JPWO2003103085A1 - 光電変換素子 - Google Patents

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聡一 内田
小林 正明
正明 小林
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禎範 錦谷
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Abstract

透明導電性基板上に形成された半導体層、電解質層、および対向電極から少なくとも構成される光電変換素子において、対向電極として、基板上に形成された導電性カーボン層を用いることで、性能に優れ、かつ容易に製造される光電変換素子が提供される。

Description

[技術分野]
本発明は、太陽電池などの光発電用途に好適な光電変換素子に関する。
[背景技術]
色素増感型太陽電池などの、いわゆる湿式太陽電池などの光電変換素子は、一方に感光層側の作用電極、他方に対向電極を有し、その電極間に電解質を蓄えた構造を有する。このような光発電素子においては、対向電極は酸化還元反応を速やかに進行させるために必須の材料であるが、金属は電解質に腐食される点で難点がある。また、SnO:Fガラスなどの透明酸化物導電膜付きガラスなどが一般に用いられるが、そのような材料を用いた場合には、レドックス反応の活性化エネルギーを引き下げるために表面に白金等の触媒活性を示す貴金属を付着させるなどする必要がある。しかし、白金等の触媒活性を示す貴金属などを付着させるためには、真空蒸着やスパッタリング等の操作が必要であり、大がかりな装置を用いなければならず、製造効率や歩留まりなど工業的に解決すべき課題が多い。
一方、これらと異なるタイプの光電変換素子用対向電極として、多孔質活性炭を用いることが提案されている(H.Pettersson,T.Gruszecki,Solar Energy Mater.Solar Cells,vol.70,pp 203(2001).)。これらの方法は、作用電極と対向電極の間に多孔質層を別途設ける必要があり、また、電解液を染み込ませた状態で封止しなければならないなど、素子作製上の制約があった。また導電性微粒子とカーボン材料を混合し、圧力をかけて対向電極を作製する方法が提案されているが、この方法では、光電変換効率が低いものであった(H.Lindstrom,A.Holmberg,E.Magnusson,S.−E.Lindquist,L.Malmqvist,A.Hagfeldt,Nano Lett.,vol 1,pp 97(2001).)。
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、新規な対向電極を用いることで、性能に優れ、かつ容易に製造される光電変換素子を提供することを目的とする。
[発明の開示]
本発明者らは上記のような従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基板および該基板上に形成された導電性カーボン層からなる対向電極を有することを特徴とする光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記基板が導電性基板であることを特徴とする光電変換素子に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の対向電極は、基板および該基板上に形成された導電性カーボン層から構成される。
基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができる。基板には導電性があっても無くてもよく、金、白金などの金属のほか、例えば無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる。また、無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良い。これらの樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。また、基板に導電性を付与するために、表面には、例えば金、銀、クロム、銅、タングステンなどの金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜を配しても良い。金属酸化物としては、例えば、錫や亜鉛などの金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用いられる。
導電膜としては、通常10nm〜10μm、好ましくは100nm〜2μmの膜厚であり、また、表面抵抗(抵抗率)は、通常、0.5〜500Ω/sq、好ましくは2〜50Ω/sqである。これらの導電膜は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、電子ビーム真空蒸着法、スパッタリング法等の公知の方法で基板上に作製することができる。
前記基板上に形成される導電性カーボン層としては、導電性カーボン層が前記基板上または前記基板上の導電膜上に配置されていれば良く、その配置様式は特に制限されることはないが、基板の全面、基板の一部、例えば、網目状、ストライプ状などに配置する方法を挙げることもできる。
基板の一部に導電性カーボン層を配置する場合は、基板として導電性のものを用いることが望ましく、また、この場合において、基板に対する導電性カーボン層の被覆率(面積割合)は、特に限定されないが、導電性カーボン層の効果を十分に発揮する観点から、50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であることが望ましい。また、前記ストライプの形状、網目の形状も特に制限されず、通常直線、曲線を使用した種々の形状が可能である。線の太さ、網目の大きさは特に制限されず、導電性材料の種類等に応じて適宜選択できる。好ましい線の幅としては、1μm〜10mm、特に好ましくは2μm〜5mm程度であり、間隔は通常1μm〜10cm、好ましくは2μm〜5cm程度が望ましい。
導電性カーボン層の厚さとしては、通常1μm〜1mm、好ましくは2μm〜0.5mmであることが望ましい。
導電性カーボン層の導電性(電気伝導度)は、通常200Ω/sq以下、好ましくは20Ω/sq以下程度である。
