JPWO2008149850A1 - 電気化学表示素子の製造方法及び電気化学表示素子 - Google Patents

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Abstract

対向電極間に容易に白色散乱層を形成することができ、生産適性が高く、かつ長期使用での安定性が高い新規な電気化学的な表示素子の製造方法を提供するにあたり、対向電極の少なくとも一方の電極上に、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成し、もう一方の対向電極を互いに向合うように配置し、該対向電極に挟まれた空間に低粘度電解質を注入し、該高分子バインダーを電解質で溶解又は膨潤して該空間内に該白色散乱物及び高分子バインダーを含んだゲル状電解質層を形成することを特徴とする。

Description

本発明は、新規な電気化学的な表示素子の製造方法及び電気化学表示素子に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会が益々増大している。
この様な電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持の為に電力を消費しない(メモリー性)反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低いため白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は駆動電圧が高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。
これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、エレクトロクロミック表示素子(以下、EC方式と略す)や金属または金属塩の溶解析出を利用するエレクトロデポジション方式(以下、ED方式と略す)が知られている。EC方式は、3V以下の低電圧でフルカラー表示が可能で、簡易なセル構成、白品質で優れる等の利点があり、ED方式もまた、3V以下の低電圧で駆動が可能で、簡便なセル構成、黒と白のコントラストや黒品質に優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
本発明者は、上記各特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、従来技術では、繰返し長期間の使用において、表示ムラが発生することが判明し、これを解決する手段としては、電解質のゲル状化や高分子バインダーによる高粘度化が挙げられるが、ゲル状の電解質や高粘度の電解質を用いた場合、表示サイズがある程度大きくなると、一般的に知られているLCD等の表示素子の製造方法をそのまま応用することができないことがわかった。
例えば、従来からLCDの製造方法として知られている液晶注入方法では、セル内にゲル状の電解質や高粘度の電解質を注入すると、注入に時間がかかり、かつ注入時に未充填部分ができる等の課題があった。また近年、大型LCD用の製造方法として普及しつつある液晶滴下法は、ゲル状の電解質や高粘度の電解質をセル内に充填するのに適した方法ではあるが、対向電極間のギャップを決める有効な手段が見つかっておらず、例えば、フォトスペーサによるギャップ決めは、スペーサの耐久性の観点からアスペクト比を上げることができず、結果として、表示領域の開口率が低下するという問題が発生する課題があった。また別の手段として、電解質中にギャップを決めるためのスペーサを混合し、ディスペンサで電解質を滴下して電解質層を形成する方法が挙げられるが、この場合、完全に硬化していないシール剤と電解質層が接触することでシール剤の硬化性や密着性が低下するという問題が発生することがわかった。
セル内に充填する時の電解質は低粘度であり、充填後に電解質をゲル化させる方法としては、特許文献6の電解質をセル内に充填後に架橋反応することでゲル化する方法が挙げられるが、本発明者は、上記各特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、素子作製後も徐々に架橋反応が進んだり、副反応物が生成することによる表示特性が変動するという課題があることがわかった。
国際特許2004/068231号パンフレット 国際特許2004/067673号パンフレット 米国特許第4,240,716号明細書 特許第3428603号公報 特開2003−241227号公報 特許第3804822号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、対向電極間に容易に白色散乱層を形成することができ、生産適性が高く、かつ長期使用での安定性が高い新規な電気化学的な表示素子の製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
1.対向電極の少なくとも一方の電極上に、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成し、もう一方の対向電極を互いに向合うように配置し、該対向電極に挟まれた空間に低粘度電解質を注入し、該高分子バインダーを電解質で溶解又は膨潤して該空間内に該白色散乱物及び高分子バインダーを含んだゲル状電解質層を形成することを特徴とする電気化学表示素子の製造方法。
2.前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜が、白色散乱物及び高分子バインダー及び溶媒を含んだペースト液から形成されることを特徴とする前記1に記載の電気化学表示素子の製造方法。
3.前記ペースト液を用いて、塗布法、インクジェット法、印刷法、ディスペンサ法のうち少なくとも一つの方法によって、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成することを特徴とする前記2に記載の電気化学表示素子の製造方法。
4.前記ペースト液から形成された膜の溶媒を蒸発させた後に、低粘度電解質を注入することを特徴とする前記2または3に記載の電気化学表示素子の製造方法。
5.ペースト液から形成された膜の溶媒を蒸発させた後に、対向電極の少なくとも一方の周囲に熱硬化性または紫外線硬化性樹脂を印刷してシール部を形成し、対向電極を貼合し、硬化してセルを形成した後、低粘度電解質を注入することを特徴とする前記4に記載の電気化学表示素子の製造方法。
6.前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜が、多孔質形状であることを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
7.前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜がパターニングされていることを特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
8.前記高分子バインダーがブチラール樹脂であることを特徴とする前記1乃至7のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
9.前記ブチラール樹脂における下記(A)で表されるPVA基の数が、該PVA基、下記(B)で表されるPVAc基及び下記(C)で表されるPVB基の総数の15%以上、25%以下であることを特徴とする前記8に記載の電気化学表示素子の製造方法。
10.前記ブチラール樹脂の平均重合度が400〜800の範囲であることを特徴とする前記8または9に記載の電気化学表示素子の製造方法。
