JP2014190991A - 電気泳動素子、表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高コントラスト、高速応答、低消費電力が実現可能な電気泳動素子およびこの電気泳動素子を用いた表示装置を提供する。
【解決手段】電気泳動素子10は、互いに対向して設けられた第1の基体である透明基体1と第2の基体である基体21との間に電気泳動粒子12と多孔質層13とを含む絶縁性液体層11を有する。透明基体1の面上の全面には対向電極であるグラフェン電極2が設けられ、基体21上には画素電極25が設けられている。絶縁性液体層11はグラフェン電極2と対向電極25とに挟まれるようにして設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】電気泳動素子10は、互いに対向して設けられた第1の基体である透明基体1と第2の基体である基体21との間に電気泳動粒子12と多孔質層13とを含む絶縁性液体層11を有する。透明基体1の面上の全面には対向電極であるグラフェン電極2が設けられ、基体21上には画素電極25が設けられている。絶縁性液体層11はグラフェン電極2と対向電極25とに挟まれるようにして設けられている。
【選択図】図1
Description
本開示は、電気泳動素子ならびにこの電気泳動素子を用いた表示装置ならびにこの表示装置を用いた電子機器に関するものである。
近年、携帯電話機または携帯情報端末などに代表されるモバイル機器の普及に伴い、低消費電力で高品位画質の表示装置に関する需要が高まっている。中でも最近では、文字情報を長時間読むことを目的とした読書用途の携帯情報端末、いわゆる電子書籍端末が注目され、その用途に適した表示品位を有するディスプレイとして反射型ディスプレイが最有力視されている。
この反射型ディスプレイは、数ある種類の中でも、低消費電力であると共に高速応答性に優れている電気泳動型ディスプレイが広く実用化されており、近年においては電気泳動型ディスプレイの表示方法について、さまざまな検討がなされている。
電気泳動型ディスプレイは、絶縁性液体中に光学的反射特性が異なる2種類の荷電粒子を分散して、電界に応じて荷電粒子を移動させる方法が広く知られている。この方法では、2種類の荷電粒子が反対の極性を有しているため、電界に応じて荷電粒子の分布状態が変化する。
また、電気泳動型ディスプレイとしては、絶縁性液体中に多孔質層を配置すると共に荷電粒子を分散させて、電界に応じて多孔質層の細孔を経由して荷電粒子を移動させることで表示部に表示させる方法が提案されている。
図14は、従来の電気泳動型ディスプレイの一例を示した断面図である。図14に示すように、この電気泳動素子100は、透明基体101と基体121とに挟まれるようにして絶縁性液体層111が設けられている。透明基体101の絶縁性液体層111側の面上にはITO膜からなる対向電極102が設けられている。一方、基体121の絶縁性液体層111側の面上に薄膜トランジスタ(TFT)122が設けられており、このTFT122によって画素電極125が駆動される。TFT122と画素電極125との間には、保護層123と平坦化絶縁層124とが順に積層されて設けられている。絶縁性液体層111は、複数の電気泳動粒子112と、多孔質層113とを含んでいる。多孔質層113は、繊維状構造体により形成された3次元立体構造物であり、その繊維状構造体には、電気泳動粒子112とは異なる光学的反射特性(反射率)を有する複数の非泳動粒子が含まれている。このように、電気泳動素子100の多孔質層113を電気泳動粒子112とは異なる光学反射特性を有する非泳動粒子が含まれている繊維状構造体で構成することによって表示部のコントラストを高くすることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
図15は、従来の電気泳動素子200の他の例を示した断面図である。この電気泳動素子200は、電気泳動素子100の透明基体101の光入射面上に積層してカラーフィルタ201が設けられる。これにより、表示部から反射する光がカラーフィルタ201を透過することで表示する画像をカラー化することができる。しかしながら、この電気泳動素子200は、カラーフィルタ201と表示部との距離が長く、さらに、カラーフィルタ201と表示部との間に透明基体101と対向電極102とを有することによる屈折によって視差が生じやすいという問題点があった。
一方で、グラファイトの炭素原子一層からなるグラフェンは、その高い光透過性および高い導電性から透明導電材料や配線材料として期待されている。
特許文献1に記載された電気泳動型ディスプレイは、対向電極102として光透過率が低いITO電極を用いているために表示部への入射光および表示部からの反射光の多くがこのITO電極に吸収されてしまう。そのため、このITO電極による光のロスは電気泳動型ディスプレイの表示領域における輝度低下およびコントラスト低下を招き、表示がくすんでしまうなどといった問題点が生じていた。
そこで本開示が解決しようとする課題は、従来よりも高輝度、高コントラストを実現可能な電気泳動素子を提供することである。
本開示が解決しようとする他の課題は、前記のような優れた電気泳動素子を用いた高性能の表示装置を提供することである。
本開示が解決しようとするさらに他の課題は、前記のような優れた表示装置を用いた高性能の電子機器を提供することである。
前記課題を解決するために、本開示は、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電気泳動素子である。
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電気泳動素子である。
また、本開示は、
少なくとも1つの電気泳動素子を有し、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている表示装置である。
少なくとも1つの電気泳動素子を有し、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている表示装置である。
また、本開示は、
少なくとも1つの表示装置を有し、
前記表示装置が、少なくとも1つの電気泳動素子を有し、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電子機器である。
少なくとも1つの表示装置を有し、
前記表示装置が、少なくとも1つの電気泳動素子を有し、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電子機器である。
本開示において、基体は、他の材料を積層可能な面を有するものであれば基本的には限定されるものではなく、例えば、剛性を有する基板、ウエハなどであってもよいし、可撓性を有する薄板、薄膜、フィルムなどであってもよい。この可撓性は、例えば、人の力で曲げられる程度のものであることが好ましい。また、基体は、光透過性を有してもよいし、有しなくてもよいが、例えば、電気泳動素子の光入射側を構成する基体は光透過性が良好である透明体で構成されることが好ましい。
絶縁性液体は、電気絶縁性を有する液体であれば基本的には限定されるものではないが、例えば、粘度が小さいものであることが好ましい。粘度を小さくすることによって、電気泳動粒子の移動性が向上し、表示部の応答速度が向上する。また、電気泳動粒子の移動の際の粘性抵抗が小さくなることによって、電気泳動粒子を移動するのに必要なエネルギーが低くなり、消費電力の低下につながる。また、例えば、屈折率が小さいものであることが好ましく、屈折率が小さいことで、絶縁性液体の屈折率と多孔質層の屈折率との差が大きくなり、多孔質層の光反射面における反射率が高くなる。絶縁性液体としては、具体的には、例えば、有機溶媒が挙げられ、公知の有機溶媒から選ばれる少なくとも1種類から構成される。有機溶媒としては、具体的には、例えば、パラフィンまたはイソパラフィンなどが挙げられる。また、絶縁性液体は、必要に応じて、添加剤を有して構成されていてもよい。この添加剤としては、具体的には、例えば、着色剤、電荷制御剤、分散安定剤、粘度調整剤、界面活性剤または樹脂などが挙げられる。
電気泳動粒子は、電界に応じて移動が可能な荷電粒子であれば基本的に限定されるものではないが、多孔質層内部を経由して移動可能であるものであることが好ましい。この電気泳動粒子は、具体的には、例えば、有機顔料、無機顔料、染料、炭素材料、金属材料、金属酸化物、ガラスおよび高分子材料(樹脂)などの粒子(粉末)の群から選ばれる少なくとも一種類から構成される。
多孔質層は、細孔を有するものであれば基本的には限定されるものではないが、両主面を貫通する貫通孔を多く有するものであることが好ましい。また、この貫通孔は、電気泳動粒子が通過可能に構成されていることが好ましい。多孔質層としては、具体的には、例えば、レーザを用いた穴開け加工により細孔が形成された高分子フィルム、合成繊維などにより編まれた布、または連泡多孔性高分子などが挙げられるが、特に、繊維状構造体で構成された3次元立体構造物であることが好ましい。繊維状構造体で構成された3次元立体構造物としては、具体的には、例えば、不織布などのような不規則なネットワーク構造物が挙げられる。また、繊維状構造体は、例えば、非泳動粒子を担持していることが好ましい。繊維状構造体は、直径に対して長さが十分に大きい繊維状物質であれば基本的には限定されないが、繊維状構造体の直径はごく小さいものであることが好ましい。この繊維状構造体を構成する材料は、例えば、光反応性などの反応性が低い、化学的に安定したもので構成されることが好ましい。繊維状構造体は、具体的には、例えば、高分子材料、無機材料などから選ばれる少なくとも一種類であることが好ましく、特に高分子材料が好ましいが、これに限定されるものではない。また、繊維状構造体が高反応性の材料により形成される場合には、その繊維状構造体の表面は任意の保護層により被覆されることが好ましい。また、非泳動粒子は基本的には限定されるものではないが、例えば、電気泳動粒子として挙げられたものを適宜選択して構成することができ、表示部においてコントラストを生じさせるために使用される電気泳動粒子とは光学反射特性の異なるものが用いられる。また、非泳動粒子を含む多孔質層は、例えば、電気泳動粒子を遮蔽できるように構成されることが好ましい。非泳動粒子は、具体的には、例えば、非泳動粒子が明表示する場合の材料は、例えば、電気泳動粒子が明表示する場合に選択される材料と同様であることが好ましい。また、例えば、非泳動粒子が暗表示する場合の材料は、例えば、電気泳動粒子が暗表示する場合に選択される材料と同様であることが好ましい。この中でも、非泳動粒子が明表示する場合に選択される材料としては、例えば、金属酸化物が好ましい。
