JP2007199313A - エレクトロクロミックミラー及びその製造方法 - Google Patents

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貴裕 石崎
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Masaharu Hattori
正治 服部
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Abstract

【課題】従来より単純な構成で製造コスト低減を実現しつつ迅速な発色/消色応答性を有するエレクトロクロミックミラーの提供。
【解決手段】本発明により提供される好適なエレクトロクロミックミラー10は、透明基板12と、その基板12の内側表面に配置されるエレクトロクロミック層14と、そのエレクトロクロミック層14に接して配置される少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層16と、エレクトロクロミック層14にカチオンを供給可能な電解質層18と、少なくとも電解質層18を挟んで導電性光反射層16と対向する電極層20とを備え、エレクトロクロミック層14はゾルゲル法により多孔質構造に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧の印加によって可逆的に反射率が変化し得る反射型エレクトロクロミック素子即ちエレクトロクロミックミラーと、その製造方法に関する。
電圧の印加によって電気的酸化還元反応を起こして色が変化するエレクトロクロミック材料の主要な用途の一つとして反射型エレクトロクロミック素子即ちエレクトロクロミックミラーがある。例えば、自動車等の車両に装備される後方又は側方確認用ミラーとしてエレクトロクロミックミラーが好適に利用される。エレクトロクロミック材料(薄膜層)を備えたミラーによれば、外部から電圧を印加することによってミラー(エレクトロクロミック薄膜)の色調を変化させ、光の反射率を調節することができる。このような反射率の調節によって、例えば後続車両の光による眩しさを自在に抑制し得る防眩ミラーを実現することができる。例えば、下記の特許文献1及び2には、様々な構成のエレクトロクロミックミラーが記載されている。
しかしながら、下記特許文献に記載されるような従来のエレクトロクロミックミラーは、ミラーの基材に相当する透明ガラス基板上に、WO3等のエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層、該エレクトロクロミック層に水素イオン(プロトン)やリチウムイオンのようなカチオンを供給するための電解質層、該エレクトロクロミック層や電解質層に電圧を印加するための一対の電極層、光を反射するための反射層、等の機能の異なる多数の層が形成された複雑な構成である。このため、エレクトロクロミックミラーの製造プロセスは繁雑であった。また、従来のエレクトロクロミックミラーを構成する材料には比較的高価なものが多い(例えば透明電極を構成し得るインジウム錫酸化物:ITO)。このような複雑な構成と高価な材料の使用は、エレクトロクロミックミラーの製造コストを引き上げる要因であった。
米国特許第3,844,636号明細書 米国特許第6,074,066号明細書
本発明は、エレクトロクロミックミラーの製造に係る上記従来の問題点を解決すべく創出されたものであり、エレクトロクロミックミラーに要求される性能を維持或いは向上させつつ従来より単純な構成で製造コスト低減を実現し得るエレクトロクロミックミラーの提供を目的とする。また、そのようなエレクトロクロミックミラーを好適に製造し得る方法の提供を他の目的とする。
本発明によって提供される一つのエレクトロクロミックミラーは、ミラー表面を構成し外部から光が入射される透明基板と、前記透明基板の内側表面に配置されるエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層と、少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層(好ましくは前記エレクトロクロミック層に接して配置される)と、所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層(好ましくは前記導電性光反射層に接して配置される)と、少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層とを備える。そして、前記エレクトロクロミック層が多孔質構造に形成されていることを特徴とする。
本構成のエレクトロクロミックミラーでは、エレクトロクロミック層が多孔質構造であるため、電圧を印加したとき又は印加しなくなったときのイオンおよび電子の移動がより迅速になる。その結果、エレクトロクロミック層における応答性が向上し、発色・消色をより速やかに行うことができる。従って、本構成のエレクトロクロミックミラーによると、比較的簡単な構成で製造コストを下げ得るとともに迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
