JP2000323189A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型太陽電池

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JP2000323189A
JP2000323189A JP11132363A JP13236399A JP2000323189A JP 2000323189 A JP2000323189 A JP 2000323189A JP 11132363 A JP11132363 A JP 11132363A JP 13236399 A JP13236399 A JP 13236399A JP 2000323189 A JP2000323189 A JP 2000323189A
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electrolyte solution
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Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
Hiroyuki Endo
博之 遠藤
Satoshi Hachiya
聡 蜂屋
Takashi Arakane
崇士 荒金
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能で長期安定性の高い色素増感型太陽電
池の提供。 【解決手段】 電解質溶液中の水分濃度および/または
酸素濃度をそれぞれ100mg/L、10mg/L以下
とした色素増感型太陽電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光エネルギーを電気
エネルギーに変換する太陽電池用の色素増感型太陽電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化に代表されるように地
球環境問題が顕在化してきている。そのような中で温暖
化の原因とされるCO2 ガスを排出しない、あるいは排
出が少ない、いわゆるクリーンエネルギーに対するニー
ズが高まっている。クリーンエネルギーとして最も期待
が高い太陽電池についてみると、現在、商品化されてい
るものは主に結晶(単結晶型、多結晶型)シリコンのp
n接合を利用したものである。この太陽電池に使用され
るシリコンは非常に高純度である必要があり、不純物を
取り除くための精製工程に多大なエネルギーと複雑な工
程を要するため、製造にコストがかかることなどの問題
があり、結果的に太陽電池システム全体としては非常に
高価なものになっている。そのため、既存の商用電源か
らの電力に比べて太陽光発電システムでは発電コストが
高くなり、広く普及するためには問題があった。また、
アモルファスシリコンの太陽電池も実用化はされている
が、耐久性の点などから電卓などには好適であるが電力
源としては不向きとされている。
【0003】一方、シリコン系以外の太陽電池の開発も
行われており、グレッツエルらは光電極として表面積を
大きくした多孔質酸化チタン膜にルテニウム錯体系の有
機色素を吸着させ色素増感型光半導体電極とした太陽電
池を考案し、変換効率もシリコン系太陽電池なみに大き
くなることを示した(J.Am.Chem.Soc.第
115巻、 6382〜6390頁、 1993年)。この
色素増感型太陽電池では使用する材料が安価であるこ
と、簡単なプロセスで製造できることなどから低コスト
の太陽電池ができると期待されている。
【0004】このグレッツエル型と言われる太陽電池で
は表面積の非常に大きい多孔質膜の上に色素を吸着して
いるので発電に寄与する色素の量が多くなり、従来の色
素増感型の太陽電池に比べて変換効率が向上すると考え
られている(従来1%以下であったものが数%になった
と報告されている。)。この太陽電池には電解質溶液と
して、通常ブロムイオンやハイドロキノンのような電解
質をアセトンなどの有機溶媒に溶解したものが使用され
る。しかし、この電解質溶液に多量の水分や酸素を混入
させたものを用いると発電性能が安定せず、電池寿命が
短くなり実用に耐える電池はできないとされていた(Pr
oceedings of Second World Conferenceand Exhibition
on Photovoltaic Solar Energy Conversion ,6-12 Jul
y 1998,Vienna Austria,pp.47-52)。しかし、電解質溶
