JPH10183154A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH10183154A
JPH10183154A JP9087429A JP8742997A JPH10183154A JP H10183154 A JPH10183154 A JP H10183154A JP 9087429 A JP9087429 A JP 9087429A JP 8742997 A JP8742997 A JP 8742997A JP H10183154 A JPH10183154 A JP H10183154A
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JP
Japan
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mass
group
lubricating oil
compound
examples
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Application number
JP9087429A
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English (en)
Inventor
Katsuya Arai
克矢 新井
Yasunori Sagawa
泰紀 寒川
Katsuhiro Akiyama
健優 秋山
Koji Saito
浩二 斎藤
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Tonen General Sekiyu KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tonen Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関、マニュアルトランスミッショ
ン、オートマティックトランスミッションおよびディフ
ァレンシャルギヤ等に好適な摩擦特性を有し、燃費性能
の改善された潤滑油組成物を提供すること。 【解決手段】 潤滑油基油に、 1)重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコ
ポリマー、 2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸のア
ルカリ土類金属塩系化合物、 3)有機モリブデン系化合物 4)有機チオリン酸亜鉛系化合物 および 5)硫黄系化合物 を有効量配合したことを特徴とする潤滑油組成物を提供
する。さらに、NOACK蒸発量22質量%以下、GC
D371℃残留成分が17%以下である潤滑油基油を用
いることにより、低摩擦性であり、燃費性能を一層改善
した潤滑油組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関
し、詳しくは、内燃機関、マニュアルトランスミッショ
ン、オートマティックトランスミッション、ディファレ
ンシャルギヤ等に用いられる摩擦低減効果および燃料消
費率低減効果(以下、必要に応じ「燃費性能」と記載す
る。)の高い潤滑油組成物、特に、内燃機関用潤滑油組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、トランスミッション、ディフ
ァレンシャルギヤ等にはその作動を円滑にするため、各
々の機器に適応した品質性能を有する潤滑油が要求さ
れ、摩擦損失が少なく、効率的な動力伝達により低燃費
の達成に寄与できる品質を有する潤滑油が排出ガス抑制
を狙う環境保全対策上からも強く希求されている。特
に、内燃機関にはピストンリングとシリンダライナ、ク
ランク軸やコネクティングロッドの軸受、カムとバルブ
リフタを含む動弁機構等の潤滑油が関与する多種の摺動
面が存在し、摩擦部分でのエネルギー損失が大きいた
め、これらの摺動面において共通に使用される内燃機関
用潤滑油としては摩擦低減効果が高く燃費性能に優れた
ものが不可欠とされている。
【0003】しかも、近年の内燃機関の低燃費化、高出
力化、運転条件の苛酷化等の高性能化に伴ない生ずる摺
動部分での苛酷な摩擦条件に耐え得るには、内燃機関用
潤滑油および上記のトランスミッション、ディファレン
シャルギヤ用潤滑油としては、さらに高度の摩擦低減効
果と燃費性能が必要となっている。
【0004】従来、内燃機関での摩擦損失の低減および
燃費低減対策として、摩擦調整剤等の各種添加剤が用い
られている。例えば、特開昭62−215697号公報
には、モリブデンジアルキルジチオカーバメートとスル
ホネート、フェネート、サリシレートまたはホスホネー
ト等の金属系清浄剤との組合せにより調製した潤滑油組
成物が開示されている。
【0005】また、特開昭63−210198号公報に
よると、鉱油に対し、数平均分子量が800〜8,00
0のエチレン−α−オレフィン共重合体、数平均分子量
が10,000〜250,000のポリメタアクリレー
トまたはポリメタアクリレートとオレフィン共重合体と
の混合物、清浄分散剤および/または酸化防止剤を配合
した潤滑油が提案されている。
【0006】さらに、特開平8−73878号公報によ
れば、モリブデンジチオカーバメート、ジチオリン酸亜
鉛および無灰系有機ポリサルファイドを組合せて用いた
エンジン油組成物が開示されている。
【0007】しかし、上記のような摩擦調整剤等添加剤
の組合せにより得られた潤滑油は、摩擦低減効果がある
程度得られているものの摺動条件が大巾に変動する自動
車の内燃機関の潤滑油としては、その変動に対応できず
摩擦低減効果、摩擦低減効果の耐久性および燃費性能に
ついてはなお不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のような摩擦特性の改善が必要な潤滑油組成物の開発
状況に鑑み、内燃機関のほかトランスミッション、ディ
ファレンシャルギヤ等に用いられる潤滑油として低摩擦
性を有し、その低摩擦性を長時間維持することができる
と共にさらに燃費性能に優れた潤滑油組成物を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定
の重量平均分子量を有するオレフィンコポリマーをサリ
チル酸のアルカリ土類金属塩、有機モリブデン系化合
物、有機チオリン酸亜鉛系化合物および硫黄系化合物と
併用することにより、さらに、摩擦特性および燃費性能
の改善には添加剤と基油との相互作用が重要であること
に着目し、特定の基油とこれらの添加剤を相互に組合せ
ることにより従来達成できなかった優れた低摩擦性およ
び燃費性能を有する潤滑油組成物を実現できることを見
い出した。本発明は、これらの知見に基いて完成に至っ
たものである。
【0010】すなわち、本発明の第一は、潤滑油基油
に、 1)重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコ
ポリマー、 2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸のア
ルカリ土類金属塩系化合物、 3)有機モリブデン系化合物 および 4)有機チオリン酸亜鉛系化合物 を配合したことを特徴とする潤滑油組成物に関するもの
である。本発明の第二は、100℃における動粘度が3
mm2 /s〜20mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 22質量%以下、 GCD371℃残留成分 17%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で、 1)重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコ
ポリマーを0.5質量%〜10質量%、 2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸のア
ルカリ土類金属塩系化合物を0.2質量%〜8質量%、 3)モリブデンジチオカーバメート系化合物をモリブデ
ン量として100ppm〜2000ppm、 4)ジチオリン酸亜鉛系化合物をリン量として0.03
質量%〜0.2質量%および 5)硫黄系化合物を硫黄量として0.02質量%〜0.
