JP5994241B2 - エレクトロクロミック表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック表示装置及びエレクトロクロミック表示装置の製造方法に関する。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーが注目されている。電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いることができることを特徴とするものであり、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイ等の従来の表示装置とは異なる特性が求められている。このような電子ペーパーとしては、有機ELディスプレイ等の自発光表示装置の他、低消費電力で、かつ、視覚的疲労感の少ない反射型表示装置がある。
反射型表示装置としては、例えば、コレステリック液晶を用いた反射型液晶表示装置があるが、この表示装置は選択的な光の反射を用いており、また、表示装置を形成している基板の数が多くなるため、反射率やコントラスト比、彩度や色再現範囲が十分ではなく、視認性は紙には遠く及ばない。
一方、反射型表示装置としては、高い色再現性と表示メモリ性とを兼ね備えた有機エレクトロクロミック材料等を用いたエレクトロクロミック表示装置がある。エレクトロクロミック現象は、エレクトロクロミズムとも呼ばれており、電圧を印加することにより、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をいう。このエレクトロクロミズムを生じさせるエレクトロクロミック化合物の発色及び消色(以下、「発消色」と記載する)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。このエレクトロクロミック表示装置は、反射型の表示装置であること、メモリ効果を有すること、低電圧で駆動することができること等の特徴を有しているため、電子ペーパーとしての用途として用いられる表示装置の技術の有力な候補とされている。
エレクトロクロミック表示装置においては、エレクトロクロミック化合物の構造により、様々な色を発色させることができるため、多色表示させることができる。特許文献1及び2には、1つの表示基板上に複数層の表示電極とエレクトロクロミック化合物により形成される発色層を積層した構造のエレクトロクロミック表示装置が開示されている。
特許文献1では、表示電極を酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)微粒子により形成した構造のエレクトロクロミック表示装置が開示されている。また、特許文献2では、電解質に対して浸透性を有する表示電極ならびに絶縁膜を有するエレクトロクロミック表示装置が開示されており、表示電極としてスパッタリングにより成膜されたITO膜が用いられている。
また、特許文献3には、導電性を有する多孔質シート体にエレクトロクロミック層を保持させ、この多孔質シートを複数重ねあわせることにより形成されるエレクトロクロミック表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているエレクトロクロミック表示装置では、導電膜はITO微粒子により形成されているが、ITO微粒子により形成される導電膜の導電率は低く、スパッタリング等の真空成膜により形成されるITO導電膜と比較して、体積抵抗率は2〜5桁程高くなる。このように、表示電極層を形成する導電膜の堆積抵抗率が高く、導電性が低いと、表示電極面積の大型化に伴い表示画像の面内不均一性が生じる原因となる。また、導電膜の導電性を高めるためにITO微粒子により形成される表示電極層の厚さを厚くした場合には、反射率の低下及び表示される画像品質の低下を招くため好ましくない。
また、特許文献2に開示されているエレクトロクロミック表示装置では、表示電極はスパッタリングにより成膜されたITO膜が用いられているが、スパッタリングにより成膜されたITO膜は緻密であり、イオン透過性に乏しく、エレクトロクロミック層の発消色反応において大きな電圧を印加する必要がある。即ち、複数の表示電極とエレクトロクロミック層を積層した構造では、対向電極から隔てて形成されているエレクトロクロミック層において発消色させるために印加する電圧を高くする必要がある。
また、特許文献3に記載されているエレクトロクロミック表示装置では、多孔質シート自体の厚みのために、対向電極から各々の表示電極までの距離が離れることに起因して、表示画像においてボケが発生する場合があり、更には、駆動電圧の上昇を招いてしまう。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、容易に製造することのできる導電性とイオン透過性に優れた表示電極を形成することにより、駆動電圧が低く、また表示品質に優れたエレクトロクロミック表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、表示基板と、前記表示基板に対向して配置された対向基板と、前記表示基板の前記対向基板が設けられている側の面に形成された一の表示電極と、前記一の表示電極の上に形成された一のエレクトロクロミック層と、前記一のエレクトロクロミック層の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された他の表示電極と、前記他の表示電極の上に形成された他のエレクトロクロミック層と、前記対向基板において、前記表示基板における他のエレクトロクロミック層が形成されている面に対向する面に形成された対向電極と、前記表示基板と前記対向基板との間に設けられた電解液と、を有するエレクトロクロミック表示装置において、前記絶縁層の表面には凹凸が形成されており、前記他の表示電極には、前記電解液のイオンが通過する微細貫通孔が形成されており、前記絶縁層の表面に形成されている凹凸は、導電性微粒子より形成されているものであることを特徴とする。
また、本発明は、表示基板と、前記表示基板に対向して配置された対向基板と、前記表示基板の前記対向基板が設けられている側の面に形成された一の表示電極と、前記一の表示電極の上に形成された一のエレクトロクロミック層と、前記一のエレクトロクロミック層の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された他の表示電極と、前記他の表示電極の上に形成された他のエレクトロクロミック層と、前記対向基板において、前記表示基板における他のエレクトロクロミック層が形成されている面に対向する面に形成された対向電極と、前記表示基板と前記対向基板との間に設けられた電解液と、を有するエレクトロクロミック表示装置において、前記絶縁層の表面には凹凸が形成されており、前記他の表示電極には、前記電解液のイオンが通過する微細貫通孔が形成されており、前記他の表示電極と前記他のエレクトロクロミック層との間には、前記他の表示電極の表面における凹部を埋めるように、導電性微粒子を含む層が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、容易に製造することのできる導電性とイオン透過性に優れた表示電極を有しているため、駆動電圧が低く、また表示品質に優れたエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
第1の実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置の構造図 第1の実施の形態における他のエレクトロクロミック表示装置の構造図 第2の表示電極14の説明図 第1の実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置の製造方法の工程図 絶縁層13の説明図 第2の表示電極14に形成される微細貫通孔14aの説明図 第2の実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置の説明図 表示電極の説明図 第2の実施の形態における他のエレクトロクロミック表示装置の説明図(1) 第2の実施の形態における他のエレクトロクロミック表示装置の説明図(2) 実施例1におけるエレクトロクロミック表示装置の要部断面SEM像 実施例2におけるエレクトロクロミック表示装置の要部断面TEM像
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置について説明する。図1に示されるように、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置は、支持基板となる表示基板10と対向基板20を有している。表示基板10には、対向基板20と対向する面において、表示基板10に接して形成された第1の表示電極11と、第1の表示電極11に接して形成された第1のエレクトロクロミック層12と、第1のエレクトロクロミック層12に接して形成された絶縁層13と、絶縁層13に接して形成された第2の表示電極14と、第2の表示電極14に接して形成された第2のエレクトロクロミック層15とを有している。このように、表示基板10は、これらの積層構造されたものを支持するための基板である。第1のエレクトロクロミック層12及び第2のエレクトロクロミック層15は、導電性または半導体性微粒子により形成された多孔質電極と、この微粒子に担持された酸化還元反応により呈色反応を示すエレクトロクロミック分子により形成されている。尚、表示電極10は、光を透過する材料により形成されており、第1の表示電極11及び第2の表示電極14は、透明導電膜等の光に対し透明であって導電性を有する材料により形成されている。
