JP2003161963A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JP2003161963A JP2001364378A JP2001364378A JP2003161963A JP 2003161963 A JP2003161963 A JP 2003161963A JP 2001364378 A JP2001364378 A JP 2001364378A JP 2001364378 A JP2001364378 A JP 2001364378A JP 2003161963 A JP2003161963 A JP 2003161963A
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Takaya Kubo
貴哉 久保
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エレクトロクロミック層の膜物性に左右され
ることがなく、着消色応答性や耐久性などの素子性能を
改善したエレクトロクロミック素子を提供する。 【解決手段】 2枚の透明導電性基板31,37に、イ
オン伝導層が挟持されているエレクトロクロミック素子
であって、前記導電性基板のうち少なくとも一方にエレ
クトロクロミック層35を有しており、かつ、前記イオ
ン伝導層中に塩基性アミン化合物をイオン伝導層の質量
に対して1質量ppm〜10000質量ppm含有して
いることを特徴とするエレクトロクロミック素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク素子に関し、さらに詳しくは、表示素子、調光ガラス
などの各種用途に有用なエレクトロクロミック素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種調光素子や表示素子等に応用される
エレクトロクロミック素子には、種々のものがあり、例
えば、透明導電性基板、エレクトロクロミック層、電解
質、透明導電性基板(対極)が順次設けられているよう
な構成を代表的なものとして挙げることができる。この
ようなエレクトロクロミック素子において、基本的な素
子性能はエレクトロクロミック層の膜物性による影響が
大きい。例えば、エレクトロクロミック層として、還元
発色型エレクトロクロミック物質が用いられるケースで
は、酸化タングステン(WO3)膜が代表的であるが、
素子の着消色応答性、フォトクロミック性、耐久性など
の性能についてはWO3の膜物性による影響を受ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】WO膜は、通常、ス
パッタリング法、電子ビーム真空蒸着法などの真空成膜
法によって製造されることが多く、真空成膜時の環境・
条件の違いによって膜物性の変化が起こるという問題点
があった。また、WO膜は固体酸触媒能を有すること
が知られており、このため、使用条件やイオン伝導層の
種類によっては、イオン伝導層の構成部材が劣化すると
いう欠点があった。そのため、工業的な観点からは、エ
レクトロクロミック層の膜物性に左右されることがな
く、またエレクトロクロミック膜の固体酸触媒作用によ
る素子劣化を抑制でき、着消色応答性に優れると共に、
耐久性が向上したエレクトロクロミック素子の開発が望
まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エレクトロク
ロミック素子において、イオン伝導層に特定の塩基性物
質を添加することによって、エレクトロクロミック膜の
膜物性に左右されることがなく、着消色応答性や耐久性
などの素子性能を改善するとともに、エレクトロクロミ
ック層としてWO3層を使用した場合においても固体酸
触媒作用による素子劣化を抑制できることを見出したも
のである。すなわち、本発明は、2枚の透明導電性基板
に、イオン伝導層が挟持されているエレクトロクロミッ
ク素子であって、前記導電性基板のうち少なくとも一方
にエレクトロクロミック層を有しており、かつ、前記イ
オン伝導層中に塩基性アミン化合物をイオン伝導層の質
量に対して1質量ppm〜10000質量ppm含有し
ていることを特徴とするエレクトロクロミック素子に関
する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエレクトロクロミック素子には2枚の透明導電
性基板が使用される。ここで透明導電性基板とは、電極
としての機能を果たす透明な基板を意味する。本発明で
いう導電性基板には、基板自体を導電性材料で製造した
ものと、導電性を持たない基板の片面又は両面に電極層
を積層させた積層板が包含される。導電性を備えている
か否かに拘らず、基板自体は常温において平滑な面を有
していることが好ましいが、その面は平面であっても、
曲面であっても差し支えなく、応力で変形するものであ
っても差し支えない。一般に、2枚の導電性基板がいず
れも透明であるエレクトロクロミック素子は、表示素子
や調光ガラスに好適である。透明導電性基板は、通常、
透明基板上に透明電極層を積層させて製造される。ここ
で、透明とは可視光領域において10〜100%の光透
過率を有することを意味し、部分的に不透明な部分があ
ってもよい。
【0006】透明基板の材質は特に限定されず、例え
ば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等であって差
し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂でもよい。
ここでいう透明性樹脂の具体例としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミ
ド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン等が挙げられる。
【0007】透明電極層としては、本発明の目的を果た
すものである限り特に限定されないが、例えば金、銀、
クロム、銅、タングステンなどの金属薄膜、金属酸化物
からなる導電膜などが挙げられる。金属酸化物として
は、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化バナジウムや、こ
れらに微量成分をドープしたIndium Tin Oxide(ITO
(In23:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(F
TO(SnO2:F))、Aluminum doped Zinc Oxide
(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用
いられる。電極層の膜厚は通常、100〜5000μ
m、好ましくは500〜3000μmである。また、表
面抵抗(抵抗率)は、本発明の基板の用途により適宜選
択されるところであるが、通常、0.5〜500Ω/s
q、好ましくは2〜50Ω/sqである。
【0008】透明電極層の形成法としては、特に限定さ
れなく、導電層として用いる前述の金属や金属酸化物の
種類により適宜公知の方法が選択使用されるところであ
るが、通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、C
VDあるいはスパッタリング法、ゾルゲル法などが用い
られる。いずれの場合も基板温度20〜700℃の範囲
内で形成されるのが望ましい。
【0009】本発明においては、導電性基板の少なくと
も一方に無機エレクトロクロミック層を有することを特
徴とする。エレクトロクロミック層は導電性基板上の導
電性を具備する面上に形成される。エレクトロクロミッ
ク層を構成する材料としては、酸化発色型エレクトロク
ロミック性化合物、還元発色型エレクトロクロミック性
化合物のいずれでもよく、金属酸化物の無機化合物、各
種有機エレクトロクロミック性化合物などが挙げられ、
特に限定されないが、特に無機エレクトロクロミック化
合物が好ましい。具体的には、酸化タングステン(WO
3)、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化イリジウ
ム、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化クロム、酸化マン
ガン、酸化コバルトなどの遷移金属酸化物やこれらを任
意の割合で含む酸化膜が挙げられる。
【0010】また、成膜方法はゾルゲル法、電気化学的
方法などの湿式法や蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、パルスレーザーディポジションなど
の真空成膜方式を用いることができる。エレクトロクロ
ミック層の厚さは特に限定されないが、通常0.1〜2
μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度が望ましい。
【0011】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、導電性基板の少なくとも一方にエレクトロクロミ
ック層を有するものであるが、エレクトロクロミック層
を有する導電性基板と対向する透明導電性基板として
は、(a)導電性基板を用いる形態、(b)他のエレク
トロクロミック層を有する導電性基板を用いる形態の
他、(c)導電性基板の導電面上に導電性微粒子をバイ
ンダーで結着した部材が対向電極基板全体として、対向
電極全体として必要とされる光透過性(または光反射
性)が損なわれない程度に配置されている形態が挙げら
れる。上記(c)の形態については、例えば、特開平6
―281970号公報、特開平10―239716号公
報等に具体的に記載されている。
【0012】導電性基板の両方にエレクトロクロミック
層を配置するケースにおいては、一方のエレクトロクロ
ミック層が酸化性エレクトロクロミック層の場合は、他
方には還元性エレクトロクロミック層を、一方のエレク
トロクロミック層が還元性エレクトロクロミック層の場
合は、他方には酸化性エレクトロクロミック層を用いる
ことが好ましい。例えば、一方のエレクトロクロミック
層が、酸化タングステン層の場合においては、他方(対
極側導電性基板)のエレクトロクロミック層としては、
特に限定されないが、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化
マンガン、酸化コバルト、酸化イリジウム、プルシアン
ブルー等が好適なものとして挙げられる。
【0013】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、エレクトロクロミック層を有する導電性基板と対
向する導電性基板の導電面上に導電性微粒子をバインダ
ーで結着した部材が配置されていることが好ましい。か
かる導電性微粒子は、通常10-8S・cm-1以上、好ま
しくは10-5S・cm-1以上、さらに好ましくは10-2
S・cm-1以上の導電性を示す物質であることが望まし
い。また、これらの導電性微粒子は、通常、1ファラッ
ド/g以上、好ましくは5ファラッド/g以上、さらに
好ましくは10ファラッド/g以上の電気容量を有する
か、または1クローン/g以上、好ましくは5クーロン
/g以上、さらに好ましくは10クローン/g以上の電
荷量を蓄え得ることができるものが望ましい。
【0014】このような微粒子を構成する材料物質とし
ては、例えば、多孔質カーボン、インターカレション材
料、導電性高分子化合物又はこれらの混合物等が挙げら