また、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの好適な一態様は、ミラー表面を構成し外部から光が入射される透明基板と、前記透明基板の内側表面に配置されるエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層と、前記エレクトロクロミック層に接して配置され少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層と、前記導電性光反射層に接して配置され所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層と、少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層とを備え、ここで前記カチオンとして水素イオンを含み、前記導電性光反射層は、光反射の主体となる金属材料と水素吸収性の金属材料とを含むことを特徴とする。
本構成のエレクトロクロミックミラーでは、一方の電極層(即ち光反射電極層)として機能し得る光反射層に、光反射の主体となる金属材料(アルミニウム、銀、等)に加えて水素吸収性を有する金属材料を含む。このことによって、当該光反射層と対極である前記電極層との間に所定の電圧を印加したときの電解質層とエレクトロクロミック層との間の水素イオン(プロトン)の移動をより迅速に行うことができる。その結果、エレクトロクロミック層における応答性が向上し、発色・消色をより速やかに行うことができる。従って、本構成のエレクトロクロミックミラーによると、比較的簡単な構成で製造コストを下げ得るとともに迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
好ましくは、前記導電性光反射層は前記水素吸収性金属材料としてチタンを含む。これにより、水素イオン(プロトン)の移動をより迅速に行うことができる。
ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの好ましい一態様は、前記エレクトロクロミック層が多孔質構造に形成されており、且つ、前記カチオンが水素イオンであって前記導電性光反射層は光反射の主体となる金属材料と水素吸収性の金属材料(例えばチタン)とを含む。
上述したこれら特徴を備えることにより、比較的簡単な構成でより迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
また、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの他の好ましい一態様は、前記対向する電極層が活性炭を含むカーボン材料により構成されていることを特徴とする。
活性炭を含むカーボン材料により対極の電極(典型的には陽極)が構成されることにより、当該電極の表面積を著しく増大させることができる。このため、電極間の電子の流れがよりスムーズになる。
また、前記カチオンが水素イオンの場合は、活性炭等のカーボン材料が有する水素吸収能により、電圧非印加時におけるエレクトロクロミック層から電解質層への水素イオンの移行を促進することができる。このため、本構成のエレクトロクロミックミラーによると、電圧ロスが低減されるとともに簡単な構成でより迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
また、好ましくは、前記カーボン材料から成る電極層に接して金属層がさらに形成されていることを特徴とする。
カーボン電極の背面側に金属層を設けることによって当該電極層の電気抵抗を下げることができる。これにより、エレクトロクロミック層への電荷注入が促進され、結果、応答性をより速くすることができる。
また、本発明は他の側面として、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーを製造する好適な方法を提供する。
即ち、本発明によって提供される一つのエレクトロクロミックミラー製造方法は、前記ミラー表面を構成する透明基板の内側となる表面にエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層を形成すること、少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層(好ましくは前記エレクトロクロミック層に接して配置される)を形成すること、所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層(好ましくは前記導電性光反射層に接して配置される)を形成すること、および、少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層を形成することを包含する。そして、前記エレクトロクロミック層の形成は、ゾルゲル法に基づいてエレクトロクロミック材料を作製するための液材を調製すること、該液材を前記透明基板表面にコーティングすること、および、ゾルゲル法に基づいて該コーティングされた液材中の成分から多孔質構造のエレクトロクロミック層を形成することを含むことを特徴とする製造方法である。
