JP4038776B2 - 液体検出装置及び同装置を備えた液体容器 - Google Patents

液体検出装置及び同装置を備えた液体容器 Download PDF

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Description

本発明は、液体検出装置及びこの装置を備えた液体容器に係わり、特に、液体噴射装置における液体残量の検出に適した液体検出装置及びこの装置を備えた液体容器に関する。
従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置においては、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをインク滴として射出するノズル開口と、を有するインクジェット記録ヘッドがキャリッジに搭載されている。
インクジェット式記録装置では、インク容器内のインクが流路を介して記録ヘッドに供給され続けることにより、印刷を継続可能に構成されている。インク容器は、例えばインクが消費された時点でユーザが簡単に交換できる、着脱可能なカートリッジとして構成されている。
従来、インクカートリッジのインク消費の管理方法としては、記録ヘッドでのインク滴の射出数やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエアにより積算してインク消費を計算により管理する方法や、インクカートリッジに液面検出用の電極を取付けることにより実際にインクが所定量消費された時点を管理する方法などがある。
しかしながら、ソフトウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してインク消費を計算上管理する方法には、次のような問題がある。ヘッドの中には吐出インク滴に重量バラツキを有するものがある。このインク滴の重量バラツキは画質には影響を与えないが、バラツキによるインク消費量の誤差が累積した場合を考慮して、マージンを持たせた量のインクをインクカートリッジに充填してある。従って、個体によってはマージン分だけインクが余るという問題が生ずる。
一方、電極によりインクが消費された時点を管理する方法は、インクの実量を検出できるので、インク残量を高い信頼性で管理できる。しかしながら、インクの液面の検出をインクの導電性に頼ることになるので、検出可能なインクの種類が限定されてしまったり、電極のシール構造が複雑化してしまうという欠点がある。また、電極の材料としては、通常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属が使用されるので、インクカートリッジの製造コストがかさむ。さらに、2本の電極を装着する必要があるため、製造工程が多くなり、結果として製造コストがかさんでしまう。
上記の課題を解決すべく開発された装置が、特開2001−146024号に圧電装置として開示されている。この圧電装置は、液体残量を正確に検出でき、かつ複雑なシール構造を不要としたものであり、液体容器に装着して使用することができる。
即ち、特開2001−146024号に記載の圧電装置によれば、圧電装置の振動部に対向する空間にインクが存在する場合とインクが存在しない(或いは少ない)場合とで、駆動パルスにより強制的に振動させた後の圧電装置の振動部の残留振動(自由振動)に起因して発生する残留振動信号の共振周波数が変化することを利用して、インクカートリッジ内のインク残量を監視することができる。
図24A、図24B及び図24Cは、上述した従来の圧電装置を構成するアクチュエータを示している。このアクチュエータ106は、ほぼ中央に円形状の開口161を有する基板178と、開口161を被覆するように基板178の一方の面(以下、「表面」という。)に配置される振動板176と、振動板176の表面の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方からはさみこむ上部電極164および下部電極166と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子168と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端子170と、上部電極164および上部電極端子168の間に配設され両者を電気的に結合する補助電極172と、を有する。
圧電層160、上部電極164および下部電極166は、それぞれの本体部としての円形部分を有する。そして、圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの円形部分が、圧電素子を形成している。
振動板176は、基板178の表面に、開口161を覆うように形成される。キャビティ162は、開口161と面する振動板176の部分と基板(キャビティ形成部材)178の開口161とによって形成される。圧電素子とは反対側の基板178の面(以下、「裏面」という。)は、インク容器内方に面している。これにより、キャビティ162は液体(インク)と接触するように構成されている。なお、キャビティ162内に液体が入っても基板178の表面側に液体が漏れないように、振動板176は基板178に対して液密に取り付けられている。
下部電極166は、振動板176の表面に位置している。下部電極166の本体部である円形部分の中心と開口161の中心とは、一致するように取り付けられている。また、下部電極166の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中心と開口161の中心とが一致するように配置形成されている。
そして、この従来の技術におけるアクチュエータ(圧電装置)106においては、下部電極166の円形部分の寸法(面積)が、開口161の寸法(面積)よりも小さくなるように設定されており、下部電極166の円形部分はその全体が開口161に対応する領域の範囲内に配置されている。また、圧電層160の円形部分の面積は、開口161の面積よりも小さく、かつ、下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるように設定されている。
圧電層160の表面側には、上部電極164が、その本体部である円形部分の中心と開口161の中心とが一致するように配置形成されている。上部電極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層160の円形部分の面積よりも小さく、かつ、下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されている。
したがって、圧電層160の本体部は、上部電極164の本体部と下部電極166の本体部とによって、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造となっている。圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの本体部である円形部分が、アクチュエータ106における圧電素子を形成する。この圧電素子は振動板176に接している。
このような構造のために、振動板176のうち実際に振動する振動領域は、開口161によって決定される。また、圧電層160と電気的に接続する下部電極166の円形部分および上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円形部分の方が小さいので、下部電極166の円形部分が、圧電層160のうちで圧電効果を発生する部分を決定する。
上述したように、従来の技術におけるアクチュエータ106(圧電装置)においては、上部電極164の円形の本体部、圧電層160の円形の本体部、下部電極166の円形の本体部および円形の開口161のうちで、面積が最も大きいのは開口161であり、次に大きいのが圧電層160の本体部であり、次が上部電極164の本体部であり、最も小さいのが下部電極166の本体部である。
そして、上述した従来の技術におけるアクチュエータ106では、圧電素子に駆動パルスを印加して振動部を強制的に振動させた後に生じる振動部の残留振動(自由振動)が、同じ圧電素子によって逆起電力として検出される。そして、インク容器内の液面がアクチュエータ106の設置位置(厳密にはキャビティ162の位置)を通過する前後で振動部の残留振動状態が変化すること利用して、インク容器内のインク残量を検出することができる。
ところが、上述した従来の液体検出装置(圧電装置)においては、以下に述べるような問題があった。
第1に、液体検出装置の振動部の残留振動によって圧電素子に生じる逆起電力の出力が小さく、このために逆起電力の検出が困難であった。これは、圧電素子に駆動パルスを印加して強制的に振動させた場合の振動部の変形形状(変形モード)と、強制変形後の自由振動時における振動部の変形形状(変形モード)とが大きく相違することによるものと考えられる。
第2に、強制変形後の振動部の自由振動中に、検出対象として必要な振動周波数以外に不要な高次の振動モードが励起されてしまうという問題があった。特に、製造バラツキにより振動部内での下部電極の位置がずれると不要振動が増大し、場合によっては検出不能となったり、正確な検出ができなくなる場合があった。
また、図24A、図24B及び図24Cから分かるように従来の液体検出装置(圧電装置)においては、硬いが脆弱な圧電膜160の一部が、上部電極端子168側に向けてキャビティ162の周縁を横切るように延在している。このため、キャビティ162の周縁に対応する位置において圧電膜160にクラックが発生するという問題があった。
本発明は、上述した事情を考慮して成されたものであって、振動部の残留振動状態を容易且つ確実に検出することができる液体検出装置及び同装置を備えた液体容器を提供することを目的とする。
また、本発明は、圧電層におけるクラックの発生を防止することができる液体検出装置及び同装置を備えた液体容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記基部の前記第2面側に形成された第1電極であって、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の略全体を覆う本体部を有し、前記本体部は、前記凹部の底面の周縁に対応する位置よりも内側に入り込むようにして形成された切欠き部を含む、第1電極と、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成された本体部を有し、全体が前記凹部の底面に対応する領域の範囲内に収まっている圧電層であって、前記圧電層の前記本体部は、前記第1電極の前記切欠き部に対応する部分を除く略全体が前記第1電極に積層されている、圧電層と、前記基部の前記第2面側に形成され、前記凹部の底面に対応する領域の外部から前記凹部の底面に対応する領域の内部まで延在し、一部が前記第1電極の前記切欠き部の内部に位置して前記圧電層の一部を前記第2面側から支持する補助電極と、前記圧電層に積層された本体部と、前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の内部において前記補助電極に接続された延出部と、を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記圧電層は、前記凹部の底面に対応する領域の範囲内において前記圧電層の前記本体部から突出した突出部を有し、前記突出部は前記補助電極によって支持されている。
また、好ましくは、前記第2電極の前記本体部は、前記圧電層の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて前記基部の前記第2面側に形成されて前記凹部の底面に対応する領域の全体を覆う第1電極と、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部にて前記第1電極に積層された本体部を有する圧電層と、前記圧電層の前記本体部に積層された本体部を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記圧電層は、前記圧電層の前記本体部から延出して前記凹部の周縁に対応する位置を越えて前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記第2電極の前記本体部は、前記圧電層の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている。
また、好ましくは、前記第2電極は、前記第2電極の前記本体部から延出して前記圧電層の前記延出部上を延びて前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している。
また、好ましくは、前記凹部、前記圧電層の前記本体部、及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている。
また、好ましくは、前記第2電極の前記延出部と前記圧電層との間に介在する絶縁層をさらに有する。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて前記基部の前記第2面側に形成されて前記凹部の底面に対応する領域の全体を覆う第1電極と、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて形成されて記凹部の底面に対応する領域の全体を覆うようにして前記第1電極に積層された本体部を有する圧電層と、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部において前記圧電層の前記本体部に積層された本体部を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部は、前記第1電極の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている。
