JPH11140480A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH11140480A
JPH11140480A JP9316449A JP31644997A JPH11140480A JP H11140480 A JPH11140480 A JP H11140480A JP 9316449 A JP9316449 A JP 9316449A JP 31644997 A JP31644997 A JP 31644997A JP H11140480 A JPH11140480 A JP H11140480A
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JP
Japan
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acid
group
organic acid
salt
compound
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Application number
JP9316449A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Iwasaki
浩之 岩崎
Hiroshi Nakanishi
博 中西
Toshio Kato
寿夫 加藤
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 摩擦係数が高温で低く、長期間の使用にも安
定した潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 潤滑油基油にa)硫黄含有モリブデン
系化合物 ならびにb)カルボン酸、脂肪族スルホン
酸、芳香族スルホン酸、アルキルサリチル酸又はアルキ
ルフェノールの一種以上の有機酸の金属塩、アンモニウ
ム塩又はアミン塩であって、金属塩が1A、3A〜7A
族、8族又は1B〜6B族金属を含有する有機酸金属塩
(カルボン酸銅塩(2価)は除く。)、アンモニウム塩
又はアミン塩の一種以上、或いは金属塩が1A〜7A
族、8族又は1B〜6B族金属を含有し全塩基価が70
mgKOH/g未満の有機酸金属塩(カルボン酸銅塩
(2価)は除く。)アンモニウム塩又はアミン塩の一種
以上を配合した潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関
するものであり、さらに詳しくは、硫黄含有有機モリブ
デン系化合物と有機酸金属塩、有機酸アンモニウム塩、
有機酸アミン塩等の有機酸塩化合物とを含有する摩擦低
減効果の優れた潤滑油組成物に関するものである。本発
明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑油、自動変速機
油、ギヤ油、作動油、塑性加工油等として有用である。
【0002】
【従来の技術】機械装置、設備、機器等の運動部分の摺
動面において生ずる摩擦・摩耗の低減化についてはトラ
イボロジーの基本的な課題の主要なものであり、従来か
ら多数の研究開発が行なわれており、潤滑油基油の組成
面からの品質改良と共に、基油に添加される種々の摩擦
調整剤が開発されている。例えば、硫化オキシモリブデ
ンジチオホスフェート(以下「MoDTP」と略称す
る。)および硫化オキシモリブデンジチオカーバメート
(以下「MoDTC」と略称する。)が金属系摩擦調整
剤として提案されている(例えば、特開昭54−113
604号公報参照。)。
【0003】しかしながら、近年、機械装置をはじめ自
動車等の性能向上に伴ない、潤滑油の使用条件が苛酷に
なり、例えば、自動車用エンジン油にとっては、停止お
よび発進運転から生ずる厳しい高低温条件の煩雑な繰り
返しに耐えると共に、長時間の高速連続運転から生ずる
高温条件に耐え得ることが要求されるようになり、前記
のMoDTPおよびMoDTC等は低温においては相応
の摩擦低減効果を発揮するものの、高温においてはその
摩擦低減効果を喪失し、高温下での運転の必要な機械装
置および自動車の高速運転には十分な効果を奏し得ない
おそれの生ずることが本発明者らの検討の結果により明
らかとなった。
【0004】このような状況において、環境保全の対策
上、省資源、省エネルギーの必要性からも、内燃機関の
摩擦損失を減少させるために高温域での摩擦低減効果が
優れ、かつ長期間の使用において摩擦低減効果の持続性
に優れた潤滑油が強く要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、潤
滑油の使用環境において変動するあらゆる条件、特に高
温条件下において摩擦低減効果およびその安定性を発揮
できる摩擦低減剤を含有する潤滑油組成物を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来の摩擦低減剤の開発状況に鑑み、前記の課題を解決
するため、鋭意検討を加えた結果、硫黄含有モリブデン
系化合物と特定の有機酸金属塩、アンモニウム塩または
アミン塩等の有機酸塩を併用することにより、前記課題
を解決できることを見いだし、これらの知見に基いて本
発明の完成に到達した。
【0007】すなわち、本発明の第一は、潤滑油基油に a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
て、該金属塩が周期表1A、3A〜7A族、8族および
1B〜6B族金属からなる群より選択される金属を含有
する有機酸金属塩化合物(ただし、カルボン酸銅塩(2
価)を除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
化合物およびアミン塩化合物を配合してなることを特徴
とする潤滑油組成物に関するものである。
【0008】また、本発明の第二は、潤滑油基油に、 a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
て、該金属塩が周期表1A〜7A族、8族および1B〜
6B族金属からなる群より選択される金属を含有し全塩
基価が70mgKOH/g未満の有機酸金属塩化合物
(ただし、カルボン酸銅塩(2価)を除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
化合物およびアミン塩化合物を配合してなることを特徴
とする潤滑油組成物に関するものである。
【0009】さらに、本発明によれば、潤滑油基油に a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
て、該金属塩が周期表1A〜7A族、8族および1B〜
6B族金属からなる群より選択される金属を含有する有
機酸金属塩化合物(ただし、カルボン酸銅塩(2価)を
除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
化合物およびアミン塩化合物を配合してなる潤滑油組成
物であって、有機酸金属塩、有機酸アンモニウム塩およ
び有機酸アミン塩化合物由来の全塩基価が5mgKOH
/g以下であることを特徴とする潤滑油組成物を提供す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の潤滑油組成物の構成成分としての
潤滑油基油は、潤滑油組成物の用途により選択される
が、本発明の効果を発揮するものであれば特に限定され
るものではなく、通常、潤滑油の基油として使用されて
いるものを用いることができる。例えば、鉱油系基油、
合成系基油、植物油系基油等を挙げることができ、これ
らの基油は、各々、単独でまたは二種以上を混合して用
いることができる。