液中の微量の水分や酸素の影響については考慮されてい
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は色素増感型太
陽電池の寿命を延長するためのものであり、電解質溶液
中の微量の水分や酸素の影響を制御し、工業的にも応用
できる安定した色素増感型太陽電池を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質溶液
を挟んで配置された色素増感型太陽電池において、電解
質溶液中の水分濃度及び/または酸素濃度を一定値以下
に制御することにより長寿命の色素増感型太陽電池とす
ることができることを見出し本発明を完成したものであ
る。
【0007】すなわち、本発明の要旨は以下の通りであ
る。 (1) 色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質溶
液を挟んで配置された色素増感型太陽電池において、前
記電解質溶液中の水分濃度が100mg/L以下である
色素増感型太陽電池。 (2) 色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質溶
液を挟んで配置された色素増感型太陽電池において、前
記電解質溶液中の酸素濃度が10mg/L以下である色
素増感型太陽電池。 (3) 色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質溶
液を挟んで配置された色素増感型太陽電池において、前
記電解質溶液中の水分濃度が100mg/L以下で、か
つ酸素濃度が10mg/L以下である色素増感型太陽電
池。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の色素増感型太陽電池につ
いて説明する前に、一般的な色素増感型太陽電池(グレ
ッツェル型太陽電池)の構成について簡単に説明する。
〔図1〕はグレッツエルらが考案した色素増感型太陽電
池の構成の一例を示すものである。光電極の部分は透明
電極付きガラス基板上に金属酸化物半導体(酸化チタ
ン)の多孔質膜(半導体電極)を形成させ、四塩化チタ
ン水溶液等で酸化チタン多孔質膜を処理し、その表面に
増感色素を付着させたものである。これを一方の電極
(光電極)とし、対向電極との間に電解質溶液を置く。
太陽電池の周囲は前記電解質溶液が漏れないようにシー
ル材でシールしたものがグレッツェル型太陽電池であ
る。
【0009】つぎに、本発明の色素増感型太陽電池につ
いて説明する。本発明の色素増感型太陽電池は上記グレ
ッツェル型太陽電池を改良したものであり、光電極と対
向電極との間の電解質溶液中の水分および酸素濃度を調
整して電極の劣化等を防止し、電池の性能を安定させ、
電池寿命を長くするものである。すなわち、従来の色素
増感型太陽電池では電解質溶液中に微量の水や酸素が存
在すると、(1)増感色素と酸化チタンの間の結合が切
れやすくなる、(2)電解質と水や酸素との間で電子の
やり取りが発生する、(3)色素の分解が進行する、な
どの現象が生じ時間とともに太陽電池の発電効率が低下
してしまう。電解質溶液中の水分量を100mg/L以
下におよび/または酸素濃度を10mg/L以下に制御
すればこれらの問題点を低減することができる。本発明
の特徴は主に色素増感型太陽電池の電解質溶液の制御に
あり、電解質溶液中の微量の水分濃度や酸素濃度の制御
以外の部分の構成および製造方法は従来のグレッツェル
型太陽電池と同じでよく、通常の構成および製造方法を
とれば本発明の色素増感型太陽電池を得ることができ
る。
【0010】そこで、全体の色素増感型太陽電池の構
成、材料、製造方法等について説明しながら、本発明の
重要部分である電解質溶液の構成、材料、製造方法等に
ついて詳細に説明する。 [透明基板(通称ガラス基板)]シリコン太陽電池、液
晶パネル等に用いられる透明基板を用いればよい。具体
的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒ら
すなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半
透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料
として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材
質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明
プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
