JP4046974B2 - 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともに太陽電池の様々な開発が進められている。その太陽電池の中でも、色素増感型太陽電池は使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等からその実用化が期待されている。
【0003】
従来の色素増感型太陽電池おいては、半導体電極に含有される増感色素の吸収係数が小さいことから、赤外〜近赤外の波長領域の光は半導体電極に入射しても当該半導体電極内において十分に吸収されずに透過してしまい、光電変換反応の進行に寄与していなかった。
【0004】
そのため、色素増感型太陽電池の実用化に向けて、光電極に備えられる半導体電極における入射光の吸収効率を向上させることにより、電池のエネルギー変換効率を向上させるための様々な検討が行われている。なお、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率η(%)は、下記式(1)で表される。
【0005】
ここで、下記式(1)中、P0は入射光強度[mWcm-2]、Vocは開放電圧[V]、Iscは短絡電流密度[mAcm-2]、F.F.は曲線因子(Fill Factor)を示す。
η=100×(Voc×Isc×F.F.)/P0…(1)
【0006】
上記の検討として、例えば、特開平10−255863号公報には、平均粒子径が例えば80nm以下である小さな半導体粒子(例えば、アナターゼ型の酸化チタン粒子)を構成材料とする半導体電極(光吸収粒子層)の電解質の側の面上に、平均粒子径が例えば200〜500nmである大きな高屈折材料粒子(例えば、ルチル型の酸化チタン粒子)を構成材料とする層(光反射粒子層)を設けて光電極を構成し、光吸収粒子層から電解質に向けて進行する入射光を光反射粒子層において反射させ、再び光吸収粒子層に入射させることによりエネルギー変換効率を向上させることを意図した色素増感型太陽電池が提案されている。
【0007】
また、特開2000−106222号公報には、粒子径の大きな半導体粒子(平均粒子径;10〜300nm)と、粒子径の小さな半導体粒子(平均粒子径;10nm以下)とを混在させた1つの層からなる半導体電極を構成し、当該半導体電極に入射する入射光を内部で散乱させることにより、エネルギー変換効率を向上させることを意図した色素増感型太陽電池が提案されている。
【0008】
更に、Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 には、アナターゼ型の酸化チタン粒子(粒子径が25nmのものを使用する場合と、約10nm〜約120nmの範囲の様々な粒子径を有するものの混合物を使用する場合とがある。)を構成材料とする光電極(photoelectrode,厚さ:10μm)の電解質の側の面上に、屈折率の大きなルチル型の酸化チタン粒子(粒子径:300nm)とジルコニア粒子(粒子径:20nm以下)とをルチル型の酸化チタン粒子:ジルコニア粒子=100:10の質量比で含有させた porous spacer (light reflecting spacer, 厚さ:10μm)を設け、光電極から電解質の側に向けて透過する光を porous spacer において反射させ、再び光電極に入射させることにより、エネルギー変換効率を向上させることを意図した色素増感型太陽電池が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らは、上述の特開平10−255863号公報の光電極を備えた色素増感型太陽電池、特開2000−106222号公報に記載の光電極を備えた色素増感型太陽電池及び Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 の光電極を備えた色素増感型太陽電池のいずれであっても、光電極を構成する半導体電極において十分な入射光の吸収効率が得られておらず、電池として十分なエネルギー変換効率を得ることができず未だ不十分であるということを見出した。
【0010】
すなわち、特開平10−255863号公報に記載の色素増感型太陽電池の場合には、電解質の側に配置される光反射粒子層が光を光吸収粒子層に向けて反射するため、光吸収粒子層における光の利用効率が僅かに増大するものの、光反射粒子層では光を吸収し該層内において光電変換反応を十分に進行させることができず、しかも、光反射率が不十分であるため、光電極全体として十分な光の利用効率を得ることができず、十分なエネルギー変換効率を得ることができないという問題があった。また、光を十分に吸収しない光反射粒子層が電解質溶液の拡散抵抗を増大させてしまう場合があるという問題があった。
【0011】
また、特開2000−106222号公報に記載の色素増感型太陽電池の場合には、半導体電極中の大きな半導体粒子による入射光の光散乱の結果、大きな半導体粒子がない場合に比べて半導体電極内を通過する光路長は長くなり光の利用効率は増加するが、一部の光は該半導体電極内において利用される前にどうしても半導体電極外に漏れ出てしまい、その結果、半導体電極内での光の閉じ込め効果が小さくなり、十分な光の利用効率を得ることができないという問題があった。また、この場合には、半導体電極内において大きな半導体粒子が多くなると、色素が吸着する半導体表面の総表面積が減って光吸収率が減少してしまい、かえってエネルギー変換効率が低下してしまうという問題もあった。
【0012】
更に、Solar Energy Materials and Solar Cells 44(1996)99-117 に記載の色素増感型太陽電池の場合にも、電解質の側に配置される porous spacer が光を光電極に向けて反射するため、光電極における光の利用効率が僅かに増大するものの、porous spacerでは光を吸収し該層内において光電変換反応を十分に進行させることができず、しかも、光反射率が不十分であるため porous spacer と光電極とを合わせた全体としての十分な光の利用効率を得ることができず、十分なエネルギー変換効率を得ることができないという問題があった。
【0013】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた入射光の利用効率を有する光電極及び優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、屈折率が1.8以下の粒子と、平均粒子径が150nm以上で屈折率が2.4以上の粒子とを、それぞれの含有量を調節して含有させて入射光の反射率を大きく向上させた層を、半導体電極の受光面に対向する裏面の側に隣接して配置させることにより、半導体電極全体としての入射光の光閉じ込め効果を大きく向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
すなわち、本発明は、受光面を有する半導体電極と、受光面を有しており、増感色素と酸化物半導体粒子とを含む少なくとも1つの層を有する半導体電極と、半導体電極の受光面上に隣接して配置された透明電極と、半導体電極の受光面に対向する裏面(以下、半導体電極の裏面という)上に隣接して配置された光反射層と、を有しており、光反射層の層厚が3〜50μmであり、光反射層には、屈折率が1.8以下の第1の粒子(以下、低屈折率粒子という)と、平均粒子径が150nm以上で屈折率が2.4以上の第2の粒子(以下、高屈折率粒子という)とが含有されており、かつ、光反射層における第2の粒子の占める体積の割合が15〜40%であること、を特徴とする光電極を提供する。
【0016】
半導体電極の裏面に隣接して配置させる光反射層を上記のような大きな粒子径を有する高屈折率粒子と、低屈折率粒子とが混在する構成とすることにより、この層における光反射効率を大幅に向上させることができる。そのため、透明電極から入射してくる光を光反射層において効率よく反射し、十分な量の光を該光反射層と透明電極との間に配置される半導体電極の層に再び進行させることにより、半導体電極中を進行する光の光路長を十分に長く確保することができる。すなわち、半導体電極中に十分な量の光を閉じ込めることができ、半導体電極全体としての光の利用効率を向上させることができる。
【0017】
なお、本発明における低屈折率粒子及び高屈折率粒子がそれぞれ有している上述の屈折率の値は、400〜900nmの波長領域の入射光に対して定義される値である。
【0018】
ここで、光反射層の層厚が3μm未満であると、光反射層における光反射効率が小さくなり、光閉じ込め効果が不十分となる。一方、光反射層の層厚が50μmを超えると、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素へのI-からの電子注入によって生じるI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する。なお、上記と同様の観点から、光反射層の層厚は5〜15μmであることがより好ましい。
