JP5374704B2 - 光物理化学電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高効率な光電流の発生方法及び光物理化学的電池に関する。より詳しくは、酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、特定の光アノード電極を挿入し、さらに対極カソード電極として酸素を還元できる電導性材料からなる電極を挿入し、当該液相媒体内に酸素を共存させて当該光アノード電極に光を照射することにより、光電流を高効率に生ぜしめる光電流発生方法及び当該電極より構成される高効率な光物理化学電池に関する。
近年、化石燃料燃焼による二酸化炭素の大量排出による地球温暖化と、それに起因すると考えられる異常気象、大洪水、永久凍土の消失、氷河の確実な溶解、海面上昇等の現象が世界各地で頻繁に、且つ、高頻度で発生するようになり、人類の生存環境は急速に悪化し、脅かされつつある。かかる深刻な全地球的規模の問題を早急に解決するために、新しいエネルギー資源の創製や革新的な省エネルギー技術が強く求められている。風力発電、太陽電池による太陽光発電、バイオマス利用などの再生可能な新エネルギー資源、さらに、燃料電池を用いた省エネルギーシステムなどが、これらを解決すべき技術として期待され、普及しつつある。
しかしながら、これら新エネルギーシステムは、これを実際に経済的に実施するためには、効率やコストなどの面でまだまだ問題があり、二酸化炭素排出量を現実的に大幅に削減できる技術は、現実にはまだ存在しないといわざるを得ない。最近発効した京都議定書において、各締約国に課される二酸化炭素削減の数値目標についても、容易には達成できるものではなく、特に日本に関しての削減目標を達成することは、その達成も危ぶまれている程のものである。
この点、たとえば、社会を動かすエネルギー媒体として、燃焼により二酸化炭素を生ぜず、水が発生するだけである究極のクリーン媒体として水素が注目されて、いわゆる水素社会の実現が喧伝されている。しかしながら、水素はエネルギー密度が極めて低く、その貯蔵や輸送上に大きな問題があり、また容易にリークし易く爆発性の危険な化合物であって取り扱いが難しく、貯蔵や輸送及び供給のためのインフラの整備は極めて困難で、その普及には、実現困難な大きな障害がある。
二酸化炭素排出を抑制するために、現在いわゆる燃料電池が注目されている。これは、燃料から電力を得るに際し、単に燃料を燃焼してそのエネルギーで発電機を回して電力を得る火力発電に対し、燃料電池によれば、この燃料を酸素と化合せしめる際に、電極を用いて外部回路を介して当該反応を行わせ、このときに生ずる電荷のやり取りを、電力として直接得ることができるからである。
この場合、火力発電においては、燃料から電力へのエネルギー変換効率は40%程度であるが、燃料電池では、当該エネルギー変換効率はエネルギー基準で40〜70%程度となり、火力発電よりもエネルギー変換効率を高くすることが可能である。しかしながら、通常、燃料電池で直接燃料として用いることができるのは、水素とメタノ−ルに限られており、その他の燃料を燃料電池の燃料として用いるためには、当該燃料を改質により一度水素に変換してから用いざるを得ず、コストが高くなる。水素ガスは基本的に上記した種々の問題を有する燃料であり、また、メタノールは、水素よりも取扱いは容易で直接燃料電池の燃料として用いることはできるが、エネルギー変換効率はあまり高くなく、せいぜい30〜40%程度である。
一方また、太陽エネルギーを電力に変えるため、結晶質シリコンやアモルファスシリコン半導体を用いる太陽電池が実現されているが、発電効率が限られているという問題がある。
本発明者は、太陽電池のように、太陽エネルギーやその他の光エネルギーを電力に変換でき、再生可能なエネルギー資源として用いうるとともに、さらには、水素やメタノールを使用する燃料電池では、従来用いることができなかった化合物を、燃料として用いることができる、高効率な光電力発電や光物理化学電池が、これまでの太陽電池及び燃料電池に代わる新しい省エネルギー発電システムとして社会の使用に供することができるという新しい着想を得た。
このような「光物理化学電池」は、新しい概念に基づく電池システムであるが、従来、一見本発明の概念と類似するようにみえるものは提案されていた。
例えば、本多らにより、二酸化チタン電極と白金対極を電解質水溶液中に浸漬してこの二酸化チタンに光照射すると、水が電気化学的に光分解して、水素と酸素が発生し、このとき光電流が発生すると報告されている(いわゆる本多・藤島効果)(Fujishima et al.”Electrochemical Photolysis of Water at a Semiconductor Electrode”,Nature,1972,vol.238,P37−38)。しかしながら、この提案されている系においては、対極カソードで水素が発生するために、光エネルギーは、ほとんど水素に変換されてしまう。したがってこの系は、光電池としては、ほとんど用いることはできないものであった。
また、特開昭53−131445号公報には、光半導体電極に太陽光を照射して水分解に用いる半導体光電池が記載されているが、当該電池では、水素ガスが発生するので、これを同時に発生する酸素と分離し、一旦金属水素化物のタンクに貯蔵し、当該水素を燃料として燃料電池を作動させるものである。
さらにまた、本発明者らは、特願2004−379280号において、同様な方法により、光により窒素含有化合物を窒素と水素に分解できることを提案している。しかしながら、当該提案は、例えばアンモニアを光分解して窒素と水素を生産することを目的とするものであり、当該光エネルギーは、水素エネルギーに変換されてしまうので、有効な電力としては、ほとんど取り出せなかった。
