JP6657615B2 - エレクトロクロミック素子及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック素子及びその駆動方法に関する。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。エレクトロクロミズムは、一般に対向する2つの電極間に形成され、イオン伝導可能な電解質層が電極間に満たされた構成で酸化還元反応する。対向する2つの電極のうちの一方の近傍で還元反応が生じるときには、他方の電極の近傍では、逆反応である酸化反応が生じる。
エレクトロクロミズムを利用したエレクトロクロミック素子において、透明な表示デバイスを得ようとする場合や、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3層の発色層を積層させた構成のデバイスを構築する場合には、中性状態が透明状態である還元型エレクトロクロミック材料や、中性状態が透明である酸化型エレクトロクロミック材料により構成されていることが重要である。
又、このような色鮮やかな表示デバイスには置換基によって様々な色を持たせることができる有機エレクトロクロミック材料が適している。特に透明状態(消色状態)と発色状態において高いコントラスト比を実現しようとするためには、一対の電極のうち片方には酸化型エレクトロクロミック材料を含む層を、他方には還元型エレクトロクロミック材料を含む層を有する構成にすることが好ましい。
しかしながら、このような両極発色型のエレクトロクロミック素子においては、発色消色を繰り返すうちに両極の保持している電荷のバランスが崩れ、消色状態においても片側の電極に電荷が残るため、色が完全には消色せずに消え残る現象が発生する。この消え残りは、デバイス中の微量の不純物や温度、電圧、不可逆な酸化還元等の複数の要因が複雑に影響を及ぼしあって生じる現象であると推測され、更にデバイスの使用状況によってどちらの電極にどの程度の消え残りが発生するか変化する。そのため、完全に防止することや、設計段階で予測することが困難であり課題となっている。
この課題を解決するために、例えば、電荷補償用の補助電極を設けて、消え残りの発生した電極と補助電極との間に電圧を印加することで、表示用のエレクトロクロミック材料や電解質に過剰な負荷をかけることなく消え残りを消色するエレクトロクロミック素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
又、表示に関係しない部分に酸化還元物質を備えた補助電極を形成し、補助電極とエレクトロクロミック層との間に電圧を印加して着色状態又は消色状態を長期にわたって維持し得るエレクトロクロミック素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、提案されているエレクトロクロミック素子では、消え残りは全て酸化型エレクトロクロミック材料の消え残りであり、還元型エレクトロクロミック材料の消え残りについては触れられていない。
又、補助電極用の酸化還元材料は全て酸化型の材料であり、還元型の材料は開示されていない。そのため、還元型エレクトロクロミック材料が消え残った場合には、補助電極を用いて消え残りを消色しようとすると、補助電極上の酸化還元物質は還元することなく、代わりに補助電極表面で電解質が還元され、電解質の変質や気泡の発生等の不具合につながる。
特に、提案されているエレクトロクロミック素子では、消え残りの主要因は酸素による酸化であると考えられており、還元型エレクトロクロミック材料の消え残りについては、そもそも想定されておらず、還元型エレクトロクロミック材料の消え残りは高コントラストかつ鮮やかな色再現性を持つ表示デバイスにおける新たな課題である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、酸化型エレクトロクロミック材料及び還元型エレクトロクロミック材料の両方の消え残りを消色することが可能なエレクトロクロミック素子を提供することを課題とする。
本エレクトロクロミック素子は、間隔を置いて互いに対向して設けられ、少なくとも一方が透明である第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極の前記第2の電極側の面に設けられた、酸化型エレクトロクロミック化合物と酸化型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第1のエレクトロクロミック層と、前記第2の電極の前記第1の電極側の面に設けられた、還元型エレクトロクロミック化合物と還元型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第2のエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた電解質と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に間隔を置いて設けられ、前記電解質に接する、貫通孔を備えた第1の補助電極及び貫通孔を備えた第2の補助電極と、前記第1の補助電極の表面に設けられた、可逆的に酸化還元可能な物質の還元体を含む還元層と、前記第2の補助電極の表面に設けられた、可逆的に酸化還元可能な物質の酸化体を含む酸化層と、を有し、前記還元体の材料は中性状態から酸化反応を起こす材料であり、前記酸化体の材料は中性状態から還元反応を起こす材料であり、前記還元層及び前記酸化層が酸化還元反応の前後において透明であることを要件とする。
開示の技術によれば、酸化型エレクトロクロミック材料及び還元型エレクトロクロミック材料の両方の消え残りを消色することが可能なエレクトロクロミック素子を提供できる。
本実施の形態に係るエレクトロクロミック素子を例示する断面図である。
以下、図面を参照して、実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[エレクトロクロミック素子の構造]
図1は、本実施の形態に係るエレクトロクロミック素子を例示する断面図である。図1を参照するに、エレクトロクロミック素子1は、第1の支持体10と、第2の支持体11と、第1の電極12と、第2の電極13と、第1のエレクトロクロミック層14と、第2のエレクトロクロミック層15と、絶縁性多孔質層16と、第1の補助電極17と、絶縁性多孔質層18と、第2の補助電極19と、酸化層20と、還元層21と、絶縁性多孔質層22とを有する。
なお、本実施の形態では、便宜上、エレクトロクロミック素子1の第1の支持体10側を上側又は一方の側、第2の支持体11側を下側又は他方の側とする。又、各部位の第1の支持体10側の面を一方の面又は上面、第2の支持体11側の面を他方の面又は下面とする。但し、エレクトロクロミック素子1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物を第1の支持体10の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を第1の支持体10の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