また、対向基板20には、表示基板10に対向する側の面に対向電極21が形成されており、表示基板10と対向基板20との間には、電解質を溶解させた電解液が含浸されている電解液層30が形成されており、更には、白色反射層40が形成されている。
第1のエレクトロクロミック層12と第2のエレクトロクロミック層15は、酸化還元反応により相互に異なる色を呈するエレクトロクロミック分子により形成されていることが好ましく、これにより2色表示が可能となる。具体的には、例えば、第1のエレクトロクロミック層12では赤色を発色させ、第2のエレクトロクロミック層15では青色を発色させることにより、赤と青の2色表示が可能となる。また、第1のエレクトロクロミック層12と第2のエレクトロクロミック層15は、分子構造が類似していることが好ましい。分子構造が類似しているものを用いることにより、第1の表示電極11及び第2の表示電極14における発消色電位をそろえることができ、同一の電解質で容易に発消色の制御を行なうことができる。
更に、同様の表示電極とエレクトロクロミック層とが積層された層を組とし、絶縁膜を介して単数または複数のこの組を積層形成することにより、3色または4色の表示を行なうことができる。
図2は、本実施の形態において、3色の表示を行なうことのできるエレクトロクロミック表示装置の構造を示す。このエレクトロクロミック表示装置は、図1に示されるエレクトロクロミック表示装置の表示基板10において、更に、第2のエレクトロクロミック層15に接して形成された絶縁層16と、絶縁層16に接して形成された第3の表示電極17と、第3の表示電極17に接して形成された第3のエレクトロクロミック層18とを有するものである。これにより、第1のエレクトロクロミック層12、第2のエレクトロクロミック層15及び第3のエレクトロクロミック層18において、相互に異なる色を発色させることにより、3色表示をさせることができる。具体的には、例えば、第1のエレクトロクロミック層12においてマゼンタを発色させ、第2のエレクトロクロミック層15においてイエローを発色させ、第3のエレクトロクロミック層18においてシアンを発色させることにより3色の表示を行なうことができ、フルカラー表示が可能となる。
(表示基板10)
表示基板10としては、透明な材料であれば特に限定されるものではないが、ガラス基板、プラスチックフィルム等の基板が用いられる。また、水蒸気バリア性・ガスバリア性・視認性を高めるために表示基板10の表裏に透明絶縁層・反射防止層等がコーティングされていてもよい。
(対向基板20)
対向基板20としては、特に透明である必要もないため、ガラス基板、プラスチックフィルム、シリコン基板、ステンレス等の金属基板、またこれらを積層したものなどが用いられる。
(表示電極)
第1の表示電極11及び第2の表示電極14等の表示電極(以下、「表示電極」と記載する場合がある)としては、透明性と導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。表示電極の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の金属酸化物が好ましい。また、透明性を有する銀、金、カーボンナノチューブ、金属酸化物等のネットワーク電極やこれらの複合層も有用である。また作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、または該表示電極材料が塗布形成できるものであれば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。表示電極における光の透過率は60%以上、100%未満が好ましく、更に好ましくは90%以上、100%未満である。
また、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置は、第1の表示電極12と対向電極21との間に形成されている第2の表示電極15は、電解液層30における電解液のイオンが通過する微細貫通孔を有しており、この微細貫通孔は電解液により満たされている構造のものである。このように、第2の表示電極15に微細貫通孔を設ける方法としては、以下のような形成方法を用いることができる。
具体的には、第2の表示電極14等を形成する前にあらかじめ下地層として凹凸を持つ層を形成しそのまま凹凸を有する第2の表示電極14等を形成する方法、また、第2の表示電極14等を形成する前にマイクロピラーなどの凸形状構造体を形成し、第2の表示電極14等を形成した後に凸形状構造体を取り除く方法、また、第2の表示電極14を形成する前に発泡性の高分子重合体等を散布し、第2の表示電極14等を形成した後に加熱や脱気する等の処理を施して発泡させる方法、また、直接第2の表示電極14等に各種放射線を輻射して細孔を形成させる方法等が挙げられる。特に、第2の表示電極14等を形成する前にあらかじめ下地層として凹凸を持つ層を形成し、そのまま凹凸を有する第2の表示電極14等を形成する方法は、凹凸を持つ下地層をそのまま絶縁層として用いることもできる利点があり、工程数上もっとも有利である。
また、第2の表示電極14に設けられる微細貫通孔の穴径は、例えば、0.01〜100μm程度とすることが好ましい。微細貫通孔の径が0.01μm以下だと、イオンの透過が悪くなり、また、微細貫通孔の径が100μm以上だと、目視できるレベル(通常のディスプレイでは1画素電極レベルの大きさ)であり、微細貫通孔直上の表示性能が低下するからである。更に、これらをより一層回避するためには、微細貫通孔の径を0.1〜5μm程度とすることが好ましい。
また、微細貫通孔の表示電極の表面積に対する孔面積の比(穴密度)は、適宜設定することができるが、例えば、0.01〜40%程度とすることが好ましい。穴密度が大きすぎると表示電極の表面抵抗が大きくなるためや、表示電極がない面積が広くなることによる発消色表示欠陥が生じる場合がある。また、穴密度が小さすぎると電解質イオンの浸透性が悪くなるために同様に発消色表示に問題が生じる場合がある。
また、第2の表示電極14等に微細貫通孔を形成するための下地層の凹凸は、第2の表示電極14等の膜厚にも依存するが、例えば、第2の表示電極14等の膜厚を100nmとすると下地層の表面粗さが平均粗さ(Ra)が10nm以上100nm未満であることが好ましい。平均粗さが10nm以下の場合には、微細貫通孔が形成されずに表示電極によって埋まってしまいイオンの透過が阻害される。反対に平均粗さが100nmを超える場合には導電層である表示電極の表面抵抗が大きく失われ、表示不良等の原因となってしまう。
尚、上記においては、主に第2の表示電極14について説明したが、第3の表示電極17や、更に多くの表示電極、例えば、第4の表示電極等を設けた場合も同様である。尚、本実施の形態においては、第1の表示電極11を一の表示電極と記載する場合があり、第1の表示電極11と対向電極21との間に形成される第2の表示電極14等を他の表示電極と記載する場合がある。また、第1の表示電極11である一の表示電極の上に形成される第1のエレクトロクロミック層12を一のエレクトロクロミック層と記載し、第2の表示電極14等の他の表示電極の上に形成される第2のエレクトロクロミック層15等を他のエレクトロクロミック層と記載する場合がある。また、本実施の形態においては、他の表示電極及び他のエレクトロクロミック層は上述したように複数設けたものであってもよい。
(対向電極)
対向電極21としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。対向電極21の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の金属酸化物、あるいは亜鉛、白金等の金属、カーボン、またはそれらの複合膜などを用いることができる。また、対向電極21が酸化還元反応により不可逆的に腐食されないように、対向電極21を覆う保護層を形成したものであってもよい。対向電極21の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンレーティング法等が挙げられる。また、対向電極21を形成するための材料が塗布により形成することができるものであれば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。
(対向電極21を覆う保護層)