また、好ましくは、前記圧電層は、前記圧電層の前記本体部から延出する延出部をさらに有し、前記第2電極は、前記第2電極の前記本体部から延出して前記圧電層の前記本体部及び前記延出部上を延びる延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している。
また、好ましくは、前記凹部及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている。
また、好ましくは、前記第2電極の前記延出部と前記圧電層との間に介在する絶縁層をさらに有する。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて前記基部の前記第2面側に形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部に配置された本体部を有する第1電極と、前記第1電極の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されて前記第1電極の前記本体部に積層された本体部を有する圧電層と、前記圧電層の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されて前記圧電層の前記本体部に積層された本体部を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記第1電極は、前記第1電極の前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延在する延出部をさらに有し、前記圧電層は、前記圧電層の前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延在する延出部をさらに有し、前記第2電極は、前記第2電極の前記本体部から延出して前記圧電層の前記本体部及び前記延出部上を延びる延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記凹部及び前記第1電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されており、前記第1電極の前記本体部の直径は前記凹部の直径の75%以上の大きさである。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて前記基部の前記第2面側に形成されて前記凹部の底面に対応する領域の全体を覆う第1電極と、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて形成されて記凹部の底面に対応する領域の全体を覆うようにして前記第1電極に積層された本体部を有する圧電層と、外径が前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部において前記圧電層の前記本体部に積層された環状の本体部を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部は、前記第1電極の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている。
また、好ましくは、前記圧電層は、前記圧電層の前記本体部から延出する延出部をさらに有し、前記第2電極は、前記第2電極の前記本体部から延出して前記圧電層の前記本体部及び前記延出部上を延びる延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している。
また、好ましくは、前記凹部は円形であり、前記第2電極の前記本体部は円環状であり、前記凹部と前記第2電極の前記本体部とは互いに同心に配置されている。
上記課題を解決するために、本発明による液体検出装置は、互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、前記基部の前記第2面側に形成された第1電極であって、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部に配置された本体部と、前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延在する延出部と、を有する、第1電極と、前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記第1電極に積層され、全体が前記凹部の底面に対応する領域の内部に配置された圧電層と、前記基部の前記第2面側に形成され、前記凹部の底面に対応する領域の外部から前記凹部の底面に対応する領域の内部まで延在し、一部が前記圧電層の一部を前記第2面側から支持する補助電極と、前記圧電層に積層された本体部と、前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の内部において前記補助電極に接続された延出部と、を有する第2電極と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記第1電極の前記本体部の寸法は前記圧電層の寸法よりも小さく、前記第2電極の前記本体部の寸法は前記第1電極の前記本体部の寸法よりも大きい。
また、好ましくは、前記第2電極の前記本体部の寸法は前記圧電層の寸法よりも小さい。
また、好ましくは、前記第1電極の前記延出部及び前記第2電極の前記延出部は、前記凹部の中心を通る第1の直線上において互いに反対の方向に延出しており、前記第1電極は、前記凹部の中心を通り且つ前記第1の直線に直交する第2の直線上において前記第1電極の前記本体部から互いに反対の方向に延出する一対の延出部をさらに有する。
また、好ましくは、前記一対の延出部と前記第1電極の前記本体部とを分離する。
また、好ましくは、前記第1電極の前記本体部、前記圧電層の前記本体部、及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている。
上記課題を解決するために、本発明による液体容器は、液体を収容する容器本体と、上記いずれかの液体検出装置と、を備え、前記液体検出装置の前記凹部が前記容器本体の液体収容空間に露出していることを特徴とする。
また、好ましくは、前記容器本体には液体噴射装置用の液体が収容されている。
また、好ましくは、前記液体噴射装置はインクジェット式記録装置であり、前記容器本体にはインクが収容されている。
上記構成より成る本発明による液体検出装置及び同装置を備えた液体容器によれば、液体検出装置の振動部の残留振動状態の変化を容易且つ確実に検出することができる。
また、本発明による液体検出装置及び同装置を備えた液体容器によれば、圧電層におけるクラックの発生を確実に防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態による液体検出装置を備えたインクカートリッジが使用されるインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図3A及び図3Bは、図2に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図3Aは図2のA−A線に沿った断面を示し、図3Bは図2のB−B線に沿った断面を示す。
図4は、図2、図3A及び図3Bに示した液体検出装置の周辺およびその等価回路を示す図である。
図5Aは、図2、図3A及び図3Bに示した液体検出装置によって検出される振動部の共振周波数とインクカートリッジ内のインク残量との関係を示す。
図5Bは、図2、図3A及び図3Bに示した液体検出装置によって検出されるインクの共振周波数とインク密度との関係を示す。
図6A及び図6Bは、図2、図3A及び図3Bに示した液体検出装置における逆起電力波形を示す図である。
図7は、図2、図3A及び図3Bに示した液体検出装置を組み込んだモジュール体を示す斜視図である。
図8は、図7に示したモジュール体の構成を示す分解図である。
図9は、図7に示したモジュール体をインクカートリッジの容器本体に装着した断面の例を示す図である。
図10は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図11A及び図11Bは、図10に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図11Aは図10のA−A線に沿った断面を示し、図11Bは図10のB−B線に沿った断面を示す。
図12は、図10、図11A及び図11Bに示した液体検出装置の一変形例を示した断面図である。
図13は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図14A及び図14Bは、図13に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図14Aは図13のA−A線に沿った断面を示し、図14Bは図13のB−B線に沿った断面を示す。
図15は、図13、図14A及び図14Bに示した液体検出装置の一変形例を示した断面図である。
図16は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図17A及び図17Bは、図16に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図17Aは図16のA−A線に沿った断面を示し、図17Bは図16のB−B線に沿った断面を示す。
図18は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図19A及び図19Bは、図18に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図19Aは図18のA−A線に沿った断面を示し、図19Bは図18のB−B線に沿った断面を示す。
図20は、本発明の一実施形態による液体検出装置を示した平面図である。
図21A及び図21Bは、図20に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図21Aは図20のA−A線に沿った断面を示し、図21Bは図20のB−B線に沿った断面を示す。
図22は、図20、図21A及び図21Bに示した実施形態の一変形例としての液体検出装置を示した平面図である。
図23A及び図23Bは、図22に示した液体検出装置の一部を拡大して示した縦断面図であり、図23Aは図22のA−A線に沿った断面を示し、図23Bは図22のB−B線に沿った断面を示す。
図24A、図24B及び図24Cは、従来の液体検出装置を示した図である。
以下、本発明の一実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるインクカートリッジが使用されるインクジェット式記録装置(液体噴射装置)の概略構成を示し、図1中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側にはインクジェット式記録ヘッド12が搭載され、またその上部には記録ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
この記録装置の非印字領域であるホームポジション(図中、右側)にはキャップ部材31が配置されており、このキャップ部材31はキャリッジ1に搭載された記録ヘッドがホームポジションに移動した時に、記録ヘッドのノズル形成面に押し当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形成するように構成されている。そして、キャップ部材31の下方には、キャップ部材31により形成された密閉空間に負圧を与えてクリーニング等を実施するためのポンプユニット10が配置されている。
そして、キャップ部材31における印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記録ヘッドの移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されていて、キャリッジ1がキャップ部材31側に往復移動するに際して、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭することができるように構成されている。
図2、図3A及び図3Bは、本実施形態による液体検出装置60を示した図であり、この液体検出装置60は、基板41に振動板42を積層して構成された基部40を有し、この基部40は、互いに対向する第1面40a及び第2面40bを有する。基部40には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)43が、第1面40a側に開口するようにして形成されており、キャビティ43の底面部43aが振動板42にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板42全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ43によってその輪郭が規定されている。基部40の第2面40b側の両端には下部電極端子44及び上部電極端子45が形成されている。
基部40の第2面40bには下部電極(第1電極)46が形成されており、この下部電極46は、略円形の本体部46aと、この本体部46aから下部電極端子44の方向に延出して下部電極端子44に接続された延出部46bとを有する。下部電極46の略円形の本体部46aの中心はキャビティ43の中心と一致している。
