JP5585441B2 - 電気化学表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学的な表示素子に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられている。特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション(以下、EDと略す)方式が知られている。ED方式は、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。また電気化学的に色が変化するエレクトロクロミック(EC)方式の素子が、コントラストが高く、明瞭な表示を得ることができるとして提案されている。
これらのED・EC方式の素子には、電解質層に、ハンドリング性向上のため電解質の高粘度化や擬似固体化を狙いとして、高分子バインダーが添加されている。本発明者は、これらの高分子バインダーを添加した場合の表示素子の特性を検討した結果、従来の高分子バインダーでは、経時保存における表示素子の表示安定性に課題があることが判明した。
米国特許第4,240,716号明細書 特許第3428603号公報 特開2003−241227号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、経時保存における表示安定性を向上させた表示素子を提供することにある。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
(1)対向電極間に電解質層を有し、該電解質層に、分子内に環状カーボネート構造、ラクトン構造或いはジオキソラン構造を有するモノマーからなる繰り返し単位を有するポリマーを含有することを特徴とする電気化学表示素子。
(2)前記モノマーが下記一般式(M1)で表されることを特徴とする前記(1)に記載に電気化学表示素子。
〔式中、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合基を表し、L1はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L2は2価の連結基を表す。Xは置換基を有しても良いメチレン基、若しくはカルボニル基を表す。R5は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。〕
(3)前記モノマーが下記一般式(M2)で表されることを特徴とする前記(1)に記載の電気化学表示素子。
〔式中、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合基を表し、L1はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L2は2価の連結基を表す。Yはラクトン環構造を形成するのに必要な原子群を表す。R5は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。〕
(4)前記対向電極間に金属塩化合物を含有し、該金属塩化合物が含む金属元素の還元析出、酸化溶解を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行うことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
(5)前記金属塩化合物が銀塩化合物であることを特徴とする前記(4)に記載の電気化学表示素子。
(6)前記対向電極間に、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする前記(5)に記載の電気化学表示素子。
一般式(1)
7−S−R8
〔式中、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表し、R7とR8は互いに結合して環を形成しても良い。但し、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族環を形成することはない。〕
〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zは含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR9は同一でも異なっていてもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
(7)前記対向電極間にエレクトロクロミック化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
(8)前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(A)で表されることを特徴とする前記(7)に記載の電気化学表示素子。
〔式中、R1は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R2、R3は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R4、酸素原子または硫黄原子を表し、R4は水素原子、または置換基を表す。〕
(9)前記一般式(A)におけるR1が、置換もしくは無置換フェニル基であることを特徴とする前記(8)に記載の電気化学表示素子。
(10)前記対向電極間に、揮発性溶媒を実質的に含有しないことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
(11)前記対向電極間に、前記金属塩化合物及び前記エレクトロクロミック化合物から選ばれる複数種の化合物を含有し、該対向電極の駆動操作により、白、黒、及び黒以外のカラー色を表示することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
(12)前記黒表示が、前記金属塩化合物の還元析出による着色であることを特徴とする前記(11)に記載の電気化学表示素子。
(13)前記対向電極間に、多孔質白色散乱層を含有することを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
本発明により、経時保存における表示安定性を向上させた表示素子を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、電解質層に本発明のポリマーを含有させることにより、経時保存における表示安定性を向上させた表示素子を得ることができた。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のポリマーは、分子内に環状カーボネート構造、若しくはラクトン構造、ジオキソラン構造を有するモノマー(本発明のモノマーとも言う。)からなる繰り返し単位を少なくともひとつ有するポリマーである。本発明のポリマーは分子内に大きな電子分極を有する化学構造部位を有しており、この部分構造と電解質中に含まれる他のイオン性物質との良好な親和性がイオン伝導の安定性に寄与し、さらに経時保存における表示安定性向上に寄与する。
環状カーボネート構造とは、−O−CO−O−構造をアルキレン基で連結した環状構造を意味し、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート等が挙げられる。分子内に環状カーボネート構造、を有するモノマーとは、これら環状カーボネート構造と、エチレン性不飽和構造とを連結基で連結したモノマーであることが好ましい。同様に分子内にラクトン構造、ジオキソラン構造を有するモノマーとは、各々ラクトン構造、ジオキソラン構造とエチレン性不飽和構造とを連結基で連結したモノマーであることが好ましい。これらのモノマーは、置換可能な位置で任意の置換基を置換していても良い。ラクトン構造としては、5員環若しくは6員環が好ましく、ジオキソラン構造としては1,3−ジオキソランが好ましい。
また本発明のポリマーはこれらモノマーの単独重合体であっても、その他コモノマーとの共重合体であっても良い。本発明のポリマーとしては、前記本発明のモノマーとポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が好ましく、更にアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸等の酸性基を有するモノマーとの共重合体が好ましい。
前記一般式(M1)に於いて、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合基を表し、L1はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L2は2価の連結基を表す。Xは置換基を有しても良いメチレン基、若しくはカルボニル基を表す。R5は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。
Xがメチレン基の場合、1,3−ジオキソラン構造と成り、Xがカルボニル基の場合エチレンカーボネート構造と成る。
1がアリーレン基を表すとき、これらは更に置換基を有していても良い。L1で表されるアリーレン基としては、フェニレン基が好ましく、特にp−フェニレン基が好ましい。
2で表される連結基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
1で表される基がカルボニル基である場合、L2としては酸素原子若しくは窒素原子を介してL1と結合している事が好ましい。
5で表される置換基としては、特に制限は無く、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
nは0若しくは1が好ましい。
前記一般式(M2)に於いて、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合を表し、L1はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L2は2価の連結基を表す。Yはラクトン環構造を形成するのに必要な原子群を表す。R5は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。
