JP4720500B2 - 液体検出機能を備えた容器 - Google Patents

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Description

本発明は、特にインクジェット式記録装置等の液体噴射装置に適用される液体検出機能(主にインク残量検出機能)付きの容器に関する。
従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレイ、面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置においては、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と加圧されたインクをインク滴として射出するノズル開口とを有するインクジェット記録ヘッドが、キャリッジに搭載されており、インク容器内のインクが流路を介して記録ヘッドに供給され続けることにより、印刷を継続可能に構成されている。インク容器は、例えばインクが消費された時点でユーザーが簡単に交換できる、着脱可能なカートリッジとして構成されている。
従来、インクカートリッジのインク消費の管理方法としては、記録ヘッドでのインク滴の射出数やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウェアにより積算してインク消費を計算により管理する方法や、インクカートリッジに液面検出用の電極を取付けることにより実際にインクが所定量消費された時点を管理する方法などがある。
しかしながら、ソフトウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してインク消費を計算上管理する方法には、次のような問題がある。ヘッドの中には吐出インク滴に重量バラツキを有するものがある。このインク滴の重量バラツキは画質には影響を与えないが、バラツキによるインク消費量の誤差が累積した場合を考慮して、マージンを持たせた量のインクをインクカートリッジに充填してある。従って、個体によってはマージン分だけインクが余るという問題が生ずる。
一方、電極によりインクが消費された時点を管理する方法は、インクの実量を検出できるので、インク残量を高い信頼性で管理できる。しかしながら、インクの液面の検出をインクの導電性に頼ることになるので、検出可能なインクの種類が限定されてしまったり、電極のシール構造が複雑化してしまうという欠点がある。また、電極の材料としては、通常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属が使用されるので、インクカートリッジの製造コストがかさむ。さらに、2本の電極を装着する必要があるため、製造工程が多くなり、結果として製造コストがかさんでしまう。
そこで、上記の課題を解決すべく開発された装置が、特許文献1に圧電装置(ここでは、センサユニットと言う)として開示されている。このセンサユニットは、圧電素子が積層された振動板に対向するキャビティの内部に、インクが存在する場合とインクが存在しない場合とで、強制振動後の振動板の残留振動(自由振動)に起因する残留振動信号の共振周波数が変化することを利用して、インクカートリッジ内のインク残量を監視するというものである。
特開2001−146030号公報
ところで、特許文献1に記載のセンサユニットを使用する場合、振動板に対向するキャビティまではインクが自由に入り込むようにしておく必要があるが、電気的な要素である圧電素子等を配置した側には、インクが侵入しないようにしておく必要があり、そのため、取り付けに当たっては隣接する部材間は厳密にシールしておかなければならない。
そのシール構造としては、センサユニットを容器本体の開口の周縁に直接接着する構造、あるいは、モジュールの開口の周縁に直接接着した上で、モジュールをOリングを介して容器本体に取り付ける構造が示されているが、いずれも開口の周縁にセンサユニットを接着しているので、寸法のバラツキがあると、シール性の確保が難しい。また、容器本体の開口の周縁やモジュールの開口の周縁に直接接着すると、インクの波動やインク中の気泡の影響を受けやすく、誤検出を起こす懸念もある。
また、圧電素子の振動によりインクの有無を検出しようとする領域において、流路途中にリークがあると、検出性能が落ちるので、確実に流路途中でのリークを防止しなくてはならない。その上、振動を利用してインクの検出を行うので、振動特性に悪影響を与えるようなシールの仕方も避けなければならない。従って、それらの条件を満たしながら、組み付け性も良好なシール構造の採用が望まれていた。
本発明は、上記事情を考慮し、部品の寸法精度の影響をあまり受けずに、センサユニットを容器本体に取り付ける際のシールを簡単かつ確実に行うことができると共に、インクの波動やインク中の気泡の影響を受けにくくなり、且つ、リークを防止して検出性能の向上を図れるようにした液体検出機能を備えた容器を提供することを目的とする。
本発明は、内部に貯留した液体を外部に送出する送出通路を有する容器本体と、
前記送出流路の終端付近に位置させて前記容器本体に設けられたセンサ収容部と、
前記センサ収容部に装着された液体検出用のセンサユニットと、
前記容器本体に設けられ、センサ受壁を介して前記センサ収容部と隣接すると共に、前記送出通路の上流側と下流側にそれぞれ連通することで前記送出通路に直列に介在された上流側バッファ室及び下流側バッファ室と、
前記センサユニットと前記センサ受壁との間をシールする弾性を有したシール部材と、
前記センサユニットを前記センサ受壁に向けて押圧することで、前記シール部材を潰しながら、該シール部材とセンサユニット及びセンサ受壁との間に、シールに必要なだけの面圧を付与する押圧バネと、
を備え、
前記センサユニットは、
検出対象の液体を受け入れるセンサキャビティを有し、且つ、該センサキャビティの下面を液体の受け入れを可能とするために開放し、上面を振動板で塞いで、該振動板の上面に圧電素子を配した構成をなすセンサチップと、前記センサ収容部にセンサユニットを装着した際に、下面が前記シール部材を介して前記センサ受壁に対面するユニットベースと、を有しており、
