JP2008286843A - 表示素子 - Google Patents

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JP2008286843A
JP2008286843A JP2007129147A JP2007129147A JP2008286843A JP 2008286843 A JP2008286843 A JP 2008286843A JP 2007129147 A JP2007129147 A JP 2007129147A JP 2007129147 A JP2007129147 A JP 2007129147A JP 2008286843 A JP2008286843 A JP 2008286843A
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Tomoko Takeyama
朋子 竹山
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Abstract

【課題】速い書き換え速度と高いコントラストを有し、繰り返しの記録で性能の劣化がない表示素子を提供する。
【解決手段】対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子において、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有することを特徴とする表示素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。また、エレクトロクロミック表示素子は、3V以下の低電圧で駆動が可能であるが、黒色またはカラー色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、レッド等)の色品質が十分でなく、メモリー性を確保するため表示セルに蒸着膜等の複雑な膜構成が必要などの懸念点がある。
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション(以下EDと略す)方式が知られている。ED方式は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
一方、対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子は、一般的に低い電圧で駆動することが知られている。しかしながら、十分な視認性を有する発色濃度を得ようとすると、発色や消色に時間を要しているのが現状である。また、発色及び消色を繰り返した場合、書き換え速度が徐々に遅くなるという欠点があった。
米国特許第4,240,716号明細書 特許第3428603号公報 特開2003−241227号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、速い書き換え速度と高いコントラストを有し、繰り返しの記録で性能の劣化がない表示素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子において、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有することを特徴とする表示素子。
2.前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
3.前記電解質層が、エレクトロクロミック色素を含むエレクトロクロミック媒体であることを特徴とする前記1に記載の表示素子。
4.前記電解質層が、下記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物を含有した電解質を有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
Figure 2008286843
〔式中、R1はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、R2、R3は各々、アルキル基を表す。〕
Figure 2008286843
〔式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボニル基、カルボキシル基またはアリール基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表す。R1とR2はさらに置換基を有していても良い。環は窒素原子を含んだ5〜6員環を表す。〕
5.前記電解質層が、イオン性液体を含むことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
6.前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、銀塩化合物とを含有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
7.前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物と、前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物とを含有した電解質を有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
8.前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物とを含有した電解質を有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
9.前記電解質層が、エレクトロクロミック材料、銀塩化合物及び前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物を含有した電解質を有することを特徴とする前記1に記載の表示素子。
10.前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物と、イオン性液体とを含むことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
11.前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、イオン性液体とを含むことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
12.前記電解質層が、エレクトロクロミック材料、銀塩化合物及びイオン性液体を含むことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
13.前記ナノポーラス化合物が、ナノポーラスシリカであることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の表示素子。
本発明により、速い書き換え速度と高いコントラストを有し、繰り返しの記録で性能の劣化がない表示素子を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子において、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有することを特徴とする表示素子により、速い書き換え速度と高いコントラストを有し、繰り返しの記録で性能の劣化がない表示素子を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
(ナノポーラス粒子)
本発明の表示素子においては、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有することを特徴とする。
本発明に用いられる、ナノポーラス化合物について説明する。
本発明で用いられる、ナノポーラス化合物は、内部にナノスケールの孔が、少なくとも一部貫通した形で存在する。その孔は、均一な孔径と規則的な配列をしていることが、本発明では特に好ましく、更には、ナノポーラス化合物が、ナノポーラスシリカであることが好ましい。
図1に、本発明に係るナノポーラス化合物の模式的に表すが、これに限定されるものではない。
このようなナノポーラス化合物の調製方法としては、界面活性剤を利用した方法がある。例えば、二酸化ケイ素のナノポーラス粒子を作製する場合、ケイ素原料と界面活性剤と水とを混合し、強酸で処理することで、界面活性剤のミセルあるいはナノエマルジョンを形成し、これを加熱することで、界面活性剤を除去してナノポーラス化合物を得ることができる。界面活性剤の種類を変えることで、孔の径を制御することができる。これらのナノポーラス化合物の調製方法としては、例えば、月刊マテリアルステージ 2007年1月号 84ページに記載の方法を参考にすることができる。二酸化ケイ素に代えて、二酸化スズや二酸化チタンについても同様な処理を行うことでナノポーラス化合物を得ることができる。
本発明に係るナノポーラス化合物としては、孔径が約1nm〜約20nmのものが好ましく、更には3nm〜10nmの径が好ましい。