一般式(M2)において、Yは−CO−O−と共にラクトン構造を形成するのに必要な原子群を表す。形成されるラクトン環としては、5員環若しくは6員環が好ましい。
一般式(M2)におけるP,L1,L2,R5は前記一般式(M1)の各々と同義である。
以下、一般式(M1)及び(M2)で表されるモノマーの具体例を示すが、これらに限定されるものでは無い。
本発明の好ましい態様に於いて用いられるコモノマーである、ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ポリオキシアルキレン基の置換したアクリレート、メタアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)]、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)、カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、トリトン[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))]およびP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
また、市販品のモノマーとしては、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500Bなどがあげられる。
同様に日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550など、また共栄社化学株式会社製ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EAなどがあげられる。
ポリ(オキシアルキレン)アクリルアミド及びメタクリルアミドは、アミノ基の置換したポリオキシアルキレン類を公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
アミノ基の置換したポリオキシアルキレンとしては、例えば下記の様な化合物が容易に入手することが出来る。
日本油脂株式会社製SUNBRIGH TPA Series(Amino−PEGs):
一般式 CH3O(CH2CH2O)n−CH2CH2CH2NH2
SUNBRIGHT MEPA−20H(平均分子量2,000)
SUNBRIGHT MEPA−50H(平均分子量5,000)
SUNBRIGHT MEPA−12T(平均分子量12,000)
SUNBRIGHT MEPA−20T(平均分子量20,000)
SUNBRIGHT MEPA−30T(平均分子量30,000)
日本油脂株式会社製 Hydroky−PEG−Amine:
一般式 HO(CH2CH2O)n−CH2CH2CH2NH2
SUNBRIGHT HO−020PA(平均分子量2,000)
SUNBRIGHT HO−034PA(平均分子量3,400)
SUNBRIGHT HO−050PA(平均分子量5,000)
日本油脂株式会社製 Amino−PEG−Carboxylic acid:
一般式 HCl・H2N−CH2CH2CH2O(CH2CH2O)n−(CH25COOH
SUNBRIGHT PA−020HC(平均分子量2,000)
SUNBRIGHT PA−034HC(平均分子量3,400)
SUNBRIGHT PA−050HC(平均分子量5,000)
その他、
東洋紡績株式会社製 Amino−dPEGTM acid、Amino−dPEGTM t−butyl esrer、Amino−dPEGTM alcohol、m−dPEGTM amine等も用いることが出来る。
本発明に於いて用いる事が出来るその他のコモノマーとしては、例えば以下のモノマーを例示する事が出来る。
アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、
メタクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、
アクリルアミド類:アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。また、アルキルオキシアクリルアミドとして、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド等、
メタクリルアミド類:メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド、メトキシメチルメタアクリルアミド、ブトキシメチルメタアクリルアミド等、
アリル化合物:アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノール等、
ビニルエーテル類:アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等)、
ビニルエステル類:ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等、
N−ビニルアミド類:N−ビニルホルムアミド(VFA)、N−ビニル−N−メチルホルムアミド(VMFA)、N−ビニルアセトアミド(VAA)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(VMAA)、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニルカプロラクタム(NVC)、N−ビニルオキサゾリドン(VOX)、5−メチル−N−ビニルオキサゾリドン(5−MeVOX)、N−ビニルサクシイミド(VSI)、N−ビニルフタルイミド(VPI)、N−ビニルマレイミド(VMI)、N−ビニルイミダゾール(VIZ)等、
イタコン酸ジアルキル類:イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等、
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:ジブチルフマレートなど、
その他、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
本発明の重合体において、各構成単位は任意のシーケンスを取り得る。したがって、本発明の重合体は、共重合体の場合、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
また、本発明の重合体の質量平均分子量は特に限定されないが、1000以上であることが好ましく、また、1,000,000以下であることが好ましく、5,000以上50,000以下であることが特に好ましい。
本発明の重合体を電解質に用いる場合は、電解質総質量に対して、質量比で0.01%以上、90%以下の範囲であることが好ましい。
重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合が挙げられる。また、分子量、分子量分布や立体規則性を制御する必要がある場合には、リビング重合に代表される、精密重合と呼ばれる重合方法を用いてもよい。
一般に、重合体を得るための製造プロセスとしては、塊状重合プロセス、懸濁重合プロセス、乳化重合プロセス、気相重合プロセス、溶液重合プロセス等が存在する。これらの製造プロセスは、目的とする重合体の性質に応じて適宜決めればよい。
本発明の重合体を表示素子として用いる場合、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する必要があること及び、共重合体の分子量を比較的低くする必要があること等から、前記プロセスの中でも、多くの場合、溶液重合プロセスが採用されている。さらに、溶液重合プロセスの中でも、製造バッチの違いによる平均分子量や分子量分布等の振れが小さく、再現性のある共重合体が簡便に得られることから、あらかじめ単量体、重合開始剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を一定温度に保持した有機溶剤中に滴下する、いわゆる滴下重合法が、好適に用いられる。
本発明の重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物などが挙げられる。
本発明の重合体を製造する際には、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤を使用することにより、低分子量の重合体を製造する場合に重合開始剤の使用量を少なくすることができ、また、得られる重合体の分子量分布を小さくすることができる。
好適な連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は特に限定されないが、通常、使用する単量体全量に対して1〜20モル%が好ましい。また、連鎖移動剤の使用量は特に限定されないが、通常、使用する単量体全量に対して1〜20モル%が好ましい。
重合温度は特に限定されないが、通常、50℃以上であることが好ましく、150℃以下であることが好ましい。
滴下重合法において用いられる有機溶剤としては、用いる単量体、重合開始剤および得られる重合体、連鎖移動剤を併用する場合はその連鎖移動剤のいずれをも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」とも言う。)、乳酸エチル等が挙げられる。
溶液重合等の方法によって製造された重合体溶液は、必要に応じて、1,4−ジオキサン、アセトン、THF、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、PGMEA、乳酸エチル等の良溶媒で適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水等の多量の貧溶媒中に滴下して重合体を析出させることで精製してもよい。この工程は一般に再沈殿と呼ばれ、重合溶液中に残存する未反応の単量体や重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。