れる。本発明の1ファラッド/g以上の電気容量を有す
る導電性微粒子としては、例えば、表面積が通常、10
2/g以上、好ましくは50〜5000m2/g、特に
好ましくは300〜4000m2/gの範囲内の多孔質
カーボン等が挙げられ、特に活性炭等を好ましく挙げる
ことができるがこれに限定されるものではない。このよ
うな活性炭は、例えば、やしがら、石油ピッチ、フェノ
ール樹脂、レーヨン繊維、ポリアクリロニトリル繊維等
を炭化賦活処理する方法等により得ることができる。
【0015】本発明の1クローン/g以上の電荷量を蓄
え得る導電性微粒子としては、インターカレーション材
料、導電性高分子化合物等が挙げられるが、特に印加電
圧3V以内で前記電荷量を蓄え得ることができる材料が
好ましい。前記インターカレション材料としては、公知
のTiS2、MoS2等の二硫化物;CoO2、NiO2
の二酸化物;W1849、W2058等の酸化物等を挙げる
ことができる。一方、前記導電性高分子化合物として
は、ポリアリニン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リフェニレンビニレン、ポリアセン等を主成分とし、ド
ーピング等を行なって得られる導電性高分子化合物等を
挙げることができる。また、前記微粒子の粒径は、本発
明の目的を損なわない限り特に限定されないが、通常5
00μm〜0.1μm、好ましくは200μm〜0.3
μm、さらに好ましくは50μm〜0.5μmの範囲の
平均粒径が望ましい。
【0016】次に、イオン伝導層について説明する。一
般に、エレクトロクロミック素子におけるイオン伝導層
は、室温において1×10-7S/cm以上のイオン伝導
度を有し、エレクトロクロミック層を着色、消色、変色
させる役割を果たす。こうしたイオン伝導層は、液系イ
オン伝導性物質、ゲル化液系イオン伝導性物質あるいは
固体系イオン伝導性物質のいずれかを用いて形成するこ
とができるが、特に固体系イオン伝導性物質を使用する
ことが望ましい。
【0017】液系イオン伝導性物質 液系イオン導電性物質は、塩類、酸類、アルカリ類等の
支持電解質を溶媒に溶解して調製される。溶媒として
は、電気化学セルや電池に一般に使用される溶媒が、い
ずれも使用可能である。具体的には、無水酢酸、メタノ
ール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカ
ーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタ
ン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホ
ラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタ
ロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリ
ル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメ
チルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、トリメ
チルホスフェイト、ポリエチレングリコール等が使用可
能であって、特に、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタ
ン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラ
ン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキ
シアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロ
リジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スル
ホラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチレングリコ
ール等の有機極性溶媒が好ましい。溶媒はその1種を単
独で使用でき、また2種以上を混合しても使用できる。
【0018】溶媒の使用量は特に制限はないが、通常、
溶媒はイオン伝導層の20質量%以上、好ましくは50
質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上を占め、
その上限値は98質量%、好ましくは95質量%、さら
に好ましくは90質量%の値にある。
【0019】支持電解質としては、電気化学の分野又は
電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類が
使用できる。
【0020】塩類としては、特に制限はなく、例えば、
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン
塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4
級ホスホニウム塩などが使用できる。塩類の具体例とし
ては、LiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAs
6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、N
aSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、K
SCN、KCl等のアルカリ金属塩;(CH34NBF
4、(C254NBF4、(n−C494NBF4
(C254NBr、(C 254NClO4、(n−C4
94NClO4、CH3(C253NBF4、(C
32(C252NBF4
【0021】