【0012】鉱油系基油としては、パラフィン系、中間
基系またはナフテン系原油の常圧蒸留残渣の減圧蒸留留
出油として得られる潤滑油留分を溶剤精製、水素化分
解、水素化処理、水素化精製、接触脱蝋、溶剤脱蝋、白
土処理等の各種精製工程を任意に選択して用いることに
より処理して得られる鉱油、減圧蒸溜残渣を溶剤脱瀝に
供したのち、脱瀝油を上記の精製工程により処理して得
られる鉱油、または、ワックス分の異性化により得られ
る鉱油等またはこれらの混合油を用いることができる。
前記の溶剤精製においては、フェノール、フルフラー
ル、N−メチル−2−ピロリドン等の芳香族抽出溶剤が
用いられ、一方、溶剤脱蝋の溶剤としては、液化プロパ
ン、MEK/トルエン等が用いられる。また、接触脱蝋
においては例えば形状選択性ゼオライトを触媒として用
いることができる。
【0013】一方、合成系基油としては、ポリα−オレ
フィンオリゴマー(例えば、ポリ(1−ヘキセン)、ポ
リ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)等およびこれ
らの混合物。)、ポリブテン、アルキルベンゼン(例え
ば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジ(2
−エチルヘキシル)ベンゼン、ジノニルベンゼン
等。)、ポリフェニル(例えば、ビフェニル、アルキル
化ポリフェニル等。)、アルキル化ジフェニルエーテル
およびアルキル化ジフェニルスルフィドおよびこれらの
誘導体;二塩基酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アル
キルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼ
ライン酸、スペリン酸、セバチン酸、フマル酸、アジピ
ン酸、リノール酸ダイマー等。)と各種アルコール(例
えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プ
ロピレングリコール等。)とのエステル;炭素数5〜1
2のモノカルボン酸とポリオール(例えば、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール等。)とのエステル;その他、ポリオキシアル
キレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエ
ステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、リ
ン酸エステルおよびシリコーン油等を挙げることができ
る。
【0014】また、植物油系基油としては、ひまし油、
なたね油、パーム油、ヤシ油、ココナッツ油、オリーブ
油、ひまわり油等を用いることができる。
【0015】上記の各種潤滑油基油は、潤滑油組成物の
用途に応じて所望の粘度その他の性状を有するように調
製することができ、また、各種混合基材を適宜混合して
用いることもできる。例えば、内燃機関用潤滑油として
は、100℃における動粘度が2mm2 /s〜30mm
2 /s、特に、3mm2 /s〜10mm2 /sの範囲
に、また、自動変速機油としては、100℃における動
粘度を2mm2 /s〜30mm2 /s、特に、3mm2
/s〜15mm2 /sの範囲に調整すればよい。
【0016】本発明の潤滑油組成物の構成成分の硫黄含
有モリブデン系化合物としては、例えば、硫化オキシモ
リブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ
チオホスフェートおよび硫化オキシモリブデンジチオキ
サントゲネート等を挙げることができる。硫化オキシモ
リブデンジチオカーバメートは次の一般式[I]で表さ
れ、硫化オキシモリブデンジチオホスフェートは一般式
[II]により、また、硫化オキシモリブデンジチオキサ
ントゲネートは一般式[III]により表される。 一般式[I]
【0017】
【化1】 一般式[II]
【0018】
【化2】 一般式[III]
【0019】
【化3】 上記一般式 [I]〜[III] において、R1 、R2 は、炭素
数1〜30の炭化水素基であり、各々、同一でも異なる
ものでもよい。炭化水素基としては、炭素数1〜30の
アルキル基;炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6
〜30のシクロアルキル基;炭素数6〜30のアリール
基であり、アリール基は、炭素数1〜24のアルキル基
で置換されたものでもよい。好ましい炭化水素基は炭素
数3〜24のアルキル基であり、例えば、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノ
ナデシル基、エイコシル基等の直鎖状またはこれらの分
岐状アルキル基を挙げることができる。さらに好ましい
アルキル基は、一般式[I] で表される硫化オキシモリブ
デンジチオカーバメートにおいては炭素数3〜20のも
のであり、後述の有機酸金属塩化合物との併用において
相乗的な摩擦低減効果を示す。一般式[II]の硫化オキシ
モリブデンジチオホスフェートにおいても炭素数3〜2
0のアルキル基が摩擦低減効果の観点から特に好適であ
る。また、一般式[III] の硫化オキシモリブデンジチオ
キサントゲネートにおいてはアルキル基の炭素数が3〜
24の範囲ものが好ましい。
【0020】また、上記一般式[I] 、[II]および[III]
において、xは各々、0.5〜2.3であり、好ましく
は0である。
【0021】従って、本発明の潤滑油組成物にとって好
適な一般式[I]の硫化オキシモリブデンジチオカーバメ
ートの代表例として、硫化オキシモリブデンジプロピル
ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジイソプロ
ピルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブチ
ルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジイソブ
チルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジブテ
ニルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジペン
チルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジイソ
ペンチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ
ヘキシルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ
ヘプチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ
オクチルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ
(2−エチルヘキシル)ジチオカーバメート、硫化オキ
シモリブデンジ(2−プロピルペンチル)ジチオカーバ
メート、硫化オキシモリブデンジノニルジチオカーバメ
ート、硫化オキシモリブデンジ(2−プロピルヘキシ
ル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジドデ
シルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(2
−メチルドデシル)ジチオカーバメート、硫化オキシモ
リブデンジヘキサデシルジチオカーバメート、硫化オキ
シモリブデンジオクタデシルジチオカーバメート、硫化