〔金属塩化合物〕
本発明に用いることができる金属塩化合物とは、対向電極上の少なくとも一方の電極上で、該対向電極の駆動操作で、溶解及び析出を繰り返して行うことができる金属種を含む塩であれば、如何なる化合物であってもよい。好ましい金属種は、銀、ビスマス、銅、ニッケル、鉄、クロム、亜鉛等であり、特に好ましい金属種は、黒の色調と酸化還元電位の観点から、銀、ビスマスである。
〔銀塩化合物〕
本発明の電気化学表示素子においては、電解質が含有する金属塩化合物が、銀または銀を化学構造中に含む化合物である銀塩化合物が好ましい。本発明でいう銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は特に問わない。
〔電気化学表示素子の基本構成1:黒白表示〕
本発明の電気化学表示素子において、ED表示部には対向する一対の対向電極が設けられている。ED表示部に近い対向電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には、本発明に用いることができる金属塩化合物を含有する電解質が担持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上で金属塩の酸化還元反応が行われ、例えば、金属塩が銀である場合には、還元状態の黒い銀画像と、酸化状態の透明な銀の状態を可逆的に切り替えることができる。
〔電気化学表示素子の基本構成2:多色表示〕
本発明の電気化学表示素子において、表示部には、対向する一対の対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には金属塩化合物を含む電解質、エレクトロクロミック化合物が保持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上で金属塩化合物やエレクトロクロミック化合物の酸化還元が行われ、両化合物の酸化還元各状態の着色状態の相違と電極間に配置した白色散乱物とを利用して、カラー表示を行えるものである。着色状態の相違は、両電極へ印加する電圧の極性、発色や消色の電圧閾値により、制御することができる。金属塩化合物やエレクトロクロミック化合物は必要に応じて、複数種の化合物を用いることができる。
〔多孔質白色散乱層〕
本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、対向電極間に多孔質白色散乱層を有していてもよい。
本発明に適用可能な多孔質白色散乱層は、電解質溶媒に溶解しない水系高分子と白色顔料との水混和物を塗布、乾燥して形成することができる。
本発明で適用可能な白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及び水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色粒子の中でも二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えてトリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
本発明において、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子としては、水溶性高分子、水系溶媒に分散した高分子を挙げることができる。
水溶性化合物としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、デンプン、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のような天然化合物や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体やそれらの誘導体等の合成高分子化合物が挙げられる。ゼラチン誘導体としては、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体としては、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール、末端メルカプト基変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
更に、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載されたもの、また米国特許第4,960,681号明細書、特開昭62−245260号公報等に記載の高吸水性ポリマー、即ち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー(例えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウム等)との共重合体も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、ゼラチン及びゼラチン誘導体、またはポリビニルアルコールもしくはその誘導体を好ましく用いることができる。
水系溶媒に分散した高分子としては、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のラテックス類、ポリイソシアネート系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系、尿素系、フェノール系、ホルムアルデヒド系、エポキシ−ポリアミド系、メラミン系、アルキド系樹脂、ビニル系樹脂等を水系溶媒に分散した熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの高分子のうち、特開平10−76621号公報に記載の水系ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
本発明でいう電解質溶媒に溶解しないとは、−20℃から120℃の温度において、電解質溶媒1kg当たりの溶解量が0g以上、10g以下である状態と定義し、質量測定法、液体クロマトグラムやガスクロマトグラムによる成分定量法等の公知の方法により溶解量を求めることができる。
本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物は、公知の分散方法に従って白色顔料が水中分散された形態が好ましい。水系化合物/白色顔料の混合比は容積比で1〜0.01が好ましく、より好ましくは0.3〜0.05の範囲である。
本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物を塗布する媒体は、表示素子の対向電極間の構成要素上であればいずれの位置でもよいが、対向電極の少なくとも一方の電極面上に付与することが好ましい。媒体への付与の方法としては、例えば、塗布方式、液噴霧方式、気相を介する噴霧方式として、圧電素子の振動を利用して液滴を飛翔させる方式、例えば、ピエゾ方式のインクジェットヘッドや、突沸を利用したサーマルヘッドを用いて液滴を飛翔させるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッド、また空気圧や液圧により液を噴霧するスプレー方式等が挙げられる。
塗布方式としては、公知の塗布方式より適宜選択することができ、例えば、エアードクターコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ、リバースローラーコータ、トランスファーローラーコータ、カーテンコータ、ダブルローラーコータ、スライドホッパーコータ、グラビアコータ、キスロールコータ、ビードコータ、キャストコータ、スプレイコータ、カレンダーコーター、押し出しコータ等が挙げられる。
媒体上に付与した水系化合物と白色顔料との水混和物の乾燥は、水を蒸発できる方法であればいかなる方法であってもよい。例えば、熱源からの加熱、赤外光を用いた加熱法、電磁誘導による加熱法等が挙げられる。また、水蒸発は減圧下で行ってもよい。
本発明で言う多孔質とは、前記水系化合物と白色顔料との水混和物を電極上に塗布乾燥して多孔質の白色散乱物を形成した後、該散乱物上に銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する電解質液を与えた後に対向電極で挟み込み、対向電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が電極間で移動可能な貫通状態のことを言う。
本発明の表示素子では、上記説明した水混和物を塗布乾燥中または乾燥後に硬化剤により水系化合物の硬化反応を行うことが望ましい。
本発明で用いられる硬膜剤の例としては、例えば、米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同4,791,042号明細書、特開昭59−116655号公報、同62−245261号公報、同61−18942号公報、同61−249054号公報、同61−245153号公報、特開平4−218044号公報等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素等)、ホウ酸、メタホウ酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報等に記載の化合物)が挙げられる。水系化合物としてゼラチンを用いる場合は、硬膜剤の中でビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。また、ポリビニルアルコールを用いる場合は、ホウ酸やメタホウ酸等の含ホウ素化合物の使用が好ましい。
これらの硬膜剤は水系化合物1g当たり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。また、膜強度を上げるため熱処理や硬化反応時の湿度調整を行うことも可能である。
