JP2000285980A - 色素増感型光半導体およびそれを用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型光半導体およびそれを用いた色素増感型太陽電池

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JP2000285980A
JP2000285980A JP11094833A JP9483399A JP2000285980A JP 2000285980 A JP2000285980 A JP 2000285980A JP 11094833 A JP11094833 A JP 11094833A JP 9483399 A JP9483399 A JP 9483399A JP 2000285980 A JP2000285980 A JP 2000285980A
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porous film
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optical semiconductor
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Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
Satoshi Hachitani
聡 蜂谷
Hiroyuki Endo
博之 遠藤
Takashi Arakane
崇士 荒金
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換効率の高い色素増感型半導体電極お
よびそれを用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池の
提供。 【解決手段】 半導体電極の表面を酸化処理した後に増
感色素を付着させた色素増感型光半導体電極およびそれ
を光電変換用電極とした色素増感型太陽電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光エネルギーを電気
エネルギーに変換する太陽電池、特に色素増感型太陽電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化に代表されるように地
球環境問題が顕在化してきている。そのような中で温暖
化の原因とされるCO2 ガスを排出しない、あるいは排
出が少ない、いわゆるクリーンエネルギーに対するニー
ズが高まっている。クリーンエネルギーとして最も期待
が高い太陽電池についてみると、現在、商品化されてい
るものは主に結晶(単結晶型、多結晶型)シリコンのp
n接合を利用したものである。この太陽電池に使用され
るシリコンは非常に高純度である必要があり、不純物を
取り除くための精製工程に多大なエネルギーと複雑な工
程を要するため、製造にコストがかかることなどの問題
があり、結果的に太陽電池システム全体としては非常に
高価なものになっている。そのため、既存の商用電源か
らの電力に比べて太陽光発電システムでは発電コストが
高くなり、広く普及するためには問題があった。また、
アモルファスシリコンの太陽電池も実用化はされている
が、耐久性の点などから電卓などには好適であるが電力
源としては不向きとされている。
【0003】一方、シリコン系以外の太陽電池の開発も
行われており、グレッツエルらは表面積を大きくした多
孔質酸化チタン膜にルテニウム錯体系の有機色素を吸着
させ、光電極とした色素増感型の太陽電池を考案し、変
換効率もシリコン系太陽電池なみに大きくなることを示
した(J.Am.Chem.Soc.第115巻、 63
82〜6390頁、 1993年)。この色素増感型太陽
電池では使用する材料が安価であること、簡単なプロセ
スで製造できることなどから低コストの太陽電池ができ
ると期待されている。
【0004】このグレッツエル型と言われる太陽電池で
は表面積の非常に大きい多孔質膜の上に色素を吸着して
いるので発電に寄与する色素の量が多くなり、従来の色
素増感型の太陽電池に比べて変換効率が向上すると考え
られている(従来1%以下であったものが数%になった
と報告されている。)。金属酸化物半導体の多孔質膜の
表面処理方法としては酸化チタンを堆積するために
(1)多孔質膜を塩化チタン(IV)の水溶液に浸す、
(2)多孔質膜を塩化チタン(IV)を含む500℃の乾燥
空気の流れに曝す、(3)多孔質膜を塩化チタン(III)
を含む水溶液に浸して電気を流す(特表平6−5111
13号公報)等の方法が知られている。しかし、このよ
うな方法では吸着できる有効な色素量に限界があり変換
効率向上にも限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光電変換効
率の優れた色素増感型光半導体電極および該色素増感型
光半導体電極を用いた色素増感型太陽電池の提供を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果半導体材料の表面を酸化処理した後これに増感色
素を付着させることにより、光電変換効率の優れた色素
増感型光半導体電極を得ることができること、さらにこ
