JP2001158897A - 潤滑油組成物 - Google Patents
潤滑油組成物Info
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Abstract
性が15%質量損失未満、CEC L−54−T−96
によるM−111燃料エコノミーが1.5%以上で、S
AE OW−30又は3W−30又は5W−20マルチ
グレード潤滑剤組成物、特にディーゼルエンジリングこ
う着試験における性能を向上させる潤滑剤組成物の提
供。 【解決手段】下記(A)〜(E)の成分を含有する潤滑
油組成物。(A)潤滑粘度の基油、(B)組成物中、モ
リブデン元素を1000質量ppm以下含有するモリブ
デン含有添加剤、(C)組成物1kg当り10ミリモル
以上含有する有機酸のカルシウム塩清浄剤、(D)無灰
分散剤、金属清浄剤、酸化防止剤、耐摩耗剤または摩擦
改質剤及び(E)粘度改質剤。
Description
滑油組成物、特に、ディーゼルエンジンリングこう着試
験における性能を向上させた組成物に関する。
ンジンのクランクケース用潤滑油組成物(又は潤滑剤)
は周知であり、該組成物が添加剤(又は添加剤成分)を
含有してそれらの特性及び性能を向上させることも周知
である。他社製品を自社ブランドで販売する会社(OE
M)の性能基準を満たすための要求は、ますます潤滑剤
の特性に関するものとなっている。そのような性能基準
の一つとして、圧縮点火(ディーゼル)内燃エンジンの
操作中にピストンリングの固着に関するものがあげられ
る。これは通常、“リングこう着”と簡単に呼ばれお
り、VWTDi試験(CEC L-78-T-97)により測定することが
できる。
発性、潤滑剤の燃料エコノミー性能及び潤滑剤の塩素含
有量があげられる。種々の基準は、明らかに、使用でき
る添加剤成分及び量並びにベースストックに関して潤滑
剤の処方を束縛している。驚くべきことに、本発明によ
り、有機モリブデン化合物として存在する低濃度のモリ
ブデンを使用することにより、厳しい“リングこう着”
試験要求を満たし、同時に他の基準も満たす潤滑剤を生
じさせることができることが見いだされた。多くの文献
に、油溶性モリブデンを潤滑剤に使用することが記載さ
れている。例えば、米国特許第4,164,473号明
細書、第4,176,073号明細書、第4,176,
074号明細書、第4,192,757号明細書、第
4,248,720号明細書、第4,201,683号
明細書、第4,289,635号明細書及び第4,47
9,883号明細書を参照のこと。しかし、これらのい
ずれにも“リングこう着”を改善するための使用につい
て記載されていない。
発明は、CEC L-40-A-93によるノアック揮発性が15%
質量損失未満、例えば13%質量損失未満、好ましくは
11%質量損失未満、好ましくは4又は5%質量損失以
上であり、CEC L-54-T-96によるM-111燃料エコノミーが
1.5%以上であってもよい、SAE 0W-30又は5W-30又は5W-
20マルチグレード潤滑油組成物であって、以下の(A)
〜(E)を含有するか、又は以下の(A)〜(E)を混
合することにより製造される前記組成物; (A)組成物中の添加剤成分の供給から発生するベース
ストック以外の第I族ベースストック又は第II族ベース
ストック又は第I族と第II族ベースストックとの混合物
を、0から10質量%未満、好ましくは0から5質量%
未満含有する、多量の潤滑粘度のベースストック;及び
以下の(B)〜(E)を含有する少量の添加剤成分; (B)組成物中で、モリブデン元素を1000質量pp
m以下、有利には500質量ppm以下、例えば350
又は300又は250質量ppm以下、例えば50質量
ppm以上を提供する量の一種以上のモリブデン含有添
加剤; (C)組成物1kg当たり界面活性剤を10ミリモル以
上、例えば12ミリモル以上、例えば30又は35ミリ
モルまで提供する量で、有機酸のカルシウム塩を界面活
性剤として含有する一種以上のカルシウム清浄剤添加
剤; (D)無灰分散剤、金属清浄剤、酸化防止剤、耐磨耗
剤、及び摩擦改質剤から選ばれる一種以上の他の潤滑油
添加剤(但し、これらの添加剤は上述の(B)及び