本発明に係るナノポーラス化合物は、電解質中に分散して用いることができる。ナノポーラス化合物を分散することで、イオン拡散パスが形成され、イオン拡散速度が向上し、結果として、発色及び消色の速度が速くなる。また、発色及び消色作用を繰り返すうちに電解質中のイオン分布が均質化してしまうことによる速度低下も改良することができる。また、本発明においては、ナノポーラス化合物は、層状にして設けることも可能である。
本発明において、ナノポーラス化合物を含む層を形成する方法としては、公知のゾルゲル法や焼結法を採用することができ、例えば、1)Journal of the Ceramic Society of Japan,102,2,p200(1994)、2)窒業協会誌90,4,p157、3)Journal of Non−Crystal Solids,82,400(1986)等に記載の方法が挙げられる。
(電界析出)
本発明の表示素子は、対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子である。対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を起こす方式の一つとしては、ビスマス、銅、銀、リチウム、鉄、クロム、ニッケル、カドミウムなどの金属の電解質層中への溶解と析出による電界析出方式が知られている。
特に銀の析出による画像は良好な黒が得られるため、白黒表示には好ましい。
(銀化合物)
本発明の表示素子においては、電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有することが好ましい。
本発明に係る銀化合物とは、銀または、銀を化学構造中に含む化合物、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
具体的には、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クエン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、イミノジ酢酸類との銀錯体、等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中でハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩として用いるのが好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸銀が好ましい。
媒体中の銀イオン濃度は、0.2モル/kg≦[Ag]≦2.0モル/kgが好ましい。銀イオン濃度が0.2モル/kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆動速度が遅延し、2モル/kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が起きやすくなる傾向にあり不利である。
(エレクトロクロミック材料)
本発明の表示素子においては、電解質層が、エレクトロクロミック色素を含むエレクトロクロミック媒体であることが好ましい。
エレクトロクロミック材料は、材料の酸化/還元により発色と消色を行う化合物であり、例えば、酸化タングステン、酸化イリジウム、プルシアンブルー、ヘプチルビオロゲン、TTF−ポリスチレン、ルテニウムジフタロシアニン、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが公知である。
本発明に係るエレクトロクロミック色素としては、エレクトロクロミック特性を示すいかなる化合物でもよい。
具体的には、特開昭62−297382号、同63−286489号、特開平3−54528号、特開平5−224242号、特開平5−98251号、特開2004−01729号、特開2000−241835号、国際公開第2004/067673号パンフレット等に記載されている色素を挙げることができ、特に、ビオロゲンなどの有機色素は、化合物の設計により発色の色調を調整することが可能であるため、カラー表示には好ましい。
ビオロゲン類としては、例えば、メチルビオロゲンテトラフルオロボレートまたはオクチルビオロゲンテトラフルオロボレートが挙げられるが、更には下記一般式(3)または(4)で表されるビオロゲン類が好ましく用いられる。
Figure 2008286843
式中、R1、R2は各々水素原子、炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、炭素原子数10までの分岐アルキル基、アルケニル基、或いはシクロアルキル基を表す。n1、m1は各々0或いは1〜10の整数を表す。X1 -は、荷電を中和するイオンを表す。
Figure 2008286843
式中、R3は、−(CH2m−(ここにおいてmは0或いは1〜10の整数を表す。)、各々炭素原子数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、或いは各々炭素原子数10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基或いはシクロアルキレン基であり、各々のアリーレン基、ヘテロアリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に−P(O)(OH)2基を−(CH2n−基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいてnは0或いは1〜10の整数を表す。R4は、R56で表される基であり、ここにおいてR5は、−(CH2p−(ここにおいてpは0或いは1〜10の整数を表す。)を表し、R6は、−P(O)(OH)2基、或いは、各々炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、各々炭素原子数10までの分岐アルキル基、或いはアルケニル基、或いはシクロアルキル基、又は水素原子を表す。X2 -は、荷電を中和するイオンを表す。
1,R2及びR6で表される各々のアリール基、ヘテロアリール基、炭素原子数10までの分岐アルキル基、アルケニル基、或いはシクロアルキル基は、更に置換基を有してもよく、置換基としては、低級アルキル基、低級アルケニル基、フェニル置換−低級アルキル基、ジフェニル置換−低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、低級アルカノイルオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、フェニルアミノ基、低級アルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、低級アルキルスルフォニルアミノ基、フェニルスルフォニルアミノ基、低級アルカノイル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N−低級アルキルカルバモイル基、N,N−ジ−(低級アルキル)カルバモイル基、ウレイド基、N−低級アルキルウレイド基、低級アルキルスルフォニル基、フェニルスルフォニル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ホスホノ基、或いは低級アルコキシカルボニル基で置換された低級アルコキシ基、炭素原子数3〜7のアルコキシ基、そして2価のメチレンジオキシ基等があげられる。
また、上記において挙げられたフェニル基、またベンゾイル基、フェニルアミノ基等に含まれるフェニル基は、全て、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、またはニトロ基等により置換されていてもよい。
一般式(4)で表されるビオロゲン系化合物は分子構造中にホスホノ基を有し、後述する透明導電性無機微粒子の表面に担持固定することが可能であり、非観察側電極にメモリー性を有しない電子注入可能な構成層を設けることができる。
一般式(4)中、R3は、−(CH2m−(ここにおいてmは0或いは1〜10の整数を表す。)、各々炭素原子数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、或いは各々炭素原子数10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基、或いはシクロアルキレン基であり、各々のアリーレン基、ヘテロアリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニレン基、アラルキレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に−P(O)(OH)2基を−(CH2n−基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいてnは0或いは1〜10の整数を表す。
