JP4776182B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池に関する。
近年、二酸化炭素発生量の増加や化石燃料の燃焼による地球温暖化等の環境エネルギー問題が深刻化する中で、その対策として、無限で、かつ有害物質を発生しない太陽エネルギーを効率よくエネルギー源として取り出す技術の開発が盛んに行われている。中でも、太陽電池に関する研究は盛んで、コストの高い従来のp―n型シリコン太陽電池に代わる、効率とコストの両方の面で優れた太陽電池の開発が注目を集めている。
中でも、マイケル・グレッツェルらによって発表された非特許文献1に記載されている色素増感型太陽電池は、極めて低コスト、かつ高効率であり、この発表以降、多くの研究がなされてきた。
色素増感型太陽電池は、優れた導電性と透明性を兼ね備えた酸化インジウム系膜(ITO)やフッ素等をドープした酸化スズ系膜(FTO)がコーティングされた、ガラスやポリマーからなる導電性支持体のコーティング面上に、主にn型酸化物半導体として数十ナノメートルサイズの多孔質構造の安価な材料である酸化チタンの焼結体に、主に光増感剤としてRu錯体を担持させたものを積層した光電変換素子を陰極に用い、同様の基板上に、主に白金の薄膜を積層した陽極を用いて、主にヨウ素等の酸化還元イオンを含んだ電解質溶液を介して陰極と陽極を配置した構造をしている。
一般に、陰極に用いた酸化チタンには、太陽光の可視領域の波長の光を吸収することを可能とするために、錯体色素に代表される光増感剤が担持されている。
この光増感剤に太陽光を照射すると、光増感剤は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半導体に移動し、ついで、導電膜へ移動し、2つの電極を接続する導線を通って陽極へ移動し、陽極へ移動した電子は電解質層中の酸化還元イオンを還元する。
一方、電子を半導体へ渡し終えた光増感剤は酸化状態になっているが、電解質層中の酸化還元イオンから電子を受け取り、還元され元の状態に戻る。こうした一連の流れを繰り返すことにより、色素増感型太陽電池は機能する。
色素増感型太陽電池の光電変換性能は、一般的に発電電流と発電電圧の積によって表されるため、高い性能の発現には、発電電流および発電電圧共に高い発電量を必要とする。色素増感型太陽電池の電流値向上に関しては、例えば、色素の光吸収波長領域を広げることにより、より多くの励起電子を取り出すといった研究が行われ、良好な成果を挙げている。しかしながら、色素増感型太陽電池の電圧値向上に関しては、まだ課題が多いのが現状である。
色素増感型太陽電池の電圧値は、理論的には、n型半導体の伝導帯準位(電池の陰極)と対極準位(電池の陽極)の差によって決まると考えられている。色素増感型太陽電池における対極準位を考えた際、その準位とは、対極が電解質に電子を受け渡すエネルギー準位のことであり、この準位において、酸化体で存在していた電解質は還元されて還元体へと変化し、色素へ電子を受け渡すことができるようになる。したがって、高電圧をとりうる条件とは、対極準位を下げること、つまり、電解質の酸化還元準位を下げることである。
酸化還元準位の異なる多数の電解質変換による高電圧発現を検討した例として、非特許文献2が挙げられる。色素増感型太陽電池では、一般的な電解質であるヨウ素系電解質よりも酸化還元準位が低い位置にある(SCN)/SCNや(SeCN)/SeCNを用いて検討が行われている。この文献では、溶媒中において、より低い位置に酸化還元準位をもつ電解質を用いれば、より高い電圧の発現が可能になることを検証しようとした。しかしながら、半導体電極の電子伝導準位を変化させてしまうといった問題が生じ、上記のような検証には至らず、より低い位置に酸化還元準位をもつ電解質を用いたにもかかわらず、太陽電池にした際の開放電圧は、約550mVおよび約150mVと随分低い値となっている。
非特許文献3では、色素増感型太陽電池では一般的な電解質であるヨウ素系電解質に代わるものとして、[Co(L)](ClO(Lは置換基を持った2,2’:6’,2’’−ターピリジンおよび2,2’−ビピリジンおよび1,10−フェナントロリンを示す)からなる電解質が用いられている。これらの電解質の溶媒中での酸化還元準位は、標準電解質であるヨウ素系電解質に比べて、同程度またはその上下に位置する程度のものであるが、最も高性能発現が可能であったL=4,4’−ジ―ターシャリーブチル―2,2’ビピリジンに、酸化剤等の添加剤を加えて組成比を微調整した系においてさえも、太陽電池にした際の開放電圧は、約450mV〜約550mV程度に留まっている。
以上より、標準電解質であるヨウ素系電解質を超える開放電圧値を達成できる他の電解質は、未だ見い出されていない。
Nature 1991,353,737−740 J.Phys.Chem.B:Appl.Vol.105. 2001,6867−6873 J.Am.Chem.Soc.124.2001,11215 −11222
本発明の目的は、導電性支持体上にn型半導体と光増感剤とを含有する半導体膜が積層されてなる光電変換素子と対向電極が、電解質層を介して対向している色素増感型太陽電池であって、従来の標準電解質であったヨウ素系電解質から構成される色素増感型太陽電池よりも高い開放電圧(Voc)の発現が可能となる電解質を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、色素増感型太陽電池の電解質骨格に着目した。その結果、[CoX](Xはハロゲン原子、nは4〜6の整数を表す)の組成式で表されるコバルトハロゲン化物を電解質に用いることによって、上記の問題を解決できることを見出し、発明を完成させるに至った。
つまり、本発明の電解質を用いた色素増感型太陽電池の対極準位は、従来の標準電解質であったヨウ素系電解質を用いた際に比べはるかに低い準位となり、その結果、高い開放電圧(Voc)の発現が可能になった。
さらに本発明の電解質は、遷移金属を含むことにより、電解質の酸化還元反応は、遷移金属の酸化還元反応が中心となり引き起こされる。遷移金属は、1つの金属において、多数の安定な酸化状態を取りうることが可能なため、電解質の酸化還元反応もより活性になる。
また本発明の電解質は、上記骨格が負の電荷を有することもでき、その際には有機骨格をもつカウンターイオンと錯塩を形成することが容易である。そのため、有機骨格をもつカウンターイオンの影響で、有機溶媒に高濃度で可溶な電解質となることができ、色素増感型太陽電池の電解質として最適である。
本発明は、以下のとおりである。
