JP2003270670A - エレクトロクロミック装置 - Google Patents

エレクトロクロミック装置

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JP2003270670A
JP2003270670A JP2002073151A JP2002073151A JP2003270670A JP 2003270670 A JP2003270670 A JP 2003270670A JP 2002073151 A JP2002073151 A JP 2002073151A JP 2002073151 A JP2002073151 A JP 2002073151A JP 2003270670 A JP2003270670 A JP 2003270670A
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JP
Japan
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semiconductor
layer
electrochromic device
electrochromic
dye
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JP2002073151A
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English (en)
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Kiyoshi Fujimoto
潔 藤本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルカラー化が容易であり、メモリー性に優
れ、応答速度、発色効率及び繰り返し耐久性が大幅に向
上したEC装置の提供。 【解決手段】 半導体ナノ多孔質層を少なくとも一方の
表面に形成した一対の透明電極を、該半導体ナノ多孔質
層同士が対向するように配置した間に、電解質層を挟持
し、前記電解質中に、電気化学的な酸化反応及び還元反
応の少なくとも一方により可逆的に発色又は消色する少
なくとも1種のEC色素が含有されてなる態様、又はE
C色素が半導体ナノ多孔質層に担持されてなる態様を備
えたエレクトロクロミック装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロクロミ
ック装置に関し、特に、フルカラー化が容易であり、メ
モリー性に優れ、応答速度及び繰り返し耐久性が大幅に
向上したエレクトロクロミック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック(以下「EC」と
略称する)装置、例えばEC表示装置は、偏光板等が不
要であるので視野角依存性がなく受光型で視認性に優れ
る、電気化学的酸化還元反応により可逆的に発色又は消
色する前記EC材料を含む電解質と一対の電極とを少な
くとも有すれば成立するので構造が簡単であり大型化が
容易である、前記EC材料の選択により多様な色調が得
られる、電子の移動を遮断し酸化還元状態を保持するだ
けで表示状態を静止できるのでメモリー性に優れ、しか
もその表示状態を維持するのに電力が不要であるので消
費電力が少ない、等の種々の利点があることから各種分
野において応用されてきている。
【0003】例えば、ガラス基板上に、透明電極層(陰
極)、三酸化タングステン薄膜層(EC層)、二酸化珪
素のような絶縁層、電極層(陽極)を順次積層してなる
全固体型EC素子が、特公昭52−46098号公報に
開示されている。このEC素子は電圧(着色電圧)を印
加すると、三酸化タングステン(WO)薄膜層が青色
に着色する。その後、このEC素子に極性が逆の電圧
(消色電圧)を印加すると、三酸化タングステン薄膜層
の青色が消えて、無色に戻る。この着色消色する機構は
詳しく解明されてはいないが、WO薄膜層及び絶縁層
(イオン導電層)の中に含まれる少量の水分がWO
膜層の着色消色を支配していると理解される。
【0004】近時、例えば、特開平9−120088号
公報、特開平7−152050号公報、特開平6−24
2474号公報等に示されているように、一対の電極上
に前記EC材料を蒸着し、該電極間に支持塩と溶媒とを
封入したEC表示装置や、一対の電極間に前記EC材料
と支持塩と溶媒とを封入したEC表示装置など、各種の
EC表示装置が提案されてきている。
【0005】しかしながら、これらのEC表示装置にお
いては、発色・消色に物質(イオン)の移動を伴うの
で、応答速度が上げ難いという重大な問題があり、特に
後者のEC表示装置の場合には、発色物質の拡散による
滲みが発生してしまい、高精細な画像表示が困難である
という問題がある。このため、例えば、特開2000−
19567号公報においては、後者のEC表示装置にお
いて高分子固体電解質を用いることが提案されている
が、加熱等しても十分なイオン伝導度が得られず、応答
性に劣るという問題がある。
【0006】したがって、フルカラー化が容易であり、
メモリー性に優れ、応答速度、発色効率及び繰り返し耐
久性が大幅に向上したEC装置は未だ提供されていない
のが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的
とする。即ち、本発明は、構造が簡単で製造が容易であ
り、フルカラー化が容易であり、メモリー性に優れ、応
答速度、発色効率及び繰り返し耐久性が大幅に向上した
EC装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 比表面積が1〜5000m/gである半導体
ナノ多孔質層を少なくとも一方の表面に形成した一対の
透明電極を、該半導体ナノ多孔質層同士が対向するよう
に配置した間に、電解質層を挟持してなるエレクトロク
ロミック装置であって、前記電解質中に、電気化学的な
酸化反応及び還元反応の少なくとも一方により可逆的に
発色又は消色する少なくとも1種のエレクトロクロミッ
ク色素が含有されてなることを特徴とするエレクトロク
ロミック装置である。 <2> 比表面積が1〜5000m/gである半導体
ナノ多孔質層を少なくとも一方の表面に形成した一対の
透明電極を、該半導体ナノ多孔質層同士が対向するよう
に配置した間に、電解質層を挟持してなるエレクトロク
ロミック装置であって、前記半導体ナノ多孔質層に電気
化学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方により
可逆的に発色又は消色するエレクトロクロミック色素が
担持されてなることを特徴とするエレクトロクロミック
装置である。 <3> 前記半導体ナノ多孔質層に含まれる半導体微粒
子が、平均粒径が0.1〜1000nmの球形粒子であ
る前記<1>又は<2>に記載のエレクトロクロミック
装置である。 <4> 前記半導体ナノ多孔質層に含まれる半導体微粒
子が、アスペクト比が2〜50000の棒状又はチュー
ブ状粒子である前記<1>又は<2>に記載のエレクト
ロクロミック装置である。 <5> 前記半導体ナノ多孔質層の少なくとも一方が多
層構造に形成されている前記<1>から<4>のいずれ
かに記載のエレクトロクロミック装置である。 <6> 両方の半導体ナノ多孔質層が多層構造である前
記<5>に記載のエレクトロクロミック装置である。 <7> 150〜200℃の低温焼成により半導体ナノ
多孔質層を積層してなる前記<5>又は<6>に記載の
エレクトロクロミック装置である。 <8> 多層構造の半導体ナノ多孔質層の各層毎に異な
るエレクトロクロミック色素が担持されている前記<5
>から<7>のいずれかに記載のエレクトロクロミック
装置である。 <9> 更に電荷移動剤が、電解質層中に含まれている
前記<1>から<8>のいずれかに記載のエレクトロク
ロミック装置である。 <10> 電荷移動剤が、前記半導体ナノ多孔質層に担
持されている前記<2>から<9>のいずれかに記載の
エレクトロクロミック装置である。 <11> 半導体ナノ多孔質層に含まれる半導体微粒子
が、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半
導体、複合体酸化物半導体及びこれらの混合物から選ば
れる前記<1>から<10>のいずれかに記載のエレク
トロクロミック装置である。 <12> 複合体酸化物半導体が、SnO−ZnO、
Nb−SrTiO、Nb−Ta
Nb−ZrO、Nb−TiO、Ti−
SnO、Zr−SnO、In−SnO及びBi−
SnOから選ばれる前記<11>に記載のエレクトロ
クロミック装置である。 <13> 前記エレクトロクロミック色素を半導体ナノ
多孔質層に担持させる前に熱処理を施してなる前記<2
>から<12>のいずれかに記載のエレクトロクロミッ
ク装置である。 <14> 半導体ナノ多孔質層の厚みが100μm以下
である前記<1>から<13>のいずれかに記載のエレ
クトロクロミック装置である。 <15> エレクトロクロミック色素が、有機化合物及
び金属錯体から選ばれる前記<1>から<14>のいず
れかに記載のエレクトロクロミック装置である。 <16> 平地混合による面積階調法、平地混合による
濃度階調法、積層混合による面積階調法及び積層混合に
よる濃度階調法から選ばれるいずれかの方法でフルカラ
ー化された前記<1>から<15>のいずれかに記載の
エレクトロクロミック装置である。 <17> 到達透過率又は到達吸光度となるまでの応答
速度が100msec以下である前記<1>から<16
>のいずれかに記載のエレクトロクロミック装置であ
る。
【0009】前記<1>に記載のEC装置は、比表面積
が1〜5000m/gである半導体ナノ多孔質層を少
なくとも一方の表面に形成した一対の透明電極を、該半
導体ナノ多孔質層同士が対向するように配置した間に、
電解質層を挟持し、前記電解質中に、電気化学的な酸化
反応及び還元反応の少なくとも一方により可逆的に発色
又は消色する少なくとも1種のEC色素が含有されてい
る。該EC装置においては、透明電極の表面に形成され
た半導体ナノ多孔質層の表面及び内部の微細孔のすみず
みまで電解質層中のEC色素が効率よく浸透し、これに
より応答速度が大幅に向上すると共に、電極面積の拡大
が図れ、電極上の色素量の増大により、発色効率(より
低い印加電圧で、より速く所望の発色濃度に到達させる
こと)が向上する。
【0010】前記<2>に記載のEC装置は、比表面積
が1〜5000m/gである半導体ナノ多孔質層を少
なくとも一方の表面に形成した一対の透明電極を、該半
導体ナノ多孔質層同士が対向するように配置した間に、
電解質層を挟持し、前記半導体ナノ多孔質層に、電気化
学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方により可
逆的に発色又は消色する少なくとも1種のEC色素が担
持されている。該EC装置においては、透明電極の表面
に形成された半導体ナノ多孔質層の表面及び内部の微細
孔にEC色素が担持され、固定化されているので、発色
・消色に物質(イオン)の移動を伴うことがないので、
拡散による物質移動の時間をなくすことができ、これに
より応答速度が大幅に向上すると共に、電極面積の拡大
が図れ、電極上の色素量の増大により、発色効率が向上
する。
【0011】前記<3>に記載のEC装置は、前記<1
>又は<2>において、半導体ナノ多孔質層に含まれる
半導体微粒子が、平均粒径が0.1〜1000nmの球
形粒子であることにより、比表面積の大きな半導体ナノ
多孔質層の多孔質構造の形成に寄与し得る。
【0012】前記<4>に記載のEC装置は、前記<1
>又は<2>において、半導体ナノ多孔質層に含まれる
半導体微粒子が、アスペクト比が2〜50000の棒状
又はチューブ状粒子であることにより、比表面積の大き
な半導体ナノ多孔質層の多孔質構造の形成に寄与し得