エレクトロクロミック素子1において、第1の支持体10の下面には、第1の電極12が設けられている。又、第2の支持体11の上面には、第2の電極13が設けられている。第1の電極12と第2の電極13とは厚さ方向に所定の間隔をおいて対向して配置されており、第1の電極12と第2の電極13との間には電解質が配置されている。第1の電極12と第2の電極13のうち少なくとも一方は透明である。
第1の電極12の下面には、酸化型エレクトロクロミック化合物と酸化型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第1のエレクトロクロミック層14が設けられている。又、第2の電極13の上面には、還元型エレクトロクロミック化合物と還元型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第2のエレクトロクロミック層15が設けられている。
第1のエレクトロクロミック層14の下面には、絶縁性多孔質層16を介して、貫通孔を有する第1の補助電極17が設けられている。又、第2のエレクトロクロミック層15の上面には、絶縁性多孔質層18を介して、貫通孔を有する第2の補助電極19が設けられている。第1の補助電極17と第2の補助電極19とは、厚さ方向に所定の間隔をおいて対向して配置されており、電解質と接している。
但し、第1の補助電極17と第2の補助電極19は、電解質と接していれば、どのような位置に配されてもよい。例えば、第1の補助電極17及び第2の補助電極19は、必ずしも間隔を置いて互いに対向して設ける必要はなく、平面視において、ずれた位置に配置されてもよい。しかし、間隔を置いて互いに対向して設けることにより(平面視で重複した位置に設けることにより)、後述の消色応答速度を向上する効果が顕著となる。
第1の補助電極17の下面には、酸化層20が設けられている。酸化層20は、可逆的に酸化還元可能な物質の酸化体を含む層である。又、第2の補助電極19の上面には、還元層21が設けられている。還元層21は、可逆的に酸化還元可能な物質の還元体を含む層である。酸化層20及び還元層21は、酸化還元反応の前後において透明である。酸化層20と還元層21との間には、絶縁性多孔質層22が設けられている。
但し、酸化層20は、第1の補助電極17の表面に設けられていればよい。具体的には、酸化層20は第1の補助電極17の上面に設けられてもよく、下面に設けられてもよく、上面及び下面の両方に設けられてもよい。同様に、還元層21は、第2の補助電極19の表面に設けられていればよい。具体的には、還元層21は第2の補助電極19の上面に設けられてもよく、下面に設けられてもよく、上面及び下面の両方に設けられてもよい。
以下、エレクトロクロミック素子1の各構成要素について詳述する。
(第1の電極、第2の電極)
第1の電極12及び第2の電極13の材料としては、特に制限されず通常用いられる導電体を用いることができる。前述のように、第1の電極12と第2の電極13のうち少なくとも一方は透明電極であるが、透明電極については導電性を有する透明材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称する場合がある)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称する場合がある)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称する場合がある)、酸化亜鉛等の無機材料等を用いることができる。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOが好ましい。
更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cu等の高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。第1の電極12及び第2の電極13の夫々の厚みは、第1のエレクトロクロミック層14及び第2のエレクトロクロミック層15の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように適宜調整できる。
例えば、第1の電極12及び第2の電極13の材料としてITOを用いた場合、第1の電極12及び第2の電極13の夫々の平均厚みは、50nm以上500nm以下程度とすることが好ましい。
第1の電極12及び第2の電極13の夫々の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を用いることができる。但し、第1の電極12及び第2の電極13の夫々の材料が塗布形成できるものであれば特に制限はなく、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
(第1の補助電極、第2の補助電極)
本実施の形態では、第1の補助電極17及び第2の補助電極19には、厚さ方向に貫通する多数の微細な貫通孔が形成されている。例えば、以下に示す方法により、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を設けることができる。すなわち、第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成する前に予め下地層として凹凸を持つ層を形成し、そのまま凹凸を有する第1の補助電極17及び第2の補助電極19とする方法を用いることができる。
又、第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成する前にマイクロピラー等の凸形状構造体を形成し、第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成後に凸形状構造体を取り除く方法を用いてもよい。又、第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成する前に発泡性の高分子重合体等を散布し、第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成後に加熱や脱気する等の処理を施して発泡させる方法を用いてもよい。又、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に直接各種放射線を輻射して微細な貫通孔を形成させる方法を用いてもよい。
第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成する方法としては、コロイダルリソグラフィー法が好ましい。コロイダルリソグラフィー法は、まず、微細な貫通孔が積層される下層に微粒子を散布し、散布された微粒子をマスクとして微粒子が散布された面に真空成膜法等により微細な貫通孔となる導電膜を形成する。そして、その後、微粒子ごと導電膜を除去することでパターニングを行う方法である。
コロイダルリソグラフィー法により、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を容易に形成できる。特に、散布する微粒子の直径を第1の補助電極17及び第2の補助電極19の厚み以上とすることにより、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に容易に貫通孔を形成できる。又、散布する微粒子分散物の濃度や微粒子の粒子径を変えることで容易に微細な貫通孔の密度や面積を調節できる。