このような構成の製造方法では、エレクトロクロミック材料作製用液材(即ちゾルゲル液の加水分解後にエレクトロクロミック材料となり得る原料を含む液)を使用したゾルゲル法に基づいてエレクトロクロミック層を形成する。このため、製造コスト上昇の要因になる煩雑な操作を行うことなく上述した多孔質構造(典型的には電子顕微鏡によって表面に多数の細孔やクラックの認められる構造)のエレクトロクロミック層を簡便に形成することができる。
好ましくは、前記カチオンが水素イオンであり、前記導電性光反射層は、光反射の主体となる金属材料と水素吸収性の金属材料とを含む。例えば、前記導電性光反射層が前記水素吸収性金属材料としてチタンを含むことが好ましい。
このような構成により、上述のエレクトロクロミック層における応答性が向上したエレクトロクロミックミラーを製造することができる。
また、ここで開示される方法の好ましい一態様では、前記コーティングされた液材に真空紫外光または低温プラズマ(好ましくは大気圧プラズマ)を照射することを含む。かかる照射処理によって、コーティングされた液材中の成分の加水分解を速やかに行い、所望する多孔質構造エレクトロクロミック層を迅速に形成することができる。
また、ここで開示される方法の好ましい他の一態様では、前記液材が界面活性剤(好ましくは非イオン性界面活性剤)を含む。界面活性剤の存在により、液材中にミセルが形成され、該ミセルの存在によって所望する多孔質構造のエレクトロクロミック層を容易に形成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、本発明の具体的な実施に必要な事柄(例えばエレクトロクロミックミラーの電極層に接続する外部電源の構築や所定形状のガラスその他の基板の成形工程)は、当該分野における技術常識に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示される内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明によって提供されるエレクトロクロミックミラーとしては、上述したミラー表面を構成する透明基板と、エレクトロクロミック層と、導電性光反射層(一方の電極層)と、電解質層と、対極となる電極層とを備え、該エレクトロクロミック層が多孔質構造に形成されておればよく、他の構成、例えばミラーのサイズや形状(平面、曲面等)に特に制限はない。
典型的にはミラーの背面を構成する上記透明基板と同種の材質又は異種の材質からなる基板(以下「背面基板」ともいう。)を備える。そして、当該背面基板と上記透明基板(以下「前面基板」ともいう。)との間に、エレクトロクロミック層、一対の電極層、電解質層が積層されたいわゆるサンドイッチ構造が本発明によって提供されるエレクトロクロミックミラーの典型的な構造である。
例えば、図1に示すようなエレクトロクロミックミラー10が好適である。即ち、一対の前面基板12および背面基板22と、該前面基板12の内側表面に形成・配置されたエレクトロクロミック材料から成る多孔質構造エレクトロクロミック層14と、そのエレクトロクロミック層14に接して形成・配置され少なくとも1種のカチオン(典型的には水素イオン又はリチウムイオン)を透過可能な導電性光反射層16と、その導電性光反射層16に接して形成・配置され所定の電圧が印加された際にエレクトロクロミック層14に前記カチオンを供給可能な電解質層18(液状電解質の場合は電解質周囲に形成されたシール材から成る封止層17を含む)と、前記電解質層18を挟んで前記導電性光反射層16と対向する電極層20(典型的には予め背面電極22の表面に形成される)とを構成要素として成るエレクトロクロミックミラー10は、ここで開示されるシンプルな構造の好適例である。
また、図2に示すようなエレクトロクロミックミラー30もここで開示されるシンプルな構造の一例である。即ち、このミラー30は、一対の前面基板32および背面基板42と、該前面基板32の内側表面に形成・配置された多孔質構造エレクトロクロミック層34と、そのエレクトロクロミック層34に接して形成・配置され少なくとも1種のカチオン(典型的には水素イオン又はリチウムイオン)を透過可能な導電性光反射層36と、その導電性光反射層36に接して形成・配置され所定の電圧が印加された際にエレクトロクロミック層34に前記カチオンを供給可能な電解質層38(電解液の場合は封止層37を含む)と、前記電解質層38を挟んで前記導電性光反射層36と対向する電極層40と、該電極層40と背面基板42の間に配置される金属層45(典型的には金属層45及び電極層40は予め背面基板42上に積層形成される)を構成要素として成る。
前面基板は、ミラーの表面を構成するのに適する透明性(透光性)を有するものであればよく材質に特に制限はない。例えばガラス(無機ガラス)製或いは樹脂製の基板を用いることができる。種々の性状のガラス製透明基板(例えばソーダ石灰ガラス基板)が好適である。
