JP2004277712A - 4サイクルエンジン油基油及び組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 添加剤を配合しなくても、長時間過酷な条件で安定な油膜保持性を有し、ロッカーアームパッドスカッフィング防止性能、カムシャフト摩耗の防止性能及びカムシャフトピッチングの防止性能に極めて優れた4サイクルエンジン油基油を提供する。
【解決手段】 全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油であって、当該(A)エステル系基油が、(A−1)100℃における動粘度が20〜50mm/sである、ジカルボン酸エステルと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体5〜30質量%、及び(A−2)100℃における動粘度が2〜50mm/sである多価アルコールと脂肪酸とのエステル5〜60質量%からなることを特徴とする4サイクルエンジン油基油を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エステル系潤滑油基油を含有する4サイクルエンジン油基油及び4サイクルエンジン油組成物に関し、詳しくは、長時間過酷な条件での運転をしても動弁系のスカッフィング防止性及びカムシャフト摩耗防止性に極めて優れる4サイクルエンジン油基油及び4サイクルエンジン油組成物に関し、あるいはエステル系潤滑油基油及び有機モリブデン化合物を含有する4サイクルエンジン油組成物において、カムシャフトのピッチング防止性能をも改善しうる4サイクルエンジン油組成物及びその方法に関する。
近年、4サイクルエンジンは、高性能化・高出力化が進められ、また、モータースポーツ人気やスポーツユーティリティビークル(SUV)、高性能二輪車の増加とともない、4サイクルエンジン油への要求性能は極めて厳しい状況にある。殊に、レース用に使用される高性能エンジンは、小型、軽量、高出力化が追求されており、四輪車では3000〜10000rpm、二輪車においては6000〜20000rpmの高回転領域を長時間常用するなど、極めて過酷な運転条件にさらされるため、エンジンの耐久性の観点から、耐摩耗性に極めて優れる、信頼性、安全性の高い高性能エンジン油が要望されている。しかしながら、現在市販されている二輪車レース用4サイクルエンジン油では、ロッカーアームパッドのスカッフィング防止性能やカムシャフトの摩耗防止性能が長時間の過酷な運転に耐えうるほど十分ではなく、レース中に重大なエンジントラブルを引き起こす可能性が懸念されている。
一方、このような高性能エンジンには、高出力化、あるいはレース中における給油回数を減らす観点から、エンジンの摩擦損失の低減も同時に要望されはじめている。省燃費性能を向上させるには、エンジン油の粘度を低く設定し、攪拌抵抗を低減する方法及び有機モリブデン化合物の配合による境界潤滑領域における摩擦損失の低減を図ることが一般的(例えば特許文献1〜3参照)であり、有機モリブデン化合物を配合した高性能エンジン油としては、ポリ−α−オレフィン系基油あるいは鉱油系基油とエステル系基油を併用した全合成系あるいは半合成系のエンジン油が知られている(例えば特許文献3〜8参照)。
しかしながら、エステル系基油は、その強い極性のために、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤や有機モリブデン化合物の効果を阻害しやすく、特にサリシレートを配合した場合にはエステル系基油あるいは摩耗防止剤の効果を阻害し、動弁系のスカッフィング防止性能や摩耗防止性能が著しく悪化することとなり、さらには、有機モリブデン化合物を配合した省燃費型の4サイクルエンジン油組成物においては、カムシャフトのピッチング防止性能が著しく悪化することがわかってきた。従って従来のエステル基油含有4サイクルエンジン油においては、エステル基油の配合量が必然的に20質量%程度あるいはそれ以下に制限されているのが現状である。
一方で、添加剤は長時間の使用過程において消耗し、長時間その性能を維持することが困難であるため、添加剤を配合しない場合でも、高い安定性と高い摩耗防止性能を有する4サイクルエンジン油基油の最適化も必要である。
従って、添加剤を配合しなくても、長時間の過酷な運転においても動弁系のスカッフィング及びカムシャフトの摩耗防止性能を維持しうる4サイクルエンジン油基油の最適化と、そのような基油の特性を最大限発揮するとともに、さらに優れた性能を発揮しうる添加剤配合がなされた4サイクルエンジン油組成物、そして、省燃費性能とカムシャフトのピッチング防止性能を極めて高レベルで両立しうる4サイクルエンジン油組成物の開発が必要とされていた。
特開平8−302378号公報 特開平2001−181664号公報 特開平5−279686号公報 U.S.PantetNo.4,208,292 U.S.PatentNo.4,259,254 U.S.PatentNo.4,428,861 特開平10−195474号公報 特開2001−348591号公報 特開平8−183985号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものである。すなわち、本発明の第1の課題は、添加剤を配合しなくても、長時間過酷な条件で安定な油膜保持性を有し、ロッカーアームパッドスカッフィング防止性能、カムシャフト摩耗の防止性能及びカムシャフトピッチングの防止性能に極めて優れた4サイクルエンジン油基油を提供することである。
そして、本発明の第2の課題は、前記4サイクルエンジン油基油に各種添加剤を配合した場合、特にサリシレート系清浄剤を配合した場合でもロッカーアームパッドスカッフィング及びカムシャフト摩耗の防止性能をさらに向上させることができる4サイクルエンジン油組成物を提供することである。
また、第3の課題は、上記課題に加え、エステル系基油を多量に配合した基油にモリブデン化合物を配合した場合においても摩擦低減効果と極めて優れたカムシャフトのピッチング防止性能を有する4サイクルエンジン油組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のエステル系基油を含有する4サイクルエンジン油基油及びさらに特定の摩擦調整剤を配合した組成物が、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の態様は、基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油であって、当該(A)エステル系基油が、(A−1)100℃における動粘度が20〜50mm/sである、ジカルボン酸エステルと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体5〜30質量%、及び(A−2)100℃における動粘度が2〜50mm/sである多価アルコールと脂肪酸とのエステル5〜60質量%からなることを特徴とする4サイクルエンジン油基油にある。