グラフェンは、少なくとも1層のグラファイトの炭素原子からなるものであれば基本的には限定されるものではないが、例えば、大面積に製膜可能で層数制御も可能である熱CVD法によって合成されたグラフェン膜であることが好ましい。また、透明基体上にグラフェン膜が形成されることによって、例えば、透明導電性基体、透明導電性フィルム、透明導電性シートとして用いることもできる。透明導電膜は各種の電子機器に用いることができる。電子機器は、具体的には、例えば、反射型ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ(電子ペーパー)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)などのディスプレイ、タッチパネルなどであり、透明導電膜の用途も問わない。この透明導電膜は、例えば、太陽電池、色素増感太陽電池などの電極に用いることもできる。この電極は、例えば、透明基体と、この透明基体上に積層されて設けられたグラフェン膜とを有する構成のグラフェン電極とすることができる。また、このグラフェン電極には、例えば、開口部が設けられていてもよいし、また、例えば、グラフェン上の少なくとも一部には反射防止層が設けられていてもよく、この場合、例えば、グラフェン電極上に積層するようにして反射防止層が設けられる。
本開示によれば、電気泳動素子の対向電極をITOに代えてグラフェンとしたので、従来においては対向電極であるITO膜に吸収されていた表示部への入射光および表示部からの反射光を少なくすることができ、従来よりも高輝度、高コントラストを実現可能な電気泳動素子を得ることができる。そして、この優れた電気泳動素子を用いることにより、高性能の表示装置を実現することができる。そして、この優れた表示装置を用いることにより、高性能の電子機器を実現することができる。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
2.第2の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
3.第3の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
4.第4の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
5.第5の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
6.第6の実施の形態(表示装置および電子機器)
1.第1の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
2.第2の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
3.第3の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
4.第4の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
5.第5の実施の形態(電気泳動素子およびその製造方法)
6.第6の実施の形態(表示装置および電子機器)
〈1.第1の実施の形態〉
[電気泳動素子]
図1は第1の実施の形態による電気泳動素子10を示した断面図である。
図1に示すように、この電気泳動素子10は、互いに対向して設けられた第1の基体である透明基体1と第2の基体である基体21との間に絶縁性液体層11を有する。透明基体1の絶縁性液体層11側の全面には対向電極であるグラフェン電極2が設けられ、透明基体1はグラフェン電極2を介して絶縁性液体層11と接している。また、基体21のグラフェン電極2と対向する側の面上には少なくとも1つのTFT22が互いに離間して設けられ、TFT22を覆うようにして基体21上の全面に保護層23が設けられている。保護層23上には平坦化絶縁層24が積層して設けられており、平坦化絶縁層24の面上にはTFT22と対向するようにして、少なくとも1つの画素電極25が互いに離間して設けられている。基体21は、平坦化絶縁層24と画素電極25とが設けられている側が、絶縁性液体層11と接するようにして設けられている。従って、グラフェン電極2と画素電極25とは絶縁性液体層11を介して互いに対向して設けられている。絶縁性液体層11中には、グラフェン電極2と画素電極25とに対して一定距離を置いて対向するようにして多孔質層13が設けられており、多孔質層13の両主面上に絶縁性液体層11が接している。このように、絶縁性液体層11は多孔質層13によって第1の絶縁性液体層である表示部20と第2の絶縁性液体層である退避部30とに分割され、多孔質層13の透明基体1に対向する側の面が表示部20と接し、逆側の面である基体21に対向する側の面が退避部30と接している。また、これらの透明基体1および基体21の外周部が封止体31で封止されている。表示部20から退避部30に亘る部分は電気泳動部40となる。また、多孔質層13は、表示部20と退避部30とを連通可能に構成された貫通孔14を少なくとも1つ有する。この貫通孔14は、電気泳動粒子12が表示部20と退避部30との間を相互に通過可能に構成されている。また、絶縁性液体層11中には電気泳動粒子12が分散して設けられ、この電気泳動粒子12が、貫通孔14を通じて電気泳動部40を移動することによって表示部20に表示がなされる。
[電気泳動素子]
図1は第1の実施の形態による電気泳動素子10を示した断面図である。
図1に示すように、この電気泳動素子10は、互いに対向して設けられた第1の基体である透明基体1と第2の基体である基体21との間に絶縁性液体層11を有する。透明基体1の絶縁性液体層11側の全面には対向電極であるグラフェン電極2が設けられ、透明基体1はグラフェン電極2を介して絶縁性液体層11と接している。また、基体21のグラフェン電極2と対向する側の面上には少なくとも1つのTFT22が互いに離間して設けられ、TFT22を覆うようにして基体21上の全面に保護層23が設けられている。保護層23上には平坦化絶縁層24が積層して設けられており、平坦化絶縁層24の面上にはTFT22と対向するようにして、少なくとも1つの画素電極25が互いに離間して設けられている。基体21は、平坦化絶縁層24と画素電極25とが設けられている側が、絶縁性液体層11と接するようにして設けられている。従って、グラフェン電極2と画素電極25とは絶縁性液体層11を介して互いに対向して設けられている。絶縁性液体層11中には、グラフェン電極2と画素電極25とに対して一定距離を置いて対向するようにして多孔質層13が設けられており、多孔質層13の両主面上に絶縁性液体層11が接している。このように、絶縁性液体層11は多孔質層13によって第1の絶縁性液体層である表示部20と第2の絶縁性液体層である退避部30とに分割され、多孔質層13の透明基体1に対向する側の面が表示部20と接し、逆側の面である基体21に対向する側の面が退避部30と接している。また、これらの透明基体1および基体21の外周部が封止体31で封止されている。表示部20から退避部30に亘る部分は電気泳動部40となる。また、多孔質層13は、表示部20と退避部30とを連通可能に構成された貫通孔14を少なくとも1つ有する。この貫通孔14は、電気泳動粒子12が表示部20と退避部30との間を相互に通過可能に構成されている。また、絶縁性液体層11中には電気泳動粒子12が分散して設けられ、この電気泳動粒子12が、貫通孔14を通じて電気泳動部40を移動することによって表示部20に表示がなされる。
透明基体1は、光が透過しやすい材質と形状のものであれば特に限定されるものではないが、特に可視光の透過率が高い基体材料を用いることが好ましい。また、電気泳動素子に外部から侵入しようとする水分やガスを阻止する遮断性能が高く、また、耐溶剤性や耐候性に優れている材料が好ましい。透明基体1の材料としては、具体的には、例えば、石英、ガラスなどの透明無機材料や、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリオレフィン類などの透明プラスチックが挙げられ、例えば、これらの材料で構成された、基板、フィルムなどが好ましい。また、透明基体1の屈折率は、例えば、1.3以上1.6以下であることが好ましい。また、透明基体1の厚さは特に制限されず、光の透過率や、電気泳動素子内外を遮断する性能を勘案して、適宜選択することができる。
基体21は、面上に素子を形成可能な構成を有していれば基本的には限定されるものではなく、従来公知の材料を適宜選択して構成することができる。基体21は、透明であっても不透明であってもよく、透明基体1として前記に挙げたものに加えて、例えば、金属材料、無機材料、プラスチック材料などで構成された基板、フィルムなどを用いることもできる。金属材料としては、具体的には、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレスなどが挙げられる。無機材料としては、例えば、各種のセラミックなどが挙げられる。プラスチック材料としては、例えば、フェノール系、エポキシ系、アイオノマー系などの各種プラスチック、ポリ塩化ビニル、ナイロンなどが挙げられる。
グラフェン電極2は、少なくとも1層のグラフェンからなるものであれば基本的には限定されないが、例えば、1層以上10層以下のグラフェンで構成されることが好ましい。また、グラフェン電極2は、例えば、ドーピングされたグラフェン膜で構成されることが好ましい。このドーピングは、例えば、グラフェン電極2を構成するグラフェン膜上にアクセプタ粒子が吸着することにより実現される。アクセプタ粒子としては、例えば、塩化金、硝酸、塩酸、硫酸、塩化チオニル、TFSAなどの酸、TiCl4、FeCl3、NiCl2などの金属塩化物、TiO2などが挙げられ、この中でも透明なものが好ましいが、これらのものに限定されるものではない。
絶縁性液体層11は、電気絶縁性を有する液体で構成されていれば基本的には限定されるものではなく、上記に上げた絶縁性液体層の構成を適宜選択することができるが、絶縁性液体層11の屈折率は1.3以上1.6以下であることが好ましい。
