JP5287254B2 - 表示素子 - Google Patents
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Description
2.前記一般式(1)におけるRB1乃至RB3が全てアルキル基であり、かつRB1乃至RB3の炭素数の総和が、12以上、20以下であることを特徴とする前記1に記載の表示素子。
R1−SO3−Ag
一般式(3)
R2−CO2−Ag
[式中、R1及びR2は各々電子吸引性基を表し、ハメットの置換基定数σmが+0.2以上の置換基を表す。]
4.前記一般式(2)における置換基R1が、下記一般式(4)または(5)で表されることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
5.前記一般式(3)における置換基R2が、下記一般式(4)または(5)で表されることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
6.前記電解質が、下記一般式(6)で表される化合物を含有していることを特徴とする前記1乃至5のいずれか1項に記載の表示素子。
P+R11R12R13R14・X−
〔式中、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。〕
7.前記電解質が、メルカプト系化合物またはチオエーテル系化合物を含有していることを特徴とする前記1乃至6のいずれか1項に記載の表示素子。
9.前記チオエーテル系化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする前記7に記載の表示素子。
R2−S−R3
〔式中、R2、R3は各々アルキル基、アリール基または複素環基を表し、それぞれ同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して環を形成してもよい。〕
10.前記電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする前記1乃至9のいずれか1項に記載の表示素子。
11.前記電解質が、スクリーン印刷法により対向電極の一方の電極上に形成されていることを特徴とする前記1乃至10のいずれか1項に記載の表示素子。
素子を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明でいう「電解質」とは、一般に、水などの溶媒に溶けて、その溶液がイオン伝導性を示す物質(以下、「狭義の電解質」という。)をいうが、本発明の説明においては、狭義の電解質としては、電解質、非電解質を問わず他の金属、化合物等を含有させた混合物を電解質(「広義の電解質」)という。
前記一般式(1)において、RB1はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、RB2、RB3は各々、アルキル基を表す。
本発明に係る電解質には、有機溶媒として一般式(1)で表されるアミド系化合物を用いることを特徴とするが、本発明の目的効果を損なわない範囲で、他の有機溶媒を併用してもよい。一般式(1)で表される化合物に併用可能な有機溶媒としては、電解質を形成した後、揮発を起こさず電解質に留まることができる沸点が120〜300℃の範囲にある有機溶媒であることが好ましく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。
本発明に係る電解質にはイオン性液体を添加することができる。本発明でいうイオン性液体とは、室温でも液体で存在する塩を指し、例えば、イミダゾリウム、ピリジニウム等の陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等の陰イオンの組合せから選択することができる。
本発明に係る電解質に適用可能な高分子バインダーとして、表示素子の特性や電解質の粘度の観点から、例えば、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリフッ化ビリニデン等の様々な高分子化合物の中から選択することができるが、本発明においては、高分子バインダーとしてブチラール樹脂を用いることが好ましい。本発明においては、ブチラール樹脂を有機溶媒に添加した後、加熱溶解して用いることができ、有機溶媒とブチラール樹脂との質量比は10:1〜2:1の範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は10:1〜10:3である。
本発明の表示素子においては、電解質にスペーサーを添加することができる。本発でいうスペーサーとは、対向電極間のギャップを制御するための微粒子であり、例えば、液晶ディスプレイ等に使用されているガラス製またはアクリル樹脂製またはシリカ製等の微小真球を使用することができる。平均粒径は、電解質中での分散安定性またはスクリーン印刷適性または表示素子特性の観点から、10μm以上50μm以下の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る電解には、白色散乱物を適用することができる。本発明でいう白色散乱物とは、電解質に添加することで表示色を調整できる全ての材料であり、好ましくは無機系材料、より好ましくは金属酸化物である。金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス等を挙げることができる。
本発明に係る電解質に含有される銀または銀を化学構造中に含む化合物とは、例えば、酸化銀、硫化銀、金属銀、銀コロイド粒子、ハロゲン化銀、銀錯体化合物、銀イオン等の化合物の総称であり、固体状態や液体への可溶化状態や気体状態等の相の状態種、中性、アニオン性、カチオン性等の荷電状態種は、特に問わない。
