JP5526887B2 - エレクトロクロミック表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック表示装置および、その製造に関し、詳しくは、電圧印加により電極表面に有するエレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたエレクトロクロミック表示装置とその製造方法に関する。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。例えば、反射型表示装置であり、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。このうち特に、表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比についての要求度が高い。
これまで、電子ペーパー用途の表示装置として、例えば、反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式、などが提案されている。しかしながら、これらいずれの方式も白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難である。一般に多色表示を行うためには、カラーフィルタを設けるが、カラーフィルタを設けると、カラーフィルタ自身が光を吸収し、反射率が低下する。更に、カラーフィルタは、一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示装置の反射率が低下し、それに伴ってコントラスト比が低下する。白反射率・コントラスト比が大幅に低下した場合は、視認性が非常に悪くなり、電子ペーパーとして用いることが困難である。
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色と呼称することがある。)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。このエレクトロクロミック表示装置については、反射型の表示装置であること、メモリー効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
但し、エレクトロクロミック表示装置には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。
これを改善するため、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって発消色の応答速度を向上する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の記載例によれば、従来数10秒程度だった発消色に要する時間は、無色から青色への発色時間、青色から無色への消色時間は、ともに1秒程度まで向上するとしている。
しかし、特許文献1に記載されている方法は、酸化チタンナノ粒子に有機にエレクトロクロミック化合物を結合させることによって発消色の応答速度を向上するものであるが、この構成の表示素子(或いは装置)を作製する過程で、例えば、本発明のように電解質層に含有する光硬化性の樹脂を硬化する際、UV光が照射されると酸化チタンの光触媒作用により、エレクトロクロミック化合物が還元されて発色すると共に、素子中に蓄積する電荷により、電圧印加しても正常に発消色動作しないという問題があった。
また、エレクトロクロミズムは電気化学現象であるため、電解質層の性能(イオン伝導度など)が応答速度や発色のメモリー効果に影響する。電解質層は電解質を溶媒に溶かした液体状である場合は速い応答性を得やすいが、素子強度・信頼性の点で固体化、ゲル化による改良が検討されている。
すなわち、従来から、電気化学素子として知られる代表的な電池やエレクトロクロミック表示用装置においては、電解液を使用しているため、電解液の漏れや、溶媒の揮発による乾燥(素子内あるいは電池内)があるばかりでなく、素子あるいは電池の容器内では電解液の偏りにより、隔膜が部分的に乾燥状態になり、このことが内部インピーダンスの上昇あるいは内部短絡の原因になっていた。
特に、エレクトロクロミック装置は、表示用途に用いる関係上、少なくとも一方向は、ガラスやプラスチック等の透明材料を用いて封止する必要があるため、金属等を用いた場合のように電解質を完全に密閉してしまうことは困難であり、電解液の漏れや揮発がより大きな問題となるためである。
上述したような欠点を解決するための方法として、高分子固体電解質を用いることが提案されている。
その具体例として、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーと無機塩との固溶体が挙げられるが、これらは完全固体であり、加工性に優れるものの、その電導度は通常の非水電解液にくらべて3桁ほど低いという実用上の課題を有している。
また、高分子固体電解質の電導度を向上させるために、電解質を加えた液状モノマーを重合反応させて電解質を含む架橋重合体とする方法や、高分子に有機電解液を溶解させて半固形状のものにする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特許文献2に記載されているイオン伝導性固体電解質の製造方法によれば、アクリロイル変性化合物と無機イオンとからなる組成物を光照射(UV)によって硬化する手法を用いるので、他の熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温で短時間で製造できる利点がある。
しかし、UVなどの光照射により前記組成物を硬化させる場合には、電解質層の光吸収透過性能によっては硬化不良となるため、使用材料に制約があった。特に、エレクトロクロミック表示装置では電解質層に白色粒子を分散して電解質層に白色反射層の機能を付与することが一般的に採用されており、この白色粒子が光遮蔽するために、組成物を完全に光硬化できないという問題があった。
更に、表示装置としてマトリックス状の任意の画素電極を発消色させる構成では、電荷が電解質層内で拡散しやすいという問題がある。特に電解質層が液体である場合は拡散しやすい。このため、電解液層を表示画素に対応した部分にのみ形成することで拡散を防ぎ、選択した画素のみを表示することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献3の構成では、活性領域に電解質を精度良く安定して配置するのが難しかったり、プロセス条件が煩雑であったりする難点がある。
一方、エレクトロクロミック表示装置は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色表示装置として期待されている。
このような多色表示装置として、一対の透明電極の間にエレクトロクロミック層および電解質を挟持した構造単位を複数積層してなる装置例が記載されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、特許文献4の構成では複数の構成単位を積層するため、従来の白黒表示(単一構成)に対してコストアップとなってしまうという問題がある。
エレクトロクロミック表示装置では前述のように電解質層を固体化し、更に拡散防止することが検討されている。特に、多色表示装置において基板に複数の膜を形成する積層構成では、膜強度を維持するためにも電解質層の固体化が課題である。