3質量% 配合したことを特徴とする潤滑油組成物に関するもので
ある。
【0011】さらに、本発明の好ましい実施の態様とし
て (1)潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準で、 重量平均分子量5×104 〜3×105 のオレフィン
コポリマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を0.2質量%〜8
質量%、 硫化オキシモリブデンジチオカーバメート(MoDT
C)および/または硫化オキシモリブデンジチオホスフ
ェート(MoDTP)をモリブデン量として100pp
m〜2,000ppm および ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)をリン量として0.
03質量%〜0.2質量% とからなる潤滑油組成物、
【0012】(2)潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基
準で、 重量平均分子量5×104 〜2.5×105 のエチレ
ン−α−オレフィン共重合体を0.5質量%〜10質量
%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価1mgKOH/g〜12mgKOH/g相当量と
して0.2質量%〜8質量%、 硫化オキシモリブデンジチオカーバメート(MoDT
C)および/または硫化オキシモリブデンジチオホスフ
ェート(MoDTP)をモリブデン量量として200p
pm〜1500ppm および ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)をリン量
として0.03質量%〜0.2質量% 配合してなる潤滑油組成物、
【0013】(3)100℃における動粘度が3.5m
2 /s〜10mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコポ
リマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量として0.03
質量%〜0.2質量% および 硫黄系化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.1
2質量% 配合してなる潤滑油組成物、
【0014】(4)100℃における動粘度が3.8m
2 /s〜8mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコポ
リマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量として0.03
質量%〜0.2質量% および 硫化エステル、チアジアゾールおよびカルバミン酸エ
ステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種
の化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.12質量
% 配合してなる潤滑油組成物、
【0015】(5)100℃における動粘度が3.8m
2 /s〜8mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量6×104 〜2.5×105 のオレフ
ィンコポリマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をプライマリー系とセカ
ンダリー系との併用で炭素数1〜18のプライマリーア
ルキル基/炭素数3〜8のセカンダリーアルキル基=5
/95〜30/70であり、潤滑油組成物全重量基準で
リン量として0.04質量%〜0.15質量% および 硫化エステル、チアジアゾールおよびカルバミン酸エ
ステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種
の化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.12質量
% 配合してなる潤滑油組成物、
【0016】(6)100℃における動粘度が3.8m
2 /s〜8mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量6×104 〜2.5×105 のオレフ
ィンコポリマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をプライマリー系とセカ
ンダリー系との併用で炭素数1〜18のプライマリーア
ルキル基/炭素数3〜8のセカンダリーアルキル基=5
/95〜30/70であり、潤滑油組成物全重量基準で
リン量として0.04質量%〜0.15質量%、 硫化エステル、チアジアゾールおよびカルバミン酸エ
ステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種
の化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.12質量
% および ホウ素含有コハク酸イミドをホウ素量として0.00
5質量〜0.035質量% 配合してなる潤滑油組成物、
【0017】(7)100℃における動粘度が3.8m
2 /s〜8mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量6×104 〜2.5×105 のオレフ
ィンコポリマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をプライマリー系とセカ
ンダリー系との併用で炭素数1〜18のプライマリーア
ルキル基/炭素数3〜8のセカンダリーアルキル基=5
/95〜30/70であり、潤滑油組成物全重量基準で
リン量として0.04質量%〜0.15質量%、 硫化エステル、チアジアゾールおよびカルバミン酸エ
ステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種
の化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.12質量
%、 ホウ素含有コハク酸イミドをホウ素量として0.00
5質量〜0.035質量% および フェノール系酸化防止剤を0.05質量%〜4質量% 配合してなる潤滑油組成物、
【0018】(8)100℃における動粘度が3.8m
2 /s〜8mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 20質量%以下、 GCD371℃残留成分 16%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
で 重量平均分子量6×104 〜2.5×105 のオレフ
ィンコポリマーを0.5質量%〜10質量%、 全塩基価70mgKOH/g〜400mgKOH/g
のサリチル酸のアルカリ土類金属塩を潤滑油組成物の全
塩基価が4mgKOH/g〜10mgKOH/gになる
ように0.2質量%〜8質量%、 モリブデンジチオカーバメートをモリブデン量として
200ppm〜1,500ppm、 ジアルキルジチオリン酸亜鉛をプライマリー系とセカ
