JP5083308B2 - 表示素子及び表示素子の駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な電気化学的な表示素子とその駆動方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化等に伴い、従来、紙等の印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT(ブラウン管)、また近年では、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等の課題が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。これらの方法で、カラー表示を行う方法として、カラーフィルターを用いる方法や、パターンカラーを用いる方法が知られている。原理的に、前者は、カラーフィルターの着色のため明るい白表示が得られない、後者は、パターンカラーのために濃い黒が得られない。
フルカラー表示が可能な方式として、エレクトロクロミック方式が知られており、3V以下の低電圧で駆動が可能であるが、明るい白で、十分な白黒コントラスト、さらにカラーを表示しようとした場合、異なる色を3層積層する必要があり、複雑な素子構成によるコスト高が懸念される。また、平地混合によるフルカラーエレクトロクロミック素子(例えば、特許文献1参照。)が知られているが、この方式では、平地混合のため濃い黒が得られないため、白黒コントラストが十分ではない。また、ポリチオフェン系化合物をエレクトロクロミック素子に用いる方法(例えば、特許文献2参照。)が知られているが、この構成では、アノード反応で青色の着色表示しかできず、単一化合物で黒表示をすることができなかった。
特開2003−270670号公報 特開2006−030820号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、明るい白表示、高コントラストの白黒表示及びフルカラー表示を、簡便な部材構成で実現することができる新規な電気化学的な表示素子とその駆動方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.対向電極間に下記一般式(1)で表される化合物を含有した電解質を有し、該対向電極の駆動操作により着色状態を変化させることを特徴とする表示素子。
〔式中、R1及びR2は各々水素原子または置換基を表し、R3及びR4は、各々下記一般式(A)で表される置換基を表す。〕
〔一般式(A)で表される置換基は、チオフェンとG1との間で連結されており、G1は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環を表す。G2またはG3の少なくとも一方は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環を表す。G1〜G3は各々置換基を有していてもよい。〕
2.前記一般式(1)におけるR及びRの少なくとも一方が、−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)及び−Si(OR)(Rは、アルキル基を表す。)から選ばれる少なくとも1つの基であることを特徴とする前記1に記載の表示素子。
3.前記一般式(A)におけるG1、G2、G3が、ベンゼン環、または窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環であることを特徴とする前記1または2に記載の表示素子。
4.無印加状態で実質的に白表示を行い、アノード反応で実質的に黒表示を行い、カソード反応で白表示及び黒以外の着色表示の3色以上の多色表示を行うことを特徴とする前記1乃至3のいずれか1項に記載の表示素子。
5.前記電解質が、下記一般式(2)で表される化合物を含有していることを特徴とする前記1乃至4のいずれか1項に記載の表示素子。
〔式中、R1は、−(CH2m−(ここにおいてmは0或いは1〜10の整数を表す。)
、各々炭素原子数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、或いは各々炭素原子数10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基であり、各々のアリーレン基、ヘテロアリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に−P(O)(OH)2基を−(CH2n−基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいてnは0或いは1〜10の整数を表す。R2は、R34で表される基であり、ここにおいてR3は、−(CH2p−(ここにおいてpは0或いは1〜10の整数を表す。)を表し、R4は、−P(O)(OH)2基、或いは、各々炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、各々炭素原子数10までの分岐アルキル基、或いはアルケニル基、或いはシクロアルキル基、を表す。X-は、荷電を中和するイオンを表す。但し、R2が−(CH22−P(O)(OH)2である場合、R1は、−(CH2m−(mは2または3)であることはない。また、R2がフェニル基の場合、R1は−(CH2m−(mは2)であることはない。〕
6.前記電解質が、金属または金属を化学構造中に含む化合物を含有していることを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項に記載の表示素子。
7.前記金属が、銀であることを特徴とする前記6に記載の表示素子。
8.対向電極の少なくとも一方がナノ多孔質電極であり、かつ該ナノ多孔質電極上に前記一般式(1)で表される化合物を含んだ膜が形成されていることを特徴とする前記1乃至7のいずれか1項に記載の表示素子。
9.前記ナノ多孔質電極が、平均粒径が50nm以下の半導体粒子から構成されていることを特徴とする前記8に記載の表示素子。
10.前記一般式(1)で表される化合物が、前記ナノ多孔質電極の表面と化学吸着または物理吸着する吸着性基を有していることを特徴とする前記8または9に記載の表示素子。
11.前記吸着性基が、−COOH、−P−O(OH)2及び−Si(OR)3から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記10に記載の表示素子。
12.インクジェット法によって、前記一般式(1)で表される化合物を含んだ膜が形成されていることを特徴とする前記8乃至11のいずれか1項に記載の表示素子。
13.対向電極間に白色散乱物を含有することを特徴とする前記1乃至12のいずれか1項に記載の表示素子。
14.前記白色散乱物の平均粒径が、200nm以上であることを特徴とする前記13に記載の表示素子。
15.前記白色散乱物が、二酸化チタン、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記13または14に記載の表示素子。
16.前記対向電極間の距離が、20μm以上、100μm以下であることを特徴とする前記1乃至15のいずれか1項に記載の表示素子。
17.前記電解質が、カルボン酸エステル系化合物を含有していることを特徴とする前記1乃至16のいずれか1項に記載の表示素子。