前記ユニットベースには、前記センサキャビティに連通する液溜まり空間として、前記センサキャビティに対する入側流路と出側流路とが設けられ、
前記センサ受壁には、前記シール部材の内側で、前記入側流路と前記上流側バッファ室を連通する上流側連通口及び前記出側流路と前記下流側バッファ室を連通する下流側連通口が設けられ、
前記送出通路の上流側から流れてきた液体が、前記上流側バッファ室、上流側連通口、及び入側流路を介して前記センサキャビティに供給され、前記センサキャビティから前記出側流路、下流側連通口、及び下流側バッファ室を介して前記送出通路の下流側に排出されるように構成されており、
前記シール部材は、前記センサ受壁側の上流側連通口とユニットベース側の入側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする上流側シール部と、前記センサ受壁側の下流側連通口とユニットベース側の出側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする下流側シール部と、を有していることを特徴とする。
また、本発明においては、前記シール部材は、前記センサ受壁側の上流側連通口とユニットベース側の入側流路との連通部分、並びに、前記センサ受壁側の下流側連通口とユニットベース側の出側流路との連通部分、の周囲を共に取り囲む環状の外周シール部と、前者の上流側の連通部分と後者の下流側の連通部分を区画するべく前記外周シール部の中央を横断する中央仕切部と、を一体に有しており、前記外周シール部の各半周分と前記中央仕切部とで、それぞれ前記上流側シール部と下流側シール部とが形成されていてもよい。
また、本発明においては、前記中央仕切部の断面積が前記外周シール部の断面積より小さく設定されており、前記シール部材を一体に射出成形で製作する際のウェルドラインが前記中央仕切部上に設定されていてもよい。
また、本発明においては、前記シール部材が、前記ユニットベースと共に二色成形されていてもよい。
また、本発明においては、前記中央仕切部が、センサ受壁側の連通口とユニットベース側の流路とを連通する空間から引っ込んだ位置でセンサ受壁とユニットベースとの間に挟まれており、その条件を満たすべく、ユニットベース側の入側流路と出側流路のセンサ受壁側の開口端の間隔を大きくするために、ユニットベース内の入側流路と出側流路が傾斜状または階段状に形成されていてもよい。
本発明によれば、センサユニットとセンサ受壁との間に弾性を有する環状のシール部材を介在させ、センサユニットを押圧バネでセンサ受壁に向けて押圧することにより、シール部材を潰しながら、センサユニットとセンサ受壁との間をシールするようにしたので、予めセンサユニットを別に組み立て、後からそのセンサユニットを容器本体に装着する際の組み付けが、接着剤を使う場合と比べて簡単にできる。また、シール部材の弾性で部品間の寸法のバラツキを吸収できるから、簡単な組み付けで確実なシールを行うことができる。また、センサキャビティの前方(開放側)に、前記シール部材によってシールされた液溜まり空間を確保しているので、インクの波動やインク中の気泡の影響を受けにくい。
また、本発明によれば、シール部材は、センサ受壁側の上流側連通口とユニットベース側の入側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする上流側シール部と、センサ受壁側の下流側連通口とユニットベース側の出側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする下流側シール部と、を有しており、上流側と下流側の各連通部分を独立にシールしているので、上流側連通路から下流側連通路へ液体がリークすることがなく、センサキャビティに液体を全量確実に流通させることができて、センサの動作を安定させ、誤検出を防ぐことができる。
また、本発明によれば、中央仕切部で上流側連通路と下流側連通路を遮断するので、途中でリークすることなく、センサキャビティに液体を全量流通させることができる。また、一体のシール部材に、外周シール部と中央仕切部を設けることによって、上流側シール部と下流側シール部を形成しているので、部品点数を増やさずに必要なシール性能を発揮することができる。
ところで、外周シール部と中央仕切部の機能を比較してみると、外周シール部は、内側の流路を流れる液体を外部に漏らさないようにするための部分であって、内外圧差がかかった条件下で液体を漏らさないようにするために高いシール性能が要求されるが、中央仕切部は、同じ流路内の上流側から下流側へ液体がリークしないようにするための部分であって、万一、リークが生じても、外部への液体漏れのような大きな事態に繋がることはない。また、同じ流路内での圧力差であるから、圧力差も極めて小さく、リークしにくい。従って、外周シール部と比べれば、シール性能の要求度のレベルが全く違う。
また、本発明によれば、射出成形する上で避けることのできないウェルドラインを、外周シール部上ではなく、中央仕切部上に設定している。このように設定することで、ウェルドラインの存在は確かにシール性能に悪影響を及ぼすかもしれないが、万一ウェルドラインの存在によってリークが起こったとしても、その影響は、外周シール部にウェルドラインがある場合に比べて格段に小さくなり、ほとんど実害がないレベルに抑えられる。つまり、中央仕切部で隔てられる流路間は、実質的な圧力差が殆どないので、少々のウェルドラインの存在は全く問題がない。
なお、ウェルドラインの位置の制御は、中央仕切部の断面積を外周シール部の断面積より小さくすること、つまり、中央仕切部を外周シール部よりも細くすることで可能である。即ち、外周シール部と中央仕切部の断面を異ならせることで、成形樹脂の充填速度をコントロールすることできるので、ウェルドラインを中央仕切部に持ってくることができるのである。
また、本発明によれば、シール部材をユニットベースと共に二色成形することにより形成しているので、部品の取り扱い手数を削減することができ、生産効率の向上が図れる。
