JP2008114411A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体吐出装置は、ヘッドユニット群30と、駆動信号生成部40と、セレクタ群50と、を有する。ヘッドユニット群30は、供給された駆動信号COMに基づいてインク(液体)の吐出動作をするヘッドユニット30を複数有している。駆動信号生成部40は、駆動信号COM_A、COM_Bを生成する複数の駆動信号生成回路を複数有している。セレクタ群50は、ヘッドユニット群30と駆動信号生成部40との間であって、フレキシブルケーブルFFCとヘッドユニット群30との間配置されており、或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給されるヘッドユニットを、複数のヘッドユニットの中から選択する。
【選択図】図1
Description
(A)供給された駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドユニットを複数有するヘッドユニット群と、
(B)前記駆動信号を生成する駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群と、
(C)前記ヘッドユニット群と前記駆動信号生成回路群との間に配置され、前記駆動信号を供給する配線部材と、
(D)前記ヘッドユニット群と前記配線部材との間に配置され、或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給される前記ヘッドユニットを、複数の前記ヘッドユニットの中から選択するセレクタ部と、
(E)を有する液体吐出装置である。
すなわち、(A)供給された駆動信号に基づいて液体の吐出動作をするヘッドユニットを複数有するヘッドユニット群と、(B)前記駆動信号を生成する駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群と、(C)前記ヘッドユニット群と前記駆動信号生成回路群との間に配置され、或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給される前記ヘッドユニットを、複数の前記ヘッドユニットの中から選択するセレクタ部と、(D)を有する液体吐出装置を実現できることが明らかにされる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路とヘッドユニットの組み合わせを、セレクタ部によって変更することができる。このため、駆動信号生成回路を効率よく使用できる。
また、次の構成を有する液体吐出装置が実現できることも明らかとされる。
すなわち、(A)供給された駆動信号に基づいて液体の吐出動作をするヘッドユニットを複数有するヘッドユニット群と、(B)前記駆動信号を生成する駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群と、(C)前記ヘッドユニット群と前記駆動信号生成回路群との間に配置され、前記駆動信号を供給する配線部材と、(D)前記ヘッドユニット群と前記配線部材との間に配置され、或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給される前記ヘッドユニットを、複数の前記ヘッドユニットの中から選択するセレクタ部と、(E)を有する液体吐出装置が実現できることも明らかにされる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路とヘッドユニットの組み合わせを、セレクタ部によって変更することができる。このため、駆動信号生成回路を効率よく使用できる。
このような液体吐出装置によれば、所定数のヘッドユニットを用いて広い面積に液体を吐出させることができる。
このような液体吐出装置によれば、或る駆動信号生成回路で生成された第1駆動信号を供給するヘッドユニットと、この駆動信号生成回路で生成された第2駆動信号を供給するヘッドユニットとを選択できるので、駆動信号生成回路をより効率よく使用することができる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号とヘッドユニットの組み合わせを定めるに際し、駆動信号生成回路の使用状態が加味される。このため、駆動信号生成回路をより効率よく使用することができる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路をより効率よく使用することができる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路をより効率よく使用することができる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路とヘッドユニットの組み合わせを適正化できる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号生成回路とヘッドユニットの組み合わせを、適正なタイミングで変更できる。
このような液体吐出装置によれば、ヘッドユニットの組み合わせを、適正なタイミングで変更できる。