(1)導電性支持体上にn型半導体と光増感剤とを含有する半導体膜が積層されてなる光電変換素子と対向電極が、電解質層を介して対向している色素増感型太陽電池であって、当該電解質層が、[CoXn](Xはハロゲン原子、nは4〜6の整数を表す)の組成式で表される負の電荷を有するコバルトハロゲン化物を含有する電解質を有機溶媒に溶解させた電解質溶液からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
(2)該有機溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、メ
トキシプロピオニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノンの中から選択されるいずれかの非プロトン性の極性溶媒であることを特徴とする(1)に記載の色素増感型太陽電池。
(3)該電解質の電荷を中和するカウンターイオンが、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオンの中から選択されるいずれかの有機アンモニウムカチオンであることを特徴とする(1)または(2)に記載の色素増感型太陽電池。
(4)Xが塩素原子であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池。
本発明の電解質によって、それを用いた色素増感型太陽電池は、従来の標準電解質であったヨウ素系電解質を用いた色素増感型太陽電池よりも高い開放電圧(Voc)の発現が可能となり、したがって、高性能色素増感型太陽電池を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、色素増感型太陽電池の構成要素である電解質に特徴がある。本発明における代表的な色素増感型太陽電池は、優れた導電性と透明性を兼ね備えた酸化インジウム系膜(ITO)やフッ素等をドープした、酸化スズ系膜(FTO)がコーティングされたガラスやポリマー等からなる導電性支持体のコーティング面上に、n型酸化物半導体として、主に数十ナノメートルサイズの多孔質構造の安価な材料である酸化チタンの焼結体に、光増感剤として、主にRu錯体を担持したものを積層した光電変換素子を陰極に用い、同様の基板上に主に白金の薄膜を積層した陽極を用いて、主にヨウ素等の酸化還元イオンの電解質を含んだ溶液またはゲルである電解質層を介して陰極と陽極を配置した構造をしている。
本発明における電解質は、[CoX](Xはハロゲン原子、nは4〜6の整数を表す)の組成式で表されるコバルトハロゲン化物である。[CoX]は、通常は負の電荷をもつが、中性または正の電荷をもっていてもよい。Co金属がとり得る安定な酸化数を考慮すると、[CoX]の電荷は負が好ましい。負の価数は、[CoX]が溶液中で安定に存在できれば制限はないが、安定、かつ高活性な酸化還元性を示すという観点から、好ましくは4マイナス以上1マイナス以下、さらに好ましくは2マイナス以上1マイナス以下である。
上記の負または正の価数の測定方法の例を以下に示すが、負または正の価数を求めることができる限り、これに限定されるものではない。カウンターイオンが有機物である際には、核磁気共鳴分光法(NMR)を用いて、電解質内におけるカウンターイオンを定量することによりイオン数を導き、そこから負の価数を見積もる。カウンターイオンが無機物である際には、単結晶化させたものをX線回折分析法を行い分子構造を見ることにより決定することができる。
本発明における電解質のXはハロゲン原子を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子のいずれかである。[CoX]の溶液内での安定性を考慮すると、好ましいXは、塩素原子および臭素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。Xは単一のハロゲン原子でもよいし、2種以上のハロゲン原子が混合されていてもよい。
本発明における電解質のnは4〜6の整数である。Co金属の配位能力を考えた安定な配位数といった観点から、好ましくはnは4または6であり、Xが塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子の場合には、nは4、Xがフッ素原子の場合には、nは6が好ましい。
X原子の種類およびnの数の測定方法の例を以下に示すが、X原子の種類およびnの数を求めることができれる限り、これに限定されない。ICP発光分析法や蛍光X線分光分析法を用いることによりX原子の種類およびCo原子に対する比率を測定することができる。また単結晶化させたものをX線回折分析法を行い分子構造を見ることで決定することもできる。
本発明の電解質が電荷をもつ際には、それを中和するためのカウンターイオンと錯塩を形成することができる。カチオンのカウンターイオンの例としては、水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン等の有機アンモニウムイオン、テトラフェニルフォスフォニウムイオン、テトラエチルフォスフォニウムイオン、テトラメチルフォスフォニウムイオンに代表される有機フォスフォニウムイオン等が挙げられる。アニオンのカウンターイオンカチオンの例としては、四フッ化ホウ素イオン、四フッ化リンイオン、過塩素酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、イソチオシアン酸イオン、チオシアン酸イオン等が挙げられる。
カウンターイオンの測定方法の例を以下に示すが、カウンターイオンの構造を求めることができれば以下に限定されない。カチオンのカウンターイオンのうち、上記のアルカリ金属やアルカリ土類金属のうち重元素であるときは、ICP発光分析法や蛍光X線分光分析法を用いることによりCo原子に対する重元素の存在比率を測定することができる。また上記記載の有機イオンであるときは、赤外線分光分析法(IR)や核磁気共鳴分光法(NMR)により構造決定することができる。アニオンのカウンターイオンのうち、上記の無機イオンであるときは、ICP発光分析法、蛍光X線分光分析法または赤外線分光分析法(IR)により構造決定することができる。また、カチオン、アニオン問わず、単結晶化させたものをX線回折分析法を行い分子構造を見ることにより決定することもできる。
本発明の電解質の色素増感型太陽電池内における形態の1つは、液体系溶媒に溶解させた電解液である。その溶媒は、色素増感型太陽電池内において、スムーズな電子伝導能力の発現を可能とし、高性能を発現させることができるといった観点から、有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒に可溶とは、本発明の電解質を所望の有機溶媒に溶解させたときの溶液濃度が1×10−3mol/l以上であることをいう。