本発明においては、上記銀を化学構造中に含む化合物としては、下記一般式(2)または(3)で表される化合物が好ましい。
R1−SO3−Ag
一般式(3)
R2−CO2−Ag
式中、R1及びR2は各々電子吸引性基を表し、ハメットの置換基定数σmが+0.2以上の置換基を表す。より好ましくは、ハメットの置換基定数σmが+0.3以上の置換基である。
記一般式(2)、(3)におけるR1、R2としての条件を満たす置換基である。なお、*は結合位置を示す。
本発明に係る電解質においては、前記一般式(6)で表されるスピロアンモニウム化合物を含有することが好ましい。
P+R11R12R13R14・X-
上記一般式(6)において、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X-はアニオンを表す。
本発明に係る電解質では、上記説明した着色材料、ブチラール樹脂、有機溶媒と共に、メルカプト系化合物またはチオエーテル系化合物を含有していることが好ましく、更には、メルカプト系化合物が、前記一般式(7)で表される化合物であること、あるいはチオエーテル系化合物が、前記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(7)において、Mは水素原子、金属原子または4級アンモニウムを表す。Zはイミダゾール環類を除く含窒素複素環を表す。nは0〜5の整数を表し、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基、ヒドロキシ基または複素環基を表し、nが2以上の場合、それぞれのR1は同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して縮合環を形成してもよい。
前記一般式(8)において、R2、R3は各々アルキル基、アリール基または複素環基を表し、それぞれ同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の表示素子においては、電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
0≦[X]/[Ag]≦0.01
本発明でいうハロゲン原子とは、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子のことをいう。[X]/[Ag]が0.01よりも大きい場合は、銀の酸化還元反応時に、X−→X2が生じ、X2は黒化銀と容易にクロス酸化して黒化銀を溶解させ、メモリー性を低下させる要因の1つになるので、ハロゲン原子のモル濃度は銀のモル濃度に対してできるだけ低い方が好ましい。本発明においては、0≦[X]/[Ag]≦0.001がより好ましい。ハロゲンイオンを添加する場合、ハロゲン種については、メモリー性向上の観点から、各ハロゲン種モル濃度総和が[I]<[Br]<[Cl]<[F]であることが好ましい。
本発明の表示素子においては、上記説明した電解質の他、必要に応じて種々の構成層を設けることができる。例えば、対向電極上にエレクトロクロミック性を示す化合物を含有した層を形成して、カラー表示が可能な素子構成を取ることもできる。
本発明の表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防培剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
頁 分類 頁 分類 頁 分類
化学増感剤 23 III 648右上 96 III
増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV
減感色素 23 IV 998 IV
染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII
現像促進剤 29 XXI 648右上
カブリ抑制剤・安定剤
24 IV 649右上 1006〜7 VI
増白剤 24 V 998 V
硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X
界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI
帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII
可塑剤 27 XII 650右 1006 XII
スベリ剤 27 XII
マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI
バインダー 26 XXII 1003〜4 IX
支持体 28 XVII 1009 XVII
(基板)
本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912、同1−178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。更に、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行っても良い。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。更にRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれら合金等、公知の金属種を用いることができる。
本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
