JP2002280087A - 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 - Google Patents

光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池

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JP2002280087A
JP2002280087A JP2001083020A JP2001083020A JP2002280087A JP 2002280087 A JP2002280087 A JP 2002280087A JP 2001083020 A JP2001083020 A JP 2001083020A JP 2001083020 A JP2001083020 A JP 2001083020A JP 2002280087 A JP2002280087 A JP 2002280087A
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semiconductor layer
photoelectrode
electrode
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Tadashi Inaba
忠司 稲葉
Kazuo Higuchi
和夫 樋口
Azusa Tsukigase
あずさ 月ヶ瀬
Hirozumi Azuma
博純 東
Tomomi Motohiro
友美 元廣
Tatsuo Toyoda
竜生 豊田
Junji Nakajima
淳二 中島
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ電流の発生を十分に抑制できる光電極及
び優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電
池の提供。 【解決手段】 光電極10は透明電極1と、当該透明電
極上に配置された第一の半導体層5と当該第一の半導体
層上に配置された第二の半導体層6とからなる半導体電
極とを有する。そして、第一の半導体層及び前記第二の
半導体層を構成する半導体材料はアナタース型のTiO
2である。第二の半導体層には、Al23、SiO2、Z
rO2、SrTiO3、Nb25からなる群から選択され
る少なくとも1種の酸化物粒子が含有されており、第一
の半導体層には酸化物粒子が実質的に含有されていない
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電極及びこれを
備えた色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化やエネルギー問題に対
する関心の高まりとともに多様な太陽電池の開発が進め
られている。そして、その太陽電池の中でも、色素増感
型太陽電池は使用する材料が安価であること、比較的シ
ンプルなプロセスで製造できること等からその実用化が
期待されており、電池のエネルギー変換効率を向上させ
るための様々な検討が行われている。なお、色素増感型
太陽電池のエネルギー変換効率ηは、下記式(1)で表
される。また、下記式(1)中、I0は入射光強度[mW
cm-2]、Vocは開放電圧[V]、Iscは短絡電流密度[m
Acm-2]、F.F.は曲線因子(Fill Facter)を示す。 η=100×(Voc×Isc×F.F.)/I0…(1) 色素増感型太陽電池は、増感色素を含有する半導体電極
と当該半導体電極上に隣接して配置された透明電極とを
有する光電極と、対極とを有しており、半導体電極と対
極とが電解質を介して対向配置された構成を有してい
る。そして、従来、上記の半導体電極には、半導体材料
として増感色素となるRu金属錯体を吸着させたアナタ
ース型のTiO2からなる多孔質粒子が使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
色素増感型太陽電池は、光電極を構成する半導体電極に
おいて、発電中の漏れ電流の発生を十分に防止できてい
なかった。大きな漏れ電流の発生は式(1)中の電池の
開放電圧Vocの大きな低下を招くので、漏れ電流の発生
を十分に抑制できなければ、高いエネルギー変換効率を
有する電池を構成することができなくなる。
【0004】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、漏れ電流の発生を十分に抑制
できる光電極及び優れたエネルギー変換効率を有する色
素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、半導体電極を構成
する半導体であるアナタース型の酸化チタン(Ti
2)の伝導帯よりも高い伝導帯を有する特定の酸化物
粒子を半導体電極中に混入し、然も、酸化物粒子を特に
半導体電極の電解質溶液に接触することになる側の面の
近傍の領域に含有させることにより、半導体電極の入射
光利用率及び導電性を十分に確保しつつ、漏れ電流の発
生を効果的に抑制することができることを見出し、本発
明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、受光面を有する半導
体電極と、当該受光面上に隣接して配置された透明電極
とを有する光電極であって、半導体電極が透明電極に隣
接して配置された第一の半導体層と当該第一の半導体層
に隣接して配置された第二の半導体層とから構成されて
おり、第一の半導体層及び第二の半導体層を構成する半
導体材料がアナタース型の酸化チタン(IV)であり、第二
の半導体層には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸
化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化ニオブ
(V)からなる群から選択される少なくとも1種の酸化物
粒子が含有されており、かつ、第一の半導体層には酸化
物粒子が実質的に含有されていないこと、を特徴とする
光電極を提供する。
【0007】上記本発明の光電極は、半導体電極を構成
する第二の半導体層中に、酸化物粒子が上記の条件を満
たすようにして含有されているので、半導体電極の導電