前述のように、特許文献2に記載されている電解液の漏れや揮発を防止するための手法では、光照射(UV)により樹脂成分を硬化させる場合、電解質層の光吸収透過性能に依存する使用材料の制約があり、更に、白色反射層の機能を付与するために電解質層に分散される白色粒子に阻害されて樹脂成分が完全に光硬化できないという問題がある。
また、カラー表示材料としてビオロゲンなどの有機エレクトロクロミック化合物が検討されているが、これら有機物は光照射により劣化しやすいという問題がある。例えば、精度良く電解質層をパターニングするには、UV照射などにより予め表面濡れ性パターンを形成し、その上に印刷することが一般的方法であるが、このような光照射処理により、有機エレクトロクロミック化合物が劣化しやすく、使用材料が制約されるという問題がある。
一方前述のように、特許文献1に記載されているエレクトロクロミック化合物の発消色の応答速度を改善する手法では、UV照射に基づく酸化チタンの光触媒作用によって、エレクトロクロミック化合物が還元されて発色すると共に、電圧印加しても正常に発消色動作しないという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、電解液の漏れや揮発がなく、素子強度に優れ、白反射率が高く、電圧印加により発色/消色(発消色)が可能なエレクトロクロミック表示装置と、簡便な方法で電解質層を固体化した素子強度に優れたエレクトロクロミック表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、対向配置された透明基板上の表示電極と光透過可能な基板上の対向電極との間に少なくとも光硬化樹脂を含有する電解質層が挟持され、前記表示電極の対向電極側の面に接してエレクトロクロミック層を有し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加により該エレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記エレクトロクロミック層と前記電解質層との間に光遮蔽層が設けられ
前記電解質層に白色顔料粒子が分散されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置により解決される。
〔2〕:上記〔1〕に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記光硬化樹脂が前記光透過可能な基板側からの光照射により硬化されて前記電解質層を固体化したことを特徴とする。
〔3〕:上記〔1〕または〔2〕に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記光遮蔽層が白色反射機能を有することを特徴とする。
〔4〕: 上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記光遮蔽層が白色顔料粒子を含有することを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記エレクトロクロミック層がナノ構造半導体材料に担持したエレクトロクロミック化合物からなることを特徴とする。
〕:上記〔1〕乃至〔〕のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記対向電極に対して、互いに隔離されて積層された複数の表示電極が対向配置され、前記複数の表示電極に接してエレクトロクロミック層を有すると共に、前記複数のエレクトロクロミック層に対して前記電解質層から電解質が浸透し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加によりそれぞれのエレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたことを特徴とする。
〕:上記〔〕に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記複数の表示電極のそれぞれにおいて、隣接する表示電極間の電気抵抗が、それぞれの表示電極の電気抵抗より大きいことを特徴とする。
〕:上記〔〕または〔〕に記載のエレクトロクロミック表示装置において、前記互いに隔離された複数の表示電極の隣接する各電極間に絶縁層が設けられ、該絶縁層が各電極間の対向電極側に配置された表示電極に接して設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、簡便な製造方法で電解質層を固体化し、素子強度が強くて電解液の漏れや揮発がなく信頼性に優れ、電圧印加により発色/消色(発消色)が可能で、高い白反射率と高いコントラスト比を有し、発色パターンを維持(メモリー性を持続)できるエレクトロクロミック表示装置を提供することができる。
本発明に係るエレクトロクロミック表示装置の構成例を示す概略断面図である。 本発明に係る表示装置10の構成の変形例を示す概略断面図である。 本発明に係る表示装置10の構成の別の変形例を示す概略断面図である。 実施例1において測定した酸化チタン分散ペースト膜の光透過スペクトルである。
前述のように本発明におけるエレクトロクロミック表示装置は、対向配置された透明基板上の表示電極と光透過可能な基板上の対向電極との間に少なくとも光硬化樹脂を含有する電解質層が挟持され、前記表示電極の対向電極側の面に接してエレクトロクロミック層を有し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加により該エレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたエレクトロクロミック表示装置であって、
前記エレクトロクロミック層と前記電解質層との間に光遮蔽層が設けられたことを特徴とするものである。
尚、上記「透明基板」とは、可視光領域で透明な基板であり、「光透過可能な基板」とは、光硬化樹脂を硬化(電解質層の固体化)するために必要な光(例えば、UV光)を透過させ得る基板(可視光領域で透明である必要はない)を指す。また、電解質層はイオン伝導性の機能を有するものである。
ここで、前記光硬化樹脂が前記光透過可能な基板側(対向電極側)からの光照射により硬化されて前記電解質層を固体化することが好適である。
本発明において、「発色/消色」を「発消色」と略称することがある。また、「エレクトロクロミック表示装置」を「表示装置」あるいは「素子」と略称することがある。
上記により、電解質層中の光硬化樹脂を硬化する際に、光遮蔽層が光透過可能な基板側(対向電極側)から入射される光(UV)を遮蔽してエレクトロクロミック層にダメージ(変質や劣化等)を与えることなく、電解質層の固体化が可能になる。そのため、熱重合法や溶剤を蒸発させる方法によって電解質層を形成(薄膜化)する方法に比べて、低温で短時間でエレクトロクロミック表示装置が製造できる。
前記光遮蔽層が白色反射機能を有することが好ましい。また、前記光遮蔽層が白色顔料粒子を含有することが好ましい。
光遮蔽層に白色反射機能を持たせること、あるいは白色顔料粒子を含有することで容易に高い白反射率が得られる。