オキシモリブデンジ(2−メチルオクタデシル)ジチオ
カーバメート等を挙げることができる。一般式[II]の硫
化オキシモリブデンジチオホスフェートの代表例とし
て、硫化オキシモリブデンジプロピルジチオホスフェー
ト、硫化オキシモリブデンジイソプロピルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジブチルジチオホスフェ
ート、硫化オキシモリブデンジイソブチルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジブテニルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジペンチルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジヘプチルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオホスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシ
ル)ジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジノニ
ルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジデシル
ジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジドデシル
ジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジオクタデ
シルジチオホスフェート、硫化オキシモリブデンジオレ
イルジチオホスフェート等またはこれらの分岐状アルキ
ル基またはアルケニル基を有する化合物を挙げることが
できる。
【0022】また、一般式[III] の硫化オキシモリブデ
ンジチオキサントゲネートの代表例として、硫化オキシ
モリブデンブチルジチオキサントゲネート、硫化オキシ
モリブデンペンチルジチオキサントゲネート、硫化オキ
シモリブデンヘキシルジチオキサントゲネート、硫化オ
キシモリブデンヘプチルジチオキサントゲネート、硫化
オキシモリブデンオクチルジチオキサントゲネート、硫
化オキシモリブデン(2−エチルヘキシル)ジチオキサ
ントゲネート、硫化オキシモリブデンノニルジチオキサ
ントゲネート、硫化オキシモリブデンデシルジチオキサ
ントゲネート、硫化オキシモリブデンドデシルジチオキ
サントゲネート、硫化オキシモリブデンテトラデシルジ
チオキサントゲネート、硫化オキシモリブデンヘキサデ
シルジチオキサントゲネート、硫化オキシモリブデンオ
クタデシルジチオキサントゲネート、硫化オキシモリブ
デンノナデシルジチオキサントゲネート、硫化オキシモ
リブデンエイコシルジチオキサントゲネート等またはこ
れらの分岐状アルキル基またはアルケニル基を有する化
合物を挙げることができる。
【0023】以上述べた一般式[I] 、[II]および[III]
において表される硫黄含有有機モリブデン系化合物は、
各々、単独で用いることができるが、二種もしくは二種
以上を併用してもよい。潤滑油基油に対する配合量は限
定されるものではなく、潤滑油組成物の用途およびその
有機モリブデン系化合物の種類によるが、通常、潤滑油
組成物全重量基準で、モリブデン量として150ppm
〜2,000ppm、好ましくは、200ppm〜1,
500ppmの範囲で使用することができる。モリブデ
ン量が150ppmに満たないと有機酸金属塩化合物と
の相乗効果が得られず、摩擦低減効果が欠如するという
問題が生じる。一方、モリブデン量が2,000ppm
を超えてもその増量に応じた効果が得られないのみなら
ず、溶解性に問題があり、沈降するおそれがある。
【0024】このようなモリブデン系化合物の作用機構
は十分には解明されていないが、潤滑油の使用条件下に
おいて摺動面にMoSx 被膜が形成されることにより摩
擦係数を低減させるものと推定されており、従って、本
発明の潤滑油組成物においては、モリブデン系化合物と
して上記のモリブデン系化合物に限定されるものではな
く、MoSX 被膜形成等により摩擦低減効果を有するも
のであればいずれの化合物でも差しつかえがない。
【0025】次に、本発明の潤滑油組成物の構成成分と
して用いられる有機酸金属塩、、有機酸アンモニウム塩
および有機酸アミン塩について説明する。有機酸金属塩
は、カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン
酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化合
物からなる群より選択される有機酸と周期表1A、3A
〜7A族、8族および1B〜6B族金属からなる群より
選択される金属成分とからなる。また、有機酸アンモニ
ウム塩は、上記有機酸とアンモニウム成分とからなり、
有機酸アミン塩は、上記有機酸とアミン成分とからな
る。アンモニウム成分またはアミン成分とからなる油溶
性化合物である。
【0026】有機酸金属塩の金属成分は、周期表1A、
3A〜7A族、8族および1B〜6B族金属からなる群
より選択される金属であり、具体的には亜鉛、カドミウ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅(ただし、有機酸がカ
ルボン酸の場合は2価の銅は除く。)、リチウム、ナト
リウム、カリウム、アルミニウム、チタン、マンガン、
バナジウムまたはスカンジウム等を挙げることができ
る。これらの金属成分は高温における摩擦特性に優れて
いることから選択されたものであり、特に、亜鉛、カド
ミウム、鉄、コバルトおよびナトリウム等が好ましい。
【0027】さらに、全塩基価が70mgKOH/g未
満、特に、50mgKOH/g未満の有機酸金属塩にお
いては、上記の金属成分に加えて周期表2Aのアルカリ
土類金属、すなわち、マグネシウム、カルシウムおよび
バリウム等も摩擦低減効果の観点から有用である。
【0028】有機酸アンモニウム塩は、後述する各有機
酸とアンモニアとからなる化合物である。
【0029】有機酸アミン塩は、後述する各有機酸とア
ミン成分とからなる化合物で、アミン成分は窒素原子に
結合した1個または2個の水素原子を含有する第一級ア
ミンまたは第二級アミンであり、有用なアミンとしてモ
ノアミンまたはポリアミンを挙げることができる。炭素
数としては1〜24のものが好適であり、具体的には、
例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプ
チルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルア
ミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシル
アミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘ
キサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシル
アミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、シクロヘプチルアミン等を挙げることができる。
【0030】また、アルキレンジアミンも有用であり、
具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミンを挙げることができ、ポ
リアルキレンポリアミンにはジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペ
ンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、ジ
ブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、テトラ
プロピレンペンタミン等を用いることができる。カルボ
ン酸は、一般式[IV]
【0031】
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または
少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換された脂環式炭
化水素基もしくは芳香族炭化水素基であり、nは1〜4
の整数である。)で表すことができ、脂肪族カルボン
酸、脂環式カルボン酸および芳香族カルボン酸を挙げる
ことができる。また、モノカルボン酸、ジカルボン酸、
他のポリカルボン酸等のいずれでもよく、飽和または不
飽和カルボン酸も用いられる。
【0032】脂肪族カルボン酸としては、炭素数4〜3
0、特に、6〜24のモノカルボン酸またはジカルボン
酸が好適であり、具体的には、ヘキサン酸(カプロン
酸)、ヘプタン酸(エナント酸)、オクタン酸(カプリ
ル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリ
ン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、ト
リデカン酸(トリデシル酸)、テトラデカン酸(ミリス
チン酸)、ペンタデカン酸(ペンタデシル酸)、ヘキサ
デカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸(マルガリ
ン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン
酸(ノナデシル酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、
ドコサン酸(ベヘン酸)等のアルカン酸およびこれらの
分岐アルカン酸、例えば、2−メチルペンタン酸、2−
エチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、2−メチ
ルデカン酸、3−メチルヘンデカン酸、2−メチルドデ
カン酸、2−メチルトリデカン酸、2−メチルテトラデ
カン酸、2−エチルテトラデカン酸、2−プロピルデカ
ン酸、2−エチルヘキサデカン酸、2−メチルオクタデ
カン酸等のモノカルボン酸、ヘキセン酸、オクテン酸、
デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン
酸、オクタデセン酸(ペトロセリニン酸、オレイン酸、
エライジン酸、バクセン酸)、エイコセン酸、ドコセン
酸(エルカ酸、ブラシジン酸)オクタデカトリエニル酸
(リノール酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタ
ン二酸(ピメリン酸)、オクタン二酸(スベリン酸)、
ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン
酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸
(ブラシリン酸)、テトラデカン二酸、ペンタデカン二
酸、ヘキサデカン二酸(タブシン酸)、ヘプタデカン二
酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二
酸、ドコサン二酸等のジカルボン酸を例示することがで
きる。
【0033】脂肪族モノカルボン酸金属塩の代表例とし
て、オクタン酸亜鉛、ノナン酸亜鉛、デカン酸亜鉛、ウ
ンデカン酸亜鉛、ドデカン酸亜鉛、テトラデカン酸亜
鉛、ヘキサデカン酸亜鉛、オクタデカン酸亜鉛等の亜鉛
塩、オクタン酸カドミウム、オクタデカン酸カドミウム
等のカドミウム塩、オレイン酸銅、オクタン酸銀、オク
タン酸ニッケル、オクタン酸鉄、オクタン酸アンチモン
等を挙げることができる。特に、オクタン酸亜鉛、オク
タデカン酸亜鉛、オクタン酸カドミウム、オクタン酸
鉄、オクタン酸コバルト等が好ましい。
【0034】脂肪族ジカルボン酸金属塩としては、好ま
しいジカルボン酸として、コハク酸、アジピン酸、フマ
ル酸、セバシン酸等が挙げられ、また好ましい金属とし
ては、亜鉛、カドミウム、コバルト、銅(1価)、鉄、
ニッケル等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸金
属塩が好ましく用いられる。
【0035】また、脂環式カルボン酸金属塩のカルボン
酸としては、シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等が挙げられ、また金属としては、
亜鉛、カドミウム、コバルト、銅(1価)、鉄、ニッケ
ル等が挙げられ、これらの脂環式カルボン酸金属塩が好
ましく用いられる。
【0036】芳香族カルボン酸としては、芳香環にカル
ボキシル基を直結するカルボン酸のほか、側鎖にカルボ
キシ基を有するカルボン酸のいずれかでも用いることが
できる。芳香族炭化水素基としては単環または多環縮合
環のいずれでもよく、ベンゼン、ナフタレン、アントラ
セン、フェナントレン、インデン、フルオレン、ビフェ
ニル等を例示することができる。
【0037】また、モノカルボン酸、ジカルボン酸また
は他のポリカルボン酸を用いることができ、具体的に
は、安息香酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸等
およびこれらの誘導体を挙げることができる。
【0038】芳香族カルボン酸金属塩化合物の具体例と
しては、アルキル安息香酸の亜鉛塩、カドミウム塩、コ
バルト塩、銅塩(1価)、鉄塩、ニッケル塩、フタル酸
の亜鉛塩、カドミウム塩、コバルト塩、銅塩(1価)、
鉄塩、ニッケル塩等を例示することができる。また、上
記各種カルボン酸のアンモニウム塩およびアミン塩も好
適である。
【0039】脂肪族スルホン酸または芳香族スルホン酸
は、脂肪族または芳香族炭化水素基とスルホン酸基とか
らなり、各々、一般式[V] および[V-1]
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】 で表される。一般式[V] および[V-1] において、R、
R’は各々、脂肪族炭化水素基であり、Arは芳香族炭
化水素基を示す。脂肪族スルホン酸は炭素数4〜40の
鎖状炭化水素基を有し、また、芳香族スルホン酸として
は1個または2個以上の鎖状炭化水素基で置換されたも
のが用いられる。鎖状炭化水素基としては炭素数4〜4
0のアルキル基、特に、炭素数12以上のアルキル基が
好ましく、具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシ
ル基、テトラキシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル
基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基お
よびトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、オク
タトリアコンチル基等を挙げることができる。
【0042】また、芳香族炭化水素基としては前記芳香
族カルボン酸と同様に、単環または多環縮合環のいずれ
でもよく、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセ
ン、フェナントレン、インデン、フルオレン、ビフェニ
ル等を例示することができる。本発明の潤滑油組成物に
おいて、脂肪族および芳香族スルホン酸塩の具体例をさ