導電性カーボン層を構成する導電性カーボン材料としては、本発明に適する導電性を有するものであれば、特に制限されることは無いが、例えば、黒鉛やグラファイト、ガラス状カーボン、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボン繊維、活性炭、石油コークス、C60やC70などのフラーレン類、単層または多重層のカーボンナノチューブなどを挙げることができ、好ましくは黒鉛、カーボン繊維などが挙げられる。なお、導電性カーボン材料の形状としては、最終的にカーボン層を形成するものであれば、特に限定されなく、原料形状としては、粉末、短繊維、長繊維、織布、不織布などいずれの形態でもよい。
粉末を用いる場合は、適度な比表面積を有するものが良い。好ましくは100〜2000m/g程度であって、さらに好ましくは、300〜1000m/g程度である。また、平均粒子径としては、5〜1000nm程度、好ましくは8〜200nm程度が望ましい。
本発明における導電性カーボン層は、前記導電性カーボン材料のみから構成されていてもよいが、本願発明の目的を損なわない限り、他の任意成分を含有しても良い。
例えば、カーボン粉末、短繊維、長繊維などの原料物質間の導電性を向上させるためにバインダー等も好ましく使用される。該バインダーとしては硬化後に電解質に対して不活性で電解しないものであれば特に制限されず、例えば、高分子固体電解質、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフロロエチレン、ポリスチロール、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン又はこれらの誘導体あるいは混合物などが用いられる。これらのバインダーを使用する場合の混合比は、導電性カーボン材料/バインダー(質量比)で通常10/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/20の範囲が望ましい。
また、他の任意成分としては、電解質に腐食されない特性を有する金属微粒子やITO、FTO、AZOなどの導電性酸化物半導体などを挙げることができる。
前記導電性カーボン層の形成方法としては特に制限されなく、公知の方法を採用することができる。例えば、バインダーを使用する場合、一般的には、前記導電性カーボン材料およびバインダーを混合してペースト状とし基板表面にスクリーン印刷、平板印刷、グラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、特殊印刷する方法、基板上にあらかじめ溝を形成しておき、該溝に導電性材料およびバインダーを混合したペーストを充填した後、へら等で余剰のペーストを除去する方法等により製造することができる。ペーストを基板表面に配置した後、加熱等によって導電性や密着性を向上させても良い。加熱には、オーブンやマッフル炉、電気炉の他、赤外線加熱等を利用しても良い。焼成温度は、用いるペーストおよび基板材料によって異なるが、好ましくは50℃〜700℃、より好ましくは100℃〜600℃、さらに好ましくは200℃〜500℃である。また、必要に応じて窒素雰囲気下で焼成を行っても良い。また、別法として、導電性カーボン材料からなる箔膜や織布や不織布、フェルト、紙状に整形した材料等を基板上に積層する方法も挙げられる。
本発明の光電変換素子は、このようにして得られた対向電極を用いることを特徴とするが、かかる素子は、基本的には、透明導電性基板、および該基板上に形成された光電変換層(半導体層)、および対向電極からなり、光電変換層と対向基板は直接接していてもよいが、通常両者の間に電解質層が配置される。これらの光電変換素子としては、例えば、図1のような構造を有するものを挙げることができる。
前記電解質としては、特に限定されなく、液体系でも固体系でもいずれでもよく、可逆な電気化学的酸化還元特性を示すものが望ましい。
電解質としては、イオン伝導度が、通常室温で1×10−7S/cm以上、好ましくは1×10−6S/cm以上、さらに好ましくは1×10−5S/cm以上であるものが望ましい。なお、イオン伝導度は、複素インピーダンス法などの一般的な手法で求めることができる。
また、本発明における電解質は、酸化体の拡散係数が1×10−9cm/s以上、好ましくは1×10−8cm/s以上、さらに好ましくは1×10−7cm/s以上を示すものが望ましい。なお、拡散係数は、イオン伝導性を示す一指標であり、定電位電流特性測定、サイクリックボルタモグラム測定などの一般的な手法で求めることができる。
電解質層の厚さは、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、また3mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以下である。
液体系の電解質としては特に限定されるものではなく、通常、溶媒、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(溶媒に可溶なもの)およびさらに必要に応じて支持電解質を基本的成分として構成される。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質は、通常、いわゆるレドックス材と称されるものであるが、特にその種類を制限するものではない。かかる物質としては、例えば、フェロセン、p−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、テトラチアフルバレン、チアントラセン、p−トルイルアミン等を挙げることができる。また、LiI、NaI、KI、CsI、CaI、4級イミダゾリウムのヨウ素塩、テトラアルキルアンモニウムのヨウ素塩、BrとLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物などが挙げられ、また、Brとテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ビピリジニウムブロマイド、臭素塩、フェロシアン酸−フェリシアン酸塩などの錯塩、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ヒドロキノン−キノン、ビオロゲン色素などを挙げることができる。