4は、R5およびR6で表される基であり、ここにおいてR5は、−(CH2p−(ここにおいてpは0或いは1〜10の整数を表す。)を表し、R6は、−P(O)(OH)2基、或いは、各々炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、各々炭素原子数10までの分岐アルキル基、アルケニル基、或いはシクロアルキル基、又は水素原子を表す。
2 -は、荷電を中和するイオンを表す。
前記一般式(4)において、好ましい化合物としては、R3が、−(CH2m−(ここにおいてmは、1、2、3を表す)、フェニル基(−(CH2n−基を介してp位が−P(O)(OH)2基で置換されており、nは1或いは2を表す)であり、R4(R5およびR6で表される)において、R5は−(CH2p−(ここにおいてpは0、1、2、3を表す)を表し、R6は、未置換のフェニル或いはナフチル、或いは、炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェノキシ基、或いはベンゾイル基によってモノ−、ジ−或いはトリ−置換されたフェニル或いはナフチル基である。
また、X2 -は、Cl-、Br-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、C26NO42 -、或いはCF3SO3 -であり、特に好ましくは、Cl-、PF6 -である。
また、前記一般式(4)において、好ましい化合物として、R3が、−(CH2m−(ここにおいてmは、1、2、3を表す)、フェニル基(−(CH2n−基を介してp位が−P(O)(OH)2基で置換されており、nは1或いは2を表す)であり、R4(R56で表される)において、R5は−(CH2p−(ここにおいてpは0、1、2、3を表す)を表し、R6が、−P(O)(OH)2基であり、X-は、Cl-、Br-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、C26NO42 -、或いはCF3SO3 -であり、特に好ましくは、Cl-、PF6 -である。
一般式(3)及び(4)で表される化合物の具体的化合物例を示す。
1,1′−ジフェニル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1,1′−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−フェニル−1′−(4−ドデシルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム;1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1′−メチル−4,4′−ジピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−メチル−1′−フェニル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1−メチル−1′−(2−メチルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1−(4−メトキシフェニル)−1′−メチル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1−メチル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,2,6−トリメチル−1′−フェニル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジメチル−2,6−ジフェニル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(3−フェニル(n−プロピル))−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジメチル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジメチル−2−(3−フェニル(n−プロピル))−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジメチル−4,4′−(1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジベンジル−2,2′,6′−テトラメチル−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−エチレン−4,4′−ジメチル−2,2′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジメチル−2,2′−ビス(3−フェニル(n−プロピル))−4,4′−ジピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ジブロマイド;1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−メチル−1′−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−メチル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−n−オクチル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−n−オクチル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1,1′−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1,1′−ビス(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−シアノナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1,1′−ビス(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ベンジル−1′−エチル−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ベンジル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(ベンジル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(フェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム トリフルオロメタンスルフォンイミド等。
1−ホスホノプロピル−1′−メチル−4,4′−ビピリジニウム ジブロマイド;1−ホスホノエチル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ホスホノエチル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ホスホノエチル−1′−(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−シアノナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノエチル−1′−(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ホスホノベンジル−1′−(ホスホノエチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ホスホノベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート;1−ホスホノベンジル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(ベンジル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(フェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド;1−ホスホノベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム トリフルオロメタンスルフォンイミド等。
これらの化合物の製造法は、例えば、国際公開第2004/067673号パンフレットに記載されている。
また、本発明において好ましいエレクトロクロミック化合物としては、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008286843
上記一般式(5)において、R1は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R2、R3は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R4、酸素原子または硫黄原子を表し、R4は水素原子、または置換基を表す。