このような液体吐出装置によれば、駆動信号が供給されるヘッドユニットを高速で選択できる。
すなわち、(A)供給された駆動信号に基づいて液体の吐出動作をするヘッドユニットを複数有するヘッドユニット群と、前記駆動信号を生成する駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群とを有する液体吐出装置による液体吐出方法であって、(B)或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給されるヘッドユニットを選択すること、(C)或る駆動信号生成回路からの駆動信号を、選択したヘッドユニットへ供給し、液体の吐出動作を行わせること、(D)を行う液体吐出方法を実現できることも明らかにされる。
<印刷システム100の全体構成について>
図1に示すように、印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は印刷装置に相当し、用紙S(図2Aを参照。)、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。また、プリンタ1は、液体状のインクを吐出するので、液体吐出装置にも相当する。加えて、媒体とは、各ヘッドユニット30A〜30H(図3を参照。)から吐出されたインクが着弾する対象物に相当する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタ1ドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120はCRTや液晶表示装置等である。また、入力装置130はキーボード等であり、記録再生装置140はフレキシブルディスクドライブ装置等である。なお、記録再生装置140は、コンピュータ110のケースに取り付けられている。
コンピュータ110はホスト側コントローラ111を有する。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、表示装置120、入力装置130、及び、記録再生装置140と通信可能に接続されている。そして、ホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間でデータの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。コンピュータ110から出力される印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであり、各種のコマンドデータとドット形成データSI(図7を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。ドット形成データSIとは、用紙Sの上に形成されるドットの大きさに関するデータである。すなわち、ドット形成データSIは、ドット階調をノズル毎に表す指令階調値群によって構成されている。各指令階調値は単位領域毎に定められる。単位領域とは、用紙S等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域である。ドットの大きさは、吐出されるインク(液体の一種)の量によって定まる。このため、指令階調値は液体の吐出量を規定する情報といえる。なお、このプリンタ1において、指令階調値は2ビットのデータによって構成されている。このため、ドットの形成は、単位領域毎に4段階のドット階調で制御できる。
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。図1に示すように、プリンタ1は、プリンタ側コントローラ10、用紙搬送機構20、ラインヘッドユニットLU(ヘッドユニット群30)、駆動信号生成部40、セレクタ群50、及び、検出器群60を有する。
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ10によって制御対象部が制御される。例えば、用紙搬送機構20、ヘッドユニット群30、及び、駆動信号生成部40が制御される。このプリンタ側コントローラ10は、インタフェース部11と、CPU12と、メモリ13と、制御ユニット14とを有する。インタフェース部11は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU12は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等によって構成される。CPU12は、メモリ13に記憶されているコンピュータプログラムに従い、各制御対象部を制御する。制御ユニット14は用紙搬送機構20に対する制御信号を出力する。例えば、用紙搬送機構20が有する搬送モータ21を動作させるための動作信号を出力する。