更に、微粒子分散物の散布方法によりコロイダルマスクの面内均一性を容易に高めることができるため、エレクトロクロミック層の発消色濃度の面内均一性を高め、表示性能を向上させることが可能となる。以下、コロイダルリソグラフィー法の具体的な内容について説明する。
コロイダルリソグラフィーに用いるコロイダルマスクとなる微粒子の材質については、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成することが可能であれば何を用いても構わないが、例えば、SiO微粒子等が経済的に優位である。又、コロイダルマスク散布時に用いる分散物は分散性のよいものが好ましく、例えば、コロイダルマスクとなる微粒子としてSiO微粒子を用いる場合は水系の分散物を用いることができる。
但し、エレクトロクロミック層や絶縁性多孔質層等のコロイダルマスクの下層にダメージを与えるおそれがある場合は、コロイダルマスクとなる微粒子として非水系溶媒に分散するように表面処理したSiO微粒子を用いることが好ましい。この場合には、コロイダルマスク散布時に用いる分散物として非水系の分散物を用いることができる。
コロイダルマスクとなる微粒子の粒子径(直径)については、微細な貫通孔を形成する第1の補助電極17及び第2の補助電極19の厚み以上、かつ、エレクトロクロミック層の厚み以下であることが好ましい。コロイダルマスクは、超音波照射法やテープピーリング法等により除去できるが、下層にダメージの少ない方法を選択することが好ましい。又、コロイダルマスクの他の除去方式として、微粒子等の吹付けによるドライ洗浄も可能である。
テープピーリング法を用いてコロイダルマスクを除去する場合、一般的なテープにおける粘着層の厚みは1μm以上となっておりコロイダルマスクが埋没してしまう場合が多い。この場合、第1の補助電極17及び第2の補助電極19の表面に粘着層が接触してしまうため、糊残りの少ないテープを使用することが好ましい。超音波照射法を用いてコロイダルマスクを除去する場合、浸漬する溶媒については既に形成している各機能層にダメージの少ない溶媒を用いることが好ましい。
第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成する方法として、コロイダルリソグラフィー法の他に、フォトレジストやドライフィルム等を用いた一般的なリフトオフ法を用いてもよい。具体的には、まず、所望のフォトレジストパターンを形成し、次いで第1の補助電極17及び第2の補助電極19を形成する。その後、フォトレジストパターンを除去することによってフォトレジストパターン上の不要な部分を除去して、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成する。
一般的なリフトオフ法により第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成する場合、光照射による下層へのダメージを回避する。そのため、対象物への光照射面積が小さくて済むように、使用するフォトレジストはネガ型のものを使用することが好ましい。
ネガ型のフォトレジストとしては、例えば、ポリビニルシンナメート、スチリルピリジニウムホルマール化ポリビニルアルコール、グリコールメタクリレート/ポリビニルアルコール/開始剤、ポリグリシジルメタクリレート、ハロメチル化ポリスチレン、ジアゾレジン、ビスアジド/ジエン系ゴム、ポリヒドロキシスチレン/メラミン/光酸発生剤、メチル化メラミン樹脂、メチル化尿素樹脂等を挙げることができる。
更に、レーザ光を用いた加工装置により、第1の補助電極17及び第2の補助電極19に微細な貫通孔を形成することも可能である。一般的にレーザ加工を用いた場合は、形成される微細な貫通孔の孔径が15μm以上になる。
第1の補助電極17及び第2の補助電極19に設けられる微細な貫通孔の直径は、10nm以上100μm以下が好ましい。微細な貫通孔の直径が10nm(0.01μm)よりも小さい場合、電解質イオンの透過が悪くなる不具合が生じることがある。一方、微細な貫通孔の直径が100μmよりも大きい場合、目視できるレベル(通常のディスプレイでは1画素電極レベルの大きさ)であり、微細な貫通孔直上の表示性能に不具合が生じることになる。
第1の補助電極17及び第2の補助電極19に設けられる微細な貫通孔の第1の補助電極17及び第2の補助電極19の表面積に対する孔面積の比(穴密度)は、適宜設定できるが、例えば、0.01%〜40%程度とすることができる。穴密度が、高すぎると、第1の補助電極17及び第2の補助電極19の表面抵抗が大きくなるため、第1の補助電極17及び第2の補助電極19がない領域面積が広くなることによるクロミック欠陥が出る不具合が生じる。一方、穴密度が低すぎると、電解質イオンの浸透性が悪くなるために、同様に駆動に問題が生じる不具合が生じる。
(エレクトロクロミック組成物)
第1のエレクトロクロミック層14や第2のエレクトロクロミック層15に用いることができるエレクトロクロミック組成物は、エレクトロクロミック化合物が導電性又は半導体性ナノ構造体と結合されてなることを特徴とする。エレクトロクロミック組成物の層の好ましい膜厚範囲は0.2〜5.0μmである。この範囲よりも膜厚が薄い場合、発色濃度を得にくくなる。又、この範囲よりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすくなる。
(エレクトロクロミック化合物)
第1のエレクトロクロミック層14や第2のエレクトロクロミック層15に用いることができるエレクトロクロミック化合物とは、酸化反応又は還元反応により色の変化を起こす材料である。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的に、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
上記中、一般式(1)で表されるジピリジン系化合物を含むことが特に好ましい。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック素子を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。
Figure 0006657615
一般式(1)において、R1、R2は、夫々独立に置換基を有しても良い炭素数1から30のアルキル基、又はアリール基を表す。Xは1価のアニオンを表す。n、m、lは夫々独立に0又は1を表す。A、B、Cは夫々独立に置換基を有しても良い炭素数2から20のアリール基、複素環基を表す。
又、金属錯体系及び金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物を用いることができる。
