明 細 書
表示素子及びその駆動方法
技術分野
[0001] 本発明は、単層で多色表示を可能とした新規な電気化学的な表示素子とその駆動 方法に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、 データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたド キュメントゃ画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する 機会が益々増大している。
[0003] この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイや CRT、また近年で は、有機 ELディスプレイ等の発光型が主として用いられている力 S、特に、電子情報が ドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があ り、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難ぐ一般に発光型のディス プレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限 され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が 知られている。
[0004] これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しな い (メモリー性)反射型ディスプレイが知られている力 下記の理由で十分な性能を有 しているとは言い難い。
[0005] すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約 40%と低く白表示 に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポ リマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用してい るため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶 は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑な TFT回路が必要である等の 課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、 10V以上の高い電圧が必 要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある等、これまで知られている
メモリー性型反射型ディスプレイでカラー表示を行おうとした場合、充分な性能を有し ているとは言い難い。
[0006] フルカラー表示が可能な方式として、エレクト口クロミック方式が知られており、 3V以 下の低電圧で駆動が可能である力 S、明るい白で、十分な白黒コントラスト、さらにカラ 一を表示しょうとした場合、異なる色を 3層積層する必要があり、複雑な素子構成によ るコスト高が懸念される。また、平地混合によるフルカラーエレクト口クロミック素子(例 えば、特許文献 1参照。)が知られている力 この方式では、平地混合のため濃い黒 が得られないため、白黒コントラストが十分ではない。また、ポリピリジン系化合物をェ レクト口クロミック素子に用いること(例えば、特許文献 2参照。)が知られている力 こ の構成では、表示色として 2色しか表示できず、特に黒表示が得られない。
[0007] 黒表示が可能な方式としては、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクト口 デポジション方式 (以下、 ED方式と略す)が知られている(例えば、特許文献 3参照) 。 ED方式は、十分な白黒コントラストを得るのには有利な方法ではある力 フルカラ 一を表示するには B、 G、 R若しくは Y、 M、 Cのカラーフィルターを用いる必要がある ため、その十分な白黒コントラストを活力、しきれな!/、と!/、う課題が存在してレ、た。
特許文献 1 :特開 2003— 270670号公報
特許文献 2:特許第 2930860号公報
特許文献 3 :特開 2003— 241227号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、明るい白表示、高コ ントラストの白黒表示及びフルカラー表示を、簡便な部材構成で実現することができ る新規の電気化学的な表示素子とその駆動方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
[0010] 1.対向電極間に、酸化または還元により、着色または消色するエレクト口クロミック 化合物、金属塩化合物、電解質及び白色散乱物を含有し、該対向電極の駆動操作 により、実質的に黒表示、白表示及び黒以外の着色表示の 3色以上の多色表示を
行うことを特徴とする表示素子。
[0011] 2.前記金属塩化合物が、銀塩化合物であることを特徴とする前記 1に記載の表示 素子。
[0012] 3.前記エレクト口クロミック化合物力 酸化時に着色し、還元時に透明になることを 特徴とする前記 1または 2に記載の表示素子。
[0013] 4.前記エレクト口クロミック化合物力 還元時に着色し、酸化時に透明になることを 特徴とする前記 1または 2に記載の表示素子。
[0014] 5.前記エレクト口クロミック化合物力 下記一般式 (A)で表される化合物であること を特徴とする前記 1乃至 3のいずれか 1項に記載の表示素子。
[0015] [化 1]
[0016] 〔式中、 Rは置換もしくは無置換のァリール基を表し、 R、 Rは各々水素原子または
1 2 3
置換基を表す。 Xは〉 N— R、酸素原子または硫黄原子を表し、 Rは水素原子また
4 4
は置換基を表す。〕
6.前記エレクト口クロミック化合物力 下記一般式(1)または(2)で表される化合物 であることを特徴とする前記 1、 2または 4に記載の表示素子。
[0017] [化 2]
〔式中、
R
2は各々水素原子、炭素原子数 14までのァリール基、ヘテロァリール基 、炭素原子数 10までの分岐アルキル基、アルケニル基、またはシクロアルキル基を
表す。 nl、 mlは各々 0または 1乃至 10の整数を表す。 —は、荷電を中和するィォ ンを表す。〕
[0019] [化 3]
[0020] 〔式中、 R3は、—(CH ) —(ここで、 mは 0或いは 1乃至 10の整数を表す。)、各々炭
2 m
素原子数 14までのァリーレン基、ヘテロァリーレン基、或いは各々炭素原子数 10ま での分岐アルキレン基、アルケニレン基、ァラルキレン基或いはシクロアルキレン基 であり、各々のァリーレン基、ヘテロァリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニ レン基、或いはシクロアルキレン基は任意に— P (O) (OH) 基を—(CH ) —基を介
2 2 n して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいて nは 0或いは 1乃至 10の整数を表す。 R4は、 - (CH ) —R5で表される基であり、ここにおいて pは
2 p
0或いは 1乃至 10の整数、 R5は、 -P (O) (OH) 基、或いは、各々炭素原子数 14ま
2
でのァリール基、ヘテロァリール基、各々炭素原子数 10までのアルキル基、アルケニ ル基、或いはシクロアルキル基、又は水素原子を表す。 X—は、荷電を中和するィォ
2
ンを表す。〕
7.前記エレクト口クロミック化合物が、下記一般式 (I)乃至 (VI)で表される化合物か ら選ばれる少なくとも 1種の化合物であることを特徴とする前記 1、 2または 4に記載の 表示素子。
[0021] [化 4]
般式 (I) 一般式 (Π)
[0022] 〔式中、
ITは、各々水素原子または置換基を表し、 R
3、 R
4は、各々水素原子また は置換基を表す。 m、 pはそれぞれ 0乃至 4の整数を表し、 Xは酸素原子または硫黄 原子を表す。 A—は電荷の釣りあいをとるイオンを表す。〕
8.前記エレクト口クロミック化合物力 下記一般式〔1〕乃至〔8〕で表される化合物か ら選ばれる少なくとも 1種の化合物であることを特徴とする前記 1または 2に記載の表 示素子。
[0023] [化 5コ 一般式 [1〕
[0024] 〔式中、 R、 Rは各々置換基を表し、 Rは、水素原子または置換基を表す。 Rが水
素原子の場合、 R Rのいずれか一方はァミノ基である。 a bは各々 0乃至 5の整数
1 2
を表し、 a bが各々 2以上の場合、 2個以上の R、もしくは、 2個以上の Rはお互いに
1 2
同じでも異なっていてもよぐ隣り合う Rもしくは R同士が結合し、環を形成していても よい。」
[0026] 〔式中、 R Rは各々置換基を表し、 R Rは各々アルキル基を表す。 R Rが互
4 7 5 6 5 6 いに結合し環を形成していても良ぐまた、 Bが結合しているフエニル基の o位と X2が 直接結合し、環を形成していても良い。 Xは、—CR R -NR —O—、ま
1 30 31 32
たは S—を表し、 Xは、 〇 または S—を表し、 Bは CH—、または N—
2
を表す。 cは 0乃至 4の整数を表し、 cが 2以上の場合、 2個以上の Rはお互いに同じ
4
でも異なっていても良く、隣り合う R同士が結合し、環を形成していてもよい。 dは 0
4
5までの整数を表し、 dが 2以上の場合、 2個以上の Rはお互いに同じでも異なって いてもよぐ隣り合う R同士が結合し、環を形成していてもよい。 oは、 1または 2を表 す。〕
[0028] 〔式中、 R乃至 R は各々水素原子または置換基を表し、 R は置換基を表す。 X
12
Xは各々一 CR R ― NR 〇一、または一 S を表し、 eは、 0乃至 4の整
4 30 31 32
数を表し、 eが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであっても異なっていてもよ
ぐ隣り合う R 同士が結合し、環を形成していてもよい。 nは 0または 1を表す。〕
12
[0029] [化 8] 一般式 〔4〕
〔式中、 R はヒドロキシル基、アルコキシ基、またはアミノ基を表し、 R 、R は各々
18 19 20
置換基を表す。 hは、 0乃至 4の整数を表し、 hが 2以上のとき、 2個以上の R は互い
20 に同じであっても異なっていても良ぐ隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても
20
良い。 iは、 0乃至 5の整数を表し、 iが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであ
19
つても異なっていてもよぐ隣り合う R 同士が結合し、環を形成していてもよい。また、
19
R と R が結合し環を形成していても良い。 Xは、 O
19 20 6
芳香環、複素環を形成するのに必要な残基を表す。〕
[0032] 〔式中、 R 、 R は各々置換基を表し、 k、 1は各々 0乃至 4の整数を表し、 k、 1が各々
22 23
2以上のとき、 2個以上の R 、もしくは、 2個以上の R はお互いに同じでも異なって
22 23
いてもよぐ隣り合う R 、もしくは、 R 同士が結合し、環を形成していてもよい。〕
[0034] 〔式中、 R はヒドロキシル基、アルコキシ基、、またはアミノ基を表し、 R はァリール
24 25
基、または複素環基を表し、 R は、水素原子、アルキル基、ァリール基、複素環基、
26
ァシル基、または力ルバモイル基を表す。 R は置換基を表し、 mは、 0乃至 4の整数
27
を表し、 mが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであっても異なっていてもよく
27
、隣り合う R 同士が結合し、環を形成していてもよい。〕
27
[0036] 〔式中、 R 、R は、各々置換基を表し、 nは、 0乃至 4の整数を表し、 nが 2以上のと
28 29
き、 2個以上の R は互いに同じであっても異なっていてもよぐ隣り合う R 同士が結
29 29 合し、環を形成していてもよい。 Yは、電子吸引性基を表す。〕
[0038] 〔式中、 R 、R は、各々水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、またはアミノ基を
30 31
表すが、 R 、R が共に水素原子となることはない。 R 、R は各々置換基を表す。
p qは各々 0乃至 4の整数を表し、 p qが 2以上のとき、 2個以上の R 、もしくは、 2個
32
以上の R はお互いに同じでも異なっていてもよぐ隣り合う R 、もしくは、 R 同士が
33 32 33 結合し、環を形成していてもよい。〕
9.エレクト口クロミック化合物力 前記対向電極の少なくとも 1方の表面と化学吸着 または物理吸着していることを特徴とする前記 1乃至 8のいずれ力、 1項に記載の表示 素子。
[0039] 10.エレクト口クロミック化合物力 CO H -PO (OH) OPO (OH) S
2 2 2
O H - Si (OR) (Rは水素原子、アルキル基)から選ばれる少なくとも 1つの吸着基
3 3
を有することを特徴とする前記 1乃至 9のいずれか 1項に記載の表示素子。
[0040] 11.対向電極の少なくとも 1方が金属酸化物多孔質層から成り、エレクト口クロミック 化合物を、金属酸化物多孔質層に担持させたことを特徴とする前記 1乃至 10のいず れか 1項に記載の表示素子。
[0041] 12. 白色散乱物が、 TiO ZnOまたは Al Oを含むことを特徴とする前記 1乃至 1
2 2 3
1のいずれか 1項に記載の表示素子。
[0042] 13.力ソード反応で実質的に黒色状態を表示することを特徴とする前記 1乃至 12 のいずれか 1項に記載の表示素子。
[0043] 14.前記黒以外の着色表示力 S、実質的に互いに異なる色相となる表示領域を平面 配置することによるカラー表示であることを特徴とする前記 1乃至 13のいずれ力、 1項 に記載の表示素子。
[0044] 15.前記異なる色相となる表示領域を平面配置する方法が、異なる種類のエレクト 口クロミック化合物を、金属酸化物多孔質層に担持させることを特徴とする前記 14に 記載の表示素子。
[0045] 16.前記金属酸化物多孔質層へのエレクト口クロミック化合物の担持力 S、インクジェ ット法により塗り分けられていることを特徴とする前記 15に記載の表示素子。
[0046] 17.前記 1乃至 16のいずれか 1項に記載の表示素子を駆動する表示素子の駆動 方法であって、エレクトクロミック色素の着色過電圧(VECW)及び消色過電圧(VEC E)、銀塩化合物の銀の析出過電圧 (VAgW)及び溶解過電圧 (VAgE)力 S、下記関 係式 (X)で規定する全てを満たす条件で駆動することを特徴とする表示素子の駆動
方法。
[0047] 関係式 (X)
VECWの絶対値〉 VECEの絶対値
VECWの絶対値〉 VAgEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VECEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VAgEの絶対値
18. 白表示駆動操作時の対向電極間の電圧 (VW)が、下記関係式 (Y)で規定す る全ての条件を満たすことを特徴とする前記 17に記載の表示素子の駆動方法。
[0048] 関係式 (Y)
VECWの絶対値〉 VW〉 VECEの絶対値
VECWの絶対値〉 VW〉 VAgEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VW〉 VECEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VW > VAgEの絶対値
〔式中、 VECW、 VECE, VAgE, VAgWは、前記関係式(X)のそれぞれと同義で ある。〕
発明の効果
[0049] 本発明により、明るい白表示、高コントラストの白黒表示及びフルカラー表示を、簡 便な部材構成で実現することができる新規の電気化学的な表示素子とその駆動方 法を提供することができた。
発明を実施するための最良の形態
[0050] 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[0051] 本発明の表示素子は、対向電極間に、酸化または還元により、着色または消色す るエレクト口クロミック化合物、金属塩化合物、電解質、及び白色散乱物を含有し、該 対向電極の駆動操作により、実質的に黒表示、白表示及び黒以外の着色表示の 3 色以上の多色表示を行うことを特徴とする。
[0052] 以下、本発明の各構成要素について、その詳細について説明をする。
[0053] 〔金属塩化合物〕
本発明に係る金属塩化合物とは、対向電極上の少なくとも 1方の電極上で、該対向
電極の駆動操作で、溶解 ·析出を行うことができる金属種を含む塩であれば、如何な る化合物であってもよい。好ましい金属種は、銀、ビスマス、銅、ニッケル、鉄、クロム 、亜鉛等であり、特に好ましいのは銀、ビスマスである。
[0054] 〔銀塩化合物〕