レドックス材は、酸化体、還元体のどちらか一方のみを用いてもよいし、酸化体と還元体を適当なモル比で混合し、添加することもできる。また、電気化学的応答性を示すように、これら酸化還元対を添加するなどしても良い。そのような性質を示す材料としては、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するフェロセニウムなどのメタロセニウム塩などのほか、ヨウ素、臭素、塩素などのハロゲン類を用いることもできる。
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質としては、ハロゲンイオンおよびSCNから選ばれる対アニオン(X)を有する塩が挙げられる。具体的には、(CH、(C、(n−C、さらには、
Figure 2003103085
等の4級アンモニウム塩、(CH、(C、(C、(C等のホスホニウム塩が挙げられる。
もちろん、これらの混合物も好適に用いることができる。
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質として、レドックス性常温溶融塩類も用いることができる。ここで、レドックス性常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものであって、かつ可逆的な電気化学的酸化還元反応を行うことができるものである。
レドックス性常温溶融塩はその1種を単独で使用することができ、また2種以上を混合しても使用することもできる。
レドックス性常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2003103085
(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましくは2〜10のアルキル基を示す。Xは対アニオンを示し、具体的にはハロゲンイオンまたはSCNなどを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R1およびR2は各々炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、Xは対アニオンを示し、具体的にはハロゲンイオンまたはSCNなどを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R、R、R、Rは、各々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異なってもよい。また、Xは対アニオンを示し、具体的にはハロゲンイオンまたはSCNなど示す。)
可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質の使用量は、溶媒に溶解する限りにおいては、特に限定されるものではないが、通常溶媒に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは3質量%〜30質量%であることが望ましい。
また、必要に応じて加えられる支持電解質としては、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類、常温溶融塩類が使用できる。
塩類としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウム塩;環状4級アンモニウム塩;4級ホスホニウム塩などが使用でき、特にLi塩が好ましい。
塩類の具体例としては、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するLi塩、Na塩、あるいはK塩が挙げられる。
また、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有する4級アンモニウム塩、具体的には、(CHNBF、(CNBF、(n−CNBF、(CNBr、(CNClO、(n−CNClO、CH(CNBF、(CH(CNBF、(CHNSOCF、(CNSOCF、(n−CNSOCF、さらには、
Figure 2003103085
Figure 2003103085
等が挙げられる。また、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを有するホスホニウム塩、具体的には、(CHPBF、(CPBF、(CPBF、(CPBF等が挙げられる。
また、これらの混合物も好適に用いることができる。
酸類も特に限定されず、無機酸、有機酸などが使用でき、具体的には硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類などが使用できる。
アルカリ類も特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがいずれも使用可能である。
常温溶融塩類も特に限定されることは無いが、本発明における常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示す。
常温溶融塩はその1種を単独で使用することができ、また2種以上を混合しても使用することもできる。
常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2003103085
(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましくは2〜10のアルキル基を示す。XはClO 、BF 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを表す。)
Figure 2003103085
(ここで、R1およびR2は各々炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、XはClO 、BF 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを表す。)
Figure 2003103085
(ここで、R、R、R、Rは、各々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異なってもよい。また、XはClO 、BF 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSOから選ばれる対アニオンを表す。)
以上の支持電解質の使用量については特に制限はなく、任意であるが、通常、電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させることができる。
