JP2015132753A - エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法 Download PDF

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吉智 岡田
Yoshitomo Okada
吉智 岡田
禎久 内城
Sadahisa Uchijo
禎久 内城
八代 徹
Toru Yashiro
徹 八代
平野 成伸
Shigenobu Hirano
成伸 平野
高橋 裕幸
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
藤村 浩
Hiroshi Fujimura
浩 藤村
匂坂 俊也
Toshiya Kosaka
俊也 匂坂
圭一郎 油谷
Keiichiro Yutani
圭一郎 油谷
碩燦 金
Seok-Chan Kim
碩燦 金
和明 ▲辻▼
和明 ▲辻▼
Kazuaki Tsuji
満美子 井上
Mamiko Inoue
満美子 井上
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Abstract

【課題】色鮮やかなフルカラー表示画像を実現できるエレクトロクロミック表示装置の提供。【解決手段】表示基板と、表示基板の上に設けられた表示電極と、表示電極の上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、第1のエレクトロクロミック層の上に、第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた中間表示電極と、中間表示電極の上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、対向基板と、対向基板の上に設けられた対向電極と、表示基板において表示電極が形成されている面、及び対向基板において対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層とを備えたエレクトロクロミック表示装置であって、表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び中間表示電極と第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかには、ビスマスを含む金属酸化物層を有しているエレクトロクロミック表示装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示装置及びその製造方法に関する。
近年、紙に替わる電子媒体として電子ペーパーへのニーズが高まり、その開発が盛んに行われている。この表示システムを実現する手段として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの自発光表示技術の開発が進み、一部製品化されている。一方で、低消費電力かつ視認性に優れた反射型表示技術が、次世代電子ペーパーの表示技術として有望視されている。
反射型表示技術として、帯電した白黒粒子を電場によって位置を反転させ、白黒の表示を切り替える電気泳動方式が広く知られており、電子書籍端末などで利用されている。しかし、白黒表示への応用に限られ、フルカラーの反射型表示技術が大きく期待されている。
前記フルカラーの反射型表示技術としてこの白黒の電気泳動方式にRGB(W)のカラーフィルターを重ね合わせることでカラー化を実現したフルカラー表示方式が知られている。しかし、3色又は4色で空間を分割することから色鮮やかさや明るさに乏しいという課題がある。
前記フルカラー反射型表示技術のうち、高い色再現性と表示メモリ性を兼ね備えたエレクトロクロミック表示方式が注目を集めている。
電圧を印加することで、有機エレクトロクロミック分子の可逆的な酸化還元反応が起こり、様々な色へと変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色という)を利用した表示装置がエレクトロクロミック表示装置である。このようなエレクトロクロミック表示装置については、有機エレクトロクロミック化合物の分子設計により様々な色の発色が得られること、反射型の表示装置であること、表示メモリ性があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
前記エレクトロクロミック表示装置は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色表示装置として期待されている。前記エレクトロクロミック表示装置は、通常は1対の対向した電極間に電流を印加し、それぞれの電極表面における活物質の酸化還元反応による呈色反応を用いた電気化学素子の1つである。即ち、色鮮やかなフルカラー表示を実現させるためには、減法混色法を用いたイエロー色、シアン色、及びマゼンタ色の3原色の重ね合せた構造が必須となる。この例として、イエロー色、シアン色、及びマゼンタ色の3つの素子の積層によるフルカラー表示技術が報告されている(非特許文献1参照)。
多色表示技術としては、一つの表示基板上に複数層の表示電極とエレクトロクロミック発色層とを積層する構成が提案されている(特許文献1〜4参照)。
例えば、対向電極として、アクティブマトリクスTFTを使用したエレクトロクロミック表示装置が提案されている(特許文献1及び2参照)。これらの提案の構造は、複数の表示電極には微細なパターニングが不要であることと、1つのアクティブマトリクスTFTパネルで3つの表示電極を切り替えることで、高い開口率でフルカラー表示画像が得られることに特徴がある。しかし、これらの提案では、複数の表示電極間でのクロストークの問題や、表示画像の保持性能に課題が残っている。
また、パッシブマトリクス駆動方式を用いたエレクトロクロミック表示装置において、画素間のクロストークの発生を抑制する方法として、表示電極とエレクトロクロミック層との間に酸化ニッケル層を設ける構成が提案されている(特許文献3及び4参照)。
また、n型半導体として知られる酸化チタン層と、p型半導体として知られる酸化ニッケル層との積層構成によるダイオード構造により、エレクトロクロミック層の応答電圧をシフトさせる技術が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この提案の技術では、半導体特性が得られる酸化ニッケル層は黒色であり、そのため、色鮮やかさや明るさなどの表示品質を低下させる要因となっている。
したがって、エレクトロクロミック層を積層し、それぞれのエレクトロクロミック層を独立とし、複数のエレクトロクロミック層間でクロストークの発生を抑制し、色鮮やかで明るいフルカラー表示が可能なエレクトロクロミック表示装置を提供が望まれている。
本発明は、従来における前記諸問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、複数のエレクトロクロミック層間でクロストークの発生を抑制し、色鮮やかで明るいフルカラー表示が可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のエレクトロクロミック表示装置は、
表示基板と、
前記表示基板上に設けられた表示電極と、
前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた中間表示電極と、
前記中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
対向基板と、
前記対向基板上に設けられた対向電極と、
前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられている電解液層と、
を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び前記中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有している。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、複数のエレクトロクロミック層間でクロストークの発生を抑制し、色鮮やかで明るいフルカラー表示が可能なエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック表示装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1のA部分の拡大模式図である。 図3は、図1のB部分の拡大模式図である。 図4は、実施例1のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。 図5は、実施例2のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。 図6は、実施例3のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。 図7は、実施例4のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。 図8は、比較例1のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。 図9は、比較例2のエレクトロクロミック装置のサイクリックボルタンメトリー(CV)法による測定結果及び反射率変化を示す図である。
(エレクトロクロミック表示装置及びエレクトロクロミック表示装置の製造方法)
本発明のエレクトロクロミック表示装置は、第1の形態では、
表示基板と、
前記表示基板上に設けられた表示電極と、
