JP6478041B2 - エレクトロクロミック素子の駆動方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1では印加当初は応答性のみを優先し、高印加電圧より通電電流飽和後の低印加電圧へ段階的に降下する段階矩形波電圧を印加しており、さらに消色過程においては、エレクトロクロミック素子の両端子を短絡し、回路のみの保護を優先させている。このため、透明状態から着色状態へ、又は着色状態から透明状態へと駆動させる際の大電流にエレクトロクロミック素子がさらされてしまうこととなる。これではエレクトロクロミック素子の劣化を抑制することができない。
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V2を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程から(4)工程までをこの順番で行うことを特徴とする。
本発明の駆動方法により駆動されるエレクトロクロミック素子は、第1の電極11と、第1の電極11に対して間隔をおいて対向する第2の電極13と、該2つの電極の間に設けられる電解質15と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層12とを備える。また、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明のエレクトロクロミック素子の駆動方法を適用し得るエレクトロクロミック素子の各構成について以下説明する。
前記第1の支持体10、第2の支持体14としては、各層を支持できる材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。例えば、透明性を必要とする支持体の場合、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス支持体を用いることができる。また、支持体として、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂支持体を用いてもよい。
透明性を必要としない前記支持体としては特に制限はなく、前記透明性を有した材料に加え、一般的なエンジニアリングプラスチックなどを用いることもできる。
第1の電極11及び第2の電極13としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能であるが、2つの電極のうち少なくとも1つは透明電極であることが好ましく、第1の電極11及び第2の電極13が共に透明電極であってもよい。第1の電極11、第2の電極13の材料としては、導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、透明性を必要とする電極の材料としては、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、エレクトロクロミック層が発色する色の視認性をより高めることができる。
また、透明性を有する銀、金、銅、カーボンナノチューブ、金属酸化物などのネットワーク電極又はこれらの複合層も有用である。前記ネットワーク電極とは、カーボンナノチューブや他の高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して透過率を持たせた電極である。さらに、電極層をネットワーク電極と前記導電性酸化物の積層構成もよい。積層構成にすることにより、エレクトロクロミック層をムラなく発消色させることができる。
エレクトロクロミック層には酸化反応又は還元反応により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的には、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
電解質15としては、一般的に支持塩を溶媒に溶解させた電解液が用いられる。このため、イオン伝導度が高いことが好ましい。
支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2、過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどを用いることができる。
硬化樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などの一般的な材料を挙げることができるが、電解質との相溶性が高い材料が好ましい。このような構造としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエチレングリコールの誘導体が好ましい。
特に好ましい組み合わせは、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーとイオン液体との固溶体で構成されている電解質層である。この構成を用いることにより、硬度と高いイオン伝導度を両立しやすい。
エレクトロクロミック素子は反射層を入れることで反射型表示素子になる。これらは電子ペーパーとも呼ばれる。CRT、液晶ディスプレイ、有機ELといった従来の表示装置とは異なり、発光光源がないので非常に省エネな表示ができる。エレクトロクロミックデバイスは透明性、コントラスト比、カラー化対応が優れており、有望な反射型表示素子である。
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層、などが挙げられる。
前記絶縁性多孔質層は、前記2つの電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。前記絶縁性多孔質層の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、絶縁性及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料や無機材料、及びそれらの複合体を用いることが好ましい。