また、本発明において用いる電解質としては、前記のような液体系でもよいが、全固体化が可能であるとの観点から、高分子固体電解質が特に好ましい。高分子固体電解質としては、特に好ましいものとして、(a)高分子マトリックス(成分(a))に、少なくとも(c)可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(成分(c))を含有し、所望により(b)可塑剤(成分(b))をさらに含有するものが挙げられる。また、これらに加え、所望によりさらに(d)前記した支持電解質や(e)常温溶融塩などの他の任意成分を含有させてもよい。イオン伝導性フィルムとしては、前記成分(b)または、成分(b)と成分(c)、あるいはさらなる任意成分が、高分子マトリックス中に保持されることによって固体状態またはゲル状態が形成される。
本発明において高分子マトリックスとして使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は無く、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、フッ化ビニリデンの単独重合体、あるいはフッ化ビニリデンと他の重合性モノマー、好適にはラジカル重合性モノマーとの共重合体を挙げることができる。フッ化ビニリデンと共重合させる他の重合性モノマー(以下、共重合性モノマーという。)としては、具体的には、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレンなどを例示することができる。
これらの共重合性モノマーは、モノマー全量に対して1〜50mol%、好ましくは1〜25mol%の範囲で使用することができる。
共重合性モノマーとしては、好適にはヘキサフロロプロピレンが用いられる。本発明においては、特にフッ化ビニリデンにヘキサフロロプロピレンを1〜25mol%共重合させたフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を高分子マトリックスとするイオン伝導性フィルムとして好ましく用いることができる。また共重合比の異なる2種類以上のフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して使用しても良い。
また、これらの共重合性モノマーを2種類以上用いてフッ化ビニリデンと共重合させることもできる。例えば、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+テトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン+ヘキサフロロプロピレン+アクリル酸、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+エチレン、フッ化ビニリデン+テトラフロロエチレン+プロピレンなどの組み合わせで共重合させて得られる共重合体を使用することもできる。
さらに、本発明においては高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、ポリアクリル酸系高分子化合物、ポリアクリレート系高分子化合物、ポリメタクリル酸系高分子化合物、ポリメタクリレート系高分子化合物、ポリアクリロニトリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から選ばれる高分子化合物を1種類以上混合して使用することもできる。あるいはポリフッ化ビニリデン系高分子化合物に、上記した高分子化合物のモノマーを2種以上共重合させて得られる共重合体を1種類以上混合して使用することもできる。このときの単独重合体あるいは共重合体の配合割合は、ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物100質量部に対して、通常200質量部以下とすることが好ましい。
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の重量平均分子量は、通常10,000〜2,000,000であり、好ましくは100,000〜1,000,000の範囲のものが好適に使用することができる。
可塑剤(成分(b))は、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質に対する溶媒として作用する。かかる可塑剤としては、一般に電気化学セルや電池において電解質溶媒として使用され得るものであればいずれも使用することができ、具体的には液体系電解質において例示した各種溶媒を挙げることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。
常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2003103085
(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましくは2〜10のアルキル基を示し、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R1およびRは各々炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R、R、R、Rは、各々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異なってもよい。また、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
可塑剤はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
可塑剤(成分(b))の使用量は特に制限はないが、通常、イオン伝導性材料中に20質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、かつ98質量%以下、好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下の量で含有させることができる。
次に、本発明において用いる成分(c)の可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質について説明する。