なお、本実施の形態では、初期状態を中性状態として酸化することで可逆的に色が変化する材料を酸化型エレクトロクロミック材料(酸化型エレクトロクロミック化合物又は酸化型エレクトロクロミック組成物)とする。又、初期状態を中性状態として還元することで可逆的に色が変化する材料を還元型エレクトロクロミック材料(還元型エレクトロクロミック化合物又は還元型エレクトロクロミック組成物)とする。
電気化学デバイスであるエレクトロクロミック素子1では、第1の電極12及び第2の電極13のうち一方の電極上で酸化反応(電荷を授ける反応)が起こると、もう一方の電極上では還元反応(電荷を受け取る反応)が起こる。従って、一方の電極上(第1の電極12上)に酸化型エレクトロクロミック化合物と酸化型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む層(第1のエレクトロクロミック層14)を形成する。そして、もう一方の電極上(第2の電極13上)に還元型エレクトロクロミック化合物と還元型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む層(第2のエレクトロクロミック層15)を形成する。これにより、片方を非反応性の電極にした場合に比べて以下の第1〜第5の利点を得ることができる。
第1に、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物は他の物質より酸化還元電位が低いので発色電圧を小さくできる。第2に、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物は他の物質より電荷の授受が起こりやすいので発色に必要な電荷量を小さくできる。第3に、電極上で不可逆な負荷反応が起こり難くなるのでエレクトロクロミック素子1の劣化を少なくできる。第4に、エレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物は他の物質より発色状態が安定のためメモリ時間を長くできる。第5に、両電極上のエレクトロクロミック材料が共に発色するので濃度の高い色を発色することができる。
なお、第5の利点に記載した『発色』に関しては、酸化型エレクトロクロミック化合物又は酸化型エレクトロクロミック組成物が発色する色と還元型エレクトロクロミック化合物又は還元型エレクトロクロミック組成物が発色する色の混色となる。例えば、黒色を表示したい場合は、単独で黒色発色するエレクトロクロミック材料はあまり存在しないので複数の材料の混色を使うことは有用である。酸化型エレクトロクロミック化合物又は酸化型エレクトロクロミック組成物が発色する色と、還元型エレクトロクロミック化合物又は還元型エレクトロクロミック組成物が発色する色が、補色の関係で合わせて黒色になると好適である。この場合、透明と濃黒色とを高いコントラストで切り替え可能な調光デバイスを実現できる。
酸化型エレクトロクロミック化合物としては、スチリル系、アルキルアミン系、トリフェニルアミン系、フェノチアジン系、酸化イリジウム、プルシアンブルー等が挙げられる。又、還元型エレクトロクロミック化合物としては、ジピリジル系、アントラキノン系、テレフタル酸系、酸化タングステン、酸化チタン等が挙げられる。
(導電性又は半導体性ナノ構造体)
本実施の形態に係る導電性又は半導体性ナノ構造体とは、ナノ粒子若しくはナノポーラス構造体等、ナノスケールの凹凸を有する構造体である。
エレクトロクロミック化合物が、結合又は吸着構造としてホスホン酸基、リン酸基或いはカルボキシル基を有するとき、このエレクトロクロミック化合物は容易にナノ構造体と複合化し、発色画像保持性に優れたエレクトロクロミック組成物となる。
又、エレクトロクロミック化合物が、シリル基又はシラノール基を有するとき、シロキサン結合を介してナノ構造体と結合されてその結合は強固なものとなり、やはり安定なエレクトロクロミック組成物が得られる。ここで言うシロキサン結合とは、ケイ素原子及び酸素原子を介した化学結合である。
又、エレクトロクロミック組成物は、エレクトロクロミック化合物とナノ構造体がシロキサン結合を介して結合した構造をしていればよく、特にその結合方法や形態は限定されない。
導電性又は半導体性ナノ構造体を構成する材質としては、透明性や導電性の面から金属酸化物が好ましい。このような金属酸化物の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物を用いることができる。又、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン等の金属酸化物から選ばれる一種、若しくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れる。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れる。
金属酸化物の形状としては、平均一次粒子径が30nm以下の金属酸化物微粒子であることが好ましい。粒子径が小さいほど金属酸化物に対する光の透過率が向上し、単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」という)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することで、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた多色カラー表示が可能である。ナノ構造の比表面積は、特に限定されるものではないが、例えば、100m/g以上とすることができる。
(可逆的に酸化還元可能な物質)
本実施の形態で用いることができる可逆的に酸化還元可能な物質としては、酸化還元反応の前後で透明状態を保持する酸化還元物質であれば特に限定されない。還元体の材料としては、中性状態から酸化反応を起こす材料で、具体的には、スチリル系、アルキルアミン系、トリフェニルアミン系、フェノチアジン系、酸化イリジウム、プルシアンブルー等を用いることができる。酸化体の材料としては、中性状態から還元反応を起こす材料で、具体的には、ビオロゲン系、ジピリジル系、アントラキノン系、テレフタル酸系、酸化タングステン、酸化チタン、フェノール系、ヒンダードフェノール骨格系等が挙を用いることができる。
又、本実施の形態で用いることができる可逆的に酸化還元可能な物質は、イオン透過性を担保する必要がある。そのため、例えば、導電性又は半導体性ナノ構造体に担持されていることが好ましい。具体的には、例示した骨格に前述の導電性又は半導体性ナノ構造体に吸着する吸着基構造を具備していることが好ましい。吸着基構造としては、ホスホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、シリル基又はシラノール基を含む基であり、例えば、表1のものが好ましく選ばれる。
Figure 0006657615
(電解質)
電解質は、第1の電極12と第2の電極13との間に充填されており、第1の補助電極17及び第2の補助電極19とも接している。電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができ、具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF等が挙げられる。
