JP2019189715A - 摩擦調整助剤及び該摩擦調整助剤を含有する潤滑剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】MoDTC等の潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤と組み合わせたときに、前記摩擦調整剤に、低摩擦かつ安定した潤滑性を発揮させることのできる摩擦調整助剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明により、Co、Ni、Zn、Mn、Cu又はBiを中心金属とし、炭素数3〜30の分岐脂肪酸を配位子とする、少なくとも1種の有機酸金属塩化合物を含む、摩擦調整助剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、摩擦調整助剤、該摩擦調整助剤を含有する摩擦調整剤組成物、及び該摩擦調整助剤を含有する潤滑剤組成物に関する。
燃費は自動車の重要な性能指標の一つであり、燃費向上のため摩擦低減技術の研究が進められている。特に、硫黄系添加剤、リン系添加剤、モリブデンジチオカーボネート(MoDTC)の組み合わせはよく知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。一方で自動車の環境施策はCO2排出量削減だけではなく、排ガス規制についても進められており、今後は一層厳しくなる見通しである。例えば硫黄はSOx排出源の元素であるが、潤滑剤においては極圧性の向上に寄与し、シビアな使用条件に耐えるために必要とされる(非特許文献2)。但し、硫黄は腐食摩耗の原因となる欠点もある(非特許文献3)。また、リンは潤滑面でリン酸鉄の様な強固な反応膜を形成し、摩耗低減に寄与する。特にジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)は、MoDTCと組み合わせることによって、摩擦・摩耗低減の両面で有益であることが良く知られている(非特許文献4)。しかし、リンには排ガス触媒を汚染する欠点もある(非特許文献5)。また、MoDTCは摩擦面で反応し、MoS2を生成して優れた低摩擦効果を示すため、境界潤滑部位の摩擦低減の重要な添加剤として知られている(非特許文献6)。
近年、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッドカー)等、石油燃料以外の動力ソースによる自動車の普及に伴い、動力も、エンジンから小型で静音のモーターへシフトしている。モーターを搭載した自動車は、構造上車内の騒音は従来よりも低減されるため、些細な音や振動が際立つ様になっている。特に乗り心地・静粛性につながる潤滑剤の設計が求められる。
大津 健史, トライボロジスト, 2015, 60, 7, 461-467 新井 克矢, 山本 雄二, トライボロジスト, 1998, 43, 10, 897-903 権藤 誠吾, 山本 雄二, トライボロジスト, 1996, 41, 10, 868-875 叶 際平, トライボロジスト, 2006, 51, 9, 627-632 桜井 俊男, 潤滑, 1984, 29, 2, 79-86 C.Grossiord et al, Tribology International, 1998, 31, 12, 737-743
しかし、MoDTCを単独で用いた場合、摩擦係数の推移は不安定となり、潤滑膜が安定して形成されにくい傾向にある。
低摩擦で安定した潤滑膜を形成するとスムーズな潤滑が可能となることから、車両の振動の軽減に寄与すると考えられ、燃費向上だけではなく、乗り心地・静粛性の向上の観点でも有益である。
そこで本発明は、MoDTC等の潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤と組み合わせたときに、前記摩擦調整剤に、低摩擦かつ安定した潤滑性を発揮させることのできる摩擦調整助剤を提供することを目的とする。
本発明はまた、前記摩擦調節助剤を含有する摩擦調整剤組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、前記摩擦調節助剤を含有する潤滑剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、Co、Ni、Zn、Mn、Cu又はBiを中心金属とし、炭素数3〜30の分岐脂肪酸を配位子とする、少なくとも1種の有機酸金属塩化合物が、MoDTCと組み合わせた場合に、低摩擦かつ安定した潤滑性を示す摩擦調整助剤として有用であることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。すなわち、本発明により、下記摩擦調整助剤、該摩擦調整助剤を含有する摩擦調整剤組成物、及び該摩擦調整助剤を含有する潤滑剤組成物を提供する。