従来、特開昭59−165379号公報(以下、「379公報」ということがある。)には、その特許請求の範囲において、電流2倍効果を有する有機物の溶液中に、n型半導体電極と、対向電極を設置し、当該n型半導体電極に光を照射してその有機物の酸化反応を行い、対向電極では酸素の還元を行い、電力を得るいわゆる光燃料電池が記載されている。すなわち、当該特許請求の範囲の文言上は、一見、光燃料電池の概念がすでに提案され、公知となっているようにみえる。
しかしながら、379公報記載の全ての技術的内容を詳細に検討したところ、当該公報には、実は、特許請求の範囲記載の「光燃料電池」なるものを、当業者が実施し、もしくは、これを具体的に実現する手段が全く記載されていないことが見いだされた。また、特許法上、当該請求項に記載されている光燃料電池なる発明の構成が実際上どのように具体化されるかを示す実施例を記載することが要請されている。ところが、当該公報に記載の実施例は、全くこの光燃料電池の概念を具体化するものでもない。すなわち、当該全実施例においては、CdS単結晶やCdS多結晶からなる半導体極をアノード極としてギ酸ナトリウム溶液(燃料)中に挿入し、また白金黒電極をカソードとして硫酸中に挿入し、当該アノードに500nmを照射して光電流を発生させることができたとする。しかしながら、この実施例においては、そもそも、アノード電極を挿入する溶液が強塩基性(pH14以下)であり、またカソード電極を挿入する溶液は強酸性(pH0以下)の極めて特異な条件で行っている。これは、両電極間に、補助的に印加電圧を0.82V以上印加することに相当している。基本的に、太陽電池や燃料電池、もしくは具体的にはこの「光燃料電池」において、このように、わざわざ外部電圧を印加することは、当該電池に、外部エネルギーを投入することに等しく、技術的に無意味である。
また、当該実施例における電池においては、その電池反応の過程で、アノード極ではプロトン(H)が発生し、カソード極ではHを消費するので、光電流を流しながらアノード室/カソード室のpH差が次第に減少する結果、ついには光電流が流れなくなってしまう。これに加えるに、379公報で示されたように、アノード室とカソード室を仕切るイオン交換膜や塩橋は、プロトン交換機能を有するので、当該電池は何もせずに放置するだけで、このプロトン交換により両室のpH差は次第に減少し、それだけで光電池として作動しなくなる。
以上のごとく、379公報記載の実施例は、提案されている「光燃料電池」なるものが、実際上どのように具現化されるかを何ら示していない。
さらに、実際に、後に参考例1に示すように、379公報の請求項に規定された「光燃料電池」をCdS単結晶のアノードにより追試したところ、当然のことながら、当該燃料電池においては、光電流値がほとんど生ぜず、実用上の意義は全くないものであった。
このように、従来379公報により公知とされている「光燃料電池」は、実は、補助的な外部エネルギーを印加して初めて作動するレベルのものであり、その構成が、外部エネルギーの印加なしに作動し、目的とする光電流を発生させるように、客観的・具体的な構成を有する発明として完成されたものではなかった。また、さらに燃料として使用できるのは、「電流2倍効果を有する」きわめて少数の化合物に限られるという問題もある。
本発明の目的は、このような補助的な外部エネルギーなど何ら印加することなく、光アノードにより任意の燃料を酸化分解でき、また、対極カソードにおいて酸素を還元することにより、光電流を発生させることができる新規な光物理化学電池を提供することである。
また、本発明の他の目的は、いわゆる「電流2倍効果を有する」限られた化合物のみでなく、メタノール等のアルコール類はもちろん、尿素、アンモニア、アガロース、グルコース、アミノ酸、さらにはセルロース等のバイオマスに至るまで、広範囲な化合物を燃料として分解し、光電流を発生させうる新規な光物理化学電池を提供することである。
A.本発明は、上記した観点からなされたものであって、本発明に従えば、以下の光電流発生方法が提供される。
〔1〕 酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、光アノード電極を挿入し、さらに対極カソード電極として酸素を還元できる電導性材料からなる電極を挿入し、当該両電極間に外部電圧及びpH差からなる化学ポテンシャルのいずれをも印加することなく、かつ、当該液相媒体内に酸素を共存させて当該光アノード電極に光を照射することのみにより、当該アノード電極上で前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物を酸化的に光分解すると共に、当該対極上で酸素を還元することにより、光電流及び光起電力を生ぜしめる光電力流発生方法であって、
当該酸化還元性液体又は酸化還元性化合物は、水、アンモニア、尿素、アルコール類、炭化水素類、有機酸類、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、酸アミド、アミン類、糖類、畜産排泄物、し尿処理物、工場排水、生ゴミ、バイオマス類、多糖類、及びタンパク質類から選択される、当該アノード電極に対して電子供与体として働く化合物であり、
当該光アノード電極として、導電性基板上に酸化チタン(TiO 2 )又は酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体微粒子の塗布、焼成により作製した多孔質膜からなる電極であって、紫外線照射下に導電体として働く紫外域における多孔質電導体からなる電極を用いることを特徴とする前記光電流発生方法。
〔2〕 前記光アノード電極として、その表面に水の酸化触媒を修飾した電極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、水の酸化触媒を共存させて光電流を生ぜしめる〔1〕に記載の方法。