【0019】
また、光反射層に含まれる低屈折率粒子の屈折率が1.8を超えると、光反射層における光反射効率が小さくなり、光閉じ込め効果が不十分となる。更に、光反射層に含まれる高屈折率粒子の屈折率が、2.4未満であると、光反射層における光反射効率が小さくなり、光閉じ込め効果が不十分となる。
【0020】
また、光反射層に含まれる高屈折率粒子の平均粒子径が150nm未満となると、光反射(光散乱)効果が小さく光閉じ込め効果が不十分となる。また、光反射層に含まれる高屈折率粒子の平均粒子径が大きすぎると、高屈折率粒子の数密度が減少するため層内での均一な光散乱効果が得られず光閉じ込め効果が不十分となるおそれがあり、更に層の機械的強度が不足するおそれがあるため、光反射層に含まれる高屈折率粒子の平均粒子径は、200〜400nmであることがより好ましい。
【0021】
更に、光反射層における高屈折率粒子の占める体積の割合が15%未満となると、光反射層における光反射(光散乱)効果が小さくなり、半導体電極全体としての光閉じ込め効果が不十分となる。一方、光反射層における高屈折率粒子の占める体積の割合が40%を超えても、光反射層における光反射(光散乱)効果が小さくなり、半導体電極全体としての光閉じ込め効果が不十分となる。
【0022】
また、本発明の光電極においては、第1の粒子(低屈折率粒子)は二酸化ケイ素粒子であり、第2の粒子(高屈折率粒子)はルチル型の酸化チタン粒子であることが好ましい。これらの二酸化ケイ素粒子からなる低屈折率粒子とルチル型の酸化チタン粒子からなる高屈折率粒子との組み合わせにより、光反射率の高い光反射層をより確実に構成することができる。
【0023】
更に、本発明の光電極は、層厚が5〜49μmであり、増感色素と、平均粒子径が70nm以下の酸化物半導体粒子(以下、「小径粒子」という)と、平均粒子径が150nm以上の酸化物半導体粒子(以下、「大径粒子」という)とを含む層が、半導体電極を構成する層として透明電極と前記光反射層との間に少なくとも1つ配置されていることを特徴としていてもよい。
【0024】
このような大径粒子と小径粒子とが混在する構成を有する層(以下、LR層という)は、その内部において光を散乱させることができるとともに光を吸収して光電変換反応に利用することも可能となる。そのため、このLR層を透明電極と光反射層との間に少なくとも1つ配置することにより、半導体電極中に十分な量の光を閉じ込めて、より確実に光電変換反応に利用することができる。
【0025】
また、半導体電極が増感色素と酸化物半導体粒子とを含む複数の層から構成される場合、このLR層の配置位置は透明電極と光反射層との間であれば特に限定されない。
【0026】
なお、本明細書において、半導体電極が増感色素と酸化物半導体粒子とを含む複数の層から構成される場合、透明電極に対して最も近い位置に配置される半導体電極の層を「最内部の層」といい、透明電極に対して最も遠い位置に配置される半導体電極の層を「最外部の層」という。
【0027】
更に、LR層の層厚が5μm未満となると、増感色素の吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる。一方、LR層の層厚が49μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素へのI-からの電子注入によって生じるI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する傾向が大きくなる。なお、上記と同様の観点から、LR層の層厚は7〜12μmであることがより好ましい。
【0028】
また、LR層に含まれる小径粒子の平均粒子径が70nmを超えると、電極内の増感色素の量が減少する。また、上記の観点と、LR層に含まれる小径粒子の平均粒子径が小さすぎると、半導体電極層内の細孔径が小さくなり、増感色素の吸着時間の増大や増感色素の電解液中への拡散が困難となるおそれがあるという観点から、LR層に含まれる小径粒子の平均粒子径は、10〜50nmであることがより好ましい。
【0029】
更に、LR層に含まれる大径粒子の平均粒子径が150nm未満となると、光散乱効果が小さく光閉じ込め効果が不十分となる。また、上記の観点と、LR層に含まれる大径粒子の平均粒子径が大きすぎると、LR層の機械的強度が不足するおそれがあるため、LR層に含まれる大径粒子の平均粒子径は、150〜450nmであることがより好ましい。
【0030】
また、この場合、光反射層における小径粒子と大径粒子との合量に対する大径粒子の配合割合は20〜80質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。これにより、半導体電極内における光散乱効率をより精密に向上させることができる。
【0031】
更に、本発明の光電極においては、LR層に含まれる酸化物半導体粒子はアナターゼ型の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブからなる群から選択される少なくとも1種の粒子であることが好ましい。このような粒子をもちいることにより、光を十分に散乱させるとともに十分に吸収することのできるLR層をより確実に構成することができる。
【0032】
また、本発明の光電極は、層厚が1〜5μmであり、増感色素と、平均粒子径が70nm以下である酸化物半導体粒子とを含んでおり、かつ、該酸化物半導体粒子中、粒子径が100nm以上である粒子の割合が5質量%以下である層が、半導体電極を構成する層として透明電極と光反射層との間に少なくとも1つ配置されていることを特徴としていてもよい。
【0033】
このような構成を有する層(以下、LA層という)は、その内部における光の散乱を十分に抑制して、効率よく光を吸収し、光電変換反応を効率よく進行させることができる。そのため、このLA層を透明電極と光反射層との間に少なくとも1つ配置することにより、半導体電極中に十分な量の光を閉じ込めて、より確実に光電変換反応に利用することができる。
【0034】
また、半導体電極が増感色素と酸化物半導体粒子とを含む複数の層から構成される場合、このLA層の配置位置は透明電極と光反射層との間であれば特に限定されないが、半導体電極を構成する複数の層の中で、透明電極に対して最も近い位置に配置されることが好ましい。特に、LA層に加えて上述のLR層も半導体電極に含まれる場合には、光反射層の他にLR層において散乱される光も有効に利用する観点から、LR層よりも透明電極に近い位置に配置されることが好ましい。
【0035】
ここで、LA層に含まれる「粒子径が100nm以上である粒子」とは、LA層において酸化物半導体粒子の一次粒子同士が凝集しない状態で存在する場合には一次粒子を示し、LA層において酸化物半導体粒子の一次粒子同士が凝集した状態で存在する場合には二次粒子を示す。
【0036】
従って、「粒子径が100nm以上である粒子」の「粒子径」とは、LA層において酸化物半導体粒子の一次粒子同士が凝集しない状態で存在する場合には一次粒子径を示し、LA層において酸化物半導体粒子の一次粒子同士が凝集した状態で存在する場合には二次粒子径を示す。
【0037】
例えば、LA層を形成する際に、これに含まれる酸化物半導体粒子の分散液を塗布し、乾燥・焼結する方法を用いる場合、分散液のpHを調節することにより、酸化物半導体粒子の分散状態を制御することができる。通常分散液が強酸性のとき或いは強アルカリ性のときでは一次粒子同士が凝集せずに分散され、弱酸性〜弱アルカリ性のときでは一次粒子同士が凝集して分散される。
【0038】
このような「粒子径が100nm以上である粒子」の含有量が5%以下であるような酸化物半導体粒子により構成されたLA層は、層内の光散乱を有効に防止することができる。
【0039】
また、LA層の層厚が1μm未満となると、増感色素の吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向がある。一方、LA層の層厚が5μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素へのI-からの電子注入によって生じるI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する傾向が大きくなる。なお、上記と同様の観点から、LA層の層厚は2〜4μmであることがより好ましい。
【0040】
更に、LA層に含まれる酸化物半導体粒子の平均粒子径が70nmを超えると、これらの粒子による光の散乱が顕著となり、その結果LA層の層における光の反射率が増加し、光の利用効率が低減してしまう傾向が大きくなる。なお、上記と同様の観点から、LA層に含まれる酸化物半導体粒子の平均粒子径は10〜50nmであることがより好ましい。
【0041】