対向電極21を覆う保護層としては、対向電極21の不可逆的な酸化還元反応による腐食を防止する役割を担う材料であれば特に限定されるものではなく、Al(酸化アルミニウム)やSiO(酸化シリコン)またはそれらを含む絶縁体材料や、酸化亜鉛、酸化チタンまたはそれらを含む半導体材料、またはポリイミドなどの有機材料など、様々なものを用いることができる。特に可逆的な酸化還元反応を示す材料は有用である。例えば酸化アンチモン錫や酸化ニッケルなどの導電性または半導体性金属酸化物微粒子を、例えばアクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系などのバインダにより対向電極21上に固定化することが知られている。対向電極21を覆う保護層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンレーティング法等が挙げられる。また、保護層を形成するための材料が塗布により形成することができるものであれば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法も用いることができる。
(エレクトロクロミック層)
第1のエレクトロクロミック層12及び第2のエレクトロクロミック層15等のエレクトロクロミック層(以下、「エレクトロクロミック層」と記載する)は、エレクトロクロミック材料を含んだものであり、このようなエレクトロクロミック材料としては、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物のいずれを用いても構わない。また、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子も用いることができる。無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンなどが挙げられる。また、有機エレクトロクロミック化合物としてはビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリルなどが挙げられる。また導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、またはそれらの誘導体などが挙げられる。
また、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置におけるエレクトロクロミック層としては、導電性または半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることが特に好ましい。具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、その微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基などの極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。この構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答する。さらに、微粒子を用いることで表示層として透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。また、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性または半導体性微粒子に担持することもできる。
具体的な材料としては、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、ジピリジン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
特に、好ましくはビオロゲン系化合物またはジピリジン系化合物を含むことがよい。これらの材料は発消色電位が低く、複数の表示電極構成においても良好な色値を示す。ビオロゲン系については、特許3955641号公報、特開2007−171781号公報、ジピリジン系については、特開2007−171781号公報、特開2008−116718号公報等に示されている。
更に、上記のうち、特に、好ましくは、化1における一般式で表されるジピリジン系化合物を含むものがよい。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック表示装置を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。

尚、化1に示される一般式において、R1及びR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1から8のアルキル基、又はアリール基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、Si(OC2k+1から選ばれる置換基を有する。Xは1価のアニオンを表す。nは0、1又は2を表す。kは0、1又は2を表す。Aは置換基を有してもよい炭素数1から20のアルキル基、アリール基、複素環基を表す。
一方、金属錯体系、金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が用いられる。
導電性または半導体性微粒子としては特に限定されるものではないが、金属酸化物が好ましい。材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物が用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン、から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
また、導電性または半導体性微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色表示が可能である。
(電解液層30)
電解液層30における電解液は電解質と、電解質を溶解させるための溶媒より構成される。電解液は表示基板10と対向基板20を貼り合わせる際に表示電極、エレクトロクロミック層、絶縁層等の表示基板10側に作製した層へ含浸させることができる。また、表示電極10、エレクトロクロミック層、絶縁層等を作製する段階で電解質を各層内に分布させ、表示基板10と対向基板20を貼り合わせる際に溶媒のみを含浸させることも可能である。この方法では電解液の浸透圧によって各層への含浸速度を向上させることが望める。
電解質の材料としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的に、LiClO4、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF等を用いることができる。また、イオン性液体も用いることができる。イオン性液体としては、一般的に研究・報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。特に、有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造がある。分子構造の例としては、カチオン成分としてN,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩などのイミダゾール誘導体、N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩などのピリジニウム誘導体など芳香族系の塩、または、トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩などのテトラアルキルアンモニウムなど脂肪族4級アンモニウム系が挙げられる。アニオン成分としては大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物がよく、BF4−、CF3SO3−、PF6−、(CF3SO22N−などが挙げられる。これらのカチオン成分とアニオン成分の組み合わせにより処方したイオン性液体を用いることができる。
また、溶媒の例としてはプロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類やそれらの混合溶媒などを用いることができる。
また、電解液は低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型など様々な形態をとることが可能である。特に電解液はゲル状、固体状に形成することが、素子強度向上、信頼性向上、発色拡散の防止から好ましい。固体化手法としては、電解質と溶媒をポリマー樹脂中に保持することがよい。高いイオン伝導度と固体強度が得られるためである。更に、ポリマー樹脂は光硬化可能な樹脂がよい。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
(白色反射層40)
白色反射層40は、エレクトロクロミック表示素子を反射型の表示装置として用いる場合に、白色の反射率を向上させるためのものである。白色反射層40は、電解液内に白色顔料粒子を分散させる、あるいは、白色顔料粒子を分散した樹脂を塗布形成する、等によって作製することができる。白色反射層40に含まれる白色顔料粒子の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、酸化セシウム、酸化イットリウム等が用いられる。