前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた中間表示電極と、
前記中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
対向基板と、
前記対向基板上に設けられた対向電極と、
前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられている電解液層と、
を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び前記中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有している。これにより、第1のエレクトロクロミック層と第2のエレクトロクロミック層との間でのクロストークを抑制し、それぞれのエレクトロクロミック層ごとに混色なく画像を表示させることが可能なエレクトロクロミック表示装置が提供される。
本発明のエレクトロクロミック表示装置は、第2の形態では、
表示基板と、
前記表示基板上に設けられた表示電極と、
前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第1の中間表示電極と、
前記第1の中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
前記第2のエレクトロクロミック層上に、前記第2のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第2の中間表示電極と、
前記第2の中間表示電極上に設けられた第3のエレクトロクロミック層と、
対向基板と、
前記対向基板上に設けられた対向電極と、
前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と、前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層と、
を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、前記第1の中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間、及び前記第2の中間表示電極と前記第3のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有している。これにより、第1、第2、及び第3のエレクトロクロミック層の間でのクロストークの発生を抑制し、それぞれのエレクトロクロミック層ごとに混色なく画像を表示させることが可能なエレクトロクロミック表示装置が提供される。
前記ビスマスを含む金属酸化物層は、酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されていることが、複数のエレクトロクロミック層が積層された構成でも表示品質を損なうことなく、明るく色鮮やかな表示が可能なエレクトロクロミック表示装置を提供できる点から好ましい。
前記ビスマスを含む金属酸化物層は、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含むことが、透明性の観点から好ましい。これらの中でも、酸化ビスマスと酸化ホウ素を含む酸化物であるBi−Bはガラス材料としても知られており、透明性の観点からも好適に用いることができる。
前記表示電極と前記対向電極との間には、それぞれを互いに絶縁するための絶縁性多孔質層が設けられていることが好ましい。
なお、前記表示電極、前記エレクトロクロミック層、及び前記対向電極の少なくともいずれかは、電解液浸透性のための多孔性と光学透過性とを有することが好ましい。
本発明のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、
表示基板上に表示電極を形成する工程と、
前記表示電極上に第1の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第2の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
前記第2の酸化チタン含有層に接して第1のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記エレクトロクロミック表示装置の製造方法によれば、簡便な方法によって、複数のエレクトロクロミック層間でのクロストークの発生を抑制できるエレクトロクロミック表示装置の製造方法を提供できる。
この場合、更に、第1のエレクトロクロミック層上に中間表示電極を形成する工程と、
前記中間表示電極上に、第3の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第4の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
前記第4の酸化チタン含有層に接して第2のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含むことが好ましい。
前記その他の工程としては、例えば、表示電極を形成する工程、対向電極を形成する工程、中間表示電極を形成する工程、などが挙げられる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置及びその製造方法においては、色鮮やかで明るいフルカラー表示を実現するためには、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の3原色を重ね合わせる減法混色を用いることが必要となる。そのため、それぞれ異なる色に発色するエレクトロクロミック層を積層し、それぞれのエレクトロクロミック層を独立に、エレクトロクロミック層間でクロストークなく動作させることが必要となる。
ここで、図1に本発明の第1の形態に係るエレクトロクロミック表示装置の構成について説明するための模式図を示す。本発明のエレクトロクロミック表示装置10の各構成要素について具体的に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
ただし、以下に示す実施の形態は、本発明における好適な実施の形態であり、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置10は、外側には支持基板となる表示基板101及び対向基板112を有している。
表示基板101には、前記表示基板101に接して形成された表示電極102と、前記表示電極102に接して設けられた第1のビスマスを含む金属酸化物層103と、前記第1のビスマスを含む金属酸化物層103に接して設けられた第1のエレクトロクロミック層104と、前記第1のエレクトロクロミック層104に接して設けられた絶縁層105と、前記絶縁層105に接して設けられた中間表示電極106と、前記中間表示電極106に接して設けられた第2のビスマスを含む金属酸化物層107と、前記第2のビスマスを含む金属酸化物層107に接して設けられた第2のエレクトロクロミック層108と、を有している。
また、対向基板112の表面には、複数の対向電極111が形成されており、表示基板101に形成されている表示電極102と対向基板112に形成されている対向電極111との間には、電解質を溶解させた電解液が含浸されて電解液層109を形成しており、更には白色反射層110が設けられている。
図1の点線A部分の拡大模式図である図2に示すように、第1のビスマスを含む金属酸化物層103は、表示電極102と、第1のエレクトロクロミック層104との間に設けられおり、第1の酸化チタン含有層113と、第1のビスマスを含む金属酸化物層103と、第2の酸化チタン含有層114とがこの順で積層されている。
図1の点線B部分の拡大模式図である図3に示すように、第2のビスマスを含む金属酸化物層107は、中間表示電極106と、第2のエレクトロクロミック層108との間に設けられおり、第3の酸化チタン含有層115と、第2のビスマスを含む金属酸化物層107と、第4の酸化チタン含有層116とがこの順で積層されている。
表示基板101は、上記の積層構造を支持するための基板である。前記表示基板101上には表示電極102が形成されている。
第1のエレクトロクロミック層104及び第2のエレクトロクロミック層108は、導電性微粒子、又は半導体性微粒子からなる多孔質電極と、前記微粒子に担持された、酸化還元反応により呈色変化を示すエレクトロクロミック化合物からなる。
第1のエレクトロクロミック層104及び第2のエレクトロクロミック層108は、酸化還元反応により異なる色を呈するエレクトロクロミック分子からなることが好ましい。これによって2色表示が可能となる。また、表示電極102及び中間表示電極106等の複数の表示電極に接して設けられる第1のエレクトロクロミック層104及び第2のエレクトロクロミック層108等におけるエレクトロクロミック化合物は、その分子構造が類似していることが好ましい。
このような類似構造を採用することにより、表示電極及び中間表示電極の発消色電位を揃えることができ、同一の電解質で容易に発消色の制御できる。
また、同様に絶縁層を介して第2の中間表示電極、及び前記第2の中間表示電極に接して第3のビスマスを含む金属酸化物層、並びに、前記第3のビスマスを含む金属酸化物層に接して第3のエレクトロクロミック層を設けること、更に、別の絶縁層を介して第3の中間表示電極、及び前記第3の中間表示電極に接して第4のビスマスを含む金属酸化物層、及び前記第4のビスマスを含む金属酸化物層に接して第4のエレクトロクロミック層を設けることにより、より一層の多色表示が可能となる。