前記白色顔料粒子を含有する多孔質膜を形成することで、電解質層から光遮蔽層へ電解質の浸透が容易となる。尚、白色顔料粒子の粒子径は光散乱効率が高く、白反射が得やすい100〜400nmの範囲が好ましい。
更に、前記電解質層に白色顔料粒子が分散されていることが好ましい。
前述のように、電解質層に白色顔料粒子を分散することで容易に白色反射層が形成できる。また、光遮蔽層の白色反射機能と併用することで、信頼性の高い素子の作製が可能である。
すなわち、光遮蔽層は、電解質層からの電解質を浸透させるために多孔質性であることが好ましいが、この場合、散乱率の高い白色顔料粒子含有層を用いても最大反射率が得られる膜厚まで厚膜化すると膜強度が不足しやすい。
そこで、膜強度が得られる程度(薄い膜)に膜厚が調整されて白色顔料粒子を混合した光遮蔽層(白色光遮蔽層)と、光硬化樹脂の光硬化が可能な程度に調整されて白色顔料粒子を混合した電解質層(白色電解質層)の2層構成で白色の反射層を形成することにより、膜強度に優れ、電解質の光硬化が可能であり、高い白反射率を有する表示装置とすることができる。
また、前記エレクトロクロミック層がナノ構造半導体材料に担持(吸着または結合)したエレクトロクロミック化合物からなることが好ましい。
このような構成とすることにより、電解質層中の光硬化樹脂を硬化する際に、光透過可能な基板側(対向電極側)から光(UV)照射した場合でも素子中に電荷蓄積することなく、発消色の応答速度を向上することができる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置において、多色表示構成とすることができる。
即ち、前記表示基板と前記対向電極との間に複数の前記表示電極を互いに隔離して設けると共に、前記複数の表示電極に接してエレクトロクロミック層を有する構成とし、且つ前記複数のエレクトロクロミック層に対して前記電解質層から電解質が浸透し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加によりそれぞれのエレクトロクロミック層の発消色を可能とするものである。
ここで、前記複数の表示電極のそれぞれにおいて、隣接する表示電極間の電気抵抗が、それぞれの表示電極の電気抵抗より大きいことが好適である。
また、前記互いに隔離された複数の表示電極の隣接する各電極間に絶縁層が設けられ、該絶縁層が各電極間の対向電極側に配置された表示電極に接して設けられることが好ましい。
上記のような構成により、低コストでYMCカラーの積層多色表示が可能になる。また、光硬化樹脂を光硬化することで固体化された電解質層により、容易に膜強度に優れた表示装置が得られる。
また、本発明のエレクトロクロミック表示装置の製造方法においては、電解質層が、前記光透過可能な基板側(対向電極側)から光(UV)照射して光硬化樹脂を硬化することにより固体化されたことを特徴とするものである。
これにより、光照射によってエレクトロクロミック層にダメージ(変質や劣化等)を与えることなく、電解質層の固体化が可能になる。つまり、熱重合法や、溶剤を蒸発させる方法により電解質層を薄膜化(固体化)する方法に比べて、低温で短時間でエレクトロクロミック表示装置を製造することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
図1の概略断面図に、本発明のエレクトロクロミック表示装置(略称、「表示装置」あるいは「表示素子」)の構成例を示す。
表示装置10は、表示電極11aが形成されている透明な基板(表示基板)11と、表示電極11aに対して、所定の間隔を隔てて対向して設けられている対向電極12aが形成されている光透過可能な基板(対向基板12)と、表示電極に接して設けられたエレクトロクロミック層13と、表示電極と対向電極とに挟まれるように設けられた電解質層14と、電解質層14とエレクトロクロミック層13の間に形成された光遮蔽層15を有する。
また、電解質を含む電解質層14は少なくとも光硬化樹脂を含有し、エレクトロクロミック層13が、電圧印加、即ち表示電極11aからの電荷の授受により酸化還元反応することによって発消色する。尚、、光硬化樹脂は光透過可能な基板(対向基板12)側からの光(UV)照射により硬化されて電解質層14を固体化している。
また、エレクトロクロミック層の対向電極12a側(エレクトロクロミック層13と対向電極12aの間)に設けられる他の各構成要素のいずれかに白色反射機能をもたせることで、反射型の表示素子となる。尚、表示基板11および対向基板12は、スペーサ16を介して貼り合わされている。
図2の概略断面図に、上記表示装置10の構成の変形例を示す。
エレクトロクロミック表示装置(表示装置)20において、エレクトロクロミック層13はナノ構造半導体材料に担持(吸着または結合)したエレクトロクロミック化合物からなる。また電解質層14に白色顔料粒子(白色粒子17)が分散されていること以外は図1に示す表示装置10と同一の構成であり、符号の定義も同じである。
図3の概略断面図に、前記表示装置10の構成の別の変形例を示す。
エレクトロクロミック表示装置(表示装置)30において、エレクトロクロミック層13a、13b、13cが表示電極11b、11cを挟んで表示電極11a上に積層形成されている(即ち、互いに隔離されて積層された複数の表示電極が対向電極12aに対して対向配置され、前記複数の表示電極に接してエレクトロクロミック層を有する。)以外は、図2に示す表示素子20と同一の構成であり、符号の定義も同じである。
尚、前記複数のエレクトロクロミック層に対して電解質層から電解質が浸透し、表示電極と対向電極への電圧印加によりそれぞれのエレクトロクロミック層の発消色が可能とされる。
即ち、各エレクトロクロミック層のエレクトロクロミック化合物をY,M,Cなどの異なる発色カラーとし、一の表示電極と他の表示電極との間の電気抵抗を、一の表示電極の電気抵抗より大きく設定することにより、積層カラー表示が可能である。
電気抵抗はエレクトロクロミック層の膜厚などに依存するが、所望とする抵抗が得られない場合には、エレクトロクロミック層13aと表示電極11bの間および/またはエレクトロクロミック層13bと表示電極11cの間に絶縁層を形成することが好ましい。つまり、互いに隔離された複数の表示電極の隣接する各電極間における対向電極側に配置された表示電極に接して絶縁層が設けられるのが好ましい。
前記表示電極11a、11b、11cを構成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と呼称)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と呼称)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下「ATO」と呼称)等の無機材料を用いることができるが、特に、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、「In酸化物」と呼称)、スズ酸化物(以下、「Sn酸化物」と呼称)または亜鉛酸化物(以下、「Zn酸化物」と呼称)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。In酸化物、Sn酸化物およびZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。