本発明に係る銀塩化合物とは、銀を化学構造中に含む化合物、例えば、酸化銀、 硫化銀、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状 態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、ァユオン性、カチォ ン性等の荷電状態種は、特に問わないが、本発明の表示素子においては、好ましく は、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クェン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、 p—トルエンスルホン酸銀、トリフルォロメタンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、ィ ミノジ酢酸類との銀錯体、等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中 でハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩 として用いるのが好ましぐ例えば、 p—トルエンスルホン酸銀が好ましい。
[0055] 本発明に係る電解質に含まれる銀イオン濃度は、 0. 2モル/ kg≤ [Ag]≤2. 0モ ル/ kgが好ましい。銀イオン濃度が 0. 2モル/ kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆 動速度が遅延し、 2モル/ kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が 起きやすくなる傾向にあり不利である。
[0056] 〔表示素子の基本構成〕
本発明の表示素子において、表示部には、対応する 1つの対向電極が設けられて いる。表示部に近い対向電極の 1つである電極 1には ITO電極等の透明電極、他方 の電極 2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極 1と電極 2との間には銀ま たは金属を化学構造中に含む化合物を有する電解質、(以下削除→「酸化時に着色 し還元時に実質的に透明となるエレクト口クロミック色素」ここまで)酸化時に着色し還 元時に実質的に透明となるエレクト口クロミック化合物が保持されており、対向電極間 に正負両極性の電圧を印加することにより、電極 1または電極 2上で銀の酸化還元反 応、およびエレクト口クロミック色素の酸化還元反応が行われ、還元状態の黒い銀画 像と、エレクト口クロミック色素の酸化もしくは還元状態の着色像を可逆的に切り替え ること力 Sでさる。
[0057] 本発明に係るエレクト口クロミック化合物について説明する。
[0058] 本発明の表示素子におけるエレクト口クロミック化合物(以下、 EC化合物ともいう)は 、電気化学的な酸化還元によって、物質の光学吸収の性質(色や光透過度)が可逆 的に変化する現象 (エレクトクロミズム)を示す化合物であり、以下、本発明で用いら れるエレクト口クロミック化合物について説明する。
[0059] 〔一般式 (A)で表される化合物〕
本発明に係る前記一般式 (A)で表されるエレクト口クロミック化合物について説明 する。
[0060] 式中、 Rは置換もしくは無置換のァリール基を表し、 R、 Rは各々水素原子または
1 2 3
置換基を表す。 Xは〉 N— R、酸素原子または硫黄原子を表し、 Rは水素原子、ま
4 4
たは置換基を表す。
[0061] 一般式 (A)において、 Rは置換もしくは無置換のァリール基を表し、 R、 Rは各々
1 2 3 水素原子または置換基を表すが、 R、 R、 Rで表される置換基の具体例としては、
1 2 3
例えば、アルキル基(例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 tert ブチル基、ペンチル基、へキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロへキシ ル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例 えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アタリレート基、メタタリレート基、芳香族基 (例えば、フエニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジ ル基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジュ ル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル 基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、 プロピルォキシ基、ペンチルォキシ基、シクロペンチルォキシ基、へキシルォキシ基、 シクロへキシルォキシ基等)、ァリールォキシ基(例えば、フエノキシ基等)、アルコキ シカルボニル基(例えば、メチルォキシカルボニル基、ェチルォキシカルボニル基、 ブチルォキシカルボニル基等)、ァリールォキシカルボニル基(例えば、フエ二ルォキ シカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホ ンアミド基、ブタンスルホンアミド基、へキサンスルホンアミド基、シクロへキサンスルホ ンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニ
ノレ基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニ ノレ基、へキシルアミノスルホニル基、シクロへキシルアミノスルホニル基、フエニルアミ ノスルホニル基、 2—ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレ イド基、ェチルウレイド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、フエニルゥ レイド基、 2—ピリジノレウレイド基等)、アシノレ基(例えば、ァセチル基、プロピオニル基 、ブタノィル基、へキサノィル基、シクロへキサノィル基、ベンゾィル基、ピリジノィル基 等)、力ルバモイル基(例えば、ァミノカルボニル基、メチルァミノカルボニル基、ジメ チルァミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルァミノカルボニル基、 シクロへキシルァミノカルボニル基、フエニルァミノカルボニル基、 2—ピリジルァミノ力 ルポニル基等)、ァシルァミノ基(例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基、メチ ルゥレイド基等)、アミド基(例えば、ァセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基 、へキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、 ェチノレスノレホニノレ基、ブチノレスノレホニノレ基、シクロへキシノレスノレホニノレ基、フエニノレ スルホニル基、 2—ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスル ホンアミド基、ォクチルスルホンアミド基、フエニルスルホンアミド基、ナフチルスルホン アミド基等)、アミノ基 (例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、プチルァ ミノ基、シクロペンチルァミノ基、ァニリノ基、 2—ピリジルァミノ基等)、ハロゲン原子( 例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シァノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボ キシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル 基、ホスホノォキシェチル基)、ォキザモイル基等を挙げることができる。また、これら の基はさらにこれらの基で置換されて!/、てもよレ、。
[0062] Rは、置換もしくは無置換のァリール基であり、好ましくは置換もしくは無置換のフ
1
ェニル基、更に好ましくは置換もしくは無置換の 2 ヒドロキシフエニル基または 4 ヒ ドロキシフエニル基である。
[0063] R及び Rとして好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基で
2 3
あり、より好ましくは、 R及び Rのいずれか一方がフエニル基、他方がアルキル基、更
2 3
に好ましくは R及び Rの両方がフエニル基である。
2 3
[0064] Xとして好ましくは、 >N-Rである。 Rとして好ましくは、水素原子、アルキル基、
芳香族基、複素環基、アシノレ基であり、より好ましくは水素原子、炭素数 1〜: 10のァ ノレキル基、炭素数 5〜: 10のァリール基、ァシル基である。
[0065] 以下に、一般式 (A)で表されるエレクト口クロミック化合物の具体的化合物例を示す 力 本発明 はこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
[0066] [化 13]
[0069] [化 16]
[0070] [化 17]
[0071] [化 18]
[0072] [化 19]
[0073] [化 20]
/vD/ O/ -spoz-ooifcId S9SS/-080SAV ^
[0076] [化 23]
[0078] [化 25]
[0079] [化 26]
[0080] 〔一般式(1)、一般式 (2)で表される化合物〕
次に、本発明に好ましく用いられる一般式(1)で表されるビォロゲン系化合物につ いて説明する。
[0081] 式中、
R
2は各々水素原子、炭素原子数 14までのァリール基、ヘテロァリール基 、炭素原子数 10までの分岐アルキル基、アルケニル基、或いはシクロアルキル基を 表す。 nl、 mlは各々 0或いは 1〜; 10の整数を表す。 X—は、荷電を中和するイオンを
1
表す。
[0082] 各々のァリール基、ヘテロァリール基、炭素原子数 10までの分岐アルキル基、アル ケニル基、或いはシクロアルキル基は更に置換基を有してもよぐ置換基としては、低 級アルキル基、低級アルケニル基、フエニル置換 低級アルキル基、ジフヱニル置 換ー低級アルキル基、フエニル基、フエノキシ基、低級アルカノィルォキシ基、ハロゲ ン原子、アミノ基、シァノ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、ジ (低級アルキル)ァミノ
基、フエニルァミノ基、低級アルカノィルァミノ基、ベンゾィルァミノ基、低級アルキル スルホニルァミノ基、フエニルスルホニルァミノ基、低級アルカノィル基、ベンゾィル基 、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、力ルバモイル基、 N—低級アルキ ルカルバモイル基、 N, N ジー(低級アルキル)力ルバモイル基、ウレイド基、 N—低 級アルキルウレイド基、低級アルキルスルホニル基、フエニルスルホニル基、ヒドロキ シル基、低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)ァミノ 基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ホスホノ基、或いは低級アルコキシカルボニル 基で置換された低級アルコキシ基、炭素原子数 3〜 7のアルコキシ基、そして 2価のメ チレンジォキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、後述する一般式(2)で表される化合物を包含する 。ここでは、具体的化合物例として、一般式(2)で表される化合物以外の化合物例を 以下に示す。
(1- 1)1, V ージー η— :すクチノ 'レ ■4, —ビビリジ- -ゥム シブロマイド
(1- ■2)1, V ージー η— :すクチノ 'レ ■4, —ビビリジ- -ゥム ビス一へキサフノレ才 ロフォ-スフェート
(1- ■3)1, V ージー η— :すクチノ 'レ ■4, —ビビリジ- -ゥム ジクロライド
(1- ■4)1, V ージー η— :すクチノ 'レ ■4, —ビビリジ- -ゥム ビス一へキサフノレ才 ロフォ-スフェート
(1- ■5)1, 1' ージー η— :すクチノ 'レ一 ■4, —ビビリジ- -ゥム ジクロライド
(1- -6)1—メチルー 1' - -π ォクラル , 4' —ビビリジニゥム ジクロライド
(1- -7)1—メチルー 1' - -(4つチノ 'レ: 7工- レ) 4, 4' ビビリジニゥム ジクロ ライド
(1- -8)1—η ォクチルー 1' - (4- 'フエニル) -4, 4' ビビリジニゥム ノノ ^
/Λ卜
(1- -9)l—n ォクチルー 1' - (4- 7ノレ;?卜口フエニル: )-4, Α' ビビリジニゥム
、ン、 グ [コノ 卜
(1- 10)1, V ビス(3- —プロ t レフエニル) -4, A' ービピリジニゥム ジクロラ イド
(1- -12)1, V 一ビス(3—プロピノレフ 'ェニノレ)一4, 4' —ビビリジニゥム ビス キサフ 'ルオロフォ」スフェート
(1- -13)1 1' 一ビス(2, 4 6—トリク :チノレフエ二ノレ)一 4, 4' ービピリジニゥム ジ ノ- 1 p
(1- -14)1, 1' 一ビス(2, 4, 6—トリノ :チノレフエ二ノレ)一4, 4' ービピリジニゥム ビ ス 、キサフノレオ -ロフォスフェート
(1- -15)1, 1' 一ビス(ナフチル)一 4 4' —ビビリジニゥム ジクロライド
(1- -16)1, 1' 一ビス(4一シァノナフチノレ)一4, 4' —ビビリジニゥム ジクロライ ド、
(1- -17)1, \' 一ビス(4一メチルフエ二ノレ)一 4, 4' 一ビビリジニゥム ジクロライド
(1- 18)1, V 一ビス(4一シァノフエ、二ノレ)一 4, 4' 一ビビリジニゥム ジクロライド
(1- 19)1, \' 一ビス(4ーフノレ才ロフェニノレ)一4, 4' —ビビリジニゥム ジクロラ イド
(1- 10)1, \' 一ビス(4一フエノキシ-フエニル)ー4 4' ービピリジニゥム ジクロラ イド
(1- ■21)1, \' 一ビス(4一 tーブチノレフエ二ノレ)一 4, 4' 一ビビリジニゥム ヽ Ζ、 々ノ ΐ 1コ ノ
(1- -22)1, V 一ビス(2 6—ジメチノ )レフェニル)ー4 4' —ビピリジニゥム ジクロ ライド
(1- ■23)1, V 一ビス(3, 5—ジメチノ 1フエ二ル)一 4, 4' —ビピリジニゥム ジクロ ライド
(1- 24)1, 1' 一ビス(4 ンゾフエノン)一 4, 4' ービピリジニゥム ジクロライド
(1— -25)1—ベ:ンジルー 1' 一(3—プ口ピノレフェニノレ)一 4, 4' —ビビリジニゥム ラ /ノΛ P
(1— 26)1 ンジルー 1' 一(3—プ口ピノレフェニノレ)一 4, 4' —ビピリジニゥム ビス一へキサフノレ才ロフォスフェート
(1- .27)1—べ:ンジノレ一]/ チノレ-一 4, A' 一ビビリジニゥム ジクロライド
(1- .28)1—べ:ンジルー]/ — (2 4— -ジニトロフエ二ノレ)一 4, ービピリジニゥム
ジジククロロラライイドド
((11——2299)) 11——べべンンジジルルーー 11'' 一一((22,, 44——ジジニニトトロロフフエエュュルル))ーー44,, 44'' 一一ビビビビリリジジニニゥゥムム ビビスス一一へへキキササフフノノレレ才才ロロフフォォススフフェェーートト
((11—— 3300)) 11——べべンンジジルルーー 11'' ——((44一一フフエエノノキキシシフフエエニニルル))一一 44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジククロロラライイドド
((11—— 3311)) 11——ベベンンジジルル一一 11'' ——((44一一フフエエノノキキシシフフエエニニルル))一一 44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ビビスス一一へへキキササフフノノレレオオロロフフォォススフフェェーートト
((11—— 3322)) 11——べべンンジジルルーー 11'' ——((44一一フフルルオオロロフフェェニニルル))一一44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジククロロラライイドド
((11—— 3333)) 11——べべンンジジルルーー 11'' 一一((44一一メメチチルルフフエエニニルル))一一44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジ ククロロラライイドド
((11一一 3344)) 11——べべンンジジノノレレ一一 11,, 一一((22,, 44,, 66——卜卜リリメメチチノノレレフフェェニニノノレレ))一一 44,, 44,, ーーヒヒ、、、、ピピリリジジ ユユウウムム ジジククロロラライイドド
((11—— 3355)) 11——ベベンンジジルル一一 11'' ——((ベベンンジジルル))一一44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジククロロラライイドド ((11—— 3366)) 11——べべンンジジルルーー 11'' 一一((ナナフフチチルル))ーー44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジククロロラライイドド ((11一一 3377)) 11——べべンンジジルルーー!!// 一一((フフエエニニルル))一一 44,, 44'' 一一ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジククロロラライイドド ((11一一 3388)) 11——べべンンジジルルーー 11'' 一一((44一一シシァァノノフフエエニニルル))一一 44,, 44'' 一一ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジ ククロロラライイドド