電解液層109は、多孔性を有する絶縁層105、第1のエレクトロクロミック層104、表示電極102、及び対向電極111のいずれか又は全てにわたって含浸される。
以下、第1の形態に係るエレクトロクロミック装置10を構成する各構成要素について詳細に説明する。なお、第2の形態に係るエレクトロクロミック装置についても共通する構成要素は同様である。
<表示基板>
前記表示基板101としては、透明な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。また、水蒸気バリア性、ガスバリア性、視認性を高めるために表示基板の表裏面に透明絶縁層、反射防止層などがコーティングされていてもよい。
<表示電極及び中間表示電極>
前記表示電極102及び前記中間表示電極106としては、透明性及び導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示電極及び前記中間表示電極の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の金属酸化物などが挙げられる。また、透明性を有する銀ナノワイヤー、金ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、金属酸化物等のネットワーク電極、又はこれらの複合層も選択可能である。
前記表示電極102及び前記中間表示電極106の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
また、前記表示電極材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。
前記表示電極及び前記中間表示電極の光学透過率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60%以上100%未満が好ましく、90%以上100%未満がより好ましい。前記光学透過率が、60%未満であると、表示画像が暗くなり、明るさや色鮮やかさなどの表示性能が劣るという弊害が生じることがある。
本発明においては、前記中間表示電極106は、少なくともイオン透過性を有することが要件となる。真空製膜法や各種印刷法で形成した中間表示電極のうち、イオン透過性に乏しいものについては微細な貫通孔を設けることでイオン透過性を補うことが可能である。
前記表示基板に最も近接する前記表示電極と前記対向電極との間に設けられた中間表示電極に微細貫通孔を設ける方法としては、以下のような公知の形成方法を用いることができる。(1)前記中間表示電極を形成する前にあらかじめ下地層として凹凸を持つ層を形成しそのまま凹凸を有する中間表示電極とする方法。
(2)前記中間表示電極を形成する前にマイクロピラーなどの凸形状構造体を形成し、該表示電極形成後に該凸形状構造体を取り除く方法。
(3)前記中間表示電極を形成する前に発泡性の高分子重合体等を散布し、該中間表示電極を形成後に加熱や脱気する等の処理を施して発泡させる方法。
(4)直接中間表示電極に各種放射線を輻射して細孔を形成させる方法。
前記表示基板に最も近接する前記表示電極と前記対向電極との間に設けられた前記中間表示電極に設けられる微細貫通孔の孔径は、0.01μm〜100μmが好ましく、0.1μm〜5μmがより好ましい。前記貫通孔の孔径が、0.01μm未満であると、イオンの透過が悪くなる不具合が生じることがあり、100μmを超えると、目視できるレベル(通常のディスプレイでは1画素電極レベルの大きさ)であり、微細貫通孔直上の表示性能に不具合が生じることがある。
前記微細貫通孔の中間表示電極の表面積に対する孔面積の比(孔密度)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、0.01%〜40%が好ましく、20%〜40%がより好ましい。前記孔密度が、40%を超えると、中間表示電極の表面抵抗が大きくなるため、中間表示電極がない面積が広くなることによる発消色表示欠陥が出るという不具合が生じるおそれがある。一方、前記孔密度が、0.01%未満であると、電解質イオンの浸透性が悪くなるために同様に発消色表示に問題が生じるおそれがある。
<対向基板>
前記対向基板112は、エレクトロクロミック表示装置10の画素電極としても作用するため、前記対向基板112としてはドットマトリクス表示に用いられるアクティブマトリクス装置やパッシブマトリクス装置などを用いることができる。なかでもTFT(Thin Film Transistor)を用いたアクティブマトリクスTFTなどが好適に用いることができる。
前記アクティブマトリクスTFTは、アモルファスシリコンやポリシリコンを例としたシリコン半導体や、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)を例とした酸化物半導体、グラフェンやカーボンナノチューブなどのカーボン半導体、ペンタセンを例とした有機半導体などを活性層に用いることができる。これらの中でも、比較的移動度が高い低温ポリシリコンTFTやIGZOTFTなどが好適に用いることができる。
前記アクティブマトリクスTFTの支持基板としては、透明・不透明を問わず用いることができる。つまり、透明基板としてガラス基板、プラスチックフィルム等の基板や、不透明な基板としてシリコン基板、ステンレス等の金属基板、又はこれらを積層したものなど、さまざまな基板を用いることができる。
<対向電極>
前記エレクトロクロミック表示装置10において、対向電極111は画素電極として作用する。
前記対向電極111の材料としては、導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記対向電極の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の金属酸化物、あるいは亜鉛、白金等の金属、カーボン、又はそれらの複合膜などを用いることができる。また、前記対向電極が酸化還元反応により不可逆的に腐食されないように該対向電極を覆うように保護層が形成されていてもよい。
前記対向電極111は、画素ごとに分離して形成する必要があるため、その作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの成膜方法とシャドーマスク法、フォトリソグラフィ法、リフトオフ法などの各種パターニング技術を組み合わせて用いることができる。また、前記対向電極材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。これらの中でも、パターニングが不可能なものについては前述の各種パターニング方法との組み合わせにより好適に対向電極111を形成することができる。
<対向電極を覆う保護層>
前記対向電極111を覆う保護層としては、対向電極111の不可逆的な酸化還元反応による腐食を防止する役割を担う材料であれば特に限定されるものではなく、Al、SiO又はそれらを含む絶縁体材料、酸化亜鉛、酸化チタン又はこれらを含む半導体材料、あるいはポリイミド等の有機材料など、様々なものを用いることができる。これらの中でも、可逆的な酸化還元反応を示す材料が好ましい。
前記保護層としては、例えば、酸化アンチモン錫、酸化ニッケル等の導電性又は半導体性金属酸化物微粒子を、例えば、アクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系などのバインダにより対向電極111上に固定化することが知られている。
前記保護層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。また、前記保護層材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。
<ビスマスを含む金属酸化物層>
前記第1の形態のエレクトロクロミック表示装置では、前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び前記中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有している。
前記第2の形態のエレクトロクロミック表示装置では、前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、前記第1の中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間、及び前記第2の中間表示電極と前記第3のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有している。
前記ビスマスを含む金属酸化物層は、酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されていることが好ましい。
前記酸化チタン含有層は、酸化チタンを主成分とし、スパッタリング法などにより形成することができる。
前記ビスマスを含む金属酸化物としては、例えば、ビスマス酸化物(Bi)をはじめガラス材料となるBi−B、Bi−Fe、Bi−TiO、Bi−SnO、Bi−ZnO、Bi−GeO、Bi−SiO、又はこれらの複合材料、あるいはこれらにSr、Li、Ca、Cu等の他の元素を添加した材料などが挙げられる。これらの中でも、透明性に優れエレクトロクロミック表示装置の表示品質を損なうことがない点から、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含むビスマス酸化物が好ましく、Bi−Bが特に好ましい。
前記ビスマスを含む金属酸化物層における酸化ビスマスの含有量は、10モル%以上が好ましく、20モル%〜80モル%がより好ましい。前記含有量が、10モル%未満であると、スパッタリング用ターゲットの作製が困難になり、他の元素の影響により着色が強くなるなどの不具合が生じることがある。
