JP2003043526A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JP2003043526A
JP2003043526A JP2001226557A JP2001226557A JP2003043526A JP 2003043526 A JP2003043526 A JP 2003043526A JP 2001226557 A JP2001226557 A JP 2001226557A JP 2001226557 A JP2001226557 A JP 2001226557A JP 2003043526 A JP2003043526 A JP 2003043526A
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conductive
electrochromic
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transparent
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JP2001226557A
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English (en)
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Keizo Igai
慶三 猪飼
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な電極間隔を有するセルを作製するため
にビーズなどのスペーサー材料のセル内への配置を必ず
しも必須としないエレクトロクロミック素子を提供す
る。 【解決手段】 2枚の導電性基板にイオン伝導層が挟持
されているエレクトロクロミック素子であって、前記導
電性基板のうち一方が透明導電性基板、他方が非透明の
導電性基板であり、導電性基板の少なくとも一方にエレ
クトロクロミック層を有し、前記イオン伝導層が、ポリ
フッ化ビニリデン系高分子マトリックス中に、(a)支
持電解質および溶媒、(b)常温溶融塩、および(c)
常温溶融塩および溶媒、から選ばれる少なくとも1種以
上のイオン伝導性物質を含有してなるイオン伝導性シー
トであることを特徴とするエレクトロクロミック素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な構成のエレ
クトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種調光素子や表示素子等に
応用されるエレクトロクロミック素子としては、種々の
ものが提案されている。例えば、透明導電性基板(透明
導電膜付透明基板)、酸化発色型(または還元発色型)
エレクトロクロミック膜、電解質、対極基板が順次設け
らた構成の素子や、透明導電性基板、エレクトロクロミ
ック化合物を含有する電解質、対極基板が順次設けられ
ている素子などが代表的な構成として挙げられる。エレ
クトロクロミック素子を作製する場合は、特開昭63−
139321号公報や特開平2−155173号公報な
どに開示されている公知の方法で作製することができ
る。つまり、2枚の電極を均一な間隔で保持したセルを
作製し、電解液を注入・硬化する工程が用いられてい
る。しかしながら、この方法では均一な電極間隔を有す
るセルを作製するためには、ビーズなどのスペーサー材
料をセル内に配置する必要があり、このスペーサー材料
が視覚的な快適さを低減させるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状に鑑み成されたものであり、均一な電極間隔を有する
セルを作製するためにビーズなどのスペーサー材料のセ
ル内への配置を必ずしも必須としないエレクトロクロミ
ック素子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のよう
な従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定のイオン伝導性シートを用いたエレクトロクロミック
素子が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は2枚の導電性基板
にイオン伝導層が挟持されているエレクトロクロミック
素子であって、前記導電性基板のうち一方が透明導電性
基板、他方が非透明の導電性基板であり、導電性基板の
少なくとも一方にエレクトロクロミック層を有し、前記
イオン伝導層が、ポリフッ化ビニリデン系高分子マトリ
ックス中に、(a)支持電解質および溶媒、(b)常温
溶融塩、および(c)常温溶融塩および溶媒、から選ば
れる少なくとも1種以上のイオン伝導性物質を含有して
なるイオン伝導性シートであることを特徴とするエレク
トロクロミック素子に関する。さらには、一方の導電性
基板の導電面上に導電性微粒子をバインダーで結着した
部材が配置されていることを特徴とする前記記載のエレ
クトロクロミック素子に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のエレクトロクロミック素子は、2枚の導
電性基板にイオン伝導層が挟持されているエレクトロク
ロミック素子であって、前記導電性基板の少なくとも一
方にエレクトロクロミック層を有し、前記イオン伝導層
が、ポリフッ化ビニリデン系高分子マトリックス中に、
(a)支持電解質および溶媒、(b)常温溶融塩、およ
び(c)常温溶融塩および溶媒、から選ばれる少なくと
も1種以上のイオン伝導性物質を含有してなるイオン伝
導性シートであることを特徴とする。
【0006】まず、本発明のイオン伝導性シートについ
て説明する。本発明のイオン伝導性シートは、特定の高
分子化合物からなる高分子マトリックス中に、(a)支
持電解質および溶媒、(b)常温溶融塩、および(c)