また、本発明によれば、シール部材の中央仕切部が、センサ受壁側の連通口とユニットベース側の流路とを連通する空間から引っ込んだ位置でセンサ受壁とユニットベースとの間に挟まれており、シール部材の中央仕切部が連通路内に直接露出していないので、中央仕切部が液体の流通の障害になるようなことがなく、検出性能に悪影響を及ぼすこともない。また、センサチップ側を基準とした場合、ユニットベース内の入側流路と出側流路の間隔も小さくなってしまうが、ユニットベース内の入側流路と出側流路を、傾斜状または階段状に形成したことにより、それら入側流路と出側流路の間隔を広げてあるので、無理なく中央仕切部を上記の条件を満たす状態で配置することができる。
以下、本発明の実施形態の液体検出機能付きのインクカートリッジ(液体容器)について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のインクカートリッジが使用されるインクジェット式記録装置(液体噴射装置)の概略構成を示す。図1中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1は、キャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介して、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側にはインクジェット式記録ヘッド12が搭載され、またその上部には記録ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ100が着脱可能に装着されている。
この記録装置の非印字領域であるホームポジション(図中、右側)にはキャップ部材13が配置されており、このキャップ部材13はキャリッジ1に搭載された記録ヘッド12がホームポジションに移動した時に、記録ヘッド12のノズル形成面に押し当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形成するように構成されている。そして、キャップ部材13の下方には、キャップ部材13により形成された密閉空間に負圧を与えてクリーニング等を実施するためのポンプユニット10が配置されている。
また、キャップ部材13における印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記録ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されていて、キャリッジ1がキャップ部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて記録ヘッド12のノズル形成面を払拭することができるように構成されている。
図2は、インクカートリッジ100の概略構成を示す斜視図である。このインクカートリッジ100には、液体検出機能を果たす主要素であるセンサユニット200が内蔵されている。
インクカートリッジ100は、内部にインク貯留部(図示略)を備える樹脂製のカートリッジケース(容器本体)101と、カートリッジケース101の下端面を覆うように装着された樹脂製のカバー102とを有する。カバー102は、カートリッジケース101の下端面に貼られた各種の封止フィルムを保護するために設けられている。カートリッジケース101の下端面にはインク送出部103が突設され、インク送出部103の下端面には、インク送出口(液体の排出口、図示略)を保護するためのカバーフィルム104が貼られている。
また、カートリッジケース101の細幅の側面には、センサユニット200を収容するためのセンサ収容凹部(センサ収容部)110が設けられ、そのセンサ収容凹部110には、センサユニット200と圧縮コイルスプリング(押圧バネ)300とが収容されている。
この圧縮コイルスプリング(以下、単にスプリングという)300は、後述するが、センサユニット200を、センサ収容凹部110の内底部のセンサ受壁120(図7、図8参照)に押し付けてシールリング270を押し潰すことにより、センサユニット200とカートリッジケース101との間のシール性の確保を行うものである。
センサ収容凹部110は、カートリッジケース101の細幅の側面に開口しており、その側面の開口からセンサユニット200とスプリング300とが挿入されている。そして、センサ収容凹部110の側面の開口は、センサユニット200及びスプリング300を内部に収納した状態で、外側から基板500の付いた封止カバー400で塞がれている。
図3はセンサユニット200と、スプリング300と、封止カバー400と、基板500の各構成を示す分解斜視図である。また、図4はセンサユニット200の分解斜視図、図5は別の角度から見たセンサユニット200の分解斜視図、図6はセンサ収容凹部110にセンサユニット200とスプリング300を組み込んだ部分の正面図、図7は図6のVII−VII矢視断面図、図8はセンサ収容凹部110にセンサユニット200とスプリング300を組み込んだ部分の正面方向から見た断面図、図9はセンサユニット200の要部の断面図、図10は図9のX−X矢視断面図である。また、図11、図12は本実施形態におけるシールリング270の構成を示す平面図、図13は比較例を示す図8と同様の図、図14、図15はその比較例におけるシールリングの構成を示す平面図である。
図7、図8に示すように、カートリッジケース101のセンサ収容凹部110の内底部には、センサユニット200の下端を受けるためのセンサ受壁120が設けられている。センサ受壁120は、その平坦な上面にセンサユニット200が載り、スプリング300の弾性力で、センサユニット200の下端のシールリング(環状のシール部材)270が圧接する部分である。
このセンサ受壁120の下側には、隔壁127(図8参照)を挟んで左右方向に互いに区分された上流側と下流側の一対のセンサバッファ室122、123が設けられ、センサ受壁120には、センサバッファ室122、123に対応させて一対の連通口(流路)132、133が設けられている。カートリッジケース101の内部には、図示しないが、貯留したインクを外部に送出するための送出流路が設けられており、その送出流路の終端付近(インク送出口付近)に位置させて、センサバッファ室122、123及びセンサユニット200が配設されている。