電気泳動粒子12の形態は基本的には限定されるものではなく、例えば、コントラストを生じさせるために電気泳動粒子12が担う役割に応じて、従来公知の形態のものを適宜組み合わせて構成される。また、電気泳動粒子12を構成する材料も基本的には限定されるものではなく、前記と同様に選ばれ、例えば、電気泳動粒子として前記に挙げたものを適宜選択することができる。この中でも、有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、メタルコンプレックスアゾ系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、フラバンスロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラピリジン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料またはインダンスレン系顔料などが挙げられる。また、無機顔料としては、例えば、亜鉛華、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、硼化チタン、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウムエロー、硫化亜鉛、リトポン、硫化バリウム、セレン化カドミウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫酸鉛、炭酸バリウム、鉛白またはアルミナホワイトなどである。染料は、例えば、ニグロシン系染料、アゾ系染料、フタロシアニン系染料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料またはメチン系染料などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。金属材料としては、例えば、金、銀または銅などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅−クロム酸化物、銅−マンガン酸化物、銅−鉄−マンガン酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物または銅−鉄−クロム酸化物などが挙げられる。高分子材料としては、例えば、可視光領域に光吸収域を有する官能基が導入された高分子化合物などが挙げられる。このように可視光領域に光吸収域を有する高分子化合物であれば、その種類は特に限定されるものではない。
絶縁性液体層11中の電気泳動粒子12の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。これは、電気泳動粒子12の遮蔽性および移動性が確保されるからである。具体的には、0.1重量%よりも少ないと、電気泳動粒子12が多孔質層13を遮蔽(隠蔽)しにくくなる可能性があり、一方で、10重量%よりも多いと、電気泳動粒子12の分散性が低下する可能性がある。このため、電気泳動粒子12が泳動しにくくなり、場合によっては凝集する可能性がある。
また、電気泳動粒子12は、任意の光学的反射特性(光反射率)を有していることが好ましい。電気泳動粒子12の光反射率は、特に限定されないが、少なくとも電気泳動粒子12が多孔質層13を遮蔽可能である反射率を有することが好ましい。電気泳動粒子12の光反射率と多孔質層13の光反射率との違いにより、コントラストを生じさせるためである。例えば、多孔質層13が白色を表示し、電気泳動粒子12が黒色を表示する場合には、電気泳動粒子12の反射率は限りなく小さい方が好ましい。
多孔質層13は、少なくとも1つの貫通孔14を有する多孔質体で構成されていれば基本的には限定されるものではないが、例えば、繊維状構造体により形成された3次元立体構造物であることが好ましい。この繊維状構造体は、例えば、1つの繊維状構造体がランダムに絡み合っていて構成されていてもよいし、複数の繊維状構造体が集合してランダムに重なって構成されていてもよいし、双方が混在などしていてもよい。このように、多孔質層13を繊維状構造体で構成することによって、多孔質層13の表示部20側の面に入射した光が多重散乱することによって、その面における光反射率が向上する。また、このように光反射率が向上することによって多孔質層13を薄く形成することができる。また、多孔質層13を構成する繊維状構造体に非泳動粒子を担持させることによって、多孔質層13の反射率がさらに向上し、表示部20におけるコントラストが向上する。繊維状構造体を構成する材料としては、上述したものを適宜選択することができるが、高分子材料としては、例えば、ナイロン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリサルフォン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンフロリド、ポリヘキサフルオロプロピレン、セルロースアセテート、コラーゲン、ゼラチン、キトサンまたはそれらのコポリマーなどが挙げられる。また、無機材料としては、例えば、酸化チタンなどが挙げられる。また、繊維状構造体の平均繊維径は、非泳動粒子を担持可能な大きさを有していれば基本的には限定されないが、できるだけ小さいほうがよい。繊維状構造体の平均繊維径としては、具体的には、例えば、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。また、多孔質層13の平均孔径は基本的には限定されるものではないが、できるだけ大きいほうが好ましく、具体的には、例えば、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。また、多孔質層13の厚さは基本的には限定されるものではないが、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
画素電極25は、グラフェン電極2との間に電界を発生させることによって、電気泳動粒子12が多孔質層13中を移動可能なように構成されていれば基本的には限定されるものではなく、従来公知の構成を適宜選択することができる。画素電極25は、例えば、前記の電界を発生させることによって、電気泳動粒子12が、多孔質層13の退避部30に接する側の面と、表示部20に接する側の面との間を相互に移動可能なように構成されることが好ましい。また、画素電極25を制御するTFT22、保護層23および平坦化絶縁層24の構成は従来公知の構成を適宜選択することができる。
封止体31は、基本的にはどのようなものであってもよいが、絶縁性液体層11の絶縁性液体の外部への漏洩、絶縁性液体層11中の絶縁性物質の乾燥、絶縁性液体層11中への物質混入などの防止をする構成を有していることが好ましい。封止体31の材料としては、耐光性、絶縁性、防湿性などを備えた材料を用いることが好ましい。また、封止体31は透明であっても不透明であってもよい。また、封止体11の厚さは、基本的には限定されるものではないが、例えば、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
[電気泳動素子の製造方法]
この電気泳動素子の製造方法について説明する。
まず、従来公知の方法で透明基体1上にグラフェン膜を形成する。透明基体1上へのグラフェン膜の形成は、例えば、熱CVD法によって、触媒基体上に成長させ、その後、透明基体1へ転写する方法が好ましい。このようにして、透明基体1上にグラフェン膜が形成される。次に、形成されたグラフェン膜の主面上に、ドーパントを塗布し、乾燥させることによりドーピングされたグラフェン膜である、グラフェン電極2を得ることができる。
この電気泳動素子の製造方法について説明する。
まず、従来公知の方法で透明基体1上にグラフェン膜を形成する。透明基体1上へのグラフェン膜の形成は、例えば、熱CVD法によって、触媒基体上に成長させ、その後、透明基体1へ転写する方法が好ましい。このようにして、透明基体1上にグラフェン膜が形成される。次に、形成されたグラフェン膜の主面上に、ドーパントを塗布し、乾燥させることによりドーピングされたグラフェン膜である、グラフェン電極2を得ることができる。
基体21上に順に積層されて設けられたTFT22、保護膜23、平坦化絶縁層24、画素電極25は、従来公知の方法を適宜選択することで作製することができる。また、多孔質層13も従来公知の方法を適宜選択することで作製することができるが、例えば、多孔質層13を、非泳動粒子を含む繊維状構造体とする場合には、以下のように製造することができる。まず、繊維状構造体の原材料である樹脂材料を溶媒に溶解させて第1の溶液を調製する。次に、非泳動粒子である酸化チタンを第1の溶液に加えて混合し、紡糸溶液を調製する。次に、この紡糸溶液をシリンジなどに入れ、画素電極25が形成された基体21上に紡糸を行った後に乾燥することで非泳動粒子を含む繊維状構造体を得ることができる。また、電気泳動粒子12も、従来公知の方法で作製することができ、例えば、カーボンブラックなどに樹脂重合体などを被覆することなどによって得ることができる。次に、得られた電気泳動粒子12を絶縁性液体と混合し、さらに攪拌することで、絶縁性液体中に電気泳動粒子12が分散した絶縁性液体を調製する。
次に、グラフェン電極2の周縁部上に封止体31として樹脂フィルムを置いた後、その上に、グラフェン電極2と多孔質層13とが互いに対向するようにして基体21を重ねる。最後に、グラフェン電極2と基体21との間の空間に、例えば、封止体31に予め形成された注液口(図示せず)からグラフェン電極2と基体21との間の隙間に電気泳動粒子12を含む絶縁性液体を注入して、絶縁性液体層11を形成する。その後、この注液口を塞ぐ。こうして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子10の動作について説明する。
この電気泳動素子10は、電圧が印加されると、電気泳動部40内を電気泳動粒子12が移動することでコントラストが生じ画像表示素子として動作する。その原理は次の通りである。この場合においては、多孔質層13が白表示(明表示)、電気泳動粒子12が黒表示(暗表示)をするものとする。
この電気泳動素子10の動作について説明する。
この電気泳動素子10は、電圧が印加されると、電気泳動部40内を電気泳動粒子12が移動することでコントラストが生じ画像表示素子として動作する。その原理は次の通りである。この場合においては、多孔質層13が白表示(明表示)、電気泳動粒子12が黒表示(暗表示)をするものとする。
図2は、初期状態のときの電気泳動素子10、図3は、駆動状態のときの電気泳動素子10をそれぞれ示す。
図2に示すように、この電気泳動素子10は、画素電極25とグラフェン電極2との間に電圧が印加されていない初期状態においては、画素内の全ての電気泳動粒子12が退避部30に位置している。退避部30に位置する電気泳動粒子12は多孔質層13に完全に遮蔽されるので、その画素において表示部20は白色となる。つまり、外部から透明基体1に入射し、グラフェン電極2を経て多孔質層13に達した可視光は、その殆どが多孔質層13で散乱または反射される。反射された可視光は、再び、グラフェン電極2と透明基体1とを透過することで外部に放出され、人間の眼に入ることによって人間は白色と認識する。例えば、全ての画素が、この初期状態となっている場合には、表示部20全体は白色となる、つまり、画像が表示されていない状態となる。