前記劣化防止層の役割は、エレクトロクロミック層と逆の化学反応をし、電荷のバランスをとって2つの電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することである。なお、逆反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む。
前記保護層の役割は、外的応力や洗浄工程の薬品から素子を守ることや、電解質の漏洩を防ぐこと、大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐこと等である。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
次に、本発明の駆動方法により駆動されるエレクトロクロミック素子のその他の実施形態について説明する。
上述したようにエレクトロクロミック素子の一例として図1に示されるものが挙げられる。図1では、第1の支持体10と、第1の支持体10に形成された第1の電極11と、第1の電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層12と、もう一方の支持体である第2の支持体14と、第2の支持体14に形成された第2の電極13と、第1の電極11と第2の電極13に挟持されてなる電解質15が図示されている。
なお、第1の支持体10と第1の電極11、及び、第2の支持体14と第2の電極13の組み合わせのうち、少なくとも一方は透明である。ここで、両方を透明にすることで、透過型エレクトロクロミック素子とすることも可能であり、本発明の駆動方法は支持体や電極に制限されるものではない。
図2では、第1の電極11の表面に第1のエレクトロクロミック層21が形成され、第2の電極13の表面に第2のエレクトロクロミック層22が形成されている。図2に示すように、エレクトロクロミック層を両方の電極に接して設けることができる。
本実施形態では、第1の電極11及び第2の電極13のうち、一方の電極表面に、酸化状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成され、もう一方の電極表面に、還元状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成されていることを特徴とする。
(b)エレクトロクロミック化合物は他の物質より電荷の授受が起こりやすいので、発色に必要な電荷量を小さくできる。
(c)電極上で不可逆な負荷反応が起こりにくくなるので、エレクトロクロミック素子の劣化を少なくできる。
(d)エレクトロクロミック化合物は他の物質より発色状態が安定のため、メモリ時間を長くできる。
(e)両電極上のエレクトロクロミック材料が共に発色するので、濃度の高い色を発色することができる。
還元型エレクトロクロミック化合物としては、ジピリジル系、アントラキノン系、テレフタル酸系、酸化タングステン、酸化チタン等が挙げられる。
トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。その中でも、導電性又は半導体性微粒子への結合力が高いトリアルコキシシリル基、ホスホン酸基が特に好ましい。
なお、図4の構成では、少なくとも第1の支持体10と第1の電極11は透明であり、図5の構成では、第1の支持体10、第1の電極11、第2の支持体14、第2の電極13は共に透明である。
反射層26としては、光を反射する材料、構成であれば特に限定されないが、特に光を散乱反射する白色反射層を用いることが好ましい。白色反射層については上述のようにすることができる。
本実施形態に係る駆動方法は、
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V2を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程から(4)工程までをこの順番で行うことを特徴とする。
図6には、横軸を時間とし、(1)工程の測定される電圧V0、(2)工程の階段状電圧波形、(3)工程の電圧V2、(4)工程の電圧V0が図示されている。以下詳細を説明する。
(2)工程では、2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する。このような階段状電圧波形を印加することで、エレクトロクロミック素子が着色する際に印加する電圧による大電流を分散させることができ、着色時の大電流による劣化を抑止することができる。
保持する電圧が2つ以上であれば特に制限はないが、2つの電極間の電圧値によるエレクトロクロミック素子の酸化もしくは還元反応量は決まっているため、保持する電圧数を多くしすぎてもエレクトロクロミック素子の劣化抑止効果が向上していくことはない。ただし、電極に含有されるエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物の量によってはこの限りではない。
(4)工程では、2つの電極間に、(1)工程に記載の電圧V0を印加する。電圧V0を印加することで、エレクトロクロミック素子を透明状態にすることができる。
なお、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1は、エレクトロクロミック化合物の構造、エレクトロクロミック組成物の構成、又はエレクトロクロミック素子の構成により異なるものであるため、適宜変更されるものである。
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1より高電圧な電圧V2を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程から(4)工程までをこの順番で行うことを特徴とする。
(1)工程では、エレクトロクロミック素子における2つの電極間の電圧V0を測定することで、発色駆動前の電圧を記憶する。
(2)工程では、2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1より高電圧な電圧V2を印加する。電圧V2を印加することで、エレクトロミック素子を着色状態とする。