用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させるものであり、媒体を搬送方向に搬送する媒体搬送部に相当する。図2A及び図2Bに示すように、用紙搬送機構20は、搬送モータ21と、給紙ローラ22と、搬送ベルト23と、第1搬送ローラ24と、第2搬送ローラ25とを有する。搬送モータ21は、用紙Sを搬送方向に搬送させるための駆動源である。給紙ローラ22は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1の内部へ搬送する。搬送ベルト23は、用紙Sを搬送するためのベルトであり、搬送方向の上流側及び下流側に配置された第1搬送ローラ24及び第2搬送ローラ25によって搬送される。搬送モータ21は、プリンタ側コントローラ10からの制御信号によって動作する。そして、この搬送モータ21によって与えられる動力により、給紙ローラ22、第1搬送ローラ24、第2搬送ローラ25が回転する。このため、プリンタ側コントローラ10は、用紙Sの搬送を制御するコントローラに相当する。
図2A及び図3に示すように、ラインヘッドユニットLUは、ベースフレームBFと、ヘッドユニット群30(複数のヘッドユニット30A〜30H)とを有している。ベースフレームBFは、搬送方向と交差する交差方向に長い矩形状の板材である。本実施形態における交差方向は、搬送方向と直交する方向である。従って、交差方向は紙幅方向に相当する。ベースフレームBFには、各ヘッドユニット30A〜30Hの本体部は貫通させるがフランジ部は貫通させない大きさの貫通口が形成されている。ヘッドユニット群30を構成する各ヘッドユニット30A〜30Hは、ベースフレームBFに対して千鳥状に取り付けられている。このラインヘッドユニットLUでは、1つのベースフレームBFに対して8個のヘッドユニット30A〜30Hが取り付けられている。そして、4個のヘッドユニット30A,30C,30E,30Gが下流側ヘッドユニット群(第1ヘッドユニット群に相当する。)を構成し、紙幅方向に沿って所定間隔で配置される。また、残りの4個のヘッドユニット30B,30D,30F,30Hが上流側ヘッドユニット群(第2ヘッドユニット群に相当する。)を構成し、やはり紙幅方向に沿って所定間隔で配置される。
次に、ヘッドユニット群30を構成する各ヘッドユニット30A〜30Hについて説明する。ここで、各ヘッドユニット30A〜30Hは、何れも同じ構成である。このため、1つのヘッドユニット30Aについて説明し、残りのヘッドユニット30B〜30Hについては説明を省略する。図4A,図4Bに示すように、このヘッドユニット30Aは、ケース31と、流路ユニット32と、ピエゾ素子ユニット33とを有する。ケース31はピエゾ素子ユニット33を収容するための部材である。このケース31の先端面には、流路ユニット32が取り付けられている。流路ユニット32は、共通インク室321と圧力室322とを有する。ピエゾ素子ユニット33は、ピエゾ素子群331を有する。このピエゾ素子群331は櫛歯状をしており、1つ1つの櫛歯状部分がピエゾ素子PZTに相当する。このピエゾ素子PZTは、インクを吐出するための動作をする素子に相当する。この実施形態において、ピエゾ素子PZTは、印加された駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B,図6Aを参照。)に応じ、素子の長手方向に伸縮する。そして、ピエゾ素子PZTの伸縮によってノズルNzからインクを吐出させることができる。また、このヘッドユニット30Aは、駆動信号COMの各ピエゾ素子PZTへの印加を制御するヘッド制御部70を有する。このヘッド制御部70については後述する。
次に、ノズルNz及び各ヘッドユニット30A〜30Hの位置関係について説明する。図5に一部を示すように、各ヘッドユニット30A〜30Hのそれぞれが有する複数のノズルNzは、所定方向(ピエゾ素子PZTの配置方向)へ向けて列状に形成され、ノズル列を構成している。1つのノズル列は、所定数のノズルNzによって構成されている。そして、同じノズル列に属する各ノズルNzは、一定の間隔Pnで形成されている。各ヘッドユニット30A〜30Hは、それぞれ4つのノズル列を有している。この例において、各ノズル列は、互いに平行な状態で形成されている。なお、隣り合うノズル列同士の形成間隔Lnは印刷解像度によって規定されている。具体的には、印刷解像度の整数倍に規定されている。これは、異なるノズル列から吐出されたインクについて、その着弾位置を揃えるためである。また、各ヘッドユニット30A〜30Hは、それぞれのヘッドユニットが有するノズル列を紙幅方向(交差方向)に向けた状態で、ベースフレームBFに取り付けられている。つまり、ヘッドユニット群30を構成する複数のヘッドユニット30A〜30Hは、互いにノズル列の方向に並べられている。この構成により、ベースフレームBFで定められる限られたスペースの中に、多くのヘッドユニットを配置することができる。また、所定数のヘッドユニット30A〜30Hを用いて広い範囲へインクを吐出することができる。
駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hに対応する数の駆動信号生成回路40A〜40H(それぞれが駆動信号生成ユニットに相当する。)によって構成される。本実施形態の駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hと同数の8個の駆動信号生成回路40A〜40Hによって構成されている(図8を参照。)。従って、駆動信号生成部40は、駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群に相当する。そして、各駆動信号生成回路40A〜40Hは、ピエゾ素子PZTを駆動する際に、共通に使用される駆動信号COMを生成する。本実施形態の駆動信号生成回路は、複数種類の駆動信号COMを或る期間に亘って同時に生成する。例えば、繰り返し期間毎に第1駆動信号COM_Aを繰り返し生成するとともに、第2駆動信号COM_Bも繰り返し生成する。以下、生成される駆動信号COM(第1駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)について説明する。
