JP2000294304A - 色素増感型光半導体およびそれを用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型光半導体およびそれを用いた色素増感型太陽電池

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JP2000294304A JP11096371A JP9637199A JP2000294304A JP 2000294304 A JP2000294304 A JP 2000294304A JP 11096371 A JP11096371 A JP 11096371A JP 9637199 A JP9637199 A JP 9637199A JP 2000294304 A JP2000294304 A JP 2000294304A
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Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
Satoshi Hachiya
聡 蜂屋
Hiroyuki Endo
博之 遠藤
Takashi Arakane
崇士 荒金
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換効率の高い色素増感型光半導体電極
およびそれを用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池
の提供。 【解決手段】 半導体表面を有機シリコン化合物で被覆
した色素増感型光半導体電極およびそれを用いた色素増
感型太陽電池の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光エネルギーを電気
エネルギーに変換する太陽電池、特に色素増感型太陽電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化に代表されるように地
球環境問題が顕在化してきている。そのような中で温暖
化の原因とされるCO2 ガスを排出しない、あるいは排
出が少ない、いわゆるクリーンエネルギーに対するニー
ズが高まっている。クリーンエネルギーとして最も期待
が高い太陽電池についてみると、現在、商品化されてい
るものは主に結晶(単結晶型、多結晶型)シリコンのp
n接合を利用したものである。この太陽電池に使用され
るシリコンは非常に高純度である必要があり、不純物を
取り除くための精製工程に多大なエネルギーと複雑な工
程を要するため、製造にコストがかかることなどの問題
があり、結果的に太陽電池システム全体としては非常に
高価なものになっている。そのため、既存の商用電源か
らの電力に比べて太陽光発電システムでは発電コストが
高くなり、広く普及するためには問題があった。また、
アモルファスシリコンの太陽電池も実用化はされている
が、耐久性の点などから電卓などには好適であるが電力
源としては不向きとされている。
【0003】一方、シリコン系以外の太陽電池の開発も
行われており、グレッツエルらは表面積を大きくした多
孔質酸化チタン膜にルテニウム錯体系の有機色素を吸着
させ、光電極とした色素増感型の太陽電池を考案し、変
換効率もシリコン系太陽電池なみに大きくなることを示
した(J.Am.Chem.Soc.第115巻、 63
82〜6390頁、 1993年)。この色素増感型太陽
電池では使用する材料が安価であること、簡単なプロセ
スで製造できることなどから低コストの太陽電池ができ
ると期待されている。
【0004】このグレッツエル型と言われる太陽電池で
は表面積の非常に大きい多孔質膜の上に色素を吸着して
いるので発電に寄与する色素の量が多くなり、従来の色
素増感型の太陽電池に比べて変換効率が向上すると考え
られている(従来1%以下であったものが数%になった
と報告されている。)。金属酸化物半導体の多孔質膜の
表面処理方法としては酸化チタンを堆積するために
(1)多孔質膜を塩化チタン(IV)の水溶液に浸す、
(2)多孔質膜を塩化チタン(IV)を含む500℃の乾燥
空気の流れに曝す、(3)多孔質膜を塩化チタン(III)
を含む水溶液に浸して電気を流す(特表平6−5111
13号公報)等の方法が知られている。この多孔質膜の
上に色素を吸着して半導体電極を形成している。しか
し、このような方法では、吸着させた色素が多孔質膜を
覆いきれない部分が存在し,その部分では色素中で光反
応により発生しチタニアに流れた電子の一部が透明電極
電極側に流れて行かず、電解質溶液との接触部分から流
出し電荷の中和がおきるために,電流が外部に有効に取