下部電極46の略円形の本体部46aは、円形のキャビティ43よりも大径に形成され、キャビティ43に対応する領域の略全体を覆っている。また、この下部電極46の略円形の本体部46aには、キャビティ43の周縁43aに対応する位置よりも内側に入り込むようにして形成された切欠き部46cを含んでいる。
下部電極46の上には圧電層47が積層されており、この圧電層47は、キャビティ43よりも小径に形成された円形の本体部47aと、キャビティ43に対応する領域の範囲内において本体部47aから突出した突出部47bとを有する。図2から分かるように、圧電層47はその全体がキャビティ43に対応する領域の範囲内に収まっている。換言すれば、圧電層47は、キャビティ43の周縁43aに対応する位置を横切って延在する部分をまったく有していない。
圧電層47の本体部47aの中心はキャビティ43の中心と一致しており、圧電層47の本体部47aは、下部電極46の切欠き部46cに対応する部分を除いてその略全体が下部電極46に積層されている。
基部40の第2面40b側には補助電極48が形成されている。この補助電極48は、キャビティ43に対応する領域の外側から、キャビティ43の周縁43aに対応する位置を越えてキャビティ43に対応する領域の内部まで延在する。補助電極48の一部は、第1電極46の切欠き部46cの内部に位置して圧電層47の延出部47b及びその近傍を基板40の第2面40b側から支持している。この補助電極48は、好ましくは、下部電極46と同じ材質で且つ同じ厚さを有している。このように補助電極48によって圧電層47の延出部47b及びその近傍を基板40の第2面40b側から支持することによって、圧電層47に段差が生じないようにして機械的強度の低下を防止することができる。
圧電層47には、上部電極(第2電極)49の円形の本体部49aが積層されており、この上部電極49は、圧電層47の本体部47aよりも小径に形成されている。また、上部電極49は、本体部49aから延出して補助電極48に接続された延出部49bを有している。図3Bから分かるように、上部電極49の延出部49bと補助電極48との接続が始まる位置Pは、キャビティ43に対応する領域の範囲内に位置している。
図2から分かるように、上部電極49は補助電極48を介して上部電極端子45に電気的に接続されている。このように補助電極48を介して上部電極49を上部電極端子45に接続することによって、圧電層47及び下部電極46の合計の厚さから生じる段差を、上部電極49と補助電極48との両方によって吸収することができる。このため、上部電極49に大きな段差が生じて機械的強度が低下することを防止することができる。
上部電極49の本体部49aは円形を成しており、その中心はキャビティ43の中心と一致している。上部電極49の本体部49aは、圧電層47の本体部47a及びキャビティ43のいずれよりも小径に形成されている。
このように、圧電層47の本体部47aは、上部電極49の本体部49aと下部電極46の本体部46aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層47は効果的に変形駆動され得る。
なお、圧電層47と電気的に接続された下部電極46の本体部46aおよび上部電極49の本体部49aのうち、上部電極49の本体部49aの方が小径に形成されている。従って、上部電極49の本体部49aが、圧電層47のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置60に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置60を一体的に形成することによって、液体検出装置60の取り扱いが容易になる。
圧電層47の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板41の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板42には、基板41と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極49、下部電極46、上部電極端子45および下部電極端子44は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
圧電層47の本体部47a、上部電極49の本体部49a、及び下部電極46の本体部46aは、それらの中心がキャビティ43の中心と一致している。また、振動板42の振動可能な部分を決定する円形状のキャビティ43の中心は、液体検出装置60の全体の中心に位置している。
キャビティ43によって規定される振動板42の振動可能な部分、下部電極46の本体部46aのうちのキャビティ43に対応する部分、圧電層47の本体部47a及び突出部47b、並びに上部電極49の本体部49a及び延出部49bのキャビティ43に対応する部分は、液体検出装置60の振動部61を構成する。そして、この液体検出装置60の振動部61の中心は、液体検出装置60の中心と一致する。
更に、圧電層47の本体部47a、上部電極49の本体部49a、下部電極46の本体部46a、及び振動板42の振動可能な部分(即ちキャビティ43の底面部43aに対応する部分)が円形形状を有しており、しかも、圧電層47の全体、即ち圧電層47の本体部47a及び延出部47bがキャビティ43に対応する領域の内部に配置されているので、液体検出装置60の振動部61は液体検出装置60の中心に対して略対称な形状である。
このように本実施形態においては、キャビティ43に対応する領域の略全体を下部電極46の本体部46aで覆うようにしたので、強制振動時の変形モードと自由振動時の変形モードとの相違が従来に比べて小さくなる。また、液体検出装置60の振動部61が液体検出装置60の中心に対して対称な形状であるので、この振動部61の剛性はその中心から見てほぼ等方的となる。
このため、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生が抑制される共に、強制振動時と自由振動時との間の変形モードの相違による逆起電力の出力低下が防止される。これにより、液体検出装置60の振動部61における残留振動の共振周波数の検出精度が向上すると共に、振動部61の残留振動の検出が容易になる。
また、キャビティ43に対応する領域の略全体をキャビティ43よりも大径の下部電極46の本体部46aで覆うようにしたので、製造時における下部電極46の位置ズレに起因する不要振動の発生が防止され、検出精度の低下を防止することができる。
また、硬いが脆弱な圧電層47の全体がキャビティ43に対応する領域の内部に配置されており、キャビティ43の周縁43aに対応する位置には圧電層47が存在しない。このため、従来の液体検出装置においてキャビティの周縁に対応する位置で発生していた圧電膜のクラックの問題がない。
また、振動部61と液体とが接触する範囲が、キャビティ43が存在する範囲に限られているので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクカートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
図4は、本実施形態において用いられる液体検出装置60およびその等価回路を示す。この液体検出装置60は、残留振動による共振周波数を検出することで音響インピーダンスの変化を検知して、インクカートリッジ内の液体の消費状態を検出するものである。
図4(A)および図4(B)は、液体検出装置60の等価回路を示す。また、図4(C)および図4(D)は、それぞれインクカートリッジ7内にインクが満たされているときの液体検出装置60を含む周辺およびその等価回路を示し、図4(E)および図4(F)は、それぞれインクカートリッジ7内にインクが無いときの液体検出装置60を含む周辺およびその等価回路を示す。
図2乃至図4に示される液体検出装置60は、インクカートリッジ7の容器本体の所定の場所に、キャビティ43が容器本体内に収容される液体(インク)と接触するように装着される。つまり、液体検出装置60の振動部61の少なくとも一部が容器本体の収容空間に露出している。容器本体に液体が十分に収容されている場合には、キャビティ43内およびその外側は液体によって満たされている。
一方、インクカートリッジ7の容器本体内の液体(インク)が消費され、液体検出装置60の装着位置(厳密にはキャビティ43の位置)よりも下方まで液面が降下すると、キャビティ43内に液体が存在しない状態となるか、あるいは、キャビティ43内にのみ液体が残存されその外側には気体が存在する状態となる。
液体検出装置60は、この状態の変化に起因する音響インピーダンスの相違を検出する。それによって、液体検出装置60は、容器本体に液体が十分に収容されている状態であるか、あるいは、ある一定以上の液体が消費された状態であるか、を検知することができる。
次に、本実施形態による液体検出装置60における液面検出の原理について説明する。
液体検出装置60は、液体の音響インピーダンスの変化を共振周波数の変化を用いて検出することができる。共振周波数は、液体検出装置60の振動部61が振動した後に振動部61に残留する残留振動によって生ずる逆起電力を測定することによって検出することができる。すなわち、液体検出装置60の圧電層47に駆動パルスを印加して振動部61を強制的に振動させた後に振動部61を自由振動させると、液体検出装置60の振動部61における残留振動(自由振動)により圧電層47が逆起電力を発生する。この逆起電力の大きさは、液体検出装置60の振動部61の振幅によって変化する。従って、液体検出装置60の振動部61の残留振動(自由振動)の振幅が大きいほど、逆起電力の出力の検出が容易である。
また、液体検出装置60の振動部61における残留振動の周波数によって、逆起電力の大きさが変化する周期が変わる。すなわち、液体検出装置60の振動部61の周波数は、逆起電力の周波数に対応する。ここで、共振周波数は、液体検出装置60の振動部61と、この振動部61に接する媒体との共振状態における周波数をいう。
インクカートリッジ7の容器本体内に液体(インク)が充分に収容されている場合には、液体検出装置60のキャビティ43内には液体が満たされ、振動部61はキャビティ43の底面部43aにて容器本体内の液体と接触している。一方で、容器本体内に液体が充分にない場合には、液体検出装置60の振動部61は、キャビティ43内に残った液体と接するか、あるいは、液体と接触せず、気体または真空と接触する。
ここで、図2乃至図4を参照しながら、逆起電力の測定により得られる媒体と液体検出装置60の振動部61との共振周波数から、インクカートリッジ7の容器本体内の液体の状態を検出する動作および原理について説明する。
液体検出装置60において、上部電極端子45および下部電極端子44を介して、それぞれ上部電極49および下部電極46に電圧を印加する。すると、圧電層47のうち、上部電極49および下部電極46に挟まれた部分に電界が生じる。この電界によって、圧電層47は変形する。圧電層47が変形することによって、振動板42のうちの振動領域(キャビティ43の底面部43aに対応する領域)が、たわみ振動する。圧電層47を強制的に変形させた後、しばらくは、たわみ振動が液体検出装置60の振動部61に残留する。
この残留振動は、液体検出装置60の振動部61と媒体との自由振動である。従って、圧電層47に印加する電圧をパルス波形あるいは矩形波とすることで、電圧を印加した後の振動部61と媒体との共振状態を容易に得ることができる。残留振動は、液体検出装置60の振動部61の振動であり、圧電層47の変形を伴う。このため、残留振動に伴って圧電層47は逆起電力を発生する。この逆起電力は、上部電極49、下部電極46、上部電極端子45および下部電極端子44を介して検出される。この検出された逆起電力によって共振周波数が特定できるので、この共振周波数に基づいてインクカートリッジ7の容器本体内の液体(インク)の有無を検出することができる。
一般に、共振周波数fsは、
Figure 0004038776
で表される。ここで、Mは振動部61のイナータンスMactと付加イナータンスM’との和である。Cactは振動部61のコンプライアンスである。
図4(A)および図4(B)は、キャビティ43にインクが残存していないときの液体検出装置60の振動部61およびキャビティ43の等価回路である。
Mactは、振動部61の厚さと振動部61の密度との積を振動部61の面積で除したものであり、詳細には、図4(A)に示すように、
Figure 0004038776
と表される。
ここで、Mpztは、振動部61における圧電層47の厚さと圧電層47の密度との積を圧電層47の面積で除したものである。Melectrode1は、振動部61における上部電極49の厚さと上部電極49の密度との積を上部電極49の面積で除したものである。Melectrode2は、振動部61における下部電極46の厚さと下部電極46の密度との積を下部電極46の面積で除したものである。Mvibは、振動部61における振動板42の厚さと振動板42の密度との積を振動板42の振動領域の面積で除したものである。
ただし、Mactを振動部61の全体としての厚さ、密度および面積から算出することができるように、圧電層47、上部電極49、下部電極46および振動板42の振動領域のそれぞれの面積は、上述のような大小関係を有するものの、相互の面積の差は微小であることが好ましい。
また、本実施形態において、圧電層47、上部電極49および下部電極46においては、それらの主要部である円形の本体部47a、49a、46a以外の部分は、本体部に対して無視できるほど微小であることが好ましい。従って、液体検出装置60において、Mactは、上部電極49、下部電極46、圧電層47および振動板42のうちの振動領域のそれぞれのイナータンスの和である。また、コンプライアンスCactは、上部電極49、下部電極46、圧電層47および振動板42のうちの振動領域によって形成される部分のコンプライアンスである。