一般式(5)において、R1は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R2、R3は各々水素原子または置換基を表すが、R1、R2、R3で表される置換基の具体例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
1は、置換もしくは無置換のアリール基であり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、さらに好ましくは置換もしくは無置換の2−ヒドロキシフェニル基または4−ヒドロキシフェニル基である。
2及びR3として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基であり、より好ましくは、R2及びR3のいずれか一方がフェニル基、他方がアルキル基、さらに好ましくはR2及びR3の両方がフェニル基である。
Xとして好ましくは>N−R4である。R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、アシル基である。
以下に、一般式(5)で表されるエレクトロクロミック化合物の具体的化合物例を示すが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
(環状アミド化合物)
本発明の表示素子においては、電解質層が、前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物を含有した電解質を有することが好ましい。
前記一般式(1)において、R1はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、R2、R3は各々、アルキル基を表す。
1、R2、R3で各々表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられ、R1で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アミノ基としては、例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
本発明においては、R1はアルキル基、アリール基またはアミノ基であることが好ましく、更には、R1〜R3が全てアルキル基であり、かつR1〜R3の炭素数の総和が、12以上、20以下であることが好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の代表的な具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008286843
以上の具体例の他に、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例としては、特開平5−188547号公報の第8頁〜10頁に記載された例示化合物C−II〜C−XVI、C−XVIII〜C−XX等を挙げることができる。
前記一般式(2)において、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボニル基、カルボキシル基またはアリール基を表し、R2は水素原子またはアルキル基をし、環は窒素原子を含んだ5〜6員環を表す。
本発明においては、R1はアルキル基であることが好ましく、環はピペリジン環、ピロリジン環が好ましく、分子量は105〜200の範囲にあることが好ましい。
以下に、本発明に係る一般式(2)で表される化合物の代表的な具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008286843
Figure 2008286843
Figure 2008286843
(イオン性液体)
本発明の表示素子においては、電解質層がイオン性液体を含むことが好ましい。本発明でいうイオン性液体とは、室温でも液体で存在する塩を含む液体を指し、具体的なものとしては、WO95/18456号、特開平8−245828号、同8−259543号、同10−92467号、同10−265673号、特開2002−99001号、同2002−110225号、同2001−243995号、欧州特許718288号、電気化学 第65巻11号923頁(1997年)、J.Electrochem.Soc.,Vol.143,No.10,3099(1996)、Inorg.Chem.1996,35,1168−1178等に記載されており、これらを適宜選択して用いることができる。
本発明の表示素子においては、特に、イオン性液体が下記一般式(A)または(B)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(A)
+1234・X-
上記一般式(A)において、R1、R2、R3、R4は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。
1からR4は、互いに独立して水素、飽和または不飽和の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基、R5−X−(R6−Y−)n−(式中、R5は炭素数4以下のアルキル基、R6は炭素数4以下のアルキレン基、X及びYは酸素原子または硫黄原子、nは0〜10の整数を示す)を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
上述の中でR1からR4の具体的な例はとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどの直鎖または分枝を有するアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル基、無置換あるいはハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、水酸基、低級アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、カルボキシル基、アセチル基、プロパノイル基、チオール基、低級アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基などの置換基を1〜3個有するフェニル、ナフチル、トルイル、キシリル等のアリール基、ベンジルなどのアラルキル基などを挙げることができる。
また、R5の具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどのアルキル基などが挙げられ、R6としてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基などを挙げることができる。
-で表されるアニオン種としてはアニオンであれば如何なる化合物でもよい。具体例としては、(FSO22-、(CF3SO22-、CH3SO4 -、Br-、Cl-、OH-、NO3 -、PF6 -、BF4 -、CH3−Ph−SO3 -、CF3SO3 -、C817SO3 -、C49SO3 -、CH3OSO3 -、C817SO3 -、(CF3SO23-、HSCN-、CH3COO-、C817COO-、(CN)2-が挙げられる。
次いで、一般式(B)で表される化合物について説明する。
Figure 2008286843
上記一般式(B)において、X及びYは、各々炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一であっても異なっていてもよい。k及びiは、各々0または1〜4の正整数を、n及びmは、各々3〜7の正整数を表し、Aは酸成分を表す。
上記一般式(B)において、X及びYの炭素数が5以上、k及びiが5以上、または、n及びmが8以上の場合には、スピロアンモニウム化合物塩のイオン導電性が低下し好ましくない。
一般式(B)において、スピロアンモニウム化合物塩のカチオンとしては、例えば、スピロ−(1,1′)−ビアザシクロブチルイオン、アザシクロペンタン−1−スピロ−1′−アザシクロブチルイオン、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロブチルイオン、アザシクロヘプタン−1−スピロ−1′−アザシクロブチルイオン、アザシクロオクタン−1−スピロ−1′−アザシクロブチルイオン、スピロ−(1,1′)−ビアザシクロペンチルイオン、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロペンチルイオン、アザシクロヘプタン−1−スピロ−1′−アザシクロペンチルイオン、アザシクロオクタン−1−スピロ−1′−アザシクロペンチルイオン、スピロ−(1,1′)−ビアザシクロヘキシルイオン、アザシクロヘプタン−1−スピロ−1′−アザシクロヘキシルイオン、アザシクロオクタン−1−スピロ−1′−アザシクロヘキシルイオン、スピロ−(1,1′)−ビアザシクロヘプチルイオン、アザシクロオクタン−1−スピロ−1′−アザシクロヘプチルイオン、スピロ−(1,1′)−ビアザシクロオクチルイオンが挙げられる。