溶媒に有機溶媒を用いる際には、その選択には制限はない。溶媒の例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、メトシキプロピオニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノンといった非プロトン性の極性溶媒や、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルといった疎水性溶媒や、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンといった高いドナー性をもつ親水性極性溶媒や、メタノール、エタノール、メトシキエタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のプロトン性溶媒等が挙げられる。
また、安定した電池性能を得るといった観点から、色素増感型太陽電池にした際に、溶媒が蒸発しにくいように、揮発性の高くない有機溶媒を用いることが好ましい。
以上の観点から、溶媒として、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、メトシキプロピオニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノン等の非プロトン性の極性溶媒が好ましい。
水と有機溶媒との混在溶媒を用いることもでき、その際には、高い発電性能を得るために、有機溶媒量は、好ましくは全溶媒量の50%以上、より好ましくは全溶媒量の80%以上である。
本発明の電解質は、前に述べたように、負の電荷をもつことが好ましく、また有機溶媒に可溶であることが好ましいため、本発明の電解質の電荷を中和するためのカチオンのカウンターイオンの中で好ましいものは、有機アンモニウムイオンおよび有機フォスフォニウムイオンであり、また[CoX]の骨格により安定といった観点も合わせれば、より好ましくは有機アンモニウムイオンである。
電解質層中の電解質は電子のキャリアとして作用するため電解質層中である程度の量が必要である。電解質を溶解させる溶媒に対して、好ましい濃度は、その下限は0.01mol/l以上であり、より好ましくは0.1mol/l以上、更に好ましくは0.3mol/l以上である。上限に関しては、濃度は高いほど好ましいが、あまり濃度が高いと光増感剤中で励起し半導体内へと伝導した電子が電解質へと再結合する恐れがあるので、3mol/l以下が好ましい。
次に、本発明における電解質を液状で用いた際の色素増感型太陽電池の対極準位について説明する。色素増感型太陽電池中の対極準位とは、対極が電解質に電子を受け渡すエネルギー準位のことである。このような対極準位は、光電変換素子を有する陰極を作用極とし、白金に代表される対極を設置し、電位参照となる参照極を併設して行う3極式光電気化学測定と、参照極を設置せずに対極と作用極の電位差を測定する2極式光電気化学測定のそれぞれの電圧値から、3極式光電気化学測定の際に用いた、参照極の酸化還元準位に対する準位(電位)として求められる。また、3極式光電気化学測定でポテンシャルの挿引速度を十分に遅くしたり、電解質を含む測定液を攪拌する等して酸化還元波が観測されない測定条件とし、光を照射せずに測定した場合の、電流−電圧曲線が電圧軸(通常X軸)と交差する点(酸化電流も還元電流も観測されない点)を求めることによっても対極準位を求めることができる。
この対極準位は、作用極として用いられる光電変換素子を有する陰極の準位との差によって色素増感型太陽電池の発生電圧を決定するため、対極準位が低いこと(電気化学測定において値が大きいこと)は、セルの電圧が高くとれることを意味するので好ましい。
したがって、対極準位の下限(すなわち、電気化学測定によって求めた電位の最大値)は、色素の最も低い励起準位の金属準位(HOMO)よりも高いエネルギー準位であれば限定はないが、色素の最も低い励起準位の金属準位(HOMO)よりも0.05V以上高いことが好ましく、0.1V以上高いことがより好ましい。
対極準位の上限は、n型半導体の伝導帯準位より低い準位であればセルが作動するので限定はないが、色素の最も低い励起準位の金属準位(HOMO)との差が1V以下であることが好ましく、より好ましくはその差が0.8V以下であり、更に好ましくはその差が0.5V以下であり、最も好ましくはその差が0.3V以下である。
以上のように、色素によって適切なエネルギー準位が決定されるが、高電圧をとるには、その対極準位は、色素の最も低い励起準位の金属準位(HOMO)より高い範囲で、できるだけ低い位置に存在することが好ましい。その値として、好ましくは銀/銀イオン酸化還元準位に対して−0.15V以上であり、より好ましくは銀/銀イオン酸化還元準位に対して−0.05V以上であり、更に好ましくは銀/銀イオン酸化還元準位に対して0.3V以上であり、最も好ましくは銀/銀イオン酸化還元準位に対して0.5V以上である。
電解質溶液には、対極準位を調整する目的で酸化剤や還元剤を添加することができる。すなわち、電解質の多くは、複数の価数を取り得るので、上記添加により目的の価数の酸化還元対を色素増感型太陽電池内で用いるためである。
これらの酸化剤や還元剤は、電解質の組成の酸化還元準位により適宜選択されるが、代表的な酸化剤として、ニトロソニウム四フッ化ホウ素が、代表的な還元剤として、有機/無機のスルフィン酸およびその塩、アスコルビン酸およびその塩等が例示できる。これらの電解質層中における添加量に関しては、下限は、効果を発現できる量以上であれば制限はなく、上限は、本発明の電解質が安定した酸化還元反応を起こすことができるといった観点から、本発明の電解質に対して体積比率で10倍以下が好ましい。
さらに、電解質溶液の電気伝導度を上げる目的で、電解質溶液中に支持電解質を加えてもよい。支持電解質としては、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の過塩素酸の有機、無機塩、ヘキサフルオロ燐酸リチウム、ヘキサフルオロ燐酸ナトリウム、ヘキサフルオロ燐酸アンモニウム、ヘキサフルオロ燐酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサフルオロ燐酸テトラエチルルアンモニウム、ヘキサフルオロ燐酸テトラブチルアンモニウム等のヘキサフルオロ燐酸の有機、無機塩等を挙げることができる。これらの電解質層中における添加量に関しては、下限は、効果を発現できる量以上であれば制限はなく、上限は、本発明の電解質が安定した酸化還元反応を起こすことができるといった観点から、電解質を溶解させる溶媒に対して3mol/l以下が好ましい。