〔3〕 前記対極カソード電極として、その表面に酸素の還元触媒を修飾した対極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、酸素の還元触媒を共存させて光電流を生ぜしめる〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕 前記光アノード電極に色素増感剤を吸着させるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に色素増感剤を共存させて光電流を生ぜしめる〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 前記酸化還元性液体として、水を用いて光電流を生ぜしめる〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕 前記酸化還元性液体として、アンモニア水を用いて光電流を生ぜしめる〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕 前記酸化還元性液体として、バイオマスまたはその誘導体の溶液を用いて光電流を生ぜしめる〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔8〕 前記光アノード電極である多孔質電導体を形成する半導体微粒子が二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化タングステン又は炭化ケイ素の微粒子である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の方法。
〔9〕 前記光アノード電極である多孔質電導体を形成する半導体微粒子が二酸化チタン又は酸化亜鉛の微粒子である〔8〕に記載の方法。
B.また、本発明に従えば、以下の光物理化学電池が提供される。
〔10〕 酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、光アノード電極を挿入し、さらに対極カソード電極として酸素を還元できる電導性材料からなる電極を挿入し、当該両電極間に外部電圧及びpH差からなる化学ポテンシャルのいずれをも印加することなく、かつ、当該アノード電極と対極カソード電極を外部導線で接続して外部回路を形成してなる電池であって、当該液相媒体内に酸素を共存させて当該アノード電極に光を照射することのみにより、前記アノード電極上で前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物を酸化的に光分解すると共に当該対極カソード上で酸素を還元することにより、当該外部回路に光電流及び光起電力を生ぜしめる光物理化学電池において、
当該酸化還元性液体又は酸化還元性化合物は、水、アンモニア、尿素、アルコール類、炭化水素類、有機酸類、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、酸アミド、アミン類、糖類、畜産排泄物、し尿処理物、工場排水、生ゴミ、バイオマス類、多糖類、及びタンパク質類から選択される、当該アノード電極に対して電子供与体として働く化合物であり、
当該光アノード電極として、導電性基板上に酸化チタン(TiO 2 )又は酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体微粒子の塗布、焼成により作製した多孔質膜からなる電極であって、紫外線照射下に導電体として働く紫外域における多孔質電導体からなる電極を用いることを特徴とする前記光物理化学電池。
〔11〕 前記光アノード電極として、その表面に水の酸化触媒を修飾した電極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、水の酸化触媒を共存させて光電流を生ぜしめる〔10〕に記載の光物理化学電池。
〔12〕 前記対極カソード電極として、その表面に酸素の還元触媒を修飾した対極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、酸素の還元触媒を共存させて光電流を生ぜしめる〔10〕又は〔11〕に記載の光物理化学的電池。
〔13〕 前記光アノード電極に色素増感剤を吸着させるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に色素増感剤を共存させて光電流を生ぜしめる〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の光物理化学的電池。
〔14〕 前記酸化還元性液体として、水を用いて光電流を生ぜしめる〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の光物理化学電池。
〔15〕 前記酸化還元性液体として、アンモニア水を用いて光電流を生ぜしめる〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の光物理化学電池。
〔16〕 前記酸化還元性液体として、バイオマスまたはその誘導体の溶液を用いて光電流を生ぜしめる〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の光物理化学電池。
第1図は、本発明の光物理化学電池の構成を示す説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(光電流の発生及び光物理化学電池)