1.Co、Ni、Zn、Mn、Cu又はBiを中心金属とし、炭素数3〜30の分岐脂肪酸を配位子とする、少なくとも1種の有機酸金属塩化合物を含む、摩擦調整助剤。
2.前記分岐脂肪酸が、2−エチルヘキサン酸又はネオデカン酸である前記1項記載の摩擦調整助剤。
3.前記有機酸金属塩化合物が、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、前記1項記載の摩擦調整助剤。
4.(A)前記1〜3のいずれか1項記載の摩擦低減助剤、及び
(B)潤滑面において二硫化モリブデンを生成する摩擦調整剤、
を含有する、摩擦調整剤組成物。
5.(A)前記1〜3のいずれか1項記載の摩擦低減助剤、
(B)潤滑面において二硫化モリブデンを生成する摩擦調整剤、及び
(C)基油
を含有するが、前記(A)に規定する亜鉛化合物以外の亜鉛含有化合物及び前記(B)に規定する硫黄化合物以外の硫黄含有化合物を含有しない、潤滑剤組成物。
6.前記(A)の含有量が、組成物の全質量を基準として、中心金属元素換算で100〜1,000ppmである、前記5項記載の潤滑剤組成物。
7.前記(B)が、二硫化モリブデン、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、前記5又は6項記載の潤滑剤組成物。
8.前記(C)が、炭化水素系合成油、エステル油、エーテル油、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる合成油である、前記5〜7のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
9.前記(C)が、ポリαオレフィンである、請求項8項記載の潤滑剤組成物。
10.内燃機関用潤滑油である、前記5〜9のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
本発明の摩擦調節助剤は、潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤に、低摩擦かつ安定した潤滑性を発揮させることができる。本発明の摩擦調節助剤を含有する摩擦調整剤組成物及び潤滑剤組成物は、低摩擦かつ安定した潤滑性を発揮することができる。
〔摩擦調整助剤〕
本発明の摩擦調整助剤は、Co、Ni、Zn、Mn、Cu又はBiを中心金属とし、炭素数3〜30の分岐脂肪酸を配位子とする、少なくとも1種の有機酸金属塩化合物を含む。
有機酸金属塩化合物を構成する中心金属としては、コバルト及びニッケルが好ましい。ニッケルがより好ましい。
有機酸金属塩化合物を構成する分岐脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよいが、飽和脂肪酸が好ましい。炭素数6〜18の分岐飽和脂肪酸であるのがより好ましい。炭素数6〜10の分岐飽和脂肪酸であるのがさらに好ましい。前記分岐脂肪酸が、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸であるのがさらにより好ましい。2−エチルヘキサン酸が最も好ましい。
本発明で用いる有機酸金属塩化合物の具体例としては、前記有機酸のコバルト塩、ニッケル塩等が挙げられるが、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス及びこれらの混合物が特に好ましい。なかでも、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケルが好ましい。本発明で用いる有機酸金属塩化合物は商業的に入手可能である。
本発明の摩擦調整助剤は、前記有機酸金属塩を1種単独で含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明の摩擦調整助剤は、潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤と一緒に用いると、前記摩擦調整剤の摩擦調節機能、特に摩擦低減機能をさらに強めるだけでなく、前記摩擦調整剤を単独で使用した場合の摩擦係数μの振れ幅を小さくすることができる。すなわち、本発明の摩擦調整助剤は、前記摩擦調整剤と併用した場合に、前記摩擦調整剤を単独で使用した場合よりも低摩擦かつ安定した潤滑性を前記摩擦調整剤に発揮させることができる。このような摩擦調整剤としては、MoDTC等があげられる。
〔摩擦調整剤組成物〕