他方、背面基板は、前面基板と同質であってもよく異質であってもよい。ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの背面構成では透明性は要求されないため、種々の材質の基板を使用することができる。ガラス製基板、樹脂製基板、金属製基板を背面基板として使用することができる。
また、エレクトロクロミック層を構成するエレクトロクロミック材料としては、酸化状態で発色し還元状態で消色する酸化発色系エレクトロクロミック材料と、酸化状態で消色し還元状態で発色する還元発色系エレクトロクロミック材料とが挙げられるが、従来のエレクトロクロミックミラーで多用される還元発色系エレクトロクロミック材料である種々の金属酸化物の使用が好ましい。例えば、酸化タングステン(主としてWO3)、酸化モリブデン(主としてMoO3)、酸化ニオブ(主としてNb23)を好適に使用することができる。酸化タングステンが特に好適である。
多孔質構造のエレクトロクロミック層は、ここで開示されるゾルゲル法に基づいて好適に形成することができる。
即ち、加水分解反応後にエレクトロクロミック材料(例えば酸化タングステン)となり得る原料、例えばエレクトロクロミック材料を構成する金属元素を含むハロゲン化物(例えばWCl6)、硝酸塩、アルコキシド、有機酸塩または錯体化合物を含む液材、例えばWCl6を含むアルコール溶液を調製する。このとき、液材中に適量の界面活性剤を含ませることによって、カチオン(水素イオン、リチウムイオンのような移動し易いイオン半径の小さいものが好ましい)の移動に適する多孔質構造のエレクトロクロミック層を容易に形成することができる。例えばTriton(登録商標)シリーズ、Tween(登録商標)シリーズ、Brij(登録商標)シリーズのような市販の非イオン性界面活性剤を使用することにより、液材中にミセルが形成され、該ミセルを鋳型にして多孔質構造のエレクトロクロミック層を容易に形成することができる。
上記液材を基板表面にコーティングする好適な方法としては、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等が挙げられるが、所望する厚みの薄膜を基板上に均質に形成し得るという観点からスピンコーティングが特に好ましい。例えば、ガラス基板上に液材(ゾルゲル液)を滴下し、適当な回転数(例えば1000〜3000rpm)で基板を回転させることによって、厚さが10μm以下、好ましくは1μm以下(例えば100nm〜1000nm)の薄膜状エレクトロクロミック層を形成することができる。
コーティング後、自然乾燥または加熱(例えば300〜500℃で1〜5時間)等により強制的に乾燥させることによって加水分解を進行させることができるが、好ましくは、コーティングされた塗膜に対して真空紫外光(VUV)を照射する。主波長(分光スペクトルにおける最大ピークをいう。)が130〜180nm程度の真空紫外光の照射が好ましい。照射時間は対象物の性状や照射強度に応じて調節すればよく特に限定されない(例えば3〜30分程度)。
或いは、コーティング後、好ましくは、コーティングされた塗膜に対してプラズマを照射する。典型的には、大気圧(低温)プラズマを照射する。例えば、誘電体バリア放電により大気圧で低温のプラズマを発生させるとよい。プラズマ照射時間は対象物の性状や照射強度に応じて調節すればよく特に限定されない(例えば1〜10分程度)。
かかる真空紫外光照射処理或いは大気圧(低温)プラズマ照射処理を行うことによって、塗膜成分の加水分解反応、具体的にはエレクトロクロミック材料(例えば酸化タングステン)となり得る原料(金属アルコキシド等の前駆体)の酸化反応が助長・促進され、さらには上記界面活性剤のような有機成分を分解・除去することができる。
これにより、多孔質構造のエレクトロクロミック材料たる金属酸化物膜(エレクトロクロミック層)を形成することができる。具体的には、電子顕微鏡観察で直径1〜100nm程度の細孔や幅10〜100nm程度、長さ1〜5μm程度のクラック(裂け目)がエレクトロクロミック層の表面全体に亘って均質に認められるような多孔質構造エレクトロクロミック層を形成することができる。例えば、算術平均粗さ(Ra)が3〜10nm程度であって上記のような多孔質構造のエレクトロクロミック層を得ることができる。
ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの一方の電極に相当する導電性光反射層(典型的には陰極)は、導電性と光反射性を備え少なくとも1種のカチオンを透過可能な1種または2種以上の金属から構成される。高い導電性と光反射率を実現する金属材料と高いカチオン透過性を有する材料との複合材料から形成されることが好ましい。
アルミニウムや銀のような光反射率の高い金属材料を主体とし、カチオン透過性(カチオン吸収性)の高い金属材料を含む複合材料から成る光反射層が特に好ましい。例えば、アルミニウムまたは銀を主体とし、水素イオン吸収性の高いチタン、或いは白金、パラジウム等の白金族金属を含む光反射層が好ましい。