本発明の電気化学表示素子においては、電解質が前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記一般式(1)において、R7、R8は各々置換または無置換の炭化水素基を表し、これらには直鎖基または分岐基が含まれる。また、これらの炭化水素基では1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでもよい。但し、S原子を含む環を形成する場合には芳香族環を形成することはない。また、S原子に隣接するそれぞれの元素は炭素原子であることが好ましい。
炭化水素基に置換可能な基としては、例えば、アミノ基、グアニジノ基、4級アンモニウム基、ヒドロキシル基、ハロゲン化合物、カルボン酸基、カルボキシレート基、アミド基、スルフィン酸基、スルホン酸基、スルフェート基、ホスホン酸基、ホスフェート基、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。
一般に銀の溶解析出を生じさせるためには、電解質中で銀を可溶化することが必要である。例えば、銀と配位結合を生じさせたり、銀と弱い共有結合を生じさせるような銀と相互作用を示す化学構造種を含む化合物等と共存させて、銀または銀を含む化合物を可溶化物に変換する手段を用いるのが一般的である。前記化学構造種として、ハロゲン原子、メルカプト基、カルボキシル基、イミノ基等が知られているが、本発明においては、チオエーテル基も銀溶剤として有用に作用し、共存化合物への影響が少なく、溶媒への溶解度が高い特徴がある。
以下、本発明に用いることができる一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
1−1:CH3SCH2CH2OH
1−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
1−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
1−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
1−7:H3CSCH2CH2COOH
1−8:HOOCCH2SCH2COOH
1−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
1−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
1−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
1−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
1−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
1−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
1−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2NH2
1−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2NH2
1−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
1−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
1−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
1−24:H2N(O=)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(
=O)NH2
1−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NH2
1−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
1−27:H3C(O=)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(=O)
CH3
1−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
1−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
1−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHSO2CH3
1−31:H2N(NH)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
1−32:H2N(NH)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(NH)NH2・2HCl
1−33:H2N(NH)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(NH)
NH2・2HBr
1−34:〔(CH33NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH332+・2Cl-
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から、特に、例示化合物1−2が好ましい。
次いで、本発明に用いることができる一般式(2)で表される化合物について説明する。
前記一般式(2)において、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zは含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R9は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR9は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
一般式(2)のMで表される金属原子としては、例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Ag等が挙げられ、4級アンモニウムとしては、例えば、H4N、(CH34N、(C494N、(CH33NC1225、(CH33NC1633、(CH33NCH265等が挙げられる。
一般式(2)のZで表される含窒素複素環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトオキサゾール環等が挙げられるが、その中でもトリアゾール環であることが好ましい。
一般式(2)のR9で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、トリフルオロメチル、ベンジル等の各基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等の各基が挙げられ、アルキルカルボンアミド基としては、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチロイルアミノ等の各基が挙げられ、アリールカルボンアミド基としては、例えば、ベンゾイルアミノ等が挙げられ、アルキルスルホンアミド基としては、例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールスルホンアミド基としては、例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ等が挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等の各基が挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げられ、アルキルカルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ピペリジルカルバモイル、モルホリルカルバモイル等の各基が挙げられ、アリールカルバモイル基としては、例えば、フェニルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、エチルフェニルカルバモイル、ベンジルフェニルカルバモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルファモイル基としては、例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ピペリジルスルファモイル、モルホリルスルファモイル等の各基が挙げられ、アリールスルファモイル基としては、例えば、フェニルスルファモイル、メチルフェニルスルファモイル、エチルフェニルスルファモイル、ベンジルフェニルスルファモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ、アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の各基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル等の各基が挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等が挙げられ、アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ等の各基が挙げられ、複素環基としては、例えば、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、セレナゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアジン環、トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、インドレニン環、ベンズセレナゾール環、ナフトチアゾール環、トリアザインドリジン環、ジアザインドリジン環、テトラアザインドリジン環基等が挙げられる。これらの置換基は更に置換基を有するものを含む。