ンダリー系との併用で炭素数1〜18のプライマリーア
ルキル基/炭素数3〜8のセカンダリーアルキル基=5
/95〜30/70であり、潤滑油組成物全重量基準で
リン量として0.04質量%〜0.15質量%、 硫化エステル、チアジアゾールおよびカルバミン酸エ
ステル化合物からなる群より選択される少なくとも1種
の化合物を硫黄量として0.04質量%〜0.12質量
%、 ホウ素含有コハク酸イミドをホウ素量として0.00
5質量〜0.035質量% および フェノール系酸化防止剤を0.05質量%〜4質量% 配合してなる潤滑油組成物であって、100℃の動粘度
が5.0mm2 /s〜16.5mm2 /s、NOACK
が22質量%以下、GCD371℃残留分が17%以
下、モリブデン量が100ppm〜2,000ppm、
リン量が0.03質量%〜0.2質量%、全塩基価が1
mgKOH/g〜12mgKOH/g、硫黄量が0.1
質量%〜0.8質量である潤滑油組成物を提供すること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】本発明の潤滑油組成物の構成成分としての
潤滑油基油は、従来、潤滑油の基油として用いられてい
るもの、例えば、鉱油系基油、合成系基油のいずれか、
または、これらの混合系基油でも使用することができる
が、特に、100℃おける動粘度が3mm2 /s〜20
mm2 /sであり、NOACK蒸発量22質量%以下お
よびGCD371℃残留成分が17%以下に制御された
蒸発性の優れた基油を用いることが後述の添加剤との組
合せにより摩擦特性および燃費性能をさらに改善する上
で好ましい。このような基油は、混合基材の蒸留条件そ
の他の精製条件を制御することにより調製することがで
きる。混合基材として用いられる鉱油系基油としては、
例えば、パラフィン系、中間基系、またはナフテン系原
油の常圧蒸溜残渣の減圧蒸溜により得られる潤滑油留分
を溶剤精製、水素化分解、水素化処理、水素化精製、接
触脱蝋、溶剤脱蝋、白土処理等の精製工程により処理し
て得られる鉱油、減圧蒸溜残渣を溶剤脱瀝に供したの
ち、脱瀝油を上記の精製工程により処理して得られる鉱
油、または、ワックス分の異性化により得られる鉱油等
またはこれらの混合油を挙げることができる。上記の溶
剤精製においては、フェノール、フルフラール、N−メ
チル−ピロリドン等の芳香族抽出溶剤が用いられ、ま
た、溶剤脱蝋の溶剤としては、液化プロパン、MEK/
トルエン等が用いられる。
【0021】一方、合成系基油としては、例えば、ポリ
α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベン
ゼン、トリメチロールプロパンエステル、ペンタエリス
リトールエステル等のポリオールエステル、ポリオキシ
アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコー
ルエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテ
ル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、シリコーン油
等を挙げることができる。これらの基油はそれぞれ単独
で用いてもよいし、二種以上を組合せて用いることもで
きる。
【0022】本発明の潤滑油組成物に用いられる潤滑油
基油としては、100℃における動粘度が3mm2 /s
〜20mm2 /s、好ましくは3.5mm2 /s〜10
mm2 /s、さらに好ましくは、3.8mm2 /s〜8
mm2 /sの範囲にあるものが用いられ、芳香族成分
(%CA )2質量%未満、硫黄分50ppm以下および
窒素分50ppm以下の水素化処理油、水素化分解油お
よびワックス異性化油等が好適である。
【0023】NOACK蒸発量は、CEC L−40−
T−87に規定された方法により測定される蒸発量であ
り、本発明においては250℃で16時間(h)加熱後
の蒸発量を示している。
【0024】本発明の潤滑油基油のNOACK蒸発量は
22質量%以下であり、好ましくは20質量%以下であ
る。22質量%を超えるとILSAC GF−2の規格
に適合しないだけでなく、エンジンの運転中に蒸発する
油量が多くなり、潤滑に必要な油量が確保されず、焼き
付き等の潤滑不良のおそれが生ずる。
【0025】また、GCD371℃残留成分は、AST
M D−2887に従い測定した沸点371℃以上の残
留重質成分であり、GCD371℃残留成分を特定の範
囲に設定することが低摩擦性能および燃費性能に寄与す
る基油を調製する上で重要である。GCD371℃残留
成分は17%以下、好ましくは16%以下であり、さら
に好ましくは15%以下である。17%を超えると、こ
れらの性能の欠如という難点が生ずる。
【0026】本発明の潤滑油組成物の構成成分として好
ましい基油は、100℃における動粘度3mm2 /s〜
20mm2 /s、NOACK蒸発量22重量%以下およ
びGCD371℃残留成分17%以下の三つの特性値を
同時に満たしたものであり、添加剤との相互作用による
効果が特に優れたものである。
【0027】本発明の潤滑油組成物の添加剤成分として
のオレフィンコポリマーは、二種以上のオレフィンモノ
マーのランダム共重合により得られる油溶性のものであ
り、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体を挙げ
ることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体と
しては、エチレンと炭素数3〜20の直鎖状または分岐
状α−オレフィンとの共重合体が好ましい。α−オレフ
ィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ド
デセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペン
タデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−
オクタデセン、1−ノナデセンおよびこれらの分岐状オ
レフィンを挙げることができ、特に、プロピレンを用い
たエチレン−プロピレン共重合体が本発明の課題を達成
するために有効である。
【0028】上記オレフィンコポリマーとしては、分散
型または非分散型のいずれも使用することができ、特に
限定されるものではない。また、一種のオレフィンコポ
リマーを用いることもでき、また、二種以上のオレフィ
ンコポリマーを混合して用いることもできる。また、エ
チレンとα−オレフィンに加えて共重合の第三成分とし
てジオレフィンを用いたコポリマーも使用することがで
きる。ジオレフィンとして炭素数6〜12の二環式、脂
環式または脂肪族共役ジオレフィン、例えば、1,5−
シクロオクタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、2−ノルボルネン等を挙げることができ
る。
【0029】オレフィンコポリマーの分子量は重量平均
分子量として4.5×104 以上、特に、5×104
3×105 の範囲が好適である。重量平均分子量が4.