り出せなくなることで変換効率が下がってしまう現象が
あった。これを防ぐために、電解質溶液に4-t- ブチル
ピリジン等を添加する方法が知られている(E. Rijnber
g et al., 47-52, 2nd World Conference and Ehibitio
n on Photovoltaic Solor Energy Conversion 6-10 Jul
y 1998 Vienna, Austria)が、このような方法では永続
的に表面を被覆し電荷の中和を防ぐことができなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は色素増感型光
半導体電極の光電変換の経時変化を改善するためのもの
であり、さらに色素増感型光半導体電極上での電荷の中
和を防ぎ高い変換効率を持続できる太陽電池の提供を目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、表面を有機シリコン化合物で被覆した色素増感型光
半導体電極が高い光電変換効率を持続でき、これを用い
たことにより高い性能を持続できる色素増感型太陽電池
を提供できることを見出し本発明を完成したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明の要旨は以下の通りであ
る。 (1) 色素により増感された半導体の表面を有機シリ
コン化合物で被覆させてなる色素増感型光半導体電極。 (2) 半導体が酸化チタンの多孔質膜からなる(1)
記載の色素増感型光半導体電極。 (3) 半導体電極表面をX線光電子分光法で測定して
得られるシリコン原子Siと半導体材料の金属原子Mと
の原子比Si/Mが0.005〜2の範囲にある(1)
〜(2)のいずれかに記載の色素増感型光半導体電極。 (4) 有機シリコン化合物がシラザン類およびシロキ
サン類から選ばれる少なくとも1種の化合物である
(1)〜(3)のいずれかに記載の色素増感型光半導体
電極。 (5) (1)〜(4)のいずれかに記載の色素増感型
光半導体電極を有する太陽電池。 (6) 色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質を
挟んで配置された(5)記載の太陽電池。 (7) 色素増感型光半導体電極の外側に透明電極付き
の透明基板が、対向電極の外側に対向基板がそれぞれ配
置された(6)記載の太陽電池。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。まず、典型的な色素増感型太陽電池(グレッツ
ェル型太陽電池)について簡単に説明する。〔図1〕は
グレッツエルらが考案した色素増感型太陽電池の構成の
一例を示すものである。光電極の部分は透明電極付きガ
ラス基板上に金属酸化物半導体(酸化チタン)の多孔質
膜(半導体電極)を形成させ、四塩化チタン水溶液等で
酸化チタン多孔質膜を処理し、その表面に増感色素を吸
着させたものである。これを一方の電極とし、対向電極
との間に電解質溶液を置く。太陽電池の周囲は前記電解
質溶液が漏れないようにシール材でシールしたものが典
型的なグレッツェル型太陽電池である。
【0009】つぎに、本発明の色素増感型光半導体電極
および色素増感型太陽電池について説明する。本発明の
色素増感型太陽電池は上記グレッツェル型太陽電池を改
良したものであり、その特徴は、主に本発明の色素増感
型光半導体電極(多孔質膜)にある。本発明では半導体
電極となる多孔質膜に色素を付着させた後、有機シリコ
ン化合物処理(Si処理)を行って色素が付着していな
い半導体電極(多孔質膜)の表面を有機シリコン化合物
で被覆することで電流を有効に電極から系外に取り出
し、電池の変換効率を改善するものである(開放電圧が
増加して変換効率が向上する)。このSi処理は、半導
体表面を被覆するためにシラン類(アルキルシラン、ア
ルキルクロロシラン、アリールシラン等)、シロキサン
類(アルキルシロキサン、アリールシロキサン等)、シ
ラザン類(アルキルシラザン、アリールシラザン等)、
アルコキシシラン類等によって行なうことができる。
【0010】半導体表面を被覆するためのSi処理剤は
チタニア等の半導体表面との親和力が強く、増感色素と
は相対的に親和力が弱いものを用いることが好適であ
る。これにより、半導体表面は十分に被覆するが、増感
色素表面や増感色素と半導体との間にはSi処理剤がで
きるだけ付着しないようにできる。Si処理剤は上記観
点から半導体および増感色素との関係を考慮して選択す
るとよい。
【0011】以上、本発明の色素増感型光半導体電極お
よび色素増感型太陽電池の概略を説明したが、半導体電