このような光反射層は、種々の物理的或いは化学的蒸着法に基づいて作製(成膜)することができる。例えば、所望する金属を含むターゲット材料を用意し、そのターゲットを用いて種々のスパッタリングを行うことによって所望する金属(例えばアルミニウムとチタン)を含む光反射層を基板のエレクトロクロミック層上に形成することができる。
また、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーの対極である電極層も上記光反射層と同様に作製(成膜)することができる。
かかる対極の電極層を陽極として使用する場合、種々のカーボン材料から成るカーボン電極であることが好ましい。特にカーボン材料として活性炭を含むことによって、電極の表面積が増大し、電子(電流)の流れがよりスムーズになり電圧ロスも少なく好ましい。活性炭表面は、水素イオンを容易に発生させ得る触媒の好適な担持場所にもなる。
また、グラファイト等のカーボン材料を含むことによって、当該電極層における水素イオン吸収能を向上させ、電圧の印加を解除した際にエレクトロクロミック層から電解質層への水素イオンの移行を促進することができる。さらに、活性炭やグラファイトとともにカーボンブラックを含むことにより、カーボン電極を構成する主要構成要素(活性炭、グラファイト等)同士の電気的接触度合いを向上させることができる。
このようなカーボン電極は、例えば、数種のカーボン材料(例えば上述した活性炭、グラファイト及びカーボンブラック)を適当なバインダー(例えばカルボキシメチルセルロースのようなセルロース系バインダー)とともに混合し、ドクターブレード法のような周知の方法によって基板(例えば図1に示すような背面基板22)上に塗布し、適当な温度(例えば150〜200℃)で加熱することによって成膜することができる。
なお、図2に示すエレクトロクロミックミラー30のように、予め背面基板42の表面に、アルミニウム、銀、白金族の金属等から成る金属層45をスパッタリング等によって成膜しておき、その表面にカーボン電極を形成してもよい。これにより、カーボン電極の付着強度を高め、導電性能向上を図ることもできる。
また、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーに備えられる電解質層は、従来のエレクトロクロミックミラーに装備されるものと同様の組成であればよく、特に制限はない。例えば、酸化タングステン(WO3)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化ニオブ(Nb23)のような還元発色系エレクトロクロミック材料を採用する場合、電圧印加時にイオン半径の小さい水素イオン、リチウムイオン等のカチオンを導電性光反射層を介してエレクトロクロミック層に供給可能な組成の電解液または固体電解質を好適に使用することができる。水または非水溶媒に水素イオンやリチウムイオン等のイオン半径の小さいカチオンを供給可能な化合物(溶質)を含む電解液を好適に使用することができる。またそのような電解液を含浸する固体状のもの(例えば電解液を含む多孔質ポリマーシート)も電解質層として好適である。
好適な電解液の溶質としては、プロトン放出可能な種々の酸(硫酸、リン酸等)、フッ化リチウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。また、非水溶媒としては、種々のエーテル類、ラクトン類、カーボネート類、等を好適に使用することができる。水素イオンを供給する電解質層を形成する場合、電解液の溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドのようなプロトン放出可能な酸化合物を溶解し得る非プロトン性溶媒が特に好ましい。
上述のような電解液から成る電解質層は、従来の多層構造のエレクトロクロミックミラーと同様の手法で基板上に形成することができる。例えば、予め所定のエレクトロクロミック層、電極層等が形成された前面基板と背面基板との間に所定量の電解液を配置し、その周囲を適当なシール材で封止することによって所定厚さの電解質層を形成することができる。シール材は、エポキシ系樹脂のような従来用いられているものであれば特に制限なく使用し得る。シリコーン系樹脂のように電解液と混合することなく硬化し得る材料の使用が好ましい。
上述したような材料及び製法を適宜選択することによって製造される、典型的には図1及び図2に示すような比較的単純な積層構造のエレクトロクロミックミラー10,30に外部電源(例えば自動車に搭載されるバッテリー等の直流電源)2を図示するように接続する。具体的には、導電性光反射層16,36を外部電源2の陰極側に接続し、電極層(カーボン電極)20,40を外部電源2の陽極側に接続する。かかる電源回路の形成後、電源2に付設されたスイッチ部3の操作によって所定の電圧がエレクトロクロミックミラー10,30に印加される。
そして、電圧が印加された際には、電解質層18,38から所定のカチオン(例えば水素イオン、リチウムイオン)が供給され、エレクトロクロミック層を構成する金属酸化物に当該カチオンと電子とが共挿入されて色調変化が行われる。カチオンがプロトンで金属酸化物が酸化タングステンである場合は、式:WO3+xH+xe→HxWO3のように右側に反応が進み、エレクトロクロミック層14,34が発色する。このとき、ミラー10に入射された光Lは、発色したエレクトロクロミック層14,34を通過することによって減光され、防眩効果が得られる。