本発明による光物理化学電池の動作の一例を図面を参照しながら説明する。第1図は、本発明の光物理化学電池の一例であって、酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液(すなわち燃料の溶液)として、たとえばアンモニア水を使用し、この燃料を含む水系媒体等の当該液相媒体10の当該液相媒体中に、光アノ−ド電極20として、(a)紫外域における多孔質電導体電極、または(b)キャリヤ密度が1013cm−3以上、及び/または電導率が10−5Scm−1以上のn型可視域半導体からなる電極を挿入し、さらに酸素を還元できる導電性電極、例えば白金等からなる対極を酸素還元用カソード電極30として挿入し、当該アノ−ド電極20とカソ−ド対極30を外部導線40で接続し外部回路50を構成してなる電池60であり、当該液相媒体中に酸素を共存させた光物理化学電池60である。
当該光アノード電極に太陽光のような光を照射することにより、図に示したように、当該アノ−ドの価電子帯(VB)から伝導帯(CB)に電子(e)が励起し、当該価電子帯(VB)には正孔(h)が残る。この正孔が、アンモニア(NH)等の燃料を酸化分解し、窒素(N)とプロトン(H)を生ずる。
一方、励起した電子(e)は、外部回路を通じて、カソード白金等の対極に渡り(すなわち外部回路に光電流(80の矢印と逆方向)を生じせしめ)、そこで当該液相媒体中に共存させた酸素を還元し、水を生ずる。(このときには、図に示したように、プロトン(H)も、当該反応に関与する。)
このようにして、アンモニア等の酸化還元性液体または酸化還元性化合物(燃料)が、照射した光の助けを借りて、外部回路を経由して液相媒体中に共存(溶存)する酸素と反応して窒素と水を生ずるのである。すなわち、本発明の光物理化学電池によれば、従来型の燃料電池では燃料として使用できなかった、アンモニア等の不燃性化合物、さらには、水等であっても、照射光で活性化することにより、分解することができるので、光物理化学電池の燃料として利用できるのである。すなわち、本発明の光物理化学電池によれば、水素を一旦発生させることなく、または、水素を経由せずに、光電流を発生させる燃料電池を構成できるのである。
上記の光物理化学電池においては、酸化還元化合物の光分解を促進するために、酸化触媒を当該アノ−ド電極と共に用いるのが効果的である。また、照射する光に関し、太陽光スペクトルの約半分を占める可視光を効率よく利用するためには、増感剤を当該半導体電極と一緒に用いることも好ましい。さらにまた、対極における酸素還元を効率よく行わせるためには、酸素の還元触媒を当該対極と組み合わせて用いることにより、さらに好ましい結果を与える。以下、さらに詳細に説明する。
(光アノード電極)
本発明において、光アノード電極として使用可能なものは、(a)紫外域における多孔質電導体電極、または(b)キャリヤ密度が1013cm−3以上、及び/または電導率が10−5Scm−1以上のn型可視域半導体である。
(a)紫外域における多孔質電導体電極としては、二酸化チタンが良好な結果を与えるが、その他、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化タングステン、炭化ケイ素などの多孔質の紫外域電導体が用いられる。光電気化学反応が起こる光アノード/液相の接触面積を大きくするため、実効表面積の極めて大きい多孔質材料を用いることが好ましいのである。
これら紫外域電導体は、本来は半導体であり、それ自身電導体ではないが、このように実効表面積の大きい多孔質体として構成されているため、当該実効表面積が見かけの電極面積より数百倍から1千倍以上となっており、紫外光照射下においては、多数の電子が液相から注入される結果、多数のキャリヤ電子が内部に存在するのと同じことになる。すなわち、これら紫外域多孔質電導体は、紫外光照射条件下ではあたかも電導体と同様に振舞うのである。
また(b)キャリヤ密度が1013cm−3以上、及び/または電導率が10−5Scm−1以上のn型可視域半導体としては、シリコン、ガリウムヒ素、チタン酸ストロンチウム、セレン化カドミウム、リン化ガリウムなどのn型可視域半導体を光アノード電極として用いることができる。さらに好ましくは、キャリヤ密度が1016cm−3以上、及び/または電導率が10−2Scm−1以上のn型可視域半導体が用いられる。
本発明の光物理化学電池においては、光照射された光アノードにおいて、その価電子帯から伝導帯に電子が励起し、当該価電子帯に正孔が残り、当該正孔が、アンモニア等の燃料を酸化分解し、窒素とプロトン(H)を生ぜしめるものであるが、このとき、従来のごとく通常の半導体などの電極を使用した場合では、光照射により生じた正孔がこの半導体電極を溶解してしまうので、実用的に用いることはこれまでできなかった。
また、379公報におけるいわゆる光燃料電池において、アノードとしてもっとも好ましいとされているCdSは、その単結晶の電導率は10−7cm−1程度と低いので、上記規定の(a)、(b)いずれにも該当せず、本発明の光物理化学電池に用いることはできない。
またアノ−ド材料は、単結晶、多結晶、アモルファス材料等の種々の形で用いることができる。この場合、(a)の多孔質電極とするためには、例えば、半導体(電導体)材料の粉末を、電導性材料からなる基板上に塗布してから焼結し、多孔質半導体膜とすることが好ましい。透明導電性基板材料としては、透明電導性ガラス(ITO等)、金属、金属薄膜、炭素など色々な材料を用いることができる。また、塗布後の焼結時の加熱により、当該基板である電導性ガラスは、その電導度が低下することが起こりうる。その場合は、フッ素ドープの材料を用いることにより、当該電導度の低下を少なくすることができ、好ましい。
(対極カソード電極)