極(多孔質膜)以外の部分の構成および製造方法は従来
のグレッツェル型太陽電池と同じでよく、通常の構成お
よび製造方法をとれば本発明の色素増感型太陽電池とな
る。以下にそれらを含めて本発明の色素増感型太陽電池
の構成、材料、製造方法等について詳細に説明する。
【0012】[透明基板(通称ガラス基板)]シリコン
太陽電池、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いれ
ばよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面
を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すり
ガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが
透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するも
のであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチ
ック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などで
もよい。
【0013】[透明電極]シリコン太陽電池、液晶パネ
ル等に用いられる透明電極を用いればよい。たとえば、
透明基板上に付着させた酸化すず、インジウム・ すず酸
化物(ITO)などの金属酸化物が好適な透明電極とな
る。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過でき
る構造にした金属電極を前記ガラス基板上に設けたもの
でもよい。
【0014】[半導体電極]金属酸化物半導体、たとえ
ばチタン、ニオブ、亜鉛、すず、インジウム、ジルコニ
ウム、イットリウム、ランタン、タンタルなどの酸化物
やSrTiO3 やCaTiO3 などのペロブスカイト系
酸化物の半導体が好適に使用される。前記半導体を薄膜
状にしたものが好適である。特に酸化チタン膜が好まし
い半導体電極となる。
【0015】[半導体電極(多孔質膜)の形成]前記金
属酸化物半導体(酸化チタンなど)の微粒子(粒子サイ
ズ[ 平均粒径]は1〜1000nm程度、好ましくは1
〜100nm)を分散させた分散液を調製する。分散液
の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など前記
微粒子を分散できるものなら特に限定しない。また、分
散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加え
てもよい。次に、前記分散液を透明電極付きガラス基板
上に塗布、乾燥する。塗布法としてはバーコーター法、
印刷法などを用いることができる。これを空気中あるい
は不活性ガス、窒素中で加熱、焼成して金属酸化物半導
体膜(多孔質膜)を形成する。焼成温度は300〜80
0℃が適している。焼成温度が上記より低いと金属酸化
物半導体の微粒子間の固着、基板への付着力が弱くなり
十分な強度がでなくなる。焼成温度が高すぎると微粒子
間の固着が進み、多孔質膜の表面積が小さくなる。
【0016】膜厚は0.1 〜100 μm、好ましくは1〜50
μmが適している。これより薄いと表面に吸着させる色
素の量が少なくなり、光の吸収が少なくなる。これより
厚いと膜の電気抵抗が大きくなり出来上がった太陽電池
の性能が悪化する。金属酸化物半導体膜を塩化チタン(I
V)の水溶液に浸す、塩化チタン(III) を含む水溶液に浸
して電気を流す等の処理をして、さらに酸化チタンを堆
積させて多孔質膜としてもよい。また、多孔質膜に酸化
処理を実施することにより電池性能を向上させられる。
多孔質膜の酸化処理方法は金属酸化物半導体の表面を酸
化できる処理方法ならばどのような方法を用いてもよい
が、(1)過酸化水素水溶液に多孔質膜を浸漬する方
法、(2)次亜塩素酸水溶液に多孔質膜を浸漬する方
法、(3)オゾンで多孔質膜を処理する方法、(4)酸
素存在雰囲気下で多孔質膜にUV(紫外線)を照射する
方法などが好適に用いられる。
【0017】[増感色素]本発明における増感色素と
は、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ
色素であればよい。以下に本発明の増感色素として好適
なものにつき説明する。増感色素としては金属錯体や有
機色素を用いることができる。金属錯体としては銅フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシ
アニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、特開