((11—— 3399)) 11——ベベンンジジルル一一 11'' ——((44一一べべンンゾゾフフエエノノンン))一一 44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジ ククロロラライイドド
((11——4400)) 11——ベベンンジジルル一一 11'' ——((44一一シシァァノノフフエエ二二ルル))一一 44,, 44'' ——ビビビビリリジジニニゥゥムム ジジ ククロロラライイドド
((11——4411)) 11——ベベンンジジルル一一 11// ——((22,, 66——ジジメメチチルルフフエエニニルル))一一44,, 44'' 一一ビビビビリリジジニニゥゥ ムム ジジククロロラライイドド
((11——4422)) 11——べべンンジジルルーー!!// 一一((33,, 55——ジジメメチチルルフフエエニニルル))一一44,, 44'' 一一ビビビビリリジジニニゥゥ ムム ジジククロロラライイドド
((11一一 4433)) 11——べべンンジジノノレレ一一;; TT 一一((22,, 44,, 66——トトリリメメチチ //レレフフェェニニノノレレ))一一 44,, 44'' 一一ビビビビリリジジ
次に、本発明に好ましく用いられる一般式(2)で表されるビォロゲン系化合物につ いて説明する。
[0085] 一般式(2)で表されるビォロゲン系化合物は分子構造中にホスホノ基を有し、後述 する透明導電性無機微粒子の表面に担持固定することが可能であり、非観察側電 極にメモリー性を有しない電子注入可能な構成層を設けることができる。
[0086] 一般式(2)中、 R3は、―(CH ) - (ここにおいて mは 0或いは 1〜10の整数を表す
2 m
。)、各々炭素原子数 14までのァリーレン基、ヘテロァリーレン基、或いは各々炭素 原子数 10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、ァラルキレン基、或いはシクロ アルキレン基であり、各々のァリーレン基、ヘテロァリーレン基、分岐アルキレン基、 分岐アルケニレン基、ァラルキレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に P (O) ( OH)基を—(CH ) —基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていても
2 2 n
よ!/、。ここにお!/、て nは 0或いは 1〜 10の整数を表す。
[0087] R4は、 R5R6で表される基であり、ここにおいて R5は、一(CH ) - (ここにおいて pは
2 ρ
0或いは 1〜; 10の整数を表す。)を表し、 R6は、—P (O) (OH)基、或いは、各々炭 素原子数 14までのァリール基、ヘテロァリール基、各々炭素原子数 10までの分岐ァ ルキル基、アルケニル基、或いはシクロアルキル基、又は水素原子を表す。
[0088] X—は、荷電を中和するイオンを表す。
[0089] また、 R1で表される、前記、炭素数 14までのァリーレン基、ヘテロァリーレン基、各 々炭素数 10までの分岐のアルキレン基、分岐のアルケニレン基、ァラルキレン基、或 いはシクロアルキレン基は、任意に、置換基を有してもよぐこれらの基は一つ或いは 2以上置換されていてもよぐまた複数置換されている場合、それぞれ異なっていても また同じ置換基でもよい。
[0090] これらの置換基としては、以下の基が挙げられる。
[0091] 低級アルキル基、低級アルケニル基、フエニル置換 低級アルキル基、ジフヱ二ノレ 置換 低級アルキル基、フエニル基、フエノキシ基、低級アルカノィルォキシ基、ハロ ゲン原子、アミノ基、シァノ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、ジ (低級アルキル)ァ ミノ基、フエニルァミノ基、低級アルカノィルァミノ基、ベンゾィルァミノ基、低級アルキ ノレスルホニルァミノ基、フエニルスルホニルァミノ基、低級アルカノィル基、ベンゾィノレ
基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、力ルバモイル基、 N—低級ァノレ キル力ルバモイル基、 N, N—ジー(低級アルキル)力ルバモイル基、ウレイド基、 N- 低級アルキルウレイド基、低級アルキルスルホニル基、フエニルスルホニル基、ヒドロ キシル基、低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)ァ ミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、或いは低級アルコキシカルボニル基で置換 された低級アルコキシ基、炭素原子数 3〜 7のアルコキシ基、そして 2価のメチレンジ ォキシ基等が挙げられる。
[0092] また、上記において挙げられたフエニル基、またベンゾィル基、フエニルァミノ基等 に含まれるフエニル基は、全て、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子 、ヒドロキシ基、またはニトロ基等により置換されていてもよい。
[0093] また、 R4で表されるァリール基、ヘテロァリール基、分岐のアルキル基、或いはアル ケニル基、或いはシクロアルキル基等も無置換でもよいが、前記 R1の置換基として定 義された基により一つ或いは複数以置換されて!/、てもよ!/、。
[0094] 前記一般式(2)において、好ましい化合物としては、 R3が、一(CH ) —(ここにお
2 m
いて mは、 1、 2、 3を表す)、フエニル基(—(CH ) —基を介して p位が— P (O) (OH
2 n
)基で置換されており、 nは 1或いは 2を表す)であり、 R4(R5R6で表される)において、 R5は—(CH ) - (ここにおいて pは 0、 1、 2、 3を表す)を表し、 R6は、未置換のフエ二
2 ρ
ル或いはナフチル、或いは、炭素原子数;!〜 4のアルキル基、ハロゲン原子、シァノ 基、ニトロ基、フエノキシ基、或いはベンゾィル基によってモノー、ジ一或いはトリー置 換されたフエニル或いはナフチル基である。
[0095] また、 X—は、 Cl—、 Br―、 CIO―、 PF―、 BF―、 C F NO S―、或いは CF SO—であり、
2 4 6 4 2 6 4 2 3 3 特に好ましくは、 CI—、 PF—である。
6
[0096] また、前記一般式(2)において、好ましい化合物として、 R3が、一(CH ) —(ここに
2 m おいて mは、 1、 2、 3を表す)、フエニル基(―(CH ) —基を介して p位が— P (O) (O
2 n
H)基で置換されており、 nは 1或いは 2を表す)であり、 R4 (R5R6で表される)におい て、 R5は— (CH ) - (ここにおいて pは 0、 1、 2、 3を表す)を表し、 R6が、― P (O) (O
2 ρ
H)基であり、 X—は、 Cl_、 Br\ CIO _、 PF _、 BF \ C F NO S _、或いは CF SO—で
2 4 6 4 2 6 4 2 3 3 あり、特に好ましくは、 Cl—、 PF—である。
[0097] 以上のうち好ましレ、化合物の例を以下に挙げる。
[0098] (2— 1) 1—ホスホノプロピル一;^ —メチル一 4, 4' —ビビリジニゥム ジブ口マイ ド、
(2— 2) 1—ホスホノエチル一 1' —(3—プロピルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニゥ ム ビス キサフノレオロフォスフェート
(2— 3) 1—ホスホノエチル一 1/ 一(2, 4, 6 トリメチノレフエ二ノレ) 4, 4' —ビピ リジユウム ジクロライド
(2— 4) 1—ホスホノエチル一 1' 一(2, 4, 6—トリメチノレフエ二ノレ)一 4, 4' —ビピ リジニゥム ビス キサフノレオロフォスフェート
(2— 5) 1 ホスホノエチルー 1' (ナフチル) 4, 4' —ビビリジニゥム ジクロラ イド、
(2— 6) 1—ホスホノエチルー!/ 一(4 シァノナフチル) 4, 一ビビリジニゥム ジクロライド
(2— 7) 1—ホスホノエチル一 1 —(4—メチルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニゥム ジクロライド
(2— 8) 1—ホスホノエチルー]/ —(4 シァノフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニゥム ジクロライド
(2— 9) 1 ホスホノエチルー]/ 4 フルオロフェニル) 4, 4' ビビリジニゥ ム ジクロライド
(2— 10) 1—ホスホノエチルー]/ —(4 フエノキシフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジ ユウム ジクロライド
(2— 11) 1—ホスホノエチル一 1' — (4— t ブチルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジ ニゥム ジクロライド
(2— 12) 1—ホスホノエチル一 —(2, 6 ジメチルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリ ジニゥム ジクロライド
(2— 13) 1—ホスホノエチル一 —(3, 5 ジメチルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリ ジニゥム ジクロライド
(2— 14) 1—ホスホノエチル一 1' —(4 ベンゾフエノン)一 4, 4' —ビビリジニゥ
ム ジクロライド
(2— 15) 1—ホスホノベンジルー]/ 一(3—プロピルフエニル) 4, 4' —ビビリジ ニゥム ジクロライド
(2— 16) 1—ホスホノベンジル一 1' —(3—プロピルフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジ ニゥム ビス一へキサフノレオロフォスフェート
(2 17) 1 ホスホノベンジルー]/ (ホスホノエチノレ)ー4, 一ビビリジニゥム ジ'クロライド
(2— 18) 1—ホスホノベンジル一 1' —(2, 4 ジニトロフエ二ル)一 4, 4' —ビビリ ジニゥム ジクロライド
(2— 19) 1 ホスホノベンジルー]/ 一(2, 4ージニトロフエニル) 4, 4' ビビリ ジニゥム ビス一へキサフ /レオ口フォスフェート
(2— 20) 1—ホスホノベンジル一 1 —(4—フエノキシフエニル) 4, 4' —ビビリ ジニゥム ジクロライド
(2— 21) 1—ホスホノベンジルー;^ —(4 フエノキシフエ二ノレ) 4, 4' —ビビリ ジニゥム ビス一へキサフ /レオ口フォスフェート
(2— 22) 1—ホスホノベンジル一 1' —(4—フルオロフェニル)一4, 4' —ビビリジ ユウム ジクロライド
(2— 23) 1—ホスホノベンジル一 —(4 メチルフエニル)ー4, 4' —ビビリジニ ゥム ジクロライド
(2— 24) 1—ホスホノベンジノレ一 1' 一(2, 4, 6 トリメチノレフエ二ノレ) 4, 4' - ビビリジニゥム ジクロライド
(2— 25) 1—ホスホノベンジルー;^ (ベンジル) 4, ビビリジニゥム ジク 口ライド
(2— 26) 1—ホスホノベンジルー 1' (ナフチル)ー4, 4' —ビビリジニゥム ジク 口ライド
(2— 27) 1—ホスホノベンジル一 1' —(フエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニゥム ジク 口ライド
(2— 28) 1—ホスホノベンジル一 1 —(4 シァノフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニ
ゥム ジクロライド
(2— 29) 1 ホスホノ (4- ェ -4, 4' ビビリジニ ゥム ジクロライド
(2— 30) 1—ホスホノ (4—シァノフエ二ル)一 4, 4' —ビビリジニ ゥム ジクロライド
(2— 31) 1 ホスホ (2, 6 ジメチルフエニル) 4, 4' ービピ リジユウム ジクロライド
(2— 32) 1—ホスホノ (3, 5—ジメチルフエ二ル)一 4, 4' —ビピ リジユウム ジクロライド
(2— 33) 1—ホスホノ (2, 4, 6 卜リメチノレフェニノレ) 4, 4, ビビリジユウム
これらの化合物の製造法は、例えば、国際公開第 2004/067673号ノ に記載されている。
[0099] 〔一般式 (I)〜一般式 (VI)で表される化合物〕
本発明に係る前記一般式 (I)〜一般式 (VI)で表されるエレクト口クロミック化合物に ついて説明する。
[0100] 前記一般式 (I)〜一般式 (VI)において、 R1, R2は、各々水素原子または置換基を 表し、 R3、 R4は、各々水素原子または置換基を表し、 Xは酸素原子または硫黄原子 を表す。 m、 pはそれぞれ 0〜4の整数を表し、 A—は電荷の釣り合いをとるイオンを表 す。
[0101] I^〜R4は、各々水素原子または置換基を表すが、 I^〜R4で表される置換基の具体 例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロ ピル基、 tert ブチル基、ペンチル基、へキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、 シクロへキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アル キニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アタリレート基、メタタリレート 基、芳香族基 (例えば、フエ二ル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基 (例 えば、ピリジノレ基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル 基、ピラジュル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、
ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、 エトキシ基、プロピルォキシ基、ペンチルォキシ基、シクロペンチルォキシ基、へキシ ノレォキシ基、シクロへキシノレオキシ基等)、ァリーノレォキシ基(例えば、フエノキシ基等 )、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルォキシカルボニル基、ェチルォキシカル ボニル基、ブチルォキシカルボニル基等)、ァリールォキシカルボニル基(例えば、フ ェニルォキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ェ タンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、へキサンスルホンアミド基、シクロへキ サンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミ ノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミ ノスルホニル基、へキシルアミノスルホニル基、シクロへキシルアミノスルホニル基、フ ェニルアミノスルホニル基、 2—ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、 メチルウレイド基、ェチルウレイド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、 フエニルウレイド基、 2—ピリジルウレイド基等)、ァシル基(例えば、ァセチル基、プロ ピオニル基、ブタノィル基、へキサノィル基、シクロへキサノィル基、ベンゾィル基、ピ リジノィル基等)、力ルバモイル基(例えば、ァミノカルボニル基、メチルァミノカルボ二 ル基、ジメチルァミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルァミノ力ノレ ボニル基、シクロへキシルァミノカルボニル基、フエニルァミノカルボニル基、 2—ピリ ジルァミノカルボニル基等)、ァシルァミノ基(例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァ ミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、ァセトアミド基、プロピオンアミド基、ブ タンアミド基、へキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルス ノレホニノレ基、ェチノレスノレホニノレ基、ブチノレスノレホニノレ基、シクロへキシノレスノレホニノレ 基、フエニルスルホニル基、 2—ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、 メチルスルホンアミド基、ォクチルスルホンアミド基、フエニルスルホンアミド基、ナフチ ルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基 、ブチルァミノ基、シクロペンチルァミノ基、ァニリノ基、 2—ピリジルァミノ基等)、ハロ ゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シァノ基、ニトロ基、スルホ 基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノ プロピル基、ホスホノォキシェチル基)、ォキザモイル基等を挙げることができる。また