(C)とは異なる);及び (E)一種以上の粘度改質剤(ここで、これらの添加剤
成分は、100質量ppm未満、例えば50質量ppm
未満ではあるが、5又は10ppm以上の塩素を組成物
に提供する。)を提供する。
内燃エンジンを操作し、該エンジンを本発明の第一の観
点の潤滑油組成物で潤滑することを含む、圧縮点火内燃
エンジンを潤滑する方法を提供する。第三の観点におい
て、本発明は、圧縮点火内燃エンジンに本発明の第一の
観点の潤滑油組成物を添加することを含む、圧縮点火内
燃エンジンのリングこう着傾向を減少させる方法を提供
する。第四の観点において、本発明はクランクケースを
潤滑するための圧縮点火内燃エンジンのクランクケース
と本発明の第一の観点の潤滑油組成物とを含む組み合わ
せを提供する。
又は同種の語は、記載した特徴、整数、工程又は成分の
存在を特定するものであるが、一種以上の他の特徴、整
数、工程、成分又はそれらの集まりの存在又は追加を排
除するものではない;“多量”は、組成物の50質量%
より多い量を意味する;“少量”は、組成物の50質量
%未満を意味し、規定の添加剤及び組成物中に存在する
全添加剤の合計の質量%の両方に関して、添加剤の活性
成分として計算される;
性”は、化合物又は添加剤が全ての割合で油に可溶性、
溶解性、混和性又は懸濁され得ることを必ずしも意味し
ない。しかしながらこれらの用語は、例えば、油が使用
される環境において目的の効果を十分に発揮できる程度
まで油に可溶であるか又は安定に分散できることを意味
する。さらに、他の添加剤をさらに導入することによ
り、所望により、特定の添加剤をさらに高濃度で導入す
ることができる。本発明はまた、処方、貯蔵又は使用条
件下で、必須かつ慣例及び最適である、組成物又は濃縮
物の種々の添加剤成分間の反応の結果として得られた製
品又は得られる製品を提供する。本発明の特徴を以下に
より詳細に記載する。
型的には、SAE 10W-30又はSAE-5W-30等の記載により表
される。マルチグレード記述子の最初の数字は、高剪断
速度下での冷温クランクシミュレーター(CSS)によ
り測定されるマルチグレード油の安全なクランク温度
(例えば−20℃)粘度要求と関連する(ASTM D 529
3)。一般的に、潤滑剤のCSS粘度が低いと、より低
温でより容易にエンジンがクランクすることができ、周
囲温度でエンジンをスタートさせる能力が向上する。
チ粘度グレード油は、広い温度範囲にわたって操作する
ように設計されており、SAE 10W-30又はSAE 5W-30等の
記述子で表されている。それらの特性は、自動車技術協
会文書 SAE J300に規定されている。この刊行物は2つ
の基準: −最低温クランク及びポンプ粘度、及び −100℃における最大及び最低動粘度及び150℃及
び108s-1における最低高剪断粘度 によりマルチグレードを規定している。低温特性によ
り、どの“W”グレードが潤滑剤に割り当てられるかを
規定し、高温特性により名称の“Wでない”部分を規定
する。
Wで最低温における操作の必要要件を表すことにより規
定する。SAE 5W、10W、15W、20W及び25Wはまた、これら
のグレードにより、段々と高くなる最低操作温度に適し
ていることを規定している。Wでないグレードは数値で
表示され、これらは増大する高温粘度のスケールを規定
する。このスケールはSAE 20から始まり、SAE 30、40及
び50から最も粘度の高いグレードSAE60に達する。この
自動車クランクケース潤滑剤の粘度分類システムは、乗
物及び潤滑剤製造工業に万国共通で適用される。
い油消費及び排出物質の両方に関連している。潤滑剤の
揮発性を測定するのに使用される方法の一つがノアック
法である。2つの標準化されたノアック法がJPI法5S-41
-93及びCEC L-40-A-93である。これらの方法により、空
気が通過する状態で、サンプルを250℃で60分間保
った後の質量損失%を測定する。本発明の目的につい
て、対照の流体で較正した装置を使用して全ノアック揮
発性測定を行った。燃料エコノミー CEC-L-54-T-96によりM-111燃料エコノミーを測定した。
粘度を有する油であり、添加剤及び他の油をブレンドし