(絶縁層13)
絶縁層13等は、第1のエレクトロクロミック層12の設けられた第1の表示電極11と、第2のエレクトロクロミック層15の設けられた第2の表示電極14とが電気的に絶縁されるように隔離するためのものである。第1の表示電極11及び第2の表示電極14は、対向電極21に対する電位を独立して制御するために、各表示電極間の電気抵抗が、各表示電極面内での電気抵抗よりも大きく形成されなくてはならない。少なくとも各表示電極間の抵抗が、各表示電極面内での電気抵抗の500倍以上であることが好ましい。各表示電極間の絶縁性はエレクトロクロミック層の層厚で制御することができるが、絶縁層13等を形成して制御することが好ましい。また、同様に第3または、第4と表示電極とエレクトロクロミック層を増やして設ける場合にも、それぞれの隣接する表示電極間での絶縁性を補償するための絶縁層を挿入することが好ましい。
絶縁層13等を形成するための材料としては、多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性が高く、耐久性が高く、成膜性に優れた有機材料、無機材料、およびそれらの複合体が好ましい。
多孔質膜の形成方法としては、焼結法(高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の形成方法を用いることができる。
具体的には、例えば、金属酸化物微粒子(SiO粒子、Al粒子など)とポリマー結着剤からなるポリマー混合粒子膜、多孔性有機膜(ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
前述のとおり、第2の表示電極14等に微細貫通孔を形成するための下地層を、絶縁層13と兼ねる場合の絶縁層13の凹凸は、第2の表示電極14等の膜厚にも依存するが、例えば第2の表示電極層14等の膜厚を100nmとすると、絶縁層13の表面粗さが平均粗さ(Ra)が10nm以上、100nm未満であることが好ましい。平均粗さが10nm以下の場合には微細貫通孔が形成されずに表示電極によって埋まってしまい、平均粗さが100nmを超える場合には導電層である表示電極の表面抵抗が大きく失われ、表示不良等の原因となる。
図1の一点鎖線1Aで囲まれた領域の拡大図を図3に示し、この領域における絶縁層13、第2の表示電極14、第2のエレクトロクロミック層15について、詳細に説明する。本実施の形態におけるエレクトロクロミック装置では、図3に示されるように凹凸を有する絶縁層13の面上に第2の表示電極14、第2のエレクトロクロミック層15が形成されているが、絶縁層13の凹凸の凹部において第2の表示電極14には、微細貫通孔14aが形成されている。このように第2の表示電極14に微細貫通孔14aを形成することにより、電解液が微細貫通孔14aを通り第1のエレクトロクロミック層12に到達することができる。このように、本実施の形態では、導電性とイオン透過性に優れた表示電極を有しているため、駆動電圧が低く、また表示品質に優れたエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。また、後述するように微細貫通孔を有する表示電極は容易に形成することができる。
絶縁層13に凹凸を形成するための方法としては、2種類以上の粒径を有する絶縁性金属酸化物微粒子の混合層で絶縁層を構成する方法、また、平坦な絶縁層上に絶縁性金属酸化物微粒子を散布または積層する方法、また、平坦な絶縁層に化学的または物理的または機械的なエッチング処理(化学エッチングやプラズマ輻射、ブラスト処理等)を施す方法等が挙げられる。
絶縁層13を構成する2種類の粒径を有する絶縁性金属酸化物微粒子は、絶縁層13を構成する材料と同様であることが好ましい。つまりシリカ微粒子やアルミナ微粒子またはそれらの組み合わせなどが好ましい。
また、絶縁層13を構成する2種類の粒径を有する絶縁性金属酸化物微粒子の粒径は、第2の表示電極14等の膜厚や導電性の要求によって適宜選択すればよい。一例を挙げるに、第2の表示電極14等の膜厚を100nmとした場合には、小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子の粒径は5〜30nm、大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子の粒径は80〜300nm程度であることが好ましい。
また、2種類以上の粒径を有する絶縁性金属酸化物微粒子の混合層で絶縁層13を構成する方法では、異なる粒径の金属酸化物微粒子の粒径や混合比などで生じる凹凸が変化する。混合比があまりにも偏ると凹凸が小さくなる場合や、絶縁層13の密着性が悪くなることにより表示欠陥等が生じる場合がある。小粒径や大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子の粒径が小さすぎると、第2の表示電極14等に形成される凹凸が小さくなり、微細貫通孔が形成されないことからイオンの浸透性が阻害され、表示性能が損なわれてしまう可能性がある。また、小粒径や大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子の粒径が大きすぎると第2の表示電極14等に形成される凹凸が大きくなり、第2の表示電極14等の導電性が失われる、または絶縁層13の密着性が損なわれ、表示性能が損なわれる可能性がある。
小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子で構成される絶縁層上に大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子で構成される絶縁層を形成した積層構造を有する絶縁層13では、凹凸を形成する要因は大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子の粒径である。このため、80nm以下では凹凸が不十分となり、第2の表示電極14等を形成することにより微細貫通孔が塞がってしまう可能性がある。また、300nm以上の粒径になると密着性等が悪くなる場合がある。
また、絶縁層13は無機膜と組み合わせて用いることが好ましい。これは、後に形成される第2の表示電極14等をスパッタリングにより形成する際に、下層である絶縁層13や第1のエレクトロクロミック層12における有機物質へのダメージを低減させる効果がある。
また、無機膜13としては、少なくともZnSを含む材料が好ましい。ZnSは、スパッタ法によって、エレクトロクロミック層などにダメージを与えることなく高速に成膜できるという特徴を有する。更に、ZnSを主な成分として含む材料として、ZnS-SiO2、ZnS-SiC、ZnS-Si、ZnS-Ge等を用いることができる。ここで、ZnSの含有率は、絶縁層を形成した際の結晶性を良好に保つために、約50〜90mol%とすることが好ましい。従って、特に好ましい材料は、ZnS-SiO2(8/2)、ZnS-SiO2(7/3)、ZnS、ZnS-ZnO-In2O3-Ga2O3(60/23/10/7)である。このような材料により絶縁層13を形成することにより、薄膜で良好な絶縁効果が得られ、多層化による膜強度低下や膜剥離を防止することができる。
次に、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置において、多色表示の動作について説明する。本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示は、図1において説明した構造を有するものであり、容易に多色表示が可能である。具体的には、第1の表示電極11と、第2の表示電極14とが、絶縁層13を介して隔離して設けられているため、任意の表示電極と、対向電極とを電気的に接続し、ある時間に電流を流すことで、選択された任意の画素電極の直上にある、選択された任意の表示電極に接するエレクトロクロミック層の領域のみで発消色反応が起こる。つまり、第1の表示電極11または第2の表示電極14のうちのいずれか一つの表示電極と、複数あるうちの任意の画素電極を選択した場合には、単色での高精細表示が可能となり、第1の表示電極11及び第2の表示電極14の双方と、複数ある任意の画素電極を選択した場合には、2色の混色での高精細表示が可能となる。
また、本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置は表示メモリ性を有するため、第1の表示電極11又は第2の表示電極14の選択と、複数あるうちの任意の画素電極の選択を時間的に分けることによって高精細かつ多色表示が可能になる。言い換えれば、任意の画素電極を選択することにより、2次元的にエレクトロクロミック層の発色領域を選択し、第1の表示電極11、第2の表示電極14のうち任意の表示電極を選択することにより、更に、3次元的に各エレクトロクロミック層の任意の領域を発消色できることになる。
(エレクトロクロミック表示装置の製造方法)
次に、本実施の形態におけるエレクトロクロミック装置の製造方法について説明する。