、これらの基はさらにこれらの基で置換されて!/、てもよ!/、。
[0102] また、 R1で表される置換基としては、下記に示す置換基が好まし!/ '
[0103] [化 27]
0
HO{CHa)n~
H v^wrw)^ '-'-'-'-'-'
[0104] 式中、 R は炭素数 1〜10のアルキル基を表し、 nは 1〜10の整数を表す。
11
[0105] また、 m、 pはそれぞれ 0〜4の整数を表し、 mまたは pが 2以上であるとき、隣接する R 、 Rはそれぞれ2価のーじ^1 =じ^1ーじ^1 =じ^1ーを表す。
3 4
[0106] Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
[0107] A_で表される電荷の釣り合いをとるイオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、 BF _、
4
PF―、 CIO―、 CH SO—、 C H SO—等を挙げることカできる。
6 4 3 4 2 5 4
[0108] 以下に、一般式 (I)〜一般式 (VI)で表されるエレクト口クロミック化合物の具体的化 合物例を示す力 本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない
[0109] [化 28]
[0112] 本発明に係る一般式 (I)〜一般式 (VI)で表されるエレクト口クロミック化合物は、公 知の方法に従って合成することができ、例えば、 Topics in Current Chemistry , 92巻, 1—44頁(1980) , Angew. Chem. 90, 927 (1978) , Adv. Mater. 3, 225, 、丄 991) , German Offenlegungsschrift 3 917 323, J. Am. Chem. Soc. 117, 8528 (1995) , J. C. S. Perkin II 1990, 1777, German Offenl egungsschrift 4 435 211 , EP— A 476 456, EP— A 476 457, Germa n Offenlegungsschrift 4 007 058, J. Org. Chem. 57, 1849 (1992)およ び J. Am. Chem. Soc. 99, 6120, 6122 (1977)等に記載の方法を挙げ、ることカ できる。
[0113] 〔一般式〔1〕〜一般式〔8〕で表される化合物〕
次に、本発明に係る前記一般式〔1〕〜一般式〔8〕で表されるエレクト口クロミック化 合物について説明する。
[0114] [化 31]
一般式〔1〕
一般式〔1〕中、 R、Rは、各々置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子(例え
1 2
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アルキル基(例えば、メチル基、ェチル基、プロ ピル基、イソプロピル基、 tert—ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、ド デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、クロロメチル基、トリフルォ ロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルォロェチル基、メトキシ ェチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基等)、 アルケニル基(例えば、ビュル基、ァリル基等)、アルキニル基(例えば、ェチュル基、 プロパルギル基等)、ァリール基(例えば、フエニル基、ナフチル基、 p—二トロフエ二 ル基、 p—フルオロフェニル基、 p—メトキシフエ二ル基等)、ヘテロ環基(例えば、フリ ル基、チェニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ビラジル基、トリアジル基 、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾォキサゾリ ル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、ォ キサゾリジル基等)、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、 イソプロピオキシ期、ブトキシ基、 tert—ブトキシ基、 sec—ブトキシ基等)アルコキシ力 ノレボニル基(例えば、メチルォキシカルボニル基、ェチルォキシカルボニル基、ブチ ノレォキシカルボニル基、ォクチルォキシカルボニル基、ドデシルォキシカルボニル基 等)、ァリールォキシカルボニル基(例えば、フエニルォキシカルボニル基、ナフチノレ ォキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミ ノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、へキシルァ ミノスノレホニノレ基、シクロへキシルアミノスルホニル基、ォクチルアミノスルホニル基、ド デシルアミノスルホニル基、フエニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基 、 2—ピリジルアミノスルホニル基等)、ァシル基(例えば、ァセチル基、ェチルカルボ 二ノレ基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロへキシルカルボニル
基、ォクチルカルボニル基、 2—ェチルへキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル 基、フエニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、カル バモイル基(例えば、ァミノカルボニル基、メチルァミノカルボニル基、ジメチルァミノ カルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルァミノカルボニル基、シクロへ キシルァミノカルボニル基、ォクチルァミノカルボニル基、 2—ェチルへキシルァミノ力 ノレボニル基、ドデシルァミノカルボニル基、フエニルァミノカルボニル基、ナフチルアミ ノカルボニル基、 2—ピリジルァミノカルボニル基等)、スルフィエル基(例えば、メチル スノレフィニノレ基、ェチノレスノレフィニノレ基、ブチノレスノレフィニノレ基、シクロへキシノレスノレ フィニル基、 2—ェチルへキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フエ二ノレ スルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、 2—ピリジルスルフィニル基等)、アルキノレ スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、ェチルスルホニル基、ブチルスルホニ ノレ基、シクロへキシルスルホニル基、 2—ェチルへキシルスルホニル基、ドデシルス ノレホニル基等)、ァリールスルホニル基(フエニルスルホニル基、ナフチルスルホニル 基、 2—ピリジルスルホニル基等)、シァノ基、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルァミノ 基、ジメチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジェチルァミノ基、ブチルァミノ基、ジブチルァ ミノ基等)、アシノレアミノ基(例えば、ァセトアミド基、プロピオアミド基、イソプロピオアミ ド基、ブタンアミド基、ビバロイルアミド基等)などが挙げられる力 好ましくは、アルキ ル基、アルキレン基、アルコキシ基、アミノ基である。
[0116] Rは、水素原子、ァリール基、複素環基を表すが、好ましくは、水素原子、ァリーノレ
3
基である。 Rが水素原子の場合、 R、 Rのいずれか一方はァミノ基である。
3 1 2
[0117] a、 bは、それぞれ独立に 0〜4の整数であり、 a、 bが 2以上の時、 2個以上の R、も しくは、 2個以上の Rはお互いに同じでも異なっていても良ぐ隣り合う R、もしくは、
2 1
R同士が結合し、環を形成していても良い。
2
[0118] [化 32] 一般式 〔2〕
[0119] 一般式〔2〕中、 R Rは、各々置換基を表し、置換基としては、前記一般式〔1〕中
4 7
R Rの例として挙げたものと同様のものが挙げられる力 Rとして好ましくは、ノ、
1 2 4
ロゲン原子、ァノレキノレ基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルスルホニル基であり、 Rと して好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基である。
[0120] R Rは、各々アルキル基を表す力 Rと Rが互いに結合して環を形成して!/、ても
5 6 5 6
良ぐ 5員環を形成していることが好ましい。また、 Bが結合しているフエニル基の o位 と Xが直接結合し、環を形成していても良ぐ好ましくは、 6員環を形成していることが
2
好ましい。
[0121] Xは、 CR R ― -NR ― O 、または一 S を表すが、好ましくは、 C
1 34 35 36
R R 一である。 R R R は各々アルキル基を表す。
34 35 34 35 36
[0122] 8は=じ^1―、または =N を表す力 好ましくは、 = CH である。
[0123] cは、 0 4の整数を表し、 cが 2以上の時、 2個以上の Rはお互いに同じでも異なつ
4
ていても良ぐ隣り合う R同士が結合し、環を形成していても良い。
4
[0124] dは、 0 5の整数を表し、 dが 2以上の時、 2個以上の Rはお互いに同じでも異なつ ていても良ぐ隣り合う R7同士が結合し、環を形成していても良い。
[0125] oは、 1 2の整数を表す力 好ましくは、 1である。
一般式〔3〕中、 R R は、各々水素原子または置換基を表し、置換基としては、
8 11
一般式〔1〕中、 R Rの例として挙げたものと同様のものが挙げられる力 R R と
1 2 8 11 して好ましくは、水素原子、アルキル基、ァリール基、複素環基である。 R は、置換
12
基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R Rの例として挙げたものと同様のもの
1 2
が挙げられるが、 R として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基であ
12
る。
[0128] eは、 0〜4の整数を表し、 eが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであっても
12
異なっていても良ぐ隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても良い。
12
[0129] X、Xは、一 CR R 一、一 NR —、一〇一、または一 S を表すが、好ましくは、
2 3 34 35 36
-NR 一、または 〇一である。また、 Xと Xは同じでも異なっていても良いが、好
36 2 3
ましくは同じ場合である。 nは 0または 1を表す。
[0130] [化 34]
[0131] 一般式〔4〕中、 R はヒドロキシノレ基、アルコキシ基、アミノ基を表す力 S、好ましくはァ
18
ミノ基でめる。
R 、 R は置換基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R、 Rの例として挙げたも
19 20 1 2
のと同様のものが挙げられる力 好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ 基、アミノ基である。 R 、及び、 R が置換しているフエニル基において、 4級炭素と
19 20
結合している炭素の隣が直接結合し 5員環を形成していても良く。また、 R 、及び、
19
R が置換しているフエニル基において、 4級炭素と結合している炭素の隣に R 、及
20 19 び、 R がそれぞれ置換した場合、 R と R が結合し環を形成していても良ぐ好まし
20 19 20
くは、酸素原子を介して 6員環を形成して!/、る場合である。
[0132] hは 0〜3までの整数を表し、 hが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであつ
20
ても異なっていても良く、隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても良い。
20
[0133] iは 0〜4までの整数を表し、 iが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであって
19
も異なっていても良ぐ隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても良い。
19
[0134] Xは、 〇一、 NR を表すが、好ましくは一〇一である。
5 36
zは、芳香環、複素環を形成するのに必要な残基を表す。
[0135] [化 35]
[0136] 一般式〔5〕中、 R 、R は各々置換基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R、
22 23 1
Rの例として挙げたものと同様のものが挙げられる力 S、好ましくは、ハロゲン原子、ァ
2
ノレキノレ基、アルコキシ基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基であり、 更に好ましくはアルキル基、ヒドロキシカルボニル基である。
[0137] k、 1はそれぞれ独立に 0〜4までの整数を表し、 k、 1が 2以上のとき、 2個以上の R
22
、もしくは、 2個以上の R は互いに同じであっても異なっていても良ぐ隣り合う R 同
23 22 士、もしくは、 R 同士が結合し、環を形成していても良い。
23
[0138] [化 36] 一般式 〔6〕
[0139] 一般式〔6〕中、 R はヒドロキシノレ基、アルコキシ基、アミノ基を表す力 S、好ましくはァ
24
ミノ基でめる。
[0140] R はァリール基、複素環基を表す力 S、好ましくは、ァリール基である。
25
[0141] R は水素原子、アルキル基、ァリール基、複素環基、アシノレ基、力ルバモイノレ基を
26
表すが、好ましくはァリール基である。
[0142] R は置換基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R、 Rの例として挙げたもの
27 1 2
と同様のものが挙げられるが、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基 であり、更に好ましくはアルキル基である。
[0143] mは 0〜4までの整数を表し、 mが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであつ
ても異なっていても良く、隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても良い。
27
[0145] 一般式〔7〕中、 R 、R は各々置換基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R、
28 29 1
Rの例として挙げたものと同様のものが挙げられる力 R として好ましくは、ハロゲン
2 28
原子、アルキル基、ァリーノレ基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、アシノレ基、ァ ルキルスルホニル基、シァノ基が挙げられ、更に好ましくは、ァリール基、アルコキシ カルボニル基、ァシル基、シァノ基である。 R として好ましくは、ハロゲン原子、アル
29
キル基、アルコキシ基であり、更に好ましくはアルキル基である。
[0146] nは 0〜4までの整数を表し、 nが 2以上のとき、 2個以上の R は互いに同じであつ
29
ても異なっていても良く、隣り合う R 同士が結合し、環を形成していても良い。
29
[0147] Yは電子吸引性基を表し、電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数 σ ρが正の値 をとりうる置換基のことであり、ノ、メットの置換基定数とは、芳香族化合物のメタ、また はパラ置換体にぉレ、て置換基を持たな!/、化合物と置換基を持つ化合物の反応速度 定数をそれぞれ kOおよび kとしたときに成立する下記に示すハメット式
log (k/kO) = ρ σ
における σと定義される。なお、上記ハメット式では、安息香酸およびその誘導体の 2
5°Cの水溶液中における解離反応を p = 1としている。
[0148] ハメットの置換基定数に関しては、 Journal of Medicinal Chemistry, 1973 ,
Vol. 16 , No . 1 1 , 1207— 1216等を参考にすることカできる。
[0149] 電子吸引性基の具体例としては、置換アルキル基 (ハロゲン置換アルキル等)、置 換ァルケニル基(シァノビニル等)、置換 '未置換のアルキニル基(トリフルォロメチル ァセチレニル、シァノアセチレニル等)、置換ァリール基(シァノフエニル等)、置換.