この場合、上流側センサバッファ室122は、連絡孔124を介して上流側の送出通路に連通され、下流側センサバッファ室123は、連絡孔125を介して、インク送出口に近い下流側の送出通路に連通されている。また、センサバッファ室122、123の下面は、剛性壁で封じられるのではなく開口しており、その開口は樹脂製の封止フィルム105によって覆われている。
センサユニット200は、図4、図5に示すように、上面に凹所211を有する樹脂製でプレート状のユニットベース210と、ユニットベース210の上面の凹所211に収容された金属製でプレート状のセンサベース220と、センサベース220の上面に載置固定されたセンサチップ230と、センサベース220とユニットベース210を固着する接着フィルム240と、ユニットベース210の上側に配された同形状の一対の端子プレート250と、端子プレート250の押さえカバー260と、ユニットベース210の下面に配されたゴム製のシールリング270と、から構成されている。
各部品の詳細を述べると、図5に示すように、ユニットベース210は、上面中央にセンサベース220の嵌まる凹所211を有すると共に、凹所211の周囲の上面壁214の外側に、上面壁214よりも一段高く設定された取付壁215を有する。取付壁215は凹所211を挟んで対向するように一対設けられており、取付壁215上に位置させて、ユニットベース210の上面の四隅には4つの支持ピン216が立設されている。
また、図4に示すように、凹所211の底壁には、円形の貫通孔よりなる入側流路212と出側流路213(液溜まり空間)が設けられている。また、ユニットベース210の下面には、シールリング217が一体に形成され、シールリング217の内側に、前記入側流路212と出側流路213が位置している。
このシールリング217は、図3〜図5並びに図11及び図12に示すように、センサ受壁120側の上流側連通口132とユニットベース210側の入側流路212との連通部分の周囲を取り囲んでシールする上流側シール部270Aと、センサ受壁120側の下流側連通口133とユニットベース210側の出側流路213との連通部分の周囲を取り囲んでシールする下流側シール部270Bと、を有している。
特に、このシールリング270は、センサ受壁120側の上流側連通口132とユニットベース210側の入側流路212との連通部分、並びに、センサ受壁120側の下流側連通口133とユニットベース210側の出側流路213との連通部分、の周囲を共に取り囲む環状の外周シール部271と、前者の上流側の連通部分と後者の下流側の連通部分を区画するべく外周シール部271の中央を横断する中央仕切部272と、を一体に有しており、外周シール部271の各半周分と中央仕切部272とで、それぞれ上流側シール部270Aと下流側シール部270Bとを一体に形成している。
また、中央仕切部272の断面積が外周シール部271の断面積よりも小さく設定され、つまり、中央仕切部272が外周シール部271より細く形成され、図11、図12に示すように、シールリング270を一体に射出成形で製作する際のウェルドライン275が中央仕切部272上に設定されている。そして、このような形状のシールリング270が、ユニットベース210と共に二色成形されている。
また、図8、図9に示すように、中央仕切部272が、センサ受壁120側の連通口132、133とユニットベース210側の流路212、213とを連通する空間から引っ込んだ位置で、センサ受壁120とユニットベース210との間に挟まれるように、ユニットベース210内の入側流路212と出側流路213を、2つの連通孔212a、212b、213a、213bにより階段状に形成して、それにより、ユニットベース210の入側流路212と出側流路213のセンサ受壁210側の開口端の間隔を大きく確保している。
また、センサベース220は、センサの音響特性の向上を図る目的で、樹脂よりも剛性の高いステンレス等の金属プレートによって構成されている。センサベース220は、四つの角を面取りした矩形板状をなし、ユニットベース210の入側流路212及び出側流路213に対応した、2つの貫通孔よりなる入側流路222及び出側流路223(液溜まり空間)を有している。
このセンサベース220の上面には、例えば両面接着フィルムの貼り付けや接着剤の塗布などによって接着層242が形成されており、この接着層242の上に、センサチップ230が搭載され固着されている。
センサチップ230は、図8、図9、図10に示すように、検出対象のインク(液体)を受け入れるセンサキャビティ232を有しており、センサキャビティ232の下面をインクの受け入れを可能とするために開放し、上面を振動板233で塞いで、振動板233の上面に圧電素子234を配した構成をなしている。
具体的に述べると、図9、図10に示すように、センサチップ230は、円形開口よりなるセンサキャビティ232を中心に有するセラミック製のチップ本体231と、チップ本体231の上面に積層され、センサキャビティ232の底面壁を構成する振動板233と、振動板233の上に積層された圧電素子234と、チップ本体231の上に積層された電極235、236とで構成されている。
センサチップ230のチップ本体231は、センサベース220側の第1層231Aと振動板233側の第2層の2層構造とされ、第1層231Aに、上流側及び下流側の流路の一部をなす2つの円形の孔231hが設けられ、第2層231Bにのみセンサキャビティ232が形成されている。この場合、第2層231Bのセンサキャビティ232は、第1層231Aの2つの孔231hを含むように長円形に形成されている。また、第1層231Aの孔231hは、センサベース220の入側流路222と出側流路223に重なるように形成されている。
圧電素子234は、具体的に図示しないが、前記各電極235、236に接続された上下の電極層と、上下の電極層の間に積層された圧電層とからなるものであり、例えば、センサキャビティ232内のインクの有無による電気特性の違いでインクエンドを判断する機能を果たす。圧電層の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)、または、鉛を使用しない鉛レス圧電膜、等を用いることができる。
