明 細 書
潤滑油組成物及び酸化防止剤組成物
技術分野
[0001] 本発明は、潤滑油組成物及び酸化防止剤組成物に関し、詳しくは、内燃機関用潤 滑油等の用途に好適に用いられる潤滑油組成物及び酸化防止剤組成物に関する。 背景技術
[0002] 内燃機関や自動変速機等に使用される潤滑油の分野では、近年の資源有効利用 、廃油の低減、潤滑油ユーザーのコスト削減等の観点から、潤滑油のロングドレイン 化に対する要求が一層高まってレ、る。
[0003] そこで、従来の潤滑油においては、上記の要求に応えるベぐ高度精製処理により 芳香族分が低減された鉱油(高度精製鉱油)を基油とし、これにフエノール系又はァ ミン系酸化防止剤等の反応連鎖停止剤やジチォリン酸亜鉛 (ZDTP)、ジチォ力ルバ ミン酸モリブデン (MoDTC)等のパーオキサイド分解能を有する硫黄含有化合物等 を多量含有させることにより、潤滑油の酸化防止性の改善が図られている(例えば、 特許文献 1を参照)。
[0004] しかし、反応連鎖停止剤の増量による酸化安定性の維持には限界があり、また、反 応連鎖停止剤の劣化物が不溶化するという問題がある。また、 ZDTP等の硫黄含有 化合物は、過酸化物を分解する代償として、それ自体が酸化又は熱分解して硫酸等 の酸性物質を生成する原因となり得るため、一般的に金属系清浄剤や無灰分散剤 が配合される内燃機関用潤滑油等においては、酸中和特性の指標である塩基価の 低下や高温清浄性の低下を引き起こす原因となる。
[0005] 一方、内燃機関のピストンや、三元触媒、酸化触媒、 NOx吸蔵還元型触媒等の触 媒、あるいは DPF等の排ガス浄化装置への灰分堆積を抑制するためには、一般的 に潤滑油中の金属系清浄剤の配合量を低減することが必要とされるが、単に金属系 清浄剤の配合量を低減すると酸中和特性や高温清浄性を損なうことになる。
[0006] 更に、上記の触媒、特に NOx吸蔵還元型触媒に関し、硫黄による被毒の低減のた めに、燃料の低硫黄化(例えば硫黄分 50質量 ppm以下の軽油や硫黄分 10質量 pp
m以下のガソリン等)の検討が急速に進められ、その効果が期待されているが、その ような低硫黄燃料を使用する内燃機関においては、潤滑油中の硫黄分が触媒に与 える影響が相対的に大きくなる。したがって、潤滑油における硫黄含有化合物の更な る増量は好ましくなぐ潤滑油中の硫黄分を低減することが肝要である。
[0007] そこで、上記従来の潤滑油における問題点を解消し、十分なロングドレインィ匕を達 成するための検討がなされている。例えば、特許文献 2には特定のリン化合物を配合 した潤滑油組成物が、特許文献 3には ZDTPの含有量を低減するとともにサリシレー トとスルホネートとリン含有摩耗防止剤とを併用した潤滑油組成物が、特許文献 4に は特定のリン化合物と硫黄含有有機モリブデン錯体とを併用した潤滑油組成物が、 それぞれ開示されている。
特許文献 1 :特開平 8— 302378号公報
特許文献 2 :特開 2002— 294271号公報
特許文献 3 :特開 2003— 277781号公報
特許文献 4 :特開 2004— 83891号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] し力、しながら、上記従来の潤滑油組成物であっても、十分なロングドレイン化を達成 するためには未だ改善の余地がある。特に、 MoDTCなどの有機モリブデン化合物 は、単独で高度精製基油に配合しても十分な効果を示さないため、無灰酸化防止剤 の併用が必須となる。更に、有機モリブデン化合物と無灰酸化防止剤とを併用した場 合であっても、酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性の 全てを十分に向上させることは困難である。
[0009] また、上記特許文献:!〜 3に記載の潤滑油組成物は、 ZDTPを配合した従来の潤 滑油と比べると著しいロングドレインィ匕を達成することができるものである力 本発明 者の検討によれば、これらの潤滑油組成物であっても、酸化防止性、塩基価維持性 、高温清浄性及び NOxに対する耐性の全てをバランスよく且つ十分に向上させるこ と、特に NOxに対する酸価増加の抑制効果を向上させるためには未だ改善の余地 力 Sある。
[0010] 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、潤滑油に十分なロングドレ イン性を付与することが可能な酸化防止剤組成物、並びに十分なロングドレイン性、 特に NOxに対する酸価増加の抑制性能を有する潤滑油組成物を提供することを目 的とする。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の芳香族成分と 有機モリブデン化合物とを併用することによって上記課題が解決されることを見出し、 本発明を完成するに至った。
[0012] すなわち、本発明は、下記(al)〜(a5) :
(al)基油全量基準で 0. 01質量%以上の多環芳香族分を含有する潤滑油基油
(a2)基油全量基準で 20〜100質量%の全芳香族分を含有する潤滑油基油
(a3)芳香族系溶剤
(a4)アルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を有する化合物から選ばれる少な くとも 1種の多環芳香族化合物
(a5)窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族化合物
力 選ばれる少なくとも 1種の芳香族成分と、
有機モリブデン化合物と、
を含有することを特徴とする潤滑油組成物を提供する。
[0013] なお、本発明でいう「多環芳香族分」及び後述する「単環芳香族分」とは、それぞれ Hirsch, D. E. , Anal. Chem. , 44, ρ915 (1972)に開示される方法に準拠して 測定された多環芳香族分及び単環芳香族分を意味する。また、本発明でいう「全芳 香族分」とは、 ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fractio n)の含有量を意味する。かかる芳香族留分には、単環芳香族化合物及び多環芳香 族化合物の双方が包含される。より具体的には、アルキルベンゼン、アルキルナフタ レンの他、アントラセン、フエナントレン及びこれらのアルキル化物、ベンゼン環が四 環以上縮合した化合物、並びにピリジン類、キノリン類、フエノール類、ナフトール類 等のへテロ芳香族環を有する化合物などが含まれる。
[0014] また、上記有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチォカーバメート、モリブデ
ンジチォホスフェート、モリブデン アミン錯体、モリブデンーコハク酸イミド錯体、有 機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩等の有機モリブデン化合物が挙げら れ、これらの中では構成要素として硫黄を含有しない有機モリブデンィ匕合物が好まし く、中でも構成要素として硫黄を含有しなレ、、モリブデン—アミン錯体、有機酸のモリ ブデン塩、アルコールのモリブデン塩がさらに好ましい。
[0015] 本発明の潤滑油組成物における有機モリブデン化合物の含有量は、組成物全量 を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは 10〜: 1000質量 ppmである。
[0016] 本発明の潤滑油組成物によれば、上記特定の芳香族成分と有機モリブデン化合 物、特に構成要素として硫黄を含有しなレ、有機モリブデン化合物を併用することで、 無灰酸化防止剤を併用しない場合であっても酸化防止性、塩基価維持性、高温清 浄性及び N〇xに対する耐性を高水準でバランスよく達成することができ、特に、 NO Xに対する耐性を飛躍的に向上させることができる。この効果は、特に全芳香族分が 10質量%以下の基油、例えば API Grill基油(飽和分 90質量%以上、粘度指数 1 20以上、硫黄分 0. 05質量%以下)等の高度精製鉱油やポリ α—才レフイン系基油 等の低芳香族分又は本質的に芳香族分を含まない潤滑油基油を使用した場合に顕 著に発現される。
[0017] また、本発明は、好ましい潤滑油組成物として、基油全量基準で 0. 01質量%以上 の多環芳香族分を含有する潤滑油基油(上記 (al)成分)と、構成元素として硫黄を 含まない有機モリブデンィ匕合物と、を含有することを特徴とする潤滑油組成物 (以下 、便宜的に「第 1の潤滑油組成物」という。)を提供する。
[0018] 上記第 1の潤滑油組成物によれば、上記特定量の多環芳香族分を含有する潤滑 油基油と構成元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物とを併用することで、 硫黄含有過酸化物分解剤や特定の金属系清浄剤を組み合わせなくても、酸化防止 性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性を高水準でバランスよく達成 することができ、特に、 NOxに対する耐性を飛躍的に向上させることができる。第 1の 潤滑油組成物による上述の効果は、高度精製処理等により潤滑油基油の芳香族分 をできるだけ低減することが望ましレ、とする従来の技術水準からみて、極めて予想外 の効果であると言える。
[0019] 上記第 1の潤滑油組成物は、低硫黄燃料、特に硫黄分 100質量 ppm以下の燃料 が用いられる内燃機関に好適に用いることができる。すなわち、このような低硫黄燃 料を使用する内燃機関においては、燃焼ガス中の SOx分を低減することができ、酸 化触媒、三元触媒、 NOx吸蔵還元型触媒等の触媒に対する硫黄被毒の低減だけ でなぐ潤滑油中への SOx分の混入を低減して潤滑油の劣化を抑制することができ る。そのため、従来の ZDTP配合油よりも低硫黄化が可能な第 1の潤滑油組成物を 用いれば、潤滑油に由来する上記触媒に対する硫黄被毒を更に低減することができ 、また、酸化安定性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性の全てを 極めて高いレベルで達成することができ、したがって、第 1の潤滑油組成物と低硫黄 燃料とを内燃機関に使用することによりそのメリット (排ガス浄化、触媒の長寿命化及 び潤滑油のロングドレイン化並びにそれらに基づくコスト'廃油量の削減及び省資源 化等)を最大限に発揮させることができるようになる。
[0020] また、第 1の潤滑油組成物に含まれる有機モリブデン化合物は、モリブデンーァミン 錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩から選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。力かる有機モリブデン化合物を用いることにより、上述した 第 1の潤滑油組成物による効果を一層高水準で達成することができる。
[0021] また、第 1の潤滑油組成物は、連鎖停止型酸化防止剤を更に含有することが好まし レ、。これにより、潤滑油組成物の酸化防止性がより高められるため、本発明における 塩基価維持性及び高温清浄性をより高めることができる。
[0022] また、第 1の潤滑油組成物は、下記一般式(2)又は(3)で表されるリンィ匕合物並び にそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を除く)及びアミン塩から選ばれる少なくとも 1 種のリン系添加剤を更に含有することが好ましい。力、かるリン系添加剤を上記有機モ リブデンィ匕合物と共に含有せしめることにより、酸化防止性、塩基価維持性、高温清 浄性及び N〇xに対する耐性を一層高水準でバランスよく達成することができる。
[0023] [化 1] r1一 (x1)n一 P― X3
| 一 R3
(2)
X2一 R2
[式(2)中、 R1は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R2及び R3は同一でも異なって いてもよぐそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 X1、 X2及び X3は同一でも異なってもよぐそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を示し、 nは 0又は 1 を示し、 nが 0のとき X2又は X3のうちの少なくとも 1つは酸素原子であり、 nが 1のとき X] 、 X2又は X3のうちの少なくとも 1つは酸素原子である。 ]
[0024] [化 2]
X7 R 4 4— (X 4 4)n— I PI X e6一 R e6
I (3)
X5— R5
[式(3)中、 R4は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R5及び R6は同一でも異なって いてもよぐそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 X4、 X5、 X6 及び X7は同一でも異なってもよぐそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を示し、 nは 0又 は 1を示し、 nが 0のとき X5、 X6又は X7のうち少なくとも 2つは酸素原子であり、 nが 1の とき X4、 X5、 X6又は X7のうちの少なくとも 3つは酸素原子である。 ]
[0025] また、この場合、リン系添加剤が下記一般式 (4)又は(5)で表されるリンィ匕合物及 びそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を除く)から選ばれる少なくとも 1種であること が好ましい。
[式 (4)中、 R1は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R2及び R3は同一でも異なって レ、てもよく、それぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 nは 0又は 1 を示す。 ]
[0027] [化 4]
O
R4一 (0)n— P O R1 6
(5)
O R5
[式(5)中、 R4、 R5及び R6は同一でも異なっていてもよぐそれぞれ水素原子又は炭 素数:!〜 30の炭化水素基を示し、 nは 0又は 1を示す。 ]
[0028] また、第 1の潤滑油組成物においては、構成元素として硫黄を含有する各種添カロ 剤を、本発明の効果が著しく阻害されない限り含有させることができるが、その含有 量は、組成物全量を基準として、硫黄元素換算で 0. 1質量%以下であることが好ま しい。ここで、本発明でいう「構成元素として硫黄を含有する添加剤」には、上記一般 式(2)又は(3)中の Xi X7の一部又は全部が硫黄原子であるリンィ匕合物あるいはそ の金属塩又はアミン塩、 ZDTP、ジチォリン酸金属塩、ジチォ力ルバミン酸エステル 又はその金属塩、硫化油脂、ジスルフイド、硫化ォレフィン類等の硫黄含有摩耗防止 剤などが包含される。また、これらの硫黄を含有する添加剤は希釈油等の混合物とし て配合されることがある力 本発明でいう「構成元素として硫黄を含有する添加剤の 含有量」とは希釈油等を除いた有効成分の含有量を意味する。更に、「構成元素とし て硫黄を含有する添加剤の含有量が、組成物全量を基準として、硫黄元素換算で 0 . 1質量%以下であること」とは、本発明の潤滑油組成物を構成する潤滑油基油及び 添加剤の希釈油以外の成分に含まれる硫黄の総量が、組成物全量を基準として、硫 黄元素換算で 0. 1質量%以下であることを意味し、更に換言すれば、 [ (組成物全体 の硫黄分) - (潤滑油基油及び希釈油に由来する硫黄分) ]で表される値 (単位:質 量%)である。
[0029] また、第 1の潤滑油組成物にぉレ、ては、潤滑油基油の硫黄分が潤滑油基油全量を 基準として 0. 005質量%以下であることが好ましい。硫黄分が 0. 005質量%以下の 潤滑油基油を用いることにより、第 1の潤滑油組成物による上述の効果を一層高水 準で達成することができる。
[0030] なお、本発明でいう「硫黄分」とは、 JIS K 2541— 4「放射線式励起法」(通常、 0 . 01〜5質量%の範囲)又は JIS K 2541— 5「ボンべ式質量法、附属書(規定)、
誘導結合プラズマ発光法」(通常、 0. 05質量%以上)に準拠して測定された値を意 味し、構成元素として硫黄を含有する添加剤の硫黄元素換算での含有量は、 [潤滑 油組成物全体の硫黄分]及び [潤滑油基油及び希釈剤に由来する硫黄分]をそれぞ れ測定し、前者の測定値から後者の測定値を減じることにより求められる。また、構成 元素として硫黄を含有する添加剤の硫黄含有量を直接求める方法としては、添加剤 の有効成分と潤滑油及び希釈油とを分離し、有効成分について、上記の方法に準 拠して硫黄分を測定する方法がある。潤滑油組成物又は添加剤中の有効成分と潤 滑油基油及び希釈油との分離は、ゴム膜透析やクロマトグラフィー等の常法により行 うことができる(例えば、八木下ら、 日石三菱レビュー 第 41卷 第 4号 第 25〜34頁 (1999年 10月発行)を参照)。また、硫黄分が上記方法の通常の測定限界以下であ る場合は、標準物質の濃度を適宜変更した測定により得られる検量線力 容易に求 めること力できる。
[0031] また、本発明は、好ましい潤滑油組成物として、全芳香族分が基油全量基準で 20 〜100質量%である潤滑油基油(上記 (a2)成分)と、全芳香族分が基油全量基準で 20質量%未満である潤滑油基油と、有機モリブデン化合物と、を含有することを特徴 とする潤滑油組成物(以下、便宜的に「第 2の潤滑油組成物」という。)を提供する。
[0032] また、本発明は、全芳香族分が基油全量基準で 20〜: 100質量%である潤滑油基 油(上記 (a2)成分)と、有機モリブデン化合物と、を含有することを特徴とする酸化防 止剤組成物(以下、便宜的に「第 1の酸化防止剤組成物」という。)を提供する。
[0033] 上記第 1の酸化防止剤組成物によれば、有機モリブデン化合物と全芳香族分が 20 〜100質量%の潤滑油基油とを併用することで、無灰酸化防止剤を併用せずとも、 有機モリブデン化合物の酸化防止性を有効に発揮させることが可能となる。そして、 第 1の酸化防止剤組成物と併用される潤滑油基油の芳香族分によらず、潤滑油の酸 化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性を高水準でバランス よく達成することが可能となる。
[0034] また、第 1の酸化防止剤組成物は、潤滑油の製造工程の簡略化、及び有機モリブ デン化合物の潤滑油からの析出の防止の点で非常に有用である。すなわち、酸化防 止剤として使用される有機モリブデン化合物の多くは常温で固体であり、高度精製基
油に対する溶解性が低いものである。そのため、従来の潤滑油の製造工程では、有 機モリブデン化合物の溶解に多くの時間や煩雑な操作を要し、また、製造後の潤滑 油から有機モリブデン化合物が析出しやすいなどの問題があった。これに対して、第 1の酸化防止剤組成物においては、全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油が 有機モリブデン化合物に対して十分な溶解性を示すものであるため、有機モリブデン 化合物は当該潤滑油基油に溶解した状態で潤滑油に添加されることになる。そのた め、第 1の酸化防止剤組成物を添加する潤滑油が高度精製基油を含むものであって も、有機モリブデン化合物を潤滑油中に十分に溶解させることでき、また、かかる有 機モリブデン化合物の溶解状態を安定的に保持することができる。
[0035] 第 1の酸化防止剤組成物は、上述の通り、併用される潤滑油基油の芳香族分によ らず、優れた酸化防止性を発揮することが可能なものであるが、上記第 2の潤滑油組 成物のように、全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油と併用する場合にその効 果を最大限に発揮することができる。
[0036] 第 2の潤滑油組成物及び第 1の酸化防止剤組成物においては、全芳香族分が 20 〜100質量%の潤滑油基油の 100°Cにおける動粘度が 5mm2/s以上であることが 好ましレ、。力かる動粘度を有する潤滑油基油を用いることにより、蒸発性を抑制出来 ると共に、酸化安定性向上効果を維持しやすい。
[0037] また、第 2の潤滑油組成物及び第 1の酸化防止剤組成物に係る有機モリブデンィ匕 合物は構成元素として硫黄を含まなレ、ことが好ましレ、。このような有機モリブデン化合 物を用いることにより、一層高水準のロングドレイン性を達成することができる。
[0038] また、第 1の酸化防止剤組成物においては、有機モリブデン化合物の含有量が、 酸化防止剤組成物全量を基準として、モリブデン元素換算で 0.:!〜 20質量%であ ることが好ましい。有機モリブデン化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、潤 滑油のロングドレイン化、製造工程の簡略化、及び有機モリブデン化合物の潤滑油 力、らの析出の防止をより高水準で達成することができる。
[0039] また、本発明は、好ましい潤滑油組成物として、全芳香族分が 20〜: 100質量%の 第 1の潤滑油基油(上記 (a2)成分)と、全芳香族分が 10質量%以下の第 2の潤滑油 基油と、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物と、を含有し、第 1及び
第 2の潤滑油基油の合計量に占める第 1の潤滑油基油の割合力 1質量%以上である ことを特徴とする潤滑油組成物(以下、便宜的に「第 3の潤滑油組成物」とレ、う。 )を提 供する。
[0040] 上記第 3の潤滑油組成物によれば、第 1の潤滑油基油と第 2の潤滑油基油と構成 元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物とを併用し、且つ第 1及び第 2の潤 滑油基油の合計量に占める第 1の潤滑油基油の割合が上記条件を満たすようにす ることで、硫黄含有過酸化物分解剤や特定の金属系清浄剤を組み合わせなくても、 酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性を高水準でバラン スよく達成することができ、特に、 N〇xに対する耐性を飛躍的に向上させることができ る。このような本発明による効果は、高度精製処理等により潤滑油基油の芳香族分を できるだけ低減することが望ましいとする従来の技術水準からみて、極めて予想外の 効果であると言える。
[0041] また、第 3の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、低硫黄 燃料、特に硫黄分 100質量 ppm以下の燃料が用いられる内燃機関に好適に用いる こと力 Sできる。
[0042] また、第 3の潤滑油組成物に含まれる有機モリブデン化合物は、上記第 1の潤滑油 組成物と同様の理由で、モリブデン アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコ ールのモリブデン塩から選ばれる少なくとも 1種であることが好ましい。
[0043] また、第 3の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、連鎖停 止型酸化防止剤を更に含有することが好ましい。
[0044] また、第 3の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、上記一 般式(2)又は(3)で表されるリンィ匕合物並びにそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を 除く)及びアミン塩から選ばれる少なくとも 1種のリン系添加剤を更に含有することが 好ましい。
[0045] また、この場合、リン系添加剤が上記一般式 (4)又は(5)で表されるリンィ匕合物及 びそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を除く)から選ばれる少なくとも 1種であること が好ましい。
[0046] また、第 3の潤滑油組成物においては、構成元素として硫黄を含有する各種添カロ
剤を、本発明の効果が著しく阻害されない限り含有させることができるが、その含有 量は、組成物全量を基準として、硫黄元素換算で 0. 1質量%以下であることが好ま しい。
[0047] また、第 3の潤滑油組成物においては、第 2の潤滑油基油の硫黄分が 0. 005質量 %以下であることが好ましい。硫黄分が 0. 005質量%以下の第 2の潤滑油基油を用 レ、ることにより、上述した本発明による効果を一層高水準で達成することができる。
[0048] また、第 3の潤滑油組成物は、全芳香族分が 20〜: 100質量%の第 1の潤滑油基油
(上記 (a2)成分)と、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物とを混合 する第 1のステップと、第 1のステップで得られる混合物と、全芳香族分が 10質量% 以下の第 2の潤滑油基油又は第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油とを、第 1及び 第 2の潤滑油基油の合計量に占める第 1の潤滑油基油の割合力 S1質量%以上となる ように混合する第 2のステップと、を備える潤滑油組成物の製造方法により好適に得 ること力 Sできる。
[0049] 本発明にかかる構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物は、第 2の潤 滑油基油よりも第 1の潤滑油基油に対して高い溶解性を示す。そのため、上記第 1及 び第 2のステップに示す順序で各成分を混合することにより、当該有機モリブデン化 合物の基油への溶解に要する時間を十分に短縮することができ、また、当該有機モ リブデンィ匕合物の潤滑油基油中での均一性及び安定性を高めることができる。このよ うに上記製造方法は、第 3の潤滑油組成物の製造効率の向上と、得られる第 3の潤 滑油組成物の品質の向上とを両立できる点で非常に有用である。
[0050] また、本発明は、好ましレ、潤滑油組成物として、潤滑油基油と、有機モリブデンィ匕 合物と、芳香族系溶剤(上記 (a3)成分)と、を含有することを特徴とする潤滑油組成 物(以下、便宜的に「第 4の潤滑油組成物」という。)を提供する。
[0051] また、本発明は、有機モリブデン化合物と、芳香族系溶剤(上記 (a3)成分)と、を含 有することを特徴とする酸化防止剤組成物(以下、便宜的に「第 2の酸化防止剤組成 物」という。)を提供する。
[0052] 上記第 2の酸化防止剤組成物によれば、有機モリブデン化合物と芳香族系溶剤と を併用することで、無灰酸化防止剤を併用せずとも、有機モリブデン化合物の酸化
防止性を有効に発揮させることが可能となる。そして、第 2の酸化防止剤組成物と併 用される潤滑油基油の芳香族分によらず、潤滑油の酸化防止性、塩基価維持性、高 温清浄性及び N〇xに対する耐性を高水準でバランスよく達成することが可能となる。
[0053] また、第 2の酸化防止剤組成物は、上記第 1の酸化防止剤組成物と同様の理由で 、潤滑油の製造工程の簡略化、及び有機モリブデン化合物の潤滑油からの析出の 防止の点で非常に有用である。
[0054] また、上記第 4の潤滑油組成物によれば、第 2の酸化防止剤組成物を含有すること により、十分なロングドレイン化を達成することが可能となる。
[0055] 第 4の潤滑油組成物及び第 2の酸化防止剤組成物にぉレ、ては、有機モリブデンィ匕 合物が構成元素として硫黄を含まなレ、ことが好ましレ、。このような有機モリブデン化合 物を用いることにより、一層高水準のロングドレイン性を達成することができる。
[0056] また、第 4の潤滑油組成物及び第 2の酸化防止剤組成物においては、芳香族系溶 剤が 0°Cで流動性を有する 2環以上の芳香族化合物又は 2つ以上の芳香族環を有 する芳香族化合物を含有することが好ましい。このような芳香族系溶剤を用いること により、ロングドレイン性の向上、潤滑油の製造工程の簡略化、及び有機モリブデン 化合物の潤滑油からの析出の防止をより高水準で達成することができる。
[0057] また、当該芳香族系溶剤は、アルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を有する 化合物から選ばれる少なくとも 1種の多環芳香族化合物(上記 (a4)成分)を含有する ことが好ましい。このような多環芳香族化合物を含有する芳香族系溶剤を用いること により、一層高水準のロングドレイン性を達成することができる。
[0058] また、第 2の酸化防止剤組成物においては、上記第 1の酸化防止剤組成物と同様 の理由で、有機モリブデン化合物の含有量が、組成物全量を基準として、モリブデン 元素換算で 0.:!〜 20質量%であることが好ましい。
[0059] また、本発明は、好ましレ、潤滑油組成物として、潤滑油基油と、有機モリブデンィ匕 合物と、アルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を有する化合物から選ばれる 少なくとも 1種の多環芳香族化合物 (上記 (a4)成分)と、を含有することを特徴とする 潤滑油組成物(以下、便宜的に「第 5の潤滑油組成物」という。)を提供する。
[0060] 上記第 5の潤滑油組成物によれば、有機モリブデン化合物と上記特定の多環芳香
族化合物とを併用することで、硫黄含有過酸化物分解剤や特定の金属系清浄剤を 組み合わせなくても、酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する 耐性を高水準でバランスよく達成することができ、特に、 NOxに対する耐性を飛躍的 に向上させることができる。第 5の潤滑油組成物による上述の効果は、高度精製処理 等により潤滑油基油の芳香族分をできるだけ低減することが望ましいとする従来の技 術水準からみて、極めて予想外の効果であると言える。
[0061] また、第 5の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、低硫黄 燃料、特に硫黄分 100質量 ppm以下の燃料が用レ、られる内燃機関に好適に用いる こと力 Sできる。
[0062] また、第 5の潤滑油組成物に含まれる有機モリブデン化合物は、上記第 1の潤滑油 組成物と同様の理由で、構成元素として硫黄を含まないことが好ましぐモリブデン一 アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩から選ばれる少な くとも 1種であることがより好ましい。
[0063] また、第 5の潤滑油組成物にぉレ、て、多環芳香族化合物の含有量は、潤滑油基油 100質量部に対して 0. 05〜5質量部であることが好ましい。多環芳香族化合物の含 有量を上記範囲内とすることにより、第 5の潤滑油組成物による上述の効果をより有 ¾に得ることができる。
[0064] また、第 5の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、連鎖停 止型酸化防止剤を更に含有することが好ましい。
[0065] また、第 5の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、上記一 般式(2)又は(3)で表されるリンィ匕合物並びにそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を 除く)及びアミン塩から選ばれる少なくとも 1種のリン系添加剤を更に含有することが 好ましい。