未置換のへテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾォキサゾリル等)、ハロゲン原子 、シァノ基、ァシル基(ァセチル、トリフルォロアセチル、ホルミル等)、チオアセチル 基(チオアセチル、チォホルミル等)、ォキサリル基 (メチルォキサリル等)、ォキシォキ サリル基 (エトキサリル等)、チォォキサリル基 (ェチルチオォキサリル等)、ォキサモイ ル基(メチルォキサモイル等)、ォキシカルボニル基(エトキシカルボニル等)、カルボ キシル基、チォカルボニル基(ェチルチオカルボニル等)、力ルバモイル基、チォカ ルバモイル基、スルホニル基、スルフィエル基、ォキシスルホニル基(ェトキシスルホ ニル等)、チォスルホニル基(ェチルチオスルホニル等)、スルファモイル基、ォキシス ルフィエル基(メトキシスルフィエル等)、チォスルフィエル基(メチルチオスルフィエル 等)、スルフイナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ基、 N—カルボ二ルイミノ基( N—ァセチルイミノ等)、 N—スルホ二ルイミノ基(N—メタンスルホ二ルイミノ等)、ジシ ァノエチレン基、アンモニゥム基、スルホニゥム基、ホスホニゥム基、ピリリウム基、イン モニゥム基が挙げられ、好ましくは、シァノ基、ァシル基、ォキシカルボニル基である
[0151] 一般式〔8〕中、 R 、R は、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、またはァミノ
30 31
基を表すが、 R 、R が共に水素原子となることはない。好ましくは、 R 、R のどち
30 31 30 31 らか一方がアミノ基である場合であり、より好ましくは、 R 、R が共にアミノ基の場合
30 31
である。
[0152] R 、 R は置換基を表し、置換基としては、一般式〔1〕中、 R、 Rの例として挙げた
32 33 1 2
ものと同様のものが挙げられるカ、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、ァリール 意、アルコキシ基である。
[0153] p qはそれぞれ独立に 0 4までの整数を表し、 p qが 2以上のとき、 2個以上の R
3
、もしくは、 2個以上の R は互いに同じでも異なっていても良ぐ隣り合う R 、もしく
2 33 32 は、 R 同士が結合し、環を形成していても良い。
33
[0154] 上記一般式〔1〕〜〔8〕で表されるエレクト口クロミック化合物の中でも、特に、一般式 〔2〕、 〔4〕、 〔5〕、 〔7〕が好ましい。
[0155] (化学吸着、物理吸着)
本発明においては、エレクト口クロミック化合物力 S、対向電極の少なくとも 1方の表面 と化学吸着または物理吸着していることが好ましぐ本発明において、化学吸着とは、 固体表面の吸着現象のうち、その原因が化学結合力であるものを言い、吸着熱は、 通常 20 100Kcal/mol程度である。一方、物理吸着とは、その吸着現象の原因 がファンデルワールス力によって、固体表面に濃縮される現象の事を示し、吸着熱は 10kcal/mol以下である。
[0156] 本発明にお!/、て、 EC化合物が電極の表面と化学吸着または物理吸着して!/、ると は、 EC化合物と電極が化学結合力またはファンデルワールス力で吸着して!/、る状態 を示すが、好ましくは、イオン結合力もしくは配位結合力による化学吸着である。
[0157] イオン結合力もしくは配位結合力による化学吸着の好ましい形態としては、該エレク トロクロミツクイヒ合物力 ー CO H -PO (OH) -OPO (OH) SO H Si (〇
2 2 2 3
R) (Rは水素原子、アルキル基)から選ばれる少なくとも 1つの吸着基を有することが
3
好ましぐ更に好ましくは、 -PO (OH) を吸着基として有する場合である。
2
[0158] 以下、本発明に係る一般式〔1〕〜〔8〕で表されるエレクト口クロミック化合物の具体 例を示す力 本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
[0159] [化 39]
[0162] [化 42]
[0163] [化 43]
[0164] 本発明の表示素子においては、上記一般式以外のエレクト口クロミック化合物、例 えば、有機系、もしくは、無機系のエレクト口クロミック化合物も必要に応じて使用する ことが出来、無機系のエレクト口クロミック化合物としては、酸化タングステン、酸化イリ ジゥム、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどの金属酸化物やプルシアンブルーなどの 錯塩などが挙げられ、有機系のエレクト口クロミック化合物としては、ビォロゲン、イミダ ゾール、希土類ジフタロシアニンなどが挙げられる。
[0165] 本発明の表示素子におけるエレクト口クロミック化合物は酸化還元反応により、無色 力、ら着色状態へ変化する事を特徴としており 3. 5V力 3. 5Vの範囲で変化するこ とが好ましく、さらに好ましくは 1. 5V〜; 1. 5Vである。
[0166] 〔白色散乱物〕
本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、白色
散乱物を含有することを特徴とするが、多孔質白色散乱層を形成させて存在させて あよい。
[0167] 本発明に適用可能な多孔質白色散乱層は、電解質溶媒に実質的に溶解しない水 系高分子と白色顔料との水混和物を塗布乾燥して形成することができる。
[0168] 本発明で適用可能な白色顔料としては、例えば、二酸化チタン (アナターゼ型ある いはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化 マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水 素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼォライト、酸性白土、ガラ ス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、ェチレ ンー酢酸ビュル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素 ホルマリン樹脂、メラミン ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈 折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
[0169] 本発明では、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好 ましく用いられる。また、無機酸化物 (Al O、 A10 (OH)、 SiO等)で表面処理し た二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールェタン、トリエタノールァ ミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いるこ と力 Sできる。
[0170] これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の 観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
[0171] 本発明において、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子としては、水溶性 高分子、水系溶媒に分散した高分子を挙げることができる。
[0172] 水溶性化合物としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘 導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のような 天然化合物や、ポリビュルアルコール、ポリビュルピロリドン、アクリルアミド重合体や それらの誘導体等の合成高分子化合物が挙げられる。ゼラチン誘導体としては、ァ セチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビュルアルコール誘導体としては、末端ァ ルキル基変性ポリビュルアルコール、末端メルカプト基変性ポリビュルアルコール、 セルロース誘導体としては、ヒドロキシェチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。更に、リサーチ 'ディスクロージャー 及び特開昭 64— 13546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたもの、また、米国特許 第 4, 960, 681号、特開昭 62— 245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわ ち COOMまたは SO M (Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビュルモノ マーの単独重合体またはこのビュルモノマー同士もしくは他のビュルモノマー(例え ば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニゥム、アクリル酸カリウム等)との共重 合体も使用される。これらのバインダーは 2種以上組み合わせて用いることもできる。
[0173] 本発明にお!/、ては、ゼラチン及びゼラチン誘導体、または、ポリビュルアルコールも しくはその誘導体を好ましく用いること力できる。
[0174] 水系溶媒に分散した高分子としては、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム
、ブタジエンゴム、二トリルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のラテックス類、ポ リイソシァネート系、エポキシ系、アクリル系、シリコン系、ポリウレタン系、尿素系、フエ ノーノレ系、ホノレムァノレデヒド系、エポキシ一ポリアミド系、メラミン系、アルキド系樹脂、 ビュル系樹脂等を水系溶媒に分散した熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの 高分子のうち、特開平 10— 76621号に記載の水系ポリウレタン樹脂を用いることが 好ましい。
[0175] 本発明でいう電解質溶媒に実質的に溶解しないとは、 20°Cから 120°Cの温度に おいて、電解質溶媒 lkgあたりの溶解量が Og以上、 10g以下である状態と定義し、 質量測定法、液体クロマトグラムやガスクロマトグラムによる成分定量法等の公知の方 法により溶解量を求めることができる。
[0176] 本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物は、公知の分散方法に従つ て白色顔料が水中分散された形態が好ましい。水系化合物/白色顔料の混合比は 、容積匕で;!〜 0. 01カ好ましく、より好ましく (ま、 0. 3〜0. 05の範囲である。
[0177] 本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物を塗布する媒体は、表示素 子の対向電極間の構成要素上であればレ、ずれの位置でもよ!/、が、対向電極の少な くとも 1方の電極面上に付与することが好ましい。媒体への付与の方法としては、例え ば、塗布方式、液噴霧方式、気相を介する噴霧方式として、圧電素子の振動を利用 して液滴を飛翔させる方式、例えば、ピエゾ方式のインクジェットヘッドや、突沸を利
用したサーマルヘッドを用いて液滴を飛翔させるバブルジェット(登録商標)方式のィ ンクジェットヘッド、また空気圧や液圧により液を噴霧するスプレー方式等が挙げられ
[0178] 塗布方式としては、公知の塗布方式より適宜選択することができ、例えば、エアード クターコーター、プ'レードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター 、含浸コーター. リノく一スローラーコーター、トランスファーローラーコーター、カーテ ンコーター、ダフ、、ノレローラーコーター、スライドホッノ ーコーター、グラビアコーター、 キスローノレコーター、ビードコーター、キャストコ一ター、スフ。レイコ一ター、カレンダー コーター、押し出しコーター等が挙げられる。
[0179] 媒体上に付与した水系化合物と白色顔料との水混和物の乾燥は、水を蒸発できる 方法であればいかなる方法であってもよい。例えば、熱源からの加熱、赤外光を用い た加熱法、電磁誘導による加熱法等が挙げられる。また、水蒸発は減圧下で行って あよい。
[0180] 本発明でいう多孔質とは、前記水系化合物と白色顔料との水混和物を電極上に塗 布乾燥して多孔質の白色散乱物を形成した後、該散乱物上に、銀または銀を化学 構造中に含む化合物を含有する電解質液を与えた後に対向電極で挟み込み、対向 電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が 電極間で移動可能な貫通状態のことを言う。
[0181] 本発明の表示素子では、上記説明した水混和物を塗布乾燥中または乾燥後に、 硬化剤により水系化合物の硬化反応を行うことが望ましい。
[0182] 本発明で用いられる硬膜剤の例としては、例えば、米国特許第 4, 678, 739号の 第 41ff 、同第 4, 791 , 042号、特開昭 59— 116655号、同 62— 245261号、同 61 — 18942号、同 61— 249054号、同 61— 245153号、特開平 4— 218044号等に 記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド 等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N, N' — エチレン ビス(ビュルスルホ二ルァセタミド)エタン等)、 N メチロール系硬膜剤(ジ メチロール尿素等)、硼酸、メタ硼酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭 62— 234157号 等に記載の化合物)が挙げられる。水系化合物としてゼラチンを用いる場合は、硬膜
剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用し て使用することが好ましい。また、ポリビュルアルコールを用いる場合は硼酸やメタ硼 酸等の含ホウ素化合物の使用が好まし!/、。
[0183] これらの硬膜剤は、水系化合物 lg当たり 0. 001〜; lg、好ましくは 0. 005-0. 5g が用いられる。また、膜強度を上げるため熱処理や、硬化反応時の湿度調整を行うこ とも可能である。
[0184] 本発明の表示素子においては、上記説明した構成要素の他、必要に応じて種々の 構成層を設けることができる。
[0185] 〔対向電極(表示対向電極)〕
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも 1種が金属電極であることが 好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケ ノレ、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等、公知の金属種を用いることができる。金 属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましい 。電極の作製方法は、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、 CVD法等 の既存の方法を用いることができる。
[0186] また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも 1種が透明電極であることが好 ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例え ば、 Indium Tin Oxide (ITO:インジウム錫酸化物)、 Indium Zinc Oxide (IZO :インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ (FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛 、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリ コン、 BSO (Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成する には、例えば、基板上に ITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着する力、、 ITO膜を 全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターユングすればよい。表面抵抗値として は、 100 Ω /口以下が好ましぐ 10 Ω /口以下がより好ましい。透明電極の厚みは 特に制限はないが、 0. ;!〜 20 mであるのが一般的である。
[0187] 〔金属酸化物を含む多孔質電極〕
また、本発明の表示素子においては、金属酸化物を含む多孔質電極を用いること もできる。
[0188] 本発明の表示素子で、該対向電極のうち、画像観察側でない面の電極面を、金属 酸化物を含む多孔質電極により保護することで、画像観察側でなレ、面での銀または 銀を化学構造中に含む化合物の酸化還元反応が、該金属酸化物を含む多孔質電 極上または多孔質電極中で行われることを見出したことにより、画像観察側でない電 極の種類選択肢の拡大及び耐久性を向上させることができる。
[0189] 本発明に係る多孔質電極を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸 化ケィ素、酸化亜鉛、酸化スズ、 Snドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ 酸化スズ (ATO)、フッ素ドープ酸化スズ (FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛等、ま たはこれらの混合物が挙げられる。
[0190] 多孔質電極は、上記金属酸化物の複数個の微粒子を結着または接触させることに より形成される。金属酸化物微粒子の平均粒子径は 5nm〜; 10 mが好ましぐより 好ましくは 201 111〜1 111である。また、金属酸化物微粒子の比表面積は、簡易 BET 法で 1 X 10— 3〜1 X 102m2/gであることが好ましぐより好ましくは 1 X 10— 2〜10m2 /gである。また、金属酸化物微粒子の形状は、不定形、針状、球形など任意の形状 のものが用いられる。
[0191] 金属酸化物微粒子の形成または結着法としては、公知のゾルゲル法ゃ焼結法を採 用することカでき、 ί列; ま、、 1) Journal of the Ceramic Society of Japan, 1 02, 2, p200 (1994)、 2)窯業協会誌 90, 4, pl 57、 3)J. of Non- Cryst. Solid s, 82, 400 (1986)等に記載の方法が挙げられる。また、気相法により作製した酸化 チタンデンドリマー粒子を溶液上に分散して基体上に塗布し、 120〜150°C程度の 温度で乾燥して溶媒を除去して多孔質電極を得る方法を用いることもできる。金属酸 化物微粒子は結着させた状態が好ましぐ連続加重式表面性測定機 (例えば、スクラ ツチ試験器)で 0. lg以上、好ましくは lg以上の耐性を有する状態が好ましい。
[0192] 本発明でいう多孔質とは、多孔質電極を配置し、対向電極間に電位差を与え、銀 の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が多孔質電極内を移動可能な 貫通状態を言う。
[0193] 〔電子絶縁層〕
本発明の表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
[0194] 本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する 層であればよぐ例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質 膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、 空隙を有する高分子多孔質膜、含ケィ素化合物の様な比誘電率が低い無機材料の 多孔質体、等が挙げられる。