上記のような構成をとることにより、本発明の第1の課題である、添加剤を配合しなくても長時間過酷な条件で使用しても安定な油膜保持性を有し、ロッカーアームパッドスカッフィング防止性能、カムシャフト摩耗の防止性能及びカムシャフトピッチングの防止性能に極めて優れた4サイクルエンジン油基油を提供することが可能となる。
上記第1の態様の4サイクルエンジン油基油において、前記(A−2)成分がトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコールから選ばれるポリオールと炭素数6〜10のカルボン酸とのエステルであることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様の4サイクルエンジン油基油に、(C)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有する無灰系摩擦調整剤、(D)(亜)リン酸エステル系化合物及び(E)有機モリブデン系化合物から選ばれる1種又は2種以上を、組成物全量基準で、それぞれ0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする4サイクルエンジン油組成物である。
上記第2の態様のエンジンオイル組成物において、前記(C)成分は、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドであることが好ましい。
Figure 2004277712
(一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す)
また、上記第2の態様のエンジンオイル組成物において、さらに(F)ジチオリン酸亜鉛、(G)金属系清浄剤、(H)無灰分散剤、(I)無灰酸化防止剤及び(J)粘度指数向上剤を組成物全量基準で、それぞれ0.01〜15質量%の範囲で配合することが好ましい。
上記のように構成した場合には、前記(G)金属系清浄剤が(G−1)アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤であることが好ましい。
このように構成した場合には、本発明の第2の課題を解決することができる。すなわち、上記第一の態様の4サイクルエンジン油基油に各種添加剤を配合した場合、特にサリシレート系清浄剤を配合した場合でもロッカーアームパッドスカッフィング及びカムシャフト摩耗の防止性能をさらに向上させることができる4サイクルエンジン油組成物を提供することが可能となる。
本発明の第3の態様は、基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油に(E)有機モリブデン系化合物を含有する4サイクルエンジン油組成物であって、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドを組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする4サイクルエンジン油組成物である。
Figure 2004277712
(一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す)
このようにすれば、本発明の第3の課題である、エステル系基油を多量に配合した基油にモリブデン化合物を配合した場合においても摩擦低減効果と極めて優れたカムシャフトのピッチング防止性能を有する4サイクルエンジン油組成物を提供することができる。
上記第3の態様の4サイクルエンジン油組成物において、さらに(D)(亜)リン酸エステル系化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%配合することが好ましい。
上記第2及び第3の態様にかかる4サイクルエンジン油組成物は、二輪車用又はレース用エンジンに使用されることが好ましい。
本発明の第4の態様は、基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%、及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油に(E)有機モリブデン化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%含有する4サイクルエンジン油組成物に、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドを組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする省燃費型4サイクルエンジン油のカムシャフトピッチング防止性能の改善方法にある。
Figure 2004277712
(一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す)
上記第4の態様の改善方法において、さらに(D)(亜)リン酸エステル系化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%配合することが好ましい。
また、前記(G)成分が(G−1)アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤であることが好ましい。
本発明の4サイクルエンジン油基油は、添加剤を一切配合しなくても長期間の過酷な運転にも耐えうる優れた動弁系のスカッフィング、摩耗及びピッチング防止性能を有し、低リン、低灰、低硫黄、あるいは、実質的に無リン、無灰、無硫黄の4サイクルエンジン油組成物を得ることも可能である。また、本発明の4サイクルエンジン油組成物は、特定の摩擦調整剤を必須として配合することにより、さらにスカッフィング及び摩耗防止性能を向上させることができるものである。また、本発明は、有機モリブデン化合物を含有する場合であっても、無灰摩擦調整剤の選択により、省燃費性能とピッチング防止性能を極めて高いレベルで両立した4サイクルエンジン油組成物及びその方法を提供することができるものである。
従って本発明の4サイクルエンジン油基油及び組成物は、二輪車用又はレース用の4サイクルエンジン油組成物として有用であるだけでなく、一般のガソリンエンジン油、ガスエンジン油、ディーゼルエンジン油等として有用である。
また、スカッフィング及び摩耗の防止性能あるいは、さらにピッチングの防止性能、低摩擦性が要求される潤滑油、例えば、自動又は手動変速機等の駆動系用潤滑油、グリース、湿式ブレーキ油、油圧作動油、タービン油、圧縮機油、軸受け油、冷凍機油等の潤滑油としても好適に使用することができる。