18.前記電解質が、固体電解質、ゲル状電解質または高粘度電解質であることを特徴とする前記1乃至17のいずれか1項に記載の表示素子。
19.前記1乃至18のいずれか1項に記載の表示素子を駆動する表示素子の駆動方法であって、対向電極にカソード反応物の酸化還元電圧以下の電圧を印加して、アノード反応で着色した状態を消色することを特徴とする表示素子の駆動方法。
20.前記1乃至18のいずれか1項に記載の表示素子を駆動する表示素子の駆動方法であって、対向電極にアノード反応物の酸化電位以下の電圧を印加して、カソード反応で着色した状態を消色することを特徴とする表示素子の駆動方法。
本発明により、明るい白表示、高コントラストの白黒表示及びフルカラー表示を、簡便な部材構成で実現することができる新規な電気化学的な表示素子とその駆動方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、対向電極間に前記一般式(1)で表される化合物を含有した電解質を有し、該対向電極の駆動操作により着色状態を変化させることを特徴とする表示素子により、明るい白表示、高コントラストの白黒表示及びフルカラー表示を、簡便な部材構成からなる新規な電気化学的な表示素子を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
《電解質》
本発明の表示素子においては、対向電極間に電解質を含有するが、本発明でいう「電解質」とは、一般に、水などの溶媒に溶けて溶液がイオン伝導性を示す物質(以下、「狭義の電解質」という。)をいうが、本発明の説明においては、狭義の電解質に電解質、非電解質を問わず他の金属、化合物等を含有させた混合物を電解質(「広義の電解質」)という。
本発明に係る対向電極間に形成する電解質は、有機溶媒、イオン性液体、酸化還元活性物質、支持電解質、錯化剤、白色散乱物、増粘剤等を必要に応じて選択して構成されている。
以下、本発明に係る電解質の各構成要素について、更に説明する。
〔有機溶媒〕
本発明に係る電解質で適用可能な有機溶媒としては、電解質を形成した後、揮発を起こさず電解質に留まることができる沸点が120〜300℃の範囲にある有機溶媒であれば特に制限はなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。
上記有機溶媒の中でも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン等のカルボン酸エステル系化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるその他の溶媒として、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
〔イオン性液体〕
本発明に係るイオン性液体とは、室温でも液体で存在する塩を指し、イミダゾリウム、ピリジニウム等の陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等の陰イオンの組合せから選択することができる。
〔固体電解質、ゲル電解質〕
本発明に係る電解質は、溶媒やイオン性液体から成る溶液状の電解質以外にも、実質的に溶媒を含まない固体電解質や高分子化合物を含有した高粘度な電解質やゲル状の電解質(以下、ゲル電解質)を用いることができる。
《表示素子の基本構成》
本発明の表示素子において、表示部には、対応する1つの対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極の1つである電極1(表示側電極)にはITO電極等の透明電極、他方の電極2(非表示側電極)には銀電極等の金属電極が設けられている。
本発明の表示素子においては、対向電極間に電解質を有し、該電解質が本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とするが、更には、該電解質が本発明に係る一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
対向電極間の電解質に存在する本発明に係る一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物は、電解質層中に存在していても、あるいは、対向電極上に薄膜を形成して存在させてもよい。
更には、電極1上に、本発明に係る一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を含んだ膜を形成することが好ましい。電極1と電極2との間には電解質が保持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1の膜に含有されている一般式(1)で表される化合物のアノード反応によって黒色を表示し、一般式(1)で表される化合物のカソード反応によって黒色以外の着色を表示することができる。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を含有した膜は、同一膜中に一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を含有していてもよいし、一般式(1)で表される化合物を含有した膜と一般式(2)で表される化合物を含有した膜の2層以上の構成を取ってもよい。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を含有した膜は、本発明に係る一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を適当な溶媒に溶解した液を用いて、自己組織化法、電解重合法、塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法等で形成することができ、好ましくはインクジェット法で形成することである。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物を含有した膜は、膜の強度や基板との密着性向上の観点から、適当なバインダーを添加してもよい。
《ナノ多孔質電極》
本発明の表示素子においては、対向電極のうち、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含む膜が形成されている電極が、ナノ多孔質化構造を有するナノ多孔質電極であることが好ましい。
本発明に係るナノ多孔質電極の形成方法としては、電極を構成する材料を含んだ分散物をインクジェット法、スクリーン印刷法、ブレード塗布法などで電極を構成する材料と溶媒を含んだ層を形成した後に、120度から300度の温度で加熱することよって多孔質化する方法や、スパッタ法、CVD法、大気圧プラズマ法などで電極層を構成した後に、陽極酸化、光電気化学エッチングすることによってナノ多孔質化する方法が挙げられる。また、Adv.Mater.2006,18,2980−2983に記載された方法でも、ナノ多孔質電極を形成することができる。
本発明に係るナノ多孔質電極を構成する材料の主成分は、Cu、Al、Pt、Ag、Pd、Au等の金属やITO、SnO2、TiO2、ZnO等の金属酸化物やカーボンナノチューブ、グラッシーカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、窒素含有カーボン等の炭素電極から選択することができ、好ましくは、ITO、SnO2、TiO2、ZnO等の金属酸化物から選択されることである。