(3)工程では、2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する。これにより、エレクトロクロミック素子が消色する際に印加する電圧による大電流を分散させることができ、消色時の大電流による劣化を抑止することができる。
(4)工程では、2つの電極間に、(1)工程に記載の電圧V0を印加する。電圧V0を印加することで、エレクトロクロミック素子を透明状態にすることができる。
なお、(1)工程における電圧V0や(3)工程の階段状電圧波形における保持する電圧の数に関しては上記の実施形態と同様である。
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V2を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(5)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程から(5)工程までをこの順番で行うことを特徴とする。
(1)工程では、エレクトロクロミック素子における2つの電極間の電圧V0を測定することで、発色駆動前の電圧を記憶する。
(2)工程では、2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する。このような階段状電圧波形を印加することで、エレクトロクロミック素子が着色する際に印加する電圧による大電流を分散させることができ、着色時の大電流による劣化を抑止することができる。
(3)工程では、2つの電極間に、(2)工程に記載の電圧V2を印加する。電圧V2を印加することで、エレクトロミック素子を狙いの着色状態とする。
(4)工程では、2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する。これにより、エレクトロクロミック素子が消色する際に印加する電圧による大電流を分散させることができ、消色時の大電流による劣化を抑止することができる。
(5)工程では、2つの電極間に、(1)工程に記載の電圧V0を印加する。電圧V0を印加することで、エレクトロクロミック素子を透明状態にすることができる。
なお、(1)工程における電圧V0や(2)及び(4)工程の階段状電圧波形における保持する電圧の数に関しては上記の実施形態と同様である。
本実施例では、図3に示す構成のエレクトロクロミック素子を以下のようにして作製し、以下説明する評価を行った。
40mm×40mmのガラス基板2つの上にそれぞれスパッタ法により約100nmのITO膜を30mm×30mmの領域及び引き出し部分に形成し、第1の電極11及び第2の電極13を作製した。この第1の電極11面内の抵抗は約20Ωであった。第1の電極11の上に酸化チタンナノ粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム社製)をスピンコートし、120℃、15minのアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。さらにこの上に、赤紫色に発色するエレクトロクロミック化合物である4,4'-(1-phenyl-1H-pyrrole-2,5-diyl)bis(1-(4-(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium) bromideの5wt% 2.2.3.3.テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃、15minのアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなるエレクトロクロミック層24を形成した。
電解質15としてイオン液体である1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imideを用いた。電解質中に粒径10μmのビーズスペーサーを0.2wt%入れて、第1の電極11及びエレクトロクロミック層24が形成されたガラス基板の上に適量滴下し、第2の電極13が形成されたガラス基板を貼り合わせてエレクトロクロミック素子を作製した。
−耐久性評価−
図3に示す構成のエレクトロクロミック素子をポテンショスタット(東洋テクニカ社製、ModuLab)に繋ぎ、図6に示す電圧波形を表1に従って印加する工程を1000回繰り返した。着色時にエレクトロクロミック素子に投入された電荷量の1回目と1000回目の比(1000回目の投入電荷量/1回目の投入電荷量)を算出し、投入電荷量保持率と定義した。耐久性評価基準を以下に記す。
◎:投入電荷量保持率が95%以上
○:投入電荷量保持率が90%以上95%未満
×:投入電荷量保持率が90%未満
図3に示す構成のエレクトロクロミック素子をポテンショスタット(東洋テクニカ社製、ModuLab)に繋ぎ、図6に示す電圧波形を表1に従って印加するのと同時に、USB4000(Ocean Optics社製)にて透過率を測定し、波長400nm〜800nmにおける透過率の平均値[%]を算出した。算出した透過率の100msecあたりの変化率が5%未満となった時点を、着色、消色の完了とみなし、エレクトロクロミック素子の応答性を、以下の基準にて評価した。
◎:着色又は消色が5秒以内に完了する。
○:着色又は消色が10秒以内に完了する。
×:着色又は消色に10秒を超える時間を要する。
図7に示す電圧印加パターンを表2に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表2に示す。表2の結果から、図7の電圧パターンを印加することにより、エレクトロクロミック素子の耐久性を劣化させずに応答性も担保できていることが確認できる。
図8に示す電圧印加パターンを表3に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表3に示す。表3の結果から、図8の電圧パターンを印加することにより、エレクトロクロミック素子の耐久性を劣化させずに応答性も担保できていることが確認できる。