性を十分に確保しつつ第二の半導体層の半導体材料であ
るアナタース型の酸化チタン(IV)と電解質溶液との接触
界面の面積を減少させることができる。また、第二の半
導体層と透明電極との間に酸化物粒子が実質的に含有さ
れていない第一の半導体層を配置した構成とすることに
より、半導体電極に入射する入射光利用率を十分に確保
することができる。そのため、本発明の光電極は、半導
体電極の入射光利用率及び導電性を十分に確保しつつ、
漏れ電流の発生を抑制することができ、優れた光電変換
効率を得ることができる。
【0008】ここで、本発明において、第二の半導体層
に含有させる酸化物である酸化アルミニウム(Al
23)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム
(ZrO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTi
3)、酸化ニオブ(V)(Nb25)は、アナタース型の
酸化チタン(IV)(TiO2)よりも伝導帯が高い酸化物
の粒子である。
【0009】また、本発明において、半導体電極の第一
の層には、上記の酸化物粒子が実質的に含有されていな
い。この「酸化物粒子が実質的に含有されていない」状
態とは、第一の半導体層には酸化物粒子が全く含まれて
いない状態か、或いは酸化物粒子を含んでいたとしても
その含有量が前述の入射光利用率と導電性を十分に確保
しつつ、漏れ電流の発生を抑制する効果を得られない程
僅かである状態を示す。
【0010】更に、本発明の光電極においては、入射光
利用率及び導電性を十分に確保する観点から、半導体電
極の全体の厚さが5〜30μmであることが好ましい。
半導体電極の厚さが5μm未満となると、色素吸着量が
少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向が大きくな
る。一方、半導体電極の厚さが30μmを超えると、電
気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失
量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、I
-及びI3 -の対極への拡散が阻害され、電池の出力特性
が低下する傾向が大きくなる。なお、上記と同様の観点
から、半導体電極2の厚さは5〜15μmであることが
より好ましく、8〜13μmであることが更に好まし
い。
【0011】また、本発明の光電極においては、半導体
電極の全体の厚さが上述の条件を満たす場合には、半導
体電極の全体の厚さに対する第二の半導体層の厚さの割
合が5〜50%であり、第二の半導体層における酸化物
粒子の含有率が1〜50質量%であることが好ましい。
【0012】半導体電極の全体の厚さに対する第二の半
導体層の厚さの割合が5%未満であると、漏れ電流抑制
効果が小さくなるおそれがある。また、第二の半導体層
の厚さの割合が50%を超えると、入射光利用率が減少
するおそれがある。なお、上記と同様の観点から、半導
体電極の全体の厚さに対する第二の半導体層の厚さの割
合は20〜30%であることがより好ましい。
【0013】また、第二の半導体層における酸化物粒子
の含有率が1質量%未満であると、漏れ電流抑制効果が
小さくなるおそれがある。一方、第二の半導体層におけ
る酸化物粒子の含有率が50質量%を超えると、入射光
利用率が減少するおそれがある。なお、上記と同様の観
点から、第二の半導体層における酸化物粒子の含有率は
10〜30質量%であることがより好ましく、15〜2
5質量%であることが更に好ましい。
【0014】また、本発明の光電極においては、半導体
電極の全体の厚さが上述の条件を満たす場合には、上述
のように第二の半導体層を単層のみの構成としてもよい
が、その他にも、第二の半導体層を複数の層から構成す
ることも好ましい。
【0015】すなわち、本発明の光電極においては、半
導体電極の全体の厚さが上述の条件を満たす場合には、
第二の半導体層が複数の層から構成されており、半導体
電極の全体の厚さに対する第二の半導体層の厚さの割合
が5〜60%であり、かつ、複数の層を構成する各層の
酸化物粒子の含有率が、第一の半導体層に最も近い位置
に配置される最内部の層から第一の半導体層に最も遠い
位置に配置される最外部の層にかけて増加していること
が好ましい。このように、最外部の層と最内部の層にお
ける酸化物粒子の含有率に上記の条件に基づく傾斜を設
けることにより、より確実に漏れ電流の発生を効果的に
抑制することが可能となる。
【0016】ここで、本発明において、「複数の層を構
成する各層の酸化物粒子の含有率が、最内部の層から最
外部の層にかけて増加している」状態とは、一端に位置
する最外部の層の酸化物粒子の含有率が他端に位置する
最内部の層の酸化物粒子の含有率よりも最終的に大きく
なっており、複数の層を全体としてみた場合に各層の酸
化物粒子の含有率が最内部の層から最外部の層にかけて
概略的に増加している状態を示す。
【0017】例えば、最内部の層から最外部の層にかけ
て酸化物粒子の含有率が単調に増加している状態であっ
てもよい。また、例えば、最内部の層と最外部の層との
間に配置される層のうち、一部の隣り合う層同士の酸化
物粒子の含有率が同じ値をとる状態であってもよい。更
に、最内部の層と最外部の層との間に配置される層のう
ち、一部の隣り合う層同士の酸化物粒子の含有率を比較
した場合、最内部の層の側に位置する層の含有率が最外
部の層の側に位置する層の含有率よりも大きい場合があ
ってもよい。ただし、半導体電極の入射光利用率及び導
電性を十分に確保する観点から、最内部の層から最外部
の層にかけて酸化物粒子の含有率が単調に増加している
状態、又は、最内部の層と最外部の層との間に配置され
る層のうち、一部の隣り合う層同士の酸化物粒子の含有
率が同じ値をとる状態が好ましい。
【0018】更に、この場合、本発明の光電極において
は、最内部の層における酸化物粒子の含有率が0.1〜
10質量%であり、かつ、最外部の層における前記酸化
物粒子の含有率が5〜50質量%であることが好まし
い。ここで、最内部の層における酸化物粒子の含有率が
0.1質量%未満であると、漏れ電流抑制効果が小さく
なるおそれがある。一方、最内部の層における酸化物粒
子の含有率が10質量%を超えると、入射光利用率が減