【0011】[透明電極]シリコン太陽電池、液晶パネ
ル等に用いられる透明電極を用いればよい。たとえば、
透明基板上に付着させた酸化すず、インジウム・ すず酸
化物(ITO)などの金属酸化物が好適な透明電極とな
る。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過でき
る構造にした金属等の導電性物質を前記ガラス基板上に
設けたものでもよい。
【0012】[半導体電極(多孔質膜)材料]金属酸化
物半導体、たとえばチタン、ニオブ、亜鉛、すず、イン
ジウム、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、タン
タルなどの酸化物やSrTiO3 、CaTiO3 、Ba
TiO3 などのペロブスカイト系酸化物の半導体が好適
に使用される。前記半導体を薄膜状にしたものが好適で
ある。特に酸化チタン膜が好ましい半導体電極となる。
【0013】[半導体電極(多孔質膜)の形成]前記金
属酸化物半導体(酸化チタンなど)の微粒子(粒子サイ
ズ[ 平均粒径]は1〜1000nm程度、好ましくは1
〜100nm程度)を分散させた分散液を調製する。分
散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など
前記微粒子を分散できるものなら特に限定しない。ま
た、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤
を加えてもよい。
【0014】次に、前記分散液を透明電極付きガラス基
板上に塗布、乾燥する。塗布法としてはバーコーター
法、印刷法などを用いることができる。これを空気中あ
るいは不活性ガス、窒素中で加熱し焼成して金属酸化物
半導体膜(多孔質膜)を形成する。焼成温度は300〜
800℃が適している。焼成温度が上記より低いと金属
酸化物半導体の微粒子間の固着、基板への付着力が弱く
なり十分な強度がでなくなる。焼成温度が高すぎると微
粒子間の固着が進み、多孔質膜の表面積が小さくなる。
膜厚は0.1 〜100 μm、好ましくは1〜50μmが適して
いる。これより薄いと表面に吸着させる色素の量が少な
くなり、光の吸収が少なくなる。これより厚いと膜の電
気抵抗が大きくなり出来上がった太陽電池の性能が悪化
する。
【0015】[金属アルコキシド処理]前記半導体電極
(多孔質膜)は前記半導体材料と同じ金属のアルコキシ
ド及び/またはその部分加水分解物を塗布して金属アル
コキシド処理することが好ましい。半導体材料と同じ金
属とは半導体材料がチタニアのような単純な酸化物の場
合はその金属であるが、半導体材料がSrTiO3 など
の場合はストロンチウムおよび/またはチタンを意味す
る。金属アルコキシド等の塗布はどのような方法を用い
てもよいが,以下の方法が好ましい。
【0016】(1)好ましい金属アルコキシド チタン:テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブト
キシチタン等。 ニオブ:ペンタエトキシニオブ等。 すず:テトラn−ブトキシスズ等。 インジウム:トリイソプロポキシインジウム等。 ジルコニウム:テトラn−プロポキシジルコニウム、テ
トラn−ブトキシジルコニウム等。 タンタル:ペンタエトキシタンタル等。
【0017】(2)好ましい溶媒 アルコール類:エタノール、n−プロパノール、i−プ
ロパノール、n−ブタノール等。 エーテル類:ヒドロキシエチルメチルエーテル、ヒドロ
キシエチルエチルエーテル等。 ケトン類:アセトン、アセチルアセトネート等。
【0018】(3)金属アルコキシド溶液の調製 金属アルコキシドは通常溶媒に溶かして溶液として半導
体電極(多孔質膜)に塗布する。金属アルコキシド濃度
は0.01〜5mole/Lが好ましい。濃度が0.01mole/Lより低
いと焼成後に十分な量の金属酸化物が担持されない。濃
度が5mole/Lより高いと担持が過剰となり多孔質体の有
効な表面積が減少してしまう。溶液の安定性(ゲル化の
防止)を更に向上させるために、添加剤としてアルカノ
ールアミン(金属のモル数の0.01〜50倍が好ましい。)
を添加することが好適である。アルカノールアミンとし
てはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等が好適に使用できる。添加量が0.01
倍より少ないと溶液の安定性向上効果が十分には得られ
ず、50倍より多いと溶液の粘度が上がり塗布時に過剰量
の担持が起き易い。