成分(c)は、前述のような可逆な電気化学的酸化還元反応を行うことができる化合物であって、通常レドックス性材料と称されるものである。
かかる化合物しては、特にその種類を制限するものではないが、たとえば、フェロセン、p−ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、テトラチアフルバレン、アントラセン、p−トルイルアミン等を用いることができる。また、LiI、NaI、KI、CsI、CaI、4級イミダゾリウムのヨウ素塩、テトラアルキルアンモニウムのヨウ素塩、BrとLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物などが挙げられる。
また、Brとテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ビピリジニウムブロマイド、臭素塩、フェロシアン酸−フェリシアン酸塩などの錯塩、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ヒドロキノン−キノン、ビオロゲンなどを用いることができる。レドックス材は、酸化体、還元体のどちらか一方のみを用いてもよいし、酸化体と還元体を適当なモル比で混合し、添加することもできる。
また、特に本発明の成分(c)としては、ハロゲンイオン、SCNから選ばれる対アニオン(X)を有する塩が挙げられる。カチオンとしては、4級アンモニウム塩として、具体的には、(CHNX、(CNX、(n−CNX、さらには、
Figure 2003103085
等が挙げられる。対アニオン(X)を有するホスホニウム塩、具体的には、(CHPX、(CPX、(CPX、(CPX等が挙げられる。
もちろん、これらの混合物も好適に用いることができる。
なお、これらの化合物の場合は、通常成分(b)と併用することが好ましい。
また、成分(c)として、レドックス性常温溶融塩類も用いることができる。ここで、レドックス性常温溶融塩とは、溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している(即ち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものであって、かつ可逆的な電気化学的酸化還元反応を行うことができるものである。成分(c)としてレドックス性常温溶融塩類を用いる場合、成分(b)を併用しなくても、併用してもどちらの形態でもよい。
レドックス性常温溶融塩はその1種を単独で使用することができ、また2種以上を混合しても使用することもできる。
レドックス性常温溶融塩の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2003103085
(ここで、Rは炭素数2〜20、好ましくは2〜10のアルキル基を示し、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R1およびR2は各々炭素数1〜10のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)、または炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキル基(好ましくはベンジル基)を示しており、互いに同一でも異なっても良い。また、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
Figure 2003103085
(ここで、R、R、R、Rは、各々炭素数1以上、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基(フェニル基など)、またはメトキシメチル基などを示し、互いに同一でも異なってもよい。また、XはハロゲンイオンまたはSCNを示す。)
また、可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質(成分(c))の使用量についても特に制限はなく、通常、高分子固体電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させることができる。
成分(c)を成分(b)と併用する場合、成分(c)は、成分(b)に溶解しかつ高分子固体電解質とした際にも析出等が起こらない混合比とすることが望ましく、好ましくは成分(c)/成分(b)が質量比で0.01〜0.5、さらに好ましくは0.03〜0.3の範囲である。
また、成分(a)に対しては、好ましくは成分(a)/(成分(b)+成分(c))質量比が1/20〜1/1、さらに好ましくは1/10〜1/2の範囲であることが望ましい。
高分子固体電解質における支持電解質(成分(d))の使用量については特に制限はなく、任意であるが、通常、高分子固体電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、かつ70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下の量で含有させることができる。
高分子固体電解質には、更に他の成分を含有させることができる。他の成分としては、紫外線吸収剤、アミン化合物などを挙げることができる。用いることができる紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物等の有機紫外線吸収剤が代表的な物として挙げられる。
ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2003103085
一般式(1)において、R81は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。R81の置換位置は、ベンゾトリアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲン原子およびアルキル基は通常4位に位置する。R82は、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。R83は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等を挙げることができ、またアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸オクチルエステル等が挙げられる。