の色素増感型光半導体電極を用いて優れた色素増感型太
陽電池を提供できることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 (1) 半導体材料の表面を酸化処理した後、これに増
感色素を付着させてなる色素増感型光半導体電極。 (2) 半導体材料が、金属酸化物の多孔質膜である
(1)記載の色素増感型光半導体電極。
【0008】(3) 酸化処理が、過酸化水素、次亜塩
素酸塩およびオゾンから選ばれる少なくとも1種を用い
てなされたものである(1)または(2)記載の色素増
感型光半導体電極。 (4) 酸化処理が、酸素存在下で紫外線を照射するこ
とによりなされたものである(1)または(2)記載の
色素増感型光半導体電極。
【0009】(5) (1)〜(4)のいずれかに記載
の色素増感型光半導体電極を有する太陽電池。 (6) 色素増感型光半導体電極と対向電極が電解質を
挟んで配置された(5)記載の太陽電池。 (7) 色素増感型光半導体電極の外側に透明電極付き
の透明基板が、対向電極の外側に対向基板がそれぞれ配
置された(6)記載の太陽電池。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、典型的な色素増感型太陽電
池(グレッツェル型太陽電池)について簡単に説明す
る。〔図1〕はグレッツエルらが考案した色素増感型太
陽電池の構成の一例を示すものである。光電極(色素増
感型光半導体電極)の部分は透明電極付きガラス基板上
に金属酸化物半導体(酸化チタン)の多孔質膜(半導体
電極)を形成させ、四塩化チタン水溶液等で酸化チタン
多孔質膜を処理し、その表面に増感色素を吸着させたも
のである。これを一方の電極とし、対向電極との間に電
解質溶液を置く。太陽電池の周囲は前記電解質溶液が漏
れないようにシール材でシールしたものが典型的なグレ
ッツェル型太陽電池である。
【0011】つぎに、本発明の色素増感型太陽電池につ
いて説明する。本発明の色素増感型太陽電池は上記グレ
ッツェル型太陽電池を改良したものであり、その構成お
よび製造方法の概要は同じであるので、本発明の色素増
感型光半導体電極の部分を中心に以下に本発明の色素増
感型太陽電池の構成、製造方法等について逐次説明す
る。
【0012】[透明基板(通称ガラス基板)]シリコン
太陽電池、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いれ
ばよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面
を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すり
ガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが
透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するも
のであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチ
ック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などで
もよい。
【0013】[透明電極]シリコン太陽電池、液晶パネ
ル等に用いられる透明電極を用いればよい。たとえば、
透明基板上に付着させた酸化すず、インジウム・ すず酸
化物(ITO)などの金属酸化物が好適な透明電極とな
る。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過でき
る構造にした金属電極を前記ガラス基板上に設けたもの
でもよい。
【0014】[半導体電極(半導体電極)材料]金属酸
化物半導体、たとえばチタン、ニオブ、亜鉛、すず、イ
ンジウム、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、タ
ンタルなどの酸化物やSrTiO3 やCaTiO3 など
のペロブスカイト系酸化物の半導体が好適に使用され
る。前記半導体を薄膜状にした金属酸化物の多孔質膜が
好適な半導体電極となる。酸化チタン多孔質膜が特に好
適な半導体電極となる。
【0015】[半導体電極(多孔質膜)の形成]前記金
属酸化物半導体(酸化チタンなど)の微粒子(粒子サイ
ズ[ 平均粒径]は1〜1000nm程度、好ましくは1
〜100nm)を分散させた分散液を調製する。分散液
の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など前記
微粒子を分散できるものなら特に限定しない。また、分
散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加え
てもよい。次に、前記分散液を透明電極付きガラス基板
上に塗布、乾燥する。塗布法としてはバーコーター法、
印刷法などを用いることができる。これを空気中あるい
は不活性ガス、窒素中で加熱、焼成して半導体電極(多
孔質膜)を形成する。焼成温度は300〜800℃が適
している。焼成温度が上記より低いと金属酸化物半導体
の微粒子間の固着、基板への付着力が弱くなり十分な強
度がでなくなる。焼成温度が高すぎると微粒子間の固着
が進み、多孔質膜の表面積が小さくなる。