少するおそれがある。また、最外部の層における酸化物
粒子の含有率が5質量%未満であると、漏れ電流抑制効
果が小さくなるおそれがある。一方、最外部の層におけ
る酸化物粒子の含有率が50質量%を超えると、入射光
利用率が減少するおそれがある。
【0019】そして、上記と同様の観点から、最内部の
層における酸化物粒子の含有率は5〜10質量%である
ことがより好ましい。また、最外部の層における酸化物
粒子の含有率は25〜35質量%であることがより好ま
しい。
【0020】また、本発明の光電極においては、最内部
の層における酸化物粒子の含有率と最外部の層における
酸化物粒子の含有率との差は5質量%以上であることが
好ましく、15〜25質量%であることがより好まし
い。ここで、上記の差の値が5質量%未満であると、漏
れ電流抑制効果が低下するおそれがある。
【0021】更に、本発明の光電極においては、酸化物
粒子が球形粒子又は異方性粒子であり、かつ、酸化物粒
子の平均粒径が0.1〜600nmであることが好まし
い。これにより、漏れ電流を抑制しつつ、可視光の光散
乱性と電解液の良好なイオン拡散性を確保できる。ここ
で、上記形状の酸化物粒子の平均粒径が0.1nm未満
であると、イオン拡散性が低下し、電池特性が低下する
おそれがある。一方、上記形状の酸化物粒子の平均粒径
が600nmを超えると、漏れ電流の抑制及びイオン拡
散性の確保はできるものの酸化物粒子からなる半導体膜
の焼結性が悪くなり半導体膜が剥離し易くなるおそれが
ある。そして、上記と同様の観点から、上記形状の酸化
物粒子の平均粒径は10〜400nmであることがより
好ましい。
【0022】また、本発明は、受光面を有する半導体電
極と当該半導体電極の受光面上に隣接して配置された透
明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、半導
体電極と対極とが電解質を介して対向配置された色素増
感型太陽電池であって、光電極が前述した本発明の光電
極であることを特徴とする色素増感型太陽電池を提供す
る。このように、前述した本発明の光電極を用いること
により、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型
太陽電池を構成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の光電極及び色素増感型太陽電池の好適な実施形態につ
いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一また
は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0024】[第一実施形態]図1は、本発明の光電極
の第一実施形態を示す模式断面図である。また、図2
は、図1に示した領域100の部分の模式拡大断面図で
ある。更に、図3は、図1に示した光電極を備えた色素
増感型太陽電池を示す模式断面図である。
【0025】図1に示す光電極10は、主として、受光
面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受
光面F2上に隣接して配置された透明電極1ととから構
成されている。また、図3に示す色素増感型太陽電池2
0は、主として、図1に示した光電極10と、対極CE
と、スペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に
形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されて
いる。そして、半導体電極2は、受光面F2と反対側の
裏面F22において電解質Eと接触している。
【0026】この色素増感型太陽電池20は、透明電極
1を透過して半導体電極2に照射される光L10によっ
て半導体電極2内において電子を発生させる。そして、
半導体電極2内において発生した電子は、透明電極1に
集められて外部に取り出される。
【0027】透明電極1の構成は特に限定されるもので
はなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電
極を使用できる。例えば、図1及び図3の透明電極1
は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側に光
を透過させるためのいわゆる透明導電膜3をコートした
構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル
等に用いられる透明電極を用いればよい。例えば、フッ
素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、
ZnO:Alコートガラス等が挙げられる。また、メッ
シュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金
属電極をガラス基板等の基板4上に設けたものでもよ
い。
【0028】透明基板4としては、液晶パネル等に用い
られる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス
基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射
を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板な
ど光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。
なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくて
もよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無
機物透明結晶体などでもよい。
【0029】図1及び図2に示すように、半導体電極2
は、主として、前述の酸化物粒子P3を含む第二の半導
体層6と、この第二の半導体層6と透明電極1との間に
配置された第一の半導体層5とから構成されている。そ
して、前述のように、この色素増感型太陽電池10は第
二の半導体層6を半導体電極2に備えることにより、当
該半導体電極2内における漏れ電流の発生の効果的な抑
制が図られている。
【0030】図2に示すように、第一の半導体層5に