ナノ多孔質電極を形成する基板は、ガラス、プラスチック樹脂のどちらでも用いることができ、またガラスまたはプラスチック樹脂上に金属または酸化物半導体の導電性層を形成した後に、本発明に係るナノ多孔質層が形成されていても良い。
本発明でいう多孔質とは、ナノ多孔質電極上に、電解質を与えた後にもう一方の電極で挟み込み、対向電極間に電位差を与え、ナノ多孔質電極内で高分子に含まれる金属の酸化還元反応や電解質中に含まれる金属の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種がナノ多孔質電極内を移動可能な状態のことを言う。
本発明に係るナノ多孔質電極の膜厚は、100〜1500nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは250〜1000nmの範囲である。
本発明に係るナノ多孔質電極上に高分子膜を形成することで、高分子膜と電極との密着性が上がり、繰り返し動作での高分子膜の剥れが大幅に向上させることができる。本効果は、特に高分子膜を形成する金属錯体に銀やビスマス等の還元反応で析出性を示す金属を用いた場合に顕著である。
《一般式(1)で表される化合物》
本発明の表示素子においては、対向電極間に下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
前記一般式(1)において、R1及びR2は各々水素原子または置換基を表し、R3及びR4は、各々下記一般式(A)で表される置換基を表す。
1及びR2で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルフォニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
3及びR4は、各々前記一般式(A)で表される置換基を表す。一般式(A)で表される置換基は、チオフェンとG1との間で連結されており、G1は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環(例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、プリン環等)を表す。G2またはG3の少なくともどちらか一方は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環(例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、プリン環等)を表す。G1〜G3はさらに置換基を有していてもよい。
1〜G3で好ましいものとして、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、プリン環等が挙げられる。
以下、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の代表的具体例を挙げる。
なお、上記例示化合物1−1〜1−40において、略称で記載したR3、R4で表される基の詳細は、以下の通りである。
なお、*は結合位置を示す。
〔吸着性基〕
本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、電極との密着性や膜の耐久性向上の観点から電極と化学的または物理的に吸着する吸着性基を有していることが好ましい。
本発明に係る化学吸着とは、電極表面との化学結合による比較的強い吸着状態であり、本発明に係る物理吸着とは、電極表面と吸着物質との間に働くファンデルワールス力による比較的弱い吸着状態である。本発明の吸着性基は化学吸着性の基である方が好ましい。
電極と化学吸着する吸着性基としては、−COOH、−P−O(OH)2及び−Si(OR)3から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
以下に、本発明に係る吸着性基を有する一般式(1)で表される化合物の代表的具体例を以下に挙げる。
なお、上記例示化合物1−41〜1−80において、略称で記載したR3、R4で表される基の詳細は、上記例示化合物1−1〜1−40におけるそれらと同義である。
《一般式(2)で表される化合物》
本発明に好ましく用いられる一般式(2)で表されるビオロゲン系化合物について説明する。
前記一般式(3)において、R3は、−(CH2m−(ここにおいてmは0或いは1〜10の整数を表す。)、各々炭素原子数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、或いは各々炭素原子数10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基或いはシクロアルキレン基であり、各々のアリーレン基、ヘテロアリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に−P(O)(OH)2基を−(CH2n−基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいてnは0或いは1〜10の整数を表す。
4は、R56で表される基であり、ここにおいてR5は、−(CH2p−(ここにおいてpは0或いは1〜10の整数を表す。)を表し、R6は、−P(O)(OH)2基、或いは、各々炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、各々炭素原子数10までの分岐アルキル基、或いはアルケニル基、或いはシクロアルキル基、又は水素原子を表す。X2 -は、荷電を中和するイオンを表す。
また、R1で表される、前記、炭素数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、各々炭素数10までの分岐のアルキレン基、分岐のアルケニレン基、アラルキレン基、或いはシクロアルキレン基は、任意に、置換基を有してもよく、これらの基は1或いは2以上置換されていてもよく、また複数置換されている場合、それぞれ異なっていてもまた同じ置換基でもよい。
これらの置換基としては、以下の基が挙げられる。
低級アルキル基、低級アルケニル基、フェニル置換−低級アルキル基、ジフェニル置換−低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、低級アルカノイルオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、フェニルアミノ基、低級アルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、低級アルキルスルフォニルアミノ基、フェニルスルフォニルアミノ基、低級アルカノイル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、N−低級アルキルカルバモイル基、N,N−ジ−(低級アルキル)カルバモイル基、ウレイド基、N−低級アルキルウレイド基、低級アルキルスルフォニル基、フェニルスルフォニル基、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、或いは低級アルコキシカルボニル基で置換された低級アルコキシ基、炭素原子数3〜7のアルコキシ基、そして2価のメチレンジオキシ基等があげられる。