前記表示基板11を構成する材料としては、ガラス、プラスチック等が挙げられる。表示基板11として、プラスチックフィルムを用いると、軽量でフレキシブルな表示装置を作製することができる。
前記電解質層14には、少なくとも光硬化樹脂を含有すると共に、イオン伝導性付与のための電解質として、支持塩を溶媒に溶解させたものがイオン伝導度が高いために好ましく用いられる。
上記支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の塩、等を用いることができる。
具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF、過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどを用いることができる。
また、上記溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、等が用いられる。その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
本発明における電解質層は、光硬化樹脂により固体化されている。電解質層を固体化[固体状(ゲル状も含む)に形成]することで、表示装置(素子)の強度向上、信頼性向上、発色拡散の防止ができる。前述のように、光硬化樹脂の硬化は、光硬化可能な樹脂を光透過可能な基板側(対向電極側)から光(UV)照射することにより行うことができる。光硬化法によれば、熱重合や、溶剤を蒸発させることにより電解質層を形成する(薄膜化する)方法に比べて、低温で短時間で素子を製造できる利点がある。
前記光硬化樹脂としては、特定の波長の光により硬化性を有するものであれば、分子骨格として特に限定されないが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などが好ましく用いられる。
尚、電解質層の固体化のために光硬化樹脂以外のポリマー樹脂を併用することができる。このようなポリマー樹脂として、例えば、ウレタン系、エチレングリコール系、ポリプレングリコール系、ビニルアルコール系、アクリル系、エポキシ系などの樹脂を挙げることができる。
更に、前記電解質層中に白色顔料粒子を分散させることで、白色反射層の機能をもたせることもできる。
白色の顔料粒子としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物が挙げられる。
光透過可能な基板(対向基板12)側から光(UV)照射することにより光硬化樹脂を硬化する場合に、白色顔料を増量すると光を遮蔽するために硬化不良となりやすい。そのため、電解質層中の白色顔料粒子の含有量は、電解質層の厚さにも依存するが、10〜50wt%が好ましい。
また、電解質層の膜厚は0.1〜200μm、好ましくは1〜50μmの範囲である。
電解質層が200μmよりも厚いと電荷が拡散しやすく、一方、0.1μmよりも薄いと電解質の保持が困難になるためである。
前記エレクトロクロミック層13a、13b、13cには、電圧印加に基づく酸化還元により色の変化を起こす材料が用いられる。このような材料として、ポリマー系、色素系、金属錯体、金属酸化物等の公知のエレクトロクロミック化合物が用いられる。
具体的には、ポリマー系あるいは色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物が用いられる。
上記中、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるジピリジン系化合物を含むものがよい。これらの材料は発消色電位が低いため、複数の表示電極を有するエレクトロクロミック表示装置を構成した場合においても、還元電位により良好な発色の色値を示す。
[式中、R1、R2は、夫々独立に置換基を有してもよい炭素数1から8のアルキル基、又はアリール基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、Si(OC2k+1から選ばれる置換基を有する。Xは1価のアニオンを表す。kは0,1又は2を表す。n、m、lは夫々独立に0又は1を表す。A、B、Cは夫々独立に置換基を有してもよい炭素数2から20のアリール基、複素環基を表す。]
前記エレクトロクロミック化合物は、前記表示電極の対向電極側の面に接して形成されるが、特に好ましくは、ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が担持(吸着または結合)して電極に接していることがよい。
図2および図3では、ナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が担持(吸着または結合)した構成のエレクトロクロミック層を示しているが、本質的にエレクトロクロミック化合物が移動しないよう固定されると共に、エレクトロクロミック化合物の酸化還元に伴う電子の授受が妨げられないように電気的な接続が確保されていればよく、例えば、エレクトロクロミック化合物とナノ構造半導体材料とが混合(混合によりナノ構造半導体材料にエレクトロクロミック化合物が担持)されて形成された単一層となっていてもよい。
前記ナノ構造半導体材料の材料としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム(以下アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ケイ素(以下シリカ)、酸化イットリウム、酸素ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等を主成分とする金属酸化物などが用いられる。また、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が混合され用いられてもよい。
電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステン、から選ばれる一種、もしくはそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。
また、ナノ構造半導体材料の形状は、特に限定されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持(吸着または結合)するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。大きな比表面積を有することにより効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比に優れた表示が可能である。
エレクトロクロミック層の好ましい膜厚範囲は0.2〜5.0μmである。0.2μmよりも膜厚が薄い場合、発色濃度を得にくくなる。また、5.0μmよりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