は、金属酸化物粒子P3は実質的に含有されておらず、
この第一の半導体層5は、主として半導体粒子P1とこ
の半導体粒子P1の表面に吸着された増感色素P2とか
ら構成されている。また、第二の半導体層6は、主とし
て、半導体粒子P1と、酸化物粒子P3と、これら半導
体粒子P1及び酸化物粒子P3の表面に吸着された増感
色素P2とから構成されている。
【0031】上記半導体粒子P1は特に限定されるもの
ではなく、酸化物半導体、硫化物半導体等を使用するこ
とができる。酸化物半導体としては、例えば、Ti
2,ZnO,SnO2,Nb25,In23,WO3
ZrO2,La23,Ta25,SrTiO3,BaTi
3等を用いることができる。硫化物半導体としては、
例えば、CdS等を用いることができる。また、上記の
半導体の他に、Si,GaAs等も用いることができ
る。
【0032】更に、増感色素の吸着量を増大させる観点
から、半導体粒子P1の平均粒径(二次粒子)は、1〜
500nmであることが好ましく、10〜100nmで
あることがより好ましい。
【0033】また、半導体電極2の第一の半導体層5及
び第二の半導体層6に含有させる増感色素P2は特に限
定されるものではなく、可視光領域および/または赤外
光領域に吸収を持つ色素であればよい。この増感色素P
2としては、金属錯体や有機色素等を用いることができ
る。金属錯体としては銅フタロシアニン、チタニルフタ
ロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまた
はその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及
び亜鉛の錯体(例えばシス−ジシアネート−ビス(2、
2’−ビピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ル
テニウム(II))等が挙げられる。有機色素として
は,メタルフリーフタロシアニン,シアニン系色素,メ
タロシアニン系色素,キサンテン系色素,トリフェニル
メタン系色素等を用いることができる。
【0034】また、先に述べたように、半導体電極2の
厚さは、5〜30μmに調節されており、更に、単層構
造の第二の半導体層6の厚さの割合は半導体電極2の全
体の厚さに対して5〜50%となるように調節されてい
る。また、この場合、第二の半導体層6の厚さの割合が
上記の条件を満たす場合には、第二の半導体層6に含有
される酸化物粒子P3の含有率は1〜50質量%に調節
される。
【0035】また、対極CEは、特に限定されるもので
はなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通
常用いられている対極と同じものを用いてよい。例え
ば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであって
もよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の
金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に
向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極
1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであって
もよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜など
であってもよい。
【0036】更に、電解質Eの組成も光励起され半導体
への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還
元種を含んでいれば特に限定されないが、I-/I3 -
の酸化還元種を含むヨウ素系レドックス溶液が好ましく
用いられる。具体的には、I -/I3 -系の電解質はヨウ
素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を
混合したものなどを用いることができる。その他、Br
-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系などのレドッ
クス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレ
ンカーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およ
びこれらの混合溶媒)に溶かしたものも使用できる。
【0037】また、スペーサーSの構成材料は特に限定
されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いる
ことができる。
【0038】次に、図1に示した光電極10及び図3に
示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例につい
て説明する。
【0039】先ず、透明電極1を製造する場合は、ガラ
ス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO2
等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の方法
を用いて形成することができる。
【0040】次に、透明電極1の透明導電膜3上に第一
の半導体層5を形成する方法としては、例えば、以下の
方法がある。すなわち、先ず、酸化チタン等の半導体粒
子P1を分散させた第一の半導体層5を形成するための
分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、
または両者の混合溶媒など半導体粒子P1を分散できる
ものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に
応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。次に、
分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで
乾燥する。このときの塗布方法としてはバーコーター
法、印刷法などを用いることができる。そして、乾燥し