[0066] また、この場合、リン系添加剤が上記一般式 (4)又は(5)で表されるリンィ匕合物及 びそれらの金属塩 (但し、モリブデン塩を除く)から選ばれる少なくとも 1種であること が好ましい。
[0067] また、第 5の潤滑油組成物においては、構成元素として硫黄を含有する各種添カロ 剤を、本発明の効果が著しく阻害されない限り含有させることができるが、その含有
量は、組成物全量を基準として、硫黄元素換算で 0. 1質量%以下であることが好ま しい。
[0068] また、第 5の潤滑油組成物においては、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、 潤滑油基油の硫黄分が潤滑油基油全量を基準として 0. 005質量%以下であること が好ましい。
[0069] また、本発明は、好ましレ、潤滑油組成物として、潤滑油基油と、有機モリブデンィ匕 合物と、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族化合物(上記 (a5)成分) とを含有することを特徴とする潤滑油組成物(以下、便宜的に「第 6の潤滑油組成物」 という。)を提供する。
[0070] なお、本発明でいう「芳香族環」には、芳香族炭素環及び芳香族複素環の双方が 包含される。
[0071] 上記第 6の潤滑油組成物においては、有機モリブデン化合物と上記特定の芳香族 化合物とを併用することで、硫黄含有過酸化物分解剤や特定の金属系清浄剤を組 み合わせなくても、酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐 性を高水準でバランスよく達成することができ、特に、 N〇xに対する耐性を飛躍的に 向上させることができる。
[0072] 第 6の潤滑油組成物においては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香 族化合物が下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
[0073] [化 5]
(R)a— A— (X)b (1)
[式中、 Aは芳香族環を示し、 Xは少なくとも 1つの窒素原子、酸素原子又は硫黄原 子を有する 1価の官能基を示し、 Rは炭素数 1〜40の有機基(但し、 tert—ブチル基 を除く)を示し、 aは 1以上の整数を示し、 Aが芳香族炭素環のとき bは 1以上の整数を 示し、 Aが芳香族複素環のとき bは 0又は 1以上の整数を示す。 ]
[0074] また、上記一般式(1)における Xは SH基、 OH基又は NH基であることが好ましい
2
[0075] また、第 6の潤滑油組成物は、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、低硫黄
燃料、特に硫黄分 100質量 ppm以下の燃料が用いられる内燃機関に好適に用いる こと力 Sできる。
[0076] 第 6の潤滑油組成物においては、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、有機 モリブデン化合物が構成元素として硫黄を含有しないことが好ましい。
[0077] また、第 6の潤滑油組成物においては、上記第 1の潤滑油組成物と同様の理由で、 潤滑油基油の硫黄分が潤滑油基油全量を基準として 0. 005質量%以下であること が好ましい。
発明の効果
[0078] 本発明によれば、潤滑油に十分なロングドレイン性、特に N〇xに対する酸価増加 の抑制性能を付与することが可能な酸化防止剤組成物、並びに十分なロングドレイ ン性、特に N〇xに対する酸価増加の抑制性能を有する潤滑油組成物が提供される 発明を実施するための最良の形態
[0079] 以下、本発明の実施形態(I)について詳細に説明する。
[0080] 本発明の潤滑油組成物は、特定の芳香族成分と有機モリブデン化合物を含有する ものであり、特定の芳香族成分としては、下記(al)〜(a5):
(al)基油全量基準で 0. 01質量%以上の多環芳香族分を含有する潤滑油基油 (a2)基油全量基準で 20〜100質量%の全芳香族分を含有する潤滑油基油 (a3)芳香族系溶剤
(a4)アルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を有する化合物から選ばれる少な くとも 1種の多環芳香族化合物
(a5)窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族化合物
力 選ばれる少なくとも 1種の芳香族成分である。なお、上記(al)〜(a5)の詳細に ついては、好適な実施形態(第 1〜第 6実施形態)の詳細説明の項で後述する。
[0081] また、上記有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチォカーバメート、モリブデ ンジチォホスフェート、モリブデン アミン錯体、モリブデンーコハク酸イミド錯体、有 機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩等の有機モリブデン化合物が挙げら れ、これらの中では構成要素として硫黄を含有しない有機モリブデン化合物が好まし
く、中でも構成要素として硫黄を含有しない、モリブデン アミン錯体、有機酸のモリ ブデン塩、アルコールのモリブデン塩がさらに好ましい。
[0082] 上記モリブデン アミン錯体を構成するモリブデン化合物としては、三酸化モリブデ ン又はその水和物(Μο〇 ·ηΗ 0)、モリブデン酸(Η ΜοΟ )、モリブデン酸アル力
3 2 2 4
リ金属塩(Μ Μο04 ; Μはアルカリ金属を示す)、モリブデン酸アンモニゥム((ΝΗ )
2 4
2ΜοΟ又は(ΝΗ ) [Mo O ] ·4Η Ο)、 MoCl、 MoOCl、 MoO CI、 MoO Br
4 4 6 7 24 2 5 4 2 2 2 2
、 Mo O CI等の硫黄を含まないモリブデン化合物等が挙げられる。これらのモリブ
2 3 6
デン化合物の中でも、モリブデン—アミン錯体の収率の点から、 6価のモリブデンィ匕 合物が好ましい。更に、入手性の点から、 6価のモリブデン化合物の中でも、三酸化 モリブデン又はその水和物、モリブデン酸、モリブデン酸アルカリ金属塩、及びモリブ デン酸アンモニゥムが好ましレ、。
[0083] また、モリブデン一アミン錯体を構成するァミン化合物としては、特に制限されない 1S 窒素化合物としては、具体的には、モノアミン、ジァミン、ポリアミン及びアルカノ ールァミンが挙げられる。より具体的には、メチノレアミン、ェチルァミン、プロピルアミン 、ブチルァミン、ペンチルァミン、へキシルァミン、ヘプチルァミン、ォクチルァミン、ノ ニルァミン、デシルァミン、ゥンデシルァミン、ドデシルァミン、トリデシルァミン、テトラ デシノレアミン、ペンタデシルァミン、へキサデシルァミン、ヘプタデシルァミン、ォクタ デシノレアミン、ジメチルァミン、ジェチルァミン、ジプロピルァミン、ジブチルァミン、ジ ペンチルァミン、ジへキシルァミン、ジヘプチルァミン、ジォクチルァミン、ジノニルアミ ン、ジデシルァミン、ジゥンデシルァミン、ジドデシルァミン、ジトリデシルァミン、ジテト ラデシルァミン、ジペンタデシルァミン、ジへキサデシルァミン、ジヘプタデシルァミン 、ジォクタデシルァミン、メチルェチルァミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミ ン、ェチルプロピルアミン、ェチルブチルァミン、及びプロピルブチルァミン等の炭素 数 1〜 30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよレ、)を有する アルキルァミン;エテュルァミン、プロぺニルァミン、ブテュルァミン、オタテュルアミン 、及びォレイルァミン等の炭素数 2〜 30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直 鎖状でも分枝状でもよレ、)を有するアルケニルァミン;メタノールァミン、エタノーノレアミ ン、プロパノールァミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、へキサノールァミン、
ヘプタノールアミン、ォクタノールァミン、ノナノールァミン、メタノールエタノールァミン 、メタノールプロパノールァミン、メタノールブタノールァミン、エタノールプロパノール ァミン、エタノールブタノールァミン、及びプロパノールブタノールァミン等の炭素数 1 〜30のアル力ノール基(これらのアル力ノール基は直鎖状でも分枝状でもよレ、)を有 するアルカノールァミン;メチレンジァミン、エチレンジァミン、プロピレンジァミン、及 びブチレンジァミン等の炭素数 1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジァミン;ジ エチレントリァミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンへ キサミン等のポリアミン;ゥンデシルジェチルァミン、ゥンデシルジェタノールァミン、ド デシルジプロパノールァミン、ォレイルジェタノールァミン、ォレイルプロピレンジアミ ン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジァミン、ポリアミンに炭 素数 8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やイミダゾリン等の複素 環化合物;これらの化合物のアルキレンォキシド付加物;及びこれらの混合物等が例 示できる。これらのァミン化合物の中でも、第 1級ァミン、第 2級ァミン及びアルカノー ルァミンが好ましい。
[0084] モリブデン アミン錯体を構成するァミン化合物が有する炭化水素基の炭素数は、 好ましくは 4以上であり、より好ましくは 4〜30であり、特に好ましくは 8〜: 18である。ァ ミン化合物の炭化水素基の炭素数が 4未満であると、溶解性が悪化する傾向にある。 また、アミンィ匕合物の炭素数を 30以下とすることにより、モリブデン一アミン錯体にお けるモリブデン含量を相対的に高めることができ、少量の配合で第 1実施形態に係る 潤滑油組成物の効果をより高めることができる。
[0085] また、モリブデン—コハク酸イミド錯体としては、上記モリブデン—アミン錯体の説明 におレ、て例示されたような硫黄を含まなレ、モリブデン化合物と、炭素数 4以上のアル キル基又はアルケニル基を有するコハク酸イミドとの錯体が挙げられる。コハク酸イミ ドとしては、無灰分散剤の項で述べる炭素数 40〜400のアルキル基又はアルケニル 基を分子中に少なくとも 1個有するコハク酸イミドあるいはその誘導体や、炭素数 4〜 39、好ましくは炭素数 8〜: 18のアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸イミド 等が挙げられる。コハク酸イミドにおけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数が 4 未満であると溶解性が悪化する傾向にある。また、炭素数 30を超え 400以下のアル
キル基又はアルケニル基を有するコハク酸イミドを使用することもできる力 当該アル キル基又はアルケニル基の炭素数を 30以下とすることにより、モリブデンーコハク酸 イミド錯体におけるモリブデン含有量を相対的に高めることができ、少量の配合で第 1実施形態に係る潤滑油組成物の効果をより高めることができる。
[0086] また、有機酸のモリブデン塩としては、上記モリブデン—アミン錯体の説明において 例示されたモリブデン酸化物あるいはモリブデン水酸化物、モリブデン炭酸塩又はモ リブデン塩化物等のモリブデン塩基と、有機酸との塩が挙げられる。有機酸としては、 一般式 (4)又は(5)で表されるリンィ匕合物及びカルボン酸が好ましい。ここで、一般 式 (4)又は(5)で表されるリンィ匕合物のモリブデン塩における一般式 (4)、 (5)の好ま しい態様については、後述するリン系添加剤の場合と同様とすることができる。
[0087] また、カルボン酸のモリブデン塩を構成するカルボン酸としては、一塩基酸又は多 塩基酸のレ、ずれであってもよレ、。
[0088] 一塩基酸としては、炭素数が通常 2〜30、好ましくは 4〜24の脂肪酸が用いられ、 その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよぐまた飽和のものでも不飽和のもの でもよレ、。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸 、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のへキサン酸、直鎖状又は 分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン 酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のゥンデカン酸、直鎖状又は 分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラ デカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のへキサデカン 酸、直鎖状又は分岐状のへプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のォクタデカン酸、直 鎖状又は分岐状のヒドロキシォクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直 鎖状又は分岐状のィコサン酸、直鎖状又は分岐状のへンィコサン酸、直鎖状又は分 岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコ サン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分 岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のへキセン酸、直鎖状又は分岐状のへプテ ン酸、直鎖状又は分岐状のオタテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は 分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のゥンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデ
セン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直 鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のへキサデセン酸、直鎖状 又は分岐状のへプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のォクタデセン酸、直鎖状又は分 岐状のヒドロキシォクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分 岐状のィコセン酸、直鎖状又は分岐状のへンィコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコ セン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の 不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。
[0089] また、一塩基酸としては、上記脂肪酸の他に、単環又は多環カルボン酸 (水酸基を 有していてもよい)を用いてもよぐその炭素数は、好ましくは 4〜30、より好ましくは 7 〜30である。単環又は多環カルボン酸としては、炭素数:!〜 30、好ましくは炭素数 1 〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基を 0〜3個、好ましくは:!〜 2個有する芳香族 カルボン酸又はシクロアルキルカルボン酸等が挙げられ、より具体的には、(アルキ ノレ)ベンゼンカルボン酸、 (アルキル)ナフタレンカルボン酸、(アルキル)シクロアルキ ルカルボン酸等が例示できる。単環又は多環カルボン酸の好ましい例としては、安息 香酸、サリチル酸、アルキル安息香酸、アルキルサリチル酸、シクロへキサンカルボン 酸等が挙げられる。
[0090] また、多塩基酸としては、二塩基酸、三塩基酸、四塩基酸等が挙げられる。多塩基 酸は鎖状多塩基酸、環状多塩基酸のいずれであってもよい。また、鎖状多塩基酸の 場合、直鎖状、分岐状のいずれであってもよぐまた、飽禾口、不飽和のいずれであつ てもよい。鎖状多塩基酸としては、炭素数 2〜: 16の鎖状二塩基酸が好ましぐ具体的 には例えば、エタンニ酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状 又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のへキサン二酸、直鎖状又は分岐 状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン 二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のゥンデカン二酸、直 鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は 分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のへプタデカン二酸、直鎖状又は分 岐状のへキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のへキセン二酸、直鎖状又は分岐状 のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオタテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネンニ
酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のゥンデセン二酸、直鎖 状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分 岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のへプタデセン二酸、直鎖状又は分岐 状のへキサデセン二酸、アルケニルコハク酸及びこれらの混合物等が挙げられる。ま た、環状多塩基酸としては、 1、 2—シクロへキサンジカルボン酸、 4—シクロへキセン _ 1 , 2 _ジカルボン酸の脂環式ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、 トリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸等 が挙げられる。
[0091] また、上記アルコールのモリブデン塩としては、上記モリブデン—アミン錯体の説明 におレ、て例示されたような硫黄を含まなレ、モリブデン化合物と、アルコールとの塩が 挙げられ、アルコールは 1価アルコール、多価アルコール、多価アルコールの部分ェ ステルもしくは部分エーテル化合物、水酸基を有する窒素化合物(アル力ノールアミ ン等)などのいずれであってもよい。なお、モリブデン酸は強酸であり、アルコールと の反応によりエステルを形成する力 当該モリブデン酸とアルコールとのエステルも 本発明でいうアルコールのモリブデン塩に包含される。
[0092] 一価アルコールとしては、通常炭素数:!〜 24、好ましくは:!〜 12、より好ましくは 1〜 8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分岐のものでもよく 、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよレ、。炭素数 1〜24のアルコー ノレとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロ パノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直 鎖状又は分岐状のへキサノール、直鎖状又は分岐状のへプタノール、直鎖状又は 分岐状のォクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカ ノール、直鎖状又は分岐状のゥンデ力ノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、 直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状 又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のへキサデ力ノール、直鎖状又 は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のォクタデカノール、直鎖状又は 分岐状のノナデ力ノール、直鎖状又は分岐状のィコサノール、直鎖状又は分岐状の ヘンィコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコ
サノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
[0093] また、多価アルコールとしては、通常 2〜: 10価、好ましくは 2〜6価のものが用いら れる。 2〜: 10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジ エチレングリコーノレ、ポリエチレングリコーノレ(エチレングリコーノレの 3〜15量体)、プ ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリ コールの 3〜: 15量体)、 1, 3 _プロパンジオール、 1, 2_プロパンジオール、 1, 3 - ブタンジオール、 1 , 4_ブタンジオール、 2_メチル _ 1 , 2_プロパンジオール、 2- メチル _ 1 , 3_プロパンジオール、 1 , 2_ペンタンジオール、 1 , 3 _ペンタンジォー ノレ、 1 , 4_ペンタンジオール、 1, 5 _ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等 の 2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの 2〜8量体、例えばジグリセリ ン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールェタン、ト リメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの 2〜8量体、ペンタエリスリ トール及びこれらの 2〜4量体、 1 , 2, 4—ブタントリオール、 1, 3, 5—ペンタントリオ ール、 1 , 2, 6—へキサントリオール、 1 , 2, 3, 4—ブタンテトロール、ソノレビトーノレ、ソ ノレビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アド二トール、ァラビトーノレ、キシリトール、マ ンニトール等の多価アルコール;キシロース、ァラビノース、リボース、ラムノース、グル コース、フノレクトース、ガラクトース、マンノース、ソノレボース、セロビオース、マノレトース 、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げら れる。
[0094] また、多価アルコールの部分エステルとしては、上記多価アルコールの説明におい て例示された多価アルコールが有する水酸基の一部がヒドロカルビルエステル化さ れた化合物等が挙げられ、中でもグリセリンモノォレート、グリセリンジォレート、ソルビ タンモノォレート、ソノレビタンジォレート、ペンタエリスリトーノレモノォレート、ポリエチレ ングリコールモノォレート、ポリグリセリンモノォレート等が好ましい。
[0095] また、多価アルコールの部分エーテルとしては、上記多価アルコールの説明にお いて例示された多価アルコールが有する水酸基の一部がヒドロカルビルエーテル化 された化合物、多価アルコール同士の縮合によりエーテル結合が形成された化合物 (ソルビタン縮合物等)などが挙げられ、中でも 3—ォクタデシルォキシ一1 , 2_プロ
パンジオール、 3—ォクタデセニルォキシー 1 , 2—プロパンジオール、ポリエチレング リコールアルキルエーテル等が好ましレ、。
[0096] また、水酸基を有する窒素化合物としては、上記モリブデン—アミン錯体の説明に おいて例示されたアルカノールァミン、並びに当該アル力ノールのアミノ基がアミドィ匕 されたアル力ノールアミド(ジエタノールアミド等)などが挙げられ、中でもステアリルジ エタノールァミン、ポリエチレングリコールステアリルァミン、ポリエチレングリコールジ ォレイルァミン、ヒドロキシェチルラウリルァミン、ォレイン酸ジエタノールアミド等が好 ましい。
[0097] 本発明の潤滑油組成物における有機モリブデン化合物の含有量は、組成物全量 を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは 10質量 ppm以上、より好ましくは 30 質量 ppm以上、更に好ましくは 100質量 ppm以上であり、また、好ましくは 1000質量 ppm以下、より好ましくは 600質量 ppm以下、更に好ましくは 400質量 ppm以下であ る。当該有機モリブデン化合物の含有量が、モリブデン元素換算で 10質量 ppm未満 の場合は、当該モリブデン化合物と上記潤滑油基油との併用による酸化防止性、塩 基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性の向上効果が不十分となる傾向に あり、また、 1000質量 ppmを超えても含有量の増加に見合う上記の向上効果が得ら れなぃ ί頃向にある。
なお、以下に説明する本発明の好適な実施形態である、第 1〜第 6実施形態に係 る潤滑油組成物における有機モリブデン化合物又は有機モリブデンを含む酸化防 止剤組成物の含有量は、特に明示しない限り、モリブデン元素換算量で規定した上 記の範囲であり、第 1〜第 6の各実施形態の項においては、重複する説明を省略す る。
[0098] 以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[0099] 本発明の第 1実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 1の潤滑油組成物であ り、基油全量基準で 0. 01質量%以上の多環芳香族分を含有する潤滑油基油(al) を含有する。構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物との併用により十 分なロングドレイン性を達成する点から、潤滑油基油の多環芳香族分は、基油全量 を基準として、 0. 01質量%以上であることが必要であり、 0. 1質量%以上であること
が好ましぐ 0. 5質量%以上であることがより好ましい。また、高温清浄性の点から、 潤滑油基油の多環芳香族分は、基油全量を基準として、 5質量%以下が好ましい。 更に、第 1実施形態に係る潤滑油組成物が連鎖停止剤を更に含有する場合、構成 元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物と連鎖停止剤との相乗作用を更に 高めるためには、 3質量%以下がより好ましぐ 1質量%以下が特に好ましい。
[0100] 基油全量基準で 0. 01質量%以上の多環芳香族分を含有する潤滑油基油(al)は 、以下に示す鉱油系基油又は合成系基油の 1種又は 2種以上で構成することができ る。
[0101] 鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧 蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、 水素化精製等の処理を 1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、 GTL WAX (ガストウリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等が例示 できる。
[0102] 鉱油系基油中の硫黄分は、特に制限はなレ、が、 0. 2質量%以下であることが好ま しく、 0. 1質量%以下であることがより好ましぐ 0. 05質量%以下であることが更に好 ましぐ 0. 01質量%以下であることが一層好ましぐ 0. 005質量%以下であることが 特に好ましい。このように鉱油系基油の硫黄分を低減することで、よりロングドレイン 性に優れ、内燃機関用潤滑油として使用した場合には、排ガス後処理装置への悪影 響を極力回避可能な低硫黄の潤滑油組成物を得ることができる。
[0103] 一方、合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物; 1 ォクテ ンオリゴマー、 1ーデセンオリゴマー等のポリ aーォレフイン又はその水素化物;ジ トリデシノレグノレタレート、ジ _ 2_ェチルへキシルアジペート、ジイソデシルアジペート 、ジトリデシノレアジペート、及びジ _ 2_ェチルへキシルセバケート等のジエステル; ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロール プロパンペラノレゴネート、ペンタエリスリトーノレ一 2—ェチノレへキサノエート、及びペン タエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステノレ;アルキルナフタレン、アルキ ルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例 示できる。
[0104] 第 1実施形態に係る潤滑油組成物においては、上記鉱油系基油又は上記合成系 基油のうちの 1種を単独で用いてもよぐあるいは 2種以上を組み合わせて用いてもよ レ、。ここで、鉱油系基油又は合成系基油の 2種以上を組み合わせる場合、混合基油 の多環芳香族分が 0. 01質量%以上であれば、その一部に多環芳香族分が 0. 01 質量%未満の基油が含まれていてもよい。
[0105] また、多環芳香族分が 0. 01質量%未満の潤滑油基油に多環芳香族化合物を追 添することにより、多環芳香族分が 0. 01質量%以上の潤滑油基油を得ることもでき る。追添する多環芳香族化合物としては、ナフタレン、ァセナフテン、アントラセン、フ ェナントレン、ベンゾアントラセン、ベンゾフエナントレン、タリセン、ピレン、ベンゾピレ ン、シクロペンタピレン、シクロペンタベンゾフエナントレン、ジベンゾアントラセン、フ ノレオレン、トリフエ二レン等、及びこれらのアルキル化物、あるいは石油含有アルキル 化多環芳香族化合物 (石油留分力 抽出されたアルキル多環芳香族化合物)などが 好適である。
[0106] また、第 1実施形態で用いられる潤滑油基油の単環芳香族分は、基油全量を基準 として、 35質量%以下が好ましぐ 25質量%以下がより好ましい。潤滑油基油の単環 芳香族分が上記上限値を超えると、高温清浄性が低下する傾向にある。