これらの中でも、Bi−B系で酸化ビスマスを66.6モル%含むBiは、複合酸化物となるため安定であり、好適に用いることができる。
<第1のエレクトロクロミック層、第2のエレクトロクロミック層>
前記第1、及び第2のエレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック材料を含有し、前記エレクトロクロミック材料としては、無機エレクトロクロミック化合物及び有機エレクトロクロミック化合物のいずれを用いても構わない。なお、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子も用いることができる。
前記無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリルなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
また、前記エレクトロクロミック層としては、導電性又は半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることが特に好ましい。具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、その微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基などの極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。本構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答する。更に、微粒子を用いることで表示層として透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。また、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
具体的には、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、例えば、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、ジピリジン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。これらの中でも、発消色電位が低く、複数の表示電極構成においても良好な色値を示す点から、ビオロゲン系化合物、ジピリジン系化合物が好ましい。前記ビオロゲン系化合物としては、特許第3955641号公報、特開2007−171781号公報などに例示されている。前記ジピリジン系化合物としては、特開2007−171781号公報、特開2008−116718号公報などに例示されている。
上記の中でも、下記一般式(1)で表されるジピリジン系化合物が特に好ましい。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック表示装置を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。
<一般式(1)>
ただし、前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、又はアリール基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、及びSi(OC2k+1から選ばれる置換基を有する。
Xは、1価のアニオンを表す。前記一価のアニオンとしては、カチオン部と安定に対をなすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Brイオン(Br)、Clイオン(Cl)、ClOイオン(ClO )、PFイオン(PF )、BFイオン(BF )などが挙げられる。
nは、0、1又は2を表す。kは、0、1又は2を表す。Aは、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
一方、金属錯体系又は金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が用いられる。
<<有機エレクトロクロミック化合物を担持させる導電性又は半導体性微粒子>>
前記導電性又は半導体性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性の観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、及び酸化タングステンから選ばれる1種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
また、前記導電性又は半導体性微粒子の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」と称することもある)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色表示が可能である。
<電解液>
前記電解液は、電解質と該電解質を溶解させるための溶媒とから構成される。
前記電解液は、表示基板101と対向基板112を貼り合わせる際に表示電極、エレクトロクロミック層104、絶縁層105等の表示基板側に作製した層へ含浸させることができる。
また、表示電極102、エレクトロクロミック層104、絶縁層105等を作製する段階で電解質を各層内に分布させ、表示基板101と対向基板112を貼り合わせる際に溶媒のみを含浸させることも可能である。この方法では電解液の浸透圧によって各層への含浸速度を向上させることができる。
前記電解液としては、イオン液体等の液体電解質、又は固体電解質を溶媒に溶解した溶液が用いられる。
電解質の材料としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができ、具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イオン性液体としては、特に制限はなく、一般的に研究・報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。
特に有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造がある。
前記分子構造としては、カチオン成分として、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体等の芳香族系の塩;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム等の脂肪族4級アンモニウム系化合物などが挙げられる。
アニオン成分としては、大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物がよく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。これらのカチオン成分とアニオン成分の組み合わせにより処方したイオン性液体を用いることができる。
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解液は低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型などの様々な形態をとることが可能である。
電解液はゲル状、固体状に形成することが、素子強度向上、信頼性向上、発色拡散の防止の点から好ましい。
固体化手法としては、電解質と溶媒をポリマー樹脂中に保持することが好ましい。これにより高いイオン伝導度と固体強度が得られるためである。
更に、前記ポリマー樹脂としては光硬化可能な樹脂が好ましい。熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
<白色反射層>
前記白色反射層110は、白色顔料粒子を分散した樹脂を塗布形成する方法等によって作製することができる。
前記白色反射層に含まれる白色顔料粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。前記白色顔料粒子を分散させる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの各種高分子樹脂材料を用いることができる。
前記白色反射層を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
<絶縁層>
前記絶縁層105は、前記表示電極102と前記中間表示電極106とが電気的に絶縁されるように隔離するためのものである。
前記表示電極102及び前記中間表示電極106は、対向電極111に対する電位を独立して制御するために、電気的に絶縁されて形成されることが好ましい。各表示電極間の絶縁性はエレクトロクロミック層の層厚で制御することができるが、絶縁層を形成して制御することが好ましい。また、同様に第2、第3の中間表示電極とエレクトロクロミック層を増やして設ける場合にも、それぞれの隣接する中間表示電極間での絶縁性を補償するための絶縁層を挿入することが好ましい。
前記絶縁層105の材料としては、多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性が高く、耐久性が高く、成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はこれらの複合体が好ましい。
