JP2012141584A - イオン伝導体およびエレクトロクロミック表示装置 - Google Patents

イオン伝導体およびエレクトロクロミック表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エレクトロクロミック表示装置の電解質層として有用な、電圧印加よってインピーダンスの制御が可能な(イオン移動度を可変できる)イオン伝導体と、これを用いた低揮発性で信頼性が高いとともに、発消色応答が速くメモリー性にも優れたエレクトロクロミック表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と、低分子液晶材料との混合物からなり、交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン伝導体およびエレクトロクロミック表示装置に関し、詳しくは電圧印加よってイオン移動度を可変できる新規なイオン伝導体と、これを用いた発消または消色の応答が速くメモリー性にも優れたエレクトロクロミック表示装置に関する。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば、反射型表示装置であり、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリー効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に、表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比についての要求度が高い。
これまで、電子ペーパー用途の表示装置として、例えば、反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式、などが提案されている。しかしながら、上記のいずれの方式も白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難である。一般に、多色表示を行うためには、カラーフィルタを設けるが、カラーフィルタを設けると、カラーフィルタ自身が光を吸収し、反射率が低下する。さらに、カラーフィルタは、一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示装置の反射率が低下し、それに伴ってコントラスト比が低下する。白反射率・コントラスト比が大幅に低下した場合は、視認性が非常に悪くなり、電子ペーパーとして用いることが困難である。
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。電圧を印加することで、その極性に応じて可逆的に酸化・還元反応が起こり、追随して可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色または消色(略、発消色)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。このエレクトロクロミック表示装置については、非発光の表示装置であること、メモリー効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補である。
ただし、エレクトロクロミック表示装置には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。例えば、特許文献1に、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって発消色の応答速度の改善を図った例が記載されている。
しかし、エレクトロクロミックは電気化学現象であるため、電解質層の性能(イオン伝導度など)が応答速度や発色のメモリー効果に大きく影響する。また、電荷質層が、電解質を溶媒に溶かした液体状である場合には速い応答性を得やすいが、素子強度・信頼性の点で難があることから、固体化、ゲル化による改良が検討されている。
すなわち、従来から、電気化学素子としての電池やエレクトロクロミック表示用装置においては、電解液を使用しているため、電解液の漏れ、溶媒の揮発による電池内の乾燥があるばかりでなく、電池容器内では、電解液の偏りにより、隔膜が部分的に乾燥状態になり、このことが内部インピーダンスの上昇あるいは内部短絡の原因になっていた。特に、エレクトロクロミック表示装置は、表示用途に用いる関係上、少なくとも一方向は、ガラスやプラスチック等の透明材料で封止する必要があるため、金属等で電解質を完全に密閉してしまうことは困難であり、電解液の漏れや揮発がより大きな問題となる。
上述したような欠点を解決するための方法としては、高分子固体電解質を用いることが提案されている。その具体例として、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーと無機塩との固溶体が挙げられるが、これらは完全固体であり、加工性に優れるものの、その電導度は通常の非水電解液に較べて3桁ほど低いという実用上の課題を有している。
また、電解質層に液晶材料を含有することで、揮発性を改善する提案もある。例えば、電解質層に高分子液晶材料を含有することで、電解質層の揮発性を改善し、固体電解質層で問題となるエレクトロクロミック層との密着性を向上する事例(下記特許文献2参照)や、電解質と特定の低分子ネマチック液晶材料を含有することにより、電極間(垂直方向)のイオン電導率を改善した電池用イオン伝導体などの事例(下記特許文献3参照)がある。
しかし、従来の電解質層はエレクトロクロミック表示用途としては、不十分であった。すなわち、低揮発性電解質層のイオン伝導率向上により駆動応答は改善できるが、画像表示のメモリー性が低下しやすいという課題がある。これは、一般的にエレクトロクロミック反応は双安定ではないためである。
エレクトロクロミック表示装置の表示画素は、電荷を格納する性能を備えるという点でコンデンサと同様な特性を有し、画素は電圧を印加することにより導通され(オンになり)、充電発色される。充電後は開回路構成にすることで画素の発色状態を維持する。これがメモリー性であるが、開回路構成において電解質層内でイオンが拡散移動すると酸化状態または還元状態が不安定となり、充電発色状態の維持が困難になる。特に、電解質層のイオン伝導率が高い場合(液体など)ではイオンが拡散移動しやすく、結果として表示画像が滲むという問題がある。
表示装置としては、マトリックス状の任意の画素電極単位で発消色させる構成(アクティブマトリックス駆動)が表示解像度、表示速度の点で好ましいが、このような高解像度の構成では表示画像のにじみが顕著になる。また、素子構成としてはTFTなどの駆動回路を形成するため光透過率が低い画素電極部を背面対極側、ITOなどの高光透過性のシート電極を表示電極とすることが、光利用効率、色彩品質の点で好ましいが、この素子構成では表示画像のにじみが速くなる。これは、シート電極により電極方向に電荷が動きやすくなるためとだと考えられる。
そこで、特許文献4では、電解質層を表示画素に対応した部分にのみ形成することで拡散を防ぎ、選択した画素のみを表示することが提案されている。しかし、この方式は構成が複雑であるため、素子作製が困難であり、大幅なコストアップになる。
一方、本発明者らは特許文献5において、表示基板上に複数の表示電極および対応した複数のエレクトロクロミック層を積層した構成のエレクトロクロミック表示素子を提案した。このエレクトロクロミック表示素子は、簡便な方法で複数の色を個別発色でき、これによりカラー表示することができる。なお、特許文献5の電解質層には過塩素酸クロライドなどの電解質が用いられており、液晶状の電解質は用いられていない。
前述のように、エレクトロクロミック表示装置では、発色または消色(略称、「発消色」)の応答速度とメモリー性、素子信頼性が課題であり、従来技術の電解質層に用いられている電解質ではこれらの課題を十分解決するに至っていない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、エレクトロクロミック表示装置の電解質層として有用な、電圧印加よってインピーダンスの制御が可能な(イオン移動度を可変できる)新規なイオン伝導体と、これを用いた低揮発性で信頼性が高いとともに、発消色応答が速くメモリー性にも優れたエレクトロクロミック表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
