JP3613192B2 - 液量監視装置及びこれを備えた液体消費装置 - Google Patents

液量監視装置及びこれを備えた液体消費装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液量監視装置及びこれを備えた液体消費装置に係わり、特に、圧電装置を用いて液量を監視する液量監視装置及びこれを備えた液体消費装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体消費装置の一例であるインクジェット式記録装置においては、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをインク滴として射出するノズル開口と、を有するインクジェット記録ヘッドがキャリッジに搭載されている。
【0003】
インクジェット式記録装置では、インクタンク(インク容器)内のインクが流路を介して記録ヘッドに供給され続けることにより、印刷を継続可能に構成されている。インクタンクは、例えばインクが消費された時点でユーザが簡単に交換できる、着脱可能なカートリッジとして構成されている。
【0004】
従来、インクカートリッジのインク消費の管理方法としては、記録ヘッドでのインク滴の射出数やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエアにより積算してインク消費を計算により管理する方法や、インクカートリッジに液面検出用の電極を取付けることにより実際にインクが所定量消費された時点を管理する方法などがある。
【0005】
しかしながら、ソフトウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してインク消費を計算上管理する方法には、次のような問題がある。ヘッドの中には吐出インク滴に重量バラツキを有するものがある。このインク滴の重量バラツキは画質には影響を与えないが、バラツキによるインク消費量の誤差が累積した場合を考慮して、マージンを持たせた量のインクをインクカートリッジに充填してある。従って、個体によってはマージン分だけインクが余るという問題が生ずる。
【0006】
一方、電極によりインクが消費された時点を管理する方法は、インクの実量を検出できる。このため、インク残量を高い信頼性で管理できる。しかしながら、インクの液面の検出をインクの導電性に頼るので、検出可能なインクの種類が限定されたり、電極のシール構造が複雑化し得る。また、電極の材料としては、通常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属が使用されるので、インクカートリッジの製造コストがかさむ。さらに、2本の電極を装着する必要があるため、製造工程が多くなり、結果として製造コストがかさんでしまう。
【0007】
上記の課題を解決すべく、特願2000−147052号には、液体残量を正確に検出でき、かつ複雑なシール構造を不要とした、液体容器に装着される圧電装置が記載されている。また、特願2000−147123号には、インクの液面を正確に検出するための手段として、インク滴の射出数に基づいてインクの推定消費状態を求めると共に圧電装置を用いてインクの実消費状態を検出する手段が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許出願に係る技術は、圧電装置の振動部の残留振動に起因して発生する残留振動信号に基づいてインクの液量を検出するものである。ところが、この残留振動信号はその振幅が微弱であるためにノイズの影響を大きく受けてしまい、ノイズの影響のためにインクの液量を誤って検出してしまう可能性があった。
【0009】
本発明は、上述した事情を考慮して成されたものであって、液体容器内の液量を高い信頼性の下で監視できる液量監視装置及びこれを備えた液体消費装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による液量監視装置は、液体の収容空間に少なくとも一部を露出させ得る振動部を有し、駆動信号の供給により前記振動部を振動させる機能と共に、前記振動部の振動状態に応じて発生する逆起電力の信号を出力する機能を有する圧電装置と、前記圧電装置に前記駆動信号を供給して前記振動部を振動させた後の前記振動部の残留振動に起因して前記圧電装置から出力される残留振動信号の共振周波数に基づいて、前記振動部に対向する空間に存在する液体の量を判定する液量判定手段と、を備え、前記液量判定手段は、前記残留振動信号中のパルスの数を計測し、パルス数のカウント開始時点から、所定数のパルスをカウントする時点までの所要時間を計測してその計測結果に基づいて液量を判定するものであり、さらに、前記液量判定手段は、前記カウント開始時点をずらしながらパルス数のカウントを少なくとも3回実施し、前記所要時間についての少なくとも3つの計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断する機能を有し、第1回目の計測における前記所要時間の時間帯域と第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域とが重ならず、第2回目の計測における前記所要時間の時間帯域が第1回目及び第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域のそれぞれに重なるように前記カウント開始時点同士をずらしたことを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは、前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には前記所要時間を再計測する。
【0012】
また、好ましくは、前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドが装着されているキャリッジが停止している状態において前記所要時間を再計測する。
【0013】
また、好ましくは、前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドからのインク吐出が停止している状態において前記所要時間を再計測する。
【0014】
また、好ましくは、前記液量判定手段は、前記液体の液面が前記振動部を通過する前後における前記残留振動信号の共振周波数の変化に基づいて、前記液体の液面が前記振動部の設置位置を通過したか否かを判定する機能を有する。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明による液体消費装置は、上記いずれかの液量監視装置と、前記液量監視装置の前記圧電装置が装着された液体容器と、前記液体容器から供給される液体を消費する装置本体と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュータシステムに上記いずれかの液量監視装置の前記液量判定手段を実現させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による液量監視装置及びこれを備えたインクジェット式記録装置ついて図面を参照して説明する。
図1および図2は、本実施形態において用いられる圧電装置としてのアクチュエータ106の詳細および等価回路を示す。このアクチュエータ106は、残留振動による共振周波数を検出することで音響インピーダンスの変化を検知して、インク容器内の液体の消費状態を検出するものである。
【0018】
図1(A)は、アクチュエータ106の拡大平面図である。図1(B)は、アクチュエータ106のB−B断面を示す。図1(C)は、アクチュエータ106のC−C断面を示す。さらに図2(A)および図2(B)は、アクチュエータ106の等価回路を示す。また、図2(C)および図2(D)は、それぞれインクカートリッジ内にインクが満たされているときのアクチュエータ106を含む周辺およびその等価回路を示し、図2(E)および図2(F)は、それぞれインクカートリッジ内にインクが無いときのアクチュエータ106を含む周辺およびその等価回路を示す。
【0019】
アクチュエータ106は、ほぼ中央に円形状の開口161を有する基板178と、開口161を被覆するように基板178の一方の面(以下、「表面」という。)に配置される振動板176と、振動板176の表面の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方からはさみこむ上部電極164および下部電極166と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子168と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端子170と、上部電極164および上部電極端子168の間に配設され両者を電気的に結合する補助電極172と、を有する。
【0020】
圧電層160、上部電極164および下部電極166は、それぞれの主要部としての円形部分を有する。そして、圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの円形部分が、圧電素子を形成している。
【0021】