本発明においては、シール剤、柱状構造物、電極パターン等をスクリーン印刷法で形成することもできる。スクリーン印刷法は、所定のパターンが形成されたスクリーンを基板の電極面上に被せ、スクリーン上に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば、光硬化性樹脂など)を載せる。そして、スキージを所定の圧力、角度、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスクリーンのパターンを介して該基板上に転写される。次に、転写された材料を加熱硬化、乾燥させる。スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する場合、樹脂材料は光硬化性樹脂に限られず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポリビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニールピロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等が挙げられる。樹脂材料は樹脂を適当な溶剤に溶解するなどしてペースト状にして用いることが望ましい。
本発明の表示素子においては、析出過電圧以上の電圧印加で黒化銀を析出させ、析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続させる駆動操作を行なうことが好ましい。この駆動操作を行なうことにより、書き込みエネルギーの低下や、駆動回路負荷の低減や、画面としての書き込み速度を向上させることができる。一般に電気化学分野の電極反応において過電圧が存在することは公知である。例えば、過電圧については「電子移動の化学−電気化学入門」(1996年 朝倉書店刊)の121ページに詳しい解説がある。本発明の表示素子も電極と電解質中の銀との電極反応と見なすことができるので、銀溶解析出においても過電圧が存在することは容易に理解できる。過電圧の大きさは交換電流密度が支配するので、本発明のように黒化銀が生成した後に析出過電圧以下の電圧印加で黒化銀の析出を継続できるということは、黒化銀表面の方が余分な電気エネルギーが少なく容易に電子注入が行なえると推定される。
本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェーカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
(電解質液1の調製)
ジメチルスルホキシド(DMSO)2.5g中に、ヨウ化銀(AgI)を100mgとメルカプトベンズイミダゾール(MBIZ)を200mg加えて加熱溶解して得られた液に、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を1.2g混合して、電解質液1を得た。
上記電解質液1の調製において、ジメチルスルホキシド(DMSO)をクロロホルムに変更し、二酸化チタンCR−90を除いた以外は同様にして、電解質液2を得た。
γブチロラクトン(γBL)の1.0gと、例示化合物1−1の1.5gとの混合液中に、p−トルエンスルホン酸銀(銀塩化合物1)を100mgと、例示化合物7−12を200mg加えて加熱溶解して得られた液に、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を1.2g混合して、電解質液3を得た。
例示化合物1−1の2.5g中に、銀塩化合物1を100mgと、例示化合物7−12を200mg加えて加熱溶解して得られた液に、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を1.2g混合して、電解質液4を得た。
例示化合物1−1の2.5g中に、銀塩化合物1を100mgと、例示化合物7−12を100mgと、例示化合物7−18を100mg加えて加熱溶解して得られた液に、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を1.2g混合して、電解質液4を得た。
上記電解質液4の調製において、例示化合物7−12を例示化合物8−1に変更した以外は同様にして、電解質液6を得た。
例示化合物1−1の2.5g中に、銀塩化合物1を100mgと、例示化合物7−12を100mgと、例示化合物7−18を100mgと、例示化合物6−1を15mg加えて加熱溶解して得られた液に、石原産業社製の二酸化チタンCR−90を1.2g混合して、電解質液7を得た。
上記電解質液3〜7の調製において、それぞれ銀塩化合物1を、例示化合物4−2に変更した以外は同様にして、電解質液8〜12を得た。
上記電解質液12の調製において、例示化合物1−1を例示化合物1−2に変更した以外は同様にして、電解質液13を得た。
上記電解質液12の調製において、銀塩化合物として例示化合物4−2を例示化合物2−1に変更し、更に例示化合物1−1を例示化合物1−3に変更した以外は同様にして、電解質液14を得た。
上記電解質液12の調製において、例示化合物1−1を例示化合物1−9に変更した以外は同様にして、電解質液15を得た。
上記電解質液12の調製において、例示化合物1−1を例示化合物1−10に変更した以外は同様にして、電解質液16を得た。
(電極1の作製)
厚さ1.5mmで10cm×10cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO膜を公知の方法に従って形成して、透明電極(電極1)を得た。
厚さ1.5mmで10cm×10cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み0.8μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmの銀−パラジウム電極(電極2)を形成して、電極2を得た。