11.前記1項乃至10の何れか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法により形成されたことを特徴とする電気化学表示素子。
12.ゲル状電解質層に、カルボン酸エステル化合物を含有していることを特徴とする前記11に記載の電気化学表示素子。
13.ゲル状電解質層に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行うことを特徴とする前記11または12に記載の電気化学表示素子。
14.前記ゲル状電解質層に、下記一般式(1)または(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする前記13に記載の電気化学表示素子。
一般式(1)
−S−R
〔式中、R、Rは各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕
〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR3は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
15.前記ゲル状電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記ゲル状電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする前記13または14に記載の電気化学表示素子。
式(1)
0≦[X]/[Ag]≦0.01
16.対向電極間のゲル状電解質層中に、エレクトロクロミック化合物、銀塩化合物及び白色散乱物を含有し、該対向電極の駆動操作により、実質的に黒表示、白表示及び黒以外の着色表示の3色以上の多色表示を行うことを特徴とする前記13乃至15のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
17.前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記16に記載の電気化学表示素子。
〔式中、R11は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R12、R13は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R14、酸素原子または硫黄原子を表し、R14は水素原子、または置換基を表す。〕
本発明により、長期使用での安定性が高く、かつ生産適性が高い新規な電気化学的な表示素子を提供することができた。
本発明の電気化学表示素子の製造方法における製造工程の一例を示す図である。 本発明のペースト液で形成された白色散乱物と高分子バインダーを含有する層が多孔質形状である例を示す模式図である。 本発明の白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜が均一膜である例の断面図である。 本発明の白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜が多孔質膜である例の断面図である。 本発明の白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜がパターニングされた膜である例の断面図である。 本発明の白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜がパターニングされた膜である例の平面図である。
符号の説明
101、102 対向電極
103 白色散乱物と高分子バインダーを含有する膜
104 シール剤
105 ゲル化電解質層
110 白色散乱物
111 高分子バインダー
112 孔
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は、対向電極の少なくともどちらか一方に白色散乱物と高分子バインダーを含む膜を形成したセルを予め作製しておくことで、高分子バインダーがない若しくは少ない低粘度な電解質を液晶注入法でセル内に充填することができ、かつセル内に充填された電解質によって高分子バインダーを溶解又は膨潤することで、電解液がゲル化し、長期の使用においても表示ムラが発生しないことを特徴とする。
本発明の電気化学表示素子の製造方法を図をもって説明する。
図1〜6は、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成し、かつ対向電極を貼合したセル内に低粘度電解質を注入し、該セル内で電解質により高分子バインダーが溶解又は膨潤することで電解質層をゲル化する電気化学表示素子の製造方法を示す図である。
図1は、本発明の電気化学表示素子の製造方法における製造工程の一例を示す図である。
図1(a)は、一方の対向電極101を表し、図1(b)は、その対向電極101上に白色散乱物、高分子バインダー及び溶媒を含んだペースト液を塗布し、ペースト液により形成された白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜103を形成し、図1(c)は、該対向電極101の周辺部にシール剤104を印刷し、図1(d)は、その上に、もう一方の対向電極102を貼合して空間(セル)を形成し、図1(e)は、低粘度電解質を注入して、含有する高分子バインダーを溶解又は膨潤して、白色散乱物及び高分子バインダーを含有するゲル状電解質層105を形成する工程を示す。
図2は、ペースト液で形成された白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜103が多孔質形状である例を示す模式図である。
図2(a)は、ペースト液で形成された白色散乱物と高分子バインダーを含有する膜103を示し、図2(c)は、図2(a)の円で示した部分の部分拡大図であり、白色散乱物110と高分子バインダー111により形成された多数の孔112を有することを示す。図2(b)は、低粘度電解質を注入することにより、多孔質の部分に迅速に電解質が入り込み、高分子バインダーを溶解又は膨潤し、ゲル化した電解質層105を短時間に形成することができることを示す。
図3は、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜103が均一膜を形成したのち、低粘度の電解液を注入し、必要により加熱して高分子バインダーを溶解又は膨潤してゲル化することによりゲル状電解質層105を得る方法を示す。
図4は、白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜103が多孔質膜を形成するものであり、以下図3と同様にゲル化したゲル状電解質層105を得るものである。
図5は、白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜103をパターニングし、その後同様にしてゲル化したゲル状電解質層105を得るものである。
図6は、図5のパターニングの例を平面図にしたものであり、図6(a)はスクリーン印刷により白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を格子状に形成した例を、図6(b)はインクジェット又はディスペンサで円形にパターニングした例を示す。
以下、本発明の電気化学表示素子の詳細について説明する。
〔電解質〕
本発明でいう「電解質」とは、一般に、水などの溶媒に溶けて、その溶液がイオン伝導性を示す物質(以下、「狭義の電解質」という。)をいうが、本発明の説明においては、狭義の電解質としては、電解質、非電解質を問わず他の金属、化合物等を含有させた混合物を電解質(「広義の電解質」)という。