常温溶融塩および溶媒、から選ばれる少なくとも1種以
上のイオン伝導性物質を含有してなることを特徴とす
る。本発明のイオン伝導性シートにおいては、(a)支
持電解質と溶媒、(b)常温溶融塩、(c)常温溶融塩
と溶媒、から選ばれる少なくとも1種以上のイオン伝導
性物質、あるいはさらに所望により添加する他の成分
が、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物からなる高分
子マトリックス中に保持されることによって固体状態ま
たはゲル状態が形成される。
【0007】本発明において高分子マトリックスとして
使用するポリフッ化ビニリデン系高分子化合物として
は、フッ化ビニリデンの単独重合体、あるいはフッ化ビ
ニリデンと他の重合性モノマー、好適にはラジカル重合
性モノマーとの共重合体を挙げることができる。フッ化
ビニリデンと共重合させる他の重合性モノマー(以下、
共重合性モノマーという。)としては、具体的には、ヘ
キサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフ
ロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、スチレンなどを例示
することができる。
【0008】これらの共重合性モノマーは、モノマー全
量に対して1〜50mol%、好ましくは1〜25mo
l%の範囲で使用することができる。共重合性モノマー
としては、好適にはヘキサフロロプロピレンが用いられ
る。本発明においては、特にフッ化ビニリデンにヘキサ
フロロプロピレンを1〜25mol%共重合させたフッ
化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を高分
子マトリックスとするイオン伝導性フィルムとして好ま
しく用いることができる。また共重合比の異なる2種類
以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重
合体を混合して使用しても良い。
【0009】また、これらの共重合性モノマーを2種類
以上用いてフッ化ビニリデンと共重合させることもでき
る。例えば、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレ
ン+テトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン+テトラ
フロロエチレン+エチレン、フッ化ビニリデン+テトラ
フロロエチレン+プロピレンなどの組み合わせで共重合
させて得られる共重合体を使用することもできる。
【0010】さらに、本発明においては高分子マトリッ
クスとしてポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポ
リアクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル
系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から
選ばれる高分子化合物を1種類以上混合して使用するこ
ともできる。このときの混合割合は、ポリフッ化ビニリ
デン系高分子化合物100質量部に対して、前記高分子
化合物を通常200質量部以下混合することができる。
【0011】本発明において用いられるポリフッ化ビニ
リデン系高分子化合物の数平均分子量は、通常10,0
00〜2,000,000であり、好ましくは100,
000〜1,000,000の範囲のものが好適に使用
することができる。
【0012】次に、イオン伝導性物質について説明す
る。本発明のイオン伝導性物質としては、(a)支持電
解質および溶媒、(b)常温溶融塩、および(c)常温
溶融塩および溶媒、から選ばれる少なくとも1種以上の
イオン伝導性物質が用いられる。本発明において用いら
れる支持電解質としては、電気化学の分野又は電池の分
野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類が使用でき
る。
【0013】塩類としては、特に制限はなく、例えば、
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン
塩;4級アンモニウム塩;環状4級アンモニウム塩;4
級ホスホニウム塩などが使用でき、特にLi塩が好まし
い。塩類の具体例としては、ハロゲンイオン、SC
-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3SO2
2-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -、CH3
COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C25SO
23-から選ばれる対アニオンを有するLi塩、Na
塩、あるいはK塩が挙げられる。またハロゲンイオン、
SCN-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO3 -、(CF3
22-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -
CH3COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C2
5SO23-から選ばれる対アニオンを有する4級アン
モニウム塩、具体的には、(CH34NBF4、(C2
54NBF4、(n−C494NBF4、(C254
Br、(C254NClO4、(n−C494NCl
4、CH3(C253NBF4、(CH32(C25
2NBF 4、(CH34NSO3CF3、(C254NS
3CF3、(n−C494NSO3CF3、さらには、
【0014】
【化1】
【0015】等が挙げられる。またハロゲンイオン、S