以下に、本発明の4サイクルエンジン油基油及び組成物について説明する。
本発明の潤滑油基油は、基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油である。(A)エステル系潤滑油基油の含有量は、4サイクルエンジン油基油全量基準で、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上であり、好ましくは75質量%以下、より好ましくは58質量%以下であり、(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油の含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは42質量%以上であり、好ましくは75質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。当該エステル系潤滑油基油は、(A−1)100℃における動粘度が20〜50mm/sである、ジカルボン酸エステルと炭素数3〜20のαオレフィンとの共重合体5〜30質量%、及び(A−2)100℃における動粘度が2〜50mm/sである、多価アルコールと脂肪酸とのエステル系潤滑油基油5〜60質量%からなることが好ましい。
(A−1)成分としては、具体的には、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2004277712
ここでRは直鎖又は分枝アルキル基を示し、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素、直鎖又は分枝アルキル基、並びに式−R−COで表される基、又は式−COで表されるエステル基(R6は直鎖又は分枝アルキレン基を示し、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ直鎖又は分枝アルキル基を示す)のいずれかを示し、R〜Rのいずれか2つは当該エステル基であり、X及びYは同一でも異なっていてもよく、それぞれ正の数を示す。
ここで、上記一般式(1)における下記一般式(3)で表される構造は、α−オレフィンに由来するものであり、このα−オレフィンとしては炭素数3〜20のものが用いられ、さらに好ましくは炭素数6〜18のものが用いられる。
Figure 2004277712
このα−オレフィンとしては具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられる。また、上記一般式(2)における下記一般式(4)で表される構造は、ジカルボン酸エステルに由来するものである。
Figure 2004277712
このジカルボン酸としては具体的には、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。またアルコールとしては、炭素数1〜20のものが好ましく、さらには炭素数3〜8のものが好ましい。このアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール等が挙げられる。
これらのα−オレフィン及びジカルボン酸エステルを共重合させることにより(A−1)成分が得られる。製法の詳細については特開昭58−65246号公報に記載されている。この際にα−オレフィンと、ジカルボン酸エステルとのモル比はX:Y=1:9〜9:1であるのが好ましく、3:7〜7:3であるのがさらに好ましい。また(A−1)成分の平均分子量は1000〜3000であるのが好ましい。さらに(A−1)成分の100℃における動粘度は20〜50mm/s、好ましくは30〜40mm/sであることが望ましい。20mm/s未満の場合、あるいは50mm/sを超える場合には、本発明の効果が得られにくいため、好ましくない。
(A−1)成分としては、好ましくはマレイン酸ジブチルと炭素数6〜18、好ましくは炭素数10〜18のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
(A−1)成分の混合割合は、4サイクルエンジン油基油全量基準で、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%であり、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、特に好ましくは18質量%以下である。5質量%未満の場合、本発明の優れた効果を得にくいため好ましくなく、30質量%を超える場合、添加剤の溶解性悪化や、貯蔵安定性に劣るため好ましくない。
本発明の4サイクルエンジン油基油における(A−2)成分は、多価アルコールと脂肪酸とのエステルであり、具体的には、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等のポリオールと炭素数2〜20の脂肪酸とのエステル化反応により得られるポリオールエステル、又は2−エチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール等の炭素数2〜18のアルコールと炭素数2〜20の2価の脂肪酸とのエステル化反応により得られるジエステル類等が挙げられる。ポリオールエステルには、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたものであっても良い。
この脂肪酸としては炭素数2〜20のものが好ましく用いられ、炭素数6〜18のものは好ましく用いられ、炭素数6〜12のものがより好ましく用いられ、炭素数6〜10のものが特に好ましく用いられる。この脂肪酸としては、直鎖状であっても分枝状であっても良く、具体的には例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸、イソヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ラウリン酸、イソラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、ペンタデカン酸、イソペンタデカン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ヘプタデカン酸、イソヘプタデカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソテアリン酸、ノナデカン酸、イソノナデカン酸、エイコサン酸、イソエイコサン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。本発明においては、直鎖状のものが好ましい。
さらに(A−2)成分の100℃における動粘度は2〜50mm/s、好ましくは3〜20mm/s、特に4〜8mm/sであることが望ましい。2mm/s未満の場合、あるいは50mm/sを超える場合には、組成物が高粘度となり過ぎ、攪拌抵抗の増加による省燃費性能の悪化が懸念されるため、好ましくない。