た後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成し
て半導体電極2の第一の半導体層5(多孔質半導体膜)
を形成する。このときの焼成温度は300〜600℃が
好ましい。焼成温度が300℃未満であると半導体粒子
P1間の固着、基板への付着力が弱くなり十分な強度が
でなくなる。焼成温度が600℃を超えると、酸化チタ
ンのルチル化が進行し、増感作用が低下するおそれがあ
る。また、焼成温度が600℃を超えると半導体粒子P
1の焼結が進み、半導体電極2の表面積が小さくなるお
それがある。
【0041】次に、第一の半導体層5上に第二の半導体
層6を形成する場合には、例えば、上記の半導体5を形
成するための分散液に、酸化物粒子P3を更に添加させ
た組成を有する分散液を調製する以外は、上述した第一
の半導体層5を形成する方法と同様にして第二の半導体
層6を形成することができる。
【0042】次に、半導体電極2(半導体蒸着膜)中に
浸着法等の公知の方法により増感色素P2を含有させ
る。増感色素P2は、少なくとも、半導体電極2の裏面
F22に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)さ
せればよい。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中
に半導体電極2の裏面F22を浸漬するなどの方法を用
いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるな
どして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。
【0043】なお、半導体電極2内に含まれる光電変換
反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、第一
の半導体層5の形成時、或いは第一の半導体層5上に第
二の半導体層6を形成した時などに公知の方法により適
宜施してもよい。また、透明電極1の透明導電膜3上に
半導体電極2を形成する他の方法としては、以下の方法
がある。すなわち、透明電極1の透明導電膜3上にTi
2等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよ
い。透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法と
しては公知の方法を用いることができる。例えば、電子
ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイ
オンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等
の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明
導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更
に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸
着法を用いることもできる。
【0044】このようにして光電極10を作製した後
は、公知の方法により対極CEを作製し、これと光電極
10と、スペーサーSを図1に示すように組み上げて、
内部に電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完
成させる。
【0045】[第二実施形態]以下、図4を参照しなが
ら本発明の光電極の第二実施形態について説明する。な
お、上述した第一実施形態に関して説明した要素と同一
の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省
略する。図3は、本発明の光電極の第二実施形態を示す
模式断面図である。
【0046】図4に示す光電極11は、第二の半導体層
6が、透明電極1に最も近い位置に配置される最内部の
層61と、透明電極に最も遠い位置に配置される最外部
の層62とからなる2層の構成を有していること以外
は、図1に示す光電極10と同様の構成を有している。
【0047】ここで、先に述べたように、この光電極1
1第二の半導体層6は複数の層から構成されているの
で、最内部の層61における酸化物粒子P3の含有率は
0.1〜10質量%以下となるように調節されており、
最外部の層62における半導体粒子の含有率は5〜50
質量%となるように調節されている。そして、この光電
極11を備えた色素増感型太陽電池(図示せず)は、当
該光電極11以外は図1に示した色素増感型太陽電池1
0と同様の構成を有する。
【0048】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは
ない。
【0049】例えば、上記の実施形態においては、単層
或いは二層の構造を有する第二の半導体層を備えた光電
極及びこれを備える色素増感型太陽電池について説明し
たが、本発明の光電極及び色素増感型太陽電池はこれに
限定されるものではない。例えば、本発明の光電極は、
図5に示す光電極12のように、三層以上の第二の半導
体層6から構成された半導体電極2を備える構成を有し
ていてもよい。そして、この場合、第二の半導体層6の
各層は、各々の酸化物粒子P3の含有率が、好ましくは
最内部の層から最外部の層にかけて増加するように調節
されている。すなわち、例えば、図5に示す光電極13
の第二の半導体層6は、最内部の層61と最外部の層6
2と、最内部の層61と最外部の層62との間に配置さ
れる内部層63とから構成されているが、内部層63の
に含有される酸化物粒子の含有率は、好ましくは、最内
部の層61よりもそれよりも大きく、かつ、最外部の層
62のそれよりも低くなるように調節されている。
【0050】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の光
電極及び色素増感型太陽電池について更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0051】(実施例1)以下に示す手順により、図1
に示した光電極12と同様の構成を有する光電極を作製
し、更に、この光電極を用いて、図3に示す色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する20×5mmのスケ
