JP2016218364A - エレクトロクロミック素子の駆動方法 - Google Patents

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平野 成伸
Shigenobu Hirano
成伸 平野
秀和 ▲柳▼沼
秀和 ▲柳▼沼
Hidekazu Yaginuma
大島 淳
Atsushi Oshima
淳 大島
貴彦 松本
Takahiko Matsumoto
貴彦 松本
和明 辻
Kazuaki Tsuji
和明 辻
圭一郎 油谷
Keiichiro Yutani
圭一郎 油谷
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Abstract

【課題】高速で、かつ、繰り返し耐久性の高い発色反応及び消色反応が可能なエレクトロクロミック素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】第1の電極11と、第2の電極13と、該2つの電極の間に設けられる電解質15と、エレクトロクロミック層12とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
(1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(A)を前記2つの電極間に印加する工程、
(2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(A)より小さい電圧(B)を前記2つの電極間に印加する工程、
を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック素子の駆動方法に関する。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。エレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色)を利用した装置として、調光デバイスや表示素子がある。
エレクトロクロミック化合物を用いた調光デバイスは液晶等の他の調光方式と比較して消色状態の透明性と発色状態の色濃度とのコントラストが非常に優れており、窓やミラーの表面に形成したデバイスが多く実用化されている。一方で、エレクトロクロミック化合物を用いた表示デバイスについては、反射型で視認性が高いこと、メモリ効果があり超低消費電力で表示ができること、低電圧で駆動できること、カラー化が可能なことなどの特徴があり、電子ペーパー用途として幅広く研究開発されている。
エレクトロクロミックデバイス(エレクトロクロミック素子)は電極とエレクトロクロミック層との電荷の授受により発色/消色反応を起こす。電荷の授受はデバイスに印加する電圧が高いほど多く起こり、高速に発色/消色が起こる。一方で、印加電圧が高すぎると反応電荷量を制御するのが難しくなる。デバイス内に過剰な電荷が流れると不可逆的な反応が起こりやすくなりデバイスの劣化の原因となる。
特許文献1では、エレクトロクロミック層に実際にかかっている第1の電圧をモニターし、第1の電圧と所望の発色濃度に対応する第2の電圧とを比較しつつ、上記比較結果に基づき、上記第1の電圧が第2の電圧より低い場合には第2の電圧より高い所定の過電圧を、上記第1の電圧が第2の電圧より高い場合には第2の電圧より低い所定の過電圧を、電極間に印加することが開示されている。そして、上記第1の電圧と第2の電圧との差が所定の許容範囲内に達した時に、上記過電圧の印加を停止することが開示されている。
従来のエレクトロクロミックデバイスの駆動方法は、発色/消色反応が起こるための電圧(閾値電圧)より(1)少し高い電圧を印加することで過剰な電荷が流れることを防ぐ、又は、(2)閾値電圧より高い電圧を印加することで高速に反応させる、のいずれかであった。
しかしながら、上記(1)の駆動方法では高速な色変化ができない、上記(2)の駆動方法ではデバイスの劣化が早まるといった課題があった。
そのため、高速で、かつ、繰り返し耐久性の高い発色反応及び消色反応が可能なエレクトロクロミック素子の駆動方法が望まれていた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高速で、かつ、繰り返し耐久性の高い発色反応及び消色反応が可能なエレクトロクロミック素子の駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記第1の電極及び第2の電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
(1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(A)を前記2つの電極間に印加する工程、
(2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(A)より小さい電圧(B)を前記2つの電極間に印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程及び(2)工程をこの順番で行うことを特徴とする。
本発明によれば、高速で、かつ、繰り返し耐久性の高い発色反応及び消色反応が可能なエレクトロクロミック素子の駆動方法を提供することができる。
エレクトロクロミック素子の一例を示す模式図である。 エレクトロクロミック素子の他の例を示す模式図である。 エレクトロクロミック素子の他の例を示す模式図である。 エレクトロクロミック素子の他の例を示す模式図である。 エレクトロクロミック素子の他の例を示す模式図である。
以下、本発明に係るエレクトロクロミック素子の駆動方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の駆動方法により駆動されるエレクトロクロミック素子(エレクトロクロミックデバイスとも称することがある)は、第1の電極11と、第1の電極11に対して間隔をおいて対向する第2の電極13と、該2つの電極の間に設けられる電解質15と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、第1の電極11及び第2の電極13のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層12とを備える。