【化1】
【0022】等の4級アンモニウム塩;(CH34PB
4、(C254PBF4、(C374PBF4、(C4
94PBF4等のホスホニウム塩またはこれらの混合
物が好適なものとして挙げられる。
【0023】酸類も特に限定されず、具体的には硫酸、
塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類などの各
種の無機酸および有機酸が使用できる。アルカリ類も特
に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムなどがいずれも使用可能である。
【0024】支持電解質は、使用しても使用しなくても
良く、また使用する場合の使用量は任意であるが、一般
的には、支持電解質はイオン伝導層中に通常20M以
下、好ましくは10M以下、さらに好ましくは5M以下
で、0.01M以上、好ましくは0.05M以上、さら
に好ましくは0.1M以上存在していることが望まし
い。
【0025】ゲル化液系イオン伝導性物質 ゲル化液系イオン伝導性物質は、上記した液系イオン伝
導性物質を増粘又はゲル化させた物質を意味し、このも
のは液系イオン伝導性物質にさらにポリマー又はゲル化
剤を配合して調製される。これに使用されるポリマー
は、特に限定されず、例えば、ポリアクリロニトリル、
カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、
ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミ
ド、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレンオキサ
イド、ナフィオンなどが使用できる。ゲル化剤も特には
限定されず、オキシエチレンメタクリレート、オキシエ
チレンアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル
アミド、寒天などが使用できる。
【0026】固体系イオン伝導性物質 固体系イオン伝導性物質は、室温で固体であり、かつイ
オン伝導性を有する物質を指し、これには、ポリエチレ
ンオキサイド、オキシエチレン(メタ)アクリレートの
ポリマー、ナフィオン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
エーテル系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン系ポリマー
等のフッ素系ポリマー、Li3N、Na-β-Al23
Sn(HPO42・H2O等を使用することができる。
このほか、オキシアルキレンメタクリレート系化合物、
オキシアルキレンアクリレート系化合物またはウレタン
アクリレート系化合物を重合することによって得られる
高分子化合物に、支持電解質を分散させた高分子固体電
解質が使用可能である。
【0027】前記高分子固体電解質の第1の例として
は、下記一般式(1)で示されるウレタンアクリレー
ト、前記有機極性溶媒、及び前記支持電解質を含む組成
物を前駆体とし、この前駆体を固化することにより得ら
れる高分子固体電解質が挙げられる。
【0028】
【化2】
【0029】一般式(1)において、R1及びR2は同一
又は異なる基であって、下記一般式(2)〜(4)から
選ばれる基を示す。R3及びR4は同一又は異なる基であ
って、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2価炭化
水素残基を示す。Yはポリエーテル単位(−O−)、ポ
リエステル単位(−COO−)、ポリカーボネート単位
(−OCOO−)又はこれらの単位が2以上結合した混
合単位を示す。また、mは1〜100、好ましくは1〜
50、さらに好ましくは1〜20の範囲の整数を示す。
【0030】
【化3】
【0031】一般式(2)〜(4)において、R5〜R7
はそれぞれ同一又は異なる基であって、水素原子又は炭
素数1〜3のアルキル基を示す。またR8は炭素数1〜
20、好ましくは炭素数2〜8の2価有機残基を示す。
9は炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜8の3価
有機残基を示す。R10は炭素数1〜20、好ましくは炭
素数2〜8の4価有機残基を示す。
【0032】一般式(1)のR3及びR4で示される2価
炭化水素残基としては、鎖状2価炭化水素基、芳香族炭
化水素基、含脂環炭化水素基等が挙げられる。前記一般
式(1)で示されるウレタンアクリレートの分子量は、
特に制限されないが、好ましくは2,500〜30,0
00、より好ましくは3,000〜20,000が望ま
しい。
【0033】有機極性溶媒の添加量はウレタンアクリレ
ート100質量部に対して通常100〜1200質量
部、好ましくは200〜900質量部の割合である。有
機極性溶媒の添加量が少なすぎると、イオン伝導度も十
分ではなく、また有機極性溶媒の添加量が多すぎると機
械強度が低下してしまう場合がある。
【0034】支持電解質としては、本発明の高分子固体
電解質の用途等その目的により適宜選択され、本発明の
目的を損なわない限り、特に限定されないが、前記に例
示したものが好適なものとして挙げられる。添加量とし
ては有機極性溶媒に対し0.1〜30質量%好ましくは
1〜20質量%である。
【0035】また本発明の目的を損なわない限り、さら
に別の成分を必要に応じて加えることができる。かかる
任意成分としては、例えば架橋剤や重合開始剤(光又は
熱)、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0036】前記高分子固体電解質の第2の例として
は、下記一般式(5)で表される単官能アクリロイル変