次に、一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から、特に例示化合物2−12、2−18、2−20が好ましい。
〔ハロゲンイオン、銀イオン濃度比〕
本発明の表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンのモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる金属塩化合物の金属イオンの総モル濃度を[M](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
式(1)
0≦[X]/[M]≦0.01
本発明で言うハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことを言う。[X]/[M]が0.01よりも大きい場合は、金属イオンの酸化還元反応時にX-→X2が生じ、X2は金属イオンの還元体と容易にクロス酸化して金属イオン還元体を酸化し、メモリー性を低下させたり、繰り返し駆動時の反射率変動ムラの要因の1つになるのでハロゲン原子のモル濃度は金属イオンのモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[M]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
〔エレクトロクロミック化合物〕
本発明の表示素子においては、上記説明した電解質がエレクトロクロミック化合物を含有し、対向電極の駆動操作により、エレクトロクロミック化合物の酸化及び還元反応による色変化、及び該対向電極の少なくとも一方への金属塩化合物が含有する金属元素の還元析出及び酸化溶解による色変化を用いて、黒表示、白表示及び黒以外の着色表示により3色以上の多色表示を行うことが好ましい。
すなわち、本発明に用いることができるエレクトロクロミック化合物(以下、EC化合物と略す)としては、電気化学的な酸化還元によって、物質の光学吸収の性質(色や光透過度)が可逆的に変化する現象(エレクトクロミズム)を呈する化合物であれば、いかなる化合物を用いても良い。具体的な化合物としては、「エレクトロクロミックディスプレイ」(平成3年6月28日刊、産業図書株式会社)pp27−124、「クロミック材料の開発」(2000年11月15日刊、株式会社シーエムシー)pp81−95等に記載の化合物を挙げることができる。
本発明の表示素子に好ましく用いることができるエレクトロクロミック化合物の一つとしては、炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子を少なくとも1個配位した金属錯体であることが好ましい。
金属錯体を構成する金属の種類としては、炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が配位可能な金属であれば特に制限は無いが、周期表の8族(鉄、ルテニウム、オスミウム)、9族(コバルト、ロジウム、イリジウム)、ランタノイド(シスプロシウム、イッテルビウム、ルテチウム等)、ニッケル、銅が好ましく、特に鉄及びコバルトが好ましい。
本発明に用いることができる金属錯体としては、酸化還元反応により着色状態が変化することを特徴として備えており、−3.5Vから3.5Vの範囲で着色状態が変化することが好ましく、さらには−1.5V〜1.5Vの範囲で着色状態が変化することが好ましい。
炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子としては、具体的には、ヒドラゾン類(例えば、ヒドラゾン、アジン、セミカルバゾン、イソセミカルバゾン、カルボヒドラゾン、ヒドラゾン酸、ヒドラジジン、アミドラゾン等)、オキシム類(例えば、オキシム、ヒドロキシム酸、アミドキシム等)、イミン類、含窒素複素環化合物(例えば、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンズイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フェナントロリン、ポルフィリン、フタロシアニン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピラゾロン、オキサゾリン、チアゾリン等)が挙げられる。
これら有機配位子のうち多座配位子が好ましく、特に二座若しくは三座の配位子が好ましい。具体的には、ビピリジン類、ターピリジン類、フェナントロリン類、テトラゾリルピリジン類、ピリジルキナゾリン類、ビス−イソキノリン類、ピリジルアジン類、ピリジルベンズイミダゾール類等が挙げられる。
更に、本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が、下記一般式〔I〕で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式〔I〕において、R31、R32、R33及びR34は、各々独立に水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、これらの置換基は更に置換基を有していても良い。また、R31とR32、R32とR33及びR33とR34は、各々互いに連結して芳香族、または非芳香族の環状構造を形成しても良く、環状構造上の任意の位置に置換基を有しても良い。
31とR32、R32とR33またはR33とR34は、各々互いに連結して芳香族または非芳香族の環状構造を形成した化合物が好ましい。
31とR32が互いに連結して環状構造を形成する場合、本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子は、下記一般式〔II〕で表されることが好ましい。
上記一般式〔II〕において、R33及びR34は、それぞれ一般式〔I〕におけるそれぞれと同義であり、ZはC=Nと共に、環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。また、これら環状構造は、置換可能な任意の位置に置換基を有していても良い。これら環構構造としては、芳香族複素環構造が好ましい。
以下に置換基を省略した環状構造骨格の具体例を例示するが、これらに限定されるものでは無い。なお、以下に示す各環状構造骨格において、*は結合位置を表す。
また、上記一般式〔I〕において、R31とR32及びR33とR34が互いに連結して環状構造を形成する場合、本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が、下記一般式〔III〕で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式〔III〕において、Z1、Z2はそれぞれC=Nと共に、環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。また、一般式〔III〕で表される化合物の2つの環状構造上の置換可能な任意の位置には、置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限は無く、上記一般式〔I〕の具体的な環状構造として示した置換基であってもよい。
また、上記一般式〔I〕において、R32とR33が互いに連結して環状構造を形成する場合、本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が、下記一般式〔IV〕で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式〔IV〕において、R31及びR34は、それぞれ一般式〔I〕におけるそれらと同義であり、Z3は2個の炭素原子と共に、環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。また、この環状造は置換可能な任意の位置に置換基を有していても良い。
上記一般式〔I〕〜〔IV〕の中でも、特に好ましいのは、下記一般式〔V〕または一般式〔VI〕で表される化合物である。
上記一般式〔V〕において、R31、R34は、それぞれ一般式〔I〕におけるそれらと同義である。また、一般式〔VI〕におけるR41、R42は、それぞれ置換基を有しても良いアルキル基を表す。
本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子は、電極表面との密着性や膜の耐久性の観点から、電極と化学的または物理的に吸着する吸着性基を少なくとも1個有していることが好ましい。
本発明でいう化学吸着とは、電極表面との化学結合による比較的強い吸着状態であり、本発明でいう物理吸着とは、電極表面と吸着物質との間に働くファンデルワールス力による比較的弱い吸着状態である。
本発明の吸着性基は化学吸着性の基である方が好ましく、化学吸着する吸着性基の例としては、−COOH、−P−O(OH)2、−OP=O(OH)2及び−Si(OR)3(Rは、アルキル基を表す)が挙げられる。
以下、本発明に用いることができる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子と、更に電極表面と化学吸着または物理吸着する吸着性基を有している該有機配位子の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
次いで、本発明に用いられる炭素−窒素の二重結合を部分構造として有する有機配位子が少なくとも1個配位した金属錯体の例を示すが、これらに限定されるものではない。表中、Mは中心金属、Lは有機配位子、nは配位子の数、Aは電荷を中和するための対塩を表す。
また、他の好ましいエレクトロクロミック化合物としては、前記一般式(A)で表される化合物を挙げることができる。