また、LA層に含まれる酸化物半導体粒子の平均粒子径が70nm以下であっても、これに含まれる粒子径が100nm以上である粒子が含まれていると、これら粒子による光の散乱が発生する。そして、粒子径が100nm以上である粒子の割合が5質量%を超えると、これらの粒子による光の散乱が顕著となり、その結果LA層における光の反射率が増加し、光の利用効率が低減してしまう傾向が大きくなる。
【0042】
更に、本発明は、受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極と、電解質とを有しており、半導体電極と対極とが電解質を介して配置された色素増感型太陽電池であって、光電極が前述した本発明の光電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。このように、前述した本発明の光電極を用いることにより、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を構成することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の光電極及び色素増感型太陽電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
[第一実施形態]
図1は、本発明の光電極の第一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は、図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。更に、図3は、図2に示した色素増感型太陽電池の他の形態を示す模式断面図である。図4は、図2に示した色素増感型太陽電池の更に他の形態を示す模式断面図である。
【0045】
図1に示す光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1と、半導体電極2の裏面F23に隣接して配置された光反射層7とから構成されている。
【0046】
また、図2に示す色素増感型太陽電池20は、主として、図1に示した光電極10と、対極CEと、スペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されている。そして、光電極10は、受光面F1と反対側の裏面F10において電解質Eと接触している。
【0047】
この色素増感型太陽電池20は、透明電極1を透過して半導体電極2に照射される光L10によって半導体電極2内において電子を発生させる。そして、半導体電極2内において発生した電子は、透明電極1に集められて外部に取り出される。
【0048】
透明電極1の構成は特に限定されるものではなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電極を使用できる。例えば、図1及び図2に示す透明電極1は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側に光を透過させるためのいわゆる透明導電膜3をコートした構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル等に用いられる透明電極を用いればよい。
【0049】
例えば、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス等が挙げられる。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板4上に設けたものでもよい。
【0050】
透明基板4としては、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
【0051】
図1に示す半導体電極2は、2つの層から構成されている。すなわち、半導体電極2は、透明電極1に最も近い位置に配置される最内部の層21と、透明電極1に対して最も遠い位置に配置される最外部の層23とから構成されている。
【0052】
光反射層7は、先に述べたように、層厚が3〜50μmに調節されている。また、光反射層7には、先に述べた屈折率をそれぞれ有する低屈折率粒子と高屈折率粒子が含まれており、高屈折率粒子は平均粒子径が150nm以上に調節されている。更に、光反射層7における高屈折率粒子の占める体積の割合は15〜40%に調節されている。そして、この光電極10においては、上記の構造を有する光反射層7を半導体電極2の裏面F23に隣接して配置させることにより、当該半導体電極2内における入射光の吸収効率の向上が図られている。
【0053】
高屈折率粒子は、平均粒子径が150nm以上で屈折率が2.4以上であれば特に限定されず、ルチル型の酸化チタン粒子、アナターゼ型の酸化チタン、ジルコニア(ZrO2)粒子などを用いることができるが、特にルチル型の酸化チタン粒子が好ましい。
【0054】
また、低屈折粒子としては、屈折率が1.8以下であれば特に限定されず、シリカ(SiO2)粒子、マグネシア(MgO)粒子、アルミナ(Al2O3)粒子などを用いることができが、特にシリカ粒子が好ましい。
【0055】
なお、光電極10を備える色素増感型太陽電池が後述する図2に示す色素増感型太陽電池20のように、スペーサSを光電極10と対極CEとの間に配置することにより光電極10と対極CEとの間にできる空間に電解質Eを封入する構成の場合、光反射層7には、後述する最内部の層21に使用されるものと同様の酸化物半導体粒子及び増感色素を含有させてもよい。
【0056】
一方、光電極10を備える色素増感型太陽電池が後述する図4に示す色素増感型太陽電池31のように、光電極10の光反射層7上に対極CEが隣接して配置される構成の場合、光反射層7には電子伝導性を有していないことが要求される。
【0057】
半導体電極2の最内部の層21は先に述べたLA層の構成を有しており、最外部の層23は先に述べたLR層の構成を有している。すなわち、先に述べたように、最内部の層21は、層厚が1〜5μmとなるように調節されている。また、最内部の層21に含まれる酸化物半導体粒子の平均粒子径は70nm以下に調節され、かつ、該酸化物半導体粒子中、粒子径が100nm以上である粒子の割合が5質量%以下に調節されている。
【0058】
また、最外部の層23は、層厚が5〜49μmとなるように調節されている。更に、最外部の層23に含まれる小径粒子の平均粒子径は70nm以下となるように調節されており、同じく最外部の層23に含まれる大径粒子の平均粒子径は150nm以上となるように調節されている。
【0059】
最内部の層21は、主として、上述の条件を満たす大きさを有する酸化物半導体粒子と、この酸化物半導体粒子の表面に吸着された増感色素とから構成されている。
【0060】
最内部の層21に含有される酸化物半導体粒子は特に限定されるものではなく、公知の酸化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO2,ZnO,SnO2,Nb2O5,In2O3,WO3,ZrO2,La2O3,Ta2O5,SrTiO3,BaTiO3等を用いることができる。
【0061】
また、最内部の層21に含有される増感色素は特に限定されるものではなく、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であればよい。この増感色素P2としては、金属錯体や有機色素等を用いることができる。金属錯体としては銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体(例えばシス−ジシアネート−ビス(2、2’−ビピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))等が挙げられる。有機色素としては,メタルフリーフタロシアニン,シアニン系色素,メロシアニン系色素,キサンテン系色素,トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。
【0062】
また、最外部の層23は、主として、先に述べた条件を満たす大きさを有する小径粒子と、大径粒子と、これら小径粒子及び大径粒子の表面に吸着された増感色素とから構成されている。
【0063】
最外部の層23に含有される小径粒子及び大径粒子を構成する酸化物半導体としては、例えば、アナターゼ型の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブからなる群から選択される少なくとも1種の粒子があげられるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。また、最外部の層23に含有される増感色素も最内部の層21に含有される増感色素と同様に特に限定されるものではなく、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であればよい。例えば、上述の最内部の層21に含有される増感色素と同様の色素を使用してよい。