CN-、ClO4 -、BF4 -、CF3SO 3 -、(CF3
22-、(C25SO22-、PF6 -、AsF6 -
CH3COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C2
5SO23-から選ばれる対アニオンを有するホスホニ
ウム塩、具体的には、(CH34PBF4、(C254
PBF4、(C374PBF4、(C494PBF4
が挙げられる。また、これらの混合物も好適に用いるこ
とができる。
【0016】酸類も特に限定されず、無機酸、有機酸な
どが使用でき、具体的には硫酸、塩酸、リン酸類、スル
ホン酸類、カルボン酸類などが使用できる。アルカリ類
も特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなどがいずれも使用可能である。
【0017】支持電解質の使用量は任意であるが、一般
的には、支持電解質は溶媒中に上限としては20M以
下、好ましくは10M以下、さらに好ましくは5M以下
存在していることが望ましく、下限としては通常0.0
1M以上、好ましくは0.05M以上、さらに好ましく
は0.1M以上存在していることが望ましい。またイオ
ン伝導性シート中に、上限値として20質量%以下、好
ましくは10質量%以下、下限値としては、0.01質
量%以上、好ましくは0.1質量%以上含有することが
好ましい。
【0018】次に、本発明において用いる溶媒について
説明する。本発明において、(a)成分および(c)成
分における溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に
用いられる溶媒であればいずれも使用することができ
る。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、
テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロ
メタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレ
ンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタ
ン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニ
トリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミ
ド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオ
キソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリ
エチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、
リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへ
キシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リ
ン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(ト
リフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチ
ル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及
びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメ
チルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリ
ル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、
ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、
ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチル
スルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリ
メチル、リン酸トリエチルが好ましい。溶媒はその1種
を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使
用しても良い。
【0019】溶媒の使用量は特に制限はないが、通常、
イオン伝導性シート中に20質量%以上、好ましくは5
0質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であ
り、かつ98質量%以下、好ましくは95質量%以下、
さらに好ましくは90質量%以下の量で含有させること
ができる。
【0020】本発明に用られる常温溶融塩について説明
する。本発明において、(b)成分および(c)成分に
おける常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対
のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)
イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下で
あり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からな
る塩を示す。常温溶融塩はその1種を単独で使用するこ
とができ、また2種以上を混合しても使用することもで
きる。常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが
挙げられる。
【0021】
【化2】
【0022】(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましく
は2〜10のアルキル基を示す。X-はハロゲンイオ
ン、SCN-、ClO4 -、BF4 -、(CF3SO2
2-、(C2 5SO22-、PF6 -、AsF6 -、CH3
COO-、CH3(C64)SO3 -、および(C25SO
23-から選ばれる対アニオンを表す。)
【0023】
【化3】
【0024】(ここで、R1およびR2は各々炭素数1
〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル
基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のア
ラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互
いに同一でも異なっても良い。また、X-は対アニオン
を示し、具体的にはハロゲンイオン、SCN-、ClO4
-、BF4 -、(CF3SO22-、(C25SO2
2-、PF6 -、AsF6 -、CH3COO-、CH3(C6
4)SO3 -、(C25SO23-、F(HF)2.3 -など
を示す。)
【0025】
【化4】
【0026】(ここで、R1、R2、R3、R4は、各
々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、
またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異
なってもよい。また、X-は対アニオンを示し、具体的
にはハロゲンイオン、SCN-、ClO4 -、BF4 -
(CF3SO22-、(C25SO22-、PF6 -
AsF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -
(C25SO23-、F(HF)2.3 -など示す。)
【0027】常温溶融塩の使用量は特に制限はないが、
通常、イオン伝導シート中に0.1質量%以上、好まし
くは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上で
あり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以
下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させる
ことができる。
【0028】本発明のイオン伝導性シートには、更に他
の成分を含有させることができる。含有させることがで
きる他の成分としては、紫外線吸収剤を挙げることがで
きる。用いることができる紫外線吸収剤としては、特に
限定されないが、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合
物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物等の有機紫外線
吸収剤が代表的な物として挙げられる。
【0029】ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物と
しては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物
が好適に挙げられる。
【0030】
【化5】
【0031】一般式(1)において、R81は、水素原
子、ハロゲン原子または炭素数1〜10、好ましくは1
〜6のアルキル基を示す。ハロゲン原子としてはフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。アルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロ
ヘキシル基等を挙げることができる。R81の置換位置
は、ベンゾトリアゾール骨格の4位または5位である
が、ハロゲン原子およびアルキル基は通常4位に位置す
る。R82は、水素原子または炭素数1〜10、好ましく
は1〜6のアルキル基を示す。アルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙
げることができる。R83は、炭素数1〜10、好ましく
は1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン
基、トリメチレン基、プロピレン基等を挙げることがで
き、またアルキリデン基としては、例えば、エチリデン
基、プロピリデン基等が挙げられる。
【0032】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−
ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエ
チル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸、3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
ベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、3−(5−クロロ−2H−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチ
ルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸オク
チルエステル等が挙げられる。
【0033】ベンゾフェノン骨格を有する化合物として
は、例えば、下記の一般式(2)〜(4)で示される化
合物が好適に挙げられる。
【0034】
【化6】
【0035】上記一般式(2)〜(4)において、
92、R93、R95、R96、R98、及びR 99は、互いに同
一もしくは異なる基であって、ヒドロキシル基、炭素数
1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基またはアルコ