(A)前記摩擦調整助剤は、(B)潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤と一緒になって、本発明の摩擦調整剤組成物を構成する。
(B)潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤は、モリブデン元素を含有する化合物であり、具体例としては、MoDTCがあげられる。
MoDTCとしては、下記式(1)で表されるジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンが好ましい。
(R12N−CS−S)2−Mo2mn (1)
(式中、R1及びR2は、独立して、炭素数1〜24、好ましくは炭素数2〜18のアルキル基を表し、mは0〜3、nは4〜1であり、m+n=4である。)
本発明摩擦調整剤組成物に使用する(B)としては、MoDTCが好ましい。
本発明の摩擦調整剤組成物は、(A)摩擦調節助剤が、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス又はこれらの混合物であり、(B)摩擦調整剤が、MoDTCであるのが特に好ましい。
本発明の摩擦調整剤組成物における(A)の含有量は、中心金属元素換算濃度で、好ましくは50〜5,000ppm、より好ましくは50〜3,000ppm、さらに好ましくは100〜1,000ppm、特に好ましくは200〜500ppmである。この範囲とすることにより、(B)の潤滑面での反応を阻害することなく、摩擦低減効果を発揮することができる。(A)の中心金属元素換算濃度は、(B)のモリブデン換算濃度よりも低いのが好ましく、(A)の中心金属元素換算濃度を1とした場合、(B)のモリブデン換算濃度が0.1〜10、好ましくは0.2〜5である。(A)と(B)の含有量がこのような範囲にあると、(B)の潤滑面での反応を阻害することなく、摩擦低減効果を発揮することができるので好ましい。
本発明の摩擦調整剤組成物における上記(B)の含有量は、好ましくは0.05〜5.0質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%である。この範囲とすることにより、経済的に合理的な濃度で摩擦低減効果を発揮できるので好ましい。
〔潤滑剤組成物〕
(A)前記摩擦調整剤は、(B)前記潤滑面において二硫化モリブデン膜を形成する摩擦調整剤と、(C)基油と一緒になって本発明の潤滑剤組成物を構成する。但し、本発明の潤滑剤組成物は、(A)に規定する亜鉛含有化合物以外の亜鉛含有化合物(例えば、酸化亜鉛)も、(B)に規定する硫黄含有化合物以外の硫黄含有化合物(例えばZnDTP)も含まない。なお、(A)に規定する亜鉛含有化合物以外の亜鉛含有化合物、(B)に規定する硫黄含有化合物以外の硫黄含有化合物を含まないとは、本発明の摩擦調整助剤の活性を失わせしめる量を含まないことを意味する。
本発明の潤滑油組成物に使用する(A)としては、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス又はこれらの混合物であるのが好ましい。
本発明の潤滑剤組成物に使用する(B)としては、MoDTCが好ましい。
上記(C)成分である基油としては、鉱油、エーテル系合成油、エステル系合成油及び炭化水素系合成油等の通常に使用されている潤滑油基油またはそれらの混合油が挙げられるが、これらに限定されるものではない。炭化水素系合成油、エステル油、及びエーテル油からなる群から選ばれる合成油が好ましい。炭化水素系合成油がより好ましい。とりわけ、ポリαオレフィンが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、(A)が、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス又はこれらの混合物であり、(B)が、MoDTCであり、(C)がポリαオレフィンであるのが好ましい。
基油の40℃における動粘度は、特に制限はないが、5〜400mm2/sであるのが好ましく、5〜200mm2/sであるのがより好ましく、5〜70mm2/sであるのが更に好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、(B)が潤滑表面で効率よく被膜を形成できるため好ましい。本発明の基油としては、40℃における動粘度が、5〜70mm2/sであるポリαオレフィンが最も好ましい。
