JP2000036331A - 金属酸化物、半導体、光電変換材料用電極及び太陽電池 - Google Patents

金属酸化物、半導体、光電変換材料用電極及び太陽電池

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JP2000036331A
JP2000036331A JP10218609A JP21860998A JP2000036331A JP 2000036331 A JP2000036331 A JP 2000036331A JP 10218609 A JP10218609 A JP 10218609A JP 21860998 A JP21860998 A JP 21860998A JP 2000036331 A JP2000036331 A JP 2000036331A
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oxide
semiconductor
spectral sensitizing
sensitizing dye
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Hiroshi Kita
弘志 北
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Shigeo Maeda
繁男 前田
Tadaaki Yoneda
忠明 米田
Tomoshi Sakata
智志 坂田
Atsushi Asatake
敦 朝武
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた光電変換効率と安定性とを両立する光電
変換材料用半導体を提供することにある。さらに、この
光電変換材料用半導体を用いた太陽電池などの光電変換
材料を提供する。 【解決手段】分光増感色素が化学結合を介して連結され
た多孔質構造の半導体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物、半導
体、光電変換材料用電極及び太陽電池に関し、詳しくは
新規な色素増感型酸化物及びそれを用いた半導体、これ
を用いた光電変換材料用電極、及びその半導体を用いた
太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】光電変換材料とは、電極間の電気化学反
応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する
材料である。光電変換材料に光を照射すると、一方の電
極側で電子が発生し、対電極に移動する。対電極に移動
した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電
極にもどる。すなわち、光電変換材料は光エネルギーを
電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、
たとえば、太陽電池などに利用されている。太陽電池に
はいくつかの種類があるが実用化している大部分はシリ
コン太陽電池である。しかし、最近になって色素増感型
太陽電池が注目され、実用化を目指して研究されてい
る。色素増感型太陽電池は古くから研究されており、そ
の基本構造は、具体的には酸化物半導体、及びそこに吸
着した色素、電解質溶液及び対極からなる。この場合の
光電変換材料は、半導体表面に可視光領域に吸光を持つ
分光増感色素を吸着させたものが用いられている。例え
ば、特開平1−220380号には、金属酸化物半導体
の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素層を有する
太陽電池を記載している。また、特許出願公表平5−5
04023号には、金属イオンでドープした酸化チタン
半導体層の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素層
を有する太陽電池を記載している。
【0003】一方、光電変換能力を有する酸化物半導体
電極としては、初期の頃は半導体の単結晶電極が用いら
れてきた。その種類としては、酸化チタン(Ti
)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等
がある。しかし、単結晶電極は色素の吸着量が少ないた
め効率は非常に低く、コストが高いというデメリットが
あった。そこで考え出されてきたのが、微粒子を焼結し
て細孔がたくさんある高表面積半導体電極である。坪村
らによって有機色素を吸着した多孔質酸化亜鉛電極が非
常に性能が高いことが報告されている(Nature,
261(1976)p402)。
【0004】その後は色素にも改良がされるようにな
り、Graetzelらはテルニウム系色素を多孔質酸
化チタン電極に吸着させることで、現在、シリコン太陽
電池並みの性能を有するまでになっている(J.Am.