て最終潤滑剤を製造するための潤滑剤の主液体成分であ
る。ベースストックは、本発明のベースストックを規定
するのに使用される、APIエンジンオイル認可及び保証
システム(EOLCS)API 1509定義により、グループI〜
Vに分類することがきる。従って; a)グループIベースストックは、飽和物(saturate
s)を90%未満及び/又は硫黄を0.03%より多く含
み、表E-1において特定される試験方法を使用した粘度
指数が80以上、120未満である。
を90%以上及び硫黄を0.03%以下含み、表E-1におい
て特定される試験方法を使用した粘度指数が80以上、
120未満である。 c)グループIIIベースストックは、飽和物を90%以
上及び硫黄を0.03%以下含み、表E-1において特定され
る試験方法を使用した粘度指数が120以上である。 d)グループIVベースストックは、ポリアルファオレフ
ィン(PAO)である。 e)グループVベースストックは、グループI、II、II
I又はIVに含まれない他の全てのベースストックを含
む。
酸化価IV及びVで使用することができる。モリブデンは
カチオンとして存在することができるが、これは絶対で
はない。従って、例えばモリブデン含有複合体を使用す
ることができる。使用できるモリブデン化合物の例とし
ては、無機酸及び有機酸のモリブデン塩(例えば、米国
特許第4,705,641号明細書を参照のこと)、特に、炭素
数1〜50、好ましくは8〜18のモノカルボン酸のモ
リブデン塩、例えばモリブデンオクタノエート(好まし
くは2−エチルヘキサノエート)、ナフテネート又はス
テアレート;モリブデン三酸化物、モリブデン酸又はそ
れらのアルカリ金属塩(又はそのようなモリブデン化合
物と還元剤との反応生成物)と炭素数6〜24の炭化水
素基を有する第二アミンとの反応生成物(欧州特許公開
第205165号公報を参照のこと);欧州特許公開第404650
号公報に開示されている過塩基化モリブデン含有複合
体、モリブデンジチオカルバメート及びリン含有量のた
めあまり好ましくはないが、モリブデンジチオホスフェ
ート;米国特許第4,995,996号明細書及び第4,966,719号
明細書に開示されている油溶性モリブデン化合物、好ま
しくはこれらの明細書に記載されているモリブデンキサ
ンテート及びトリキサンテート;及び油用性モリブデン
及び硫黄含有複合体があげられる。モリブデン−及び硫
黄含有複合体の特定の例としては、酸性モリブデン化合
物と塩基性窒素含有物質とを反応させて、硫黄源と反応
させることにより製造されるもの(例えば、英国特許第
2097422号公開公報を参照のこと)、及びトリグ
リセライドと塩基性窒素化合物とを反応させて反応生成
物を形成し、該反応生成物と酸性モリブデン化合物とを
反応させて中間体反応生成物を形成し、該反応中間体生
成物と硫黄含有化合物とを反応させることにより製造さ
れるもの(例えば、英国特許第2220954号公開公
報を参照のこと)があげられる。モリブデン化合物の他
の例としては、国際特許出願PCT/IB97/016
56に記載されており、三核モリブデンコアを含有し、
全体的に又は部分的に硫黄からなる非金属原子を含有し
ていてもよく、該コアは、該化合物を油溶性又は油分散
性にすることができるリガンドに結合している。該化合
物は一般式Mo3SkLp(式中、Lはリガンド、例えば
ジチオカルバメートを示し、Pは、1〜4の範囲であ
り、Kは、少なくとも4、好ましくは4〜10、好まし
くは4〜7である)で表さすことができる。
ニス及びラッカー沈殿の形成を減少させる添加剤であ
る;一般的に、酸中和特性を有し、微細に分割した固体
を懸濁状態にすることができる。大抵の清浄剤は、金属
界面活性剤又は酸性有機化合物の塩である、金属“セッ
ケン”をベースとしている。清浄剤は一般的に、長い疎
水性テール部を有する極性ヘッドを含有し、該極性ヘッ
ドは酸性有機化合物の金属塩を含有する。該塩は実質的
に化学量論量の金属を含有することができ、通常、正塩
又は中性塩として記載され、典型的には0〜80の全塩
基価すなわちTBN(ASTMD2896により測定す
ることができる)を有する。多量の金属塩基は、酸化物
又は水酸化物等の過剰の金属化合物と、二酸化炭素等の
