出装置であって、
    前記複数の駆動信号生成部は、
    前記素子の充放電に伴って発熱するトランジスタ対を有し、
    前記液体を吐出させるための動作を規定する駆動パルスを含み、且つ、含まれる前記駆動パルスが異なる複数種類の駆動信号を生成し、
    前記温度センサは、
    前記トランジスタ対の温度を検出し、
    前記コントローラは、
    前記複数の駆動信号生成部と生成される前記複数種類の駆動信号との組み合わせ毎に定められる選択データに基づき、前記駆動パルスを前記素子に印加させる液体吐出装置。
  9. 複数の駆動信号生成部のそれぞれに設けられた温度センサから、検出信号を取得するステップと、
    消費電力の異なる複数種類の駆動信号と前記複数の駆動信号生成部との組み合わせを、前記検出信号に基づいて定めるステップと、
    前記組み合わせに基づいて、前記複数の駆動信号から前記複数種類の駆動信号を生成させるステップと、
    液体を吐出させるための動作をする素子に前記複数種類の駆動信号を印加して、液体を吐出させるステップと、を有する液体吐出方法。

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