JP5176413B2 - 表示素子 - Google Patents
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R7−S−R8
〔式中、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。但し、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
2.前記電解質に含まれるハロゲンイオンのモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる金属塩化合物の金属の総モル濃度を[M](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
0≦[X]/[M]≦0.01
3.前記電解質がエレクトロクロミック化合物を含有し、該対向電極の駆動操作により、該エレクトロクロミック化合物の酸化及び還元反応による色変化、及び該対向電極の少なくとも一方への該金属塩化合物が含有する金属元素の還元析出及び酸化溶解による色変化を用いて、黒表示、白表示及び黒以外の着色表示により3色以上の多色表示を行うことを特徴とする前記1または2に記載の表示素子。
本発明に係る金属塩化合物とは、対向電極上の少なくとも一方の電極上で、該対向電極の駆動操作で、溶解及び析出を繰り返して行うことができる金属種を含む塩であれば、如何なる化合物であってもよい。好ましい金属種は、銀、ビスマス、銅、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛等であり、特に好ましい金属種は、黒の色調と酸化還元電位の観点から、銀、ビスマスである。
本発明の表示素子においては、電解質が含有する金属塩化合物が、銀または銀を化学構造中に含む化合物であることが好ましい。本発明でいう銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は特に問わない。
本発明の表示素子において、ED表示部には対向する一対の対向電極が設けられている。ED表示部に近い対向電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には、本発明に係る金属塩化合物を含有する電解質が担持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上で金属塩の酸化還元反応が行われ、例えば、金属塩が銀である場合には、還元状態の黒い銀画像と、酸化状態の透明な銀の状態を可逆的に切り替えることができる。
本発明の表示素子において、表示部には、対向する一対の対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には金属塩化合物を含む電解質が保持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上でエレクトロクロミック化合物の酸化還元が行われ、両化合物の酸化還元各状態の着色状態の相違と電極間に配置した白色散乱物とを利用して、カラー表示を行えるものである。
本発明の表示素子においては、電解質がポリフッ化ビニリデン化合物を含有することを一つの特徴とする。
本発明の表示素子においては、電解質を対向電極の少なくとも一方にキャストし、対向電極のもう一方を電解質の上に張り合わせ、その後、65℃以上、180℃以下の熱処理を行って、電解質を対向電極に密着させる方法が好ましい。
本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、対向電極間に多孔質白色散乱層を有していてもよい。
本発明の表示素子においては、電解質が前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことを一つの特徴とする。
1−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
1−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
1−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
1−7:H3CSCH2CH2COOH
1−8:HOOCCH2SCH2COOH
1−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
1−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
1−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
1−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
1−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
1−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
1−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2NH2
1−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2NH2
1−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
1−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
1−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
1−24:H2N(=O)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(=O)NH2
1−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(O=)NH2
1−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
1−27:H3C(O=)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(O=)CH3
1−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
1−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
1−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHO2SCH3
1−31:H2N(NH)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
1−32:H2N(NH)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(NH)NH2・2HCl
1−33:H2N(NH)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(NH)NH2・2HBr
1−34:〔(CH3)3NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH3)3〕2+・2Cl-
本発明の表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンのモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる金属塩化合物の金属イオンの総モル濃度を[M](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
0≦[X]/[M]≦0.01
本発明で言うハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことを言う。[X]/[M]が0.01よりも大きい場合は、金属イオンの酸化還元反応時にX-→X2が生じ、X2は金属イオンの還元体と容易にクロス酸化して金属イオン還元体を酸化してメモリー性を低下させ、繰り返し駆動時の反射率変動ムラの要因の1つになるのでハロゲン原子のモル濃度は金属イオンのモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[M]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
本発明の表示素子においては、上記説明した電解質がエレクトロクロミック化合物を含有し、対向電極の駆動操作により、エレクトロクロミック化合物の酸化及び還元反応による色変化、及び該対向電極の少なくとも一方への金属塩化合物が含有する金属元素の還元析出及び酸化溶解による色変化を用いて、黒表示、白表示及び黒以外の着色表示により3色以上の多色表示を行うことが好ましい。
更に、本発明に係る炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が、前記一般式〔I〕で表される化合物であることが好ましい。
本発明の表示素子においては、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クエン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、イミノジ酢酸類との銀錯体等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中で、ハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩として用いるのが好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸銀が好ましい。