一般式(B)において、Aは酸成分を表し、例えば、過塩素酸イオン(ClO4 -)、フッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF6 -)、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3CO2 -)、ビストリフルオロメタンスルフォニルイミドイオン((CF3SO22-)、ペルフルオロブタンスルホン酸イオン(C49SO3 -)、トリストリフルオロメタンスルフォニルメチドイオン((CF3SO23-)、ジシアナミドイオン((CN)2-)等が挙げられる。
本発明に係る一般式(B)で表されるスピロアンモニウム化合物塩は、以下の製造方法により得られる。
まず、イソプロピルアルコール溶媒中、炭酸カリウム存在下でアザシクロアルカンに両末端を臭素化させたジブロモアルカンを作用させてスピロアンモニウムブロマイドを得、次に該ブロマイドを水またはアルコール中で電気透析により脱塩させて水酸化スピロアンモニウム溶液を得る。次いで、得られた水酸化スピロアンモニウム溶液に、一般式(B)中のAに対応する酸成分を、等モル量添加して、中和反応させた後、減圧下で脱水させて、目的とするスピロアンモニウム化合物塩を得ることができる。
一般式(B)で表される化合物の電解液への好ましい添加量は、0.1質量%以上、10質量%以下である。0.1質量%以上であれば、本発明の向上効果を発揮し、また10質量%以下であれば、電解液での低温析出を生じることが無く、安定した状態で電解質中に存在させることができる。
(銀とエレクトロクロミック材料の併用)
本発明の電気化学型の表示素子においては、銀化合物とエレクトロクロミック材料とを同時に含むことが有効である。エレクトロクロミック材料の選択により、無着色状態、エレクトロクロミック材料による着色状態、銀による黒色状態の3状態を選択的に示す表示素子を作製することができる。発色の異なるエレクトロクロミック材料を複数併用し、駆動電圧を制御することで、多色表示も可能である。
(白色散乱粒子)
本発明の表示素子には、白色表示を補助する目的で、白色散乱粒子を含むことができる。白色散乱粒子を用いることで、表示素子を反射型として使用することが可能となる。
白色散乱粒子としては、白色顔料、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用できる。特に二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛の白色散乱性が良好である。
白色散乱粒子は、白色散乱層の形で存在させてもよい。白色散乱層は、電解質層に実質的に溶解しない水系高分子と上記白色散乱粒子を混合し、電極上に塗布することで形成できる。
水溶性化合物としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のような天然化合物や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体やそれらの誘導体等の合成高分子化合物が挙げられる。ゼラチン誘導体としては、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体としては、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール、末端メルカプト基変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。更に、リサーチ・ディスクロージャー及び特開昭64−13546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたもの、また、米国特許第4,960,681号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー(例えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウム等)との共重合体も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、ゼラチン及びゼラチン誘導体、または、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体を好ましく用いることができる。
水系溶媒に分散した高分子としては、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のラテックス類、ポリイソシアネート系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系、尿素系、フェノール系、ホルムアルデヒド系、エポキシ−ポリアミド系、メラミン系、アルキド系樹脂、ビニル系樹脂等を水系溶媒に分散した熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの高分子のうち、特開平10−76621号に記載の水系ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
本発明でいう電解質層に実質的に溶解しないとは、−20℃から120℃の温度において、電解質層1kgあたりの溶解量が0g以上、10g以下である状態と定義し、質量測定法、液体クロマトグラムやガスクロマトグラムによる成分定量法等の公知の方法により溶解量を求めることができる。
本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物は、公知の分散方法に従って白色顔料が水中分散された形態が好ましい。水系化合物/白色顔料の混合比は、容積比で1〜0.01が好ましく、より好ましくは、0.3〜0.05の範囲である。
白色散乱粒子として、前記ナノポーラス化合物を用いることができる。特に二酸化チタンのナノポーラス化合物は、白色散乱性が良好である。
白色散乱粒子として用いられるナノポーラス化合物は、白色散乱粒子の一部であっても全部であってもよい。要求される白色散乱度に応じて、適宜調整できる。
(溶媒)
本発明に係る電解質層には、必要に応じて溶媒を用いることができる。本発明に用いられる溶媒としては、電気的に不活性で、白色散乱層を形成するバインダーを溶解しない有機溶媒が好ましく用いられる。このような溶媒としては、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられる。これらの溶媒の内、凝固点が−20℃以下、かつ沸点が120℃以上の溶媒を少なくとも1種含むことが好ましい。
さらに本発明で用いることのできる溶媒としては、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
(電解質)
本発明に係る電解質層には、反応を補助する目的で電解質を含むことができる。
電解質層が液相の場合、カリウム化合物としてKCL、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
また、電解質層が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下の化合物を含むことができる。
パーフルオロスルフォン酸を含むフッ化ビニル系高分子、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、トリフェニルアミン類、ポリビニルカルバゾール類、ポリメチルフェニルシラン類、Cu2S、Ag2S、Cu2Se、AgCrSe2等のカルコゲニド、CaF2、PbF2、SrF2、LaF3、TlSn25、CeF3等の含F化合物、Li2SO4、Li4SiO4、Li3PO4等のLi塩、ZrO2、CaO、Cd23、HfO2、Y23、Nb25、WO3、Bi23、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl4、LiAlF4、AgSBr、C55NHAg56、Rb4Cu167Cl13、Rb3Cu7Cl10、LiN、Li5NI2、Li6NBr3等の化合物が挙げられる。
また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場合、特開平11−185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲル化剤を用いことができる。
〔電気活性物質〕
本発明に係る電解質層には、非着色性の電気活性物質を併用することができる。このような電気活性物質としては、ジチアジン類、フェロシニウム類、フェナジン類が挙げら、フェロセン、置換フェロセン、置換フェロセニル塩、フェナジン、置換フェナジン、フェノチアジン、置換フェノチアジンを含む多くの材料も有効である。