本発明に係る対向電極間に存在させる電解質は、有機溶媒、イオン性液体、酸化還元活性物質、支持電解質、錯化剤、白色散乱物、高分子バインダー等を必要に応じて選択して構成されている。
以下、本発明に係る電解質の各構成要素について、更に説明する。
(低粘度電解質、ゲル状電解質)
電解質は、通常、液状電解質と固形電解質とに分類される。固形電解質は、さらに、実質的に固体化合物からなる固体電解質と、高分子化合物と液体電解質からなるゲル状電解質に分類される。また、流動性の観点からは、固体電解質は実質的に流動性がなく、一方、ゲル電解質は液状電解質と固体電解質の中間の流動性を有している。
従って、本発明でいうゲル状電解質とは、室温環境下で高粘性を備え、かつ流動性を有する電解質をいい、例えば、25℃における粘度が、100mPa・s以上、1000mPa・s以下の高粘度電解質を言う。なお、本発明でいうゲル状電解質は、温度によるゾルゲル変化を生じる特性を必ずしも備えている必要はない。
本発明でいう低粘度電解質とは、25℃における粘度が、0.1mPa・s以上、100mPa・s未満である電解質をいい、高い流動性を有するものであり、例えば、電解質の溶媒に対する高分子バインダーの量が質量比で10%未満であることが好ましい。
(白色散乱物)
本発明に係る電解質層には、白色散乱物を含有する。本発明でいう白色散乱物とは、電解質に添加することで白色を表示できる全ての材料であり、好ましくは無機系材料、より好ましくは金属酸化物である。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス等を挙げることができる。
また、有機化合物として、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂などが単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
本発明では、上記白色材料の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられ、特に、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、二酸化チタンを用いることがより好ましい。また、二酸化チタンは、無機酸化物(Al23またはSiO2)で表面処理した二酸化チタンであることが好ましい。
(高分子バインダー)
本発明に係る電解質に適用可能な高分子バインダーとして、電気化学表示素子の特性や電解質の粘度の観点から、例えば、ブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリフッ化ビリニデン等の様々な高分子化合物の中から選択することができるが、本発明においては、高分子バインダーとしてブチラール樹脂を用いることが好ましい。
本発明に適用可能なブチラール樹脂としては、特に制限はないが、本発明の目的効果をより発揮できる観点から、前記(A)で表されるPVA基の数が、該PVA基、前記(B)で表されるPVAc基及び前記(C)で表されるPVB基の総数の15%以上、25%以下であるブチラール樹脂を適用することが好ましい。
本発明に係る電解質に適用可能なブチラール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業株式会社製の#3000−1、#3000−2、#3000−4、#3000−K、#4000−2、#5000−A、#5000−D、#6000−C、#6000−AS、#6000−CS、積水化学工業株式会社製のエスレックシリーズ等が挙げられる。
(ペースト液)
本発明に係わるペースト液は、高分子バインダーを溶媒に添加した後、加熱溶解した液に白色散乱物を添加し、超音波分散機やビーズミル等の湿式微粉砕分散機を用いて溶媒中に分散させて作製することができる。
本発明において、高分子バインダーにブチラール樹脂を用いる場合には、有機溶媒とブチラール樹脂との質量比は10:1〜2:1の範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は10:1〜10:3にあることである。有機溶媒としては、アルコール系、エステル系、グリコールエーテル系等から選択して使用することができる。
本発明においては、溶媒と白色散乱物との質量比が10:1〜1:1の範囲であることが好ましく、より好ましくは5:1〜5:4である。
本発明に係る白色散乱物は、有機溶媒やイオン性液体にブチラール樹脂を溶解後に白色散乱物を添加することが好ましい。
本発明のペースト液は、必要に応じてレベリング剤、界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。
(電解質の有機溶媒)
本発明に係る電解質に用いられる有機溶媒としては、電解質層を形成した後、揮発を起こさず電解質層に留まることができる沸点が120〜300℃の範囲にある有機溶媒であることが好ましく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、無水酢酸、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。
上記有機溶媒の中でも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン等のカルボン酸エステル系化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるその他の溶媒として、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electorlytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
(イオン性液体)
本発明に係る電解質層にはイオン性液体を添加することができる。本発明でいうイオン性液体とは、室温でも液体で存在する塩を指し、例えば、イミダゾリウム、ピリジニウム等の陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等の陰イオンの組合せから選択することができる。
(スペーサ)
本発明の電気化学表示素子においては、電解質にスペーサを添加することができる。本発でいうスペーサとは、対向電極間のギャップを制御するための微粒子であり、例えば、液晶ディスプレイ等に使用されているガラス製またはアクリル樹脂製またはシリカ製等の微小真球を使用することができる。平均粒径は、電解質中での分散安定性またはスクリーン印刷適性または電気化学表示素子特性の観点から、10μm以上50μm以下の範囲にあることが好ましい。
本発明でいう多孔質とは、多孔質の白色散乱物を形成した後、該散乱物上に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有する低粘度電解質を与えたとき、多孔質部分に電解質が入り込み、対向電極間に電位差を与え、銀の溶解析出反応を生じさせることが可能で、イオン種が電極間で移動可能な貫通状態のことを言う。
(銀または銀を化学構造中に含む化合物)
本発明に係る電解質に含有される銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
本発明に係る電解質に含まれる銀イオン濃度は、0.2モル/kg≦[Ag]≦2.0モル/kgが好ましい。銀イオン濃度が0.2モル/kgより少ないと希薄な銀溶液となり駆動速度が遅延し、2モル/kgよりも大きいと溶解性が劣化し、低温保存時に析出が起きやすくなる傾向にあり不利である。