前記多孔質膜の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等に添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。
具体的には、金属酸化物微粒子(例えば、SiO粒子、Al粒子等)と樹脂結着剤からなる樹脂混合粒子膜、多孔性有機膜(例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
前記絶縁層105を構成する金属酸化物微粒子の粒径は、5nm〜300nmが好ましく、10nm〜80nmがより好ましい。前記粒径は、電解液浸透性を付与するために多孔性を有することが好ましく、空隙率を大きくするためには大きな粒径の金属酸化物微粒子がより好ましい。
更に、絶縁層上に形成される前記表示電極層の導電性のためには小さな粒径の金属酸化物微粒子を用いた平坦な絶縁層を形成することが好ましい。また、球形の金属酸化物微粒子ではなく、針状や数珠状、鎖状の金属酸化物微粒子は空隙率の高さから電解液浸透性に有利である。即ち、これらの金属酸化物微粒子の積層体や複合体により空隙率の高さと平坦性を実現する絶縁層が特に有用である。
前記絶縁層105は無機膜と組み合わせて用いることが好ましい。これは、後に形成される前記表示基板101に最も近接する前記表示電極102と前記対向電極111との間に設けられた前記表示電極102をスパッタリング法により形成する際に、下層である絶縁層105やエレクトロクロミック層の有機物質へのダメージを低減させる効果がある。
前記無機膜の材料としては、少なくともZnSを含む材料が好ましい。前記ZnSは、スパッタ法によって、エレクトロクロミック層などにダメージを与えることなく高速に成膜できる。
ZnSを主な成分として含む材料としては、例えば、ZnS−SiO、ZnS−SiC、ZnS−Si、ZnS−Geなどが挙げられる。ZnSの含有率は、絶縁層105を形成した際の結晶性を良好に保つために、50mol%〜90mol%が好ましい。したがって、ZnS−SiO(モル比=8/2)、ZnS−SiO(モル比=7/3)、ZnS、ZnS−ZnO−In−Ga(モル比=60/23/10/7)がより好ましい。
このような絶縁層105の材料を用いることにより、薄膜で良好な絶縁効果が得られ、多層化による膜強度低下及び膜剥離を防止することができる。
<その他の層>
前記その他の層としては、キズ、剥離などによる欠陥を防止するためのハードコート層や、反射を抑制するためのAR(Anti−Reflection)コート層などが挙げられる。前記ハードコート層としては、溶液を塗布して形成するもので、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂など、特に限定されるものではなく、一般的な光学部材用のハードコート材料を用いることができる。また、上述したハードコート材料とARコート材料のみで、層を形成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
以下のようにして、図1〜図3に示すエレクトロクロミック表示装置10を作製した。なお、図2は、図1中A部分の拡大図、図3は、図1中B部分の拡大図をそれぞれ表す。
−表示電極及び第1のエレクトロクロミック層の作製−
表示基板101としての40mm×40mmのガラス基板上に、スパッタリング法により厚み100nmのITO膜を20mm×20mmの領域、及び引き出し部分にメタルマスクを介して形成し、表示電極102を作製した。
次に、表示電極102上に、スパッタリング法により、厚み5nmの第1の酸化チタン層113、厚み5nmの第1のビスマスを含む金属酸化物層103としての酸化ビスマス(Bi)層、厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114を順次形成した。
次に、前記第2の酸化チタン含有層114上に、酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。
次に、前記酸化チタン粒子膜上に、マゼンタ色に発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物(4,4’−(1−phenyl−1H−pyrrole−2,5−diyl)bis(1−(4−(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium)bromide)の1質量%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物とからなる第1のエレクトロクロミック層104を形成した。第1のエレクトロクロミック層の厚みは約1μmであった。
−絶縁層の作製−
平均一次粒径20nmのシリカ微粒子分散液(シリカ固形分濃度13質量%、ポリビニルアルコール樹脂(PVA500、日本酢ビ・ポバール株式会社製)2質量%、及び2,2,3,3−テトラフロロプロパノール85質量%)をスピンコートし、120℃のホットプレートで10分間アニール処理して、厚み1μmの多孔性絶縁層105を得た。
次に、前記多孔性絶縁層上に、平均粒径450nmのシリカ粒子分散液(シリカ固形分濃度1質量%、2−プロパノール99質量%)をスピンコートした。続いて、この上にZnS−SiO(モル比=8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により厚みが100nmとなるように形成した。
−中間表示電極の作製−
次に、無機絶縁層上に、スパッタリング法により、厚み100nmのITO膜を、表示電極102で形成したITO膜と重なる部分の20mm×20mmの領域に、また、表示電極102とは異なる部分に引き出し部分を、メタルマスクを介して形成し、中間表示電極106を得た。
次に、前記中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第3の酸化チタン層115、厚み10nmの第2のビスマスを含む金属酸化物層107としての酸化ビスマス層、厚み10nmの第4の酸化チタン含有層116を順次形成した。
具体的には、2−プロパノール浴中で3分間超音波照射を行い、先に散布した平均粒径450nmのシリカ粒子を除去し、微細貫通孔を有する中間表示電極106、及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107を形成した。なお、表示電極102からの引き出し部分と中間表示電極106からの引き出し部分の間の抵抗は40MΩ以上であり、絶縁状態であった。
−第2のエレクトロクロミック層の作製−
第4の酸化チタン含有層116上に、酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。
次に、酸化チタン粒子膜上に、イエロー発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物(4,4’−(4,4’−(1,3,4−oxadiazole−2,5−diyl)bis(4,1−phenylene))bis(1−(8−phosphonooctyl)pyridinium)bromide)の1質量%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第2のエレクトロクロミック層108を形成した。
−対向電極の作製−
対向基板112としての40mm×40mmのガラス基板上に、スパッタリング法により、7mm×15mmの領域を3か所、及びそれぞれの引き出し部分にメタルマスクを介して、厚み100nmのITO膜を形成し、対向電極111とした。
−エレクトロクロミック表示装置の作製−
電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒としてジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコール(分子量:200)、並びにUV硬化接着剤(商品名:PTC10、十条ケミカル株式会社製)を、1.2対5.4対6対16(質量比)で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50、石原産業株式会社製、平均粒子径:250nm)を20質量%添加した電解液を用意し、対向基板側に滴下塗布した後、表示基板と重ね合わせ、対向基板側よりUV光照射硬化させ、貼り合わせて電解液層109を形成した。以上により、実施例1のエレクトロクロミック表示装置10を作製した。なお、電解液層109の厚みは、ビーズスペーサを電解液層に0.2質量%混合することにより10μmに設定した。
<評価>
作製した実施例1のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図4に示した。なお、還元ピーク電位(発色電位)は+5.3Vであった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.5秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.8秒間印加した。その結果、第2のエレクトロクロミック層108に、選択された2箇所の対向電極111の形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された対向電極の直上には、マゼンタ色とイエロー色との減色混合であるレッド色の領域が観測された。なお、発色後1分間経過してもマゼンタ色、レッド色、及びイエロー色の領域は保持されていた。
(実施例2)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