振動板176は、基板178の表面に、開口161を覆うように形成される。キャビティ162は、開口161と面する振動板176の部分と基板(キャビティ形成部材)178の開口161とによって形成される。圧電素子とは反対側の基板178の面(以下、「裏面」という。)は、インク容器内方に面している。これにより、キャビティ162は液体(インク)と接触するように構成されている。なお、キャビティ162内に液体が入っても基板178の表面側に液体が漏れないように、振動板176は基板178に対して液密に取り付けられている。
【0022】
下部電極166は、振動板176の表面に位置している。下部電極166の主要部である円形部分の中心と開口161の中心とは、ほぼ一致するように取り付けられている。なお、下部電極166の円形部分の面積は、開口161の面積よりも小さくなるように設定されている。
【0023】
一方、下部電極166の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中心と開口161の中心とがほぼ一致するように配置形成されている。この場合、圧電層160の円形部分の面積は、開口161の面積よりも小さく、かつ、下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるように設定されている。
【0024】
圧電層160の表面側には、上部電極164が、その主要部である円形部分の中心と開口161の中心とがほぼ一致するように配置形成されている。上部電極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層160の円形部分の面積よりも小さく、かつ、下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されている。
【0025】
したがって、圧電層160の主要部は、上部電極164の主要部と下部電極166の主要部とによって、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層160は効果的に変形駆動され得る。圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの主要部である円形部分が、アクチュエータ106における圧電素子を形成する。
【0026】
上述のように、この圧電素子は振動板176に接している。また、上部電極164の円形部分、圧電層160の円形部分、下部電極166の円形部分および開口161のうちで、面積が最も大きいのは開口161である。このような構造のために、振動板176のうち実際に振動する振動領域(振動部の領域)は、開口161によって決定される。
【0027】
また、上部電極164の円形部分、圧電層160の円形部分および下部電極166の円形部分の各面積が、開口161の面積より小さいことにより、振動板176がより振動しやすくなっている。
【0028】
さらに、圧電層160と電気的に接続する下部電極166の円形部分および上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円形部分の方が小さい。従って、下部端子166の円形部分が、圧電層160のうちで圧電効果を発生する部分を決定する。
【0029】
圧電素子を形成する圧電層160、上部電極164、及び下部電極166の円形部分は、その中心が、開口部161の中心とほぼ一致している。また、振動板176の振動部分を決定する円形状の開口部161の中心は、アクチュエータ106の全体のほぼ中心に位置している。したがって、アクチュエータ106の振動部の中心は、アクチュエータの中心とほぼ一致する。
【0030】
更に、圧電素子の主要部及び振動板176の振動部分が円形形状を有するので、アクチュエータ106の振動部は、アクチュエータ106の中心に対して対称な形状である。
【0031】
このようにアクチュエータ106の振動部が、アクチュエータ106の中心に対して対称な形状であるので、構造の非対称性から生じ得る不要な振動を励起することがない。このため、共振周波数の検出精度が向上する。
【0032】
更に、振動部がアクチュエータ106の中心に対して対称な形状であるので、製造が容易であり、圧電素子ごとの形状のばらつきを小さくできる。したがって、圧電素子ごとの共振周波数のばらつきが小さくなる。
【0033】
また、振動部が等方的な形状であるので、接着の際に固定のばらつきの影響を受けにくく、インク容器に均等に接着され得る。すなわち、アクチュエータ106のインク容器への実装性がよい。
【0034】
また、円形形状の振動板176の振動部分の面積を大きくすることによって、逆起電力波形の振幅及び液体の有無による共振周波数の振幅の差が大きくなり、共振周波数の検出の精度を更に向上できる。
【0035】
振動板176の振動による変位は、基板178の振動による変位よりもはるかに大きい。すなわち、アクチュエータ106は、コンプライアンスの小さい(振動によって変位しにくい)基板178と、コンプライアンスの大きい(振動によって変位しやすい)振動板176との2層構造を有する。この2層構造によって、基板178によってインク容器に確実に固定されながら、かつ、振動板176の変位を大きくできる。このため、逆起電力波形の振幅及び液体の有無による共振周波数の振幅の差が大きくなり、共振周波数の検出の精度が向上できる。
【0036】
更に、振動板176のコンプライアンスが大きいので、振動の減衰が小さくなり、共振周波数の検出の精度が向上できる。
【0037】
また、アクチュエータ106の振動の節は、キャビティ162の外周部、すなわち、開口部161の縁付近に位置する。
【0038】
上部電極端子168は、補助電極172を介して上部電極164と電気的に接続するように、振動板176の表面側に形成されている。一方、下部電極端子170は、下部電極166に電気的に接続するように、振動板176の表面側に形成されている。上部電極164は、圧電層160の表面側に形成されるため、上部電極端子168と接続する途中において、圧電層160の厚さと下部電極166の厚さとの和に等しい段差を有する必要がある。上部電極164だけでこの段差を形成することは難しい。かりに上部電極164だけで段差を形成することが可能であったとしても、上部電極164と上部電極端子168との接続状態が弱くなってしまい、切断してしまう危険がある。そこで、補助電極172を補助部材として用いて、上部電極164と上部電極端子168とを接続させている。このようにすることで、圧電層160も上部電極164も補助電極172に支持された構造となり、所望の機械的強度を得ることができ、また、上部電極164と上部電極端子168との接続を確実にすることが可能となる。
【0039】
なお、圧電素子と振動板176のうちの圧電素子に直面する振動領域とが、アクチュエータ106において実際に振動する振動部である。また、アクチュエータ106に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。アクチュエータ106を一体的に形成することによって、アクチュエータ106の取り扱いが容易になる。
【0040】
さらに、基板178の強度を高めることによって、振動特性が向上し得る。即ち、基板178の強度を高めることによって、アクチュエータ106の振動部のみが振動し、アクチュエータ106のうち振動部以外の部分が振動しない。また、アクチュエータ106の振動部以外の部分が振動しないためには、基板178の強度を高めることに加えて、アクチュエータ106の圧電素子を薄くかつ小さくすると共に、振動板176を薄くすることも有効である。
【0041】
圧電層160の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板178の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板176には、基板178と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極164、下部電極166、上部電極端子168および下部電極端子170は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
【0042】
上述したように構成されるアクチュエータ(圧電装置)106は、液体を収容する容器に装着することができる。例えば、液体消費装置の一例であるインクジェット式記録装置に用いられるインクカートリッジやインクタンク、あるいは、記録ヘッドを洗浄するための洗浄液を収容した容器、などに装着することができる。
【0043】
図1および図2に示されるアクチュエータ106は、インク容器の所定の場所に、キャビティ162がインク容器内に収容される液体と接触するように装着される。つまり、アクチュエータ106の振動部の少なくとも一部が、インク容器の収容空間に露出している。インク容器に液体(インク)が十分に収容されている場合には、キャビティ162内およびその外側は液体によって満たされている。
【0044】
一方、インク容器の液体が消費され、アクチュエータの装着位置以下まで液面が降下すると、キャビティ162内に液体が存在しない状態となる、あるいは、キャビティ162内にのみ液体が残存されその外側には気体が存在する状態となる。
【0045】