具体的化合物例としては、ジ−tert−ブチル−ジエチルフェロセン、(6−(テトラ−tert−ブチルフェロセニル)ヘキシル)トリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、(3−(テトラ−tert−ブチルフェロセニル)プロピル)トリエチルアンモニウテトラフルオロボレート、5,10−ジメチルフェナジンおよび3,7,10−トリメチルフェノチアジン、N,N,N′,N′−テトラメチル−p−フェニレンジアミン;2,5,10−トリメチル−3−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン;5−エチル−10−メチル−5,10−ジヒドロフェナジン;5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロベンゾ(A)フェナジン;2,7−ジフェノキシ−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2−フェノキシ−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2,7−ビス(o−トリル)−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2,3−ジメチル−7−トリフルオロメチル−5,10−ジエチル−5,10−ジヒドロフェナジン;5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2,3−ジフェニル5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2,7−ジフェニル−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2−ビニル−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;2−フェニル−5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;5,10−ジイソプロピル−5,10−ジヒドロフェナジン;5,10−ジメチル−5,10ジヒドロベンゾ(A,C)フェナジン1,5,10−トリメチル−2−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン;2,3,5,10−テトラメチル−7−トリフルオロメチル−5,10−ジヒドロフェナジン;および2,3,5,10−テトラメチル−5,10ジヒドロベンゾ(B)フェナジンを挙げることができる。
あるいは、フェロシニウム塩、置換フェロシニウム塩、フェナジウム塩、置換フェナジウム塩も利用できる。例えば、ジ−tert−ブチル−ジエチルフェロシニウムテトラフルオロボレート、(6−(テトラ−tert−ブチルフェロシニウム)ヘキシル)トリエチルアンモニウムジ−テトラフルオロボレート、(3−(テトラ−tert−ブチルフェロシニウム)プロピル)トリエチルアンモニウムジ−テトラフルオロボレート、5−メチルフェナジウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
(添加剤)
本発明の表示素子においては、エレクトロクロミック媒体に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912号、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
(透明電極)
本発明の表示素子に適用可能な透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
(対向電極)
本発明の表示素子に適用可能な対向電極としては、フルカラーの色表示の色域を十分に大きくとるために、透明電極を用いるのが好ましく、特に、光透過率と抵抗の観点からITO電極が好ましい。
(吸着層)
本発明の表示素子において、エレクトロクロミック材料を用いる場合に、エレクトロクロミック材料を吸着する層を、別途設けることができる。このような層としては、特開2006−106669号公報、特表2003−511837号公報などに知られている。
(その他の構成要素)
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
(スクリーン印刷)
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
(表示素子の駆動方法)
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行えると推定される。
本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
本発明の表示素子の1対の対向電極間で複数色を表示させる駆動方法としては、1)各酸化還元化合物間で、酸化時および還元時の過電圧を変えて、過電圧の上下間をまたぐように電圧の大きさの操作を行う方法、2)各酸化還元化合物の酸化還元速度を変えて、電圧印加時間の操作を行う方法、3)対向電極間の表示部を除く回路部分の抵抗値操作を行い、例えば、着色状態から両極短絡で消色する特性、消色しない特性との区別を利用して操作を行う方法、等が挙げられる。
(商品適用)
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《表示素子の作製》
〔各電極の作製〕
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成して、透明電極である電極1を得た。
(電極2の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み0.8μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmの銀−パラジウム電極を形成し、これを電極2とした。
(電極3の作製)
ナノポーラス構造を有しない二酸化スズ粒子(平均粒径5nm)の水分散液に、ポリエチレングリコール(分子量20,000)を加えて攪拌し、均一な塗布液を調製した。この塗布液を、電極1上に均一に塗布し、塗布後に該電極を450℃で30分間焼成し、塗布質量8g/m2の二酸化スズ多孔質層を有する電極3を作製した。
(電極4の作製)
ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)を2質量%含むイソプロパノール溶液中に、平均粒径が25nmの酸化チタンを20質量%となる条件で添加し、超音波分散機で分散させた混和液を、上記電極2の上に100μmの厚さで塗布し、その後、15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、45℃の雰囲気中で1時間乾燥させて、電極4を得た。
(電極5の作製)
ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)を2質量%含むイソプロパノール溶液中に、平均粒径が25nmの酸化チタンを10質量%、平均孔径6nmのナノポーラス二酸化チタン(平均粒径26nm)を10質量%となる条件で添加し、超音波分散機で分散させた混和液を、上記電極2の上に100μmの厚さで塗布し、その後、15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、300℃で1時間焼成し、電極5を得た。
(電極6の作製)
ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)を2質量%含むイソプロパノール溶液中に、平均孔径が5nmのナノポーラス二酸化ケイ素(平均粒径25nm)を10質量%となる条件で添加し、超音波分散機で分散させた混和液を、上記電極4上に20μmの厚さで塗布し、その後、15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、300℃で1時間焼成し、電極6を得た。
〔表示素子1の作製〕
(電解液1の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g、塩化ビスマス0.1g、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)0.1g、過塩素酸リチウム0.005gをそれぞれ混合し、120℃で溶解して、電解液1を得た。
(表示素子の作製)
電極1の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、もう1枚の電極1を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂で封止して、表示素子1を作製した。
〔表示素子2の作製〕
(電解液2の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g、塩化ビスマス0.1g、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、ケン化度87%)0.1g、過塩素酸リチウム0.005gをそれぞれ混合し、120℃で溶解した後、平均孔径5nmのナノポーラス二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm)0.3gを添加し、超音波分散機で分散して、電解液2を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子1の作製において、電解質1に代えて、上記電解液2を用いた以外は同様にして、表示素子2を作製した。