本発明における対極カソード電極としては、酸素を還元できる電極であれば特に限定するものではなく、例えば白金、酸化銀、炭素、多孔質炭素、グラファイト、あるいはこれらを任意の組成で混合・圧縮したもの、透明電導性ガラス、或いはこれらに白金微粒子を坦持した電極、白金黒電極など、要するに酸素を還元できる電極なら、特に限定するものでなく、いずれも用いることができる。
この対極は、酸素を効率よく還元することが重要であるため、金属錯体などの酸素の還元触媒を電極上に修飾したり、あるいは、液体中に共存させて用いるとさらに良好な結果を与える。
(酸化還元性液体等)
本発明における酸化還元性液体又は酸化還元性化合物としては液体燃料または燃料の溶液(以下「液体燃料等」ともいう。)を用い、これを液相媒体とする。当該燃料液体等としては、水自体を燃料として使用できることが特筆されるほか、アンモニア、尿素、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、さらにはブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等の高級アルコール等、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、炭化水素(メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニリン、アントラセン等)、そのほかの有機化合物類(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等有機酸、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、メチルアミン、エチルアミン等アミン、酸アミド、フェニルアラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、チロシン)、糖類(グルコース、ショ糖等)、多糖類、さらには無機化合物(金属塩等)等、アノード電極に対して、電子供与体として働く化合物であれば、何でも用いることできる。
これらのうち、水以外の化合物は、水溶液やその他の溶液として用いることができる。なお、液体燃料等からなる液相媒体中に、NaSO、NaOH等無機或いは有機の電解質を共存させると、当該液相媒体の電導性が高まり、変換効率を上げることができる。また、当該液相媒体中には、酸素還元触媒を共存させることも好ましい。
さらに、本電池の燃料としては、現在エネルギーを加えて処理している人間や動物の排泄物(畜産排泄物、し尿処理物、工場排水、生ゴミ)を用いることができる。さらにまた、種々のバイオマス、例えば木材、植物の葉、茎、セルロース、リグニン、その他の多糖類(グルコース、カラゲニン、デン粉、セルロース、キチン、キトサン等)、タンパク質類(ゼラチン、コラーゲン等)等の固体ないしスラリーや溶液を燃料として用いることもできる。
(酸素)
本発明の光物理化学電池においては、対極カソード電極の活物質は、酸素を代表とする電子受容体なので、当該液相媒体中に酸素または電子受容体を共存(通常は、溶存酸素として共存)させることが条件である。当該酸素は、基本的に1気圧の酸素が使用できるが、酸素混合ガス、たとえば空気でもよい。当該電池内の酸素の圧力を1気圧以上に高めると、液相媒体中の溶存酸素濃度が高まる等の理由のために、光物理化学電池の特性が向上する。なお、酸素は、純酸素ガスをそのまま、または窒素ガス等で任意の濃度に希釈して供給してもよいし、分解して酸素を発生させる化合物(例えば過炭酸ナトリウム等)を液相媒体中に存在せしめてもよい。また、空気を使用する場合は、ゼオライト等の分子ふるい的吸着剤や酸素富化膜を使用するシステムにより、酸素濃度を高めた酸素富化ガスを使用することも好ましい。
(照射光)
本発明において、光物理化学電池の半導体電極に照射する光は、再生可能エネルギー資源の創製という観点からは、太陽光を用いることが好ましいが、その他、人工光源等いずれも用いることができる。例えば、水を酸化還元剤(燃料)として用いる場合には、理論的には少なくても1.23eV以上の光エネルギーを照射することが必要である。これは波長が約1000nm以下の光に相当する。
またアンモニアを酸化還元剤(燃料)とする場合には、理論的には少なくても0.057eV以上の光エネルギーでよく、これは波長が約20μm(赤外領域)以下の電磁波に相当する。
このように、本発明で使用する燃料(酸化還元性化合物)を活性化するのに必要な光(電磁波)エネルギーの大小の差異については、水を燃料とする場合とアンモニア燃料の場合を比較する。水燃料の場合は、当該水の電子供与性は極めて弱いので、活性化するのに比較的大きなエネルギー要するのに対し、アンモニア燃料の場合は、その電子供与性は水素に近いほど大きいため、活性化するのには僅かなエネルギーのみで足りることによる。
本発明において、太陽エネルギーをできるだけ有効に変換利用するためには、太陽スペクトル中の割合が高い、可視部から赤外部の光を用いるのが好ましい。また、人工光源を用いる場合の人工光源としては、燃料を活性化できる電磁波を発生する光源なら何れでもよく、通常の可視光源、キセノンランプ、ハロゲンランプ(白熱灯)、タングステンランプ、照明用のランプ、水銀ランプ(高圧、超高圧)紫外光源、赤外光源、高周波電磁波などいずれも好適に使用することができる。
(酸化触媒)
本発明において、光アノード電極と組み合わせてその表面を水の酸化触媒で修飾すると、特に水そのものを酸化還元性液体(燃料)として用いる場合には、良好な結果を与えるため好ましい。当該水の酸化触媒としては、白金、ルテニウム、イリジウム、マンガンなどの金属やその酸化物、あるいは、ルテニウム、マンガン、銅などとアンモニアやポリピリジン配位子、ポルフィリン、フタロシアニンなどとの金属錯体などが好適に用いられる。かかる金属錯体は触媒活性が高く、良好な結果を与える、ルテニウムや銅のアンミン錯体は活性が高く好ましい。また、当該酸化触媒は、後記実施例にも示したように、液相媒体中に共存させることも好ましい。