図2に示すように、この電気泳動素子10は、画素電極25とグラフェン電極2との間に電圧が印加されていない初期状態においては、画素内の全ての電気泳動粒子12が退避部30に位置している。退避部30に位置する電気泳動粒子12は多孔質層13に完全に遮蔽されるので、その画素において表示部20は白色となる。つまり、外部から透明基体1に入射し、グラフェン電極2を経て多孔質層13に達した可視光は、その殆どが多孔質層13で散乱または反射される。反射された可視光は、再び、グラフェン電極2と透明基体1とを透過することで外部に放出され、人間の眼に入ることによって人間は白色と認識する。例えば、全ての画素が、この初期状態となっている場合には、表示部20全体は白色となる、つまり、画像が表示されていない状態となる。
一方、図3に示すように、画素電極25とグラフェン電極2との間に電圧が印加されると、退避部30内の全ての電気泳動粒子12が、貫通孔14を通過して表示部20に移動することによって、その画素において表示部20は黒色となる。つまり、外部から透明基体1に入射し、グラフェン電極2を経て表示部20に達した可視光は、多孔質層13に達する前にその殆どが電気泳動粒子12に吸収されることで、外部に放出される反射光はごく小さくなり人間は黒色と認識する。この場合、例えば、TFT22などによって、画素電極25とグラフェン電極2との間に電圧が印加される画素が任意に選ばれるとすると、表示部20は、白色を表示する画素と黒色を表示する画素とが混在することによってコントラストが生じる、つまり、画像が表示されている状態となる。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、電気泳動素子10の対向電極を、ITO電極と比較してシート抵抗に対する可視光透過率が高いグラフェン電極2としたので、この対向電極における導電性を犠牲にすることなく、可視光透過率を向上させることができる。これにより、電気泳動素子10の応答性を犠牲にすることなく表示部20への入射可視光および表示部20からの反射光の対向電極における損失を従来と比べて小さくすることができる。このように、対向電極における可視光の損失が小さくなることで、表示部20から反射する光を透明基板1からより多く放出することができ、従来と比較してコントラストの高い電気泳動素子10を得ることができる。
なお、電気泳動部40の構成は、この実施の形態の構成に限定されるものではなく、従来公知の電気泳動素子における電気泳動部の構成を適宜選択することができ、例えば、多孔質層13を有さない構成とすることもできる。
〈2.第2の実施の形態〉
[電気泳動素子]
図4は第2の実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2の一例を示した平面図である。図4に示すように、このグラフェン電極2は、正六角形形状を有する複数の開口部3を有し、同様に構成された開口部3が一定間隔で規則正しく並ぶことにより、全体として六角格子状(ハニカム状)の網状構造を有する。
[電気泳動素子]
図4は第2の実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2の一例を示した平面図である。図4に示すように、このグラフェン電極2は、正六角形形状を有する複数の開口部3を有し、同様に構成された開口部3が一定間隔で規則正しく並ぶことにより、全体として六角格子状(ハニカム状)の網状構造を有する。
開口部3は透明基体1の面上に設けられたグラフェン電極2を除去したものであり、その表面は透明基体1で構成されている。開口部3は、グラフェン電極2に少なくとも1つ形成されていれば、その、位置、大きさなどは限定されるものではないが、グラフェン電極2に対する開口率が25%以上75%以下であることが好ましく、25%以上50%以下であることがより好ましい。また、開口部3の形状は、基本的にはどのような形状であってもよいが、前記に示した正六角形形状の他に、例えば、三角形、正方形、長方形などのn角形(n≧3)形状、円、楕円などの形状などが挙げられ、n角形(n≧3)の場合には正n角形であることが好ましい。また、開口部3が複数形成される場合には、例えば、複数の開口部20が同じ大きさを有していることが好ましい。また、開口部3の配列の形態も基本的には限定されるものではないが、例えば、等間隔に配列されることが好ましい。この配列の形態としては、前記に示した六角格子状の配列の他に、三角格子状の配列、十字格子状の配列、パンチ孔配列などが挙げられる。また、複数の開口部3が六角格子状に配列されている場合には、六角形の開口部20の対向する2辺の間隔aが、8μm以上120μm以下であることが好ましく、8μm以上52μm以下であることがより好ましく、8μm以上20μm以下であることが最も好ましい。この間隔は、例えば、開口が正n角形(n≧3)の場合、nが偶数の場合には、対向する2辺の距離とすることができ、また、nが奇数の場合には、対向する頂点と辺との距離とすることができる。また、隣り合う開口部3に挟まれるグラフェン電極2の幅wは2μm以上32μm以下であることが好ましく、4μm以上16μm以下であることがより好ましく、4μm以上8μm以下であることが最も好ましい。その他のことは、第1の実施の形態による電気泳動素子10と同様である。
[電気泳動素子の製造方法]
この電気泳動素子10の製造方法は、まず、透明基体1上にグラフェン膜を形成し、その後、形成されたグラフェン膜に開口を形成し、開口を形成後にドーパントを塗布し乾燥することによって、開口部3を有するグラフェン電極2を得ることができる。開口の形成は、例えば、公知のエッチング法などが用いられるが、例えば、酸素RIE(Reactive Ion Etching)により、グラフェン膜を選択的に除去することが好ましい。また、ドーピングの工程は、グラフェン薄膜に開口を設ける前に行い、その後前記のようにして開口部3を設けてもよいし、グラフェン薄膜に前記のようにして開口部3を設けた後に、このドーピングの工程を行ってもよいが、開口を形成する際のドーパントへの影響を考えると、開口部3を設けた後に、ドーピングの工程を行うことが好ましい。その他のことは、第1の実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
この電気泳動素子10の製造方法は、まず、透明基体1上にグラフェン膜を形成し、その後、形成されたグラフェン膜に開口を形成し、開口を形成後にドーパントを塗布し乾燥することによって、開口部3を有するグラフェン電極2を得ることができる。開口の形成は、例えば、公知のエッチング法などが用いられるが、例えば、酸素RIE(Reactive Ion Etching)により、グラフェン膜を選択的に除去することが好ましい。また、ドーピングの工程は、グラフェン薄膜に開口を設ける前に行い、その後前記のようにして開口部3を設けてもよいし、グラフェン薄膜に前記のようにして開口部3を設けた後に、このドーピングの工程を行ってもよいが、開口を形成する際のドーパントへの影響を考えると、開口部3を設けた後に、ドーピングの工程を行うことが好ましい。その他のことは、第1の実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2に少なくとも1つの開口部3を設けたので、第1の実施の形態による電気泳動素子10と同様な利点を有するとともに、対向電極の可視光透過率をさらに向上させることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[電気泳動素子]
図5は第3の実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2の一例を示した平面図である。図5に示すように、このグラフェン電極2は、第2の実施の形態の電気泳動素子と同様に構成された開口部3を選択的に埋めるようにして設けられた透明層4を新たに有する。
[電気泳動素子]
図5は第3の実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2の一例を示した平面図である。図5に示すように、このグラフェン電極2は、第2の実施の形態の電気泳動素子と同様に構成された開口部3を選択的に埋めるようにして設けられた透明層4を新たに有する。
透明層4は、ドーピング工程において使用するドーパントが、第2の実施の形態において示した開口部3に固着するのを防止するために設けられた層である。透明層4は、開口部3の少なくとも一部を埋めるようにして設けられていれば、基本的には限定されるものではないが、開口部3の全面を埋めるようにして設けられることが好ましい。また、透明層4の厚さはグラフェン電極2の厚さと同じであることが好ましい。透明層4を構成する材料は、例えば、透明材料として前記に挙げた材料を適宜選択することができるが、その中でも親水性の透明樹脂であることが好ましい。また、可視光透過性の高い樹脂であることが好ましい。また、グラフェン膜へのドーパントおよびドーパント溶剤に対して耐性の高いものが好ましい。その他のことは、第2の実施の形態と同様である。
[電気泳動素子の製造方法]
この電気泳動素子10の製造方法は、第2の実施の形態と同様にして開口部3を有するグラフェン膜を形成後に、この開口部3を有するグラフェン膜の全面に亘って親水性の樹脂を塗布する。親水性の樹脂は、親水性の溶剤を用いることで塗布が可能となる。このとき、グラフェンよりも水に対する接触角が小さいもの透明基体1として選ぶと、表面張力によって透明基体1の面上のみに親水性の樹脂膜が形成される。この樹脂膜を乾燥させることによって透明層4を形成することができる。グラフェンよりも水に対する接触角が小さい透明材料としては、具体的には、例えば、ガラスなどの無機材料が挙げられる。その他のことは、第2の実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
この電気泳動素子10の製造方法は、第2の実施の形態と同様にして開口部3を有するグラフェン膜を形成後に、この開口部3を有するグラフェン膜の全面に亘って親水性の樹脂を塗布する。親水性の樹脂は、親水性の溶剤を用いることで塗布が可能となる。このとき、グラフェンよりも水に対する接触角が小さいもの透明基体1として選ぶと、表面張力によって透明基体1の面上のみに親水性の樹脂膜が形成される。この樹脂膜を乾燥させることによって透明層4を形成することができる。グラフェンよりも水に対する接触角が小さい透明材料としては、具体的には、例えば、ガラスなどの無機材料が挙げられる。その他のことは、第2の実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この第3の実施の形態によれば、グラフェン電極2に第2の実施の形態と同様な開口部3を設け、この開口部3を選択的に埋めるようにして、透明基体1上に透明層4を設けたので、第2の実施の形態と同様な利点を有するとともに、グラフェン電極2を形成する際のドーピングによる、開口部3へのドーパントの固着を防止することができる。
〈4.第4の実施の形態〉
[電気泳動素子]