また、上記において挙げられたフェニル基、またベンゾイル基、フェニルアミノ基等に含まれるフェニル基は、全て、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、そして/またニトロ基等により置換されていてもよい。
また、R4で表されるアリール基、ヘテロアリール基、分岐のアルキル基、或いはアルケニル基、或いはシクロアルキル基等も無置換でもよいが、前記R1の置換基として定義された基により1つ或いは複数以置換されていてもよい。
前記一般式(2)において、好ましい化合物としては、R3が、−(CH2m−(ここにおいてmは、1、2、3を表す)、フェニル基(−(CH2n−基を介してp位が−P(O)(OH)2基で置換されており、nは1或いは2を表す)であり、R4(R56で表される)において、R5は−(CH2p−(ここにおいてpは0、1、2、3を表す)を表し、R6は、未置換のフェニル或いはナフチル、或いは、炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェノキシ基、或いはベンゾイル基によってモノ−、ジ−或いはトリ−置換されたフェニル或いはナフチル基である。
また、X2 -は、Cl-、Br-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、C26NO42 -、或いはCF3SO3 -であり、特に好ましくは、Cl-、PF6 -である。
また、前記一般式(2)において、好ましい化合物として、R3が、−(CH2m−(ここにおいてmは、1、2、3を表す)、フェニル基(−(CH2n−基を介してp位が−P(O)(OH)2基で置換されており、nは1或いは2を表す)であり、R4(R56で表される)において、R5は−(CH2p−(ここにおいてpは0、1、2、3を表す)を表し、R6が、−P(O)(OH)2基であり、X-は、Cl-、Br-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、C26NO42 -、或いはCF3SO3 -であり、特に好ましくは、Cl-、PF6 -である。
以上のうち好ましい化合物の例を以下に挙げる。
(2−1)1−ホスホノプロピル−1′−メチル−4,4′−ビピリジニウム ジブロマイド
(2−2)1−ホスホノエチル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート
(2−3)1−ホスホノエチル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−4)1−ホスホノエチル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート
(2−5)1−ホスホノエチル−1′−(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−6)1−ホスホノエチル−1′−(4−シアノナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−7)1−ホスホノエチル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−8)1−ホスホノエチル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−9)1−ホスホノエチル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−10)1−ホスホノエチル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−11)1−ホスホノエチル−1′−(4−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−12)1−ホスホノエチル−1′−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−13)1−ホスホノエチル−1′−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−14)1−ホスホノエチル−1′−(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−15)1−ホスホノベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−16)1−ホスホノベンジル−1′−(3−プロピルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート
(2−17)1−ホスホノベンジル−1′−(ホスホノエチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−18)1−ホスホノベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−19)1−ホスホノベンジル−1′−(2,4−ジニトロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート
(2−20)1−ホスホノベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−21)1−ホスホノベンジル−1′−(4−フェノキシフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ビス−ヘキサフルオロフォスフェート
(2−22)1−ホスホノベンジル−1′−(4−フルオロフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−23)1−ホスホノベンジル−1′−(4−メチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−24)1−ホスホノベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−25)1−ホスホノベンジル−1′−(ベンジル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−26)1−ホスホノベンジル−1′−(ナフチル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−27)1−ホスホノベンジル−1′−(フェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−28)1−ホスホノベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−29)1−ホスホノベンジル−1′−(4−ベンゾフェノン)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−30)1−ホスホノベンジル−1′−(4−シアノフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−31)1−ホスホノベンジル−1′−(2,6−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−32)1−ホスホノベンジル−1′−(3,5−ジメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム ジクロライド