本発明の潤滑剤組成物における(A)の含有量は、中心金属元素換算濃度で、好ましくは50〜5,000ppm、より好ましくは50〜3,000ppm、さらに好ましくは100〜1,000ppm、特に好ましくは200〜500ppmである。この範囲とすることにより、(B)の潤滑面での反応を阻害することなく、摩擦低減効果を発揮することができる。(A)の中心金属元素換算濃度は、(B)のモリブデン換算濃度よりも低いのが好ましく、(A)の中心金属元素換算濃度を1とした場合、(B)のモリブデン換算濃度が0.1〜10、好ましくは0.2〜5である。(A)と(B)の含有量がこのような範囲にあると、(B)の潤滑面での反応を阻害することなく、摩擦低減効果を発揮することができるので好ましい。
本発明の潤滑剤組成物における上記(B)の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。この範囲とすることにより、経済的に合理的な濃度で摩擦低減効果を発揮できるので好ましい。
本発明の潤滑剤組成物における(C)の含有量は、一般には主要量であって、(B)及び(A)成分よりも多い量であり、好ましくは40質量%以上、より好ましくは40〜99.5質量%、最も好ましくは40〜90質量%である。
本発明の潤滑剤組成物には、必要に応じて、さらに、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、無灰分散剤、酸化防止剤、極圧剤、摩耗防止剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、腐食防止剤、防錆剤、(B)以外の摩擦調整剤等を適宜選択して配合することができる。本発明の潤滑剤組成物が任意の添加剤を含む場合、通常、粘度指数向上剤を除いたこれらの添加剤と(B)の合計で25質量%以下の割合で使用される。
金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートがあげられる。これらは、通常、0.01質量%〜5.0質量%の割合で使用される。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロピレン共重合体系、スチレンーブタジエン水添共重合体系等のものを用いることができ、これらは、通常、3質量%〜30質量%の割合で使用される。
無灰分散剤としては、例えば、ポリブテニルコハク酸イミド系、ポリブテニルコハク酸アミド系、ベンジルアミン系、コハク酸エステル系のものがあり、これらは、通常、0.05質量%〜7質量%の割合で使用される。
酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4´−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤等を挙げることができ、これらは、通常0.05質量%〜5質量%の割合で使用される。
金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾール等があり、これらは、通常、0.01質量%〜3質量%の割合で使用される。
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、これらは、通常、0.1質量%〜10質量%の割合で使用される。
防錆剤としては、カルボン酸アミン塩、金属石けん、多価アルコールのカルボン酸部分エステル等があげられる。これらは、通常、0.01質量%〜5.0質量%の割合で使用される。
そのほかの添加剤として、本発明の作用を阻害しないものであれば、任意に選択して使用することができる。
本発明の摩擦調整助剤及び摩擦調整剤組成物は、典型的には内燃機関油用添加剤として、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン等のエンジン油用添加剤として使用することができる。ガソリンエンジンとしては、自動車用エンジン等があげられる。ディーゼルエンジンとしては、陸用エンジン、船舶用エンジン等があげられる。このうち、ガソリンエンジン、特に自動車用エンジンに用いるのが好適である。
本発明の摩擦調整助剤、摩擦調整剤組成物及び潤滑剤組成物はまた、等速ジョイント、プロペラシャフト、ハブユニット、EPS等に代表される各種自動車部品、滑り軸受、歯車、機械の継手部分をはじめとした、境界潤滑下で用いられる各種用途にも使用することができる。
本発明の潤滑剤組成物に増ちょう剤を含ませて、グリースとしてもよい。本発明で使用出来る増ちょう剤としては、リチウム石けん、水酸化リチウム石けん、複合石けん等の石けん系増ちょう剤、芳香族-、脂肪族-、脂環式-ジウレア等のウレア系増ちょう剤等が挙げられる。増ちょう剤を含む場合、その含有量は、グリースの適用箇所によって異なるが、直近の段落に記載のアプリケーションに適用する場合、JIS K 2220 7.に従って測定される60回混和ちょう度が200〜440となる量が好ましい。具体的には、250〜370が好ましい。グリース形態の本発明の潤滑剤組成物は、直近の段落に記載のアプリケーション等に使用することができる。