図3に示す複数の表示電極に接してエレクトロクロミック層を有する積層構成では、第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13cとの間の電極間抵抗は、対向電極12aに対する一方の表示電極の電位を、対向電極12に対する他方の表示電極の電位と独立に制御することができる程度に大きな抵抗でなくてはならないが、少なくとも第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13cの何れかの表示電極のシート抵抗よりも大きくなるように形成されなくてはならない。
第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13cとの間の電極間抵抗が、第1の表示電極13a、および第2の表示電極13bの何れかの表示電極のシート抵抗よりも小さい場合、第1の表示電極13a、第2の表示電極13b、第3の表示電極13cの何れかの表示電極に電圧印加をすると、同程度の電圧が他方の表示電極にも印加されてしまい、各表示電極に対応するエレクトロクロミック層を独立に消色することができない。各表示電極の間の電極間抵抗は、夫々の表示電極におけるシート抵抗の500倍以上あることが好ましい。
前述のように、抵抗値を確保するためには、互いに隔離された複数の表示電極の隣接する各電極間に絶縁層を形成することが好ましい。ここで、絶縁層は、各電極間の対向電極側に配置された表示電極に接して設けられることが好ましい。
絶縁層の材料としては、電解質層から絶縁層へ電解質が浸透し易いように多孔質であればよく、特に限定されるものではないが、絶縁性、耐久性および成膜性に優れた有機材料および無機材料を用いることができる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダ等を添加して部分的に融着させ、粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。
具体例としては、無機ナノ構造粒子(SiO2粒子、Al23粒子など)とポリマー結着剤からなるポリマー混合粒子膜、多孔性有機膜(ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂など)、多孔質膜上に形成した無機絶縁材料膜などが挙げられる。
この無機膜としては、少なくともZnSを含む材料が好ましい。ZnSは、スパッタ法によって、エレクトロクロミック層などにダメージを与えることなく高速に成膜できるという特徴を有する。更に、ZnSを主な成分として含む材料として、ZnO−SiO、ZnS−SiC、ZnS−Si、ZnS−Ge等を用いることができる。
ここで、ZnSの含有率は、例えば、前記絶縁層を形成した際の結晶性を良好に保つために、約50〜90mol%とすることが好ましい。従って、特に好ましい材料は、ZnS−SiO(8/2)、ZnS−SiO(7/3)、ZnS、ZnS−ZnO−In−Ga(60/23/10/7)である。
このような絶縁層の材料を用いることにより、薄膜で良好な絶縁効果が得られ、多層化による膜強度低下(すなわち膜のはがれ)を防止することができる。
前述のようにZnS等をスパッタで形成する場合、予め下引き層として多孔性粒子膜を形成することによって、ZnS等の多孔質膜を形成することができる。この場合、前述のナノ構造半導体材料を粒子状膜として使用することもできるが、別途シリカ、アルミナ等を含む多孔質粒子膜を形成し、2層構成の絶縁層とすることが絶縁性の点から好ましい。
このような手法を用いて絶縁層を多孔質膜にすることにより、前記電解質層14が絶縁層、更には表示電極に浸透することが可能となるため、酸化還元反応に伴う電解質層中のイオン電荷の移動が容易となり、発消色の応答速度に優れた多色表示が可能である。尚、絶縁層の膜厚は20〜1000nmの範囲が好ましい。20nmよりも膜厚が薄い場合、絶縁性を得にくくなる。また、1000nmよりも膜厚が厚い場合、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすい。
前記光透過可能な基板(対向基板12)の材料としては、特に限定されるものではなく、また、対向電極12aの材料としては、導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。但し、いずれも、前記対向基板12側(対向電極12a側)から光(UV)照射により前記電解質層中の光硬化樹脂を硬化する際に支障のないことが必要である。
対向基板12として、ガラス基板、プラスチックフィルムが用いられる場合、対向電極12aの材料として、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜、更にはカーボンなどが用いられる。これらの透明導電膜または導電性金属からなる対向電極12aは、対向基板12にコーティングされて用いられる。
更に、対向電極12aの材料が、エレクトロクロミック層13a、13b、13cの起こす酸化還元反応と逆の逆反応を起こす材料である場合、安定した発消色が可能である。即ち、エレクトロクロミック層が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック層が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極12aとして用いると、エレクトロクロミック層13a、13b、13cにおける発消色の反応は、より安定となる。
前記光遮蔽層15は光透過可能な基板(対向基板12)側から入射する光(UV)を遮蔽し、エレクトロクロミック層13a、13b、13cへのダメージを低減するために設けられる。光遮蔽層15は光を反射または吸収する膜であるとともに、前述の絶縁層と同様に電解質層を浸透させる膜として形成する必要がある。また、遮蔽する光の波長としては少なくともUV光(400nm以下)であることが好ましい。エレクトロクロミック層は、消色時は透明であることが望ましく、可視域には光吸収を示さないためである。
光遮蔽層15の材料としては、金属、半金属に加えて、酸化物、チッカ物、硫化物などの真空製膜可能な無機化合物膜、または酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物粒子からなる白色顔料粒子膜が挙げられる。
無機化合物膜に電解質の浸透性を持たせるには、前述の絶縁層と同様の形態として形成する必要があり、金属酸化物粒子膜は溶液に分散したペーストとして塗布製膜することにより容易に形成することができる。
尚、光遮蔽層14の膜厚は0.1〜50μmの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜5μmである。つまり、0.1μmよりも膜厚が薄い場合、光遮蔽効果を得にくくなる。また、50μmよりも膜厚が厚い場合、浸透性と膜強度を両立することが困難となるためである。
更に、光遮蔽層は白反射層をかねることが好ましい。この場合好ましい材料は酸化チタン粒子膜である。この場合の酸化チタン粒子径は散乱効率の高い100〜400nmが好ましい。酸化チタン粒子膜を光遮蔽層とすることにより、UV領域光を効率よく遮蔽するとともに高い白反射率が得られる。
但し前述のように、酸化チタン粒子含有層を用いても最大反射率が得られる膜厚まで厚膜化すると膜強度が不足しやすい。そこで、前述の白色光遮蔽層と前述の白色電解質層の2層構成で白色反射層を形成する構成が最も好ましい。これにより、優れた膜強度の確保と、光(UV)照射による光硬化樹脂の良好な硬化を実現することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