以下、本発明について具体的に説明する。
即ち、上記課題を解決するためのイオン導電体は、少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と、低分子液晶材料との混合物からなり、交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化することを特徴とする。
また、上記課題を解決するためのエレクトロクロミック表示装置は、表示基板と、表示電極と、対向基板と、1つまたは複数の対向電極と、前記表示電極の対向電極側の面に接して設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極との間に設けられた電解質層とを有し、前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置において、前記電解質層が、上記に記載のイオン伝導体からなることを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するためのエレクトロクロミック表示装置は、表示基板と、対向基板と、前記対向基板上に設けられた1つまたは複数の対向電極と、前記表示基板と前記対向電極との間に設けられた電解質層と、前記表示基板と前記対向電極との間に互いに隔離して設けられた複数の表示電極と、前記各表示電極上に、前記対向電極と向き合うように形成されたエレクトロクロミック層を有し、前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置であって、前記電解質層が、上記に記載のイオン伝導体からなることを特徴とする。
本発明のイオン伝導体によれば、電圧印加により液晶が配向することにより、印加電圧の増大によってインピーダンスを変化させて制御することが可能であることから、イオン移動度を可変制御できる新規なイオン伝導体を提供することができる。
このイオン伝導体を用いて電解質層を構成すれば、低揮発性で信頼性が高いとともに、発消色応答が速くメモリー性にも優れ、単色表示およびカラー表示の可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。また、光利用効率、色彩品質が良好なアクティブマトリックス駆動のエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための構成例を示す概略図である。 本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための別の構成例を示す概略図である。 本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための更に別の構成例を示す概略図である。 本発明に係るカラー表示可能とされたエレクトロクロミック表示素子構成とその発消色駆動形態を説明するための概略模式図である。 実施例で作製したエレクトロクロミック表示装置の電極構成を示す概略平面図である。 実施例でインピーダンス測定用に作製した素子の電極構成を示す概略平面図である。 実施例でインピーダンス測定に用いた回路構成を示す概略図である。
本発明におけるイオン伝導体は、少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と、低分子液晶材料との混合物からなり、交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化することを特徴とする。
液晶材料が電圧印加により配向することは液晶ディスプレイなどで利用されており、液晶の配向状態から、TN(Twisted Nematic)型、VA(Vertical Alignment)型、IPS(In-Plane Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型などが知られており、さまざまな液晶材料が開発されてきた。
本発明のイオン伝導体はこのような液晶材料に電解質イオンを混合することで、電圧印加による液晶配向により、電解質イオンの移動速度を変化させることができる。
エレクトロクロミック表示装置用の電解質層として上記イオン伝導体を用いる場合は、電圧印加(駆動)時にイオン伝導が高く(すなわちインピーダンスが低く)、開回路構成のメモリー表示時にイオン伝導が低く(すなわちインピーダンスが高く)なるように制御することにより、発消色応答が速く、メモリー性にも優れ、表示画像のボケ(解像度低下)がなく、さらには低揮発性で信頼性が高いエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
このような液晶材料としては、電圧印加時に表示電極と対向電極の間で垂直に配向することが望ましいため、ネマチック液晶であることが好ましい。また液晶材料の分子量は1,000以下であることが好ましく、単分子化合物(モノマー)であることがさらに好ましい。分子量がこれよりも大きくなる、および/またはポリマー化合物になると配向の応答速度が低下しやすく、さらに、電解質の溶解性、相溶性が低下しやすいためである。
電解質層のネマチック液晶は、電圧印加により電極(表示電極と対向電極)間に垂直配向するので、駆動時(駆動電圧印加時)の電解質層のインピーダンスが大きく減少してイオン伝導率を大きくすることができる。これにより、非駆動時に対する駆動時のイオン伝導率比を大きくすることが容易となる。特に、シアノ基を有するビフェニル誘導体からなる低分子液晶材料は好ましく用いられる。
一方、前記電解質は4級アンモニウム塩であることが好ましい。
4級アンモニウム塩は、例えば、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶などのネマチック液晶材料に対する溶解性、相溶性が良好であり、4級アンモニウム塩とネマチック液晶材料(分子量が1,000以下の低分子液晶材料)の混合物からなるイオン伝導体を用いて電解質層を形成すれば、発消色応答を速くすることが容易となる。4級アンモニウム塩の具体例としては、一般的なテトラアルキルアンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、などを挙げることができるがこれらに限定されない。
また電解質は液晶材料に溶解または相溶すれば良く、固体でも溶液でも良い。
液体の電解質は一般にイオン液体と呼ばれる。
さらには、液晶材料自身がイオン性を有する場合は、電解質を不要にすることもできる。
エレクトロクロミック表示装置では、駆動電圧印加時のインピーダンス変化として、下記式により算出されるインピーダンス変化率が20%以上であるイオン伝導体が好ましい。
インピーダンス変化率(%)=[(〔R0.1〕−〔R〕)/〔R0.1〕]×100
(式中、〔R0.1〕は0.1V電圧印加時の交流インピーダンス、〔R〕は制御電圧印加時の交流インピーダンスを示す。)
なお、制御電圧は材料や素子構成で変化し、通常は駆動電圧として1V以上の電圧が印加される。
また、本発明におけるエレクトロクロミック表示装置は、下記〈1〉または〈2〉の要
件を備え、該要件における電解質層が、少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有
する塩からなる電解質と低分子液晶材料の混合物からなり、交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化することを特徴とする。
〈1〉表示基板と、表示電極と、対向基板と、1つまたは複数の対向電極と、前記表示電極の対向電極側の面に接して設けられたエレクトロクロミック層と、前記表示電極と前記対向電極との間に設けられた電解質層とを有し、前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置。