アクチュエータ106は、この状態の変化に起因する、少なくとも音響インピーダンスの相違を検出する。それによって、アクチュエータ106は、インク容器に液体が十分に収容されている状態であるか、あるいは、ある一定以上の液体が消費された状態であるか、を検知することができる。
【0046】
次に、アクチュエータによる液面検出の原理について説明する。
アクチュエータ106は、液体の音響インピーダンスの変化を共振周波数の変化を用いて検出することができる。共振周波数は、アクチュエータの振動部が振動した後に振動部に残留する残留振動によって生ずる逆起電力を測定することによって検出することができる。すなわち、上述した圧電素子は、アクチュエータの振動部に残留する残留振動により逆起電力を発生する。逆起電力の大きさは、アクチュエータの振動部の振幅によって変化する。従って、アクチュエータの振動部の振幅が大きいほど、検出が容易である。また、アクチュエータの振動部における残留振動の周波数によって、逆起電力の大きさが変化する周期が変わる。すなわち、アクチュエータの振動部の周波数は、逆起電力の周波数に対応する。ここで、共振周波数は、アクチュエータの振動部と振動部に接する媒体との共振状態における周波数をいう。
【0047】
アクチュエータ106の振動領域は、振動板176のうち開口161によって決定されるキャビティ162を構成する部分である。インク容器内に液体が充分に収容されている場合には、キャビティ162内には、液体が満たされ、振動領域はインク容器内の液体と接触している。一方で、インク容器内に液体が充分にない場合には、振動領域はインク容器内のキャビティに残った液体と接するか、あるいは、液体と接触せず、気体または真空と接触する。
【0048】
本実施形態のアクチュエータ106には、キャビティ162が設けられている。これにより、アクチュエータ106の振動領域にインク容器内の液体が残るように設計することができる。その理由は次の通りである。
【0049】
アクチュエータ106のインク容器への取り付け位置や取り付け角度によっては、インク容器内の液体の液面がアクチュエータの装着位置よりも下方にあるにもかかわらず、アクチュエータの振動領域に液体が付着してしまう場合がある。振動領域における液体の有無だけから液体の有無を検出する場合には、このようにアクチュエータの振動領域に付着する液体が、液体の有無の正確な検出を妨げる。
【0050】
たとえば、液面がアクチュエータの装着位置よりも下方にある状態のとき、キャリッジの往復移動などによりインク容器が揺動して液体が波うち、振動領域に液滴が付着してしまうと、アクチュエータはインク容器内に液体が充分にあるとの誤った判断をしてしまう。
【0051】
そこで、アクチュエータ106では、振動領域に液体が残存している場合であっても液体の有無を正確に検出するようにキャビティを積極的に設けることで、インク容器が揺動して液面が波立ったとしても、アクチュエータの誤動作を防止することができる。このように、キャビティを有するアクチュエータを用いることで、誤動作を防ぐことができる。
【0052】
また、図2(E)に示すように、インク容器内に液体が無く、アクチュエータ106のキャビティ162に液体が残っている場合を、液体の有無の閾値とする。すなわち、キャビティ162の周辺に液体が無く、この閾値よりキャビティ内の液体が少ない場合は、インク無しと判断し、キャビティ162の周辺に液体が有り、この閾値より液体が多い場合は、インク有りと判断する。
【0053】
例えば、アクチュエータ106をインク容器の側壁に装着した場合、インク容器内の液体がアクチュエータの装着位置よりも下にある場合をインク無しと判断し、インク容器内の液体がアクチュエータの装着位置より上にある場合をインク有りと判断する。
【0054】
このように閾値を設定することによって、キャビティ内のインクが乾燥してインクが無くなったときであってもインク無しと判断することができ、キャビティ内のインクが無くなったところにキャリッジの揺れなどで再度インクがキャビティに付着しても(閾値を越えないので)インク無しと判断することができる。
【0055】
ここで、図1および図2を参照しながら、逆起電力の測定により得られる媒体とアクチュエータ106の振動部との共振周波数から、インク容器内の液体の状態を検出する動作および原理について説明する。
【0056】
アクチュエータ106において、上部電極端子168および下部電極端子170を介して、それぞれ上部電極164および下部電極166に電圧を印加する。このため、圧電層160のうち、上部電極164および下部電極166に挟まれた部分に電界が生じる。この電界によって、圧電層160は変形する。圧電層160が変形することによって、振動板176のうちの振動領域がたわみ振動する。圧電層160が変形した後しばらくは、たわみ振動がアクチュエータ106の振動部に残留する。
【0057】
残留振動は、アクチュエータ106の振動部と媒体との自由振動である。従って、圧電層160に印加する電圧をパルス波形あるいは矩形波とすることで、電圧を印加した後の振動部と媒体との共振状態を容易に得ることができる。残留振動は、アクチュエータ106の振動部の振動であり、圧電層160の変形を伴う。このため、圧電層160は逆起電力を発生する。この逆起電力は、上部電極164、下部電極166、上部電極端子168および下部電極端子170を介して検出される。検出された逆起電力によって、共振周波数が特定できる。この共振周波数に基いて、インク容器内の液体の量を検出することができる。
【0058】
一般に、共振周波数fsは、
Figure 0003613192
で表される。ここで、Mは振動部のイナータンスMactと付加イナータンスM’との和である。Cactは振動部のコンプライアンスである。
【0059】
図1(C)は、本実施形態において、キャビティ162にインクが残存していないときのアクチュエータ106の断面図である。図2(A)および図2(B)は、キャビティ162にインクが残存していないときのアクチュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価回路である。
【0060】
Mactは、振動部の厚さと振動部の密度との積を振動部の面積で除したものであり、詳細には、図2(A)に示すように、
Figure 0003613192
と表される。
【0061】
ここで、Mpztは、振動部における圧電層160の厚さと圧電層160の密度との積を圧電層160の面積で除したものである。Melectrode1は、振動部における上部電極164の厚さと上部電極164の密度との積を上部電極164の面積で除したものである。Melectrode2は、振動部における下部電極166の厚さと下部電極166の密度との積を下部電極166の面積で除したものである。Mvibは、振動部における振動板176の厚さと振動板176の密度との積を振動板176の振動領域の面積で除したものである。
【0062】
ただし、Mactを振動部全体としての厚さ、密度および面積から算出することができるように、圧電層160、上部電極164、下部電極166および振動板176の振動領域のそれぞれの面積は、上述のような大小関係を有するものの、相互の面積の差は微小であることが好ましい。
【0063】
また、本実施形態において、圧電層160、上部電極164および下部電極166においては、それらの主要部である円形部分以外の部分は、主要部に対して無視できるほど微小であることが好ましい。従って、アクチュエータ106において、Mactは、上部電極164、下部電極166、圧電層160および振動板176のうちの振動領域のそれぞれのイナータンスの和である。また、コンプライアンスCactは、上部電極164、下部電極166、圧電層160および振動板176のうちの振動領域によって形成される部分のコンプライアンスである。
【0064】
尚、図2(A)、図2(B)、図2(D)、図2(F)は、アクチュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価回路を示すが、これらの等価回路において、Cactはアクチュエータ106の振動部のコンプライアンスを示す。Cpzt、Celectrode1、Celectrode2およびCvibは、それぞれ、振動部における圧電層160、上部電極164、下部電極166および振動板176のコンプライアンスを示す。Cactは、以下の式3で表される。
Figure 0003613192
式2および式3より、図2(A)は、図2(B)のように表すこともできる。
【0065】
コンプライアンスCactは、単位面積に圧力をかけたときの変形によって受容できる媒体の体積を表す。すなわち、コンプライアンスCactは、変形のし易さを表す。
【0066】
図2(C)は、インク容器に液体が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合のアクチュエータ106の断面図を示す。図2(C)のM’maxは、インク容器に液体が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合の付加イナータンス(付加質量(振動領域の振動に影響を及ぼす質量)を面積の2乗で除したもの)の最大値を表す。M’maxは、
Figure 0003613192
(aは振動部の半径、ρは媒体の密度、kは波数である。)
で表される。
【0067】