センサチップ230は、チップ本体231の下面をセンサベース220の上面中央部に載せることにより、前記接着層242によってセンサベース220に一体に固着されており、その接着層242によって同時に、センサベース220とセンサチップ230間がシールされている。そして、センサベース220及びユニットベース210の入側流路222、212と出側流路223、213(液溜まり空間)は、センサチップ230のセンサキャビティ232に連通している。この構成により、インクは、入側流路212、222を介してセンサキャビティ232に入り、出側流路223、213を介してセンサキャビティ232から排出されるようになる。
このようにセンサチップ230が搭載された金属製のセンサベース220は、ユニットベース210の上面の凹所211に収容されている。そして、その上から樹脂製の接着フィルム240を被せることにより、センサベース220とユニットベース210が一体に接着されている。
即ち、接着フィルム240は、中央に開口241を有しており、センサベース220をユニットベース210の上面の凹所211に収容した状態でその上から被せることにより、中央の開口241からセンサチップ230を露出させている。また、接着フィルム240の内周側を、センサベース220の上面に接着層242を介して接着させ、且つ、外周側をユニットベース210の凹所211の周囲の上面壁214に接着させることにより、つまり、接着フィルム240を2部品(センサベース220とユニットベース210)の上面に跨って貼り付けることにより、センサベース220とユニットベース210間を互いに固着すると同時にシールしている。
この場合、センサベース220の上面は、ユニットベース210の凹所211より上側に突出しており、接着フィルム240は、ユニットベース210の凹所211の周囲の上面壁214に対する接着位置よりも高い位置で、センサベース220の上面に接着されている。このように、センサベース220に対するフィルム接着面の高さを、ユニットベース210に対するフィルム接着面の高さよりも上の位置に設定したことにより、段差をもってセンサベース220を接着フィルム240で押え付けることができ、ユニットベース210に対するセンサベース220の固着力の強化を図ることができる。また、ガタツキのない取付も可能となる。
また、各端子プレート250は、図4、図5に示すように、帯状の基板部251と、基板部251の側縁に突設されたバネ片252と、基板部251の両側に形成された取付孔253と、基板部251の両端に形成された折曲片254とを有するもので、それぞれ取付孔253に支持ピン216を通して位置決めした状態で、ユニットベース210の取付壁215の上面に配置されている。
そして、その上から押さえカバー260を載せることで、端子プレート250はユニットベース210と押さえカバー260とにより挟持され、その状態で、各バネ片252が、センサチップ230の上面の電極235、236に接触導通している。なお、この押さえカバー260は、端子プレート250を挟みながらユニットベース210の取付壁215の上面に載る平板枠状のものである。
押さえカバー260は、端子プレート250の基板部251を挟みながらユニットベース210の取付壁215の上面に載る平板部261と、平板部261の四隅に配され、ユニットベース210の支持ピン216に嵌まる4つの取付孔262と、平板部261の中央上面に設けられた立壁263と、立壁263に設けられたスプリング受座264と、平板部261の下面に設けられ、端子プレート250のバネ片252の逃げを作る凹部265とを有し、端子プレート250を上から押さえ付けながらユニットベース210の上面に載せられることで、ユニットベース210の上面の凹所211に収容されたセンサプレート220及びセンサチップ230を保護している。
以上の部品によりセンサユニット200を組み立てるには、まず、センサベース220の上面全面に接着層242を形成し、その接着層242の上にセンサチップ230を載置することで、センサチップ230とセンサベース220間を接着層242によって一体に固着すると共にシールする。
次いで、そのセンサチップ230と一体になったセンサベース220を、ユニットベース210の上面の凹所211に収容し、その状態で、上方から接着フィルム240を被せることで、接着フィルム240の内周側をセンサベース220の上面に接着層242を介して接着させ、外周側をユニットベース210の凹所211の周囲の上面壁214に接着させる。それにより、センサベース220とユニットベース210間を、接着フィルム240によって一体に固着すると共にシールすることができる。
次に、端子プレート250を、取付孔253をユニットベース210の支持ピン216に嵌めながら、ユニットベース210の上に配設し、その上から押さえカバー260を配置する。以上により、センサユニット200を組み立てることができる。
センサユニット200は、以上のように構成されており、カートリッジケース100のセンサ収容凹所110に、圧縮状態にされたスプリング300と一緒に収容されている。そして収容された状態で、スプリング300が押さえカバー260を下向きに押圧することにより、ユニットベース210の下面に設けたシールリング270が潰れながら、センサ収容凹所110内のセンサ受壁120に圧接し、これにより、センサユニット200とカートリッジケース101の間のシール性が確保されている。
このような組み付けが行われることにより、シール性が確保された条件の下で、カートリッジケース101内の上流側バッファ室122が、センサ受壁120の連通孔132を介してセンサユニット200内の入側流路212、222に連通され、カートリッジケース101内の下流側バッファ室123が、センサ受壁120の連通孔133を介してセンサユニット200内の出側流路213、223に連通される。そして、入側流路212、222、センサキャビティ232、出側流路213、223は、この順に上流側から並ぶように、カートリッジケース101内の送出流路に直列に介在することになる。
ここで、センサキャビティ232につながる上流側の流路は、流路断面の大きな上流側バッファ室122、連通口132、及び、流路断面の小さなセンサユニット200内の入側流路212、222(上流側狭小流路)で構成される。また、センサキャビティ232につながる下流側の流路は、流路断面の大きな下流側バッファ室123、連通口133、及び、流路断面の小さなセンサユニット200内ので出側流路213、223(下流側狭小流路)で構成される。