5×104 未満では、潤滑油組成物の燃費性能の向上に
寄与することが困難であり、実用的価値を欠如し、一
方、3×105 を超えると剪断安定性が劣るため、同様
に上記の目的を達成するには難点の生じるおそれがあ
り、このような観点から、特に、6×104 〜2.5×
105 の範囲が好ましい。
【0030】オレフィンコポリマーの重量平均分子量
は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより測
定し、ポリスチレン換算値で表示したものである。
【0031】オレフィンコポリマーの製造方法として
は、いずれの方法も採用することができ、例えば、エチ
レン−プロピレン共重合体は、溶媒中、溶媒に可溶なチ
ーグラー・ナッタ型触媒の存在下において、エチレンと
プロピレンとをモノマーとして用いることによって製造
することができる。上記溶媒としては、脂肪族、ナフテ
ン系、芳香族およびハロゲン化芳香族炭化水素等または
過剰のプロピレンが使用される。具体的にはヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、クロ
ルベンゼン等が挙げられる。
【0032】上記チーグラー・ナッタ型触媒としては、
オキシハロゲン化バナジウム、例えば三塩化バナジル
(VOCl3 )とハロゲン化アルキルアルミニウム、例
えばエチルアルミニウムセスキクロライド(Al2 Et
3 cl3 )とを組合せた触媒成分が例示される。本発明
の潤滑油組成物の添加剤成分として必要なエチレン−プ
ロピレン共重合体の分子量は、重合条件すなわち溶媒の
種類、単量体の割合、触媒濃度、温度等の選択によって
確保することができる。
【0033】上記のオレフィンコポリマーの配合量は、
潤滑油組成物全量基準で、0.5質量%〜10質量%、
好ましくは、1質量%〜9質量%である。0.5質量%
未満では粘度指数向上効果が少なく、10質量%を超え
ると潤滑油組成物としての粘度調整が難しい。
【0034】本発明の潤滑油組成物の添加剤成分として
の第二の成分は、サリチル酸のアルカリ土類金属塩であ
り、例えば、次の一般式[I]および[I−a]
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】 で表される化合物を用いることができる。上記一般式
[I−a]は、サリチル酸のアルカリ土類金属塩の硫化
物を示す。
【0037】上記一般式[I]および[I−a]におい
て、R1 〜R3 は水素原子または炭素数1〜30の炭化
水素基であり、nは1〜4の整数を示し、各式中におい
て、各々、同一でも異なるものでもよい。Mはアルカリ
土類金属であり、また、xは1〜4の整数である。炭化
水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基;炭素数
2〜30のアルケニル基;炭素数6〜30のシクロアル
キル基、アリール基等を挙げることができる。アリール
基は炭素数1〜24のアルキル基で置換したものでもよ
い。上記炭化水素基としてはアルキル基が特に好まし
い。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシ
ウムおよびバリウム等を挙げることができ、サリチル酸
のアルカリ土類金属塩として具体的にはカルシウムサリ
シレート、マグネシウムサリシレートおよびバリウムサ
リシレート等を用いることができる。また、これらサリ
チル酸のアルカリ土類金属塩のホウ素誘導体も用いるこ
とができる。さらに、スルホネート、フェネートをサリ
シレートに併用することができ、これらの配合割合とし
ては5質量%以下が好ましい。
【0038】本発明においてサリチル酸のアルカリ土類
金属塩の特徴の一つは、その全塩基価が65mgKOH
/g以上であり、好ましくは、70mgKOH/g〜4
00mgKOH/gの範囲にあることである。サリチル
酸のアルカリ土類金属塩の全塩基価が65mgKOH/
g未満では油中の全塩基価を維持するためには、その配
合量として過剰量を必要とし、一方、400mgKOH
/gを超えると過少量ですむので、アルカリ土類金属塩
成分として、必要量を存在させることができないという
支障が生ずる。
【0039】上記のような全塩基価を有するサリチル酸
のアルカリ土類金属塩は、潤滑油組成物の全塩基価が1
mgKOH/g〜12mgKOH/gになるように配合
することが好ましく、その配合量は、0.2質量%〜8
質量%の範囲で任意に選択することができる。潤滑油組
成物の全塩基価が1mgKOH/gに達しないとサリチ
ル酸のアルカリ土類金属塩の燃費性能への効果が現れ
ず、一方、12mgKOH/gを超えると摩擦係数の増
加に伴い、燃費性能が不十分となる。油中の塩基成分が
増加しすぎると摺動面に形成されたMoS2 被覆膜が破
壊するものと推定される。
【0040】本発明の潤滑油組成物の添加剤成分として
の第三の成分は、硫化オキシモリブデンジチオカーバメ
ートおよび硫化オキシモリブデンジチオホスフェートで
あり、例えば、次の一般式[II]
【0041】
【化3】 で表される化合物 および一般式[III]
【0042】
【化4】 で表される化合物を採用することができる。
【0043】上記一般式[II]および[III]にお
いて、R4 〜R11は、各々互いに同一でも異なるもので
もよく、炭素数1〜30の炭化水素基である。炭化水素
基としては、炭素数1〜30の直鎖状または分岐状アル
キル基;炭素数2〜30のアルケニル基;炭素数4〜3
0のシクロアルキル基;炭素数6〜30のアリール基、
アルキルアリール基またはアリールアルキル基等を挙げ
ることができる。特に、炭素数3〜20のアルキル基が
好ましく、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基等およびこれらの各アル
キル基の異性体としての分岐状アルキル基を挙げること
ができ、特に炭素数4〜18のアルキル基が好ましい。
また、炭素数4〜18のアルケニル基も用いることがで
きる。X1 およびX2 は酸素原子または硫黄原子であ
り、Y1 およびY2 は酸素原子または硫黄原子である。
【0044】上記一般式[II]で表される硫化オキシ
モリブデンジチオカーバメートの代表例として、硫化オ
キシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジイソプロピルジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化
オキシモリブデンジイソブチルジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジイソペンチルジチオカーバメー
ト、硫化オキシモリブデンジヘキシルジチオカーバメー
ト、硫化オキシモリブデンジヘプチルジチオカーバメー
ト、硫化オキシモリブデンジオクチルジチオカーバメー
ト、硫化オキシモリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジ
チオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(2−プロ
ピルペンチル)ジチオカーバメート、硫化オキシモリブ
デンジノニルジチオカーバメート、硫化オキシモリブデ