性ポリアルキレンオキシド、多官能アクリロイル変性ポ
リアルキレンオキシド、前記有機極性溶媒、及び前記支
持電解質を含む組成物を前駆体とし、この前駆体を固化
することにより得られる高分子固体電解質が挙げられ
る。
【0037】
【化4】
【0038】一般式(5)において、R11、R12、R13
及びR14は、各々個別に水素原子又は1〜5の炭素原子
を有するアルキル基であり、互いに同一でも異なっても
よく、特にR11は水素原子、メチル基、R12は水素原
子、メチル基、R13は水素原子、メチル基、R14は水素
原子、メチル基、エチル基が好ましい。また、一般式
(5)のnは1以上の整数を示し、好ましくは1〜10
0、より好ましくは2〜50、さらに好ましくは2〜3
0の範囲の整数を示す。また、nが2以上の場合、オキ
シアルキレンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オ
キシアルキレンユニットを持つものでもよい。本発明に
使用される多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキ
シドとしては、好適なものとして、一般式(6)で示さ
れる化合物、いわゆる2官能アクリロイル変性ポリアル
キレンオキシド、及び一般式(7)で示される化合物、
いわゆる3官能以上の多官能アクリロイル変性ポリアル
キレンオキシド等が挙げられる。
【0039】
【化5】
【0040】一般式(6)において、R15、R16、R17
及びR18は、各々個別に水素原子又は1〜5の炭素原子
を有するアルキル基を示し、pは1以上の整数を示す。
一般式(7)において、R19、R20及びR21は、各々個
別に水素原子又は1〜5の炭素原子を有するアルキル基
を示し、qは1以上の整数を示し、rは2〜4の整数で
あり、Lはr価の連結基を示す。また連結基Lは、通
常、炭素数1〜30、好ましくは1〜20のニ価、三価
又は四価の炭化水素基である。
【0041】もちろん、前記一般式(6)で示される2
官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドと前記一
般式(7)で表される3官能以上の多官能アクリロイル
変性ポリアルキレンオキシドを併用してもよい。一般式
(6)で示される化合物と一般式(7)で示される化合
物を併用する場合、その質量比は通常0.1/99.9
〜99.9/0.1、好ましくは1/99〜99/1、
さらに好ましくは20/80〜80/20の範囲が望ま
しい。本発明に使用される一般式(5)で示される化合
物と多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドの
質量比は通常1/0.001〜1/1、好ましくは1/
0.05〜1/0.5の範囲である。
【0042】前記有機極性溶媒の配合割合としては、一
般式(5)で示される化合物及び多官能アクリロイル変
性ポリアルキレンオキシドの質量和に対して通常50〜
800質量%、好ましくは100〜500質量%の範囲
が望ましい。また、前記支持電解質の配合割合は、一般
式(5)で示される化合物、多官能アクリロイル変性ポ
リアルキレンオキシド及び有機極性溶媒の質量和に対し
て通常1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%の範
囲である。
【0043】また本発明の目的を損なわない限り、さら
に別の成分を必要に応じて加えることができる。かかる
任意成分としては、特に限定されないが、光重合のため
の光重合開始剤あるいは熱重合するための熱重合開始
剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。重合開始剤
の使用量は、一般式(5)で示される化合物及び多官能
アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドの質量和に対
して通常0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜
3質量%の範囲である。
【0044】本発明においてイオン伝導層の膜厚は特に
限定されないが、通常20μm〜1mm、好ましくは5
0〜500μmの範囲が好ましい。
【0045】本発明においては、イオン伝導層中に塩基
性アミン化合物をイオン伝導層の質量に対して1質量p
pm〜10000質量ppm含有していることを特徴と
する。本発明における塩基性アミン化合物とは、イオン
伝導層においてプロトン受容体として働くアミン化合物
をいう。これらのアミン化合物としては、通常、25
℃、水溶液中での共役酸のpKaが4〜12、好ましく
は5〜11の範囲にあるものを挙げることができる。
【0046】塩基性アミン化合物の種類は特に限定され
なく、種々のものを用いることができる。かかる塩基性
アミン化合物としては、第1アミン(RNH2)、第2
アミン(R2NH)、第3アミン(R3N)またはこれら
の誘導体を例示することができる。また、これらのモノ
アミン類の他、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等
のポリアミンも例示することができる。前記Rとして
は、各々個別に、炭素数1〜20、好ましくは1〜10
の炭化水素基を表し、各々同一でも異なってもよい。か
かる炭化水素基としては、鎖状、分岐状、環状、飽和、
不飽和のいずれでもよく、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリー
ル基などを例示することができ、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、シクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ナ