【0019】また、水(金属のモル数の0.01〜50倍)を
添加してもよい。特に、アルカノールアミンと水の両者
を添加する方法は好適である。通常、水添加により金属
アルコキシドの一部または全部が加水分解されてこれが
塗布溶液となる。水の添加量は金属のモル数の0.01倍よ
り少ないと溶液の加水分解が十分には起きず、添加量が
50倍より多いと溶液のゲル化が起き塗布時に過剰量の金
属アルコキシドが塗布されたり、塗布むらが起きたりし
焼成後の金属の担持状態が好ましくない。
【0020】(4)塗布方法 バーコーター、ディップコート、スピンコート、溶液を
滴下しその後に余分の溶液を拭き取るなどの方法が好適
である。その後、50〜200℃で0.1〜50時間乾
燥し、150〜500℃で0.1〜50時間焼成するこ
とが好ましい。焼成が前記より低温や短時間ではアルコ
キシドの分解が完全に進まず高温、長時間では多孔質膜
のシンタリングが進行しすぎて多孔質体の有効な表面積
が減少してしまうことがある。
【0021】[増感色素]本発明における増感色素と
は、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ
色素であればよい。以下に本発明の増感色素として好適
なものにつき説明する。増感色素としては金属錯体や有
機色素を用いることができる。金属錯体としては銅フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシ
アニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、特開
平1−220380号公報や特表平5−504023号
公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯
体(例えばシス−ジシアネート−ビス(2、2’−ビピ
リジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム
(II))があげられる。有機色素としてはメタルフリ
ーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系
色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素等
を用いることができる。
【0022】増感色素は前記金属酸化物半導体の多孔質
膜の酸化処理を施した表面に付着(化学吸着、物理吸着
など、または堆積など)させればよい。付着方法は例え
ば色素を含む溶液中に前記多孔質膜を浸漬するなどの方
法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流さ
せるなどして増感色素の付着を効率化、増加、強化する
ことができる。
【0023】[電解質溶液]本発明の最も重要な構成要
素であり、電池製造時に特に注意を払う部分である。電
解質としては、I/I3 系、Br/Br3 系、キノン/
ハイドロキノン系などのレドックス電解質を使用でき
る。溶媒としては、アセトニトリル、炭酸プロピレン、
エチレンカーボネート、メトキシプロピオニトリルなど
の電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの混合溶
媒)が使用できる。具体的には、例えば、I/I3 系の
電解質はヨウ素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウ
ムとヨウ素を混合したものを用いることができる。通
常、溶媒中の電解質濃度は0.01〜5mol/Lとな
るようにすることが好ましい。
【0024】ここで注意することは、ヨード、ブロム、
キノンなどの電解質となるものは水分を含まないものを
用いることである。一方、溶媒は通常は微量の水分や酸
素を含有しているので、少なくとも一方を除去するため
精製する必要がある。溶媒は通常の精製方法(蒸留法や
吸着法など)を用いて水分濃度を100mg/L以下、
さらには80mg/L以下に制御することが好ましい。
また、溶媒中の酸素濃度は通常の精製方法(蒸留法、吸
着法、減圧脱気法、脱酸素剤など)を用いて10mg/
L以下、さらには8mg/L以下に制御することが好ま
しい。水分濃度および酸素濃度の両者をともに上記の範
囲に制御することがとくに好ましい。これらの電解質お
よび溶媒を用いて、電解質溶液を調製すれば電解質溶液
中の水分濃度および酸素濃度は実質的に上記と同じ範囲
に制御される。電解質溶液中の水分量100mg/L以
下および/または酸素濃度10mg/L以下に制御する
ことにより、増感色素と酸化チタンの間の結合が切れ