[0107] また、潤滑油基油の全芳香族分は、基油全量を基準として、 40質量%以下が好ま しぐ 28質量%以下がより好ましい。潤滑油基油の全芳香族分が上記上限値を超え ると、高温清浄性が低下する傾向にある。
[0108] また、潤滑油基油の動粘度は特に制限されないが、その 100°Cでの動粘度は、 20 mm2/s以下であることが好ましぐより好ましくは 10mm2/s以下である。一方、その 動粘度は、 lmm2/s以上であることが好ましぐより好ましくは 2mm2Zs以上である。 潤滑油基油の 100°Cでの動粘度が 20mm2/sを超える場合は、低温粘度特性が悪 化し、一方、その動粘度が lmm2Zs未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十 分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ 好ましくない。
[0109] また、潤滑油基油の粘度指数は特に制限されず、通常 200以下であるが、低温か ら高温まで優れた粘度特性が得られるように、その値は、 80以上であることが好ましく
、 100以上であることがより好ましぐ 120以上であることが更に好ましい。潤滑油基油 の粘度指数が 80未満である場合、低温粘度特性が悪化する傾向にある。また、潤滑 油基油の粘度指数は 160以下であることが好ましい。
[0110] また、潤滑油基油の蒸発損失量としては、 NOACK蒸発量で、 20質量%以下であ ることが好ましぐ 16質量%以下であることがさらに好ましぐ 10質量%以下であるこ とが特に好ましい。潤滑油基油の NOACK蒸発量が 20質量%を超える場合、潤滑 油の蒸発損失が大きいだけでなぐ内燃機関用潤滑油として使用した場合、組成物 中の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑油基油とともに排ガス浄化装 置へ堆積する恐れがあり、排ガス浄化性能への悪影響が懸念されるため好ましくな レ、。なお、本発明でレ、う NOACK蒸発量とは、 ASTM D5800に準拠して測定され たものである。
[0111] 第 1実施形態に係る潤滑油組成物においては、上記の潤滑油基油(al )に、構成 元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物が配合される。かかる有機モリブデ ン化合物としては、具体的には、モリブデン アミン錯体、モリブデンーコハク酸イミド 錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、 モリブデン アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩が好 ましぐその具体例及び好ましい例並びに好ましい含有量の範囲は、上記本発明の 実施形態 (I)の項で詳述した通りであり、ここでは重複する説明を省略する。
[0112] なお、本発明の第 1実施形態に係る潤滑油組成物は、酸化防止性、塩基価維持性 、高温清浄性及び NOxに対する耐性を高水準でバランスよく達成するために、上記 潤滑油基油(al )として全芳香族分が 10質量%以下である潤滑油基油、例えば API Grill基油(飽和分 90質量%以上、粘度指数 120以上、硫黄分 0. 05質量%以下) 等の高度精製鉱油や、ポリ aーォレフイン系基油等の本質的に芳香族分を含まない 潤滑油基油に対し、該高度精製鉱油の製造プロセスの調製等により多環芳香族分 を 0. 01質量%以上含有するものを得るか、又は多環芳香族成分をその含有量が 0 . 01質量%以上となるように追添して使用することが特に好ましい。
[0113] 第 1実施形態に係る潤滑油組成物は、上記の潤滑油基油(al )及び構成元素とし て硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物のみからなるものであってもよいが、必要に
応じて、後述する各種添加剤を更に含有してもよい。
[0114] 本発明の第 2実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 2の潤滑油組成物であ り、有機モリブデン化合物と全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油(a2)とを 含有する酸化防止剤組成物を含有するもので、好ましくは、当該酸化防止剤組成物 と、全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油とを含有する。
[0115] 先ず、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物について詳述する。
[0116] 第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物に含まれる有機モリブデン化合物としては、 上記実施形態 (I)における有機モリブデンィ匕合物の項の説明と同様であるため、ここ では重複する説明を省略する。
[0117] 第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物において、有機モリブデン化合物の含有量 は、組成物全量を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは 0. 1質量%以上、 より好ましくは 0. 5質量%以上、更に好ましくは 1質量%以上であり、また、好ましくは 20質量%以下、より好ましくは 10質量%以下、更に好ましくは 5質量%以下である。 当該有機モリブデン化合物の含有量が、モリブデン元素換算で 0. 1質量%未満の 場合は、当該有機モリブデン化合物と全芳香族分が 20〜100質量%の潤滑油基油 (a2)との併用による酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び N〇xに対する耐 性の向上効果が不十分となる傾向にあり、また、 20質量%を超えても含有量の増加 に見合う上記の向上効果が得られない傾向にある。
[0118] また、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物には、全芳香族分が 20〜: 100質量 %の潤滑油基油(a2)が含まれる。かかる潤滑油基油としては、全芳香族分が上記条 件を満たすものであれば鉱油系基油又は合成系基油のレ、ずれであってもよレ、。
[0119] 鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧 蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、 水素化精製等の処理を 1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、 GTL WAX (ガストウリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等のうち、 全芳香族分が 20質量%以上のものを用いることができる。これらの鉱油系基油の中 でも、溶剤脱れき、溶剤抽出、溶剤脱ろうなどの溶剤精製処理を行うことにより得られ る溶剤精製鉱油が好ましい。
[0120] 鉱油系基油を用いる場合、その全芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準として 、前述の通り 20〜100質量%であり、好ましくは 25〜100質量0 /0、より好ましくは 28 〜100質量%である。鉱油系基油の全芳香族分が 20質量%未満の場合、低芳香族 潤滑油基油を主成分とする潤滑油組成物と第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物 との組合せによるロングドレイン性向上効果が不十分となる傾向にある。
[0121] なお、鉱油系基油の全芳香族分の上限値は特に制限されないが、入手性や精製 による安定性向上効果が期待できる点から、全芳香族分が 20〜45質量%の鉱油系 基油がより好ましぐ 25〜40質量%の鉱油系がより好ましい。
[0122] また、鉱油系基油を用いる場合、全芳香族分の内訳、すなわち単環芳香族分及び 多環芳香族分の含有量は特に制限されないが、一層高水準のロングドレイン性を達 成できる点から、多環芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準として、 1質量%以 上であること好ましぐ 2質量%以上であることがより好ましぐ 3質量%以上であること 力 り好ましい。また、高温清浄性の点から、当該鉱油系基油の多環芳香族分は、当 該鉱油系基油全量を基準として、 20質量%以下が好ましぐ 10質量%以下がより好 ましぐ 5質量%以下が更に好ましい。
[0123] 一方、鉱油系基油の単環芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準として、 40質 量%以下が好ましぐ 30質量%以下がより好ましい。当該鉱油系基油の単環芳香族 分が上記上限値を超えると、潤滑油組成物の粘度指数が低くなる傾向にある。
[0124] また、鉱油系基油を用いる場合、その硫黄分は、特に制限はなレ、が、 0. 05質量% 以上であることが好ましぐ 0. 1質量%以上であることがより好ましぐ 0. 2質量%以 上であることが更に好ましぐ 0. 5質量%以上であることが特に好ましい。このように 鉱油系基油の硫黄分をやや高めに設定することで、鉱油系基油に本来的に含まれ る硫黄化合物によりロングドレイン性が向上した潤滑油組成物を得ることができる。
[0125] 一方、合成系基油としては、具体的には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、 アントラセン、フエナントレン及びこれらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合 した化合物、並びにピリジン類、キノリン類、フヱノール類、ナフトール類等のへテロ芳 香族環を有する化合物などの芳香族系合成油が挙げられる。また、これらの芳香族 系合成油と他の合成油との混合基油であって全芳香族分が 20質量%以上のものを
用レ、ることもできる。
[0126] 第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物においては、潤滑油基油として、上記鉱油 系基油又は合成系基油のうち全芳香族分が 20質量%以上のものの 1種を単独で、 あるいは 2種以上を混合して用いることができる。また、混合基油の全芳香族分が 20 〜100質量%の範囲内であれば、全芳香族分が 20〜: 100質量%の基油と全芳香 族分が 20質量%未満の基油との混合基油を潤滑油基油として使用してもよい。更に 、全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油に芳香族化合物を追添し、全芳香族 分を 20〜: 100質量%とした潤滑油基油を用いてもよい。追添する芳香族化合物とし ては、ァノレキノレベンゼン、ァノレキノレナフタレンの他、アントラセン、フエナントレン及び これらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合した化合物、並びにピリジン類、 キノリン類、フヱノール類、ナフトール類等のへテロ芳香族環を有する化合物などが 好適である。
[0127] また、全芳香族分が 20〜100質量%の潤滑油基油の動粘度は特に制限されない 、その 100°Cでの動粘度は、好ましくは 50mm2/s以下、より好ましくは 25mm2/ s以下、更に好ましくは 15mm2/s以下であり、また、好ましくは 4mm2/s以上、より 好ましくは 5mm2/s以上、更に好ましくは 7mm2/s以上である。潤滑油基油の 100 °Cでの動粘度が前記上限値を超える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動 粘度が前記下限値未満の場合は、潤滑油の粘性を低下させる原因となり、また潤滑 油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
[0128] また、潤滑油基油の粘度指数は特に制限されないが、低温から高温まで優れた粘 度特性が得られるように、その値は、 50〜120であることが好ましぐ 80〜: 105である ことがより好ましく、 90〜98であることが更に好ましい。潤滑油基油の粘度指数が前 記下限値未満である場合、低温粘度特性が悪化する傾向にある。
[0129] また、潤滑油基油の蒸発損失量としては、 NOACK蒸発量で、 25質量%以下であ ることが好ましぐ 16質量%以下であることがさらに好ましぐ 10質量%以下であるこ とが特に好ましい。潤滑油基油の NOACK蒸発量が前記上限値を超える場合、潤 滑油の蒸発損失が大きいだけでなぐ内燃機関用潤滑油として使用した場合、組成 物中の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑油基油とともに排ガス浄化
装置へ堆積する恐れがあり、排ガス浄化性能への悪影響が懸念されるため好ましく ない。
[0130] 第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物における全芳香族分が 20〜100質量%の 潤滑油基油の含有量は、有機モリブデン化合物の含有量が上述の好ましい範囲とな るように適宜選定することが望ましレ、。
[0131] 次に、第 2実施形態に係る潤滑油組成物について説明する。
[0132] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物は、全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油 と、上記第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物とを含有するものである。
[0133] ここで、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における第 2実施形態に係る酸化防止 剤組成物の含有量は、前記実施形態(I)の項で説明したモリブデン元素換算量での 規定範囲であり、ここでは重複する説明を省略する。
[0134] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油としては、以下に示す鉱油系基油又は合成系基油を用いることができる。
[0135] 鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧 蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、 水素化精製等の処理を 1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、 GTL WAX (ガストウリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等のうち、 全芳香族分が 10質量%以下のものを用いることができる。
[0136] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油としては、上記鉱油系基油及び合成系基油の中でも、原油を常圧蒸留して得ら れる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、水素化分解処理することによ り得られる水素化分解鉱油が好ましレヽ。
[0137] 水素化分解鉱油の製造方法の好ましい一例としては、減圧蒸留留出油(WVGO) 、 WVGOのマイルドハイド口クラッキング(MHC)処理油、脱れき油(DAO)、 DAO の MHC処理油又はこれらの混合油を、水素化分解触媒の存在下、全圧力 150kg /cm2以下、温度 360〜440°C、 LHSVO. 5hr— 1以下の反応条件で、分解率 40重 量%以上になるように水素化分解して、当該生成物をそのまま、もしくは潤滑留分を 分離回収し、次に脱ろう処理した後、脱芳香族処理するか又は脱芳香族処理した後
、脱ろう処理する方法が挙げられる。
[0138] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油として鉱油系基油を用いる場合、その全芳香族分は、当該鉱油系基油全量を 基準として、 10質量%以下であることが好ましぐ 0. 1〜: 10質量%であることがより好 ましぐ:!〜 8質量%であることが更に好ましぐ 3〜8質量%であることが一層好ましく 、 4〜7質量%であることが特に好ましい。第 2実施形態に係る潤滑油組成物におけ る全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油の全芳香族分を前記範囲内とすること により、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物の含有量が少量である場合であって もロングドレイン性向上効果を高水準で得ることができ、また、第 2実施形態に係る酸 化防止剤組成物に含まれる全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油がアルキ ルベンゼン等の単環芳香族系合成油である場合に、より高水準のロングドレイン性向 上効果を得ることができる。
[0139] なお、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油として、全芳香族分が 1質量%未満の潤滑油基油を使用することもできる 力 このような潤滑油基油を用いる場合、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物に 含まれる全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油としては、全芳香族分が 20〜 100質量%の鉱油系基油が好ましい。全芳香族分が 20〜: 100質量%の鉱油系基 油と全芳香族分が 1質量%未満の潤滑油基油とを併用すると、アルキルベンゼン等 の単環芳香族系合成油と全芳香族分が 1質量%未満の潤滑油基油とを併用した場 合よりも高いロングドレイン性向上効果を得ることができる。
[0140] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油として鉱油系基油を用いる場合、全芳香族分の内訳、すなわち単環芳香族分 及び多環芳香族分の含有量は特に制限されないが、一層高水準のロングドレイン性 を達成できる点から、多環芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準として、 0. 01質 量%以上であること好ましぐ 0. 03質量%以上であることがより好ましぐ 0. 04質量 %以上であることがより好ましい。また、高温清浄性、及び第 2実施形態に係る酸化 防止剤組成物との併用効果が高い点から、当該鉱油系基油の多環芳香族分は、当 該鉱油系基油全量を基準として、 2質量%以下が好ましぐ 0. 5質量%以下がより好
ましい。
[0141] なお、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油として、多環芳香族分が 0. 01質量%未満の潤滑油基油を使用すること ができるが、このような潤滑油基油を用いる場合、第 2実施形態に係る酸ィヒ防止剤組 成物における全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油としては、多環芳香族分 が好ましくは 0. 01〜100質量%、より好ましくは 1〜: 100質量%、更に好ましくは 2〜 100質量%、特に好ましくは 5〜: 100質量%の鉱油系及び/又は合成系基油が好ま しい。多環芳香族分が 0. 01質量%未満の鉱油系及び/又は合成系基油と、多環 芳香族分が 0. 01〜: 100質量%の鉱油系及び/又は合成系基油を含む第 2実施形 態に係る酸化防止剤組成物とを併用すると、アルキルベンゼン等の単環芳香族系合 成油及び有機モリブデン化合物からなる酸化防止剤組成物を使用した場合よりも高 レ、ロングドレイン性向上効果を得ることができる。
[0142] 一方、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油としての鉱油系基油の単環芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準と して、 10質量%以下が好ましぐ 7質量%以下がより好ましい。当該鉱油系基油の単 環芳香族分が上記上限値を超えると、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物との併 用効果が小さくなる傾向にある。
[0143] また、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油として鉱油系基油を用いる場合、その硫黄分は、特に制限はないが、 0. 05質量%以下であることが好ましぐ 0. 01質量%以下であることがより好ましぐ 0. 0 05質量%以下であることが更に好ましぐ 0. 001質量%以下であることが特に好まし レ、。このように鉱油系基油の硫黄分を低減することで、よりロングドレイン性に優れ、 内燃機関用潤滑油として使用した場合には、排ガス後処理装置への悪影響を極力 回避可能な低硫黄の潤滑油組成物を得ることができる。
[0144] 一方、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油としての合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化 物; 1—オタテンオリゴマー、 1—デセンオリゴマー等のポリ一 a—ォレフイン又はその 水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ _ 2_ェチルへキシルアジペート、ジイソデシ
ルアジペート、ジトリデシノレアジペート、及びジー 2—ェチルへキシルセバケート等の ジエステノレ;ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンカプリレート、ト リメチローノレプロパンペラノレゴネート、ペンタエリスリトーノレ 2—ェチノレへキサノエ一 ト、及びペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステノレ;上記合成系基 油の 2種以上の混合物;上記合成系基油と他の合成油(芳香族系合成油等)との混 合基油であって全芳香族分が 20質量%未満のもの等が例示できる。
[0145] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油としては、上記鉱油系基油又は合成系基油のうち全芳香族分が 20質量%未満 のものの 1種を単独で、あるいは 2種以上を混合して用いることができる。また、混合 基油の全芳香族分が 20質量%未満であれば、全芳香族分が 20質量%未満の基油 と全芳香族分が 20〜: 100質量%の基油との混合基油を第 1の潤滑油基油として使 用してもよい。
[0146] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油 基油の動粘度は特に制限されないが、その 100°Cでの動粘度は、 20mm2/s以下 であることが好ましぐより好ましくは 6mm2/s以下である。一方、その 100°Cにおけ る動粘度は、 lmm2/s以上であることが好ましぐより好ましくは 3mm2/s以上であ る。全芳香族分が 20質量%未満の潤滑油基油の 100°Cでの動粘度が前記上限値 を超える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が前記下限値未満の 場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油 の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
[0147] また、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油の粘度指数は特に制限されないが、低温から高温まで優れた粘度特性 が得られるように、その値は、 80以上であることが好ましぐ 100以上であることがより 好ましぐ 120以上であることが更に好ましい。潤滑油基油の粘度指数が前記下限値 未満である場合、低温粘度特性が悪化する傾向にある。
[0148] また、第 2実施形態に係る潤滑油組成物における全芳香族分が 20質量%未満の 潤滑油基油の蒸発損失量としては、 NOACK蒸発量で、 20質量%以下であることが 好ましぐ 16質量%以下であることがさらに好ましぐ 10質量%以下であることが特に
好ましい。当該潤滑油基油の NOACK蒸発量が前記上限値を超える場合、潤滑油 の蒸発損失が大きいだけでなぐ内燃機関用潤滑油として使用した場合、組成物中 の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑油基油とともに排ガス浄化装置 へ堆積する恐れがあり、排ガス浄化性能への悪影響が懸念されるため好ましくない。
[0149] 第 2実施形態に係る潤滑油組成物において、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成 物中の成分である全芳香族分が 20〜: 100質量%の潤滑油基油の割合は、潤滑油 組成物全量を基準として、 0. 1質量%以上であることが好ましぐ 0. 5〜90質量%で あることがより好ましぐ:!〜 90質量%であることが更に好ましい。当該割合が 0. 1質 量%未満の場合、第 2実施形態に係る潤滑油組成物のロングドレイン性向上効果が 不十分となる傾向にある。また、当該割合が 90質量%を超えると、潤滑油組成物の 粘度指数を高めることが困難となる傾向にある。
[0150] また、第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物に含まれる全芳香族分 20〜: 100質 量%の潤滑油基油が鉱油系基油であり、その硫黄分が 0. 2質量%以上である場合 、ロングドレイン性向上効果及び低硫黄化の点から、全芳香族分が 20〜: 100質量% の潤滑油基油の割合は、組成物全量を基準として、 50質量%以下が好ましぐ 10質 量%以下がより好ましぐ 5質量%以下が更に好ましぐ 3質量%以下が特に好ましい
[0151] 第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物及び潤滑油組成物は、それぞれ上記成分 のみからなるものであってもよいが、必要に応じて後述する各種添加剤を含有しても よい。なお、第 2実施形態に係る潤滑油組成物に後述する添加剤を含有させる方法 としては、下記(I)又は(II)のレ、ずれの方法であってもよレ、。
(I)後述する添加剤を第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物に含有させた後、その 酸化防止剤組成物と全芳香族分 20質量%未満の潤滑油基油とを混合して第 2実施 形態に係る潤滑油組成物を得る。
(II)後述する添加剤と第 2実施形態に係る酸化防止剤組成物とを、各々別個に、全 芳香族分 20質量%未満の潤滑油基油と混合して第 2実施形態に係る潤滑油組成物 を得る。
[0152] 本発明の第 3実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 3の潤滑油組成物であ
り、全芳香族分が 20〜: 100質量%の第 1の潤滑油基油(a2)と、全芳香族分が 10質 量%以下の第 2の潤滑油基油と、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕 合物と、を含有し、第 1及び第 2の潤滑油基油の合計量に占める第 1の潤滑油基油 の割合が 1質量%以上のものである。
[0153] なお、第 3実施形態で用いられる第 1の潤滑油基油としては、上記第 2実施形態の 説明において例示された全芳香族分が 20〜: 100質量%の鉱油系基油及び合成系 基油が挙げられる。
[0154] 一方、第 2の潤滑油基油としては、第 2実施形態の潤滑油組成物における全芳香 族分が 20質量%未満の潤滑油基油の説明において、全芳香族分が 10質量%以下 とした以外はこれと同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
[0155] 第 3実施形態に係る潤滑油組成物において、第 1及び第 2の潤滑油基油の合計量 に占める第 1の潤滑油基油の割合は、前述の通り 1質量%以上であることが必要であ り、 5〜90質量%であることが好ましぐ 20〜80質量%であることがより好ましい。当 該割合が 1質量%未満の場合、第 1及び第 2の潤滑油基油並びに構成元素として硫 黄を含まない有機モリブデンィ匕合物との組合せによるロングドレイン性向上効果が不 十分となり、特に、高温清浄性と酸化安定性とを両立することが困難となる。また、当 該割合が 90質量%を超えると、潤滑油組成物の粘度指数が低くなる傾向にある。
[0156] また、第 1の潤滑油基油として硫黄分が 0. 2質量%以上の鉱油系基油を用いる場 合、高温清浄性及び低硫黄化の点から、第 1及び第 2の潤滑油基油の合計量に占 める第 1の潤滑油基油の割合は、 10〜60質量%が好ましぐ 20〜50質量%がより 好ましい。
[0157] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合後の全芳香族分は、混合基油全量を基準 として、好ましくは 1質量%以上、より好ましくは 5質量%以上であり、更に好ましくは 1 0質量%以上である。混合基油の全芳香族分が前記下限値未満の場合、第 1及び 第 2の潤滑油基油並びに構成元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物の組 合せによるロングドレイン性向上効果が不十分となる傾向にある。また、当該混合基 油の全芳香族分は、潤滑油組成物の粘度指数をより高くできる点から、混合基油全 量を基準として、好ましくは 30質量%以下、より好ましくは 20質量%以下である。
[0158] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合後の全芳香族分の内訳、すなわち単環芳 香族分及び多環芳香族分の含有量は特に制限されないが、一層高水準のロングド レイン性を達成できる点から、多環芳香族分は、当該鉱油系基油全量を基準として、 0. 01質量%以上であること好ましぐ 0. 05質量%以上であることがより好ましぐ 0. 1質量%以上であることがより好ましい。また、高温清浄性の点から、混合基油の多環 芳香族分は、混合基油全量を基準として、 10質量%以下が好ましぐ 5質量%以下 力 り好ましぐ 3質量%以下が更に好ましぐ 2質量%以下が特に好ましい。
[0159] 一方、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油の単環芳香族分は、混合基油全量を 基準として、 30質量%以下が好ましぐ 20質量%以下がより好ましい。混合基油の単 環芳香族分が上記上限値を超えると、潤滑油組成物の粘度指数が低くなる傾向にあ る。
[0160] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油の硫黄分は、特に制限はないが、 0.