尚、式4は、アクチュエータ106の振動領域が半径aの円形である場合に成立する。付加イナータンスM’は、振動部の付近にある媒体によって、振動部の質量が見かけ上増加していることを示す量である。式4からわかるように、M’maxは、振動部の半径aと媒体の密度ρとによって、大きく変化する。
【0068】
波数k は、
k=2*π*fact/c (式5)
(factは、振動部の共振周波数である。cは、媒体中を伝播する音響の速度である。)
で表される。
【0069】
図2(D)は、インク容器に液体が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が満たされている図2(C)の場合のアクチュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価回路を示す。
【0070】
図2(E)は、インク容器の液体が消費され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内には液体が残存している場合のアクチュエータ106の断面図を示す。
【0071】
式4は、インク容器に液体が満たされている場合に、インクの密度ρなどから決定される最大のイナータンスM’maxを表す式である。一方、インク容器内の液体が消費され、キャビティ162内に液体が残留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺にある液体が気体または真空に置換された場合等の付加イナータンスM’は、一般的に、
M’=ρ*t/S (式6)
と表せる(より詳しくは、後述の式8参照)。ここで、tは振動にかかわる媒体の厚さである。Sは、アクチュエータ106の振動領域の面積である。振動領域が半径aの円形の場合は、S=π*a2である。
【0072】
従って、付加イナータンスM’は、インク容器に液体が十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合には、式4に従う。一方で、液体が消費され、キャビティ162内に液体が残留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺にある液体が気体または真空に置換された場合には、式6に従う。
【0073】
ここで、図2(E)のように、インク容器の液体が消費され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内には液体が残存している場合の付加イナータンスM’を、便宜的にM’cavとし、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が満たされている場合の付加イナータンスM’maxと区別する。
【0074】
図2(F)は、インク容器の液体が消費され、アクチュエータ106の振動領域の周辺に液体が無いものの、アクチュエータ106のキャビティ162内には液体が残存している図2(E)の場合のアクチュエータ106の振動部およびキャビティ162の等価回路を示す。
【0075】
ここで、媒体の状態に関係するパラメータは、式6において、媒体の密度ρおよび媒体の厚さtである。インク容器内に液体が充分に収容されている場合は、アクチュエータ106の振動部に液体が接触する。一方、インク容器内に液体が充分に収容されていない場合は、キャビティ内部に液体が残存するか、もしくは、アクチュエータ106の振動部に気体または真空が接触する。アクチュエータ106の周辺の液体が消費され、図2(C)のM’maxから図2(E)のM’cavへ移行する過程における付加イナータンスM’varは、インク容器内の液体の収容状態によって媒体の密度ρや媒体の厚さtが変化することに伴って変化する。これにより、共振周波数fsも変化する。従って、共振周波数fsを特定することによって、インク容器内の液体の量を検出することができる。
【0076】
ここで、図2(E)に示すようにt=dとした場合、式6を用いてM’cavを表すと、式6のtにキャビティの深さdを代入し、
M’cav=ρ*d/S (式7)
となる。
【0077】
また、媒体が互いに種類の異なる液体であれば、組成の違いによって密度ρが異なるため、付加イナータンスM´及び共振周波数fsが異なる。従って、共振周波数fsを特定することで、液体の種類を検出できる。
【0078】
図3(A)は、インクタンク内のインクの量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を示すグラフである。ここでは液体の1例としてインクについて説明する。縦軸は、共振周波数fsを示し、横軸は、インク量を示す。インク組成が一定であるとき、インク残量の低下に伴い、共振周波数fsは、上昇する。
【0079】
インク容器にインクが十分に収容され、アクチュエータ106の振動領域の周辺にインクが満たされている場合には、その最大付加イナータンスM’maxは、式4に表わされる値となる。一方で、インクが消費され、キャビティ162内にインクが残留しつつアクチュエータ106の振動領域の周辺にインクが満たされていないときには、付加イナータンスM’var は、媒体の厚さtに基づいて式6によって算出される。式6中のtは、振動にかかわる媒体の厚さであるから、インクが残留するアクチュエータ106のキャビティ162のd(図1(B)参照)を小さく、即ち、基板178を十分に薄くすることによって、インクが徐々に消費されていく過程を検出することもできる(図2(C)参照)。ここで、tinkは振動にかかわるインクの厚さとし、tink−maxはM’maxにおけるtinkとする。
【0080】
例えば、アクチュエータ106は、インクカートリッジの底面にインクの液面に対してほぼ水平に配置される。この場合、インクが消費され、インクの液面がアクチュエータ106からtink−maxの高さ以下になると、式6によりM’varが徐々に変化し、式1により共振周波数fsが徐々に変化する。従って、インクの液面がtの範囲内にある限り、アクチュエータ106はインクの消費状態を徐々に検出することができる。
【0081】
あるいは、インクカートリッジの側壁に、アクチュエータ106はインクの液面に対してほぼ垂直に配備され得る。この場合、インクが消費され、インクの液面がアクチュエータ106の振動領域に達すると、水位の低下に伴い付加イナータンスM’が減少する。これにより、式1により共振周波数fsが徐々に増加する。従って、インクの液面がキャビティ162の直径2a(図2(C)参照)の範囲内にある限り、アクチュエータ106はインクの消費状態を徐々に検出することができる。
【0082】
図3(A)の曲線Xは、底面に配置されたアクチュエータ106のキャビティ162を十分に浅くした場合や、側壁に配置されたアクチュエータ106の振動領域を十分に大きくまたは長くした場合の、インクタンク内に収容されたインクの量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を表わしている。インクタンク内のインクの量が減少するとともに、インクおよび振動部の共振周波数fsが徐々に変化していく様子が理解できる。
【0083】
より詳細には、インクが徐々に消費されていく過程を検出することができる場合とは、アクチュエータ106の振動領域の周辺において、互いに密度が異なる液体と気体とがともに存在しかつ振動にかかわる場合である。インクが徐々に消費されていくに従って、アクチュエータ106の振動領域周辺において振動にかかわる媒体は、液体が減少する一方で気体が増加する。
【0084】
例えば、アクチュエータ106をインクの液面に対して水平に配備した場合であって、tink がtink−maxより小さいときには、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体はインクと気体との両方を含む。したがって、アクチュエータ106の振動領域の面積Sを用いて、式4のM’max以下になった状態をインクと気体の付加質量で表すと、
Figure 0003613192
となる。ここで、M’airは空気のイナータンスであり、M’inkはインクのイナータンスである。ρairは空気の密度であり、ρinkはインクの密度である。tairは振動にかかわる空気の厚さであり、tinkは振動にかかわるインクの厚さである。
【0085】
アクチュエータ106の振動領域周辺における振動にかかわる媒体のうち、液体が減少して気体が増加するに従い、アクチュエータ106がインクの液面に対しほぼ水平に配備されている場合には、tairが増加し、tinkが減少する。それによって、M’varが徐々に減少し、共振周波数が徐々に増加する。よって、インクタンク内に残存しているインクの量またはインクの消費量を検出することができる。尚、式7において液体の密度のみの式となっているのは、液体の密度に対して、空気の密度が無視できるほど小さい場合を想定しているからである。
【0086】
アクチュエータ106がインクの液面に対しほぼ垂直に配備されている場合には、アクチュエータ106の振動領域のうち、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体がインクのみの領域と、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体が気体のみの領域との並列の等価回路(図示せず)と考えられる。アクチュエータ106の振動にかかわる媒体がインクのみの領域の面積をSinkとし、アクチュエータ106の振動にかかわる媒体が気体のみの領域の面積をSairとすると、