ールの色素増感型太陽電池を作製した。
【0052】先ず、TiO2粒子(アナターゼ、日本ア
エロジル社製、平均粒径;25nm)とを酸性溶液に入
れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。
次に、このチタニアスラリーに増粘剤を加え、混練して
第一の半導体層5形成用のペースト(TiO2粒子の含
有量;30質量%、以下、ペースト1とする)を調製し
た。
【0053】次に、上記ペースト1に、酸化アルミニウ
ム(Al23)粒子(シーアイ化成社製、平均粒径;3
0nm)を混合し、第二の半導体層6(TiO2とAl2
3との質量比;TiO2:Al23=8:2)形成用の
ペースト(以下、ペースト2とする)を調製した。
【0054】一方、ガラス基板(透明導電性ガラス)
は、フッ素ドープされたSnO2導電膜を有する透明導
電性ガラス(日本板硝子社製)を用いた。そして、この
SnO 2導電膜上に、上述のペースト1をスクリーン印
刷し、次いで乾燥させた。その後、大気中、450℃の
条件のもとで焼成した。更に、上記ペースト1及びペー
スト2を用いてこのスクリーン印刷と焼成とを繰り返す
ことにより、SnO2導電膜上に図1に示す半導体電極
2と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;1c
2、層厚;15μm、第一の半導体層5の層厚;11
μm、第二の半導体層6の層厚;4μm)を形成し、増
感色素を含有していない光電極を作製した。
【0055】その後、半導体電極の裏面に色素を以下の
ようにして吸着させた。先ず、増感色素としてルテニウ
ム錯体[cis-Di(thiocyanato)-N,N'-bis(2,2'-bipyridy
l-4,4'dicarboxylic acid)-ruthenium(II)]を用い、こ
れのエタノール溶液(増感色素の濃度;3×10-4mo
l/L)を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸
漬し、60℃の温度条件のもとで80時間放置した。こ
れにより、半導体電極に増感色素を約1×10-7mol
/cm2吸着させた。ルテニウム錯体吸着後の半導体電
極をアセトニトリル溶液にて洗浄した後、25℃に保持
した窒素気流中において乾燥させ、光電極10を完成さ
せた。
【0056】次に、対極として上記の光電極と同様の形
状と大きさを有するPtが蒸着された透明導電性ガラス
電極、電解質Eとして、ヨウ素、ヨウ化リチウム、アン
モニウム塩を含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。
更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュ
ポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準
備し、図3に示すように、光電極10と対極CEとスペ
ーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填
して色素増感型太陽電池を完成させた。
【0057】(実施例2)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感
型太陽電池を作製した。
【0058】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、酸化アルミニウム(Al
23)粒子(シーアイ化成社製、平均粒径;30nm)
を混合し、第二の半導体層6(TiO2とAl23との
質量比;TiO2:Al23=5:5)形成用のペース
ト(以下、ペースト3とする)を調製した。
【0059】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト3を使用した以外は実施例1と同様にして、SnO
2導電膜上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半
導体電極(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm、
第一の半導体層5の層厚;11μm、第二の半導体層6
の層厚;4μm)を形成し、増感色素を含有していない
光電極を作製した。
【0060】(実施例3)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感
型太陽電池を作製した。
【0061】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、二酸化ケイ素(SiO2)粒
子(シーアイ化成社製、平均粒径;15nm)を混合
し、第二の半導体層6(TiO 2とSiO2との質量比;
TiO2:SiO2=8:2)形成用のペースト(以下、
ペースト4とする)を調製した。
【0062】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト4を使用した以外は実施例1と同様にして、SnO
2導電膜上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半
導体電極(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm、
第一の半導体層5の層厚;11μm、第二の半導体層6
の層厚;4μm)を形成し、増感色素を含有していない
光電極を作製した。
【0063】(実施例4)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感
型太陽電池を作製した。
【0064】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、酸化ジルコニウム(Zr
2)粒子(日本アエロジル社製、平均粒径;50n
m)を混合し、第二の半導体層6(TiO2とZrO2
の質量比;TiO2:ZrO2=8:2)形成用のペース
ト(以下、ペースト5とする)を調製した。
【0065】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト5を使用した以外は実施例1と同様にして、SnO2