最初に、図4(a)に示すように、表示基板10の一方の面に第1の表示電極11を形成し、更に、第1の表示電極11の上に、第1のエレクトロクロミック層12を形成する。
次に、図4(b)に示すように、第1のエレクトロクロミック層12の上に絶縁層13を形成する。具体的には、図5(a)に示すように、第1のエレクトロクロミック層12の上に絶縁膜13aを形成し、絶縁膜13aの上に絶縁性金属酸化物微粒子13bを形成する。このように、絶縁膜13aと絶縁性金属酸化物微粒子13bにより、表面に凹凸を有する絶縁層13を形成することができる。また、別の方法としては、図5(b)に示すように、第1のエレクトロクロミック層12の上に、粒径が5〜30nmの小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子13cによる膜を形成し、小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子13cによる膜の上に、粒径が80〜300nmの大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子13dによる膜を形成する。このように、小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子13cと大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子13dにより、表面に凹凸を有する絶縁層13を形成することができる。
次に、図4(c)に示すように、表面に凹凸を有する絶縁層13の上に、第2の表示電極14を形成する。第2の表示電極14はITO等により形成されておりスパッタリングまたは真空蒸着等により形成される。この際、図6に示されるように、第2の表示電極14には、微細貫通孔14aが形成される。微細貫通孔14aは、主に、表面に凹凸の形成されている絶縁層13の凹部において形成される。尚、本実施の形態では、表面に凹凸を有する絶縁層13の上に、第2の表示電極14を形成することにより、微細貫通孔14aを形成することができるものであるが、このような微細貫通孔14aを有する第2の表示電極14を形成するためには、上述したスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等の真空成膜による成膜方法が好ましい。
次に、図4(d)に示すように、微細貫通孔14aが形成されている第2の表示電極14の上に、第2のエレクトロクロミック層15を形成する。
この後、対向電極21と第2のエレクトロクロミック層15との間に、電解液層30及び白色反射層40を形成し、対向電極21の形成されている対向基板20と対向電極21と第2のエレクトロクロミック層21とが対向するように貼り合せる。これにより、図1に示す構造の本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置を作製することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置について説明する。本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置は、図7に示すように、表示基板10に形成された第1のエレクトロクロミック層12の上に絶縁膜13aが形成されており、絶縁膜13aの上に、導電性微粒子141により凹凸を形成し、絶縁膜13a及び導電性微粒子141の上に第2の表示電極14を形成した構造のものである。よって、この構造のエレクトロクロミック表示装置においては、絶縁膜13aが絶縁層13となり、第2の表示電極14に微細貫通孔14aを形成するための凹凸は、導電性微粒子141により形成されている。これにより、第2の表示電極14に微細貫通孔14aを形成することができ、更に、第2の表示電極14における抵抗を低くすることができる。
ところで、図8(a)に示されるように絶縁層13の凹凸を有する面上に形成された第2の表示電極14における表面抵抗は、図8(b)に示されるように平坦な絶縁層913上に形成された電極914における表面抵抗よりも高くなる。これは、絶縁層13において凹凸を有する面の表面積が、絶縁層913における平坦面の表面積よりも広くなることに起因するものである。即ち、第2の表示電極14を形成する前にあらかじめ下地層として凹凸を有する絶縁層13を形成し、この絶縁層13の上に第2の表示電極14を形成すると、凹凸を有する第2の表示電極14が形成され、第2の表示電極14における実効的な膜厚は薄くなる。さらに、凹凸による微細貫通孔14aによって第2の表示電極14の表面抵抗はさらに悪くなる。このように第2の表示電極14の表面抵抗が悪くなることはそのまま表示不良の原因となる。尚、図8(a)は、凹凸を有する絶縁層13の上に、第2の表示電極14、第2のエレクトロクロミック層15を形成したものの構造を示し、図8(b)は、平坦面の絶縁層913の上に、電極914、エレクトロクロミック層915を形成したものの構造を示す。
本実施の形態では、第2の表示電極14において凸部を形成する領域の絶縁膜13aの上には導電性微粒子141が形成されているため、この領域における第2の表示電極14の抵抗を低くすることができる。
(導電性微粒子141)
導電性微粒子141は、亜鉛、インジウム、錫、ガリウムから選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物を主成分として含有することが好ましい。即ち、導電性微粒子141として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分とする透明導電性金属酸化物の微粒子、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)微粒子、インジウム亜鉛酸化物(IZO)微粒子、インジウムタングステン酸化物(IWO)微粒子、インジウムチタン酸化物(ITiO)微粒子、インジウムジルコニウム酸化物微粒子、錫アンチモン酸化物(ATO)微粒子、フッ素錫酸化物(FTO)微粒子、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)微粒子、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)微粒子、βガリウム酸化物微粒子等が好ましい。導電性微粒子141は、可視光領域における高い透過率と、高い導電性を備えるものであればよく、これらに限定されるものではない。これらのうち、ITO微粒子は、可視光領域における高い透過率と、高い導電性を備えることから、特に好ましい。また、透明性を有する銀、金、カーボンナノチューブ、金属酸化物等のネットワーク電極やこれらの複合層も有用である。
また、導電性微粒子141が粒状の場合における平均一次粒径は、5nm〜500nmが好ましい。平均一次粒径が5nm未満である場合、所望の高い導電性を得ることが困難である、または微細貫通孔を塞ぐ要因となり、イオンの透過が阻害される等の問題が生じる。一方、平均一次粒径が500nmを超える場合、液体に安定して分散させることが困難である等の問題が生じる。また、一般的には、球状又は粒状の粒子形状を有する金属酸化物微粒子を用いることができるが、繊維状(針状、棒状、ウィスカー状等)や直方体状(立方体状、板状等)の粒子形状を有する金属酸化物微粒子を用いてもよい。特に、繊維状の導電性粒子はそれ自身でネットワーク電極を形成できる利点があるほか、他の形態の導電性微粒子と比較して高い導電性が得られるという利点がある。
尚、前述のとおりエレクトロクロミック表示装置においては、エレクトロクロミック層には酸化チタン微粒子等の導電性または半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることが好ましい。本実施の形態においては、導電性微粒子141により形成される層の体積抵抗率は、エレクトロクロミック層を形成している導電性または半導体性微粒子よりも、低くすることが好ましい。体積抵抗率が高くなる場合には発消色に要する駆動電圧が高くなることから、導電性微粒子の体積抵抗率を低くすることにより、低電圧駆動が可能となるからである。
よって、表示電極とエレクトロクロミック層の間に導電性微粒子141を配置することで駆動電圧を下げる、または表示メモリ性を改善させることが可能となる。つまり、表示電極とエレクトロクロミック層間のエネルギー障壁を補完することで、電子またはホールの授受をコントロールし、例えば、表示電極とエレクトロクロミック層間の電子注入障壁を下げることで、還元発色型のエレクトロクロミック層の駆動電圧を下げることが可能となる。また、例えば表示電極とエレクトロクロミック層間のホール注入障壁を上げることで還元発色型のエレクトロクロミック層の表示メモリ性を改善することが可能となる。
(他の構造のエレクトロクロミック表示装置)
次に、本実施の形態における導電性微粒子を用いた他の構造のエレクトロクロミック表示装置について説明する。