〈2〉表示基板と、対向基板と、前記対向基板上に設けられた1つまたは複数の対向電極と、前記表示基板と前記対向電極との間に設けられた電解質層と、前記表示基板と前記対向電極との間に互いに隔離して設けられた複数の表示電極と、前記各表示電極上に、前記対向電極と向き合うように形成されたエレクトロクロミック層を有し、前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置。
上記エレクトロクロミック表示装置において、前記エレクトロクロミック層を発色または消色する際に、前記電解質と低分子液晶材料の混合物(イオン伝導体)からなる電解質層のインピーダンスが変化することにより、駆動電圧印加時にはイオン伝導率が大きい状態に制御されて発色または消色(発消色)の応答が速く行われ、一方、駆動電圧非印加時(非駆動時)にはイオン伝導率が小さい状態に制御されて表示がそのまま維持される。このため、メモリー性に優れるエレクトロクロミック表示装置とすることが容易にできる。
すなわち、上記イオン伝導体を用いて電解質層を構成し、従来の液晶ディスプレイのように駆動電圧の印加により液晶配向状態を変化させることにより、駆動時の電解質イオンを非駆動時よりも動き易くすることが可能となり、発消色応答が速くかつメモリー性にも優れ、表示画像のボケ(解像度低下)がなく、さらには低揮発性で信頼性が高く、単色表示およびカラー表示の可能なエレクトロクロミック表示装置を容易に提供することができる。
また、前記イオン伝導体からなる電解質層中、前記無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質の含有量が、0.2wt%以上2.0wt%以下であることが好ましい。
電解質含有量を上記範囲とすることにより、イオン移動による発消色が可能であると共に、電解質イオンの移動拡散量が抑制され、メモリー性に優れたエレクトロクロミック表示装置とすることが容易にできる。
また、前記電解質層がイオン伝導体および溶媒を含有し、該溶媒の含有量が前記電解質層の全量に対して10wt%以下であることが好ましい。
上記溶媒の添加により液晶効果を維持したまま、液晶材料に難溶な固体電解質を溶解することが可能となり、より多くの電解質種を採用することができ、多種仕様への幅広い対応が可能になる。
また、前記エレクトロクロミック層が、ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が担持してなることが好ましい。
ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が吸着や結合などにより担持したエレクトロクロミック層とすれば、ナノ構造体の表面積効果により発消色応答が向上すると共に、イオン化したエレクトロクロミック化合物が電解層中に拡散移動しないため、メモリー性にも優れるエレクトロクロミック表示装置とすることが容易にできる。
さらに、前記対向電極が画素に分割され、前記表示電極が画素よりも大きく形成されていることが好ましい。
このような電極構成により、TFT(薄膜トランジスタ)などの駆動回路形成に伴い光透過率が低減される画素電極部を背面対極側(対向電極)とし、ITOなどの高光透過性のシート電極を表示電極とすることが可能となり、光利用効率、色彩品質が良好であり、発消色応答が速くかつメモリー性にも優れるエレクトロクロミック表示装置とすることが容易にできる。
さらに、前記対向電極面に液晶配向層を形成することで、非駆動時(電圧印加しない開回路構成)の液晶の配向性を制御することが容易になり、さらにインピーダンス変化率を大きくすることができる。
液晶配向層としては、ポリイミド樹脂など液晶ディスプレイで公知の材料を用いることが可能である。
また、配向層の形成領域は画素電極側表面の全面に形成しても良いが、画素電極表面のみ、さらには画素電極間(バンク部)のみでも構わない。特に、バンク部は一般にポリイミド材料で形成されるので、この場合はバンク材と配向層を兼ねることが出来るので好ましい。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための構成例を示す概略図である。
図1において、表示装置10は、表示電極11aが形成されている表示基板11と、表示電極11aに対して、所定の間隔を隔てて対向して設けられている対向電極12aが形成されている対向基板12と、表示電極11aに接して設けられたエレクトロクロミック層13と、表示電極11aと対向電極12aとに挟まれるように設けられた電解質層14とエレクトロクロミック層13の対向基板12側に形成された白色反射層15を有する。
電解質層14は本発明のイオン伝導体(少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と低分子液晶材料の混合物からなり、交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化する)からなり、表示電極11aと対向電極12a間に電圧を印加すると電解質イオンが動くと共にエレクトロクロミック層13が、表示電極11aからの電荷の授受により酸化・還元反応することにより発消色する。
エレクトロクロミック層13の発消色領域は電圧印加される電極形状に対応し、図1では画素電極として形成された対向電極12aのうち、電圧印加した領域のみが発消色駆動する。表示装置10は表示基板側からエレクトロクロミック層を介して白色反射層の反射光を視認することで、反射型の表示素子となる。なお、表示基板11および対向基板12は、スペーサ16を介して、貼り合わされている。
図2は、本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための別の構成例を示す概略図である。
図2の構成例(表示装置10の変形例)において、表示装置20は、電解質層14に分散した白色粒子(白色顔料粒子)17を白色反射層として機能させていること以外は、図1に示す表示装置10と同一の構成であるため、各構成の詳細説明は省略する。
図3は、本発明のエレクトロクロミック表示装置を説明するための更に別の構成例を示す概略図である。
図3の構成例(表示装置10の変形例)において、表示装置30は、エレクトロクロミック層13a、13b、13cが表示電極11b、11cを挟んで積層形成されている(互いに隔離して多層に配置された複数の表示電極構成とされている)以外は、図1の表示素子10と同一の構成である。
各エレクトロクロミック層のエレクトロクロミック化合物をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの異なる発色カラーとし、一の表示電極と他の表示電極との間の電気抵抗が、一の表示電極の電気抵抗より大きく設定することにより、積層カラー表示が可能である。電気抵抗はエレクトロクロミック層の膜厚などに依存するが、一の表示電極と他の表示電極との間の電気抵抗が、一の表示電極の電気抵抗より大きく設定することができない場合には、エレクトロクロミック層13aと表示電極11bの間および/またはエレクトロクロミック層13bと表示電極11cの間に絶縁層を形成することが好ましい。なお、この構成では電解層14が表示電極11aと対向電極12aの全体に浸透している。
以下、構成材料について説明する。
表示電極11a、11b、11cを構成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(略称:ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(略称:FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下ATO)等の無機材料を用いることができるが、特に、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、In酸化物という)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という)または亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物およびZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。