[0195] 多孔質膜の形成方法としては、燒結法 (融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバイ ンダ一等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法 (溶剤 に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成し た後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加 熱や脱気するなどして発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混 合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照 射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、特開平 10— 30181 号、特開 2003— 107626号、特公平 7— 95403号、特許第 2635715号、同第 284 9523号、同第 2987474号、同第 3066426号、同第 3464513号、同第 3483644 号、同第 3535942号、同第 3062203号等に記載の電子絶縁層を挙げることができ
[0196] 〔電解質〕
一般に、「電解質」とは、水などの溶媒に溶けて溶液力イオン伝導性を示す物質(以 下、「狭義の電解質」という。)をいうが、本発明でいう「電解質」とは、狭義の電解質に 電解質、非電解質を問わず他の金属、化合物等を含有させた混合物を電解質(「広 義の電解質」)という。
[0197] 本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、電解質溶媒を用いる ことができ、具体的には、テトラメチル尿素、スルホラン、 γ -ブチ口ラタトン、ジメチル スルホキシド、 1 , 3—ジメチルー 2—イミダゾリジノン、 2—(Ν—メチル)ー2—ピロリジ ノン、へキサメチルホスホルトリアミド、 Ν—メチルプロピオンアミド、 Ν, Ν—ジメチルァ セトアミド、 Ν—メチルァセトアミド、 Ν, Νジメチルホルムアミド、 Ν—メチルホルムアミド 、ブチロニトリル、プロピオ二トリル、ァセトニトリノレ、ァセチルアセトン、 4ーメチルー 2
エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸ェチル、プロピオン酸ェチル、ジメトキシエタ ン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、 トリエチレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられる。これらの溶媒の内、 凝固点が— 2 以下、かつ沸点が 120°C以上の溶媒を少なくとも 1種含むことが好 ましい。 o
[0198] 〔一般式 (3)、(4)で表される化合物〕
本発明の表示素子においては、電解質が、下記一般式(3)または (4)で表される 化合物を含有してもよい。
[0199] [化 44]
[0200] 上記一般式(3)において、 Lは酸素原子または CHを表し、 R〜Rは各々水素原
2 1 4
子、ァノレキノレ基、アルケニル基、ァリーノレ基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル 基またはアルコキシ基を表す。
[0201] [化 45]
-般式 (4)
[0202] 上記一般式(4)において、 R、 Rは各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、ァ
5 6
リール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
[0203] はじめに、本発明に係る一般式(3)で表される化合物について説明する。
[0204] 前記一般式(3)において、 Lは酸素原子または CHを表し、 R〜Rは各々水素原
2 1 4
子、ァノレキノレ基、アルケニル基、ァリーノレ基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル 基またはアルコキシ基を表す。
[0205] アルキル基としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 te rt ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テ トラデシル基、ペンタデシル基等、ァリール基としては、例えば、フエニル基、ナフチ ル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基等 、アルコキシアルキル基として、例えば、 βーメトキシェチル基、 γーメトキシプロピル 基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、ぺ ンチルォキシ基、へキシルォキシ基、ォクチルォキシ基、ドデシルォキシ基等を挙げ ること力 Sでさる。
[0206] 以下、一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示す る化合物にのみ限定されるものではない。
[0207] [化 46]
[0208] 次いで、一般式 (4)で表される化合物について説明する。
[0209] 前記一般式(4)において、 R、 Rは各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、ァ リール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
[0210] アルキル基としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 te rt ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テ トラデシル基、ペンタデシル基等、ァリール基としては、例えば、フエニル基、ナフチ ル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基等 、アルコキシアルキル基として、例えば、 βーメトキシェチル基、 γーメトキシプロピル 基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルォキシ基、ぺ ンチルォキシ基、へキシルォキシ基、ォクチルォキシ基、ドデシルォキシ基等を挙げ ること力 Sでさる。
[0211] 以下、一般式 (4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示す る化合物にのみ限定されるものではない。
[0212] [化 47]
4- 1 4—2 4—3
ο、 ノ 0ゝ ノ0
'0丫0
ο Ύ 0 o
[0213] 上記例示した一般式 (3)及び一般式 (4)で表される化合物の中でも、特に、例示 化合物(3— 1 )、 (3 - 2) , (4 3)が好ましい。
[0214] 前記一般式 (3)、 (4)で表される化合物は電解質溶媒の 1種であるが、本発明の表 示素子においては、本発明の目的効果を損なわない範囲でさらに前記の電解質溶 媒を併せて用いることができる。
[0215] さらに本発明で用いることのできる溶媒としては、 J. A. Riddick, W. B. Bunger, T. K. ¾akano, Organic solvents , 4th ed. , John Wiley & sons、198 6)、 Y. Marcus, "Ion Solvation" , John Wiley & Sons (1985)、 C. Reicha rdt, "Solvents and Solvent Effects in Chemistry" , 2nd ed. , VCH (19 88)、 G. J. Janz, R. P. T. Tomkins , "Nonaqueous Electorlytes Handbook " , Vol. 1 , Academic Press (1972)に記載の化合物を挙げることができる。
[0216] 本発明において、電解質溶媒は単一種であっても、溶媒の混合物であってもよい 力 S、エチレンカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。エチレンカーボネートの添カロ 量は、全電解質溶媒質量の 10質量%以上、 90質量%以下が好ましい。特に好まし い電解質溶媒は、プロピレンカーボネート/エチレンカーボネートの質量比が 7/3 〜3/7の混合溶媒である。プロピレンカーボネート比が 7/3より大きいとイオン伝導 性が劣り応答速度が低下し、 3/7より小さ!/、と低温時に電解質が析出しやすくなる。
[0217] 〔ハロゲンイオン、銀イオン濃度比〕
本発明の表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン 原子のモル濃度を [X] (モル/ kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構 造中に含む化合物の銀の総モル濃度を [Ag] (モル/ kg)としたとき、下式(1)で規
定する条件を満たすことが好まし!/ヽ。
[0218] 式(1 ) : 0≤[X] / [Ag]≤0. 01
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のこ とをいう。 [X] / [Ag]が 0. 01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、 X—→X が生じ、 Xは黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下さ せる要因の 1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してでき るだけ低い方が好ましい。本発明においては、 0≤[X] / [Ag]≤0. 001がより好ま しい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観 点から、各ハロゲン種モル濃度総和が [I] < [Br] < [CI] < [F]であること力 S好ましい
〇
[0219] 本発明の表示素子においては、銀化合物を溶解させるためのハロゲン以外の銀溶 剤を用いることができる。好ましい銀塩溶剤としては、特開 2005— 266652号の一般 式(1)〜(7)に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で、特に好ましい化合 物は、一般式(2)、 (6)で表される化合物である。
[0220] 〔電解質材料〕
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電 解質中に含むことができる。カリウム化合物として KC1、 KI、 KBr等、リチウム化合物と して LiBF、 LiCIO、 LiPF、 LiCF SO等、テトラアルキルアンモニゥ
ム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニゥム、過塩素酸テトラプチルアンモニゥ ブチルアンモユウムハライド等が挙げられる。また、特開 2003— 187881号公報の 段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることがで きる。さらに、 Γ/Ι―、 Br— /Br―、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合 物を用いることができる。
[0221] また、支持電解質が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下 の化合物を電解質中に含むことができる。
[0222] パーフルォロスルフォン酸を含むフッ化ビュル系高分子、ポリチォフェン、ポリアユリ ン、ポリピロール、トリフエニルァミン類、ポリビュル力ルバゾール類、ポリメチルフエ二
ノレシラン類、 Cu S、 Ag S、 Cu Se、 AgCrSe等のカノレコゲニド、 CaF、 PbF、 SrF 、 LaF、 TlSn F、 CeF等の含 F化合物、 Li SO、 Li SiO、 Li PO等の Li塩、 ZrO
3 2 5 3 2 4 4 4 3 4 2
、 CaO、 Cd O、 HfO、 Y O、 Nb O、 WO、: Bi O、 AgBr、 Agl、 CuCl、 CuBr、 C
2 3 2 2 3 2 5 3 2 3
uBr、 Cul、 Lil、 LiBr、 LiCl、 LiAlCl、 LiAlF、 AgSBr、 C H NHAg I、 Rb Cu I
4 4 5 5 5 6 4 16 7
CI 、 Rb Cu CI 、 LiN、 Li NI、 Li NBr等の化合物が挙げられる。
13 3 7 10 5 2 6 3
[0223] また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場 合、特開平 11— 185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲ ル化剤を用いことができる。
[0224] 〔電解質添加の増粘剤〕
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼ ラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニノレアノレコーノレ)、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキ シプロピノレセノレロース、セノレロースアセテート、セノレロースアセテートブチレート、ポリ (ビュルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸 )、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビュル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン 無水マレイン酸)、コポリ(スチレン アクリロニトリル)、コポリ(スチレン ブタジエン )、ポリ(ビュルァセタール)類(例えば、ポリ(ビュルホルマール)及びポリ(ビュルブチ ラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フエノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン )、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビュルアセテート)、セルロースェ ステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビュルブチラール、セル ロースアセテート、セノレロースアセテートブチレート、ポリエステノレ、ポリカーボネート、 ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
[0225] これらの増粘剤は 2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭 64— 13546号 公報の 7;!〜 75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いら れる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポ リビュルアルコール類、ポリビュルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリ アルキレングリコール類である。
[0226] 〔その他の添加剤〕
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルタ一層、ハレーション防止層、ク
ロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助 層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、 高沸点溶剤、カプリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色 防止剤、ホルマリンス力ベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤 、スベリ剤、紫外線吸収剤、ィラジェーシヨン防止染料、フィルタ一光吸収染料、防ば い剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有さ せること力 Sでさる。
[0227] 上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ 'ディスクロージャー(以下、 RD と略す)第 176巻 Item/17643 ( 1978年 12月)、同 184巻 Item/18431 ( 1979年 8月)、同 187巻 Item/18716 ( 1979年 1 1月)及び同 308巻 Item/3081 19 ( 198 9年 12月)に記載されている。
[0228] これら三つのリサーチ 'ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を 以下に掲載した。
[0229] 添加剤 RD17643 RD 18716 RD3081 19
頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996~8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26VIII 649~650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カプリ抑制剤 ·安定剤
24 IV 649右上 1006— 7 VI 増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008— 9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
〔メタ口セン化合物〕
本発明に係る電解質には、メタ口セン誘導体を用いることができる。メタ口セン誘導 体としてはフエ口セン誘導体を用いることが好ましい。フエ口セン誘導体の例としては 、フエ口セン、メチノレフエロセン、ジメチノレフエロセン、ェチノレフエロセン、プロピノレフェ 口セン、 n—ブチノレフエロセン、 tーブチノレフエロセン、 1 , 1ージカノレボキシフエ口セン 等が挙げられる。メタ口セン化合物は、それぞれ単独で、あるいは 2種類以上を混合 して用いること力 Sでさる。
[0230] 〔表示素子の基本構成〕
本発明の表示素子における対向電極間の構成層について、更に説明する。
[0231] 本発明の表示素子においては、対向電極の駆動操作により、実質的に黒表示、白 表示及び黒以外の着色表示の、 3色以上の多色表示を行うことを特徴とする。
[0232] 本発明の表示素子において、表示部には、対応する 1つの対向電極が設けられて いる。表示部に近い対向電極の 1つである電極 1には ITO電極等の透明電極、他方 の電極 2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極 1と電極 2との間には銀( 塩)化合物を有する電解質が保持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印 加することにより、電極 1と電極 2上で銀の酸化還元反応、およびエレクト口クロミック 化合物の酸化還元が行われ、両化合物の酸化還元各状態の着色状態の相違と、電 極間に配置した白色散乱物とを利用して、還元状態の黒い銀画像と、酸化状態の白 表示または着色したカラー表示を fiえるものである。
[0233] また、黒以外の着色表示が、実質的に互いに異なる色相となる表示領域を平面配 置することで、カラー表示と白黒表示とを行うことが好ましぐ異なる色相となる表示領 域を平面配置する方法が、異なる種類のエレクト口クロミック化合物を金属酸化物多 孔質層に担持させることが好ましぐ特には、金属酸化物多孔質層へのエレクト口クロ ミック化合物の担持力 インクジェット法により塗り分けて形成する方法を適用すること が好ましい。
[0234] 本発明の表示素子においてフルカラー表示を行う場合には、 1対の対向電極間を 隔壁で区切り、異なる着色を有する電解液(異なる種類のエレクト口クロミック化合物 を含む電解液)を各隔壁に封入して平面配置を行う方法、隔壁を用いずに金属酸化 物多孔質層に異なるエレクト口クロミック化合物を塗り分けて担持する方法が挙げられ る。塗りわけ方法としては、印刷法、インクジェット法が挙げられる力 本発明において は、特に、インクジェット法を用いることが好ましい。
[0235] 〔基板〕