なお、水の酸化触媒としては、さらに詳しくは、本発明者により提案されている種々のものが好適に使用可能である(たとえば、特開平8−243400、特開平8−269762、特開平9−234374等を参照。)。
(還元触媒)
本発明において好ましくは、対極カソード電極を修飾して用いる酸素の還元触媒としては、上記の水の酸化触媒をそのまま用いることができるほか、ポルフィリンやフタロシアニンなどの金属錯体も好適に用いることができ、良好な結果を与える。
(増感剤)
本発明においては、光アノード電極として、紫外域における多孔質電導体等の紫外域材料を用いる場合は、紫外光を照射することが好ましいが、可視光をも利用しうるようにするために、増感剤を吸着させるか、及び/又は前記酸化還元化合物液体又は酸化還元化合物の溶液からなる液相媒体中に、これら増感剤を共存させることが好ましい。
増感剤としては、有機、無機の色素増感剤が一般に用いられる。例えばルテニウム、イリジウムなどとポリピリジンなどとの種々の金属錯体が増感剤として良好な結果を与える。特にビス又はトリス(ビピリジン誘導体配位子)ルテニウム錯体は、後記実施例に示すように活性が高く好ましい。
(作動温度)
本発明の光物理化学電池の作動温度は、通常室温でよいが、一般には−40〜300℃の範囲が選択され、さらには、−20〜80℃の範囲がより良好な結果を与える。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。またMとあるのはモル濃度(moldm−3)である。また、以下の参考例を除いて、実施例においては、印加電圧は全くかけずに,光電池特性を測定した.
〔参考例1〕
まず、この参考例においては、379公報の請求項で特定されるいわゆる光燃料電池の特性を検証し、当該光燃料電池は、基本的に所望の効果を挙げることができる程度に具体的・客観的なものとして構成されておらず、実用上の意味が無いことを示す。
(1)アノード電極として、C軸に垂直に切断された市販の硫化カドミウム(CdS)単結晶(電導率は低く10−7cm−1)を用い、23Mのギ酸(HCOOH)と電解質として0.1Mの硫酸ナトリウムを含む水溶液中に挿入し、対極カソード電極として白金(面積1cm以上)を挿入して、アノード電極とカソード電極を導線で接続し、外部回路を形成し、電池を構成した。
(2)1気圧の酸素雰囲気下で、キセノン灯からの可視光(強度18.4mWcm−2)をアノード電極に照射した。アノードとカソードを結ぶ外部回路に短絡光電流はほとんど生じなかった。すなわち、379公報の請求項に記載の光燃料電池は、光電池としては作動しないことが確認された。
(3)ちなみに、この実験の電池において、さらに銀−塩化銀の参照電極を挿入し、これに対して0.8Vの電圧をアノードに印加した条件で、初めて1mAcm−2の短絡光電流を得た。すなわち、379公報記載の光燃料電池は、その実施例に述べられたような、化学ポテンシャル(約0.8Vの印加電圧に相当する)を与えて初めて、光電流が発生することが確認された。このように印加電圧を加えて初めて光電流が生ずるような光燃料電池は、それ自身完成した発明を構成せず、実用上の意味はないと考えられる。
〔実施例1〕
(1)二酸化チタンのナノ粒子、アセチルアセトン、界面活性剤をよく練ってペーストを作り、これを電導性ガラス上に塗布してから、100℃で焼成する。この塗布、焼成工程を繰り返し、最後に450℃で30分焼成し、多孔質膜(厚さ約10μm、面積1cm)を当該電導性ガラス上に形成させてアノード電極とした。この多孔質膜のラフネスファクター(見かけの電極面積に対する実際の半導体/液体界面面積の割合)は約1000と見積もられる。
(2)当該電極と、白金黒を被覆した白金板よりなる対極を、10Mのアンモニアと0.1MのNaSOを溶存する水溶液(水系液相媒体)5ml中(pH14)に浸漬し、酸素ガスを10分間吹き込んで系内部を酸素で置換した。しかる後、当該二つの電極を導線で接続して外部回路を形成して電池を形成した。
(3)当該電池の半導体電極である二酸化チタン表面をキセノンランプからの光(紫外光)で照射したところ、この外部回路に光電流を生じた。開放光起電力(Voc)は0.75V、短絡光電流密度(Jsc)は650μAcm−2、フィルファクター(FF)は0.65、光物理化学電池としての出力(Wout)〔Voc×Jsc×FF〕=317μWcm−2であった。また、340nmの単色光(1.47mWcm−2)を用いた系では、照射光量子の19%が有効に光電流を流すのに用いられた。
〔実施例2〕
実施例1において、酸素を吹き込まずに空気共存下とした他は、実施例1と同様にして実験を行ない、外部回路に光電流を生じさせた。開放光起電力(Voc)は0.7V、短絡光電流密度(Jsc)は約300μAcm−2、フィルファクター(FF)は0.4、光物理化学電池としての出力(Wout)〔Voc×Jsc×FF〕=84μWcm−2であった。
〔比較例1〕
酸素ガスを吹き込む代わりにアルゴンガスを吹き込み酸素の全く無い条件下で行う他は、実施例1と同様に操作したところ、水素の発生は認められたものの燃料電池としては全く作動しなかった。
〔実施例3〕
実施例1において、アンモニアは用いず、水中に水の酸化触媒としてRu−red([(NHRu−O−Ru(NH−O−Ru(NH)6+)を共存させた他は、実施例1と同様にして実験を行ったところ、ほぼ同様な結果を得た。
〔実施例4〕
実施例3において、二酸化チタン多孔質膜に増感剤としてトリス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ルテニウム(II)錯体をRu−redとともにそれらの水溶液から吸着させた以外は、実施例4と同様にして実験を行い、ほぼ同様な結果を得た。