本発明の電解質の色素増感型太陽電池内におけるその他の形態は、電解質を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸した、いわゆるゲル電解質が挙げられる。このようなゲル電解質のポリマーマトリックスは、電解質を含む有機溶媒の中で重合されてもよいし、予めシート状に成型されたものであってもよい。シート状に成型されたものとしては、リチウムイオン電池、コンデンサー等のセパレーター、血液分離膜、加湿膜として使用されるポリオレフィン系やセルロース系の微多孔膜が好ましく用いられる。
このような微多孔膜を用いる場合は、その厚みは薄い方が好ましく、2〜20μmの厚みが好ましい。その膜中の空孔は酸化還元対の拡散効率の観点から多いほど好ましく、膜強度との関係で好ましい空孔率(膜全体に対する空孔の体積分率)が決定される。通常、空孔率は30〜90%、好ましくは50〜90%のものが使用される。
本発明の電解質は、電解質層中において単一で用いてもよいし、その他の酸化還元対と混合して用いてもよい。その際の、その他の酸化還元対の電解質層中における添加量に関しては、下限は、効果を発現できる量以上であれば制限はなく、上限は、本発明の電解質の効果を損なわないといった観点から、本発明の電解質に対して体積比率で10倍以下が好ましい。
次に、本発明の色素増感型太陽電池を構成する光電変換素子について説明する。本発明における光電変換素子は、導電性支持体上にn型半導体を含有する半導体膜が積層されたものである。n型半導体は、それ自身または光増感剤が光を吸収することによって生じた励起電子を受け取り、電子を回収する際に必要な導電性材料へと受け渡す機能を有する。
用いられるn型半導体としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化バナジウム等の各種酸化物半導体、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等の各種複合酸化物半導体、カドミウムまたはビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物またはテルル化物、ガリウムのリン化物またはヒ素化物等を例示でき、これらを組み合わせて用いることもできる。
n型半導体は、微粒子であることが好ましい。微粒子とすることによって、複核錯体から電子を受け取る面積が増大するため、多くの複核錯体を光吸収剤としてより効率的に機能させることができ、光電変換の効率が向上する。微粒子のサイズは、光電変換素子の使用目的や用いられる光の強度、光増感剤の吸光度によって決定されるが、好ましい粒子サイズは、その一次粒子径が1〜5000nm、より好ましくは2〜100nm、最も好ましくは2〜50nmである。一次粒径が5000nmを越えると、半導体の膜の光透過性が低下して入射した光を有効に使えない場合があり、一次粒径が1nm未満の場合は、半導体微粒子の電子伝導度が低下して、発生した励起電子を、後に述べる導電性支持体に移送する際のロスが大きくなる場合がある。
n型半導体は、焼結のしやすさや光電変換能力の高さ等の観点から、結晶性酸化チタンが好ましい。結晶性n型半導体として結晶性酸化チタンを用いる場合は、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンおよびブル−カイト型酸化チタンのいずれか、または上記酸化チタンが2種、または3種混合したものが用いられる。混合するの場合、その比率に限定はないが、アナターゼ型酸化チタンが50%以上であることが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、(101)(200)(004)といった各結晶面のX線回折ピークが、約100:35:20の強度比で観測される結晶性の酸化チタンである。ルチル型酸化チタンは、(110)(211)(101)といった各結晶面のX線回折ピークが、約100:60:50の強度比で観測される結晶性の酸化チタンである。ブル−カイト型酸化チタンは、(120)(121)(111)といった各結晶面のX線回折ピークが、約100:90:80の強度比で観測される結晶性の酸化チタンである。
結晶性酸化チタンの結晶性の程度には限定はないが、高い方が好ましい。半導体膜の光電変換性能は、膜を構成している半導体粒子の結晶性に起因する部分も大きく、結晶性が高いほうが電子伝導性に優れる等の高活性を示すからである。例えば結晶性酸化チタンがアナターゼ型酸化チタンの場合には、メインピークである(101)面のX線回折ピークの半価幅が、好ましくは1.3°以下、より好ましくは0.75°以下、最も好ましくは0.30°以下である。
これらのX線回折測定は、例えば、粉末X線回折装置を用いて行われ、その線源としてはCu Kα線が使用される。このような、高い結晶性を有する半導体は、後述する焼結工程とは別に、予め半導体を焼成することによって得ることも可能である。
n型半導体は、その表面に、電子の伝導度を調節できるようなシェル層が設けられていてもよい。このような層の存在により、例えば、光増感剤として色素を用いた場合の励起状態の色素や、例えば、電解質のような他の材料への逆電子移動を抑制することができる場合がある。
シェル材料としては、n型半導体材料や絶縁体が用いられ、具体的には、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化バナジウム等の各種酸化物半導体、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等の各種複合酸化物半導体、カドミウムやビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物やテルル化物、ガリウムのリン化物やヒ素化物等の無機n型半導体、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、炭酸マンガン等の遷移金属炭酸塩、炭酸ランタン、炭酸イッテルビウム、炭酸セリウム等のランタノイド炭酸塩等の金属炭酸塩、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化マンガン等の遷移金属酸化物、酸化セリウム、酸化ガドリニウム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム等のランタノイドの酸化物等の金属酸化物、シリカに代表される天然または合成の珪酸化合物等の無機絶縁体、低分子、高分子の有機絶縁体等が挙げられる。これらの材料を組み合わせて使用することもできる。