005-0. 6質量%であることが好ましぐ 0. 05〜0. 5質量%であることがより好ましく 、 0. :!〜 0. 4質量%であることが更に好ましぐ 0.:!〜 0. 2質量%であることが特に 好ましい。混合基油の硫黄分を上記範囲内とし、更には低硫黄基油を選択すること で、よりロングドレイン性に優れ、内燃機関用潤滑油として使用した場合には、排ガス 後処理装置への悪影響を極力回避可能な低硫黄の潤滑油組成物を得ることができ る。
[0161] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油の動粘度は特に制限されないが、そ の 100°Cでの動粘度は、 20mm2/s以下であることが好ましぐより好ましくは 10mm 2/s以下である。一方、その動粘度は、 3mm2/s以上であることが好ましぐより好ま しくは 5mm2/s以上である。混合基油の 100°Cでの動粘度が前記上限値を超える 場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が前記下限値未満の場合は、 潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発 損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
[0162] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油の粘度指数は特に制限されないが、 低温から高温まで優れた粘度特性が得られるように、その値は、 80以上であることが 好ましぐ 95以上であることがより好ましぐ 110以上であることが更に好ましい。潤滑
油基油の粘度指数が前記下限値未満である場合、低温粘度特性が悪化する傾向に ある。
[0163] また、第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油の蒸発損失量としては、 NOACK蒸 発量で、 20質量%以下であることが好ましぐ 16質量%以下であることがさらに好ま しぐ 10質量%以下であることが特に好ましい。潤滑油基油の NOACK蒸発量が前 記上限値を超える場合、潤滑油の蒸発損失が大きいだけでなぐ内燃機関用潤滑油 として使用した場合、組成物中の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑 油基油とともに排ガス浄化装置へ堆積する恐れがあり、排ガス浄化性能への悪影響 が懸念されるため好ましくない。
[0164] 第 3実施形態に係る潤滑油組成物においては、上記第 1及び第 2の潤滑油基油に 、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物が配合される。なお、第 3実 施形態で用いられる構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物は上記第 1実施形態の場合と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
[0165] 第 3実施形態に係る潤滑油組成物にぉレ、て、構成元素として硫黄を含まなレ、有機 モリブデン化合物の含有量は、前記実施形態 (I)の項で説明したモリブデン元素換 算量での規定範囲であり、ここでは重複する説明を省略する。
[0166] 第 3実施形態に係る潤滑油組成物を製造するに際し、第 1及び第 2の潤滑油基油 並びに構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物の混合の順序は特に 制限されず、例えば下記 (A)、(B)又は(C)に示す順序で混合することができる。
(A)有機モリブデン化合物を第 1の潤滑油基油と混合した後、その混合物と第 2の潤 滑油基油又は第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油とを混合する。
(B)有機モリブデン化合物を第 2の潤滑油基油と混合した後、その混合物と第 1の潤 滑油基油又は第 1及び第 2の潤滑油基油の混合基油とを混合する。
(C)第 1及び第 2の潤滑油基油を混合した後、その混合基油と有機モリブデン化合 物とを混合する。
[0167] ここで、構成元素として硫黄を含まなレ、有機モリブデン化合物は、第 2の潤滑油基 油よりも第 1の潤滑油基油に対して高い溶解性を示す。そのため、上記 (A)に示す 順序で各成分を混合することにより、当該有機モリブデン化合物の基油への溶解に
要する時間を十分に短縮することができ、また、当該有機モリブデン化合物の潤滑油 基油中での均一性及び安定性を高めることができる。
[0168] 上記 (A)〜(C)に示す混合工程は撹拌下で行うことが好ましぐまた、混合時の温 度条件は 20〜: 100°Cが好適である。
[0169] 第 3実施形態に係る潤滑油組成物は、上記第 1及び第 2の潤滑油基油並びに構成 元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕合物のみからなるものであってもよいが
、必要に応じて、後述する各種添加剤を更に含有してもよい。
[0170] 本発明の第 4実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 4の潤滑油組成物であ り、有機モリブデン化合物と芳香族系溶剤 (a3)とを含有する酸化防止剤組成物を含 有するもので、より具体的には、当該酸化防止剤組成物と、潤滑油基油とを含有する
[0171] 先ず、第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物について説明する。
[0172] 第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物に含まれる有機モリブデン化合物としては、 上記実施形態 (I)における有機モリブデンィ匕合物の項の説明と同様であるため、ここ では重複する説明を省略する。
[0173] 第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物において、有機モリブデン化合物の含有量 は、組成物全量を基準として、モリブデン元素換算で、好ましくは 0. 1質量%以上、 より好ましくは 0. 5質量%以上、更に好ましくは 1質量%以上であり、また、好ましくは 20質量%以下、より好ましくは 10質量%以下、更に好ましくは 5質量%以下である。 当該有機モリブデン化合物の含有量が、モリブデン元素換算で 0. 1質量%未満の 場合は、当該有機モリブデン化合物と芳香族系溶剤との併用による酸化防止性、塩 基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性の向上効果が不十分となる傾向に あり、また、 20質量%を超えても含有量の増加に見合う上記の向上効果が得られな ぃィ頃向にある。
[0174] また、第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物には芳香族系溶剤が含まれる。かか る芳香族系溶剤としては、 0°Cで流動性を有するものが好ましい。
[0175] 芳香族系溶剤は、単環又は多環のいずれの芳香族化合物で構成されてもよぐか 力、る芳香族化合物としては、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、後述する一般
式 (B)又は(C)で表される化合物、更には 3環以上の芳香族環を有する多環芳香族 化合物などが挙げられる。
[0176] アルキルベンゼンとしては、炭素数 1〜40のアルキル基を有するものが好適である 。力、かるアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基( すべての異性体を含む)、ブチル基(すべての異性体を含む)、ペンチル基 (すべて の異性体を含む)、へキシル基(すべての異性体を含む)、ヘプチル基(すべての異 性体を含む)、ォクチル基 (すべての異性体を含む)、ノニル基 (すべての異性体を含 む)、デシル基(すべての異性体を含む)、ゥンデシノレ基(すべての異性体を含む)、 ドデシル基 (すべての異性体を含む)、トリデシル基(すべての異性体を含む)、テトラ デシル基(すべての異性体を含む)、ペンタデシル基(すべての異性体を含む)、へ キサデシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル基(すべての異性体を含む) 、ォクタデシル基(すべての異性体を含む)、ノナデシル基(すべての異性体を含む) 、ィコシル基(すべての異性体を含む)、ヘンィコシル基(すべての異性体を含む)、ド コシル基(すべての異性体を含む)、トリコシル基(すべての異性体を含む)、テトラコ シル基(すべての異性体を含む)、ペンタコシル基(すべての異性体を含む)、へキサ コシル基(すべての異性体を含む)、ヘプタコシル基(すべての異性体を含む)、オタ タコシノレ基(すべての異性体を含む)、ノナコシル基(すべての異性体を含む)、トリア コンチル基(すべての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基(すべての異性体を含む )、ドトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、トリトリアコンチル基(すべての異性 体を含む)、テトラトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル基 (すべての異性体を含む)、へキサトリアコンチル基(すべての異性体を含む)、ヘプ タトリアコンチル基 (すべての異性体を含む)、ォクタトリアコンチル基(すべての異性 体を含む)、ノナトリアコンチル基 (すべての異性体を含む)、テトラコンチル基(すべ ての異性体を含む)等が挙げられる。これらの中でも、炭素数 8〜30のアルキル基を :!〜 4個はり好ましくは 1〜2個)有し、かつそのアルキル基の合計炭素数が 10〜50 (より好ましくは 20〜40)であるアルキルベンゼンが好ましく用いられる。
[0177] アルキルベンゼンが有するアルキル基は直鎖状であっても、分枝状であっても良い 力 安定性、粘度特性等の点から分枝状アルキル基が好ましぐ特に入手可能性の
点から、プロピレン、ブテン、イソブチレン等のォレフィンのオリゴマーから誘導される 分枝状アルキル基がより好ましい。 アルキルベンゼン中のアルキル基の個数は、好 ましくは 1〜4個である力 安定性、入手可能性の点から 1個または 2個のアルキル基 を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、 またはこれらの混合物が最も好ましく用いられる。
[0178] 上記のアルキルベンゼンは、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上の混合物として用 レ、てもよレ、。 2種以上のアルキルベンゼンの混合物を用いる場合、当該混合物の平 均分子量は 200〜500であることが好ましレ、。
[0179] アルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるものでなレ、が、一般に 以下に示す合成法によって製造できる。原料となる芳香族化合物としては、具体的 には例えば、ベンゼン、トノレェン、キシレン、ェチノレベンゼン、メチノレエチノレベンゼン 、ジェチルベンゼン、およびこれらの混合物等が用いられる。またアルキル化剤とし ては、具体的には例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級モノ ォレフィン、好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数 6〜40の直鎖状また は分枝状のォレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレン等 の熱分解によって得られる炭素数 6〜40の直鎖状または分枝状のォレフィン;灯油、 軽油等の石油留分力 n—パラフィンを分離し、これを触媒によりォレフィンィ匕するこ とによって得られる炭素数 6〜40の直鎖状ォレフィン;およびこれらの混合物等が使 用できる。
[0180] また、アルキルィ匕の際のアルキルィ匕触媒としては、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等 のフリーデルクラフツ型触媒;硫酸、リン酸、ケィタングステン酸、フッ化水素酸、活性 白土等の酸性触媒;等の公知の触媒が用いられる。
[0181] また、アルキルナフタレンとしては、ナフタレン環及び当該ナフタレン環に結合する アルキル基を有するものであれば特に限定はないが、
アルキルナフタレンとしては、下記一般式 (A)で表される化合物が好ましく用いられ る。
[式 (A)中、 R21、 R22、 R23及び R24は同一でも異なっていても良ぐそれぞれ水素原 子又は炭素数 1〜40の炭化水素基を示し、 R21、 R22、 R23又は R24の少なくとも 1つは アルキル基である。 ]
[0183] 上記一般式 (A)中の R21、 R22、 R23及び R24は、それぞれ水素原子または炭化水素 基を示し、当該炭化水素基にはアルキル基の他、アルケニル基、ァリール基、アルキ ルァリール基、ァリールアルキル基等が含まれる力 アルキル基であることが好ましい
[0184] アルキル基としては、具体的には例えば、メチノレ基、ェチル基、プロピル基(全ての 異性体を含む)、ブチル基(全ての異性体を含む)、ペンチル基(全ての異性体を含 む)、へキシル基(全ての異性体を含む)、ヘプチル基(全ての異性体を含む)、オタ チル基 (全ての異性体を含む)、ノニル基 (全ての異性体を含む)、デシル基 (全ての 異性体を含む)、ゥンデシル基 (全ての異性体を含む)、ドデシル基 (全ての異性体を 含む)、トリデシノレ基 (全ての異性体を含む)、テトラデシル基 (全ての異性体を含む) 、ペンタデシル基 (全ての異性体を含む)、へキサデシル基 (全ての異性体を含む)、 ヘプタデシル基 (全ての異性体を含む)、ォクタデシル基 (全ての異性体を含む)、ノ ナデシル基 (全ての異性体を含む)、ィコシル基 (全ての異性体を含む)、ヘンィコシ ル基(全ての異性体を含む)、ドコシル基(全ての異性体を含む)、トリコシル基(全て の異性体を含む)、テトラコシノレ基 (全ての異性体を含む)、ペンタコシル基 (全ての異 性体を含む)、へキサコシル基 (全ての異性体を含む)、ヘプタコシノレ基 (全ての異性 体を含む)、ォクタコシノレ基 (全ての異性体を含む)、ノナコシノレ基 (全ての異性体を 含む)、トリアコンチル基 (全ての異性体を含む)、ヘントリアコンチル基 (全ての異性 体を含む)、ドトリアコンチル基 (全ての異性体を含む)、トリトリアコンチル基 (全ての 異性体を含む)、テトラトリアコンチル基 (全ての異性体を含む)、ペンタトリアコンチル
基 (全ての異性体を含む)、へキサトリアコンチル基 (全ての異性体を含む)、ヘプタト リアコンチル基(全ての異性体を含む)、ォクタトリアコンチル基(全ての異性体を含む )、ノナトリアコンチル基 (全ての異性体を含む)、テトラコンチル基 (全ての異性体を含 む)等の炭素数 1〜40のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数 8〜30の アルキル基が好ましぐ炭素数 10〜20のアルキル基がより好ましい。
[0185] また、アルキル基は直鎖状であっても、分枝状であっても良いが、安定性、粘度特 性等の点から分枝状アルキル基が好ましぐ特に入手可能性の点から、エチレン、プ ロピレン、ブテン、イソブチレン等のォレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状ァ ルキル基がより好ましい。
[0186] また、一般式 (A)で表されるアルキルナフタレンにぉレ、て、 R21、 R22、 R23及び R24は 同一でも異なっていてもよい。すなわち、 R21、 R22、 R23及び R24が全てアルキル基を 含む炭化水素基であるものでもよぐまたは R21、 R22、 R23及び R24のうち少なくとも 1 つがアルキル基であり他は水素原子であるものでもよレ、。 R21、 R22、 R23及び R24の合 計炭素数は、好ましくは 8〜50、より好ましくは 10〜40である。
[0187] R21、 R22、 R23及び R24のうち 2つ以上が炭化水素基である場合、そのうち少なくとも 1つがアルキル基であればその組み合わせは任意である力 全てアルキル基である ことが好ましい。また、 R21と R22が炭化水素基であるような、同一のベンゼン環に 2つ の炭化水素基が結合しているものでもよぐまた、 R21と R23が炭化水素基であるような 、異なるベンゼン環にそれぞれ 1つずつの炭化水素基が結合しているものでもよい。
[0188] 一般式 (A)で表されるアルキルナフタレンとしては、具体的には、デシノレナフタレン
(全ての異性体を含む)、ゥンデシルナフタレン (全ての異性体を含む)、ドデシノレナ フタレン (全ての異性体を含む)、トリデシルナフタレン (全ての異性体を含む)、テトラ デシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ペンタデシルナフタレン(全ての異性体を 含む)、へキサデシルナフタレン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルナフタレン(全 ての異性体を含む)、ォクタデシノレナフタレン (全ての異性体を含む)、ノナデシノレナ フタレン (全ての異性体を含む)、ィコシノレナフタレン (全ての異性体を含む)、ジ(デ シル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(ゥンデシル)ナフタレン(全ての異性体 を含む)、ジ(ドデシル)ナフタレン (全ての異性体を含む)、ジ(トリデシル)ナフタレン(
全ての異性体を含む)、ジ (テトラデシル)ナフタレン (全ての異性体を含む)、ジ (ペン タデシル)ナフタレン(全ての異性体を含む)、ジ(へキサデシル)ナフタレン(全ての 異性体を含む)、ジ (ヘプタデシル)ナフタレン (全ての異性体を含む)、ジ (ォクタデ シル)ナフタレン (全ての異性体を含む)、ジ(ノナデシル)ナフタレン (全ての異性体 を含む)、ジ (ィコシル)ナフタレン (全ての異性体を含む)等が挙げられる。
[0189] これらの中でも、炭素数 8〜30はり好ましくは 10〜20)のアルキル基を 1〜4個は り好ましくは 1〜2個)有するアルキルナフタレンが好ましぐさらに、アルキルナフタレ ンが有するアルキル基の合計炭素数は 8〜50はり好ましくは 10〜40)であることが 好ましい。
[0190] 上記のアルキルナフタレンは、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上の混合物として 用いてもよい。 2種以上のアルキルナフタレンの混合物を用いる場合、当該混合物の 平均分子量は、 200〜500であること力 S好ましレヽ。
[0191] アルキルナフタレンの製造方法は任意であり、種々の公知の方法で製造できる。こ の例としては例えば、炭化水素のハロゲン化物、ォレフィン類、スチレン類などを硫酸 、リン酸、ケィタングステン酸、フッ化水素酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固 体酸性物質および塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属であるフリーデ ルクラフツ触媒等の酸触媒の存在下、ナフタレンへ付加する方法等が挙げられる。
[0192] また、芳香族系溶剤を構成する芳香族化合物としては、下記一般式 (B)又は (C) で表される化合物を用いることができる。
[0193] [化 7]
[式(B)中、 は炭素数 1〜8のアルキレン基またはアルケニレン基を示し、 R31、 R3' 、 R33及び R34は同一でも異なっていてもよぐそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜4の アルキル基を示し、且つ R3°、 R31、 R32、 R33及び R34の合計炭素数が 1〜8である。 ]
[式 (C)中、 R
41、 R
4\ R
4d及び R
44は同一でも異なっていてもよぐそれぞれ水素原子 又は炭素数 1〜: 10の炭化水素基を示し、
R
2、 R
3および R
4の合計炭素数が :!〜 10である。 ]
[0195] また、 3環以上の芳香族環を有する化合物としては、フルオレン環、アントラセン環 、フエナントレン環、フルオランテン環、ピレン環、ペリレン環、ベンゾフエナントレン環 、ベンゾフルオランテン環、ベンゾペリレン環等を有する多環芳香族化合物が挙げら れる。これらの多環芳香族化合物の芳香族環は、置換又は未置換のいずれであって もよレ、。芳香族環の置換基としては、炭素数 4〜30のアルキル基が好ましい。
[0196] 上記の芳香族化合物の中でも、ロングドレイン性の点から、 2環以上の芳香族化合 物が好ましぐアルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を有する化合物から選ば れる少なくとも 1種の多環芳香族化合物がより好ましぐアルキルナフタレン、フルォレ ン、フエナントレン、ベンゾフエナントレン、アントラセン、及びこれらのアルキル化物を 用いることが更に好ましい。
[0197] 第 4実施形態においては、上記の芳香族化合物のうちの 1種を単独で用いてもよく 、また、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0198] 第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物における芳香族系溶剤の含有量は、有機 モリブデン化合物の含有量が上述の好ましい範囲となるように適宜選定することが望 ましい。
[0199] 次に、第 4実施形態に係る潤滑油組成物について詳述する。
[0200] 第 4実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と、上記第 4実施形態に係る酸 化防止剤組成物と、を含有する。
[0201] ここで、第 4実施形態に係る潤滑油組成物における第 4実施形態に係る酸化防止 剤組成物の含有量は、前記実施形態(I)の項で説明したモリブデン元素換算量での 規定範囲であり、ここでは重複する説明を省略する。
[0202] 第 4実施形態に係る潤滑油組成物に用いられる潤滑油基油としては特に制限され ず、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油又は合成系基油が使用可能である。
[0203] 鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧 蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、 水素化精製等の処理を 1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、 GTL WAX (ガストウリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等が例示 できる。
[0204] 合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物; 1—オタテンオリ ゴマー、 1—デセンオリゴマー等のポリ一 a—ォレフイン又はその水素化物;ジトリデ シノレグノレタレート、ジ _ 2_ェチルへキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジト リデシルアジペート、及びジ— 2 _ェチルへキシルセバケート等のジエステル;ネオペ ンチノレグリコーノレエステノレ、トリメチローノレプロパンカプリレート、トリメチローノレプロノ ンペラルゴネート、ペンタエリスリトール 2—ェチルへキサノエート、及びペンタエリ スリトールペラルゴネート等のポリオールエステノレ;アルキルベンゼン、アルキルナフ タレン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示でき る。
[0205] 第 4実施形態では、上記鉱油系基油又は上記合成系基油のうちの 1種を単独で用 レ、てもよく、あるいは 2種以上を組み合わせて用いてもよい。 2種以上の潤滑油基油 を組み合わせた混合基油には、 2種以上の鉱油系基油の混合基油、 2種以上の合 成系基油の混合基油、 1種以上の鉱油系基油と 1種以上の合成系基油との混合基 油が包含される。
[0206] 第 4実施形態においては、上記の潤滑油基油の中でも、全芳香族分が 10質量% 以下の鉱油系基油、ポリ—ひ—ォレフイン又はその水素化物、及びエステル系基油 が好ましい。なお、第 4実施形態で用いられる全芳香族分が 10質量%以下の鉱油系 基油は、上記第 3実施形態において第 2の潤滑油基油として説明した全芳香族分が 10質量%以下の鉱油系基油と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
[0207] 第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物及び潤滑油組成物は、それぞれ上記成分 のみからなるものであってもよレ、が、必要に応じて後述する各種添加剤を含有しても
よい。なお、第 4実施形態に係る潤滑油組成物に後述する添加剤を含有させる方法 としては、下記(I)又は(II)のレ、ずれの方法であってもよレ、。
(I)後述する添加剤を第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物に含有させた後、その 酸化防止剤組成物と全芳香族分 10質量%以下の潤滑油基油とを混合して第 4実施 形態に係る潤滑油組成物を得る。
(II)後述する添加剤と第 4実施形態に係る酸化防止剤組成物とを、各々別個に、全 芳香族分 10質量%以下の潤滑油基油と混合して第 4実施形態に係る潤滑油組成物 を得る。
[0208] 本発明の第 5実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 5の潤滑油組成物であ り、潤滑油基油と、有機モリブデン化合物と、アルキルナフタレン及び 3環以上の芳 香族環を有する化合物から選ばれる少なくとも 1種の多環芳香族化合物 (a4)と、を 含有する。
[0209] 第 5実施形態に係る潤滑油組成物に用いられる潤滑油基油としては特に制限され ず、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油又は合成系基油が使用可能である。な お、第 5実施形態で用いられる潤滑油基油の具体例及び好ましい例並びに各種性 状の好ましい範囲は上記第 4実施形態の場合と同様であるため、ここでは重複する 説明を省略する。
[0210] また、第 5実施形態に係る潤滑油組成物は、有機モリブデン化合物を含有する。第
5実施形態で用レ、られる有機モリブデンィ匕合物としては、上記実施形態 (I)における 有機モリブデン化合物の項の説明と同様であるため、ここでは重複する説明を省略 する。
[0211] 第 5実施形態に係る潤滑油組成物において、有機モリブデン化合物の含有量は、 前記実施形態 (I)の項で説明したモリブデン元素換算量での規定範囲であり、ここで は重複する説明を省略する。
[0212] また、第 5実施形態に係る潤滑油組成物は、アルキルナフタレン及び 3環以上の芳 香族環を有する化合物から選ばれる少なくとも 1種の多環芳香族化合物 (以下、単に
「多環芳香族化合物」という。)を含有する。
[0213] 第 5実施形態に係る多環芳香族化合物のうち、アルキルナフタレンとしては、ナフタ
レン環及び当該ナフタレン環に結合するアルキル基を有するものであれば特に限定 はないが、上記第 4実施形態の説明において例示された一般式 (A)で表される化合 物が好ましく用いられる。なお、第 5実施形態で用いられるアルキルナフタレンは上 記第 4実施形態の場合と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
[0214] また、 3環以上の芳香族環を有する化合物としては、フルオレン環、アントラセン環 、フエナントレン環、フルオランテン環、ピレン環、ペリレン環、ベンゾフエナントレン環 、ベンゾフルオランテン環、ベンゾペリレン環等を有する多環芳香族化合物が挙げら れる。これらの多環芳香族化合物の芳香族環は、置換又は未置換のいずれであって もよレ、。芳香族環の置換基としては、炭素数 1〜40のアルキル基が好ましい。
[0215] 第 5実施形態においては、上記のアルキルナフタレン及び 3環以上の芳香族環を 有する化合物のうちの 1種を単独で用いてもよぐまた、 2種以上を組み合わせて用 いてもよい。
[0216] 上記の多環芳香族化合物の中でも、ロングドレイン性の点から、アルキルナフタレ ン、フルオレン、フエナントレン、ベンゾフエナントレン、アントラセン、及びこれらのァ ルキル化物を用いることが好ましい。
[0217] 第 5実施形態に係る潤滑油組成物における多環芳香族化合物の含有量は、組成 物全量を基準として、好ましくは 0. 01質量%以上、より好ましくは 0. 05質量%以上 、更に好ましくは 0. 1質量%以上、特に好ましくは 0. 3質量%以上である。当該多環 芳香族化合物の含有量が 0. 01質量%未満であると、ロングドレイン性向上効果が 不十分となる傾向にある。また、当該多環芳香族化合物の含有量は、組成物全量を 基準として、好ましくは 50質量%以下、より好ましくは 30質量%以下、更に好ましくは 20質量%以下、一層好ましくは 10質量%以下、特に好ましくは 5質量%以下、最も 好ましくは 3質量%以下である。当該多環芳香族化合物の含有量が 50質量%を超 えても、含有量に見合うロングドレイン性向上効果が得られない傾向にあり、更に、潤 滑油組成物の粘度指数を高めにくぐまた、コストが増大する傾向にある。