(一般式(1)または一般式(2)で表される化合物)
本発明に係る表示素子においては、電解質が、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記一般式(1)において、R1、R2は各々置換または無置換の炭化水素基を表し、これらには芳香族の直鎖基または分岐基が含まれる。また、これらの炭化水素基では、1個以上の窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでも良い。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。
炭化水素基に置換可能な基としては、例えば、アミノ基、グアニジノ基、4級アンモニウム基、ヒドロキシル基、ハロゲン化合物、カルボン酸基、カルボキシレート基、アミド基、スルフィン酸基、スルホン酸基、スルフェート基、ホスホン酸基、ホスフェート基、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。
一般に、銀の溶解析出を生じさせるためには、電解質中で銀を可溶化することが必要である。例えば、銀と配位結合を生じさせたり、銀と弱い共有結合を生じさせるような、銀と相互作用を示す化学構造種を含む化合物等と共存させて、銀または銀を含む化合物を可溶化物に変換する手段を用いるのが一般的である。前記化学構造種として、ハロゲン原子、メルカプト基、カルボキシル基、イミノ基等が知られているが、本発明においては、チオエーテル基も銀溶剤として、有用に作用し、共存化合物への影響が少なく、溶媒への溶解度が高い特徴がある。
以下、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
1−1:CH3SCH2CH2OH
1−2:HOCH2CH2SCH2CH2OH
1−3:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−4:HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH
1−5:HOCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2OH
1−6:HOCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OH
1−7:H3CSCH2CH2COOH
1−8:HOOCCH2SCH2COOH
1−9:HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH
1−10:HOOCCH2SCH2CH2SCH2COOH
1−11:HOOCCH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2COOH
1−12:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−13:HOOCCH2CH2SCH2CH2SCH2CH(OH)CH(OH)CH2SCH2CH2SCH2CH2COOH
1−14:H3CSCH2CH2CH2NH2
1−15:H2NCH2CH2SCH2CH2NH2
1−16:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−17:H3CSCH2CH2CH(NH2)COOH
1−18:H2NCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2NH2
1−19:H2NCH2CH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH2NH2
1−20:H2NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NH2
1−21:HOOC(NH2)CHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH(NH2)COOH
1−22:HOOC(NH2)CHCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2CH(NH2)COOH
1−23:HOOC(NH2)CHCH2OCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OCH2CH(NH2)COOH
1−24:H2N(O=)CCH2SCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SCH2C(=O)NH2
1−25:H2N(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NH2
1−26:H2NHN(O=)CCH2SCH2CH2SCH2C(=O)NHNH2
1−27:H3C(O=)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(=O)
CH3
1−28:H2NO2SCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2SO2NH2
1−29:NaO3SCH2CH2CH2SCH2CH2SCH2CH2CH2SO3Na
1−30:H3CSO2NHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHO2SCH3
1−31:H2N(NH)CSCH2CH2SC(NH)NH2・2HBr
1−32:H2(NH)CSCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2SC(NH)NH2・2HCl
1−33:H2N(NH)CNHCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2NHC(NH)
NH2・2HBr
1−34:〔(CH33NCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2N(CH332+・2Cl-
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果を遺憾なく発揮できる観点から、特に例示化合物1−2が好ましい。
次いで、本発明に係る一般式(2)で表される化合物について説明する。
前記一般式(2)において、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR3は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
一般式(1)のMで表される金属原子としては、例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Ag等が挙げられ、4級アンモニウムとしては、例えば、NH4、N(CH34、N(C494、N(CH331225、N(CH331633、N(CH33CH265等が挙げられる。
一般式(2)のZで表される含窒素複素環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトオキサゾール環等が挙げられる。