これらの中で、材料の安定性の観点から、無機n型半導体および無機絶縁体から選ばれる無機化合物が好ましく、より好ましくはアルカリ土類金属を含有する無機化合物である。
シェル構造の厚みは適宜選択できるが、複核錯体からn型半導体への電子注入の確率を落とさないようにするため、好ましくは1nm未満、より好ましくは0.8nm以下、更に好ましくは0.6nm以下、最も好ましくは0.4nm以下である。下限に関しては、開放電圧が向上する限り限定は無いが、好ましくは0.1nm以上である。
シェルの厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、直接観察するか、測定深さが一般的に5nm以下であるX線光電子分光法(XPS)を用いて、n型半導体の特定の元素(例えばn型半導体が酸化チタンの場合はチタン)とシェルを形成する材料の特定の元素(例えば炭酸カルシウムの場合はカルシウム)の原子数比と、後に述べる方法で求めたシェルの組成から分かるシェルの比重を用いて算出することができる。なお、この原子数比を求めるために選択される特定の元素は、分析の容易さ(ピークの重なりが少ないこと、ピークの強度が強いこと、好ましくはn型半導体/シェルのいずれか片方のみに存在すること)によって適宜選択される。
また、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)のような装置を用いエッチングしながら組成分布を求め、その組成の変化が顕在化するまでのエッチング厚みを用いてシェル厚みを求めることもできる。更に簡易的には、シェル部、n型半導体の材料の比重とその原料の使用量、およびn型半導体が粒子状の場合はその平均粒径から算出することも可能である。
n型半導体として微粒子を用いる際には、後に述べる導電性材料の表面で焼結されて多孔質構造の半導体膜となっているのが好ましい。その場合、n型半導体中の電子の流れが良好となる。多孔質構造とは、例えば窒素ガスを用いたBET表面積測定によって得られた質量あたりの表面積から算出される表面積増大が、その粒子が存在する面を平面に投影した面積の5倍以上のものをいう。このようなシェルを有するn型半導体は、前記のn型半導体と混合して用いることもできる。
本発明の半導体膜には、上記の半導体以外に、光電変換素子の性能を落とさない程度の量の、アセチルアセトン等の有機物バインダー、金属過酸化物(例えば過酸化チタン、過酸化スズ、過酸化ニオブ等)や金属アルコキシド等の無機物バインダー、硝酸、硫酸といった無機物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セルロースおよびその変性体等の高分子化合物、ノニオン系、アニオン系、カチオン系やシリコーン系等の各種界面活性剤類、キレート補助剤類を加えることもできる。
n型半導体は導電性材料と接している。導電性材料としては、金、銀、銅、白金、パラジウム等の金属やその薄膜、錫をドープした酸化インジウム(ITO)に代表される酸化インジウム系化合物、フッ素をドープした酸化錫(FTO)に代表される酸化錫系化合物、酸化亜鉛系化合物等の透明導電性材料やこれらからなる薄膜が用いられる。
本発明の光増感剤は、光を吸収する能力があれば限定はないが、太陽光の波長域の吸収特性が良好のものが好ましく、可視光を吸収するものがより好ましい。ここで言う可視光は波長が約400〜約800nmの範囲のものを示す。
光増感剤は、具体的には、色素や金属微粒子等があげられるが、好ましくは入射光を吸収して励起状態とし内部にホールと電子の対を形成する色素である。その際、色素が、本発明の電解質から効率的に電子を受け取ることができるように、電解質の酸化還元準位より低い位置に色素のHOMO準位が位置することが必要である。また、色素から半導体膜へ効率的に電子を注入することができるように、半導体の伝導帯準位以上に色素のLUMO準位が位置することが必要である。
本発明の光増感剤に用いる色素を半導体に担持する場合、その結合形態には限定はないが、好ましくは半導体にキレート結合やエステル結合のような化学結合した形態である。そのため、分子中にカルボキシル基、カルボキシアルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルフォン酸基、リン酸基等の反応性官能基を有するものが好ましい。色素は、金属錯体と有機分子どちらも可能であるが、好ましくは耐光性や分光増感の効果に優れている金属錯体である。
金属錯体としては、中心金属は、例えば、ルテニウム、オスミウム、鉄、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム等が挙げられ、配位子は、π共役系を含むものが好ましく、例えば、ビピリジル誘導体、ターピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体等が挙げられる。さらに、上記記載の配位子に加えて、チオシアン酸基、シアン基、クロロ基、ブロモ基等を配位させたものが好ましい。単核錯体に限らず、多核錯体でもよい。上記以外にも、フタロシアニン系錯体、ポルフィリン系錯体等が挙げられる。
有機分子としては、例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、フェノサフラニン、チオシン、メチレンブルー等の塩基性染料、アントラキノン系色素、多環キノン系色素等を用いることができる。
異なる励起準位を有する複数の色素が化学的に結合した色素を用いることも可能であり、例えば、複核錯体色素が挙げられる。このとき、n型半導体から離れるにしたがって低い励起準位を有する必要がある。
先に述べたように、本発明の電解質の好ましい形態は、色素増感型太陽電池が高電位の発現を可能とするために、電解質による色素増感型太陽電池中の対極準位が銀/銀イオン酸化還元準位に対して−0.15V以上とできるだけ低い準位である。また上記色素は、電解質から電子を受ける準位がより低い位置となるので、本発明の電解質による色素増感型太陽電池の対極準位と適している。以上より、異なる励起準位を有する複数の色素が化学的に結合した色素と、本発明の電解質との組み合わせによる色素増感型太陽電池は、従来にはない極めて高い開放電圧を有することができる。