ンジ(2−プロピルヘキシル)ジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジ(2−メチルドデシル)ジチオカ
ーバメート、硫化オキシモリブデンジヘキサデシルジチ
オカーバメート、硫化オキシモリブデンジオクタデシル
ジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジ(2−メ
チルオクタデシル)ジチオカーバメート等を挙げること
ができる。また、一般式[III]の硫化オキシモリブ
デンジチオホスフェートの代表例として、硫化オキシモ
リブデンジプロピルジチオホスフェート、硫化オキシモ
リブデンジブチルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジブテニルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジペンチルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジヘキシルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジヘプチルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジオクチルジチオホスフェート、硫化オキシモリ
ブデンジ(2−エチルヘキシル)ジチオホスフェート、
硫化オキシモリブデンジノニルジチオホスフェート、硫
化オキシモリブデンジデシルジチオホスフェート、硫化
オキシモリブデンジドデシルジチオホスフェート、硫化
オキシモリブデンジオクタデシルジチオホスフェート、
硫化オキシモリブデンジオレイルジチオホスフェート等
またはこれらの分岐状アルキル基またはアルケニル基を
有する化合物を挙げることができる。
【0045】これらの化合物は、各々単独で用いること
ができるが二種以上を任意に混合して用いることもでき
る。
【0046】上記有機モリブデン系化合物は、潤滑油組
成物全重量基準でモリブデン(Mo)量に換算して10
0ppm〜2,000ppm、好ましくは、200pp
m〜1,500ppmの割合で基油に配合される。この
配合量が、100ppm未満では低摩擦性能および燃費
性能を十分得ることができず、一方、2,000ppm
を超えても配合量に応じた燃費性能を得ることができな
いばかりでなく腐蝕を生じさせるおそれがある。
【0047】本発明の潤滑油組成物の添加剤成分として
の第四の成分は有機ジチオリン酸亜鉛系化合物であり、
例えば、下記一般式[IV]で表される化合物(ZnD
TP)を用いることができる。
【0048】
【化5】 上記一般式[IV]において、R12およびR13は、水素
原子または炭素数1〜26の炭化水素基であり、各々互
いに同一でも異なるものでもよい。炭化水素基として
は、炭素数1〜26のアルキル基;炭素数2〜26のア
ルケニル基;炭素数6〜26のシクロアルキル基;炭素
数6〜26のアリール基、アルキルアリール基またはア
リールアルキル基;またはエステル結合、エーテル結
合、アルコール基またはカルボキシル基を含む炭化水素
基である。好ましい炭化水素基は、炭素数2〜18のア
ルキル基、炭素数8〜18のシクロアルキル基、炭素数
8〜18のアルキルアリール基であり、アルキル基、ア
ルケニル基はプライマリー(第1級)またはセカンダリ
ー(第2級)のいずれの構造のものでよく、両者を併存
させてもよい。特に、炭素数1〜18のプライマリーア
ルキル基/炭素数3〜8のセカンダリーアルキル基=0
/100〜100/0、好ましくは、5/95〜95/
5、さらに好ましくは、5/95〜50/50、特に5
/95〜30/70の割合のものを用いることができ
る。
【0049】アルキル基の具体例としては、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基およびこれらの各アルキル基の異性体としての
分岐状アルキル基を挙げることができる。
【0050】従って、ジチオリン酸亜鉛の代表例とし
て、ジエチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−プロピルジチ
オリン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−
n−ペンチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチ
オリン酸亜鉛、ジ−n−ヘプチルジチオリン酸亜鉛、ジ
−n−オクチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ノニルジチ
オリン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−
n−ドデシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−トリデシルジ
チオリン酸亜鉛、ジ−n−テトラデシルジチオリン酸亜
鉛、ジ−n−ヘキシルデシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n
−オクチルデシルジチオリン酸亜鉛およびこれらの分岐
状アルキル基を有するものである。
【0051】ジチオリン酸亜鉛の配合量は、潤滑油組成
物全量基準で、リン(p)量として0.03質量%〜
0.2質量%、好ましくは、0.04質量%〜0.15
質量%である。
【0052】本発明の潤滑油組成物の第五成分は硫黄系
化合物であり、前記第二成分〜第四成分を除外した硫黄
含有化合物であり、例えば、次の一般式[V]〜[X]
で表される有機メタルチオカーバメート、有機モノサル
ファイド化合物および有機ポリサルファイド化合物を挙
げることができる。
【0053】
【化6】 18−Sx−R19 [VI] R20−Sx−R21−Sx−R22 [VII] ROOC−R23−Sx−R24−COOR [VIII]
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【化9】 上記一般式[V]〜[XI]において、Mは亜鉛、銅、
ニッケルまたは鉄等の遷移金属であり、R14〜R30は、
炭素数2〜18の炭化水素基であり、互いに同一でもま
たは異なるものでもよい。炭化水素基としては、炭素数
2〜18の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素数6〜
18のアリール基であり、アリール基には、炭素数1〜
12のアルキル基が結合されたものでもよい。xは1〜
4の整数である。好ましい炭化水素基はアルキル基およ
びアリール基であり、具体的にはエチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状アルキル基
またはこれらの分岐状アルキル基を挙げることができ
る。しかし、これらに限定されるものではなく、2個の
炭化水素基の平均炭素数が2〜18の範囲内であれば、
2個の炭化水素基のうち1個の炭化水素基としては、さ
らに長鎖のアルキル基を用いることもできる。また、ア
リール基としては、フェニル基、トリール基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基等を挙げることができ