尚、図4(A)、(B)、(D)、(F)は、液体検出装置60の振動部61およびキャビティ43の等価回路を示すが、これらの等価回路において、Cactは液体検出装置60の振動部61のコンプライアンスを示す。Cpzt、Celectrode1、Celectrode2およびCvibは、それぞれ、振動部61における圧電層47、上部電極49、下部電極46および振動板42のコンプライアンスを示す。Cactは、以下の式3で表される。
Figure 0004038776
式2および式3より、図4(A)は、図4(B)のように表すこともできる。
コンプライアンスCactは、単位面積に圧力をかけたときの変形によって受容できる媒体の体積を表す。すなわち、コンプライアンスCactは、変形のし易さを表す。
図4(C)は、インクカートリッジ7の容器本体に液体が十分に収容され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が満たされている場合の液体検出装置60の断面図を示す。図4(C)のM’maxは、インクカートリッジ7の容器本体に液体が十分に収容され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が満たされている場合の付加イナータンス(付加質量(振動領域の振動に影響を及ぼす質量)を面積の2乗で除したもの)の最大値を表す。M’maxは、
Figure 0004038776
(aは振動部の半径、ρは媒体の密度、kは波数である。)
で表される。
尚、式4は、液体検出装置60の振動部61が半径aの円形である場合に成立する。付加イナータンスM’は、振動部61の付近にある媒体によって、振動部61の質量が見かけ上増加していることを示す量である。式4からわかるように、M’maxは、振動部61の半径aと媒体の密度ρとによって、大きく変化する。
波数kは、
Figure 0004038776
(factは、振動部61の共振周波数である。cは、媒体中を伝播する音響の速度である。)
で表される。
図4(D)は、インクカートリッジ7の容器本体に液体が十分に収容され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が満たされている図4(C)の場合の液体検出装置60の振動部61およびキャビティ43の等価回路を示す。
図4(E)は、インクカートリッジ7の容器本体の液体が消費され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が無いものの、液体検出装置60のキャビティ43内には液体が残存している場合の液体検出装置60の断面図を示す。
式4は、インクカートリッジ7の容器本体に液体が満たされている場合に、インクの密度ρなどから決定される最大のイナータンスM’maxを表す式である。一方、容器本体内の液体が消費され、キャビティ43内に液体が残留しつつ液体検出装置60の振動部61の周辺にある液体が気体または真空に置換された場合等の付加イナータンスM’は、一般的に、
Figure 0004038776
と表せる(より詳しくは、後述の式8参照)。ここで、tは振動にかかわる媒体の厚さである。Sは、液体検出装置60の振動部61の面積である。振動部61が半径aの円形の場合は、S=π*aである。
従って、付加イナータンスM’は、容器本体に液体が十分に収容され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が満たされている場合には、式4に従う。一方で、液体が消費され、キャビティ43内に液体が残留しつつ液体検出装置60の振動部61の周辺にある液体が気体または真空に置換された場合には、式6に従う。
ここで、図4(E)のように、インクカートリッジ7の容器本体の液体が消費され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が無いものの、液体検出装置60のキャビティ43内には液体が残存している場合の付加イナータンスM’を、便宜的にM’cavとし、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が満たされている場合の付加イナータンスM’maxと区別する。
図4(F)は、インクカートリッジ7の容器本体の液体が消費され、液体検出装置60の振動部61の周辺に液体が無いものの、液体検出装置60のキャビティ43内には液体が残存している図4(E)の場合の液体検出装置60の振動部61およびキャビティ43の等価回路を示す。
ここで、媒体の状態に関係するパラメータは、式6において、媒体の密度ρおよび媒体の厚さtである。容器本体内に液体が充分に収容されている場合は、液体検出装置60の振動部61に液体が接触する。一方、容器本体内に液体が充分に収容されていない場合は、キャビティ43内部に液体が残存するか、もしくは、液体検出装置60の振動部61に気体または真空が接触する。液体検出装置60の周辺の液体が消費され、図4(C)のM’maxから図4(E)のM’cavへ移行する過程における付加イナータンスM’varは、容器本体内の液体の収容状態によって媒体の密度ρや媒体の厚さtが変化することに伴って変化する。これにより、共振周波数fsも変化する。従って、共振周波数fsを特定することによって、容器本体内の液体の量を検出することができる。
ここで、図4(E)に示すようにt=dとした場合、式6を用いてM’cavを表すと、式6のtにキャビティの深さdを代入し、
Figure 0004038776
となる。
また、媒体が互いに種類の異なる液体であれば、組成の違いによって密度ρが異なるため、付加イナータンスM´及び共振周波数fsが異なる。従って、共振周波数fsを特定することで、液体の種類を検出できる。
図5Aは、インクカートリッジ7の容器本体内のインクの量とインクおよび振動部の共振周波数fsとの関係を示すグラフである。縦軸は共振周波数fsを示し、横軸はインク量を示す。
インクカートリッジ7の容器本体にインクが十分に収容され、液体検出装置60の振動部61の周辺にインクが満たされている場合には、その最大付加イナータンスM’maxは、式4に表わされる値となる。一方で、インクが消費され、キャビティ43内にインクが残留しつつ液体検出装置60の振動部61の周辺にインクが満たされていないときには、付加イナータンスM’varは、媒体の厚さtに基づいて式6によって算出される。式6中のtは、振動にかかわる媒体の厚さであるから、インクが残留する液体検出装置60のキャビティ43の深さdを小さく、即ち、基板41の厚さを十分に薄くすることによって、インクが徐々に消費されていく過程を検出することもできる(図4(C)参照)。ここで、t inkは振動にかかわるインクの厚さとし、t ink−maxはM’maxにおけるt inkとする。
例えば、液体検出装置60は、インクカートリッジの底面にインクの液面に対してほぼ水平に配置される。この場合、インクが消費され、インクの液面が液体検出装置60からt ink−maxの高さ以下になると、式6によりM’varが徐々に変化し、式1により共振周波数fsが徐々に変化する。従って、インクの液面がtの範囲内にある限り、液体検出装置60はインクの消費状態を徐々に検出することができる。
あるいは、液体検出装置60は、インクカートリッジの側壁にインクの液面に対してほぼ垂直に配備され得る。この場合、インクが消費され、インクの液面が液体検出装置60の振動部61に達すると、液位の低下に伴い付加イナータンスM’が減少する。これにより、式1により共振周波数fsが徐々に増加する。従って、インクの液面がキャビティ43の直径2a(図4(C)参照)の範囲内にある限り、液体検出装置60はインクの消費状態を徐々に検出することができる。
図5Aの曲線Xは、底面に配置された液体検出装置60のキャビティ43を十分に浅くした場合や、側壁に配置された液体検出装置60の振動部61を十分に大きくまたは長くした場合の、容器本体内に収容されたインクの量とインクおよび振動部61の共振周波数fsとの関係を表わしている。容器本体内のインクの量が減少するとともに、インクおよび振動部61の共振周波数fsが徐々に変化していく様子が理解できる。
より詳細には、インクが徐々に消費されていく過程を検出することができる場合とは、液体検出装置60の振動部61の周辺において、互いに密度が異なる液体と気体とがともに存在しかつ振動にかかわる場合である。インクが徐々に消費されていくに従って、液体検出装置60の振動部61の周辺において振動にかかわる媒体は、液体が減少する一方で気体が増加する。
例えば、液体検出装置60をインクの液面に対して水平に配備した場合であって、t inkがt ink−maxより小さいときには、液体検出装置60の振動にかかわる媒体はインクと気体との両方を含む。したがって、液体検出装置60の振動部61の面積Sを用いて、式4のM’max以下になった状態をインクと気体の付加質量で表すと、
Figure 0004038776
となる。ここで、M’airは空気のイナータンスであり、M’inkはインクのイナータンスである。ρ airは空気の密度であり、ρ inkはインクの密度である。t airは振動にかかわる空気の厚さであり、t inkは振動にかかわるインクの厚さである。
液体検出装置60の振動部61の周辺における振動にかかわる媒体のうち、液体が減少して気体が増加するに従い、液体検出装置60がインクの液面に対しほぼ水平に配備されている場合には、t airが増加し、t inkが減少する。それによって、M’varが徐々に減少し、共振周波数が徐々に増加する。よって、容器本体内に残存しているインクの量またはインクの消費量を検出することができる。尚、式7において液体の密度のみの式となっているのは、液体の密度に対して、空気の密度が無視できるほど小さい場合を想定しているからである。
液体検出装置60がインクの液面に対しほぼ垂直に配備されている場合には、液体検出装置60の振動部61のうち、液体検出装置60の振動にかかわる媒体がインクのみの領域と、液体検出装置60の振動にかかわる媒体が気体のみの領域との並列の等価回路(図示せず)と考えられる。液体検出装置60の振動にかかわる媒体がインクのみの領域の面積をS inkとし、液体検出装置60の振動にかかわる媒体が気体のみの領域の面積をS airとすると、
Figure 0004038776
となる。
尚、式9は、液体検出装置60のキャビティ43にインクが保持されない場合に適用される。液体検出装置60のキャビティ43にインクが保持される場合の付加イナータンスについては、式9によるM’と式7のM’cavとの和によって計算することができる。
液体検出装置60の振動部61の振動は、t ink−maxの深さからインクの残留する深さdまで変化するので、インクの残留する深さがt ink−maxよりわずかに小さい程度で液体検出装置60が底面に配置されている場合には、インクが徐々に減少する過程を検出することは出来ない。この場合、t ink−maxから残留する深さdまでのわずかなインク量変化における液体検出装置の振動変化から、インク量が変化したことを検出する。また、側面に配置され、キャビティ43の径が小さい場合は、キャビティ43を通過する間の液体検出装置60の振動変化は微量なので、通過過程のインク量を検出することは難しく、インク液面がキャビティ43より上か下かを検出する。
例えば、図5Aの曲線Yは、振動部61が小さい円形の振動領域を形成している場合における容器本体内のインクの量とインクおよび振動部61の共振周波数fsとの関係を示す。容器本体内のインクの液面が液体検出装置60の装着位置を通過する前後におけるインク量の差Qの間で、インクおよび振動部61の共振周波数fsが激しく変化している様子が示される。このことから、容器本体内にインクが所定量残存しているか否かを2値的に検出することができるので、高精度の検出が可能となる。
このように液体検出装置60を用いて液体の有無を検出する方法は、振動部61がインクと直接接触することでインクの有無を検出するので、インクの消費量をソフトウェアによって計算する方法に比べ、検出精度が高い。更に、電極を用いて導電性によりインクの有無を検出する方法は、容器本体への電極の取付位置及びインクの種類によって影響され得るが、液体検出装置60を用いて液体の有無を検出する方法は、容器本体への液体検出装置60の取付位置及びインクの種類によって影響され難い。
更に、単一の液体検出装置60を用いて発振と液体検出との双方を実施することができるので、発振と液体検出とを異なったセンサを用いて実施する方法と比較して、容器本体に取付けるセンサの数を減少することができる。したがって、液量検出機能を持つインクカートリッジ7を安価に製造できる。なお、圧電層47の振動周波数を非可聴領域に設定することで、液体検出装置60の動作中に発生する音を静かにすることが好ましい。
図5Bは、インクの密度とインクおよび振動部61の共振周波数fsとの関係の一例を示す。ここで、「インク満」と「インク空」(或いは「インク無し」)とは相対的な2つの状態を意味し、いわゆるインクフル状態とインクエンド状態とを意味するものではない。図5Bに示すように、インク密度が高い場合、付加イナータンスが大きくなるので共振周波数fsが低下する。すなわち、インクの種類によって共振周波数fsが異なる。したがって、共振周波数fsを測定することによって、インクを再充填する際に、密度の異なったインクが混入されていないか確認することができる。つまり、互いに種類の異なるインクを収容するインクカートリッジ7を識別できる。