平1−220380号公報や特表平5−504023号
公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯
体(例えばシス−ジシアネート−ビス(2、2’−ビピ
リジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム
(II))があげられる。有機色素としては,メタルフ
リーフタロシアニン,シアニン系色素,メタロシアニン
系色素,キサンテン系色素,トリフェニルメタン系色素
等を用いることができる。
【0018】増感色素は前記金属酸化物半導体の多孔質
膜の酸化処理を施した表面に付着(化学吸着、物理吸着
など、または堆積など)させればよい。吸着、堆積方法
は例えば色素を含む溶液中に前記多孔質膜を浸漬するな
どの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し
還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進するこ
とができる。
【0019】[有機シリコン化合物による表面被覆処
理]前記のように増感色素を多孔質膜の表面に付着させ
た後に、有機シリコン化合物による多孔質膜の表面被覆
処理を実施する。この被覆方法は有効に多孔質膜の表面
(特に増感色素の付着していない半導体表面の部分)を
被覆できる有機シリコン化合物および処理方法ならばど
のような方法を用いてもよいが、被覆処理するシリコン
化合物と増感色素とを反応させて結び付けるものではな
い。本発明ではシリコン化合物の役割は、半導体電極
(多孔質膜)表面を被覆処理することで半導体電極と電
解質との直接の接触を遮断し、増感色素中で光電子反応
により発生し半導体電極に移動した電子をその表面から
電解質側へ戻らないように絶縁するものである。すなわ
ち、半導体電極表面の増感色素に覆われていない部分を
シリコン化合物で被覆し絶縁することである。有機シリ
コン化合物の選択および処理はそのような観点からすれ
ばよい。以下に好ましい有機シリコン化合物および処理
方法について説明する。
【0020】〔1〕有機シリコン化合物 有機シリコン化合物としてはシラン類(アルキルシラ
ン、アルキルクロロシラン、アリールシラン等)、シロ
キサン類(アルキルシロキサン、アリールシロキサン
等)、シラザン類(アルキルシラザン、アリールシラザ
ン等)、アルコキシシラン類等が挙げられる。特に好適
なものとしてシロキサン類、シラザン類が挙げられる。
シラン類としてはアルキルシラン(Trimethylsilane な
ど)、アルキルクロロシラン(Dimethylchlorosilaneな
ど)、アリールシラン等が挙げられる。シロキサン類と
してはアルキルシロキサン(1,3,5,7-Tetramethylcyclo
tetrasiloxan、 1,1,3,3- Tetramethyldisiloxane な
ど)、アリールシロキサン(1,1,3,3-Tetraphenyldisil
oxane など)等が挙げられる。シラザン類としてはアル
キルシラザン(Hexamethyldisilazaneなど)、アリール
シラザン等が挙げられる。アルコキシシラン類としては
Trimethylmethoxysilaneなどが挙げられる。
【0021】〔2〕処理方法 一つの方法としては、上記シリコン化合物の蒸気または
蒸気を他のガスで希釈した混合ガス気流または雰囲気中
に増感色素の付着した多孔質膜を保持する方法がある。
希釈ガスは窒素、希ガス(ヘリウム、アルゴンなど)等
の不活性ガスや酸素、空気、水蒸気などが好適に用いら
れる。シリコン化合物の蒸気濃度は0.01〜100vol% 、さ
らには1 〜100vol% が好ましい。これより濃度が低いと
被覆が十分に進行しない。処理温度は-50 ℃〜200 ℃、
さらには0 ℃〜100 ℃が好ましい。これより温度が高い
と過度の被覆が起きるまたは色素が脱離したり分解す
る。これより温度が低いと被覆が十分に進行しない。処
理時間は0.1 分〜50時間、さらには1分〜10時間が好ま
しい。これより時間が長いと過度の被覆が起き、短いと
被覆が十分に進行しない。
【0022】他の方法としては、上記シリコン化合物ま
たはシリコン化合物を他の溶媒で希釈した溶液中に多孔
質膜を浸漬する方法でもよい。希釈溶媒は有機溶媒など
を用いればよい。シリコン化合物の濃度は0.01〜100wt
%、さらには1 〜100wt%が好ましい。これより濃度が低
いと被覆が十分に進行しない。浸漬処理温度は0 ℃〜20
0 ℃、さらには0 ℃〜150 ℃が好ましい。これより温度