[0218] また、第 5実施形態における多環芳香族化合物の潤滑油基油に対する配合量は、 潤滑油基油 100質量部に対して、好ましくは 0. 01質量部以上、より好ましくは 0. 05 質量部以上、更に好ましくは 0. 1質量部以上、特に好ましくは 0. 3質量部以上であ
る。当該多環芳香族化合物の配合量が潤滑油基油 100質量部に対して 0. 01質量 部未満であると、ロングドレイン性向上効果が不十分となる傾向にある。また、当該多 環芳香族化合物の潤滑油基油に対する配合量は、潤滑油基油 100質量部に対して 、好ましくは 50質量部以下、より好ましくは 30質量部以下、更に好ましくは 20質量部 以下、一層好ましくは 10質量部以下、特に好ましくは 5質量部以下、最も好ましくは 3 質量部以下である。潤滑油基油 100質量部に対して 50質量%を超える当該多環芳 香族化合物を配合しても、配合量に見合うロングドレイン性向上効果が得られない傾 向にある。
[0219] 第 5実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と有機モリブデン化合物と多環 芳香族化合物とのみからなるものであってもよいが、必要に応じて後述する各種添カロ 剤を更に含有してもよい。
[0220] 本発明の第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、上記した第 6の潤滑油組成物であ り、潤滑油基油と、有機モリブデン化合物と、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有 する芳香族化合物 (a5)とを含有する。
[0221] 第 6実施形態で用いられる潤滑油基油としては特に制限されず、通常の潤滑油に 使用される鉱油系基油又は合成系基油が使用可能である。なお、第 6実施形態で用 レ、られる潤滑油基油の具体例及び好ましレ、例並びに各種性状の好ましレ、範囲は上 記第 4実施形態の場合と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
[0222] また、第 6実施形態で用いられる有機モリブデン化合物としては、上記実施形態 (I) における有機モリブデンィ匕合物の項の説明と同様であるため、ここでは重複する説明 を省略する。
[0223] 第 6実施形態に係る潤滑油組成物において、有機モリブデン化合物の含有量は、 前記実施形態 (I)の項で説明したモリブデン元素換算量での規定範囲であり、ここで は重複する説明を省略する。
[0224] 第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、上記の有機モリブデン化合物に加えて、窒 素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族化合物を含有する。かかる芳香族 化合物としては、下記一般式(1)で表される芳香族化合物が好ましく用いられる。
[0225] [化 9]
(R)a— A— (X)b (1)
[式中、 Aは芳香族環を示し、 Xは少なくとも 1つの窒素原子、酸素原子又は硫黄原 子を有する 1価の官能基を示し、 Rは炭素数 1〜40の有機基(但し、 tert—ブチル基 を除く)を示し、 aは 1以上の整数を示し、 Aが芳香族炭素環のとき bは 1以上の整数を 示し、 Aが芳香族複素環のとき bは 0又は 1以上の整数を示す。 ]
[0226] 上記一般式(1)中の Aで示される芳香族環は、芳香族性を有するものであれば特 に制限されず、芳香族炭素環又は芳香族複素環のいずれであってもよい。
[0227] Aで示される芳香族環は芳香族炭素環又は芳香族複素環のいずれであってもよく 、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フヱナント レン環、フルオランテン環、ピレン環、ペリレン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾ ール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、キノリン環、イソキノリン 環、キノリジン環、チアゾール環、イソチアゾール環、ォキサゾール環、イソォキサゾ ール環、トリアジン環、フラン環、チォフェン環、イミダゾリン環、ピロリジン環、ピベリジ ン環、ピぺラジン環、ピリダジン環、プリン環、キナゾリン環、アタリジン環、カルバゾー ル環、フヱノチアジン環、フエノキサジン環、フエナント口リン環、ベンゾトリアゾール環 、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ポルフィリン環、フタロシアニン環、及びこ れらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、 Aで示される芳香族環としては、ベ ンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フエナントレン環、キノリン環 、ビキノリン環、ピリジン環、ビビリジン環、ターピリジン環、フエナント口リン環、ピロ一 ル環及びインドール環が好ましレ、。
[0228] また、 Rで示される炭素数 1〜40の有機基としては、炭素数:!〜 40のアルキル基( 但し、 tert—ブチル基を除く)、並びにこれらのアルキル基の側鎖又は末端に SH基 、 OH基又は NH基が結合した基が好ましレ、。炭素数 1
2 〜40のアルキル基としては、 具体的には、メチル基、ェチル基、 n_プロピル基、イソプロピル基、直鎖状または分 枝状のブチル基、直鎖状または分枝状のペンチル基、直鎖状または分枝状のへキ シル基、直鎖状または分枝状のへプチル基、直鎖状または分枝状のォクチル基、直 鎖状または分枝状のノニル基、直鎖状または分枝状のデシル基、直鎖状または分枝
状のゥンデシル基、直鎖状または分枝状のドデシル基、直鎖状または分枝状のトリデ シル基、直鎖状または分枝状のテトラデシル基、直鎖状または分枝状のペンタデシ ル基、直鎖状または分枝状のへキサデシル基、直鎖状または分枝状のへプタデシル 基、直鎖状または分枝状のォクタデシル基、直鎖状または分枝状のノナデシル基、 直鎖状または分枝状のィコシノレ基、直鎖状または分枝状のヘンィコシノレ基、直鎖状 または分枝状のドコシル基、直鎖状または分枝状のトリコシル基、直鎖状または分枝 状のテトラコシル基、直鎖状または分枝状のペンタコシル基、直鎖状または分枝状の へキサコシル基、直鎖状または分枝状のヘプタコシノレ基、直鎖状または分枝状のォ クタコシノレ基、直鎖状または分枝状のノナコシル基、直鎖状または分枝状のトリアコン チル基、直鎖状または分枝状のヘントリアコンチル基、直鎖状または分枝状のドトリア コンチル基、直鎖状または分枝状のトリトリアコンチル基、直鎖状または分枝状のテト ラトリアコンチル基、直鎖状または分枝状のペンタトリアコンチル基、直鎖状または分 枝状のへキサトリアコンチル基、直鎖状または分枝状のヘプタトリアコンチル基、直鎖 状または分枝状のォクタトリアコンチル基、直鎖状または分枝状のノナトリアコンチル 基、直鎖状または分枝状のテトラコンチル基など(すべての異性体を含む)が挙げら れる。これらの中でも、 Rで示される有機基としては、炭素数が好ましくは 4〜30、より 好ましくは 6〜24、更に好ましくは 8〜: 18の直鎖状又は分枝状のアルキル基が好まし レ、。
[0229] また、一般式(1)中の Xは少なくとも 1つの硫黄原子、酸素原子又は窒素原子を有 する 1価の官能基を示す。 Xで示される官能基としては、メルカプト基(一 SH)、水酸 基(一 OH)、ァミノ基(一 NH )、イミノ基、ァゾ基、ジァゾ基、ォキシィミノ基、ォキシァ
2
ミノ基、ヒドラゾ基、ヒドラジ基、ジァゾァミノ基、力ルバモイル基、カルボニル基、チォ カルボニル基、イソシアン基などが挙げられ、中でもメルカプト基、アミノ基及びォキ シ基が好ましぐ潤滑油組成物の低硫黄化の点から、ォキシ基又はアミノ基がより好 ましい。
[0230] 一般式(1)中の aは 1以上の整数であり、好ましくは 1〜3の整数である。なお、 aが 2 以上のとき、 a個の Rは同一でも異なっていてもよい。有機モリブデン化合物との併用 効果に優れる点から、 aは 1又は 2であることが好ましい。
[0231] また、 Aが芳香族炭素環のとき bは 1以上の整数であり、 Aが芳香族複素環のとく b は 0又は 1以上の整数である。 bが 2以上のとき、 b個の Xは同一でも異なっていてもよ レ、。有機モリブデンィ匕合物との併用効果に優れる点から、 bは 1又は 2であることが好 ましい。
[0232] 一般式(1)で表される芳香族化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは 1 50〜: 1000であり、より好ましくは 250〜500である。当該芳香族化合物の分子量が 前記下限値未満の場合、高温での酸化安定性に劣る傾向にあり、他方、前記上限 値を超えると、配合量に対する効果が小さくなる傾向にある。
[0233] 一般式(1)で表される芳香族化合物のうち、芳香族炭素環化合物の好ましい例とし ては、具体的には、ベンゾィル基、フヱニルァセチル基、フエナシル基、ベンジルォキ シ基、ベンゾィルォキシ基、 ρ—トノレオイノレ基、ァニリノ基、フエ二ルイミノ基、フエニル ァゾ基、ベンズアミド基、ベンゼンスルフィエル基、ベンゼンスルホニル基、ベンゼン スルホンアミド基、スルファニル基、ナフチルォキシ基、ナフトイル基、ナフトイルォキ シ基等を有する芳香族炭素環化合物及びこれらのアルキル化物等から誘導される 化合物が挙げられる。より具体的には、トリアジン、サリチルアルデヒド、 2—ォキシァ ゾ化合物、 2 ヒドロキシナフタルデヒドー 1 , 2 ヒドロキシハフタルデヒドー 3, C—メ チルベンゾィルアセトン、シス又はトランス α—べンゾインォキシム、サリチルアルド キシム、ビスサリチルアルドキシム、ビスサリチルアルデヒドエチレンジィミン、ビスベン ゾィルァセトナト、エリオクロムブラック Τ、ァリザリン、 ο ァミノフエノール、イソフタル サンジヒドラジド及びそのイソフタル酸時クロリドとの重合体、グリオキザールビスヒドロ キシァニル及びそのチォ誘導体、並びにこれらのアルキル化物等から誘導されるィ匕 合物が挙げられる。
[0234] また、一般式(1)で表される芳香族化合物のうち、芳香族複素環を有する化合物の 好ましい例としては、具体的には、インドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、メ チルベンゾトリァゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、アタリジン、力ルバゾール 、フエノチアジン、フエノキサジン、ォキシン、キナルジン酸、ピコリン酸、 2, 2'—ビビリ ジン、 3, 3 ' _ジメチノレ一 2, 2'—ビビリジン、 6, 6, _ジメチノレ一 2, 2'—ビビリジン、 1 , 10 フエナント口リン、ターピリジン、ビキノリン、フタロシアニン、 8—ォキシキノリン
、 8—メルカプトキノリン、 2—メチルォキシン、 8, 8 '—ジォキシ一 5, 5 '—ビキノリル、 及びこれらのアルキル化物等から誘導される化合物が挙げられる。
[0235] これらの中でも、一般式(1)で表される芳香族化合物としては、アルキルフエノール 、アルキルカテコール、アルキルァニリン、アルキルサリチルアルデヒド、アルキルナ フトール、アルキルナフチルアルデヒド、アルキルナフチルァミン、アルキルピリジン、 アルキルビピリジン、アルキルインドール、アルキルォキシキノリノリン、アルキルメルカ プトキノリノリン、アルキルキナゾリン、アルキルアタリジン、アルキルカルバゾール、ァ ルキルフヱノキサジンが好ましい。また、これらの芳香族化合物が有するアルキル基 の炭素数は 1〜40が好ましい。
[0236] 第 6実施形態に係る潤滑油組成物において、一般式(1)で表される芳香族化合物 の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは 0. 01質量%以上、より好ましくは 0. 1質量%以上、更に好ましくは 0. 5質量%以上であり、また、好ましくは 5質量% 以下、より好ましくは 3質量%以下、更に好ましくは 2質量%以下である。一般式(1) で表される化合物の含有量が前記下限値未満の場合、有機モリブデン化合物との 併用による酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性の向上 効果が不十分となる傾向にあり、また、前記上限値を超えても含有量の増加に見合う 上記の向上効果が得られない傾向にある。
[0237] 第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、上記の潤滑油基油と有機モリブデン化合物 と一般式(1)で表される芳香族化合物とのみからなるものであってもよいが、その用 途に応じて後述する各種添加剤を更に含有することができる。
[0238] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物には、一 般式(2)で表されるリン化合物、一般式(3)で表されるリン化合物、及びそれらの金 属塩(但し、モリブデン塩は除く)又はアミン塩から選ばれる少なくとも 1種のリン系添 加剤 (リン含有摩耗防止剤)を更に含有することが好ましレ、。
[0239] [化 10] r1一 (x1)n一 P― X3
| 一 R3
(2)
X2一 R2
[式(2)中、 R1は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R2及び R3は同一でも異なって いてもよぐそれぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 X1、 X2及び X3は同一でも異なってもよぐそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を示し、 nは 0又は 1 を示し、 nが 0のとき X2又は X3のうちの少なくとも 1つは酸素原子であり、 nが 1のとき X1 、 X2又は X3のうちの少なくとも 1つは酸素原子である。 ]
[0240] [化 11]
X7 R 4 4— (X 4 4)n— I PI X e6一 R e6
I (3)
X5— R5
[式(3)中、 R4は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R5及び R6は同一でも異なって レ、てもよく、それぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 X4、 X5、 X6 及び X7は同一でも異なってもよぐそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を示し、 nは 0又 は 1を示し、 nが 0のとき X5、 X6又は X7のうちの少なくとも 2つは酸素原子であり、 nが 1 のとき X4、 X5、 X6又は X7のうちの少なくとも 3つは酸素原子である。 ]
[0241] 上記一般式(2)、(3)中、!^〜 で表される炭素数 1〜30の炭化水素基としては、 具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキル置換シクロア ルキル基、ァリール基、アルキル置換ァリール基、及びァリールアルキル基を挙げる こと力 Sできる。
[0242] 上記アルキル基としては、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、ペン チノレ基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノニノレ基、デシル基、ゥンデシル基、 ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプ タデシノレ基、ォクタデシノレ基等のアルキル基 (これらアルキル基は直鎖状でも分枝状 でもよレ、)を挙げること力できる。
[0243] 上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シク 口へプチル基等の炭素数 5〜 7のシクロアルキル基を挙げることができる。また上記ァ ルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロ ペンチル基、メチルェチルシクロペンチル基、ジェチルシクロペンチル基、メチルシク
口へキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルェチルシクロへキシル基、ジェチル シクロへキシル基、メチルシクロへプチル基、ジメチルシクロへプチル基、メチルェチ ルシクロへプチル基、ジェチルシクロへプチル基等の炭素数 6〜: 11のアルキルシク 口アルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)を挙げる こと力 Sできる。
[0244] 上記アルケニル基としては、例えば、ブテュル基、ペンテュル基、へキセニル基、 ヘプテュル基、オタテュル基、ノネ二ノレ基、デセニル基、ゥンデセニル基、ドデセニル 基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、へキサデセニル基、ヘプ タデセニル基、ォクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状で も分枝状でもよぐまた二重結合の位置も任意である)を挙げることができる。
[0245] 上記ァリール基としては、例えば、フエニル基、ナフチル基等のァリール基を挙げる こと力 Sできる。また上記アルキルァリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、ェ チルフヱニル基、プロピルフヱニル基、ブチルフエ二ル基、ペンチルフヱニル基、へキ シルフヱニル基、ヘプチルフエ二ル基、ォクチルフヱニル基、ノニルフエニル基、デシ ノレフエニル基、ゥンデシルフヱニル基、ドデシルフヱニル基等の炭素数 7〜 18のアル キルァリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよぐまたァリール基への置換 位置も任意である)を挙げることができる。
[0246] 上記ァリールアルキル基としては、例えばべンジル基、フエニルェチル基、フエ二ノレ プロピル基、フエニルブチル基、フエ二ルペンチル基、フエ二ルへキシル基等の炭素 数 7〜: 12のァリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を 挙げること力 Sできる。
[0247] 上記!^〜 で表される炭素数 1〜30の炭化水素基は、炭素数 1〜30のアルキル 基又は炭素数 6〜24のァリール基であることが好ましぐ更に好ましくは炭素数 3〜1 8、更に好ましくは炭素数 4〜: 12のアルキル基である。
[0248] 一般式(2)で表されるリン化合物としては、例えば、上記炭素数 1〜30の炭化水素 基を 1つ有する亜リン酸モノエステル、モノチォ亜リン酸モノエステル、 (ヒドロカノレビ ノレ)亜ホスホン酸、(ヒドロカルビル)モノチォ亜ホスホン酸;上記炭素数 1〜 30の炭化 水素基を 2つ有する亜リン酸ジエステル、モノチォ亜リン酸ジエステル、 (ヒドロカルビ
ノレ)亜ホスホン酸モノエステル、 (ヒドロカルビル)モノチォ亜ホスホン酸モノエステル; 上記炭素数:!〜 30の炭化水素基を 3つ有する亜リン酸トリエステル、モノチォ亜リン 酸トリエステル、 (ヒドロカルビノレ)亜ホスホン酸ジエステル、 (ヒドロカルビル)モノチォ 亜ホスホン酸ジエステル;及びこれらの混合物などが挙げられる。
[0249] 一般式(2)で表される化合物は、 ^〜 3の全てが酸素原子である化合物、すなわ ち下記一般式 (4)で表される化合物であることが好ましレ、。
[式 (4)中、 R1は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 R2及び R3は同一でも異なって レ、てもよく、それぞれ水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示し、 nは 0又は 1 を示す。 ]
[0251] 一般式(3)で表されるリン化合物としては、例えば、上記炭素数 1〜30の炭化水素 基を 1つ有するリン酸モノエステル、モノチォリン酸モノエステル、 (ヒドロカルビル)ホ スホン酸、(ヒドロカルビル)モノチォホスホン酸;上記炭素数 1〜30の炭化水素基を 2 つ有するリン酸ジエステル、モノチォリン酸ジエステル、 (ヒドロカルビル)ホスホン酸モ ノエステル、 (ヒドロカルビル)モノチォホスホン酸モノエステル;上記炭素数 1〜30の 炭化水素基を 3つ有するリン酸トリエステル、モノチォリン酸トリエステル、 (ヒドロカル ビル)ホスホン酸ジエステル、 (ヒドロカルビノレ)モノチォホスホン酸ジエステノレ;及びこ れらの混合物などが挙げられる。
[0252] 一般式(3)で表される化合物は、 X4〜X7の全てが酸素原子である化合物、すなわ ち下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましレ、。
[0253] [化 13]
0
R 4一 (0)n— I PI 0 R 6 6
I (5)
0 R5
[式(5)中、 R4、 R5及び R6は同一でも異なっていてもよぐそれぞれ水素原子又は炭 素数:!〜 30の炭化水素基を示し、 nは 0又は 1を示す。 ]
[0254] また、一般式(2)又は(3)で表されるリン化合物の金属塩又はアミン塩は、一般式( 2)又は(3)で表されるリンィ匕合物に、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金 属塩化物等の金属塩基、アンモニア、炭素数 1〜30の炭化水素基又はヒドロキシノレ 基含有炭化水素基のみを分子中に有するァミン化合物等の窒素化合物などを作用 させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中和することにより得ることができる。
[0255] 上記金属塩基における金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、 セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、ノ リウム等のアルカリ土類金 属、亜鉛、銅、鉄、鉛、ニッケル、銀、マンガン等の重金属(但し、モリブデンは除く) 等が挙げられる。これらの中ではカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属及 び亜鉛が好ましぐ亜鉛が特に好ましい。
[0256] なお、上記リン化合物の金属塩は、金属の価数あるいはリン化合物の OH基又は S H基の数に応じてその構造が異なり、したがって、リン化合物の金属塩の構造につい ては何ら限定されない。例えば、酸化亜鉛 lmolとリン酸ジエステル(OH基が 1つの 化合物) 2molを反応させた場合、下記式 (6)で表わされる構造の化合物が主成分と して得られると考えられる力 ポリマー化した分子も存在してレ、ると考えられる。
[0257] [化 14]
[式(6)中、 Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示す。 ]
[0258] また、例えば、酸化亜鉛 lmolとリン酸モノエステル(OH基が 2つの化合物) lmolと を反応させた場合、下記式(7)で表わされる構造の化合物が主成分として得られると 考えられる力 ポリマー化した分子も存在してレ、ると考えられる。
[0259] [化 15]
[式(7)中、 Rは水素原子又は炭素数 1〜30の炭化水素基を示す。 ]
[0260] また、上記窒素化合物としては、具体的には、上記モリブデン—アミン錯体の説明 において例示されたモノアミン、ジァミン、ポリアミン、アルカノールァミン等が挙げら れる。また、 N—ヒドロキシェチルォレイルイミダゾリン等の複素環化合物、ァミン化合 物へのァミンアルキレンォキシド付加物等を用いることもできる。
[0261] これら窒素化合物の中でもデシルァミン、ドデシルァミン、トリデシルァミン、ヘプタ デシノレアミン、ォクタデシルァミン、ォレイルァミン及びステアリルァミン等の炭素数 10 〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族ァミン(これらは直鎖状でも分 枝状でもよい)が好ましい例として挙げることができる。
[0262] 上記リン系添加剤は、 1種を単独で用いてもよぐまた、 2種以上を組み合わせて用 いてもよい。
[0263] リン系添加剤としては、上記一般式 (4)又は(5)で表されるリン化合物又はその金 属塩(但し、モリブデン塩を除く)が好ましぐ中でも、炭素数 3〜: 18のアルキル基又 はァリール基を 2個有する亜リン酸ジエステルと亜鉛又はカルシウムとの塩、炭素数 3 〜 18のアルキル基又はァリール基、好ましくは炭素数 6〜 12のアルキル基を 3個有 する亜リン酸トリエステル、炭素数 3〜: 18のアルキル基又はァリール基を 1個有するリ ン酸のモノエステルと亜鉛又はカルシウムとの塩、炭素数 3〜 18のアルキル基又はァ リール基を 2個有するリン酸のジエステルと亜鉛又はカルシウムとの塩、あるいは炭素 数 3〜 18のアルキル基又はァリール基、好ましくは炭素数 6〜 12のアルキル基を 3個 有するリン酸トリエステル、炭素数 1〜: 18のアルキル基又はァリール基を 1個有する( ヒドロカルビル)亜ホスホン酸と亜鉛又はカルシウムとの塩、炭素数:!〜 18のアルキル 基又はァリール基を 2個有する(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸モノエステルと亜鉛又は カルシウムとの塩、炭素数 1〜: 18のアルキル基又はァリール基を 3個有する(ヒドロ力
ルビル)亜ホスホン酸ジエステル、炭素数 1〜18のアルキル基又はァリール基を 1個 有する(ヒドロカルビル)ホスホン酸と亜鉛又はカルシウムとの塩、炭素数 1〜: 18のァ ルキル基又はァリール基を 2個有する(ヒドロカルビル)ホスホン酸モノエステルと亜鉛 又はカルシウムとの塩、炭素数 1〜: 18のアルキル基又はァリール基を 3つ有する(ヒド 口カルビル)ホスホン酸ジエステルが好ましレ、。
[0264] 上記の(ヒドロカノレビノレ)(亜)ホスホン酸、その金属塩、 (ヒドロカノレビノレ)(亜)ホスホ ン酸モノエステル、その金属塩、並びに(ヒドロカルビル)(亜)ホスホン酸ジエステルと しては、油溶性及び極圧性の点から、炭化水素基の合計炭素数が 12〜30であるこ と力 S好ましく、 14〜24であることがより好ましぐ 16〜20であることが更に好ましい。
[0265] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物において 、リン系添加剤の含有量は、組成物全量を基準として、リン元素換算で、好ましくは 0 . 005質量%以上、より好ましくは 0. 01質量%以上、更に好ましくは 0. 02質量%以 上であり、また、好ましくは 0. 5質量%以下、より好ましくは 0. 2質量%以下であり、 更に好ましくは 0. 1質量%以下、特に好ましくは 0. 08質量%以下である。リン系添 加剤の含有量が、リン元素換算で 0. 005質量%未満の場合は、摩耗防止性が不十 分となり、ロングドレイン化が達成されにくくなる傾向にある。他方、リン系添加剤の含 有量がリン元素換算で 0. 5質量%を超えても含有量の増加に見合う上記の向上効 果が得られない傾向にあり、また、第 1実施形態に係る潤滑油組成物を内燃機関用 潤滑油として使用する場合に、リンによる排ガス後処理装置への悪影響が懸念される 。排ガス後処理装置への影響も顕著に低減することができる点からは、リン系添加剤 の含有量が、リン元素換算で、 0. 08質量%以下、特に 0. 05質量%以下であること が好ましい。
[0266] なお、上記リン系添加剤のうち硫黄を含有する化合物についても、上記リン元素量 の範囲内で含有させることができるが、当該化合物の含有量は、硫黄元素換算量で 、好ましくは 0. 1質量%以下であり、より好ましくは 0. 08質量%以下である。そして、 前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、リン系添加剤とし て硫黄を含有する化合物を含有しないこと、すなわちリン系添加剤が一般式 (4)又は (5)で表されるリン化合物又はその金属塩 (但し、モリブデン塩を除く)又はアミン塩
のみで構成されることが最も好ましレ、。
[0267] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は 、その酸中和特性、高温清浄性及び摩耗防止性を更に向上させるために、金属系 清浄剤を更に含有することが好ましい。
[0268] 金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属ス ルホネート、アルカリ金属フエネート又はアルカリ土類金属フエネート、アルカリ金属 サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレート、アルカリ金属ホスホネート又はアル力 リ土類金属ホスホネート、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
[0269] アルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネートとしては、より具体的には、例えば 分子量 100〜1500、好ましくは 200〜700のアルキル芳香族化合物をスルホン化 することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ 土類金属塩、特にマグネシウム塩及び Z又はカルシウム塩が好ましく用いられ、アル キル芳香族スルホン酸としては、具体的にはいわゆる石油スルホン酸や合成スルホ ン酸等が挙げられる。