【0064】
また、半導体電極2の厚さは、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、6〜18μmであることが更に好ましい。半導体電極の厚さが3μm未満となると、色素吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向が大きくなる。
【0065】
一方、半導体電極の厚さが50μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素へのI-からの電子注入によって生じるI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する傾向が大きくなる。
【0066】
また、対極CEは、特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。例えば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであってもよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜などであってもよい。
【0067】
更に、電解質Eの組成も光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されないが、I-/I3 -等の酸化還元種を含むヨウ素系レドックス溶液が好ましく用いられる。具体的には、I-/I3 -系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものなどを用いることができる。その他、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系などのレドックス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものも使用できる。
【0068】
また、スペーサーSの構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いることができる。
【0069】
次に、図1に示した光電極10及び図2に示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例について説明する。
【0070】
先ず、透明電極1を製造する場合は、ガラス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO2等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の方法を用いて形成することができる。
【0071】
透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2(最内部の層21、最外部の層23)及び光反射層7を形成する方法としては、例えば、以下の方法がある。すなわち、先ず、先に述べた条件を満たす大きさを有する酸化物半導体粒子を分散させた最内部の層21を形成するための分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など酸化物半導体粒子を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。
【0072】
次に、分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで乾燥する。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。そして、乾燥した後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成して半導体電極2の最内部の層21(多孔質半導体膜)を形成する。このときの焼成温度は300〜800℃が好ましい。焼成温度が300℃未満であると酸化物半導体粒子間の固着、基板への付着力が弱くなり十分な強度がでなくなるおそれがある。焼成温度が800℃を超えると酸化物半導体粒子間の固着が進み、半導体電極2(多孔質半導体膜)の表面積が小さくなるおそれがある。
【0073】
次に、最内部の層21上に最外部の層23を形成する場合には、例えば、最内部の層21に含有させる酸化物半導体粒子のかわりに所定量の大径粒子及び小径粒子を添加させた組成を有する分散液を調製する以外は、上述した最内部の層21を形成する方法と同様にして最外部の層23上に光反射層7を形成することができる。
【0074】
次に、最外部の層23上に光反射層7を形成する場合には、例えば、最内部の層21に含有させる酸化物半導体粒子のかわりに所定量の高屈折率粒子及び低屈折率粒子を添加させた組成を有する分散液を調製する以外は、上述した最内部の層21を形成する方法と同様にして光反射層7を形成することができる。
【0075】
次に、半導体電極2の最内部の層21、最外部の層23及び光反射層7中に浸着法等の公知の方法により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に半導体電極2を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
【0076】
更に、半導体電極2内に含まれる光電変換反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、各層それぞれの形成時毎、或いは、各層全てを形成した時などに公知の方法により適宜施してもよい。
【0077】
また、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する他の方法としては、以下の方法がある。すなわち、透明電極1の透明導電膜3上にTiO2等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよい。透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
【0078】
このようにして光電極10を作製した後は、公知の方法により対極CEを作製し、図1に示すように、光電極10と、対極CEとをスペーサーSを介して対抗させるように組み上げる。このとき、スペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完成させる。
【0079】
以下、図3に示す色素増感型太陽電池30について説明する。なお、上述した図2に示した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0080】
図3に示す色素増感型太陽電池30は、図1に示した光電極10を使用し、図2に示した対極CEと同様の対極CEを使用している。そして、図2に示した色素増感型太陽電池20においてはスペーサーSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に電解質Eを充填したのに比較して、図3に示す色素増感型太陽電池30においては、光電極10と対極CEとの間に多孔体層PSを配置している。そして、対極CEの多孔体層PSと反対側の面には透明基板6が配置されている。
【0081】
この多孔体層PSは多数の細孔を有した構造を有しており、この多孔体層PSの内部には、図2に示した色素増感型太陽電池20に使用したものと同様の電解質Eがしみ込まされることにより保持されている。
【0082】
また、この電解質は半導体電極2内や、使用する構成材料(例えば、炭素等の多孔質の導電性膜)によっては対極CEにも保持されている。そして、図3に示す色素増感型太陽電池30の半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面は、電解質が、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面から外部に漏れることを防止するためにシール材5により被覆されている。
【0083】
多孔体層PSは、電解質を保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されない。例えば、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。また、ルチル型の酸化チタン以外の構成材料としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
【0084】
また、シール材5としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。対極CEの側に配置される透明基板6は光電極10の透明電極1に使用される透明基板4と同様の基板を使用することができる。
【0085】