導電膜上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半導
体電極(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm、第
一の半導体層5の層厚;7μm、第二の半導体層6の層
厚;4μm)を形成し、増感色素を含有していない光電
極を作製した。
【0066】(実施例5)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感
型太陽電池を作製した。
【0067】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、チタン酸ストロンチウム(S
rTiO3)粒子(Johoson Matthy社製、平均粒径;6
0nm)を混合し、第二の半導体層6(TiO2とSr
TiO3との質量比;TiO2:SrTiO3=9:1)
形成用のペースト(以下、ペースト6とする)を調製し
た。
【0068】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト6を使用した以外は実施例1と同様にして、SnO2
導電膜上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半導
体電極(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm、第
一の半導体層5の層厚;11μm、第二の半導体層6の
層厚;4μm)を形成し、増感色素を含有していない光
電極を作製した。
【0069】(実施例6)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型
太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感
型太陽電池を作製した。
【0070】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、酸化ニオブ(V)(Nb25
粒子(平均粒径;300nm)を混合し、第二の半導体
層6(TiO2とNb25との質量比;TiO2:Nb2
5=9:1)形成用のペースト(以下、ペースト7と
する)を調製した。なお、Nb25粒子はアルコキシド
(Nb(OC255、Wako社製、商品名;「ニオ
ブエトキシド」)を加水分解することにより得た。
【0071】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト7を使用した以外は実施例1と同様にして、SnO
2導電膜上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半
導体電極(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm、
第一の半導体層5の層厚;11μm、第二の半導体層6
の層厚;4μm)を形成し、増感色素を含有していない
光電極を作製した。
【0072】(実施例7)半導体電極の製造を以下のよ
うにして行ったこと以外は、実施例1と同様の手順によ
り、図4に示した光電極11と同様の構成を有する光電
極と、この光電極を備えていること以外は図3に示した
色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感
型太陽電池を作製した。
【0073】先ず、実施例1で調製したペースト1を半
導体層形成用ペーストとして使用した。また、実施例1
で調製したペースト1に、酸化アルミニウム(Al
23)粒子(シーアイ化成社製、平均粒径;30nm)
を混合し、第二の半導体層6の最内部の層61(TiO
2とAl23との質量比;TiO2:Al23=9:1)
形成用のペースト(以下、ペースト8とする)を調製し
た。
【0074】更に、実施例1で調製したペースト1に、
酸化アルミニウム(Al23)粒子(シーアイ化成社
製、平均粒径;30nm)を混合し、第二の半導体層6
の最外部の層62(TiO2とAl23との質量比;T
iO2:Al23=7:3)形成用のペースト(以下、
ペースト9とする)を調製した。
【0075】そして、前述のペースト2のかわりにペー
スト8及びペースト9を使用した以外は実施例1と同様
にして、SnO2導電膜上に図4に示す半導体電極2と
同様の構成の半導体電極(受光面の面積;1cm2、層
厚;15μm、第一の半導体層5の層厚;8μm、第二
の半導体層6の最内部の層61の層厚;3μm、第二の
半導体層6の最外部の層62の層厚;4μm)を形成
し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
【0076】(比較例1)実施例1に用いたペースト1
のみを用いて第一の半導体層5のみからなる半導体電極
(受光面の面積;1cm2、層厚;15μm)を作製し
たこと以外は、実施例1と同様の手順により光電極及び
色素増感型太陽電池を作製した。
【0077】[電池特性試験]電池特性試験を行ない、
実施例1〜実施例7、比較例1の色素増感型太陽電池の
エネルギー変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソ
ーラーシミュレータ(ワコム社製、WXS−85−H)
を用い、AMフィルターを通したキセノンランプから1
00mW/cm2の疑似太陽光を照射することにより行
った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定
し、漏れ電流(I/mA・cm-2)開放電圧(Voc/
V)、短絡電流(Isc/mA・cm-2)、曲線因子
(F.F.)及びエネルギー変換効率(η/%)を求めた。
実施例1〜実施例7、比較例1の各色素増感型太陽電池
に備えられている光電極の構成を表1に示し、電池特性
試験の結果を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】表1及び表2に示した結果から明らかなよ
うに、実施例1〜実施例7の色素増感型太陽電池の漏れ
電流Iの発生量は、比較例1の色素増感型太陽電池の漏
れ電流Iの発生量より非常に小さいことが確認された。
そして、実施例1〜実施例7の色素増感型太陽電池のエ
ネルギー変換効率ηは、比較例1の色素増感型太陽電池