光増感剤は、上記のものを単一で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記の色素の担持量は、紫外―可視分光分析によって色素の吸光度から色素量を換算して求められる。この測定は、光電変換素子の状態で行ってもよいし、アルカリ水溶液等を用いて複核錯体や上記の色素をn型半導体から解結合させた後に測定してもよい。
次に、本発明の半導体膜を積層する導電性支持体を構成する透明性基板と透明導電膜について説明する。本発明において透明とは、光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましい。
本発明で用いる透明性基板としては、上記透明性を有するガラスや有機物等を用いることができる。具体的には、有機物としては、透明ポリマーフィルムが挙げられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート(PC)、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等を用いることができる。
一方、透明導電膜としても上記透明性を有するものであればよく、好ましいものには金属酸化物半導体が挙げられ、例えば、錫をドープした酸化インジウム(ITO)に代表される酸化インジウム系化合物、フッ素をドープした酸化錫(FTO)に代表される酸化錫系化合物、酸化亜鉛系化合物等が好適である。
色素増感型太陽電池を構成する光電変換素子の製造法について以下に代表例を示すが、これに限定されない。
まず、半導体微粒子を含む分散液を作製する工程、該分散液を導電性支持体上に塗布する塗布工程、それに引き続く焼結工程を経て導電性支持体上に半導体膜を形成させる。さらに光増感剤を該半導体膜内に吸着させる吸着工程の順によって光電変換素子を製造する。
半導体微粒子を含む分散液の媒体は、室温下において液状を保持できれば制限はなく、例えば、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶媒、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等といった親水性有機溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン等の疎水性有機溶媒、およびこれらの混合物等が挙げられる。
さらに、半導体微粒子の分散性を高めたり、粘度を調整する目的で、アセチルアセトン等の有機物バインダー、金属過酸化物(例えば、過酸化チタン、過酸化スズ、過酸化ニオブ等)や金属アルコキシド等の無機物バインダー、硝酸、硫酸といった無機物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セルロースおよびその変性体等の高分子化合物、ノニオン系、アニオン系、カチオン系やシリコーン系等の各種界面活性剤類、キレート補助剤類を添加して用いることもできる。
分散液の固定分質量濃度には限定は無く、塗布のしやすさ、乾燥な速さ等によって適宜選択されるが、好ましくは10〜50%、より好ましくは15〜40%である。
分散液を作製する際の混合条件は限定されないが、より微分散をさせることを目的として、ペイントシェーカー、ボールミル、ホモジナイザー等の混合攪拌機、超音波ホモジナイザー等を使用できる。分散される粒子を、予め乳鉢等によって十分に粉砕しておくことも有効な手段である。
塗布の方法は限定されず、導電性支持体上に半導体膜を形成できればよい。具体的には、スクリーン印刷法、スピンコーター法、ディップコーター法、ドクターブレード法、ワイヤーバーによる塗布法等が挙げられる。
塗布後は、必要であれば室温にて乾燥させる。塗布作業を数回に分けて重ね塗りする場合は、一回の塗布ごとに上記の乾燥工程を行うことが好ましい。以下に述べる焼結工程のみを行うことにより、上記の乾燥工程をかねてもよい。
焼結温度は、用いる半導体の種類、必要な焼結程度や用いる導電性支持体の耐熱性によって異なり、目的に応じて適宜選択される。一般には、焼結温度が高い方が、短時間で粒子同士を接合することができ、粒子間のより高い導電性が得られやすいため好ましいが、物質によっては結晶相転移を起こして光電変換性能を落とす場合がある。
導電性支持体の種類も焼結温度を決定するにあたり重要である。すなわち、導電性支持体は、透明性基板と透明導電膜から構成され、それぞれに耐熱温度がある。例えば、透明性基板にポリマーフィルム等の融点や軟化点の低い有機物を用い、透明導電膜にITOを用いた時は、ポリマーフィルムの耐熱温度より低い焼結温度とすればよく、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。一方、透明性基板にガラスを用い、透明導電膜にFTOを用いた時は、ガラスの耐熱温度より低い焼結温度とすることが必要で、好ましくは600℃以下である。焼結時間は、好ましくは10分以上1時間以下、より好ましくは20分以上1時間以下である。
焼結時の雰囲気ガスには限定は無く、目的に応じ、適宜選択される。具体的には、窒素、アルゴンといった不活性ガス雰囲気、水素に代表される還元雰囲気、窒素と酸素の混合ガス雰囲気、大気、炭酸ガス、酸素等を使用できる。
以上の条件で形成された焼結後の半導体膜の厚さは、好ましくは0.5μm以上50μm以下、より好ましくは1.0μm以上30μm以下である。厚さが0.5μm未満では、光増感剤を充分に吸着させることができない場合がある。一方、厚さが50μmを越えると、半導体膜そのものの機械的強度が低下したり、導電性支持体から剥がれやすくなると同時に光透過性が低下し、光増感剤まで十分な光が到達しなくなる場合がある。
次に、光増感剤を担持させる工程について説明する。
光増感剤を溶解した溶液に光電変換素子を接触させることにより、光増感剤を半導体膜に吸着させる。吸着は、光増感剤の溶液に半導体膜を数時間から数日間浸漬させる方法でもよいし、光増感剤の溶液に半導体膜を入れた状態で50℃〜150℃(溶媒によっては還流状態)での吸着を10分以上数時間以下程度で行うこともでき、後者が好ましい。
次に、上記で作製した光電変換素子を用いて、色素増感型太陽電池を作製する。
本発明の光電変換素子を用いた色素増感型太陽電池の構造を図1に示すと共に、以下に図1に基づいて説明する。
透明性基板1と透明導電膜4からなる導電性支持体の透明導電膜4の上に、半導体膜2が積層されてなる光電変換素子が陰極となる。半導体膜2には、光増感剤が担持されている。この光電変換素子の半導体膜2側は、本発明の電解質を含んでなる電解質層3を介して、正極として働く透明性基板6で支持された対向電極5が対向している。