Figure 0003613192
となる。
【0087】
尚、式9は、アクチュエータ106のキャビティにインクが保持されない場合に適用される。アクチュエータ106のキャビティにインクが保持される場合の付加イナータンスについては、式9によるM’と式7のM’cav との和によって計算することができる。
【0088】
アクチュエータ106の振動は、tink−maxの深さからインクの残留する深さdまで変化するので、インクの残留する深さがtink−maxよりわずかに小さい程度でアクチュエータ106が底面に配置されている場合には、インクが徐々に減少する過程を検出することは出来ない。この場合、tink−maxから残留する深さdまでのわずかなインク量変化におけるアクチュエータの振動変化から、インク量が変化したことを検出する。また、側面に配置され、開口部(キャビティ)の径が小さい場合は、開口部を通過する間のアクチュエータの振動変化は微量なので、通過過程のインク量を検出することは難しく、インク液面が開口部より上か下かを検出する。
【0089】
例えば、図3(A)の曲線Yは、小さい円形の振動領域の場合におけるインクタンク内のインクの量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を示す。インクタンク内のインクの液面がアクチュエータの装着位置を通過する前後におけるインク量の差Qの間で、インクおよび振動部の共振周波数fsが激しく変化している様子が示される。このことから、インクタンク内にインクが所定量残存しているか否かを2値的に検出することができる。
【0090】
アクチュエータ106を用いて液体の有無を検出する方法は、振動板176が液体と直接接触することでインクの有無を検出するので、インクの消費量をソフトウェアによって計算する方法に比べ、検出精度が高い。更に、電極を用いて導電性によりインクの有無を検出する方法は、インク容器への電極の取付位置及びインクの種類によって影響され得るが、アクチュエータ106を用いて液体の有無を検出する方法は、インク容器へのアクチュエータ106の取付位置及びインクの種類によって影響され難い。
【0091】
更に、単一のアクチュエータ106を用いて発振と液体の有無の検出との双方を実施することができるので、発振と液体の有無の検出とを異なったセンサを用いて実施する方法と比較して、インク容器に取付けるセンサの数を減少することができる。したがって、液量検出機能を持つインク容器を安価に製造できる。なお、圧電層160の振動周波数を非可聴領域に設定することで、アクチュエータ106の動作中に発生する音を静かにすることが好ましい。
【0092】
図3(B)は、インクの密度とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係の一例を示す。ここでは、液体の例としてインクについて説明しており、「インク満」と「インク空」(或いは「インク無し」)とは相対的な2状態を意味し、いわゆるインクフル状態とインクエンド状態とを意味するものではない。図3(B)に示すように、インク密度が高い場合、付加イナータンスが大きくなるので共振周波数fsが低下する。すなわち、インクの種類によって共振周波数fsが異なる。したがって、共振周波数fsを測定することによって、インクを再充填する際に、密度の異なったインクが混入されていないか確認することができる。つまり、互いに種類の異なるインクを収容するインクタンクを識別できる。
【0093】
続いて、インク容器内の液体が空の状態であってもアクチュエータ106のキャビティ162内に液体が残存するようにキャビティのサイズと形状を設定した時において、液体の状態を正確に検出できる条件を詳述する。アクチュエータ106は、キャビティ162内に液体が満たされている場合に液体の状態を検出できれば、キャビティ162内に液体が満たされていない場合であっても液体の状態を検出できる。
【0094】
共振周波数fsは、イナータンスMの関数である。イナータンスMは、振動部のイナータンスMactと付加イナータンスM’との和である。ここで、付加イナータンスM’が液体の状態と関係する。付加イナータンスM’は、振動部の付近にある媒体によって振動部の質量が見かけ上増加していることを示す量である。即ち、振動部の振動によって見かけ上媒体を吸収する(振動に関わるイナータンスが増加する)ことによる振動部の質量の増加分をいう。
【0095】
従って、M’cav が式4におけるM’max よりも大きい場合には、見かけ上吸収する媒体は全てキャビティ162内に残存する液体である。よって、インク容器内に液体が満たされている状態と同じである。この場合、振動に関わる媒体はM’max よりも小さくならないので、インクが消費されても変化を検出することが出来ない。
【0096】
一方、M’cavが式4におけるM’ maxよりも小さい場合には、見かけ上吸収する媒体はキャビティ162内に残存する液体およびインク容器内の気体または真空である。このときにはインク容器内に液体が満たされている状態とは異なりM’が変化するので、共振周波数fsが変化する。従って、アクチュエータ106は、インク容器内の液体の状態を検出できる。
【0097】
即ち、インク容器内の液体が空の状態で、アクチュエータ106のキャビティ162内に液体が残存する場合に、アクチュエータ106が液体の状態を正確に検出できる条件は、M’cavがM’maxよりも小さいことである。尚、アクチュエータ106が液体の状態を正確に検出できる条件M’max>M’cavは、キャビティ162の形状にかかわらない。
【0098】
ここで、M’cav は、キャビティ162の容量とほぼ等しい容量の液体の質量イナータンスである。従って、M’max >M’cav の不等式から、アクチュエータ106が液体の状態を正確に検出できる条件は、キャビティ162の容量の条件として表すことができる。例えば、円形状のキャビティ162の開口161の半径をaとし、およびキャビティ162の深さをdとすると、
M’max>ρ*d/πa (式10)
である。式10を展開すると
a/d>3*π/8 (式11)
という条件が求められる。従って、式11を満たす開口161の半径aおよびキャビティ162の深さdであるキャビティ162を有するアクチュエータ106であれば、インク容器内の液体が空の状態であって、かつ、キャビティ162内に液体が残存する場合であっても、誤作動することなく液体の状態を検出できる。
【0099】
尚、式10、式11は、キャビティ162の形状が円形の場合に限り成立する。キャビティ162の形状が円形でない場合、対応するM’maxの式を用い、式10中のπaをその面積と置き換えて計算すれば、キャビティの幅および長さ等のディメンジョンと深さの関係が導き出せる。
【0100】
なお、付加イナータンスM’は音響インピーダンス特性にも影響するので、残留振動によりアクチュエータ106に発生する逆起電力を測定する方法は、少なくとも音響インピーダンスの変化を検出しているともいえる。
【0101】
図4(A) および図4(B)は、アクチュエータ106に駆動信号を供給して振動部を振動させた後の、アクチュエータ106の残留振動の波形と残留振動の測定方法とを示す。インクカートリッジ内のアクチュエータ106の装着位置レベルにおけるインク液位の上下は、アクチュエータ106が発振した後の残留振動の周波数変化や、振幅の変化によって検出することができる。図4(A) および図4(B)において、縦軸はアクチュエータ106の残留振動によって発生した逆起電力の電圧を示し、横軸は時間を示す。アクチュエータ106の残留振動によって、図4(A) および図4(B)に示すように電圧のアナログ信号の波形が発生する。次に、アナログ信号を、信号の周波数に対応するデジタル数値に変換(二値化)する。図4(A)および図4(B)に示した例においては、アナログ信号の4パルス目から8パルス目までの4個のパルスが生じる時間を計測している。
【0102】
より詳細には、アクチュエータ106が発振した後、予め設定された所定の基準電圧を低電圧側から高電圧側へ横切る回数をカウントする。そして、4カウントから8カウントまでの間をHighとしたデジタル信号を生成し、所定のクロックパルスによって4カウントから8カウントまでの時間を計測する。
【0103】
図4(A)は、アクチュエータ106の装着位置レベルよりも上位にインク液面があるときの波形である。一方、図4(B)はアクチュエータ106の装着位置レベルにおいてインクが無いときの波形である。図4(A)と図4(B)とを比較すると、図4(A)の方が図4(B)よりも4カウントから8カウントまでの時間が長いことがわかる。換言すると、インクの有無によって4カウントから8カウントまでの所要時間が異なる。この所要時間の相違を利用して、インクの消費状態を検出することができる。
【0104】
アナログ波形の4カウント目から数えるのは、アクチュエータ106の振動が安定してから計測をはじめるためである。4カウント目からとしたのは単なる一例であって、任意のカウントから数えてもよい。ここでは、4カウント目から8カウント目までの信号を検出し、所定のクロックパルスによって4カウント目から8カウント目までの時間を測定している。この時間に基いて、共振周波数を求めることができる。クロックパルスは、8カウント目までの時間を測定する必要は無く、任意のカウントまで数えてもよい。図4においては、4カウント目から8カウント目までの時間を測定しているが、周波数を検出する回路構成にしたがって、異なったカウント間隔内の時間を検出してもよい。