(2−33)1−ホスホノベンジル−1′−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4′−ビピリジニウム トリフルオロメタンスルフォンイミド
上記説明した一般式(2)で表される化合物の製造法は、例えば、国際公開第2004/067673号パンフレットに記載されており、それを参考にして得ることができる。
《銀化合物》
本発明に係る電解質中に銀または銀化合物を添加することによって、一般式(1)で表される化合物のアノード反応による黒化の表示速度を速めることができる。
銀または銀化合物は、一般式(2)で表される化合物のカソード反応を実質的に阻害しない範囲の量を添加することが好ましい。
本発明に係る銀化合物とは、銀または、銀を化学構造中に含む化合物、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
《白色散乱物》
本発明の表示素子においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、対向電極間に白色散乱物を含有することが好ましく、更には、白色散乱物の平均粒径が、200nm以上であることが好ましい。
また、本発明の表示素子においては、白色散乱物は多孔質白色散乱層を形成させて存在させてもよい。本発明に適用可能な多孔質白色散乱層は、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子と白色顔料との水混和物を塗布乾燥して形成することができる。
本発明で適用可能な白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
本発明において、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子としては、水溶性高分子、水系溶媒に分散した高分子を挙げることができる。
水溶性化合物としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のような天然化合物や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体やそれらの誘導体等の合成高分子化合物が挙げられる。ゼラチン誘導体としては、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体としては、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール、末端メルカプト基変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。更に、リサーチ・ディスクロージャー及び特開昭64−13546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたもの、また、米国特許第4,960,681号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー(例えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウム等)との共重合体も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、ゼラチン及びゼラチン誘導体、または、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体を好ましく用いることができる。
水系溶媒に分散した高分子としては、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のラテックス類、ポリイソシアネート系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系、尿素系、フェノール系、ホルムアルデヒド系、エポキシ−ポリアミド系、メラミン系、アルキド系樹脂、ビニル系樹脂等を水系溶媒に分散した熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの高分子のうち、特開平10−76621号に記載の水系ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
本発明でいう電解質溶媒に実質的に溶解しないとは、−20℃から120℃の温度において、電解質溶媒1kgあたりの溶解量が0g以上、10g以下である状態と定義し、質量測定法、液体クロマトグラムやガスクロマトグラムによる成分定量法等の公知の方法により溶解量を求めることができる。
本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物は、公知の分散方法に従って白色顔料が水中分散された形態が好ましい。水系化合物/白色顔料の混合比は、容積比で1〜0.01が好ましく、より好ましくは、0.3〜0.05の範囲である。
本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物を塗布する媒体は、表示素子の対向電極間の構成要素上であればいずれの位置でもよいが、対向電極の少なくとも1方の電極面上に付与することが好ましい。媒体への付与の方法としては、例えば、塗布方式、液噴霧方式、気相を介する噴霧方式として、圧電素子の振動を利用して液滴を飛翔させる方式、例えば、ピエゾ方式のインクジェットヘッドや、突沸を利用したサーマルヘッドを用いて液滴を飛翔させるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッド、また空気圧や液圧により液を噴霧するスプレー方式等が挙げられる。
塗布方式としては、公知の塗布方式より適宜選択することができ、例えば、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースローラーコーター、トランスファーローラーコーター、カーテンコーター、ダブルローラーコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ビードコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カレンダーコーター、押し出しコーター等が挙げられる。
媒体上に付与した水系化合物と白色顔料との水混和物の乾燥は、水を蒸発できる方法であればいかなる方法であってもよい。例えば、熱源からの加熱、赤外光を用いた加熱法、電磁誘導による加熱法等が挙げられる。また、水蒸発は減圧下で行ってもよい。
本発明でいう多孔質とは、前記水系化合物と白色顔料との水混和物を電極上に塗布乾燥して多孔質の白色散乱物を形成した後、該散乱物上に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質液を与えた後に対向電極で挟み込み、対向電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が電極間で移動可能な貫通状態のことを言う。
《硬膜剤》
本発明の表示素子では、上記説明した水混和物を塗布乾燥中または乾燥後に、硬膜剤により水系化合物の硬化反応を行うことが望ましい。