る。
【0013】前記<5>に記載のEC装置は、前記<1
>から<4>のいずれかにおいて、半導体ナノ多孔質層
の少なくとも一方が多層構造に形成されているので、発
色強度を増強させることができると共に、各層毎に異な
るエレクトロクロミック色素を担持させて容易にフルカ
ラー化を達成し得る。
【0014】前記<7>に記載のEC装置は、前記<5
>又は<6>において、150〜200℃の低温焼成で
半導体ナノ多孔質層を積層することにより、多層構造の
半導体ナノ多孔質層を効率よく形成することができ、A
E素子の黒発色や電子ペーパーや表示装置のフルカラー
化が可能となる。
【0015】前記<8>に記載のEC装置は、前記<5
>から<7>のいずれかにおいて、多層構造に形成した
半導体ナノ多孔質層の各層毎に異なるEC色素を担持さ
せることにより、フルカラー化を容易に達成することが
できる。
【0016】前記<9>に記載のEC装置は、前記<1
>又は<8>のいずれかにおいて、EC色素と電荷移動
剤を併用することにより、両者が電極上で同時に発色し
得、発色濃度が増大すると共に、酸化還元反応がスムー
ズに進行して、応答速度が向上する。
【0017】前記<11>のEC装置は、前記<1>か
ら<10>のいずれかにおいて、半導体ナノ多孔質層に
含まれる半導体微粒子として、単体半導体、酸化物半導
体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体及
びこれらの混合物を用いることにより、表面及び内部に
微細孔を有する半導体ナノ多孔質層が形成し得、EC色
素の吸着量が増大して応答速度及び発色効率が向上する
ものである。
【0018】前記<13>のEC装置は、前記<2>か
ら<12>のいずれかにおいて、EC色素を半導体ナノ
多孔質層に担持させる前に熱処理を施すことにより、半
導体ナノ多孔質層表面に吸着した水分、その他の不純物
を除去し得ると共に、多孔質層表面を活性化し得、EC
色素の吸着を効率よく行うことができる。
【0019】前記<14>に記載のEC装置は、前記<
1>から<13>のいずれかにおいて、半導体ナノ多孔
質層の厚みが100μm以下であることにより、透明性
を低下させることなく、吸着することができるEC色素
量を多くすることができ、発色効率を向上し得る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のEC装置は、比表面積が
1〜5000m/gである半導体ナノ多孔質層を少な
くとも一方の表面に形成した一対の透明電極を、該半導
体ナノ多孔質層同士が対向するように配置した間に、電
解質層を挟持してなり、(1)前記電解質層中にEC色
素が含有されてなるEC装置、(2)前記半導体ナノ多
孔質層にEC色素が担持されてなるEC装置、好ましく
は(3)EC色素が前記半導体ナノ多孔質層に担持され
ていると共に、前記電解質層中に含有されているEC装
置、である。
【0021】−半導体ナノ多孔質層− 前記半導体ナノ多孔質層は、一対の透明電極の少なくと
も一方、好ましくは両方の表面に形成され、表面積を大
きくするため、その表面及び内部に、EC色素、必要に
応じて電荷移動剤を担持可能な微細孔を有している。
【0022】前記半導体ナノ多孔質層の比表面積は、1
〜5000m/gであり、10〜2500m/gが
より好ましい。ここで、比表面積は窒素ガスの吸着量か
ら求めたBET比表面積を意味する。比表面積が小さす
ぎるとEC色素の吸着量を増大させることができなり、
本発明の目的を達成できなくなる。
【0023】前記半導体ナノ多孔質層は、一対の透明電
極の少なくとも一方、好ましくは両方が多層構造、例え
ば2〜4層構造に形成し、該多層構造の半導体ナノ多孔
質層毎に同一種類のEC色素を担持することにより、発
色強度を調整でき、発色強度を増強させることができ
る。また、多層構造の半導体ナノ多孔質層の各層毎に異
なる色(例えば青色、緑色、赤色の三原色)のEC色素
を担持させることによりフルカラー化を容易達成するこ
とができる。なお、前記多層構造の半導体ナノ多孔質層
は、後述する低温焼成により好適に形成することができ
る。
【0024】前記半導体ナノ多孔質層に含まれる半導体
微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができ、例えば、単体半導体、酸化物半導
体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、
又はこれらの混合物が挙げられ、これらにはドーパント
として不純物が含まれていてもよい。なお、半導体の形
態の制限は特になく、単結晶、多結晶、非晶質又はこれ
らの混合形態であってもよい。
【0025】前記単体半導体としては、例えば、シリコ
ン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、
などが挙げられる。
【0026】前記酸化物半導体は、金属酸化物で半導体
の性質を持つものであり、例えば、TiO,Sn
、Fe、SrTiO、WO、ZnO、Z
rO、Ta、Nb、V、In
、CdO、MnO,CoO、TiSrO、KTiO
、CuO、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウ
ム、ニオブ酸カリウム、などが挙げられる。
【0027】前記化合物半導体としては、例えば、カド
ミウムの硫化物、亜鉛の硫化物、鉛の硫化物、銀の硫化
物、アンチモンの硫化物、ビスマスの硫化物、カドミウ
ムのセレン化物、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル
化物、亜鉛のリン化物、ガリウムのリン化物、インジウ
ムのリン化物、カドミウムのリン化物、ガリウム−ヒ素
のセレン化物、銅−インジウムのセレン化物、銅−イン
ジウムの硫化物、などが挙げられる。
【0028】前記有機半導体としては、例えば、ポリチ
オフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニ
レンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、等が挙げら
れる。
【0029】前記複合体酸化物半導体としては、例え
ば、SnO−ZnO、Nb−SrTiO、N
−Ta、Nb−ZrO、Nb
−TiO、Ti−SnO、Zr−SnO、B
i−SnO、In−SnO、などが挙げられる。前
記SnO−ZnOは、比較的大きなZnO粒子(粒径
約0.2μm)を中心に周りをSnO超微粒子(粒径
約15nm)で被覆したものであり、両者の複合化は質
量比でSnO:ZnO=70:30〜30:70の範
囲であることが好ましい。前記Nb−SrTiO
、Nb−Ta、Nb−ZrO
及びNb−TiOなどのNb複合体は、
Nbとの質量比が8:2〜2:8となるように複
合化される。
【0030】前記半導体微粒子の形状は、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選定することができ、球形、ナノ
チューブ状、棒状、ウィスカー状のいずれの形状であっ
ても構わず、形状の異なる2種類以上の微粒子を混合す
ることもできる。前記球形粒子の場合には、平均粒径が
0.1〜1000nmが好ましく、1〜100nmがよ
り好ましい。なお、粒径分布の異なる2種類以上の微粒
子を混合しても構わない。また、前記棒状又はチューブ
状粒子の場合には、アスペクト比が2〜50000が好
ましく、5〜25000がより好ましい。
【0031】前記半導体ナノ多孔質層を形成する方法と
しては、特に制限はなく、半導体の種類に応じて適宜選
定することができ、例えば、金属陽極酸化法、陰極析出
法、スクリーン印刷法、ゾルゲル法、熱酸化法、真空蒸
着法、dc及びrfスパッタ法、化学気相堆積法、有機
金属化学気相堆積法、分子線堆積法、レーザーアブレー
ション法などが挙げられ、また、上記方法を組み合わせ
て前記半導体ナノ多孔質層を作製することもできる。
【0032】−酸化物半導体ナノ多孔質層の形成方法− 酸化物半導体(金属酸化物)ナノ多孔質層を形成する1
つの方法として、金属酸化物前駆体と、該金属酸化物前
駆体と相互作用する官能基を1種以上有する化合物とを
含む溶液中で、前記金属酸化物前駆体を反応させて複合
ゲルを生成し、金属酸化物微粒子からなるコロイドの分
散ゾルを得る第1の工程と、該ゾルを支持体に塗布し、
これを乾燥又は焼成して、前記透明絶縁基板上の透明導
電性膜上に微細孔を有する半導体ナノ多孔質層を形成す
る第2の工程とを含む方法が挙げられる(以下「複合ゲ
ル化法」ということもある)。
【0033】前記第1の工程では、拡散が規制されたゲ
ル中で金属酸化物微粒子の形成反応が進行するため、粗
大粒の形成や粒子の沈降が起こらず、粒径の小さな微粒
子が均一に分散したコロイド分散ゾル溶液を得ることが
できる。いわゆるゾルゲル法では、金属酸化物前駆体同
士が、例えば金属アルコキシドの場合、加水分解、脱水
縮合反応することでゲル化するが、この場合には、−M
−O−M−(ここで、Mは金属元素であり、Oは酸素元
素である。)の化学的強固な3次元結合のネットワーク
が形成され、再びゾル化させることはできず、一旦ゲル
化すると塗布等の手段による加工ができない。これに対
して前記金属酸化物前駆体と、該金属酸化物前駆体と相
互作用する化合物とを含む溶液中で、金属酸化物前駆体
を反応させて複合ゲルを得る方法では、金属酸化物前駆
体と相互作用する化合物の相互作用の性質を利用するこ
とで再びゾル化させることができ、優れた加工性を持た
せることが可能となる。
【0034】ここで、前記金属酸化物前駆体としては、
使用する溶媒に可溶である金属ハロゲン化物、金属錯化
合物、金属アルコキシド、金属カルボン酸塩あるいはキ
レート化合物等の金属化合物等が挙げられる。具体的な
化合物としては、例えば、TiCl(四塩化チタ
ン)、ZnCl(塩化亜鉛)、WCl(六塩化タン
グステン)、SnCl(塩化第一錫)、SrCl
(塩化ストロンチウム)等の金属ハロゲン化物、Ti
(NO(硝酸チタン)、Zn(NO(硝酸
亜鉛)、Sr(NO(硝酸ストロンチウム)等の
硝酸塩や、一般式M(OR)(但し、Mは金属元素、
Rはアルキル基、nは金属元素の酸化数である。)で表
される金属アルコキシド等が挙げられる。
【0035】前記金属アルコキシドとしては、例えば、
亜鉛ジエトキシド、タングステンヘキサエトキシド、バ
ナジルエトキシド、すずテトライソプロポキシド、スト
ロンチウムジイソプロポキシド等が挙げられる。
【0036】例えば、酸化チタンの金属酸化物層を形成
する場合、金属アルコキシドとしては、例えば、チタニ
ウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラノルマ
ルプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニ
ウムテトラノルマルブトキシド、チタニウムテトライソ
ブトキシド、チタニウムテトラターシャリーブトキシド
等が好ましく使用できる。
【0037】また、前記金属酸化物前駆体と相互作用す
る官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基等が挙げられる。また、金属酸化物前駆体と相
互作用する官能基としては、アミド酸構造のような前記
官能基を1種以上有するものでもよい。また、前記金属
酸化物前駆体と相互作用する官能基を1種以上有する化
合物は、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、
アミノ酸構造から選択される官能基を1種以上有する化
合物である。特に好ましくは高分子化合物である。この
ような低分子化合物の具体例としては、ジカルボン酸、
ジアミン、ジオール、ジアミド酸等が挙げられる。
【0038】また、高分子化合物の具体例としては、カ
ルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アミド酸構
造から選択される官能基を主鎖、側鎖又は架橋部分に1
種以上有する高分子化合物が挙げられる。前記高分子化
合物の主鎖構造としては、特に限定されるものではない
が、ポリエチレン系構造、ポリスチレン系構造、ポリア
クリレート系構造、ポリメタクリレート系構造、ポリカ
ーボネート系構造、ポリエステル系構造、セルロース系
構造、シリコーン構造、ビニル系重合体構造、ポリアミ
ド系構造、ポリアミドイミド系構造、ポリウレタン系構
造、ポリウレア系構造等、又はこれら共重合体構造等の
任意の構造を有するものが挙げられる。
【0039】また、前記カルボキシル基、アミノ基、ヒ
ドロキシル基、アミド酸構造から選択される官能基を主
鎖、側鎖又は架橋部分に1種以上有する高分子化合物と
しては、金属酸化物前駆体と相互作用の形態が適当であ
る観点から、側鎖にカルボキシル基を有するポリアクリ
ル酸の使用が特に好ましい。更に、前記金属酸化物前駆
体と相互作用する官能基を1種以上有する高分子化合物
は、相互作用する官能基を有する高分子化合物とカルボ
キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アミド酸構造を
有さない前記同様の主鎖構造を有する高分子化合物との
共重合体であってもよい。前記金属酸化物前駆体と相互
作用する官能基を1種以上有する高分子化合物は、目的
に応じて、2種以上の混合系、又はカルボキシル基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、アミド酸構造を有さない前記
同様の主鎖構造を有する高分子化合物との混合系を使用
してもよい。前記金属酸化物前駆体と相互作用する官能
基を1種以上有する高分子化合物の平均重合度は、10
0〜10000000程度が好ましく、5000〜25
0000がより好ましい。
【0040】前記溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類
や、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサ
ン、ベンゼン等の金属酸化物前駆体を溶解し、かつ金属
酸化物前駆体とは反応しないものであれば用いることが
できる。
【0041】以下、金属酸化物前駆体として金属アルコ
キシドを用いた場合を例として、半導体ナノ多孔質層の
形成方法を詳しく説明する。
【0042】まず、前記金属アルコキシドを前記溶媒
(例えば、アルコール類等の有機溶媒)に添加する。更
に、前記金属アルコキシドを部分的に加水分解するのに
必要な水と、触媒として、塩酸,硝酸,硫酸又は酢酸等
の酸類を添加する。ここで添加する水及び酸類の量は、
用いる前記金属アルコキシドの加水分解性の程度に応じ
て適宜選択することができる。次に、得られる前記混合
溶液を攪拌しながら乾燥窒素気流下で室温〜150℃
(好ましくは、室温〜100℃)で加熱(又は還流)す
る。前記還流温度及び時間についても、用いる前記金属
酸化物前駆体の加水分解性に応じて適且選択することが
できる。前記還流の結果、前記金属アルコキシドは部分
的に加水分解された状態になる。即ち、前記混合溶液に
含まれる前記水の量は、前記金属アルコキシドのアルコ
キシル基を十分に加水分解するには十分でない程度少量
であるため、一般式M(OR)で表される前記金属ア
ルコキシドにおいては、その総ての−OR基は加水分解
されず、結果として部分的に加水分解された状態にな
る。この部分的に加水分解された状態の前記金属アルコ
キシドにおいては、重縮合反応は進行しない。このた
め、前記金属アルコキシド間において−M−O−M−の
鎖は形成されていても、前記金属アルコキシドはオリゴ
マー状態となる。このオリゴマー状態にある前記金属ア
ルコキシドを含む前記還流後の混合溶液は、無色透明で
粘度の上昇もほとんどない。
【0043】次に、前記還流後の混合溶液の温度を室温
に下げ、該混合溶液にカルボキシル基、アミノ基、ヒド
ロキシ基、アミノ酸構造から選択される官能基を1種以
上有する高分子化合物(好ましくはポリアクリル酸)を
添加する。この場合、本来アルコール類等の有機溶媒に
は溶解しにくい前記高分子化合物が、この混合溶液には
容易に溶解し透明ゾルが得られる。これは、前記高分子
化合物のカルボキシル基と前記金属アルコキシドとが塩
形成反応により結合し、高分子錯体状の化合物が形成さ
れるためであると考えられる。この透明ゾルは、通常、
無色透明な均一溶液である。
【0044】この透明ゾルに更に過剰量の水を加えて、
室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃程度に保持
して更に反応を継続させることにより、数分〜1時間程
度で該透明ゾルがゲル化し、前記高分子化合物と前記金
属アルコキシドとの架橋状構造を有する複合ゲルが形成
される。
【0045】得られる複合ゲルを更に室温〜90℃(通
常、80℃程度)で5〜50時間保持し反応を継続させ
ると、該複合ゲルは再び溶解し半透明な金属酸化物微粒
子コロイド分散ゾルが得られる。これは、前記金属アル
コキシドの加水分解反応により重縮合反応が進行すると
ともに、前記高分子化合物と前記金属アルコキシドとに
よる塩構造が分解して、金属酸化物微粒子とカルボン酸
エステル等とに変化することによるものである。
【0046】以上により得られた半透明な金属酸化物微
粒子コロイド分散ゾルを、透明絶縁基板上に堆積された
透明導電性膜に塗布後、乾燥又は焼成することにより、
微細孔を有した金属酸化物膜が形成される。
【0047】前記塗布法は、特に限定なく公知の方法で
行うことができる、具体的には、ディップコーティング
法、スピンコーティング法、ワイヤーバー法、スプレー
コーティング法が挙げられる。また、乾燥には、例え
ば、風乾、オーブン等の乾燥器を用いて行う乾燥、真空
凍結乾燥が可能である。また、ロータリーエバポレータ
ー等の機器を用いて溶媒を蒸発させる方法でもよい。こ
の場合、乾燥の温度、時間等を目的に応じて適且選択す
ることができる。
【0048】また、乾燥温度により、前記金属酸化物微
粒子コロイド分散ゾルを乾燥(前記溶媒を含む液体成分
の除去)しただけは、前記高分子化合物又はその反応生
成物が除去できないことがある。かかる場合には、更に
これらを除去し純粋な金属酸化物とするため、焼成を行
うのが好ましい。前記焼成は、例えば炉等を用いて行う
ことができ、焼成の温度としては用いた前記官能基を有
する高分子化合物の種類により異なるが、低温であるこ
とが多層化を図る上で好適であり、約100℃〜700
℃が好ましく、100℃〜400℃がより好ましい。
【0049】前記焼成により、金属酸化物微粒子の結晶
化と金属酸化物微粒子の焼結が起こると同時に、有機高
分子成分が熱分解して消失する。
【0050】前記半導体ナノ多孔質層の形成において
は、拡散が規制された複合ゲル中で金属酸化物微粒子の
形成反応が進行するため、粗大粒子の形成や、粒子の沈
降による凝集等が起こらず、粒径の小さな超微粒子が均
一に分散した金属酸化物微粒子コロイド分散ゾルを得る
ことができる。
【0051】前記半導体ナノ多孔質層の金属酸化物微粒
子の大きさ、金属酸化物微粒子凝集構造の周期、金属酸
化物微粒子凝集相と空隙相との体積比等については、例
えば、前記金属酸化物前駆体に対する、金属酸化物前駆
体と相互作用する官能基を1種以上有する化合物の添加
量と、前記金属酸化物前駆体と金属酸化物前駆体と相互
作用する官能基を1種以上有する化合物とを合わせた固
形成分の前記混合溶液全体に対する割合で、所望の程度
に制御することができる。
【0052】即ち、金属酸化物前駆体と焼成する官能基
を1種以上有する化合物の添加量を増やすと、得られる
半導体ナノ多孔質層における空隙相の体積比が増し、前
記金属酸化物前駆体と金属酸化物前駆体と相互作用する
官能基を1種以上有する化合物とを合わせた固形成分の
前記混合溶液全体に対する割合を減らすと、得られる金
属酸化物微粒子凝集構造の周期が小さくなり、空隙相の
密度は増すが、金属酸化物微粒子そのものの大きさは大
きくなる。
【0053】前記金属酸化物前駆体に対する、金属酸化
物前駆体と相互作用する官能基を1種以上有する化合物
の添加量は、前記固形成分の前記混合溶液全体に対する
割合に応じて異なり適宜選択可能であり、一般には質量
比で0.1〜1が好ましく、更には0.2〜0.8が好
ましい。金属酸化物前駆体対する、金属酸化物前駆体と
相互作用する官能基を1種以上有する化合物の添加量を
下げると、マクロ孔が少ない緻密な半導体ナノ多孔質層
ができやすくなり、前記質量比で0.1未満であると、
−M−O−M−の大きな3次元ネットワークが形成され
てしまうため、複合ゲルが再溶解しないことがある。ま
た、逆に添加量を上げて、1を超えると比較的大きな空
隙が生じ透明な半導体ナノ多孔質層となりやすい。
【0054】前記固形成分の前記混合溶液全体に対する
割合としては、前記金属酸化物前駆体と金属酸化物前駆
体と相互作用する官能基を1種以上有する化合物の添加
量に応じて異なるため適宜選択可能であるが、一般には
1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好まし
い。前記割合が、1質量%未満であると、複合ゲル化反
応の進行が遅く、流動性の高い透明ゾル状態で金属酸化
物微粒子が形成され、粗大な微粒子が形成されてしま
い、一方、10質量%を超えると透明ゾルから複合ゲル
への進行が速く均一な複合ゲルが得られないことがあ
る。
【0055】以下に、金属アルコキシドとしてタングス
テンヘキサエトキシドを用いた場合を例にして、酸化タ
ングステン多孔質層の形成方法について更に詳しく説明
する。
【0056】まず、タングステンヘキサエトキシドをア
ルコールに添加して混合溶液を調製する。この際アルコ
ールには、水と、触媒としての酸とが添加されるが、該
水は、タングステンヘキサエトキシドに対して0.1倍
モル〜等モル程度、該酸は、タングステンヘキサエトキ
シドに対して0.05倍モル〜0.5倍モル程度それぞ
れ添加するのが好ましい。得られる混合溶液を、室温〜
80℃で攪拌しながら乾燥窒素気流下で還流する。ここ
での還流温度及び時間は、80℃で30分〜3時間程度
が好ましい。この還流の結果、透明な混合溶液が得られ
る。
【0057】この混合溶液中では、タングステンヘキサ
エトキシドは部分的に加水分解された状態になってお
り、オリゴマー状態にある。この混合溶液の温度を室温
まで下げ、ポリアクリル酸を添加する。本来アルコール
には溶けにくいポリアクリル酸が、この混合溶液には容
易に溶解し無色の透明ゾルが得られる。これは、ポリア
クリル酸のカルボン酸とタングステンヘキサエトキシド
とが塩形成反応により結合し、高分子錯体状の化合物が
形成されているためである。この透明ゾルに更に過剰量
の水を加えて、室温〜80℃に保持すると数分間〜1時
間程度で該透明ゾルがゲル化し、ポリアクリル酸とタン
グステンヘキサエトキシドとを少なくとも含む架橋構造
の複合ゲル化が形成される。
【0058】この複合ゲルを80℃程度で5〜50時間
保持すると、該複合ゲルは再び溶解し半透明なゾルが得
られる。これは、タングステンヘキサエトキシドの加水
分解反応及び重縮合反応が進行するとともに、ポリアク
リル酸とタングステンヘキサエトキシドとの塩構造が分
解して、酸化チタンとカルボン酸エステルとに変化する
ためである。
【0059】得られたゾル溶液を、ディップコーティン
グ法等によって適当な基板に塗布し、約400℃以上の
高温に加熱する。この加熱により酸化タングステン微粒
子の結晶化と酸化タングステン微粒子同士の焼結が進行
すると同時に、高分子相が熱分解し、酸化タングステン
が相分離状態に凝集した膜状の酸化タングステン微粒子
が形成されることとなる。
【0060】タングステンヘキサエトキシドに対するポ