Chem.Soc.115(1993)6382)。
【0005】しかし、シリコン太陽電池にとって代わる
実用化のためには今まで以上に高いエネルギー変換効率
や、さらに高い短絡電流、開放電圧、形状因子が必要に
なってくる。現在のところ、多孔質半導体電極で報告さ
れている物質としてはZnO、TiO、酸化ジルコニ
ウム(ZrO)、酸化ニオブ(Nb)等が挙げ
られる。
【0006】色素増感型湿式太陽電池はシリコン太陽電
池に比べ製造コストが非常に安いため、将来的に現在の
シリコン太陽電池を使っている色々な製品(例えば、電
卓や太陽発電パネル、時計、ゲーム機など)にとって代
わる可能性がある。そのときこれらの製品の使い方に応
じた太陽電池の特性が重要になる。太陽電池の特性には
色々あり、 1.短絡電流 2.開放電圧 3.形状因子 4.エネルギー変換効率 5.光吸収スペクトル などが重要であるが、特に4.のエネルギー変換効率は
太陽電池の最大の課題であり、その改良が強く望まれて
いた。その効率を左右する技術課題の一つとして、酸化
物表面と増感色素との吸着力の向上がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の特開平1−22
0380号や特許出願公表平5−504023号には、
半導体の表面に分光増感色素を吸着する方法として、半
導体を分光増感色素の水溶液に室温下で浸漬する方法を
記載している。また、さらにこれらの改良法として、特
開平7−249790号に半導体と分光増感色素とを含
有した液体を加熱還流して吸着する方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの化学吸着を利用した方法で
は、必要な量の分光増感色素を吸着し難く、また、強固
に吸着することができない。このため、半導体の光電変
換効率が十分に得られないなどの問題がある。
【0008】本発明の目的は、優れた光電変換効率と安
定性とを両立する光電変換材料用半導体を提供すること
にある。さらに、この光電変換材料用半導体を用いた太
陽電池などの光電変換材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、
1.分光増感色素が化学結合を介して連結された多孔質
構造の半導体、
【0010】2.金属イオンとの間でキレートを形成す
る分光増感色素が化学結合を介して連結された多孔質構
造の半導体、
【0011】3.下記一般式[1]で表される反応性分
光増感色素と酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化亜鉛、酸化ニオブ又は酸化スズとを反応させる
ことにより得られる分光増感色素が化学結合を介して連
結された金属酸化物、 一般式[1] Dye−[E(Z)n]k [式中、Dyeは分光増感色素から任意の置換基もしく
は水素原子をk個取り除いた色素残基を表し、kは1か
ら6の整数を表し、EはSi、Ti、Al、Ge、Z
n、Sn、Ga、V、In、Sbを表し、Zはアルコキ
シ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、水素
原子を表し、nはZがEに置換できる数を表し、nが2
以上の時、複数のZは同じであっても異なっていてもよ
いが、すべてが同時に水素原子を表すことはない。ま
た、DyeとEとの結合は共有結合であっても配位結合
であってもよい。]
【0012】4.前記一般式[1]で表される反応性分
光増感色素と、下記一般式[2]で表される化合物とを
重縮合して得られる、増感色素が化学結合で連結された
酸化物半導体、 一般式[2] E(Y)m [式中、EはSi、Ti、Al、Ge、Zn、Sn、G
a、V、In、Sbを表し、Yはアルコキシ基、アリー
ルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、水素原子を表し、
mはEで表される元素の原子価を表す。mが2以上の整
数の時、複数のYは同じであっても異なっていてもよい
が、すべてが同時に水素原子を表すことはない。]
【0013】5.上記3又は4に記載の金属酸化物を利
用した酸化物半導体、
【0014】6.上記1、2又は5に記載の半導体を用
いた光電変換材料用電極、
【0015】7.上記6に記載の半導体電極を用いてな
ることを特徴とする色素増感型の太陽電池、の各々によ
り達成される。
【0016】本発明者らは、前記の問題を解決するため
に、種々の開発研究を行った結果、酸化物と増感色素と
を共有結合を介して連結することにより、光電変換効率
が改良されるとともに、酸化物半導体電極の安定性(寿
命)も向上することを発見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
半導体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化
ニオブ、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウ
ム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公
知の半導体の一種又は二種以上を用いることができる。
特に、安定性、安全性の点から酸化チタンが好ましい。
本発明において、酸化チタンとはアナターゼ型酸化チタ
ン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタ
ン酸、オルソチタン酸などの各種の酸化チタンあるいは
水酸化チタン、含水酸化チタンを意味する。前記の半導
体は、粒子状又は膜状の半導体を用いることができる。
【0018】また、本発明において、分光増感色素と
は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つもの
であり、種々の金属錯体や有機色素を表す。本発明にお
いては、分光増感の効果や耐久性に優れているため、金
属錯体が好ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニ
ン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニ
ン、金属ポルフィリン、クロロフィル、ヘミン、特開平
1−220380号や特許出願公表平5−504023
号に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を