電解質の材料としては、イオン性液体を用いることもできる。これらの中でも、有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため、用いることが好ましい。分子構造において、カチオン成分としては、例えば、N、N−ジメチルイミダゾール塩、N、N−メチルエチルイミダゾール塩、N、N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N、N−ジメチルピリジニウム塩、N、N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系等が挙げられる。
又、アニオン成分としては、大気中での安定性を考慮して、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSO等が挙げられる。
電解質の材料としては、カチオン成分とアニオン成分とを任意に組み合わせたイオン性液体を用いることが好ましい。イオン性液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料の何れかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させて、該溶液を光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料の何れかと混合して用いればよい。
溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1、2−ジメトキシエタン、1、2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。
電解質は低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型等の様々な形態をとることが可能である。電解質はゲル状、固体状に形成することで、素子強度向上、信頼性向上等の利点が得られる。固体化手法としては、電解質と溶媒をポリマー樹脂中に保持することが好ましい。これにより高いイオン伝導度と固体強度が得られるためである。
更に、ポリマー樹脂としては光硬化可能な樹脂が好ましい。熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。電解質からなる電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、100nm以上100μm以下が好ましい。
(第1の支持体、第2の支持体)
第1の支持体10及び第2の支持体11としては、各層を支持できる透明材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。第1の支持体10及び第2の支持体11としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板を用いることができる。又、第1の支持体10及び第2の支持体11として、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いてもよい。
又、第1の支持体10及び第2の支持体11の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。第1の支持体10及び第2の支持体11の形状は、長方形であっても丸型であってもよく、特に限定されない。第1の支持体10及び第2の支持体11は複数の重ねあわせでもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性及びガスバリア性を高めることが可能である。なお、エレクトロクロミック素子1は、第1の支持体10及び第2の支持体11の何れか一方のみを有する構成としてもよい。
(絶縁性多孔質層)
絶縁性多孔質層16、18、及び22は、第1の電極12、第2の電極13、第1の補助電極17、第2の補助電極19が夫々電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。絶縁性多孔質層16、18、及び22の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、絶縁性及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料や無機材料、及びそれらの複合体を用いることが好ましい。
絶縁性多孔質層16、18、及び22の形成方法としては、例えば、高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ、粒子間に生じた孔を利用する燒結法を用いることができる。又、溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等とで構成層を形成した後、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させることによって細孔を得る抽出法を用いることができる。又、高分子重合体等を加熱し、又は脱気する等によって発泡させる発泡法を用いることができる。又、良溶媒と貧溶媒を操作することによって高分子類の混合物を相分離させる相転換法を用いることができる。又、各種放射線を輻射することによって細孔を形成させる放射線照射法を用いることができる。
(封止材)
エレクトロクロミック素子1において、貼り合せた各層の側面を封止する封止材を設けることが好ましい。封止材を設けることにより、電解質の漏洩を防ぐ効果や、大気中の水分や酸素等のエレクトロクロミック素子1が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐ等の効果を奏する。封止材としては特に限定されず、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
[エレクトロクロミック素子の駆動方法]
(第1の駆動方法)
本実施の形態に係るエレクトロクロミック素子1の第1の駆動方法は、まず、第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に電圧を印加して電荷を充電する工程を行う。次に、第1の電極12と第1の補助電極17又は第2の電極13と第2の補助電極19との間に電圧を印加して電荷を放電する工程を行い、第1の電極12又は第2の電極13上のエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を元の色に戻す。
エレクトロクロミック素子1を用いて、例えば、第1の電極12上に生じた消え残りを消色する際に、第1の電極12と第2の電極13との間に電圧を印加して消色するよりも、上記の駆動方法により消色することで劣化を軽減できる。この原理を以下に示す。
両極発色型のエレクトロクロミック素子においては、発色消色を繰り返すうちに両極の保持している電荷のバランスが崩れ、消色状態においても片側の電極に電荷が残るため色が完全には消色せずに消え残る現象が発生する。この消え残りはデバイス中の微量の不純物や温度、電圧、付加逆な酸化還元等の複数の要因が複雑に影響を及ぼしあって生じる現象であると推測される。更に、デバイスの使用状況によってどちらの電極にどの程度の消え残りが発生するか変化するため、完全に防止することや設計段階で予測することが困難であり課題となっている。