〔実施例5〕
実施例1において、アンモニア水の代わりにメタノール水溶液(メタノ−ル:水=1:1容積比)を用い、光源として直射日光を用いた他は、実施例1と同様に実験を行ない、外部回路に光電流を生じさせた。開放光起電力(Voc)は0.7V、短絡光電流密度(Jsc)は約2mAcm−2、フィルファクター(FF)は0.6、光物理化学電池としての出力(Wout)〔Voc×Jsc×FF〕=840μWcm−2であった。
〔実施例6〕
実施例5において、メタノールの代わりに炭化水素であるヘキサンを用いる他は、実施例1同様にして実験を行ったところ、ほぼ同様な結果を得た。また、340nm単色光照射下では、光量子の44%が電流を生ずるのに用いられた。
〔実施例7〕
(1)ガリウムヒ素n型半導体(GaAS)単結晶(電導率11.5Scm−1)Ga−In合金を塗布してから銅線を接続し、オ−ミックコンタクトを取らせてアノード電極とした。対極カソード電極として白金黒被覆白金(面積1cm以上)を挿入して、アノード電極とカソード電極を導線で接続し、外部回路を形成し、電池を構成した。
(2)これら電極を10Mアンモニアと0.1M硫酸ナトリウム電解質を含む水溶液5mlに挿入し、500Wキセノンランプからの白色光(強度42mWcm−2)を照射したところ、光電池特性は、開放光起電力(Voc)は1V、短絡光電流密度(Jsc)は10mAcm−2、フィルファクター(FF)は0.28となり、光物理化学電池としての出力(Wout)〔Voc×Jsc×FF〕=2.8mWcm−2であった。光電変換効率は6.7%であった。3時間の反応で流れたクーロン数に対して、アンモニアはほぼ定量的に分解されてNが生じ、また、これに伴って、酸素は主に2電子還元を受けて消費された。これらから、アンモニアは定量的に(100%)分解でき、アンモニアから電力へのエネルギー変換(最大)効率は約83%であることが確認された。
本発明の光物理化学電池においては、従来のいわゆる光燃料電池のような、補助的な外部エネルギーなど何ら印加することなく、光アノードにより任意の燃料を酸化分解でき、また、対極カソードにおいて酸素を還元することにより、光電流を発生させることができる。
また、本発明の光物理化学電池においては、いわゆる光燃料電池における燃料である「電流2倍効果を有する」限られた化合物のみでなく、メタノール等のアルコール類はもちろん、尿素、アンモニア、アガロース、グルコース、アミノ酸、さらにはセルロース等のバイオマス、畜産排泄物、生ゴミに至るまで、広範囲な化合物を燃料として分解し、光電流を発生させることができるので、その産業上の利用可能性はきわめて大きい。
さらにまた、本発明は次のような産業上の利用可能性を有する。
本発明の光物理化学電池は、基本的に太陽光を利用する太陽電池として利用することができるとともに、また、水を媒体として用いることができるので、不燃性で安全かつエネルギー密度も高い化合物、たとえばアンモニア水溶液のような液体や、さらには、水そのものを酸化還元化合物として用いて、光電池を構成し作動することができる。
さらにまた、本発明によれば、当該電池の燃料として、現在エネルギーを加えて処理している人間や動物の排泄物から直接発電して電力エネルギーを得るとともに、環境を汚染しない安全な化合物に変換して自然界の物質循環にのせることができる。
さらにまた、本発明によれば、種々のバイオマス、例えば木材、植物の葉、茎、セルロース、その他の多糖類、たんぱく質、デンプンなどの固体ないしスラリー、ないしは溶液を燃料として、直接電力に変える発電装置、発電システムとして用いることができる。
さらにまた、本発明の光物理化学電池の具体的な応用例としては、色々な化合物を光分解するに際し、その液体中濃度に応じた光電流を生ずるので、当該光電流の値から、その化合物の濃度を容易に光で測定することができ、光センサとして好適に適用可能である。
また、本発明の光物理化学電池は、身近にある色々な化合物(酒やワイン、ビール、牛乳、蛋白や多糖類の水溶液、果物や花、植物の葉などの抽出物等)の水溶液や廃液を入れて光照射するだけで、電力を発生するので、自然エネルギーの意味や大切さを児童や学生に教えるための格好の教材やキットとして好適に適用可能である。

Claims (16)

  1. 酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、光アノード電極を挿入し、さらに対極カソード電極として酸素を還元できる電導性材料からなる電極を挿入し、当該両電極間に外部電圧及びpH差からなる化学ポテンシャルのいずれをも印加することなく、かつ、当該液相媒体内に酸素を共存させて当該光アノード電極に光を照射することのみにより、当該アノード電極上で前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物を酸化的に光分解すると共に、当該対極上で酸素を還元することにより、光電流及び光起電力を生ぜしめる光電力発生方法であって、
    当該酸化還元性液体又は酸化還元性化合物は、水、アンモニア、尿素、アルコール類、炭化水素類、有機酸類、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、酸アミド、アミン類、糖類、畜産排泄物、し尿処理物、工場排水、生ゴミ、バイオマス類、多糖類、及びタンパク質類から選択される、当該アノード電極に対して電子供与体として働く化合物であり、
    当該光アノード電極として、導電性基板上に酸化チタン(TiO 2 )又は酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体微粒子の塗布、焼成により作製した多孔質膜からなる電極であって、紫外線照射下に導電体として働く紫外域における多孔質電導体からなる電極を用いることを特徴とする前記光電流発生方法。