が高いと過度の被覆が起き、低いと被覆が十分に進行し
ない。処理時間は0.01分〜50時間、さらには0.1分〜10
時間が好ましい。これより時間が長いと過度の被覆が起
き、短いと被覆が十分に進行しない。
【0023】〔3〕表面組成の測定 本発明における半導体多孔質膜の表面のシリコン原子S
iと半導体金属原子Mとの原子比Si/Mを求める方法
としては、表面組成の測定方法として蛯名らが報告して
いるようなX線光電子分光法(表面化学 19(1
2),826−830(1998))を用いる。例え
ば、半導体として酸化チタンを選んだ場合のSi/Ti
については、測定ピークのうちSi(2p)とTi(2
p)に起因するピーク強度を積分してその比からSi/
Tiを求める方法である。なお、半導体多孔質膜表面の
Si/M原子比は0.005〜2の範囲が好適な範囲で
ある。
【0024】[電解質溶液]I/I3 系、Br/Br3
系、キノン/ハイドロキノン系などのレドックス電解質
をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネ
ートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの
混合溶媒)に溶かしたものが使用できる。具体的には、
例えば、I/I3 系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩
あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものを用い
て得ることができる。
【0025】[対向電極]シリコン太陽電池、液晶パネ
ル等に用いられる対向電極と同じものを用いればよい。
すなわち、前記「透明電極」と同じもの、前記「透明電
極」に白金を少量付着させたもの、白金などの金属薄
膜、炭素などの導電性膜などが使用できる。以上で、本
発明の色素増感型太陽電池およびその製造方法について
の説明をしたが、その特徴は半導体電極(多孔質膜)に
ある。本発明では半導体電極となる多孔質膜に色素を付
着させた後、有機シリコン処理(Si処理)を行って色
素が付着していない多孔質膜の表面を有機シリコン化合
物で被覆するものである。これにより電池から電流を有
効に系外取り出し変換効率を改善するものである。それ
故、半導体電極(多孔質膜)以外の部分の構成および製
造方法は従来のグレッツェル型太陽電池と同じでよく、
通常の構成および製造方法をとれば本発明の色素増感型
太陽電池となる。
【0026】
〔実施例1〕
1.チタニア基板の調製 日本エアロゾル製超微粒子チタニア(P−25)1重量
部を界面活性剤(和光純薬Triton X- 100)を0、
5wt%含む水20重量部に分散させた。この分散液を
フッ素をドープした酸化スズ透明電極付きガラス基板
(50×50mm)にバーコーターで塗布し、100℃
で1時間乾燥させた後450℃で1時間焼成した。これ
に上記と同じ塗布、乾燥、焼成をもう一度繰り返し厚さ
10μmの多孔質状チタニア基板を形成した。
【0027】上記多孔質状チタニア基板を濃度1wt%
の四塩化チタン水溶液に一晩浸漬し、その後水洗して1
00℃で1時間乾燥させた後450℃で1時間焼成し
た。さらに、室温下で濃度10wt%の過酸化水素水溶
液に4時間浸漬し、その後水洗して120℃で1時間乾
燥させ酸化スズ透明電極付きチタニア基板(チタニア基
板)を調製した。
【0028】2.増感色素の付着 増感色素(シス−ジシアネート−ビス(2,2’−ビピ
リジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム
(II))を0.3mmol含むエタノール溶液に上記
チタニア基板を浸漬し、溶液の沸点まで加熱して2時間
還流条件で色素を付着させ増感色素付きチタニア基板を
得た。
【0029】3.有機シリコン化合物による表面被覆 上記増感色素付きチタニア基板を表1の実施例1に示す
処理条件で表面被覆処理した。処理方法は、底部に液状
の所定のシリコン化合物を入れた容器中に、液体と直接
接触しないように増感色素付きチタニア基板を挿入し容
器全体を密閉し所定時間、所定温度とするものである。
上記表面被覆処理した基板の表面をX線光電子分光法
(使用機器:JPS9000MC、日本電子(株)製)
で分析しSi/Tiを測定した結果は表1に示す。
【0030】4.太陽電池セルの作製 上記表面被覆処理した色素付きチタニア基板を一方の電
極とし、対向電極としてドープした酸化スズ透明電極付
きガラス基板に白金をスパッタによりコートしたものを
用いた。電極間にスぺーサーとして厚さ20μmのテフ
ロンシートをはさみ、注入口2個所を残し周りをエポキ