図6Aに示すように、第1駆動信号COM_Aは、期間T11で生成される波形部SS11と、期間T12で生成される波形部SS12と、期間T13で生成される波形部SS13とを有する。これらの波形部SS11〜SS13は、ピエゾ素子PZTに所定の動作をさせるための駆動パルス(単位信号に相当する。)を有する。すなわち、波形部SS11は第1駆動パルスPS1を有する。波形部SS12は第2駆動パルスPS2を有し、波形部SS13は第3駆動パルスPS3を有する。第2駆動信号COM_Bは、期間T21で生成される波形部SS21と、期間T22で生成される波形部SS22と、期間T23で生成される波形部SS23とを有する。これらの波形部SS21〜SS23もまた、ピエゾ素子PZTに所定の動作をさせるための駆動パルス(単位信号に相当する。)を有する。すなわち、波形部SS21は第4駆動パルスPS4を、波形部SS22は第5駆動パルスPS5を、波形部SS23は第6駆動パルスPS6をそれぞれ有する。
セレクタ群50は、駆動信号生成部40とラインヘッドユニットLUの間に配置されている。このセレクタ群50は、或る駆動信号生成回路からの駆動信号COMが供給されるヘッドユニットを選択するセレクタ部に相当する。図1に示すように、本実施形態のプリンタ1では、ラインヘッドユニットLUと残りの部分(便宜上、プリンタ本体1Aともいう。)との間を、フレキシブルケーブルFFCで電気的に接続している。そして、セレクタ群50は、プリンタ本体1Aに設けられている。言い換えれば、セレクタ群50は、フレキシブルケーブルFFCと駆動信号生成部40との間に設けられている。なお、セレクタ群50については、後で詳しく説明する。また、フレキシブルケーブルFFCは、配線部材に相当し、複数の芯線を通じて駆動信号COM、ヘッド制御信号、選択指令信号等を供給するものである。
検出器群60は、プリンタ1内の状況を監視するためのものである。この検出器群60には、例えば、図2Bに示すロータリエンコーダ61や紙検出器62がある。ロータリエンコーダ61は、第1搬送ローラ24の回転量を検出するためのものである。紙検出器62は、用紙Sの有無を検出するためのものである。これらの検出器群60は、検出結果をプリンタ側コントローラ10に出力する。
次に、ヘッド制御部70について説明する。前述したように、ヘッド制御部70はピエゾ素子ユニット33毎に設けられている。図7に示すように、ヘッド制御部70は、第1シフトレジスタ71と、第2シフトレジスタ72と、第1ラッチ回路73と、第2ラッチ回路74と、デコーダ75と、制御ロジック76と、第1スイッチ77と、第2スイッチ78を備えている。そして、制御ロジック76を除いた各部は、それぞれピエゾ素子PZT毎に設けられる。ここで、ピエゾ素子PZTはインクが吐出されるノズルNz毎に設けられるので、これらの各部もノズルNz毎に設けられるといえる。
ここで、選択データq0〜q7について説明する。選択データq0〜q3は、第1駆動信号COM_ACOM_Aが有する各波形部SS11〜SS13の選択パターンを指令階調値毎(ドット階調毎)に示すものである。選択データq0は、指令階調値[00](ドットなし)の場合における第1駆動信号COM_ACOM_Aの選択パターンを示す。選択データq1は、指令階調値[01](小ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_ACOM_Aの選択パターンを示す。同様に、選択データq2は、指令階調値[10](中ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_ACOM_Aの選択パターンを示し、選択データq3は、指令階調値[11](大ドットの形成)の場合における第1駆動信号COM_ACOM_Aの選択パターンを示す。また、選択データq4〜q7は、各指令階調値における第2駆動信号COM_Bの選択パターンを示す。すなわち、選択データq4は指令階調値[00]の場合における第1駆動信号COM_ACOM_Aの選択パターンを示す。同様に、選択データq5は指令階調値[01]の場合、選択データq6は指令階調値[10]の場合、選択データq7は指令階調値[11]の場合における第2駆動信号COM_Bの選択パターンを、それぞれ示す。
次に、駆動信号生成部40及びセレクタ群50について説明する。図8に示すように、このプリンタ1では、各駆動信号生成回路40A〜40Hと各ヘッドユニット30A〜30Hとが同じ数だけ設けられている。加えて、セレクタ群50(セレクタ部)を構成する各セレクタ50A〜50Hもまた、各駆動信号生成回路40A〜40Hなどと同じ数が設けられている。そして、各セレクタ50A〜50Hは、複数の駆動信号生成回路40A〜40Hと特定のヘッドユニットとの間に配置されている。例えば、第1セレクタ50Aは、4つの駆動信号生成回路40A〜40Gと第1ヘッドユニット30Aとの間に配置される。また、第2セレクタ50Bは、4つの駆動信号生成回路40B〜40Hと第2ヘッドユニット30Bとの間に配置される。なお、他のセレクタ50C〜50Hも同様に配置される。