  2. 前記光アノード電極として、その表面に水の酸化触媒を修飾した電極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、水の酸化触媒を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項1に記載の方法。
  3. 前記対極カソード電極として、その表面に酸素の還元触媒を修飾した対極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、酸素の還元触媒を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記光アノード電極に色素増感剤を吸着させるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に色素増感剤を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめて電力を発生する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記酸化還元性液体として、水を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記酸化還元性液体として、アンモニア水を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記酸化還元性液体として、バイオマスまたはその誘導体の溶液を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  8. 前記光アノード電極である多孔質電導体を形成する半導体微粒子が二酸化チタンの微粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記光アノード電極である多孔質電導体を形成する半導体微粒子が酸化亜鉛の微粒子である請求項8に記載の方法。
  10. 酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、光アノード電極を挿入し、さらに対極カソード電極として酸素を還元できる電導性材料からなる電極を挿入し、当該両電極間に外部電圧及びpH差からなる化学ポテンシャルのいずれをも印加することなく、かつ、当該アノード電極と対極カソード電極を外部導線で接続して外部回路を形成してなる電池であって、当該液相媒体内に酸素を共存させて当該アノード電極に光を照射することのみにより、前記アノード電極上で前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物を酸化的に光分解すると共に当該対極カソード上で酸素を還元することにより、当該外部回路に光電流及び光起電力を生ぜしめる光物理化学電池において、
    当該酸化還元性液体又は酸化還元性化合物は、
    水、アンモニア、尿素、アルコール類、炭化水素類、有機酸類、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、酸アミド、アミン類、糖類、畜産排泄物、し尿処理物、工場排水、生ゴミ、バイオマス類、多糖類、及びタンパク質類から選択される当該アノード電極に対して電子供与体として働く化合物であり、当該光アノード電極として、導電性基板上に酸化チタン(TiO 2 )又は酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体微粒子の塗布、焼成により作製した多孔質膜からなる電極であって、紫外線照射下に導電体として働く紫外域における多孔質電導体からなる電極を用いることを特徴とする前記光物理化学電池。
  11. 前記光アノード電極として、その表面に水の酸化触媒を修飾した電極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、水の酸化触媒を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10に記載の光物理化学電池。
  12. 前記対極カソード電極として、その表面に酸素の還元触媒を修飾した対極を用いるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に、酸素の還元触媒を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10又は11に記載の光物理化学的電池。
  13. 前記光アノード電極に色素増感剤を吸着させるか、及び/又は前記酸化還元性液体又は酸化還元性化合物の溶液からなる液相媒体中に色素増感剤を共存させて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10〜12のいずれかに記載の光物理化学的電池。
  14. 前記酸化還元性液体として、水を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10〜13のいずれかに記載の光物理化学電池。
  15. 前記酸化還元性液体として、アンモニア水を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10〜14のいずれかに記載の光物理化学電池。
  16. 前記酸化還元性液体として、バイオマスまたはその誘導体の溶液を用いて光電流及び光起電力を生ぜしめる請求項10〜15のいずれかに記載の光物理化学電池。
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