従って、送出通路の上流側から流れてきたインクは、導入孔124から上流側バッファ室122に流れ込み、上流側連通路(連通口132、入側流路212、222)を介してセンサキャビティ232に入り、次いで、センサキャビティ232から下流側連通路(出側流路223、213)及び下流側バッファ室123を通って、導出孔125から送出通路の下流側に排出されることになる。
なお、センサキャビティ232につながる流路のうち、バッファ室122、123に比較して流路断面の小さな連通路(連通口132、133、入側流路212、222、213、223)は、狭隘流路となっている。
また、センサ収容凹所110の側面開口を塞ぐ封止カバー400は、図3に示すように、板状のカバー本体401の外面に回路基板500の嵌まる凹部402を設け、その凹部402の底壁に、各端子プレート250の折曲片254の露出する2つの開口403と、回路基板500の位置決め用のピン406、407とを設け、更にカバー本体401の内面に、センサ収容凹所110内の所定部位に係止する係止爪405を突設した構成を有しており、センサユニット200及びスプリング300をセンサ収容凹所110の内部に収容した状態で、カートリッジケース101に取り付けられている。この状態で、封止カバー400の凹部402に基板500を取り付けることにより、基板500の所定の接点501と端子プレート250とが接触導通する。なお、基板500には、位置決め用のピン406、407と係合する切欠506や孔507が設けられている。
次に、センサユニット200によるインクの検出原理について説明する。
インクカートリッジ101内のインクが消費される際には、貯留されたインクは、センサユニット200のセンサキャビティ232を経由して、インク送出部103からインクジェット式記録装置の記録ヘッド12へ送られる。
この際、インクカートリッジ100内にインクが十分に残っている段階では、センサキャビティ232内はインクで満たされている。一方、インクカートリッジ100内のインク残量が少なくなると、センサキャビティ232内にインクが存在しない状態となる。
そこで、センサユニット200は、この状態の変化に起因する音響インピーダンスの相違を検出する。それによって、インクが十分に残っている状態であるか、あるいは、ある一定以上のインクが消費されて残量が少なくなった状態であるか、を検知することができる。
具体的には、圧電素子234に電圧を印加すると、圧電素子234の変形に伴い振動板233が変形する。圧電素子234を強制的に変形させた後、電圧の印加を解除すると、しばらくは、たわみ振動が振動板233に残留する。この残留振動は、振動板233とキャビティ232内の媒体との自由振動である。従って、圧電素子234に印加する電圧をパルス波形あるいは矩形波とすることで、電圧を印加した後の振動板233と媒体との共振状態を容易に得ることができる。
この残留振動は、振動板233の振動であり、圧電素子234の変形を伴う。このため、残留振動に伴って圧電素子234は逆起電力を発生する。この逆起電力は、端子プレート250を介して外部で検出される。
このようにして検出された逆起電力によって共振周波数が特定できるので、この共振周波数に基づいてインクカートリッジ100内のインクの有無を検出することができる。
以上の実施形態によれば、センサユニット200とセンサ受壁120との間に弾性を有するシールリング270を介在させ、センサユニット200をスプリング300でセンサ受壁120に向けて押圧することにより、シールリング270を潰しながら、センサユニット200とセンサ受壁120との間をシールするようにしているので、予めセンサユニット200を別に組み立て、後からそのセンサユニット200をカートリッジケース101に装着するという組み立て手順を採用することができ、その際の組み付けが、接着剤を使う場合と比べて簡単にできる。
また、シールリング270の弾性でセンサユニット200とセンサ受壁120間の寸法のバラツキを吸収できるから、簡単な組み付けで確実なシールを行うことができる。また、センサキャビティ232の前方(開放側)に、シールリング270によってシールされた液溜まり空間(入側流路212、222、出側流路213、223)を確保しているので、インクの波動やインク中の気泡の影響を受けにくい。
また、センサチップ230の上側に、センサチップ230を保護する押さえカバー260を配設し、その押さえカバー260を介してユニットベース210に押圧バネ300の荷重を作用させるので、センサチップ230に悪影響を与えずに、必要なシール性能と振動性能を容易に確保することができる。
また、本実施形態では、シールリング270を、センサ受壁120側の上流側連通口132とユニットベース210側の入側流路212との連通部分の周囲を取り囲んでシールする上流側シール部270Aと、センサ受壁120側の下流側連通口133とユニットベース210側の出側流路213との連通部分の周囲を取り囲んでシールする下流側シール部270Bと、を有するものとして構成してあり、上流側と下流側の各連通部分を独立にシールしているので、上流側連通路から下流側連通路へ液体がリークすることを完全に防ぐことができる。その結果、センサキャビティ232にインクを全量確実に流通させることができて、検出動作を安定させて誤検出を防ぐことができる。
この点について、図13の比較例を参照して説明する。
ユニットベース210とセンサ受壁120の間には、微小な隙間(1〜30μm程度の隙間)Hを確保しておくことが、センサユニット200の振動性を制約しない点で望ましい。この隙間Hが大きすぎると、上流側連通路と下流側連通路の間で矢印Sのようなリークが発生し、センサキャビティ232を通らない流れにより、検出動作が不安定になる。シールリング270の弾力性によって確保し得るシール部の自由高さ(隙間H)は、バラツキがあるために管理が難しく、実際にはリークの問題に繋がりやすい。
この点、本実施形態では、シールリング270に中央仕切部272を設けることによって、上流側連通路と下流側連通路を完全に遮断しているので、リークの心配をすることなく、シールリング270やスプリング300の弾性力を自由に選択して、シール部の自由高さ(隙間H)を管理することができる。