図6は第4の実施の形態による電気泳動素子10を示した断面図である。図6に示すように、この電気泳動素子10は、グラフェン電極2の面上に反射防止層5を積層させて設けたものである。
[電気泳動素子]
図6は第4の実施の形態による電気泳動素子10を示した断面図である。図6に示すように、この電気泳動素子10は、グラフェン電極2の面上に反射防止層5を積層させて設けたものである。
反射防止層5は、グラフェン電極2との界面における可視光の反射を防止するために設けられる層であれば、基本的には限定されるものではないが、電気泳動粒子12とグラフェン電極2とが何らかの相互作用をすることを抑制する作用を有することが好ましい。また、反射防止層5は、グラフェン電極2上の少なくとも一部に設けられていれば、基本的には限定されるものではないが、グラフェン電極2の主面上の全面に設けられていることが好ましい。また、反射防止層5は、屈折率が、例えば、1以上であることが好ましく、透明基体1の屈折率よりも小さいことが好ましい。この屈折率は、具体的には、例えば、可視光の屈折率が1以上1.4以下であることが好ましい。また、反射防止層5は、例えば、高屈折率材料と低屈折率材料とを積層した構造体であってもよい。また、反射防止層5の厚さは、表示部20とグラフェン電極2との距離ができるだけ近くするように構成する必要があることから、できるだけ小さいことが好ましい。反射防止層5の厚さとしては、具体的には、例えば、0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましい。また、反射防止層5は、グラフェン電極2に開口部3を有する場合においても、前記と同様にしてグラフェン電極2の面上に設けることができる。この場合においては、反射防止層5は、グラフェン電極2の面上と開口部3の面上とに亘って設けられることが好ましく、これらの面上の全面に設けられることがより好ましい。
また、反射防止層5を構成する材料は、グラフェン膜の面上に膜を形成可能な可視光透過性を有する絶縁体であれば基本的には限定されるものではないが、例えば、グラフェン膜の面上への成膜性が良好な材料であることが好ましい。グラフェン膜の面上への成膜性が良好な材料は、例えば、塗工可能な樹脂材料であることが好ましく、具体的には、例えば、溶媒に溶解し、塗布および乾燥によって膜を形成する熱可塑性樹脂材料であることが好ましい。また、例えば、塗布後に熱もしくは光で硬化が可能な、熱硬化性樹脂材料、光硬化性樹脂材料、またその他の化学反応性樹脂材料であることが好ましい。これらの樹脂材料としては、具体的には、例えば、ポリカーボネート樹脂、PES樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタンアクリレート、ビニル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オキタセン、ブタジエン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリイミド、アリル系樹脂などが挙げられる。また、反射防止層5を構成する材料は、例えば、屈折率が小さい低屈折率材料であることが好ましく、特に可視光屈折率の小さい材料であることが好ましい。可視光屈折率が小さい材料としては、例えば、アクリル系フッ素樹脂、エポキシ系フッ素樹脂、ポリエステル系フッ素樹脂、ポリビニル系フッ素樹脂などのフッ素系樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ナフィオン(商品名:デュポン社)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン重合体(FEP)などが挙げられ、その他のものとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ホワイトカーボンなどが挙げられる。また、反射防止層5を構成する材料は、前記に挙げた樹脂の中でも、例えば、グラフェンとの屈折率差が小さい材料であることが好ましい。また、反射防止層5は、グラフェン電極2の保護膜として構成してもよく、このとき、反射防止層5を構成する材料は、例えば、前記に挙げた材料のほかに、無機材料などで構成することができる。無機材料としては、具体的には、例えば、SiO2、HfO2、ZrO2、Al2O3、TiO2などが挙げられる。
このように、グラフェン電極2の面上に反射防止層5を設けたので、グラフェン電極2の絶縁性液体層11側の面上で起こる可視光の反射を低減することができる。また、反射防止層5はグラフェン電極2の保護膜としての作用も有し、反射防止層5によって、グラフェン電極2と電気泳動粒子12とが直接触れないようにすることによって、グラフェン電極2上に電気泳動粒子12が凝集することを防止することができる。その他のことは、第1〜3のいずれかの実施の形態と同様である。
[電気泳動素子の製造方法]
この電気泳動素子10の製造方法は、透明基体1の主面上にグラフェン電極2を形成後、任意の方法で開口部3を形成する。次に、このグラフェン電極2の主面上に樹脂などを塗布し、その後乾燥などさせることで反射防止層5を形成すること以外は、第1および第2のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
この電気泳動素子10の製造方法は、透明基体1の主面上にグラフェン電極2を形成後、任意の方法で開口部3を形成する。次に、このグラフェン電極2の主面上に樹脂などを塗布し、その後乾燥などさせることで反射防止層5を形成すること以外は、第1および第2のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子10が製造される。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この電気泳動素子10の動作は、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この第4の実施の形態によれば、第1〜3のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10のグラフェン電極2の面上の少なくとも一部に反射防止層5を設けたので、第1〜3の実施の形態と同様な利点を有するとともに、グラフェン電極2の絶縁性液体層11側の面上で起こる可視光の反射を低減することができる。また、反射防止層5はグラフェン電極2の保護膜としての作用も有し、反射防止層5によって、グラフェン電極2と電気泳動粒子12とが直接触れないようにすることによって、グラフェン電極2上に電気泳動粒子12が凝集することを防止することができる。
〈5.第5の実施の形態〉
[電気泳動素子]
図7は第5の実施の形態による電気泳動素子60を示した断面図である。図7に示すように、この電気泳動素子60は、第1〜第4のいずれかの実施の形態の電気泳動素子10において、グラフェン電極2と透明基体1との間にカラーフィルタ61を設けたものである。この実施の形態によれば、電気泳動素子60をカラー化する場合に、透明基体1とグラフェン電極2との間にカラーフィルタ61を設けたので、透明基体1の光入射面上にカラーフィルタを設ける場合と比較して、視差が起こりにくいカラーの電気泳動素子60を得ることができる。その他のことは、第1〜4のいずれかの実施の形態と同様である。
[電気泳動素子]
図7は第5の実施の形態による電気泳動素子60を示した断面図である。図7に示すように、この電気泳動素子60は、第1〜第4のいずれかの実施の形態の電気泳動素子10において、グラフェン電極2と透明基体1との間にカラーフィルタ61を設けたものである。この実施の形態によれば、電気泳動素子60をカラー化する場合に、透明基体1とグラフェン電極2との間にカラーフィルタ61を設けたので、透明基体1の光入射面上にカラーフィルタを設ける場合と比較して、視差が起こりにくいカラーの電気泳動素子60を得ることができる。その他のことは、第1〜4のいずれかの実施の形態と同様である。
[電気泳動素子の製造方法]
透明基体1の主面上の全面にカラーフィルタ61を形成、または、主面上の全面にカラーフィルタ61が形成されている透明基体1を用意し、カラーフィルタ61の主面上の全面にグラフェン電極2を形成する。この場合、従来の対向電極に用いられているITO膜をカラーフィルタ61上にスパッタリング法などで成膜すると、カラーフィルタ61に含まれる色素などへのダメージが避けられない。これに対し、グラフェン電極2の形成は、上述したように、例えば、触媒基体上に形成されたグラフェン膜を転写することで行われる。このように、グラフェン電極2を対向電極とすると、カラーフィルタ61にダメージを与えることなくカラーフィルタ61上に対向電極を形成することができる。その他のことは、第1〜4のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子20が製造される。
透明基体1の主面上の全面にカラーフィルタ61を形成、または、主面上の全面にカラーフィルタ61が形成されている透明基体1を用意し、カラーフィルタ61の主面上の全面にグラフェン電極2を形成する。この場合、従来の対向電極に用いられているITO膜をカラーフィルタ61上にスパッタリング法などで成膜すると、カラーフィルタ61に含まれる色素などへのダメージが避けられない。これに対し、グラフェン電極2の形成は、上述したように、例えば、触媒基体上に形成されたグラフェン膜を転写することで行われる。このように、グラフェン電極2を対向電極とすると、カラーフィルタ61にダメージを与えることなくカラーフィルタ61上に対向電極を形成することができる。その他のことは、第1〜4のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10の製造方法と同様にして、目的とする電気泳動素子20が製造される。
この実施の形態の製造方法によれば、グラフェン電極2を対向電極としたので、カラーフィルタ61にダメージを及ぼすことなくカラーフィルタ61の面上に対向電極であるグラフェン電極2を形成することができる。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子20の動作は、表示部20において反射した光がカラーフィルタ61を透過して外部に放出されることでカラーの画像が表示されること以外のことは、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
[電気泳動素子の動作]
この電気泳動素子20の動作は、表示部20において反射した光がカラーフィルタ61を透過して外部に放出されることでカラーの画像が表示されること以外のことは、第1の実施の形態による電気泳動素子10の動作と同様である。