酸性ガスとを反応させることにより含むことができる。
得られる過塩基化清浄剤は、金属塩基(例えば炭酸塩)
ミセルの外層として中和された清浄剤を含有する。その
ような過塩基化清浄剤は、150以上のTBN、一般的
には250から450又はそれ以上のTBNを有するこ
とができる。
溶性中性及び過塩基化スルホネート、フェナート、硫化
フェナート、チオホスホネート、サリチレート、及びナ
フテネートがあげられる。特に都合のよいカルシウム清
浄剤は、20〜450のTBNを有する中性及び過塩基
化カルシウムスルホネート、及び50〜450のTBN
を有する中性及び過塩基化カルシウムフェナート及び硫
化フェナートである。スルホネートは、一般的に石油の
分別から得られるもののようなアルキル置換芳香族炭化
水素のスルホン化により又は芳香族炭化水素のアルキル
化により得られる、スルホン酸から製造することができ
る。例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフ
タレン、ジフェニル又はクロロベンゼン、クロロトルエ
ン及びクロロナフタレン等それらのハロゲン誘導体をア
ルキル化することにより得られるものがあげられる。ア
ルキル化は、炭素数が3から70を越えるアルキル化剤
を使用する触媒の存在下で行うことができる。アルカリ
ールスルホネートは通常、アルキル置換芳香族部分当た
り9〜80個以上、好ましくは16〜60個の炭素原子
を有する。
ホン酸は、カルシウムの酸化物、水酸化物、アルコキシ
ド、炭酸塩、カルボン酸塩、硫化物、水硫化物、硝酸
塩、ホウ酸塩及びエステルにより中和することができ
る。カルシウム化合物の量は、最終生成物が所望のTB
Nを有するように選ばれるが、一般的には約100〜2
20質量%、好ましくは少なくとも125質量%の範囲
である。フェノール及び硫化フェノールのカルシウム塩
は、フェノールと適当なカルシウム化合物、例えば酸化
物又は水酸化物との反応により製造され、中性又は過塩
基化生成物は当該分野において公知の方法により得るこ
とができる。硫化フェノールは、フェノールと硫黄又は
硫黄含有化合物、例えば硫化水素、一ハロゲン化硫黄又
は二ハロゲン化硫黄とを反応させ、一般的には2以上の
フェノールが硫黄含有ブリッジにより橋架けされている
化合物の混合物である生成物を得ることにより製造する
ことができる。
有機性物質である。その主な機能は固体及び液体汚染物
質を懸濁状態に保つことであり、油溶性を付与するため
の長鎖炭化水素を含有し、分散させる粒子と会合するこ
とができる極性ヘッドを有する。注目すべき基は炭化水
素置換スクシンイミドである。酸化防止剤は、酸化に対
する組成物の耐性を増大させ、パーオキシドと一緒にな
って及びパーオキシドを変性することにより作用して、
パーオキシドを分解するか又は酸化触媒不活性にするこ
とによりそれらを無害にすることができる。酸化防止剤
は、ラジカルスカベンジャー(例えば、立体的に妨害さ
れているフェノール、第二芳香族アミン、及び有機銅
塩);ヒドロパーオキシド分解物(例えば、有機硫黄及
び有機リン添加剤);及び多機能性物質(multifunctio
nals)として分類することができる。本発明を実施する
際、ある種の酸化防止剤を使用するか又は使用しないと
ある利益を付与することができる。例えば、一態様にお
いて、本発明の潤滑油組成物がいかなる第二芳香族アミ
ン酸化防止剤をも含有しないのが好ましい。別の態様に
おいて、一以上の第二芳香族アミン酸化防止剤(例え
ば、組成物の0.1〜0.7質量%、好ましくは0.2
〜0.5質量%の範囲)と一以上の立体的に妨害されて
いるフェノール酸化防止剤(例えば組成物の0.1〜2
質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲)との
組み合わせを本発明の潤滑油組成物中で使用するのが好
ましい。そのような組成物は例えば、組成物中でモリブ
デン元素を質量にして50又は100ppm〜500又
は700ppm提供する量で一以上のモリブデン含有添
加剤を含有することができる。
せ、通常、硫黄又はリン或いは両方を含有する化合物を
ベースとする。注目すべきは、ジアルキルジチオリン酸