本実施の形態におけるエレクトロクロミック表示装置は、図9に示されるように、表面に凹凸を有する絶縁層13の上に、微細貫通孔14aを有する第2の表示電極14を形成し、第2の表示電極14の表面の凹部を埋め込むように導電性微粒子142を形成し、更に、第2の表示電極14及び導電性微粒子142の上に、第2のエレクトロクロミック層15を形成したものであってもよい。このような構造にすることにより、第2の表示電極14及び導電性微粒子142が形成される領域の抵抗を低くすることができる。
また、図10に示されるように、平坦な絶縁膜13aの上に、導電性微粒子141による凹凸を形成し、絶縁膜13a及び導電性微粒子141の上に、第2の表示電極14を形成し、第2の表示電極14の凹部を埋め込むように、導電性微粒子142を形成した構造のものであってもよい。これにより、第2の表示電極14、導電性微粒子141及び導電性微粒子142により形成される層の抵抗をより一層低くすることができる。
また、図7に示す構造のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、第1の実施の形態におけるエレクトロクロミックの製造方法において、絶縁性金属酸化物微粒子13bに代えて導電性微粒子141を用いることにより作製することができる。
また、図9に示す構造のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、第1の実施の形態におけるエレクトロクロミックの製造方法において、第2の表示電極14を形成した後に、第2の表示電極14の上に導電性微粒子142を塗布し、第2の表示電極14の凹部を導電性微粒子142により埋め込んだ後、第2のエレクトロクロミック層15を形成することにより作製することができる。
また、図10に示す構造のエレクトロクロミック表示装置の製造方法は、上記2つの製造方法を組み合わせることにより製造することが可能である。
尚、上記以外の内容については第1の実施の形態と同様である。
次に、第1及び第2の実施の形態における実施例について説明する。
[実施例1]
第1の実施の形態における実施例1について説明する。
(第1の表示電極及び第1のエレクトロクロミック層の作製)
表示基板10となる40mm×40mmのガラス基板上に、スパッタリング法により約100nmのITO膜を20mm×20mmの領域及び引き出し部分にメタルマスクを介して形成し、第1の表示電極11を形成した。この上に酸化チタン微粒子分散液(SP210 昭和タイタニウム)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成し、さらにこの上にマゼンタ色発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物の1wt% 2,2,3,3-テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第1のエレクトロクロミック層を形成した。
(絶縁層の作製)
次に、平均一次粒径20nmのシリカ微粒子分散液(シリカ固形分濃度13重量%、水性ポリエステル系ウレタン樹脂(HW350、DIC株式会社)2重量%、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール85重量%)をスピンコートした後、平均一次粒径100nmのシリカ微粒子分散液(シリカ固形分濃度1重量%、水性ポリエステル系ウレタン樹脂(HW350、DIC株式会社)4重量%、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール95重量%)をスピンコートし、絶縁層を形成した。絶縁層の膜厚は約1μmであった。続いて、この上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により100nmの膜厚で形成した。
(第2の表示電極の作製)
次に、この上にスパッタ法により約100nmのITO膜を、第1の表示電極11で形成したITO膜と重なる部分に20mm×20mmの領域に、また、第1の表示電極11とは異なる部分に引き出し部分を、メタルマスクを介して形成し、第2の表示電極14を作製した。
尚、第1の表示電極11からの引き出し部分と第2の表示電極14からの引き出し部分の間の抵抗は40MΩ以上であり絶縁状態であった。
(第2のエレクトロクロミック層の作製)
次に、この上に酸化チタン微粒子分散液(SP210 昭和タイタニウム)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成し、更に、この上にイエロー発色するエレクトロクロミック化合物であるビオロゲン化合物の1wt% 2,2,3,3-テトラフロロプロパノール溶液をスピンコートし、120℃で10分間のアニール処理により、酸化チタン粒子とエレクトロクロミック化合物からなる第2のエレクトロクロミック層を形成した。
この状態における断面SEM画像を図11に示す。図11に示される断面SEM像では絶縁層13の平均粒径100nmのシリカ微粒子の近傍において、第2の表示電極14に微細貫通孔14aが数か所観察された。尚、第2の表示電極14に形成される微細貫通孔14aは、絶縁層13の表面に形成された凹凸の凹部に形成されている。
(対向電極の作製)
対向基板20となる40mm×40mmのガラス基板上にスパッタリング法により7mm×15mmの領域を3か所およびそれぞれに引き出し部分にメタルマスクを介して約100nmのITO膜を成膜することにより対向電極21を形成した。
(エレクトロクロミック表示装置の作製)
電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒としてジメチルスルホキシドおよびポリエチレングリコール(分子量:200)、さらにUV硬化接着剤(商品名:PTC10 十条ケミカル社製)を1.2対5.4対6対16で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50 石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を20wt%添加した電解液を用意し、対向基板側に滴下塗布した後、表示基板と重ね合わせ、対向基板側よりUV光照射硬化させて貼りあわせ、実施例1におけるエレクトロクロミック表示装置を作製した。尚、電解質層30の厚さはビーズスペーサを電解層に0.2wt%混合することにより10μmに設定した。
(発色試験)
上記において作製した実施例1におけるエレクトロクロミック表示装置の発色評価を実施した。3つの対向電極のうち3か所を正極に、第1の表示電極11を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで1500m秒間印加した。第1のエレクトロクロミック層12に、選択された2か所の対向電極21の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。続いて、先ほど選択した対向電極21の一方と、選択しなかったさらにもう1か所の計2か所を正極に、第2の表示電極14を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで500m秒間印加した。第2のエレクトロクロミック層15に、選択された2箇所の対向電極21形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された画素電極の直上には、マゼンタとイエローの減色混合であるレッドの領域が観測された。
[実施例2]
次に、第1の実施の形態における実施例2について説明する。
実施例1と同様に、絶縁層13の形成方法を以下に示すように変更し、実施例2におけるエレクトロクロミック装置を作製した。
(絶縁層の作製)
平均一次粒径20nmと平均一次粒径100nmの混合シリカ微粒子分散液(20nm粒径シリカ固形分濃度6.5重量%、100nm粒径シリカ固形分濃度6.5重量%、水性ポリエステル系ウレタン樹脂(HW350、DIC株式会社)2重量%、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール85重量%)をスピンコートし絶縁層を形成した。絶縁層の膜厚は約1μmであった。続いて、この上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。
図12に第2の表示電極14を形成後の断面TEM像を示す。第2の表示電極14にイオンが透過する微細貫通孔14aが数か所確認された。
(発色試験)
上記において作製した実施例2におけるエレクトロクロミック表示装置の発色評価を実施した。3つの対向電極21のうち3か所を正極に、第1の表示電極11を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで500m秒間印加した。第1のエレクトロクロミック層12に、選択された2か所の対向電極21の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。続いて、先ほど選択した対向電極21の一方と、選択しなかったさらにもう1か所の計2か所を正極に、第2の表示電極14を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで800m秒間印加した。第2のエレクトロクロミック層15に、選択された2箇所の対向電極21形状を反映したイエロー色の領域が観測された。このうち、連続して選択された画素電極の直上には、マゼンタとイエローの減色混合であるレッドの領域が観測された。