本発明で用いられる硬膜剤の例としては、例えば、米国特許第4,678,739号の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、同61−249054号、同61−245153号、特開平4−218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素等)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号等に記載の化合物)が挙げられる。水系化合物としてゼラチンを用いる場合は、硬膜剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。また、ポリビニルアルコールを用いる場合はホウ酸やメタホウ酸等の含ホウ素化合物の使用が好ましい。
これらの硬膜剤は、水系化合物1g当たり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。また、膜強度を上げるため熱処理や、硬化反応時の湿度調整を行うことも可能である。
《その他の構成材料》
上記説明した構成材料の他に、本発明の表示素子に必要に応じて適用可能な種々の構成層や添加剤について、以下説明する。
〔電子絶縁層〕
本発明の表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する層であればよく、例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、空隙を有する高分子多孔質膜、含ケイ素化合物の様な比誘電率が低い無機材料の多孔質体、等が挙げられる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気するなどして発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、特開平10−30181号、特開2003−107626号、特公平7−95403号、特許第2635715号、同第2849523号、同第2987474号、同第3066426号、同第3464513号、同第3483644号、同第3535942号、同第3062203号等に記載の電子絶縁層を挙げることができる。
〔電解質材料〕
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。さらに、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
また、支持電解質が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下の化合物を電解質中に含むことができる。
パーフルオロスルフォン酸を含むフッ化ビニル系高分子、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、トリフェニルアミン類、ポリビニルカルバゾール類、ポリメチルフェニルシラン類、Cu2S、Ag2S、Cu2Se、AgCrSe2等のカルコゲニド、CaF2、PbF2、SrF2、LaF3、TlSn25、CeF3等の含F化合物、Li2SO4、Li4SiO4、Li3PO4等のLi塩、ZrO2、CaO、Cd23、HfO2、Y23、Nb25、WO3、Bi23、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl4、LiAlF4、AgSBr、C55NHAg56、Rb4Cu167Cl13、Rb3Cu7Cl10、LiN、Li5NI2、Li6NBr3等の化合物が挙げられる。
また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場合、特開平11−185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲル化剤を用いことができる。
〔電解質添加の増粘剤〕
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
〔その他の添加剤〕
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
《フルカラー素子構成》
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明の表示素子の高分子膜は、対向電極の駆動操作により、実質的に透明状態及び少なくとも2種以上に着色状態の3色以上の多色状態になることを特徴とする。
また、黒以外の着色表示が、実質的に互いに異なる色相となる表示領域を平面配置することで、カラー表示と白黒表示とを行うことが好ましく、異なる色相となる表示領域を平面配置する方法は、異なる種類の金属錯体を有する高分子化合物を透明電極上に印刷法、インクジェット法等で塗り分けて担持させてもよいし、金属と錯体を形成する有機化合物を透明電極上に担持させた後に異なる種類の金属を含んだ溶液を印刷法、インクジェット法等で塗り分けてもよい。
本発明の表示素子は、必要に応じて透明状態及び少なくとも1種以上の着色状態になる電解質を用いてもよい。本発明の電解質の着色状態で好ましいのは黒状態である。
〔基板〕
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
〔電極〕
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。
本発明の表示素子においては、金属電極は必要に応じて2層以上の複数層からなる構成を取ってもよい。金属電極の最表面は、電極の耐久性の観点から高分子膜中に含まれる金属よりもイオン化傾向が小さい金属から形成されていることが好ましい。
電極の作製方法は、電解メッキ法、無電解メッキ法、置換メッキ法、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコーン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられ、その中でも、ITO、FTOまたは酸化亜鉛であることが好ましい。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
〔表示素子のその他の構成要素〕
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
〔スクリーン印刷〕
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
〔表示素子駆動方法〕
本発明の表示素子の透明状態及び着色状態の制御方法は、金属錯体の酸化還元電位や析出過電圧を元に決められることが好ましい。
例えば、高分子膜中に2種の金属を有し、電解質中に1種の金属を有する表示素子の場合、酸化側で2つの着色状態を示し、還元側で1つの着色状態を示す。この場合の制御方法の一例としては、酸化側の第一電圧で高分子膜中の2つの金属のうちの1つの金属を酸化することで1つ目の着色状態を示し、第一電圧よりも貴な第二電圧で高分子膜中の2つの金属のうちのもう一方の金属を酸化することで2つ目の着色状態を示し、第一電圧と第二電圧の間の電圧で2つ目の着色状態を消色し、第一電圧と電解質中の金属の析出過電圧以下の電圧で1つ目の着色状態を消色し、電解質中の金属の析出過電圧以上の電圧で電解質中の金属を析出させることで3つ目の着色状態を示し、電解質中の金属の析出過電圧を第一電圧の間の電圧で析出した金属を溶解して消色する方法が挙げられる。