図1は本実施形態におけるエレクトロクロミック素子の構成を模式的に示す断面図である。図1では、第1の基板10と、第1の基板10に形成された第1の電極11と、第1の電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層12と、もう一方の基板である第2の基板14と、第2の基板14に形成された第2の電極13と、第1の電極11と第2の電極13に挟持されてなる電解質15が図示されている。なお、第1の基板10と第1の電極11、及び、第2の基板14と第2の電極13の組み合わせのうち、少なくとも一方は透明である。
エレクトロクロミックデバイスを駆動するための駆動回路としては、特に制限されるものではないが、エレクトロクロミックデバイスの2つの電極を発色電源、消色電源とスイッチを介して繋ぐ。エレクトロクロミックデバイスは最適な発色電圧と消色電圧が異なる場合が大半であるため、電圧の異なる発色電源、消色電源を用意する必要があるが、1つの電源をスイッチで切り替えて使っても構わない。
本実施形態におけるエレクトロクロミック素子の駆動方法は、
(1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(A)を前記2つの電極間に印加する工程、
(2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(A)より小さい電圧(B)を前記2つの電極間に印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程及び(2)工程をこの順番で行うことを特徴とする。
すなわち、発色反応において、最初に高い電圧(A)を印加してから電圧(A)より低い電圧(B)を印加する。
エレクトロクロミックデバイスは電気化学セルであり、電圧を印加する前は基本的に電解質のイオンは平衡状態になっている。この状態から両電極に電圧を印加すると、まずは電極近傍の電解質のイオンがアノード側にはアニオンが、カソード側にはカチオンが集まる。このとき大きな電圧を印加すれば電解質内のイオンの分布を大きくすることができ、エレクトロクロミック層との電荷の授受が行われやすくなる。従って、発色反応の最初に大きな電圧を印加することは反応を高速に起こすために有効な手段である。
一方で、高い電圧を保持し続けていると、すぐにエレクトロクロミック層での反応が飽和してしまい、過剰な電荷がエレクトロクロミック層以外の部分に流れてしまう。そこで、電解質内のイオンの分布を大きくしたら印加電圧を低くするとよい。本実施形態に係る駆動方法によって、デバイスの劣化を最大限に防ぐことができる。なお、後述する消色反応を起こす場合についても同様のことがいえる。
発色電圧(A)を印加する時間は、デバイスの構成、電圧値(A)、電圧値(B)、電圧(B)を印加する時間との兼ね合いで様々なケースが考えられるが、おおよそ0.5秒以内が適当である。発色反応初期に高い電圧(A)を印加するだけで応答速度が大きく変わることがある。
なお、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧は、エレクトロクロミック化合物等の構成により異なるものである。また、色変化した前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を元の色に戻すために必要な閾値電圧も同様である。
次に、本発明のエレクトロクロミック素子の駆動方法を適用し得るエレクトロクロミック素子の各構成について説明する。
(電極)
第1の電極11及び第2の電極13としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能であるが、2つの電極のうち少なくとも1つは透明電極であることが好ましく、第1の電極11及び第2の電極13が共に透明電極であってもよい。第1の電極11、第2の電極13のうち透明電極を構成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明かつ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、エレクトロクロミック層が発色する色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(以下ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(以下FTO)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下ATO)等の無機材料を用いることができるが、特に、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、In酸化物という)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という)又は亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という)のいずれか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物及びZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。