ここで開示されるエレクトロクロミック層14,34は多孔質構造であるため、電圧を印加した場合又は印加を解除した場合の層内におけるカチオン及び電子の移動がより迅速に行われる。また、カチオンが水素イオンである場合は、光反射層16,36がチタン等の水素吸収(吸蔵)性金属材料を含むことにより、水素イオンのより迅速な移動を実現する。
このように、ここで開示されるエレクトロクロミックミラー10,30では、エレクトロクロミック層14,34における応答性が良好であり、発色・消色を速やかに行うことができる。
他方、電圧の印加を解除した場合または逆向きの電圧を印加した場合には、エレクトロクロミック層14,34において上記式の左側に反応が進み消色する。ここで電極(陽極)として上述のカーボン電極層20,40を採用することによって、電圧の印加を解除した場合のカチオン(特に水素イオン)のエレクトロクロミック層14,34から電解質層18,38への移動を迅速に行うことができる。
以上のように、ここで開示されるエレクトロクロミックミラーによると、比較的簡単な構成で製造コストを下げ得るとともに迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
以下、いくつかの実施例により本発明のエレクトロクロミックミラーの製造方法を詳細に説明するが、これら実施例の内容に本発明を限定解釈することを意図していない。
<実施例1>
塩化タングステン2.5gを無水エタノール10gに添加し、密閉ガラス容器内で攪拌した。このときの相対湿度は9.5%であった。これにより、以下の式に示す反応が生じる。すなわち、
WCl6+2.5C25OH→WCl3(OC25)2+0.5CH3CHO+3HCl
この反応によって生じるタングステン(IV)塩化アルコキシドがエレクトロクロミック材料である酸化タングステン(WO3)の前駆体である。
かかる反応が進行した状態のゾルゲル液をスピンコーティングに供した。即ち、透明基板(前面基板)としてサイズ:35×50mm、厚さ:1mmのソーダ石灰ガラス基板の表面に上記ゾルゲル液を250μL滴下し、市販のスピンコーターを使用して2000rpm、10秒のスピンコーティングを行った。これにより、厚さ約250nmの塗膜を基板表面に形成した。
コーティングされた塗膜(ゾルゲル液)中では、上記アルコキシドが空気中の湿度によって加水分解され、以下の式に示す反応等が生じる。すなわち、
WCl3(OC25)2+3H2O→HxWO3+3HCl+2C25OH
次に本実施例では、塗膜に対して真空紫外光(VUV)処理を以下のように行った。即ち、大気圧の空気中に基板を配置し、塗膜に対して市販のキセノンエキシマランプを用いて、室温で、該塗膜に対して主波長172nmの真空紫外光を10分間照射した。この処理による酸化反応によって塗膜中のHxWO3をWO3に変換し、厚さ約500nmの本実施例に係るエレクトロクロミック層をガラス基板上に形成した。
こうして得られたエレクトロクロミック層の表面構造を電子顕微鏡(SEM)にて観察した。そのSEM画像を図3に示す。この画像から明らかなように、直径1〜100nm程度の細孔や幅10〜100nm程度、長さ1〜5μm程度のクラック(裂け目)が表面全体に亘って均質に生じていることが分かる。
次に、上記得られたエレクトロクロミック層に接して導電性光反射層を形成した。即ち、アルミニウム97質量%とチタン3質量%から成るターゲット材料を使用し、市販の高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いてスパッタリングを行った。スパッタガスはアルゴン、アルゴンガス導入前のベース圧力6.5×10-4Pa、アルゴンガス導入後の成膜圧力1Paとし、高周波出力:150Wでスパッタリングを行った。
かかるスパッタ処理によって、厚さ約50nmの導電性光反射層を形成した。
その一方、上記前面基板と同じガラス基板を背面基板としても採用し、その表面にカーボン電極層を形成した。
即ち、グラファイト42質量%、カーボンブラック18質量%、活性炭30質量%及びセルロース系バインダー10質量%から成るカーボン材料を適量の水と混合し、得られた混合材料を基板表面にドクターブレード法により塗布した。その後、180℃で1時間加熱し、厚さ約50μmのカーボン電極層を形成した。
こうして得られたカーボン電極層の表面の周縁部にシリコーン系樹脂から成るシール材を塗布し、その内部に電解液を約0.5mmの厚さに塗布した。本実施例に係る電解液は、非プロトン溶媒であるジメチルスルホキシドに濃度100mMとなるようにリン酸を加えたものを使用した。
次いで、エレクトロクロミック層及び光反射電極層を備える前面基板を重ね合わせ、上記シール材で封止することによって本実施例に係るエレクトロクロミックミラーを得た。
<実施例2>