次に、図3に示す色素増感型太陽電池30の製造方法の一例について説明する。先ず、図2に示した色素増感型太陽電池20と同様にして光電極10を作製する。次に、光電極10の半導体電極2の各層を作製する場合と同様の手順により、光電極10の半導体電極2の光反射層7の面上に多孔体層PSを形成する。例えば、ルチル型の酸化チタン等の多孔体層PSの構成材料を含む分散液(スラリー)を調製し、これを光反射層7の面上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。
【0086】
また、対極CEについても、例えば、炭素等の多孔質の導電性膜を対極CEとする場合には、例えば、カーボンペーストを調製し、これを多孔体層PSの面上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。そして、公知の方法により、対極CEの多孔体層PSの側と反対の側の面上に透明基板6を形成し、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面をシール材5で被覆して色素増感型太陽電池30を完成する。
【0087】
以下、図4に示す色素増感型太陽電池31について説明する。なお、上述した図2に示した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0088】
図4に示す色素増感型太陽電池31は、図1に示した光電極10を使用し、光電極10の光反射層7を多孔体層PSとして使用した以外は、図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有している。図4に示すように、光電極10の光反射層7上に対極CEが隣接して配置される構成の場合、光反射層7には電子伝導性を有していないことが要求される。
【0089】
この色素増感型太陽電池31は、図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の方法により製造することができる。
【0090】
[第二実施形態]
以下、図5を参照しながら本発明の光電極の第二実施形態について説明する。なお、上述した第一実施形態に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0091】
図5は、本発明の光電極の第二実施形態を示す模式断面図である。また、図6は、図5に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。更に、図7は、図2に示した色素増感型太陽電池の他の形態を示す模式断面図である。また、図8は、図2に示した色素増感型太陽電池の更に他の形態を示す模式断面図である。
【0092】
図5に示す光電極12は、半導体電極2を先に述べたLR層のみを有する構成とした以外は図1に示した光電極10と同様の構成を有している。
【0093】
そして、この光電極12を備えた図6に示す色素増感型太陽電池32は、当該光電極12以外は図2に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する。また、光電極12及び光電極12を備えた色素増感型太陽電池32の製造方法は特に限定されず、例えば、先に述べた光電極10及び色素増感型太陽電池20と同様の方法により製造することができる。
【0094】
図7に示す色素増感型太陽電池33は、図5に示した光電極12を使用した以外は、図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有している。そして、光電極12を備えた色素増感型太陽電池33の製造方法は特に限定されず、例えば、先に述べた色素増感型太陽電池30と同様の方法により製造することができる。
【0095】
図8に示す色素増感型太陽電池34は、図5に示した光電極12を使用した以外は、図4に示した色素増感型太陽電池31と同様の構成を有している。そして、光電極12を備えた色素増感型太陽電池34の製造方法は特に限定されず、例えば、先に述べた色素増感型太陽電池31と同様の方法により製造することができる。
【0096】
[第三実施形態]
以下、本発明の光電極の第三実施形態について説明する。本発明の光電極の第三実施形態(図示せず)は、半導体電極2を先に述べたLA層のみを有する構成とした以外は図1に示した光電極10と同様の構成を有している。
【0097】
そして、この光電極を備えた色素増感型太陽電池(図示せず)としては、当該光電極以外は図6〜図8にそれぞれ示した色素増感型太陽電池32,33及び34と同様の構成を有するものが挙げられる。また、この光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池の製造方法は特に限定されず、例えば、先に述べた光電極10,12並びに色素増感型太陽電池32,33及び34と同様の方法により製造することができる。
【0098】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記の実施形態においては、2層の構造を有する半導体電極2を備えた光電極10と、1層の構造を有する半導体電極2を備えた光電極12と、これらを備える色素増感型太陽電池20,30,31,32,33及び34について説明したが、本発明の光電極及び色素増感型太陽電池はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の光電極は、3層以上の層から構成された半導体電極を備える構成を有していてもよい。
【0100】
また、本発明の光電極は、例えば、図5に示した光電極12の1つのLR層からなる半導体電極2のかわりに、1つのLA層からなる半導体電極備えた構成を有する光電極であってもよい。
【0101】
更に、本発明の色素増感型太陽電池は、例えば、図9に示す色素増感型太陽電池40のように、複数の電池を併設したモジュールの形態を有していてもよい。ただし、図9に示す色素増感型太陽電池40は、図3に示した色素増感型太陽電池30を複数個直列に併設する場合の一例を示している。
【0102】
図3に示した色素増感型太陽電池30に比較して、図9に示す色素増感型太陽電池40は、隣り合う太陽電池の単セルの光電極10間に設けられるシール材5と一方の単セル(以下、単セルAという)の光電極10との間に溝が形成されている。この溝は、単セルAの半導体電極2を、例えばレーザースクライブなどの技術により削りとることにより形成される。
【0103】
この溝のうちのシール材5の近傍部分は、半導体電極2の部分を完全に除去して透明電極1の透明導電膜3の層があらわれる深さまで達している。また、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分は、半導体電極2の部分と透明導電膜3の部分を完全に除去して、透明電極1の透明基板4の層があらわれる深さまで達している。
【0104】
そして、この溝のうちのシール材5の近傍部分には、隣り合う光電極10の透明導電膜3及び該透明導電膜3上の半導体電極2の部分同士が電気的に接触しないように、これらの部分の間に単セルAの多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が透明電極1の透明基板4に接触するようにして挿入されている。
【0105】
更に、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分、すなわち、単セルAの多孔体層PSとシール材5との間の部分には、単セルAの対極CEの鍔状に形成された縁部分が、もう一方の単セルの透明電極1の透明導電膜3に接触するようにして挿入されている。
【0106】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の光電極及び色素増感型太陽電池について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下に示す実施例及び比較例の光電極の特徴を示す半導体電極と光反射層の構成を表1〜表4に示す。
【0107】
(実施例1)
以下に示す手順により、図5に示した光電極10と同様の構成を有する光電極(半導体電極2を1つのLR層のみから構成したもの)を作製し、更に、この光電極を用いた以外は図6に示す色素増感型太陽電池32と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0108】
先ず、市販のアナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒子径:25nm、以下、P25という)と、これと粒子径の異なるアナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒子径:200nm、以下、P200という)とを用い、P25とP200の合計の含有量が15質量%で、P25とP200との質量比が、P25:P200=70:30となるように、これらにアセチルアセトン、イオン交換水、界面活性剤(東京化成社製、商品名;「Triton−X」)を加え、混練してLR層形成用のスラリー(P25の含有量;7.5質量%、P200の含有量;7.5質量%、以下、スラリー1とする)を調製した。