ベンゾフェノン骨格を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(2)〜(4)で示される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2003103085
Figure 2003103085
上記一般式(2)〜(4)において、R92、R93、R95、R96、R98、及びR99は、互いに同一もしくは異なる基であって、ヒドロキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基またはアルコキシ基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、及びシクロヘキシル基を挙げることができる。またアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、及びブトキシ基を挙げることができる。
91、R94、及びR97は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、及びプロピレン基を挙げることができる。アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、及びプロピリデン基が挙げられる。
p1、p2、p3、q1、q2、及びq3は、それぞれ別個に0乃至3の整数を表す。
上記一般式(2)〜(4)で表されるベンゾフェノン骨格を有する化合物の好ましい例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
もちろん、これらを二種以上組み合わせて使用することができる。
紫外線吸収剤の使用は任意であり、また使用する場合の使用量も特に制限されるものではないが、使用する場合は電解質中に0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、20質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲の量で含有させることが望ましい。
本発明のイオン伝導性フィルムに含有させることができるアミン化合物としては、特に限定されず、各種脂肪族アミン、芳香族アミンが用いられるが、例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、キノリン誘導体などが代表的な物として挙げられる。これらのアミン化合物を添加することで、開放電圧の向上が見込まれる。これらの化合物の具体例としては、4−t−ブチル−ピリジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。
次に本発明において電解質はレドックス電解質フィルムとして製造しても良く、以下にその方法について説明する。
なお、これらの高分子固体電解質は、前記成分(a)及び(c)並びに所望により配合される任意成分からなる混合物を、公知の方法によりフィルムに成形することにより得ることが出来る。この場合の成形方法としては特に限定されず、押出し成型、キャスト法によるフィルム状態で得る方法、スピンコート法、ディップコート法や、注入法、含浸法などを挙げることができる。
押出し成型については常法により行うことができ、前記混合物を過熱溶融した後、フィルム成型することが行われる。
キャスト法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、キャスト法に用いられる通常のコータにて塗布し、乾燥することで成膜することができる。コータとしては、ドクタコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、グラビアコータ、スプレイコータ、カーテンコータを用いることができ、粘度および膜厚により使い分けることができる。
スピンコート法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行い、市販のスピンコーターにて塗布し、乾燥することで成膜することができる。
ディップコート法については、前記混合物をさらに適当な希釈剤にて粘度調整を行って混合物溶液を作製し、適当な基盤を混合物溶液より引き上げた後、乾燥することで成膜することができる。
本発明の光電変換素子において、用いられる半導体層としては、特に限定されないが、例えば、Bi、CdS、CdSe、CdTe、CuInS、CuInSe、Fe、GaP、GaAs、InP、Nb、PbS、Si、SnO、TiO、WO、ZnO、ZnS等から成る層が挙げられ、またこれらの層の複数の組み合わせであってもよい。好ましくはCdS、CdSe、CuInS、CuInSe、Fe、GaAs、InP、Nb、PbS、SnO、TiO、WO、ZnOであり、特に好ましくはTiO、ZnO、SnO、Nbであり、最も好ましくはTiO、ZnOから成る層である。
本発明に用いられる半導体は単結晶でも多結晶でも良い。結晶系としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが主に用いられるが、好ましくはアナターゼ型である。半導体層の形成には公知の方法を用いることができる。
半導体層の形成方法としては、上記半導体のナノ粒子分散液、ゾル溶液等を、公知の方法により基板上に塗布することで得ることが出来る。この場合の塗布方法としては特に限定されずキャスト法による薄膜状態で得る方法、スピンコート法、ディップコート法、バーコート法のほか、スクリーン印刷法を初めとした各種の印刷方法を挙げることができる。
半導体層の厚みは任意であるが0.5μm以上、50μm以下、好ましくは1μm以上20μm以下である。
半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、種々の色素を半導体層に吸着や含有させることが出来る。
本発明において用いられる色素としては、半導体層の光吸収効率を向上させる色素であれば、特に制限されるものではなく、通常、各種の金属錯体色素や有機色素の一種または二種以上を用いることができる。また、半導体層への吸着性を付与するために、色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。