例えば、第1の電極12上の第1のエレクトロクロミック層14のエレクトロクロミック化合物の消え残りを消色するのは還元反応であるため、消色するためには何れかの電極において酸化反応を起こす必要がある。しかし、第2の電極13上の第2のエレクトロクロミック層15のエレクトロクロミック化合物は還元型であるため、そのままではエレクトロクロミック化合物や電解質の不可逆な酸化反応が起こりデバイスが劣化してしまう。
そこで、まず第1の補助電極17と第2の補助電極19との間で充電を行い、第1の補助電極17上の酸化層20を還元し、第2の補助電極19上の還元層21を酸化する工程を、消え残りを消色する工程の前に行う。こうすることで、第1の補助電極17で酸化反応を起こすことが可能となり、第1の電極12と第1の補助電極17との間で消え残りを消色させることが可能となる。そのため、デバイスを劣化させることなく、速やかに消え残りを消色することができる。
一方で、第1の補助電極17と第2の補助電極19との間の酸化還元状態を常時充電状態にしておくのではなく、消え残りを消色する際のみに充電を行うことで、通常状態では第1の補助電極17と第2の補助電極19との間の電圧を小さく保つことができる。これにより、エレクトロクロミック化合物や電解質の劣化を防止することが可能となる。
ところで、従来のエレクトロクロミック素子における補助電極を用いての消色は、補助電極として1つ或いは1種の電極のみを用いており、消色応答時間が非常に長くなるという問題がある。消色応答時間を短くするためには、補助電極の酸化還元電位とエレクトロクロミック材料の酸化還元電位の電位差を大きくすることが有効であるが、一方で大きな電位差は電極間の電解質に大きな負荷をかけることになる。そのため、電解質の劣化をもたらし耐久性に課題がある。
これに対して、本実施の形態に係るエレクトロクロミック素子1では、前述のように第1の補助電極17及び第2の補助電極19の2つの補助電極を具備し、かつ、夫々に可逆的に酸化還元反応する物質を含む酸化層20及び還元層21を設けている。そのため、エレクトロクロミック化合物や電解質の劣化を抑制できる。これは、補助電極として1つ或いは1種の電極のみを用いる従来の構成では実現できない原理である。
(第2の駆動方法)
本実施の形態に係るエレクトロクロミック素子1の第2の駆動方法は、まず、第1の電極12と第1の補助電極17との間、又は第2の電極13と第2の補助電極19との間に電圧を印加して電荷を放電する工程を行う。そして、次に、更に第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に電圧を印加して電荷を放電する工程を行い、第1の電極12又は第2の電極13上のエレクトロクロミック化合物又はエレクトロクロミック組成物を元の色に戻す。
第1の電極12と第1の補助電極17との間、又は第2の電極13と第2の補助電極19との間に電圧を印加して第1の電極12又は第2の電極13上の消え残りを消色する際には、以下の点に注意を要する。すなわち、第1の補助電極17又は第2の補助電極19でエレクトロクロミック化合物や電解質の不可逆な反応を起こさないようにする必要がある。そのためには、第1の電極12又は第2の電極13上の消え残りとして保持されている電荷量よりも大きな電荷量を予め第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に充電しておく必要がある。
しかし、一方で、予め充電しておく電荷量が消え残りの電荷量よりも大きい。そのため、第1の電極12と第1の補助電極17との間、又は第2の電極13と第2の補助電極19との間に電圧を印加して第1の電極12又は第2の電極13上の消え残りを消色した際に、次のような問題が生じる。すなわち、第1の補助電極17又は第2の補助電極19上の電荷量は0にならず、余分な電荷が残ってしまう。
エレクトロクロミック素子1はある程度のメモリ性を持っているものの、完全ではない。そのため、時間の経過とともに第1の補助電極17又は第2の補助電極19上の電荷はなくなっていくが、その間は高電圧が印加されている状態であり、エレクトロクロミック化合物や電解質の劣化が起こってしまう。
そこで、第1の電極12と第1の補助電極17との間、又は第2の電極13と第2の補助電極19との間に電圧を印加して第1の電極12又は第2の電極13上の消え残りを消色した後に、第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に電圧を印加して電荷を放電する。これにより、第1の補助電極17又は第2の補助電極19上の電荷を可能な限り少なくすることが可能となり、エレクトロクロミック化合物や電解質の劣化を抑制できる。
このように、エレクトロクロミック素子1は、消え残りが少なく耐久性に優れている。そのため、例えば、エレクトロクロミックディスプレイ、株価の表示板等の大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、光スイッチ、光メモリ、電子ペーパー、電子アルバム等に好適に使用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〈実施例1〉
(第1のエレクトロクロミック層14の形成)
まず、第1の支持体10であるガラス基板上に、第1の電極12であるITOが形成されたITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)を準備した。そして、ポリエチレングリコールジアクリレート(日本化薬、PEG400DA)と、光開始剤(BASF、IRGACURE184)と、構造式Aで表される化合物と2−ブタノンを質量比(57:3:140:800)で混合した溶液を生成した。その後、生成した溶液をITOガラス基板上にスピンコート法により塗布し、窒素雰囲気下でUV硬化させて第1の電極12上に構造式Aで表される化合物を含む厚み1.1μmの第1のエレクトロクロミック層14を形成した。
Figure 0006657615
(絶縁性多孔質層16の形成)
次に、第1のエレクトロクロミック層14上に平均一次粒径20nmのSiO微粒子分散液(シリカ固形分濃度24.8質量%、ポリビニルアルコール1.2質量%、及び水74質量%)をスピンコート法にて塗布し、絶縁性多孔質層16を形成した。形成した絶縁性多孔質層16の厚みは約2μmであった。
(第1の補助電極17の形成)
次に、絶縁性多孔質層16上に、平均一次粒径450nmのSiO微粒子分散液(シリカ固形分濃度1質量%、2−プロパノール99質量%)をスピンコート法により塗布して、微細貫通孔形成用マスク(コロイダルマスク)を形成した。続いて、微細貫通孔形成用マスク上にスパッタ法により厚み約100nmのITO膜を、第1の電極12であるITO膜と重なる領域にメタルマスクを介して形成し、第1の補助電極17を作製した。その後、2−プロパノール中で超音波照射を3分間行い、コロイダルマスクである450nmのSiO微粒子の除去処理を行った。SEM観察により250nm程度の微細な貫通孔が形成された第1の補助電極17が形成されていることを確認した。
(酸化層20の形成)