また、1つのシールリング270に中央仕切部272を設けることによって、上流側シール部270Aと下流側シール部270Bを形成しているので、部品点数を増やさずに必要なシール性能を発揮することができる。
ところで、外周シール部271と中央仕切部272の機能を比較してみると、外周シール部271は、内側の流路を流れるインクを外部に漏らさないようにするための部分であって、内外圧差がかかった条件下でインクを漏らさないようにするために高いシール性能が要求されるが、中央仕切部272は、同じ流路内の上流側から下流側へインクがリークしないようにするための部分であって、万一、リークが生じても、外部へのインク漏れのような大きな事態に繋がることはない。また、同じ流路内での圧力差であるから、圧力差も極めて小さく、リークしにくい。従って、外周シール部271と比べれば、シール性能の要求度のレベルが全く違う。
そこで、本実施形態では、図11、図12に示すように、射出成形する上で避けることのできないウェルドライン275を、外周シール部271上ではなく、中央仕切部272上に設定している。このように設定することで、ウェルドライン275の存在は確かにシール性能に悪影響を及ぼすかもしれないが、万一ウェルドライン272の存在によってリークが起こったとしても、その影響は、図14、図15の中央仕切部272がないシールリング270のように、外周シール部271にウェルドライン275mがある場合に比べて格段に小さくなり、ほとんど実害がないレベルに抑えられる。つまり、中央仕切部272で隔てられる流路間は、実質的な圧力差が殆どないので、少々のウェルドライン275の存在は全く問題がないといえる。
なお、ウェルドライン275の位置の制御は、中央仕切部272の断面積を外周シール部271の断面積より小さくすること、つまり、中央仕切部272を外周シール部271よりも細くすることで可能である。即ち、外周シール部271と中央仕切部272の断面を異ならせることで、成形樹脂の充填速度をコントロールすることできるので、ウェルドライン275を中央仕切部272上に持ってくることができるのである。
また、本実施形態では、シールリング270をユニットベース210と共に二色成形しているので、部品の取り扱い手数を削減することができ、生産効率の向上が図れる。
また、本実施形態では、シールリング270の中央仕切部272が、センサ受壁120側の連通口132、133とユニットベース210側の流路212、213とを連通する空間から引っ込んだ位置で、センサ受壁120とユニットベース210との間に挟まれており、シールリング270の中央仕切部272が連通路内に直接露出していないので、中央仕切部272がインクの流通の障害になるようなことがなく、検出性能に悪影響を及ぼすこともない。
また、センサチップ230側を基準とした場合、ユニットベース210内の入側流路212と出側流路213の間隔も小さくなってしまうが、ユニットベース210内の入側流路212と出側流路213を、階段状に形成して、それら入側流路212と出側流路213の開口端の間隔を広げているので、無理なくシールリング270の中央仕切部272を上記の条件を満たす状態で配置することができる。
また、その他の効果としては、ユニットベース210に対して、上方から、センサチップ230を搭載したセンサベース220を組み込み、その状態で、並んだ2部品の上面と上面、つまり、センサベース220とユニットベース210の両上面に跨って接着フィルム240を貼り付けるだけで、異なる材料でできた2部品(金属製のセンサベース220と樹脂製のユニットベース210)間の固着とシールを同時に行うことができる。従って、組立作業性がきわめてよい。また、接着フィルム240を2部品に跨って貼るだけであるから、各部品の寸法精度の影響をあまり受けずに、部品間のシールを行うことができる。また、例えば接着フィルム240を量産機械によって加熱・加圧して溶着する場合には、量産機械による温度と圧力を管理するだけで、シール性能を高めることができるので、量産時の安定化を図ることができる。さらに、シール性を左右する接着フィルム240は、装着が容易である上にスペース効率がよいため、センサユニット200の小型化が図れる。
また、センサベース220及びユニットベース210に、センサキャビティ232に対する入側流路212、222及び出側流路213、223をそれぞれ形成し、インクが入側流路212、222を介してセンサキャビティ232に流れ込み、出側流路213、223を介して排出されるように構成しているので、あくまでセンサキャビティ232をインクが流れるようになり、センサキャビティ232に液体や気泡が滞留することによる誤検出を防止することができる。
また、ユニットベース210に対する接着フィルム240の接着面の高さを、センサベース220に対する接着面の高さよりも下の位置に設定しているので、段差をもってセンサベース220を接着フィルム240で押え付けることができ、ユニットベース210に対するセンサベース220の固着力の強化を図ることができる。また、ガタツキのない取付が可能となる。
また、カートリッジケース101内の送出流路の終端付近にセンサユニット200を配置し、センサユニット200の入側流路212、222、センサキャビティ232、出側流路213、223が、この順に上流側から並ぶように送出流路に直列に介在されているので、インクカートリッジ100内の残液量を正確に検出することができる。
なお、上記実施形態では、ユニットベース210内の入側流路212と出側流路213を階段状に形成することで、それら入側流路212と出側流路213のセンサ受壁120側の開口端の間隔を広くとったが、図16に示すように、階段状の代わりに傾斜状に入側流路212と出側流路213を形成して、それら入側流路212と出側流路213のセンサ受壁120側の開口端の間隔を広くとってもよい。
また、上記実施形態では、上流側シール部270Aと下流側シール部270Bを、1つのシールリング270内に一体に形成した場合を示したが、上流側シール部270Aと下流側シール部270Bを個別のシールリングとして設けてよい。その場合は、例えば2つのOリングで構成することもできる。