リアクリル酸の量としては、重量比で0.3〜0.7が
好ましい。前記質量比が、0.3未満であると−M−O
−M−の大きな3次元ネットワークが形成されゲルが溶
解しないことがあり、0.7を超えると、比較的大きな
空隙が生じ透明な層となることがある。
【0061】また、タングステンヘキサエトキシドとポ
リアクリル酸との固形成分の前記混合溶液全体に対する
割合としては、1〜10質量%が好ましい。前記割合が
1質量%未満であると、複合ゲル化反応の進行が遅く、
流動性の高いゾル状態で酸化タングステン微粒子が形成
され、粗大な酸化タングステン微粒子が形成されること
がある。一方、10質量%を超えると、透明ゾルから複
合ゲルへの進行が速く均一な複合ゲルが得られないこと
がある。
【0062】−化合物半導体ナノ多孔質層の形成方法− 前記化合物半導体ナノ多孔質層の形成方法としては、電
解析出法、化学浴堆積法、光化学堆積法があり、具体的
には以下に示すとおりである。
【0063】(電解析出法)前記電解析出法は、少なく
とも堆積される元素のイオンを含む電解質中に、透明絶
縁基板上の透明導電性膜を形成した電極と、該電極に対
向する電極とを配置し、これら電極間で電気化学的に酸
化還元反応を起こし、前記化合物半導体層を透明導電性
膜を形成した電極上に形成するものである(表面技術V
ol.49,No.1 3ページ 1998年)。
【0064】この工程で作製される化合物半導体は、例
えば、CuGaS(硫化銅ガリウム)、CuGaSe
(セレン化銅ガリウム)、CuGaTe(テルル化
銅ガリウム)、CuInS(硫化銅インジウム)、C
uInSe(セレン化銅インジウム)、CuInTe
(テルル化銅インジウム)、AgInS(硫化銀イ
ンジウム)、AgInSe(セレン化銀インジウ
ム)、AgInTe(テルル化銀インジウム)、Zn
Se(セレン化亜鉛)、ZnTe(テルル化亜鉛)、C
dTe(テルル化カドミウム)、CuS(硫化銅)、
CuSe(セレン化銅)、等が挙げられる。
【0065】前記電解質としては、溶媒中で原料元素と
なる硫酸化物や塩化物等の溶質を混合したものを使用
し、電解質の溶媒としては、水(純水、蒸留水等)が用
いられる。しかし、水の電気分解により水素が発生する
電圧を卑に印加する場合、前記溶媒は非水溶液として有
機物を用いることができる。有機溶媒としては、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネ
ート等を使用することができる。また、前記非水溶液
は、液体アンモニア、液体二酸化硫黄等の無機非水溶液
を前記溶媒として使用することができる。
【0066】前記溶質は、硫酸物や塩化物等の前記電極
上に堆積させる化合物半導体を構成する元素を含むもの
であり、かつ前記溶媒に可溶であればよい。例えば、硫
酸物としては、硫酸第一銅、硫酸インジウム、硫酸ガリ
ウム、硫酸銀、硫酸亜鉛、硫酸カドミウム等が挙げられ
る。また、塩化物としては、塩化第一銅、塩化インジウ
ム、塩化ガリウム、塩化銀、塩化亜鉛、塩化カドミウム
等の化合物が挙げられ、これらは還元型溶質として用い
る。前記溶質は、上記化合物に限定されることはなく、
1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ま
た、前記溶質として、酸化セレン、水素酸セレン、酸化
テルル、水素酸テルル、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素
等を、酸化型溶質として使用することができる。
【0067】上記のような酸化型溶質を用いたとき、水
素イオン濃度を調整することで該酸化型溶質に含有する
元素イオンの堆積を促すことができる。前記水素イオン
濃度は、例えば、硫酸、塩酸等の調整剤によって調整す
ることができる。前記調整剤によって調整された水素イ
オン濃度はpH0.9〜4.0が好ましく、pH1.5
〜2.5がより好ましい。
【0068】前記電解質として上記化合物のほかに、電
解質中に電解質の通電性を得るために電解還元に関与し
ない不活性物質で構成する支持電解質を加えることもで
きる。支持電解質としては、例えば、NaClO(塩
素酸ナトリウム)、LiClO(塩素酸リチウム)等
が挙げられる。前記支持電解質は0.05〜1mol/
l量の含有が好ましい。
【0069】前記化合物半導体の堆積が進行するときに
必要な密着性を上げるために、前記電解質中に添加剤を
入れることもできる。前記添加剤としては、アミン、ア
ルカロイド、スルホン酸、メルカプタン、スルフィド等
が挙げられる。
【0070】前記電解質中に配置された対向する電極間
に電圧を印加するには、第三の電極を電圧基準電極とし
て参照電極を用いることができる。前記対向する電極間
に一定の電圧又は電流を制御するために参照電極を用い
ることもできる。前記参照電極は、標準水素電極、飽和
カロメル電極、標準銀塩化銀電極、標準酸化水銀電極等
を用いることができる。
【0071】前記電解質中に配置された前記多孔質半導
体層に対向する電極としては、溶液中での電圧印加によ
り溶解しにくい材料、即ちイオン化傾向が小さい材料を
用いることができる。例えば、白金(Pt)、金(A
u)、銀(Ag)等が挙げられる。
【0072】前記電解質中に配置された対向する電極間
に印加する電圧は、前記電解質中に含まれる堆積したい
化合物半導体を構成する元素を含む化合物の元素イオン
の酸化還元電位より卑であることが好ましい。
【0073】前記電解質中に含む化合物の含有量は、5
〜400mmol/lが好ましく、還元型元素イオン堆
積では5〜20mmol/lがより好ましく、酸化型元
素イオンの堆積では、100〜400mmol/lがよ
り好ましい。前記溶液の温度は20〜100℃が好まし
く、22〜70℃がより好ましい。
【0074】前記化合物半導体層形成時の電圧印加時間
は300〜3600秒が好ましく、800〜2400秒
がより好ましい。
【0075】前記工程で堆積した前記化合物半導体を焼
成し結晶化する。結晶化温度は堆積する前記化合物半導
体の種類に依存するが、50〜600℃が好ましく、1
50〜600℃がより好ましい。該結晶化の時間は1〜
60分が好ましく、15〜30分がより好ましい。
【0076】(化学浴堆積法)前記化学浴堆積法は、少
なくとも堆積されるイオンを1種以上含む溶液中に、透
明絶縁基板上の透明導電性膜を形成した電極を配置し、
前記溶液の温度調整とイオン濃度調整とにより還元反応
を起こし、前記化合物半導体層を電極上に形成するもの
である(Jounal of Applied Phys
ics, vol.82, 2, 655, 1997)。
【0077】この化学浴堆積法では、酸化剤や還元剤に
より元素イオンを生成し、該イオンを安定化するために
錯化剤、水素イオン濃度の変動を防止するために緩衝
剤、溶液中の自然分解を防止するための安定剤等を添加
し、これらの酸化還元反応により前記透明導電性膜を形
成した電極上に前記化合物半導体の堆積が可能となる。
この工程で作製される前記化合物半導体は、特には限定
されないが、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnTe(テ
ルル化亜鉛)、CdTe(テルル化カドミウム)、Cu
S(硫化銅)、CuSe(セレン化銅)等が挙げら
れる。
【0078】前記溶液は、溶媒中でイオンとなる硫酸化
物や塩化物等の溶質を混合したものを使用する。前記溶
媒としては、水(純水、蒸留水等)等が用いられる。ま
た有機溶媒も用いることができ、例えば、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート等
を使用することができる。また、液体アンモニア、液体
二酸化硫黄等の無機非水溶液を使用することもできる。
【0079】前記溶質は、硫酸物や塩化物等の前記透明
導電性膜を形成した電極上に堆積したい化合物半導体を
構成する元素を含むものであればよい。例えば、硫酸物
としては、硫酸第一銅、硫酸インジウム、硫酸ガリウ
ム、硫酸銀、硫酸亜鉛、硫酸カドミウム等が挙げられ
る。また、塩化物としては、塩化第一銅、塩化インジウ
ム、塩化ガリウム、塩化銀、塩化亜鉛、塩化カドミウム
等が挙げられる。前記溶質としては、酸化セレン、水素
酸セレン、酸化テルル、水素酸テルル、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ尿素等も好ましく使用することができる。
【0080】上記のような化合物を用いたとき、水素イ
オン濃度を調整することで該化合物に含有する元素イオ
ンの堆積を促すことができる。前記水素イオン濃度を調
整するための調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物や無機酸、有
機酸等を用いることができる。また、前記水素イオン濃
度の変動を抑制するために使用される緩衝剤は、クエン
酸ナトリウム酢酸ナトリウム、オキシカルボン酸系のも
のや、ホウ酸あるいは炭酸等の無機酸で解離定数が小さ
いものや、有機酸及び無機酸のアルカリ塩を用いること
ができる。また、錯化剤として、水酸化アンモニウム、
クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、エチレングリコ
ール等を用いることができる。
【0081】安定剤として鉛の塩化物、硫化物や硝化物
等を用いることができる。前記溶液中の化合物半導体の
原料元素を含む前記化合物の濃度は、1.0×10−3
〜2mol/lが好ましく、2.0×10−2〜1mo
l/lがより好ましい。
【0082】前記溶液の温度は20〜100℃が好まし
く、22〜70℃がより好ましい。また、前記化合物半
導体層の形成時間は300〜3600秒が好ましく、1
200〜2400秒がより好ましい。
【0083】前記工程で堆積した前記化合物半導体層を
焼成し結晶化する。結晶化温度は堆積する前記化合物半
導体の種類に依存するが、50〜600℃が好ましく、
150〜550℃がより好ましい。該結晶化の時間は1
〜60分が好ましく、15〜30分がより好ましい。
【0084】(光化学堆積法)前記光化学堆積法は、少
なくともチオ硫酸ナトリウム及び金属イオンを1種以上
含む溶液中に、透明絶縁基板上に透明導電性膜を形した
電極を配置し、該電極に紫外線を照射して光反応を生じ
させ、前記化合物半導体層を電極上に形成するものであ
る(Japan Journal Applied Ph
ysics vol36, L1146 1997年)。
【0085】この光化学堆積法では、溶液中のイオン
(チオ硫酸イオン等)の光励起により化合物生成反応が
引き起こされ、光照射の有無や強度変化によって膜厚制
御が容易に行える。この工程で作製される前記化合物半
導体は、特に限定されないが、CuGaS(硫化銅ガ
リウム)、CuInS(硫化銅インジウム)、AgI
nS(硫化銀インジウム)、CuS(硫化銅)等が
挙げられる。
【0086】前記溶液は、溶媒中でイオンとなる硫酸化
物や塩化物等の溶質を混合したものを使用する。前記溶
質は、硫酸物や塩化物等の前記電極上に堆積したい化合
物半導体を構成する元素を含むものであればよい。例え
ば、硫酸物としては、硫酸第一銅、硫酸インジウム、硫
酸ガリウム、硫酸カドミウム等が挙げられる。また、塩
化物としては、塩化第一銅、塩化インジウム、塩化ガリ
ウム、塩化カドミウム等が挙げられる。
【0087】前記溶質は、上記化合物に限定されること
はなく、1種単独で用いてもよく、2種以上併用しても
よい。上記のような酸化型の化合物を用いたとき、水素
イオン濃度を調整することで該酸化型化合物に含有する
元素イオンの堆積を促すことができる。前記水素イオン
濃度は、例えば硫酸等の調整剤によって調整することが
できる。前記調整剤によって調整された水素イオン濃度
はpH1.5〜4.0が好ましく、pH2.5〜3.5
がより好ましい。
【0088】前記溶液を攪拌することが好ましく、60
rpm以下で攪拌することが好ましい。更に、前記光励