亜鉛(ZDDP)等の金属ジヒドロカルビルジチオリン
酸塩である。好ましくは、アルキル基が本質的に二級ア
ルキル基である。摩擦改質剤としては、摩擦係数を低下
させて燃料エコノミーを向上させる境界添加剤があげら
れる。具体例としては、高級脂肪酸のグリセロールモノ
エステル等の多価アルコールのエステル、例えば、グリ
セロールモノオレエート;長鎖ポリカルボン酸とジオー
ルとのエステル、例えば、二量化した不飽和脂肪酸のブ
タンジオールエステル;オキサゾリン化合物;及びアル
コキシル化アルキル置換モノアミン、及びアルキルエー
テルアミン、例えば、エトキシル化タローアミン及びエ
トキシル化タローエーテルアミンがあげられる。本発明
を実施する際、成分(D)が、、多価アルコールのエス
テルから及びアルコキシル化アミンから選ばれる一種以
上の摩擦改質剤を含むのが好ましい。
び低温操作性を付与する。分散剤としても作用する粘度
改質剤もまた公知であり、無灰分散剤について上述した
ようにして製造することができる。一般的に、これらの
いわゆる分散剤粘度改質剤は、機能性ポリマー(例え
ば、無水マレイン酸等の活性モノマーでポストグラフト
したエチレン−プロピレンインターポリマー)を、さら
に、例えば、アルコール又はアミンで誘導体化したもの
である。粘度改質剤として使用するのに適当な化合物は
一般的に、ポリエステルを含む、高分子量炭化水素ポリ
マーである。油溶性粘度改質ポリマーは一般的に、1
0,000〜1,000,000、好ましくは20,0
00〜500,000の重量平均分子量を有する。該平
均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー又は光散乱に
より測定できる。
イソブチレン、エチレンとプロピレンと高級αオレフィ
ンのコポリマー、ポリメタクリレート、ポリアルキルメ
タクリレート、メタクリレートコポリマー、不飽和ジカ
ルボン酸とビニル化合物のコポリマー、スチレンとアク
リル酸エステルのインターポリマー、及びスチレンの部
分的に水素添加したコポリマー、イソプレン、スチレン
/ブタジエン、及びイソプレン/ブタジエン、並びにブ
タジエンの部分的に水素添加したホモポリマー及びイソ
プレン及びイソプレン/ジビニルベンゼンがあげられ
る。本発明において規定されているものとは異なる他の
公知の添加剤を本発明の潤滑油組成物に含ませることも
できる。そのような添加剤としては、例えば、他の清浄
剤;錆抑制剤;腐食抑制剤;流動点降下剤;起泡抑制
剤;及び界面活性剤があげられる。これらは当該分野で
公知の割合で併用することができる。当業界において知
られているように、ある添加剤は様々な効果を提供する
ことができる。したがって、例えば、単一の添加剤が分
散剤としても酸化防止剤としても機能することができ
る。上述したように、添加剤は組成物に50質量ppm
未満の塩素を提供する。したがって、この要求に応じる
ように、塩素含有添加剤(例えば製造方法から発生する
もの)を使用することは排除されるか又は少なくとも制
御されるべきである。
質、典型的には炭化水素、担体流体、例えば潤滑鉱油、
又は他の適当な溶剤に、添加剤濃縮物の形態で導入する
のが通常である。本明細書に記載したような潤滑粘度の
油並びに脂肪族、ナフテン系、及び芳香族炭化水素が濃
縮物に適当な担体流体の例である。濃縮物は、使用前に
添加剤を扱うのに、及び潤滑油組成物中で添加剤の溶解
又は分散を容易にするのに便利な手段を構成する。一以
上のタイプの添加剤を含有する潤滑油組成物を調製する
とき、各添加剤は別々に−それぞれ濃縮物の形態で−添
加することができる。しかしながら、多くの場合、単一
の濃縮物中に2種以上の添加剤を含有するいわゆる添加
剤“パッケージ”(“アドパック”ということもある)
を提供するのが便利である。濃縮物は、添加剤の活性成
分を1〜90質量%、例えば2〜80質量%、好ましく
は20〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%
含有することができる。
くとも一種の添加剤の混合物を、必要により上述の一以
上の補助添加剤と共に添加することにより製造すること
ができる。この製法は添加剤を直接油に添加することに