【0016】膜厚は0.1 〜100 μm、好ましくは1〜50
μmが適している。これより薄いと表面に吸着させる色
素の量が少なくなり、光の吸収が少なくなる。これより
厚いと膜の電気抵抗が大きくなり出来上がった太陽電池
の性能が悪化する。金属酸化物半導体膜を塩化チタン(I
V)の水溶液に浸す、塩化チタン(III) を含む水溶液に浸
して電気を流す等の処理をして、さらに酸化チタンを堆
積させて多孔質膜としてもよい。
【0017】[半導体電極(多孔質膜)の酸化処理]本
発明の色素増感型光半導体電極では、半導体電極(多孔
質膜)に吸着させる色素量及び結合状態によってこれを
色素増感型太陽電池に組み込んだときに電池が発生する
電流量が左右されるが、色素付着前に多孔質膜に酸化処
理を施すことにより性能を向上させられる。多孔質膜の
酸化処理方法は半導体電極の表面を酸化できる処理方法
ならばどのような方法を用いてもよいが,以下の方法が
特に好ましい。
【0018】〔1〕過酸化水素水溶液に多孔質膜を浸漬
する。過酸化水素水溶液の濃度は0.01〜65wt% 、さらに
は1 〜50wt% が好ましい。これより濃度が高いと過酸化
水素が不安定でありまた過度の酸化が起き、低いと酸化
が十分に進行し難い。処理温度は0 ℃〜100 ℃、さらに
は5 ℃〜60℃が好ましい。これより温度が高いと過酸化
水素が不安定であり、また過度の酸化が起き、低いと酸
化が十分に進行しない。処理時間は1分〜50時間、さら
には1分〜10時間が好ましい。これより時間が長いとス
ループットが現実的でなくなりまた過度の酸化が起き、
短いと酸化が十分に進行しない。
【0019】〔2〕次亜塩素酸水溶液に多孔質膜を浸漬
する。次亜塩素酸塩としてはナトリウム塩、カルシウム
塩などが挙げられる。次亜塩素酸塩水溶液の濃度は0.01
〜20wt% 、さらには0.2 〜15wt% が好ましい。これより
濃度が高いと次亜塩素酸塩の分解や過度の酸化が起き、
低いと酸化が十分に進行しない。処理温度は0 ℃〜100
℃、さらには5 ℃〜60℃が好ましい。これより温度が高
いと次亜塩素酸塩が不安定でありまた過度の酸化が起
き、低いと酸化が十分に進行しない。処理時間は1分〜
50時間、さらには1分〜10時間が好ましい。これより時
間が長いとスループットが現実的でなくなりまた過度の
酸化が起き、短いと酸化が十分に進行しない。
【0020】〔3〕オゾンで多孔質膜を処理する。オゾ
ンガスまたはオゾンを他のガスで希釈した混合ガス気流
中に多孔質膜を保持する。希釈ガスとしては窒素、希ガ
ス(ヘリウム、アルゴンなど)等の不活性ガスや酸素、
空気、水蒸気などが挙げられる。オゾン濃度は0.01〜10
0vol% 、さらには1 〜100wt%が好ましい。これより濃度
が低いと酸化が十分に進行しない。処理温度は-50 ℃〜
400 ℃、さらには0 ℃〜200 ℃が好ましい。これより温
度が高いと過度の酸化が起き、低いと酸化が十分に進行
しない。処理時間は0.1 分〜50時間、さらには1分〜10
時間が好ましい。これより時間が長いと過度の酸化が起
き、短いと酸化が十分に進行しない。
【0021】また、別の方法として、オゾンガスまたは
オゾンを他のガスで希釈した混合ガスを多孔質膜を浸漬
した水中に暴気する方法がある。希釈ガスとしては、窒
素、希ガス(ヘリウム、アルゴンなど)等の不活性ガス
や酸素、空気、水蒸気などがあげられる。オゾン濃度は
0.01〜100vol% 、さらには1 〜100wt%が好ましい。これ
より濃度が低いと酸化が十分に進行しない。処理温度は
0 ℃〜100 ℃、さらには0 ℃〜60℃が好ましい。これよ
り温度が高いと過度の酸化が起き、低いと酸化が十分に
進行しない。処理時間は0.1 分〜50時間、さらには1分
〜10時間が好ましい。これより時間が長いと過度の酸化
が起き、短いと酸化が十分に進行しない。
【0022】〔4〕UV(紫外線)照射により多孔質膜
を処理する。酸素存在下で多孔質膜にUV(紫外線)を
照射する。光源としては太陽光、高圧水銀灯、キセノン
ランプなどが挙げられる。照射強度は0.001 〜10W/c
m2、さらには0.01〜10 W/cm2が好ましい。これより照射
強度が低いと酸化が十分に進行しない。処理温度は-50
℃〜400 ℃、さらには0 ℃〜200 ℃が好ましい。これよ
り温度が高いと過度の酸化が起き、低いと酸化が十分に
進行しない。処理時間は0.1 分〜50時間、さらには1分
〜10時間が好ましい。これより時間が長いと過度の酸化
が起き、短いと酸化が十分に進行しない。雰囲気中に存
在させる酸素は空気などの酸素含有ガスはもちろん、U
V(紫外線)照射によりオゾンを発生させる酸素化合物
を含む雰囲気、あるいは多孔質膜にUV(紫外線)を照
射することにより活性化された多孔質膜表面に反応でき
る酸素または酸素化合物を含む雰囲気であればよい。
【0023】[増感色素]本発明の色素増感型光半導体
電極では多孔質膜に吸着させる色素量及び結合状態によ
って光電返還効率が左右され、多孔質膜表面の上記酸化
処理により多孔質膜に吸着させる色素量及び結合状態が
改善され優れた色素増感型光半導体電極が得られる。以
下に本発明に用いられる増感色素として好適なものにつ
き説明する。本発明における増感色素とは、可視光領域