キシ基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、及びシクロヘキシル基を挙げること
ができる。またアルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、
及びブトキシ基を挙げることができる。R91、R94、及
びR97は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキ
レン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基とし
ては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、及びプロピレン基を挙げることができる。アルキリ
デン基としては、例えば、エチリデン基、及びプロピリ
デン基が挙げられる。p1、p2、p3、q1、q2、
及びq3は、それぞれ別個に0乃至3の整数を表す。
【0036】上記一般式(2)〜(4)で表されるベン
ゾフェノン骨格を有する化合物の好ましい例としては、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カ
ルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシベ
ンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾ
フェノン等が挙げられる。もちろん、これらを二種以上
組み合わせて使用することができる。
【0037】紫外線吸収剤の使用は任意であり、また使
用する場合の使用量も特に制限されるものではないが、
使用する場合はイオン伝導性シート中に0.1質量%以
上、好ましくは1質量%以上であり、20質量%以下、
好ましくは10質量%以下の範囲の量で含有させること
が望ましい。
【0038】次に本発明のイオン伝導性シートを製造す
る方法について説明する。本発明のイオン伝導性シート
は、前記のイオン伝導性物質、および所望により紫外線
吸収剤等の任意成分を高分子マトリックス成分中に配合
することにより得られる混合物を、公知の方法によりシ
ートに成形することにより得ることが出来る。この場合
の成形方法としては特に限定されず、押出し成型、キャ
スト法によるフィルム状態で得る方法などを挙げること
ができる。押出し成型については常法により行うことが
でき、高分子マトリックスと電解液を混合し、過熱溶融
した後、フィルム成型することが行われる。キャスト法
については、高分子マトリックスと電解液を混合し、さ
らに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、キャスト法に用
いられる通常のコータにて塗布し、乾燥することで成膜
することができる。コータとしては、ドクタコータ、ブ
レードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバース
ロールコータ、グラビアコータ、スプレイコータ、カー
テンコータを用いることができ、粘度および膜厚により
使い分けることができる。
【0039】本発明におけるイオン伝導性シートは、イ
オン伝導度が、通常室温で1×10 -7S/cm以上、好
ましくは1×10-6S/cm以上、さらに好ましくは1
×10-5S/cm以上を示す。イオン伝導度は、複素イ
ンピーダンス法などの一般的な手法で求めることができ
る。イオン伝導性シートの厚さは、エレクトロクロミッ
ク素子の用途により適宜選択され、特に限定されない
が、下限としては、通常1μm以上、好ましくは10μ
m以上であり、上限としては通常3mm以下、好ましく
は1mm以下である。
【0040】また、本発明のイオン伝導性シートは、自
立性を有していることが望ましい。その場合、通常、2
5℃におけるその引張弾性率が5×104N/m2以上、
好ましくは1×105N/m2以上、最も好ましくは5×
105N/m2以上である特性を有することが望ましい。
なお、この引張弾性率は、通常用いられる引張り試験機
で、2cm×5cmの短冊状サンプルによって測定を行
った場合の値である。
【0041】次に導電性基板について説明する。本発明
の導電性基板のうち、一方は透明導電基板であり、他方
は非透明の導電基板である。導電性基板は、素子の電極
としての機能を果たすものであり、従って、導電性基板
には、基板自体を導電性材料で製造したものと、導電性
を持たない基板の片面又は両面に電極層を積層させて導
電性を付与した積層板が包含される。導電性を備えてい
るか否かに拘らず、基板自体は常温において平滑な面を
有していることが好ましいが、その面は平面であって
も、曲面であっても差し支えなく、応力で変形するもの
であっても差し支えない。また、非透明の導電基板とし
ては、光を反射できる反射性導電性基板であってもよ
く、非反射性の導電性基板であってもよい。一般に、1
枚を透明導電性基板とし、もう1枚を非反射性の非透明
導電性基板としたものは表示素子に好適であり、1枚を
透明導電性基板とし、もう1枚を反射性導電性基板とし
たものはエレクトロクロミックミラーに適しているが、
これに限らず用途により適宜その組み合わせが選択され
るものである。
【0042】透明導電性基板は、通常透明基板上に透明
電極層を積層させて製造される。本発明において透明と
は、可視光領域において10〜100%の光透過率を有
することを意味する。透明基板の材質は特に限定され
ず、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等で
あって差し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂で
もよい。透明性樹脂の具体例としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミ
ド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン等が挙げられる。
【0043】透明電極層としては、例えば金、銀、クロ
ム、銅、タングステンなどの金属薄膜、金属酸化物から
なる導電膜などが挙げられる。金属酸化物としては、例
えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化亜鉛や、これらに微量成
分をドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In23
Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO
2:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(Zn
O:Al))などが好適なものとして用いられる。
【0044】膜厚は通常、100〜5000μm、好ま
しくは500〜3000μmである。また、表面抵抗
(抵抗率)は、本発明の基板の用途により適宜選択され
るところであるが、通常、0.5〜500Ω/sq、好
ましくは2〜50Ω/sqである。
【0045】透明電極膜の形成法としては、特に限定さ
れなく、導電層として用いる前述の金属や金属酸化物の
種類により適宜公知の方法が選択使用されるところであ
るが、通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、C
VDあるいはスパッタリング法などが用いられる。いず
れの場合も基板温度20〜700℃の範囲内で形成され
るのが望ましい。
【0046】非透明の導電性基板としては、上記した透
明導電性基板に使用される透明基板を透明でない各種プ
ラスチック、ガラス、木材、石材などを素材とする基板
に置き換えることで、透明導電性基板と同様な方法で製
造することができる。
【0047】本発明において非透明の導電性基板として
使用可能な反射性導電性基板としては、(1)導電性を
持たない透明又は不透明な基板上に反射性電極層を積層
させた積層体、(2)導電性を持たない透明基板の一方
の面に透明電極層を、他方の面に反射層を積層させた積
層体、(3)導電性を持たない透明基板上に反射層を、
その反射層上に透明電極層を積層させた積層体、(4)
反射板を基板とし、これに透明電極層を積層させた積層
体、および(5)基板自体が光反射層と電極層の両方の
機能を備えた板状体などが例示できる。
【0048】上記反射性電極層とは、鏡面を有し、しか
も電極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜を
意味する。そのような薄膜としては、例えば、金、白
金、タングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、
イリジウム、銀、ニッケル、クロム、ロジウム、又はパ
ラジウム等の金属膜や、白金−パラジウム、白金−ロジ
ウム、銀−パラジウム、銀−パラジウム−銅、又はステ
ンレス等の合金膜が挙げられる。このような鏡面を備え
た薄膜の形成には、任意の方法を採用可能であって、例
えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを適宜採用することができる。
【0049】反射性電極層を設ける基板は透明である
か、不透明であるかを問わない。従って、反射性電極層
を設ける基板としては、先に例示した透明基板の他、透
明でない各種のプラスチック、ガラス、木材、石材等が
使用可能である。上記反射板または反射層とは、鏡面を
有する基板又は薄膜を意味し、これには、例えば、銀、
クロム、アルミニウム、ステンレス、ニッケル−クロム
等の板状体又はその薄膜が含まれる。なお、上記した反
射性電極層自体が剛性を備えていれば、基板の使用を省
略することができる。
【0050】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、導電性基板の少なくとも一方にはエレクトロクロ
ミック層を有している。本発明におけるエレクトロクロ
ミック層を構成する材料としては、酸化発色型エレクト
ロクロミック性化合物、還元発色型エレクトロクロミッ
ク性化合物のいずれでもよく、金属酸化物の無機化合
物、各種有機エレクトロクロミック性化合物などが挙げ
られるが、特に限定されない。具体的には、酸化タング
ステン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化イリジ
ウム、酸化チタンなどの遷移金属酸化物やこれらを任意
の割合で含む酸化膜が挙げられる。また、成膜方法はゾ
ルゲル法、電気化学的方法などの湿式法や蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ
ーディポジションなどの真空成膜方式を用いることがで
きる。また、有機エレクトロクロミック性化合物として
は、ポリチオフェン、オリゴチオフェン、ポリピロー
ル、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリア
ニリンや、ビオロゲン、金属フタロシアニン、ピラゾリ
ン、フェニレンジアミン、フェナジン、フェノキサジ
ン、フェノチアジン、テトラチアフルバレン及びフェロ
セン、またはこれらの誘導体等のエレクトロクロミック
化合物を含有する高分子が挙げられる。もちろん、これ
らの化合物を二種以上組み合わせて使用することもで
き、また膜形成方法も公知の方法により製造することが
できる。
【0051】本発明におけるエレクトロクロミック層の
厚さは、エレクトロクロミック化合物の種類やその他の
素子構成により適宜選択されるところであるが、通常
0.2μm〜2μm、好ましくは、0.3μm〜0.6
μm程度が望ましい。
【0052】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、エレクトロクロミック層を有する導電性基板と対