らに下記の一般式[VI]〜[XIII]により例示することがで
きる。 一般式[VI]
【0043】
【化7】 一般式[VII]
【0044】
【化8】 一般式[VIII]
【0045】
【化9】 一般式[IX ]
【0046】
【化10】 一般式[X]
【0047】
【化11】 一般式[XI]
【0048】
【化12】 一般式[XII]
【0049】
【化13】 一般式[XIII]
【0050】
【化14】 上記一般式[VI]〜[XIII]において、R1 、R2 はアルキ
ル基であり、各々、互いに同一でもまたは異なるもので
もよい。Mは、アンモニウム成分、アミン成分または前
記の金属成分の群から選択されるものであり、亜鉛、カ
ドミウム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、ナトリウム、
カリウム等が挙げられる。nはアルキル基の芳香族基へ
の結合数を示し、1〜5好ましくは1〜3の整数であ
り、各式中、各々、同一でもまたは異なるものでもよ
い。
【0051】本発明の潤滑油組成物において用いられる
スルホン酸塩の具体例としては、R1 、R2 のアルキル
基の炭素数が8〜20のモノアルキルベンゼンスルホン
酸、ジアルキルベンゼンスルホン酸、モノアルキルナフ
タレンスルホン酸、ジアルキルナフタレンのスルホン酸
の亜鉛塩、カドミウム塩、コバルト塩、銅塩、鉄塩、ニ
ッケル塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
およびアミン塩等が挙げられる。スルホン酸金属塩の全
塩基価が70mgKOH/g未満の場合は、カルシウム
塩、バリウム塩、マグネシウム塩等も好ましい。また、
上記のスルホン酸塩は、一種でもよいが二種以上混合し
た形態で用いることもできる。
【0052】サリチル酸は芳香環に結合されたヒドロキ
シル基を有し少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換さ
れた芳香族カルボン酸であり、次の一般式[XIV] 一般式[XIV]
【0053】
【化15】 で表される化合物を含有する。一般式[XIV] において、
Rは鎖状炭化水素基であり、nは鎖状炭化水素基の芳香
族基への結合数を示し、1〜4の整数である。
【0054】鎖状炭化水素基としては、炭素数4〜40
のアルキル基が好ましく、具体的には、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、
トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基等を例示す
ることができる。
【0055】本発明の有機酸塩化合物として、鎖状炭化
水素置換サリチル酸塩の代表的な化合物を例示すれば、
次の一般式[XV]〜[XX]で表すことができる。 一般式[XV]
【0056】
【化16】 一般式[XVI]
【0057】
【化17】 一般式[XVII]
【0058】
【化18】 一般式[XVIII]
【0059】
【化19】 一般式[XIX]
【0060】
【化20】 一般式[XX]
【0061】
【化21】 上記一般式[XV]〜[XX]の各式において、R1 、R2 は、
アルキル基であり、各々、互いに同一でもまたは異なる
ものでもよい。Mはアンモニウム成分、アミン成分また
は上記の金属成分であり、亜鉛、カドミウム、コバル
ト、銅、鉄、ニッケル等が好ましい。また、nはアルキ
ル基の芳香族基への置換数を示し、一般式[XVII]および
[XVIII] において1〜4の整数、一般式[XIX] および[X
X]において1〜3であり、いずれも好ましくは、1〜2
であり、各一般式において、各々、同一でも異なるもの
でもよい。上記一般式[XIX] および[XX]は、硫化された
アルキルサリチル酸塩を例示したものであり、xは1〜
2である。硫化されたアルキルサリチル酸塩は、例え
ば、特公平5−80519号公報に記載の方法により製
造することができる。
【0062】本発明の潤滑油組成物において用いられる
鎖状炭化水素置換サリチル酸塩の具体例としては、上記
各式においてR1 、R2 のアルキル基の炭素数が8〜2
0のサリチル酸の亜鉛塩、カドミウム塩、コバルト塩、
銅塩、鉄塩、ニッケル塩、ナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩およびアミン塩等がMoDTC等と併用
して摩擦低減効果を発揮する上で特に好ましい。さら
に、全塩基価が70mgKOH/g未満の場合はカルシ
ウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩等も好ましい。ま
た、このようなサリチル酸塩は、硫黄化合物との接触に
より硫化させたものでもよい。
【0063】本発明の有機酸塩化合物に用いられる油溶
性フェノール化合物は、少なくとも1個の鎖状炭化水素
基で置換されたものであり、一般式[XVI] 一般式[XXI]
【0064】
【化22】 で表される。一般式[XXI] においてRは炭素数4〜30
の少なくとも1個の鎖状炭化水素基であり、mはヒドロ
キシル基の芳香族炭化水素基への結合数であり、1〜2
である。nは鎖状炭化水素基の芳香族炭化水素基への結
合数であり、1〜4、好ましくは1〜2の整数である。
【0065】鎖状炭化水素基としては、炭素数4〜30
のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、具体的
には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル
基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル
基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、
トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基等を挙げる
ことができる。
【0066】アルキルフェネート塩の代表的な化合物を
例示すれば、次の一般式[XXII]〜[XXV] で表すことがで
きる。 一般式[XXII]
【0067】
【化23】 一般式[XXIII]
【0068】
【化24】 一般式[XXIV]
【0069】
【化25】 一般式[XXV]
【0070】
【化26】 上記一般式[XXI] および[XXV] の各式において、R1
2 はアルキル基であり、各々、互いに同一でもまたは
異なるものでもよく、nはアルキル基の芳香族基への置
換数を示し、1〜4好ましくは、1〜2の整数であり、
各一般式において、各々、同一でも異なるものでもよ
い。また、各一般式において、Mはアンモニウム成分、
アミン成分または前記の金属成分であり、亜鉛、カドミ
ウム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、ナトリウム、カリ
ウム等が挙げられる。さらに、一般式[XVII]のxは1〜
4である。
【0071】本発明の潤滑油組成物において用いられる
アルキルフェネート塩の具体例としては、R1 、R2
アルキル基の炭素数が8〜20のフェネートの亜鉛塩、
カドミウム塩、コバルト塩、銅塩、鉄塩、ニッケル塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびアミ
ン塩等が挙げられ、全塩基価が70mgKOH/g未満
の場合は、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩
も好ましい。
【0072】上記有機酸塩化合物の配合量は、各化合物
により、また、潤滑油組成物の用途により任意に定める