[0270] 石油スルホン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をス ルホン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、 V、わゆるマホガニー酸等が用 レ、られる。また合成スルホン酸としては、例えば洗剤の原料となるアルキルベンゼン 製造プラントから副生したり、ポリオレフインをベンゼンにアルキルィ匕することにより得 られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これを スルホン化したもの、あるいはジノニルナフタレンをスルホン化したもの等が用いられ る。またこれらアルキル芳香族化合物をスルホン化する際のスルホン化剤としては特 に制限はないが、通常発煙硫酸や硫酸が用いられる。
[0271] アルカリ金属又はアルカリ土類金属フエネートとしては、より具体的には、炭素数 4 〜30、好ましくは 6〜: 18の直鎖状又は分枝状のアルキル基を少なくとも 1個有するァ ルキルフエノール、このアルキルフエノールと元素硫黄を反応させて得られるアルキ ルフヱノールサルファイド又はこのアルキルフエノールとホルムアルデヒドを反応させ て得られるアルキルフエノールのマンニッヒ反応生成物のアルカリ金属塩又はアル力 リ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が好ましく用いられる
[0272] アルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレートとしては、より具体的には、炭素数 4 〜30、好ましくは 6〜: 18の直鎖状又は分枝状のアルキル基を少なくとも 1個有するァ ルキルサリチル酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及 び/又はカルシウム塩等が好ましく用いられる。
[0273] また、アルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属又はアルカリ 土類金属フヱネート及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレートには、アル キル芳香族スルホン酸、アルキルフヱノール、アルキルフヱノールサルファイド、アル キルフヱノールのマンニッヒ反応生成物、アルキルサリチル酸等を、直接、アルカリ金 属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等の金属塩基と反応させたり、又は一 度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換 させること等により得られる中性塩 (正塩)だけでなぐさらにこれら中性塩 (正塩)と過 剰のアル力リ金属又はアル力リ土類金属塩やアルカリ金属又はアル力リ土類金属塩 基(アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱 することにより得られる塩基性塩や、炭酸ガス又はホウ酸若しくはホウ酸塩の存在下 で中性塩 (正塩)をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等の塩基と反応さ せることにより得られる過塩基性塩 (超塩基性塩)も含まれる。なお、これらの反応は、 通常、溶媒 (へキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤 、軽質潤滑油基油等)中で行われる。
[0274] また、金属系清浄剤は通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されてお り、また、入手可能であるが、一般的に、その金属含有量が 1. 0〜20質量%、好まし くは 2. 0〜: 16質量%のものを用いるのが望ましい。また金属系清浄剤の全塩基価は 、通常 0〜500mgKOHZg、好ましくは 20〜450mgK〇H/gである。なお、ここで レ、う全塩基価とは、 JIS K2501「石油製品及び潤滑油一中和価試験法」の 7.に準 拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味する。
[0275] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物において は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フエネート、サリシレート等か ら選ばれる 1種を単独で又は 2種以上併用して使用することができる。金属系清浄剤
として、低灰化による摩擦低減効果及び/又は摩耗防止効果が大きい点、ロングド レイン性により優れる点でアルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレートが特に好ま しい。また、酸価増加をより抑制できる点からは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属 スルホネートを使用することが特に好ましい。
[0276] 金属系清浄剤の金属比は特に制限されず、通常 20以下のものが使用できるが、摩 擦低減効果及びロングドレイン性をより向上させることができる点から、好ましくは金 属比が 1〜: 10の金属系清浄剤から選ばれる 1種又は 2種以上からなることが好ましい 。なお、ここでレ、う金属比とは、金属系清浄剤における金属元素の価数 X金属元素 含有量 (mol%) /せっけん基含有量 (mol%)で表され、金属元素とは、カルシウム、 マグネシウム等、せっけん基とはスルホン酸基、サリチル酸基等を意味する。
[0277] 金属系清浄剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレートが低灰化 による摩擦低減効果が大きい点、ロングドレイン性により優れる点で特に好ましい。ま た、粘度増加を抑制できる点で、アルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネートが 特に好ましい。
[0278] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物における 金属系清浄剤の含有量の上限値は特に制限はなぐ通常、組成物全量を基準として 0. 5質量%以下である力 S、組成物全量を基準として、組成物の硫酸灰分が 1. 0質量
%以下となるようにその他の添加剤とあわせて調整することが好ましい。そのような観 点から、金属系清浄剤の含有量は、組成物全量を基準として、金属元素換算量で、 好ましくは 0. 3質量%以下、更に好ましくは 0. 23質量%以下である。また、金属系 清浄剤の含有量は、好ましくは 0. 01質量%以上、より好ましくは 0. 02質量%以上、 更に好ましくは 0. 15質量%以上である。金属系清浄剤の含有量が 0. 01質量%未 満の場合、高温清浄性や酸化安定性、塩基価維持性などのロングドレイン性能が得 られにくくなるため好ましくない。
[0279] また、金属系清浄剤に含まれる金属(M)と、構成元素として硫黄を含まない有機モ リブデン化合物に含まれるモリブデン(Mo)との質量比(MZMO)は、 0.:!〜 500が 好ましく、 2〜: 100力 Sより好ましく、 3〜60力更に好ましく、 5〜50力 S—層好ましく、 10 〜40が特に好ましい。
[0280] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は 、無灰分散剤を更に含有することが好ましい。
[0281] 無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤を用いることができる 力 例えば、炭素数 40〜400の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基 を分子中に少なくとも 1個有する含窒素化合物又はその誘導体、あるいはアルケニ ルコハク酸イミドの変性品等が挙げられる。これらの中力 任意に選ばれる 1種類ある いは 2種類以上を配合することができる。
[0282] このアルキル基又はアルケニル基の炭素数は 40〜400、好ましくは 60〜350であ る。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が 40未満の場合は化合物の潤滑油基油 に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が 400を超 える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化するため、それぞれ好ましくなレ、。こ のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましいものとし ては、具体的には、プロピレン、 1ーブテン、イソブチレン等のォレフィンのオリゴマー やエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状ァ ルケニル基等が挙げられる。
[0283] 無灰分散剤の具体的としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。これらの中か ら選ばれる 1種又は 2種以上の化合物を用いることができる。
(I)炭素数 40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも 1個有す るコハク酸イミド、あるいはその誘導体
(II)炭素数 40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも 1個有す るベンジルァミン、あるいはその誘導体
(III)炭素数 40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも 1個有す るポリアミン、あるいはその誘導体。
[0284] 上記 (I)コハク酸イミドとしては、より具体的には、下記一般式 (8)又は(9)で示され る化合物等が例示できる。
[式(8)中、 R7は炭素数 40〜400、好ましくは 60〜350の了ノレキル基又は了ルゲ: ル基を示し、 mは:!〜 5、好ましくは 2〜4の整数を示す。 ]
[化 17]
[式(9)中、 R°及び R9は、それぞれ個別に炭素数 40〜400、好ましくは 60〜350の アルキル基又はアルケニル基、更に好ましくはポリブテュル基を示し、 mは 0〜4、好 ましくは 1〜3の整数を示す。 ]
[0287] なお、コハク酸イミドには、ポリアミンの一端に無水コハク酸が付カ卩した式(8)で表さ れる、いわゆるモノタイプのコハク酸イミドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸が付カロ した式(9)で表される、いわゆるビスタイプのコハク酸イミドとが包含されるが、第 1実 施形態に係る潤滑油組成物においては、それらの一方のみを含んでもよぐあるいは これらの混合物が含まれてレ、てもよレ、。
[0288] 上記コハク酸イミドの製法は特に制限はなレ、が、例えば炭素数 40〜400のアルキ ル基又はアルケニル基を有する化合を無水マレイン酸と 100〜 200°Cで反応させて 得たアルキル又はアルケニルコハク酸をポリアミンと反応させることにより得ることがで きる。ポリアミンとしては、具体的には、ジエチレントリァミン、トリエチレンテトラミン、テ トラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンへキサミン等が例示できる。
[0289] 上記(II)ペンジノレアミンとしては、より具体的には、下記の一般式(10)で表される 化合物等が例示できる。
[0290] [化 18]
[式(10)中、 R は、炭素数 40〜400、好ましくは 60〜350のアルキル基又はアル ケニル基を示し、 pは 1〜5、好ましくは 2〜4の整数を示す。 ]
[0291] 上記ベンジルァミンの製造方法は何ら限定されるものではなレ、が、例えば、プロピ レンオリゴマー、ポリブテン、及びエチレン α—ォレフイン共重合体等のポリオレフ インをフエノールと反応させてアルキルフエノールとした後、これにホルムアルデヒドと ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエ チレンへキサミン等のポリアミンをマンニッヒ反応により反応させることにより得ることが できる。
[0292] 上記 (III)ポリアミンとしては、より具体的には、下記の一般式(11)で表される化合 物等が例示できる。
[0293] R -NH- (CH CH NH) -H (11)
2 2 q
[式(11)中、 ま、炭素数 40〜400、好ましく ίま 60〜350のァノレキノレ基又 ίまァノレ ケニル基を示し、 qは:!〜 5、好ましくは 2〜4の整数を示す。 ]
[0294] 上記ポリアミンの製造法は何ら限定されるものではなレ、が、例えば、プロピレンオリ ゴマー、ポリブテン、及びエチレン一ひ一ォレフイン共重合体等のポリオレフインを塩 素化した後、これにアンモニアやエチレンジァミン、ジエチレントリァミン、トリエチレン テトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンへキサミン等のポリアミンを 反応させることにより得ることができる。
[0295] また、無灰分散剤の一例として挙げた含窒素化合物の誘導体としては、具体的に は例えば、前述の含窒素化合物に炭素数 1〜30のモノカルボン酸 (脂肪酸等)ゃシ ユウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数 2〜30のポリカルボン酸を
作用させて、残存するァミノ基及び/又はィミノ基の一部又は全部を中和したり、アミ ド化した、いわゆる酸変性化合物;前述の含窒素化合物にホウ酸を作用させて、残存 するアミノ基及び/又はィミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆ るホウ素変性化合物;前述の含窒素化合物に硫黄化合物を作用させた硫黄変性化 合物;及び前述の含窒素化合物に酸変性、ホウ素変性、硫黄変性から選ばれた 2種 以上の変性を組み合わせた変性化合物;等が挙げられる。これらの誘導体の中でも ァルケニルコハク酸イミドのホウ素変性化合物は耐熱性、酸化防止性に優れ、第 1実 施形態に係る潤滑油組成物においても塩基価維持性及び高温清浄性をより高める ために有効である。
[0296] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物に無灰分 散剤を含有させる場合、その含有量は、通常潤滑油組成物全量基準で、 0. 01〜20 質量%であり、好ましくは 0. 1〜: 10質量%である。無灰分散剤の含有量が 0. 01質 量%未満の場合は、高温下における塩基価維持性に対する効果が少なぐ一方、 2 0質量%を超える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が大幅に悪化するため、それ ぞれ好ましくない。
[0297] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は 、連鎖停止型酸化防止剤を更に含有することが好ましい。これにより、潤滑油組成物 の酸化防止性がより高められるため、当該潤滑油組成物における塩基価維持性及 び高温清浄性をより高めること力 Sできる。
[0298] 連鎖停止型酸化防止剤としては、フエノール系酸化防止剤ゃァミン系酸化防止剤 、金属系酸化防止剤等の潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能 である。
[0299] フエノール系酸化防止剤としては、例えば、 4, 4 '—メチレンビス(2, 6 _ジ一 tert —ブチルフエノール)、 4, 4' _ビス(2, 6—ジ一tert—ブチルフエノール)、 4, 4' - ビス(2—メチル _ 6 _tert_ブチルフエノール)、 2, 2 '—メチレンビス(4—ェチル一 6— tert—ブチルフエノール)、 2, 2,一メチレンビス(4—メチル _ 6— tert—ブチル フエノール)、 4, 4 '—ブチリデンビス(3—メチル _ 6 _tert_ブチルフエノール)、 4, 4' _イソプロピリデンビス(2, 6 _ジ一 tert—ブチルフエノール)、 2, 2 '—メチレンビ
ス(4ーメチルー 6 ノニルフエノール)、 2, 2 '—イソブチリデンビス(4, 6 ジメチル フエノール)、 2, 2 '—メチレンビス(4ーメチルー 6 シクロへキシルフェノール)、 2, 6 ージー tert ブチルー 4 メチルフエノール、 2, 6 ジー tert ブチルー 4 ェチル フエノール、 2, 4—ジメチル一 6 _tert_ブチルフエノール、 2, 6—ジ一tert—ひ一 ジメチルァミノ一 p _クレゾール、 2, 6—ジ一tert—ブチル _4 (N, N'—ジメチルアミ ノメチノレフヱノーノレ)、 4, 4 '—チォビス(2—メチノレ _ 6 _tert—ブチノレフヱノーノレ)、 4 , 4,一チォビス(3—メチル _ 6— tert—ブチルフエノール)、 2, 2,一チォビス(4—メ チル一 6 _tert_ブチルフエノール)、ビス(3—メチル _4—ヒドロキシ一 5 _tert_ ブチルベンジル)スルフイド、ビス(3, 5 _ジ— tert—ブチル _4—ヒドロキシベンジル )スノレフイド、 2, 2,一チォ一ジエチレンビス [3— (3, 5 _ジ一 tert—ブチル _4—ヒド ロキシフエニル)プロピオネート]、トリデシル _ 3 _ (3, 5 _ジ一 tert—ブチル _4—ヒ ドロキシフエニル)プロピオネート、ペンタエリスリチルーテトラキス [3— (3, 5 _ジ一 te rtーブチルー 4ーヒドロキシフエニル)プロピオネート]、ォクチルー 3—(3, 5—ジ t ert ブチル 4—ヒドロキシフエニル)プロピオネート、ォクタデシルー 3— (3, 5—ジ — tert ブチルー 4ーヒドロキシフエ二ノレ)プロピオネート、 3—メチルー 5—tert ブ チルー 4ーヒドロキシフヱニル置換脂肪酸エステル類等を好ましい例として挙げること ができる。これらは 1種を単独で用いてもよぐあるいは 2種以上を混合して用いてもよ レ、。
[0300] アミン系酸化防止剤としては、例えば、フエニノレー α ナフチルァミン、アルキルフ ェニルー α—ナフチルァミン、及びジアルキルジフエニルァミンを挙げることができる 。これらは 1種を単独で用いてもよぐあるいは 2種以上を混合して用いてもよい。
[0301] 更に、上記フエノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤は組み合せて使用して あよい。
[0302] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物において 連鎖停止型酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、通常潤滑油組成物全量 基準で 5. 0質量%以下であり、好ましくは 3. 0質量%以下であり、さらに好ましくは 2 . 5質量%以下である。その含有量が 5. 0質量%を超える場合は、含有量に見合つ た十分な酸化防止性が得られないため好ましくない。一方、その含有量は、潤滑油
劣化過程における塩基価維持性及び高温清浄性をより高めるためには、潤滑油組 成物全量基準で好ましくは 0. 1質量%以上であり、好ましくは 1質量%以上である。
[0303] なお、上述のリン系添加剤には潤滑油基油に溶解しなレ、ィヒ合物又は溶解性が低 い化合物(例えば常温で固体であるジアルキルリン酸亜鉛等)が包含されるが、リン 系添加剤としてこのような化合物を使用する場合、リン系添加剤の潤滑油基油への 溶解性改善や潤滑油組成物の製造時間の短縮の点から、窒素含有化合物 (例えば 無灰分散剤としてのアミンィヒ合物や連鎖停止型酸化防止剤としてのアミン系酸化防 止剤又はそれらの混合物)とリン系添加剤とを混合し、溶解又は反応させて得られた 溶解物又は反応生成物を油溶性添加剤として潤滑油組成物に配合することが特に 好ましレ、。このような油溶性添加剤の製造例としては、例えば、リン系添加剤と上記窒 素含有化合物とを、好ましくはへキサン、トルエン、デカリン等の有機溶媒中で 15〜1 50。C、好ましくは 30〜: 120。C、特に好ましくは 40〜90°Cで 10分〜 5時間、好ましく は 20分〜 3時間、特に好ましくは 30分〜 1時間混合して溶解又は反応させ、減圧蒸 留等で溶媒を留去して得られる。
[0304] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、その 性能をさらに向上させるために、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されてい る任意の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、摩耗防 止剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、腐食防止剤、防鲭剤、抗乳化剤、金属不活 性化剤、消泡剤、及び着色剤等の添加剤等を挙げることができる。
[0305] 摩耗防止剤としては、例えば、ジスノレフイド、硫化ォレフィン、硫化油脂、ジチォリン 酸金属塩(亜鉛塩、モリブデン塩等)、ジチォ力ルバミン酸金属塩(亜鉛塩、モリブデ ン塩等)、ジチォリン酸エステル及びその誘導体(ォレフインシクロペンタジェン、(メ チル)メタクリル酸、プロピオン酸等との反応物;プロピオン酸の場合は /3位に付加し たものが好ましい。)、トリチォリン酸エステル、ジチォ力ルバミン酸エステル等の硫黄 含有化合物等が挙げられる。これらは通常、 0. 005〜5質量%の範囲において第 1 実施形態に係る潤滑油組成物の性能を大幅に損なわない限り含有させることが可能 であるが、低硫黄化及びロングドレイン性の点から、その含有量は、硫黄換算値で、 0. 1質量%以下が好ましぐ 0. 05質量%以下がより好ましい。
[0306] 摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物 が使用可能であり、例えば、二硫化モリブデン、モリブデンジチォカーバメート、モリ ブデンジチォホスフェート等のモリブデン系摩擦調整剤、炭素数 6〜30のアルキル 基又はアルケニル基、特に炭素数 6〜30の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基 を分子中に少なくとも 1個有する、ァミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂 肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ヒドラジド (ォレイルヒドラジド等)、セミカ ルバジド、ゥレア、ウレイド、ビウレット等の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。これら摩 擦調整剤の含有量は、通常 0.:!〜 5質量%である。
[0307] 粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる 1種 又は 2種以上のモノマーの重合体又は共重合体若しくはその水添物などのいわゆる 非分散型粘度指数向上剤、又はさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステル を共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤、非分散型又は分散型エチレン一 α—ォレフィン共重合体(α—ォレフィンとしてはプロピレン、 1—ブテン、 1 ペンテ ン等が例示できる)若しくはその水素化物、ポリイソプチレン若しくはその水添物、ス チレン ジェン共重合体の水素化物、スチレン 無水マレイン酸エステル共重合体 及びポリアルキルスチレン等が挙げられる。
[0308] これらの粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必 要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非 分散型ポリメタタリレートの場合で ίま、通常 5, 000-1, 000, 000、好ましく ίま 100, 000〜900, 000のもの力 ポリイソブチレン又はその水素化物の場合は通常 800〜 5, 000、好ましくは 1 , 000〜4, 000のもの力 エチレン— α—ォレフイン共重合体 又はその水素ィ匕物の場合は通常 800〜500, 000、好まし <は 3, 000〜200, 000 のものが用いられる。
[0309] またこれらの粘度指数向上剤の中でもエチレン一ひ一ォレフイン共重合体又はそ の水素化物を用いた場合には、特にせん断安定性に優れた潤滑油組成物を得るこ とができる。上記粘度指数向上剤の中から任意に選ばれた 1種類あるいは 2種類以 上の化合物を任意の量で含有させることができる。粘度指数向上剤の含有量は、通 常潤滑油組成物基準で 0.:!〜 20質量%である。
[0310] 腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリァゾール系、チアジア ゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
[0311] 防鲭剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニ ノレナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステ ル等が挙げられる。
[0312] 抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシェチ レンアルキルフエニルエーテル、及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル 等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
[0313] 金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジ ァゾール、メルカプトべンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、 1, 3, 4 —チアジアゾールポリスルフイド、 1, 3, 4—チアジアゾリル一 2, 5 _ビスジァルキノレ ジチォカーバメート、 2- (アルキルジチォ)ベンゾイミダゾール、及び /3 _ (o_カル ボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
[0314] 消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルォロシリコール、及びフルォロアルキルェ 一テル等が挙げられる。
[0315] これらの添加剤を本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑 油組成物に含有させる場合には、その含有量は潤滑油組成物全量基準で、腐食防 止剤、防鲭剤、抗乳化剤ではそれぞれ 0. 005〜5質量%、金属不活性化剤では 0. 005〜1質量%、消泡剤では 0. 0005〜1質量%の範囲で通常選ばれる。
[0316] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物の 動粘度は特に制限されないが、その 100°Cでの動粘度は、 25mm2/s以下であるこ と力好ましく、より好ましくは 15mm2/s以下である。一方、その 100°Cでの動粘度は 、 4mm2/s以上であることが好ましぐより好ましくは 5mm2/s以上である。潤滑油組 成物の 100°Cでの動粘度が前記上限値を超える場合は、低温粘度特性が悪化し、 一方、その動粘度が前記下限値未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分で あるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ま しくない。
[0317] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物の
粘度指数は特に制限されないが、低温力 高温まで優れた粘度特性が得られるよう に、その値は、 80以上であることが好ましぐ 120以上であることがより好ましぐ 150 以上であることが更に好ましレ、。潤滑油基油の粘度指数が前記下限値未満である場 合、低温粘度特性が悪化する傾向にある。
[0318] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物の 蒸発損失量としては、 NOACK蒸発量で、 20質量%以下であることが好ましぐ 16 質量%以下であることがさらに好ましぐ 10質量%以下であることが特に好ましい。潤 滑油組成物の NOACK蒸発量が前記上限値を超える場合、潤滑油組成物の蒸発 損失が大きいだけでなぐ内燃機関用潤滑油として使用した場合、組成物中の硫黄 化合物やリン化合物、あるいは金属分が潤滑油基油とともに排ガス浄化装置へ堆積 する恐れがあり、排ガス浄化性能への悪影響が懸念されるため好ましくない。
[0319] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物は、前記
(al)〜(a5)から選ばれる少なくとも 1種の芳香族成分と、有機モリブデン化合物、好 ましくは構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物、並びに必要に応じて 用いられる各種添加剤の選択によって、組成物中の硫黄含有量が 0. 3質量%以下 、好ましくは 0. 2質量%以下、より好ましくは 0. 1質量%以下のロングドレイン性に優 れた低硫黄潤滑油組成物とすることも可能である。