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等 のポリオレフイン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタ レート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポ リ塩化ビュル、ポリイミド、ポリビュルァセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチック フィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい 。これらは、 列えば、、特開日召 62— 117708号、特開平 1—46912、同 1— 178505号 の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製 基盤や、ノ ライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィ ルムに反射層を設けた支持体、特開昭 62— 253195号(29〜31頁)に支持体として 記載されたものカ挙げ、られる。 RDNo. 17643の 28頁、同 No. 18716の 647頁右 欄から 648頁左欄及び同 No. 307105の 879頁に記載されたものも好ましく使用で きる。これらの支持体には、米国特許第 4, 141 , 735号のように Tg以下の熱処理を 施すことで、巻き癖をつきに《したものを用いることができる。また、これらの支持体 表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発 明では、グロ一放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理とし て用いること力 Sできる。更に公知技術第 5号(1991年 3月 22日ァズテック有限会社発 行)の 44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更に RDNo. 308119の 10 09頁やプロダクト'ライセシング'インデックス、第 92巻 P108の「Supports」の項に記 載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだェポキ シ樹脂を用いることができる。
[0236] 〔表示素子のその他の構成要素〕
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スぺーサ一粒子 を用いること力 Sでさる。
[0237] シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、ェポ キシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビュル系樹脂、ェンーチオール系 樹脂、シリコン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、 嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
[0238] 柱状構造物は、基板間の強い自己保持性 (強度)を付与し、例えば、格子配列等 の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状 体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置された ストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなぐ等間隔な配 歹 !J、間隔が徐々に変化する配歹 IJ、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される 配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮され た配列であることが好ましレ、。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割 合が;!〜 40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
[0239] 一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスぺーサ一が設 けられていてもよい。このスぺーサ一としては、樹脂製または無機酸化物製の球体を 例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スぺーサーも 好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設 けてもよいが、スぺーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に 代えて、スぺーサ一のみをスペース保持部材として使用してもよい。スぺーサ一の直 径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱 状構造物を形成しない場合はスぺーサ一の直径がセルギャップの厚みに相当する。
[0240] 〔スクリーン印刷〕
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で 形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを 基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料 (柱状構造物形成のための組成物 、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度 で移動させる。これによつて、印刷材料力 Sスクリーンのパターンを介して該基板上に
転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱 状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ 樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂 としては、ポリ塩化ビュル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビュル樹脂、ポリメ タクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹 脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアタリ ロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹 脂、ポリビュルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化 ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどし てペースト状にして用いることが望ましレ、。
[0241] 以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスぺーサーを 少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を、電極形成面を対向させて重ね合 わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱す ることにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電 解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせ る際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液 晶組成物を封入するようにしてもょレ、。
[0242] 〔表示素子の駆動方法〕
本発明の表示素子においては、力ソード反応で実質的に黒色状態を表示すること が好ましぐすなわち、対向電極間に電圧を印加することにより、銀 (塩)化合物が還 元され黒化銀が析出することにより黒色状態を表示することが好ましい。
[0243] 本発明の表示素子においては、更に好ましくは、析出過電圧以上の電圧印加で黒 化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操 作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下 や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。 一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例 えば、過電圧については「電子移動の化学 電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊 )の 121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との
電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは 容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のよう に黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できる ということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が 行えると推定される。
[0244] 本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリ ック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む 正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向 に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動 を用いることにより、回路構成や駆動 ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある 。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に 形成され、各碁盤目に設けられた TFT回路により駆動させる方式である。画素毎に スイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開 20 04— 29327号の図 5に記載されている回路を用いることができる。
[0245] 本発明において、本発明の表示素子において 1対の対向電極間で複数色を表示 させる駆動方法としては、 1)各酸化還元化合物間で、酸化時および還元時の過電 圧を変えて、過電圧の上下間をまたぐように電圧の大きさの操作を行う方法、 2)各酸 化還元化合物の酸化還元速度を変えて、電圧印加時間の操作を行う方法、 3)対向 電極間の表示部を除く回路部分の抵抗値操作を行い、例えば、着色状態から両極 短絡で消色する特性、消色しない特性との区別を利用して操作を行う方法、等が挙 げられる。
[0246] 本発明の表示素子の駆動方法においては、エレクトクロミック色素の着色過電圧 (V ECW)及び消色過電圧 (VECE)、銀塩化合物の銀の析出過電圧 (VAgW)及び溶 解過電圧 (VAgE)力 下記関係式 (X)で規定する全てを満たす条件で駆動すること が好ましい。
[0247] 関係式 (X)
VECWの絶対値〉 VECEの絶対値
VECWの絶対値〉 VAgEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VECEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VAgEの絶対値
本発明の表示素子は、観察側電極がアノードとして作用する場合にカラー着色状 態、力ソードとして作用する場合に黒色状態、その中間状態が白色表示を示す。カラ 一着色状態から白表示、黒色状態から白表示に戻すには、カラー、黒のそれぞれの 着色度合いに応じた量の消色操作を行うことで可能である。
[0248] その際に、それぞれの着色度合いの情報を表示素子とし保持しておく必要があり、 本発明の表示素子の駆動方法では、白表示駆動操作時の対向電極間の電圧 (VW )を、下記関係式 (Y)で規定する全ての条件を満たす条件で駆動させることが好まし い。
[0249] 関係式 (Y)
VECWの絶対値〉 VW〉VECEの絶対値
VECWの絶対値〉 VW〉 VAgEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VW〉 VECEの絶対値
VAgWの絶対値〉 VW > VAgEの絶対値
関係式 (Y)において、 VECW, VECE, VAgE, VAgWは、前記関係式(X)のそ れぞれと同義である。
[0250] 本発明の表示素子の駆動方法として、上記関係式 (Y)で規定する全ての条件を満 たすように駆動すれば、着色度合いの情報を保持しておく必要がなぐどの様な着色 状態でも、一義的に表示素子を白表示に戻すことが可能で有利である。
[0251] 〔商品適用〕
本発明の表示素子は、電子書籍分野、 IDカード関連分野、公共関連分野、交通 関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができ る。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー 用カード、デパート用カード、 自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地 下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ノ、ィゥエー力 ード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、 パスポート、電子ブック等が挙げられる。
実施例
[0252] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる力 特に 断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[0253] 実施例 1
〔表示素子 1の作製〕
(電解液 1の調製)
ジメチノレスノレホキシド 2· 5g中に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レングリコール(平均分子量 50万) 0. 05g、 3, 3—ジメチルー 2— (P—ジメチルァミノ スチリル)インドリノ [2, 1— b]ォキサゾリン(以下、 IRPDMと略す)を 0· lg溶解させ て、電解液 1を得た。
[0254] (電極 1の作製)
厚さ 1· 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 111、電極幅 130 111の ITO (Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成し て、透明電極である電極 1を得た。
[0255] (電極 2の作製)
厚さ 1. 5mmで 2cmX 4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み 0. 8 β ϊη^ピッチ 145 m、電極幅 130 mの銀一パラジウム電極を形成し、これを電 極 2とした。
[0256] (電極 3の作製)
周辺部を、平均粒子径が 40 mのガラス製球形ビーズを体積分率として 10%含む ォレフィン系封止剤で縁取りした電極 2の上に、ポリビュルアルコール(平均重合度 3 500、けん化度 87%) 2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、酸化チタン 20質 量%を超音波分散機で分散させた混和液を ΙΟΟ ΐη塗布し、その後 15°Cで 30分間 乾燥して溶媒を蒸発させた後、 45°Cの雰囲気中で 1時間乾燥させて、電極 3を作製 した。
[0257] (表示素子の作製)
電極 3と電極 1を、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた
後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液 1を真空注入し、注入口を エポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子 1を作製した。
[0258] 〔表示素子 1の評価〕
定電圧電源の両端子に表示素子 1の両電極を接続し、 ± 1. 5Vの印加を与え、表 示素子の着色状況を観察し、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計 CM— 370 Odの D65光源における反射率を測定した。表示素子 1は、電圧無印加時は IRPDM の還元状態と銀の酸化状態に由来する白色表示、透明電極側が + 1. 5V印加時に I RPDMの酸化状態に由来するマゼンタ着色表示(最大吸収波長 547nm)、透明電 極側が 1. 5V時は銀の還元状態に由来する黒表示となり、 1対向電極間の 1種の 電解質で 3色の多色表示が行えることを確認できた。
[0259] 実施例 2
〔表示素子 2の作製〕
上記表示素子 1の作製に用いた電解液 1にお!/、て、 IRPDMを等モルの一般式 (A )の例示化合物 13に変更した以外は同様にして、電解液 2を調製した。次いで、表 示素子 1の作製において、電解液 1を電解液 2に変更した以外は同様にして、表示 素子 2を作製した。
[0260] 〔表示素子 2の評価〕
表示素子 2について、表示素子 1と同様の上記評価を行った結果、電圧無印加時 は、白色表示、 + 1. 5V印加時にシアン色表示(最大吸収波長 645nm)、一 1. 5V 印加字に黒色表示となり、 1対向電極間の 1種の電解質で 3色の多色表示が行えるこ とを確認できた。
[0261] 表示素子 2のシアン着色の過電圧は 0. 8V、シアン消色の過電圧は 0. 3V、黒 着色の過電圧は 0. 6V、黒消色の過電圧は + 0. 3Vであった。シアン着色度合い 、黒着色度合いを変えた表示素子 2に ± 0. 4Vの 10Hzの交流電圧を与えた所、着 色度合いに係らず、白表示に戻せることが分った。
[0262] 実施例 3
〔表示素子 3の作製〕
実施例 2に記載の表示素子 2の作製で用いた電解液 2において、酸化チタン 0. 3g
を添加、更に一般式 (A)の例示化合物 13を、それぞれ等モルの一般式 (A)の例示 化合物 105、例示化合物 4に変更した以外は同様にして、電解液 4、 5を調製した。
[0263] 実施例 1に記載の電極 2の周辺部を、平均粒子径が 20 ,1 mのガラス製球形ビーズ を体積分率として 10%含むォレフィン系封止剤で縁取りし、さらに電極 1と交差する 画素部分に 100 m角の窓を開けた隔壁をフォトリソグラフ法で形成して電極 4を作 製した。各窓に電解液 3、 4、 5をべィヤー配列となるようにディスペンサーを用いて注 入し、さらに電極 1を、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせ て、表示素子 3を作製した。
[0264] 〔表示素子 3の評価〕
表示素子 3を、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 62%、黒表示時の反射率は 4%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること を確認できた。
[0265] 実施例 4
〔表示素子 4の作製〕
エタノール 2. 5g中に、一般式 (A)の例示化合物 42、 108、 115をそれぞれ 0. 3g 溶解させ、インク 1〜3を調製した。ジメチルスルホキシド 2. 5g中に、ヨウ化銀 0. lg、 ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリエチレングリコーノレ(平均分子量 500) 0· 05gを溶角早さ せ電解液 6を調製した。
[0266] 厚さ 1 · 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 m、電極幅 130 mの ITO膜を公知の方法に従って形成し、酸化チタン(平均粒子径 25nm)を 10g/m2 塗布し、 350°Cで 1時間焼成し、金属酸化物多孔質膜を形成した電極 5を得た 。市販のインクジェット塗布装置を用いて、インク 1〜3をべィヤー配列となるように電 極 5上に塗りわけ電極 6を作製した。電極 6と電極 1を、それぞれストライプ状の電極 が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに 電解液 6を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素
子 4を作製した。
[0267] 〔表示素子 4の評価〕
表示素子 4を、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 68%、黒表示時の反射率は 3%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること を確言忍すること力 Sできた。
[0268] 実施例 5
〔表示素子 laの作製〕
(電解液 laの調製)