以下、本発明に好ましく用いることができる一般式(A)で表されるエレクトロクロミック化合物の詳細について説明する。
前記一般式(A)において、R1は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R2、R3は各々水素原子または置換基を表すが、R1、R2、R3で表される置換基の具体例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルフォニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
1は、置換もしくは無置換のアリール基であり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、更に好ましくは置換もしくは無置換の2−ヒドロキシフェニル基または4−ヒドロキシフェニル基である。
2及びR3として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基であり、より好ましくは、R2及びR3のいずれか一方がフェニル基、他方がアルキル基、更に好ましくはR2及びR3の両方がフェニル基である。
Xとして好ましくは>N−R4である。R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、アシル基である。
以下に、一般式(A)で表されるエレクトロクロミック化合物の具体的化合物例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
〔有機溶媒〕
本発明の電解質層には有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブトロラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられる。これらの溶媒の内、凝固点が−20℃以下、かつ沸点が120℃以上の溶媒を少なくとも1種含むことが好ましい。
さらに本発明で用いることのできる溶媒としては、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。電解質に用いる有機溶媒は単一種であっても、溶媒の混合物であってもよい。
また、本発明においては、電解質層に揮発性溶媒を実質的に含有しないことが好ましい。このような有機溶媒としては、各種イオン液体、炭素数が8以上のフタレート類、脂肪酸エステル類、ソルビトール類等が挙げられる。
〔電解質−銀塩〕
本発明の表示素子においては、ヨウ化銀、塩化銀、臭化銀、酸化銀、硫化銀、クエン酸銀、酢酸銀、ベヘン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、メルカプト類との銀塩、イミノジ酢酸類との銀錯体等の公知の銀塩化合物を用いることができる。これらの中で、ハロゲンやカルボン酸や銀との配位性を有する窒素原子を有しない化合物を銀塩として用いるのが好ましく、例えば、p−トルエンスルホン酸銀が好ましい。
本発明に用いることができる電解質に含まれる銀イオン濃度は、0.2モル/kg≦[Ag]≦2.0モル/kgが好ましい。銀イオン濃度が0.2モル/kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆動速度が遅延し、2モル/kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が起きやすくなる傾向にあり不利である。
本発明の表示素子においては、上記説明した構成要素の他、必要に応じて種々な構成層を設けることができる。
〔金属酸化物を含む多孔質電極〕
また、本発明の表示素子においては、金属酸化物を含む多孔質電極を用いることもできる。本発明の表示素子で、該対向電極のうち、画像観察側でない面の電極面を金属酸化物を含む多孔質電極により保護することで、画像観察側でない面での銀または銀を化学構造中に含む化合物の酸化還元反応が該金属酸化物を含む多孔質電極上または多孔質電極中で行われことを見出したことにより、画像観察側でない電極の種類選択肢の拡大及び耐久性を向上させることができる。
本発明に用いることができる多孔質電極を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、Snドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛等、またはこれらの混合物が挙げられる。
多孔質電極は、上記金属酸化物の複数個の微粒子を結着または接触させることにより形成される。金属酸化物微粒子の平均粒子径は5nm〜10μmが好ましく、より好ましくは20nm〜1μmである。また、金属酸化物微粒子の比表面積は簡易BET法で1×10-3〜1×1022/gであることが好ましく、より好ましくは1×10-2〜10m2/gである。また、金属酸化物微粒子の形状は不定形、針状、球形など任意の形状のものが用いられる。
金属酸化物微粒子の形成または結着法としては、公知のゾルゲル法、焼結法やマイクロ波加熱法等を採用することができ、例えば、1)Journal of the Ceramic Society of Japan,102,2,p200(1994)、2)窯業協会誌90,4,p157、3)J.of Non−Cryst.Solids,82,400(1986)等に記載の方法が挙げられる。また、気相法により作製した酸化チタンデンドリマー粒子を溶液上に分散して基体上に塗布し、120〜150℃程度の温度で乾燥して溶媒を除去して多孔質電極を得る方法を用いることもできる。金属酸化物微粒子は結着させた状態が好ましく、連続加重式表面性測定機(例えば、スクラッチ試験器)で0.1g以上、好ましくは1g以上の耐性を有する状態が好ましい。
本発明で言う多孔質とは多孔質電極を配置し、対向電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が多孔質電極内を移動可能な貫通状態を言う。
〔電子絶縁層〕
本発明の表示素子においては、電子絶縁層を設けることができる。
本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する層であればよく、例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、空隙を有する高分子多孔質膜、含ケイ素化合物の様な比誘電率が低い無機材料の多孔質体等が挙げられる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気するなどして発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。
具体的には、特開平10−30181号、特開2003−107626号、特公平7−95403号、特許第2635715号、同2849523号、同2987474号、同3066426号、同3464513号、同3483644号、同3535942号、同3062203号の各公報に記載の電子絶縁層を挙げることができる。
〔電解質材料〕
本発明の表示素子において、電解質が液体である場合には、以下の化合物を電解質中に含むことができる。カリウム化合物としてKCl、KI、KBr等、リチウム化合物としてLiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、テトラアルキルアンモニウム化合物として過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等が挙げられる。また、特開2003−187881号公報の段落番号〔0062〕〜〔0081〕に記載の溶融塩電解質組成物も好ましく用いることができる。更に、I-/I3 -、Br-/Br3 -、キノン/ハイドロキノン等の酸化還元対になる化合物を用いることができる。
また、支持電解質が固体である場合には、電子伝導性やイオン伝導性を示す以下の化合物を電解質中に含むことができる。
パーフルオロスルフォン酸を含むフッ化ビニル系高分子、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、トリフェニルアミン類、ポリビニルカルバゾール類、ポリメチルフェニルシラン類、Cu2S、Ag2S、Cu2Se、AgCrSe2等のカルコゲニド、CaF2、PbF2、SrF2、LaF3、TlSn25、CeF3等の含F化合物、Li2SO4、Li4SiO4、Li3PO4等のLi塩、ZrO2、CaO、Cd23、HfO2、Y23、Nb25、WO3、Bi23、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CuBr、CuI、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl4、LiAlF4、AgSBr、C55NHAg56、Rb4Cu167Cl13、Rb3Cu7Cl10、LiN、Li5I2、Li6NBr3等の化合物が挙げられる。
また、支持電解質としてゲル状電解質を用いることもできる。電解質が非水系の場合、特開平11−185836号公報の段落番号〔0057〕〜〔0059〕に記載のオイルゲル化剤を用いことができる。
〔電解質添加の増粘剤〕
本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64−13546号公報の71〜75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
〔その他の添加剤〕
本発明の表示素子の構成層として、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。補助層は一対の対向電極間に挟まれる領域に設けてもよいし、対向電極間に挟まれない領域に設けてもよい。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら3つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 996 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜6 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