用いることができる。有機色素としては、メタルフリー
フタロシアニン、メタルフリーナフタロシアニン、メタ
ルフリーポルフィリン、シアニン系色素、メロシアニン
系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を
用いることができる。シアニン系色素とてしては、具体
的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感
光色素研究所製)が挙げられる。メロシアニン系色素と
しては、具体的には、NK2426、NK2501(い
ずれも日本感光色素研究所製)が挙げられる。キサンテ
ン系色素としては、具体的には、ウラニン、エオシン、
ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイ
ンが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、具
体的には、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレッ
トが挙げられる。
【0019】請求項3及び4において、Dyeで表され
る色素残基は、例えば、上記に説明した色素の任意の置
換基又は水素原子を除去したものである。
【0020】請求項3及び4において、 Dye−[E(Z)n]k で表される反応性増感色素の具体例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】請求項4において、E(Y)mで表される
化合物としては、Si、Ti、Al、Ge、Zn、S
n、Ga、V、In、Sbの水酸化物及びそれらのアル
キルオキシ化物、ハロゲン化物が挙げられ、例えば、テ
トラエトキシシラン、テトラプロピルオキシチタン、ト
リイソプロピルオキシアルミニウム等が挙げられる。
【0025】請求項3及び4においてEで表される元素
のうち好ましいものは、Si、Ti、Al、Snであ
り、特に好ましいものはSi、Ti、Alである。
【0026】本発明の化合物(酸化物半導体)が粒子状
の場合には、化合物(酸化物半導体)を導電性支持体に
塗布あるいは吹き付けて、該導電性支持体上に該化合物
(酸化物半導体)の膜を形成して、光電変換材料に用い
るのがよい。また、本発明の化合物(酸化物半導体)が
膜状であって、導電性支持体上に保持していない場合に
は、光電変換材料用半導体を導電性支持体上に付けて、
光電変換材料に用いるのがよい。
【0027】本発明の反応性分光増感色素は、無機酸化
物を合成する際に金属アルコキシラート等とともに混合
し、酸や塩基触媒存在下で重縮合することにより無機酸
化物に共有結合を通じて連結させてもよいし、酸化チタ
ンや酸化ニオブのような無機酸化物の一次粒子の表面に
存在する水酸基と、本発明の反応性分光増感色素とを反
応(カップリング)して連結してもよい。この反応は、
金属酸化物が粒子状の時に行ってもよいし、支持体上に
膜を形成した後に行ってもよい。
【0028】また、分子内に複数個の反応性部位(−E
(Z)n)を持つ反応性分光増感色素を用いる場合、反
応性部位はすべて無機酸化物と反応していなくてもよ
く、一部が共有結合を形成していればいい。さらに、反
応性部位が1つの時も、すべての反応性部位が共有結合
を形成する必要はなく、一部が共有結合で連結され、残
りは吸着によって保持されていてもよい。
【0029】本発明の化合物(酸化物半導体)は太陽電
池に用いることができる。すなわち、透明性導電膜をコ
ートしたガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導
体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透
明性導電膜をコートしたガラス板などの支持体を備え、
これらの電極間に電解質を封入して太陽電池とすること
ができる。本発明の酸化物半導体に化学結合した分光増
感色素に太陽光を照射すると、分光増感色素は可視領域
の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電
子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極を
通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電
解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を
移動させた分光増感色素は、酸化体の状態になっている
が、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元さ
れ、元の状態に戻る。このようにして、電子が流れ、本
発明の化合物(酸化物半導体)を用いた太陽電池を構成
することができる。
【0030】本発明の酸化物半導体電極を製造する一方
法を説明する。先ず、酸化物半導体の微粉末を含む塗布
液を作る。この酸化物半導体微粉末は、その1次粒子径
が微細な程好ましく、その1次粒子径は、通常、1〜5
000nm、好ましくは2〜50nmである。酸化物半
導体微粉末を含む塗布液(スラリー液)は、酸化物半導
体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製するこ
とができる。溶媒中に分散された酸化物半導体微粉末
は、その1次粒子状で分散する。溶媒としては、酸化物
半導体微粉末を分散し得るものであればどのようなもの
でもよく、特に制約されない。このような溶媒には、
水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。
有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコ
ール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセト
ン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素
等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ、界面活性
剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アル
コール等)を加えることができる。溶媒中の酸化物半導
体微粉末濃度は、0.1〜70重量%、好ましくは0.