一般式(2)のR3で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、トリフルオロメチル、ベンジル等の各基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等の各基が挙げられ、アルキルカルボンアミド基としては、例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチロイルアミノ等の各基が挙げられ、アリールカルボンアミド基としては、例えば、ベンゾイルアミノ等が挙げられ、アルキルスルホンアミド基としては、例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールスルホンアミド基としては、例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ等が挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等の各基が挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等が挙げられ、アルキルカルバモイル基としては、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイル、ピペリジルカルバモイル、モルホリルカルバモイル等の各基が挙げられ、アリールカルバモイル基としては、例えば、フェニルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、エチルフェニルカルバモイル、ベンジルフェニルカルバモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルファモイル基としては、例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジブチルスルファモイル、ピペリジルスルファモイル、モルホリルスルファモイル等の各基が挙げられ、アリールスルファモイル基としては、例えば、フェニルスルファモイル、メチルフェニルスルファモイル、エチルフェニルスルファモイル、ベンジルフェニルスルファモイル等の各基が挙げられ、アルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ、アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等の各基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル等が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル等の各基が挙げられ、アリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等が挙げられ、アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチロイルオキシ等の各基が挙げられ、複素環基としては、例えば、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、セレナゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアジン環、トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、インドレニン環、ベンズセレナゾール環、ナフトチアゾール環、トリアザインドリジン環、ジアザインドリジン環、テトラアザインドリジン環基等が挙げられる。これらの置換基はさらに置換基を有するものを含む。
次に、一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
上記例示した各化合物の中でも、本発明の目的効果を遺憾なく発揮できる観点から、特に例示化合物2−12、2−18が好ましい。
本発明に係る前記一般式(3)で表されるエレクトロクロミック化合物について説明する。
式中、R11は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R12、R13は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R14、酸素原子または硫黄原子を表し、R14は水素原子、または置換基を表す。
一般式(3)において、R11は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R12、R13は各々水素原子または置換基を表すが、R11、R12、R13で表される置換基の具体例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルフォニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
11は、置換もしくは無置換のアリール基であり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、更に好ましくは置換もしくは無置換の2−ヒドロキシフェニル基または4−ヒドロキシフェニル基である。
12及びR13として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基であり、より好ましくは、R12及びR13のいずれか一方がフェニル基、他方がアルキル基、更に好ましくはR12及びR13の両方がフェニル基である。
Xとして好ましくは>N−R14である。R14として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、アシル基である。
以下に、一般式(3)で表されるイミダゾールロイコエレクトロクロミック化合物の具体的化合物例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
〔電気化学表示素子の構成〕
本発明の電気化学表示素子においては、上記説明した電解質の他、必要に応じて種々の構成層を設けることができる。例えば、対向電極上にエレクトロクロミック性を示す化合物を含有した層を形成して、カラー表示が可能な素子構成を取ることもできる。
本発明の電気化学表示素子において、表示部には、対応する1つの対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極(表示側電極)の1つである電極1には、ITO電極等の透明電極、他方の電極2(非表示側電極)には銀電極等の金属電極が設けられている。電極1と電極2との間には、銀または銀を化学構造中に含む化合物を有する電解質が担持されており、対向電極間に正負両極性の電圧を印加することにより、電極1と電極2上で銀の酸化還元反応が行われ、還元状態の黒い銀画像と、酸化状態の透明な銀の状態を可逆的に切り替えることができる。
(電子絶縁層)
本発明の電気化学表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する層であればよく、例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、空隙を有する高分子多孔質膜、含ケイ素化合物の様な比誘電率が低い無機材料の多孔質体、等が挙げられる。
多孔質膜の形成方法としては、燒結法(融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気するなどして発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、特開平10−30181号、特開2003−107626号、特公平7−95403号、特許第2635715号、同第2849523号、同第2987474号、同第3066426号、同第3464513号、同第3483644号、同第3535942号、同第3062203号等に記載の電子絶縁層を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明の電気化学表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