続いて、インクカートリッジ7の容器本体内の液体が空の状態であっても液体検出装置60のキャビティ43内に液体が残存するようにキャビティ43のサイズと形状を設定した時において、液体の状態を正確に検出できる条件を詳述する。液体検出装置60は、キャビティ43内に液体が満たされている場合に液体の状態を検出できれば、キャビティ43内に液体が満たされていない場合であっても液体の状態を検出できる。
共振周波数fsは、イナータンスMの関数である。イナータンスMは、振動部61のイナータンスMactと付加イナータンスM’との和である。ここで、付加イナータンスM’が液体の状態と関係する。付加イナータンスM’は、振動部61の付近にある媒体によって振動部61の質量が見かけ上増加していることを示す量である。即ち、振動部61の振動によって見かけ上媒体を吸収する(振動に関わるイナータンスが増加する)ことによる振動部61の質量の増加分をいう。
従って、M’cavが式4におけるM’maxよりも大きい場合には、見かけ上吸収する媒体は全てキャビティ43内に残存する液体である。よって、容器本体内に液体が満たされている状態と同じである。この場合、振動に関わる媒体はM’maxよりも小さくならないので、インクが消費されても変化を検出することが出来ない。
一方、M’cavが式4におけるM’maxよりも小さい場合には、見かけ上吸収する媒体はキャビティ43内に残存する液体および容器本体内の気体または真空である。このときには容器本体内に液体が満たされている状態とは異なりM’が変化するので、共振周波数fsが変化する。従って、液体検出装置60は、容器本体内の液体の状態を検出できる。
即ち、インクカートリッジ7の容器本体内の液体が空の状態で、液体検出装置60のキャビティ43内に液体が残存する場合に、液体検出装置60が液体の状態を正確に検出できる条件は、M’cavがM’maxよりも小さいことである。尚、液体検出装置60が液体の状態を正確に検出できる条件M’max>M’cavは、キャビティ43の形状にかかわらない。
ここで、M’cavは、キャビティ43の容量とほぼ等しい容量の液体の質量イナータンスである。従って、M’max>M’cavの不等式から、液体検出装置60が液体の状態を正確に検出できる条件は、キャビティ43の容量の条件として表すことができる。例えば、円形状のキャビティ43の半径をaとし、およびキャビティ43の深さをdとすると、
Figure 0004038776
である。式10を展開すると
Figure 0004038776
という条件が求められる。従って、式11を満たす開口161の半径aおよびキャビティ43の深さdであるキャビティ43を有する液体検出装置60であれば、容器本体内の液体が空の状態であって、かつ、キャビティ43内に液体が残存する場合であっても、誤作動することなく液体の状態を検出できる。
尚、式10、式11は、キャビティ43の形状が円形の場合に限り成立する。キャビティ43の形状が円形でない場合、対応するM’maxの式を用い、式10中のπaをその面積と置き換えて計算すれば、キャビティ43の幅および長さ等のディメンジョンと深さの関係が導き出せる。
なお、付加イナータンスM’は音響インピーダンス特性にも影響するので、残留振動により液体検出装置60に発生する逆起電力を測定する方法は、少なくとも音響インピーダンスの変化を検出しているともいえる。
図6Aおよび図6Bは、液体検出装置60に駆動信号を供給して振動部61を強制的に振動させた後の、液体検出装置60の残留振動(自由振動)の波形と残留振動の測定方法とを示す。インクカートリッジ7内の液体検出装置60の装着位置レベルにおける液面の上下は、液体検出装置60の圧電素子が発振した後の残留振動の周波数変化や、振幅の変化によって検出することができる。図6Aおよび図6Bにおいて、縦軸は液体検出装置60の残留振動によって発生した逆起電力の電圧を示し、横軸は時間を示す。液体検出装置60の残留振動によって、図6Aおよび図6Bに示すように電圧のアナログ信号の波形が発生する。次に、アナログ信号を、信号の周波数に対応するデジタル数値に変換(二値化)する。図6Aおよび図6Bに示した例においては、アナログ信号の4パルス目から8パルス目までの4個のパルスが生じる時間を計測している。
より詳細には、液体検出装置60が発振した後、予め設定された所定の基準電圧を低電圧側から高電圧側へ横切る回数をカウントする。そして、4カウントから8カウントまでの間をHighとしたデジタル信号を生成し、所定のクロックパルスによって4カウントから8カウントまでの時間を計測する。
図6Aは、液体検出装置60の装着位置レベルよりも上位に液面があるときの波形である。一方、図6Bは液体検出装置60の装着位置レベルよりも下位に液面があるときの波形である。図6Aと図6Bとを比較すると、図6Aの方が図6Bよりも4カウントから8カウントまでの時間が長いことがわかる。換言すると、液体検出装置60の装着位置レベルにおけるインクの有無によって4カウントから8カウントまでの所要時間が異なる。この所要時間の相違を利用して、インクの消費状態を検出することができる。
アナログ波形の4カウント目から数えるのは、液体検出装置60の残留振動(自由振動)が安定してから計測をはじめるためである。4カウント目からとしたのは単なる一例であって、任意のカウントから数えてもよい。ここでは、4カウント目から8カウント目までの信号を検出し、所定のクロックパルスによって4カウント目から8カウント目までの時間を測定している。この時間に基いて、共振周波数を求めることができる。クロックパルスは、8カウント目までの時間を測定する必要は無く、任意のカウントまで数えてもよい。図6A及び図6Bにおいては、4カウント目から8カウント目までの時間を測定しているが、周波数を検出する回路構成にしたがって、異なったカウント間隔内の時間を検出してもよい。
例えば、インクの品質が安定していてピークの振幅の変動が小さい場合には、検出の速度を上げるために4カウント目から6カウント目までの時間を検出することにより共振周波数を求めてもよい。また、インクの品質が不安定でパルスの振幅の変動が大きい場合には、残留振動を正確に検出するために4カウント目から12カウント目までの時間を検出してもよい。
図7は、液体検出装置60を取付モジュール体100として一体形成した構成を示す斜視図である。モジュール体100は、インクカートリッジ7の容器本体の所定個所に装着される。モジュール体100は、容器本体内の媒体の少なくとも音響インピーダンスの変化を検出することにより、容器本体内の液体の消費状態を検知するように構成されている。
本実施形態のモジュール体100は、容器本体に液体検出装置60を取り付けるための容器取付部101を有する。容器取付部101は、平面がほぼ矩形の基台102と、駆動信号により発振する液体検出装置60を収容する基台102上の円柱部116と、を有している。また、モジュール体100は、インクカートリッジ7に装着されたときに、モジュール体100の液体検出装置60が外部から接触できないように構成されている。これにより、液体検出装置60を外部の接触から保護することができる。なお、円柱部116の先端側エッジは丸みが付けられていて、インクカートリッジ7に形成された孔へ装着する際に嵌めやすくなっている。
図8は、図7に示したモジュール体100の分解図である。モジュール体100は、樹脂からなる容器取付部101と、プレート110および凹部113を有する装置装着部105(図7参照)とを含む。さらに、モジュール体100は、リードワイヤ104a及び104b、液体検出装置60及びフィルム108を有する。好ましくは、プレート110は、ステンレス又はステンレス合金等の錆びにくい材料から形成される。
容器取付部101に含まれる円柱部116および基台102は、リードワイヤ104a及び104bを収容できるように中心部に開口部114が形成されると共に、液体検出装置60、フィルム108、及びプレート110を収容できるように開口部114の周囲に凹部113が形成されている。
液体検出装置60は、プレート110にフィルム108を介して接合され、プレート110および液体検出装置60は凹部113(容器取付部101)に固定される。従って、リードワイヤ104a及び104b、液体検出装置60、フィルム108及びプレート110は、容器取付部101に一体として取り付けられる。
リードワイヤ104a及び104bは、それぞれ液体検出装置60の上部電極端子45及び下部電極端子44と結合して、圧電層47に駆動信号(駆動パルス)を伝達する一方、液体検出装置60が検出した共振周波数の信号を記録装置等へ伝達する。
液体検出装置60は、リードワイヤ104a及び104bから伝達された駆動信号に基づいて、一時的に発振する。また、液体検出装置60は、発振後に残留振動し、その振動によって逆起電力を発生させる。このとき、逆起電力波形の振動周期を検出することによって、容器本体内の液体の消費状態に対応した共振周波数を検出することができる。
フィルム108は、液体検出装置60とプレート110とを接着して、液体検出装置60を液密にする。フィルム108は、ポリオレフィン等によって形成し、熱融着で接着することが好ましい。液体検出装置60とプレート110とをフィルム108によって面状に接着して固定することにより、接着の場所によるばらつきが無くなり、振動部以外の部分が振動しない。したがって、液体検出装置60をプレート110に接着しても、液体検出装置60の振動特性は変化しない。
なお、プレート110は円形状であり、基台102の開口部114は円筒状に形成されている。液体検出装置60及びフィルム108は矩形状に形成されている。リードワイヤ104a及び104b、液体検出装置60、フィルム108及びプレート110は、基台102に対して着脱可能としてもよい。基台102、リードワイヤ104a及び104b、液体検出装置60、フィルム108及びプレート110は、モジュール体100の中心軸に対して対称に配置されている。また、基台102、液体検出装置60、フィルム108及びプレート110の中心は、モジュール体100のほぼ中心軸上に配置されている。
また、基台102の開口部114の面積は、液体検出装置60の振動領域の面積よりも大きく形成されている。プレート110の中心で液体検出装置60の振動部に直面する位置には、貫通孔112が形成されている。図2乃至図4に示したように、液体検出装置60にはキャビティ43が形成されており、貫通孔112とキャビティ43とが、共にインク溜部を形成する。プレート110の厚さは、残留インクの影響を少なくするために、貫通孔112の径に比べて小さいことが好ましい。例えば、貫通孔112の深さはその径の3分の1以下の大きさであることが好ましい。貫通孔112は、モジュール体100の中心軸に対して対称なほぼ真円の形状である。また、貫通孔112の面積は、液体検出装置60のキャビティ43の開口面積よりも大きい。貫通孔112の断面の周縁は、テーパ形状であっても良いし、ステップ形状であってもよい。
モジュール体100は、貫通孔112が容器本体の内側へ向くように、容器本体の側部、上部又は底部に装着される。インクが消費され、液体検出装置60周辺のインクがなくなると、液体検出装置60の共振周波数が大きく変化することに基づいて、インクの液位変化を検出することができる。
図9は、図7に示したモジュール体100を、インクカートリッジ7の容器本体7aに装着したときの、容器本体7aの底部近傍の断面図である。モジュール体100は、容器本体7aの側壁に形成された貫通孔に装着されている。容器本体7aの側壁とモジュール体100との接合面には、Oリング90が設けられ、モジュール体100と容器本体7aとの液密を保っている。このようにOリング90でシールが出来るために、モジュール体100は、図7で説明したような円柱部を備えることが好ましい。
モジュール体100の先端が容器本体7aのインク収容空間7bに露出することで、プレート110の貫通孔112を介して、容器本体7a内のインクが液体検出装置60と接触する。液体検出装置60の振動部の周囲が液体か気体かによって、液体検出装置60の残留振動の共振周波数が異なるので、モジュール体100を用いてインクの消費状態を検出することができる。
次に、本発明の他の実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図10、図11A及び図11Bは、本実施形態による液体検出装置260を示した図であり、この液体検出装置260は、基板241に振動板242を積層して構成された基部240を有し、この基部240は、互いに対向する第1面240a及び第2面240bを有する。基部240には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)243が、第1面240a側に開口するようにして形成されており、キャビティ243の底面部243aが振動板242にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板242全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ243によってその輪郭が規定されている。基部240の第2面240b側の両端には下部電極端子244及び上部電極端子245が形成されている。
基部240の第2面240bには下部電極(第1電極)246が形成されており、この下部電極246は、円形の本体部246aと、この本体部246aから下部電極端子244の方向に延出して下部電極端子244に接続された延出部246bとを有する。下部電極246の円形の本体部246aの中心はキャビティ243の中心と一致している。
下部電極246の円形の本体部246aは、円形のキャビティ243よりも大径に形成され、キャビティ243に対応する領域の全体を覆っている。