る、電解質と水や酸素との間で電子のやり取りが発生す
る、色素の分解が進行するなどの現象を制御し、時間と
ともに太陽電池の発電性能が低下し使用に耐えなくなっ
てしまうことを防止できる。なお、実験室的製造の場合
は、この電解質溶液や溶媒は電池への封入までは水分や
酸素が混入しないように窒素、アルゴンガスなどでシー
ルしておくことが好ましい。
【0025】〔対向電極]シリコン太陽電池、液晶パネ
ル等に用いられる対向電極と同じものを用いればよい。
すなわち、前記「透明電極」と同じもの、前記「透明電
極」に白金を少量付着させたもの、白金などの金属薄
膜、炭素などの導電性膜などが使用できる。 〔電池の組立〕前記半導体電極と対向電極とを端部にス
ぺーサーとして厚さ20μm程度のテフロンシートをは
さみ、注入口2個所を残し周りをエポキシ系の接着剤で
シールする。これを耐圧性容器に入れ真空にした後、ア
ルゴンガスで置換しアルゴンガス雰囲気下で前記電解質
溶液を注入口より注入してから注入口をエポキシ系接着
剤で封止しセルを組む。セル周囲をシールする際、電解
質溶液の注入口を残しておく。このセルに上記で説明し
た電解質溶液を注入したのち、注入口をエポキシ等の封
止材で封止し太陽電池とする。これは、電解質溶液注入
前の半導体電極、対向電極、スぺーサー、接着剤などか
ら水分および/または酸素を取り除き、電解質溶液注入
中に水分および/または酸素が電解液中に混入しないよ
うにするためである。本発明では太陽電池のシール部分
等から電解質溶液中に水分や酸素が混入しないように電
解質溶液を完全に封止することが大切である。このよう
にすることにより、電池製造時に水分および/または酸
素の混入を限界値以下とし、さらに、電池使用中も限界
値以下に保つことができる。この後電極にリード線を取
り付けて本発明の太陽電池が完成する。
【0026】以上、本発明の色素増感型太陽電池の構
成、製造方法等についての説明をしたが、その特徴は電
解質溶液にある。本発明では電池製造時に電解質溶液に
限界値以上に水分および/または酸素を混入させないよ
うにすること、および製造された電池の使用時に電解質
溶液中に水分および/または酸素が混入しない構造とす
ることで電池の性能を維持し、寿命の長い電池を提供で
きるものである。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 [実施例1] 1.チタニア基板の作製 日本エアロゾル製超微粒子チタニア(P−25)1重量
部を界面活性剤(和光純薬Triton X- 100)を0.
5wt%含む水20重量部に分散させた。この分散液を
フッ素をドープした酸化スズ透明電極付きガラス基板
(50×50mm)にバーコーターで塗布し、100℃
で1時間乾燥させた後450℃で1時間焼成した。これ
をもう一度繰り返し、厚さ10μmの多孔質状のチタニ
ア基板を作製した。
【0028】2.チタニア基板の金属アルコキシド処理 イソプロピルアルコール(iPA)51.9gにテトラ
イソプロポキシチタン(TTiP)2.1g、ジエタノ
ールアミン(DEA)0.79gを添加し2時間室温で
攪拌した。この溶液に水0.27gを添加したiPA
7.1gをさらに追加し、さらに2時間室温で攪拌して
TTiP溶液を調製した。得られたTTiP溶液はTT
iP0.1Mで、TTiP/DEA/水の比は1/1/
2であった。この溶液は常温で密閉保存したところ、2
ヶ月後も水酸化チタンによる白濁は認められなかった。 上記1.で作製したチタニア基板にTTiP溶液を滴下
し、すぐに余分の溶液をろ紙で吸い取り10分間風乾し
てから110℃で15分乾燥し、450℃で60分焼成
した。
【0029】3.増感色素の付着 増感色素(シス−ジシアネート−ビス(2,2’−ビピ
リジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム
(II))を0.3mmol含むエタノール溶液に上記
2.で作製したチタニア基板を浸漬し、溶液の沸点まで
加熱して2時間還流しながら色素を付着させ、増感色素
付きチタニア基板を得た。
【0030】4.太陽電池の作製 上記3.で作製した色素付きチタニア基板を一方の電極
とし、対向電極としてドープした酸化スズ透明電極付き
ガラス基板に白金をスパッタによりコートしたものを用
いた。電極間にスぺーサーとして厚さ20μmの多孔質
のテフロンシートをはさみ、注入口2個所を残し周りを
エポキシ系の接着剤でシールした。これを耐圧性容器に
入れ真空にした後、アルゴンガスで置換しアルゴンガス
雰囲気下で電解液を注入口より注入してから注入口をエ