金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛の錯体や金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。
本発明において用いられる金属錯体色素としては、以下のようなものが例示される。
Figure 2003103085
ここでXは、一価のアニオンを示すが、2つのXは独立でも、架橋されていていても良い。例えば、次のようなものが例示される。
Figure 2003103085
Figure 2003103085
ここでXは、一価のアニオンを示す。例えば次のようなものが例示される。
Figure 2003103085
Yは一価アニオンであって、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSO等を挙げることができる。
Figure 2003103085
ここでZは、非共有電子対を有する原子団であって、2つのZは独立でも、架橋されていていても良い。例えば、次のようなものが例示される。
Figure 2003103085
Yは一価アニオンであって、ハロゲンイオン、SCN、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSO、(CSO、PF 、AsF 、CHCOO、CH(C)SO 、および(CSO等を挙げることができる。
Figure 2003103085
また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素を用いることができる。
本発明において用いる有機色素としては、以下のようなものが例示される。
Figure 2003103085
Figure 2003103085
色素を半導体層に吸着させる方法としては、溶媒に色素を溶解させた溶液を、半導体層上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。または半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることも出来る。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは1〜30時間、特に好ましくは5〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。好ましくは溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mM/L、好ましくは10〜500mM/L程度である。
用いる溶媒としては、色素を溶解しかつ半導体層を溶解しなければ特に制限されるとはなく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、などのニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。
次に、透明導電性基板について説明する。
透明導電性基板は、通常、透明基板上に透明電極層を積層させて製造される。透明基板としては、特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良い。具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における透明とは、10〜100%の透過率を有することであり、また、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、電極の導電層を形成する透明導電膜としては、本発明の目的を果たすものである限り特に限定されなく、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステンなどの金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化錫や酸化亜鉛に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用いられる。
膜厚は、通常10nm〜10μm、好ましくは100nm〜2μmである。また、表面抵抗(抵抗率)は、本発明の基板の用途により適宜選択されるところであるが、通常、0.5〜500Ω/sq、好ましくは2〜50Ω/sqである。
本発明の光電変換素子の例としては、例えば、図1に示す断面を有する光起電力素子を好ましく挙げることができる。この素子は、透明基板上に半導体層(チタニア層及び色素層)を備えた基板Aと、基板上に導電性カーボン層が形成された導電性対向電極(基板B)を有している。そして、両者の間隙は電解質が満たされ、周辺がシール材で密封されている。また、図示はしていないが、起電力を取り出すために各基板の導電部分にリード線が接続されている。
本発明の光電変換素子を製造する方法は、特に限定されないが、通常、基板A、電解質、基板Bを積層し周辺部を適宜シールし、基板Aと基板Bを所定の間隔において対向させたのち、間隙に電解質を入れるなどの、公知の方法により容易に製造することができる。なお、基板の間隔は、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上であり、上限としては通常1mm、好ましくは0.5mm以下であることが望ましい。
[産業上の利用可能性]
本発明の対向電極を用いることにより、耐久性の良い光電変換素子を、より安価な材料コスト、製造コストで提供することが可能となり、太陽電池用の素子として好適である。
[発明を実施するための最良の形態]
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
(実施例1)
アクリル系熱硬化性樹脂(商品名「アクリディック」:大日本インキ化学工業社製)10gおよびメラミン樹脂(商品名「バンセミン」:ハリマ化成社製)2.2gにグラファイト(商品名「USSP」:日本黒鉛商事社製)12gを加え、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル24gを添加、混合し、導電性ペーストを調整した。
上記導電性ペーストを、5cm角ガラス基板上のほぼ全面にバーコートし、160℃で0.5時間加熱硬化させた。その後、窒素雰囲気下、500℃で3時間焼成し導電性カーボン層を有する対向電極とした。カーボン層の厚さは、50μmであって、得られた対向電極のカーボン層の表面抵抗を測定すると、50Ω/sqであった。