下部電極246の上には圧電層247が積層されており、この圧電層247は、キャビティ243よりも小径に形成された円形の本体部247aと、この本体部247aから延出してキャビティ243の周縁に対応する位置を越えてキャビティ243の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部247bとを有する。
圧電層247には、上部電極(第2電極)249の円形の本体部249aが積層されており、この上部電極249の本体部249aは、圧電層247の本体部247aよりも小径に形成されている。また、上部電極249は、本体部249aから延出して圧電層247の延出部247b上を延びてキャビティ243の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部249bを有している。この延出部249bは、圧電層247の延出部247bを越えて延出し、上部電極端子245に接続されている。
このように、圧電層247の本体部247aは、上部電極249の本体部249aと下部電極246の本体部246aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層247は効果的に変形駆動され得る。
前記の如く上部電極249の本体部249aは、圧電層247の本体部247aよりも小径に形成されている。一方、下部電極246の本体部246aは、圧電層247の本体部247aの全面をカバーしている。従って、上部電極249の本体部249aが、圧電層247全体のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置260に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置260を一体的に形成することによって、液体検出装置260の取り扱いが容易になる。
圧電層247の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板241の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板242には、基板241と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極249、下部電極246、上部電極端子245および下部電極端子244は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
圧電層247の本体部247a、上部電極249の本体部249a、及び下部電極246の本体部246aは、それらの中心がキャビティ243の中心と一致している。また、振動板242の振動可能な部分を決定する円形状のキャビティ243の中心は、液体検出装置260の全体の中心に位置している。
キャビティ243によって規定される振動板242の振動可能な部分、下部電極246の本体部246aのうちのキャビティ243に対応する部分、圧電層247の本体部247a及び延出部247bのキャビティ243に対応する部分、並びに上部電極249の本体部249a及び延出部249bのキャビティ243に対応する部分は、液体検出装置260の振動部261を構成する。そして、この液体検出装置260の振動部261の中心は、液体検出装置260の中心と一致する。
更に、圧電層247の本体部247a、上部電極249の本体部249a、下部電極246の本体部246a及び振動板242の振動可能な部分(即ちキャビティ243の底面部243aに対応する部分)が円形形状を有しているので、液体検出装置260の振動部261は液体検出装置260の中心に対して略対称な形状である。
このように本実施形態においては、キャビティ243に対応する領域の全体を下部電極246の本体部246aで覆うようにしたので、強制振動時の変形モードと自由振動時の変形モードとの相違が従来に比べて小さくなる。また、液体検出装置260の振動部261が液体検出装置260の中心に対して略対称な形状であるので、この振動部261の剛性はその中心から見てほぼ等方的となる。
このため、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生が抑制される共に、強制振動時と自由振動時との間の変形モードの相違による逆起電力の出力低下が防止される。これにより、液体検出装置260の振動部261における残留振動の共振周波数の検出精度が向上すると共に、振動部261の残留振動の検出が容易になる。
また、キャビティ243に対応する領域の全体をキャビティ243よりも大径の下部電極246の本体部246aで覆うようにしたので、製造時における下部電極246の位置ズレに起因する不要振動の発生が防止され、検出精度の低下を防止することができる。
また、液体検出装置260の振動部261と液体とが接触する範囲が、キャビティ243が存在する範囲に限定されるので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクカートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
本実施形態の一変形例としては、図12に示したように、上部電極249の延出部249bと圧電層247との間に絶縁層250を介在させても良い。この絶縁層250の存在により、圧電層247全体のうちの圧電効果を発生する部分の範囲が円形となってその対称性が高まり、不要振動の発生をさらに抑制することができる。
次に、本発明の他の実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図13、図14A及び図14Bは、本実施形態による液体検出装置360を示した図であり、この液体検出装置360は、基板341に振動板342を積層して構成された基部340を有し、この基部340は、互いに対向する第1面340a及び第2面340bを有する。基部340には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)343が、第1面340a側に開口するようにして形成されており、キャビティ343の底面部343aが振動板342にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板342全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ343によってその輪郭が規定されている。基部340の第2面340b側の両端には下部電極端子344及び上部電極端子345が形成されている。
基部340の第2面340bには下部電極(第1電極)346が形成されており、この下部電極346は、円形の本体部346aと、この本体部346aから下部電極端子344の方向に延出して下部電極端子344に接続された延出部346bとを有する。下部電極346の円形の本体部346aの中心はキャビティ343の中心と一致している。
下部電極346の円形の本体部346aは、円形のキャビティ343よりも大径に形成され、キャビティ343に対応する領域の全体を覆っている。
下部電極346の上には圧電層347が積層されており、この圧電層347は、キャビティ343よりも大径に形成されてキャビティ343に対応する領域の全体を覆う円形の本体部347aと、この本体部347aから延出する延出部347bとを有する。
圧電層347には、上部電極(第2電極)349の円形の本体部349aが積層されており、この上部電極349の本体部349aは、キャビティ343よりも小径に形成されてキャビティ343に対応する領域の内部に配置されている。また、上部電極349は、本体部349aから延出して圧電層347の本体部347a及び延出部347b上を延びる延出部349bを有している。この延出部349bは、圧電層347の延出部347bを越えて延出し、上部電極端子345に接続されている。
このように、圧電層347の本体部347aは、上部電極349の本体部349aと下部電極346の本体部346aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層347は効果的に変形駆動され得る。
前記の如く上部電極349の本体部349aは、圧電層347の本体部347aよりも小径に形成されている。一方、下部電極346の本体部346aは、圧電層347の本体部347aの全面をカバーしている。従って、上部電極349の本体部349aが、圧電層347全体のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置360に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置360を一体的に形成することによって、液体検出装置360の取り扱いが容易になる。
圧電層347の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板341の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板342には、基板341と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極349、下部電極346、上部電極端子345および下部電極端子344は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
圧電層347の本体部347a、上部電極349の本体部349a、及び下部電極346の本体部346aは、それらの中心がキャビティ343の中心と一致している。また、振動板342の振動可能な部分を決定する円形状のキャビティ343の中心は、液体検出装置360の全体の中心に位置している。
キャビティ343によって規定される振動板342の振動可能な部分、下部電極346の本体部346aのうちのキャビティ343に対応する部分、圧電層347の本体部347aのキャビティ343に対応する部分、並びに上部電極349の本体部349a及び延出部349bのキャビティ343に対応する部分は、液体検出装置360の振動部361を構成する。そして、この液体検出装置360の振動部361の中心は、液体検出装置360の中心と一致する。
更に、圧電層347の本体部347a、上部電極349の本体部349a、下部電極346の本体部346a及び振動板342の振動可能な部分(即ちキャビティ343の底面部343aに対応する部分)が円形形状を有しているので、液体検出装置360の振動部361は液体検出装置360の中心に対して略対称な形状である。
このように本実施形態においては、キャビティ343に対応する領域の全体を下部電極346の本体部346a及び圧電層347の本体部347aで覆うようにしたので、強制振動時の変形モードと自由振動時の変形モードとの相違が従来に比べて小さくなる。また、液体検出装置360の振動部361が液体検出装置360の中心に対して略対称な形状であるので、この振動部361の剛性はその中心から見てほぼ等方的となる。
このため、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生が抑制される共に、強制振動時と自由振動時との間の変形モードの相違による逆起電力の出力低下が防止される。これにより、液体検出装置360の振動部361における残留振動の共振周波数の検出精度が向上すると共に、振動部361の残留振動の検出が容易になる。
また、キャビティ343に対応する領域の全体をキャビティ343よりも大径の下部電極346の本体部346aで覆うようにしたので、製造時における下部電極346の位置ズレに起因する不要振動の発生が防止され、検出精度の低下を防止することができる。
また、液体検出装置360の振動部361と液体とが接触する範囲が、キャビティ343が存在する範囲に限定されるので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクカートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
本実施形態の一変形例としては、図15に示したように、上部電極349の延出部349bと圧電層347との間に絶縁層350を介在させても良い。この絶縁層350の存在により、圧電層347全体のうちの圧電効果を発生する部分の範囲が円形となってその対称性が高まり、不要振動の発生をさらに抑制することができる。
次に、本発明の他の実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図16、図17A及び図17Bは、本実施形態による液体検出装置460を示した図であり、この液体検出装置460は、基板441に振動板442を積層して構成された基部440を有し、この基部440は、互いに対向する第1面440a及び第2面440bを有する。基部440には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)443が、第1面440a側に開口するようにして形成されており、キャビティ443の底面部443aが振動板442にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板442全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ443によってその輪郭が規定されている。基部440の第2面440b側の両端には下部電極端子444及び上部電極端子445が形成されている。
基部440の第2面440bには下部電極(第1電極)446が形成されており、この下部電極446は、円形の本体部446aと、この本体部446aから下部電極端子444の方向に延出して下部電極端子444に接続された延出部446bとを有する。下部電極446の円形の本体部446aの中心はキャビティ443の中心と一致している。