〔表示素子3の作製〕
(電解液3の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化ナトリウムを0.09g、ヨウ化銀を0.075g加え、完全に溶解させた後、酸化チタン(平均粒径23nm)0.5gを加え、超音波分散機で分散した。これにポリビニルアルコール(平均重合度3500、ケン化度87%)0.15gを加えて、120℃で1時間攪拌して溶解させて、電解液3を得た。
(表示素子の作製)
電極1の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、これに電極2を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。この空セルに電解液3を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止して、表示素子5を作製した。
〔表示素子4の作製〕
(電解液4の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化ナトリウムを0.09g、ヨウ化銀を0.075g加え、完全に溶解させた後、酸化チタン(平均粒径23nm)0.5g、平均孔径5nmのナノポーラス二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm)0.3gを加え、超音波分散機で分散した。これにポリビニルアルコール(平均重合度3500、ケン化度87%)を0.12g加えて、120℃で1時間攪拌し、溶解させて電解液4を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子3の作製において、電解液3に代えて、上記調製した電解液4を用いた以外は同様にして、表示素子4を作製した。
〔表示素子5の作製〕
(電解液5の調製)
γ−ブチロラクトン2.5g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.1g、過塩素酸リチウム0.005g、例示化合物110(一般式(3)で表されるエレクトロクロミック化合物)0.17gを溶解し、酸化チタン(平均粒径25nm)0.7gを加えて超音波分散機で分散し、電解液5を得た。
(表示素子の作製)
電極1の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、これに電極2を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。この空セルに電解液5を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子5を作製した。
〔表示素子6の作製〕
(電解液6の調製)
上記電解液5に、平均孔径5nmのナノポーラス二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm)を0.3g添加し、超音波分散機で分散し、電解液6を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子5の作製において、電解液5に代えて、上記調製した電解液6を用いた以外は同様にして、表示素子6を作製した。
〔表示素子7の作製〕
(電解液7の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g、塩化ビスマス0.1g、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)0.1g、過塩素酸リチウム0.005g、1−N−ブチル−2−ピロリドン0.1gを混合し、120℃で溶解した後、平均孔径5nmのナノポーラス二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm)0.3gを添加し、超音波分散機で分散して、電解液7を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子3の作製において、電解液3に代えて、上記調製した電解液7を用いた以外は同様にして、表示素子7を作製した。
〔表示素子8の作製〕
(電解液8の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g、塩化ビスマス0.1g、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)0.1g、過塩素酸リチウム0.005g、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロブチル−p−トルエンスルホン酸0.1gを混合し、120℃で溶解した後、平均孔径5nmのナノポーラス二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm)0.3g添加し、超音波分散機で分散して、電解液8を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子3の作製において、電解液3に代えて、上記調製した電解液8を用いた以外は同様にして、表示素子8を作製した。
〔表示素子9の作製〕
(電解液9の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化銀を0.1g、ヨウ化ナトリウムを0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)を0.05g、3,3−ジメチル−2−(p−ジメチルアミノスチリル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリンを0.2mmol溶解させて、電解液9を得た。
(表示素子の作製)
電極3の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、これに電極4を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。この空セルに電解液9を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子9を作製した。
〔表示素子10の作製〕
電極3の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、これに電極5を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。この空セルに電解液9を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子10を作製した。
〔表示素子11の作製〕
(電解液10の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化銀を0.1g、ヨウ化ナトリウムを0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.05g、1−N−ブチル−2−ピロリドンを0.1g溶解させて、電解液10を得た。
(表示素子の作製)
電極1の周辺部を、平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りし、これに電極6を、ストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、加熱押圧して空セルを作製した。この空セルに電解液10を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子11を作製した。
〔表示素子12の作製〕
(電解液11の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化銀を0.1g、ヨウ化ナトリウムを0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)を0.05g、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロブチル−p−トルエンスルホン酸を0.1g溶解させ、電解液11を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子11の作製において、電解液10に代えて、上記調製した電解液11を用いた以外は同様にして、表示素子12を作製した。
〔表示素子13の作製〕
(電解液12の調製)