[0320] また、本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る潤滑油組成物の ロングドレイン性を高め、排ガス後処理装置への悪影響を極力軽減するためには、 有機モリブデン化合物、好ましくは構成元素として硫黄を含まない有機モリブデンィ匕 合物及びその他金属を含有する添加剤やその含有量の最適化によって、組成物の 硫酸灰分を 1. 0質量%以下とすることが好ましぐ 0. 8質量%以下とすることがより好 ましぐ 0. 6質量%以下とすることがより好ましぐ 0. 5質量%以下とすることが特に好 ましい。ここで、本発明でいう「硫酸灰分」とは、 JIS K 2272の 5. 「硫酸灰分の試験 方法」に規定される方法により測定される値を示し、主として金属含有添加剤に起因 するものである。
[0321] 本発明の前記実施形態(I)及び第 1〜第 6に係る潤滑油組成物によれば、上記特 定の芳香族成分と有機モリブデン化合物、特に構成要素として硫黄を含有しなレ、有
機モリブデン化合物を併用することで、無灰酸化防止剤を併用しない場合であっても 酸化防止性、塩基価維持性、高温清浄性及び NOxに対する耐性を高水準でバラン スよく達成することができ、特に、 NOxに対する耐性を飛躍的に向上させることができ る。この効果は、特に全芳香族分が 10質量%以下の基油、例えば API Grill基油( 飽和分 90質量%以上、粘度指数 120以上、硫黄分 0. 05質量%以下)等の高度精 製鉱油やポリ a一才レフイン系基油等の低芳香族分又は本質的に芳香族分を含ま ない潤滑油基油を使用した場合に顕著に発現される。
[0322] 本発明の前記実施形態 (I)及び第 1〜第 6実施形態に係る本発明の潤滑油組成物 は、ロングドレイン性 (酸化安定性、塩基価維持性、高温清浄性、及び NOxに対する 耐性)に優れるものである。そのため、二輪車、四輪車、発電用、舶用等のガソリンェ ンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関用潤滑油として好ましく使 用することができ、低硫黄、低灰分のため、特に排ガス後処理装置を装着した内燃 機関に好適である。また、低硫黄燃料、例えば、硫黄分が 50質量 ppm以下、さらに 好ましくは 30質量 ppm以下、特に好ましくは 10質量 ppm以下のガソリンや軽油や灯 油、あるいは硫黄分が 1質量 ppm以下の燃料 (LPG、天然ガス、硫黄分を実質的に 含有しない水素、ジメチルエーテル、アルコール、 GTL (ガストウリキッド)燃料等)を 用いる内燃機関用潤滑油として特に好ましく使用することができる。
[0323] また、本発明の潤滑性組成物は、酸化安定性が要求されるような潤滑油、例えば、 自動又は手動変速機等の駆動系用潤滑油、グリース、湿式ブレーキ油、油圧作動油 、タービン油、圧縮機油、軸受け油、冷凍機油等の潤滑油としても好適に使用するこ とができる。
実施例
[0324] 以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は 以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[0325] [実施例 1一:!〜 1 5、比較例 1一:!〜 1 2]
実施例 1一:!〜 1一 5及び比較例 1一 1〜1一 2においては、それぞれ以下に示す潤 滑油基油及び添加剤を用いて表 1、 2に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した 。表 1、 2には、各実施例又は比較例で得られた潤滑油組成物の硫黄含有量、リン含
有量及びモリブデン含有量 (いずれも元素換算値)を併せて示す。
(基油)
基油 1— 1 :水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5. 3mm2/s、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0. 04質量%、全芳香族分: 5. 0質量%、硫黄分 : 0. 01質量%未 満)
基油 1— 2 :水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 4. 3mm2Zs、粘度指数: 123 、多環芳香族分: 0. 001質量%未満、全芳香族分: 0. 1質量%未満、硫黄分: 0. 0 1質量%未満)
基油 1— 3 :ポリひ—ォレフィン(100°Cにおける動粘度: 6. OmmVs,多環芳香族 分 : 0. 001質量%未満、全芳香族分: 0. 1質量%未満、硫黄分: 0. 01質量%未満) 基油 1 _4:ポリひ一ォレフインとアルキルベンゼンとの混合物(混合比: 90/10 (質 量比)、 100°Cにおける動粘度: 5. 5mm2/s、多環芳香族分: 0. 001質量%未満、 全芳香族分: 10質量%、硫黄分 : 0. 01質量%未満)
(有機モリブデン化合物)
A1— 1 :モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9. 7質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
A1— 2 : 2—ェチルへキサン酸のモリブデン塩(モリブデン含有量: 15質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
A1— 3:ジ(2—ェチルへキシル)モリブデンジチォカーバメート(モリブデン含有量: 4. 5質量%、硫黄含有量: 5. 0質量%)
(リン系添加剤)
B1— 1 :ジ n—ブチルリン酸亜鉛(リン含有量: 13. 2質量%、硫黄含有量: 0質量%、 亜鉛含有量: 13質量%)
(金属系清浄剤)
C1— 1 :カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgKOHZg、カルシウム含有量: 11 . 9質量%、硫黄含有量: 1. 7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
D1 - 1 :ポリブテュルコハク酸イミド(ポリブテュル基の数平均分子量:1300、窒素分
: 1. 8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0. 77質量%)との混合物(質量比 1 : 4) (連鎖停止剤)
E 1— 1:ォクチル 3— ( 3 , 5—ジ一 tert ブチル 4—ヒドロキシフエニル)プロビネ 一トとジアルキルジフエニルァミンとの混合物(質量比 1: 1)
(粘度指数向上剤)
F1— 1:エチレン一プロピレン共重合体系粘度指数向上剤(重量平均分子量: 15万
) o
[0327] 次に、実施例 1 _ 1〜1 _ 5及び比較例 1 _ 1〜1 _ 2の各潤滑油組成物を用いて以 下の試験を行った。
[0328] [N〇x吸収試験]
日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたとき塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化を 測定した。本試験における試験温度は 140°C、 N〇x含有ガス中の NOx濃度は 118 5ppmとした。 N〇xガスの吹き込み開始から 16時間後又は 40時間後の塩基価残存 率及び 40時間後の酸価を表 1、 2に示す。表中、塩基価の減少が小さいものほど、あ るいは酸価の増加が小さいものほど、内燃機関で使用されるような NOx存在下にお いても塩基価維持性能が高ぐより長時間使用できるロングドレイン油であることを示 している。
[0329] [表 1]
実施例 実施例 実施例
1 -1 1 - 2 1 - 3 基油 1-1 残部 残部 残部 基油 1-2 - - - 潤滑油基油 [質》%]
基油 1-3 - - - 基油 1-4
0.2 0.2 有機モリブデン化合物 A1 -1 -
(0.02) (0.02)
[質量《
0.2
(モリブデン元素換算量 A1 -2 - - (0.02)
[質量%])
A1 -3 - - - リン系添加剤 0.53 0.53 0.53
B1 -1
(リン元素換算量 [質量 ¾]) (0.07) (0.07) (0.07) 金属系清浄剤 [質量? ί] 1.5 1.5 1.5
C1 -1
(金属元素換算量 [質量%]) (0.18) (0.18) (0.18) 無灰分散剤 [質量%] D1 -1 5.0 5.0 5.0 連鎖停止剤 [質量%] E1-1 - - 1.0 粘度指数向上剤 [質量%] F1 -1 4.0 4.0 ― モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量 ¾] 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量 ppm] 0.03 0.03 0.03 金属系清浄剤に含まれる金属 (M)と
有機モリブデン化合物に含まれる 9 9 9 モリブデン(Mo)との質量比 (M/Mo)
塩 ¾価 16 時間後 60 35 64
N 0 吸収 残存率 [%] 40 時間後 14 10 18 S式験 酸価
40 時間後 6.8 7.2 0.71 [mgKOH/g]
実施例 比較例 比較例 実施例
1 -4 1 -1 1-2 1 -5 基油 1-1 残部 - - - 基油 1-2 - 残部 - - 潤滑油基油 [質量%]
基油 1-3 - - 残部 - 基油 1-4 残部
0.2 0.2 0.2 有機モリブデン化合物 A1 -1 - (0.02) (0.02) (0.02)
[質量%]
A1 -2 - - - - (モリブデン元素換算量
0.4
[質量%]) A1 -3 - - -
(0.02)
リン系添加剤 0.53 0.53 0.53 0.53
B1 -1
(リン元素換算量 [質量%]) (0.07) (0.07) (0.07) (0.07) 金属系清浄剤 [質量%] 1.5 1.5 1.5 1.5
C1 -1
(金属元素換算量 [質量%]) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) 無灰分散剤 [質量%] D1 -1 5.0 5.0 5.0 5.0 連鎖停止剤 [質量%] E1 -1 - - - - 粘度指数向上剤 [質量%] F1-1 4.0 4.0 4.0 4.0 モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量 ¾] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量 ppm] 0.05 0.03 0.03 0.03 金属系清浄剤に含まれる金 属 (M)と
有機モリブデン化合物に まれる Θ Θ 9 9 モリブデン(Mo)との質量比 (M/Mo)
塩基価 16 時間後 20 22 27 26
NOx 吸収 残存率 [« 40 時間後 0 3 6 6 試 Ik 酸価
40 時間後 5.1 28 18 17
[mgKOH/g]
[0331] [実施例 1一 6〜:!一 8、比較例 1一 5]
実施例 1一 6〜1 _8におレ、ては、それぞれ以下に示す基油 1一 5及び上記の添加 剤を用いて表 3に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。表 3には、各実施例 又は比較例で得られた潤滑油組成物の硫黄含有量、リン含有量及びモリブデン含 有量 (レ、ずれも元素換算値)を併せて示す。
[0332] (基油)
基油 1— 5:溶剤精製鉱油(100°Cにおける動粘度: 5. 2mm2/s,粘度指数: 100、
多環芳香族分: 3.5質量%、全芳香族分 :26質量%、硫黄分 :0.1質量%)。
[0333] 次に、実施例1 6〜1 8の各潤滑油組成物を用ぃて、上記と同様の N〇x吸収 試験を行った。得られた結果を表 3に示す。
[0334] [表 3]
[実施例 1 9、 1-10]
実施例 1 9、 1— 10においては、それぞれ以下に示す基油 1 6、 1—7及び上記 の添加剤を用いて表 4に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。表 4には、各 実施例で得られた潤滑油組成物の硫黄含有量、リン含有量及びモリブデン含有量(
いずれも元素換算値)を併せて示す。
[0336] (基油)
基油 1— 6:基油 3 (ポリ α—ォレフイン)とべンゾフエナントレンとの混合物(混合比: 9 9. 89/0. 11 (質量比)、全芳香族分: 0. 1質量%、多環芳香族分: 0. 1質量%、硫 黄分 : 0. 01質量%未満)
基油 1— 7:基油 3 (ポリひ一ォレフイン)とべンゾフエナントレンとの混合物(混合比: 9
9. 44/0. 56 (質量比)、全芳香族分 : 0. 5質量%、多環芳香族分 : 0. 5質量%、硫 黄分 : 0. 01質量%未満)。
[0337] 次に、実施例 1— 9、 1— 10の各潤滑油組成物を用いて、上記と同様の Ν〇χ吸収 試験を行った。 Ν〇χガスの吹き込み開始から 64時間後の塩基価残存率及び 40時 間後又は 64時間後の酸価を表 4に示す。
[0338] [表 4]
実施例 実施例
1 -9 1-10
基油 1-6 残部 - 潤滑油基油 [質量%]
基油 1-7 - 残部
有機モリブデン化合物 0.2 0.2
A1 -1
[質量%] (0.02) (0.02)
(モリブデン元素換算量 A1 -2 - -
[質量 ¾]) A1 -3 - - リン系添加剤 0.53 0.53
B1 -1
(リン元素換算量 [質量%]) (0.07) (0.07) 金属系清浄剤 [質量%] 1.5 1.5
C1 -1
(金属元素換算量 [質量? 4]) (0.18) (0.18)
無灰分散剤 [質量%] D1 -1 5.0 5.0 酸化防止剤 [質量%] E1 -1 - - 粘度指数向上剤 [質量%] F1-1 4.0 4.0
モリブデン含有量 [質量? ί] 0.02 0.02
リン含有量 [質量 « 0.07 0.07
硫黄含有量 [質量 ppm] 0.03 0.03
金属系清浄剤に含まれる '属 (M)と
有機モリブデン化合物に ΐ まれる 9 9 モリブデン(Mo)との質量比 (M/Mo)
塩基価
64 時間後 - 29
NOx 吸収 残存率 [%]
試験 酸価 40 時間後 5.3 1.6
[mgKOH/g] 64 時間後 - 2.1
[0339] [排ガス後処理装置に対する適合性の評価試験]
硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して実施例 1 _ 1の潤滑油組成物を 0.1質量%添加し、試験燃料を調製した。この試験燃料と、エンジン油としての実施 例 1 1の潤滑油組成物とを用い、回転数 2400rpm、 1/2負荷、運転時間 100時 間の条件下で、外部再生式 DPFを装着した単気筒汎用ディーゼルエンジンの運転 を行い、潤滑油組成物の DPFに対する適合性を評価した。
[0340] また、比較試験として、硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して、比較例 1 5の潤滑油組成物の B1— 1成分(ジ n ブチルリン酸亜鉛)を ZDTPに置換した 潤滑油組成物(実施例 1 11、組成物の硫黄含有量: 0.3質量%、リン含有量: 0.0
7質量%)を 0. 1質量%添加した試験燃料、及びエンジン油としての実施例 1 11の 潤滑油組成物を用い、上記と同様の試験を行った。
[0341] 上記試験にぉレ、て、実施例 1 11の潤滑油組成物を用いた場合には DPFの閉塞 傾向が認められた。この DPFの閉塞傾向は、 CaSOの生成に起因すると考えられる
4
。一方、実施例 1一 1の潤滑油組成物を用いた場合は、実施例 1一 11の潤滑油組成 物を用いた場合と比較して、 DPFの閉塞性が改善されるとともに、運転後の DPFの 再生が容易であることが確認された。
[0342] [実施例 2— :!〜 2— 3;酸化防止剤組成物の調製]
実施例 2_:!〜 2_ 3においては、それぞれ以下に示す有機モリブデン化合物と潤 滑油基油とを混合して酸化防止剤組成物を調製した。各実施例における有機モリブ デン化合物及び潤滑油基油の種類、並びに得られた潤滑油組成物のモリブデン含 有量 (元素換算値)を表 5に示す。
[0343] (有機モリブデン化合物)
A2— 1 :モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9. 7質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
(潤滑油基油)
基油 2— 1 :溶剤精製鉱油(100°Cにおける動粘度: 7. 4mm2/s、粘度指数: 95、全 芳香族分 : 31. 4質量%、多環芳香族分 : 5質量%、硫黄分 : 0. 54質量%) 基油 2— 2 :溶剤精製鉱油(100°Cにおける動粘度: 10. 5mm2/s、粘度指数: 95、 全芳香族分: 37. 3質量%、多環芳香族分 : 7質量%、硫黄分 : 0. 61質量%) 基油 2— 3 :溶剤精製鉱油(100°Cにおける動粘度: 22. OmmVs,粘度指数: 95、 全芳香族分: 42. 1質量%、多環芳香族分: 10質量%、硫黄分: 0. 58質量%)。
[0344] [表 5]
実施例 2 - 1 実施例 2-2 実施例 2-3 有機モリブデン化合物 A2-1 A2-1 A2-1 潤滑油基油 基油 2-1 基油 2-2 基油 2 - 3 有機モリブデン化合物
の含有量
1.0 2.0 2.0
(元素換算値)
[質量%]
[0345] [実施例 2— 4〜2— 9、実施例 1一 12〜:!一 13、比較例 2— :!〜 2— 2;潤滑油組成 物の調製]
実施例 2— 4〜 2— 9においては、実施例 2—:!〜 2— 3の酸化防止剤,組成物並び に以下に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて、表 6に示す組成を有する潤滑油組 成物を調製した。また、実施例 1— 12〜1— 13、比較例 2—:!〜 2— 2においては、実 施例 2— :!〜 2— 3の酸化防止剤組成物を用いずに、以下に示す潤滑油基油及び添 加剤を用いて、表 7に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。表 6、 7には、得 られた潤滑油組成物のモリブデン含有量 (元素換算値)を併せて示す。
[0346] (潤滑油基油)
基油 2— 4:水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5.3mm2Zs、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0.04質量%、全芳香族分: 5.0質量%、硫黄分 :0.01質量%未 満)
基油 2— 5:ポリひ—ォレフィン(100°Cにおける動粘度: 6. OmmVs,多環芳香族 分 :0.001質量%未満、全芳香族分: 0.1質量%未満、硫黄分: 0.01質量%未満) (有機モリブデン化合物)
B2— 1:ジ(2—ェチルへキシル)モリブデンジチォカーバメート(モリブデン含有量: 1 0質量%、硫黄含有量: 10質量%)
B2— 2:モリブデンのジトリデシノレアミン錯体 (モリブデン含有量: 9.7質量%、硫黄 含有量: 0質量%、窒素含有量: 1. 1質量%)
(金属系清浄剤)
C2— 1:カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgKOH/g、カルシウム含有量: 11
. 9質量%、硫黄含有量: 1. 7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
D2— 1 :ポリブテエルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量: 1300、窒素分 : 1. 8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0. 77質量%)との混合物(質量比 1 : 4)。
[0347] [N〇x吸収試験]
実施例 2 _ 4〜 2— 9、実施例 1一 12〜 1 _ 13及び比較例 2—:!〜 2— 2の各潤滑 油組成物について、以下のようにして NOx吸収試験を実施した。
[0348] 日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたとき塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化を 測定した。本試験における試験温度は 140°C、 N〇x含有ガス中の NOx濃度は 118 5ppmとした。 N〇xガスの吹き込み開始から 40時間後の塩基価及び酸価を表 6、 7 に示す。表中、塩基価の減少が小さいものほど、あるいは酸価の増加が小さいものほ ど、内燃機関で使用されるような NOx存在下においても塩基価維持性能が高ぐより 長時間使用できるロングドレイン油であることを示している。
[0349] [表 6]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例
2-4 2-5 2-6 2-7 2-8 2-9 基油 2-4 残部 残部 残部 - - - 基油 2-5 - - - 残部 残部 残部 実施例 2-1 の
2.0 - - 2.0 - - 酸化防止剤組成物
実施例 2-2 の
- 1.0 - - 1.0 - 酸化防止剤組成物
組成 実施例 2-3 の
- - 1.0 - - 1.0 [質量 ¾] 酸化防止剤組成物
Β2-1 - - - - - -
Β2-2
C2-1
1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18)
[質量%])
D2-1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 モリブデン含有量 [ί 量 ¾] 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 塩 ¾価
ΝΟχ 残存率 40 時間後 16 14 18 19 20 18 吸収 [ ]
試験 酸価
40 時間後 3.2 3.1 2.5 5.1 5.4 4.8 [mgKOH/g] 7]
実施例 実施例 比較例 比較例
1 -12 1-13 2-1 2-2 基油 2-4 残部 残部 - - 基油 2-5 残部 残部 実施例 2-1 の
- - - - 酸化防止剤組成物
実施例 2-2 の
- - - - 酸化防止剤組成物
組成 実施例 2-3 の
- - - -
[質量%] 酸化防止剤組成物
B2-1 0.2 - 0.2 -
- 0.2 - 0.2
C2-1
1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18)
[質量%])
D2-1 5.0 5.0 5.0 5.0 モリブデン含有量 [: 量%] 0.02 0.02 0.02 0.02
Ja基価
NOx 残存率 40 時間後 10 14 0 6 吸収 [%]
sn験 酸価
40 時間後 6 8 15 18
[mgKOH/g]
[0351] [実施例 3— :!〜 3— 7、実施例 1 14、比較例 3— 1]
実施例 3—:!〜 3— 7、実施例 1— 14及び比較例 3—1においては、それぞれ以下 に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて表 8、 9に示す組成を有する潤滑油組成物 を調製した。ここで、実施例 3—:!〜 3— 7においては、基油 3—1と有機モリブデンィ匕 合物 A3— 2とを混合した後、その混合物と基油 3— 3と他の添加剤とを混合した。
[0352] 表 8、 9には、各実施例又は比較例における混合基油中の硫黄分、並びに潤滑油 組成物の硫黄含有量、リン含有量及びモリブデン含有量 (いずれも元素換算値)を 併せて示す。
[0353] (潤滑油基油)
基油 3— 1:溶剤精製鉱油(100°Cにおける動粘度: 5.2mm2Zs、粘度指数: 95、多 環芳香族分: 5質量%、全芳香族分 :30質量%、硫黄分: 0.6質量%)
基油 3— 2 :水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5. 3mm2/s、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0. 04質量%、全芳香族分 : 5. 0質量%、硫黄分 : 0. 01質量%未 満)
(有機モリブデン化合物)
A3— 1 :モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9. 7質量%、硫黄 含有量: 0質量%、窒素含有量: 1. 1質量%)
A3— 2:ジ(2—ェチルへキシル)モリブデンジチォカーバメート(モリブデン含有量: 4. 5質量%、硫黄含有量: 5. 0質量%)
(リン系添加剤)
B3— 1 :ジ n—ブチルリン酸亜鉛(リン含有量: 13. 2質量%、硫黄含有量: 0質量%、 亜鉛含有量: 13質量%)
(金属系清浄剤)
C3— 1 :カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgKOH/g、カルシウム含有量: 11 . 9質量%、硫黄含有量: 1. 7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
D3 - 1 :ポリブテュルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量:1300、窒素分 : 1. 8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0. 77質量%)との混合物(質量比 1 : 4) (粘度指数向上剤)
E3— 1 :エチレン プロピレン共重合体系粘度指数向上剤 (重量平均分子量: 15万
) 0
[0354] [NOx吸収試験]
実施例 3— :!〜 3— 7、実施例 1一 14及び比較例 3— 1の各潤滑油組成物にっレ、て 、以下のようにして NOx吸収試験を実施した。
[0355] 日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたとき塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化を 測定した。本試験における試験温度は 140°C、 N〇x含有ガス中の NOx濃度は 118 5ppmとした。 N〇xガスの吹き込み開始から 16時間後又は 40時間後の塩基価及び 40時間後の酸価を表 8、 9に示す。表中、塩基価の減少が小さいものほど、あるいは
酸価の増加が小さいものほど、内燃機関で使用されるような N〇x存在下においても 塩基価維持性能が高ぐより長時間使用できるロングドレイン油であることを示してい る。
[0356] [ホットチューブ試験]
実施例 3_ 3〜3_ 5の各潤滑油組成物について、以下のようにしてホットチューブ 試験を実施した。
[0357] JPI— 5S— 5599に準拠し、 290°C又は 300°Cの 2条件でホットチューブ試験を行 つた。評点は無色透明(汚れなし)を 10点、黒色不透明を 0点とし、この間をあらかじ め 1刻みで作成した標準チューブを参照して評価した。得られた結果を表 8、 9に示 す。 290°Cにおいて当該評点が 6以上であれば、通常のガソリンエンジン用、ディー ゼルエンジン用の潤滑油として清浄性に優れたものであるが、ガスエンジン用の潤滑 油としては、本試験において 300°C以上においても優れた清浄性を示すことが好ま しい。
[0358] [表 8]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 基油
潤滑油基油全量に占める 5 10 20 50 80
3-1
各基油の割合
基油
[質量》] 95 90 80 50 20
3-2
潤 i 由基油の硫黄分 [質量《 0.03 0.06 0.12 0.30 0.48 潤滑油基油 [質量 ¾] 残部 残部 残部 残部 残部 有機モリブデン化合物 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
A3- 1
[質量%] (0.02) (0.02) (0.02) (0.02) (0.02) (モリブデン元素換算量
A3-2 - - - - -
[質量 ¾])
リン系添加剤
潤滑油 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6
(リン元素換算量 B3-1
組成物 (0.07) (0.07) (0.07) (0.07) (0.07)
[質量? ί])
の組成
金属系清浄剤 [質量 «
1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 C3-1
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) [質量? ί])
無灰分散剤 [質量%] D3-1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 粘度指数向上剤
E3-1 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0
[質量 ¾]
モリブデン含有量 [質量 « 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量? 4] 0.07 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量 ppm] 0.06 0.09 0.15 0.33 0.51 金属系清浄剤に含まれる金属 (M)と
有機モリブデン化合物に含まれるモリブデン 9 9 9 9 9 (Mo)との質量比(M/Mo)
塩基価 16時間後 58 59 62 60 61
NOx吸収 残存率 [%] 40時間後 22 22 39 21 22 試験 酸価
40時間後 2.0 1.7 1.4 1.8 2.0 [mgKOH/g]
ホットチューブ試験 290°C 10 10 10
(評点) 300°C - - 5 7 5
実施例 実施例 比較例 実施例
1-14 3-6 3-1 3-7 基油
潤滑油基油全量に占める - 100 10 10
3-1
各基油の割合
基油
[質量%] 100 - 90 90
3-2