表示基板として30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板を準備し、ガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、表示電極を形成した。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210 昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.5μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、下記構造式(2)で表される化合物を1wt%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、エレクトロクロミック層を形成した。
次に、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液に結着ポリマーおよび電解質として、ポリエチレングリコール(分子量200)/ウレタンペースト(DIC社製、HW140SF)/過塩素酸テトラブチルアンモニウムのジメトキシスルホキシド20wt%溶液を5wt%、3wt%、17wt%溶解した溶液を準備し、この溶液に酸化チタン粒子(商品名:CR50;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を30wt%分散したペーストをエレクトロクロミック層表面にスピンコート法により塗布し、120℃で5分間アニール処理を行うことにより、約1μmの光遮蔽層を形成した。
尚、上記酸化チタン分散ペースト膜をガラス板上に形成し、光透過スペクトルを測定した結果を図4に示す。本光遮蔽層は300nm〜800nmの波長域において透過率が低く、良好な光遮蔽効果を示す。また、本光遮蔽層の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、ガラス表面から測定したところ、48%であった。
次に、電解質として過塩素酸リチウム、溶媒として炭酸プロピレンおよびポリエチレングリコール(分子量:200)、更にUV硬化接着剤(商品名:ロックタイト3301 ヘンケル社製)を1.4対8対6対10で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を20wt%添加した分散液ペーストを用意し、遮蔽層表面に滴下塗布した後、30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板に対向電極として2mm×20mmの矩形ITOパターン膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜した対向基板を重ね、対向基板側からUV光照射によりUV硬化接着剤を硬化し、貼り合わせて図2に示した構成(形態)と同様の本発明のエレクトロクロミック表示装置(実施例1)を作成した。尚、電解質層の厚さは、ビーズスペーサにより10μmに設定した。
<発消色試験>
表示装置(実施例1)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
この表示装置(実施例1)の消色状態の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、表示基板側から測定したところ、55%であった。
更に、表示装置(実施例1)を60℃の環境に24時間放置した後、発消色評価を実施した。表示電極11aに3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
[実施例2]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
実施例1において、エレクトロクロミック化合物を下記構造式(3)で表される化合物に変更した以外は実施例1と同様にして、図2に示した構成と同様の本発明のエレクトロクロミック表示装置(実施例2)を作成した。
<発消色試験>
表示装置(実施例2)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、2.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い緑色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、2.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
この表示装置(実施例2)の消色状態の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、表示基板側20から測定したところ、53%であった。
更に、表示装置(実施例2)を60℃の環境に24時間放置した後、発消色評価を実施した。表示電極11aに2.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
[実施例3]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
実施例1において、電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、溶媒としてジメチルスルホキシドおよびポリエチレングリコール(分子量:200)、更にUV硬化接着剤(商品名:PTC10;十条ケミカル社製)を0.6対2.7対3対8で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を20wt%添加した分散液ペーストを用意して遮蔽層表面に滴下塗布したこと以外は実施例1と同様にして、図2に示した構成と同様の本発明のエレクトロクロミック表示装置(実施例3)を作成した。
<発消色試験>
表示装置(実施例3)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
この表示装置(実施例3)の消色状態の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、表示基板側から測定したところ、55%であった。
更に、表示装置(実施例3)を60℃の環境に24時間放置した後、発消色評価を実施した。表示電極11aに3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
[実施例4]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
表示基板として30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板を準備し、ガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、第1の表示電極を形成した。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210;昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.5μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、前記構造式(2)で表される化合物を1wt%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、第1のエレクトロクロミック層を形成した。