本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
〔商品適用〕
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《表示素子の作製》
〔表示素子1の作製:比較例〕
(電解液1の調製)
プロピレンカーボネート2.5g中に、過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.05gを溶解させて電解液1を得た。
(電極の作製)
〈電極1の作製〉
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
〈電極2の作製〉
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み0.1μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmのニッケル電極を形成し、得られた電極をさらに置換金メッキ浴に浸漬し、電極表面から深さ0.05μmが金で置換された金−ニッケル電極(電極2)を得た。
(エレクトロクロミック層の形成)
電極1上に、〔ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)〕(Ex3と称す)−ポリスチレンスルホン酸複合体の5質量%水溶液を50000rpmで60秒間の回転塗布により,厚さ50nmのエレクトロクロミック層を形成した。
(表示素子の作製)
エレクトロクロミック層が形成された電極1の周辺部を、平均粒径40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした後に、電極1と電極2とを、それぞれストライプ状の電極が直交するように貼り合わせ、さらに加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
〔表示素子2の作製:比較例〕
(エレクトロクロミック層の形成)
電極1上に、化合物Ex1の5質量%エタノール溶液を50000rpmで60秒間の回転塗布により,厚さ50nmのエレクトロクロミック層を形成した。
(表示素子の作製)
高分子膜が形成された電極1の周辺部を、平均粒径40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした後に、電極1と電極2とを、それぞれストライプ状の電極が直交するように貼り合わせ、さらに加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子2を作製した。
〔表示素子1−1〜1−15の作製:本発明〕
エレクトロクロミック化合物を表1に示す化合物に変更した以外は表示素子2と同様にして、表示素子1−1〜1−15を作製した。なお、エレクトロクロミック化合物が2種ある場合には、一般式(1)で表される化合物からなるエレクトロクロミック層を形成した後に、さらに一般式(2)で表される化合物からなるエレクトロクロミック層を形成した。
なお、表1に略称で記載した化合物の詳細は、以下の通りである。
《表示素子の評価》
定電圧電源の両端子に各表示素子の両電極を接続し、無印加状態と表1に記載された電圧(−1.5V、+1.5V)を印加し、表示素子の着色状態を目視観察した。
また、−1.5Vの電圧を1秒間印加した時の450nm、550nm、650nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、得られた反射率を黒濃度の指標とした。ここでは、反射率が小さいほど黒濃度が良好であるとする。
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の一般式(1)で表される化合物を含んだ表示素子はアノード反応で実質的に十分な濃度の黒色を表示し、さらに本発明の一般式(2)で表される化合物を併用すると、カソード反応で青色を示すので、一層で白、黒、黒以外の着色状態の3色を表示できることがわかる。
実施例2
《表示素子の作製》
〔表示素子3の作製:比較例〕
(電解液2の調製)
プロピレンカーボネート2.5g中に、過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.05g、トシル酸銀0.01g、メルカプトトリアゾール0.01gを溶解させ電解液2を得た。
(電極の作製)
〈電極3の作製〉
平均粒径50nmの二酸化チタンを含有したペースト液を、スクリーン印刷法で電極1上に塗工した後に、150℃で30分間加熱しペースト液の溶媒を除去し、さらに500℃で60分間加熱することで、厚さ500nmの多孔質二酸化チタン電極(電極3)を得た。
(エレクトロクロミック層の形成)
電極3上に、〔ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)〕(Ex3)−ポリスチレンスルホン酸複合体の5質量%水溶液をインクジェット法で吐出して、厚さ100nmのエレクトロクロミック層を形成した。
(表示素子の作製)
エレクトロクロミック層が形成された電極3の周辺部を、平均粒径40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした後に、電極1と電極3とを、それぞれストライプ状の電極が直交するように貼り合わせ、さらに加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液2を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子3を作製した。
〔表示素子4の作製:比較例〕
(エレクトロクロミック層の形成)
電極3上に、化合物Ex3の5質量%エタノール溶液をインクジェット法で吐出して、厚さ100nmのエレクトロクロミック層を形成した。
(表示素子の作製)
エレクトロクロミック層が形成された電極3の周辺部を、平均粒径40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした後に、電極1と電極3とを、それぞれストライプ状の電極が直交するように貼り合わせ、さらに加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解液2を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子4を作製した。
〔表示素子2−1〜2−15の作製:本発明〕
エレクトロクロミック化合物を表2に示す化合物に変更した以外は表示素子4と同様にして、表示素子2−1〜2−15を作製した。なお、エレクトロクロミック化合物が2種ある場合には、一般式(1)で表される化合物からなるエレクトロクロミック層を形成した後に、さらに一般式(2)で表される化合物からなるエレクトロクロミック層を形成した。
《表示素子の評価》
実施例1と同様にして、表示素子3、4及び表示素子2−1〜2−15を評価した。
以上により得られた結果を、表2に示す。