(A−2)成分としては、添加剤の溶解性、耐熱性に優れ、長期にわたり油膜保持性を維持しやすい点でポリオールエステルであることが好ましく、トリメチロールプロパン又はペンタエリスリトールと炭素数6〜12の脂肪酸、好ましくは炭素数6〜10の脂肪酸とのエステル、特にペンタエリスリトールと炭素数6〜10の直鎖及び/又は分枝カルボン酸とのテトラエステルであることが特に好ましい。
(A−2)成分の混合割合は、4サイクルエンジン油基油全量基準で、5質量%以上であり、好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%であり、60質量%以下、好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。5質量%未満の場合、添加剤の溶解性、貯蔵安定性に劣り、60質量%を超える場合、ゴムシール剤への影響が大きいためそれぞれ好ましくない。
本発明における4サイクルエンジン油基油における(B)成分は、鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油である。
鉱油系潤滑油基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、GTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される基油等が例示できる。
鉱油系潤滑油基油の全芳香族含有量は、特に制限はないが、その全芳香族含有量の上限値は、10質量%であることが好ましく、8質量%であることがさらに好ましく、その下限値は、好ましくは0質量%、さらに好ましくは2質量%、特に好ましくは3質量%である。基油の全芳香族含有量を上記のようにすることで酸化安定性、摩擦低減効果により優れる組成物を得ることができ、2質量%以上とすることで、特に(A−1)成分を10質量%以上配合した場合にも優れた添加剤の溶解性を付与することができ、ポリ−α−オレフィン系潤滑油基油よりも好ましく用いることができる。なお、ここでいう全芳香族含有量は、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味し、通常、この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、及びこれらのアルキル化物、四環以上のベンゼン環が縮合した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
また、鉱油系潤滑油基油中の硫黄分は、特に制限はないが、0.2質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましく、0.005質量%以下であることが特に好ましい。鉱油系潤滑油基油の硫黄分を低減することで、酸化安定性や排ガス浄化触媒への悪影響をより低減することができる他、ロングドレイン性に優れる組成物を得ることができる。
また、ポリ−α−オレフィン系潤滑油基油としては、具体的には、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等の炭素数4〜16、好ましくは炭素数8〜12のα−オレフィンのオリゴマー又はそれらの水素化物等が挙げられる。
本発明における(B)成分は、鉱油系潤滑油基油、ポリ−α−オレフィン系潤滑油基油は単独使用あるいは混合して使用することができ、例えば、1種以上の鉱油系潤滑油基油、1種以上のポリ−α−オレフィン系潤滑油基油、1種以上の鉱油系潤滑油基油と1種以上のポリ−α−オレフィン系潤滑油基油との混合油等を挙げることができる。
上記(B)成分の動粘度は特に制限はないが、その100℃での動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、より好ましくは10mm/s以下である。一方、その動粘度は、2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。潤滑油基油の100℃での動粘度が20mm/sを越える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が1mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。
また、(B)成分のNOACK蒸発量は、特に制限はないが、16質量%以下であることが好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分のNOACK蒸発量が16質量%を超える場合、基油の蒸発損失が大きいだけでなく、組成物中の硫黄化合物やリン化合物、あるいは金属分が基油とともに排ガス浄化装置へ堆積する恐れがあり、さらには、添加剤濃縮による摩擦抵抗の増加や酸化劣化を促進し、動弁系のスカッフィングや摩耗の防止性を維持しにくくなる恐れがある。なお、ここでいうNOACK蒸発量とは、CEC L−40−T−87に準拠し、測定されたものである。
(B)成分の粘度指数は特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性、及び優れた低摩擦性が得られるようにその値は、100以上であることが好ましく、更に好ましくは120以上である。その粘度指数が100未満である場合、低温粘度特性が悪化するため、好ましくない。
本発明の4サイクルエンジン油基油における(B)成分の含有量は、90〜10質量%であり、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下であり、25質量%以上、42質量%以上である。(B)成分の含有量を上記範囲とすることで耐熱性、酸化安定性に優れ、添加剤の効果をより発揮しやすく、貯蔵安定性にも優れた組成物を得ることができる。
本発明の4サイクルエンジン油基油の100℃における動粘度は、特に制限はないが、油膜保持性能と省燃費性能が得られるようにその値は、20mm/s以下であることが好ましく、16mm/sであることがさらに好ましく、12mm/sであることが特に好ましく、また、4mm/s以上であることが好ましく、5mm/s以上であることがさらに好ましく、6mm/s以上であることが特に好ましい。
また、本発明の4サイクルエンジン油基油の粘度指数は特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性、及び優れた低摩擦性が得られるようにその値は、100以上であることが好ましく、更に好ましくは120以上である。その粘度指数が100未満である場合、低温粘度特性が悪化するため、好ましくない。