また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。真空製膜を用いた場合、膜厚は20nm〜500nmが導電性と透明性を両立するためには好ましく、50nm〜200nmがより好ましい。また、透明性を有する銀、金、銅、カーボンナノチューブ、金属酸化物などのネットワーク電極、又はこれらの複合層も有用である。前記ネットワーク電極とは、カーボンナノチューブや他の高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して透過率を持たせた電極である。さらに、電極層をネットワーク電極と前記導電性酸化物の積層構成もよい。積層構成にすることにより、エレクトロクロミック層をムラなく発消色させることができる。
また、透明性を必要としない一方の電極の材料としては金属材料を含むことができる。例えば、Pt、Ag、Cu、Au、Cr、ロジウム、又はこれらの合金、あるいはこれらの積層構成などが挙げられる。作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
(基板)
第1の基板10、第2の基板14を構成する材料としては、ガラス、プラスチック等が挙げられる。このときプラスチックフィルムを用いると、軽量でフレキシブルなエレクトロクロミックデバイスを作製することができる。
(電解質)
電解質15としては、一般的に支持塩を溶媒に溶解させた電解液が用いられる。このため、イオン伝導度が高いものが好ましい。
支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF、過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどを用いることができる。
また、溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類等が用いられる。
また、電解質15として、不揮発性材料であるイオン液体を用いることもできる。イオン液体としては、特に制限はなく、一般的に研究・報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。イオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造がある。
イオン液体の分子構造は、カチオン成分とアニオン成分とからなり、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体等の芳香族系の塩;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム等の脂肪族4級アンモニウム系化合物などが挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物が好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSO、B(CN) などが挙げられる。これらのカチオン成分とアニオン成分の組み合わせにより処方したイオン液体を用いることができる。
また、電解質15として電解液やイオン液体等のイオン性物質を樹脂などで硬化させたものを用いることができる。本電解質はデバイスからの液洩れを防ぐことができるため安全性が高い。
硬化樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などの一般的な材料を挙げることができるが、電解質との相溶性が高い材料が好ましい。このような構造としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエチレングリコールの誘導体が好ましい。
また、前記硬化樹脂としては、光硬化可能な樹脂を用いることが好ましい。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
特に好ましい組み合わせは、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーとイオン液体との固溶体で構成されている電解質層である。この構成を用いることにより、硬度と高いイオン伝導度を両立しやすい。
(エレクトロクロミック層)
エレクトロクロミック層12には酸化反応又は還元反応により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的に、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
上記中、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるジピリジン系化合物を含むことが良い。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック素子を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。
上記一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に置換基を有しても良い炭素数1から30のアルキル基又はアリール基を表す。Xは1価のアニオンを表す。n、m、lはそれぞれ独立に0又は1を表す。また、A、B、Cはそれぞれ独立に置換基を有しても良い炭素数2から20のアリール基又は複素環基を表す。
また、金属錯体系及び金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物を用いることができる。
エレクトロクロミック層12の好ましい膜厚範囲は0.2〜5.0μmである。この範囲よりも膜厚が薄い場合、発色濃度を得にくくなる。またこの範囲よりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
次に、本発明に係るエレクトロクロミック素子の駆動方法のその他の実施形態について説明する。本実施形態における駆動方法としては、
(1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が元の色に戻るために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(C)を前記2つの電極間に印加する工程、