次に、第1の補助電極17上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。次いで、下記構造式B表される化合物を1質量%含有するメタノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間のアニール処理を行った。以上により、可逆的に酸化還元可能な物質の酸化体を含む酸化層20を形成した。
Figure 0006657615
(第2のエレクトロクロミック層15、絶縁性多孔質層18の形成)
まず、第2の支持体11であるガラス基板上に、第2の電極13であるITOが形成されたITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)を準備した。そして、第2の電極13上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。
次いで、得られた酸化チタン粒子膜上に、下記構造式Cで表されるエレクトロクロミック化合物を1質量%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール(以下、「TFP」と略記する)溶液をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で10分間のアニール処理を行った。以上により、酸化チタン粒子膜とエレクトロクロミック化合物からなる第2のエレクトロクロミック層15を形成した。
Figure 0006657615
続いて、第2のエレクトロクロミック層15上に平均一次粒径20nmのSiO微粒子分散液(シリカ固形分濃度24.8質量%、ポリビニルアルコール1.2質量%、及び水74質量%)をスピンコート法にて塗布し、絶縁性多孔質層18を形成した。形成した絶縁性多孔質層18の厚みは約2μmであった。
(第2の補助電極19の形成)
次に、絶縁性多孔質層18上に、平均一次粒径450nmのSiO微粒子分散液(シリカ固形分濃度1質量%、2−プロパノール99質量%)をスピンコート法により塗布して、微細貫通孔形成用マスク(コロイダルマスク)を形成した。続いて、微細貫通孔形成用マスク上にスパッタ法により厚み約100nmのITO膜を、第2の電極13であるITO膜と重なる領域にメタルマスクを介して形成し、第2の補助電極19を作製した。その後、2−プロパノール中で超音波照射を3分間行い、コロイダルマスクである450nmのSiO微粒子の除去処理を行った。SEM観察により250nm程度の微細な貫通孔が形成された第2の補助電極19が形成されていることを確認した。
(還元層21の形成)
次に、第2の補助電極19上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。次いで、下記構造式Dで表される化合物を1質量%含有するメタノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間のアニール処理を行った。以上により、可逆的に酸化還元可能な物質の還元体を含む還元層21を形成した。
Figure 0006657615
(電解質の充填)
このようにして、第1の電極12、第1のエレクトロクロミック層14、絶縁性多孔質層16、第1の補助電極17、及び酸化層20が形成された第1の支持体10が作製された。又、第2の電極13、第2のエレクトロクロミック層15、及び第2の補助電極19、及び還元層21が形成された第2の支持体11が作製された。これらを第1の支持体10及び第2の支持体11を外側に向けて、約100μmのスペーサを設けて貼り合せた。そして、第1の支持体10と第2の支持体11との間に、電解質として電解液:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(Sigma−Aldrich社製)を充填した。以上によりエレクトロクロミック素子1Aを作製した。
(繰り返し試験)
作製したエレクトロクロミック素子1Aについて、表示部である第1の電極12と第2の電極13との間に発色時−2Vの電圧を5秒、消色時+0.5Vの電圧を5秒印加して発消色駆動を500回繰り返した。その後、消え残りが生じている場合は第1の電極12と第1の補助電極17との間及び第2の補助電極19と第2の電極13との間に+1Vの電圧を夫々印加して消え残りを消色した。
そして、その際の可視領域(400nm〜800nm)の吸収極大波長λmaxについて表示領域の中心の透過率をOcean Optics社製、USB4000で測定し、透過率が初期状態の95%以上に戻るまでの時間を計測した。更に、この試験を10回連続して行い、合計5000回繰り返し試験を行った。このとき消え残りの消色駆動を60秒行っても透過率が初期状態の95%以上に戻らなくなった繰り返し回数を計測した。なお、繰り返し試験において、電極Aと電極Bとの間に○○Vの電圧を印加するとは、電極Aの電位に対して○○Vの電位となるように電極Bに電圧を印加するという意味である。
〈実施例2〉
(第1のエレクトロクロミック層14の形成)
第1の電極12上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。
次いで、得られた酸化チタン粒子膜上に、下記構造式Eで表されるエレクトロクロミック化合物を1質量%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール(以下、「TFP」と略記する)溶液をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で10分間のアニール処理を行った。以上により、酸化チタン粒子膜とエレクトロクロミック化合物からなる第1のエレクトロクロミック層14を形成した。これ以外は実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子1Bを作製し、実施例1と同様の繰り返し試験を実施した。
Figure 0006657615
〈実施例3〉
第1の支持体10の第1の電極12上に、第1のエレクトロクロミック層14、絶縁性多孔質層16、第1の補助電極17、酸化層20を実施例1と同様に作製した。続いて、第2の電極13上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。
次いで、得られた酸化チタン粒子膜上に、下記構造式Fで表されるエレクトロクロミック化合物を1質量%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール(以下、「TFP」と略記する)溶液をスピンコート法により塗布した。そして、120℃で10分間のアニール処理を行った。以上により、酸化チタン粒子膜とエレクトロクロミック化合物からなる第2のエレクトロクロミック層15を形成した。これ以外は実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子1Cを作製し、実施例1と同様の繰り返し試験を実施した。
Figure 0006657615
〈実施例4〉