表示基板11を構成する材料としては、ガラス、プラスチック等が挙げられる。表示基板11として、プラスチックフィルムを用いると、軽量でフレキシブルな表示装置を作製することができる。
電解質層14としては、本発明の少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質(電解質塩またはイオン液体)と低分子液晶材料の混合物、(交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化する)からなるイオン伝導体が用いられる。
電解質塩の材料としては、塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の塩を用いることができる。具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF、N(C49ClO、N(C49Cl、N(C49BF、N(C49PF6、N(C25Br、N(C49)CH265Cl、N(C817Brなどを用いることができる。
また、イオン液体では、用いられる陽イオンとして、イミダゾリウム塩類・ピリジニウム塩類などのアンモニウム系、ホスホニウム系イオン、無系イオンなどが、陰イオンとして、臭化物イオンやトリフラートなどのハロゲン系、テトラフェニルボレートなどのホウ素系、ヘキサフルオロホスフェートなどのリン系などがある。
なかでも、電解質材料としては4級アンモニウム塩が、低分子液晶と混合しやすく好ましい。特に好ましいものは、N(CClO、N(CCl、N(CBF、N(CPF、N(C17Brなど少なくとも1つのアルキル鎖炭素数が4以上の4級アンモニウム塩、およびイミダゾリウム塩類・ピリジニウム塩などである。これらは特に液晶材料と混合しやすい。これら電解質は単独材料あるいは混合して用いることができる。
イオン伝導体からなる電解層中、電解質(無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる)の含有量は電解層に対して0.2wt%以上30wt%以下であることが好ましく、0.2wt%以上2.0wt%以下であることが特に好ましい。これよりも含有量が大きくなると液晶性が低下しやすくなるとともに電解層中をイオンが拡散しやすなり、発色表示部がにじむためである。
一方、低分子液晶材料としては電解質を溶解または相溶し、素子の駆動温度範囲で液晶状態である任意の材料を用いることが可能である。さらに、メモリー性を高めるにはエレクトロクロミック表示装置の駆動電圧で配向応答すること、および/または駆動電圧の印加により液晶分子が電極間に垂直配向しやすいネマチック液晶であることが好ましい。
これらの低分子液晶材料は、液晶ディスプレイ用材料として従来用いられている材料をそのまま用いることができる。具体的例としては、例えば、下記一般式(1)で示される構造を有する化合物などを用いることができるが、これらに限定されない。
ただし、少なくとも誘電異方性が10以上の化合物が含有されていることが好ましい。誘電異方性が大きいと、イオン性を有する前記電解質を溶解しやすいためである。
なお、エレクトロクロミック表示装置のエレクトロクロミック層を発色する際に、電解質層のインピーダンスが20%以上減少することが好ましい。前述のように、インピーダンスの減少が20%よりも小さいと、メモリー性効果が得られにくいためである。
[式(1)中、R1はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1から20のアルキル基、または炭素数1から20のアリール基、または炭素数1から20のアルコキシ基、またはハロゲン原子、または水素原子を表し、pは1から5の整数を表す。R2はそれぞれ独立にCN、またはハロゲン原子、または水素原子を表し、qは1から5の整数を表す。Zは、−COO−、または炭素数1から6のアルキレンを表し、rは0から2の整数を表す。環構造X、Yはそれぞれ独立に脂肪族単環式炭化水素構造、複素単環式炭化水素構造、縮合多環式炭化水素構造、縮合複素環炭化水素構造を表す。]
また、液晶材料としては、従来公知の液晶材料の使用が可能である。このような液晶材料としては、相構造、転移温度、光学特性などの基礎物性から光学素子などへの応用についてすでに幅広く研究されている(例えば、液晶=基礎編 応用編 岡野、小林共著 倍風館)ものが使用できる。
なお、本発明に用いられる低分子液晶化合物(液晶材料)としては、分子量が、10,000以下であるものが好ましく、1,000以下がより好ましい。液晶化合物の分子量が10,00よりも大きくなると、電解質が溶解しにくくなると共に、電界印加において液晶材料の配向応答が遅くなるためである。発消色応答が速くメモリー性に優れたエレクトロクロミック表示装置とする観点から、分子量が1,000以下のものが特に好ましく用いられる。
電解質層には、前記電解質と低分子液晶材料に加えて、溶媒を含有することができる。すなわち、溶媒の添加により、液晶材料に難溶な固体電解質を溶解することが可能となり、より多くの電解質種を採用することができる。溶媒の具体例としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類などが用いられるが、素子の信頼性から、揮発性の低い高沸点材料を単一または混合して用いることが好ましい。
また、前記溶媒の添加量は、電解質層の全量に対して10wt%以下であることが好ましい。10wt%より添加量が大きくなると、液晶性が低下しやすくなるとともに電解層中をイオンが拡散しやすくなり、発色表示部がにじむためである。
さらに、電解質層に硬化型樹脂含有させることで、電界層強度、電極間の接着強度を高めることもできる。このようなエレクトロクロミック表示装置は、電解質層を電極間に形成した後、光硬化や熱硬化することで容易で作製できる。
また、電解質層中に白色粒子を分散させることで、白色反射層の機能を持たせることもできる。白色粒子(白色の顔料粒子:白色顔料)としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物が挙げられる。光硬化樹脂により電解質層を硬化する場合には、白色顔料を増量すると光を遮蔽するため硬化不良となりやすい。このため、電解質層の厚さにも依存するが、白色顔料の好ましい含有量は10〜50wt%である。なお、電解質層の膜厚は(1層目)表示電極と対向電極の距離で決まり、0.1〜200μmの範囲にある。好ましくは1〜50μmである。電解質層が50μmよりも厚いと電荷が拡散しやすい、また1μmよりも薄いと電解質の保持が困難になるためである。
エレクトロクロミック層(例えば、図3の13a、13b、13c)には、表示電極(11a、11b、11c)と対向電極(12a)との間の電圧印加に基づく、酸化・還元反応により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的には、ポリマー系あるいは色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
上記中、特に好ましくは、下記一般式(2)で表されるジピリジン系化合物を含むことがよい。これらのジピリジン系化合物は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック表示装置を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。
[式中、R3、R4は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1から8のアルキル基、またはアリール基を表し、R3またはR4の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、Si(OC2k+1から選ばれる置換基を有する。Xは1価のアニオンを表す。n、m、lはそれぞれ独立に0または1を表す。A、B、Cはそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数2から20のアリール基、または複素環基を表す。]