【0109】
次に、市販の二酸化ケイ素(平均粒子径:40nm、屈折率:1.45、以下、P1という)と市販のルチル型の酸化チタン(平均粒子径:300nm、屈折率:2.7、以下、P2という)とを用い、P1とP2の合計の含有量が15質量%で、P1とP2との質量比が、P1:P2=35:65となるようにした以外は前述のスラリー1と同様の調製手順により光反射層形成用のスラリー(P1の含有量;5.25質量%、P2の含有量;9.75質量%、以下、スラリー2とする)を調製した。
【0110】
一方、ガラス基板(透明導電性ガラス)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜(膜厚:700nm)を形成した透明電極(厚さ:1.1mm)を準備した。そして、このSnO2導電膜上に、上述のスラリー1をバーコーダを用いて塗布し、次いで乾燥させた。その後、大気中、450℃の条件のもとで30分間焼成した。このようにして、透明電極上に、半導体電極となるLR層を形成した。
【0111】
更に、スラリー2を用いて、上述と同様の塗布と焼成とを繰り返すことにより、LR層上に、光反射層を形成した。このようにして、SnO2導電膜上に図5に示す半導体電極2と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;1.0cm2、層厚:17μm、LR層の層厚:10μm、光反射層の層厚:7μm)を形成し、増感色素を含有していない光電極を作製した。
【0112】
なお、光反射層におけるルチル型の酸化チタン粒子の占める体積の割合は23%であった。
【0113】
その後、半導体電極の裏面に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、増感色素としてルテニウム錯体[cis-Di(thiocyanato)-N,N'-bis(2,2'-bipyridyl-4,4'dicarboxylic acid)-ruthenium(II)]を用い、これのエタノール溶液(増感色素の濃度;3×10-4mol/L)を調製した。
【0114】
次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、80℃の温度条件のもとで20時間放置した。これにより、半導体電極の内部に増感色素を約1.0×10-7mol/cm2吸着させた。次に、開放電圧Vocを向上させるために、ルテニウム錯体吸着後の半導体電極を4-tert-ブチルピリジンのアセトニトリル溶液に15分浸漬した後、25℃に保持した窒素気流中において乾燥させ、光電極を完成させた。
【0115】
次に、上記の光電極と同様の形状と大きさを有する対極として、電子ビーム蒸着法によりPtが蒸着された透明導電性ガラス電極(Pt薄膜の厚さ:3nm)を作製した。また、電解質Eとして、ヨウ素、ヨウ化リチウム、イミダゾリウム塩を含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。
【0116】
更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有する三井デュポンポリケミカル社製のスペーサーS(商品名:「ハイミラン」)を準備し、図6に示すように、光電極と対極とをスペーサーを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して色素増感型太陽電池を完成させた。
【0117】
(実施例2)
LR層のかわりにLA層を配置した以外は実施例1と同様の構成を有する半導体電極を備えた光電極を作製し、更に、この光電極を用いた色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0118】
LA層は、以下に示す手順により調製したスラリー3を用いて形成した。そして、光電極及び色素増感型太陽電池は、スラリー3を用いた以外は実施例1と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー3を実施例1に用いたP25のみを使用した以外は実施例1のスラリー1と同様の方法により調製した。なお、使用したP25中、粒子径が100nm以上である粒子の割合は2質量%であった。
【0119】
(実施例3)
半導体電極の最内部の層(LA層)、最外部の層(LR層)及び光反射層を表3〜表4に示す構成とした以外は、図1に示した光電極10及び図2に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0120】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、スラリー3を用いてLA層(最内部の層)を形成し、スラリー1を用いてLR層(最外部の層)を形成し、スラリー2を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。
【0121】
(実施例4)
光反射層を表4に示す構成とした以外は、実施例3と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0122】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー4を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例3と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー4は、スラリー2で用いたP1のかわりに市販の二酸化ケイ素(平均粒子径:100nm、屈折率:1.45、以下、P3という)を用い、更に、P2のかわりに市販のルチル型の酸化チタン(平均粒子径:200nm、屈折率:2.7、以下、P4という)を用い、スラリー4中のP3とP4との質量比をP3:P4=35:65とした以外はスラリー2と同様の調製手順により調製した。
【0123】
(実施例5)
実施例1と同様の構成を有する光電極を用い、以下に示す手順により作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は実施例1と同様の手順により、図8に示した色素増感型太陽電池34と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0124】
すなわち、カーボンの多孔体からなる対極を次の手順により形成した。この対極を形成するためのスラリー(以下、スラリー5という)を、市販のグラファイトパウダー、カーボンブラック及びチタニア(アナターゼ型の酸化チタン)粒子(粒径:20nm)を用い、グラファイト、カーボンブラック及びチタニアの質量比が、グラファイト:カーボンブラック:チタニア=100:20:15となるようにした以外は前述のスラリー1と同様の調製手順により調製した。次いで、実施例1に示す光電極の形成手順と同様にしてこのスラリー5の塗布と焼結を繰り返すことにより、光反射層の面上に厚さ50μmの対極を形成し、更に、光電極に用いたガラス基板をこの対極の多孔体層に接触する面と反対側の面上に配置して色素増感型太陽電池を作製した。
【0125】
(実施例6)
実施例2と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図8に示した色素増感型太陽電池34と同様の構成を有する5×20mmのスケールの色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0126】
(実施例7)
実施例3と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、図4に示した色素増感型太陽電池31と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0127】
(実施例8)
実施例3と同様の構成を有する光電極を用い、以下に示す手順により作製した多孔体層と、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いて色素増感型太陽電池を構成したこと以外は、図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0128】