添加剤 RD17643 RD18716 RD308119
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
(電極)
本発明の電気化学表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。
本発明において、金属電極は、必要に応じて2層以上の複数層からなる構成を取ってもよい。金属電極の最表面は、電極の耐久性の観点から高分子膜中に含まれる金属よりもイオン化傾向が小さい金属から形成されていることが好ましい。
電極の作製方法は、電解メッキ法、無電解メッキ法、置換メッキ法、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
また、本発明の電気化学表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1〜20μmであるのが一般的である。
(その他の構成要素)
本発明の電気化学表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサ粒子を用いることができる。
シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン−チオール系樹脂、シリコーン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は電気化学表示素子の表示領域に占める面積の割合が1〜40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサが設けられていてもよい。このスペーサとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサ及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサの直径がセルギャップの厚みに相当する。
(電気化学表示素子の製造方法)
本発明の電気化学表示素子の製造方法の例としては、本発明のペースト液を、塗布法、インクジェット法、印刷法、ディスペンサ法で、対向電極の少なくともどちらか一方の電極上に白色散乱物と高分子バインダーを含んだ膜(以下、本発明の膜)を形成する。得られた本発明の膜の中に残ったペーストに含有されていた溶媒を蒸発させた後に、電極の外周を電解質の注入口を残して熱硬化性の樹脂または紫外線硬化性の樹脂等のシール材で被覆し、対向電極のもう一方を被せ、加圧しながら樹脂を硬化させて、電解質が充填されていない空のセルを作製する。得られたセル内を真空引きした後に、低粘度の電解質を注入口から注入し、注入口を熱硬化性の樹脂または紫外線硬化性の樹脂等のシール材で被覆硬化する。さらにセル全体を加熱することで、本発明の膜の高分子バインダーが電解質中に溶解することで、電解質がゲル状化することで電気化学表示素子を得ることができる。
本発明の膜の形成方法としては、スクリーン印刷法が好ましい。
本発明の膜の膜厚は、電気化学表示素子の対向電極間の間隔よりも狭いことが望ましく、好ましい膜厚の範囲は5〜40μmである。
本発明の膜の形状は、高分子バインダーの電解液中への溶解性と混合均一性の観点から、多孔質状またはパターニングされていることが好ましい。本発明の多孔質状とは、電解質が本発明の膜全体に浸透できる状態をいう。
(セル)
本発明に係るセルとは、所望の電極間のギャップを取って、対向電極が貼り合わされた構成をいう。本発明のセル内に電解液を充填し、対向電極間に十分な電圧を印加するで、電極上で電気化学反応が起こすことができる。
(スクリーン印刷)
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
以上のようにして柱状構造物等を基板上に形成した後は、所望によりスペーサを少なくとも一方の基板上に付与し、一対の基板を電極形成面を対向させて重ね合わせ、空セルを形成する。重ね合わせた一対の基板を両側から加圧しながら加熱することにより、貼り合わせて、表示セルが得られる。電気化学表示素子とするには、基板間に電解質組成物を真空注入法等によって注入すればよい。あるいは、基板を貼り合わせる際に、一方の基板に電解質組成物を滴下しておき、基板の貼り合わせと同時に液晶組成物を封入するようにしてもよい。
(電気化学表示素子の駆動方法)
本発明の電気化学表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行うことが好ましい。この駆動操作を行うことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の電気化学表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行えると推定される。
本発明の電気化学表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことを言う。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能などのメリットがあり、例えば、特開2004−29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
(商品適用)
本発明の電気化学表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《電解質液の調製》
(電解質液1の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀(AgI)を100mgとヨウ化ナトリウム(NaI)を200mg加えて加熱溶解した液に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を1.2g加えて超音波分散器で分散して、溶液状の電解質液1を得た。
(電解質液2の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀(AgI)を100mgとヨウ化ナトリウム(NaI)を200mgとポリビニルピロリドン(PVP、平均分子量10万)を1.0g加えて加熱溶解した液に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を1.2g加えてボールミルで分散して、ゲル状の電解質液2を得た。
(電解質液3の調製)
γ−ブチロラクトン(γBL)2.5g中に、p−トルエンスルフォン酸銀を100mgと3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(MTZ)を200mg加えて加熱溶解して、溶液状の電解質液3を得た。
(電解質液4の調製)
γ−ブチロラクトン2.5g中に、p−トルエンスルフォン酸銀を100mgと3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール(MTZ)を200mgと電気化学工業社製ブチラール樹脂#3000−1(平均重合度600、PVA比18%)を0.08g加えて加熱溶解して、溶液状の電解質液4を得た。
(電解質液5の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀(AgI)を100mgとヨウ化ナトリウム(NaI)を200mg加えて加熱溶解して、溶液状の電解質液5を得た。
《ペースト液の調製》