これらの化合物は電極に接して形成されるが、特に好ましくは、ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が吸着または結合して電極に接していることがよい。この形態では、エレクトロクロミック化合物が移動しないよう固定されると共に、エレクトロクロミック化合物の酸化・還元に伴う電子の授受が妨げられないように電気的な接続が確保されていればよく、エレクトロクロミック化合物とナノ構造半導体材料とは混合されて単一層となっていてもよい。
ナノ構造半導体材料の材料としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(以下アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(以下シリカ)、酸化イットリウム、酸素ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、ナノ構造半導体材料の材料として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン、から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
また、ナノ構造半導体材料の形状は、特に限定されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することにより効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた表示が可能である。
エレクトロクロミック層の好ましい膜厚範囲は0.2〜5.0μmである。0.2μmよりも膜厚が薄い場合、発色濃度を得にくくなる。また、5.0μmよりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
図4は、本発明に係るカラー表示可能とされたエレクトロクロミック表示素子構成とその発消色駆動形態を説明するための概略模式図である。図4は3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンを発色するエレクトロクロミック層を形成した表示電極を積層形成し、対極電極を画素として構成した例である。3原色を減法混色表示させることでカラー表示が可能である。
まず、図4のエレクトロクロミック表示素子構成について説明する。
図4の積層構成では、第1の表示電極11a、第2の表示電極11b、第3の表示電極11cとの間の電極間抵抗は、対向電極12aに対する一方の表示電極の電位を、画素電極(対向電極)12aに対する他方の表示電極の電位と独立に制御することができる程度に大きな抵抗でなくてはならないが、少なくとも第1の表示電極11a、第2の表示電極11b、第3の表示電極11cの何れかの表示電極のシート抵抗よりも大きくなるように形成されなくてはならない。第1の表示電極11a、第2の表示電極11b、第3の表示電極11cとの間の電極間抵抗が、第1の表示電極11aおよび第2の表示電極11bの何れかの表示電極のシート抵抗よりも小さい場合、第1の表示電極11a、第2の表示電極11b、第3の表示電極11cの何れかの表示電極に電圧印加をすると、同程度の電圧が他方の表示電極にも印加されてしまい、各表示電極に対応するエレクトロクロミック層を独立に発消色することができない。各表示電極の間の電極間抵抗は、夫々の表示電極におけるシート抵抗の500倍以上あることが好ましい。抵抗値を確保するためには、例えば、前述のように第1のエレクトロクロミック層13aと第2の表示電極11bの間および/または第2のエレクトロクロミック層13bと第3の表示電極11cの間に図示しない絶縁層を形成することが好ましい。なお、図4中、符号13cは第3のエレクトロクロミック層、14は電解質層、15は白色反射層を示す。
絶縁層の材料としては、多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性、耐久性および成膜性に優れた有機材料もしくは無機材料を用いることができる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。
多孔質膜の具体例としては、無機ナノ構造粒子(SiO粒子、Al粒子など)とポリマー結着剤からなるポリマー混合粒子膜、多孔性有機膜(ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
この無機膜としては、少なくともZnSを含む材料が好ましい。ZnSは、スパッタ法によって、エレクトロクロミック層などにダメージを与えることなく高速に成膜できるという特徴を有する。更に、ZnSを主な成分として含む材料として、ZnO−SiO、ZnS−SiC、ZnS−Si、ZnS−Ge等を用いることができる。ここで、ZnSの含有率は、絶縁層を形成した際の結晶性を良好に保つために、約50〜90mol%とすることが好ましい。従って、特に好ましい材料は、ZnS−SiO(8/2)、ZnS−SiO(7/3)、ZnS、ZnS−ZnO−In−Ga(60/23/10/7)である。
このような絶縁層の材料を用いることにより、薄膜で良好な絶縁効果が得られ、多層化による膜強度低下(すなわち膜のはがれ)を防止することができる。
前述のようにZnS等をスパッタで形成する場合、予め下引き層として多孔性粒子膜を形成することによって、ZnS等の多孔質膜を形成することができる。この場合、前述のナノ構造半導体材料を粒子状膜として使用することもできるが、別途シリカ、アルミナ等を含む多孔質粒子膜を形成し、2層構成の絶縁層とすることが絶縁性の点から好ましい。このような手法を用いて絶縁層を多孔質膜にすることにより、電解質層14が絶縁層さらには表示電極11a、11b、11cに浸透することが可能となるため、酸化・還元反応に伴う電解質層中のイオン電荷の移動が容易となり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。なお、絶縁層の膜厚は20〜1000nmの範囲にある。1000nmよりも膜厚が薄い場合、絶縁性を得にくくなる。また、20nmよりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
対向基板12の材料としては、特に限定されるものではなく、表示基板11と同様の材料を用いることができる。
また、画素電極(対向電極)12aの材料としては、導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。また、対向基板12として、ガラス基板、プラスチックフィルムが用いられる場合、画素電極(対向電極)12aの材料として、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜、さらにはカーボンなどが用いられる。これらの透明導電膜または導電性金属からなる対向電極12aは、対向基板12に真空製膜または湿式コーティングにより形成される。一方、対向電極12aとして、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向基板12が対向電極12aを兼ねる。
さらに対向電極面には液晶配向層を形成することがより好ましい。
液晶配向層材料はポリイミド樹脂など液晶ディスプレイで公知の材料を用いることが可能である。
表示素子を液晶ディスプレイのようにAM−TFTによりアクティブ駆動させる場合は、前述のようにバンク材と配向層を兼ねることが好ましい。なお、バンクの高さは0.5〜3μmが一般的である。
さらに、エレクトロクロミック層13a、13b、13cの起こす酸化還元反応の逆反応を起こす材料を対向電極に形成することで、安定した発消色が可能である。すなわち、エレクトロクロミック層が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック層が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極12aとして、または対向電極表面に形成して用いると、エレクトロクロミック層13a、13b、13cにおける発消色の反応がより安定となる。
白色反射層15は表示基板11側から入射する光を散乱反射する。白色反射層15の材料としては、金属、半金属に加えて、酸化物、チッカ物、硫化物などの真空製膜可能な無機化合物膜、または酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子からなる白色顔料粒子膜が挙げられる。