また、本発明の4サイクルエンジン油基油のNOACK蒸発量は、特に制限はないが、オイル消費を抑制し、長時間の過酷な運転を行っても安定的に優れた性能を維持するために、その値は、16質量%以下であることが好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
また、本発明の4サイクルエンジン油基油には、必要に応じてその他の合成系潤滑油基油、例えば、ポリブテン又はその水素化物、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、及び芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等を配合することができる。
本発明の上記(A)成分及び(B)成分からなる4サイクルエンジン油基油は、各種添加剤を配合しなくても、長時間過酷な条件で運転させた場合においてもロッカーアームのスカッフィング防止性、カムシャフトの摩耗防止性に極めて優れたものであり、熱酸化安定性、清浄性にも優れるので、いわゆる無リン、無灰、無硫黄油として、そのまま4サイクルエンジン油組成物として過酷な条件で運転されるエンジンに適用することも可能であるが、必要に応じ各種性能をさらに付与するために各種添加剤を配合することができ、その配合量を最小限にすることができる。例えば、組成物全量基準で、リン含有量が0.05質量%以下、あるいは実質的にリン分を含有しない組成物、金属含有量が硫酸灰分量で1.0質量%以下、あるいは0.5質量%以下、あるいは実質的に金属分を含有しない組成物、硫黄含有量が、0.1質量%以下、あるいは0.05質量%以下、あるいは実質的に硫黄を含有しない(0.001質量%以下))組成物等を得ることができ、排ガス後処理装置、例えば三元触媒、NOx吸蔵還元触媒、酸化触媒、DPF等への影響を最小限に抑えることが可能となる。
本発明の4サイクルエンジン油組成物は、上記(A)成分及び(B)成分からなる4サイクルエンジン油基油に、(C)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有する無灰系摩擦調整剤、(D)(亜)リン酸エステル系化合物、(E)有機モリブデン系化合物から選ばれる少なくとも1種を配合してなることが好ましい。
(C)成分としては、具体的には、潤滑油用に用いられる公知の無灰系摩擦調整剤を使用でき、例えば、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基、特に炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1つ有する、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族エーテル、脂肪族アミン化合物等が挙げられ、いずれもロッカーアームパッドのスカッフィング防止及びカムシャフトの摩耗防止には有用である。
脂肪酸アミドとしては、下記一般式(1)で表わされる化合物が例示できる。
Figure 2004277712
一般式(4)において、R1は炭素数6〜30、好ましくは炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素又は炭素数1〜30、好ましくは水素又は炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。組成物に有機モリブデン化合物を配合した場合には、カムシャフトのピッチング防止性能を唯一高めることが可能となる点で、Rは水素であることが特に好ましい。
脂肪酸アミドのより好ましい具体例としては、オレイルアミド、オレイルオレイルアミド、ステアリルアミド、ステアリルステアリルアミド等が挙げられ、特にRが水素であるオレイルアミド、ステアリルアミドが好ましい。
また、脂肪酸エステルとしては、具体的には、例えば、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、グリセリントリオレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノステアレート等が挙げられ、中でもグリセリンモノオレートが好ましい。
また、脂肪族エーテルとしては、具体的には、例えば、グリセリンモノオレイルエーテル、グリセリンモノステアリルエーテル等が挙げられ、グリセリンモノステアリルエーテルが特に好ましい。
また、脂肪族アミンとしては、炭素数6〜30の直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪族モノアミン、直鎖状若しくは分枝状、好ましくは直鎖状の脂肪族ポリアミン、又はこれら脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
本発明において、(C)成分としては、上記脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族エーテルから選ばれる少なくとも1種の無灰系摩擦調整剤を配合することが好ましい。
本発明においては、これらの(C)摩擦調整剤の中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を、任意の量で含有させることができる。通常、その含有量は、潤滑油組成物基準で0.01〜5.0質量%であるが、本発明の4サイクルエンジン油基油に対しては、良好な溶解性、貯蔵安定性、スカッフィング防止性、摩耗防止性を得るためには、好ましくは0.1〜1.0質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%であるのが望ましい。(C)成分の含有量が5.0質量%を超える場合、本発明の4サイクルエンジン油基油への溶解性に劣り、0.01質量%未満の場合、(C)成分の添加効果が得られないため、それぞれ好ましくない。
本発明における(D)成分は、(亜)リン酸エステル系化合物であり、具体的には、例えば、炭素数3〜30のアルキル基又はアルケニル基あるいはアリール基、特に炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を1〜3つ有するリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステル、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル、亜リン酸トリエステル及び、これらのアミン塩が挙げられる。中でも亜リン酸エステル、亜リン酸エステルのアミン塩が好ましい例として挙げられる。