下部電極446の円形の本体部446aは、円形のキャビティ443よりも小径に形成されており、キャビティ443に対応する領域の内部に配置されている。好ましくは、下部電極446の本体部446aの直径は、キャビティ443の直径の75%以上の大きさである。
下部電極446の本体部446aの上には圧電層447の円形の本体部447aが積層されており、圧電層447の本体部447aは下部電極446の本体部446aよりも小径である。圧電層447の本体部447aからは延出部447bが延出しており、この圧電層447の延出部447bは、キャビティ443に対応する領域の外部まで延在している。
圧電層447の本体部447aには、上部電極(第2電極)449の円形の本体部449aが積層されており、この上部電極449の本体部449aは圧電層447の本体部447aよりも小径に形成されている。また、上部電極449は、本体部449aから延出して圧電層447の本体部447a及び延出部447b上を延びる延出部449bを有している。この延出部449bは、圧電層447の延出部447bを越えて延出し、上部電極端子445に接続されている。
このように、圧電層447の本体部447aは、上部電極449の本体部449aと下部電極446の本体部446aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層447は効果的に変形駆動され得る。
前記の如く上部電極449の本体部449aは、圧電層447の本体部447aよりも小径に形成されている。一方、下部電極446の本体部446aは、圧電層447の本体部447aの全面をカバーしている。従って、上部電極449の本体部449aが、圧電層447全体のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置460に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置460を一体的に形成することによって、液体検出装置460の取り扱いが容易になる。
圧電層447の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板441の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板442には、基板441と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極449、下部電極446、上部電極端子445および下部電極端子444は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
圧電層447の本体部447a、上部電極449の本体部449a、及び下部電極446の本体部446aは、それらの中心がキャビティ443の中心と一致している。また、振動板442の振動可能な部分を決定する円形状のキャビティ443の中心は、液体検出装置460の全体の中心に位置している。
キャビティ443によって規定される振動板442の振動可能な部分、下部電極446の本体部446a及び延出部446bのうちのキャビティ443に対応する部分、圧電層447の本体部447a及び延出部447bのキャビティ443に対応する部分、並びに上部電極449の本体部449a及び延出部449bのキャビティ443に対応する部分は、液体検出装置460の振動部461を構成する。そして、この液体検出装置460の振動部461の中心は、液体検出装置460の中心と一致する。
更に、圧電層447の本体部447a、上部電極449の本体部449a、下部電極446の本体部446a及び振動板442の振動可能な部分(即ちキャビティ443の底面部443aに対応する部分)が円形形状を有しているので、液体検出装置460の振動部461は液体検出装置460の中心に対して略対称な形状である。
このように本実施形態においては、下部電極446の本体部446aを圧電層447の本体部447aよりも大きな径で形成し、キャビティ443に対応する領域を広い範囲にわたって下部電極446の本体部446aで覆うようにしたので、下部電極446の本体部446aで覆われていない薄肉の部分の面積が小さくなる。このため、強制変形後の振動部の自由振動中に、検出対象として必要な振動周波数以外の不要な高次の振動モードが励起されることを抑制することができる。また、自由振動時に薄肉の部分のみが大きく変形して圧電層447の変形量が小さくなって逆起電力の出力が小さくなる現象が防止され、強制振動時の変形モードと自由振動時の変形モードとの相違が従来に比べて小さくなる。
このように本実施形態によれば、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生が抑制される共に、強制振動時と自由振動時との間の変形モードの相違による逆起電力の出力低下が防止される。これにより、液体検出装置460の振動部461における残留振動の共振周波数の検出精度が向上すると共に、振動部461の残留振動の検出が容易になる。
また、下部電極446の本体部446aの上に積層される圧電層447の本体部447aを下部電極446の本体部446aよりも小径に形成し、圧電層447の本体部447aの上に積層される上部電極449の本体部449aを圧電層447の本体部447aよりも小径に形成するようにしたので、製造過程において後から形成される部分(例えば圧電層447の本体部447a)の方が、先行して形成された部分(例えば下部電極446の本体部446a)よりも小径である。このため、先行して形成された部分の位置を最後まで確認しながら次の部分を形成することができるので、積層時の位置合わせを精度良く行うことができる。
また、下部電極446の本体部446aを圧電層447の本体部447aよりも大径に形成するようにしたので、下部電極446の本体部446aの周縁をキャビティ443の底面部443aの周縁に隣接させることができ、これにより、下部電極446の本体部446aで覆われていない薄肉の部分の面積を小さくすることができる。
また、液体検出装置460の振動部461と液体とが接触する範囲が、キャビティ443が存在する範囲に限定されるので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクカートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
次に、本発明の他の実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図18、図19A及び図19Bは、本実施形態による液体検出装置560を示した図であり、この液体検出装置560は、基板541に振動板542を積層して構成された基部540を有し、この基部540は、互いに対向する第1面540a及び第2面540bを有する。基部540には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)543が、第1面540a側に開口するようにして形成されており、キャビティ543の底面部543aが振動板542にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板542全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ543によってその輪郭が規定されている。基部540の第2面540b側の両端には下部電極端子544及び上部電極端子545が形成されている。
基部540の第2面540bには下部電極(第1電極)546が形成されており、この下部電極546は、円形の本体部546aと、この本体部546aから下部電極端子544の方向に延出して下部電極端子544に接続された延出部546bとを有する。下部電極546の円形の本体部546aの中心はキャビティ543の中心と一致している。
下部電極546の円形の本体部546aは、円形のキャビティ543よりも大径に形成され、キャビティ543に対応する領域の全体を覆っている。
下部電極546の上には圧電層547が積層されており、この圧電層547は、キャビティ543よりも大径に形成されてキャビティ543に対応する領域の全体を覆う円形の本体部547aと、この本体部547aから延出する延出部547bとを有する。
圧電層547には、上部電極(第2電極)549の円環状の本体部549aが積層されており、この上部電極549の本体部549aは、その外径がキャビティ543よりも小径に形成されてキャビティ543に対応する領域の内部に配置されている。また、上部電極549は、本体部549aから延出して圧電層547の本体部547a及び延出部547b上を延びる延出部549bを有している。この延出部549bは、圧電層547の延出部547bを越えて延出し、上部電極端子545に接続されている。
このように、圧電層547の本体部547aは、上部電極549の本体部549aと下部電極546の本体部546aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層547は効果的に変形駆動され得る。
前記の如く上部電極549の本体部549aは、圧電層547の本体部547aよりも小径に形成されている。一方、下部電極546の本体部546aは、圧電層547の本体部547aの全面をカバーしている。従って、上部電極549の本体部549aが、圧電層547全体のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置560に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置560を一体的に形成することによって、液体検出装置560の取り扱いが容易になる。
圧電層547の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板541の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板542には、基板541と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極549、下部電極546、上部電極端子545および下部電極端子544は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
圧電層547の本体部547a、上部電極549の本体部549a、及び下部電極546の本体部546aは、それらの中心がキャビティ543の中心と一致している。また、振動板542の振動可能な部分を決定する円形状のキャビティ543の中心は、液体検出装置560の全体の中心に位置している。
キャビティ543によって規定される振動板542の振動可能な部分、下部電極546の本体部546aのうちのキャビティ543に対応する部分、圧電層547の本体部547aのキャビティ543に対応する部分、並びに上部電極549の本体部549a及び延出部549bのキャビティ543に対応する部分は、液体検出装置560の振動部561を構成する。そして、この液体検出装置560の振動部561の中心は、液体検出装置560の中心と一致する。
更に、圧電層547の本体部547a、上部電極549の本体部549a、下部電極546の本体部546a及び振動板542の振動可能な部分(即ちキャビティ543の底面部543aに対応する部分)が円形形状を有しているので、液体検出装置560の振動部561は液体検出装置560の中心に対して略対称な形状である。
なお、液体検出装置560の振動部561は、上部電極549及び下部電極546を介して圧電層547に電圧を印加することにより、キャビティ543とは反対側の方向に突出変形する。
このように本実施形態においては、キャビティ543に対応する領域の全体を下部電極546の本体部546a及び圧電層547の本体部547aで覆うようにしたので、強制振動時の変形モードと自由振動時の変形モードとの相違が従来に比べて小さくなる。また、液体検出装置560の振動部561が液体検出装置560の中心に対して略対称な形状であるので、この振動部561の剛性はその中心から見てほぼ等方的となる。
また、キャビティ543に対応する領域の全体をキャビティ543よりも大径の下部電極546の本体部546aで覆うようにしたので、製造時における下部電極546の位置ズレに起因する不要振動の発生が防止され、検出精度の低下を防止することができる。
さらに、上部電極549の本体部549aを円環状に形成したので、図18に示したように上部電極549の本体部549aの外周縁を、キャビティ543の周縁に近い位置に配置することが可能であり、これにより、上部電極549の延出部549bのうちの、キャビティ543に対応する領域の内部に位置する部分が小さくなり、振動部561を構成する部分の上部電極549の対称性が向上する。
このため、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生が抑制される共に、強制振動時と自由振動時との間の変形モードの相違による逆起電力の出力低下が防止される。これにより、液体検出装置560の振動部561における残留振動の共振周波数の検出精度が向上すると共に、振動部561の残留振動の検出が容易になる。
また、液体検出装置560の振動部561と液体とが接触する範囲が、キャビティ543が存在する範囲に限定されるので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクカートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
次に、本発明の他の実施形態による液体検出装置及びこの液体検出装置を備えたインクカートリッジ(液体容器)ついて図面を参照して説明する。