この第5の実施の形態によれば、第1〜4のいずれかの実施の形態による電気泳動素子10の透明基体1とグラフェン電極2との間にカラーフィルタ61を設けたので、電気泳動素子をカラー化しても視差の生じにくくすることができる。また、カラーフィルタ61上にグラフェン電極2を形成する場合、カラーフィルタ61へのダメージがないので、白黒の電気泳動素子10と同等の性能を有するカラー画像を表示できる電気泳動素子60を得ることができる。
〈6.第6の実施の形態〉
[表示装置]
第6の実施の形態においては、第1〜第5の実施の形態で説明した電気泳動素子10、60の適用例について説明する。前記実施の形態の電気泳動素子10、60は、駆動回路などをさらに備えることなどによって表示装置に適用することができる。また、この表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
[表示装置]
第6の実施の形態においては、第1〜第5の実施の形態で説明した電気泳動素子10、60の適用例について説明する。前記実施の形態の電気泳動素子10、60は、駆動回路などをさらに備えることなどによって表示装置に適用することができる。また、この表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
[電子機器]
本技術の表示装置は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。
本技術の表示装置は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。
図8AおよびBは、電子ブック300の外観構成を表している。この電子ブック300は、例えば、表示部310および非表示部320と、操作部330とを備えている。操作部330は、図8Aに示したように非表示部320の前面に設けられていてもよいし、図8Bに示したように上面に設けられていてもよい。なお、表示装置は、図8AおよびBに示した電子ブック300と同様の構成を有するPDAなどに搭載されてもよい。
図9は、テレビジョン装置400の外観構成を表している。このテレビジョン装置400は、例えば、フロントパネル410およびフィルターガラス430を含む映像表示画面部420を備えている。
図10AおよびBは、デジタルスチルカメラ500の外観構成を表しており、図10AおよびBは、それぞれ前面および後面を示している。このデジタルスチルカメラ500は、例えば、フラッシュ用の発光部510と、表示部520と、メニュースイッチ530と、シャッターボタン540とを備えている。
図11は、ノート型パーソナルコンピュータ600の外観構成を表している。このノート型パーソナルコンピュータ600は、例えば、本体610と、文字等の入力操作用のキーボード620と、画像を表示する表示部630とを備えている。
図12は、ビデオカメラ700の外観構成を表している。このビデオカメラ700は、例えば、本体部710と、その本体部710の前面に設けられた被写体撮影用のレンズ720と、撮影時のスタート/ストップスイッチ730と、表示部740とを備えている。
図13A〜Gは、携帯電話機800の外観構成を表している。図13AおよびBは、それぞれ携帯電話機800を開いた状態の正面および側面を示している。図13C〜Gは、それぞれ携帯電話機800を閉じた状態の正面、左側面、右側面、上面および下面を示している。この携帯電話機800は、例えば、上側筐体810と下側筐体820とが連結部(ヒンジ部)830を介して連結されたものであり、ディスプレイ840と、サブディスプレイ850と、ピクチャーライト860と、カメラ870とを備えている。
〈実施例1〉(第1の実施の形態に対応する実施例)
まず、以下の方法でグラフェン電極が面上に形成されたガラス基板を作製した。
熱CVD法により触媒基板上にグラフェンの合成をした。グラフェンの合成は以下のように行った。まずCu箔を触媒基板とし、メタン:水素=100cc:5cc雰囲気の下で温度960℃、10分成長させた。次に、ガラス基板を用意し、このガラス基板上へ合成したグラフェンを転写した。ガラス基板上への転写は以下のように行った。まず、グラフェン薄膜を成長させたCu箔上に4% ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)溶液を塗布した。この塗布は2000rpm、40秒間でスピンコートすることによって行った。その後、このCu箔を130℃で5分ベークし、1Mの硝酸鉄溶液を用いてCuをエッチングした。エッチング後、超純水で洗浄して、ガラス基板上の全面に転写し、自然乾燥した。その後、このガラス基板を、水素雰囲気の下で400℃でアニールし、PMMAを除去することによりグラフェン薄膜が全面に形成されたガラス基板を得た。
まず、以下の方法でグラフェン電極が面上に形成されたガラス基板を作製した。
熱CVD法により触媒基板上にグラフェンの合成をした。グラフェンの合成は以下のように行った。まずCu箔を触媒基板とし、メタン:水素=100cc:5cc雰囲気の下で温度960℃、10分成長させた。次に、ガラス基板を用意し、このガラス基板上へ合成したグラフェンを転写した。ガラス基板上への転写は以下のように行った。まず、グラフェン薄膜を成長させたCu箔上に4% ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)溶液を塗布した。この塗布は2000rpm、40秒間でスピンコートすることによって行った。その後、このCu箔を130℃で5分ベークし、1Mの硝酸鉄溶液を用いてCuをエッチングした。エッチング後、超純水で洗浄して、ガラス基板上の全面に転写し、自然乾燥した。その後、このガラス基板を、水素雰囲気の下で400℃でアニールし、PMMAを除去することによりグラフェン薄膜が全面に形成されたガラス基板を得た。
次に、得られたガラス基板上のグラフェン薄膜に以下のようにしてドーピングを行った。 塩化金(AuCl3)をニトロメタンに溶解して10mMの溶液を得た。この溶液を、ガラス基板上のグラフェン薄膜が形成されている側に塗布した。この塗布は2000rpm、40秒間でスピンコートすることによって行った。その後、このガラス基板を真空乾燥する。これによって、アクセプタ分子である塩化金がグラフェン薄膜に吸着し、ドーピングされたグラフェン薄膜であるグラフェン電極が面上に形成されたガラス基板を得た。得られたグラフェン電極の厚さは0.3nmであった。
次に、以下の手順により、黒色の電気泳動粒子および白色の多孔質層(粒子含有繊維状構造体)を作製した。最初に、カーボンブラック(三菱化学株式会社製#40)10gを水1dm3(=L)に加えて電磁攪拌したのち、塩酸(37重量%)1cm3(=1mL)と4−ビニルアニリン0.2gとを加えて溶液Aを準備した。続いて、亜硝酸ナトリウム0.3gを水10cm3に溶解させたのち、40℃まで加熱して溶液Bを準備した。続いて、溶液Aに溶液Bをゆっくり加えたのち、10時間攪拌した。続いて、反応により得られた生成物を遠心分離して固形物を得た。続いて、固形物を水でリンスし、さらにアセトンで遠心分離しながらリンスしたのち、真空乾燥機(50℃)で一晩乾燥した。
続いて、窒素パージ装置、電磁攪拌棒および還流カラムが取り付けられた反応フラスコ中に、固形物5gと、トルエン100cm3と、メタクリル酸2−エチルヘキシル15cm3と、AIBN0.2gとを入れて混合した。続いて、攪拌しながら反応フラスコを窒素で30分間パージした。続いて、反応フラスコを油浴に投入し、連続攪拌しながら80℃まで徐々に加熱したのち、10時間維持した。続いて、固形物を遠心分離し、その固形物をテトラヒドロフラン(THF)および酢酸エチルと一緒に遠心分離を3回行うごとにリンスしたのち、固形物を取り出して真空乾燥機(50℃)で一晩乾燥した。これにより、黒色の電気泳動粒子である重合体被覆カーボンブラック4.7gを得た。
続いて、絶縁性液体として、N,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、12−ヒドロキシオクタデカン酸およびメトキシスルホニルオキシメタン(Lubrizol社製Solsperse17000)を0.5%含むと共にソルビタントリオレエート(Span85)を1.5%含むIsoparG (エクソンモービル社製)溶液を準備したのち、その絶縁性液体9.9gに電気泳動粒子0.1gを加えて、ビーズミルで5分間攪拌した。続いて、混合液を遠心分離機(2000rpm)で遠心分離(5分間)したのち、ビーズを取り除いた。
続いて、繊維状構造体の原材料であるポリアクリロニトリル(PAN:Aldrich 社製,分子量=150000)12gをN,N’−ジメチルホルムアミド88gに溶解させて溶液Cを準備した。続いて、非泳動粒子である酸化チタン(堺化学工業株式会社製TITONE R-42 )40gを溶液C60gに加えたのち、ビーズミルで混合して紡糸溶液を準備した。続いて、紡糸溶液をシリンジに入れ、所定のパターン形状の画素電極(ITO)が形成されたガラス基板の上で、電界紡糸装置(株式会社メック製NANON )により8往復分の紡糸を行った。紡糸条件は、電界強度=28kV、吐出速度=0.5cm3/分、紡糸距離=15cm、スキャンレート=20mm/秒とした。続いて、ガラス基板を真空オーブン(温度=75℃)中で12時間乾燥して、繊維状構造体(高分子材料)を形成した。これにより、白色の多孔質層として、非泳動粒子を含む繊維状構造体を得た。
続いて、前記の工程によって得られたグラフェン電極を対向電極として、グラフェン電極が面上に形成されているガラス基板上に、封止体であるスペーサとしてPETフィルム(50mm厚)を置いた後、その上に画素電極および多孔質層を構成する繊維状構造体が形成されたガラス基板を重ねた。最後に、2枚の硝子板の間の隙間に、電気泳動粒子が分散された絶縁性液体を注入した。こうして、目的とする電気泳動素子を得た。
〈実施例2〉(第2の実施の形態に対応する実施例)
まず、実施例1と同様にして製造し、グラフェン薄膜が全面に形成されたガラス基板を得た。
まず、実施例1と同様にして製造し、グラフェン薄膜が全面に形成されたガラス基板を得た。
次に、得られたガラス基板上のグラフェン薄膜に以下のようにして開口部を形成した。
開口は以下のようにして形成した。ガラス基板上に形成したグラフェン薄膜上に、スピンコートによって、フォトレジストを塗布しフォトレジスト層を成膜した。次に、フォトレジスト層を選択的に露光し現像したのち、酸素RIE(Reactive Ion Etching)により、グラフェン薄膜を選択的に除去した。開口部は図4に示すような、正六角形の開口を、等間隔に複数並べて構成される六角格子状(ハニカム状)の開口部とした。正六角形の開口は全て同一の形状、大きさであって、開口の対向する辺の間隔aが51.8mmとなるように形成した。また、グラフェン薄膜は、隣り合う開口の対向する辺の幅wが8μmとなるように形成した。形成されたグラフェン薄膜の被覆率は25%であった。その後、フォトレジスト層を除去し、開口部を有するグラフェン薄膜が全面に形成されているガラス基板を得た。