すなわち、多孔体層を形成するためのスラリー(以下、スラリー6という)は、市販のルチル型の酸化チタン粒子(粒径:300nm)と市販のジルコニア(ZrO2)粒子(粒径:20nm)とを用い、ルチル型の酸化チタン粒子とジルコニア粒子の質量比がルチル型の酸化チタン粒子:ジルコニア粒子=100:10となるようにした以外は前述のスラリー1と同様の調製手順により調製した。次いで、実施例3の光電極の形成手順と同様にして光電極を作製した後、光電極の裏面に対してこのスラリー6の塗布と焼結を繰り返すことにより、厚さ10μmの多孔体層を形成した。
【0129】
次に、スラリー5を用いて、実施例5で述べた光電極の形成手順と同様にしてこのスラリー5の塗布と焼結を繰り返すことにより、多孔体層上に厚さ50μmの対極を形成し、更に、光電極に用いたガラス基板をこの対極の多孔体層に接触する面と反対側の面上に配置して色素増感型太陽電池を作製した。
【0130】
(実施例9)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0131】
すなわち、この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー7を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。スラリー7は、スラリー2で用いたP1を用い、更に、P2のかわりに市販のアナターゼ型の酸化チタン(平均粒子径:300nm、屈折率:2.4、以下、P5という)を用い、スラリー4中のP1とP5との質量比をP1:P5=35:65とした以外はスラリー2と同様の調製手順により調製した。
【0132】
(実施例10)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0133】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー8を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー8は、スラリー2で用いたP1のかわりに市販のマグネシア粒子(平均粒子径:25nm、屈折率:1.7、以下、P6という)を用い、更に、P2を用い、スラリー8中のP6とP2との質量比をP6:P2=45:55とした以外はスラリー2と同様の調製手順により調製した。
【0134】
(比較例1)
実施例1に用いたスラリー3のみを用いて1つの層(LA層)のみからなる半導体電極(受光面の面積;1.0cm2、層厚:10μm)を作製したこと以外は、実施例1と同様の手順により表2に示す構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0135】
(比較例2)
光反射層を表2に示す構成とした以外は、実施例2と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0136】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー9を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例2と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー9は、スラリー2におけるP1とP2との質量比を変化させて、P1とP2との質量比が、P1:P2=5:95となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0137】
(比較例3)
光反射層を表2に示す構成とした以外は、実施例2と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0138】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー10を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例2と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー10は、P1のかわりに、市販のジルコニア粒子(平均粒子径;20nm、屈折率:2.1、以下、P7という)を用い、更に、P2を用い、P7とP2との質量比が、P7:P2=50:50となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0139】
(比較例4)
実施例1に用いたスラリー1のみを用いて1つの層(LR層)のみからなる半導体電極(受光面の面積;1.0cm2、層厚:10μm)を作製したこと以外は、実施例1と同様の手順により表1に示す構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
【0140】
(比較例5)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0141】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー11を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー11は、スラリー2におけるP1とP2との質量比を変化させて、P1とP2との質量比が、P1:P2=10:90となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0142】
(比較例6)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。すなわち、この光電極及び色素増感型太陽電池は、比較例3で使用したスラリー10を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。
【0143】
(比較例7)
光反射層を表4に示す構成とした以外は、実施例3と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0144】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー12を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例3と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー12は、スラリー2で用いたP1を用い、更に、P2のかわりに市販のルチル型の酸化チタン(平均粒子径:120nm、屈折率:2.7、以下、P8という)を用い、スラリー12中のP1と8との質量比をP1:P8=35:65とした以外はスラリー2と同様の調製手順により調製した。
【0145】
(比較例8)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0146】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー13を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー10は、スラリー10で用いたP7とP2との質量比を変化させ、P7とP2との質量比が、P7:P2=10:100となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0147】
(比較例9)
光反射層を表2に示す構成とした以外は、実施例2と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。すなわち、この光電極及び色素増感型太陽電池は、比較例8で使用したスラリー13を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。
【0148】
(比較例10)
光反射層を表2に示す構成とした以外は、実施例2と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0149】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー14を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例2と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー14は、P2のみを用い、P2の含有量を15質量%となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0150】
(比較例11)
表1に示す構成を有する1つの層(LR層)のみからなる半導体電極(受光面の面積;1.0cm2、層厚:10μm)を作製したこと以外は、比較例4と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0151】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー15を用いて半導体電極を形成したこと以外は比較例4と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー15は、スラリー1で用いたP200を用い、更にP25のかわりに、市販のアナターゼ型の酸化チタン粒子(平均粒子径;10nm、以下、P10という)を用い、更に、P200とP10との質量比が、P200:P10=80:20となるようにした以外はスラリー1の調製方法と同様の方法により調製した。