(D)成分の配合量は、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明における(E)成分は有機モリブデン系化合物であり、潤滑油に一般に使用される公知の有機モリブデン化合物を使用することができる。具体的には、例えば、モリブデンジチオカーバメート系化合物、モリブデンジチオホスフェート系化合物、モリブデン−コハク酸イミド錯体、モリブデン−アミン錯体等が挙げられる。本発明においては、モリブデンジチオカーバメート系化合物、モリブデンジチオホスフェート系化合物が好ましく、ロッカーアームパットスカッフィング防止性により優れる点で、モリブデンジチオホスフェートであることが好ましく、カムシャフト摩耗防止性により優れる点でモリブデンジチオカーバメートであることが好ましい。なお、これらの中でも、本発明の4サイクルエンジン油基油のようなエステル系基油が多量に配合された基油に対しては、モリブデンジチオホスフェートが特異的な摩擦低減効果を示す。(E)成分の配合量は通常0.01〜5質量%であるが、モリブデン元素換算量で、0.003〜0.2質量%であることが好ましく、0.005〜0.1質量%であることがさらに好ましく、0.01〜0.06質量%であることが特に好ましい。
本発明の4サイクルエンジン油組成物には、さらに(F)ジチオリン酸亜鉛、(G)金属系清浄剤、(H)無灰分散剤、(I)無灰酸化防止剤がそれぞれ0.01〜15質量%の範囲で含有されていることが好ましい。
本発明の4サイクルエンジン油組成物における(G)成分はジチオリン酸亜鉛であり、潤滑油に一般に使用される公知のジチオリン酸亜鉛、例えば、炭素数3〜18の第1級又は第2級アルキル基、アリール基を有するジアルキル又はジアリールジチオリン酸亜鉛を使用することができる。(G)成分の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の4サイクルエンジン油組成物における(H)成分は金属系清浄剤であり、潤滑油に一般に使用される公知の金属系清浄剤、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート等及びこれらの混合物を使用することができる。これらは、中性塩だけでなく、炭酸カルシウムやホウ酸カルシウム等を分散させた(過)塩基性塩も含み、その塩基価は通常、0〜500mgKOH/g、好ましくは50〜400mgKOH/g、特に好ましくは150〜300mgKOH/gである。(H)成分の含有量は組成物全量基準で、好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
なお、サリシレート系清浄剤には、塩基価が50〜300mgKOH/g、炭素数10〜30のアルキル基又はアルケニル基を1つ有するモノアルキルサリシレートが一般的に市販されているが、本発明においてサリシレート系清浄剤を使用する場合、(G)ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤の作用又は本発明の4サイクルエンジン油基油の優れた効果を阻害し、ロッカーアームスカッフィング及びカムシャフトの摩耗防止性能を悪化させやすい炭素数10〜19のアルキル基又はアルケニル基を1つ有するサリシレート系清浄剤を使用した場合でも、本発明の基油やその他の構成を満たすことで、上記のような磨耗を抑制し得る組成物を得ることができる。特に炭酸カルシウム又はホウ酸カルシウムで(過)塩基化された、塩基価が150〜300mgKOH/gのサリシレート系清浄剤を使用することが好ましい。もちろん、スルホネート系清浄剤及び/又はフェネート系清浄剤や、炭素数20〜30のアルキル基又はアルケニル基を1つ有するサリシレート系清浄剤、あるいは炭素数1〜30から選ばれるアルキル基又はアルケニル基を2つ有するサリシレート系清浄剤は、摩耗防止剤の作用を阻害しにくいため、特に好ましく使用することができる。
本発明の4サイクルエンジン油組成物における(I)成分は無灰分散剤であり、潤滑油に一般に使用される公知の無灰分散剤、例えば、数平均分子量700〜3500のアルキル基又はアルケニル基を有する、モノコハク酸イミド、ビスコハク酸イミド、ベンジルアミン、アミン及びこれらのホウ素化合物、リン化合物、硫黄化合物、含酸素化合物等による誘導体が例示できる。本発明においては、モノ又はビスコハク酸イミド及び/又はそのホウ素変性化合物、中でもビスコハク酸イミド及び/又はそのホウ素変性化合物を使用することが好ましい。本発明の4サイクルエンジン油組成物における(I)成分の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%、特に好ましくは3〜4質量%であり、ホウ素変性化合物を使用する場合、その含有量は、ホウ素換算量で通常0.005〜0.2質量%、好ましくは0.01〜0.06質量%である。
本発明の4サイクルエンジン油組成物における(J)成分は無灰酸化防止剤である。フェノール系化合物やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されているものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノール類、メチレン−4,4−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール類、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のエステル−フェノール類、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類、フェノチアジン類等が使用できる。(J)成分の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜2質量%である。
本発明の4サイクルエンジン油組成物には、さらにその性能を高める目的あるいは別の性能を付与するために、潤滑油に一般的に使用される公知の添加剤、例えば、錆止め剤、腐食防止剤、粘度指数向上剤、流動点向上剤、抗乳化剤、消泡剤等を任意に配合することができる。錆止め剤としては、例えば、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル、石油スルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート等が使用できる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合物等が使用できる。
粘度指数向上剤としては、非分散型粘度指数向上剤や分散型粘度指数向上剤が使用可能であり、具体的には、非分散型又は分散型のポリメタクリレートやオレフィンコポリマー、あるいはポリイソブテン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体及びその水素化物等が使用できる。これらの重量平均分子量は、一般に5,000〜1,000,000であるが、省燃費性能をより高めるために、重量平均分子量が100,000〜1,000,000、好ましくは200,000〜900,000、特に好ましくは400,000〜800,000である上記粘度指数向上剤を使用することが望ましい。なお、本発明の組成物を二輪車用4サイクルエンジンあるいはレース用エンジンに使用する場合、より低摩擦性能を高めるため、上記分子量のポリメタクリレート、好ましくは分散型ポリメタクリレートを使用することが望ましい。