実施例1において、以下のようにして、第1のビスマスを含む金属酸化物層103、及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107における酸化ビスマス層をBi−B層に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のエレクトロクロミック表示装置を作製した。なお、Bi−Bの形成に用いたスパッタリングターゲットの組成比は、Bi:B=66.6mol%:33.4mol%とした。
−第1のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した表示電極101上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第1の酸化チタン含有層113、第1のビスマスを含む金属酸化物層103としての厚み10nmのBi−B層、及び厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114を順次形成した。
−第2のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第3の酸化チタン含有層、第2のビスマスを含む金属酸化物層107としての厚み10nmのBi−B層、及び厚み10nmの第4の酸化チタン含有層を順次形成した。
<評価>
作製した実施例2のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図5に示した。なお、還元ピーク電位(発色電位)は+6.0Vであった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.5秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.8秒間印加した。その結果、第2のエレクトロクロミック層108に、選択された2箇所の対向電極111の形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された対向電極の直上には、マゼンタ色とイエロー色との減色混合であるレッド色の領域が観測された。なお、発色後3分間経過してもマゼンタ色、レッド色、及びイエロー色の領域は保持されていた。
(実施例3)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
実施例1において、以下のようにして、第1のビスマスを含む金属酸化物層103、及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107における酸化ビスマス層をBi−Fe層に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のエレクトロクロミック表示装置を作製した。なお、Bi−Fe層の形成に用いたスパッタリングターゲットの組成比は、Bi:Fe=66.6mol%:33.4mol%とした。
−第1のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した表示電極101上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第1の酸化チタン含有層113、第1のビスマスを含む金属酸化物層103としての厚み10nmのBi−Fe層、及び厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114を順次形成した。
−第2のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第3の酸化チタン含有層115、第2のビスマスを含む金属酸化物層107としての厚み10nmのBi−Fe層、及び厚み10nmの第4の酸化チタン含有層116を順次形成した。
<評価>
次に、作製した実施例3のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図6に示した。なお、還元ピーク電位(発色電位)は+7.2Vであった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.5秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.8秒間印加した。その結果、第2のエレクトロクロミック層108に、選択された2箇所の対向電極111の形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された対向電極の直上には、マゼンタ色とイエロー色との減色混合であるレッド色の領域が観測された。なお、発色後3分間経過してもマゼンタ色、レッド色、及びイエロー色の領域は保持されていた。しかし、実施例3のエレクトロクロミック表示装置の非発色領域は、Bi−Fe層の色を反映して薄いオレンジ色であった。
(実施例4)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
実施例1において、以下のようにして、第1のビスマスを含む金属酸化物層103及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107をBi−TiO層に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4のエレクトロクロミック表示装置を作製した。なお、Bi−TiOの形成に用いたスパッタリングターゲットの組成比は、Bi:TiO=66.6mol%:33.4mol%とした。
−第1のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した表示電極101上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第1の酸化チタン含有層113、第1のビスマスを含む金属酸化物層103としての厚み10nmのBi−TiO層、及び厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114を順次形成した。
−第2のビスマスを含む金属酸化物層−
作製した中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第3の酸化チタン含有層115、第2のビスマスを含む金属酸化物層107としての厚み10nmのBi−TiO層、及び厚み10nmの第4の酸化チタン含有層116を順次形成した。
<評価>
作製した実施例4のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図7に示した。なお、還元ピーク電位(発色電位)は+7.2Vであった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.5秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.8秒間印加した。その結果、第2のエレクトロクロミック層108に、選択された2箇所の対向電極111の形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された対向電極の直上には、マゼンタ色とイエロー色との減色混合であるレッド色の領域が観測された。なお、発色後3分間経過してもマゼンタ色、レッド色、及びイエロー色の領域は保持されていた。しかし、実施例4のエレクトロクロミック表示装置の非発色領域は、Bi−TiO層の色を反映して薄い黄色であった。
(比較例1)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
実施例1において、以下のようにして、第1のビスマスを含む金属酸化物層103及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のエレクトロクロミック表示装置を作製した。
−表示電極の作製−
40mm×40mmのガラス基板上に、スパッタリング法により、厚み100nmのITO膜を20mm×20mmの領域、及び引き出し部分にメタルマスクを介して形成し、表示電極102を作製した。この表示電極102上に、スパッタリング法により、厚み20nmの酸化チタン含有層を形成した。
−中間表示電極の作製−
スパッタリング法により、厚み100nmのITO膜を、表示電極102で形成したITO膜と重なる部分20mm×20mmの領域に、また表示電極102とは異なる部分の引き出し部分を、メタルマスクを介して形成し、中間表示電極106を得た。この中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み20nmの酸化チタン含有層を形成した。
<評価>
作製した比較例1のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図8に示した。なお、還元ピーク電位(発色電位)は+0.4Vであった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで0.5秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を0.5秒間印加した。このうち、連続して選択された画素電極の直上には、マゼンタ色とイエロー色の減色混合であるレッド色の領域が観測され、中間表示電極のみ選択された画素電極の直上ではイエロー色とマゼンタ色の混色であるレッド色が観測された。発色後1分間経過後にはすべての画素上がレッド色になっていた。
(比較例2)
<エレクトロクロミック表示装置の作製>
実施例1において、第1のビスマスを含む金属酸化物層103、及び第2のビスマスを含む金属酸化物層107をZnS−SiO層に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のエレクトロクロミック表示装置を作製した。