る。エステル化アルキル基としては、具体的にはオレイ
ン酸メチル基、ステアリン酸メチル基、オレイン酸トリ
グリセリド基、植物油のメチルエステル基、植物油のグ
リセリンエステル基、動物油のグリセリンエステル基、
動物油のメチルエステル基等を用いることができる。
【0057】有機モノサルファイド化合物の好ましい具
体例としては、ジアルキルモノサルファイド、例えば、
ジメチルモノサルファイド、ジエチルモノサルファイ
ド、ジ−n−プロピルモノサルファイド、ジ−n−ブチ
ルモノサルファイド、ジ−n−ペンチルモノサルファイ
ド、ジ−n−ヘキシルモノサルファイド、ジ−n−セチ
ルモノサルファイド、ジ−n−オクチルモノサルファイ
ド、ジ−n−ノニルモノサルファイド、ジ−n−デシル
モノサルファイド、ジ−n−トリデシルモノサルファイ
ド、ジ−n−ヘキサデシルモノサルファイド、ジ−n−
オクタデシルモノサルファイド等に加え、ジアリールモ
ノサルファイド、例えば、ジフェニルモノサルファイ
ド、ジベンジルモノサルファイド、ジオレイン酸メチル
モノサルファイド、ジステアリン酸メチルモノサルファ
イド、ジ(トリオレイン酸グリセリド)モノサルファイ
ド等およびこれらの分岐状アルキル基を有するモノサル
ファイド等を挙げることができる。
【0058】また、有機ポリサルファイドとしては、具
体的には、ジアルキルジサルファイド、ジアルキルトリ
サルファイドその他のジアルキルポリサルファイド、ジ
フェニルジサルファイド、ジフェニルトリサルファイド
その他のジフェニルポリサルファイド、ジベンジルジサ
ルファイド、ポリオレフィンポリサルファイド、ビスア
ルキルポリサルファニルチアジアゾール、硫化オレフィ
ン、硫化魚油、硫化鯨油等の動物油の硫化物、硫化大豆
油、硫化菜種油、硫化ピネン等の植物油および動植物油
のエステルの硫化物等を挙げることができる。特に、ジ
アルキルジサルファイド、ジフェニルジサルファイド、
ビスアルキルポリサルファニルチアジアゾール等が好ま
しい。ジアルキルジサルファイドとしては、例えば、ジ
メチルジサルファイド、ジエチルジサルファイド、ジ−
n−プロピルジサルファイド、ジ−n−ブチルジサルフ
ァイド、ジ−n−ペンチルジサルファイド、ジ−n−ヘ
キシルジサルファイド、ジ−n−セチルジサルファイ
ド、ジ−n−オクチルジサルファイド、ジ−n−ノニル
ジサルファイド、ジ−n−デシルジサルファイド、ジ−
n−トリデシルジサルファイド、ジ−n−ヘキサデシル
ジサルファイド、ジ−n−オクタデシルジサルファイ
ド、ジオレイン酸メチルジサルファイド、ジステアリン
酸メチルジサルファイド、ジ(トリオレイン酸グリセリ
ド)ジサルファイド等に加え、ジアリールジサルファイ
ド、例えば、ジフェニルジサルファイド、ジベンジルジ
サルファイド等およびこれらの分岐状アルキル基を有す
るジサルファイド等を挙げることができる。
【0059】硫黄系化合物の配合量は、硫黄量に換算し
て0.02質量%〜0.3質量%であり、好ましくは
0.03質量%〜0.2質量%、さらに好ましくは、
0.04質量%〜0.12質量%である。配合量が0.
03質量%未満では摩擦低減に対する効果が不十分であ
り、一方、0.2質量%を超えると腐蝕摩耗が増加する
おそれがある。
【0060】本発明の潤滑油組成物に配合されるアルケ
ニルコハク酸イミド系無灰分散剤としては、下記一般式
[XII]および[XIII]により表されるモノアル
ケニルコハク酸イミド、ビスアルケニルコハク酸イミ
ド、他のアルケニルコハク酸イミドの誘導体およびこれ
らをホウ素化合物と反応させて得られるホウ素含有アル
ケニルコハク酸イミドを挙げることができる。
【0061】
【化10】
【0062】
【化11】 上記一般式[XII]および「XIII」においてRは
炭素数30以上のオレフィンオリゴマー残基、好ましく
は数平均分子量500〜6000のポリブテニル基であ
り、R’は炭素数2〜4のアルキレン基であり、mおよ
びnは1〜10の整数である。これらは各々、互いに同
一でも異なるものでもよい。これらのポリアルケニルコ
ハク酸イミドは、通常、ポリオレフィンと無水マレイン
酸との反応で得られるアルケニルコハク酸無水物をポリ
アルキレンポリアミンと反応させることにより製造する
ことができる。この際、アルケニルコハク酸無水物とポ
リアルキレンポリアミンとの割合を変えることにより、
モノアルケニルコハク酸イミドまたはビスアルケニルコ
ハク酸イミドまたはそれらの混合物が得られる。ホウ素
含有コハク酸イミドは、ホウ素を含有しないアルケニル
コハク酸イミドに比較して耐熱性に優れ、低燃費効果の
耐久性の観点で優れている。
【0063】本発明の潤滑油組成物においてアルケニル
コハク酸イミドおよび/またはホウ素含有アルケニルコ
ハク酸イミドの配合量は、潤滑油組成物全量基準でホウ
素量として0.06質量以下%、好ましくは0.005
質量%〜0.035質量%である。
【0064】さらに本発明の潤滑油組成物には所望に応
じて従来潤滑油に慣用されている各種添加剤、例えば、
上記以外の摩擦調整剤、摩耗剤、無灰分散剤のほか、酸
化防止剤、流動点降下剤、消泡剤、防錆剤、腐蝕防止剤
等を適宜配合することができる。
【0065】摩擦調整剤としては、例えば、多価アルコ
ール部分エステル、アミン、アミド等が挙げることがで
き、これらは、通常、0.01質量%〜5質量%の割合
で使用される。
【0066】耐摩耗剤としては、例えば、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル等を挙げることができ、これら
は、通常、0.05質量%〜5質量%の割合で使用され
る。
【0067】無灰分散剤としては、例えば、コハク酸ア
ミド系、ベンジルアミン系、エステル系のもの等が挙げ
られ、また、ボロン化したものでもよい。これらは、通
常、0.5質量%〜7質量%の割合で使用される。
【0068】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤およびアミン系酸化防止剤等を挙げることができ、
いずれも使用することができるが、特にフェノール系酸
化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤の具体例
としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノー
ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−
ブチル−o−クレゾール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−
t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノー
ル)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチ
ルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,
2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)等を例示することができ、一種また
は2種以上を混合して用いることができる。また、アミ