図20、図21A及び図21Bは、本実施形態による液体検出装置660を示した図であり、この液体検出装置660は、基板641に振動板642を積層して構成された基部640を有し、この基部640は、互いに対向する第1面640a及び第2面640bを有する。基部640には、検出対象の媒体を受け入れるための円形のキャビティ(凹部)643が、第1面640a側に開口するようにして形成されており、キャビティ643の底面部643aが振動板642にて振動可能に形成されている。換言すれば、振動板642全体のうちの実際に振動する部分は、キャビティ643によってその輪郭が規定されている。基部640の第2面640b側の両端には下部電極端子644及び上部電極端子645が形成されている。
基部640の第2面640bには下部電極(第1電極)646が形成されており、この下部電極646は、円形の本体部646aと、この本体部646aから下部電極端子644の方向に延出して下部電極端子644に接続された延出部646bとを有する。下部電極646の円形の本体部646aの中心はキャビティ643の中心と一致している。
下部電極646の円形の本体部646aは、円形のキャビティ643よりも小径に形成され、キャビティ643に対応する領域の内部に配置されている。
下部電極646の上には、下部電極646の本体部646aよりも大径に形成された円形の圧電層647が積層されており、図20から分かるように、圧電層647はその全体がキャビティ643に対応する領域の内部に配置されている。換言すれば、圧電層647は、キャビティ643の周縁643aに対応する位置を横切って延在する部分をまったく有していない。
基部640の第2面640b側には、一端が上部電極端子645に接続された補助電極648が形成されている。この補助電極648は、キャビティ643に対応する領域の外側から、キャビティ643の周縁643aに対応する位置を越えてキャビティ643に対応する領域の内部まで延在する。補助電極648の一部は、キャビティ643に対応する領域の内部において圧電層647の一部を基板640の第2面640b側から支持している。この補助電極648は、好ましくは、下部電極646と同じ材質で且つ同じ厚さを有している。このように補助電極648によって圧電層647の一部を基板640の第2面640b側から支持することによって、圧電層647に段差が生じないようにして機械的強度の低下を防止することができる。
圧電層647には、上部電極(第2電極)649の円形の本体部649aが積層されており、この上部電極649は、圧電層647よりも小径に且つ下部電極646の本体部646aよりも大径に形成されている。また、上部電極649は、本体部649aから延出して補助電極648に接続された延出部649bを有している。図21Bから分かるように、上部電極649の延出部649bと補助電極648との接続が始まる位置Pは、キャビティ643に対応する領域の内部に位置している。
図20から分かるように、上部電極649は補助電極648を介して上部電極端子645に電気的に接続されている。このように補助電極648を介して上部電極649を上部電極端子645に接続することによって、圧電層647及び下部電極646の合計の厚さから生じる段差を、上部電極649と補助電極648との両方によって吸収することができる。このため、上部電極649に大きな段差が生じて機械的強度が低下することを防止することができる。
図20から分かるように、上部電極649の本体部649aは円形を成しており、その中心はキャビティ643の中心と一致している。上部電極649の本体部649aは、圧電層647及びキャビティ643のいずれよりも小径に形成されている。
このように、圧電層647は、上部電極649の本体部649aと下部電極646の本体部646aとによって挟みこまれる構造となっている。これにより、圧電層647は効果的に変形駆動され得る。
なお、圧電層647と電気的に接続された下部電極646の本体部646aおよび上部電極649の本体部649aのうち、下部電極646の本体部646aの方が小径に形成されている。従って、下部電極646の本体部646aが、圧電層647のうちで圧電効果を発生する部分の範囲を決定することになる。
なお、液体検出装置660に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されていることが好ましい。このように液体検出装置660を一体的に形成することによって、液体検出装置660の取り扱いが容易になる。
圧電層647の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、を用いることが好ましい。基板641の材料としては、ジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板642には、基板641と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極649、下部電極646、上部電極端子645および下部電極端子644は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
キャビティ643によって規定される振動板642の振動可能な部分、下部電極646の本体部646a及び延出部646bのうちのキャビティ643に対応する部分、圧電層647、並びに上部電極649の本体部649a及び延出部649bのキャビティ643に対応する部分は、液体検出装置660の振動部661を構成する。そして、この液体検出装置660の振動部661の中心は、液体検出装置660の中心と一致する。
更に、圧電層647、上部電極649の本体部649a、下部電極646の本体部646a、及び振動板642の振動可能な部分(即ちキャビティ643の底面部643aに対応する部分)が円形形状を有しており、しかも、圧電層647の全体がキャビティ643に対応する領域の内部に配置されているので、液体検出装置660の振動部661は液体検出装置660の中心に対して略対称な形状である。
このように本実施形態においては、液体検出装置660の振動部661が液体検出装置660の中心に対して対称な形状であるので、この振動部661の剛性はその中心から見てほぼ等方的となる。とりわけ、振動部661の剛性に大きく影響する圧電層647が円形に形成されているので、振動部661の剛性の等方性が大幅に高められている。このため、構造の非対称性から生じ得る不要な振動の発生を抑制することができ、液体検出装置660の振動部661の残留振動の共振周波数の検出精度が向上する。
また、硬いが脆弱な圧電層647の全体がキャビティ643に対応する領域の内部に配置されており、キャビティ643の周縁643aに対応する位置には圧電層647が存在しない。このため、従来の液体検出装置においてキャビティの周縁に対応する位置で発生していた圧電膜のクラックの問題がない。
また、振動部661と液体とが接触する範囲が、キャビティ643が存在する範囲に限られているので、液体の検出をピンポイントで行うことが可能であり、これにより、インクートリッジ7内のインクレベルを高精度にて検出することができる。
また、上述した実施形態の変形例としては、図22、図23A及び図23Bに示したように、キャビティ643の中心を通る第1の直線上において互いに反対の方向に延出する下部電極646の延出部646b及び上部電極649の延出部649bに加えて、キャビティ643の中心を通り且つ前記第1の直線に直交する第2の直線上において、下部電極646の本体部646aから互いに反対の方向に延出する一対の延出部646cをさらに設けることができる。
また、一対の延出部646cは、下部電極646の本体部646aから連続的に形成する代わりに、下部電極646の本体部646aから分離して形成することもできる。
このように、下部電極646の延出部646b及び上部電極649の延出部649bの延在方向に直交するようにして、実際には電極として機能しない一対の延出部646cをキャビティ643の中心を通る直線に沿って配置することにより、図20、図21A及び図21Bに示した実施形態に比べて、振動部661の対称性が向上する。即ち、図20、図21A及び図21Bに示した実施形態においては振動部661の形状が2回対称であったところ、図22、図23A及び図23Bに示した変形例においては振動部661の形状が4回対称となっている。このように振動部661の形状の対称性が向上することにより、不要振動の発生をさらに低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態についてある程度詳細に記載したが、多くの変更や変形が可能であることは明らかである。従って、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで特定的に記載されたもの以外の形態で本発明が実施され得ることが理解されよう。

Claims (15)

  1. 互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、
    前記基部の前記第2面側に形成された第1電極であって、前記凹部の底面よりも大きな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の略全体を覆う本体部を有し、前記本体部は、前記凹部の底面の周縁に対応する位置よりも内側に入り込むようにして形成された切欠き部を含む、第1電極と、
    前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成された本体部を有し、全体が前記凹部の底面に対応する領域の範囲内に収まっている圧電層であって、前記圧電層の前記本体部は、前記第1電極の前記切欠き部に対応する部分を除く略全体が前記第1電極に積層されている、圧電層と、
    前記基部の前記第2面側に形成され、前記凹部の底面に対応する領域の外部から前記凹部の底面に対応する領域の内部まで延在し、一部が前記第1電極の前記切欠き部の内部に位置して前記圧電層の一部を前記第2面側から支持する補助電極と、
    前記圧電層に積層された本体部と、前記本体部から延出して前記凹部の底面に対応する領域の内部において前記補助電極に接続された延出部と、を有する第2電極と、を備え
    前記第1電極及び前記第2電極を介して前記圧電層に電圧を印加して前記圧電層を変形させることにより前記凹部の底面が振動するように構成されている、
    ことを特徴とする液体検出装置。
  2. 前記圧電層は、前記凹部の底面に対応する領域の範囲内において前記圧電層の前記本体部から突出した突出部を有し、前記突出部は前記補助電極によって支持されている請求項1記載の液体検出装置。
  3. 前記第2電極の前記本体部は、前記圧電層の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている請求項1又は2に記載の液体検出装置。
  4. 前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体検出装置。
  5. 前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている請求項4記載の液体検出装置。
  6. 互いに対向する第1面及び第2面を有する基部であって、検出対象の媒体を受け入れるための凹部が、前記第1面側に開口するようにして形成され、前記凹部の底面が振動可能に形成されている基部と、
    前記凹部の底面よりも大きな寸法にて前記基部の前記第2面側に形成されて前記凹部の底面に対応する領域の全体を覆う第1電極と、
    前記凹部の底面よりも小さな寸法にて形成されて前記凹部の底面に対応する領域の内部にて前記第1電極に積層された本体部を有する圧電層と、
    前記圧電層の前記本体部に積層された本体部を有する第2電極と、を備え
    前記第1電極及び前記第2電極を介して前記圧電層に電圧を印加して前記圧電層を変形させることにより前記凹部の底面が振動するように構成されている、
    ことを特徴とする液体検出装置。
  7. 前記圧電層は、前記圧電層の前記本体部から延出して前記凹部の周縁に対応する位置を越えて前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部をさらに有する請求項6記載の液体検出装置。
  8. 前記第2電極の前記本体部は、前記圧電層の前記本体部よりも小さな寸法にて形成されている請求項6又は7に記載の液体検出装置。
  9. 前記第2電極は、前記第2電極の前記本体部から延出して前記圧電層の前記延出部上を延びて前記凹部の底面に対応する領域の外部まで延びる延出部をさらに有する請求項7又は8に記載の液体検出装置。
  10. 前記圧電層の前記本体部及び前記第2電極の前記本体部は、共通の少なくとも1つの対称軸を持つような略対称の形状を成している請求項6乃至9のいずれか一項に記載の液体検出装置。
  11. 前記凹部、前記圧電層の前記本体部、及び前記第2電極の前記本体部は、いずれも円形であって互いに同心に配置されている請求項10記載の液体検出装置。
  12. 前記第2電極の前記延出部と前記圧電層との間に介在する絶縁層をさらに有する請求項9乃至11のいずれか一項に記載の液体検出装置。
  13. 液体を収容する容器本体と、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体検出装置と、を備え、
    前記液体検出装置の前記凹部が前記容器本体の液体収容空間に露出していることを特徴とする液体容器。
  14. 前記容器本体には液体噴射装置用の液体が収容されている請求項13記載の液体容器。
  15. 前記液体噴射装置はインクジェット式記録装置であり、前記容器本体にはインクが収容されている請求項14記載の液体容器。
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