開口は以下のようにして形成した。ガラス基板上に形成したグラフェン薄膜上に、スピンコートによって、フォトレジストを塗布しフォトレジスト層を成膜した。次に、フォトレジスト層を選択的に露光し現像したのち、酸素RIE(Reactive Ion Etching)により、グラフェン薄膜を選択的に除去した。開口部は図4に示すような、正六角形の開口を、等間隔に複数並べて構成される六角格子状(ハニカム状)の開口部とした。正六角形の開口は全て同一の形状、大きさであって、開口の対向する辺の間隔aが51.8mmとなるように形成した。また、グラフェン薄膜は、隣り合う開口の対向する辺の幅wが8μmとなるように形成した。形成されたグラフェン薄膜の被覆率は25%であった。その後、フォトレジスト層を除去し、開口部を有するグラフェン薄膜が全面に形成されているガラス基板を得た。
次に、得られた開口部を有するガラス基板上のグラフェン薄膜に実施例1と同様に製造してドーピングを行い、開口部を有するグラフェン電極を得た。以下、実施例1と同様にして製造し、目的とする電気泳動素子を得た。
〈実施例3〉(第3の実施の形態に対応する実施例)
まず、実施例1と同様に製造して、グラフェン電極が全面に形成されたガラス基板を得た。
まず、実施例1と同様に製造して、グラフェン電極が全面に形成されたガラス基板を得た。
次に、グラフェン電極の面上に反射防止層であるナフィオン(商品名、米国デュポン社)膜を以下のようにして形成した。
10wt%のナフィオン水溶液DE−1021(商品名、米国デュポン社)をイソプロピルアルコール(IPA)で5倍に希釈をして2wt%のナフィオン溶液を得た。次に、得られたガラス基板のドーピングされたグラフェン薄膜が形成された側の面上に、調整したナフィオン溶液を塗布する。この塗布は3000rpm、60秒間でスピンコートすることによって行った。その後、10分間乾燥させることで、グラフェン電極全体を覆うようにしてナフィオン(商品名、米国デュポン社)膜が形成した。得られたナフィオン(商品名、米国デュポン社)膜の膜厚は0.1μmであった。ナフィオン(商品名、米国デュポン社)は化学式(1)で示すものを使用した。その他のことは、実施例1と同様にして製造し、目的とする電気泳動素子を得た。
〈実施例4〉(第3の実施の形態に対応する実施例)
まず、実施例2と同様に製造して、開口部を有するグラフェン電極が全面に形成されたガラス基板を得た。次に、実施例3と同様にして、開口部を有するグラフェン電極の全面を覆うようにしてナフィオン(商品名、米国デュポン社)膜を形成した。その他のことは実施例1と同様にして目的とする電気泳動素子を得た。
まず、実施例2と同様に製造して、開口部を有するグラフェン電極が全面に形成されたガラス基板を得た。次に、実施例3と同様にして、開口部を有するグラフェン電極の全面を覆うようにしてナフィオン(商品名、米国デュポン社)膜を形成した。その他のことは実施例1と同様にして目的とする電気泳動素子を得た。
〈比較例〉
従来公知の方法で製造して、ガラス基板の全面にITO電極を形成した。得られたITO電極の厚さは0.03μmであった。それ以外のことは、グラフェン電極をITO電極として実施例1と同様にして製造し、目的とする電気泳動素子を得た。
従来公知の方法で製造して、ガラス基板の全面にITO電極を形成した。得られたITO電極の厚さは0.03μmであった。それ以外のことは、グラフェン電極をITO電極として実施例1と同様にして製造し、目的とする電気泳動素子を得た。
[グラフェン電極の特性評価]
電気泳動素子の特性を評価する前の予備的な評価として、まず、実施例1〜3において作製したグラフェン電極の特性についての評価を行った。
電気泳動素子の特性を評価する前の予備的な評価として、まず、実施例1〜3において作製したグラフェン電極の特性についての評価を行った。
表1は、実施例1〜3において製造されたグラフェン電極の光透過率とシート抵抗とを示し比較したものである。光透過率の評価は、波長550nmの緑色光をガラス基板の光入射面に照射して、ガラス基板の光入射面からのグラフェン電極を透過する光の透過率を測定することで行った。
表1に示すように、実施例2および実施例4の開口部を有するグラフェン電極は、実施例3の一様に形成されたグラフェン電極よりもシート抵抗が著しく上昇する結果となった。これは、被覆率の差によるものであると考えられる。一方、実施例2および実施例4のグラフェン膜を有するガラス基板の光透過率は、実施例2が実施例4よりも光透過率が下がる結果となった。この原因としては、開口部のガラス基板面にドーパントである塩化金が固着することが挙げられる。塩化金はガラス表面に非常に固着しやすいので、グラフェン薄膜へのドーピングの際に、開口部に余剰の塩化金が大量に固着して光透過率を悪化させる結果となる。これは、透明基板をガラス基板から透明樹脂基板、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)基板とすることで解決できる。PET基板には塩化金がほとんど固着しないからである。また、実施例3においては、透過率が実施例2と比較して2.2%、実施例4と比較して1.6%上昇した。実施例4に対する光透過率の向上は、グラフェン膜に開口を設けたことによるものと考えられる。また、実施例2に対する光透過率の向上は、グラフェン電極の面上に反射防止層であるナフィオン膜を設けたことにより、グラフェン電極の界面における反射が低減されたためであると考えられる。
ここで、光透過率の理論値について考察する。まず、ガラス基板の透過率を、例えば、91.5%に設定する。そうすると、ガラス基板上に被覆率100%でグラフェン膜を作製した場合の光透過率の理論値は89.4%となる。また、ガラス基板上に被覆率25%でグラフェン膜を作製した場合の光透過率の理論値は91%となる。次に、グラフェン膜に塩化金によるドーピングをした場合の光透過率の理論値について考察する。グラフェン膜に塩化金をドーピングすると、上述したように光透過率の損失が起こる。ドーパントである塩化金による光透過率の損失を、例えば、0.5%とすると、被覆率100%のグラフェン膜を有する透明基板の光透過率の理論値は88.9%、被覆率25%のグラフェン膜を有する透明基板の光透過率は89.4%となり、前記に示した測定値とよく一致する。次に、グラフェン電極上にナフィオン膜を設けた場合の光透過率の理論値について考察する。ナフィオン膜によってグラフェン電極の界面における反射を、例えば、2.6%低減できるとすると、被覆率100%のグラフェン膜を有する透明基板の光透過率の理論値は91.5%、被覆率25%のグラフェン膜を有する透明基板の光透過率の理論値は93.1%となる。前記に示した測定値は、理論値よりも低いがグラフェン電極の界面における反射が抑制されることによって光透過率が上昇している。測定値が理論値よりも低かった理由としては、製造中における不純物の混入などにより透過率が低下したものと考えられる。
このように、ガラス基板上に設けられたグラフェン電極の被覆率を25%とし、さらにガラス基板のグラフェン電極が設けられた側の全面にナフィオン膜を設けると、光透過率が上昇することが示された。また、透明基板をガラス基板に代えてPET基板などの透明樹脂基板とすると、透明基板への塩化金の固着を回避することができ、今回の測定で得られたものよりもさらに高い光透過率を有するグラフェン電極が得られるものと考えられる。また、開口部への塩化金の固着を防止するために以下のような方法を取ることもできる。まず第1の方法としては、開口部を有するグラフェン電極が形成されたガラス基板全体を、例えば、シランカップリング剤などで処理する方法が挙げられる。こうすることによって、開口部における水に対する接触角を上げることができ、塩化金の固着を抑制することができる。第2の方法としては、ガラス基板の主面を、例えば、シランカップリング剤などで処理し、水に対する接触角を上げることが上げられる。この主面にグラフェン膜を形成して開口部を形成し、さらに塩化金によるドーピングを行うと、開口部表面における表面エネルギーが初期の状態と異なるため、塩化金が固着しにくくなる。
[電気泳動素子の特性評価]
次に、電気泳動素子の特性について評価を行った。
表2は、実施例1および比較例の電気泳動素子において、それぞれの表示部に光を照射して光反射率を計測し、その結果を示したものである。この光反射率は、白側(多孔質層)と黒側(電気泳動粒子)とにおいて測定し、両者の光反射率の差によって表示部におけるコントラストを評価した。
次に、電気泳動素子の特性について評価を行った。
表2は、実施例1および比較例の電気泳動素子において、それぞれの表示部に光を照射して光反射率を計測し、その結果を示したものである。この光反射率は、白側(多孔質層)と黒側(電気泳動粒子)とにおいて測定し、両者の光反射率の差によって表示部におけるコントラストを評価した。
表2に示すように、実施例1は、比較例に対して白側の反射率が小さくなり、黒側の反射率が大きくなり、比較例1よりも実施例1の方がコントラストが低くなるという結果となった。これは、単にITO膜をグラフェン膜に変えた電極を対向電極として用いても、白側と黒側との反射率の差はITO膜を用いた時と比較して小さくはならず、対向電極による反射光の損失は低減できないということと言える。
次に、開口を有するグラフェン電極を備えた電気泳動素子の表示部におけるコントラストについて評価を行った。
表3は、実施例2、実施例4および比較例において、それぞれの表示部に光を照射して光反射率を計測し、その結果を示したものである。
表3は、実施例2、実施例4および比較例において、それぞれの表示部に光を照射して光反射率を計測し、その結果を示したものである。
表3に示すように、実施例2は比較例1に対して白側の反射率が上昇する。しかしながら、黒側においても反射率は大幅に上昇し、表示部におけるコントラストは低下する。これは、電気泳動素子を駆動すると、電気泳動粒子がグラフェン上に凝集してしまうからであると考えられる。この凝集の原因としては、電気泳動粒子が、グラフェン電極と電気泳動粒子とが直接触れるようにして構成されているからであると考えられる。一方、実施例4は、実施例2と比較して黒側の反射率の上昇が大幅に抑えられている。これは、グラフェン電極上に設けられたナフィオン膜が界面における反射を抑えるとともに、このナフィオン膜がグラフェン電極の保護層となることで、グラフェン電極への電気泳動粒子の凝集が抑えられたためであると考えられる。
以上、実施の形態および実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電気泳動素子。
(2)前記グラフェンは少なくとも1つの開口部を有する前記(1)に記載の電気泳動素子。
(3)前記グラフェン上の少なくとも一部に反射防止層が設けられている前記(1)または(2)に記載の電気泳動素子。