粘度指数向上剤の含有量は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマー、アルキル化芳香族化合物、フマレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用できる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーンやフルオロシリコーン等のシリコーン化合物類が使用できる。
これらの添加剤の添加量は任意であるが、通常組成物全量基準で、消泡剤の含有量は0.0005〜0.01質量%、粘度指数向上剤の含有量は0.05〜15質量%、腐食防止剤の含有量は0.005〜0.2質量%、その他の添加剤の含有量は、それぞれ0.01〜15質量%の範囲で選ばれる。
本発明の4サイクルエンジン油組成物は、上記各種添加剤を配合することで、100℃における動粘度を、その下限値が5.6mm/s、好ましくは9.3mm/s、さらに好ましくは12.5mm/s、特に好ましくは16.5mm/sとすることが望ましく、その上限値は21.9mm/s、好ましくは18mm/sとすることが望ましい。組成物の100℃における動粘度を上記範囲とすることで、高い油膜保持性とオイル消費の抑制を図ることができ、長期間に渡り安定した性能を維持することができる。
以下に、本発明にかかる4サイクルエンジン油基油及び4サイクルエンジン油組成物について実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。(実施例1〜14、比較例1〜5)
表1に示す本発明にかかる4サイクルエンジン油基油及び組成物(実施例1〜14)及び表2に示す比較のための組成物(比較例1及び2)を調製した。また、二輪車レース用として市販されている4サイクルエンジン油A〜C(表2、比較例3〜5)を準備した。これらの組成物について、JASO M 328−95に準拠した動弁系摩耗試験を、通常の100時間の2倍である200時間無交換で行い、200時間経過後のロッカーアームパッドのスカッフィング評点、カムシャフト摩耗量、及びカムシャフトピッチング評点を測定した。ロッカーアームパッドのスカッフィング評点が8.0以上、特に9.0以上、カムシャフト摩耗量が10μm以下、特に5μm以下、カムシャフトピッチング評点が8.0以上、特に9.0以上であれば極めて優れた性能を示す。
あわせて一部の試料油については参考値として、オプティモール社製SRV往復動摩擦試験機を用いて、円柱の曲側面を線接触で平面ディスク上に接触させるシリンダ・オン・ディスク試験方式にて評価を行った。この摩擦試験はカムの摩擦条件を反映していると言われており、特に省燃費エンジン油の評価には広く用いられている手法である。試験条件は油温80℃、荷重400N、振動数50Hz、振幅1.5mmとし、摩擦係数を計測した。
まず、日本国内で市販されている高性能の二輪車レース専用4サイクルエンジン油A〜C(比較例3〜5)について上記JASO動弁系試験を実施し、その結果を表2に示した。
これら市販油は、カムシャフトピッチング評点が9.0以上であるものの、ロッカーアームパッドのスカッフィング評点が3以下、あるいは、運転時間が半分の100時間経過の時点で激しいスカッフィングが生じ、カムシャフトの摩耗量も高いレベルであって、長期間の過酷な運転に耐えうるものはなかった。
(1)第1の課題:4サイクルエンジン油基油のロッカーアームパッドスカッフィング、カムシャフト摩耗及びカムシャフトピッチングの防止性能
実施例1に示す4サイクルエンジン油基油は、摩耗防止剤等の添加剤を一切配合しないにもかかわらず、ロッカーアームパッドのスカッフィング防止性能、カムシャフト摩耗防止性能及びカムシャフトピッチング防止性能に極めて優れていることがわかる。なお、実施例1の基油は、NOACK蒸発量が6質量%であり、オイル消費量が極めて少ないことも本発明の優れた効果に寄与していると考えられる。
(2)第2の課題:上記基油のロッカーアームパッドスカッフィング及びカムシャフト摩耗の防止性能向上
実施例1の4サイクルエンジン油基油に、さらに(C−1)オレイルアミドを配合した組成物(実施例2)、実施例2の組成物にさらに(F)ジチオリン酸亜鉛、(G)金属系清浄剤、(H)無灰分散剤、(I)粘度指数向上剤等を配合した組成物(実施例3)はそのロッカーアームパッドスカッフィング及びカムシャフト摩耗の防止性能がさらに向上していることがわかる。
また、各種の(C)無灰系摩擦調整剤、(D)(亜)リン酸エステル系化合物及び(E)有機モリブデン化合物から選ばれる1種又は2種以上配合した組成物(実施例4〜14)は、同様に、いずれも本発明の4サイクルエンジン油基油のロッカーアームスカッフィング防止性能及びカム摩耗防止性能を向上させていることがわかる。
一方、(C)無灰摩擦調整剤や(D)(亜)リン酸エステル系化合物、(E)有機モリブデン化合物を配合せずに、(F)ジチオリン酸亜鉛、(G−1)サリシレート系清浄剤等を配合した組成物(比較例2)は、特にロッカーアームのスカッフィング評点が3.8まで極めて悪化し、(G−1)サリシレート系清浄剤が本発明の4サイクルエンジン油基油の持つ優れた性能及び(F)ジチオリン酸亜鉛の効果を阻害していることがわかる。なお、実施例の組成物で使用した炭素数14〜18のアルキル基を有するモノアルキルサリシレートの代わりに、炭素数20〜40のアルキル基を有するモノアルキルサリシレート、あるいは、炭素数1〜30から選ばれるアルキル基を2つ有するジアルキルサリシレートを使用した場合には、より優れた結果となる。
また、本発明における(A−1)成分及び(A−2)成分からなる4サイクルエンジン油基油(いずれも本願規定範囲外)に各種添加剤を配合した組成物(比較例1)は、加熱攪拌しても添加剤が溶解せずに曇りを生じるとともに、調製した翌日には沈殿物が発生してしまい、4サイクルエンジン油基油としての実用性に乏しいものであった。
(3)第3の課題:カムシャフトピッチング防止性能
実施例1の4サイクルエンジン油基油に(E)有機モリブデン化合物を配合した組成物は上述のようにロッカーアームパッドスカッフィング及びカムシャフト摩耗の防止性能に極めて優れた効果を発揮するが、特に摩擦調整剤としてモリブデンジチオホスフェートのみを配合した場合(実施例5)には、カムシャフトピッチング評点が2.6まで極めて悪化してしまい、(D)(亜)リン酸エステルを併用しても同評点は7.0(実施例7)までしか向上しない。また、摩擦調整剤としてモリブデンジチオカーバメートのみを配合した場合(実施例6)には、同ピッチング評点が8.5と優れているが、基油のみの場合(実施例1)あるいは、有機モリブデン化合物を配合しない場合(比較例2)よりも悪化し、(D)(亜)リン酸エステルを併用しても同評点は8.4(実施例9)となり、ピッチング防止性能は向上しない。また、実施例1の基油に(C−1)オレイルアミドのみを配合した場合(実施例2)でも、ピッチング防止性能は向上しない。