[比較例1]
実施例1と同様に、絶縁層の形成を以下に示すように変更し、比較例1におけるエレクトロクロミック装置を作製した。
(絶縁層の作製)
平均一次粒径20nmのシリカ微粒子分散液(20nm粒径シリカ固形分濃度13重量%、水性ポリエステル系ウレタン樹脂(HW350、DIC株式会社)2重量%、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール85重量%)をスピンコートし絶縁層を形成した。絶縁層の膜厚は約1μmであった。続いて、この上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。第2の表示電極14を形成後の断面TEM観察においては、微細貫通孔が全く確認できなかった。
(発色試験)
上記において作製した比較例1におけるエレクトロクロミック表示装置の発色評価を実施した。3つの対向電極のうち2か所を正極に、第1の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を印加したが、第1のエレクトロクロミック層には選択された2か所の対向電極の形状を反映したマゼンタ色の領域が観測できなかった。続いて、先ほど選択した対向電極の一方と、選択しなかったさらにもう1か所の計2か所を正極に、第2の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで500m秒間印加した。第22のエレクトロクロミック層に、選択された2箇所の対向電極形状を反映したイエロー色の領域が観測された。
[比較例2]
実施例2と同様に、絶縁層の形成を以下に示すように変更し、比較例2におけるエレクトロクロミック装置を作製した。
(絶縁層の作製)
平均一次粒径100nmのシリカ微粒子分散液(100nm粒径シリカ固形分濃度13重量%、水性ポリエステル系ウレタン樹脂(HW350、DIC株式会社)2重量%、2,2,3,3-テトラフロロプロパノール85重量%)をスピンコートし絶縁層を形成した。絶縁層の膜厚は約1μmであった。続いて、この上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。第2の表示電極を形成後における断面TEM観察では微細貫通孔が多数確認できた。
(発色試験)
上記において作製した比較例2におけるエレクトロクロミック表示装置の発色評価を実施した。3つの対向電極のうち2か所を正極に、第1の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで500m秒間印加した。第1のエレクトロクロミック層に、選択された2か所の対向電極の形状を反映した、マゼンタ色の領域が観測された。続いて、先ほど選択した対向電極の一方と、選択しなかったさらにもう1か所の計2か所を正極に、第2の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を十分な発色濃度となるまで2000m秒間印加した。第2のエレクトロクロミック層に、選択された2箇所の対向電極形状を反映したイエロー色の領域が観測されたが、第2の表示電極への接点から離れた領域では発色濃度が低く、発色は面内で不均一であった。このうち、連続して選択された画素電極の直上には、マゼンタとイエローの減色混合であるレッドの領域が不均一ではあるが観測された。
実施例1及び2、比較例1及び2におけるエレクトロクロミック表示装置において、第1のエレクトロクロミック層及び第2のエレクトロクロミック層を十分な発色濃度に表示するために必要であった定電圧印加時間を表1に示す。

表1に示されるように、実施例1、実施例2及び比較例2におけるエレクトロクロミック表示装置では、第2の表示電極に微細貫通孔が形成されたため、第1のエレクトロクロミック層が発色している。比較例1におけるエレクトロクロミック表示装置では、イオンの透過が不十分のために第1のエレクトロクロミック層が発色せず、また、比較例2におけるエレクトロクロミック表示装置では、第2の表示電極の表面抵抗が高いために第2のエレクトロクロミック層における発色時間が長く、発色に面内不均一性があったと考えられる。
(電極特性評価素子の作製)
第2の表示電極の電極特性を評価するために実施例1、2、比較例1、2に対応する電極特性評価素子を実施例3、4、比較例3、4を作製し評価を行なった。
[実施例3]
実施例3として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例1と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。さらに、2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して100nmの膜厚を有するITO電極を、スパッタ法により形成した。
[実施例4]
実施例4として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。さらに、2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して100nmの膜厚を有するITO電極を、スパッタ法により形成した。
[比較例3]
比較例3として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、比較例1と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いて、この上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。さらに、2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して100nmの膜厚を有するITO電極を、スパッタ法により形成した。
[比較例4]
比較例4として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、比較例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。さらに、2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して100nmの膜厚を有するITO電極を、スパッタ法により形成した。
(電極特性評価)
段差・表面あらさ・微細形状測定装置(Alpha-Step IQ、KLA-Tencor社製)を用いて形成したITO電極表面の表面粗さを計測した。また、形成したITO電極の両端部の取り出し部間の電気抵抗を、4端子法により計測した。表2に実施例3、4、比較例3、4における絶縁層の処方条件と計測結果を示す。

表2に示されるように、比較例1では第2の表示電極の平均粗さが小さいためにイオンの透過が不十分となり、第1のエレクトロクロミック層が発色できなかったと考えられる。また比較例2では、第2の表示電極の表面抵抗が高いために第2のエレクトロクロミック層の発色時間が長かったことが示された。
[実施例5〜7、比較例5]
第2の実施の形態における実施例5〜7について説明する。
実施例2と同様に、第2の表示電極の作製を以下に示すように変更し、実施例5〜7及び比較例5におけるエレクトロクロミック装置を作製した。
(第2の表示電極の作製)
以下の表3に示す条件で実施例5〜7及び比較例5におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極を作製した。

表3においては、記載順に絶縁層上に積層したことを示す。各層の積層方法は以下の通りに実施した。尚、ITOナノ粒子層またはITOスパッタ層を形成した際には膜剥がれや下層の溶解などの不具合は生じなかった。また、断面TEM観察では、夫々の第2の表示電極中のITOスパッタ層には、図12に示される実施例2におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極と同程度にイオンが透過する微細貫通孔が確認された。更に、第1の表示電極からの引き出し部分と第2の表示電極からの引き出し部分の間の抵抗は40MΩ以上であり絶縁状態であった。
(ITOナノ粒子層の形成)
平均1次粒径が50nmのITOナノ粒子の固形分濃度が10重量%になるように2,2,3,3-テトラフロロプロパノールとエチレングリコールの混合液(重量比90対10)に分散させ、ITOナノ粒子インクを調製した。この調製液をスピンコートし、120℃で5分間乾燥させることにより約30nmのITOナノ粒子層を形成した。
ガラス基板上に形成したITOナノ粒子インクをスピンコートした塗布膜の体積抵抗率を抵抗率計(ロレスタ、三菱化学社製)で計測したところ1.9×10Ω・cmであった。しかしながらエレクトロクロミック層を構成する酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム)をガラス基板上にスピンコートした塗布膜の体積抵抗率は同装置では計測できなかった。