および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であればよ
い。この増感色素としては、金属錯体や有機色素を用い
ることができる。金属錯体としては銅フタロシアニン、
チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロ
ロフィルまたはその誘導体、ヘミン、特開平1−220
380号公報や特表平5−504023号公報に記載の
ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体(例えばシ
ス−ジシアネート−ビス(2、2’−ビピリジル−4、
4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))があ
げられる。有機色素としては,メタルフリーフタロシア
ニン,シアニン系色素,メタロシアニン系色素,キサン
テン系色素,トリフェニルメタン系色素等を用いること
ができる。
【0024】増感色素は前記金属酸化物半導体の多孔質
膜の酸化処理を施した表面に付着(化学吸着、物理吸着
または堆積など)させればよい。付着方法は例えば色素
を含む溶液中に前記多孔質膜を浸漬するなどの方法を用
いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるな
どして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。
以上により本発明の色素増感型光半導体電極が得られ
る。以下に上記説明で得られたガラス基板上に形成した
本発明の色素増感型光半導体電極を用いた色素増感型太
陽電池について説明する。
【0025】[電解質溶液]電解質溶液としては通常シ
リコン太陽電池、液晶パネル等に用いられる電解質溶液
を使用することができる。たとえば、I/I3 系、Br
/Br3 系、キノン/ハイドロキノン系などのレドック
ス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレン
カーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(および
これらの混合溶媒)に溶かしたものが使用できる。具体
的には、I/I3 系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩
あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものなどを
用いることができる。
【0026】[対向電極]電解質を挟んで色素増感型光
半導体電極と対向させる対向電極としては、シリコン太
陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対向電極と
同じものを用いればよい。具体的には、前記「透明電
極」と同じもの、前記「透明電極」に白金を少量付着さ
せたもの、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜な
どが好適に使用できる。
【0027】以上で、本発明の色素増感型太陽電池およ
びその製造方法についての説明をしたが、金属酸化物半
導体の多孔質膜表面の酸化処理および表面を酸化処理し
た半導体電極(多孔質膜)に増感色素を付着させた色素
増感型光半導体電極に特徴があり、他の部分の構成、材
料、製造方法などについてはどのような方法等を用いて
もよく、従来の方法等を用いることもてきる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら制限されるもの
ではない。 〔実施例1〕 1.ガラス基板上へのチタニア半導体電極の調製 日本エアロゾル製超微粒子チタニア(P−25)1重量
部を界面活性剤(和光純薬Triton X- 100)を0.
5wt%含む水20重量部に分散させた。この分散液を
フッ素をドープした酸化スズ透明電極付きガラス基板
(50×50mm)にバーコーターで塗布し,100℃
で1時間乾燥させた後,450℃で1時間焼成した。バ
ーコーター塗布以下をもう一度繰り返し、厚さ10μm
の多孔質状のチタニア半導体電極付き基板原板を調製し
た。さらに、このチタニア半導体電極付き基板原板を濃
度1wt%の四塩化チタン水溶液に一晩浸漬し,その後
水洗して100℃で1時間乾燥させた後、450℃で1
時間焼成し、チタニア半導体電極付き基板を調製した。
【0029】2.チタニア半導体電極の酸化処理 上記チタニア半導体電極付き基板を室温下で濃度10w
t%の過酸化水素水溶液に4時間浸漬し、その後水洗し
て120℃で1時間乾燥させチタニア半導体電極の酸化
処理を行った。 3.色素の付着 色素(シス−ジシアネート−ビス(2,2’−ビピリジ
ル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(I
I))を0.3mmol含むエタノール溶液に上記酸化
処理を行ったチタニア半導体電極付き基板を浸漬し、溶
液の沸点まで加熱して、2時間還流条件で色素を付着さ
せ色素増感型光半導体電極付き基板を得た。
【0030】4.太陽電池セルの作製 上記色素増感型光半導体電極付き基板を一方の電極と
し、対向電極としてドープした酸化スズ透明電極付きガ
ラス基板に白金をスパッタによりコートしたものを用い