また、本発明の表示素子においては、金属酸化物を含む多孔質電極を用いることもできる。本発明の表示素子で、該対向電極のうち、画像観察側でない面の電極面を金属酸化物を含む多孔質電極により保護することで、画像観察側でない面での銀または銀を化学構造中に含む化合物の酸化還元反応が該金属酸化物を含む多孔質電極上または多孔質電極中で行われことを見出したことにより、画像観察側でない電極の種類選択肢の拡大及び耐久性を向上させることができる。
本発明の表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。更に、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明の表示素子の構成層として、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。補助層は一対の対向電極間に挟まれる領域に設けてもよいし、対向電極間に挟まれない領域に設けてもよい。
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
本発明の表示素子の構成層には、メタロセン誘導体を用いることができる。メタロセン誘導体としてフェロセン誘導体を用いることが好ましい。フェロセン誘導体の例としては、フェロセン、メチルフェロセン、ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、プロピルフェロセン、n−ブチルフェロセン、t−ブチルフェロセン、1,1−ジカルボキシフェロセン等が挙げられる。メタロセン誘導体は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号公報(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号明細書のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行ってもよい。
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が銀の還元状態維持のために有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製は蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
本発明の表示素子には、必要に応じてシール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で金属を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で該金属の析出を継続させる駆動操作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行えると推定される。
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
《表示素子の作製》
〔表示素子1の作製〕
(電解液1の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g中に、塩化ビスマス90mg、ヨウ化リチウム180mgを加えて完全に溶解させた後に、ポリビニルピロリドン(平均分子量15000)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解液1を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide インジウム錫酸化物)膜を、公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて電極厚み0.8μm、ピッチ145μm、電極隔130μmの多孔質カーボン電極を形成し、これを電極2とした。
周辺部を平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含む、オレフィン系封止剤で縁取りした電極2の上に、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)を2質量%含むイソプロパノール溶液中に酸化チタン20質量%を超音波分散機で分散させた混和液を100μmの厚さで塗布し、その後、15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、45℃の雰囲気中で1時間乾燥させて、電極3を作製した。
電解液1を挟んで、電極3と電極1を、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、押圧して、表示素子1を作製した。
表示素子1の作製において、電解質1に代えて、電解液1にポリフッ化ビニリデンを0.5g添加した電解液2を用いた以外は同様にして、表示素子2を作製した。
上記表示素子2の作製において、電解質2に代えて、電解液2に例示化合物(2−12)を0.2g添加した電解液3を用いた以外は同様にして、表示素子3を作製した。
上記表示素子3の作製において、塩化ビスマスを等モルのヨウ化銀に、塩化リチウムを等モルのヨウ化ナトリウムに変更した以外は同様にして、表示素子4を作製した。
上記表示素子4の作製において、ジメチルスルホキシドを同量のγ−ブチロラクトンに、ヨウ化銀を等モルのp−トルエンスルホン酸銀に変更し、かつヨウ化ナトリウムを除いた以外は同様にして、表示素子5を作製した。
上記表示素子5の作製において、例示化合物(2−12)を例示化合物(1−2)の0.3gに変更し、電解液を電極1に乾燥膜厚が20μmになる様にキャストした後、85℃で真空乾燥を行って溶媒を取り除いて電解質層形成した以外は同様にして、表示素子6を作製した。
上記表示素子6の作製において、電極1をガラス基板からポリエチレンナフタレート基板に変更し、電極2と貼り合わせた後、120℃、1.5MPaの条件で、1時間のラミネート処理を行った以外は同様にして、表示素子7を作製した。
表示素子7の作製において、電解液に例示化合物(A−109)0.2gを加え、ポリフッ化ビニリデンを同量のポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)に変更した以外は同様にして、表示素子8を作製した。対向電極間に±1.5Vを加えた所、白、黒、シアンに着色し、多色表示が行えることが確認できた。
表示素子7の作製において、電解液に例示化合物(1−137)を0.2gを加えた以外は同様にして、表示素子8を作製した。対向電極間に±1.5Vを加えた所、白、マゼンタ、黒に着色し、多色表示が行えることが確認できた。
〔色調変動耐性の評価〕
上記作製した各表示素子について、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dを用い、D65光源において、黒表示時のL*値が65となる様な駆動条件を求めた後、この駆動条件で白化させたときのL*値、a*値、b*値を測定し、それぞれL1、a1、b1とした。その後、該駆動条件で白化−黒化の操作を1000回駆動させ、その後再度白化させたときのL*値、a*値、b*値を測定し、それぞれL2、a2、b2とした。
Claims (7)
- 対向電極間に、金属塩化合物を含む電解質を含有し、該金属塩化合物が含む金属元素の還元析出、酸化溶解を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行う表示素子であって、該電解質がポリフッ化ビニリデン化合物と、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする表示素子。
一般式(1)
R7−S−R8
〔式中、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。但し、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
- 前記電解質に含まれるハロゲンイオンのモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる金属塩化合物の金属の総モル濃度を[M](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
式(1)
0≦[X]/[M]≦0.01 - 前記電解質がエレクトロクロミック化合物を含有し、該対向電極の駆動操作により、該エレクトロクロミック化合物の酸化及び還元反応による色変化、及び該対向電極の少なくとも一方への該金属塩化合物が含有する金属元素の還元析出及び酸化溶解による色変化を用いて、黒表示、白表示及び黒以外の着色表示により3色以上の多色表示を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
- 前記電解質が、有機溶媒を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示素子。
- 前記電解質を前記対向電極の少なくとも一方にキャストし、前記対向電極のもう一方を電解質の上に張り合わせ、その後、65℃以上、180℃以下の熱処理を行って、前記電解質を前記対向電極に密着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
- 前記対向電極の少なくとも一方が、樹脂基板上に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示素子。
- 前記金属塩化合物の金属が、銀であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示素子。
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JP2009020261A (ja) | 2009-01-29 |
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