【0105】
例えば、インクの品質が安定していてピークの振幅の変動が小さい場合には、検出の速度を上げるために4カウント目から6カウント目までの時間を検出することにより共振周波数を求めてもよい。また、インクの品質が不安定でパルスの振幅の変動が大きい場合には、残留振動を正確に検出するために4カウント目から12カウント目までの時間を検出してもよい。
【0106】
図5は、アクチュエータ106を取付モジュール体100として一体形成した構成を示す斜視図である。モジュール体100は、インクカートリッジのインク容器1の所定個所に装着される。モジュール体100は、インク液中の少なくとも音響インピーダンスの変化を検出することにより、容器1内の液体の消費状態を検知するように構成されている。
【0107】
本実施形態のモジュール体100は、インク容器1にアクチュエータ106を取り付けるためのインク容器取付部101を有する。インク容器取付部101は、平面がほぼ矩形の基台102と、駆動信号により発振するアクチュエータ106を収容する基台102上の円柱部116と、を有している。また、モジュール体100は、インクカートリッジに装着されたときに、モジュール体100のアクチュエータ106が外部から接触できないように構成されている。これにより、アクチュエータ106を外部の接触から保護することができる。なお、円柱部116の先端側エッジは丸みが付けられていて、インクカートリッジに形成された孔へ装着する際に嵌めやすくなっている。
【0108】
図6は、図5に示したモジュール体100の分解図である。モジュール体100は、樹脂からなるインク容器取付部101と、プレート110および凹部113を有する圧電装置装着部105(図5参照)とを含む。さらに、モジュール体100は、リードワイヤ104a及び104b、アクチュエータ106及びフィルム108を有する。好ましくは、プレート110は、ステンレス又はステンレス合金等の錆びにくい材料から形成される。
【0109】
インク容器取付部101に含まれる円柱部116および基台102は、リードワイヤ104a及び104bを収容できるように中心部に開口部114が形成されると共に、アクチュエータ106、フィルム108、及びプレート110を収容できるように開口部114の周囲に凹部113が形成されている。
【0110】
アクチュエータ106は、プレート110にフィルム108を介して接合され、プレート110およびアクチュエータ106は凹部113(インク容器取付部101)に固定される。従って、リードワイヤ104a及び104b、アクチュエータ106、フィルム108及びプレート110は、インク容器取付部101に一体として取り付けられる。
【0111】
リードワイヤ104a及び104bは、それぞれアクチュエータ106の上部電極及び下部電極と結合して、圧電層に駆動信号を伝達する一方、アクチュエータ106が検出した共振周波数の信号を記録装置等へ伝達する。
【0112】
アクチュエータ106は、リードワイヤ104a及び104bから伝達された駆動信号に基づいて、一時的に発振する。また、アクチュエータ106は、発振後に残留振動し、その振動によって逆起電力を発生させる。このとき、逆起電力波形の振動周期を検出することによって、インク容器内の液体の消費状態に対応した共振周波数を検出することができる。
【0113】
フィルム108は、アクチュエータ106とプレート110とを接着して、アクチュエータを液密にする。フィルム108は、ポリオレフィン等によって形成し、熱融着で接着することが好ましい。アクチュエータ106とプレート110とをフィルム108によって面状に接着して固定することにより、接着の場所によるばらつきが無くなり、振動部以外の部分が振動しない。したがって、アクチュエータ106をプレート110に接着しても、アクチュエータ106の振動特性は変化しない。
【0114】
なお、プレート110は円形状であり、基台102の開口部114は円筒状に形成されている。アクチュエータ106及びフィルム108は矩形状に形成されている。リードワイヤ104a及び104b、アクチュエータ106、フィルム108及びプレート110は、基台102に対して着脱可能としてもよい。基台102、リードワイヤ104a及び104b、アクチュエータ106、フィルム108及びプレート110は、モジュール体100の中心軸に対して対称に配置されている。また、基台102、アクチュエータ106、フィルム108及びプレート110の中心は、モジュール体100のほぼ中心軸上に配置されている。
【0115】
また、基台102の開口部114の面積は、アクチュエータ106の振動領域の面積よりも大きく形成されている。プレート110の中心でアクチュエータ106の振動部に直面する位置には、貫通孔112が形成されている。図1および図2に示したように、アクチュエータ106にはキャビティ162が形成されており、貫通孔112とキャビティ162とが、共にインク溜部を形成する。プレート110の厚さは、残留インクの影響を少なくするために、貫通孔112の径に比べて小さいことが好ましい。例えば、貫通孔112の深さはその径の3分の1以下の大きさであることが好ましい。貫通孔112は、モジュール体100の中心軸に対して対称なほぼ真円の形状である。また、貫通孔112の面積は、アクチュエータ106のキャビティ162の開口面積よりも大きい。貫通孔112の断面の周縁は、テーパ形状であっても良いし、ステップ形状であってもよい。
【0116】
モジュール体100は、貫通孔112がインク容器1の内側へ向くように、インク容器1の側部、上部又は底部に装着される。インクが消費され、アクチュエータ106周辺のインクがなくなると、アクチュエータ106の共振周波数が大きく変化することに基づいて、インクの液位変化を検出することができる。
【0117】
図7は、図5に示したモジュール体100をインク容器1に装着したときの、インク容器の底部近傍の断面図である。モジュール体100は、インク容器1の側壁を貫通するように装着されている。インク容器1の側壁とモジュール体100との接合面には、Oリング365が設けられ、モジュール体100とインク容器1との液密を保っている。このようにOリングでシールが出来るために、モジュール体100は、図5で説明したような円柱部を備えることが好ましい。
【0118】
モジュール体100の先端がインク容器1の内部に挿入されることで、プレート110の貫通孔112を介して、インク容器1内のインクがアクチュエータ106と接触する。アクチュエータ106の振動部の周囲が液体か気体かによって、アクチュエータ106の残留振動の共振周波数が異なるので、モジュール体100を用いてインクの消費状態を検出することができる。
【0119】
図8は、図1に示したアクチュエータ106を用いたインクカートリッジ及びインクジェット式記録装置の実施形態を示す。複数のインクカートリッジ180は、それぞれのインクカートリッジ180に対応した複数のインク導入部182及びホルダー184を有するインクジェット式記録装置に装着される。複数のインクカートリッジ180は、それぞれ異なった種類、例えば異なった色のインクを収容する。複数のインクカートリッジ180のそれぞれの底面には、少なくとも音響インピーダンスを検出する手段であるアクチュエータ106が装着されている。アクチュエータ106をインクカートリッジ180に装着することによって、インクカートリッジ180内のインク残量を検出することができる。
【0120】
図9は、インクジェット式記録装置の記録ヘッド及びその周辺の詳細を示す。インクジェット式記録装置は、インク導入部182、ホルダー184、ヘッドプレート186及びノズルプレート188を有する。インクを噴射するノズル190が、ノズルプレート188に複数形成されている。
【0121】
インク導入部182は、空気供給口181とインク導入口183とを有する。空気供給口181は、インクカートリッジ180に空気を供給する。インク導入口183には、インクカートリッジ180からインクが導入される。
【0122】
インクカートリッジ180は、空気導入口185とインク供給口187とを有する。空気導入口185には、インク導入部182の空気供給口181から空気が導入される。インク供給口187は、インク導入部182のインク導入口183にインクを供給する。インクカートリッジ180に空気導入口185から空気を導入することによって、インクカートリッジ180からインク導入部182へのインクの供給が促される。ホルダー184は、インクカートリッジ180からインク導入部182を介して供給されたインクをヘッドプレート186に連通するものである。
【0123】
図10は、本実施形態によるインクジェット式記録装置の主要部分のシステム構成を示した図であり、図10に示したようにインクカートリッジ180にはアクチュエータ106が装着されている。アクチュエータ106は、インクカートリッジ180のインク容器のインク収容空間に少なくとも一部を露出させ得る振動部を有し、駆動信号が供給されることにより前記振動部を振動させる機能と共に、前記振動部の振動状態に応じた逆起電力の信号を出力する機能を有する。
【0124】