ことができるが、その有効量、すなわち、潤滑油組成物
に対しモル表示で1〜100m mol/kg、好まし
くは、1〜80m mol/kgの範囲が採用される。
金属量としては、100〜1,000ppmの範囲が好
ましい。特に、硫黄含有有機モリブデン系化合物1モル
に対し、有機酸塩化合物を0.5〜30モル、好ましく
は、0.5〜25モルの割合で使用することにより摩擦
低減効果を著しく向上させることができる。これらは、
通常、潤滑油組成物全重量基準で0.01〜5重量%の
割合で使用される。
【0073】本発明によれば、以上説明したように、潤
滑油基油にa)硫黄含有有機モリブデン系化合物および
b)有機酸金属塩、有機酸アンモニウム塩、有機酸アミ
ン塩の有機酸塩化合物を配合させてなり、有機酸金属
塩、有機酸アンモニウム塩および有機酸アミン塩に由来
する全塩基価が5mgKOH/g以下、特に、4mgK
OH/g以下の潤滑油組成物を提供することができる。
潤滑油組成物の全塩基価が5mgKOH/gを超えると
摩擦特性が低下することに鑑み、本発明は摩擦特性の優
れた特異な潤滑油組成物を提案するものである。
【0074】また、本発明の潤滑油組成物には、必要に
応じて、さらに、粘度指数向上剤、無灰分散剤、酸化防
止剤、極圧剤、摩耗防止剤、金属不活性化剤、流動点降
下剤、腐蝕防止剤、他の摩擦調整剤等を適宜選択して配
合することができる。
【0075】粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ
タクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロ
ピレン共重合体系、スチレンーブタジエン水添共重合体
系等のものを用いることができ、これらは、通常、3重
量%〜35重量%の割合で使用される。
【0076】無灰分散剤としては、例えば、ポリブテニ
ルコハク酸イミド系、ポリブテニルコハク酸アミド系、
ベンジルアミン系、コハク酸エステル系のものがあり、
これらは、通常、0.05重量%〜7重量%の割合で使
用される。
【0077】酸化防止剤としては、例えば、アルキル化
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸
化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4
´−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)等のフェノール系酸化防止剤、さらに、ジチオリン
酸亜鉛等を挙げることができ、これらは、通常0.05
重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0078】極圧剤としては、例えば、ジベンジルサル
ファイド、ジブチルジサルファイド等があり、これら
は、通常、0.05重量%〜3重量%の割合で使用され
る。
【0079】金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾ
ール等があり、これらは、通常、0.01重量%〜3重
量%の割合で使用される。
【0080】流動点降下剤としては、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレン
との縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合
物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙
げられ、これらは、通常、0.1重量%〜10重量%の
割合で使用される。
【0081】摩耗防止剤としては、例えば、リン酸エス
テル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜
リン酸エステル、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、イオウ
化合物等を挙げることができ、これらは、通常、0.0
1重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0082】その他の添加剤として、本発明の硫黄含有
有機モリブデン系化合物および有機酸塩化合物の作用を
阻害しないものであれば任意に選択して使用することが
できる。
【0083】本発明の硫黄含有有機モリブデン系化合物
と有機酸塩化合物は、鉱油等の溶媒に溶解させた形態で
使用することができ、また、添加剤パッケージの成分と
して用いることもできる。
【0084】本発明の好ましい実施の態様として、 (1)潤滑油基油に a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)炭素数4〜30の脂肪族カルボン酸、 少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換された芳香族
カルボン酸、 少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換された脂環式
カルボン酸、 炭素数4〜30の脂肪族スルホン酸、 少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換された芳香族
スルホン酸、 少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換されたサリチ
ル酸および 少なくとも1個の鎖状炭化水素基で置換されたフェノ
ール化合物 の〜からなる群より選択される少なくとも一種の有
機酸の金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩であっ
て、該金属塩が周期表第1A、3A〜7A族、および1
B〜6B族金属からなる群より選択される金属を含有す
る有機酸金属塩化合物、有機酸アンモニウム塩化合物お
よび有機酸アミン塩化合物からなる群より選択される少
なくとも一種の有機酸塩を配合してなる潤滑油組成物、
【0085】(2)潤滑油基油に、 a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)ジノニルナフタレンスルホン酸、アルキルベンゼン
スルホン酸、アルキルサリチル酸、脂肪族カルボン酸、
芳香族カルボン酸およびアルキルフェノールからなる群
より選択される少なくとも一種の有機酸と亜鉛、カドミ
ウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、リチウム、ナトリウム、カリウム、ア
ルミニウム、チタン、マンガン、バナジウムおよびスカ
ンジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金
属とからなる有機酸金属塩、有機酸アンモニウム塩およ
び有機酸アミン塩からなる群より選択される少なくとも
一種の有機酸塩を配合してなる潤滑油組成物、
【0086】(3)潤滑油基油に、 a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)ジノニルナフタレンスルホン酸亜鉛、アルキルベン
ゼンスルホン酸亜鉛、脂肪族カルボン酸亜鉛、芳香族カ
ルボン酸亜鉛、アルキルサリチル酸亜鉛、アルキルフェ
ノール亜鉛およびジノニルナフタンスルホン酸アンモニ
ウム塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機
酸塩を配合してなる潤滑油組成物、
【0087】(4)潤滑油基油に対し、潤滑油組成物重
量基準で a)硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジ
チオカーバメイトをモリブデン量として 150〜1,
500ppm および b)オクタン酸亜鉛を1〜50m mol/kg配合し
てなる潤滑油組成物、
【0088】(5)潤滑油基油に対し、潤滑油組成物重
量基準で a)硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジ
チオカーバメイトをモリブデン量として 150〜1,
500ppm および b)アルキルベンゼンスルホン酸亜鉛を 1〜50m
mol/kg配合してなる潤滑油組成物、
【0089】(6)潤滑油基油に対し、潤滑油組成物重
量基準で a)硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジ
チオカーバメートをモリブデン量として 150〜1,
500ppm および b)アルキルベンゼンスルホン酸カドミウムを1〜50
m mol/kg添加してなる潤滑油組成物、
【0090】(7)潤滑油基油に対し、潤滑油組成物重
量基準で、 a)硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジ
チオカーバメートをモリブデン量として 150〜1,
500ppm および b)アルキルサリチル酸亜鉛を1〜50m mol/k
g添加してなる潤滑油組成物、
【0091】(8)前記(1)〜(7)の潤滑油組成物
に、さらに、粘度指数向上剤、無灰分散剤、酸化防止
剤、極圧剤、流動点降下剤、摩耗防止剤、金属不活性化
剤からなる群より選択される少なくとも一種の添加剤を
配合してなる潤滑油組成物が提供される。
【0092】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明する。なお、実施例および比較例にお
いて用いた精製鉱油、硫黄含有有機モリブデン系化合物
および有機酸塩化合物ならびに潤滑油組成物の性能評価
方法は次の通りである。
【0093】潤滑油基油 精製鉱油(100ニュートラル油)(動粘度(@100
℃):4.2mm2/s)。パラフィン系原油の蒸圧蒸留残
渣油の減圧蒸留による潤滑油留分をフェノール溶剤で抽
出処理して得られたラフィネート硫黄含有モリブデン系化合物 (1)MoDTC : 硫化オキシモリブデンジ(2−
エチルヘキシル)ジチオカーバメート (2)MoDTP : 硫化オキシモリブデンジ(2−
エチルヘキシル)ジチオホスフェート有機酸塩化合物 表1〜5に示す。潤滑油組成物性能評価方法 全塩基価測定法 JIS K2501電位差滴定法(塩基価(塩酸法))
に準拠した。
【0094】摩擦係数測定法 試験機として往復動型摩擦試験機(SRV摩擦試験機)
を用い、次の条件で摩擦係数を測定した。 摩擦材 : 鋼(SUJ−2)/鋼(SUJ−2)、シリンダー/デスク 温度 : 80℃、120℃ 荷重 : 400N 振幅 : 50Hz 時間 : 15min 15分間の測定の最後の3分間の平均値をもって摩擦係
数の測定値とし、摩擦係数安定性は摩擦係数の変動幅で
評価した。
【0095】実施例1〜5 精製鉱油を潤滑油基油とし、これに硫黄含有有機モリブ
デン系化合物としてMoDTCをMo量として500p
pm配合し、有機酸塩化合物として、オクタン酸亜鉛、
オクタデカン酸亜鉛およびアルキルベンゼンスルホン酸
亜鉛を表1に示す割合で各々配合した。得られた潤滑油
組成物の摩擦係数および摩擦係数安定性を80℃および
120℃において測定した。その結果、表1に示すよう
に80℃における摩擦係数は、いずれの有機酸亜鉛塩を
用いた潤滑油組成物においても0.03〜0.05と良
好であり、120℃においては80℃の結果をさらに凌
駕するものであった。また、摩擦係数安定性もすべて良
好であった。
【0096】実施例6〜9 精製鉱油に、硫黄含有有機モリブデン系化合物として、
MoDTCの代わりにMoDTPをMo量として500
ppm、有機酸塩化合物として、オクタン酸亜鉛、アル
キルベンゼンスルホン酸亜鉛を表1に示す割合で各々配
合した。得られた潤滑油組成物の摩擦係数および摩擦係
数安定性を80℃および120℃において測定した。測
定結果を表1に示す。オクタン酸亜鉛およびアルキルベ
ンゼンスルホン酸亜鉛を各々3.7m mol/kgお
よび3.9m mol/kg配合した潤滑油組成物は、
十分優れた結果を示し、特に120℃の高温側で良好で
あり、増量としても効果に影響はなかった。
【0097】実施例10〜15 精製鉱油に、硫黄含有有機モリブデン系化合物としてM
oDTCをMo量として500ppm、有機酸塩化合物
として、アルキルベンゼンスルホン酸カドミウム、アル
キルサリチル酸亜鉛、アルキルベンゼンスルホン酸銅、
スルホン酸鉄、スルホン酸コバルトおよびスルホン酸ア
ルミニウムを表1に示す割合で各々配合した。得られた
潤滑油組成物の摩擦係数および摩擦係数安定性の80℃
および120℃における測定結果を表1に示す。
【0098】実施例16〜28 精製鉱油に、表2に示すように、硫黄含有有機モリブデ
ン系化合物としてMoDTCを、有機酸塩化合物として
アルキルベンゼンスルホン酸、オクタン酸、アルキルサ
リチル酸、ジノニルナフタレンスルホン酸のアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛等周期表1A、2Aお
よび2Bに属する金属塩を各々配合した。得られた潤滑
油組成物の摩擦特性を測定した。80℃および120℃
における摩擦係数および摩擦係数安定性は良好であった
が、特に、120℃の高温側で優れた結果が得られた。
【0099】実施例29、30 精製鉱油に、表2に示すように、硫黄含有有機モリブデ
ン系化合物としてMoDTCをMo量として500pp
m、ジノニルナフタレンスルホン酸アンモニウムを表2
に示す割合で各々配合した。得られた潤滑油組成物の摩
擦係数および摩擦係数安定性の80℃および120℃に
おける測定結果を表2に示す。
【0100】実施例31 精製鉱油に、表3に示すように硫黄含有有機モリブデン
系化合物としてMoDTCをMo量として500ppm
およびジノニルナフタレンスルホン酸エチレンジアミン
を6m mol/kg配合した。得られた潤滑油組成物
の80℃および120℃における摩擦係数および摩擦係
数安定性を各々測定した。結果を表3に示す。
【0101】実施例32 精製鉱油に、硫黄含有有機モリブデン系化合物としてM
oDTCを250ppmおよび1価の銅であるオレイン
酸銅を3.9m mol/kg配合した潤滑油組成物
は、充分優れた結果を示した。
【0102】実施例33〜36 精製鉱油に、硫黄含有有機モリブデン系化合物としてM
oDTCを250ppm、全塩基価が40mgKOH/
gおよび65mgKOH/gのジノニルナフタレンスル
ホン酸カルシウムを表3に示す割合で各々配合した。得
られた潤滑油組成物の摩擦係数および摩擦係数安定性は
良好な結果が得られた。
【0103】実施例37、38 精製鉱油に、硫黄含有有機モリブデン系化合物としてM
oDTCをMo量基準で、各々、1,500ppmおよ
び150ppm配合し、有機酸塩化合物のアルキルベン
ゼンスルホン酸亜鉛の配合量を各々3.9m mol/
kgとした。得られた潤滑油組成物の80℃および12
0℃における摩擦係数は、いずれも0.03〜0.05
であり、摩擦係数の安定性も良好であった。MoDTC
の配合量を150ppmおよび1,500ppmと大き
く変更させたが、摩擦係数および摩擦係数安定性につい
てはほぼ同等の結果が得られた。
【0104】比較例1 精製鉱油基油の摩擦特性を評価した。表3に示すように
80℃における摩擦係数が0.16と高く、さらに、1
20℃における摩擦係数安定性が著しく低下した。
【0105】比較例2、3 精製鉱油にMoDTCのみを表4に示す割合で配合し