対向電極5としては、その導電性等の観点から白金、パラジウム、金、銀等の貴金属材料あるいは銅やアルミニウム等の金属材料を用いることが可能である。また、カーボンであってもよい。
電解質層との接触の際の安定性や触媒効果等を考慮すると、白金が好ましい。また、光透過性までを考慮すると、前記の透明導電性材料も選択可能であり、ITOやFTO等の透明導電膜も利用できる。
対向電極5を支持している透明性基板6に関しては、透明性基板1に同じ材料を用いることができる。
本発明において、対向電極に金属材料を用いた場合、透明性基板との間に陰極のように透明導電膜4を必要に応じて用いてもよい。
色素増感型太陽電池の組み立ては、公知の方法によって行うことができる。あらかじめ作成した陰極と陽極を前もって固定してから、本発明の電解質を含んでなる電解質層3を注入してもよいし、どちらかの電極上に本発明の電解質を含んでなる電解質層3を垂らした後、その上から対極を重ねて電池としてもよい。その際、両電極間にフィルム状や粒子状のスペーサーを介在させていてもよい。
色素増感型太陽電池では、本発明の電解質を含んでなる電解質層3等の構成物の蒸発を防ぐために、公知の方法によって、電池の側面をパラフィン等のポリマーやエポキシ系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の接着剤で密封することが好ましい。また、透明性基板1または6が融点、軟化点が低いポリマーフィルムの場合は融着させ密封することも可能である。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例および比較例に用いたn型半導体は、結晶性酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製、P−25)で、RINT−2500(理学電気(株)製)を用いてCu Kα線による粉末X線回折測定を行ったところ、結晶性の高いアナターゼ型とルチル型の混合物のピークを示し、その割合はアナターゼ:ルチル:約8:2で、アナターゼ型のメインピークの(101)面のX線回折ピークの半価幅は0.40°である。
本発明で用いられる測定法は以下のとおりである。
紫外−可視分光法(UV−vis)の測定は、MPC2200((株)島津製作所製)を用い、測定条件は、波長300nm〜800nmにおける透過モード、スリット幅=0.5nm、スキャンスピード=高速で行う。
赤外分光法(FT−IR)の測定は、SYSTEM2000 COMPRISIN(パーキンエルマー社製)を用い、KBr錠剤法を用いて、400〜4000cm−1の範囲をResolution=4cm−1として行う。
蛍光X線分光分析法の測定は、PW2400(フィリップスアナリティカル社製)を用い、ロジウムの管球を用いて行う。
エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)は、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)には、Agilent社製1100seriesを用い、質量分析法(MS)の測定には、Thermoquest社製LCQを用いイオン化してpositiveモードで測定幅50〜2000の条件で行う。サンプルを溶解させる溶媒にはアセトニトリルを用いる。
色素増感太陽電池セルの性能は以下のように測定する。ソーラーシミュレーター(ワコム電創(株)製)によって、約90mW/cmである擬似太陽光をセルに照射し、I−V−カーブトレーサー(英弘精機(株)製)によって、開放電圧値(Voc)を求める。セル測定面積は、1cmである。
3極式光電気化学測定は、Solartron1280Z(英国ソーラトロン社製)を用い、100mlビーカーに約100mlの電解質溶液を入れ、その中に作用極として光電変換素子を含む電極を、対極として白金線を、参照電極としてAg/AgのRE−5(バイオアナリティカルシステムズ(BAS)社製)を浸漬し、電解質溶液を攪拌しながら行う。光照射によって発生する電流並びに電圧を測定する場合に用いる光源は、ハロゲンランプAT−100HG((株)島津製作所製)を用い、同社製のPS−150UE−DCを用いて所望に応じて光量を制御しながら行う。光源(装置の作用極端)と作用極の距離は、約6cmである。
2極式光電気化学測定は、3極式光電気化学測定の参照電極を用いずに、参照電極に結合していた配線を対極に結合して行う。
[実施例1]
(1)電解質の合成
塩化コバルト(II)六水和物(和光純薬工業(株)製)3.59gとテトラエチルアンモニウムクロリド(和光純薬工業(株)製)5.01gをおのおのエタノール(モレキュラーシーブスで十分に脱水させたもの)15mlずつに溶解させ、両液を混合し、約10分間の還流反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した後、析出した青色粉末をろ過により取り出し乾燥させた。この粉末を、FT−IRと蛍光X線分光分析法を用いて分析し、テトラクロロコバルト(II)−ビス(テトラエチルアンモニウム)((EtN)[CoCl])であることが確認された。
(2)光電変換素子の作製
(半導体膜用の分散液の作製)
結晶性酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製 P−25)6g、水120gおよび硝酸1.49gをまぜた後、80℃で約8時間の加熱処理を施した。放冷後、エバポレーターにより水分を全て留去し粉末状にし、乳鉢でよく粉砕した。n型半導体として上記の方法によって得られた結晶性酸化チタン微粒子1gと、水3.68gとをよくまぜ、超音波ホモジナイザーを用いて約10分間分散した。分散後、1.7重量%過酸化チタン水溶液(田中転写(株)製)1gと、Triton−X100(Aldrich社製)0.26gをゆっくりと加え撹拌した。
(光電変換素子の作製)
フッ素をドープした酸化スズ(FTO:シート抵抗約8Ω/□)をコーティングした透明導電性ガラスの導電面側に、ワイヤーバー(ワイヤー巻線部300m/m、芯径12.5m/m、巻線径1.0m/m)を用いて(2)の分散液を塗布した。塗布後室温にて約1時間風乾した。この透明導電性ガラスに塗布した半導体膜を電気炉に入れ約30分間の焼結を500℃の温度で行った。焼結後の膜厚は約8μm程度であった。