本発明の表示素子の構成層には、メタロセン誘導体を用いることができる。メタロセン誘導体としてフェロセン誘導体を用いることが好ましい。フェロセン誘導体の例としては、フェロセン、メチルフェロセン、ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、プロピルフェロセン、n−ブチルフェロセン、t−ブチルフェロセン、1,1−ジカルボキシフェロセン等が挙げられる。メタロセン誘導体は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
〔層構成〕
本発明の表示素子の対向電極間の構成層について、更に説明する。
本発明の表示素子に係る構成層として、正孔輸送材料を含む構成層を設けることができる。正孔輸送材料として、例えば、芳香族アミン類、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール類、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリトルイジン誘導体、CuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等を挙げることができる。
〔基板〕
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号公報(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号明細書のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行ってもよい。
本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更に、RDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
〔電極〕
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が銀の還元状態維持のために有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製は蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコーン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
〔電気化学表示素子のその他の構成要素〕
本発明の表示素子には、必要に応じてシール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり、封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えてスペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
〔スクリーン印刷〕
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。
スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどして、ペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサーを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
〔電気化学表示素子駆動方法〕
本発明の電気化学表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で金属を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で該金属の析出を継続させる駆動操作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行えると推定される。
また、本発明の電気化学表示素子の透明状態及び着色状態の制御方法は、金属塩化合物の金属イオンの析出、溶解過電圧、また、エレクトロクロミック化合物の着色、消色の閾値電圧を元に決められることが好ましい。例えば、銀錯体と鉄錯体を対向電極間に有する表示素子の場合、無印加状態で黒以外の着色状態を示し、酸化側で白色状態を示し、還元側で黒色状態を示す。この場合の制御方法の一例としては、鉄錯体の酸化還元電位より貴な電圧を印加することで鉄錯体を酸化し白色状態を示し、鉄錯体の酸化還元電位と銀錯体の析出過電圧の間の電圧を印加することで鉄錯体を還元し黒以外の着色状態に戻し、銀錯体の析出過電圧より卑な電圧を印加することで銀を電極上に析出させ黒色状態を示し、鉄錯体の酸化還元電位より卑な電圧を印加することで析出した銀を溶解して消色する方法が挙げられる。
本発明の電気化学表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
〔商品適用〕
本発明の電気化学表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
表1に示すポリマーを合成した。窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を100g入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。次いで下記配合の混合物を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。
モノマー 下記表1に示す量(g)
AIBN 0.2g
PGMEA 50g
次いで、上記重合液を約30倍量のジイソプロピルエーテル/ヘプタン1:1混合溶液中に滴下する事で、ガム状の白色沈殿物が得られた。上澄み液をデカンとして除いた後、再度約同量のジイソプロピルエーテル/ヘプタン1:1混合溶液を加え、洗浄した。得られた残渣を、減圧下40℃で乾燥することで、目的とする重合体を得た。
表中、以下のものを表す。
モノマー1:本発明のモノマー
モノマー2:ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマー
モノマー4:酸性基を有するエチレン性不飽和モノマー
モノマー3:その他のエチレン性不飽和モノマー
PME−400:ブレンマーPME−400(日本油脂製)、−(EO)m−CH3(m≒9)を有するメタアクリレート
PSE−400:ブレンマーPSE−400(日本油脂製)、−(EO)m−C1837(m≒9)を有するメタアクリレート
(EO;エチレンオキシ基)
BMA:ブチルメタクリレート、
AA:アクリル酸
実施例2
《表示素子の作製》
〔表示素子1の作製〕
(電解液1の調製)
ジメチルスルホキシド2.5g中に、塩化ビスマス90mg、ヨウ化リチウム180mgを加えて完全に溶解させた後に、二酸化チタン0.6g、ポリエチレングリコール(PEG,平均分子量50万)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解液1を得た。
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide インジウム錫酸化物)膜を、公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
(電極2の作製)
厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて電極厚み0.8μm、ピッチ145μm、電極幅130μmの多孔質カーボン電極を形成し、周辺部を平均粒子径が20μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含む、オレフィン系封止剤で縁取りした電極2を作製した。
(表示素子1の作製)
電解液1を挟んで、電極2と電極1を、それぞれストライプ状の電極が直交するようにして貼り合わせた後、押圧加熱して、封止剤を固化して、表示素子1を作製した。
(表示素子2の作製)
表示素子1の作製において、塩化ビスマス、ヨウ化リチウムの代わりに、1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウム ジクロリドを0.1g加えた電解液2を用いた以外は同様にして、表示素子2を作製した。
(表示素子3の作製)
表示素子1の電解液1のポリエチレングリコールを、同質量の実施例1の合成ポリマー(比較P2)に変更した以外は、表示素子1と同様にして、表示素子3を作製した。
(表示素子4の作製)
表示素子2の電解液2のポリエチレングリコールを、同質量のポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製、平均重合度3500、けん化度87%)に変更した以外は、表示素子2と同様にして、表示素子4を作製した。
(表示素子5の作製)
表示素子3の電解液1の合成ポリマー(比較P2)を、同質量の合成ポリマー(P1)に変更した以外は表示素子3と同様にして、表示素子5を作製した。
(表示素子6の作製)
表示素子4の電解液2のポリビニルアルコールを、同質量の合成ポリマー(P8)に変更した以外は表示素子4と同様にして、表示素子6を作製した。
(表示素子7、8の作製)
表示素子5の合成ポリマー(P1)を、同質量の合成ポリマー(P6)、(P9)にそれぞれ変更した以外は、表示素子5と同様にして、表示素子7、8を作製した。
(表示素子9、10の作製)
表示素子6の合成ポリマー(P8)を、同質量の合成ポリマー(P2)、(P4)にそれぞれ変更した以外は、表示素子6と同様にして、表示素子9、10を作製した。
(表示素子11の作製)