た。得られた潤滑油組成物の80℃および120℃にお
ける摩擦係数およびその安定性を測定したところ、同表
に示すように結果はいずれも不十分であり、特に、高温
域の摩擦係数安定性が低下した。
【0106】比較例4〜15 精製鉱油に表4に示す有機酸塩化合物のみを同表に示す
割合で配合した。得られた潤滑油組成物の摩擦係数およ
び摩擦係数安定性を80℃および120℃において各々
測定した。その結果、表4に示すように摩擦係数はいず
れも劣り、特に、高温域においては低温域に比較して優
れた結果は得られなかった。
【0107】比較例16、17 精製鉱油にMoDTPのみを表5に示す割合で配合し
た。得られた潤滑油組成物の摩擦特性はMoDTCの場
合(比較例2および3)に比較してさらに低下した。
【0108】比較例18、19 精製鉱油にジノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム
のみを配合量を変えて表5に示す割合で配合した。得ら
れた潤滑油組成物の80℃および120℃における摩擦
係数およびその安定性を測定した。表5に示すように1
20℃の摩擦係数は80℃に比較してやや改善されたが
いずれも不十分であった。
【0109】比較例20 精製鉱油に、MoDTCおよび有機酸(2価)銅塩とし
てジオレイン酸銅を表5に示す割合で配合した。80℃
および120℃における摩擦係数はいずれも不十分であ
った。
【0110】比較例21、22 精製鉱油に、MoDTCおよび全塩基価が85.0mg
KOH/gと300mgKOH/gの二種類のジノニル
ナフタレンスルホン酸カルシウムを表5に示す割合で配
合し、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウムに由来
する全塩基価が各々6mgKOH/gの潤滑油組成物を
得た。80℃および120℃における摩擦係数はいずれ
も不十分であった。
【0111】比較例23、24 精製鉱油に、MoDTCの配合量をMo量として50p
pm(比較例23)および100ppm(比較例24)
と減少させ、アルキルベンゼンスルホン酸亜鉛をいずれ
も3.9m mol/kgの同量配合した。比較例26
の120℃における摩擦係数が0.05と低い結果を示
したことを除き、いずれも摩擦特性は劣るものであっ
た。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】上記の実施例および比較例の結果から、M
oDTCまたはMoDTPとオクタン酸、オクタデカン
酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、アルキルベンゼン
スルホン酸およびアルキルサリチル酸等の周期表1A〜
7A族、8族、1B〜6B族の金属塩、アンモニウム塩
およびアミン塩との併用により、120℃の高温域での
摩擦低減効果が顕著に改善され、その安定性も優れるこ
とが示されている。
【0118】
【発明の効果】硫黄を含有するモリブデン系化合物と特
定の有機酸金属塩化合物、有機酸アンモニウム塩または
有機酸アミン塩との併用により、高温条件下において摩
擦係数が低く、かつ、長期間の使用によっても摩擦係数
の安定性に優れた潤滑油組成物を提供することができ
る。従って、本発明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑
油、自動変速機油、作動油等広範な分野において用いる
ことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【化2】 一般式[III]
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 139/00 C10M 139/00 Z // C10N 10:02 10:04 10:06 10:08 10:10 10:14 10:16 30:06 30:08 40:04 40:08 40:24 40:25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
    れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
    て、該金属塩が周期表1A、3A〜7A族、8族および
    1B〜6B族金属からなる群より選択される金属を含有
    する有機酸金属塩化合物(ただし、カルボン酸銅塩(2
    価)を除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
    化合物およびアミン塩化合物を配合してなることを特徴
    とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 前記有機酸金属塩の金属が亜鉛、カドミ
    ウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、リチウム、ナトリ
    ウム、カリウム、アルミニウム、チタン、マンガン、バ
    ナジウムまたはスカンジウムである請求項1記載の潤滑
    油組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑油基油に、 a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
    れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
    て、該金属塩が周期表1A〜7A族、8族および1B〜
    6B族金属からなる群より選択される金属を含有し全塩
    基価が70mgKOH/g未満の有機酸金属塩化合物
    (ただし、カルボン酸銅塩(2価)を除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
    化合物およびアミン塩化合物を配合してなることを特徴
    とする潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機酸金属塩化合物の金属が亜鉛、
    カドミウム、鉄、コバルト、ニッケル、カルシウム、マ
    グネシウム、バリウム、銅、リチウム、ナトリウム、カ
    リウム、アルミニウム、チタン、マンガン、バナジウム
    またはスカンジウムである請求項3記載の潤滑油組成
    物。
  5. 【請求項5】 潤滑油基油に a)硫黄含有有機モリブデン系化合物 ならびに b)次のb−1)およびb−2)からなる群より選択さ
    れる少なくとも一種の有機酸塩化合物 b−1)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸の金属塩であっ
    て、該金属塩が周期表1A〜7A族、8族および1B〜
    6B族金属からなる群より選択される金属を含有する有
    機酸金属塩化合物(ただし、カルボン酸銅塩(2価)を
    除く。)、 b−2)カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホ
    ン酸、アルキルサリチル酸およびアルキルフェノール化
    合物からなる群より選択される有機酸のアンモニウム塩
    化合物およびアミン塩化合物を配合してなる潤滑油組成
    物であって、有機酸金属塩、有機酸アンモニウム塩およ
    び有機酸アミン塩化合物由来の全塩基価が5mgKOH
    /g以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
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