制御装置本体200は、インクジェット式記録装置を制御するコンピュータで構成される。制御装置本体200はインクジェット記録装置に設けられていても良いし、或いは、制御装置本体200の一部又は全部の機能が、インクジェット式記録装置に接続された他のコンピュータ等の外部装置に設けられていても良い。さらに、制御装置本体200の一部の機能が、プログラムとしてコンパクトディスク等の記録媒体203に格納され、ドライブ装置等の入力装置204を介して供給されても良い。
【0125】
制御装置本体200は、アクチュエータ106の振動部に対向する空間に存在するインクの量を判定する液量判定手段205を有する。この液量判定手段205は、アクチュエータ106に駆動信号を供給して振動部を振動させた後の振動部の残留振動に起因してアクチュエータ106から出力される残留振動信号の共振周波数に基づいてて液量を判定する。
【0126】
液量判定手段205は、残留振動信号中のパルスの数を計測すると共に、パルス数のカウント開始時点から、所定数のパルスをカウントする時点までの所要時間を計測するカウンタ部212を有する。カウンタ部212は3つのカウンタを備えており、カウント開始時点を少しづつずらしながら、パルス数のカウントを3回実施する。
【0127】
さらに、液量判定手段205はエラー検出部213を備えており、このエラー検出部213は、前記所要時間についての3つの計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断する機能を有する。
【0128】
好ましくは、液量判定手段205は、図2(E)に示したようにキャビティ162の中には液体が存在するがキャビティ162の外側には液体が存在しない場合と、図2(C)に示したようにキャビティ162の部分のみならず、その前方が液体で満たされている場合とで残留振動信号の共振周波数が変化することを利用して、インクの液面が圧電装置106の振動部を通過したか否かを判定することができる。
【0129】
制御装置本体200は、さらに、印刷動作部206を制御する印刷動作制御部207、印刷データ記憶部208及び消費情報提示部209を含む。消費情報提示部209は、液量判定手段205が検出した消費状態情報を、ディスプレイ210及びスピーカ211を用いてユーザに提示する。例えば、ディスプレイ210には消費状態を示す図形等が表示され、スピーカ211からはインク残量を示す報知音又は合成音声が出力される。合成音声により、適切な操作が案内されてもよい。
【0130】
消費状態はユーザの要求に応えて提示されてもよい。また、適当な間隔をおいて周期的に提示されても良い。また、適当なイベント、例えば印刷開始等のイベントが生じたときに提示されても良い。また、インク残量が所定の閾値(例えばインクエンドに相当する閾値)になったときに自動的に提示されても良い。
【0131】
図11は、液量判定手段205を構成する回路図の一例を示し、この回路には3つのカウンタ300、301、302及びエラー検出部213が含まれている。エラー検出部213は、最下位ビットは測定誤差として無視している。
【0132】
図12及び図13は、アクチュエータ106及び液量判定手段205から成る本実施形態の液量監視装置の作用を説明するための波形図であり、図12は液量判定手段205による判定が正常に行われた場合を示し、図13は判定異常の場合を示している。図13に示した例では、アクチュエータ106の出力波形(アクチュエータ出力波形)のノイズがのっている。
【0133】
図12及び図13に示したように、コンパレータ出力の最初の4発は、アクチュエータ106の出力波形が安定しないので無視している。また、カウンタ1は5発目から2発分、カウンタ2は6発目から2発分、カウンタ3は7発目から2発分の所要時間をそれぞれ計測している。
【0134】
そして、3つのカウンタのそれぞれのカウント開始時点を、第1回目の計測における前記所要時間の時間帯域と第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域とが重ならず、第2回目の計測における前記所要時間の時間帯域が第1回目及び第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域のそれぞれに重なるように少しずつずらしている。
【0135】
図12から分かるように、液量判定手段205による判定が正常に行われる場合には、3つのカウンタで計測した前記所要時間の3つの計測値が等しくなる。一方、図13から分かるように、アクチュエータ106からの残留振動信号にノイズがのった場合には、3つのカウンタで計測した前記所要時間3つの計測値の間に不一致が発生する。
【0136】
したがって、3つのカウンタの計測値が一定の測定誤差範囲内におさまっていればその計測結果は信頼することができる。一方、3つのカウンタの計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には、ノイズにより影響を受けたと判断することができる。
【0137】
図14は液量判定手段205における処理のフローチャートを示し、図15は図14中のカウント動作の部分における処理のフローチャートを示している。
【0138】
図14に示したように、液量監視装置(インクレベルセンサ)の動作開始信号が発せられると(ステップ1)、再測定フラグがLとされた後(ステップ2)、カウント動作が開始される(ステップ3)。そして、カウント動作においてエラーが発生したか否かを判定し(ステップ4)、エラーが発生していない場合には正常終了とする(ステップ5)。
【0139】
一方、エラーが発生した場合には、再測定フラグがLか否かを確認し(ステップ6)、再測定フラグがLではない場合には検出失敗とする(ステップ7)。また、再測定フラグがLの場合には、再測定フラグをHとした後(ステップ8)、キャリッジが停止しているか否かを判断する(ステップ9)。キャリッジが停止していない場合にはキャリッジが停止するまで待ち(ステップ10)、キャリッジが停止している場合にはインク吐出が停止しているか否かを判断する(ステップ11)。インク吐出が停止していない場合には停止するまで待ち(ステップ12)、インク吐出が停止している場合にはカウント動作(ステップ3)に戻って再度測定を実施する。
【0140】
カウント動作の処理を示す図15において、記号αはカウンタ1の動作前に無視するパルス数を示し、記号βはカウンタ1が動き始めてからカウンタ2が動き始めるまでのパルス数を示し、記号γはカウンタ1が動き始めてからカウンタ3が動き始めるまでのパルス数を示し、記号δはカウンタがカウントするパルス数を示す。
【0141】
図15に示したようにカウンタ1ではパルス数がαか否かを判定して(ステップ20)、パルス数がαとなったらカウント動作を開始する(ステップ21)。そして、パルス数がα+δか否かを判定して(ステップ22)、パルス数がα+δになったらカウンタ1を停止する(ステップ23)。
【0142】
また、カウンタ2ではパルス数がα+βか否かを判定して(ステップ30)、パルス数がα+βとなったらカウント動作を開始する(ステップ31)。そして、パルス数がα+β+δか否かを判定して(ステップ32)、パルス数がα+β+δになったらカウンタ2を停止する(ステップ33)。
【0143】
さらに、カウンタ3ではパルス数がα+γか否かを判定して(ステップ40)、パルス数がα+γとなったらカウント動作を開始する(ステップ41)。そして、パルス数がα+γ+δか否かを判定して(ステップ42)、パルス数がα+γ+δになったらカウンタ3を停止する(ステップ43)。
【0144】
3つのカウンタのすべてが停止したら、カウンタ1,2,3の上位有効ビットが一致したか否かを判定し(ステップ50)、一致しない場合にはエラー発生を通知し(ステップ51)、一致した場合には終了する。
【0145】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、液量判定手段は、圧電装置からの残留振動信号中の所定数のパルスを、カウント開始時点をずらしながら少なくとも3回カウントしてそれぞれの所要時間を測定し、それらの測定値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断するようにしたので、圧電装置の出力信号にノイズがのりやすいような環境下においても、液量監視装置によって高い信頼性の下で液量を監視することができる。特に、インクジェット式記録装置のインクカートリッジ内のインク量を監視するような場合には、記録ヘッドを搭載したキャリッジの動作中やインクの吐出中に圧電装置の出力信号にノイズがのりやすいので、本発明による液量監視装置がとくに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における圧電装置(アクチュエータ)の詳細を示す図である。
【図2】図1に示した圧電装置の周辺およびその等価回路を示す図である。
【図3】図1に示した圧電装置によって検出されるインクの共振周波数とインクの密度との関係を示す図である。
【図4】図1に示した圧電装置の逆起電力波形を示す図である。
【図5】図1に示した圧電装置を組み込んだモジュール体を示す斜視図である。
【図6】図5に示したモジュール体の構成を示す分解図である。
【図7】図5に示したモジュール体をインク容器に装着した断面の例を示す図である。