無機化合物膜に浸透性を持たせるには絶縁層と同様の形態として形成する必要があり、効果的な散乱を得るためには下地層の粒子径が散乱効率の高い100〜400nmであることが好ましい。また、金属酸化物粒子膜は溶液に分散したペーストとして塗布製膜することにより容易に形成することができる。特に好ましい材料は酸化チタン粒子である。
なお、白色反射層15の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあり、更に好ましくは0.5〜5μmである。0.1μmよりも膜厚が薄い場合、白色反射効果を得にくくなり、一方、50μmよりも膜厚が厚い場合、浸透性と膜強度を両立することが困難となるためである。ただし、酸化チタン粒子含有層を用いても最大反射率が得られる膜厚まで厚膜化すると膜強度が不足しやすい。そこで、膜強度が得られる白色反射層と電解質層14に白色顔料粒子を混合した白色電解質層との2層構成で白色反射層を形成することが好ましい。
次に、図4に基づいて、エレクトロクロミック表示装置にカラー表示させる場合を例として駆動の形態について説明する。
すなわち、図4は本発明における表示装置の発消色駆動の一例を示すものであり、3原色を減法混色表示させることでカラー表示が可能である。以下に、駆動形態の一例を説明する。
[1]表示装置の発消色駆動としては発色濃度の安定性を高めるために、まず消色後に各エレクトロクロミック層を発色させることが好ましい(図4a)。消色動作は各エレクトロクロミック層を形成した表示電極と対向電極の間に正電位の電圧を印加する。複数の表示電極は1電極ずつ消色電位を印加することもできるが、図4aのように全数の表示電極と対向電極間に同時に消色電位を印加する方が処理スピードが速く好ましい。
[2]次に、次に画像信号に対応してイエロー発色するエレクトロクロミック層(13a)を形成した表示電極(11a)と対極画素電極との間に負電位の電圧を印加し、イエロー画素部を発色させる。このとき他の表示電極と対向電極の間は開回路構成とする(図4b)。
[3]次に、画像信号に対応してマゼンタ発色するエレクトロクロミック層(13b)を形成した表示電極(11b)と対極画素電極との間に負電位の電圧を印加し、マゼンタ画素部を発色させる。このとき他の表示電極と対向電極の間は開回路構成とする(図4c)。
[4]次に、画像信号に対応してシアン発色するエレクトロクロミック層(13c)を形成した表示電極(11c)と対極画素電極との間に負電位の電圧を印加し、シアン画素部を発色させる。このとき他の表示電極と対向電極の間は開回路構成とする(図4d)。
上記駆動形態の例では、1層ずつ発色させる駆動動作について説明したが、表示電極の接続により、2層同時、さらに3層同時の発色も可能である。
各エレクトロクロミック層の発色順序は表示電極間の絶縁性が保持されていれば発消色には影響しないが、前述のように1番目に発色させたエレクトロクロミック層の発色部(Y)により、2番目のエレクトロクロミック層の発色駆動が影響される場合は、前記対極電極から遠い表示電極(表示電極13a)から発消色駆動させることが好ましい。電圧印加する表示電極と対極電極間の外側に位置する表示電極は電圧印加の影響を受けにくく、選択したエレクトロクロミック層のみを独立に発消色することが容易となる。
画素の発色充電状態のばらつきから消色状態は過消色(過放電)状態となりやすく、発色状態が不安定になったり、素子が破壊される不具合が発生しやすい。そこで、表示電極と対向電極で形成される画素ごとに印加する電荷量を可変制御することが好ましい。
前述のように、画素に印加する電荷量をエレクトロクロミック層の充電量や他の表示電極との電位差により可変制御することで、各画素を任意の発消色状態にすることが容易となる。充電量は電圧値や抵抗値からモニタすることが可能である。さらには、形成する画像の発色濃度により画素の印加電荷量を制御し、電荷量の印加時間に従い表示電極の選択時間を調整することが好ましい。画像ごとに表示電極の選択時間を調整することにより、発色濃度の低い画像では表示電極選択時間が短く設定することができるため、画像表示に要する時間を短縮でき、スピードアップを図ることができる。
図4では還元状態で発色するエレクトロクロミック層を用いた例示を記載しているが、酸化発色の場合は電圧極性を反転させるだけで同様に動作できる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置図1乃至図3に例示したように、対向電極が画素に分割され、表示電極が画素よりも大きく形成することができる。これにより、TFTなどの駆動回路を形成するため光透過率が低い画素電極部を背面対極側、ITOなどの高光透過性のシート電極を表示電極とすることが可能となり、光利用効率、色彩品質が良好であり、発消色応答が速くかつメモリー性にも優れるエレクトロクロミック表示装置が容易に得られる。さらに、対向電極をアクィブマトリックスの画素電極として形成することで、アクティブ表示が可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
<表示電極/エレクトロクロミック層/白色反射層の形成>
表示基板として、縦横40mm×40mm、厚さ0.7mmのガラス基板を準備し、このガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように製膜することによって、表示電極11aを形成した。
次に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210;昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した後、120℃×15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜(ナノ構造半導体材料からなる)を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、下記構造式(3)で表される化合物を1.5wt%含む2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布した後、120℃×10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、エレクトロクロミック層を形成した。
さらに、この上に2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液に結着ポリマーとして、ウレタンペースト(DIC社製:HW140SF)を10wt%溶解した溶液を準備し、この溶液に酸化チタン粒子(商品名:CR90;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を50wt%分散したペーストをエレクトロクロミック層表面にスピンコート法により塗布した後、120℃×5分間アニール処理を行うことにより、約1μmの白色反射層を形成した。
<対向電極/電解質層の形成>
(対向電極の形成)
対向基板12として縦横32mm×40mm、厚さ0.7mmのガラス基板を準備し、このガラス基板上に対向電極12aとして4mmライン/1mmスペース(6ライン)で35mm幅の矩形ITOパターン膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜した。
(電解質層の形成)
次に、電解質層としてテトラブチルアンモニウム6フッ化リン酸塩(電解質)、液晶溶媒(低分子液晶材料)として4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(C1550:東京化成工業社製 分子量:249)を用意し、液晶溶媒に電解質を1.5wt%混合し、加熱溶解して混合物(溶液:イオン伝導体)とした。
<エレクトロクロミック表示装置の作成>
上記イオン伝導体を、前述の白色反射層表面に滴下塗布した後、対向電極面と重ねることで図1に示す形態(表示装置10)の表示装置を作成した。なお、電解質層の厚さはビーズスペーサを電解層に0.2wt%混合することにより5μmに設定した。