なお、ZnS−SiOの形成に用いたスパッタリングターゲットの組成比は、ZnS:SiO=80mol%:20mol%とした。
−第1のビスマスを含まない金属酸化物層−
作製した表示電極102上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第1の酸化チタン含有層113、厚み10nmのZnS−SiO層、及び厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114を順次形成した。
−第2のビスマスを含まない金属酸化物層−
作製した中間表示電極106上に、スパッタリング法により、厚み10nmの第3の酸化チタン含有層115、厚み10nmのZnS−SiO層、厚み10nmの第4の酸化チタン含有層116を順次形成した。
<評価>
作製した比較例2のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、電気光学特性を評価し、発色試験を行った。
<<電気光学特性の評価>>
表示電極102を作用電極とし、3つの対向電極111のうちの1つを参照電極及びカウンター電極として、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により電気特性を評価した。また同時に、550nmの反射光強度を測定し、光学特性も評価した。
用いた測定器はBAS(Bioanalytical Systems)社製ALS660C及びオーシャンオプティクス社製USB4000であった。
反射光強度は、標準白色板(日本色彩研究所製)からの反射率を100%とした。掃引速度は0.5V/secで測定したCV測定結果、及び電圧に対する反射率変化を図9に示した。酸化還元反応に伴う電流がほとんど観察されず、また反射率変化もほとんど観察されなかった。
<<発色試験>>
3つの対向電極111のうち2か所を正極に、表示電極102を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで10秒間印加した。その結果、第1のエレクトロクロミック層104に、選択された2か所の対向電極111の形状を反映した、マゼンタ色の領域が斑点状に観測された。
続いて、先ほど選択した対向電極111の一方と、選択しなかった更にもう1か所の対向電極の2か所を正極に、中間表示電極106を負極につなぎ、定電圧電源を用いて6Vの電圧を10秒間印加した。このうち、連続して選択された画素電極の直上には、斑点状のレッド色と薄いイエロー色の混合した領域が観測され、中間表示電極のみ選択された画素電極の直上では薄いイエロー色が観測された。
(実施例5)
実施例1において、対向電極及び対向基板の代わりに3.5インチサイズのアクティブマトリクスTFTを備えた駆動基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のエレクトロクロミック表示装置を作製した。使用した駆動基板はQVGAの3.5インチ低温ポリシリコンTFTであり、画素サイズは223.6μm×223.6μmであった。
−表示電極及び第1のエレクトロクロミック層の形成−
表示基板として90mm×90mmのガラス基板を用いて、表示基板上にスパッタリング法により厚み100nmのITO膜を、75mm×60mmの領域及び引き出し部分にメタルマスクを介して形成し、表示電極を作製した。
次に、表示電極上に、スパッタリング法により、表示電極を覆うように、厚み10nmの第1の酸化チタン含有層113、厚み5nmの酸化ビスマス層103、厚み10nmの第2の酸化チタン含有層114で順次形成した。
次に、前記第2の酸化チタン含有層114上に、酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。
次に、前記酸化チタン粒子膜上に、マゼンタ色発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物(4,4’−(1−phenyl−1H−pyrrole−2,5−diyl)bis(1−(4−(phosphonomethyl)benzyl)pyridinium)bromide)の1質量%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第1のエレクトロクロミック層を形成した。
−絶縁層の形成−
平均一次粒径20nmのシリカ微粒子分散液(シリカ固形分濃度13質量%、ポリビニルアルコール樹脂(PVA500、日本酢ビ・ポバール株式会社製)2質量%、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール85質量%)をスピンコートし、120℃のホットプレートで10分間アニール処理し、約1μmの多孔性絶縁層を得た。更に、平均粒径450nmのシリカ粒子分散液(シリカ固形分濃度1質量%、2−プロパノール99質量%)をスピンコートした。
−中間表示電極、及び第2のエレクトロクロミック層の形成−
次に、スパッタリング法により、厚み100nmのITO透明導電膜を、75mm×60mmの領域及び表示電極とは異なる領域の引き出し部分にメタルマスクを介して、中間表示電極106を形成した。
次に、前記中間表示電極上に、スパッタリング法により、中間表示電極を覆うように、厚み10nmの第3の酸化チタン含有層115、第2のビスマスを含む金属酸化物層107としての厚み10nmの酸化ビスマス層、厚み10nmの第4の酸化チタン含有層116を順次形成した。
具体的には、2−プロパノール浴中で3分間超音波照射を行い、先に散布した平均粒径450nmのシリカ粒子を除去し、微細貫通孔を有する中間表示電極及び第2のビスマスを含む酸化物層を形成した。
次に、この上に酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成した。
次に、前記酸化チタン粒子膜上に、イエロー色に発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物(4,4’−(4,4’−(1,3,4−oxadiazole−2,5‐diyl)bis(4,1−phenylene))bis(1−(8−phosphonooctyl)pyridinium)bromide)の1質量%2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第2のエレクトロクロミック層を形成した。
−エレクトロクロミック表示装置の作製−
電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒としてジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコール(分子量:200)、UV硬化接着剤(商品名:PTC10、十条ケミカル株式会社製)を、1.2対5.4対6対16(質量比)で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50、石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を20質量%添加した電解液を用意し、駆動基板側に滴下塗布した後、表示基板と重ね合わせ、駆動基板側よりUV光照射硬化させて貼り合わせた。以上により、実施例5のエレクトロクロミック表示装置を作製した。なお、電解質層の厚みはビーズスペーサを電解層に0.2質量%混合することにより10μmに設定した。
<評価>
作製した実施例5のエレクトロクロミック表示装置について、以下のようにして、発色試験を行った。
<<発色試験>>
作製した実施例5のエレクトロクロミック表示装置を、FPGA(field−programmable gate array)を搭載したTFTの駆動装置及びパソコンと接続し、発色試験を実施した。
8.9mmの領域をマゼンタ発色するように該当する領域の画素電極及び表示電極に電圧を印加するようにTFTを動作させた。約1秒間で該当する領域にマゼンタ色の発色が得られた。また、その領域と一部を重なるように更に他の領域に8.9mmの領域をイエロー発色するようにTFTを動作させた。約1.2秒間で該当する領域でイエロー色の発色が得られた。重なった領域ではレッド色の発色が得られた。表示したマゼンタ色、イエロー色、及びレッド色の領域を持つ画像は、1分間経過後でも発色直後のままの状態で保持されていた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 表示基板と、
前記表示基板上に設けられた表示電極と、
前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた中間表示電極と、
前記中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
対向基板と、
前記対向基板上に設けられた対向電極と、
前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層と、
を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び前記中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有していることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置である。