向する導電性基板の導電面上に導電性微粒子をバインダ
ーで結着した部材が配置されていることが好ましい。
【0053】かかる導電性微粒子は、通常10-8S・c
-1以上、好ましくは10-5S・cm-1以上、さらに好
ましくは10-2S・cm-1以上の導電性を示す物質であ
ることが望ましい。また、これらの導電性微粒子は、通
常、1ファラッド/g以上、好ましくは5ファラッド/
g以上、さらに好ましくは10ファラッド/g以上の電
気容量を有するか、または1クローン/g以上、好まし
くは5クーロン/g以上、さらに好ましくは10クロー
ン/g以上の電荷量を蓄え得ることができるものが望ま
しい。このような微粒子を構成する材料物質としては、
具体的には例えば多孔質カーボン、インターカレション
材料、導電性高分子化合物又はこれらの混合物等が挙げ
られる。
【0054】本発明の1ファラッド/g以上の電気容量
を有する導電性微粒子としては、例えば表面積が10m
2/g以上、好ましくは50〜5000m2/g、特に好
ましくは300〜4000m2/gの範囲内の多孔質カ
ーボン等が挙げられ、特に活性炭等を好ましく挙げるこ
とができるがこれに限定されるものではない。このよう
な活性炭は、例えば、やしがら、石油ピッチ、フェノー
ル樹脂、レーヨン繊維、ポリアクリロニトリル繊維等を
炭化賦活処理する方法等により得ることができる。
【0055】本発明の1クローン/g以上の電荷量を蓄
え得る導電性微粒子としては、インターカレーション材
料、導電性高分子化合物等が挙げられるが、特に印加電
圧3V以内で前記電荷量を蓄え得ることができる材料が
好ましい。前記インターカレション材料としては、公知
のTiS2、MoS2等の2硫化物;CoO2、NiO2
の2酸化物;W1849、W2058等の酸化物等を挙げる
ことができる。一方前記導電性高分子化合物としては、
ポリアリニン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフ
ェニレンビニレン、ポリアセン等を主成分とし、ドーピ
ング等を行なって得られる導電性高分子化合物等を挙げ
ることができる。
【0056】また、前記微粒子の粒径は、本発明の目的
を損なわない限り特に限定されないが、通常500μm
〜0.1μm、好ましくは200μm〜0.3μm、さ
らに好ましくは50μm〜0.5μmの範囲の平均粒径
が望ましい。
【0057】本発明のエレクトロクロミック素子の例と
しては、例えば、図1に示す断面を有するエレクトロク
ロミック素子を好ましく挙げることができる。この素子
は、透明基板31上に透明導電膜32及び該透明導電膜
32上に形成したエレクトロクロミック層33を備えた
基板Aと、対向電極基板として、透明基板41上に透明
導電膜42及び該透明導電膜42上に形成したエレクト
ロクロミック層43を備えた基板Bを有している。そし
て、両者の間隙はイオン伝導性シート51が満たされ、
周辺がシール材61で密封され、透明導電膜(32,4
2)はリード線により電源に接続されている。本発明の
エレクトロクロミック素子を製造する方法は、特に限定
されないが、通常、基板Aとイオン伝導性シートと基板
Bを積層し、周辺部を適宜シールすることにより容易に
製造することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミック素子は、
イオン伝導性シートと電極との密着性が改善されている
とともに、高いイオン伝導性、機械強度、経時安定性を
有するなどの優れた特性を有する。また、本発明のエレ
クトロクロミック素子は、簡便に製造することが可能と
なる。本発明のエレクトロクロミック素子は各種用途に
適用することができ、例えば、表示素子や防眩ミラー等
の可変反射率ミラー等に展開可能である。
【0059】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらになんら制限されるものではな
い。
【0060】[実施例1]ポリフッ化ビニリデン2gと
1mol/LのLiClO4のプロピレンカーボネート
溶液を5g添加し、アセトンにて希釈し加熱し均一溶液
を得た。このフィルムをポリテトラフルオロエチレン基
板上ドクターブレード法で塗布し、加熱乾燥をし、50
μm厚の均一なイオン伝導性シートを得た。シート抵抗
値10Ω/sqの25cm×7cmITOガラス(ガラ
ス基板上にITO膜を形成した透明導電性ガラス)のI
TO膜上へスパッタリング法でWO 3を成膜し、WO3
板を作製した。シート抵抗値10Ω/sqの25cm×
7cmITOガラスのITO膜上へスパッタリング法で
IrO2を成膜し、その基板の裏面にクロム金属膜(鏡
面膜)を成膜し、IrO2基板を作製した。WO3基板と
IrO2基板の間に24cm×6cmに切り出した上記
イオン伝導性シートを挟み,80℃のオーブンに10分
間圧着を行なった。次いで、対向する基板からリード線
を取り出し、セルの周囲をエポキシ接着剤(商品名「ハ
イクイック」:セメダイン(株)製)を常温にて塗布硬
化することによりシール(以下、エポキシシールとい
う。)し、エレクトロクロミックミラーを作製した。次
に、1.5Vの電圧をWO3側が負極となるように基板
間に印加すると速やかに着色し、反射率が大幅に低下し
た。一方、WO3側が正極となるように1.5Vを印加
すると初期の無色透明な状態へ戻り、繰り返し性の良好
なエレクトロクロミック特性を示した。なお、従来法で
は、電極基板を均一な間隔で保持させるためにビーズを
配置したセルに電解液を真空注入し、注入口を封じた後
に、光や熱などで電解液を硬化させ、エレクトロクロミ
ック素子を作製していたが、本発明の方法では、イオン
伝導性シートを用いるものであり、これ自体がビーズ的
な機能を有しているため、従来法のビーズに起因する光
の屈折などの問題も生ぜず、良好な外観を示した。