(ITOスパッタ層の形成)
スパッタリングにより約100nmのITO膜を、第1の表示電極で形成したITO膜と重なる部分に20mm×20mmの領域に、また、第1の表示電極とは異なる部分に引き出し部分を、メタルマスクを介して形成し、ITOスパッタ層を形成した。
(発色試験)
上記において作製した実施例5〜7、比較例5におけるエレクトロクロミック表示装置の発色評価を実施した。3つの対向電極のうち2か所を正極に、第1の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を印加した。続いて、先ほど選択した対向電極の一方と、選択しなかったさらにもう1か所の計2か所を正極に、第2の表示電極を負極につなぎ、定電圧電源を用いて+6Vの電圧を印加した。第1のエレクトロクロミック層及び第2のエレクトロクロミック層に、夫々選択された対向電極形状を反映したマゼンタまたはイエローまたはレッドの領域が観測されるまでの時間を表4に示す。

実施例5〜7におけるエレクトロクロミック装置では、第2の表示電極に十分なイオン透過のための微細貫通孔が確認されたことから、第1のエレクトロクロミック層の発色時間が実施例2におけるエレクトロクロミック装置と同程度であった。更に、第2の表示電極の表面抵抗がITOナノ粒子層により改善されたために第2のエレクトロクロミック層の発色時間が実施例2におけるエレクトロクロミック装置よりも短縮されたと考えられる。
(電極特性評価素子の作製)
第2の表示電極の電極特性を評価するために実施例5〜7、比較例5に対応する電極特性評価素子を実施例8〜10、比較例6を作製し評価を行なった。
[実施例8]
実施例8として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。続いて、実施例5におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極と同じ条件でITO電極を形成した。尚、ITOスパッタ層は2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して形成した。
[実施例9]
実施例9として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。続いて、比較例6におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極と同じ条件でITO電極を形成した。尚、ITOスパッタ層は2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して形成した。
[実施例10]
実施例10として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。続いて、実施例7におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極と同じ条件でITO電極を形成した。尚、ITOスパッタ層は2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して形成した。
[比較例6]
比較例6として、第2の表示電極の電極特性を評価するために40mm□のガラス基板上に、実施例2と同じ処方の絶縁層をスピンコート法により形成した。続いてこの上にZnS-SiO2(8/2)の無機絶縁層をスパッタリング法により40nmの膜厚で形成した。続いて、実施例6におけるエレクトロクロミック装置の第2の表示電極と同じ条件でITO電極を形成した。尚、ITOスパッタ層は2mm×32mmの領域と両端の取り出し部分の領域にメタルマスクを介して形成した。
(電極特性評価)
段差・表面あらさ・微細形状測定装置(Alpha-Step IQ、KLA-Tencor社製)を用いて形成したITO電極表面の表面粗さを計測した。また、形成したITO電極の両端部の取り出し部間の電気抵抗を4端子法により計測した。表5にそれぞれの絶縁層の処方条件と計測結果を示す。
表5に示されるように、実施例8〜10においては、ITOナノ粒子層によりITO電極の表面抵抗を低くすることができた。このことが実施例5〜7におけるエレクトロクロミック表示装置において第2のエレクトロクロミック層の発色時間が短縮された要因と考えられる。また、ITOナノ粒子層のみで形成されたITO電極は、表面抵抗が高すぎるために電極抵抗が測定不可であった。このため比較例5におけるエレクトロクロミック表示装置においては、第2のエレクトロクロミック層の発色が確認できなかったものと考えられる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
10 表示基板
11 第1の表示電極
12 第1のエレクトロクロミック層
13 絶縁層
13a 絶縁膜
13b 絶縁性金属酸化物微粒子
13c 小粒径の絶縁性金属酸化物微粒子
13d 大粒径の絶縁性金属酸化物微粒子
14 第2の表示電極
14a 微細貫通孔
15 第2のエレクトロクロミック層
20 対向基板
21 対向電極
30 電解液層
40 白色反射層
特開2009−163005号公報 特開2010−33016号公報 特開2010−282128号公報

Claims (6)

  1. 表示基板と、
    前記表示基板に対向して配置された対向基板と、
    前記表示基板の前記対向基板が設けられている側の面に形成された一の表示電極と、
    前記一の表示電極の上に形成された一のエレクトロクロミック層と、
    前記一のエレクトロクロミック層の上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成された他の表示電極と、
    前記他の表示電極の上に形成された他のエレクトロクロミック層と、
    前記対向基板において、前記表示基板における他のエレクトロクロミック層が形成されている面に対向する面に形成された対向電極と、
    前記表示基板と前記対向基板との間に設けられた電解液と、
    を有するエレクトロクロミック表示装置において、
    前記絶縁層の表面には凹凸が形成されており、
    前記他の表示電極には、前記電解液のイオンが通過する微細貫通孔が形成されており、
    前記絶縁層の表面に形成されている凹凸は、導電性微粒子より形成されているものであることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  2. 表示基板と、
    前記表示基板に対向して配置された対向基板と、
    前記表示基板の前記対向基板が設けられている側の面に形成された一の表示電極と、
    前記一の表示電極の上に形成された一のエレクトロクロミック層と、
    前記一のエレクトロクロミック層の上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成された他の表示電極と、
    前記他の表示電極の上に形成された他のエレクトロクロミック層と、
    前記対向基板において、前記表示基板における他のエレクトロクロミック層が形成されている面に対向する面に形成された対向電極と、
    前記表示基板と前記対向基板との間に設けられた電解液と、
    を有するエレクトロクロミック表示装置において、
    前記絶縁層の表面には凹凸が形成されており、
    前記他の表示電極には、前記電解液のイオンが通過する微細貫通孔が形成されており、
    前記他の表示電極と前記他のエレクトロクロミック層との間には、前記他の表示電極の表面における凹部を埋めるように、導電性微粒子を含む層が形成されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  3. 前記他の表示電極と前記他のエレクトロクロミック層との間には、前記他の表示電極の表面における凹部を埋めるように、導電性微粒子を含む層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  4. 前記他の表示電極及び前記他のエレクトロクロミック層は各々複数であって、
    前記他の表示電極と前記他のエレクトロクロミック層とが積層された層を組とし、絶縁層を介して積層形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  5. 前記他の表示電極における前記微細貫通孔は、前記絶縁層の表面に形成されている凹凸の凹部に形成されるものであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  6. 前記一の表示電極、前記他の表示電極は、透明導電膜により形成されているものであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
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