(ペースト1の調製)
キシレン0.5gとイソプロパノール0.5gの混合溶媒中に、電気化学工業社製ブチラール樹脂#3000−K(平均重合度800、PVA比12%)を0.4g加えて加熱溶解した液に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を0.5g加えてボールミルで分散して、ペースト液1を得た。
(ペースト2の調製)
キシレン0.5gとイソプロパノール0.5gの混合溶媒中に、電気化学工業社製ブチラール樹脂#3000−1(平均重合度600、PVA比19%)を0.4g加えて加熱溶解した液に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を0.5g加えてボールミルで分散して、ペースト液2を得た。
(ペースト3の調製)
キシレン0.5gとイソプロパノール0.5gの混合溶媒中に、電気化学工業社製ブチラール樹脂#4000−2(平均重合度1000、PVA比19%)を0.4g加えて加熱溶解した液に、石原産業社製二酸化チタンCR−90を0.5g加えてボールミルで分散して、ペースト液3を得た。
《電極の作製》
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで10cm×10cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO膜を公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
(電極2の作製)
厚さ1.5mmで10cm×10cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み0.8μm、ピッチ145μm、電極幅130μmの銀−パラジウム電極(電極2)を形成して、電極2を得た。
《比較表示素子の作製》
(表示素子1の作製)
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極2と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
(表示素子2の作製)
表示素子1において、電解質液1を電解質液2に変更した以外は表示素子1と同様にして、表示素子2を作製した。
《本発明の表示素子の作製》
(表示素子3の作製)
電極2上に、ペースト液1を乾燥後の平均膜厚が30μmになるようにスクリーン印刷し、その後60℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、85℃の雰囲気中で1時間乾燥させて二酸化チタンとブチラール系の高分子バインダーを含有した膜を形成し、電極3を得た。得られた電極3表面を光学顕微鏡で観察したところ、図1で表すような全面均一な膜が得られていた。
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極3と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液3を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止した後に、80℃でセル全体を加熱して、ブチラール樹脂#3000−Kを完全に溶解して、表示素子3を作製した。
表示素子を後述の評価を実施した後に、セルを分解して電解質の状態を観察して、電解質がゲル状になっていることを確認した。
(表示素子4の作製)
ペースト液1に窒素をバブリングしながら攪拌してペースト液1に気泡を十分に含ませた後に、電極2上に、ペースト液1を乾燥後の平均膜厚が40μmになるようにスクリーン印刷し、その後60℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、85℃の雰囲気中で1時間乾燥させて二酸化チタンとブチラール系の高分子バインダーを含有した膜を形成し、電極4を得た。得られた電極4表面を光学顕微鏡で観察したところ、図2で表すような多孔質状の膜が得られていた。
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極4と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液3を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止した後に、80℃でセル全体を加熱して、ブチラール樹脂#3000−Kを完全に溶解して、表示素子4を作製した。
表示素子を後述の評価を実施した後に、セルを分解して電解質の状態を観察して、電解質がゲル状になっていることを確認した。
(表示素子5の作製)
電極2上に、乾燥後の平均膜厚が35μmで、膜の形状が100μm角で格子間隔30μmの格子状にパターニングされるようにペースト液1をスクリーン印刷し、その後60℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、85℃の雰囲気中で1時間乾燥させて二酸化チタンとブチラール系の高分子バインダーを含有した膜を形成し、電極5を得た。得られた電極5表面を光学顕微鏡で観察したところ、図3、図4(a)で表すような格子状にパターニングされた膜が得られていた。
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極5と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液3を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止した後に、80℃でセル全体を加熱して、ブチラール樹脂#3000−Kを完全に溶解して、表示素子5を作製した。
表示素子を後述の評価を実施した後に、セルを分解して電解質の状態を観察して、電解質がゲル状になっていることを確認した。
(表示素子6〜7の作製)
表示素子5において、ペースト液を1から2または3に変更した以外は同様にして、表示素子6〜7を作製した。
(表示素子8の作製)
表示素子6において、スクリーン印刷をディスペンサに変更した以外は同様にして、図4(b)に示す様な表示素子8を作製した。この時、円の直径が100μmで隣り合う円の中心の間隔が120μm相当になるように射出条件を調整した。
(表示素子9の作製)
表示素子8において、スクリーン印刷をインクジェットに変更した以外は同様にして、図4(b)に示す様な表示素子9を作製した。
(表示素子10の作製)
表示素子6において、電解質液を3から4に変更した以外は同様にして、表示素子10を作製した。
(表示素子11の作製)
表示素子6において、電解質液を3から5に変更した以外は同様にして、表示素子11を作製した。
《表示素子の評価》
(充填ムラの評価)
上記で作製した各表示素子を目視で観察し、充填ムラの状態を10段階で評価した。ここでは、充填ムラは悪い場合を1、良い場合を10とし、6以上を可とした。
(繰返し安定性の評価)
上記で作製した各表示素子に1.5Vの電圧で1.5秒間の印加と、−1.5Vの電圧で0.5秒間の印加でグレーを表示させ、任意の5箇所の反射スペクトルをコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、波長550nmでの反射率の平均値をRGlay(0)(%)とした。同様な印加条件で10000回表示を繰返したあと、同様な測定条件で波長550nmでの反射率の平均値を求め、RGlay(10000)(%)とした。RGlay(0)とRGlay(10000)の差の絶対値をΔRGlayとし、ΔRGlayを繰返し安定性の指標とした。ここでは、ΔRGlay(%)が小さいほど繰返し安定性に優れていることを表す。