【0152】
(比較例12)
比較例2と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例6と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0153】
(比較例13)
比較例3と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例6と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0154】
(比較例14)
比較例5と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例5と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0155】
(比較例15)
比較例6と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例5と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0156】
(比較例16)
比較例7と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例7と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0157】
(比較例17)
比較例8と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例5と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0158】
(比較例18)
比較例9と同様の構成を有する光電極を用い、実施例5と同様にして作製したカーボンの多孔体からなる対極を透明導電性ガラス電極のかわりに用いたこと以外は、実施例6と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0159】
(比較例19)
光反射層を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
【0160】
この光電極及び色素増感型太陽電池は、以下に示す構成を有するスラリー16を用いて光反射層を形成したこと以外は実施例1と同様の手順により作製した。すなわち、スラリー16は、P2のかわりに、市販のジルコニア粒子(平均粒子径;320nm、屈折率:2.1、以下、P9という)を用い、更に、P1を用い、P7とP2との質量比が、P1:P9=30:70となるようにした以外はスラリー2の調製方法と同様の方法により調製した。
【0161】
【表1】
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】
[電池特性試験]
電池特性試験を行ない、実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例19の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(ワコム製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cm2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、開放電圧(Voc/V)、短絡電流(Isc/mA・cm-2)、曲線因子(F.F.)及びエネルギー変換効率(η/%)を求めた。
【0166】
実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例19の各色素増感型太陽電池に備えられている光電極の構成と電池特性試験の結果を表5に示す。
【0167】
【表5】
【0168】
表5に示した結果から明らかなように、実施例1〜実施例8の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηは、それぞれに対応する比較例1〜比較例19の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηよりも高い値を示すことが確認された。
【0169】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光電極を構成する半導体電極内において高い光閉じ込め効果を得ることが可能となるので、優れた入射光の利用効率を有する光電極を構成することができる。また、この光電極を用いることにより、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電極の第一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。
【図3】図2に示した色素増感型太陽電池の他の形態を示す模式断面図である。
【図4】図2に示した色素増感型太陽電池の更に他の形態を示す模式断面図である。
【図5】本発明の光電極の第二実施形態を示す模式断面図である。
【図6】図5に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。
【図7】図5に示した色素増感型太陽電池の他の形態を示す模式断面図である。
【図8】図5に示した色素増感型太陽電池の更に他の形態を示す模式断面図である。
【図9】図3に示した色素増感型太陽電池の他の形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…透明基板、5…シール材、6・・・透明基板、7・・・光反射層、10,12,…光電極,20…色素増感型太陽電池、21…最内部の層、23…最外部の層、30,31,32,33,34,40…色素増感型太陽電池、CE…対極、E…電解質、F1,F2,F3,…受光面、F10…光電極10の裏面、F23…半導体電極2の裏面、L10…入射光、S…スペーサー、PS…多孔体層。
Claims (6)
- 受光面を有しており、増感色素と酸化物半導体粒子とを含む少なくとも1つの層を有する半導体電極と、
前記半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極と、
前記半導体電極の前記受光面に対向する裏面上に隣接して配置された光反射層と、を有しており、
前記光反射層の層厚が3〜50μmであり、
前記光反射層には、屈折率が1.8以下の第1の粒子と、平均粒子径が150nm以上で屈折率が2.4以上の第2の粒子とが含有されており、かつ、
前記光反射層における前記第2の粒子の占める体積の割合が15〜40%であること、
を特徴とする光電極。 - 前記第1の粒子は二酸化ケイ素粒子であり、第2の粒子はルチル型の酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光電極。
- 層厚が5〜49μmであり、増感色素と、平均粒子径が70nm以下の酸化物半導体粒子と、平均粒子径が150nm以上の酸化物半導体粒子とを含む層が、前記半導体電極を構成する層として前記透明電極と前記光反射層との間に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電極。
- 前記酸化物半導体粒子はアナターゼ型の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブからなる群から選択される少なくとも1種の粒子であること、を特徴とする請求項3に記載の光電極。
- 層厚が1〜5μmであり、増感色素と、平均粒子径が70nm以下である酸化物半導体粒子とを含んでおり、かつ、該酸化物半導体粒子中、粒子径が100nm以上である粒子の割合が5質量%以下である層が、前記半導体電極を構成する層として前記透明電極と前記光反射層との間に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光電極。
- 受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極と、電解質とを有しており、前記半導体電極と前記対極とが前記電解質を介して配置された色素増感型太陽電池であって、
前記光電極が請求項1〜5の何れかに記載の光電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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