図5は、実施例で作製したエレクトロクロミック表示装置の電極構成を示す概略平面図である。
図5において、符号11は表示基板、11aは表示電極、11dは表示電極11aの駆動接続部、12は対極基板、12aは対向電極、12a1は対極画素電極−1、12a2は対極画素電極−2を示す。
以下、エレクトロクロミック表示装置を表示素子、電解質層を電解層、低分子液晶材料を液晶材料、と呼称することがある。
〈発色/消色反応の確認〉
表示装置10の表示電極11aの駆動接続部に負極を、対向電極12aの対極画素電極−1および対極画素電極−2に正極を接続し、5.0Vの電圧を1秒間印加したところ、エレクトロクロミック層13aが画素電極−1および対極画素電極−2のITOパターン形状に従いマゼンタ色に発色した。
次に、−5.0Vの電圧(表示電極11a:正極、対向電極12aの対極画素電極−1および対極画素電極−2:負極)を2秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。さらに、5.0Vの電圧(表示電極11a:負極、対向電極12aの対極画素電極−1および対極画素電極−2:性極)を1秒間印加し発色させた後、電圧を印加せずに5分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像メモリー特性に優れることが確認された。
このエレクトロクロミック表示装置の消色状態の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、表示基板側から測定したところ、約50%であった。
〈インピーダンス測定〉
さらに、図6のようにITO電極を形成した2枚のITO付きガラスをITO面が内側となるように向かい合わせ、100μmのシールスペーサで貼り合わせた後、前記イオン伝導体を電解層に注入して、インピーダンス測定用のセルを作製した。なお、ITO電極は交差部(電圧印加部が)1cm□になるようにした。
このセルについて交流インピーダンスを0.1V印加、5V印加の条件で測定した。測定はインピーダンスアナライザーSI1260およびジエレクトリックインターフェイス1296((東陽テクニカ、Solartron Schlumberger社製)で実施し、ナイキストプロットから電解層のインピーダンスを求めた。インピーダンス変化率(%)を下記式により算出した。
なお、インピーダンス値は、図7に示す回路構成のRpで算出した。
インピーダンス変化率(%)=[(〔R0.1〕−〔R5〕)/〔R0.1〕]×100
(式中、〔R0.1〕は0.1V電圧印加時の交流インピーダンス、〔R5〕は5V電圧印
加時の交流インピーダンスを示す。)
測定の結果、5V印加では0.1V印加時に比べインピーダンスが約25%減少した。また、電圧印加時に液晶が配向応答駆動していることが目視による透過率変化で確認できた。
実施例1で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1において用いた電解層の液晶材料(4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル)(C1550:東京化成工業社製)を、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルと4−シアノ−4’−ペンチルオキシビフェニル(C1551:東京化成工業社製 分子量:265)の混合物(重量組成比:7/3)にしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。実施例2で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。実施例1と同様に発消色応答が可能であり、かつメモリー特性も良好であった。
[実施例3]
実施例2において用いた電解質の量(1.5wt%混合)を、2wt%に変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例3の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。実施例3で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。実施例1と同様に発消色応答が可能であり、かつメモリー特性も良好であった。
[実施例4]
実施例2において用いた電解質の量(1.5wt%混合)を、0.5wt%に変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例4の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。実施例4で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。なお、インピーダンス測定用のセルは表示素子と同様に5μmとした。実施例1と同様に発消色応答が可能であり、かつメモリー特性も良好であった。
[実施例5]
実施例1において用いた液晶化合物(4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル)を、BL024[メルク社製;低分子ネマチック液晶混合物(分子量:1000以下)]に変更し、電解質の量(1.5wt%混合)を、0.2wt%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。実施例5で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。ただし、発消色駆動電圧は8Vに設定した。実施例1と同様に発消色応答が可能であり、かつメモリー特性も良好であった。
[実施例6]
実施例5において用いた電解質(テトラブチルアンモニウム6フッ化リン酸塩を1.5wt%混合)を、過塩素酸テトラブチルアンモニウム塩、1.0wt%に変更し、溶媒として炭酸プロピレン(略、PC)を10wt%添加したこと以外は実施例5と同様にして、実施例6の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。実施例6で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。実施例1と同様に発消色応答が可能であり、かつメモリー特性も良好であった。
[比較例1]
実施例1において、液晶材料は用いず、溶媒として炭酸プロピレン(略、PC)を用意し、電解質(テトラブチルアンモニウム6フッ化リン酸塩)の含有量を、1.5wt%から2wt%に変更してPCと溶解混合した溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。比較例1で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。なお、電解質が溶液であり、評価セルに適合せずインピーダンスの測定は省略した。
比較例1の表示素子は発消色応答が可能であったが、表示パターンは30秒以内に滲みが生じて、パターン判別ができなくなった。
[比較例2]
実施例1において、液晶材料は用いず、溶媒として分子量200のポリエチレングリコール(略、PEG200)を用意し、電解質(テトラブチルアンモニウム6フッ化リン酸塩)の含有量を、1.5wt%から2wt%に変更してPEG200と溶解混合した溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。比較例2で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解質層セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。比較例2の表示素子は発消色応答が可能であったが、表示パターンは1分以内に滲みが生じて、パターン判別ができなくなった。
[比較例3]