(表示素子1の作製)
周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極2の上に、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを散布した後に、電極2と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
二酸化チタンとポリビニルアルコールを純水に混合分散して得られた二酸化チタンペーストを電極2上にブレード塗布で乾燥膜厚40μmになるように塗布し、120℃で完全に水分を蒸発させ、多孔質白色散乱層を形成した。次いで、得られた多孔質白色散乱層付き電極2を電解質液2に浸漬し、多孔質白色散乱層に電解質液2が十分に浸透したのを確認した後、前記電極2を電解質液2から取り出し、80℃でクロロホルムを完全に蒸発させ電解質を固体化した。次いで、前記電極2の周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした後に、電極2と電極1を貼り合わせ、加熱押圧して表示素子2を作製した。
前記表示素子1の作製において、電解質液1に代えて、電解質液3〜16を用いた以外は同様にして、表示素子3〜16を作製した。
(表示速度の評価)
上記で作製した各表示素子の、未駆動時の白色の550nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、得られた測定した反射率をRWとした。次に、1.5Vの電圧を1.5秒間印加した後に、−1.5Vの電圧を0.5秒間印加させてグレーを表示させ、550nmでの反射率を同様な方法で測定、得られた反射率をRGとした。RWをRGの差をRSとし、RSを表示速度の指標とした。ここでは、RSが高いほど表示速度が速いとする。
上記で作製した各表示素子を85℃の環境下20日間保存した後、1.5Vの電圧を1.5秒間印加して白色を表示させ、500nmの反射率が約30%になるまで−1.5Vの電圧を印加し、グレーを表示させて、表示素子の任意5箇所の550nmでの反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−3700dで測定し、反射率の最大値と最小値の差を算出した。算出した反射率の差をΔRGlayとし、RGlayを表示速度の指標とした。ここでは、ΔRGlayが小さいほど表示ムラ耐性に優れていることを表す。
Claims (11)
- 対向電極間に、下記一般式(1)で表される化合物を含有する電解質を有し、前記電解質が銀または銀を化学構造中に含む化合物を含有し、銀の溶解析出を生じさせるように前記対向電極の駆動操作をすることを特徴とする表示素子。
- 前記一般式(1)におけるRB1乃至RB3が全てアルキル基であり、かつRB1乃至RB3の炭素数の総和が、12以上、20以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
- 前記銀を化学構造中に含む化合物が、下記一般式(2)または(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
一般式(2)
R1−SO3−Ag
一般式(3)
R2−CO2−Ag
[式中、R1及びR2は各々電子吸引性基を表し、ハメットの置換基定数σmが+0.2以上の置換基を表す。] - 前記一般式(2)における置換基R1が、下記一般式(4)または(5)で表されることを特徴とする請求項3に記載の表示素子。
- 前記一般式(3)における置換基R2が、下記一般式(4)または(5)で表されることを特徴とする請求項3に記載の表示素子。
- 前記電解質が、下記一般式(6)で表される化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示素子。
一般式(6)
P+R11R12R13R14・X−
[式中、R11、R12、R13、R14は各々アルキル基、アリール基、複素環基またはアラルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。X−はアニオンを表す。] - 前記電解質が、メルカプト系化合物またはチオエーテル系化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示素子。
- 前記メルカプト系化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の表示素子。
- 前記チオエーテル系化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の表示素子。
一般式(8)
R2−S−R3
[式中、R2、R3は各々アルキル基、アリール基または複素環基を表し、それぞれ同じであってもよく、異なってもよく、お互いに連結して環を形成してもよい。] - 前記電解質に含まれるハロゲンイオンまたはハロゲン原子のモル濃度を[X](モル/kg)とし、前記電解質に含まれる銀または銀を化学構造中に含む化合物の銀の総モル濃度を[Ag](モル/kg)としたとき、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示素子。
式(1) 0≦[X]/[Ag]≦0.01 - 前記電解質が、スクリーン印刷法により対向電極の一方の電極上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示素子。
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