<2> 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含む前記<1>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<3> 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、一対の酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されている前記<1>から<2>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<4> 表示基板と、
前記表示基板上に設けられた表示電極と、
前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第1の中間表示電極と、
前記第1の中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
前記第2のエレクトロクロミック層上に、前記第2のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第2の中間表示電極と、
前記第2の中間表示電極上に設けられた第3のエレクトロクロミック層と、
対向基板と、
前記対向基板の上に設けられた対向電極と、
前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と、前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層と、
を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、前記第1の中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間、及び前記第2の中間表示電極と前記第3のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有していることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置である。
<5> 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含む前記<4>に記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<6> 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、一対の酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されている前記<4>から<5>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置である。
<7> 表示基板上に表示電極を形成する工程と、
前記表示電極上に第1の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第2の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
前記第2の酸化チタン含有層に接して第1のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の製造方法である。
<8> 第1のエレクトロクロミック層上に中間表示電極を形成する工程と、
前記中間表示電極上に、第3の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第4の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
前記第4の酸化チタン含有層に接して第2のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含む前記<7>に記載のエレクトロクロミック表示装置の製造方法である。
10 エレクトロクロミック表示装置
101 表示基板
102 表示電極
103 第1のビスマスを含む金属酸化物層
104 第1のエレクトロクロミック層
106 中間表示電極
107 第2のビスマスを含む金属酸化物層
108 第2のエレクトロクロミック層
109 電解液層
110 白色反射層
111 対向電極
112 対向基板
113 第1の酸化チタン含有層
114 第2の酸化チタン含有層
115 第3の酸化チタン含有層
116 第4の酸化チタン含有層
特開2012−128217号公報 特開2012−137736号公報 特許第5007520号公報 特開2008−180999号公報
N.Kobayashi et al.,Proceeding of IDW’04,1753(2004)

Claims (8)

  1. 表示基板と、
    前記表示基板上に設けられた表示電極と、
    前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
    前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた中間表示電極と、
    前記中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
    対向基板と、
    前記対向基板上に設けられた対向電極と、
    前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層と、
    を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
    前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、及び前記中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有していることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  2. 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含む請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  3. 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されている請求項1から2のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  4. 表示基板と、
    前記表示基板上に設けられた表示電極と、
    前記表示電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
    前記第1のエレクトロクロミック層上に、前記第1のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第1の中間表示電極と、
    前記第1の中間表示電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
    前記第2のエレクトロクロミック層上に、前記第2のエレクトロクロミック層と隔離して設けられた第2の中間表示電極と、
    前記第2の中間表示電極上に設けられた第3のエレクトロクロミック層と、
    対向基板と、
    前記対向基板上に設けられた対向電極と、
    前記表示基板における前記表示電極が形成されている面と、前記対向基板における前記対向電極が形成されている面との間に設けられた電解液層と、
    を備えたエレクトロクロミック表示装置であって、
    前記表示電極と前記第1のエレクトロクロミック層との間、前記第1の中間表示電極と前記第2のエレクトロクロミック層との間、及び前記第2の中間表示電極と前記第3のエレクトロクロミック層との間の少なくともいずれかに、ビスマスを含む金属酸化物層を有していることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  5. 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、ホウ素、鉄、及びチタンから選択される少なくとも1種の元素を含む請求項4に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  6. 前記ビスマスを含む金属酸化物層が、酸化チタン含有層と酸化チタン含有層との間に形成されている請求項4から5のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  7. 表示基板上に表示電極を形成する工程と、
    前記表示電極上に第1の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第2の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
    前記第2の酸化チタン含有層に接して第1のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示装置の製造方法。
  8. 第1のエレクトロクロミック層上に中間表示電極を形成する工程と、
    前記中間表示電極上に、第3の酸化チタン含有層、ビスマスを含む金属酸化物層、及び第4の酸化チタン含有層をこの順に形成する工程と、
    前記第4の酸化チタン含有層に接して第2のエレクトロクロミック層を形成する工程と、を少なくとも含む請求項7に記載のエレクトロクロミック表示装置の製造方法。
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