ン系酸化防止剤の具体例としては、モノオクチルジフェ
ニルアミン、モノノニルジフェニルアミン、P,P’−
ジブチルジフェニルアミン、P,P’−ジペンチルジフ
ェニルアミン、P,P’−ジオクチルジフェニルアミ
ン、テトラブチルジフェニルアミン、テトラオクチルジ
フェニルアミン、炭素数4〜18のアルキル基による置
換基が1〜4のアルキル化ジフェニルアミンα−ナフチ
ルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェ
ニル−α−オクチルアミン、オクチルフェニル−α−ナ
フチルアミン、ジナフチルアミン−6−エトキシ−2,
2,4−トリメチル1,2,ジヒドロキンキノリン等を
例示することができる。これらの酸化防止剤は0.05
質量%〜4質量%の割合で使用される。
【0069】流動点降下剤としては、例えば、塩素化パ
ラフィン−ナフタレン縮合物、アルキル化ポリスチレン
等が挙げられる。
【0070】消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサンやポリアクリル酸等が挙げられる。
【0071】防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケ
ニルコハク酸部分エステル、脂肪酸セッケン、アルキル
スルホン酸塩、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸
アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレン
エーテル等が挙げられる。
【0072】腐蝕防止剤としては、例えば、ベンゾトリ
アゾール、チアジアゾール、ベンゾイミダゾールおよび
これらの誘導体等が挙げられる。
【0073】
【実施例】本発明を実施例および比較例により、さらに
具体的に説明する。
【0074】潤滑油基油および添加剤として次に掲げる
ものを使用した。潤滑油基油 動粘度@100℃ NOACK蒸発量質量% GCD残留成分% A 4.5mm2 /s 20.0 14.6 B 4.8mm2 /s 16.2 15.5 C 4.2mm2 /s 11.3 5.9 D 4.2mm2 /s 25.0 19.9 E 4.2mm2 /s 26.1 20.6 F 4.2mm2 /s 21.5 16.5 添加剤 重量平均分子量 オレフィンコホ゜リマー 1 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 4×104 オレフィンコホ゜リマー 2 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 5×104 オレフィンコホ゜リマー 3 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 1×105 オレフィンコホ゜リマー 4 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 2.2×105 オレフィンコホ゜リマー 5 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 3×105 オレフィンコホ゜リマー 6 (エチレン-フ゜ロヒ゜レン共重合体) 3.5×105 ホ゜リメタクリレート 2×105 全塩基価(mgKOH/g) Caサリシレート 1. 50 Caサリシレート 2. 70 Caサリシレート 3. 400 Caスルホネート 300 硫化オキシモリフ゛テ゛ンシ゛n-オクチルシ゛チオカーハ゛メート(C8MoDTC) Mo含有量 4.1% 硫化オキシモリフ゛テ゛ンシ゛n-オクチルシ゛チオカーハ゛メート(C18MoDTC)/ 硫化オキシモリフ゛テ゛ンシ゛n-トリテ゛シルシ゛チオカーハ゛メート(C13MoDTC) Mo含有量 4.5% シ゛(フ゜ライマリーn-2-エチルヘキシル)シ゛チオリン 酸亜鉛(フ゜ライマリーC8ZnDTP) P含有量 6.5% シ゛(セカンタ゛リーC3/C6アルキル)シ゛チオリン 酸亜鉛(セカンタ゛リーC3/C6ZnDTP) P含有量 8.0% 硫黄系化合物 硫化エステル チアジアゾール ジサルファイド ジチオカルバミン酸亜鉛 無灰ジチオカルバミン酸塩 無灰分散剤 ホウ素系アルケニルコハク酸イミド 1(ビス型) 平均分子量4,000(ポリスチレン換算) ホウ素系アルケニルコハク酸イミド 2(ビス型) 平均分子量1,000(ポリスチレン換算) 酸化防止剤 4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)
【0075】各試作油は、下記の性能評価試験により評
価した。NOx酸化試験 試験油150mlに、油温130℃で12時間、1容量
%NO2 ガスを5リットル/時、酸素ガスを5リットル
/時の流通速度で吹き込みNOx酸化処理を行なった。
試作油の新油およびNOx酸化試験後の劣化油の摩擦係
数は、オプチモル社製SRV往復動摩擦試験機により荷
重400N、振動数50Hz,振幅1.5mmおよび油
温110℃の条件で測定した。燃料消費率測定試験 2,200cc容量のDOHCエンジンを用い、100
0rpm×50N・m、油温90℃で45分間慣らし運
転後、25ccの燃料を消費するのに必要な時間を計測
した。この計測を約45回繰り返し、その平均値を燃料
消費率(s/25cc)とした。全塩基価測定法 サリチル酸のアルカリ土類金属塩および油中の全塩基価
は、JIS K2501に定める電位差滴定法(HCl
4 法)により測定した。
【0076】実施例1〜14 実施例1〜14は、表1および表2に示すように本発明
に係る潤滑油組成物に関するものである。
【0077】実施例1〜2では、基油Fを使用し、全塩
基価70mgKOH/gのカルシウムサリシレート2を
6質量%、硫化オキシモリブデンジn−オクチルジチオ
カーバメート(C8 MoDTC)をモリブデン(Mo)
量として500ppm、ジ(セカンダリーC3 /C6
ルキル)ジチオリン酸亜鉛(セカンダリーC3 /C6
nDTP)を1.2質量%と各々同量配合した二種を調
製し、実施例1では、重量平均分子量1×105 のオレ
フィンコポリマー3を3質量%、実施例2では、2.2
×105 のオレフィンコポリマー4を2質量%各々配合
した。実施例1および2ともポリメタクリレートまたは
重量平均分子量が4.5×104 に達しないオレフィン
コポリマー1を用いた比較例1および2と比べて優れた
燃費性能を示した。
【0078】実施例3〜4は、全塩基価400mgKO
H/gのカルシウムサリシレートを用いたケースであ
り、各々1.4質量%配合した。なお、実施例4では、
重量平均分子量1×105 のオレフィンコポリマー3を
2質量%とポリメタクリレートを1質量%を併せて配合
した。
【0079】実施例5〜7では、全塩基価の相違するカ
ルシウムサリシレートを2種類併用し(実施例5)、カ
ルシウムサリシレートとカルシウムスルホネートを併用
した(実施例6および7)。実施例6および7からカル
シウムサリシレートが必須成分として存在すれば、カル
シウムスルホネートの共存にかかわらず燃費性能に優れ
ることが分かる。一方、カルシウムスルホネートのみで
は比較例4に示すように燃費性能が低い。
【0080】実施例8および10では、C8 MoDTC