次に、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’―ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)のビス−テトラブチルアンモニウム塩で表される分光増感色素のエタノール溶液(3×10−4mol/l)中で約45分間還流し、半導体膜内に上記色素を吸着させた。還流後はアセトニトリルで膜表面を軽く洗った。上記色素の吸着量は4.0×10−8mol/cmであった。
(3)電解質溶液の調整並びに光電気化学測定
電解質として、(1)で合成したテトラクロロコバルト(II)−ビス(テトラエチルアンモニウム)((EtN)[CoCl])を用い、これを0.05mol/lの濃度でアセトニトリルに溶解して電解質溶液とした。作製した光電変換電極を作用極とし、電解質溶液に浸漬し、光源に与える印加電圧を12Vにして2極式および3極式の光電気化学測定を行った。その際、電圧挿引速度は20mV/secで行った。その結果、光照射によって電流が観測され、対極準位は0V(対参照電極)であった。
(4)色素増感太陽電池セルの作製と評価
(色素増感太陽電池セルの作製)
対極には、スライドガラス上にスパッタにより膜厚約0.1μm白金膜を作製し、白金電極を準備した。電解液は、(3)にて作製したものを用いた。作製した光電変換電極上に電解液を垂らし、その上から対極を重ねることで色素増感太陽電池セルを作製した。
(セル性能の測定)
光の強度が約90mW/cmである擬似太陽光を、作成した色素増感太陽電池セルに照射することで、セル性能を測定した。開放電圧(Voc)=1.1Vであった。
[実施例2]
(1)電解質の合成
臭化コバルト(II)六水和物(和光純薬工業(株)製)3.27gとテトラエチルアンモニウムクロリド(和光純薬工業(株)製)4.20gをおのおのエタノール(モレキュラーシーブスで十分に脱水させたもの)12mlずつに溶解させ、両液を混合し、約10分間の還流反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した後、析出した青色粉末をろ過により取り出し乾燥させた。この粉末を、FT−IRと蛍光X線分光分析法を用いて分析し、テトラブロモコバルト(II)−ビス(テトラエチルアンモニウム)((EtN)[CoBr])であることが確認された。
(2)光電変換素子の作製
実施例1と同様な工程で作製した。
(3)電解質溶液の調整および光電気化学測定
電解質として、(1)で合成したテトラブロモコバルト(II)−ビス(テトラエチルアンモニウム)((EtN)[CoBr])を用い、これを0.085mol/lの濃度でアセトニトリルに溶解して電解質溶液とした。以下、実施例1と同様の測定を行った結果、光照射によって電流が観測され、対極準位は−0.050V(対参照電極)であった。
(4)色素増感太陽電池セルの作製と評価
実施例1と同様な作製および評価を行った結果、開放電圧(Voc)=0.67Vであった。
[比較例1]
(1)電解質の合成
ヨウ化リチウム(和光純薬工業(株)製)をそのまま用いた。
(2)光電変換素子の作製
実施例1と同様の工程で作製した。
(3)電解質溶液の調整および光電気化学測定
電解質として、(1)のヨウ化リチウムを用い、これを0.1mol/lの濃度でアセトニトリルに溶解して電解質溶液とした。以下、実施例1と同様な測定を行った結果、光照射によって電流が観測され、対極準位は−0.28V(対参照電極)であった。
(4)色素増感太陽電池セルの作製と評価
実施例1と同様な作製および評価を行った結果、開放電圧(Voc)=0.57Vであった。
[比較例2]
(1)電解質の合成
過塩素酸コバルト(II)六水和物(和光純薬工業(株)製)0.681gを4,4’−ジ―ターシャリーブチル―2,2’ビピリジン(アルドリッチ社製)1.50gをメタノール(モレキュラーシーブスで十分に脱水させたもの)45mlに溶解させた溶液に加えた。窒素雰囲気下で約1.5時間の還流反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した後、ジイソプロピルエーテルを約400ml程度加えることで、オレンジ色粉末を析出させた。このオレンジ色粉末をろ過により取り出し乾燥させた。この粉末を、FT−IRとESI−MSを用いて分析し、トリス(4,4’−ジ―ターシャリーブチル―2,2’ビピリジン)コバルト(II)−ビス(パークロレイト)((ClO[Co(C24])であることが確認された。
(2)光電変換素子の作製
実施例1と同様な工程で作製した。
(3)電解質溶液の調整並びに光電気化学測定
電解質として、(1)のトリス(4,4’−ジ―ターシャリーブチル―2,2’ビピリジン)コバルト(II)−ビス(パークロレイト)((ClO[Co(C24])を用い、これを0.01mol/lの濃度でアセトニトリルに溶解して電解質溶液とした。以下、実施例1と同様な測定を行った結果、光照射によって電流が観測され、対極準位は−0.17V(対参照電極)であった。
(4)色素増感太陽電池セルの作製と評価
電解質溶液について、濃度を0.2mol/lにし、溶媒をメトシキプロピオニトリルとした。以下、実施例1と同様な作製および評価った結果、開放電圧(Voc)=0.26Vであった。
Figure 0004776182
本発明の実施例に用いた光電変換素子および色素増感型太陽電池の断面模式図である。

Claims (4)

  1. 導電性支持体上にn型半導体と光増感剤とを含有する半導体膜が積層されてなる光電変換素子と対向電極が、電解質層を介して対向している色素増感型太陽電池であって、当該電解質層が、[CoXn](Xはハロゲン原子、nは4〜6の整数を表す)の組成式で表される負の電荷を有するコバルトハロゲン化物を含有する電解質を有機溶媒に溶解させた電解質溶液からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 該有機溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノンの中から選択されるいずれかの非プロトン性の極性溶媒であることを特徴とする請求項1記載の色素増感型太陽電池。
  3. 該電解質の電荷を中和するカウンターイオンが、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオンの中から選択されるいずれかの有機アンモニウムカチオンであることを特徴とする請求項1または2記載の色素増感型太陽電池。
  4. Xが塩素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
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