駆動信号生成部40は、各ヘッドユニット30A〜30Hに対応する数の駆動信号生成回路40A〜40Hによって構成される。便宜上、以下の説明では、下流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30A〜30Gに関し、図8の左側から順に、第1ヘッドユニット30A、第3ヘッドユニット30C、第5ヘッドユニット30E、及び、第7ヘッドユニット30Gともいう。同様に、上流側ヘッドユニット群を構成する4個のヘッドユニット30B〜30Hに関し、図8の左側から順に、第2ヘッドユニット30B、第4ヘッドユニット30D、第6ヘッドユニット30F、及び、第8ヘッドユニット30Hともいう。そして、駆動信号生成部40が有する各駆動信号生成回路40A〜40Hについても第1駆動信号生成回路40A〜第8駆動信号生成回路40Hのようにいい、セレクタ群50を構成する各セレクタ50A〜50Hについても第1セレクタ50A〜第8セレクタ50Hのようにいう。
前述したように、各セレクタ50A〜50Hは、或る駆動信号生成回路からの駆動信号COMが供給されるヘッドユニットを選択する。このようなセレクタ50A〜50Hは、各駆動信号生成回路40A〜40Hを効率よく使用するために設けられている。仮に各セレクタ50A〜50Hを設けない場合、或る駆動信号生成回路で生成された駆動信号COMは、特定のヘッドユニットに供給されることになる。このプリンタ1では、用紙Sのサイズに応じてインクを吐出し得るヘッドユニットが選択される。例えば、最大印刷幅の1/4の幅の用紙Sに画像を印刷する場合、図3の左端から2つのヘッドユニット30A,30Bが選択される。また、最大印刷幅の1/2の幅の用紙Sに印刷する場合、図3の左端から4個のヘッドユニット30A〜30Dが選択される。従って、各ヘッドユニット30A〜30Hの使用頻度は、図3の左側に配置されるものほど高くなる。これに伴い、各駆動信号生成回路40A〜40Hについても、接続対象となるヘッドユニット30A〜30Hに応じて使用頻度に差が生じることになる。このような使用頻度の差は、各駆動信号生成回路30A〜30Hの性能差を生じさせる原因になり得るので、好ましくない。各セレクタ50A〜50Hは、各駆動信号生成回路40A〜40Hにおける使用頻度の差を低減するために設けられたものである。すなわち、駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路40A〜40Hと生成された駆動信号COMが供給されるヘッドユニット30A〜30Hとの組み合わせを、セレクタ50A〜50Hによって選択することで、各駆動信号生成回路40A〜40Hの使用頻度のばらつきを防止できる。以下、各セレクタ50A〜50Hについて詳細に説明する。
図9は、下流側ヘッドユニット群(ヘッドユニット30A〜30G)に対して駆動信号COMを供給する4つの駆動信号生成回路40A〜40G、及び、4つのセレクタ50A〜50Gを説明する図である。なお、図示は省略するが、上流側ヘッドユニット群(ヘッドユニット30B〜30H)用の駆動信号生成回路40B〜40Hやセレクタ50B〜50Hについても同様に構成されている。
次に、用紙Sに印刷するためにプリンタ1で行われる印刷動作について説明する。図13Aに示すように、プリンタ1では、一連の印刷動作として、印刷命令の受信動作(S10)、給紙動作(S20)、組み合わせ決定動作(S30)、ドット形成動作(S40)、搬送動作(S50)、排紙判断(S60)、排紙動作(S70)、及び、印刷終了判断(S80)が行われる。この印刷動作は、メモリ13に記憶されたコンピュータプログラムに基づき、プリンタ側コントローラ10が有するCPU12で行われる。従って、このコンピュータプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
次に組み合わせ決定動作について説明する。本実施形態において、各駆動信号生成回路40A〜40Hと各ヘッドユニット30A〜30Hの組み合わせは、各駆動信号生成回路40A〜40Hに設けられた温度センサ63(63A,63B)からの検出信号に基づいて定められる。ここで、最大印刷幅よりも狭い幅の用紙Sに印刷する場合には、ヘッドユニット群30を構成する一部のヘッドユニットでインクを吐出することになる。この場合において、各駆動信号生成回路40A〜40Hの発熱度合いが均等であれば、セレクタ群50は、なるべく多くの駆動信号生成回路からの駆動信号COMを用いるように選択動作を行う。一方、各駆動信号生成回路の発熱度合いに偏りがあれば、セレクタ群50は、発熱度合いの小さい駆動信号生成回路からの駆動信号COMが、発熱度合いの大きい駆動信号生成回路からの駆動信号COMよりも優先的に、インクを吐出するヘッドユニットへ供給されるように選択動作を行う。