500ppmの代わりにC6 MoDTPを700ppm
使用したこと以外各々すべて実施例3および4と同一の
組成とした。また実施例9は、オレフィンコポリマーに
ポリメタクリレートを併用した潤滑油組成物を示し、比
較例1との対比でオレフィンコポリマーが必須のもので
あることが分かる。
【0081】実施例11〜14においては、C8 MoD
TCを共通にモリブデン(Mo)量として500ppm
各々配合し、表2に示すその他の成分を同表の割合で配
合したものであり、実施例12および13ではオレフィ
ンコポリマー2の配合量のみを変更した。
【0082】比較例1〜16 比較例1〜16は、表3および4に示すように本発明の
構成要素のいずれかを欠如した潤滑油組成物に関するも
のである。
【0083】比較例1では重量平均分子量2×105
ポリメタクリレートを用いているが、オレフィンコポリ
マーの使用を欠き、比較例2〜3では、オレフィンコポ
リマーを使用しているが、これらは所定の重量平均分子
量(4.5×104 以上)に達しないオレフィンコポリ
マー1であり、いずれも十分な燃費性能が得られていな
い。ポリメタクリレートは重量平均分子量が十分高い2
×105 のものであっても燃費性能にはほとんど寄与し
ないことがこれらの結果により示されている。比較例4
では、カルシウムサリシレートを含有せず、比較例5〜
6では、カルシウムサリシレートを使用はしているが、
その含有量が所定量に達していないケースを示してい
る。比較例4〜6によればカルシウムスルホネートが含
有していても、所定量のカルシウムサリシレートが存在
しないと燃費性能が十分でないことが明らかになってい
る。
【0084】比較例7〜16においては、表3および4
に示すように各成分を各々配合しているが、いずれかの
構成を欠く場合の燃費性能に与える影響を示したもので
ある。比較例7および10ではセカンダリーC3 /C6
ZnDTPの配合が重要であり、比較例8〜9は、カル
シウムサリシレートの添加量に適正な範囲が存在するこ
とを示したものである。
【0085】実施例15〜42 実施例15〜42は、表5〜表7に示すように潤滑油基
油としてNOACK蒸発量が22質量%以下、GCD3
71℃残留成分17%以下の溶剤精製鉱油を用い、オ
レフィンコポリマー、カルシウムサリシレート、硫
化オキシモリブデンジn−オクチルジチオカーバメート
(C8 MoDTC)、ジ(プライマリーn−オクチ
ル)ジチオリン酸亜鉛(プライマリーC8 ZnDTP)
および硫黄系化合物を必須成分として配合し、さら
に、ホウ素含有コハク酸イミドおよび酸化防止剤を配合
して潤滑油組成物を調製した例を示す。
【0086】実施例15〜17は、添加剤の種類および
配合量を同一とし、基油A、BおよびCを各々用いた例
であり、基油はいずれもNOACK蒸発量22質量%以
下、GCD残留成分17%以下の条件を満たすものであ
り、性能評価の結果、新油および劣化油共に摩擦係数は
小さく、エンジン試験後、動粘度の上昇もなく、燃料消
費率も39秒/250cc〜41秒/250ccと良好
であった。
【0087】実施例19〜22は、硫黄系化合物として
硫化エステルの代わりに、チアジアゾール、ジサルファ
イド、ジチオカルバミン酸亜鉛、無灰ジチオカルバミン
酸を各々用いた例を示す。
【0088】実施例18と24では、C8 MoDTCの
代わりにC8 /C13MoDTCを用い、各々ほぼ同等の
性能評価の結果を得た。
【0089】実施例25および26では硫黄系化合物の
配合量を変え、実施例27および28は、ZnDTPの
プライマリーC8 アルキル基とセカンダリーC3 /C6
アルキル基の割合と配合量を変更したものであり、実施
例29〜34はカルシウムサリシレートの種類を変更し
たケースを示す。
【0090】さらに、実施例35〜42は、ホウ素含有
コハク酸イミドの配合量を変更したケースを示す。
【0091】以上の実施例により得られた潤滑油組成物
の組成および性能評価の結果を表1、2、5〜7に示
す。
【0092】比較例17〜23 比較例17〜23を表8に示す。比較例17および18
は、NOACK蒸発量およびGCD371℃残留成分の
含有量の多い基油を配合成分とするものである。
【0093】以上説明した比較例により得られた潤滑油
組成物の組成および性能評価の結果は表4および8に示
す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑油基油と1)重量
平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコポリマ
ー、2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸
のアルカリ土類金属塩、3)有機モリブデン系化合物お
よび4)有機チオリン酸亜鉛系化合物とからなり、摩擦
特性および燃費性能に優れた潤滑油組成物を提供するこ
とができる。特に潤滑油基油として特定のNOACK蒸
発量およびGCD371℃残留成分を有するものを用い
ることにより、また、さらに、硫黄系化合物を配合する
ことにより、燃費性能を一層改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 129:54 139:00 137:10 135:18 159:22) C10N 30:06 40:04 40:25 (72)発明者 寒川 泰紀 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 秋山 健優 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 斎藤 浩二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に、 1)重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコ
    ポリマー、 2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸のア
    ルカリ土類金属塩系化合物、 3)有機モリブデン系化合物 および 4)有機ジチオリン酸亜鉛系化合物 を配合したことを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 100℃における動粘度が3mm2 /s
    〜20mm2 /sであり、 NOACK蒸発量(250℃×16h) 22質量%以下、 GCD371℃残留成分 17%以下 の特性値を有する潤滑油基油に、潤滑油組成物全量基準
    で、 1)重量平均分子量4.5×104 以上のオレフィンコ
    ポリマーを0.5〜10質量%、 2)全塩基価65mgKOH/g以上のサリチル酸のア
    ルカリ土類金属塩系化合物を0.2質量%〜8質量%、 3)モリブデンジチオカーバメート系化合物をモリブデ
    ン量として100ppm〜2000ppm、 4)ジチオリン酸亜鉛化合物をリン量として0.03質
    量%〜0.2質量%および 5)硫黄系化合物を硫黄量として0.02質量%〜0.
    3質量% 配合したことを特徴とする潤滑油組成物。
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