より、又はそれらの濃縮物の形態で添加することにより
添加剤を分散させるか又は溶解させることにより達成す
ることができる。添加剤は当業者に公知の任意の方法に
より、他の添加剤を添加する前に、他の添加剤を添加す
ると同時に、又は他の添加剤を添加するのに続いて油に
添加することができる。本発明の潤滑油組成物は、機械
的なエンジン部分、特に圧縮点火エンジン等の内燃機関
に、潤滑油を添加することにより使用することができ
る。圧縮点火エンジンの特別の例としては、近年開発さ
れた、比出力(specific power output)が約40kW
/リットル以上まで増加するためにトップリング溝温度
が150℃を越えることができるものがあげられる。こ
れらのエンジンは操作する際、リングこう着問題で傷つ
く傾向にある。
製造する場合、濃縮物1質量部あたり、例えば3〜10
0質量部、例えば5〜40質量部の潤滑粘度の油で希釈
することができる。潤滑油組成物が一種以上の添加剤を
含有する場合、典型的には、各添加剤は、潤滑油組成物
に所望の機能を付与できる量で基油中にブレンドされ
る。クランクケース潤滑剤中で使用する場合のそのよう
な添加剤の代表的な効果的な量は以下にあげたとおりで
ある。ここに記載した値は全て、他に特に記載がなけれ
ば、質量%活性成分として示される。
は5〜18質量%、典型的には10〜15質量%の濃縮
物を含有することができ、残部は潤滑粘度の油である。
る:4つの添加剤パッケージ(すなわち“アドパック
(adpack)”)を、当業界で公知の方法により製造し、
パッケージ1、A、2及びBとした。これらのパッケー
ジは、パッケージ1及び2がモリブデンを含み(同濃
度)、パッケージA及びBがモリブデンを含有せず、パ
ッケージ1とAがパッケージ2とBよりも少ない量の分
散剤を含有し、パッケージ1とAが同じ分散剤濃度を有
し、パッケージ2とBが同じ分散剤濃度を有すること以
外は、同じである。各パッケージは以下の添加剤を同濃
度で含有した; ポリブテンスクシンイミド分散剤 過塩基化カルシウムスルホネート清浄剤 過塩基化マグネシウムスルホネート清浄剤 中性カルシウムスルホネート清浄剤 中性カルシウムフェナート ヒンダードフェノール酸化防止剤 エトキシル化アミン摩擦改質剤 グリセロールモノオレエート摩擦改質剤 ジアルキルジチオリン酸亜鉛耐磨耗剤 シリコーン起泡抑制剤 解乳化剤 希釈油
オカルバメート硫黄を含有した。パッケージ1及びAは
パッケージ2及びBよりも少ない量の分散剤を含有し
た。各パッケージを第IV族ベースストック混合物中にブ
レンドして以下の特性を有するSAE-0W-30潤滑油組成物
(又は油)を得た。各油は、パッケージからブレンドさ
れたものと同じ参照番号又は文字で示される。
-97試験に供した。結果を以下の表に記載した。 油 1 A 2 B メリット1 65 46 68 56 リングこう着2(平均) 0 2.63 0 0.63 リングこう着3(最大) 0 5.0 0 2.5
わち早めに終わらせずに操作した。 1.ACEA B4限界は、>65である。 2.ACEA B4限界は、<0.7である。 3.ACEA B4限界は、<2.5である。 結果は、試験における低濃度のモリブデンの利点を明ら
かに示している。従って、それらを導入することによ
り、試験に失格した油を、分散剤濃度が高い場合と低い
場合の両方で試験に楽々と合格する油に変える。
質量ppmのモリブデン元素を提供する三核モリブデン
/チオカルバメート硫黄添加剤、ジフェニル−アミン酸
化防止剤(0.35質量%)及びヒンダードフェノール
酸化防止剤(1.1質量%)を含有するSAE 5W-30潤滑
油組成物(油3)を製造した。油3は本発明の第一の観
点の組成物が有する他の特性を有した。油3は、API Se
q III試験で試験したが、規定時間の2倍の時間(64
時間に対して128時間)で行った。規定試験は、ピス
トン清浄性、カム及びリフター磨耗性、及び油中の粘度
増加に関する。試験の継続時間を倍にすることにより、
その過酷さを大きくした:これらの条件下で、粘度増大
は通常制限因子となり、従って、添加剤を使用すること
による油粘度の制御が重要となる。得られた結果は以下
の通りである:
D 5533)仕様の下では、40℃における油粘度増大は≦
100%であるべきである。それ故、上述の結果は、2
種の異なる酸化防止剤の混合物を使用する、試験した油
(油3)が、上述したようにして行われた過酷な試験に
おいて顕著な性能を示すことを示している。
Claims (12)
- 【請求項1】 CEC L-40-A-93によるノアック揮発性が
15%質量損失未満、例えば13%質量損失未満、好ま
しくは11%質量損失未満であり、CEC L-54-T-96によ
るM-111燃料エコノミーが1.5%以上であってもよい、SA
E 0W-30又は5W-30又は5W-20マルチグレード潤滑油組成
物であって、以下の(A)〜(E)を含有するか、又は
以下の(A)〜(E)を混合することにより製造される
前記組成物; (A)組成物中の添加剤成分の供給から発生するベース
ストック以外の第I族ベースストック又は第II族ベース
ストック又は第I族と第II族ベースストックとの混合物
を、0から10質量%未満、好ましくは0から5質量%
未満含有する、多量の潤滑粘度のベースストック;及び
以下の(B)〜(E)を含有する少量の添加剤成分; (B)組成物中で、モリブデン元素を1000質量pp
m以下、有利には500質量ppm以下、例えば250
質量ppm以下を提供する量の一種以上のモリブデン含
有添加剤; (C)組成物1kg当たり界面活性剤を10ミリモル以
上、例えば12ミリモル以上提供する量で、有機酸のカ
ルシウム塩を界面活性剤として含有する一種以上のカル
シウム清浄剤添加剤; (D)無灰分散剤、金属清浄剤、酸化防止剤、耐磨耗
剤、及び摩擦改質剤から選ばれる一種以上の他の潤滑油
添加剤(但し、これらの添加剤は上述の(B)及び
(C)とは異なる);及び (E)一種以上の粘度改質剤。(ここで、これらの添加
剤成分は、100質量ppm未満、例えば50質量pp
m未満の塩素を組成物に提供する。) - 【請求項2】 一種以上の第二芳香族アミン酸化防止剤
を含有しない請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 第二芳香族アミン酸化防止剤及び立体的
障害のあるフェノール酸化防止剤を含有する請求項1記
載の組成物。 - 【請求項4】 成分(D)が、多価アルコールのエステ
ル及びアルコキシル化アミンから選ばれる一種以上の摩
擦改質剤を含む請求項1〜3いずれか1項記載の組成
物。 - 【請求項5】 成分(C)が、有機酸の過塩基化カルシ
ウム塩であり、該酸が、界面活性剤がフェナート又はス
ルホネートとなるようにフェノール又はスルホン酸であ
る、請求項1〜4いずれか1項記載の組成物。 - 【請求項6】 モリブデン含有添加剤が、モリブデンコ
ア及びコアに結合した油溶性を付与する一種以上のリガ
ンドを含有する油溶性モリブデン化合物を含有する請求
項1〜5いずれか1項記載の組成物。 - 【請求項7】 モリブデンコアが、二核又は三核モリブ
デンコア、又はそれらの組み合わせであり、全体的又は
部分的に硫黄を含有する非金属原子を含有していてもよ
い請求項6記載の組成物。 - 【請求項8】 リガンドが、ジアルキルジチオカルバメ
ート又はジアルキルジチオホスフェートである請求項6
又は7記載の組成物。 - 【請求項9】 さらに、アルキル基が本質的に第二アル
キル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛添加剤を含有
する請求項1〜8いずれか1項記載の組成物。 - 【請求項10】 圧縮点火内燃エンジンを操作し、該エ
ンジンを請求項1〜9いずれか1項記載の潤滑油組成物
で潤滑することを含む、圧縮点火内燃エンジンを潤滑す
る方法。 - 【請求項11】 圧縮点火内燃エンジンに請求項1〜9
いずれか1項記載の潤滑油組成物を添加することを含
む、圧縮点火内燃エンジンのリングこう着傾向を減少さ
せる方法。 - 【請求項12】 圧縮点火内燃エンジンのクランクケー
ス、好ましくは40kW/リットル以上の比出力を有す
るクランクケースと、請求項1〜9いずれか1項記載の
潤滑油組成物とを含む組み合わせ。
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