表示素子1の電解液1のポリエチレングリコールを同質量の合成ポリマー(P5)に、塩化ビスマスを等モルのp−トルエンスルホン酸に、ヨウ化リチウムを等モルの塩化リチウムに変更した以外は表示素子1と同様にして表示素子11を作製した。
(表示素子12〜15の作製)
表示素子11のジメチルスルホキシドを同質量の炭酸プロピレン(PC)に、塩化リチウムを等モルの例示化合物(1−2)、(1−4)、(2−12)、(2−18)にそれぞれ変更した以外は表示素子11と同様にして、表示素子12〜15を作製した。
(表示素子16〜17の作製)
表示素子10のジメチルスルホキシドを同質量のγ−ブチロラクトン(γBL)に、合成ポリマー(P4)を(P10)に、エレクトロクロミック化合物を、それぞれ例示化合物(A−70)、(A−105)にそれぞれ変更した以外は、表示素子10と同様にして、表示素子16、17を作製した。
(表示素子18の作製)
表示素子13の炭酸プロピレンを同質量のN−エチル−N−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロボーレートに変更した以外は表示素子13と同様にして、表示素子18を作製した。
(表示素子19の作製)
表示素子13の炭酸プロピレンを同質量のN−ヘキシル−ピリジニウム ヘキサフルオロボーレートに変更した以外は表示素子13と同様にして、表示素子19を作製した。
(電極3の作製)
周辺部を平均粒子径が40μmのガラス製球形ビーズを体積分率として10%含む、オレフィン系封止剤で縁取りした電極2の上に、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)を2質量%含むイソプロパノール溶液中に酸化チタン20質量%を超音波分散機で分散させた混和液を100μmの厚さで塗布し、その後、15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、45℃の雰囲気中で1時間乾燥させて、電極3を作製した。
(表示素子20の作製)
表示素子19の電解液から二酸化チタンを除いて、電極2の代わりに電極3を用いた以外は表示素子19と同様にして、表示素子20を作製した。
(表示素子21の作製)
表示素子17の電解液からγ−ブチロラクトンを同質量のN−ヘキシル−ピリジニウム
ヘキサフルオロボーレートに変更した以外は表示素子17と同様にして、表示素子21を作製した。
(表示素子22の作製)
表示素子21の電解液から二酸化チタンを除いて、電極2の代わりに電極3を用いた以外は表示素子21と同様にして、表示素子22を作製した。
(表示素子23の作製)
表示素子22の電解液に、テトラチアフルバレンを0.3g添加した以外は表示素子22と同様にして、表示素子23を作製した。
(表示素子24の作製)
表示素子22の電解液に、p−トルエンスルホン酸銀を0.1g、例示化合物(1−4)を0.15g、合成ポリマー(P5)を0.05g添加した以外は、表示素子22と同様にして、表示素子24を作製した。
《表示素子の評価》
〔経時保存時の表示安定性の評価〕
上記作製した各表示素子について、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dを用い、D65光源において、黒表示時のL*値が65となる様な駆動条件を求めた後、この駆動条件で白化させたときのL*値、a*値、b*値を測定し、それぞれL1、a1、b1とした。その後、表示素子を85℃、相対湿度65%の環境下で、2日間放置して、経時保存の加速試験を行い、その後、加速試験前と同様の駆動条件で、再度白化させたときのL*値、a*値、b*値を測定し、それぞれL2、a2、b2とした。
得られた各測定値から色調変動の評価値として、ΔE=〔(L2−L12+(a2−a12+(b2−b121/2を計算した。表示素子1のΔEの値を1とした場合のΔEの相対値を各表示素子について求めた結果を表1に示す。ΔEの値が小さいほど、繰り返し駆動において色調変動が小さく優れていることを示す。
表示素子1〜22は、白黒、または白−カラー表示が得られた。表示素子23,24は、白−黒−カラーの多色表示が得られた。表示素子23、24はエレクトロクロミック化合物による表示の評価値を示す。
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる表示素子は、分子内に大きな電子分極を有する化学構造部位を有する本発明のポリマーの効果で、電解質に含まれる他のイオン性物質間の親和性が向上し、表示素子の経時保存時の表示特性変化が低減され、色調変動耐性に優れていることが分かる。
また、表示素子3の合成ポリマー(比較P2)を比較P1に変更しても同様の性能しか得られなかった。
また、エレクトロクロミック化合物を、一般式〔I〕〜〔IV〕に示す化合物に変更しても、表2と同様の結果が得られた。

Claims (9)

  1. 対向電極間に電解質層を有し、該電解質層に、分子内に環状カーボネート構造、若しくはラクトン構造、ジオキソラン構造を有するモノマーからなる繰り返し単位を少なくともひとつ有するポリマーを含有し、
    前記モノマーが下記一般式(M1)で表され、
    〔式中、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合基を表し、L 1 はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L 2 は2価の連結基を表す。Xは置換基を有しても良いメチレン基、若しくはカルボニル基を表す。R 5 は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。〕
    前記対向電極間に金属塩化合物を含有し、該金属塩化合物が含む金属元素の還元析出、酸化溶解を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行い、
    前記対向電極間にエレクトロクロミック化合物を含有し、
    前記対向電極間に、前記金属塩化合物及び前記エレクトロクロミック化合物から選ばれる複数種の化合物を含有し、該対向電極の駆動操作により、白、黒、及び黒以外のカラー色を表示し、
    前記黒表示が、前記金属塩化合物の還元析出による着色であることを特徴とする電気化学表示素子。
  2. 前記金属塩化合物が銀塩化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学表示素子。
  3. 前記対向電極間に、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項2に記載の電気化学表示素子。
    一般式(1)
    7 −S−R 8
    〔式中、R 7 、R 8 は各々置換または無置換の炭化水素基を表す。但し、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
    〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zは含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R 9 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR 9 は同一でも異なっていてもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
  4. 前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(A)で表されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電気化学表示素子。
    〔式中、R 1 は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R 2 、R 3 は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R 4 、酸素原子または硫黄原子を表し、R 4 は水素原子、または置換基を表す。〕
  5. 前記一般式(A)におけるR 1 が、置換もしくは無置換フェニル基であることを特徴とする請求項4に記載の電気化学表示素子。
  6. 前記対向電極間に、揮発性溶媒を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電気化学表示素子。
  7. 前記対向電極間に、多孔質白色散乱層を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電気化学表示素子。
  8. 対向電極間に電解質層を有し、該電解質層に、分子内に環状カーボネート構造、若しくはラクトン構造、ジオキソラン構造を有するモノマーからなる繰り返し単位を少なくともひとつ有するポリマーを含有し、
    前記対向電極間に金属塩化合物を含有し、該金属塩化合物が含む金属元素の還元析出、酸化溶解を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行い、
    前記対向電極間にエレクトロクロミック化合物を含有し、
    前記対向電極間に、前記金属塩化合物及び前記エレクトロクロミック化合物から選ばれる複数種の化合物を含有し、該対向電極の駆動操作により、白、黒、及び黒以外のカラー色を表示し、
    前記黒表示が、前記金属塩化合物の還元析出による着色であることを特徴とする電気化学表示素子。
  9. 前記モノマーが下記一般式(M2)で表されることを特徴とする請求項8に記載の電気化学表示素子。
    〔式中、Pは重合可能なエチレン性不飽和結合基を表し、L 1 はアリーレン基若しくはカルボニル基を表し、L 2 は2価の連結基を表す。Yはラクトン環構造を形成するのに必要な原子群を表す。R 5 は任意の置換基を表し、nは0,1,2又は3を表す。〕
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