図4に示す構成のエレクトロクロミック素子を以下のように作製し、上記と同様の評価を行った。反射層26以外の部材は実施例1と同様にして作製した。
Polyurethaneと平均粒子径250nmの白色酸化チタン粒子(CR50、石原産業社製)と2.2.3.3.テトラフロロプロパノール溶液を2:20:78の比率で混合した溶液を調製した。この溶液を実施例1におけるエレクトロクロミック層24の表面上に膜厚20μmになるようにスピンコートし、白色反射層(反射層26)を形成した。それ以外は実施例1と同様にしてエレクトロクロミック表示素子を作製した。
次に、図6に示す電圧印加パターンを表4に従って印加し、応答性を下記で評価した以外は実施例1と同様に評価した。
図3に示す構成のエレクトロクロミック素子をポテンショスタット(東洋テクニカ社製、ModuLab)に繋ぎ、図6に示す電圧波形を表1に従って印加するのと同時に、USB4000(Ocean Optics社製)にて反射率を測定し、波長400nm〜800nmにおける反射率の平均値[%]を算出した。算出した反射率の100msecあたりの変化率が5%未満となった時点を、着色、消色の完了とみなし、エレクトロクロミック素子の応答性を、以下の基準にて評価した。
◎:着色又は消色が5秒以内に完了する。
○:着色又は消色が10秒以内に完了する。
×:着色又は消色に10秒を超える時間を要する。
図9に示す電圧印加パターンを表5に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表5に示す。表5の結果から、エレクトロクロミック素子の耐久性が劣化していることが確認できる。
図10に示す電圧印加パターンを表6に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表6に示す。表6の結果から、エレクトロクロミック素子の耐久性が劣化していることが確認できる。
図11に示す電圧印加パターンを表7に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表7に示す。表7の結果から、エレクトロクロミック素子の耐久性が劣化していることが確認できる。
図12に示す電圧印加パターンを表8に従って印加した以外は実施例1と同様である。
得られた評価結果を表8に示す。表8の結果から、エレクトロクロミック素子の耐久性が劣化していることが確認できる。
11 第1の電極
12 エレクトロクロミック層
13 第2の電極
14 第2の支持体
15 電解質
21 第1のエレクトロクロミック層
22 第2のエレクトロクロミック層
24 導電性又は半導体性微粒子と有機エレクトロクロミック化合物
26 反射層
Claims (6)
- 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V2を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、(1)工程から(4)工程までをこの順番で行うことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。 - 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1より高電圧な電圧V2を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、(1)工程から(4)工程までをこの順番で行うことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。 - 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記2つの電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
(1)前記2つの電極間の電圧V0を測定する工程、
(2)前記2つの電極間に、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧V1と該閾値電圧V1より高電圧な電圧V2とにおいて、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(3)前記2つの電極間に、前記V2を印加する工程、
(4)前記2つの電極間に、前記V1とV2の電圧間で少なくとも2つ以上の電圧を保持する階段状電圧波形を印加する工程、
(5)前記2つの電極間に、前記V0を印加する工程、
を少なくとも有し、(1)工程から(5)工程までをこの順番で行うことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。 - 前記第1の電極及び第2の電極のうち、一方の電極表面に、酸化状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成され、もう一方の電極表面に、還元状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
- 前記エレクトロクロミック組成物は、吸着構造を有する有機エレクトロクロミック化合物と、導電性又は半導体性微粒子とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
- 前記第1の電極及び第2の電極のうち、一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層ともう一方の電極との間、又は、前記第1の電極及び第2の電極で挟まれる領域とは反対側の領域における前記第1の電極側もしくは第2の電極側の一方に、反射層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
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JP2015105751A JP6478041B2 (ja) | 2015-05-25 | 2015-05-25 | エレクトロクロミック素子の駆動方法 |
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