潤ミ 油基油の硫黄分 [質量 « く 0.01 0.60 0.06 0.06
潤滑油基油 [質量 ¾] 残部 残部 残部 残部 有機モリブデン化合物 0.2 0.2
A3-1 - -
[質量%] (0.02) (0.02)
(モリブデン元素換算量 0.4
A3 - 2 - - -
[質量? ί]) (0.02) リン系添加剤
潤滑油 0.6 0.6 0.6 0.6
(リン元素換算量 B3-1
組成物 (0.07) (0.07) (0.07) (0.07)
[質量 ¾])
の組成
金属系清浄剤 [質量%]
1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 C3-1
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18)
[質量 ¾])
無灰分散剤 [質量 ¾] D3-1 5.0 5.0 5.0 5.0 粘度指数向上剤
E3-1 4.0 4.0 4.0 4.0 [質量! 4]
モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.00 0.02 リン含有量 [質量%] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量 ppm] 0.03 0.63 0.09 0.11 金属系清浄剤に含まれる金属 (M)と
有機モリブデン化合物に含まれるモリブデン 9 9 9 9 (Mo)との質量比(M/Mo)
塩基価 16 時間後 54 59 30 20
NOx 吸収 残存率 [%] 40 時間後 14 22 10 8 試験 酸価
40 時間後 7.0 2.6 30 3.5 [mgKOH/g]
[排ガス後処理装置に対する適合性の評価試験]
硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して実施例 3— 1の潤滑油組成物を 0.1質量%添加し、試験燃料を調製した。この試験燃料と、エンジン油としての実施 例 3— 1の潤滑油組成物とを用い、回転数 2400rpm、 1/2負荷、運転時間 100時 間の条件下で、外部再生式 DPFを装着した単気筒汎用ディーゼルエンジンの運転
を行い、潤滑油組成物の DPFに対する適合性を評価した。
[0361] また、比較試験として、硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して、実施例 3— 7の潤滑油組成物の B3 1成分を ZDTPに置き換えた潤滑油組成物(実施例 3 一 8、硫黄含有量: 0. 25質量%、リン含有量: 0. 07質量%)を 0. 1質量%添加した 試験燃料、及びエンジン油としての実施例 3_ 8の潤滑油組成物を用レ、、上記と同様 の試験を行った。
[0362] 上記試験において、実施例 3— 8の潤滑油組成物を用いた場合には DPFの閉塞 傾向が認められた。この DPFの閉塞傾向は、 CaSOの生成に起因すると考えられる
4
。一方、実施例 3— 1の潤滑油組成物を用いた場合は、実施例 3— 8の潤滑油組成 物を用いた場合と比較して、 DPFの閉塞性が改善されるとともに、運転後の DPFの 再生が容易であることが確認された。
[0363] [実施例 4一 1、 4一 2 ;酸化防止剤組成物の調製]
実施例 4 1、 4 2においては、それぞれ以下に示す有機モリブデン化合物と芳 香族系溶剤とを混合して酸化防止剤組成物を調製した。各実施例における有機モリ ブデン化合物及び芳香族系溶剤の種類、並びに得られた潤滑油組成物における有 機モリブデン化合物の含有量 (モリブデン元素換算値)を表 10に示す。
[0364] (有機モリブデン化合物)
A4—1 :モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9. 7質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
(芳香族系溶剤)
溶剤 4 1:テトラデシノレ基を 1〜2個有するアルキルナフタレン(100°Cにおける動粘 度: 5. Omm Z s)
溶剤 4_ 2:へキサデシル基を 1〜2個有するアルキルナフタレン(100°Cにおける動 粘度: 12mm2Zs)。
[0365] [表 10]
実施例 4-1 実施例 4-2
有機モリブデン化合物 A4-1 A4-1
芳香族系溶剤 溶剤 1 溶剤 2
有機モリブデン化合物
の含有量
2.0 2.0
(元素換算値)
[質量%]
[0366] [実施例 4一 3〜4一 7、実施例 1一 15〜:!一 17、比較例 4一 :!〜 4一 2;潤滑油組成 物の調製]
実施例 4一 3〜4_7においては、実施例 4一 1又は 4一 2の酸化防止剤組成物並 びに以下に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて、表 11に示す組成を有する潤滑 油組成物を調製した。また、実施例 1_15〜1_17及び比較例 4_:!〜 4— 2におい ては、実施例 4—1又は 4— 2の酸化防止剤組成物を用いずに、以下に示す潤滑油 基油及び添加剤を用いて、表 12に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。表 11、 12には、得られた潤滑油組成物のモリブデン含有量 (元素換算値)を併せて示 す。
[0367] (潤滑油基油)
基油 4—1:水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5.3mm2/s、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0.04質量%、全芳香族分 :5.0質量%、硫黄分 :0.01質量%未 満)
基油 4— 2:ポリ α—ォレフイン(100°Cにおける動粘度: 6.0mm2/s、多環芳香族 分 :0.001質量%未満、全芳香族分 :0.1質量%未満、硫黄分 :0.01質量%未満) (有機モリブデン化合物)
B4— 1:ジ(2—ェチルへキシル)モリブデンジチォカーバメート(モリブデン含有量: 1 0質量%、硫黄含有量: 10質量%)
B4— 2:モリブデンのジトリデシノレアミン錯体 (モリブデン含有量: 9.7質量%、硫黄 含有量: 0質量%、窒素含有量: 1.1質量%)
(金属系清浄剤)
C4—1:カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgKOHZg、カルシウム含有量: 11
. 9質量%、硫黄含有量: 1. 7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
D4— 1 :ポリブテエルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量: 1300、窒素分 : 1. 8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0. 77質量%)との混合物(質量比 1 : 4) (連鎖停止型酸化防止剤)
E4- 1 :ォクチル _ 3 _ (3, 5—ジ _t_ブチル _ 4—ヒドロキシフエニル)プロビオネ ート (硫黄含有量: 0. 0質量%)
E4- 2 :アルキルジフヱニルァミン(アルキル基:ブチル基及びォクチル基の混合物)
[0368] [N〇x吸収試験]
実施例 4一 3〜4 _ 7、実施例 1一 15〜:!一 17及び比較例 4一:!〜 4一 2の各潤滑 油組成物について、以下のようにして NOx吸収試験を実施した。
[0369] 日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたとき塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化を 測定した。本試験における試験温度は 140°C、 NOx含有ガス中の NOx濃度は 118 5ppmとした。 NOxガスの吹き込み開始力 40時間後又は 82時間後の塩基価及び 40時間後、 70時間後又は 82時間後の酸価を表 11、 12に示す。表中、塩基価の減 少が小さいものほど、あるいは酸価の増加が小さいものほど、内燃機関で使用される ような NOx存在下においても塩基価維持性能が高ぐより長時間使用できるロングド レイン油であることを示してレ、る。
[0370] [表 11]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例
4-3 4-4 4-5 4-6 4-7 基油 4 - 1 残部 残部 - - 残部 基油 4 - 2 - - 残部 残部 - 実施例 4-1 の
1.0 - 1.0 - 1.0 酸化防止剤組成物
実施例 4-2 の
- 1.0 - 1.0 - 酸化防止剤組成物
組成 B4-1
[質量%] B4-2 - - - - -
C4-1
1.5 1.5 1.5 1.5 1.5
(金属元素換算量 [質
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) 量 ¾])
D4-1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
E4-1 - - - - 0.5
E4-2 - - - - 0.5 モリブデン含有量 [質量《 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 塩 ¾価 40 時間後 16 14 20 21 残存率
82 時間後 16
[%]
40 時間後 2.2 2.4 5.5 6.0 - 酸価
70 時間後 - - - - 1.2
[mgKOH/g]
82 時間後 - - - - 2.2
12]
実施例 実施例 比較例 比較例 実施例
1 -15 1 -16 4-1 4-2 1-17 基油 4-1 残部 残部 - - 残部 基油 4-2 残部 残部
実施例 4-1 の
- - - - - 酸化防止剤組成物
実施例 4-2 の
- - - - - 酸化防止剤組成物
組成 B4-1 0.2 - 0.2 - -
[質量 94] B4-2 - 0.2 - 0.2 0.2
C4-1
1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量
(0.8) (0.8) (0.8) (0.8) (0.8)
[質量1 ])
D4-1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
E4-1 - - - - 0.5
E4-2 - - - - 0.5 モリブデン含有量 β量%] 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 塩基価 40 時間後 10 14 0 6 - 残存率
82 時間後 - - - - 0
NOx [%]
吸収 40 時間後 6.0 8.0 15 18 - 試験 酸価
70 時間後 - - - - 6.6 [mgKOH/g]
82 時間後 - - - - 13.2
[0372] [実施例 5—:!〜 5— 13、実施例 1 18〜:! 21、比較例 5—:!〜 5— 4]
実施例 5—:!〜 5— 13、実施例 1 18〜1—21及び比較例 5—:!〜 5— 4において は、それぞれ以下に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて表 13〜: 17に示す組成を 有する潤滑油組成物を調製した。表 13〜: 17には、各実施例又は比較例における潤 滑油組成物の硫黄含有量、リン含有量及びモリブデン含有量 (いずれも元素換算値 )を併せて示す。
[0373] (潤滑油基油)
基油 5— 1:ポリひ—ォレフィン(100°Cにおける動粘度: 6. OmmVs,多環芳香族 分 :0.001質量%未満、全芳香族分: 0.1質量%未満、硫黄分: 0.01質量%未満)
基油 5— 2:水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5.3mm2/s、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0.04質量%、全芳香族分 :5.0質量%、硫黄分 :0.01質量%未 満)
(有機モリブデン化合物)
A5_ 1:ジ(2—ェチルへキシル)モリブデンジチォカーバメート(モリブデン含有量: 4.5質量%、硫黄含有量: 5.0質量%)
A5— 2:モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9.7質量%、硫黄 含有量: 0質量%、窒素含有量: 1. 1質量%)
A5_ 3 :2—ェチルへキサン酸のモリブデン塩(モリブデン含有量: 15質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
(多環芳香族化合物)
B5— 1:へキサデシル基を 1〜2個有するアルキルナフタレン
B5-2:ベンゾフエナントレン
(リン系添加剤)
C5— 1:ジ n—ブチルリン酸亜鉛 (リン含有量: 13.2質量%、硫黄含有量: 0質量%、 亜鉛含有量: 13質量%)
(金属系清浄剤)
D5-1:カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgK〇H/g、カルシウム含有量: 1 1.9質量%、硫黄含有量: 1.7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
E5— 1:ポリブテエルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量: 1300、窒素分 :1.8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0.77質量%)との混合物(質量比 1:4) (粘度指数向上剤)
F5— 1:エチレン一プロピレン共重合体系粘度指数向上剤(重量平均分子量: 15万 )
(連鎖停止型酸化防止剤)
G5— 1:ォクチル一 3_(3, 5—ジ _t_ブチル _4—ヒドロキシフエニル)プロビオネ ート
G5- 2 :アルキルジフヱニルァミン(アルキル基:ブチル基及びォクチル基の混合物)
[0374] [NOx吸収試験]
実施例 5 _:!〜 5 _ 13、実施例 1 _ 18〜 1 _ 21及び比較例 5 _:!〜 5 _ 4の各潤滑 油組成物について、以下のようにして NOx吸収試験を実施した。
[0375] 日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたとき塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化を 測定した。本試験における試験温度は 140°C、 N〇x含有ガス中の NOx濃度は 118 5ppmとした。 N〇xガスの吹き込み開始から 16時間後、 40時間後、 64時間後又は 8 2時間後の塩基価及び 40時間後、 64時間後、 70時間後又は 82時間後の酸価を表 13〜: 17に示す。表中、塩基価の減少が小さいものほど、あるいは酸価の増加が小さ いものほど、内燃機関で使用されるような NOx存在下においても塩基価維持性能が 高ぐより長時間使用できるロングドレイン油であることを示している。
[0376] [表 13]
14]
実施例 実施例 実施例 実施例JQ III、
5-7 5-8 5-9 5-10 基油
- - - -
5-1
潤滑油基油 [質量%]
基油
残部 残部 残部 残部
5-2
有機モリブデン化合物 A5-1 - - - -
[質量%]
0.20 0.20 0.20 0.20 (モリブデン元素換算量 A5-2
(0.02) (0.02) (0.02) (0.02)
[質量? ί])
A5-3 - - - - 多環芳香族化合物 B5-1 1.00 5.00 10.0 20.0
[質量《 B5-2 - - - - リン化合物 [質量%]
0.53 0.53 0.53 0.53 (リン元素換算量 C5-1
(0.07) (0.07) (0.07) (0.07) [質量%])
金属系清浄剤 [質量%]
1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 D5-1
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18) [質量%])
無灰分散剤 [質量%] E5-1 5.00 5.00 5.00 5.00 粘度指数向上剤 [質量%] F5-1 4.00 4.00 4.00 4.00 連鎖停止型酸化防止剤 G5-1 - - - - [質量%] G5-2 - - - - モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量? έ] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量%] 0.03 0.03 0.03 0.03
16 時間後 52 60 60 60 塩基価
40 時間後 18 22 22 22 残存率
64 時間後 - - - -
[%]
82 時間後 - - - -
40 時間後 2.3 1.1 1.1 1.1 酸価 64 時間後
[mgKOH/g] 70 時間後 - - - -
82 時間後 - - - - 15]
実施例 実施例 実 a例
5-11 5-12 5-13 、
基油
^! - 残部 残部
5-1
潤滑油基油 [質量? 4]
基油
残部 - -
5-2
有機モリブデン化合物 A5-1 - - -
[質量 ¾]
0.20 0.20 0.20 (モリブデン元素換算量 A5-2
(0.02) (0.02) (0.02)
[質量;《])
A5-3 - - - 多環芳香族化合物 B5-1 1.00 - -
[質量%] B5-2 - 0.1 0.5 リン化合物 [質量《
0.53 0.53 0.53 (リン元素換算量 C5-1
(0.07) (0.07) (0.07) [質量%])
金属系清浄剤 [質量%]
1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 D5-1
(0.18) (0.18) (0.18) [質量! 4])
無灰分散剤 [質量%] E5-1 5.00 5.00 5.00 粘度指数向上剤 [質量%] F5-1 4.00 4.00 4.00 連鎖停止型酸化防止剤 G5-1 0.5
[質量%] G5-2 0.5 - - モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量 « 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量? 4] 0.03 0.03 0.03
16 時間後
ia基価
40 時間後 - - - 残存率
64 時間後 - - 29
[%]
82 時間後 15 - -
40 時間後 1.0 5.3 1.6 酸価 64 時間後 - - 2.1
[mgKOH/g] 70 時間後 1.2 - -
82 時間後 2.2 ]
比較例 実施例 比較例 実施例
5-1 1-18 5-2 1 -19 基油
驟 残部 - 残部 -
5-1
潤滑油基油 [質量%]
基油
- 残部 - 残部
5-2
0.40 0.40
有機モリブデン化合物 A5-1 - - (0.02) (0.02)
[質晟%]
0.20 0.20 (モリブデン元素換算量 A5-2 - - (0.02) (0.02)
[質量 ])
A5-3 - - - - 多環芳香族化合物 B5-1 - - - - [質量%] B5-2 - - - - リン化合物 [質量%]
0.53 0.53 0.53 0.53 (リン元素換算量 C5-1
(0.07) (0.07) (0.07) (0.07)
[質量%])
金属系清浄剤 [質量%]
1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 D5-1
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18)
[質量《)
無灰分散剤 [質量%] E5-1 5.00 5.00 5.00 5.00 粘度指数向上剤 [質量%] F5-1 4.00 4.00 4.00 4.00 連鎖停止型酸化防止剤 G5-1 - - - - [質量%] G5-2 - - - - モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量? ί] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量%] 0.05 0.05 0.03 0.03
16 時間後 19 20 27 60
Ja基価
40 時間後 0 0 0 14 残存率
64 時間後 - - - -
[%]
82 時間後 - - - -
40 時間後 17.3 5.1 18.0 6.8 酸価 64 時間後 - - - -
[mgKOH/g] 70 時間後 - - - -
82 時間後 - - - - 7]
比較例 実施例 比較例 実施例
5-3 1-20 5-4 1 -21 纏 基油
残部 - 残部 -
5-1
潤滑油基油 [質量%]
基油
- 残部 - 残部
5-2
A5-1 - - - - 有機モリブデン化合物
[質量%] 0.20
A5-2 - - - (モリブデン元素換算量 (0.02)
[質量%]) 0.13 0.13
A5-3 - - (0.02) (0.02)
多環芳香族化合物 B5-1 - - 5.00 -
[質量《 B5-2 - - - - リン化合物 [質量 ¾]
0.53 0.53 0.53 0.53 (リン元素換算量 C5-1
(0.07) (0.07) (0.07) (0.07)
[質量 «)
金属系清浄剤 [質量《
1.5 1.5 1.5 1.5 (金属元素換算量 D5-1
(0.18) (0.18) (0.18) (0.18)
[質量%])
無灰分散剤 [質量%] E5-1 5.00 5.00 5.00 5.00 粘度指数向上剤 [質量%] F5-1 4.00 4.00 4.00 4.00 連鎖停止型酸化防止剤 G5-1 - - - - [質量%] G5-2
モリブデン含有量 [質量! 4] 0.02 0.02 0.00 0.02
リン含有量 [質量 ¾] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量%] 0.03 0.03 0.03 0.03
16 時間後 32 33 31 - ta 価
40 時間後 14 1 13 - 残存率
64 時間後 - - - -
[%]
82 時間後 0
40 時間後 18.8 7.8 18 1.5 酸価 64 時間後 - - - -
[mgKOH/g] 70 時間後 - - - 6.6
82 時間後 - - - 13.2
[排ガス後処理装置に対する適合性の評価試験]
硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して実施例 5— 4の潤滑油組成物を .1質量%添加し、試験燃料を調製した。この試験燃料と、エンジン油としての実施
例 5— 4の潤滑油組成物とを用い、回転数 2400rpm、 1/2負荷、運転時間 100時 間の条件下で、外部再生式 DPFを装着した単気筒汎用ディーゼルエンジンの運転 を行い、潤滑油組成物の DPFに対する適合性を評価した。
[0382] また、比較試験として、硫黄分 1質量 ppm以下のディーゼル燃料に対して、実施例 1 _ 18の潤滑油組成物における C5 _ 1成分を ZDTPに置き換えた潤滑油組成物( 実施例 1一 22 ;硫黄含有量 0. 2質量%、リン含有量: 0. 07質量%)を 0. 1質量%添 カロした試験燃料、及びエンジン油としての実施例 1— 22の潤滑油組成物を用レ、、上 記と同様の試験を行った。
[0383] 上記試験において、実施例 1 _ 22の潤滑油組成物を用いた場合には DPFの閉塞 傾向が認められた。この DPFの閉塞傾向は、 CaSOの生成に起因すると考えられる
4
。一方、実施例 5— 4の潤滑油組成物を用いた場合は、実施例 1一 22の潤滑油組成 物を用いた場合と比較して、 DPFの閉塞性が改善されるとともに、運転後の DPFの 再生が容易であることが確認された。
[0384] [実施例 6— :!〜 6— 5、実施例 1 23、比較例 6— :!〜 6— 3]
実施例 6—:!〜 6— 5、実施例 1— 23及び比較例 6—:!〜 6— 3においては、それぞ れ以下に示す潤滑油基油及び添加剤を用いて表 18、 19に示す組成を有する潤滑 油組成物を調製した。表 18、 19には、各実施例又は比較例で得られた潤滑油組成 物の硫黄含有量、リン含有量及びモリブデン含有量 (いずれも元素換算値)を併せて 示す。
[0385] (基油)
基油 6— 1 :ポリ α—ォレフイン(100°Cにおける動粘度: 6. 0mm2/s、多環芳香族 分 : 0. 001質量%未満、全芳香族分: 0. 1質量%未満、硫黄分: 0. 01質量%未満) 基油 6— 2 :水素化分解鉱油(100°Cにおける動粘度: 5. 3mm2Zs、粘度指数: 120 、多環芳香族分: 0. 04質量%、全芳香族分: 5. 0質量%、硫黄分 : 0. 01質量%未 満)
(有機モリブデン化合物)
A6— 1 :モリブデンのジトリデシルアミン錯体 (モリブデン含有量: 9. 7質量%、硫黄 含有量: 0質量%)
(一般式 (1)で表される芳香族化合物)
B6— 1:4—ォクチルフエノール(分子量: 178)
B6-2:へキサデシルフヱノール(分子量:318)
B6-3:へキサデシルカテコール(分子量: 334)
B6_4:4—ォクチルァニリン(分子量: 179)
(リン系添加剤)
C6— 1:ジ n ブチルリン酸亜鉛 (リン含有量: 13.2質量%、硫黄含有量: 0質量%、 亜鉛含有量: 13質量%)
(金属系清浄剤)
D6-1:カルシウム スルホネート(塩基価: 300mgK〇H/g、カルシウム含有量: 1 1.9質量%、硫黄含有量: 1.7質量%、金属比:10)
(無灰分散剤)
E6— 1:ポリブテエルコハク酸イミド(ポリブテニル基の数平均分子量: 1300、窒素分 :1.8質量%)とそのホウ素化物(ホウ素分 0.77質量%)との混合物(質量比 1:4)。
[0386] 次に、実施例 6— :!〜 6— 5、実施例 1 23及び比較例 6— :!〜 6— 3の各潤滑油組 成物を用いて以下の試験を行った。
[0387] [NOx吸収試験]
日本トライボロジー会議予稿集 1992、 10、 465に準拠した方法にて試験油に NO X含有ガスを吹き込み、強制劣化させたときの塩基価 (塩酸法)及び酸価の経時変化 を測定した。本試験における試験温度は 140°C、 NOx含有ガス中の NOx濃度は 11 85ppmとした。 NOxガスの吹き込み開始力 40時間後の塩基価及び酸価を表 18、 19に示す。表中、塩基価の減少が小さいものほど、あるいは酸価の増加が小さいも のほど、内燃機関で使用されるような N〇x存在下においても塩基価維持性能が高く 、より長時間使用できるロングドレイン油であることを示している。
[0388] [表 18]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例
6-1 6-2 6-3 6-4 6-5 油
残部 - - - -
6-1
潤滑油基油 [質量 ¾]
;由
- 残部 残部 残部 残部
6-2
有機モリブデン化合物 [質量 ¾] 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
A6-1
(モリブデン元素換算量 [質量%]) (0.02) (0.02) (0.02) (0.02) (0.02)
B6-1 0.5 0.5 - - - 一般式(1)で表される
B6-2 - - 0.5 - - 芳香族化合物
B6-3 - - - 0.5 - [質量
B6-4 0.5 リン系添加剤 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
C6-1
(リン元素換算量 [質量%]) (0.07) (0.07) (0.07) (0.07) (0.07) 金属系清浄剤 [質量《 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5
D6-1
(金属元素換算量 [質量 ¾]) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) CO.18) 無灰分散剤 [質量? ί] E6-1 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.02 0.02 0.02 リン含有量 [質量! 4] 0.07 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量%] 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 塩基価残存率
ΝΟχ 40時間後 39 30 35 40 33
[%]
吸収
酸価
試験 40時間後 0.9 1.4 1.5 1.2 1.3
[mgKOH/g] 19]
比較例 実施例 比較例 比較例
6-1 1-23 6-2 6-3 軀 基油
残部 残部
6-1
潤滑油基油 [質量%]
基油
- 残部 - 残部
6-2
有機モリブデン化合物 [質量1/ ί] 0.2 0.2
A6-1
(モリブデン元素換算量 [質量%]) (0.02) (0.02) (0.00) (0.00)
B6-1 - - 0.5 0.5 一般式(1)で表される
芳香族化合物
- - - - [質量%]
m - - - - リン系添加剤 0.5 0.5 0.5 0.5
C6-1
(リン元素換算量 [質量? 4]) (0.07) (0.07) (0.07) (0.07) 金属系清浄剤 [質量%] 1.5 1.5 1.5 1.5
D6-1
(金属元素換算量 [質量 ¾]) (0.18) (0.18) (0.18) (0.18) 無灰分散剤 [質量 ¾] Ε6-1 5.0 5.0 5.0 5.0 モリブデン含有量 [質量%] 0.02 0.02 0.00 0.00 リン含有量 [質量%] 0.07 0.07 0.07 0.07 硫黄含有量 [質量%] 0.03 0.03 0.03 0.03 塩基価残存率
40 時間後 7 13 1 ;
[%]
酸価
40 時間後 17 8 23.4 20.8
[mgKOH/g]