この第2実施形態では、フレキシブルケーブルFFCとヘッドユニット群30との間にセレクタ群50(セレクタ部)が配置されている。なお、他の構成については、前述した第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
図16及び図17に示すように、セレクタ群50は、第1実施形態と同じく第1セレクタ50A〜第8セレクタ50Hから構成されている。そして、第1セレクタ50A〜第8セレクタ50Hで選択された駆動信号COMは、それぞれ対応するヘッドユニット30A〜30Hに供給される。すなわち、第1セレクタ50Aからの駆動信号COMは第1ヘッドユニット30Aに供給され、第2セレクタ50Bからの駆動信号COMは第2ヘッドユニット30Bに供給される。なお、他の駆動信号COMも同様に対応するヘッドユニット30C〜30Hに供給される。
そして、この第2実施形態では、ヘッド制御部70と各セレクタ50A〜50Hとが別個に設けられている。しかし、各セレクタ50A〜50Hをヘッド制御部70内に設けてもよい。
以上の説明から明らかなように、前述した各実施形態のプリンタ1では、各駆動信号生成回路40A〜40Hからの駆動信号COMと各ヘッドユニット30A〜30Hとの組み合わせを、セレクタ群50によって変更することができる。このため、各駆動信号生成回路40A〜40Hを効率よく使用することができる。そして、第1実施形態のように、セレクタ群50をプリンタ本体1A側(装置本体側に相当する。)に配置した構成では、芯線の取り回し等の点で有利である。これは、芯線の数が多くなりがちなセレクタ群50を、ラインヘッドユニットLUよりも空間に余裕があるプリンタ本体1A側に配置できるからである。
また、ヘッドユニット群30を構成する一部のヘッドユニットを使用する場合において、温度センサ63で検出した各駆動信号生成回路40A〜40Hの温度に基づき、各駆動信号生成回路40A〜40H(生成される駆動信号COM)と各ヘッドユニット30A〜30Hの組み合わせを定めている。このため、各駆動信号生成回路40A〜40Hが過度に発熱してしまう不具合を確実に防止できる。
前述した実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には、印刷方法や液体吐出方法等の開示が含まれている。加えて、印刷用のヘッドを制御するための制御装置の開示や、印刷装置や印刷制御装置を制御するための、プログラムやコードの開示も含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述した各実施形態では、温度センサ63で得られた各駆動信号生成回路の温度に基づき、組み合わせを変更するタイミングを決定していた。しかし、この構成に限定されるものではない。例えば、各駆動信号生成回路の使用頻度に基づき、組み合わせを変更してもよい。要するに、組み合わせの変更は、駆動信号生成回路の使用状態に基づいて行うことができる。
具体的には、ドット形成データSIに基づいて、各ヘッドユニット30A〜30Hの使用頻度(インクの吐出頻度)を取得し、所定期間における使用頻度(過去の使用頻度)が判断基準値を超えたことを条件に、組み合わせを変更するようにしてもよい。この場合において、使用頻度の低い駆動信号生成回路からの駆動信号COMが、使用頻度の高い駆動信号生成回路からの駆動信号COMよりも優先して一部のヘッドユニットへ供給されるように、駆動信号COMの供給対象となるヘッドユニットが選択される。
このように構成しても、各駆動信号生成回路を効率よく使用することができる。
前述した各実施形態では、2種類の駆動信号COM_A,COM_Bを生成する駆動信号生成回路40A〜40Hを例に挙げて説明した。ここで、生成される駆動信号COMは、2種類に限定されない。例えば、それぞれの駆動信号生成回路から1種類の駆動信号COMを生成するものであってもよい。また、3種類以上の駆動信号COMを生成するものであってもよい。
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
11 インタフェース部,12 CPU,13 メモリ,14 制御ユニット,
20 用紙搬送機構,21 搬送モータ,22 給紙ローラ,
23 搬送ベルト,24 第1搬送ローラ,25 第2搬送ローラ,
30 ヘッドユニット群,30A〜30H ヘッドユニット,31 ケース,
32 流路ユニット,321 共通インク室,322 圧力室,
33 ピエゾ素子ユニット,331 ピエゾ素子群,
40 駆動信号生成部,40A〜40H 駆動信号生成回路,
41 DAC_IC,411 第1DACユニット,412 第2DACユニット,
42 第1電流増幅回路,43 第2電流増幅回路,44 端子群,
441〜442 電源端子,443 クロック入力端子,
444 DAC値入力端子,445 グランド端子,446 電源端子,
50 セレクタ群,50A〜50H セレクタ,51 第1マルチプレクサ,
511〜514 アナログスイッチ,515〜518 アンドゲート,
52 第2マルチプレクサ,521〜524 アナログスイッチ,
525〜528 アンドゲート,60 検出器群,61 ロータリエンコーダ,
62 紙検出器,63 温度センサ,
70 ヘッド制御部,71 第1シフトレジスタ,72 第2シフトレジスタ,