第1の支持体10の第1の電極12上に、第1のエレクトロクロミック層14、絶縁性多孔質層16、第1の補助電極17、酸化層20を実施例1と同様に作製した。続いて、第2の支持体11の第2の電極13上に、第2のエレクトロクロミック層15、絶縁性多孔質層18、第2の補助電極19、還元層21を実施例2と同様に作製した。これ以外は実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子1Dを作製し、実施例1と同様の繰り返し試験を実施した。
〈実施例5〉
実施例1と同様にしてエレクトロクロミック素子1Eを作製し、以下の繰り返し試験を実施した。
(繰り返し試験)
作製したエレクトロクロミック素子1Eについて、表示部である第1の電極12と第2の電極13との間に発色時−2Vの電圧を5秒、消色時+0.5Vの電圧を5秒印加して発消色駆動を500回繰り返した。その後、消え残りが生じている場合は、まず第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に−2Vの電圧を1秒印加した。更に、第1の電極12と第1の補助電極17との間及び第2の補助電極19と第2の電極13との間に+1Vの電圧を夫々印加して消え残りを消色した。その他は実施例1と同様にして繰り返し試験を行った。
〈実施例6〉
実施例1と同様にしてエレクトロクロミック素子1Fを作製し、以下の繰り返し試験を実施した。
(繰り返し試験)
作製したエレクトロクロミック素子1Fについて、表示部である第1の電極12と第2の電極13との間に発色時−2Vの電圧を5秒、消色時+0.5Vの電圧を5秒印加して発消色駆動を500回繰り返した。その後、消え残りが生じている場合は、まず第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に−2Vの電圧を1秒印加した。その後に、第1の電極12と第1の補助電極17との間及び第2の補助電極19と第2の電極13との間に+1Vの電圧を夫々印加して消え残りを消色した。更に、第1の補助電極17と第2の補助電極19との間に+0.5Vの電圧を1秒印加した。その他は実施例1と同様にして繰り返し試験を行った。
〈比較例〉
第1の補助電極17上に酸化層20を形成せず、第2の補助電極19上に還元層21を形成しなかった。これ以外は実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子1Gを作製し、実施例1と同様の繰り返し試験を実施した。
〈実施例と比較例の検討〉
実施例1〜6と比較例における繰り返し試験の結果を表2に示す。
Figure 0006657615
表2より、比較例では第1の電極12と第1の補助電極17との間及び第2の補助電極19と第2の電極13との間に+1Vの電圧を夫々60秒ずつ印加しても透過率が初期状態の95%以上に戻らなかった。これに対して、実施例1〜6では、少なくとも3000回の繰り返し回数を確保できている。
このように、実施例1〜6のエレクトロクロミック素子及びその駆動方法では、酸化型エレクトロクロミック材料及び還元型エレクトロクロミック材料の両方の消え残りを十分かつ速やかに消色可能であることが分かった。
以上、好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 エレクトロクロミック素子
10 第1の支持体
11 第2の支持体
12 第1の電極
13 第2の電極
14 第1のエレクトロクロミック層
15 第2のエレクトロクロミック層
16、18、22 絶縁性多孔質層
17 第1の補助電極
19 第2の補助電極
20 酸化層
21 還元層
特開平4−60617号公報 特開昭59−159134号公報

Claims (7)

  1. 間隔を置いて互いに対向して設けられ、少なくとも一方が透明である第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極の前記第2の電極側の面に設けられた、酸化型エレクトロクロミック化合物と酸化型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第1のエレクトロクロミック層と、
    前記第2の電極の前記第1の電極側の面に設けられた、還元型エレクトロクロミック化合物と還元型エレクトロクロミック組成物の何れか一方又は双方を含む第2のエレクトロクロミック層と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた電解質と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に間隔を置いて設けられ、前記電解質に接する、貫通孔を備えた第1の補助電極及び貫通孔を備えた第2の補助電極と、
    前記第1の補助電極の表面に設けられた、可逆的に酸化還元可能な物質の還元体を含む還元層と、
    前記第2の補助電極の表面に設けられた、可逆的に酸化還元可能な物質の酸化体を含む酸化層と、を有し、
    前記還元体の材料は中性状態から酸化反応を起こす材料であり、前記酸化体の材料は中性状態から還元反応を起こす材料であり、
    前記還元層及び前記酸化層が酸化還元反応の前後において透明であるエレクトロクロミック素子。
  2. 前記貫通孔の直径は、10nm以上100μm以下である請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記第1の補助電極と前記第2の補助電極とは、互いに対向して設けられている請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記可逆的に酸化還元可能な物質は、導電性又は半導体性ナノ構造体に担持されている請求項1乃至3の何れか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記可逆的に酸化還元可能な物質は、前記導電性又は前記半導体性ナノ構造体に吸着する吸着基構造を具備している請求項4に記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
    前記第1の補助電極と前記第2の補助電極との間に電圧を印加して電荷を充電する工程の次に、前記第1の電極と前記第1の補助電極との間又は前記第2の電極と前記第2の補助電極との間に電圧を印加して電荷を放電する工程を行い、前記第1のエレクトロクロミック層又は前記第2のエレクトロクロミック層を中性状態に戻すことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。
  7. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法であって、
    前記第1の電極と前記第1の補助電極との間又は前記第2の電極と前記第2の補助電極との間に電圧を印加して電荷を放電する工程の次に、更に前記第1の補助電極と前記第2の補助電極との間に電圧を印加して電荷を放電する工程を行い、前記第1のエレクトロクロミック層又は前記第2のエレクトロクロミック層を中性状態に戻すことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。
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