実施例1において、液晶材料は用いず、溶媒として分子量400のポリエチレングリコール(略、PEG400)を用意し、電解質(テトラブチルアンモニウム6フッ化リン酸塩)の含有量を、1.5wt%から10wt%に変更してPEG400と溶解混合した溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例3の表示素子およびインピーダンス測定セルを作製し、評価を実施した。比較例3で用いた電解質層(液晶材料、電解質等)および表示素子の評価結果(発色特性、メモリー性)、電解層質セル評価結果(インピーダンス、電圧応答等)をまとめて下記表1に示す。比較例3の表示素子は発消色応答が可能であったが、表示パターンは1分以内に滲みが生じて、パターン判別ができなくなった。
表1に示すように、実施例1〜6で作製した本発明のイオン伝導体(前記電解質と低分子液晶材料とを含有する)からなる電解質層を備えた表示素子の評価結果は、いずれも発色特性、メモリー性が良好であり、また、インピーダンス測定セルの評価結果も同様に、いずれもインピーダンスの減少比率が20%以上で電圧印加よってインピーダンスの制御が可能であり、液晶による配向応答性にも優れている。すなわち、実施例1〜6で作製した本発明の表示素子、インピーダンス測定セルの電解質層はいずれも、低揮発性の液晶が電解層の主要成分であり、信頼性が高く、さらに駆動印加電圧により電解層が配向応答するので、発消色応答とメモリー性にも優れる。
一方、比較例1〜3で作製した低分子液晶材料を含有しない電解質層を備えた表示素子の評価結果は、いずれも発消色応答は可能であったが、表示パターンは30秒〜1分以内に滲みが生じて、パターン判別できなくなりメモリー性に問題があった。また、インピーダンス測定セルの評価結果は、いずれもインピーダンスの減少比率が20%よりも低く電圧印加よってインピーダンスの制御はできず、配向応答性もない。
上記評価結果から、少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と低分子液晶材料の混合物(イオン伝導体)を電解質層に用いることで、電界印加によるエレクトロクロミック層の発色後、電界無印可状態で放置しても十分な発色濃度を維持し、画像メモリー性に優れているほか、時間経過による未発色部分への色の滲みが無く、画像ボケが抑制されて明瞭な画像が表示できることが分かる。
このため、良好な発色/消色の応答性、メモリー性の維持、画像のボケの低減を実現した本発明のエレクトロクロミック表示素子は、例えば、書き換えが可能なペーパーライクな装置技術として有用であり、表示品質、表示動作時の消費電力等の点でも優れた画像表示装置を提供することができる。
(図1の符号)
10 表示装置
11 表示基板
11a 表示電極
12 対向基板
12a 対向電極
13 エレクトロクロミック層
14 電解質層
15 白色反射層
16 スペーサ
(図2の符号)
20 表示装置
11 表示基板
11a 表示電極
12 対向基板
12a 対向電極
13 エレクトロクロミック層
14 電解質層
16 スペーサ
17 白色粒子
(図3の符号)
30 表示装置
11a、11b、11c 表示電極
12 対向基板
12a 対向電極
13a、13b、13c エレクトロクロミック層
14 電解質層
15 白色反射層
16 スペーサ
(図4の符号)
11a 第1の表示電極
11b 第2の表示電極
11c 第3の表示電極
12a 画素電極(対向電極)
13a 第1のエレクトロクロミック層
13b 第2のエレクトロクロミック層
13c 第3のエレクトロクロミック層
14 電解質層
15 白色反射層
(図5の符号)
11 表示基板
11a 表示電極
11d 表示電極11aの駆動接続部
12 対極基板
12a 対向電極
12a1 対極画素電極−1
12a2 対極画素電極−2
特表2001−510590号公報(特許第3955641号公報) 特開2002−287172号公報 特開2007−194150号公報 特開2008−304906号公報 特開2010−33016号公報

Claims (13)

  1. 少なくとも無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質と、低分子液晶材料との混合物からなり、
    交流インピーダンス法により測定されるインピーダンスが、前記低分子液晶材料の配向応答により、印加電圧の増大に応じて変化することを特徴とするイオン伝導体。
  2. 前記低分子液晶材料が、ネマチック液晶であることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導体。
  3. 前記低分子液晶材料が、シアノ基を有するビフェニル誘導体からなることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン伝導体。
  4. 前記電解質が、4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のイオン伝導体。
  5. 下記式により算出されるインピーダンス変化率が20%以上の値を示すものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のイオン伝導体。
    インピーダンス変化率(%)=[(〔R0.1〕−〔R〕)/〔R0.1〕]×100
    (式中、〔R0.1〕は0.1V電圧印加時の交流インピーダンス、〔R〕は制御電圧印加時の交流インピーダンスを示す。)
  6. 表示基板と、表示電極と、対向基板と、1つまたは複数の対向電極と、
    前記表示電極の対向電極側の面に接して設けられたエレクトロクロミック層と、
    前記表示電極と前記対向電極との間に設けられた電解質層とを有し、
    前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置において、
    前記電解質層が、請求項1乃至5のいずれかに記載のイオン伝導体からなることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  7. 表示基板と、対向基板と、前記対向基板上に設けられた1つまたは複数の対向電極と、
    前記表示基板と前記対向電極との間に設けられた電解質層と、
    前記表示基板と前記対向電極との間に互いに隔離して設けられた複数の表示電極と、
    前記各表示電極上に、前記対向電極と向き合うように形成されたエレクトロクロミック層を有し、
    前記エレクトロクロミック層を酸化還元反応させて発消色するエレクトロクロミック表示装置であって、
    前記電解質層が、請求項1乃至5のいずれかに記載のイオン伝導体からなることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  8. 前記電解質層が、少なくとも4級アンモニウム塩からなる電解質とシアノ基を有するビフェニル誘導体の混合物からなることを特徴とする請求項6または7に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  9. 前記イオン伝導体からなる電解質層の、前記無機または有機の陰・陽対イオンを有する塩からなる電解質の含有量が、0.2wt%以上2.0wt%以下であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  10. 前記電解質層がイオン伝導体および溶媒を含有し、該溶媒の含有量が前記電解質層の全量に対して10wt%以下であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  11. 前記エレクトロクロミック層が、ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が担持してなることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  12. 前記対向電極が画素に分割され、前記表示電極が画素よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  13. 前記対向電極面に液晶配向層が形成されていることを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
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