1〜30重量%である。
【0031】次に、前記塗布液を基板上に塗布、乾燥
し、次いで空気中又は不活性ガス中で焼成して、基板上
に酸化物半導体膜を形成する。基板としては、少なくと
もその表面が導電性表面に形成された基板が用いられ
る。このような基板としては、ガラス等の耐熱性基板上
に、InやSnOの導電性金属酸化物薄膜を形
成したものや金属等の導電性材料からなる基板が用いら
れる。このような導電性基板は従来よく知られたもので
ある。基板の厚さは特に制約されないが、通常、0.3
〜5mmである。この導電性基板は、透明又は不透明で
あることができる。基板上に塗布液を塗布、乾燥して得
られる被膜は、酸化物半導体微粒子の集合体からなるも
ので、その微粒子の粒径は使用した酸化物半導体微粉末
の1次粒子径に対応するものである。このようにして基
板上に形成された酸化物半導体微粒子集合体膜は、基板
との結合力及びその微粒子相互の結合力が弱く、機械的
強度の弱いものであることから、これを焼成して機械的
強度が高められ、かつ基板に強く固着した焼成物膜とす
る。
【0032】本発明においては、この焼成物膜は、多孔
質構造膜であり、その厚さは少なくとも10nm、好ま
しくは100〜10000nmである。前記のような多
孔質構造の焼成物膜は、酸化物半導体微粒子を含む塗布
液を基板上に塗布、乾燥して形成された微粒子集合体膜
の焼成に際し、その焼成温度を低くし、微粒子集合体膜
を軽く焼結させることによって得ることができる。この
場合、焼成温度は1000℃より低く、通常、300〜
800℃、好ましくは500〜800℃である。焼成温
度が1000℃より高くなると、焼成物膜の焼結が進み
すぎ、その実表面積が小さくなり、所望する焼成物膜を
得ることができない。前記見かけ表面積に対する実表面
積の比は、酸化物半導体微粒子の粒径及び比表面積や、
焼成温度等によりコントロールすることができる。
【0033】また、前記のようにして得られた基板上の
酸化物半導体膜表面が増感色素によって修飾されていな
い場合には、先に説明した方法で、無機酸化物表面に増
感色素を化学結合により連結する。この場合、反応性増
感色素が、多孔質構造膜である酸化物半導体膜の内部深
く進入するように、あらかじめ減圧処理したり、加熱処
理して、膜中に含まれる気泡をあらかじめ除去しておく
のが好ましい。
【0034】本発明の太陽電池は、前記酸化物半導体電
極と対極とそれらの電極に接触するレドックス電解質と
から構成される。レドックス電解質としては、I/I
系や、Br/Br 系、キノン/ハイドロキノ
ン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は、
従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I
/I 系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ
素を混合することによって得ることができる。電解質
は、液体電解質又はこれを高分子物質中に含有させた固
体高分子電解質であることができる。液体電解質におい
て、その溶媒としては、電気化学的に不活性なものが用
いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エ
チレンカーボネート等が用いられる。対極としては、導
電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用
いられるが、I イオン等の酸化が他のレドックスイ
オンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持った
ものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金
電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したも
のの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウ
ム、カーボン等が挙げられる。
【0035】この方法で作成される太陽電池は、前記酸
化物半導体電極、電解質及び対極をケース内に収納して
封止するか又はそれら全体を樹脂封止することが好まし