更に、第1のエレクトロクロミック層を形成した表面に、過塩素酸クロライド(電解質)をポリエチレングリコール(分子量:200)に10wt%溶解した溶液と炭酸プロピレンとウレタンペースト(DIC社製、HW140SF)を1対34対1で混合した溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で5分間アニール処理を行うことによって電解質を含有するポリマー絶縁層を形成した。引続いて、8/2の組成比を有するZnS−SiOを、スパッタ法により約50nmの膜厚になるように成膜することによって、無機絶縁層を形成した。更に、ZnS−SiOからなる無機絶縁層が形成された表面の20mm×20mmの領域に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、第2の表示電極を形成した。
上記のように形成された第2の表示電極における電極端部間のシート抵抗の測定を行った結果、電極端部間のシート抵抗は約200Ωであった。
次に、上記第2の表示電極までが形成されたガラス基板上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210;昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.5μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、前記構造式(3)で表される化合物を1wt%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタンナノ粒子に担持(吸着)させて、第2のエレクトロクロミック層を形成した。この表示部について、第1の表示電極と第2の表示電極間の抵抗測定を行った結果、40MΩ以上であり良好な絶縁特性であった。
更に、第2のエレクトロクロミック層を形成した表面に、過塩素酸クロライド(電解質)をポリエチレングリコール(分子量:200)に10wt%溶解した溶液と炭酸プロピレンとウレタンペースト(DIC社製、HW140SF)を1対34対1で混合した溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で5分間アニール処理を行うことによって電解質を含有するポリマー絶縁層を形成した。引続いて、8/2の組成比を有するZnS−SiOを、スパッタ法により約50nmの膜厚になるように成膜することによって、無機絶縁層を形成した。更に、ZnS−SiOからなる無機絶縁層が形成された表面の15mm×15mmの領域に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、第3の表示電極を形成した。
上記のように形成された第3の表示電極における電極端部間のシート抵抗の測定を行った。その結果、電極端部間のシート抵抗は約200Ωであった。
次に、このように第2の表示電極までが形成されたガラス基板上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210;昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.5μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、前記構造式(2)で表される化合物を1wt%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタンナノ粒子に担持(吸着)させて、第3のエレクトロクロミック層を形成した。この表示部について、第2の表示電極と第3の表示電極間の抵抗測定を行った結果は40MΩ以上であり、良好な絶縁特性であった。
次に、実施例1と同様にこの表面に白色遮蔽層を形成し、対極基板と重ねて電解質層をUV硬化し、貼り合わせて図3に示した表示装置30の構成と同様の本発明のエレクトロクロミック表示装置(実施例4)を作成した。
<発消色試験>
表示装置(実施例4)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
同様に表示電極11bに負極を、対向電極12aに正極を接続し、2.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い緑色に発色した。次に、表示電極11bに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、2.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
同様に 表示装置(実施例4)の表示電極11cに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11cに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。また、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
この表示装置(実施例4)の消色状態の白反射率を分光測色計LCD−5000(大塚電子社製)を用いて、表示基板側から測定したところ、45%であった。
更に、表示装置(実施例4)を60℃の環境に24時間放置した後、発消色評価を実施した。それぞれの表示電極(11a、11b、11c)に3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置しても、エレクトロクロミック層13a、13b、13cでは、それぞれの発色パターン状態が保持されたことから、画像保持特性に優れることが確認された。
[比較例1]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
実施例1において、光遮蔽層を形成しないこと以外は実施例1と同様にして、図2に示した構成と類似のエレクトロクロミック表示装置(比較例1)を作成した。
この表示装置(比較例1)は電解質層をUV光照射硬化して貼り合わせることによって、エレクトロクロミック層全体が青色に発色してしまった。
<発消色試験>
表示装置(比較例1)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従いUV硬化時に発色した部分が消色した。しかし、対極にITOが設けられていない領域のエレクトロクロミック層では消色することができなくなった。
[比較例2]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