γ−ブチロラクトン2.5g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.1g、過塩素酸リチウム0.005g、例示化合物110(一般式(3)で表されるエレクトロクロミック化合物)0.17g、1−N−ブチル−2−ピロリドン0.1gを混合し、120℃で溶解し、電解液12を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子10の作製において、電解液9に代えて、上記調製した電解液12を用いた以外は同様にして、表示素子13を作製した。
〔表示素子14の作製〕
(電解液13の調製)
γ−ブチロラクトン2.5g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.1g、過塩素酸リチウム0.005g、例示化合物110(一般式(3)で表されるエレクトロクロミック化合物)0.17g、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロブチル−p−トルエンスルホン酸0.1gを混合し、120℃で溶解して、電解液13を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子10の作製において、電解液9に代えて、上記調製した電解液13を用いた以外は同様にして、表示素子14を作製した。
〔表示素子15の作製〕
(電解液14の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化銀0.1g、ヨウ化ナトリウム0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.05g、1−N−ブチル−2−ピロリドン0.1g、3,3−ジメチル−2−(p−ジメチルアミノスチリル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリン0.2mmolを溶解させ、電解液14を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子10の作製において、電解液9に代えて、上記調製した電解液14を用いた以外は同様にして、表示素子15を作製した。
〔表示素子16の作製〕
(電解液15の調製)
ジメチルスルホキシド2.5gに、ヨウ化銀0.1g、ヨウ化ナトリウム0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.05g、アザシクロヘキサン−1−スピロ−1′−アザシクロブチル−p−トルエンスルホン酸0.1g、3,3−ジメチル−2−(p−ジメチルアミノスチリル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリン0.2mmolを溶解させ、電解液15を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子10の作製において、電解液9に代えて、上記調製した電解液15を用いた以外は同様にして、表示素子16を作製した。
〔表示素子17の作製〕
(電解液16の調整)
ジメチルスルホキシド1.5gに、ヨウ化銀0.1g、ヨウ化ナトリウム0.15g、ポリエチレングリコール(平均分子量50万)0.05g、N,N−ジエチル−ラウルアミド1.0g、3,3−ジメチル−2−(p−ジメチルアミノスチリル)インドリノ[2,1−b]オキサゾリン0.2mmolを溶解させ、電解液14を得た。
(表示素子の作製)
上記表示素子10の作製において、電解液9に代えて、上記調製した電解液16を用いた以外は同様にして、表示素子17を得た。
《表示素子の評価》
(表示速度の評価)
定電圧電源の両端子に各表示素子の両電極を接続し、印加電圧を+3V〜−3Vの間で0.3V刻みで変化させ、発色、消色に必要な印加電圧を求めた。
それぞれ、無色あるいは白色状態にしたところで表示素子1、2については透過率(Tw0)、その他の表示素子では反射率(Rw0)を求めた。次に、発色に必要な電圧を0.5秒間印加して、透過率(Tg0)あるいは反射率(Rg0)を測定し、それぞれTs0=Tw0−Tg0、Rs0=Rw0−Rg0を表示速度の指標として求めた。
表示素子9、10、15、16、17については、黒表示と色表示があるので、それぞれの表示について同様に測定した。
(繰り返し駆動での速度変動)
各表示素子に対して、3000回の発色/消色を行った後に、上記と同様にしてTs3000、Rs3000を求めた。
透過率及び反射率の測定は、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dを用い、それぞれ550nmでの値を採用した。いずれも、値が大きい方が、表示速度が速いことを示す。
以上により得られた各評価結果を、表1に示す。
Figure 2008286843
表1に記載の結果より明らかな様に、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有する本発明の表示素子は、比較例に対し、様々な表示形態において、いずれも表示速度が速く、かつ繰り返し駆動における速度変動の低下が小さいことが分かる。
本発明に係るナノポーラス化合物の構造の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 ナノポーラス化合物
2 ミセルまたはナノエマルジョン

Claims (13)

  1. 対向電極間に電界を印加することにより発色と消色を行う電気化学型の表示素子において、ナノポーラス化合物を含有する電解質層を有することを特徴とする表示素子。
  2. 前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記電解質層が、エレクトロクロミック色素を含むエレクトロクロミック媒体であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  4. 前記電解質層が、下記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物を含有した電解質を有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
    Figure 2008286843
    〔式中、R1はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、R2、R3は各々、アルキル基を表す。〕
    Figure 2008286843
    〔式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボニル基、カルボキシル基またはアリール基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表す。R1とR2はさらに置換基を有していても良い。環は窒素原子を含んだ5〜6員環を表す。〕
  5. 前記電解質層が、イオン性液体を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  6. 前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、銀塩化合物とを含有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  7. 前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物と、前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物とを含有した電解質を有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  8. 前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物とを含有した電解質を有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  9. 前記電解質層が、エレクトロクロミック材料、銀塩化合物及び前記一般式(1)または(2)で表されるアミド化合物を含有した電解質を有することを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  10. 前記電解質層が、銀、または銀を化学構造中に含む化合物と、イオン性液体とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  11. 前記電解質層が、エレクトロクロミック材料と、イオン性液体とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  12. 前記電解質層が、エレクトロクロミック材料、銀塩化合物及びイオン性液体を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  13. 前記ナノポーラス化合物が、ナノポーラスシリカであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の表示素子。
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