い。この場合、その酸化物半導体電極には光があたる構
造とする。このような構造の電池は、その酸化物半導体
電極に太陽光又は太陽光と同等な可視光をあてると、酸
化物半導体電極とその大局との間に電位差が生じ、両極
間に電流が流れるようになる。
【0036】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0037】実施例1 1.1 分光増感色素が化学結合を介して連結された金
属酸化物の合成 酸化チタン(TiO、日本エアロジル社製P−25、
表面積55m、平均粒径21nm)5gとジヒドロキ
シナフタロシアニン(D−6)5g、及び1−クロロナ
フタレン200mlとを混合し、250℃で2時間加熱
攪拌した。この反応液を熱時濾過し、さらに熱1−クロ
ロナフタレンで洗浄後、塩化メチレン、アセトンで洗浄
した。得られた固体を真空乾燥し、7.8gの増感色素
担持酸化チタンを合成した。
【0038】1.2 分光増感色素が化学結合して連結
された金属酸化物の活性 上記1.1で合成した増感色素担持酸化チタン0.5g
を透明のガラス製サンプル瓶(容量25ml)の下部に
敷き詰め、その上に0.1%ルブレン−アルコール溶液
をしみ込ませた濾紙(5mm×5mm)をのせて密閉し
本発明の試料(Ti−1)とした。この試料を室温下、
蛍光灯シャーカステン上で24時間放置した。また比較
として増感色素担持酸化チタンの代わりに、原料に用い
た酸化チタンに入れ替えた試料を作成(Ti−2)し、
同じ条件で放置した。
【0039】それぞれのサンプル瓶から濾紙を取り出
し、色素濃度を測定したところ、比較のTi−2の色素
残存率が67%だったのに対し、本発明のTi−1では
残存率が22%であった。この結果は、本発明の増感色
素担持酸化チタンが、光触媒能力が高く、空気中の水分
や酸素を微弱な光のもとででも活性種に変えることが可
能であることを示唆している。
【0040】実施例2 2.1 半導体の調製 実施例1で使用した酸化チタン微粒子(P−25)を水
に分散させて、TiO基準で200g/リットルの懸
濁液とした。次いで、この懸濁液に硝酸水溶液を添加
し、該懸濁液のpHを1.0にした後、オートクレープ
に入れ、180℃の温度で13時間、飽和蒸気圧下で水
熱処理を行った。次に、この懸濁液に、懸濁液中のTi
基準に対してポリエチレングリコール(平均分子量
20000)40重量%を添加し、60℃の温度に加熱
した後、フッ素をドープした酸化スズをコートした透明
導電性ガラス板に塗布し、自然乾燥し、引き続き、60
0℃の温度で30分間焼成して、支持体上に膜状の酸化
チタンを形成した。
【0041】2.2 反応性分光増感色素の連結 前記2.1で作製した膜状酸化チタンを反応性分光増感
色素(D−4)の5%テトラヒドロフラン溶液200m
l中に浸し、さらにトリフルオロ酢酸1gを加えて2時
間超音波照射した。反応後膜状酸化チタンをクロロホル
ムで洗浄後、真空乾燥し、本発明の光電変換材料用半導
体(試料A)を得た。
【0042】2.3 分光増感色素の吸着(比較例) シス−(SCN)2−ビス(2,2′−ビピリジル−
4,4′−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)で
表される分光増感色素をエタノール液に溶解した。この
分光増感色素の濃度は3×10−4モル/リットルであ
った。次に、このエタノールの液体に、膜状の酸化チタ
ンを形成した前記の支持体を入れ、2時間超音波照射し
た後、真空乾燥し、比較の光電変換材料用半導体(試料
B)を得た。
【0043】2.4 本発明の光電変換材料の作成とそ
の光電変換特性 前記の試料Aを一方の電極として備え、対電極として、
フッ素をドープした酸化スズをコートし、さらにその上
に白金を担持した透明導電性ガラス板を用いた。2つの
電極の間に電解質を入れ、この側面を樹脂で封入した
後、リード線を取り付けて、本発明の光電変換材料(試
料A1)を作成した。なお、前記の電解質は、体積比が
1:4であるアセトニトリル/炭酸エチレンの混合溶媒
に、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素
とを、それぞれの濃度が0.46モル/リットル、0.