フィルム抵抗値30Ω/sqの5cm角SnO:Fガラス(ガラス基板上にSnO:F膜を形成した透明導電性ガラス)上にSOLARONIX社製Ti−Nanoxide Tをバーコートして乾燥させた。バーコートの際には、膜厚が均一になるよう、透明導電性ガラスのサイド5mmにスコッチテープを貼り付けた。塗布した基板を、500℃で30分焼成した。これを下記式で示されるルテニウム色素/エタノール溶液(3.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板と前記対向電極を合わせ、0.3mol/Lのヨウ化リチウムと0.03mol/Lのヨウ素を含むプロピレンカーボネート溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し、電流電圧特性を測定したところ、図2に示すとおり、良好な光電変換特性を得た。
Figure 2003103085
(実施例2)
アクリル系熱硬化性樹脂(商品名「アクリル−G」:ハニー化成社製)48gおよびメラミン樹脂(商品名「ニカラックSM551」:三和ケミカル社製)10gにケッチェンブラック(商品名「ECP600JD」:三菱化学社製)10gを加え、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル80gを添加、混合し、導電性ペーストを調製した。
上記導電性ペーストを、5cm角ガラス基板上のほぼ全面にバーコートし、160℃で0.5時間加熱硬化させた。その後、窒素雰囲気下、500℃で3時間焼成して導電性カーボン層を有する対向電極とした。カーボン層の厚さは、50μmであって、得られた対向電極のカーボン層の表面抵抗を測定すると、55Ω/sqであった。
次に、フィルム抵抗値30Ω/sqの5cm角SnO:Fガラス(ガラス基板上にSnO:F膜を形成した透明導電性ガラス)上にSOLARONIX社製「Ti−Nanoxide T」をバーコートして乾燥させた。バーコートの際には、膜厚が均一になるよう、透明導電性ガラスのサイド5mmにスコッチテープを貼り付けた。塗布した基板を、500℃で30分焼成した。これをルテニウム色素(商品名「Ruthenium−535−bisTBA」:Solaronix社製)/エタノール溶液(5.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板と前記対向電極を合わせ、0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.5mol/Lのヨウ化1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、0.5mol/Lの4−t−ブチルピリジン、0.05mol/Lのヨウ素を含む3−メトキシプロピオニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し、電流電圧特性を測定したところ、図3に示すとおり、良好な光電変換特性を得た。
(実施例3)
シリコン系熱硬化性樹脂(商品名「RZ−7705」:日本ユニカー社製)48gにケッチェンブラック(商品名「ECP600JD」:三菱化学社製)10gを加え、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル80gを添加、混合し、導電性ペーストを調製した。
上記導電性ペーストを、5cm角ガラス基板上のほぼ全面にバーコートし、160℃で0.5時間加熱硬化させた。その後、窒素雰囲気下、500℃で3時間焼成して導電性カーボン層を有する対向電極とした。カーボン層の厚さは、50μmであって、得られた対向電極のカーボン層の表面抵抗を測定すると、35Ω/sqであった。
次に、フィルム抵抗値30Ω/sqの5cm角SnO:Fガラス(ガラス基板上にSnO:F膜を形成した透明導電性ガラス)上にSOLARONIX社製「Ti−Nanoxide T」をバーコートして乾燥させた。バーコートの際には、膜厚が均一になるよう、透明導電性ガラスのサイド5mmにスコッチテープを貼り付けた。塗布した基板を、500℃で30分焼成した。これをルテニウム色素(商品名「Ruthenium−620−1H−3TBA」:Solaronix社製)/エタノール溶液(5.0×10−4mol/L)に15時間浸し、色素層を形成した。得られた基板と前記対向電極を合わせ、0.1mol/Lのヨウ化リチウム、0.5mol/Lのヨウ化1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、0.5mol/Lの4−t−ブチルピリジン、0.05mol/Lのヨウ素を含む3−メトキシプロピオニトリル溶液を毛細管現象によって染み込ませ、周辺をエポキシ接着剤で封止した。なお、透明導電基板の導電層部分と対向電極にはリード線を接続した。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し、電流電圧特性を測定したところ、図4に示すとおり、良好な光電変換特性を得た。
【図面の簡単な説明】
図1は、光電変換素子の断面の例である。
図2は、実施例1で得られた光電変換素子の電流電圧特性の測定図である。
図3は、実施例2で得られた光電変換素子の電流電圧特性の測定図である。
図4は、実施例3で得られた光電変換素子の電流電圧特性の測定図である。

Claims (5)

  1. 基板および該基板上に形成された導電性カーボン層からなる対向電極を有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 透明導電性基板上に形成された半導体層、電解質層、および基板上に形成された導電性カーボン層から少なくとも構成される光電変換素子。
  3. 前記基板が導電性基板であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の光電変換素子。
  4. 前記電解質層が、高分子固体電解質層であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の光電変換素子。
  5. 前記半導体層が、色素を含有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の光電変換素子。
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