ジメチノレスノレホキシド 2· 5g中に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レングリコール(平均分子量 50万) 0. 05g、4, Α' ービフエニルジカルボン酸(以下、 BCEと略す)を 0. lg溶解させて電解液 laを得た。
[0269] (電極 laの作製)
厚さ 1· 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 111、電極幅 130 111の ITO (Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成し て、透明電極である電極 laを得た。
[0270] (電極 2aの作製)
厚さ 1. 5mmで 2cmX 4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み 0. ピッチ 145 m、電極幅 130 mの銀一パラジウム電極を形成し、これを電 極 2aとした。
[0271] (電極 3aの作製)
周辺部を、平均粒子径が 40 mのガラス製球形ビーズを体積分率として 10%含む ォレフィン系封止剤で縁取りした電極 2の上に、ポリビュルアルコール(平均重合度 3 500、けん化度 87%) 2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、酸化チタン 20質 量%を超音波分散機で分散させた混和液を ΙΟΟ ΐη塗布し、その後 15°Cで 30分間 乾燥して溶媒を蒸発させた後、 45°Cの雰囲気中で 1時間乾燥させて、電極 3aを作製
した。
[0272] (表示素子 laの作製)
電極 3aと電極 laを、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせ た後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液 laを真空注入し、注入口 をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子 laを作製した。
[0273] 〔表示素子 laの評価〕
定電圧電源の両端子に表示素子 laの両電極を接続し、 ± 1. 5Vの印加を与え、 表示素子の着色状況を観察し、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計 CM— 3 700dの D65光源における反射率を測定した。表示素子 laは、電圧無印加時は BC Eの酸化状態と銀の酸化状態に由来する白色表示、 + 1. 5V印加時に BCEの酸化 状態、銀の酸化状態に由来する黒表示、透明電極側が 1. 5V時は銀の還元状態 に由来する黒表示となり、さらに透明電極側が 2. 5V印加の時は BCEの還元状態 に由来するイェロー色と銀の還元状態に由来する黒色の混合色表示、さらに、 - 2. 5V印加の後に + 1. 5Vで 300msecを加えると BCEの還元状態に由来するイェロー 色表示となり、 1対向電極間の 1種の電解質で 3色の多色表示が行えることを確認で きた。
[0274] 実施例 6
〔表示素子 2aの作製〕
実施例 5に記載の表示素子 laの作製で用いた電解液 laにおいて、酸化チタン 0. 3gを添加し、更に、 BCEを、それぞれ等モルのテレフタル酸ジメチル、 1 , 4 ジァセ チルベンゼンに変更した以外は同様にして、電解液 3a、電解液 4aを調製した。
[0275] 実施例 5に記載の電極 2aの周辺部を、平均粒子径が 20 μ mのガラス製球形ビー ズを体積分率として 10%含むォレフィン系封止剤で縁取りし、さらに電極 laと交差す る画素部分に 100 m角の窓を開けた隔壁をフォトリソグラフ法で形成して電極 4aを 作製した。各窓に電解液 2a、 3a、 4aをべィヤー配列となるようにディスペンサーを用 いて注入し、さらに電極 laを、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り 合わせて、表示素子 2aを作製した。
[0276] 〔表示素子 2aの評価〕
表示素子 2aを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 58%、黒表示時の反射率は 4%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること を確認できた。
[0277] 実施例 7
〔表示素子 3aの作製〕
エタノール 2. 5g中に、一般式(2)に係る例示化合物(2— 2)、 (2 -4) , (2— 15) をそれぞれ 0. 3g溶解させ、インク la〜3aを調製した。ジメチルスルホキシド 2. 5g中 に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリエチレングリコーノレ(平均分子量 50 0) 0. 05gを溶解させ電解液 5aを調製した。
[0278] 厚さ 1 · 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 m、電極幅 130 mの ITO膜を公知の方法に従って形成し、酸化チタン(平均粒子径 25nm)を 10g/m2 塗布し、 350°Cで 1時間焼成し、金属酸化物多孔質膜を形成した電極 5aを得た。巿 販のインクジェット塗布装置を用いて、インク la〜3aをべィヤー配列となるように電極 5a上に塗りわけ電極 6aを作製した。電極 6aと電極 laを、それぞれストライプ状の電 極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セル に電解液 5aを真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表 示素子 3aを作製した。
[0279] 〔表示素子 3aの評価〕
表示素子 3aを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 62%、黒表示時の反射率は 3%であり表示素子 2aよりもコントラスト が高ぐ本発明の表示素子が、簡便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラ スト、カラー表示が可能であることを確認できた。
[0280] 実施例 8
《表示素子の作製及び評価》
〔表示素子 lbの作製〕
(電解液 lbの作製)
ジメチノレスノレホキシド 2· 5g中に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レングリコール(平均分子量 50万) 0. 05g、フエノチアジン 0. 07gを混合させて、電 解液 lbを得た。
[0281] (電極 lbの作製)
厚さ 1· 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 111、電極幅 130 111の ITO (Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成し て、透明電極(電極 lb)を得た。
[0282] (電極 2bの作製)
厚さ 1. 5mmで 2cmX 4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み 0. 8 β ϊη^ピッチ 145 m、電極幅 130 mの銀一パラジウム電極を形成し、これを電 極 2bとした。
[0283] (電極 3bの作製)
周辺部を、平均粒子径が 40 mのガラス製球形ビーズを体積分率として 10%含む ォレフィン系封止剤で縁取りした電極 2bの上に、ポリビュルアルコール(平均重合度 3500、けん化度 87%) 2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、酸化チタン 20質 量%を超音波分散機で分散させた混和液を ΙΟΟ ΐη塗布し、その後 15°Cで 30分間 乾燥して溶媒を蒸発させた後、 45°Cの雰囲気中で 1時間乾燥させて、電極 3bを作
; ^^し/
[0284] (表示素子の作製)
電極 3bと電極 lbを、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせ た後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液 lbを真空注入し、注入口 をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子 lbを作製した。
[0285] (表示素子 lbの評価)
定電圧電源の両端子に表示素子 lbの両電極を接続し、 ±1. 5Vの印加を与え、 表示素子の着色状況を観察し、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計 CM— 3
700dの D65光源における反射率を測定した。表示素子 lbは、電圧無印加時はフエ ノチアジンの還元状態と銀の酸化状態に由来する白色表示、 + 1. 5V印加時にフエ ノチアジンの酸化状態に由来する緑色表示(最大吸収波長 450nm、 660nm)、透 明電極側が 1. 5V時は銀の還元状態に由来する黒表示となり、 1対向電極間の 1 種の電解質で 3色の多色表示が行えることが分った。
[0286] 〔表示素子 2bの作製〕
上記表示素子 lbの作製で用いた電解液 lbのフエノチアジンを等モルのフエナジン に変更した以外は同様にして、電解液 2bを調製した。
[0287] 次いで、上記表示素子 lbの作製において、電解液 lbを電解液 2bに変更した以外 は同様にして、表示素子 2bを作製した。
[0288] (表示素子 2bの評価)
表示素子 2bについて、表示素子 lbと同様の上記評価を行った結果、電圧無印加 時は、白色表示、 + 1. 5V印加時に赤色表示(最大吸収波長 430nm)、一 1. 5V印 加字に黒色表示となり、 1対向電極間の 1種の電解質で 3色の多色表示が行えること が分った。
[0289] 〔表示素子 3bの作製〕
(電解液の調製)
上記表示素子 2bの作製で用いた電解液 2bにおいて、酸化チタン 0. 3gを添加した 以外は同様にして、電解液 3bを調製した。
[0290] また、上記電解液 3bの調製にお!/、て、フエナジンを、それぞれ等モルのフエノチア ジン、下記化合物 1にそれぞれ変更した以外は同様にして、電解液 4b、 5bを調製し た。
[0291] [化 48]
[0292] (表示素子の作製)
前記電極 2bの周辺部を、平均粒子径が 20 mのガラス製球形ビーズを体積分率 として 10%含むォレフィン系封止剤で縁取りし、さらに電極 lbと交差する画素部分に 100 m角の窓を開けた隔壁をフォトリソグラフ法で形成して電極 4bを作製した。各 窓に電解液 3b、 4b、 5bをべィヤー配列となるようにディスペンサーを用いて注入し、 さらに電極 lbを、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせて、表 示素子 3bを作製した。
[0293] (表示素子の評価)
表示素子 3bを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 62%、黒表示時の反射率は 4%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること が分った。
[0294] 〔表示素子 4bの作製〕
(インクの調製)
エタノール 2. 5g中に、下記化合物 2、(A)、(B)をそれぞれ 0· 3g溶解させ、インク lb〜3bを調製した。
[0296] (電解液の調製)
ジメチノレスノレホキシド 2· 5g中に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レンダリコール(平均分子量 500) 0. 05gを溶解させて、電解液 6bを調製した。
[0297] (表示素子の作製)
厚さ 1 · 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 111、電極幅 130 111の ITO膜を公知の方法に従って形成し、酸化チタン(平均粒子径 25nm)を 10g/m2 塗布し、 350°Cで 1時間焼成し、金属酸化物多孔質膜を形成した電極 5bを得た。
[0298] 次いで、市販のインクジェット塗布装置を用いて、インク 1〜3をべィヤー配列となる ように電極 5上に塗りわけて電極 6bを作製した。電極 6bと電極 1を、それぞれストライ プ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。 該空セルに電解液 6bを真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封 止し、表示素子 4bを作製した。
[0299] (表示素子 4bの評価)
表示素子 4bを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン
、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 68%、黒表示時の反射率は 3%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること が分った。
[0300] 実施例 9
〔表示素子 lcの作製〕
(電解液 lcの作製)
ジメチノレスノレホキシド 2· 5g中に、ヨウィ匕銀 0· lg、ヨウィ匕ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レンダリコール(平均分子量 50万) 0. 05g、例示化合物 3— 1の 0. lgを溶解させて、 電解液 lcを得た。
[0301] (電極 lcの作製)
厚さ 1· 5mmで 2cm X 4cmのガラス基板上に、ピッチ 145 111、電極幅 130 111の ITO (Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成し て、透明電極である電極 lcを得た。
[0302] (電極 2cの作製)
電極 lcの上に、酸化チタン(平均粒子径 25nm)を 10g/m2塗布し、 350°Cで 1時 間焼成し、金属酸化物多孔質膜を形成した電極 2cを得た。
[0303] (電極 3cの作製)
厚さ 1. 5mmで 2cmX 4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み 0. 8 β ϊη^ピッチ 145 m、電極幅 130 mの銀一パラジウム電極を形成し、これを電 極 3cとした。
[0304] (電極 4cの作製)
周辺部を、平均粒子径が 40 mのガラス製球形ビーズを体積分率として 10%含む ォレフィン系封止剤で縁取りした電極 2cの上に、ポリビュルアルコール(平均重合度 3500、けん化度 87%) 2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、酸化チタン 20質 量%を超音波分散機で分散させた混和液を ΙΟΟ ΐη塗布し、その後 15°Cで 30分間 乾燥して溶媒を蒸発させた後、 45°Cの雰囲気中で 1時間乾燥させて、電極 4cを作製 した。
[0305] (表示素子 lcの作製)
電極 4と電極 1を、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた 後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液 lcを真空注入し、注入口を エポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子 lcを作製した。
[0306] 〔表示素子 lcの評価〕
定電圧電源の両端子に表示素子 lcの両電極を接続し、 ± 1. 5Vの印加を与え、 表示素子の着色状況を観察し、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計 CM— 3 700dの D65光源における反射率を測定した。表示素子 lcは、電圧無印加時は例 示化合物 3 1の還元状態と銀の酸化状態に由来する白表示、 + 1. 5V印加時に例 示化合物 3 1の酸化状態、銀の酸化状態に由来するシアン表示 (最大吸収波長 66 2nm)、透明電極側が 1. 5V時は銀の還元状態に由来する黒表示となり、 1対向 電極間の 1種の電解質で 3色の多色表示が行えることを確認できた。
[0307] 実施例 10、 11
〔表示素子 2c、 3cの作製〕
実施例 9に記載の電解液 lcの調製において、例示化合物 3 1を、それぞれ等モ ルの例示化合物 3— 3、例示化合物 3— 5に変更した以外は同様にして、電解液 2c、 3cを調製した。また、実施例 9に記載の表示素子 lcの作製において、電極 lcを電極 2cに変更し、電解質 lcを電解液 2c、 3cに変更した以外は同様にして、表示素子 2c 、 3cを作製した。
[0308] 〔表示素子 2c〜3cの評価〕
表示素子 lcと同様にして評価した。
[0309] 表示素子 2cは、電圧無印加時は例示化合物 3— 3の還元状態と銀の酸化状態に 由来する白表示、 + 1. 5V印加時に例示化合物 3— 3の酸化状態、銀の酸化状態に 由来するシアン表示(最大吸収波長 654nm)、透明電極側が— 1. 5V時は銀の還 元状態に由来する黒表示となった。
[0310] 表示素子 3cは、電圧無印加時は例示化合物 3— 5の還元状態と銀の酸化状態に 由来する白表示、 + 1. 5V印加時に例示化合物 3— 5の酸化状態、銀の酸化状態に 由来するシアン表示(最大吸収波長 649nm)、透明電極側が 1. 5V時は銀の還
元状態に由来する黒表示となり、表示素子 2c、 3cにおいても、 1対向電極間の 1種 の電解質で 3色の多色表示が行えることを確認できた。
[0311] 実施例 12
〔表示素子 4cの作製〕
実施例 9に記載の表示素子 lcの作製において、電解液 lcを電解液 2cに変更した 以外は同様にして、表示素子 4cを作製した。
[0312] 〔表示素子 4cの評価〕
表示素子 lcと同様にして評価した。
表示素子 4cは、電圧無印加時は例示化合物 3— 3の還元状態と銀の酸化状態に由 来する白表示、 + 1. 5V印加時に例示化合物 3— 3の酸化状態、銀の酸化状態に由 来するシアン表示(最大吸収波長 658nm)、透明電極側が 1. 5V時は銀の還元 状態に由来する黒表示となった。
[0313] 実施例 13
〔表示素子 5cの作製〕
実施例 9に記載の表示素子 lcの作製で用いた電解液 lcにおいて、酸化チタン 0. 3gを添加した以外は同様にして、電解液 4cを調製した。
[0314] 実施例 9に記載の電極 3cの周辺部を、平均粒子径が 20 μ mのガラス製球形ビー ズを体積分率として 10%含むォレフィン系封止剤で縁取りし、さらに電極 lcと交差す る画素部分に 100 m角の窓を開けた隔壁をフォトリソグラフ法で形成して電極 5cを 作製した。各窓に電解液 lc、 2c、 4cをべィヤー配列となるようにディスペンサーを用 いて注入し、さらに電極 lcを、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り 合わせて、表示素子 5cを作製した。
[0315] 〔表示素子 5cの評価〕
表示素子 5cを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 65%、黒表示時の反射率は 3%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること
を確認できた。
[0316] 実施例 14
〔表示素子 6cの作製〕
エタノール 2. 5g中に、例示化合物 3— 5、例示化合物 3— 7、例示化合物 3— 8を それぞれ 0· 3g溶解させ、インク lc〜3cを調製した。
[0317] ジメチルスルホキシド 2· 5g中に、ヨウ化銀 0· lg、ヨウ化ナトリウム 0· 15g、ポリェチ レンダリコール(平均分子量 500)の 0. 05gを溶解させ電解液 5cを調製した。
[0318] 市販のインクジェット塗布装置を用いて、インク lc〜3cをべィヤー配列となるように 電極 4c上に塗りわけ電極 6cを作製した。電極 6cと電極 lcを、それぞれストライプ状 の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。該空 セルに電解液 5cを真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し 、表示素子 6cを作製した。
[0319] 〔表示素子 6cの評価〕
表示素子 6cを、各画素の印加電圧を変化させた単純マトリックス駆動を行い、表示 素子の色調を観察したところ、白、黒、イェロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン 、レッドの各色力 S表示できることを確認、した。また、 550nmにおける表示素子の白表 示時の反射率は 66%、黒表示時の反射率は 3%であり、本発明の表示素子が、簡 便な部材構成で、高い白反射率、白黒の高コントラスト、カラー表示が可能であること を確言忍すること力 Sできた。