06モル/リットルとなるように溶解したものを用い
た。前記の試料Bに、ソーラーシュミレーターで100
W/mの強度の光を照射したところ、Voc(開回路
状態の電圧)は0.64Vであり、Joc(回路を短絡
したとき流れる電流の密度)は1.34mA/cm
あり、太陽電池として有用であることがわかった。
【0044】2.5 比較例1 前記実施例2.3で作製した比較の光電変換材料用半導
体(試料B)を用い、前記実施例2.4と同じ条件にて
比較の光電変換材料(試料B2)を作製した。次いで、
実施例2.4と同一の条件下で光電変換特性を測定した
ところ、Voc(開回路状態の電圧)は0.57Vであ
り、Joc(回路を短絡したとき流れる電流の密度)は
1.09mA/cmであった。
【0045】実施例3 実施例2で作製した光電変換材料、試料A1、試料A2
をソーラーシュミレーターで100W/mの光を10
00時間照射した後でVocとJocを測定した。その
結果、本発明の試料A1ではVocが0.62V、Jo
cが1.31mA/cmとほとんど光照射前と変動が
なかったのに対し、比較試料B1ではVocが0.40
V、Jocが0.56mA/cmと大幅に低下してし
まうことがわかった。
【0046】前記の実施例及び比較例から明らかなよう
に、半導体と分光増感色素とを化学結合で連結した本発
明の酸化物半導体は、従来の分光増感色素を吸着させた
酸化物半導体に比べ、優れた光電変換特性を有すること
がわかった。さらに、本発明の色素を連結した酸化物半
導体は従来のものに比べ寿命も長いことが示唆された。
【0047】
【発明の効果】本発明は、半導体と分光増感色素とを化
学結合を介して該半導体表面に該分光増感色素を連結し
た新規な金属酸化物であり、さらに新規な光電変換材料
用半導体であって、優れた光電変換効率を有するため、
種々の光電変換材料に用いて有用である。また、従来の
ものに比べ、本発明は優れた耐久性を発揮する。
フロントページの続き (72)発明者 前田 繁男 東京都八王子市石川町2970 コニカ株式会 社内 (72)発明者 米田 忠明 東京都八王子市石川町2970 コニカ株式会 社内 (72)発明者 坂田 智志 東京都八王子市石川町2970 コニカ株式会 社内 (72)発明者 朝武 敦 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 AA20 5H032 AA06 AS16 BB07 EE02 EE16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分光増感色素が化学結合を介して連結され
    た多孔質構造の半導体。
  2. 【請求項2】金属イオンとの間でキレートを形成する分
    光増感色素が化学結合を介して連結された多孔質構造の
    半導体。
  3. 【請求項3】下記一般式[1]で表される反応性分光増
    感色素と酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
    酸化亜鉛、酸化ニオブ又は酸化スズとを反応させること
    により得られる分光増感色素が化学結合を介して連結さ
    れた金属酸化物。 一般式[1] Dye−[E(Z)n]k [式中、Dyeは分光増感色素から任意の置換基もしく
    は水素原子をk個取り除いた色素残基を表し、kは1か
    ら6の整数を表し、EはSi、Ti、Al、Ge、Z
    n、Sn、Ga、V、In、Sbを表し、Zはアルコキ
    シ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、水素
    原子を表し、nはZがEに置換できる数を表し、nが2
    以上の時、複数のZは同じであっても異なっていてもよ
    いが、すべてが同時に水素原子を表すことはない。ま
    た、DyeとEとの結合は共有結合であっても配位結合
    であってもよい。]
  4. 【請求項4】下記一般式[1]で表される反応性分光増
    感色素と、下記一般式[2]で表される化合物とを重縮
    合して得られる、増感色素が化学結合で連結された酸化
    物半導体。 一般式[1] Dye−[E(Z)n]k [式中、Dyeは分光増感色素から任意の置換基もしく
    は水素原子をk個取り除いた色素残基を表し、kは1か
    ら6の整数を表し、EはSi、Ti、Al、Ge、Z
    n、Sn、Ga、V、In、Sbを表し、Zはアルコキ
    シ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、水素
    原子を表し、nはZがEに置換できる数を表し、nが2
    以上の時、複数のZは同じであっても異なっていてもよ
    いが、すべてが同時に水素原子を表すことはない。ま
    た、DyeとEとの結合は共有結合であっても配位結合
    であってもよい。] 一般式[2] E(Y)m [式中、EはSi、Ti、Al、Ge、Zn、Sn、G
    a、V、In、Sbを表し、Yはアルコキシ基、アリー
    ルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、水素原子を表し、
    mはEで表される元素の原子価を表す。mが2以上の整
    数の時、複数のYは同じであっても異なっていてもよい
    が、すべてが同時に水素原子を表すことはない。]
  5. 【請求項5】請求項3又は4に記載の金属酸化物を利用
    した酸化物半導体。
  6. 【請求項6】請求項1、2又は5に記載の半導体を用い
    た光電変換材料用電極。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の半導体電極を用いてなる
    ことを特徴とする色素増感型の太陽電池。
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