フチル基などを挙げることができる。
【0047】具体的な化合物としては、例えば、トリエ
チルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリフェニル
アミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、テトラメ
チルエチレンジアミン、テトラメチルベンジジン、N,
N’−ジフェニルベンジジン、ジエチルアミン、ジフェ
ニルアミン、メチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ジヘキシルアミン、フェニルアミン、2−ナフチ
ルアミン、ピリジン、4,4’−ビピリジル、2,2’
−ビピリジル、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、
4−ジメチルアミノピリジン、キノリン、2−メチルキ
ノリン、キナゾリン、1,3,5−トリアジン、1,
2,4−トリアゾール、イミダゾール、アニリン、N−
メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2,3−
ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、ピロー
ル、カルバゾール、N−メチルカルバゾール、ピペリジ
ン、1−メチルピペリジン、ピペラジン、1−メチルピ
ペラジン、1,4−ジメチルピペラジン等が挙げられ
る。特にトリエチルアミン、トリフェニルアミン、ピリ
ジン、4,4’−ビピリジル、2,6−ルチジンなどの
第3級アミンが好ましい。
【0048】塩基性アミン化合物の量としては、イオン
伝導層の質量に対して1質量ppm〜10000質量p
pmである。さらに好ましくは10〜5000質量pp
mであり、特に好ましくは50〜1000質量ppmで
ある。塩基性アミン化合物の含有量が1質量ppmより
少ない場合は、添加効果が十分でなく、また、塩基性ア
ミン化合物の含有量が10000質量ppmより多い場
合は、WO3膜が溶出する等の悪影響を与える現象が起
こるおそれがあり好ましくない。
【0049】イオン伝導層中に塩基性アミン化合物を配
合することにより、エレクトロクロミック層の膜物性に
左右されることがなく、エレクトロクロミック素子の耐
久性の大幅な向上等の優れた効果を発現することができ
るが、これは固体酸触媒能を有するエレクトロクロミッ
ク層を用いた場合のイオン伝導層の加水分解反応を抑制
する作用があるものと推定される。
【0050】本発明のエレクトロクロミック素子として
は、例えば図1に示す例を挙げることができる。この素
子は、透明基板31上に透明導電膜32、及び該透明導
電膜32上に形成した導電性微粒子をバインダーで結着
させたストライプ部材11(又はドット部材11’)を
適当な間隔で均等に配置形成した対向電極を備える。こ
の対向電極の正面図を図2又は図3に示す。図2及び図
3において、2は透明基板上の透明導電膜を示す。この
対向電極に対向する他方側には、透明基板37上に透明
導電膜36を形成した電極に、還元発色型(または酸化
発色型)エレクトロクロミック膜35を形成した発色電
極が形成されている。そして、両者の間隙は電解質34
で満たされ、周辺がシール材38で密封され、透明導電
膜(32,36)がバスパー40を介してリード線によ
り電源39に接続されている。本発明のエレクトロクロ
ミック素子の作製において、エレクトロクロミック膜を
配置したエレクトロクロミック発色電極と対向電極とを
対向させる方法及びバスパーの配置方法は特に限定され
ず、エレクトロクロミック素子の使用形態により各種手
法が可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミック素子は、
イオン伝導層中に塩基性アミン化合物を所定量含有させ
ることにより、エレクトロクロミック素子の耐久性を大
幅に改善することができ、具体的にはエレクトロクロミ
ック素子の経時使用における透明性低下を抑止すること
ができたものである。また、本発明のエレクトロクロミ
ック素子においては、エレクトロクロミック層の膜物性
に左右されないため、耐熱性試験での着消色応答性の変
化を抑制することができた。従って、本発明のエレクト
ロクロミック素子は、耐久性が要求される用途に使用可
能であり、例えば建築物や車両の窓や間仕切り、各種調
光素子、さらには文字表示素子、防眩ミラー、装飾素子
など種々の用途にも使用することができる。
【0052】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0053】(実施例1) 《エレクトロクロミック発色電極の作製》10cm×1
0cmのITOガラス上に厚さ500nmとなるように
酸化タングステンを蒸着し、エレクトロクロミック発色
電極を作製した。
【0054】《対向電極基板の作製》活性炭粉末(商品
名「YP17」、クラレ社製、表面積1500m2
g)8g、グラファイト((商品名「USSP」、日本
黒鉛商事社製)4g、およびシリコンワニス(商品名
「7931」、オキツモ社製)26.7gにブチルセロ
ソルブ25gを加えて混合し、活性炭ペーストを調製し
た。次いで、ストライプ幅500μm、高さ100μm
のストライプ部材が全面積の20%になるように等間隔
に配置されたスクリーンを使用し、10cm×10cm
のITOガラス上に前記活性炭ペーストをストライプ部
材として印刷し、その後180℃で90分熱硬化させ、
対向電極を作製した。
【0055】《イオン伝導層前駆体の調製》LiClO
4を1mol/Lの濃度でγ−ブチロラクトンに溶解し
た溶液(1MのLiClO4/GBL溶液)5.0g、