表示基板として30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板を準備し、ガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、第1の表示電極を形成した。次に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210;昭和タイタニウム社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、約1.5μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。続いて、エレクトロクロミック化合物として、前記構造式(2)で表される化合物を1wt%含有する2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、第1のエレクトロクロミック層を形成した。
次に、30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板に対向電極として2mm×20mmの矩形ITOパターン膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜した対向基板を作成し、表示基板上に設けたエレクトロクロミック層と対向電極が相対する(内側になる)ように50μmのスペーサーではり合わせ、スペーサー空間に電解質として過塩素酸リチウム、溶媒として炭酸プロピレンを1.4対8で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を50wt%添加した分散液ペーストを注入し、図2に示した構成と類似のエレクトロクロミック表示装置(比較例2)を作成した。
<発消色試験>
表示装置(比較例2)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。しかし、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置すると、発色パターンが拡散するとともに消色した。
[比較例3]
〔エレクトロクロミック表示装置の作成〕
実施例4と同様に、表示基板上に、順次第1の表示電極(11a)・第1のエレクトロクロミック層、第2の表示電極(11b)・第2のエレクトロクロミック層、第3の表示電極(11c)・第3のエレクトロクロミック層を形成した。次いで、30mm×30mmで厚さ1mmのガラス基板に対向電極として2mm×20mmの矩形ITOパターン膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜した対向基板を作成した。表示基板上に設けたエレクトロクロミック層と対向基板の対向電極が相対する(内側になる)ように50μmのスペーサーではり合わせ、スペーサー空間に電解質として過塩素酸リチウム、溶媒として炭酸プロピレンを1.4対8で混合した溶液に白色酸化チタン粒子(商品名:CR50;石原産業株式会社製、平均粒子径:約250nm)を50wt%添加した分散液ペーストを注入し、図3に示した構成と類似のエレクトロクロミック表示装置(比較例3)を作成した。
<発消色試験>
表示装置(比較例3)の表示電極11aに負極を、対向電極12aに正極を接続し、3.0Vの電圧を2秒間印加したところ、対極のITOパターン形状に従い青色に発色した。次に、表示電極11aに−3.0Vの電圧を4秒間印加したところ、完全に消色し、白色に戻った。しかし、3.0Vの電圧を2秒間印加した後、電圧を印加せずに10分放置すると、発色パターンが拡散するとともに消色した。表示電極11b、11cにおいても同様の結果が得られた。
更に、表示装置(比較例3)を60℃の環境に24時間放置したところ、エレクトロクロミック層が剥離し、発消色できなくなった。
以上の結果から、本発明のエレクトロクロミック表示装置は、低温でしかも短時間で製造でき、また、エレクトロクロミック層と電解質層との間に光遮蔽層が設けられた構成により、エレクトロクロミック層にダメージ(変質や劣化等)を与えることなく硬化された光硬化樹脂によって電解質層が固体化されるため、電解液の漏れや揮発がなく、素子強度が高く、低電圧印加により発色/消色(発消色)が可能であり、白反射率も高くでき、画像保持特性に優れる。
本発明のエレクトロクロミック表示装置は、発色パターンの維持が持続でき、高いコントラストが得られるため、書き換えが可能なペーパーライクな装置技術として有用であり、表示品質、表示動作時の消費電力等の点で優れた画像表示装置を提供することができる。
10、20、30 表示装置
11 表示基板
11a、11b、11c 表示電極
12 対向基板
12a 対向電極
13、13a、13b、13c エレクトロクロミック層
14 電解質層
15 光遮蔽層
16 スペーサ
17 白色粒子
特表2001−510590号公報(特許第3955641号公報) 特開昭63‐94501号公報 特開2008‐304906号公報 特開2003−270671号公報

Claims (8)

  1. 対向配置された透明基板上の表示電極と光透過可能な基板上の対向電極との間に少なくとも光硬化樹脂を含有する電解質層が挟持され、前記表示電極の対向電極側の面に接してエレクトロクロミック層を有し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加により該エレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたエレクトロクロミック表示装置であって、
    前記エレクトロクロミック層と前記電解質層との間に光遮蔽層が設けられ
    前記電解質層に白色顔料粒子が分散されていることを特徴とするエレクトロクロミック表示装置。
  2. 前記光硬化樹脂が前記光透過可能な基板側からの光照射により硬化されて前記電解質層を固体化したことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  3. 前記光遮蔽層が白色反射機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  4. 前記光遮蔽層が白色顔料粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  5. 前記エレクトロクロミック層がナノ構造半導体材料に担持したエレクトロクロミック化合物からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  6. 前記対向電極に対して、互いに隔離されて積層された複数の表示電極が対向配置され、前記複数の表示電極に接してエレクトロクロミック層を有すると共に、前記複数のエレクトロクロミック層に対して前記電解質層から電解質が浸透し、前記表示電極と前記対向電極への電圧印加によりそれぞれのエレクトロクロミック層の発色/消色が可能とされたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示装置。
  7. 前記複数の表示電極のそれぞれにおいて、隣接する表示電極間の電気抵抗が、それぞれの表示電極の電気抵抗より大きいことを特徴とする請求項に記載のエレクトロクロミック表示装置。
  8. 前記互いに隔離された複数の表示電極の隣接する各電極間に絶縁層が設けられ、該絶縁層が各電極間の対向電極側に配置された表示電極に接して設けられたことを特徴とする請求項またはに記載のエレクトロクロミック表示装置。
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