ポキシ系接着剤で封止した。この後電極にリード線を取
り付けて太陽電池セルを作製した。なお、前記の電解液
は体積比が1:4であるメトキシプロピオニトリル/エ
チレンカーボネートの混合溶媒にヨウ化テトラプロピル
アンモニウムとヨウ素とをそれぞれの濃度が0.46m
ol/L、0.06mol/Lとなるように溶解したも
のを用いた。なお、電解液の溶媒であるメトキンプロピ
オニトリルとエチレンカーボネートはモレキュラシーブ
にて脱水後蒸留を行って精製した。ヨウ化テトラプロピ
ルアンモニウムはlkPa、40℃、12時間の条件で
真空乾燥機にて乾燥した。ヨウ化テトラプロピルアンモ
ニウムとョウ素を混合溶媒に溶解した後にこの電解質溶
液の水分量をカールフィッシャー法にて測定したところ
50mg/Lであった。
【0031】5.太陽電池の発電性能の測定 キセノンランプを光源としUVカットフィルターとAM
1.5フィルターを通して500W/m2 の強度の疑似
太陽光を上記太陽電池セルに当てることで発電性能の測
定を行った。 6.発電性能の評価結果 初期の開回路状態の電圧(Voc)は0.65V であ
り、短絡電流(Isc)は8.2mA/cm2 であり、
曲線因子(FF)は0.65であり、変換効率は6.9
%であり太陽電池として有用であることがわかった。こ
のこのセルを屋外に放置し、6ヶ月に後に同様の測定を
行ったが、Voc、 Isc、FFともほとんど変化せ
ず、変換効率は7.0%であった。
【0032】[実施例2]電解液の溶媒であるメトキシ
プロピオニトリルとエチレンカーボネートを液体窒素で
凍結しオイル拡散真空ボンプで10-2Paまで2時間脱
気した。脱気後アルゴンガスで置換し、アルゴンガス雰
囲気下でヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素を
溶媒に溶解した。それ以外は前記実施例1と同様の操作
で太陽電池セルを作製した。この電解液の溶存酸素量を
ポーラログラフ式酸素センサーにより測定したところ溶
存酸素量は5.5mg/Lであった。このセルの初期性
能を評価したところ、開回路状態の電圧(Voc)は
0.64Vであり,短絡電流(Isc)は8.3mA/
cm2 であり、曲線因子(FF)は0.67であり、変
換効率は7.1%であった。このセルを屋外に放置し、
6ヶ月後に同様の測定を行ったところ、Voc、 Is
c、FFともほとんど変化せず、変換効率は6.9%で
あった。
【0033】〔比較例〕セル作製の際に電解液の溶媒を
精製しなかった以外は前記実施例1と同様に太陽電池セ
ルを作製した。この電解液の水分量と溶存酸素量を測定
したところ,水分量は310mg/L,溶存酸素量は1
8mg/Lであった。このセルの初期性能を評価したと
ころ、開回路状態の電圧(Voc)は0.66Vであ
り、短絡電流(Isc)は8.OmA/cm2 であり、
曲線因子(FF)は0.66であり、変換効率は7.0
%であった。このセルを屋外に放置し、6ヶ月後に同様
の測定を行ったところ、Vocは0・ 68V、 Is
cは4.8mA/cm2 、FFは0.57となり、変換
効率は3.7%に低下した。
【0034】
【発明の効果】本発明における色素増感型太陽電池は変
換効率等が従来のものに比べ遜色なく、経時的な変化が
少なく寿命の長い色素増感型太陽電池を提供できること
を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グレッツェル型太陽電池の構成の概念図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS16 EE16 HH02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素増感型光半導体電極と対向電極が電
    解質溶液を挟んで配置された色素増感型太陽電池におい
    て、前記電解質溶液中の水分濃度が100mg/L以下
    である色素増感型太陽電池。
  2. 【請求項2】 色素増感型光半導体電極と対向電極が電
    解質溶液を挟んで配置された色素増感型太陽電池におい
    て、前記電解質溶液中の酸素濃度が10mg/L以下で
    ある色素増感型太陽電池。
  3. 【請求項3】 色素増感型光半導体電極と対向電極が電
    解質溶液を挟んで配置された色素増感型太陽電池におい
    て、前記電解質溶液中の水分濃度が100mg/L以下
    で、かつ酸素濃度が10mg/L以下である色素増感型
    太陽電池。
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