(2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が元の色に戻るために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(C)より小さい電圧(D)を前記2つの電極間に印加する工程、
を少なくとも有し、
(1)工程及び(2)工程をこの順番で行うことを特徴とする。
前述の実施形態、すなわち発色させる場合と同様に、発色状態から消色反応を起こす際も同様である。発色状態ではアノード側にはアニオンがカソード側にはカチオンが寄っているが、高い消色電圧(C)を印加することで直ちにイオンを動かすことができる。しかしながら、高い電圧を印加し続けるとエレクトロクロミック層での消色反応がすぐに終わり、過剰な電荷が流れてしまう。従って、より小さい電圧(D)に切り替えることでデバイスの劣化反応を最大限に防ぐことができる。
次に、本発明のエレクトロクロミック素子の駆動方法を適用し得るエレクトロクロミック素子の別の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の電極11及び第2の電極13のうち、一方の電極表面に、酸化状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成され、もう一方の電極表面に、還元状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成されることを特徴とする。
図2は、本実施形態に係るエレクトロクロミック素子の構成を模式的に示す断面図である。図2では、第1の基板10と、第1の基板10に形成された第1の電極11と、第1の電極11に接して設けられた第1のエレクトロクロミック層21と、もう一方の基板である第2の基板14と、第2の基板14に形成された第2の電極13とが図示されている。さらに、第2の電極13に接して設けられた第2のエレクトロクロミック層22と、第1の電極11と第2の電極13に挟持されてなる電解質15とが図示されている。なお、第1の基板10と第1の電極11、及び、第2の基板14と第2の電極13の組み合わせのうち、少なくとも一方は透明である。
本実施形態の第1のエレクトロクロミック層21、第2のエレクトロクロミック層22は、一方が酸化状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含む層であり、もう一方が還元状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含む層である。
電気化学デバイスであるエレクトロクロミックデバイスは一方の電極上で酸化反応(電荷を授ける反応)が起こるともう一方の電極上では還元反応(電荷を受け取る反応)が起こる。従って、一方の電極上に酸化型エレクトロクロミック化合物又は酸化型エレクトロクロミック組成物、すなわち定常状態から酸化状態にすると発色する材料を含むエレクトロクロミック層を形成し、もう一方の電極上に還元型エレクトロクロミック化合物又は還元型エレクトロクロミック組成物、すなわち定常状態から還元状態にすると発色する材料を含むエレクトロクロミック層を形成すると、以下の利点を得ることができる。
(a)エレクトロクロミック化合物は他の物質より酸化還元電位が低いので、発色電圧を小さくできる。
(b)エレクトロクロミック化合物は他の物質より電荷の授受が起こりやすいので、発色に必要な電荷量を小さくできる。
(c)電極上で不可逆な負荷反応が起こりにくくなるので、デバイスの劣化を少なくできる。
(d)エレクトロクロミック化合物は他の物質より発色状態が安定しているため、メモリ時間を長くできる。
(e)両電極上のエレクトロクロミック材料が共に発色するので、濃度の高い色を発色することができる。
上記(e)の発色に関しては、酸化型エレクトロクロミック化合物が発色する色と還元型エレクトロクロミック化合物が発色する色の混色となる。例えば黒色を表示したい場合は、単独で黒色発色するエレクトロクロミック材料はあまりないので複数の材料の混色を使うことは有用である。酸化型エレクトロクロミック化合物が発色する色と還元型エレクトロクロミック化合物が発色する色とが、補色の関係で合わせて黒色になれば、透明と濃黒色を高いコントラストで切り替えできる調光デバイスになる。
酸化型エレクトロクロミック化合物としては、スチリル系、トリフェニルアミン系、フェノチアジン系、酸化イリジウム、プルシアンブルー等が挙げられる。
また、還元型エレクトロクロミック化合物としては、ジピリジル系、アントラキノン系、テレフタル酸系、酸化タングステン、酸化チタン等が挙げられる。
次に、本発明のエレクトロクロミック素子の駆動方法を適用し得るエレクトロクロミック素子の別の実施形態について説明する。本実施形態では、エレクトロクロミック組成物は、吸着構造を有する有機エレクトロクロミック化合物と、金属酸化物とを少なくとも含むことを特徴とする。
図3は、本実施形態に係るエレクトロクロミック素子の構成を模式的に示す断面図である。図3では、第1の基板10と、第1の基板10に形成された第1の電極11と、第1の電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層(符号24)と、もう一方の基板である第2の基板14と、第2の基板14に形成された第2の電極13と、第1の電極11と第2の電極13に挟持されてなる電解質15とが図示されている。
ここで、本実施形態に係るエレクトロクロミック層は、吸着構造を有する有機エレクトロクロミック化合物と、導電性又は半導体性微粒子とからなるエレクトロクロミック組成物を含む。具体的には、粒径5nm〜50nm程度の微粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を吸着させた組成物構造である。この組成物は、電極から微粒子を通って有機エレクトロクロミック化合物へ電荷が移動することによって発色する(逆移動で消色する)。そのため、効率よく発色、消色反応を行うことができ低消費電力化することができる。