それに対し、モリブデンジチオカーバメートと(C−1)オレイルアミドを併用した場合(実施例10)には、同評点が8.5から9.4まで向上し、さらに(D)(亜)リン酸エステルを併用した場合(実施例11)の同評点は最高評点の10.0まで向上する。また、モリブデンジチオホスフェートと(C−1)オレイルアミド及び(D)(亜)リン酸エステルを併用した場合(実施例8)は、同評点が9.7まで向上し、本発明の組成物が、省燃費エンジン油のピッチング防止性能を極めて向上させるために有用であることがわかる。
なお、実施例11の(C−1)オレイルアミドに代えて、ロッカーアームパッドスカッフィングやカムシャフト摩耗防止性能には優れている(C−2)グリセリンモノオレート、(C−3)グリセリンモノステアリルエーテル、(C−4)オレイルオレイルアミドを使用した場合(実施例12〜14)、ピッチング防止性能は向上しないか、むしろ悪化する結果となることがわかり、(C)無灰系摩擦調整剤のうち、(C−1)成分が唯一ピッチング防止性能の向上に有用であることがわかる。
Figure 2004277712
Figure 2004277712

Claims (12)

  1. 基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油であって、当該(A)エステル系基油が、
    (A−1)100℃における動粘度が20〜50mm/sである、ジカルボン酸エステルと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体5〜30質量%及び
    (A−2)100℃における動粘度が2〜50mm/sである多価アルコールと脂肪酸とのエステル5〜60質量%
    からなることを特徴とする4サイクルエンジン油基油。
  2. 前記(A−2)成分がトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコールから選ばれるポリオールと炭素数6〜10のカルボン酸とのエステルである請求項1に記載の4サイクルエンジン油基油。
  3. 請求項1または2に記載の4サイクルエンジン油基油に、(C)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有する無灰系摩擦調整剤、(D)(亜)リン酸エステル系化合物及び(E)有機モリブデン系化合物から選ばれる1種又は2種以上を、組成物全量基準で、それぞれ0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする4サイクルエンジン油組成物。
  4. 前記(C)成分が、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項3に記載の4サイクルエンジン油組成物。
    Figure 2004277712
    (一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す。)
  5. さらに(F)ジチオリン酸亜鉛、(G)金属系清浄剤、(H)無灰分散剤、(I)無灰酸化防止剤及び(J)粘度指数向上剤を組成物全量基準で、それぞれ0.01〜15質量%の範囲で配合してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の4サイクルエンジン油組成物。
  6. 前記(G)金属系清浄剤が(G−1)アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤であることを特徴とする請求項5に記載の4サイクルエンジン油組成物。
  7. 基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油に(E)有機モリブデン系化合物を含有する4サイクルエンジン油組成物であって、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドを組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする4サイクルエンジン油組成物。
    Figure 2004277712
    (一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す)
  8. さらに(D)(亜)リン酸エステル系化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする請求項7に記載の4サイクルエンジン油組成物。
  9. 二輪車用又はレース用エンジンに使用されることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の4サイクルエンジン油組成物。
  10. 基油全量基準で、(A)エステル系潤滑油基油10〜90質量%、及び(B)鉱油系潤滑油基油及び/又はポリ−α−オレフィン系潤滑油基油90〜10質量%からなる4サイクルエンジン油基油に(E)有機モリブデン化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%含有する4サイクルエンジン油組成物に、(C−1)下記一般式(1)で表わされる脂肪酸アミドを組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする省燃費型4サイクルエンジン油のカムシャフトピッチング防止性能の改善方法。
    Figure 2004277712
    (一般式(1)において、R1は炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素を示す)
  11. さらに(D)(亜)リン酸エステル系化合物を組成物全量基準で0.01〜5質量%配合してなることを特徴とする請求項10に記載の省燃費型4サイクルエンジン油のカムシャフトピッチング防止性能の改善方法。
  12. 前記(G)成分が(G−1)アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤であることを特徴とする請求項10又は11に記載の省燃費型4サイクルエンジン油のカムシャフトピッチング防止性能の改善方法。
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