本発明の実施形態のインクカートリッジ(容器)が使用されるインクジェット式記録装置(液体噴射装置)の概略構成を示す斜視図である。 本発明に実施形態のインクカートリッジの概略構成を示す分解斜視図である。 本発明に実施形態のインクカートリッジの概略構成図で、センサユニットと、スプリングと、封止カバーと、回路基板の各構成を示す分解斜視図である。 同インクカートリッジにおけるセンサユニットの分解斜視図である。 図4と別の角度から見たセンサユニットの分解斜視図である。 同実施形態において、センサ収容凹部にセンサユニットとスプリングを組み込んだ部分の正面図である。 図6のVII−VII矢視断面図である。 前記センサ収容凹部にセンサユニットとスプリングを組み込んだ部分の正面方向から見た断面図である。 前記センサユニットの要部の断面図である。 図11のX−X矢視断面図である。 本実施形態におけるシールリングの構成を示す平面図である。 同シールリングにおける成形樹脂の充填の仕方を示す図である。 比較例を示す図8と同様の図である。 その比較例におけるシールリングの構成を示す平面図である。 図14のシールリングにおける成形樹脂の充填の仕方を示す図である。 本発明の他に実施形態の図8と同様の図である。
符号の説明
100 インクカートリッジ(容器)
101 カートリッジケース(容器本体)
110 センサ収容凹部(センサ収容部)
120 センサ受壁
122 上流側センサバッファ室
123 下流側センサバッファ室
200 センサユニット
210 ユニットベース
212 入側流路(液溜まり空間)
213 出側流路(液溜まり空間)
220 センサベース
222 入側流路(液溜まり空間)
223 出側流路(液溜まり空間)
230 センサチップ
232 センサキャビティ
233 振動板
234 圧電素子
235,236 電極
250 端子プレート
260 押さえカバー
270 シールリング(シール部材)
270A 上流側シール部
270B 下流側シール部
271 外周シール部
272 中央仕切部
275 ウェルドライン
300 圧縮コイルスプリング(押圧バネ)

Claims (5)

  1. 内部に貯留した液体を外部に送出する送出通路を有する容器本体と、
    前記送出流路の終端付近に位置させて前記容器本体に設けられたセンサ収容部と、
    前記センサ収容部に装着された液体検出用のセンサユニットと、
    前記容器本体に設けられ、センサ受壁を介して前記センサ収容部と隣接すると共に、前記送出通路の上流側と下流側にそれぞれ連通することで前記送出通路に直列に介在された上流側バッファ室及び下流側バッファ室と、
    前記センサユニットと前記センサ受壁との間をシールする弾性を有したシール部材と、
    前記センサユニットを前記センサ受壁に向けて押圧することで、前記シール部材を潰しながら、該シール部材とセンサユニット及びセンサ受壁との間に、シールに必要なだけの面圧を付与する押圧バネと、を備え、
    前記センサユニットは、
    検出対象の液体を受け入れるセンサキャビティを有し、且つ、該センサキャビティの下面を液体の受け入れを可能とするために開放し、上面を振動板で塞いで、該振動板の上面に圧電素子を配した構成をなすセンサチップと、前記センサ収容部にセンサユニットを装着した際に、下面が前記シール部材を介して前記センサ受壁に対面するユニットベースと、を有しており、
    前記ユニットベースには、前記センサキャビティに連通する液溜まり空間として、前記センサキャビティに対する入側流路と出側流路とが設けられ、
    前記センサ受壁には、前記シール部材の内側で、前記入側流路と前記上流側バッファ室を連通する上流側連通口及び前記出側流路と前記下流側バッファ室を連通する下流側連通口が設けられ、
    前記送出通路の上流側から流れてきた液体が、前記上流側バッファ室、上流側連通口、及び入側流路を介して前記センサキャビティに供給され、前記センサキャビティから前記出側流路、下流側連通口、及び下流側バッファ室を介して前記送出通路の下流側に排出されるように構成されており、
    前記シール部材は、前記センサ受壁側の上流側連通口とユニットベース側の入側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする上流側シール部と、前記センサ受壁側の下流側連通口とユニットベース側の出側流路との連通部分の周囲を取り囲んでシールする下流側シール部と、を有していることを特徴とする容器。
  2. 請求項1に記載の容器であって、
    前記シール部材は、前記センサ受壁側の上流側連通口とユニットベース側の入側流路との連通部分、並びに、前記センサ受壁側の下流側連通口とユニットベース側の出側流路との連通部分、の周囲を共に取り囲む環状の外周シール部と、前者の上流側の連通部分と後者の下流側の連通部分を区画するべく前記外周シール部の中央を横断する中央仕切部と、を一体に有しており、前記外周シール部の各半周分と前記中央仕切部とで、それぞれ前記上流側シール部と下流側シール部とが形成されていることを特徴とする容器。
  3. 請求項2に記載の容器であって、
    前記中央仕切部の断面積が前記外周シール部の断面積より小さく設定されており、前記シール部材を一体に射出成形で製作する際のウェルドラインが前記中央仕切部上に設定されていることを特徴とする容器。
  4. 請求項3に記載の容器であって、
    前記シール部材が、前記ユニットベースと共に二色成形されていることを特徴とする容器。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の容器であって、
    前記中央仕切部が、センサ受壁側の連通口とユニットベース側の流路とを連通する空間から引っ込んだ位置でセンサ受壁とユニットベースとの間に挟まれており、その条件を満たすべく、ユニットベース側の入側流路と出側流路のセンサ受壁側の開口端の間隔を大きくするために、ユニットベース内の入側流路と出側流路が傾斜状または階段状に形成されていることを特徴とする容器。
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