有機エレクトロクロミック化合物に付与する吸着構造としては、水酸基に対して直接的又は間接的に結合可能な官能基を有することが好ましい。その構造は限定されるものではないが、好ましい例としては、ホスホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、トリクロロシリル基、トリアルコキシシリル基、モノクロロシリル基、モノアルコキシシリル基等が挙げられる。
トリアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基等が好ましい。その中でも、導電性又は半導体性微粒子への結合力が高いトリアルコキシシリル基、ホスホン酸基が特に好ましい。
導電性又は半導体性微粒子としては、透明性や導電性の面から金属酸化物粒子が好ましい。このような金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(略、アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(略、シリカ)、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。
また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンから選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れる。
導電性又は半導体性微粒子の粒径は平均一次粒子径が30nm以下であることが好ましい。粒子径が小さいほど金属酸化物に対する光の透過率が向上し、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」という。)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することで、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色のコントラスト比に優れる。導電性又は半導体性微粒子の比表面積は、特に限定されるものではないが、例えば、100m/g以上とすることができる。
次に、本発明のエレクトロクロミック素子の駆動方法を適用し得るエレクトロクロミック素子の別の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の電極11及び第2の電極13のうち、一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層ともう一方の電極との間、又は、第1の電極11及び第2の電極13で挟まれる領域とは反対側の領域における前記第1の電極側もしくは第2の電極側の一方に、反射層26が設けられていることを特徴とする。
図4、図5は、本実施形態に係るエレクトロクロミック素子の構成を模式的に示す断面図である。図4、図5では、第1の基板10と、第1の基板10に形成された第1の電極11と、第1の電極11に接して設けられたエレクトロクロミック層12と、もう一方の基板である第2の基板14と、第2の基板14に形成された第2の電極13と、第1の電極11と第2の電極13に挟持されてなる電解質15とが図示されている。
さらに図4の構成では、反射層26がエレクトロクロミック層12と第2の電極13との間であり、かつ、エレクトロクロミック層12に接するように設けられている。また、図5の構成では、反射層26がエレクトロクロミック層12と第2の電極13との間であり、かつ、第2の電極13に接するように設けられている。
なお、図4の構成では、少なくとも第1の基板10と第1の電極11は透明であり、図5の構成では、第1の基板10、第1の電極11、第2の基板14、第2の電極13は共に透明である。
エレクトロクロミックデバイスは反射層を入れることで反射型表示デバイスになる。これらは電子ペーパーとも呼ばれる。CRT、液晶ディスプレイ、有機ELといった従来の表示装置とは異なり、発光光源がないので非常に省エネな表示ができる。エレクトロクロミックデバイスは透明性、コントラスト比、カラー化対応が優れており、有望な反射型表示デバイスである。
反射層26としては、光を反射する材料、構成であれば特に限定されないが、特に光を散乱反射する白色反射層を用いると紙に近い白色を背景にできるため、視認性のよい表示ができる。
白色反射層の材料としては、金属、半金属に加えて、酸化物、窒化物、硫化物などの真空製膜可能な無機化合物膜、又は酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子からなる白色顔料粒子膜が挙げられる。
また、金属酸化物粒子膜は溶液に分散したペーストとして塗布製膜することにより容易に形成することができる。特に好ましい材料は酸化チタン粒子である。
なお、白色反射層の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜20μmである。この範囲よりも膜厚が薄い場合、白色反射効果を得にくくなる。またこの範囲よりも膜厚が厚い場合、膜強度を維持することが難しくなる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第1の電極及び第1のエレクトロクロミック層の作製>
40mm×40mmのガラス基板上にスパッタ法により約100nmのITO膜を30mm×30mmの領域及び引き出し部分に形成し、第1の電極11を作製した。この第1の電極面内の抵抗は約20Ωであった。この上に酸化チタンナノ粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム社製)をスピンコートし、120℃、15minのアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。さらにこの上に赤紫色に発色するエレクトロクロミック化合物である4,4'-(1-phenyl-1H-pyrrole-2,5-diyl)bis(1-(4-(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium) bromideの5wt% 2.2.3.3.テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃、10minのアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第1のエレクトロクロミック層12を形成した。