のエネルギー変換効率ηよりも高い値を示すことが確認
された。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光電極を構成する半導体電極内における漏れ電流の発生
を抑制できるので、優れた電極特性を有する光電極を構
成することができる。また、この光電極を用いることに
より、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太
陽電池を構成することができる。更には、この色素増感
型太陽電池を用いることにより、直列接続電池数の少な
い安価な色素増感型太陽電池モジュールを構成すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電極の第一実施形態を示す模式断面
図である。
【図2】図1に示した領域100の部分の模式拡大断面
図である。
【図3】図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電
池を示す模式断面図である。
【図4】本発明の光電極の第ニ実施形態を示す模式断面
図である。
【図5】図1に示した光電極の他の実施形態を示す模式
断面図である。
【符号の説明】
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…
基板、5…第一の半導体層、6…第二の半導体層、1
0,11,12…光電極,20…色素増感型太陽電池、
61…第二の半導体層6を構成する最内部の層、62…
第二の半導体層6を構成する最外部の層、63…第二の
半導体層6を構成する層、100…光電極10の部分領
域、CE…対極、E…電解質、F1,F2,F3,…受
光面、F22…半導体電極2の裏面、L10…入射光、
P1…半導体粒子、P2…増感色素、P3…酸化物粒
子、S…スペーサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 和夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 月ヶ瀬 あずさ 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 東 博純 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 元廣 友美 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 豊田 竜生 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 中島 淳二 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 FA02 FA03 FA18 GA03 5H032 AA06 AS16 CC11 CC14 CC16 EE01 EE02 EE16 HH01 HH04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光面を有する半導体電極と、当該受光
    面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極で
    あって、 前記半導体電極が前記透明電極に隣接して配置された第
    一の半導体層と当該第一の半導体層に隣接して配置され
    た第二の半導体層とから構成されており、 前記第一の半導体層及び前記第二の半導体層を構成する
    半導体材料がアナタース型の酸化チタン(IV)であり、 前記第二の半導体層には、酸化アルミニウム、二酸化ケ
    イ素、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸
    化ニオブ(V)からなる群から選択される少なくとも1種
    の酸化物粒子が含有されており、かつ、 前記第一の半導体層には前記酸化物粒子が実質的に含有
    されていないこと、を特徴とする光電極。
  2. 【請求項2】 前記半導体電極の全体の厚さが5〜30
    μmであることを特徴とする請求項1に記載の光電極。
  3. 【請求項3】 前記半導体電極の全体の厚さに対する前
    記第二の半導体層の厚さの割合が5〜50%であり、前
    記第二の半導体層における前記酸化物粒子の含有率が1
    〜50質量%であることを特徴とする請求項2に記載の
    光電極。
  4. 【請求項4】 前記第二の半導体層が複数の層から構成
    されており、 前記半導体電極の全体の厚さに対する前記第二の半導体
    層の厚さの割合が5〜60%であり、かつ、 前記複数の層を構成する各層の前記酸化物粒子の含有率
    が、前記第一の半導体層に最も近い位置に配置される最
    内部の層から前記第一の半導体層に最も遠い位置に配置
    される最外部の層にかけて増加していること、を特徴と
    する請求項2に記載の光電極。
  5. 【請求項5】 前記最内部の層における前記酸化物粒子
    の含有率が0.1〜10質量%であり、かつ、前記最外
    部の層における前記酸化物粒子の含有率が5〜50質量
    %であることを特徴とする請求項4に記載の光電極。
  6. 【請求項6】 前記酸化物粒子が球形粒子又は異方性粒
    子であり、かつ、前記酸化物粒子の平均粒径が0.1〜
    600nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れ
    かに記載の光電極。
  7. 【請求項7】 受光面を有する半導体電極と当該半導体
    電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを
    有する光電極と、対極とを有しており、前記半導体電極
    と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感
    型太陽電池であって、 前記光電極が請求項1〜7の何れかに記載の光電極であ
    ることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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