起するために用いる光は、高圧水銀光源ランプ等により
紫外光を発生させ、単凸レンズにより集光し、前記溶液
中に配置された前記電極上に照射される。前記単凸レン
ズは石英ガラスで作製されていることが好ましい。
【0089】前記溶液中の化合物半導体の原料元素を含
む前記化合物の濃度は、1.0〜20mmol/lが好
ましく、2.0〜10mmol/lがより好ましい。前
記溶液の温度は20〜40℃が好ましく、22〜35℃
がより好ましい。また、前記化合物半導体層の形成時間
は2400〜4800秒が好ましく、3000〜360
0秒がより好ましい
【0090】前記堆積した前記化合物半導体を焼成し結
晶化する。結晶化温度は堆積する前記化合物半導体の種
類に依存するが、80〜600℃が好ましく、80〜5
00℃がより好ましい。該結晶化の時間は1〜60分が
好ましく、15〜30分がより好ましい。特に硫化物系
の場合80〜400℃、セレン系の場合300〜550
℃、テルル系の場合、400〜600℃が好ましい。
【0091】−複合体酸化物半導体ナノ多孔質層の形成
方法− 前記複合体酸化物半導体ナノ多孔質層は、上記方法によ
り形成した酸化物半導体ナノ多孔質層上に更にゾルゲル
法により酸化物半導体ナノ多孔質層を形成し、複合化す
る方法、又は2種類の酸化物半導体粒子を混合したペー
ストを電極上に塗布する方法、などが挙げられる。
【0092】具体的には、酸化物半導体コロイド水溶液
に酢酸を滴下し、乳鉢でよく混合したゲル状溶液に対し
て複合対象となる酸化物半導体粉末、アルコールを少し
ずつ加えてよく混合する。更に、界面活性剤を加えてよ
く混合し、これを、フッ素ドープ型酸化スズ導電性膜ガ
ラス(FTO)電極にホットプレート(100〜120
℃)上で噴霧塗布し、焼成することにより、半導体微粒
子の結晶化と半導体微粒子同士の焼成とが進行し、所望
の多孔質を有する複合体酸化物半導体ナノ多孔質層を形
成する。
【0093】前記半導体ナノ多孔質層は、粒径の違った
半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる
半導体微粒子(又は異なるバインダー、添加剤)を含有
する塗布層を多層塗布することもできる。一度の塗布で
膜厚が不足する場合にも多層塗布は有効である。前記多
層塗布には、エクストルージョン法又はスライドホッパ
ー法が適している。また、多層塗布をする場合は同時に
多層を塗布しても良く、数回から十数回順次重ね塗りし
てもよい。更に、順次重ね塗りであればスクリーン印刷
法も好ましく使用できる。この場合、多層構造に形成し
た半導体ナノ多孔質層毎にEC色素を吸着担持させる処
理を行うことが好ましく、各層毎に異なるEC色素を吸
着担持させてもよく、また同じEC色素を吸着担持させ
ても構わない。
【0094】前記半導体ナノ多孔質層は、EC色素を担
持させる前に熱処理(例えば、100〜550℃で10
分間)することが好ましい。これにより、半導体ナノ多
孔質層表面に吸着した水分、その他の不純物を除去し得
ると共に、多孔質層表面を活性化し得、EC色素の吸着
を効率よく行うことができる。
【0095】前記半導体ナノ多孔質層の厚みは、100
μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、2
0μm以下が更に好ましい。多孔質層の厚みが薄すぎる
と、吸着することができるEC色素量が少なくなってし
まう場合がある。一方、厚すぎると透明性が低下し、E
C素子に注入した電荷のロスが多くなる場合がある。
【0096】−EC色素− 前記EC色素は、前記半導体ナノ多孔質層の表面及び内
部の微細孔に担持されると共に、必要に応じて、電解質
層中に溶解乃至分散された状態で含有されることが好ま
しい。前記EC色素としては、電気化学的な酸化反応及
び還元反応の少なくとも一方により発色又は消色する作
用を示す限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができ、例えば、有機化合物、金属錯体などが好
適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0097】前記金属錯体としては、例えば、プルシア
ンブルー、金属−ビピリジル錯体、金属フェナントロリ
ン錯体、金属−フタロシアニン錯体、メタフェリシアニ
ド、これらの誘導体などが挙げられる。
【0098】前記有機材料としては、例えば、(1)ピ
リジン化合物類、(2)導電性高分子類、(3)スチリ
ル化合物類、(4)ドナー/アクセプター型化合物類、
(5)その他有機色素類、などが挙げられる。
【0099】前記(1)ピリジン化合物類としては、例
えば、ビオローゲン、ヘプチルビオローゲン(ジヘプチ
ルビオローゲンジブロミド等)、メチレンビスピリジニ
ウム、フェナントロリン、アゾビピリジニウム、2,2
−ビピリジニウム錯体、キノリン・イソキノリン、など
が挙げられる。
【0100】前記(2)導電性高分子類としては、例え
ば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポ
リフェニレンジアミン、ポリアミノフェノール、ポリビ
ニルカルバゾール、高分子ビオローゲンポリイオンコン
プレックス、TTF、これらの誘導体などが挙げられ
る。
【0101】前記(3)スチリル化合物類としては、例
えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]
エテニル]−3,3−ジメチルインドリノ[2,1−
b]オキサゾリジン、2−[4−[4−(ジメチルアミ
ノ)フェニル]−1,3−ブタジエニル]−3,3−ジ
メチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−
[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]
−3,3−ジメチル−5−メチルスルホニルインドリノ
[2,1−b]オキサゾリジン、2−[4−[4−(ジ
メチルアミノ)フェニル]−1,3−ブタジエニル]−
3,3−ジメチル−5−スルホニルインドリノ[2,1
−b]オキサゾリジン、3,3−ジメチル−2−[2−
(9−エチル−3−カルバゾリル)エテニル]インドリ
ノ[2,1−b]オキサゾリジン、2−[2−[4−
(アセチルアミノ)フェニル]エテニル]−3,3−ジ
メチルインドリノ[2,1−b]オキサゾリジン、など
が挙げられる。
【0102】前記(4)ドナー/アクセプター型化合物
類としては、例えば、テトラシアノキノジメタン、テト
ラチアフルバレン、などが挙げられる。
【0103】前記(5)その他有機色素類としては、例
えば、カルバゾール、メトキシビフェニル、アントラキ
ノン、キノン、ジフェニルアミン、アミノフェノール、
Tris−アミノフェニルアミン、フェニルアセチレ
ン、シクロペンチル化合物、ベンゾジチオリウム化合
物、スクアリウム塩、シアニン、希土類フタロシアニン
錯体、ルテニウムジフタロシアニン、メロシアニン、フ
ェナントロリン錯体、ピラゾリン、酸化還元指示薬、p
H指示薬、これらの誘導体、などが挙げられる。
【0104】これらの中でも、ビオローゲン、ヘプチル
ビオローゲン(ジヘプチルビオローゲンジブロミド等)
などのビオローゲン系色素が好適である。また、前記E
C色素としては、酸化状態では無色乃至極淡色を示し、
還元状態で発色する還元発色型のもの、還元状態では無
色乃至極淡色を示し、酸化状態で発色する酸化発色型の
もの、還元状態でも酸化状態でも発色を示し、還元又は
酸化の程度により数種類の色が発現する多色発色型のも
ののいずれであってもよく、目的に応じて適宜選択する
ことができる。
【0105】前記EC色素を2種以上併用する場合の組
合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択
することができるが、例えば、ビオローゲンとポリアニ
リンとの組合せ、ポリピロールとポリメチルチオフェン
との組合せ、ポリアニリンとプルシアンブルーとの組合
せ、などが挙げられる。
【0106】前記半導体ナノ多孔質層の表面及び内部に
EC色素を担持させる方法としては、特に制限はなく、
公知の技術を使用できる。例えば、真空蒸着法等のドラ
イプロセス、スピンコート等の塗布法、電界析出法、電
界重合法や担持させる化合物の溶液に浸す自然吸着法等
の方法を適宜選ぶことができる。中でも自然吸着法は、
金属酸化物層の微細孔のすみずみにまでむらなく確実に
機能性分子を担持させうる、特別な装置を必要としな
い、多くの場合は単分子層程度であり必要以上に余分な
量がつかない等の多くの利点を有しており好ましい方法
である。
【0107】具体的には、EC色素の溶液中に良く乾燥
した半導体ナノ多孔質層を有する透明基板を浸漬する
か、色素の溶液を半導体ナノ多孔質層に塗布する方法を
用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸
漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開
平7−249790号公報に記載されているように加熱
還流して行ってもよい。また、後者の塗布方法として
は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストル
ージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等があ
る。
【0108】前記EC色素を溶解する溶媒としては、例
えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、t
−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類
(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプ
ロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水
素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミ
ド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノ
ン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エ
ステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレ
ン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘ
キサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベ
ンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられ
る。
【0109】前記EC色素の吸着量は、半導体ナノ多孔
質層の単位表面積(1m)当たり0.01〜100m
molが好ましい。また、EC色素の半導体微粒子に対
する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜10
0mmolの範囲であるのが好ましい。また、EC色素
の電解質中濃度は、0.001〜2mol/lが好まし
く、0.005〜1mol/lがより好ましい。
【0110】−電荷移動剤− 前記電荷移動剤は、前記EC色素と同様に、半導体ナノ
多孔質層の表面及び内部の微細孔に担持されると共に、
必要に応じて、電解質層中に溶解乃至分散された状態で
含有されることが好ましい。なお、電荷移動剤の半導体
ナノ多孔質層への担持はEC色素と同様の方法で行うこ
とができる。前記電荷移動剤とEC色素とを併用するこ
とにより、両者の同時発色による加色効果、両者の相互
作用にして酸化還元反応がスムーズに進行し、発色効率