(4)前記絶縁性液体層を介して、前記グラフェンに対向するようにして画素電極が設けられている前記(1)から(3)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(5)前記多孔質層は前記絶縁性液体層を第1の絶縁性液体層と第2の絶縁性液体層とに分割するようにして設けられている前記(1)から(4)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(6)前記多孔質層の前記第1の基体に対向する側の面上に前記第1の絶縁性液体層が、前記第2の基体に対向する側の面上は前記第2の絶縁性液体層がそれぞれ接している前記(1)から(5)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(7)前記多孔質層に、前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層とを連通可能に構成された少なくとも1つの貫通孔が設けられている前記(1)から(6)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(8)前記貫通孔は、前記電気泳動粒子が前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層との間を相互に通過可能に構成されている前記(7)に記載の電気泳動素子。
(9)前記開口部は、六角格子状に形成されている前記(2)から(8)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(10)前記グラフェンの開口率が25%以上75%以下である前記(2)から(9)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(11)前記グラフェンは、ドーピングされたグラフェンからなる前記(1)から(10)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(12)前記ドーピングされたグラフェンは、グラフェン上に吸着しているアクセプタ分子を有する前記(11)に記載の電気泳動素子。
(13)前記アクセプタ分子は塩化金である前記(12)に記載の電気泳動素子。
(14)前記多孔質層は、非泳動粒子と繊維状構造体とを有し、前記非泳動粒子は前記電気泳動粒子とは光学的反射特性の異なる前記(1)から(13)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(15)前記第1の基体および前記第2の基体のうち光透過性を有するものと、前記グラフェンとの間にカラーフィルタが設けられている前記(1)から(14)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(16)少なくとも1つの電気泳動素子を備え、前記電気泳動素子が、
第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にはグラフェンが設けられている表示装置。
(17)少なくとも1つの表示装置を備え、前記表示装置が、少なくとも1つの電気泳動素子を備え、前記電気泳動素子が、第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にはグラフェンが設けられている電子機器。
(1)第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電気泳動素子。
(2)前記グラフェンは少なくとも1つの開口部を有する前記(1)に記載の電気泳動素子。
(3)前記グラフェン上の少なくとも一部に反射防止層が設けられている前記(1)または(2)に記載の電気泳動素子。
(4)前記絶縁性液体層を介して、前記グラフェンに対向するようにして画素電極が設けられている前記(1)から(3)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(5)前記多孔質層は前記絶縁性液体層を第1の絶縁性液体層と第2の絶縁性液体層とに分割するようにして設けられている前記(1)から(4)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(6)前記多孔質層の前記第1の基体に対向する側の面上に前記第1の絶縁性液体層が、前記第2の基体に対向する側の面上は前記第2の絶縁性液体層がそれぞれ接している前記(1)から(5)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(7)前記多孔質層に、前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層とを連通可能に構成された少なくとも1つの貫通孔が設けられている前記(1)から(6)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(8)前記貫通孔は、前記電気泳動粒子が前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層との間を相互に通過可能に構成されている前記(7)に記載の電気泳動素子。
(9)前記開口部は、六角格子状に形成されている前記(2)から(8)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(10)前記グラフェンの開口率が25%以上75%以下である前記(2)から(9)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(11)前記グラフェンは、ドーピングされたグラフェンからなる前記(1)から(10)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(12)前記ドーピングされたグラフェンは、グラフェン上に吸着しているアクセプタ分子を有する前記(11)に記載の電気泳動素子。
(13)前記アクセプタ分子は塩化金である前記(12)に記載の電気泳動素子。
(14)前記多孔質層は、非泳動粒子と繊維状構造体とを有し、前記非泳動粒子は前記電気泳動粒子とは光学的反射特性の異なる前記(1)から(13)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(15)前記第1の基体および前記第2の基体のうち光透過性を有するものと、前記グラフェンとの間にカラーフィルタが設けられている前記(1)から(14)のいずれかに記載の電気泳動素子。
(16)少なくとも1つの電気泳動素子を備え、前記電気泳動素子が、
第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にはグラフェンが設けられている表示装置。
(17)少なくとも1つの表示装置を備え、前記表示装置が、少なくとも1つの電気泳動素子を備え、前記電気泳動素子が、第1の基体と、前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にはグラフェンが設けられている電子機器。
1…透明基体、2…グラフェン電極、3…開口部、4…透明層、11…絶縁性液体層、12…電気泳動粒子、13…多孔質層、14…貫通孔、20…表示部、21…基体、22…TFT、23…保護膜、24…平坦化絶縁膜、25…画素電極、30…退避部、31…封止体、40…電気泳動部。
Claims (17)
- 第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体のうちの、光透過性を有するものの前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電気泳動素子。 - 前記グラフェンは少なくとも1つの開口部を有する請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記グラフェン上の少なくとも一部に反射防止層が設けられている請求項2に記載の電気泳動素子。
- 前記絶縁性液体層を介して、前記グラフェンに対向するようにして画素電極が設けられている請求項3に記載の電気泳動素子。
- 前記多孔質層は前記絶縁性液体層を第1の絶縁性液体層と第2の絶縁性液体層とに分割するようにして設けられている請求項4に記載の電気泳動素子。
- 前記多孔質層の前記第1の基体に対向する側の面上に前記第1の絶縁性液体層が、前記第2の基体に対向する側の面上は前記第2の絶縁性液体層がそれぞれ接している請求項5に記載の電気泳動素子。
- 前記多孔質層に、前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層とを連通可能に構成された少なくとも1つの貫通孔が設けられている請求項6に記載の電気泳動素子。
- 前記貫通孔は、前記電気泳動粒子が前記第1の絶縁性液体層と前記第2の絶縁性液体層との間を相互に通過可能に構成されている請求項7に記載の電気泳動素子。
- 前記開口部は、六角格子状に形成されている請求項2に記載の電気泳動素子。
- 前記グラフェンの開口率が25%以上75%以下である請求項9に記載の電気泳動素子。
- 前記グラフェンは、ドーピングされたグラフェンからなる請求項10に記載の電気泳動素子。
- 前記ドーピングされたグラフェンは、グラフェン上に吸着しているアクセプタ分子を有する請求項11に記載の電気泳動素子。
- 前記アクセプタ分子は塩化金である請求項12に記載の電気泳動素子。
- 前記多孔質層は、非泳動粒子と繊維状構造体とを有し、前記非泳動粒子は前記電気泳動粒子とは光学的反射特性の異なる請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記第1の基体および前記第2の基体のうち光透過性を有するものと、前記グラフェンとの間にカラーフィルタが設けられている請求項1に記載の電気泳動素子。
- 少なくとも1つの電気泳動素子を備え、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている表示装置。 - 少なくとも1つの表示装置を備え、
前記表示装置が、少なくとも1つの電気泳動素子を備え、
前記電気泳動素子が、
第1の基体と、
前記第1の基体に対向して設けられた第2の基体と、
前記第1の基体と前記第2の基体との間に設けられた絶縁性液体層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた多孔質層と、
前記絶縁性液体層中に設けられた電気泳動粒子とを有し、
前記第1の基体および前記第2の基体のうちの少なくとも一方が光透過性を有し、前記第1の基体および前記第2の基体を形成する面のうち、光透過性を有し前記絶縁性液体層に接する面の少なくとも一部にグラフェンが設けられている電子機器。
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