<第2の電極及び第2のエレクトロクロミック層の作製>
40mm×40mmのガラス基板上にスパッタ法により約100nmのITO膜を30mm×30mmの領域及び引き出し部分に形成し、第2の電極13を作製した。この第2の電極13面内の抵抗は約20Ωであった。この上にPoly(ethylene glycol)diacrylateと、光重合開始剤(IRG184、BASF社製)と、下記構造式(A)で表される化合物と2-butanoneを質量比(20:1:20:400)で混合した溶液を塗布し、窒素雰囲気下でUV硬化させ、第2のエレクトロクロミック層を形成した。
<エレクトロクロミックデバイスの作製>
電解質15としてイオン液体である1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imideを用いた。電解質中に粒径10μmのビーズスペーサーを0.2wt%入れて、第1の電極11及び第1のエレクトロクロミック層21が形成されたガラス基板の上に適量滴下し、第2の電極13及び第2のエレクトロクロミック層22が形成されたガラス基板を貼り合わせてエレクトロクロミックデバイスを作製した。
なお、作製したエレクトロクロミックデバイスが色変化を起こすために必要な閾値電圧は、2.3Vであり、元の色に戻すために必要な閾値電圧は、0.8Vであった。
作製したエレクトロクロミックデバイスに対して、発色電圧印加用に直流電源[1]を用い、第1の電極11に負極を第2の電極13に正極を繋いだ。また、消色電圧印加用に直流電源[2]を用い、第1の電極11に正極を第2の電極13に負極を繋いだ。直流電源[1]、直流電源[2]を繋いだ回路はそれぞれメカニカルスイッチを有しており、スイッチOFFのときには回路から切断されるようにした。
本エレクトロクロミックデバイスに対して直流電源[1]のスイッチのみをONにして4.0V、0.3sec電圧印加した後、2.5V、1.2sec電圧印加したところ、エレクトロクロミックデバイスは黒色に発色した。このときの550nmの透過率は2.8%であった。
(比較例1)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。直流電源[1]のスイッチのみをONにして3.0V印加してエレクトロクロミックデバイスを黒色に発色させた。このとき550nmの透過率が2.8%になるには2.4sec要した。実施例1で印加した2.5Vより大きな電圧を印加したにもかかわらず発色に時間を要した。実施例1では最初に4.0Vの高電圧を短時間印加したことが高速駆動に寄与している。
(実施例2)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同じ駆動方法で発色した後に、全てのスイッチをOFFにすることで発色状態を60秒間保持した。その後に、直流電源[2]のスイッチのみをONにして2.5V、0.2sec電圧印加した後、1.0V、1.0sec電圧印加したところ、エレクトロクロミックデバイスは透明に消色した。
(比較例2)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同じ駆動方法で発色した後に、全てのスイッチをOFFにすることで発色状態を60秒間保持した。その後に、直流電源[2]のスイッチのみをONにして1.2V電圧印加したところ、透明に消色するまで1.5sec要した。実施例2で印加した1.0Vより大きな電圧を印加したにもかかわらず消色に時間を要した。実施例2では最初に2.5Vの高電圧を短時間印加したことが高速駆動に寄与している。
(実施例3)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同じ駆動方法で発色した後に、全てのスイッチをOFFにすることで発色状態を60秒間保持した。その後に、実施例2と同じ駆動方法で消色した。この発色/消色反応を500回繰り返したところ、発色状態のエレクトロクロミックデバイスにおける550nmの透過率は500回の繰り返しの間で2.6%〜2.9%でありほとんど変化がなかった。
(比較例3)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。直流電源[1]のスイッチのみをONにして4.0V印加してエレクトロクロミックデバイスを黒色に発色させた。このとき550nmの透過率が2.8%になるには0.9secであった。全てのスイッチをOFFにすることで発色状態を60秒間保持した。その後に、実施例2と同じ駆動方法で消色した。この発色/消色反応を500回繰り返したところ、発色状態のエレクトロクロミックデバイスにおける550nmの透過率は500回の繰り返しの間で2.6%〜5.9%でありデバイスの劣化が起こった。
(比較例4)
実施例1と同じエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例2と同じ駆動方法で発色させた後に全てのスイッチをOFFにすることで発色状態を60秒間保持した。その後に、直流電源[2]のスイッチのみをONにして2.5V印加して消色させた。このとき550nmの透過率が透明になるには0.8secであった。この発色/消色反応を500回繰り返したところ、発色状態のエレクトロクロミックデバイスにおける550nmの透過率は500回の繰り返しの間で2.6%〜7.4%でありデバイスの劣化が起こった。
(実施例4)