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の一般式(1)で表される化合物を含んだ表示素子はアノード反応で実質的に十分な濃度の黒色を表示し、さらに本発明の一般式(2)で表される化合物を併用すると、カソード反応で青色を示すので、一層で白、黒、黒以外の着色状態の3色を表示できることがわかる。また、実施例1の表示素子1−1〜1−15に比べて、実施例2の表示素子2−1〜2−15の方が黒表示の反射率が低い、すなわち黒濃度が高いことがわかる。これは、電解質中に含まれる銀化合物が一般式(1)で表される化合物のアノード反応を促進していることを示している。

Claims (20)

  1. 対向電極間に下記一般式(1)で表される化合物を含有した電解質を有し、該対向電極の駆動操作により着色状態を変化させることを特徴とする表示素子。
    〔式中、R1及びR2は各々水素原子または置換基を表し、R3及びR4は、各々下記一般式(A)で表される置換基を表す。〕
    〔一般式(A)で表される置換基は、チオフェンとG1との間で連結されており、G1は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環を表す。G2またはG3の少なくとも一方は、ベンゼン環、または酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環を表す。G1〜G3は各々置換基を有していてもよい。〕
  2. 前記一般式(1)におけるR及びRの少なくとも一方が、−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)及び−Si(OR)(Rは、アルキル基を表す。)から選ばれる少なくとも1つの基であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の表示素子。
  3. 前記一般式(A)におけるG1、G2、G3が、ベンゼン環、または窒素原子から選ばれるヘテロ原子を含む芳香族複素環であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の表示素子。
  4. 無印加状態で実質的に白表示を行い、アノード反応で実質的に黒表示を行い、カソード反応で白表示及び黒以外の着色表示の3色以上の多色表示を行うことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の表示素子。
  5. 前記電解質が、下記一般式(2)で表される化合物を含有していることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の表示素子。
    〔式中、R1は、−(CH2m−(ここにおいてmは0或いは1〜10の整数を表す。)、各々炭素原子数14までのアリーレン基、ヘテロアリーレン基、或いは各々炭素原子数10までの分岐アルキレン基、アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基であり、各々のアリーレン基、ヘテロアリーレン基、分岐アルキレン基、分岐アルケニレン基、或いはシクロアルキレン基は任意に−P(O)(OH)2基を−(CH2n−基を介して有していてもよい。また、任意に置換されていてもよい。ここにおいてnは0或いは1〜10の整数を表す。R2は、R34で表される基であり、ここにおいてR3は、−(CH2p−(ここにおいてpは0或いは1〜10の整数を表す。)を表し、R4は、−P(O)(OH)2基、或いは、各々炭素原子数14までのアリール基、ヘテロアリール基、各々炭素原子数10までの分岐アルキル基、或いはアルケニル基、或いはシクロアルキル基、を表す。X-は、荷電を中和するイオンを表す。但し、R2が−(CH22−P(O)(OH)2である場合、R1は、−(CH2m−(mは2または3)であることはない。また、R2がフェニル基の場合、R1は−(CH2m−(mは2)であることはない。〕
  6. 前記電解質が、金属または金属を化学構造中に含む化合物を含有していることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の表示素子。
  7. 前記金属が、銀であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の表示素子。
  8. 対向電極の少なくとも一方がナノ多孔質電極であり、かつ該ナノ多孔質電極上に前記一般式(1)で表される化合物を含んだ膜が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の表示素子。
  9. 前記ナノ多孔質電極が、平均粒径が50nm以下の半導体粒子から構成されていることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の表示素子。
  10. 前記一般式(1)で表される化合物が、前記ナノ多孔質電極の表面と化学吸着または物理吸着する吸着性基を有していることを特徴とする請求の範囲第8項または第9項に記載の表示素子。
  11. 前記吸着性基が、−COOH、−P−O(OH)2及び−Si(OR)3から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の表示素子。
  12. インクジェット法によって、前記一般式(1)で表される化合物を含んだ膜が形成されていることを特徴とする請求の範囲第8項乃至第11項のいずれか1項に記載の表示素子。
  13. 対向電極間に白色散乱物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第12項のいずれか1項に記載の表示素子。
  14. 前記白色散乱物の平均粒径が、200nm以上であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の表示素子。
  15. 前記白色散乱物が、二酸化チタン、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求の範囲第13項または第14項に記載の表示素子。
  16. 前記対向電極間の距離が、20μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第15項のいずれか1項に記載の表示素子。
  17. 前記電解質が、カルボン酸エステル系化合物を含有していることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第16項のいずれか1項に記載の表示素子。
  18. 前記電解質が、固体電解質、ゲル状電解質または高粘度電解質であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第17項のいずれか1項に記載の表示素子。
  19. 請求の範囲第1項乃至第18項のいずれか1項に記載の表示素子を駆動する表示素子の駆動方法であって、対向電極にカソード反応物の酸化還元電圧以下の電圧を印加して、アノード反応で着色した状態を消色することを特徴とする表示素子の駆動方法。
  20. 請求の範囲第1項乃至第18項のいずれか1項に記載の表示素子を駆動する表示素子の駆動方法であって、対向電極にアノード反応物の酸化電位以下の電圧を印加して、カソード反応で着色した状態を消色することを特徴とする表示素子の駆動方法。
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