【図8】図1に示した圧電装置を装着したインクカートリッジ及びインクジェット式記録装置を示す図である。
【図9】図1および図2に示した圧電装置を装着したインクジェット式記録装置の詳細を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態によるインクジェット式記録装置の主要部分のシステム構成を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態による液量監視装置の液量判定手段を構成する回路図の一例を示した図である。
【図12】本発明の一実施形態による液量監視装置の作用を説明するための正常判定時の波形図である。
【図13】本発明の一実施形態による液量監視装置の作用を説明するための異常判定時の波形図である。
【図14】本発明の一実施形態による液量監視装置の液量判定手段における処理のフロートチャートを示した図である。
【図15】図14に示したフローチャート中のカウント動作の部分における処理のフローチャートを示した図である。
【符号の説明】
1 インク容器
106 圧電装置(アクチュエータ)
160 圧電層
162 キャビティ
164 上部電極
166 下部電極
176 振動板
178 基板(キャビティ形成部材)
180 インクカートリッジ
188 ノズルプレート
190 ノズル
200 制御装置本体
205 液量判定手段
212 カウンタ部
213 エラー検出部
300,301,302 カウンタ

Claims (13)

  1. 液体の収容空間に少なくとも一部を露出させ得る振動部を有し、駆動信号の供給により前記振動部を振動させる機能と共に、前記振動部の振動状態に応じて発生する逆起電力の信号を出力する機能を有する圧電装置と、
    前記圧電装置に前記駆動信号を供給して前記振動部を振動させた後の前記振動部の残留振動に起因して前記圧電装置から出力される残留振動信号の共振周波数に基づいて、前記振動部に対向する空間に存在する液体の量を判定する液量判定手段と、を備え、
    前記液量判定手段は、前記残留振動信号中のパルスの数を計測し、パルス数のカウント開始時点から、所定数のパルスをカウントする時点までの所要時間を計測してその計測結果に基づいて液量を判定するものであり、
    さらに、前記液量判定手段は、前記カウント開始時点をずらしながらパルス数のカウントを少なくとも3回実施し、前記所要時間についての少なくとも3つの計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断する機能を有し、第1回目の計測における前記所要時間の時間帯域と第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域とが重ならず、第2回目の計測における前記所要時間の時間帯域が第1回目及び第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域のそれぞれに重なるように前記カウント開始時点同士をずらしたことを特徴とする液量監視装置。
  2. 前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項1記載の液量監視装置。
  3. 前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、
    前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドが装着されているキャリッジが停止している状態において前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項2記載の液量監視装置。
  4. 前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、
    前記液量判定手段は、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドからのインク吐出が停止している状態において前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項2又は3に記載の液量監視装置。
  5. 前記液量判定手段は、前記液体の液面が前記振動部を通過する前後における前記残留振動信号の共振周波数の変化に基づいて、前記液体の液面が前記振動部の設置位置を通過したか否かを判定する機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液量監視装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液量監視装置と、
    前記液量監視装置の前記圧電装置が装着された液体容器と、
    前記液体容器から供給される液体を消費する装置本体と、を備えたことを特徴とする液体消費装置。
  7. 少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュータシステムに請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液量監視装置の前記液量判定手段を実現させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 圧電装置の振動部の少なくとも一部を液体の収容空間に露出させた状態で前記圧電装置に駆動信号を供給して前記振動部を振動させる工程と、
    前記振動部を振動させた後の前記振動部の残留振動に起因して前記圧電装置から出力される残留振動信号の共振周波数に基づいて、前記振動部に対向する空間に存在する液体の量を判定する工程と、を備え、
    前記液体の量を判定する工程においては、
    前記残留振動信号中のパルスの数を計測し、パルス数のカウント開始時点から、所定数のパルスをカウントする時点までの所要時間を計測してその計測結果に基づいて液量を判定し、
    さらに、前記カウント開始時点をずらしながらパルス数のカウントを少なくとも3回実施し、前記所要時間についての少なくとも3つの計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断し、第1回目の計測における前記所要時間の時間帯域と第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域とが重ならず、第2回目の計測における前記所要時間の時間帯域が第1回目及び第3回目の計測における前記所要時間の時間帯域のそれぞれに重なるように前記カウント開始時点同士をずらすことを特徴とする液量監視方法。
  9. 前記液体の量を判定する工程においては、判定異常と判断された場合には前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項8記載の液量監視方法。
  10. 前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、
    前記液体の量を判定する工程においては、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドが装着されているキャリッジが停止している状態において前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項9記載の液量監視方法。
  11. 前記液体はインクジェット式記録ヘッド用のインク容器に収容されるものであり、前記圧電装置は前記インク容器に装着されて前記振動部の少なくとも一部が前記インク容器のインク収容空間に露出しており、
    前記液体の量を判定する工程においては、判定異常と判断された場合には、前記記録ヘッドからのインク吐出が停止している状態において前記所要時間を再計測することを特徴とする請求項9又は10に記載の液量監視方法。
  12. 前記液体の量を判定する工程においては、前記液体の液面が前記振動部を通過する前後における前記残留振動信号の共振周波数の変化に基づいて、前記液体の液面が前記振動部の設置位置を通過したか否かを判定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の液量監視方法。
  13. 液体の収容空間に少なくとも一部を露出させ得る振動部を有し、駆動信号の供給により前記振動部を振動させる機能と共に、前記振動部の振動状態に応じて発生する逆起電力の信号を出力する機能を有する圧電装置と、
    前記圧電装置に前記駆動信号を供給して前記振動部を振動させた後の前記振動部の残留振動に起因して前記圧電装置から出力される残留振動信号の共振周波数に基づいて、前記振動部に対向する空間に存在する液体の量を判定する液量判定手段と、を備え、
    前記液量判定手段は、前記残留振動信号中のパルスの数を計測し、パルス数のカウント開始時点から、所定数のパルスをカウントする時点までの所要時間を計測してその計測結果に基づいて液量を判定するものであり、
    さらに、前記液量判定手段は、前記カウント開始時点をずらしながら前記所定数のパルスのカウントを複数回繰り返し、前記所要時間についての複数の計測値同士の間に許容範囲を超える不一致がある場合には判定異常と判断する機能を有することを特徴とする液量監視装置。
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