本実施例では、典型的な非イオン性界面活性剤を使用してエレクトロクロミック作製用ゾルゲル液を調製した。
即ち、塩化タングステン2.5gとともにBrij(登録商標)58(ポリオキシエチレンセチルエーテル)0.5g(約3.5mM)を無水エタノール10gに添加し、密閉ガラス容器内で攪拌した。このときの相対湿度は9.5%であった。
その後、実施例1と同様のスピンコーティングを行い、ゾルゲル法に基づいて本実施例に係る厚さ500nmのエレクトロクロミック層をガラス基板上に形成した。
こうして得られたエレクトロクロミック層の表面構造を電子顕微鏡(SEM)にて観察した。そのSEM画像を図4に示す。この画像から明らかなように、直径1〜200nm程度の細孔や幅10〜100nm程度、長さ1〜5μm程度のクラック(裂け目)が実施例1の場合よりも多く且つ表面全体に亘って均質に生じていることが分かる。このように、界面活性剤を使用することにより、多孔質構造エレクトロクロミック層を好適に作製することができる。
その後、実施例1と同様の処理を行い、本実施例に係るエレクトロクロミックミラーを得た。
<実施例3>
本実施例では、実施例2と同様にスピンコーティングを行い、厚さ約250nmの塗膜をガラス基板表面に形成した後、VUV処理に代えて誘電体バリア放電による大気圧プラズマ照射処理を行った。
即ち、接地電極であるITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)電極の表面に、上記塗膜を上面にして基板を配置した。そして、本体が銅製であり表面がアルミナ(Al23)で被覆されている誘電体付き放電用電極を基板との間隔が0.5mmになるように基板上方に配置した。さらに当該電極を商用交流電源(100V、60Hz)及びトランスに接続した。そして60Hzで6kVの交流電圧を印加し、当該電極と基板の間で誘電体バリア放電を発生させ、当該放電域の雰囲気中に大気圧(低温)プラズマを生じさせた。かかるプラズマ照射処理を3分間行った。この処理による酸化反応によって塗膜中のHxWO3をWO3に変換し、厚さ約500nmの本実施例に係るエレクトロクロミック層をガラス基板上に形成した。
こうして得られたエレクトロクロミック層の表面構造を電子顕微鏡(SEM)にて観察した。そのSEM画像を図5に示す。この画像から明らかなように、VUV処理に代えて低温プラズマ処理を行った場合にも、細孔やクラックが表面全体に亘って均質に生じているエレクトロクロミック層を好適に作製し得ることが分かる。
その後、実施例1と同様の処理を行い、本実施例に係るエレクトロクロミックミラーを得た。
<実施例4>
上記得られた3種のエレクトロクロミックミラーのうち、実施例3のエレクトロクロミックミラーを用いて電圧を印加した際と印加を解除した際のエレクトロクロミック時間応答性について調べた。
即ち、作製したエレクトロクロミックミラー(防眩ミラー)の導電性光反射層を外部直流電源の陰極側に接続し、カーボン電極層を陽極側に接続した。
接続して(即ち測定開始から)5秒後、1.2Vまたは2.4Vの電圧を所定時間だけ印加し、エレクトロクロミックミラーの反射率(Reflectance)を調べた。
電圧印加の条件は、(1).接続5秒後から2.4V印加し、20秒間の印加後に電圧印加を解除、(2).接続5秒後から2.4V印加し、55秒間の印加後に電圧印加を解除、(3).接続5秒後から1.2V印加し、55秒間の印加後に電圧印加を解除、(4).接続5秒後から2.4V印加し、30秒間の印加後に電圧印加を解除、の4通りとした。電圧印加解除後は即座に回路を短絡させた。
光反射率(a.u.)は以下のように測定した。即ち、ダブルビーム分光光度計(島津製作所社製 UV-3101PC)を用いた。具体的には、参照系と試料系を並列に設置して、参照系と試料系の発光部から同じ強度の入射光を発し、それぞれの系を通過した光を受光部で感知して、その強度比から透過率を算出した。また、反射率測定のときも同様に、参照ミラーと試料で反射した光をそれぞれ受光部で感知して、その強度比から反射率を算出した。測定波長範囲は300nm〜800nm、サンプリングステップは0.5。本実施例では、測定波長600nm、サンプリング間隔を0.2秒として測定を行った。
測定結果を図6に示す。図6(A)は、電圧の印加パターンを示すチャートであり、上から上記(1)、(2)、(3)及び(4)の条件を示す。図6(B)は、各電圧印加条件における反射率(a.u.)の変化を示したグラフである。
グラフに示す結果から明らかなように、本実施例に係るエレクトロクロミックミラーは電圧の印加に応じて迅速な発色/消色応答性を実現することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、本願発明の範囲を限定するものではない。以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明のエレクトロクロミックミラーの積層構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のエレクトロクロミックミラーの積層構造の一例を模式的に示す断面図である。 実施例1で作製されたエレクトロクロミック層の多孔質構造を示すSEM写真である。 実施例2で作製されたエレクトロクロミック層の多孔質構造を示すSEM写真である。 実施例3で作製されたエレクトロクロミック層の多孔質構造を示すSEM写真である。 一実施例で得られたエレクトロクロミックミラーのエレクトロクロミック反応の時間応答性を示すグラフである。(A)は、電圧印加のタイムコースを示しており、横軸は時間(秒)、縦軸は電圧(V)である。(B)は、光反射率の測定結果を示しており、横軸は時間(秒)、縦軸は反射率(a.u.)である。