た。電極間にスぺーサーとして厚さ20μmのテフロン
(登録商標)シートをはさみ、注入口2個所を残し周り
をエポキシ系の接着剤でシールした。これを耐圧性容器
に入れ真空にし、アルゴンガスで置換しアルゴンガス雰
囲気下で電解液を注入口より注入した。注入が終了した
ら注入口をエポキシ系接着剤で封止した。この後、それ
ぞれの電極にリード線を取り付けて太陽電池セルを作製
した。なお,前記の電解液は,体積比が1対4であるメ
トキシプロピオニトリル/エチレンカーボネートの混合
溶媒にヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とを
それぞれの濃度が0.46mol/L、0.0646m
ol/Lとなるように溶解させたものを用いた。
【0031】5.太陽電池セルの発電性能の測定 キセノンランプを光源とし、UVカットフィルターとA
M1.5フィルターを通して500W/m2 の強度の疑
似太陽光を前記の太陽電池セルに当てることで発電性能
の測定を行った。 6.発電性能および寿命の評価結果 初期の開回路状態の電圧(VOC)は0.66V であ
り、短絡電流(ISC)は8.5mA/cm2 であり、
曲線因子(FF)は0.63であり、変換効率は7.1
%であって太陽電池として有用であることがわかった。
【0032】〔実施例2〕酸化処理として、上記半導体
電極付き基板を、室温下で濃度10wt%の次亜塩素酸
ナトリウム水溶液に4時間浸漬し、その後水洗して12
0℃で1時間乾燥させた。それ以外は実施例1と同様に
して太陽電池セルを作製し発電性能の測定を行った。初
期の開回路状態の電圧(VOC)は0.65V であり、
短絡電流(ISC)は8.8mA/cm2 であり、曲線
因子(FF)は0.62であり,変換効率は7.1%で
あって太陽電池として有用であることがわかった。
【0033】〔実施例3〕酸化処理として、上記半導体
電極付き基板をオゾン濃度5vol %(空気希釈)の混合
ガス気流中に設置し、40℃で30分処理した以外は実施例
1と同様にして太陽電池セルを作製し発電性能の測定を
行った。初期の開回路状態の電圧(VOC)は0.65
V であり、短絡電流(ISC)は8.3mA/cm2
あり、曲線因子(FF)は0.63であり、変換効率は
6.8%であって太陽電池として有用であることがわか
った。
【0034】〔実施例4〕酸化処理として、上記半導体
電極付き基板に空気中で100Wの高圧水銀灯を用いて
40℃で30分間紫外線を照射した以外は実施例1と同様に
して太陽電池セルを作製し,発電性能の測定を行った。
初期の開回路状態の電圧(VOC)は0.62V であ
り、短絡電流(ISC)は8.4mA/cm2 であり、
曲線因子(FF)は0.64であり、変換効率は6.7
%であって太陽電池として有用であることがわかった。
【0035】〔比較例〕酸化処理を実施しない半導体電
極付き基板を用いた以外は前記実施例1と同様に太陽電
池セルを作製した。このセルの初期性能を評価したとこ
ろ、開回路状態の電圧(VOC)は0.66V であり、
短絡電流(ISC)は6.9mA/cm 2 であり、曲線
因子(FF)は0.63であり、変換効率は5.7%で
あった。
【0036】
【発明の効果】本発明における色素増感型光半導体を用
いた色素増感型太陽電池は変換効率等が従来のものに比
べ向上しており、有効な色素増感型太陽電池を提供でき
ることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 グレッツェル型太陽電池の構成の概念図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 AA20 FA02 GA03 5H032 AA06 AS16 BB05 BB07 CC11 CC16 EE16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体材料の表面を酸化処理した後、こ
    れに増感色素を付着させてなる色素増感型光半導体電
    極。
  2. 【請求項2】 半導体材料が、金属酸化物の多孔質膜で
    ある請求項1記載の色素増感型光半導体電極。
  3. 【請求項3】 酸化処理が、過酸化水素、次亜塩素酸塩
    およびオゾンから選ばれる少なくとも1種を用いてなさ
    れたものである請求項1または2記載の色素増感型光半
    導体電極。
  4. 【請求項4】 酸化処理が、酸素存在下で紫外線を照射
    することによりなされたものである請求項1または2記
    載の色素増感型光半導体電極。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の色素増
    感型光半導体電極を有する太陽電池。
  6. 【請求項6】 色素増感型光半導体電極と対向電極が電
    解質を挟んで配置された請求項5記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 色素増感型光半導体電極の外側に透明電
    極付きの透明基板が、対向電極の外側に対向基板がそれ
    ぞれ配置された請求項6記載の太陽電池。
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