実施例1の第2の電極13及び第2のエレクトロクロミック層22が形成されたガラス基板を白金板に替えたエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同様に駆動したところ同様の効果が得られた。
(実施例5)
実施例1の第2の電極13及び第2のエレクトロクロミック層22が形成されたガラス基板をガラス基板上にスパッタ法により約200nmのATO(Sb−SnO)膜に替えたエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同様に駆動したところ同様の効果が得られた。
(実施例6)
実施例1の第1のエレクトロクロミック層21を酸化チタン粒子膜を形成せずに直接4,4'-(1-phenyl-1H-pyrrole-2,5-diyl)bis(1-(4-(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium) bromideの色素膜を形成したエレクトロクロミック層に替えたエレクトロクロミックデバイスを作製した。実施例1と同様に駆動したところ同様の効果が得られた。
(実施例7)
Polyurethaneと平均粒子径250nmの白色酸化チタン粒子(CR50、石原産業社製)と2.2.3.3.テトラフロロプロパノール溶液を2:20:78の比率で混合した溶液を調製した。この溶液を実施例1における第1のエレクトロクロミック層21の表面上に膜厚20μmになるようにスピンコートし、白色反射層を形成した。これにより実施例1と同様にしたエレクトロクロミック表示デバイスを作製した。実施例1と同様に駆動したところ同様の効果が得られた。
10 第1の基板
11 第1の電極
12 エレクトロクロミック層
13 第2の電極
14 第2の基板
15 電解質
21 第1のエレクトロクロミック層
22 第2のエレクトロクロミック層
24 導電性又は半導体性微粒子と有機エレクトロクロミック化合物
26 反射層
特許第2503519号公報

Claims (6)

  1. 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記第1の電極及び第2の電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
    (1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(A)を前記2つの電極間に印加する工程、
    (2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(A)より小さい電圧(B)を前記2つの電極間に印加する工程、
    を少なくとも有し、
    (1)工程及び(2)工程をこの順番で行うことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  2. 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、該2つの電極の間に設けられる電解質と、少なくともエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含み、前記第1の電極及び第2の電極のうち少なくとも一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層とを備えるエレクトロクロミック素子を駆動させるエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
    前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化を起こすために必要な閾値電圧以上の電圧を前記2つの電極間に印加し、前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が色変化した後の前記エレクトロクロミック素子に対して、
    (1)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が元の色に戻るために必要な閾値電圧よりも大きい電圧(C)を前記2つの電極間に印加する工程、
    (2)前記エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物が元の色に戻るために必要な閾値電圧以上であり、かつ、絶対値が前記電圧(C)より小さい電圧(D)を前記2つの電極間に印加する工程、
    を少なくとも有し、
    (1)工程及び(2)工程をこの順番で行うことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  3. 前記第1の電極及び第2の電極が、透明であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  4. 前記第1の電極及び第2の電極のうち、一方の電極表面に、酸化状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成され、もう一方の電極表面に、還元状態で可視域に吸収帯を有するエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を含むエレクトロクロミック層が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  5. 前記エレクトロクロミック組成物は、吸着構造を有する有機エレクトロクロミック化合物と、金属酸化物とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  6. 前記第1の電極及び第2の電極のうち、一方の電極表面に形成されるエレクトロクロミック層ともう一方の電極との間に、反射層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。
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