【0061】[実施例2]ポリ(フッ化ビニリデン−ヘ
キサフロロプロピレン)2gに1mol/LのLiBF
4のプロピレンカーボネート溶液を5g添加し、アセト
ンにて希釈し加熱し均一溶液を得た。このフィルムをポ
リテトラフルオロエチレン基板上ドクターブレード法で
塗布し、加熱乾燥をし、50μm厚の均一なイオン伝導
性シートを得た。シート抵抗値10Ω/sqの25cm
×7cmITOガラスのITO膜上へスパッタリング法
でWO3を成膜し、WO3基板を作製した。シート抵抗値
10Ω/sqの25cm×7cmITOガラスのITO
膜上へスパッタリング法でIrO2を成膜し、その基板
の裏面にクロム金属膜(鏡面膜)を成膜し、IrO2
板を作製した。WO3基板とIrO2基板の間に24cm
×6cmに切り出した上記イオン伝導性シートを挟み,
80℃のオーブンに10分間圧着を行なった。次いで、
対向する基板からリード線を取り出し、セルの周囲を実
施例1と同様にエポキシシールし、エレクトロクロミッ
クミラーを作製した。次に、1.5Vの電圧をWO3
が負極となるように基板間に印加すると速やかに着色
し、反射率が大幅に低下した。一方、WO3側が正極と
なるように1.5Vを印加すると初期の無色透明な状態
へ戻り、繰り返し性の良好なエレクトロクロミック特性
を示した。
【0062】[実施例3]対向電極の作製 活性炭粉末(商品名「YP17」:クラレ社製,表面積
1500m2/g,平均粒径30μm)8g、グラファ
イト(商品名「USSP」:日本黒鉛商事社製)4g、
及びシリコンレジン(商品名「RZ7703」:日本ユ
ニカー社製)34.3gに、ブチルセロソルブ24gを
加えて混合し、活性炭ペーストを調製した。次いで、ス
トライプ幅300μm,高さ120μmのストライプ部
材が全面積の15%になるように等間隔に配置されたス
クリーンを使用し,10Ω/sqの30cm×10cm
のITOガラスのITO膜上に、前記活性炭ペーストを
ストライプ部材として印刷し,その後180℃で90分
熱硬化させ,透明対向電極基板を作製した。イオン伝導性シートの成膜 ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン)2
gに1mol/LのLiBF4のプロピレンカーボネー
ト溶液を5g添加し、アセトンにて希釈し加熱し均一溶
液を得た。このフィルムをポリテトラフルオロエチレン
基板上ドクターブレード法で塗布し、加熱乾燥をし、2
50μm厚の均一なイオン伝導性シートを得た。シート
抵抗値10Ω/sqの30cm×10cmITOガラス
のITO膜上へスパッタリング法でWO3を成膜し、そ
の基板の裏面にクロム金属膜(鏡面膜)を成膜し、WO
3基板を作製した。WO3基板と透明対向電極基板の間に
29cm×9cmに切り出した上記イオン伝導性シート
を挟み,150℃のオーブンに30分間圧着を行なっ
た。次いで、対向する基板からリード線を取り出し、セ
ルの周囲を実施例1と同様にエポキシシールし、エレク
トロクロミックミラーを作製した。次に、1.5Vの電
圧をWO3側が負極となるように基板間に印加すると速
やかに着色し、反射率が大幅に低下した。一方、WO3
側が正極となるように1.5Vを印加すると初期の無色
透明な状態へ戻り、繰り返し性の良好なエレクトロクロ
ミック特性を示した。
【0063】[比較例1]エレクトロクロミック素子の作製 シート抵抗値10Ω/sqの30cm角のITOガラス
を2枚用い、ガラス基板のITO膜上へスパッタリング
法でWO3およびIrO2をそれぞれ成膜し、WO3基板
とIrO2基板を作製した。WO3基板とIrO2基板を
粒径が0.3mmのビーズを用いて基板間隔が均一にな
るように対向させ、注入口部分を除き、周辺をエポキシ
樹脂(実施例1と同一のもの)により5mm幅でシール
し、内部に電解液であるLiClO4のプロピレンカー
ボネート溶液(1M/リットル)を注入したのち、注入
口をエポキシ樹脂(実施例1と同一のもの)で封止し
た。次いで各基板のそれぞれにリード線を取り付け、エ
レクトロクロミック素子を作製した。次に、1.5Vの
電圧をWO3側が負極となるように基板間に印加すると
速やかに着色をした。一方、WO3側が正極となるよう
に1.5Vを印加すると初期の無色透明な状態へ戻り、
繰り返し性の良好なエレクトロクロミック特性を示し
た。しかし、特に消色状態においてこの素子の背景に白
色光源を配置し着消色面を観察したところ、ビーズに由
来する点状の欠陥が観測された。
【図面の簡単な説明】
【図1】エレクトロクロミック素子の断面を示す一例で
ある。
【符号の説明】 31,41 透明基板 32,42 透明導電膜 33,43 エレクトロクロミック層 51 イオン伝導性シート 61 シール材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の導電性基板にイオン伝導層が挟持
    されているエレクトロクロミック素子であって、前記導
    電性基板のうち一方が透明導電性基板、他方が非透明の
    導電性基板であり、導電性基板の少なくとも一方にエレ
    クトロクロミック層を有し、前記イオン伝導層が、ポリ
    フッ化ビニリデン系高分子マトリックス中に、(a)支
    持電解質および溶媒、(b)常温溶融塩、および(c)
    常温溶融塩および溶媒、から選ばれる少なくとも1種以
    上のイオン伝導性物質を含有してなるイオン伝導性シー
    トであることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 【請求項2】 一方の導電性基板の導電面上に導電性微
    粒子をバインダーで結着した部材が配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素
    子。
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