2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール(CIBA−GEIGY社製 TINUVIN
P)0.03g、およびトリエチルアミン(pKa=1
0.72)0.003gを混合して均一溶液を得た。
【0056】《エレクトロクロミック素子の作製》前記
エレクトロクロミック発色電極と前記対向電極基板とを
間隔0.3mmで対向させ、周辺をエポキシ樹脂でシー
ルした。内部に前記電解液を真空注入して注入口をエポ
キシ樹脂で封止した。次いでエレクトロクロミック電極
および対向電極基板のそれぞれにリード線を接続して素
子を作製した。得られた素子の性能評価を下記の試験に
基づいて評価した。
【0057】《着消色応答性評価》前記エレクトロクロ
ミック素子を着消色した時の視感度透過率(Tv)の変
化を測定した。Tvの測定は朝日分光社製の視感度透過
率計MODEL304で行った。着色の際は、エレクト
ロクロミック発色電極側が負極、対向電極側が正極にな
るようにして20mA(規制電圧1.5V)の電流を流
した。Tvが20%に到達したら消色モードに移行し、
エレクトロクロミック発色電極側が正極、対向電極側が
負極になるようにして20mA(規制電圧1.0V)の
電流を流した。前記エレクトロクロミック素子を80℃
で1000時間放置したが、素子の透明性は変わらなか
った。また、着消色応答性を評価した結果、消色応答性
は全く変化していなかった。
【0058】(実施例2) 《エレクトロクロミック発色電極の作製》10cm×1
0cmのITOガラス上に厚さ500nmとなるように
酸化タングステンを蒸着し、エレクトロクロミック発色
電極を作製した。
【0059】《対向電極基板の作製》活性炭粉末(商品
名「YP17」、クラレ社製、表面積1500m2
g)8g、グラファイト((商品名「USSP」、日本
黒鉛商事社製)4g、およびシリコンワニス(商品名
「7931」、オキツモ社製)26.7gにブチルセロ
ソルブ25gを加えて混合し、活性炭ペーストを調製し
た。次いで、ストライプ幅500μm、高さ100μmの
ストライプ部材が全面積の20%になるように等間隔に
配置されたスクリーンを使用し、10cm×10cmの
ITOガラス上に前記活性炭ペーストをストライプ部材
として印刷し、その後180℃で90分熱硬化させ、対
向電極を作製した。
【0060】《イオン伝導層前駆体の調製》LiBF4
を1mol/Lの濃度でプロピレンカーボネートに溶解
した溶液(1MのLiBF4/PC溶液)4.0g、メ
トキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新
中村化学工業株式会社製 M40GN[オキシエチレン
ユニット数4])1.0g、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート(新中村化学工業株式会社製 4G[オ
キシエチレンユニット数4])0.02g、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン0.02g、2−(5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(CIBA
−GEIGY社製 TINUVIN P)0.03g、および
ピリジン(pKa=5.42)0.006gを混合して
均一溶液を得た。
【0061】《エレクトロクロミック素子の作製》前記
エレクトロクロミック発色電極と前記対向電極基板とを
間隔0.3mmで対向させ、周辺をエポキシ樹脂でシー
ルした。内部に前記電解液を真空注入して注入口をエポ
キシ樹脂で封止し、一晩蛍光灯を照射して電解液をゲル
化させた。次いで、エレクトロクロミック電極および対
向電極基板のそれぞれにリード線を接続して素子を作製
した。得られた素子の性能評価を下記の試験に基づいて
評価した。
【0062】《着消色応答性評価》前記エレクトロクロ
ミック素子を着消色した時の視感度透過率(Tv)の変
化を測定した。Tvの測定は朝日分光社製の視感度透過
率計MODEL304で行った。着色の際は、エレクト
ロクロミック発色電極側が負極、対向電極側が正極にな
るようにして20mA(規制電圧1.5V)の電流を流
した。Tvが20%に到達したら消色モードに移行し、
エレクトロクロミック発色電極側が正極、対向電極側が
負極になるようにして20mA(規制電圧1.0V)の
電流を流した。前記エレクトロクロミック素子を80℃
で1000時間放置したが、素子の透明性は変わらなか
った。また、着消色応答性を評価した結果、消色応答性
は全く変化していなかった。
【0063】(実施例3) 《エレクトロクロミック発色電極の作製》10cm×1
0cmのITOガラス上に厚さ500nmとなるように
酸化タングステンを蒸着し、エレクトロクロミック発色
電極を作製した。
【0064】《対向電極基板の作製》10cm×10c
mのITOガラス上に、厚さ5000Åとなるように酸
化イリジウムを蒸着し、対向電極基板を作製した。
【0065】《イオン伝導層前駆体の調製》LiBF4
を1mol/Lの濃度でγ−ブチロラクトンに溶解した
溶液(1MのLiBF4/GBL溶液)4.0g、メト
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中
村化学工業株式会社製 M40GN[オキシエチレンユ
ニット数4])1.0g、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート(新中村化学工業株式会社製 4G[オキ
シエチレンユニット数4])0.02g、1−(4−イ
ソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン0.02g、2−(5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(CIBA−
GEIGY社製 TINUVIN P)0.03g、およびピ
リジン 0.005gを混合して均一溶液を得た。
【0066】《エレクトロクロミック素子の作製》前記
エレクトロクロミック発色電極と前記対向電極基板とを
間隔0.3mmで対向させ、周辺をエポキシ樹脂でシー
ルした。内部に前記電解液を真空注入して注入口をエポ
キシ樹脂で封止し、一晩蛍光灯を照射して電解液をゲル
化させた。次いで、エレクトロクロミック電極および対
向電極基板のそれぞれにリード線を接続して素子を作製
した。得られた素子の性能評価を下記の試験に基づいて
評価した。
【0067】《着消色応答性評価》前記エレクトロクロ
ミック素子を着消色した時の視感度透過率(Tv)の変
化を測定した。Tvの測定は朝日分光社製の視感度透過
率計MODEL304で行った。着色の際は、エレクト
ロクロミック発色電極側が負極、対向電極側が正極にな
るようにして20mA(規制電圧1.5V)の電流を流
した。Tvが20%に到達したら消色モードに移行し、
エレクトロクロミック発色電極側が正極、対向電極側が
負極になるようにして20mA(規制電圧1.0V)の
電流を流した。前記エレクトロクロミック素子を80℃
で1000時間放置したが、素子の透明性は変わらなか
った。また、着消色応答性を評価した結果、消色応答性
は全く変化していなかった。
【0068】(比較例1) 《エレクトロクロミック発色電極の作製》10cm×1
0cmのITOガラス上に厚さ500nmとなるように
酸化タングステンを蒸着し、エレクトロクロミック発色
電極を作製した。
【0069】《対向電極基板の作製》活性炭粉末(商品
名「YP17」、クラレ社製、表面積1500m2
g)8g、グラファイト((商品名「USSP」、日本
黒鉛商事社製)4g、およびシリコンワニス(商品名
「7931」、オキツモ社製)26.7gにブチルセロ
ソルブ25gを加えて混合し、活性炭ペーストを調製し
た。次いで、ストライプ幅500μm、高さ100μmの
ストライプ部材が全面積の20%になるように等間隔に
配置されたスクリーンを使用し、10cm×10cmの
ITOガラス上に前記活性炭ペーストをストライプ部材
として印刷し、その後180℃で90分熱硬化させ、対
向電極を作製した。
【0070】《電解液の調製》1MのLiBF4/GB
L溶液5.0g、および2−(5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール(CIBA−GEI
GY社製 TINUVINP)0.03gを混合して均一溶液
を得た。
【0071】《エレクトロクロミック素子の作製》前記
エレクトロクロミック発色電極と前記対向電極基板とを
間隔0.3mmで対向させ、周辺をエポキシ樹脂でシー
ルした。内部に前記電解液を真空注入して注入口をエポ
キシ樹脂で封止した。次いで、エレクトロクロミック電
極および対向電極基板のそれぞれにリード線を接続して
素子を作製した。得られた素子の性能評価を下記の試験
に基づいて評価した。
【0072】《着消色応答性評価》前記エレクトロクロ
ミック素子を着消色した時の視感度透過率(Tv)の変
化を測定した。Tvの測定は朝日分光社製の視感度透過
率計MODEL304で行った。着色の際は、エレクト
ロクロミック発色電極側が負極、対向電極側が正極にな
るようにして20mA(規制電圧1.5V)の電流を流
した。Tvが20%に到達したら消色モードに移行し、
エレクトロクロミック発色電極側が正極、対向電極側が
負極になるようにして20mA(規制電圧1.0V)の
電流を流した。前記エレクトロクロミック素子を80℃
で1000時間放置した結果、イオン伝導層が加水分解
され、透明性が低下した。また、着消色応答性を評価し
た結果、消色応答性が低下していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロクロミック素子の一実施形
態を示す断面図である。
【図2】対向電極の正面図の一例である。
【図3】対向電極の正面図の一例である。
【符号の説明】
31、37:透明基板 2、32、36:透明導電性膜 11:ストライプ部材 11’:ドット部材 34:電解質 35:エレクトロクロミック層 38:シール材 39:駆動電源 40:バスパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦谷 禎範 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社内 Fターム(参考) 2K001 AA02 AA08 AA10 BA09 BB28 BB30 CA20 CA37 CA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の透明導電性基板に、イオン伝導層
    が挟持されているエレクトロクロミック素子であって、
    前記導電性基板のうち少なくとも一方にエレクトロクロ
    ミック層を有しており、かつ、前記イオン伝導層中に塩
    基性アミン化合物をイオン伝導層の質量に対して1質量
    ppm〜10000質量ppm含有していることを特徴
    とするエレクトロクロミック素子。
  2. 【請求項2】 前記エレクトロクロミック層が酸化タン
    グステンからなることを特徴とする請求項1記載のエレ
    クトロクロミック素子。
  3. 【請求項3】 前記塩基性アミン化合物が第3アミンで
    あることを特徴とする請求項1記載のエレクトロクロミ
    ック素子。
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