シ系の接着剤でシールした。これを耐圧性容器に入れ真
空にした後、アルゴンガスで置換しアルゴンガス雰囲気
下で電解液を注入口より注入してから注入口をエポキシ
系接着剤で封止した。この後電極にリード線を取り付け
て太陽電池セルを作製した。なお、前記の電解液は体積
比が1:4であるメトキシプロピオニトリル/エチレン
カーボネートの混合溶媒にヨウ化テトラプロピルアンモ
ニウムとヨウ素とをそれぞれの濃度が0.46mol/
L、0.0646mol/Lとなるように溶解したもの
を用いた。
【0031】5.太陽電池セルの発電性能および寿命の
測定 キセノンランプを光源としUVカットフィルターとAM
1.5フィルターを通して500W/m2 の強度の疑似
太陽光を上記太陽電池セルに当てることで発電性能の測
定を行った。また、寿命評価としてこのセルを冷暗所に
一週間放置した後同様の発電性能の測定を行った 6.発電性能および寿命の評価結果 評価結果を表2、表3に示す。
【0032】〔実施例2〕実施例1の3.有機シリコン
化合物による表面被覆において表1の実施例1の代わり
に、表1の実施例2の処理条件とした以外は実施例1と
同様にして太陽電池セルを作製し、発電性能および寿命
の評価をした。評価結果を表2および表3に示す。
【0033】〔実施例3〕実施例1の3.有機シリコン
化合物による表面被覆において表1の実施例1の代わり
に、表1の実施例3の処理条件とした以外は実施例1と
同様にして太陽電池セルを作製し、発電性能および寿命
の評価をした。評価結果を表2および表3に示す。
【0034】〔比較例1〕実施例1の3.有機シリコン
化合物による表面被覆を実施しなかった以外は実施例1
と同様にして太陽電池セルを作製し、発電性能を評価し
た。評価結果を表2に示す。なお、X線光電子分光法で
測定した増感色素付きチタニア基板表面のSi/Tiは
0.001以下であった。
【0035】〔比較例2〕実施例1の3.有機シリコン
化合物による表面被覆において表1の実施例1の有機シ
リコン化合物の変わりに4-t-Butylpyridine を使用して
表面被覆した以外は実施例1と同様にして太陽電池セル
を作製し、発電性能および寿命の評価をした。評価結果
を表2および表3に示す。なお、X線光電子分光法で測
定した増感色素付きチタニア基板表面のSi/Tiは
0.001以下であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明における色素増感型太陽電池は変
換効率等が従来のものに比べ遜色なく、長期間安定した
性能が持続できる有効な色素増感型太陽電池を提供でき
ることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グレッツェル型太陽電池の構成の概念図
フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 BA17 FA02 FA07 5H032 AA06 AS16 CC11 CC16 HH01 HH05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素により増感された半導体の表面を有
    機シリコン化合物で被覆させてなる色素増感型光半導体
    電極。
  2. 【請求項2】 半導体が酸化チタンの多孔質膜からなる
    請求項1記載の色素増感型光半導体電極。
  3. 【請求項3】 半導体電極表面をX線光電子分光法で測
    定して得られるシリコン原子Siと半導体材料の金属原
    子Mとの原子比Si/Mが0.005〜2の範囲にある
    請求項1〜2のいずれかに記載の色素増感型光半導体電
    極。
  4. 【請求項4】 有機シリコン化合物がシラザン類および
    シロキサン類から選ばれる少なくとも1種の化合物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感型光半導体
    電極。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の色素増
    感型光半導体電極を有する太陽電池。
  6. 【請求項6】 色素増感型光半導体電極と対向電極が電
    解質を挟んで配置された請求項5記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 色素増感型光半導体電極の外側に透明電
    極付きの透明基板が、対向電極の外側に対向基板がそれ
    ぞれ配置された請求項6記載の太陽電池。
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