がより向上する。
【0111】前記電荷移動剤としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、エレク
トロクロミック性を示すものが好適であり、例えば、ヒ
ドラゾン、フェノチアジン、〔β−(10−フェノチア
ジル)−プロポキシ〕ホスホン酸(フェノチアジン誘導
体)、などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0112】前記電荷移動剤の吸着量は、半導体ナノ多
孔質層の単位表面積(1m)当たり0.01〜100
mmolが好ましい。また、電荷移動剤の半導体微粒子
に対する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜
100mmolの範囲であるのが好ましい。また、電荷
移動剤の電解質中濃度は、0.001〜2mol/lが
好ましく、0.005〜1mol/lがより好ましい。
【0113】−電解質層− 前記電解質層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができるが、EC色素及び電荷移動剤を含有
することが好ましく、EC色素及び電荷移動剤として
は、上述したものの中から適宜選択して用いることがで
きるが、半導体ナノ多孔質層に担持させたEC色素や電
荷移動剤と同じものが好ましい。前記電解質層の形態と
しては、液体、固体、ゲル状のいずれであっても構わな
い。
【0114】(1)液体の電解質層の場合 前記電解質層が液体の場合には、I/I 、Br
/Br 、キノン/ヒドロキノン対等のレドックス対
(酸化還元対)を含み、電極間を十分な速度で輸送可能
な電解質等の電荷輸送性物質を溶媒に溶かして用いるこ
とが好ましい。
【0115】前記電解質としては、例えば、ヨウ素、臭
素、LiI、NaI、KI、CsI、CaI、LiB
r、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属
ハロゲン化物、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ
化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルア
ンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テト
ラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム
等のアンモニウム化合物のハロゲン化塩、メチルビオロ
ゲンクロリド、ヘキシルビオロゲンブロミド等のアルキ
ルビオロゲン、ハイドロキノン、ナフトハイドロキノン
等のポリヒドロキシベンゼン、フェロセン、フェロシア
ン酸塩等の鉄錯体等の少なくとも1種を用いることがで
きるが、これに限定するものではない。また、ヨウ素と
ヨウ化リチウム等の組合せのように、予めレドックス対
(酸化還元対)を生成させる複数の電解質を混合して用
いると、EC素子の性能、特に電流特性を向上させるこ
とが可能となる。これらの中でも、ヨウ素とアンモニウ
ム化合物、ヨウ素と金属ヨウ化物の組合せ等が好適に挙
げられる。
【0116】これらの電解質を溶解する溶媒としては、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカ
ーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル、エ
チレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール等のアルコール類、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等
の非プロトン性極性溶媒、水等を用いることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0117】前記溶媒における前記電解質の電解質濃度
としては、0.001〜2mol/lが好ましく、0.
005〜1mol/lがより好ましい。電解質濃度が
0.001mol未満の場合には、キャリアとしての機
能が十分に働かなくなるため、特性が低下する場合があ
る。一方、2mol/lを超える場合には、それに見合
う前述の効果が現れず、また、電解質溶液の粘性が高く
なり、電流の低下につながることがある。
【0118】(2)固体の電解質層の場合 前記電解質層が固体の場合には、イオン導電性又は電子
伝導性を示すいずれの物質であってもよく、例えば、A
gBr、AgI、CuCl、CuBr、CuI、Li
I、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiAlF
、等のハロゲン化物、AgSBr、CNHAg
、RbCu16Cl13、RbCu
10等の無機復塩、LiN、LiNI、Li
Br等の窒化リチウム及びその誘導体、Li
、LiSiO、LiPO等のリチウムの酸
素酸塩、ZrO、CaO、Gd、HfO、Y
、Nb、WO、Bi、及びこれら
の固溶体等の酸化物、CaF、PbF、SrF
LaF、TISn、CeF等のフッ化物、C
S、AgS、CuSe、AgCrSe等のカ
ルコゲニド、フッ化ビニル系高分子にパーフルオロスル
フォン酸を含む高分子(例えば、ナフィオン)、有機電
荷輸送性物質として、ポリチオフェン、ポリアニリン、
ポリピロール等の化合物、トリフェニルアミン等の芳香
族アミン化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾ
ール化合物やポリメチルフェニルシラン等のシラン化合
物を用いることができるが、これに限定されるものでは
ない。
【0119】(3)ゲル電解質層の場合 前記電解質層がゲル状の場合には、ポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を、前記電解質及び
前記溶媒に混合して用いることができる。前記ポリマー
添加によりゲル化させる場合は、「Polymer E
lectrolyte Revi ews−1及び2」
(J.R.MacCallumとC.A.Vincen
tの共編、ELSEVIER APPLIED SCI
ENCE)などに記載された化合物を使用することがで
きるが、特に、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニ
リデンなどが好適である。前記オイルゲル化剤添加によ
りゲル化させる場合は、「J.Chem Soc.Ja
pan,Ind.Chem.Sec.,46,779
(1943)」、「J.Am.Chem.Soc.,1
11,5542(1989)」、「J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1993,39
0」、「Angew.Chem.Int.Ed.Eng
l.,35,1949(1996)」、「Chem.L
ett.,1996,885」、「J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,1997,545」
などに記載されている化合物を使用することができる
が、特に、分子構造中にアミド構造を有する化合物が好
ましい。
【0120】また、マトリックス材と支持電解質との混
合液を重合させてフイルム状とした固体電解質層を用い
ることもできる。 −−支持電解質−− 前記支持電解質としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、無機電解質であってもよい
し、有機電解質であってもよい。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、
市販品であってもよく、適宜合成しても構わない。
【0121】前記無機電解質としては、例えば、無機酸
陰イオン−アルカリ金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属などが挙げられ、これらの中でも無機酸陰イオ
ン−アルカリ金属塩が好ましく、無機酸リチウム塩がよ
り好ましい。
【0122】前記無機酸陰イオン−アルカリ金属塩とし
ては、例えば、XAsF、XPF 、XBF、XC
lO、などが挙げられ、(但し、これらにおいてX
は、H、Li、K又はNaを表す。)、具体的には過塩
素酸リチウムなどが好適に挙げられる。
【0123】前記アルカリ金属塩としては、例えば、L
iI、KI、LiCFSO、LiPF、LiCl
、LiBF、LiSCN、LiAsF、NaC
SO、NaPF、NaClO、NaI、Na
BF、NaAsF、KCFSO、KPF、な
どが挙げられる。
【0124】前記有機電解質としては、例えば、有機酸
陰イオン−アルカリ金属塩、四級アンモニウム塩、アニ
オン性界面活性剤、イミダゾリウム塩、などが挙げら
れ、これらの中でも有機酸陰イオン−アルカリ金属塩が
好ましく、有機酸リチウム塩がより好ましい。
【0125】前記有機酸陰イオン−アルカリ金属塩とし
ては、例えば、XCFSO、XC2n+1SO
(n=1〜3)、XN(CFSO、XC(C
SO、XB(CH、XB(C
、などが挙げられ(但し、これらにおいてXは、H、
Li、K又はNaを表す)、具体的には、ポリメタクリ
ル酸リチウムなどが好適に挙げられる。
【0126】前記四級アンモニウム塩としては、例え
ば、[CH(CHN・Y、C2n+1
N(CH・Y(n=10〜18)、(C
2n+1 N(CH・Y(n=10〜18)、
などが挙げられる(但し、これらにおいてYは、B
、PF、ClO、F、Cl、Br又はOHを表
す。)
【0127】前記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、C2n+1COO・X(n=10〜18)、C
2n+1OC2mCOO・X(n=10〜1
8、m=10〜18)、C10COO・X、C
2n+110COO・X(n=10〜18)、C
2n+1SO・X(n=10〜18)、C
n+1OC2mSO・X(n=10〜18、m=
10〜18)、C10 SO・X、C2n+1
10SO・X(n=10〜18)、C
2n+1OSO・X(n=10〜18)、などが挙げ
られる(但し、これらにおいてXは、H、Li、K又は
Naを表す。)。
【0128】前記支持電解質として、特に、無機酸リチ
ウム塩と有機酸リチウム塩とを含むのが好ましい。
【0129】−−マトリックス材−− 前記マトリックス材としては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができ、例えば、ヘテロ原子を
有する高分子化合物、などが挙げられる。
【0130】前記ヘテロ原子を有する高分子化合物とし
ては、例えば、酸素原子を有する高分子化合物、窒素原
子を有する高分子化合物、硫黄原子を有する高分子化合
物、ハロゲン原子を有する高分子化合物、などが挙げら
れる。
【0131】前記酸素原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(OCHCH O−R(n
は、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン基、プ
ロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニル基、
酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル基、メ
タクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビニルケ
トン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、H、CH
又はRを表す。)で表される化合物などが好適に挙
げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、非ポリエーテル類(例えば、ポリ
(3−ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ酢酸ビニル)、
などが好適に挙げられる。
【0132】前記窒素原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(NHCHCHNH−R
(nは、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン
基、プロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニ
ル基、酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル
基、メタクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビ
ニルケトン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、
H、CH又はRを表す。)で表される化合物などが
好適に挙げられ、具体的には、ポリエチレンイミン、ポ
リ−N−メチルエチレンイミン、ポリアクリロニトリル
などが挙げられる。
【0133】前記硫黄原子を有する高分子化合物として
は、例えば、R−(SCHCH S−R(n
は、整数を表し、Rは、エチレン基、スチレン基、プ
ロピレン基、ブテン基、ブタジエン基、塩化ビニル基、
酢酸ビニル基、アクリル酸基、アクリル酸メチル基、メ
タクリル酸基、メタクリル酸メチル基、メチルビニルケ
トン基、アクリルアミド基等を表し、Rは、H、CH
又はRを表す。)で表される化合物などが好適に挙
げられ、具体的には、ポリアルキレンサルファイド類、
などが挙げられる。
【0134】前記マトリックス材の分子量としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、低いほうが常温で流動性を有する場合が多いため、
製膜性の観点からは低いほうが好ましく、例えば、数平
均分子量で1000以下であるのが好ましい。
【0135】前記マトリックス材の前記電解質層におけ
る使用量としては、前記支持電解質とのモル比(マトリ
ックス材:支持電解質)が、70:30〜5:95であ
るのが好ましく、50:50〜10:90であるのがよ
り好ましく、50:50〜20:80であるのが特に好
ましい。
【0136】なお、前記モル比は、前記マトリックス材
のモル量と、前記支持電解質のイオンのモル量との比を
意味する。該マトリックス材のモル量とは、高分子化合
物のモノマー単位を1分子として換算したモル量を意味
する。
【0137】前記フイルム状固体電解質層は、前記マト
リックス材と支持電解質との混合液に過酸化ベンゾイル
やアゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を少量添
加したものを薄く延ばし、続いて加熱を行い重合させる
か、又はイルガキュア等の光重合開始剤を添加して、紫
外線照射により重合させることにより、作製することが
できる。なお、固体電解質フイルムの厚さは、通常、3
0〜500μm、好ましくは50〜200μmである。
【0138】−一対の透明電極− 前記一対の透明電極としては、透明で電気を通すもので
あれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができ、例えば、酸化スズインジウム(ITO)、酸化
スズ(NESA)、フッ素をドープした酸化スズ(FT
O)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジ
ウム、銅、クロム、炭素等が挙げられる。これらの中で
も、表面抵抗値が低い、耐熱性が良い、化学的な安定性
がある、光透過率が高い、等の点からフッ素をドーピン
グした酸化スズ(FTO)、酸化スズインジウム(IT
O)が好ましい。
【0139】前記導電性基体の表面抵抗としては、前述
のようにより低い方が好ましく、具体的な表面抵抗値と
しては、100Ω/cm以下が好ましく10Ω/cm
以下がより好ましい。また、前記透明電極の厚みとし
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、前記透明電極の場合、例えば、0.1μm
以上、特に0.1〜20μmであるのが一般的である。
【0140】−支持体− 前記支持体は、前記透明電極を設ける基材等として使用
することができ、その材質、形状、構造、大きさ等につ
いては、特に制限はなく適宜設計することができる。前
記支持体としては、例えば、ガラス板、高分子フイル
ム、などが好適に挙げられる。高分子フイルムの材料と
しては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン
(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、
ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン
(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリ
オレフィン、ブロム化フェノキシ、などが挙げられる。
【0141】−その他の部材− 前記その他の部材としては、特に制限はなく、EC装置
の用途等に応じて適宜選択することができ、例えば、ス
ペーサー、封止部材、リード線、反射手段、などが挙げ
られる。
【0142】本発明のEC装置は、特に制限されない
が、平地混合による面積階調法、平地混合による濃度階
調法、積層混合による面積階調法及び積層混合による濃
度階調法から選ばれるいずれかの方法によりフルカラー
化して用いることが好ましい。
【0143】前記平地混合による面積階調法は、印刷物
の網点と同様の原理でカラー画像を表現する方法であ
る。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)に発色する
微小画素を平面内に多数設けておき、各画素の発色濃度
変化は階調を持たず一定濃度のON/OFFにより発色
面積の違いによりカラー画像を表現するものである(例
えば、印加電圧と印加時間が一定の場合である)。
【0144】前記平地混合による濃度階調法は、上記同
様に印刷物の網点と同様の原理でカラー画像を表現する
方法である。但し、各画素は発色濃度に階調を持たせる
ことができるので、印加電圧や印加時間を制御してセル
への注入電荷量を制御することで発色濃度を制御するこ
とができる。
【0145】前記積層混合による面積階調法は、上記同
様に印刷物の網点と同様の原理でカラー画像を表現する
方法であるが、同一画素内に垂直に3色のセルを積層す
るので前記平地混合による面積階調法より画素密度が緩
和される。
【0146】前記積層混合による濃度階調法は、前記平
地混合による濃度階調法と同様の発色方法であり、銀塩
写真などと同様のフルカラー表現方法である。
【0147】前記EC装置は、用途に応じて異なるが、
透過型素子の場合は到達透過率となるまでの応答速度が
100msec以下が好ましく、10msec以下がよ
り好ましい。また、反射型素子の場合には到達吸光度に
なるまでの応答速度が100msec以下が好ましく、
10msec以下がより好ましい。
【0148】本発明のEC装置の一例としては、図1,
2に示す通り、EC色素25が担持された半導体ナノ多
孔質膜20が表面に設けられた透明電極10と、EC色
素25が担持された半導体ナノ多孔質膜22が表面に設
けられた透明電極12との間に電解質層30を半導体ナ
ノ多孔質膜20及び半導体ナノ多孔質膜22で挟み込む
ようにして介在させたものが挙げられる。なお、透明電
極10及び透明電極12はリード線60で結線されてお
り、電源50に接続されている。
【0149】また、図3,4に一例として示す通り、E
C色素25が担持された2層構造の半導体ナノ多孔質膜
20が表面に設けられた透明電極10と、EC色素25
が担持された2層構造の半導体ナノ多孔質膜22が表面
に設けられた透明電極12との間に電解質層30を半導
体ナノ多孔質膜20及び半導体ナノ多孔質膜22で挟み
込むようにして介在させたものが挙げられる。なお、透
明電極10及び透明電極12はリード線60で結線され
ており、電源50に接続されている。
【0150】前記図1〜4のEC装置は、透明電極10
と透明電極12との間に電圧を印加して半導体ナノ多孔
質膜に担持されたEC色素25を発消色させるものであ
る。
【0151】なお、前記EC装置において画像を形成す
るための電圧としては、特に制限はなく目的に応じて適
宜選択することができるが、例えば、0.5〜10V程
度が好ましく、1〜5V程度がより好ましい。
【0152】本発明のEC装置は、各種分野において好
適に使用することができ、例えば、ECD(Elect
rochromic Display)、株価の表示板
等の大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素
子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、
光スイッチ、光メモリー、電子ペーパーなどに好適に使
用することができる。
【0153】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0154】(実施例1)水にTiFを溶解させ、ア
ンモニア水溶液を加えて、pH=約2、TiFの濃度
が0.04Mになるように溶液を調整した。この溶液
に、多孔質アルミナ膜(Whatman Anodis
c 25)を浸漬し、60℃で12時間静置した。その
後、多孔質アルミナ膜を取り出し、pH12のアンモニ
ア水溶液に浸漬し、室温で数日間放置した。残渣を濾取
し、アンモニア水溶液、次いで水で洗浄し、室温で乾燥
して白色粉末を得た。この白色粉末を、X線回折を用い
て調べてみると、TiOのアナターゼ結晶であること
がわかった。SEM及びFE−SEMで観察したとこ
ろ、長さ数μm〜数十μm、直径200nm、内径10
0〜150nmのチューブ状粒子であることがわかっ
た。この粒子の比表面積は、BET法を用いて測定した
ところ、120m/gであった。
【0155】上記チューブ状粒子微粒子を、エタノール
/水混合溶媒に分散し、ポリエチレングリコールを加え
て、酸化チタンペーストとした。このペーストを、ドク
ターブレードを用いて、導電性ガラス上に塗布し、乾燥
した。得られた乾燥物を550℃で30分、空気中で焼
成し、ガラス基板上に厚さ10μmの多孔質膜を形成し
た。
【0156】次いで、上記基板を、EC色素として、
0.02Mのビス−(2−ホスホノエチル)−4,4’
−ビピリジニウムジブロミド(ビオローゲン誘導体)水
溶液に浸漬し色素吸着処理を行い、室温で乾燥し色素結
合電極を作成した。
【0157】得られた色素結合電極と、それと対をなす
電極(対電極)としてITOガラス基板を用いて電解質
液に接触させてEC素子を組み立てた。両電極間の距離
は0.5mmとした。前記電解質液としては、0.2M
のテトラブチルアンモニウムパークロレートのプロピレ
ンカーボネート溶液を用いた。なお、作成した一対の電
極の大きさはいずれも5mm×5mmであった。
【0158】得られたEC素子における一対の電極をリ
ード線で結線(陰極に色素結合電極、陽極にITOガラ
ス基板)して表示装置を作成した。この表示装置につい
て、室温で3Vの電圧を印加したところ、陰極において
ビオローゲン誘導体が還元されてラジカルカチオンとな
り、無色から青色に変った。なお、到達透過率となるま
での応答速度は80msecであった。電圧をかけるの
を止めても発色は600秒以上もつづいた。また、発色
−消色を1万回繰り返しても発色時の色の濃さも、消色
時の透明度もほとんど変らなかった。