符号の説明
L 光線
2 外部電源
3 スイッチ部
10,30 エレクトロクロミックミラー
12,32 透明基板(前面基板)
14,34 エレクトロクロミック層
16,36 光反射層
17,37 封止層
18,38 電解質層(電解液)
20,40 電極層(カーボン電極)
22,42 背面基板
45 金属層

Claims (10)

  1. ミラー表面を構成し外部から光が入射される透明基板と、
    前記透明基板の内側表面に配置されるエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層と、
    少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層と、
    所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層と、
    少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層と、
    を備え、
    前記エレクトロクロミック層が多孔質構造に形成されている、エレクトロクロミックミラー。
  2. ミラー表面を構成し外部から光が入射される透明基板と、
    前記透明基板の内側表面に配置されるエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層と、
    前記エレクトロクロミック層に接して配置され、少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層と、
    前記導電性光反射層に接して配置され、所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層と、
    少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層と、
    を備え、
    ここで前記カチオンとして水素イオンを含み、前記導電性光反射層は光反射の主体となる金属材料と水素吸収性の金属材料とを含む、エレクトロクロミックミラー。
  3. 前記導電性光反射層は前記水素吸収性金属材料としてチタンを含む、請求項2に記載のエレクトロクロミックミラー。
  4. 前記対向する電極層が活性炭を含むカーボン材料により構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミックミラー。
  5. 前記カーボン材料から成る電極層に接して金属層がさらに形成されている、請求項4に記載のエレクトロクロミックミラー。
  6. エレクトロクロミックミラーの製造方法であって、
    前記ミラー表面を構成する透明基板の内側となる表面にエレクトロクロミック材料から成るエレクトロクロミック層を形成すること、
    少なくとも1種のカチオンを透過可能な導電性光反射層を形成すること、
    所定の電圧が印加された際に前記エレクトロクロミック層に前記カチオンを供給可能な電解質層を形成すること、
    少なくとも前記電解質層を挟んで前記導電性光反射層と対向する電極層を形成すること、を包含し、
    ここで前記エレクトロクロミック層の形成は、ゾルゲル法に基づいてエレクトロクロミック材料を作製するための液材を調製すること、該液材を前記透明基板表面にコーティングすること、および、ゾルゲル法に基づいて該コーティングされた液材中の成分から多孔質構造のエレクトロクロミック層を形成することを含む、エレクトロクロミックミラーの製造方法。
  7. 前記カチオンが水素イオンであり、
    前記導電性光反射層は、光反射の主体となる金属材料と水素吸収性の金属材料とを含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記導電性光反射層は、前記水素吸収性金属材料としてチタンを含む、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記コーティングされた液材に真空紫外光または低温プラズマを照射することを含む、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記液材は、界面活性剤を含む、請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
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