73 第1ラッチ回路,74 第2ラッチ回路,75 デコーダ,
76 制御ロジック,77 第1スイッチ,78 第2スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,
120 表示装置,130 入力装置,140 記録再生装置,
S 用紙,LU ラインヘッドユニット,BF ベースフレーム,
PZT ピエゾ素子,Tr1 NPN型トランジスタ,
Tr2 PNP型トランジスタ,SI ドット形成データ,LAT ラッチ信号,
CH_A 第1チェンジ信号,CH_B 第2チェンジ信号,COM 駆動信号,
COM_A 第1駆動信号,COM_B 第2駆動信号,
PS1〜PS6 駆動パルス
Claims (10)
- (A)供給された駆動信号に基づいて液体を吐出するヘッドユニットを複数有するヘッドユニット群と、
(B)前記駆動信号を生成する駆動信号生成回路を複数有する駆動信号生成回路群と、
(C)前記ヘッドユニット群と前記駆動信号生成回路群との間に配置され、前記駆動信号を供給する配線部材と、
(D)前記ヘッドユニット群と前記配線部材との間に配置され、或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給される前記ヘッドユニットを、複数の前記ヘッドユニットの中から選択するセレクタ部と、
(E)を有する液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記ヘッドユニットは、
液体を吐出する複数のノズルを列状に配置したノズル列を有し、
前記ヘッドユニット群は、
前記ノズル列の方向に並べられた複数のヘッドユニットによって構成されている、液体吐出装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記駆動信号生成回路は、
第1駆動信号を繰り返し生成するとともに、第2駆動信号を繰り返し生成し、
前記ヘッドユニットは、
供給された駆動信号に基づいて前記液体の吐出動作をする素子と、
前記第1駆動信号の前記素子への供給を制御するための第1スイッチと、
前記第2駆動信号の前記素子への供給を制御するための第2スイッチとを有し、
前記セレクタ部は、
前記第1駆動信号が供給される前記ヘッドユニットと、前記第2駆動信号が供給される前記ヘッドユニットとをそれぞれ選択する、液体吐出装置。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記セレクタ部は、
前記或る駆動信号生成回路からの駆動信号が供給される前記ヘッドユニットを、複数の前記駆動信号生成回路の使用状態に基づいて選択する、液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
前記セレクタ部は、
前記ヘッドユニット群を構成する一部のヘッドユニットで液体を吐出する場合に、過去の使用頻度が低い前記駆動信号生成回路からの前記駆動信号が、過去の使用頻度が高い前記駆動信号生成回路からの前記駆動信号よりも優先して前記一部のヘッドユニットへ供給されるように、前記駆動信号の供給対象となる前記ヘッドユニットを選択する、液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
前記セレクタ部は、
前記ヘッドユニット群を構成する一部のヘッドユニットで液体を吐出する場合に、発熱度合いの小さい前記駆動信号生成回路からの前記駆動信号が、発熱度合いの大きい前記駆動信号生成回路からの前記駆動信号よりも優先して前記一部のヘッドユニットへ供給されるように、前記駆動信号の供給対象となる前記ヘッドユニットを選択する、液体吐出装置。 - 請求項6に記載の液体吐出装置であって、
前記駆動信号生成回路の温度を検出する温度検出部であって、複数の前記駆動信号生成回路のそれぞれに対応して設けられる温度検出部を有し、
前記セレクタ部は、
前記温度検出部による検出結果に基づいて前記駆動信号生成回路の発熱度合いを認識する、液体吐出装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の液体吐出装置であって、
前記セレクタ部は、
前記駆動信号生成回路の発熱度合いが判断基準量を超えた場合に、供給される駆動信号を生成する駆動信号生成回路と前記ヘッドユニットの組み合わせを変更する、液体吐出装置。 - 請求項1から請求項7の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記ヘッドユニットから吐出される液体が着弾する媒体を搬送する媒体搬送部を有し、
前記セレクタ部は、
1枚の媒体に対する前記液体の吐出が終了する毎に、前記駆動信号と前記ヘッドユニットの組み合わせを変更する、液体吐出装置。 - 請求項1から請求項9の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記セレクタ部は、
複数の前記駆動信号生成回路からの複数の前記駆動信号、及び、選択指令信号に基づき、入力された複数の前記駆動信号の中から前記選択指令信号に応じた駆動信号を出力するマルチプレクサを有する、液体吐出装置。
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