実施例及び比較例において用いた摩擦調整助剤、摩擦調整剤、及び基油は次の通りである。
〔(A)摩擦調整助剤〕
ネオデカン酸Cu(中心金属をCu、有機酸をネオデカン酸とする塩)
Bi-OCTOATE(中心金属をBi、有機酸を2−エチルヘキサン酸とする塩)
Ni-OCTOATE(中心金属をNi、有機酸を2-エチルヘキサン酸とする塩)
Co-OCTOATE(中心金属をCo、有機酸を2-エチルヘキサン酸とする塩)
Zn-OCTOATE(中心金属をZn、有機酸を2-エチルヘキサン酸とする塩)
Mn-OCTOATE(中心金属をMn、有機酸を2-エチルヘキサン酸とする塩)
Zr-OCTOATE(中心金属をZr、有機酸を2-エチルヘキサン酸とする塩)
〔(B)摩擦調整剤〕
MoDTC:モリブデンジアルキルジチオカーバメート(構造は式(1)の通り)
〔(C)基油〕
α-オレフィンオリゴマー(動粘度(@40℃)48.5mm2/s)(以下「PAO」と略称する)
なお、基油の動粘度は、JIS K 2220 23.に従って測定した。
実施例及び比較例の潤滑剤組成物の調製及び試験
基油に、MoDTCを0.4質量%と、摩擦調整助剤を表1及び表2に示す割合でそれぞれ配合した。得られた潤滑剤組成物の摩擦係数を以下の方法により測定した。結果を表1及び表2に併記する。
表中、○は摩擦係数が0.060以下、×は摩擦係数が0.060超を意味する。
なお、表中のMoDTC濃度(質量%)はいずれも、Mo換算濃度で200ppmである。
〔摩擦係数測定法〕
ボールオンディスク試験機を用いて、次の条件で摩擦係数を測定した。
摩擦材 : 鋼(SUJ-2)/鋼(SUJ-2)、φ8mmボール/ディスク
温度 : 80℃
荷重 : 10N
速度 : 0.5m/s
時間 : 30min
30分間の測定の最後の5分間の平均値をもって摩擦係数の測定値とした。
また、30分間の測定の最後の5分間の摩擦係数の最大値と最小値との差を、摩擦係数の安定性として評価した。表中、○は差が0.05以下、×は0.05超を意味する。
Figure 2019189715
Figure 2019189715

Claims (10)

  1. Co、Ni、Zn、Mn、Cu又はBiを中心金属とし、炭素数3〜30の分岐脂肪酸を配位子とする、少なくとも1種の有機酸金属塩化合物を含む、摩擦調整助剤。
  2. 前記分岐脂肪酸が、2−エチルヘキサン酸又はネオデカン酸である請求項1記載の摩擦調整助剤。
  3. 前記有機酸金属塩化合物が、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸マンガン、ネオデカン酸銅、2−エチルヘキサン酸ビスマス、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1記載の摩擦調整助剤。
  4. (A)請求項1〜3のいずれか1項記載の摩擦低減助剤、及び
    (B)潤滑面において二硫化モリブデンを生成する摩擦調整剤、
    を含有する、摩擦調整剤組成物。
  5. (A)請求項1〜3のいずれか1項記載の摩擦低減助剤、
    (B)潤滑面において二硫化モリブデンを生成する摩擦調整剤、及び
    (C)基油
    を含有するが、前記(A)に規定する亜鉛化合物以外の亜鉛含有化合物及び前記(B)に規定する硫黄化合物以外の硫黄含有化合物を含有しない、潤滑剤組成物。
  6. 前記(A)の含有量が、組成物の全質量を基準として、中心金属元素換算で100〜1,000ppmである、請求項5記載の潤滑剤組成物。
  7. 前記(B)が、二硫化モリブデン、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項5又は6記載の潤滑剤組成物。
  8. 前記(C)が、炭化水素系合成油、エステル油、エーテル油、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる合成油である、請求項5〜7のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
  9. 前記(C)が、ポリαオレフィンである、請求項8記載の潤滑剤組成物。
  10. 内燃機関用潤滑油である、請求項5〜9のいずれか1項記載の潤滑剤組成物。
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