【0159】(実施例2)チタニアナノチューブ(中部
電力製、直径8nm、内径5mm、長さ100nm、比
表面積400m/g)を、エタノール/水混合溶媒に
分散し、ポリエチレングリコールを加えて、酸化チタン
ペーストとした。このペーストを、ドクターブレードを
用いて、導電性ガラス上に塗布し、乾燥した。得られた
乾燥物を550℃で30分、空気中で焼成し、ガラス基
板上に厚さ10μmの多孔質膜を形成した。
【0160】次いで、上記基板を、EC色素として、
0.02Mのビス−(2−ホスホノエチル)−4,4’
−ビピリジニウムジブロミド(ビオローゲン誘導体)水
溶液に浸漬し色素吸着処理を行い、室温で乾燥し色素結
合電極を作成した。
【0161】得られた色素結合電極と、それと対をなす
電極(対電極)としてITOガラス基板を用いて電解質
液に接触させてEC素子を組み立てた。両電極間の距離
は0.5mmとした。前記電解質液としては、0.2M
のテトラブチルアンモニウムパークロレートのプロピレ
ンカーボネート溶液を用いた。なお、作成した一対の電
極の大きさはいずれも5mm×5mmであった。
【0162】得られたEC素子における一対の電極をリ
ード線で結線(陰極に色素結合電極、陽極にITOガラ
ス基板)して表示装置を作製した。この表示装置につい
て、室温で3Vの電圧を印加したところ、陰極において
ビオローゲン誘導体が還元されてラジカルカチオンとな
り、無色から青色に変わった。なお、到達透過率となる
までの応答速度は60msecであった。電圧をかける
のを止めても発色は600秒以上もつづいた。また、発
色−消色を1万回繰り返しても発色時の色の濃さも、消
色時の透明度もほとんど変わらなかった。
【0163】(実施例3)作用極にITOガラス基板、
対極に白金板、参照極に飽和カロメル電極を用い、電気
化学セルを構成した。電解液としては0.1M硝酸亜鉛
水溶液に50μM相当のビス−(2−ホスホノエチル)
−4,4’−ビピリジニウムジブロミド(ビオローゲン
誘導体)を加えたものを用いた。この電解液を70℃に
保ち、−0.9Vの電位をポテンシオスタットを用いて
1時間印加した。電位を印加すると、ITO電極上に、
ビオローゲン誘導体を含んだZnO多孔質膜が形成さ
れ、1時間後には、その厚さは約1μmになった。1時
間経過後、セルからITO電極を引き上げ、水で洗浄し
た後、室温で乾燥した。
【0164】次に、上記のようにして作製したビオロー
ゲン誘導体含有ZnO電極を作用極とし、上記と同様の
電気化学セルを構築した。このとき、電解液は、0.1
M硝酸亜鉛水溶液に50μM相当のビス−(2−ホスホ
ノエチル)−3,8−フェナントロリンジブロミド(フ
ェナントロリン誘導体)を加えたものを用いた。それ以
外は上記と同様の操作を行い、ビオローゲン誘導体含有
ZnO膜の上にフェナントロリン誘導体含有ZnO膜が
形成された多層構造ZnO電極を作製した。
【0165】得られた多層構造ZnO電極と、それと対
をなす電極(対電極)とに電解質液を接触させてEC素
子を組み立てた。この場合、対電極としてはITO電極
を用い、両電極間の距離は0.5mmとした。
【0166】電解質液としては、0.2Mのテトラブチ
ルアンモニウムパークロレートのプロピレンカーボネー
ト溶液を用いた。なお、作製した一対の電極の大きさは
いずれも5mm×5mmとした。
【0167】得られたEC素子における一対の電極をリ
ード線で結線(陰極に多層構造ZnO電極、陽極にIT
O電極)して表示装置を作製した。この表示装置につい
て、室温で3Vの電圧を印加したところ、陰極ではビオ
ローゲン誘導体及びフェナントロリン誘導体が還元され
てラジカルカチオンとなり、無色から黒色に変った。な
お、到達透過率となるまでの応答速度は80msecだ
った。電圧をかけるのを止めても発色は600秒以上も
続いた。また、発色−消色を1万回以上繰り返しても発
色時の色の濃さも、消色時の透明度もほとんど変らなか
った。
【0168】(実施例4)実施例3において、対電極と
して下記のZnO/SnO混合多孔質膜電極にフェノ
チアジン誘導体を吸着担持させたものを用いた以外は実
施例3と同様にしてEC素子を組み立てた。
【0169】−ZnO/SnO混合多孔質膜電極− 15%SnOコロイド水溶液(粒径約15nm)1.
5mlに酢酸0.3mlを滴下し、乳鉢でよく混合した
ゲル状溶液にZnO粉末(粒径約0.2μm)0.3
g、メタノール20mlを少しずつ加えてよく混合し
た。更に、TritonX−100 0.2mlを加え
てよく混合し、これを、0.5×0.5cm にマスク
した2枚のフッ素ドープ型酸化スズ導電性膜ガラス(F
TO)電極にホットプレート(100〜120℃)上で
噴霧塗布し、550℃で焼成してZnO/SnO混合
多孔質膜電極を形成した。膜の微細構造をSEM観察に
より調べたところ、ZnOとSnO粒子は別々に凝集
しているのではなく、粒子径の大きなZnOを中心に周
囲を取り囲むようにSnO微粒子が付着していた。こ
の焼成物膜(透明導電性膜)の比表面積は100g/c
であった。なお、比表面積は、BET表面積測定装
置(ミツワ理化学工業製、マルチソーブ12)を用い、
液体窒素温度で、窒素ガスを吸着させる方法により行っ
た。
【0170】次に、得られたEC素子における一対の電
極をリード線で結線(陰極に多層構造ビオローゲン結合
ZnO電極、陽極にフェノチアジン結合ZnO/SnO
混合多孔質膜電極)して表示装置を作製した。この表
示装置について、室温で2Vの電圧を印加したところ、
陰極ではビオローゲン誘導体が還元されてラジカルカチ
オンとなり、無色から青色に変わった。一方、陽極では
フェノチアジン誘導体が酸化されてラジカルカチオンと
なり、無色から赤色に変わった。その結果、全体として
は、透明なものから波長520nm付近及び600nm
付近に大きな吸収をもつ青赤色に変化した。なお、到達
透過率となるまでの応答速度は60msecであった。
電圧をかけるのを止めても発色は600秒以上もつづい
た。また、発色−消色を1万回繰り返しても発色時の色
の濃さも、消色時の透明度もほとんど変わらなかった。
【0171】
【発明の効果】本発明によれば、従来における前記問題
を解決することができ、フルカラー化が容易であり、メ
モリー性に優れ、応答速度、発色効率及び繰り返し耐久
性が大幅に向上したEC装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のEC装置の一例を示す概略説
明図である。
【図2】図2は、図1のX領域の部分拡大図である。
【図3】図3は、本発明のEC装置の一例を示す概略説
明図である。
【図4】図4は、図3のX領域の部分拡大図である。
【符号の説明】
10 透明電極 12 透明電極 20 半導体ナノ多孔質層 22 半導体ナノ多孔質層 25 EC色素 30 電解質層 50 電源 60 リード線

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が1〜5000m/gである
    半導体ナノ多孔質層を少なくとも一方の表面に形成した
    一対の透明電極を、該半導体ナノ多孔質層同士が対向す
    るように配置した間に、電解質層を挟持してなるエレク
    トロクロミック装置であって、前記電解質中に、電気化
    学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方により可
    逆的に発色又は消色する少なくとも1種のエレクトロク
    ロミック色素が含有されてなることを特徴とするエレク
    トロクロミック装置。
  2. 【請求項2】 比表面積が1〜5000m/gである
    半導体ナノ多孔質層を少なくとも一方の表面に形成した
    一対の透明電極を、該半導体ナノ多孔質層同士が対向す
    るように配置した間に、電解質層を挟持してなるエレク
    トロクロミック装置であって、前記半導体ナノ多孔質層
    に電気化学的な酸化反応及び還元反応の少なくとも一方
    により可逆的に発色又は消色するエレクトロクロミック
    色素が担持されてなることを特徴とするエレクトロクロ
    ミック装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体ナノ多孔質層に含まれる半導
    体微粒子が、平均粒径が0.1〜1000nmの球形粒
    子である請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック
    装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体ナノ多孔質層に含まれる半導
    体微粒子が、アスペクト比が2〜50000の棒状又は
    チューブ状粒子である請求項1又は2に記載のエレクト
    ロクロミック装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体ナノ多孔質層の少なくとも一
    方が多層構造に形成されている請求項1から4のいずれ
    かに記載のエレクトロクロミック装置。
  6. 【請求項6】 両方の半導体ナノ多孔質層が多層構造で
    ある請求項5に記載のエレクトロクロミック装置。
  7. 【請求項7】 150〜200℃の低温焼成により半導
    体ナノ多孔質層を積層してなる請求項5又は6に記載の
    エレクトロクロミック装置。
  8. 【請求項8】 多層構造の半導体ナノ多孔質層の各層毎
    に異なるエレクトロクロミック色素が担持されている請
    求項5から7のいずれかに記載のエレクトロクロミック
    装置。
  9. 【請求項9】 更に電荷移動剤が、電解質層中に含まれ
    ている請求項1から8のいずれかに記載のエレクトロク
    ロミック装置。
  10. 【請求項10】 電荷移動剤が、前記半導体ナノ多孔質
    層に担持されている請求項2から9のいずれかに記載の
    エレクトロクロミック装置。
  11. 【請求項11】 半導体ナノ多孔質層に含まれる半導体
    微粒子が、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、
    有機半導体、複合体酸化物半導体及びこれらの混合物か
    ら選ばれる請求項1から10のいずれかに記載のエレク
    トロクロミック装置。
  12. 【請求項12】 複合体酸化物半導体が、SnO−Z
    nO、Nb−SrTiO、Nb−Ta
    、Nb−ZrO、Nb−TiO
    Ti−SnO、Zr−SnO、In−SnO及び
    Bi−SnO から選ばれる請求項11に記載のエレク
    トロクロミック装置。
  13. 【請求項13】 前記エレクトロクロミック色素を半導
    体ナノ多孔質層に担持させる前に熱処理を施してなる請
    求項2から12のいずれかに記載のエレクトロクロミッ
    ク装置。
  14. 【請求項14】 半導体ナノ多孔質層の厚みが100μ
    m以下である請求項1から13のいずれかに記載のエレ
    クトロクロミック装置。
  15. 【請求項15】 エレクトロクロミック色素が、有機化
    合物及び金属錯体から選ばれる請求項1から14のいず
    れかに記載のエレクトロクロミック装置。
  16. 【請求項16】 平地混合による面積階調法、平地混合
    による濃度階調法、積層混合による面積階調法及び積層
    混合による濃度階調法から選ばれるいずれかの方法でフ
    ルカラー化された請求項1から15のいずれかに記載の
    エレクトロクロミック装置。
  17. 【請求項17】 到達透過率又は到達吸光度となるまで
    の応答速度が100msec以下である請求項1から1
    6のいずれかに記載のエレクトロクロミック装置。
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