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の方法により形成された電気化学表示素子は電解質液の充填が容易で、且つ充填ムラが少なく、繰返し安定性が良好であることが分かる。特に本発明のカルボン酸エステル化合物及び化合物(1)または化合物(2)を含有した電解質を用いたときに、充填ムラと繰返し安定性の改良効果が大きいことが分かる。
実施例2
(電解質液6の調製)
γ−ブチロラクトン(γBL)2.5g中に、フェロセン10mgと下記化合物Aを50mgとp−トルエンスルフォン酸銀100mgと過塩素酸テトラブチルアンモニウム50mgを加熱溶解して、溶液状の電解質液6を得た。
(電解質液7の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀100mgとヨウ化ナトリウム200mgと例示エレクトロクロミック化合物13を加熱溶解して、溶液状の電解質液7を得た。
(表示素子12〜13の作製)
実施例1の表示素子6において、電解質液を3から6または7に変更した以外は同様にして、表示素子12から13を作製した。
《表示素子の評価》
実施例1と同様にして、充填ムラと繰返し安定性を評価した結果、実施例1と同様に充填ムラと繰返し安定性が向上することが確認できた。
なお、表示素子12は、対向電極間に−1.5Vの電圧を1秒間印加すると黒色が表示され、+1.5Vの電圧を1秒間印加すると赤色が表示された。また、表示素子13は、対向電極間に−1.5Vの電圧を1秒間印加すると黒色が表示され、+1.5Vの電圧を1秒間印加するとシアン色が表示された。このように、表示素子12と13は、1対向電極間の1種の電解質で3色の多色表示が行えることが分かる。

Claims (17)

  1. 対向電極の少なくとも一方の電極上に、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成し、もう一方の対向電極を互いに向合うように配置し、該対向電極に挟まれた空間に低粘度電解質を注入し、該高分子バインダーを電解質で溶解又は膨潤して該空間内に該白色散乱物及び高分子バインダーを含んだゲル状電解質層を形成することを特徴とする電気化学表示素子の製造方法。
  2. 前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜が、白色散乱物及び高分子バインダー及び溶媒を含んだペースト液から形成されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  3. 前記ペースト液を用いて、塗布法、インクジェット法、印刷法、ディスペンサ法のうち少なくとも一つの方法によって、白色散乱物及び高分子バインダーを含有する膜を形成することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  4. 前記ペースト液から形成された膜の溶媒を蒸発させた後に、低粘度電解質を注入することを特徴とする請求の範囲第2項または第3項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  5. ペースト液から形成された膜の溶媒を蒸発させた後に、対向電極の少なくとも一方の周囲に熱硬化性または紫外線硬化性樹脂を印刷してシール部を形成し、対向電極を貼合し、硬化してセルを形成した後、低粘度電解質を注入することを特徴とする請求の範囲第4項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  6. 前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜が、多孔質形状であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  7. 前記白色散乱物及び高分子バインダーを含有した膜がパターニングされていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  8. 前記高分子バインダーがブチラール樹脂であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  9. 前記ブチラール樹脂における下記(A)で表されるPVA基の数が、該PVA基、下記(B)で表されるPVAc基及び下記(C)で表されるPVB基の総数の15%以上、25%以下であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  10. 前記ブチラール樹脂の平均重合度が400〜800の範囲であることを特徴とする請求の範囲第8項または第9項に記載の電気化学表示素子の製造方法。
  11. 請求の範囲第1項乃至第10項の何れか1項に記載の電気化学表示素子の製造方法により形成されたことを特徴とする電気化学表示素子。
  12. ゲル状電解質層に、カルボン酸エステル化合物を含有していることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の電気化学表示素子。
  13. ゲル状電解質層に、銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように該対向電極の駆動操作を行うことを特徴とする請求の範囲第11項または第12項に記載の電気化学表示素子。
  14. 前記ゲル状電解質層に、下記一般式(1)または(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求の範囲第13項に記載の電気化学表示素子。
    一般式(1)
    −S−R
    〔式中、R、Rは各々置換または無置換の炭化水素基を表す。ただし、S原子を含む環を形成する場合には、芳香族基をとることはない。〕

    〔式中、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR3は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。〕
  15. 前記ゲル状電解質層に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記ゲル状電解質層に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求の範囲第13項または第14項に記載の電気化学表示素子。
    式(1)
    0≦[X]/[Ag]≦0.01
  16. 対向電極間のゲル状電解質層中に、エレクトロクロミック化合物、銀塩化合物及び白色散乱物を含有し、該対向電極の駆動操作により、実質的に黒表示、白表示及び黒以外の着色表示の3色以上の多色表示を行うことを特徴とする請求の範囲第13項乃至第15項のいずれか1項に記載の電気化学表示素子。
  17. 前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の電気化学表示素子。

    〔式中、R11は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R12、R13は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N−R14、酸素原子または硫黄原子を表し、R14は水素原子、または置換基を表す。〕
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